JP2015167146A - 圧着体及び圧着体の製造方法 - Google Patents

圧着体及び圧着体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リード線の芯線をより強固に固定する。【解決手段】接触金具の保持部71gは、芯線の圧着前の状態において、第1先端部分72aの厚さT1が底部74の厚さSaの70%以下であり、且つ、第2先端部分73aの厚さT2が底部74の厚さSaの70%以下となっている。また、厚さT1,T2はいずれも圧着対象のリード線の芯線の圧着前の径よりも小さい。さらに、第1先端部分72a及び第2先端部分73aは、圧縮加工により形成されている。この保持部71gを用いて、第1先端部分72aと第2先端部分73aとを底部74側に向けるように第1側部72と第2側部73とを湾曲させ、底部74と第1側部72と第2側部73とで複数の芯線を囲んで圧着する。【選択図】図11

Description

本発明は、圧着端子に関する。
従来、リード線の芯線を固定する固定部を有する圧着端子が知られている。例えば、特許文献1には、底壁と、底壁の両端から起立する一対の側壁とを有する固定部を備え、側壁における底壁とは反対側に位置する両先端部位が底壁側に向かって曲げられているとともに、底壁及び両側壁によりリード線の芯線を囲んでいる内包部が形成された圧着端子が記載されている。そして、固定部の最大幅,内包部の最大幅,及び底壁の最小肉厚の関係と、底壁から底壁と最も離れた側壁の起点までの最大高さと起点から各先端部位の端部までの最大高さとの関係と、が所定の条件を満たすようにすることで、リード線の芯線を強固に固定することができるとしている。
特開2007−5202号公報
ところで、圧着端子がリード線の芯線を強固に固定することができないときには、例えば圧着後にリード線が抜けやすくなる場合がある。また、圧着端子と芯線との密着や芯線同士の密着が不十分なことにより、圧着端子部分での接触抵抗がばらついてしまう場合がある。そこで、リード線の芯線をより強固に固定することが望まれていた。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、リード線の芯線をより強固に固定することを主目的とする。
本発明の圧着端子は、
底部と、前記底部に連なる第1側部と、前記底部のうち前記第1側部とは反対側に連なる第2側部と、を有する保持部、
を備え、
前記第1側部は、前記底部に連なる側とは反対側の端部に位置する第1先端部分を有し、該第1先端部分の厚さは、前記底部の厚さの70%以下であり、
前記第2側部は、前記底部に連なる側とは反対側の端部に位置する第2先端部分を有し、該第2先端部分の厚さは、前記底部の厚さの70%以下である、
ものである。
この本発明の圧着端子は、第1側部の第1先端部分の厚さが底部の厚さの70%以下であり、且つ、第2側部の第2先端部分の厚さが底部の厚さの70%以下となっている。この圧着端子の保持部は、第1先端部分と第2先端部分とを底部側に向けるように第1側部と第2側部とを湾曲させることで、底部と第1側部と第2側部とでリード線の複数の芯線を囲んで圧着可能である。このように圧着を行う場合、第1先端部分及び第2先端部分の厚さが底部の厚さの70%以下であることで、第1先端部分及び第2先端部分が複数の芯線の間に食い込みやすくなる。したがって、底部と第1側部と第2側部とでリード線の芯線をより強固に固定することができる。なお、第1先端部分の厚さ及び第2先端部分の厚さが薄いほど、第1,第2先端部分が複数の芯線の間に食い込みやすくなる。ただし、製造上の観点や第1,第2先端部分の強度の観点から、第1先端部分の厚さ及び第2先端部分の厚さは、底部の厚さの40%以上であることが好ましい。また、圧着端子により芯線の圧着を行った後の状態では、必ずしも第1先端部分の厚さが底部の厚さの70%以下でなくともよく、必ずしも第2先端部分の厚さが底部の厚さの70%以下でなくともよい。本発明の圧着端子において、前記第1先端部分及び前記第2先端部分の厚さは、圧着する対象のリード線の芯線の径よりも小さくてもよい。こうすれば、圧着の際に第1先端部分及び第2先端部分が複数の芯線の間により食い込みやすくなる。なお、圧着端子による芯線の圧着を行った後の状態では、必ずしも第1先端部分及び第2先端部分の厚さが圧着する対象のリード線の芯線の径よりも小さい必要はない。
本発明の圧着端子において、前記第1先端部分及び前記第2先端部分は、圧縮加工により形成されていてもよい。こうすることで、例えば研磨や研削などにより第1,第2先端部分を薄く加工する場合と比べて、第1,第2先端部分の強度を高くすることができる。なお、圧縮加工に限らず加工により第1,第2先端部分を薄くする場合、第1,第2先端部分の加工後の厚さが加工前の厚さの70%以下になるようにしてもよい。
本発明の圧着体は、
複数の芯線を有するリード線と、
底部と、前記底部に連なる湾曲した第1側部と、前記底部のうち前記第1側部とは反対側に連なる湾曲した第2側部と、を有する保持部、を備えた圧着端子と、
を備えた圧着体であって、
前記保持部は、前記第1側部の先端部分である第1先端部分と前記第2側部の先端部分である第2先端部分とを前記底部側に向けるように前記第1側部と前記第2側部とが湾曲することで、該底部と該第1側部と該第2側部とで前記複数の芯線を囲んで圧着しており、
前記芯線の軸方向に垂直な断面で前記保持部を見たとき、該断面において前記第1側部の湾曲部分と前記第2側部の湾曲部分との接線の方向を水平方向とし、該水平方向に垂直な方向を高さ方向として、前記底部の底面から前記接線までの高さであるクリンプハイトCHが1.20±0.05mmであり、且つ、前記保持部の前記水平方向の幅であるクリンプワイドCWが1.66±0.05mmである、
ものである。
この本発明の圧着体では、保持部の断面においてクリンプハイトCHが1.20±0.05mmであり、且つクリンプワイドCWが1.66±0.05mmとなっていることで、保持部が高さ方向に十分圧縮されたものとなっている。そのため、リード線の芯線をより強固に固定することができる。この場合において、前記第1先端部分と前記第2先端部分とは、前記複数の芯線の間に食い込んでいるものとしてもよい。ここで、「前記第1側部の先端部分である第1先端部分と前記第2側部の先端部分である第2先端部分とを前記底部側に向けるように前記第1側部と前記第2側部とが湾曲する」は、第1側部72及び第2側部73の湾曲の向きを表すものである。そのため、本発明の圧着体は、圧着後の状態において第1先端部分及び第2先端部分が底部74を向いていないものも含む。
本発明の圧着体は、前記断面において、前記第1側部と前記第2側部とが接触している部分の前記高さ方向の距離である高さHaが0.15mm以上であってもよい。こうすれば、第1側部と前記第2側部との接触(圧着)が十分なものとなり、リード線の芯線をより強固に固定することができる。
本発明の圧着体は、前記断面において、前記第1側部と前記第2側部とが接触している部分と、前記高さ方向と、のなす角である角度αが0°以上30°以下であってもよい。こうすれば、第1側部と第2側部とがバランス良く芯線を圧着することができ、リード線の芯線をより強固に固定することができる。
本発明の圧着体は、前記断面において、前記底部のうち前記芯線側の面の最底部と、前記第1側部の前記第1先端部分側及び前記第2側部の前記第2先端部分側との高さ方向の最小距離である距離CFAが0.125mm以上であってもよい。距離CFAが0.125mm未満では、第1側部の第1先端部分側及び第2側部の第2先端部分側の少なくとも一方と底部との間が近いことで、つぶされすぎている芯線が存在する場合があるが、距離CFAを0.125mm以上とすることでこれを抑制することができる。すなわち、距離CFAを0.125mm以上とすることで複数の芯線をバランスよく圧着でき、リード線の芯線をより強固に固定することができる。
本発明の圧着体は、前記断面において、前記第1側部の前記第1先端部分側に接する水平方向の接線と、前記第2側部の前記第2先端部分側に接する水平方向の接線と、の高さ方向の距離である距離CFEが0mm以上0.25mm以下であってもよい。こうすれば、第1側部と第2側部とがバランス良く芯線を圧着することができ、リード線の芯線をより強固に固定することができる。なお、距離CFEは値が小さいほど好ましい。
