JP2015166667A - 小型放熱冷却装置、 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒートパイプ機能を媒体にして熱交換器と一体化する構造で、強制対流により効率良く熱交換を行う、優れた放熱特性を有する小型放熱冷却装置を提供する。
【解決手段】小型放熱冷却装置1は、直方体形状の受熱領域9と、その双肩部10a、10bに流体の対流動作をもたらす貫通孔2を有する。貫通孔2内には内部管路3を形成する受熱領域9から延びる管状内壁6と、管状内壁6を取囲むように設けられた外部管路5を形成する管状外壁4とを有する二重構造である。外部管路5内に作動流体12が導入され、管状内壁6の外周面と管状外壁4の内周面には、ヒートパイプとして機能する液体還流用の通路が形成され、受熱した熱が内部管路3内の流体に伝達される。加熱された流体は、貫通孔2の一端に備えられた磁気共鳴効果で発動する送風・送液ファン17の強制対流により熱を放散する。それに伴い、他端の漏斗状吸入口15から冷気を有す流体が吸入される。
【選択図】図1

Description

この発明は、電子・電気機器等の冷却を行なう際、CPU,MPU等のマイクロ素子や半導体素子等の発熱素子を効率的に放熱冷却するための小型放熱冷却装置に関するものである。
コンピュータ機器をはじめゲーム機、情報通信関連機器、家電等におけるマイクロ素子や半導体素子は高性能化、高集積化、高密度化が進展し、それに伴い、これらの素子から発生する熱量、熱密度は増大しており、正常な動作を得るために熱対策が重要課題となっている。そのため、電子部品を冷却するためにヒートシンクやヒートパイプなどが使用されている。
従来から、ノートパソコンにおける半導体集積回路素子であるCPU等の発熱素子の冷却には、例えば、発熱素子から受熱するための集熱板に、1本〜2本のヒートパイプを接続し、放熱部に平板状のアルミの薄い放熱板をヒートパイプと組み合わせた、ヒートシンクにより熱を効率的に広げていた。この場合、放熱部面積は受熱部にくらべ拡大する必要があり、平板状の放熱板では大きくなりすぎるといった問題があった。さらに、より大きな放熱面積を広げるため、フィンとヒートシンクが一体化した放熱板を設け、集熱板とヒートパイプと放熱板を組み合わせ、強制対流を送るファンを用いることでより大きな熱量を効率よく放熱するという手法がとられてきた。
上記のような熱対策では、ノートパソコン筐体の本体部分からの放熱量は、パソコンサイズの制約により限られるため、さらに効果的な熱対策が求められた。このような場合には、ディスプレーパネル部分から放熱させる方式がとられている。例えば、2本のヒートパイプとヒンジ機構を設け、集熱板に接続したヒートパイプによって熱を移動させ、ヒンジ部分で2本目のヒートパイプに熱伝達し、ディスプレイ面に設けられた放熱板により、熱を拡散し自然放熱させるといった手法がとられてきた。
一方、従来からデスクトップやサーバー等の発熱素子の冷却には、複数の素子を基板上に搭載したCPUのユニットや、複数個のMPUモジュールが使用されているため、ヒートシンクとファンによる強制空冷が基本とされていた。例えば、2本のヒートパイプを接続した大きな集熱板をCPUに取り付け、ヒートパイプの放熱部に多数枚のフィンを装着し、ファンによる強制冷却をする。また、サーバー用のMCMの冷却にはヒートシンクのベース板部分に複数本の偏平型ヒートパイプを埋め込む、あるいはベース板部分に凹部を設け、数本のヒートパイプを圧入するなどして、放熱フィンと組み合わせ、放熱板により熱拡散させてファンによる強制空冷により放熱する方式がとられてきた。
加えて、従来から、通信機器、ゲーム機等の冷却においても、例えば、複数の発熱素子の存在により、吸熱部に設けられたアルミニュウムなどの集熱板に、ヒートパイプが差し込まれ、熱をフィンへ送りファンにより外部に放熱するという手法がとられてきた。
特開昭62−280582号広報 特開平4−184094号広報
T.P.Cotter 「PRINCIPLES AND PROSPECTS FOR MICRO HEAT PIPES」(第328−335頁)、RESEARCH AND DEVELOPMENT OF HEAT PIPE TECHNOLOGY、(The Proceedings of the 5th International Heat Pipe Conference 1984)、 at Tsukuba Science City in Japan
上記のような従来の電子機器などの冷却方法では、CPU・MPUのような発熱素子の冷却に、一般的に、受熱部となるアルミニウム等の集熱板を発熱素子に接続し、集熱板にヒートパイプの蒸発部を取り付け、さらにヒートパイプの凝縮部にフィン・ヒートシンクが装着された放熱板を取り付けて放熱している。このような方式では、放熱・冷却に必要とする面積は、小型化する発熱素子に比べ大きく拡大することとなる。また、限られたスペースに合わせてヒートパイプのパイプ状部分を数回曲げて設置する必要があった。そのため曲げ回数が多くなると熱輸送量に影響を及ぼすという問題があった。