本発明の圧着体は、前記断面において、圧縮率CR[%]=(前記底部と前記第1側部と前記第2側部とで囲まれた領域の面積)/{(前記芯線1本の圧着前の断面積)×(前記圧着された芯線の本数)}×100としたときに、圧縮率CRが87%以下であってもよい。こうすれば、圧着端子が芯線を十分圧縮することになり、リード線の芯線をより強固に固定することができる。なお、圧縮率CRが小さいほど、芯線を強固に固定する効果が高くなる。なお、圧縮率CRの下限値は、例えば芯線の材質及び本数や圧着時に加える力などによって定まる。圧縮率CRは、例えば50%以上としてもよい。
本発明の圧着体は、前記断面において、前記底部から前記第1側部及び前記第2側部への前記芯線側の立ち上がり部分にクラックが発生していなくてもよい。こうすれば、クラックが発生している場合と比べて保持部の強度が高いものとなるため、リード線の芯線をより強固に固定することができる。
本発明の圧着体は、前記断面において、前記底部のバリの高さであるバリ高さGhが0mm以上0.25mm以下であり、且つ、該バリは前記底部の最底部よりも前記高さ方向で前記芯線側の領域内に収まっていてもよい。ここで、圧着端子を用いて芯線を圧着する場合、底部にバリが生じる場合があるが、このバリは芯線の固定にあまり寄与しない。そして、バリが大きいほど、底部や第1,第2側部を構成する部材のうち芯線の固定に影響しない部分の割合が増えることになり、その分芯線の固定が不十分なものになりやすい。また、バリが大きいほど、保持部の周囲の部材(例えば他のリード線の被覆や、保持部周辺を封止するゴム栓など)を傷つけやすい。バリ高さGhが0mm以上0.25mm以下であることで、このようなバリによる影響を比較的小さくできる。なお、バリ高さGhは値が小さいほど好ましい。また、バリ高さGhが0mmであるとは、バリが生じていないことを意味する。ここで、バリが複数存在する場合には、複数のバリの各々のバリ高さGhが、いずれも0mm以上0.25mm以下であることが好ましい。
本発明の圧着体は、前記断面において、前記底部のバリの水平方向の幅であるバリ幅Gbが0mm以上0.125mm以下であってもよい。バリ幅Gbが0mm以上0.125mm以下であることで、上述したバリによる影響を比較的小さくできる。なお、バリ幅Gbは値が小さいほど好ましい。また、バリ幅Gbが0mmであるとは、バリが生じていないことを意味する。ここで、バリが複数存在する場合には、複数のバリの各々のバリ幅Gbが、いずれも0mm以上0.125mm以下であることが好ましい。
本発明の圧着体は、前記断面において、前記底部の厚みである底部厚さSbが0.1875mm以上であってもよい。こうすれば、底部の強度がより高いものとなるため、リード線の芯線をより強固に固定することができる。
なお、上述した本発明の圧着体は、例えば上述した本発明の圧着端子を用いて複数の芯線を圧着することで比較的容易に得ることができる。
本発明の圧着体の製造方法は、
底部と、前記底部に連なる第1側部と、前記底部のうち前記第1側部とは反対側に連なる第2側部と、を有する保持部、を備え、前記第1側部は、前記底部に連なる側とは反対側の端部に位置する第1先端部分を有し、該第1先端部分の厚さは、前記底部の厚さの70%以下であり、前記第2側部は、前記底部に連なる側とは反対側の端部に位置する第2先端部分を有し、該第2先端部分の厚さは、前記底部の厚さの70%以下である、圧着端子を用いた圧着体の製造方法であって、
(a)前記圧着端子と、複数の芯線を有するリード線と、を用意する工程と、
(b)前記第1先端部分と前記第2先端部分とを前記底部側に向けるように前記第1側部と前記第2側部とを湾曲させることで、該底部と該第1側部と該第2側部とで前記複数の芯線を囲んで圧着する工程と、
を含むものである。
この本発明の圧着体の製造方法では、上述した本発明の圧着端子と同じく、第1先端部分の厚さが底部の厚さの70%以下であり、第2先端部分の厚さが底部の厚さの70%以下である圧着端子を用意し、これを用いて複数の芯線の圧着を行っている。すなわち、圧着前の状態において、第1側部の第1先端部分の厚さが底部の厚さの70%以下であり、且つ、第2側部の第2先端部分の厚さが底部の厚さの70%以下となっている。そして、この圧着端子を用いて、第1先端部分と第2先端部分とを底部側に向けるように第1側部と第2側部とを湾曲させ、底部と第1側部と第2側部とで複数の芯線を囲んで圧着している。そのため、第1先端部分及び第2先端部分が複数の芯線の間に食い込みやすくなり、底部と第1側部と第2側部とでリード線の芯線をより強固に固定することができる。
本発明の圧着体の製造方法において、前記工程(a)では、前記第1先端部分及び前記第2先端部分の厚さが前記リード線の芯線の径よりも小さい前記圧着端子を用意してもよい。こうすれば、圧着する工程において第1先端部分及び第2先端部分が複数の芯線の間により食い込みやすくなる。
本実施形態のガスセンサー10の縦断面図である。 コネクター50の斜視図である。 コネクター50のハウジング51を示す分解斜視図である。 図2のA−A断面図である。 図4のB−B断面図である。 第1ハウジング51a側から見た接触金具71,センサー素子20の位置関係を示す説明図である。 図4のC−C断面図である。 底部74と第1側部72と第2側部73とで囲まれた領域77の説明図である。 接触金具71の曲げ加工前の状態を示す説明図である。 曲げ加工後の接触金具71の斜視図である。 図10のD−D断面図である。 クリンパ200とアンビル210との間に保持部71g及び芯線48aを配置した様子を示す説明図である。 保持部71gと芯線48aとを圧着して圧着体80とする様子を示す説明図である。 実施例1の接触金具71の保持部71gの断面寸法を示す説明図である。 実施例2の接触金具71の保持部71gの断面寸法を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の圧着端子の実施形態である接触金具71を備えたガスセンサー10の縦断面図である。図2はコネクター50の斜視図であり、図3はコネクター50のハウジング51を示す分解斜視図である。図4は図2のA−A断面図であり、図5は図4のB−B断面図であり、図6は第1ハウジング51a側から見た接触金具71,センサー素子20の位置関係を示す説明図である。
図1に示すように、ガスセンサー10は、被測定ガスから所定のガス成分を測定するセンサー素子20と、センサー素子20の一方の端部を保護する保護カバー30と、センサー素子20と導通するコネクター50を含むセンサー組立体40とを備えている。このガスセンサー10は、例えば車両の排ガス管に取り付けられて被測定ガスとしての排気ガスに含まれるNOxやO2等のガス成分を測定するために用いられる。
センサー素子20は、細長な長尺の板状体形状の素子であり、ジルコニア(ZrO2)等の酸素イオン伝導性固体電解質層からなる例えば6枚のセラミックス基板を積層して形成されている。なお、センサー素子20の保護カバー30側の端部を先端と表記し、コネクター50側の端部を基端と表記する。このセンサー素子20の基端表面(図5の上側の面である第1面及び図5の下側面である第2面)には、図5に示すように4つの第1面電極21a及び4つの第2面電極21bが形成されている。なお、第1面電極21a及び第2面電極21bを併せて電極21と表記する。この電極21は、センサー素子20に電圧を印加したり、センサー素子20が検出するガス成分の濃度に応じて生じる起電力又は電流を取り出したりするためのものであり、センサー素子20内部の電路を介してセンサー素子20の先端内の電極と導通している(図示せず)。第1面電極21a,第2面電極21bの位置については後述する。
保護カバー30は、図1に示すように、センサー素子20の先端の周囲を取り囲むように配置されている。この保護カバー30は、センサー素子20の先端を覆う内側保護カバー31と、この内側保護カバー31を覆う外側保護カバー32とを備えている。内側保護カバー31は、筒状に形成され、センサー素子20の先端に被測定ガスを導入するための内側保護カバー孔31aを備えている。外側保護カバー32は、有底筒状に形成され、側面に被測定ガスを導入するための外側保護カバー孔32aを備えている。内側保護カバー31,外側保護カバー32は、例えばステンレス鋼などの金属製である。
センサー組立体40は、金属製の主体金具41と、主体金具41に溶接固定された円筒形の内筒42及び外筒46と、センサー素子20の基端に接続されたコネクター50と、を備えている。主体金具41は、雄ネジ部41aにより例えば車両の排ガス管に取り付け可能になっている。内筒42の内部には、複数のセラミックスサポーター43a〜43cと、セラミックスサポーター43a,43b間及びセラミックスサポーター43b,43c間に充填されたタルク等のセラミックス粉体44a,44bとが封入されており、これらはメタルリング45と主体金具41の内壁とに挟まれて封止されている。外筒46は、内筒42,センサー素子20,コネクター50の周囲を覆っており、コネクター50に接続されたリード線48が開口端46aから外部に引き出されている。このリード線48は、コネクター50を介してセンサー素子20の各電極21と導通している。外筒46とリード線48との隙間はゴム栓47によって封止されている。
次に、コネクター50について詳細に説明する。図示するように、コネクター50は、アルミナ焼結体などセラミックス製の第1ハウジング51a及び第2ハウジング51bと、第1ハウジング51a又は第2ハウジング51bに保持されセンサー素子20の電極21と1対1に対向して接触する接触金具71と、第1ハウジング51a及び第2ハウジング51bを挟持して固定する金属製のクランプ90と、を備えている。
第1ハウジング51a及び第2ハウジング51bは、それぞれ4つの接触金具71を接触金具71の長手方向(X方向)と直交する方向(Y方向)に並べて保持する部材である。第1ハウジング51aと第2ハウジング51bとは同じ形状であるため、第1ハウジング51aと第2ハウジング51bにおける同じ構成要素については同じ符号を付して説明する。また、第1ハウジング51aと第2ハウジング51bとを併せてハウジング51と表記する。ハウジング51は、接触金具71を係止する4つの係止溝52と、接触金具71が挿入される4つの挿入孔53と、各挿入孔53内に形成されて接触金具71を係止する係止部54と、を備えている。また、ハウジング51は、センサー素子20を挟んでY方向の一方の側面に凸部55を備え、他方の側面に第1ハウジング51aと第2ハウジング51bとのZ方向の距離を規制する規制部材56,57を備えている(図2,図3参照)。凸部55は、対向するハウジング51の規制部材56と規制部材57との間の窪みに挿入されるようになっており、これにより第1ハウジング51aと第2ハウジング51bとのX方向の相対位置を固定可能になっている。
接触金具71はセンサー素子20の電極21と1対1に対向する位置にハウジング51によって保持される金属製の部材であり、湾曲した形状により係止溝52に係止される先端部71aと,センサー素子20に向かって湾曲して突出する支持部71bと,センサー素子20に向かって湾曲して突出することで電極21と接触する導通部71cと、挿入孔53内に挿入される立直部71dと、コネクター50の外部に引き出される湾曲部71fと、コネクター50の外部でリード線48の複数の芯線48aを圧着して保持する保持部71gと、を備えている。なお、保持部71gと、保持部71gに圧着されたリード線48と、を併せて圧着体80と表記する。支持部71bと導通部71cとは、接触金具71の長手方向(図4のX方向)に沿って配置されており、導通部71cは支持部71bよりも保持部71gに近い位置に配置されている。支持部71b,導通部71cは、いずれも弾性変形可能に形成されており、ばね定数が例えば500〜4000N/mmの範囲である。立直部71dは、湾曲した形状により係止部54に係止されるフック部71eを備えている。なお、第1ハウジング51aに保持される接触金具71の導通部71cは、センサー素子20の第1面電極21aと1対1に対向して接触し、第2ハウジング51bに保持される接触金具71の導通部71cは、センサー素子20の第2面電極21bと1対1に対向して接触するようになっている(図4,図5参照)。
接触金具71とセンサー素子20の電極21との位置関係について説明する。図4,図6に示すように、センサー素子20の第1面電極21aは、センサー素子20の基端から導通部71cと支持部71bとの間の位置までにわたって形成されている。また、Y方向に並ぶ4つの第1面電極21aのうち、中央の2つの第1面電極21aは、上述したセンサー素子20内部の電路と導通するために形成されたスルーホール21eと導通している。図6に示すように、各スルーホール21eは導通部71cと支持部71bとの間の位置に形成されている。なお、第2面電極21bと接触金具71との位置関係や、第2面電極21bに導通するスルーホール21eの位置もこれと同様であるため説明を省略する。
接触金具71の保持部71gについて詳細に説明する。図7は、図4のC−C断面図である。なお、図7は、芯線48aの軸方向(図4のX方向)に垂直な断面である。また、図7(a)は、保持部71gの断面全体を示す説明図であり、図7(b)は、図7(a)のうち第1側部72と第2側部73との接触部分(破線で示した円で囲まれた部分)の拡大図である。図7(a)に示すように、保持部71gは、底部74と、底部74に連なり底部74から立ち上がっている第1側部72と、底部74に連なり底部74から立ち上がっている第2側部73と、を備えている。第1側部72は、図7における底部74の左側に連なっており、第2側部73は、底部74のうち第1側部72とは反対側(図7の右側)に連なっている。第1側部72は、底部74に連なる側とは反対側の端部に位置する第1先端部分72aを有している。第2側部73は、底部74に連なる側とは反対側の端部に位置する第2先端部分73aを有している。
この保持部71gは、図7に示す断面において、第1側部72の第1先端部分72aと第2側部73の第2先端部分73aとを底部74側に向けるように第1側部72と第2側部73とが湾曲している。これにより、底部74と第1側部72と第2側部73とで複数の芯線48a(本実施形態では19本)を囲んで圧着している。この圧着により、保持部71gと芯線48とが電気的に導通し、保持部71gとリード線48とを備えた圧着体80を構成している。なお、第1側部72のうち底部74とは反対側の部分と第2側部73のうち底部74とは反対側の部分とが、互いに近づく方向に湾曲している。また、第1先端部分72a及び第2先端部分73aは、リード線48の複数の芯線48aの間に食い込んでいる。なお、「第1側部72の第1先端部分72aと第2側部73の第2先端部分73aとを『底部74側に向けるように』第1側部72と第2側部73とが湾曲している」とは、第1側部72及び第2側部73の湾曲の向きを表すものであり、圧着後の状態で第1先端部分72a及び第2先端部分73aが必ずしも底部74を向いている必要はない。例えば、図7(a)の第2先端部分73aのように、底部74とは異なる方向(図の右上方向)を向いていても良い。
この保持部71gは、図7に示す断面において、所定の第1条件〜第10条件を満たすように形成されている。以下、第1条件〜第10条件について図7を用いて説明する。まず、前提として、図7の断面における水平方向及び高さ方向を定義する。まず、図7の断面において、第1側部72の湾曲部分と第2側部73の湾曲部分との接線Lt1の方向を水平方向とする。第1側部72の湾曲部分と第2側部73の湾曲部分との接線Lt1は、図7(a)に示すように、第1側部72と第2側部73の湾曲した部分のうち底部74から遠い側(図7における上側)の頂点同士を結んだ線となる。そして、水平方向のうち第1側部72側を左方向とし、第2側部73側を右方向とする。また、この水平方向に垂直な方向を高さ方向とする。なお、高さ方向のうち底部74側を下方向とし、第1側部72及び第2側部73側を上方向とする。
第1条件は「クリンプハイトCHが1.20±0.05mmであり、且つ、クリンプワイドCWが1.66±0.05mmである」ことである。ここで、クリンプハイトCHは、底部74の底面から接線Ltまでの高さである(図7(a)参照)。また、クリンプワイドCWは、保持部71gの水平方向の幅である(図7(a)参照)。
第2条件は、「高さHaが0.15mm以上である」ことである。ここで、高さHaは、第1側部72と第2側部73とが接触している部分の高さ方向の距離である(図7(b)参照)。なお、図7(b)において、点P1及び点P2はそれぞれ第1側部72と第2側部73との接触部分の端部である。そのため、高さHaは、この点P1,点P2間の高さ方向の距離として求めることができる。特に限定するものではないが、高さHaは例えば0.30mm以下としてもよい。