また従来の冷却方法では、マイクロ素子や半導体素子は微細化・高集積化・高性能化により発熱量は増加し、その表面積は小さく局所化を生じているのに対し、ヒートパイプの構造がパイプ状で曲面であるため、発熱素子と線状に接触するため接触面積は非常に小さい。そのため、表面積の大きい集熱板に熱拡散された熱が、接触面積の小さいヒートパイプに対し充分な伝達を行なうことが困難であった。そのため、発熱素子の発生する熱は充分な冷却とはいえず、発熱素子、集熱板、ヒートパイプ、放熱板と、それぞれ接触部分が多く、ヒートパイプとの接触面積を増加させながら、接触熱抵抗を低減することが必要とされていた。さらに、放熱部の面積は集熱部より大きくする必要があり、放熱板の表面積は非常に大きく、熱源からの熱の移動距離は長くなり限られた空間内では限界があるという問題があった。
この発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、マイクロ化する発熱素子・発熱体に対応し、発熱素子と面接触することで受熱効率を高め、小さい伝熱面積で放熱面積拡大効果を有する構造により熱源から局所的に熱伝達し、強制対流によって大きな放熱量を確保することで、機器内の熱源から発生する熱を外部に効果的に放散する。ヒートパイプ機能の蒸発部と凝縮部を近接して設けることで、限定された空間内でも効果的な放熱冷却を行ない、ヒートパイプの機能を媒体として、熱交換器と一体化する構造により、放熱冷却効率を高め、設定条件に合った全ての傾斜角度に対応して設置することを可能とする、コンパクトな小型放熱冷却装置を提供することにある。
この発明に基づく小型放熱冷却装置は、 受熱部となる直方体形状を有する受熱領域と、受熱領域の両端の双肩部、あるいは一端の肩部に、煙突効果手段によって流体の対流動作を発現する貫通孔を有し、貫通孔内に設けられた内部管路を形成する管状内壁と、この管状内壁を取り囲むように設けられ、受熱領域と連通して外部管路を形成する管状外壁と、受熱領域と双肩部、あるいは肩部の側面を閉塞する側壁と、気密封止された外部管路内に導入された、蒸発と凝縮とを繰り返す、熱媒体となる作動流体と、管状内壁の外周面と管状外壁の内周面には、凝縮した作動流体を毛細管現象によって、外部管路内を内方向にループ状を描きながら蒸発部へ還流させる液体通路手段と、を備えている。
上記の液体通路手段には、好ましくは、管状内壁の外周面と管状外壁の内周面に、内部管路の長手方向軸線に対して鉛直方向に、受熱領域から平行に沿って延び双肩部、あるいは肩部でリング状を形成する、作動流体を還流させるための複数のグルーブとウイックが単体あるいは複合で設けられている。また、上記の管状内壁の内周面には、好ましくは、放熱面積拡大のための溝状を形成する、稜線分が螺旋状を呈す断面が三角形状のフィン、
あるいは、稜線分が螺旋状を呈す角錐状のフィン、あるいは、内部管路の長手方向軸線に沿う板状のフィン、が設けられている。 また、上記の内部管路の両端には、好ましくは、内部管路が側壁から突出し、パイプを連結するためのジョイントが設けられている。
また、上記の貫通孔の一端には、好ましくは、貫通孔内に気体・液体を流通させるための、外筐内に納められた回転部に付属する羽根車と、この羽根車を駆動する、羽根車の基部に磁性体を組み込んだ回転体と、外筐の外部に接合して設けられた、モーターの回転軸に磁性体が組み込まれた回転体と連動する回転子とにより形成する、磁気作用と共鳴現象により発動する磁気共鳴モーターと、を備えた送風・送液ファンが設けられている。また、上記の送風・送液ファン内の羽根車には、好ましくは、貫通孔内に気体・液体を流通させるための、吸込み側の2枚から多数枚の羽根車を有する多翼状羽根車と、多翼状羽根車と同心軸上で接合する、吐き出し側の羽根形状が軸方向に凹凸状の螺旋を描く螺旋状羽根車とが、支軸と軸受によって支持されて設けられている。また、上記の貫通孔の他端には、好ましくは、パイプを連通させ貫通孔内に流体を吸込むための、複数の漏斗状孔を有する漏斗状吸入口が設けられている。
(作用)
この発明に基づく小型放熱冷却装置では、発熱源から熱が受熱部となる受熱領域の管状外壁の底面に伝達され、その管状外壁に伝達された熱が管状外壁と管状内壁とによって形成される外部管路内に伝達される。外部管路内には熱媒体となる作動流体が導入されており、この作動流体に上記の熱が伝達されることになる。この作動流体は、管状外壁との接触面で蒸発して蒸発潜熱として熱を奪い、まず受熱領域の管状外壁面に沿って移動し、肩部あるいは双肩部の管状内壁表面で凝縮することによって、管状内壁に凝縮潜熱として熱を伝達する。凝縮した作動流体は外部管路内を壁面に沿って、ループ状に液体通路手段によって受熱領域へ還流される。そして、管状内壁に伝達された熱が内部管路内の流体に伝達される。