第3条件は、「角度αが0°以上30°以下である」ことである。ここで、角度αは、第1側部72と第2側部73とが接触している部分と、高さ方向と、のなす角である(図7(b)参照)。なお、図7(b)に示すように、第1側部72と第2側部73との接触部分は直線に限らず曲線になる場合もある。そのため、接触部分の両端である点P1と点P2とを結んだ直線と、高さ方向と、のなす角を、角度αとする。
第4条件は、「距離CFAが0.125mm以上である」ことである。ここで、距離CFAは、底部74のうち芯線側の面(図7(a)における底部74の上面)の最底部(図7(a)における最下部)と、第1側部72の第1先端部分72a側及び第2側部73の第2先端部分73a側との高さ方向の最小距離である(図7(a)参照)。換言すると、距離CFAは、底部74の上面の最底部に接する水平方向に平行な接線Lt5と、第1側部72の第1先端部分72a側に接する水平方向の接線Lt2と第2側部73の第2先端部分73a側に接する水平方向の接線Lt3とのうち接線Lt5に近い方と、の距離である。なお、図7(a)では、第1側部73の第1先端部分72a側よりも第2側部73の第2先端部分73a側の方が下方向に食い込んでいる。そのため、距離CFAは、底部74の上面の最底部と第2側部73の第2先端部分73a側との高さ方向の最小距離(接線Lt5と接線Lt3との距離)となる。なお、第1先端部分72aが図7(a)のように複数の芯線48aの間に食い込んでいる(巻き込まれている)場合、「第1側部72の第1先端部分72a側」は、「第1側部72のうち複数の芯線48aの間に食い込んでいる(巻き込まれている)部分」として定義してもよい。同様に、第2先端部分73aが図7(a)のように複数の芯線48aの間に食い込んでいる(巻き込まれている)場合、「第2側部73の第2先端部分73a側」は、「第2側部73のうち複数の芯線48aの間に食い込んでいる(巻き込まれている)部分」として定義してもよい。なお、底部74の内周面(芯線48a側の面)の一部にセレーション(詳しくは後述する)が形成されているときには、距離CFAはセレーションが形成されていない部分の断面で求める。ただし、底部74の内周面の全てにセレーションが形成されているときには、距離CFAはセレーションが形成されている部分の断面で求める。特に限定するものではないが、距離CFAは例えば0.40mm以下としてもよい。
第5条件は、「距離CFEが0mm以上0.25mm以下である」ことである。ここで、距離CFEは、第1側部72の第1先端部分72a側に接する水平方向の接線Lt2と、第2側部73の第2先端部分73a側に接する水平方向の接線Lt3と、の高さ方向の距離である(図7(a)参照)。なお、接線Lt2は、図7(a)に示すように、第1側部72の第1先端部分72a側の下端に接する接線となる。同様に、接線Lt3は、図7(a)に示すように、第2側部73の第2先端部分73a側の下端に接する接線となる。
第6条件は、「圧縮率CR[%]が87%以下である」ことである。ここで、圧縮率CR[%]=(底部74と第1側部72と第2側部73とで囲まれた領域の面積)/{(芯線48aの1本の圧着前の断面積)×(圧着された芯線48aの本数)}×100である。図8は、底部74と第1側部72と第2側部73とで囲まれた領域77の説明図である。図8は、図7(a)と同じ断面を図示している。図8に示す、斜線部分の領域77の面積が、「底部74と第1側部72と第2側部73とで囲まれた領域の面積」となる。なお、圧縮率CRの下限値は、例えば芯線48aの材質及び本数や圧着時に加える力などによって定まる。圧縮率CRは、例えば50%以上としてもよい。
第7条件は、「底部74から第1側部72及び第2側部73への芯線48a側の立ち上がり部分にクラックが発生していない」ことである。図7(a)では、立ち上がり部分74aが、「底部74から第1側部72への芯線48a側の立ち上がり部分」である。また、立ち上がり部分74bが、「底部74から第2側部73への芯線48a側の立ち上がり部分」である。
第8条件は、「底部74のバリ高さGhが0mm以上0.25mm以下であり、且つ、バリが底部74の最底部(最下面)よりも高さ方向で芯線48a側の領域内に収まっている」ことである。なお、バリ高さGhが0mmであるとは、バリが生じていないことを意味する。ここで、詳しくは後述するが、保持部71gで芯線48aを圧着する場合、図7(a)に示すように底部74の両端にバリ75及びバリ76が生じる場合がある。このバリ75及びバリ76の底部74からの高さをそれぞれバリ高さGhとする。また、本実施形態のようにバリが複数存在する場合には、いずれのバリのバリ高さGhも上記の範囲に収まっているときに、第8条件を満たしたものとみなす。また、「バリが底部74の最底部よりも高さ方向で芯線48a側の領域内に収まっている」とは、「底部74の最底部に接する水平方向に平行な接線Lt4よりも下方向にバリが存在しない」ことを意味する。なお、図7(a)では、「両端のバリ75,76が底部74の最底部よりも高さ方向で芯線48a側の領域内に収まっている」状態になっている。
第9条件は、「底部74のバリ幅Gbがいずれも0mm以上0.125mm以下である」ことである。ここで、バリ幅Gbは、バリ75,76の各々の水平方向の幅である(図7(a)参照)。なお、バリ幅Gbが0mmであるとは、バリが生じていないことを意味する。また、本実施形態のようにバリが複数存在する場合には、いずれのバリのバリ幅Gbも上記の範囲に収まっているときに、第9条件を満たしたものとみなす。
第10条件は、「底部厚さSbが0.1875mm以上である」ことである。ここで、底部厚さSbは、上述した接線Lt4と底部74との接点P3の部分における高さ方向の厚みとする(図7(a)参照)。なお、底部74の内周面(芯線48a側の面)の一部にセレーション(詳しくは後述する)が形成されているときには、底部厚さSbはセレーションが形成されていない部分の断面における厚みとして求める。ただし、底部74の内周面の全てにセレーションが形成されているときには、底部厚さSbはセレーションが形成されている部分の断面における厚みとして求める。特に限定するものではないが、底部厚さSbは例えば0.30mm以下としてもよい。
本実施形態の保持部71gは、図7の断面において、上述した第1条件〜第10条件を全て満たしている。こうすることで、保持部71gがリード線48の芯線48aをより強固に固定することができる。また、他に、図7の断面において、芯線48aの隙間が少ないことが好ましい。隙間が少ないほど、芯線48aの位置がずれにくくなり、芯線48aをより強固に固定することができる。第1条件〜第10条件を全て満たしている場合には、隙間は1カ所以下であることが好ましい(1カ所までは隙間を許容できる)。
クランプ90は、図2,図5に示すように、板状の金属を曲げ加工したものであり、第1ハウジング51a及び第2ハウジング51bを挟持して互いに近接する方向に押圧可能な弾性力を有している。この弾性力により第1ハウジング51aと第2ハウジング51bとが挟持されると、第1ハウジング51aの規制部材56,57が第2ハウジング51bに接触すると共に第2ハウジング51bの規制部材56,57が第1ハウジング51aに接触する。これにより、第1ハウジング51aと第2ハウジング51bとの距離が固定される。また、接触金具71の導通部71cがセンサー素子20の第1面電極21a又は第2面電極21bと対向するように、第1ハウジング51aと第2ハウジング51bとでセンサー素子20及び接触金具71を挟み込んだ状態でクランプ90が第1ハウジング51aと第2ハウジング51bとを挟持すると、クランプ90からの押圧力によって支持部71b,導通部71cがそれぞれ弾性変形してセンサー素子20を挟持して固定する。このとき、支持部71b,導通部71cが弾性変形しているため、これによる押圧力でセンサー素子20を確実に挟持して固定することができる。また、導通部71cが弾性変形しているため、導通部71cと電極21との電気的な接触をより確実に保つことができる。
次に、接触金具71の製造方法について説明する。接触金具71は板状の金属を型抜きし、曲げ加工をすることにより製造したものである。図9は、接触金具71の曲げ加工前の状態を示す説明図である。図10は、曲げ加工後の接触金具71の斜視図である。図11は、図10のD−D断面図である。まず、図9に示すように、略長方形状の金属板部100と、金属板部100の片方の長辺に繋がる金属片110と、金属板部100の端部の領域100gの長辺に連なる略長方形の金属片122,123と、を有する形状に板状の金属を型抜きする。なお、金属片122は、領域100gのうち金属片123とは反対側に連なるように位置している。次に、領域100g,金属片122,123のうち図9の紙面手前側の面にはセレーション78を形成する。なお、本実施形態では図視するように3カ所のセレーション78を形成するものとしたが、セレーション78の数はこれに限られないし、セレーション78を形成しなくてもよい。そして、この金属板部100のうち領域100a,100fを図9の紙面手前側に湾曲させることで図4に示した先端部71a,湾曲部71fを形成し、領域100b,100cを図9の紙面奥側に突出するように湾曲させることで図4に示した支持部71b、導通部71cを形成する。金属片110は、直線111aを支点として領域111を図9の紙面手前方向と平行になるまで紙面手前側に折り曲げ、直線112aを支点として領域112を金属板部100の内側の方向へ折り曲げ、領域113を金属板部100の長手方向に沿って湾曲部71fの方向へ湾曲してフック部71eを形成する。これにより、金属片110が立直部71dに曲げ加工される。なお、金属板部100には図9,図10に示すように、領域111の厚さ以上の深さの凹み部101が形成されており、直線111aを支点として領域111を折り曲げたときに、領域111が金属板部100の表面102(図10参照)の直上の領域内に収まるようになっている。また、金属片122,123は、それぞれ図9の紙面手前側に起立させることで断面略U字状の保持部71gを形成する。このとき、金属片122,123は、それぞれ底部に連なる側とは反対側の端部を圧縮加工して薄くし、端部が領域100gの厚さの70%以下になるようにする。なお、本実施形態のように領域100gの一部にセレーション78が形成されている場合、金属片122,123の端部の圧縮加工は、端部が領域100gのうちセレーション78が形成されていない部分の厚さの70%以下になるようにする。ただし、領域100gの全てにセレーション78が形成されている場合は、金属片122,123の端部の圧縮加工は、端部が領域100gのうちセレーション78が形成されている部分の厚さの70%以下になるようにする。以上により、図10,図11に示した立体的な形状の接触金具71を製造する。
こうして製造された曲げ加工後の接触金具71、すなわち芯線48aを圧着する前の状態の接触金具71における、保持部71gの形状について詳細に説明する。圧着前の状態においては、上述したように保持部71gは断面略U字状に形成されている(図10,図11参照)。そして、図9の領域100gが底部74となり、図9の金属片122が第1側部72となり、金属片123が第2側部73となっている。また、図9の金属片122,123のうち、それぞれ底部に連なる側とは反対側の端部を圧縮加工して薄くしたことで、第1側部72のうち底部74に連なる側とは反対側の端部である第1先端部分72aが薄くなっており、第2側部73のうち底部74に連なる側とは反対側の端部である第2先端部分73aが薄くなっている(図11参照)。第1先端部分72aの厚さT1及び第2先端部分の厚さT2は、上述したように図9の領域100gの厚さの70%以下になるように形成されており、これにより、厚さT1,T2はいずれも底部74の厚さSaの70%以下になっている。また、本実施形態では、厚さT1,T2は、いずれもリード線48の芯線48aの圧着前の径よりも小さいものとした。なお、厚さT1,T2が小さいほど、第1先端部分72a,第2先端部分73aが複数の芯線48aの間に食い込みやすくなる。ただし、製造上の観点や第1先端部分72a,第2先端部分73aの強度の観点から、厚さT1,T2は底部の厚さの40%以上とすることが好ましい。なお、図10に示すように、底部74の内周面側(図11の上面側)の一部にセレーション78が形成されている場合は、厚さSaはセレーション78が形成されていない部分の断面における厚さとして求める(図11参照)。ただし、底部74の内周面の全てにセレーション78が形成されているときには、底部厚さSaはセレーション78が形成されている部分の断面における厚さとして求める。なお、本実施形態では、図11に示すように、第1側部72は先端部分72aに向かって徐々に薄くなっていく形状を有するものとしたが、先端部分72aの厚さT1が厚さSaの70%以下であれば、第1側部72は他の形状でもよい。第2側部73についても同様である。
次に、図10,図11に示した曲げ加工後の接触金具71を用いた、ガスセンサー10の製造方法について説明する。まず、主体金具41と内筒42とを同軸となるように溶接により組み付け、その内部に、主体金具41側からの並びがセラミックスサポーター43a,セラミックス粉体44a,セラミックスサポーター43b,セラミックス粉体44b,セラミックスサポーター43cの順になるよう、これらを充填してから、メタルリング45を挿入する。次に、センサー素子20を用意し、メタルリング45側からセラミックスサポーター43c,セラミックス粉体44b,セラミックスサポーター43b,セラミックス粉体44a,セラミックスサポーター43aの順にセンサー素子20を貫通させる。なお、セラミックスサポーター43a〜43cとセラミックス粉体44a,44b、メタルリング45には、センサー素子20が貫通可能な孔が予め形成されているものとする。そして、メタルリング45と主体金具41とが互いに近付く方向に押圧してセラミックス粉体44a,44bを圧縮し、その状態でメタルリング45よりも外方側(図1中の上側)の内筒42を加締め加工により縮径し、さらに、内筒42のセラミックス粉体44bが配置された部分を加締め加工により縮径して、主体金具41とセンサー素子20からなる一次組み立て品を得る。
こうして一次組み立て品を得ると、主体金具41に内側保護カバー31及び外側保護カバー32を溶接により取り付けて保護カバー30を形成すると共に外筒46を主体金具41に溶接により取り付ける。続いて、図10,図11に示した曲げ加工後の接触金具71を複数(本実施形態では8本)用意すると共に、複数のリード線48(本実施形態では8本)と、貫通孔47aが形成されたゴム栓47とを用意する。次に、複数のリード線48をゴム栓47の貫通孔47a内に通してから、接触金具71の保持部71gの各々で複数のリード線48の複数の芯線48aを囲んで圧着することで、接触金具71とリード線48とを電気的に導通させる。圧着は、8本の接触金具71及び8本のリード線48のそれぞれについて行い、これにより接触金具71とリード線48とを接続した圧着体80が8本製造される。
接触金具71とリード線48とを用いた圧着体80の製造について詳細に説明する。図12は、クリンパ200とアンビル210との間に保持部71g及び芯線48aを配置した様子を示す説明図である。図13は、保持部71gと芯線48aとを圧着して圧着体80とする様子を示す説明図である。まず、図10,11に示した接触金具71と複数の芯線48aを有するリード線48とを用意する。また、アンビル210とクリンパ200とを用意する。アンビル210は、図12に示すように、図の上方に突出するの凸部211を備えている。クリンパ200は、図の下方に開口し凸部211を挿入可能な凹部201を備えている。凹部201の底部(図12における凹部201の上端部)は、中央に突起201aが形成されており、凹部201の両側面から中央の突起201aに向かって湾曲した略M字上に形成されている。次に、アンビル210の凸部211の端面上に接触金具71の保持部71gを載置し、底部74の内周面側にリード線48の複数の芯線48aを載置する(図12)。続いて、クリンパ200をアンビル210に向かって移動させ、保持部71g,芯線48a及び凸部211が凹部201の内部に挿入し、さらにクリンパ200をアンビル210側に移動させる(図13(a))。これにより、保持部71gのうち最もクリンパ200側に位置する第1側部72の第1先端部72a及び第2側部73の第2先端部73aが凹部201の底部に近づいていく。さらにクリンパ200をアンビル210側に移動させると、第1先端部72a及び第2先端部73aが最初に凹部201の底部に当接し、凹部201の底部の湾曲に沿って第1先端部72a及び第2先端部73aが互いに近づく方向に移動する。これにより、第1先端部72a及び第2先端部73aが底部74側に向くように第1側部72及び第2側部73が湾曲していく(図13(b))。そして、さらにクリンパ200をアンビル210側に移動させ、クリンパ200とアンビル210とを互いに接近する方向に加締める。これにより、第1先端部72a及び第2先端部73aが複数の芯線48aの間に食い込んでいき、底部74と第1側部72と第2側部73とで複数の芯線48aを囲んで圧着した状態になる(図13(c))。これにより、圧着体80が製造される。なお、このとき、クリンパ200とアンビル210とを加締める力によって、凸部211と凹部201の両側面との隙間に保持部71gの部材の一部が押し出されてしまい、図13(c)に示すように底部74のバリ74,75が形成されることがある。
ここで、上述したように第1先端部72aと第2先端部73aとは、圧着前の状態で厚さT1,T2がいずれも底部74の厚さSaの70%以下になっている。そのため、第1先端部72a及び第2先端部73aが複数の芯線48aの間に食い込みやすくなり、底部74と第1側部72と第2側部73とでリード線48の芯線48aをより強固に固定することができる。また、図11に示したように、第1側部72及び第2側部73は先端部分72a,73aに向かって徐々に薄くなっていく形状を有しているため、この形状によっても第1先端部72a及び第2先端部73aが複数の芯線48aの間に食い込みやすくなる。また、第1先端部72a及び第2先端部73aが複数の芯線48aの間に食い込みやすいことで、圧着体80において芯線48aの軸方向に垂直な断面で保持部71gを見たときに、上述した図7,図8で説明した第1条件〜第10条件を満たすものを比較的容易に作成することができる。なお、例えば凹部201の底部の湾曲形状や突起201aの突起高さ、クリンパ200とアンビル210とを互いに接近する方向に加締める際の荷重などは、第1先端部72a及び第2先端部73aが複数の芯線48aの間により食い込みやすくなるように、また第1条件〜第10条件を満たしやすくなるように、例えば実験などにより予め定めておくことができる。
以上のように圧着体80を製造すると、上述した第1ハウジング51aと第2ハウジング51bとからなるハウジング51とクランプ90とを用意し、第1ハウジング51aと第2ハウジング51bとにそれぞれ圧着体80の接触金具71を4本ずつ保持させた状態で、センサー素子20を第1ハウジング51aと第2ハウジング51bとで挟む。これにより、第1ハウジング51aと第2ハウジング51bとがセンサー素子20及び複数の接触金具71を挟むことになる。また、接触金具71の各々は、図4〜図6を用いて説明したように、支持部71bがセンサー素子20の表面に接触し導通部71cが電極21に接触した状態になる。そして、この状態でクランプ90により第1ハウジング51a及び第2ハウジング51bを挟持して固定する。これにより、クランプ90は第1ハウジング51a及び第2ハウジング51bを互いに近接する方向に押圧した状態になる。この押圧力によって、接触金具71はセンサー素子20に向かって押圧され、支持部71bがセンサー素子20の表面に接触し導通部71cがセンサー素子20の電極21に接触して導通するとともに、支持部71b,導通部71cがそれぞれ弾性変形してセンサー素子20を押圧する。その後、ゴム栓47を開口端46aから外筒46内に挿入し、外筒46とゴム栓47とを加締め加工により縮径し、ゴム栓47を外筒46に固定する。このようにして、ガスセンサー10を製造することができる。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の接触金具71が本発明の圧着端子に相当し、底部74が底部に相当し、第1側部72が第1側部に相当し、第2側部73が第2側部に相当し、保持部71gが保持部に相当し、第1先端部分72aが第1先端部分に相当し、第2先端部分73aが第2先端部分に相当する。
以上詳述した実施形態によれば、接触金具71は、圧着前の状態において、第1先端部分72aの厚さT1が底部74の厚さSaの70%以下であり、且つ、第2先端部分73aの厚さT2が底部74の厚さSaの70%以下となっている。これにより、保持部71gが複数の芯線48aを圧着する際に、第1先端部分72a及び第2先端部分73aが複数の芯線48aの間に食い込みやすくなる。したがって、底部74と第1側部72と第2側部73とでリード線48の芯線48aをより強固に固定することができる。なお、保持部71gで芯線48aを強固に固定することで、圧着後にリード線48が抜けやすくなることを抑制できる。また、接触金具71と芯線48aとの密着や芯線48a同士の密着を十分なものにして、圧着部分での接触抵抗がばらつくのを抑制できる。
また、厚さT1,T2がいずれもリード線48の芯線48aの圧着前の径よりも小さいため、第1先端部分72a及び第2先端部分73aが複数の芯線48aの間により食い込みやすくなる。
さらに、第1先端部分72a及び第2先端部分73aは、圧縮加工により形成されているため、例えば研磨や研削などにより第1先端部分72a及び第2先端部分73aを薄く加工する場合と比べて、第1先端部分72a及び第2先端部分73aの強度を高くすることができる。
さらにまた、圧着体80は、複数の芯線48aを有するリード線48と、接触金具71とを備えており、接触金具71の保持部71gは、第1先端部分72aと第2先端部分73aとを底部74側に向けるように第1側部72と第2側部73とが湾曲することで、底部74と第1側部72と第2側部73とで複数の芯線48aを囲んで圧着している。そして、圧着体80は、芯線48aの軸方向に垂直な断面で保持部71gを見たとき、第1条件(クリンプハイトCHが1.20±0.05mm且つクリンプワイドCWが1.66±0.05mm)を満たしている。これにより、保持部71gが断面の高さ方向に十分圧縮されたものとなり、芯線48aをより強固に固定することができる。
そしてまた、圧着体80は、芯線48aの軸方向に垂直な断面で保持部71gを見たとき、第2条件(高さHaが0.15mm以上)を満たしている。これにより、第1側部72と第2側部73との接触(圧着)が十分なものとなり、芯線48aをより強固に固定することができる。
そしてまた、圧着体80は、芯線48aの軸方向に垂直な断面で保持部71gを見たとき、第3条件(角度αが0°以上30°以下)を満たしている。これにより、第1側部72と第2側部73とがバランス良く芯線48aを圧着することができ、芯線48aをより強固に固定することができる。
そしてまた、圧着体80は、芯線48aの軸方向に垂直な断面で保持部71gを見たとき、第4条件(距離CFAが0.125mm以上)を満たしている。距離CFAが0.125mm未満では、第1側部72の第1先端部分72a側及び第2側部73の第2先端部分73a側の少なくとも一方と底部との間が近いことで、つぶされすぎている芯線48aが存在する場合があるが、距離CFAを0.125mm以上とすることでこれを抑制することができる。すなわち、距離CFAを0.125mm以上とすることで複数の芯線48aをバランスよく圧着でき、芯線48aをより強固に固定することができる。
そしてまた、圧着体80は、芯線48aの軸方向に垂直な断面で保持部71gを見たとき、第5条件(距離CFEが0mm以上0.25mm以下)を満たしている。これにより、第1側部72と第2側部73とがバランス良く芯線48aを圧着することができ、芯線48aをより強固に固定することができる。
そしてまた、圧着体80は、芯線48aの軸方向に垂直な断面で保持部71gを見たとき、第6条件(圧縮率CR[%]が87%以下)を満たしている。これにより、保持部71gが芯線48aを十分圧縮することになり、芯線48aをより強固に固定することができる。
そしてまた、圧着体80は、芯線48aの軸方向に垂直な断面で保持部71gを見たとき、第7条件(立ち上がり部分74a,74bにクラックが発生していない)を満たしている。これにより、クラックが発生している場合と比べて保持部71gの強度が高いものとなるため、芯線48aをより強固に固定することができる
そしてまた、圧着体80は、芯線48aの軸方向に垂直な断面で保持部71gを見たとき、第8条件(バリ75,76のバリ高さGhがいずれも0mm以上0.25mm以下、且つ、バリ75,76が底部74の最底部よりも高さ方向で芯線48a側の領域内に収まっている)を満たしている。ここで、バリ75,76が大きいと、底部74や第1側部72,第2側部73を構成する部材のうち芯線48aの固定に影響しない部分の割合が増えることになり、その分芯線48aの固定が不十分なものになりやすい。第8条件を満たすことで、そのようなバリ75,76の影響を比較的小さくすることができ、芯線48aをより強固に固定することができる。
そしてまた、圧着体80は、芯線48aの軸方向に垂直な断面で保持部71gを見たとき、第9条件(バリ75,76のバリ幅Gbがいずれも0mm以上0.125mm以下)を満たしている。これにより、上述したバリ75,76による影響が比較的小さくなり、芯線48aをより強固に固定することができる。
そしてまた、圧着体80は、芯線48aの軸方向に垂直な断面で保持部71gを見たとき、第10条件(底部厚さSbが0.1875mm以上)を満たしている。これにより、底部74の強度がより高いものとなるため、芯線48aをより強固に固定することができる。
そしてまた、圧着前の状態において厚さT1,T2が底部74の厚さSaの70%以下である接触金具71を用い、第1先端部分72aと第2先端部分73aとを底部74側に向けるように第1側部72と第2側部73とを湾曲させ、底部74と第1側部72と第2側部73とで複数の芯線48aを囲んで圧着することで圧着体80を製造している。そのため、第1先端部分72a及び第2先端部分73aが複数の芯線48aの間に食い込みやすくなり、底部74と第1側部72と第2側部73とでリード線48の芯線48aをより強固に固定することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実現し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、圧着前の接触金具71において、厚さT1,T2が圧着する対象のリード線48の芯線48aの径よりも小さいものとしたが、これに限らず芯線48aの径よりも大きくてもよい。ただし、第1先端部分72a及び第2先端部分73aが複数の芯線48aの間に食い込みやすくなるため、厚さT1,T2が圧着する対象のリード線48の芯線48aの径よりも小さいことが好ましい。なお、保持部71gによる芯線48aの圧着を行った後の状態では、圧着により第1先端部分72a及び第2先端部分73aの厚さが変化する場合がある。そのため、必ずしも圧着後の第1先端部分72a及び第2先端部分73aの厚さが芯線48aの径よりも小さくなくともよい。
上述した実施形態では、圧着前の接触金具71において、厚さT1,T2が底部74の厚さSaの70%以下であるものとしたが、圧着後の接触金具71においても、第1先端部分72a及び第2先端部分73aの厚さが底部74の厚さSbの70%以下であってもよい。なお、上述したように圧着により第1先端部分72a及び第2先端部分73aの厚さが変化したり、底部74の厚さが変化したりする場合があるため、必ずしも圧着後の第1先端部分72a及び第2先端部分73aの厚さが圧着後の底部74の厚さSbの70%以下でなくともよい。また、圧着後の接触金具71の保持部71gうち、芯線48aの軸方向の端部(図4における71gの左右端部)は、他の部分と比べて完全に保持部71gと芯線48aとが圧着されない形状(ベルマウス形状)となることがある。このベルマウス形状の部分では、他の部分と比べて圧着による保持部71gの厚さの変化が少ないため、ベルマウス形状の部分における芯線48aの軸方向に垂直な断面において、第1先端部分72a及び第2先端部分73aの厚さが圧着後の底部74の厚さSbの70%以下であるときには、圧着前の接触金具71において厚さT1,T2が底部74の厚さSaの70%以下であったものとみなしてもよい。
上述した実施形態では、圧縮加工により第1先端部分72a及び,第2先端部分73aを薄くするものとしたが、圧縮加工に限らず研磨や研削などの他の加工方法により薄くしてもよい。なお、圧縮加工に限らず加工により第1先端部分72a,第2先端部分73aを薄くする場合、第1先端部分72a,第2先端部分の加工後の厚さが加工前の厚さの70%以下になるようにしてもよい。また、第1先端部分72a及び第2先端部分73aだけでなく、第1側部72及び第2側部73全体を薄く加工するものとしてもよい。
上述した実施形態では、圧着体80は、芯線48aの軸方向に垂直な断面で保持部71gを見たとき、第1条件〜第10条件の全てを満たすものとしたが、これに限られない。第1条件〜第10条件のうち1つ以上の条件を満たせば、芯線48aをより強固に固定することができる効果が得られる。ただし、第1条件〜第10条件を数多く満たすほど、芯線48aをより強固に固定する効果が高まる。なお、保持部71gのいずれかの1箇所の断面において第1条件〜第10条件のうち1以上を満たしていればよいが、保持部71gの複数箇所の断面において満たしていることが好ましく、保持部71gのいずれの断面においても満たしていることがより好ましい。ただし、底部74の内周面の一部にセレーションが形成されている場合には、保持部71gのうちセレーションが形成されていない部分のうち、いずれか1カ所の断面が第1条件〜第10条件のうち1以上を満たしていればよく、複数箇所の断面において満たしていることが好ましく、いずれの断面においても満たしていることがより好ましい。同様に、圧着後の保持部71gにおいて芯線48aの軸方向の端部が上述したベルマウス形状となっている場合には、保持部71gのうちベルマウス形状の部分以外の部分のうち、いずれか1カ所の断面が第1条件〜第10条件のうち1以上を満たしていればよく、複数箇所の断面において満たしていることが好ましく、いずれの断面においても満たしていることがより好ましい。また、圧着前の接触金具71において、厚さT1,T2が底部74の厚さSaの70%以下であるものとすれば、圧着後の圧着体80において第1条件〜第10条件を1つも満たさないものとしてもよい。この場合でも、第1先端部分72a及び第2先端部分73aが複数の芯線48aの間に食い込みやすいことで、芯線48aをより強固に固定することができる効果は得られる。
上述した実施形態では、圧着前の接触金具71において、厚さT1,T2が底部74の厚さSaの70%以下であるものとしたが、圧着後の圧着体80において第1条件〜第10条件を1以上満たすものであれば、圧着前の接触金具71の形状はこれに限られない。
[実施例1]
図10,11に示した接触金具71を、上述した製造方法により作製し、実施例1とした。実施例1の接触金具71は、幅が0.7mm、厚さが0.2mm、長さが22mmとした。図14は、実施例1の接触金具71の保持部71gの断面の寸法を示す説明図である。図14に示すように、実施例1の保持部71gは、幅が2.1mm、高さが2.5mm、底部74の外周面の曲率半径が0.7mm、底部74の厚さSaが0.25±0.02mm、セレーション高さが0.055±0.025mm、第1側部72及び第2側部のうち先端部分72a,73aに向かって徐々に薄くなっていく部分の角度が20°、第1先端部分72a,第2先端部分73aの厚みT1,T2が0.05以上0.15mm以下とした。なお、接触金具71の材質はSUS304とした。
[実施例2]
保持部71gの寸法を変更した以外は、実施例1と同様の接触金具71を作成し、実施例2とした。図15は、実施例2の接触金具71の保持部71gの断面の寸法を示す説明図である。図15に示すように、実施例2の保持部71gは、幅が2.15±0.15mm、高さが2.3±0.10mm、底部74の内周面の曲率半径が0.5mm、底部74の厚さSaが0.25±0.1mm、セレーション高さが0.04±0.02mm、第1側部72及び第2側部のうち先端部分72a,73aに向かって徐々に薄くなっていく部分の角度が21.3°±1°、第1先端部分72a,第2先端部分73aの厚みT1,T2が0.15±0.02mmとした。
なお、図14,図15からもわかるように、実施例1及び実施例2は、いずれも第1先端部分72a,第2先端部分73aの厚みT1,T2が底部74の厚さSaの70%以下になっている。より具体的には、実施例1は厚みT1,T2が底部74の厚さSaの約20%〜約60%になっている。実施例2は厚みT1,T2が底部74の厚さSaの約60%になっている。
[圧着体の作製]
上述した実施例1,2の接触金具71をそれぞれ5個ずつ作製し、上述した方法によりリード線48の芯線48aを保持部71gで圧着して実施例1,2の圧着体80を作製した。なお、リード線48は、芯線48aの径が0.2mmであり、芯線48aの本数が19本であるものを用いた。また、クリンパ200とアンビル210とを互いに接近する方向に加締める際の荷重は、最大押しつけ荷重が450kg±4.0%以内に収まるようにした。そして、作製した圧着体80を芯線48aの軸方向に垂直に切断して、断面が第1条件〜第10条件を満たしているか否かを調べた。なお、圧着体80の切断や断面の観察は、トルーソルテック株式会社製の端子断面カットモニターCS−04PCを用いて行った。結果を表1に示す。なお、表1では、各実施例の各条件について、5個すべてで条件を満たしていた場合に、良好(○)と判定した。
Figure 2015167146
表1からわかるように、第1実施例は第1条件〜第10条件の全てを満たしていた。また、第2実施例は、バリに関しては未測定としたが、第1〜第7条件及び第10条件を満たしていた。このことから、第1先端部分72a,第2先端部分73aの厚みT1,T2を底部74の厚さSaの70%以下とすることで、第1条件〜第10条件を満たす圧着体80を比較的容易に作製できることがわかった。
なお、実施例1,2の圧着体80について、リード線48の抜けにくさ(引張り強度)や保持部71gと芯線48aとの接触抵抗のばらつきの少なさを調べたところ、条件1〜10のいずれも満たさない圧着体と比較して、実施例1,2の圧着体80の方が良好な結果が得られることを確認した。
10 ガスセンサー、20 センサー素子、21 電極、21a 第1面電極、21b 第2面電極、21e スルーホール、30 保護カバー、31 内側保護カバー、31a 内側保護カバー孔、32 外側保護カバー、32a 外側保護カバー孔、40 センサー組立体、41 主体金具、41a 雄ネジ部、42 内筒、43a〜43c セラミックスサポーター、44a,44b セラミックス粉体、45 メタルリング、46 外筒、46a 開口端、47 ゴム栓、47a 貫通孔、48 リード線、48a 芯線、50 コネクター、51 ハウジング、51a 第1ハウジング、51b 第2ハウジング、52 係止溝、53 挿入孔、54 係止部、55 凸部、56,57 規制部材、71 接触金具、71a 先端部、71b 支持部、71c 導通部、71d 立直部、71e フック部、71f 湾曲部、71g 保持部、72 第1側部、72a 第1先端部分、73 第2側部、73a 第2先端部分、74 底部、74a,74b 立ち上がり部分、75,76 バリ、77 領域、78 セレーション、80 圧着体、90 クランプ、100 金属板部、100a〜100c,100f,100g,111〜113 領域、101 凹み部、102 表面、110 金属片,111a,112a 直線、122,123 金属片、200 クリンパ、201 凹部、201a 突起、210 アンビル、211 凸部。

Claims (14)

  1. 底部と、前記底部に連なる第1側部と、前記底部のうち前記第1側部とは反対側に連なる第2側部と、を有する保持部、
    を備え、
    前記第1側部は、前記底部に連なる側とは反対側の端部に位置する第1先端部分を有し、該第1先端部分の厚さは、前記底部の厚さの70%以下であり、
    前記第2側部は、前記底部に連なる側とは反対側の端部に位置する第2先端部分を有し、該第2先端部分の厚さは、前記底部の厚さの70%以下である、
    圧着端子。
  2. 前記第1先端部分及び前記第2先端部分は、圧縮加工により形成されている、
    請求項1に記載の圧着端子。
  3. 複数の芯線を有するリード線と、
    底部と、前記底部に連なる湾曲した第1側部と、前記底部のうち前記第1側部とは反対側に連なる湾曲した第2側部と、を有する保持部、を備えた圧着端子と、
    を備えた圧着体であって、
    前記保持部は、前記第1側部の先端部分である第1先端部分と前記第2側部の先端部分である第2先端部分とを前記底部側に向けるように前記第1側部と前記第2側部とが湾曲することで、該底部と該第1側部と該第2側部とで前記複数の芯線を囲んで圧着しており、
    前記芯線の軸方向に垂直な断面で前記保持部を見たとき、該断面において前記第1側部の湾曲部分と前記第2側部の湾曲部分との接線の方向を水平方向とし、該水平方向に垂直な方向を高さ方向として、前記底部の底面から前記接線までの高さであるクリンプハイトCHが1.20±0.05mmであり、且つ、前記保持部の前記水平方向の幅であるクリンプワイドCWが1.66±0.05mmである、
    圧着体。
  4. 前記断面において、前記第1側部と前記第2側部とが接触している部分の前記高さ方向の距離である高さHaが0.15mm以上である、
    請求項3に記載の圧着体。
  5. 前記断面において、前記第1側部と前記第2側部とが接触している部分と、前記高さ方向と、のなす角である角度αが0°以上30°以下である、
    請求項3又は4に記載の圧着体。
  6. 前記断面において、前記底部のうち前記芯線側の面の最底部と、前記第1側部の前記第1先端部分側及び前記第2側部の前記第2先端部分側との高さ方向の最小距離である距離CFAが0.125mm以上である、
    請求項3〜5のいずれか1項に記載の圧着体。
  7. 前記断面において、前記第1側部の前記第1先端部分側に接する水平方向の接線と、前記第2側部の前記第2先端部分側に接する水平方向の接線と、の高さ方向の距離である距離CFEが0mm以上0.25mm以下である、
    請求項3〜6のいずれか1項に記載の圧着体。
  8. 前記断面において、圧縮率CR[%]=(前記底部と前記第1側部と前記第2側部とで囲まれた領域の面積)/{(前記芯線1本の圧着前の断面積)×(前記圧着された芯線の本数)}×100としたときに、圧縮率CRが87%以下である、
    請求項3〜7のいずれか1項に記載の圧着体。
  9. 前記断面において、前記底部から前記第1側部及び前記第2側部への前記芯線側の立ち上がり部分にクラックが発生していない、
    請求項3〜8のいずれか1項に記載の圧着体。
  10. 前記断面において、前記底部のバリの高さであるバリ高さGhが0mm以上0.25mm以下であり、且つ、該バリは前記底部の最底部よりも前記高さ方向で前記芯線側の領域内に収まっている、
    請求項3〜9のいずれか1項に記載の圧着体。
  11. 前記断面において、前記底部のバリの水平方向の幅であるバリ幅Gbが0mm以上0.125mm以下である、
    請求項3〜10のいずれか1項に記載の圧着体。
  12. 前記断面において、前記底部の厚みである底部厚さSbが0.1875mm以上である、
    請求項3〜11のいずれか1項に記載の圧着体。
  13. 底部と、前記底部に連なる第1側部と、前記底部のうち前記第1側部とは反対側に連なる第2側部と、を有する保持部、を備え、前記第1側部は、前記底部に連なる側とは反対側の端部に位置する第1先端部分を有し、該第1先端部分の厚さは、前記底部の厚さの70%以下であり、前記第2側部は、前記底部に連なる側とは反対側の端部に位置する第2先端部分を有し、該第2先端部分の厚さは、前記底部の厚さの70%以下である、圧着端子を用いた圧着体の製造方法であって、
    (a)前記圧着端子と、複数の芯線を有するリード線と、を用意する工程と、
    (b)前記第1先端部分と前記第2先端部分とを前記底部側に向けるように前記第1側部と前記第2側部とを湾曲させることで、該底部と該第1側部と該第2側部とで前記複数の芯線を囲んで圧着する工程と、
    を含む圧着体の製造方法。
  14. 前記工程(a)では、前記第1先端部分及び前記第2先端部分の厚さが前記リード線の芯線の径よりも小さい前記圧着端子を用意する、
    請求項13に記載の圧着体の製造方法。
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