それにより、内部管路内の流体は加熱され流通する。その際に、気体が流通する工程では、この加熱された気体はその密度が周囲の気体より小さくなるため、内部管路内の気体は熱を移行しながら貫通孔内へ放出され外部に放散され、冷気を持った気体が貫通孔に補給されて、内部管路内に対流動作をもたらす煙突効果手段が形成される。また、液体が流通する工程では、放熱によって管状内壁の内周面に気泡が発生し、この熱を含んだ気泡は内部管路の液体に熱を移行しながら貫通孔内へ放出され外部に排水され、冷気を持った液体が貫通孔に補給され、内部管路内に対流動作をもたらす煙突効果手段が形成される。こうして、流体は再び管状内壁から熱を奪って移動して流通する。このような対流熱伝達を繰り返すことによって、熱の排出が効果的に行なわれることになる。この発明の第一の局面によれば、流体の対流動作を利用する煙突効果手段により、対流熱伝達を効果的に行ない、放熱特性を高めた小型放熱冷却装置が得られる。
また、上記の液体通路手段に、管状内壁の外周面と管状外壁の内周面に、内部管路の長手方向軸線に対して鉛直方向に、受熱領域から平行に沿って延び双肩部、あるいは肩部でリング状を形成する、作動流体を還流させるための複数のグルーブとウイックが単体あるいは複合で設けられた場合には、発熱源に面接触する管状外壁の受熱領域に熱が効率的に移動し、外部管路内に伝達される。このとき、作動流体は接触面で蒸発して熱を奪い、毛細管現象によって液体通路手段を通って移行し、内部管路に対し内方向に壁面をループ状に双肩部あるいは、肩部へと運ばれながら、管状内壁で凝縮して管状内壁に熱を伝達する。そして、作動流体は液体通路手段を通って蒸発部である受熱領域へ還流する。
さらに、作動流体を蒸発部である受熱領域へ還流するため、蒸発部が凝縮部より上方に位置するトップヒートモードに設けた場合には、この液体通路手段によってドライアウト
を抑制することが可能となる。通常、蒸発部への熱入力が大きくなると作動流体の沸騰がおこり、限界熱輸送量を超えると作動流体の蒸発部への還流が妨げられ、蒸発部での作動流体の液枯れ現象が発生するが、この液体通路手段により液枯れ現象が抑えられることで、熱輸送性能への影響を与えないことが可能となる。この発明の第二の局面となる液体通路手段は、蒸発した作動流体を長手方向軸線に対して鉛直方向から、さらに内方向にループ状に移動させ、凝縮した作動流体を受熱領域に還流することが可能となる。それにより、熱を効果的に受け取って連続的に管状内壁への熱伝達率を高めることが可能となる。
また、上記の管状内壁の内周面に、放熱面積拡大のための溝状を形成する、稜線分が螺旋状を呈す断面が三角形状のフィン、あるいは、稜線分が螺旋状を呈す角錐状のフィン、あるいは、内部管路の長手方向軸線に沿う板状のフィンが設けられた場合には、内部管路内における管状内壁の表面積を増大させ、対流との接触面積を拡げて伝熱量を増やすことができる。それにより、熱伝達効率が高まり、管状内壁の放熱効率を向上させることが可能となる。
また、上記の内部管路の両端に、内部管路が側壁から突出し、パイプを連結するためのジョイントが設けられた場合には、内部管路とパイプを連ねて接続することが可能となる。それにより、貫通孔内を流体が通過し、連結されたパイプの一端から内部管路内で加熱された流体が外部へ排出される。そして、パイプの他端から冷気を有する流体が補給され、再び、流体が内部管路内で熱を奪って流通することが可能となる。それにより、放熱により加熱された流体が、補給された冷気を持つ流体に熱を移動させる。そして、このような動作による熱伝達が繰り返され、放熱冷却効果を高めることが可能となる。また、内部管路とパイプの着脱を自在にすることが可能となる。
また、上記の貫通孔の一端には、貫通孔内に気体・液体を流通させるための、外筐内に納められた回転部に付属する羽根車と、この羽根車を駆動する、羽根車の基部に磁性体を組み込んだ回転体と、外筐の外部に接合して設けられた、モーターの回転軸に磁性体が組み込まれた回転体と連動する回転子とにより形成する、磁気作用と共鳴現象により発動する磁気共鳴モーターと、を備えた送風・送液ファンが設けられた場合には、回転体と回転子が磁気の斥力と引力により作用し、振動体の回転子が回転体に接近することで磁気共鳴現象が起こり、これにより、発動する磁気共鳴モーターを形成することが可能となる。そして、回転体と回転子が連動して羽根車を回転させて駆動が可能となる。それにより、流体が強制対流により貫通孔内にパイプを通じて吸い込まれ一定方向に流通することが可能となる。
また、上記の送風・送液ファン内の羽根車には、貫通孔内に気体・液体を流通させるための、吸込み側の2枚から多数枚の羽根車を有する多翼状羽根車と、多翼状羽根車と同心軸上で接合する、吐き出し側の羽根形状が軸方向に凹凸状の螺旋を描く螺旋状羽根車とが、支軸と軸受によって支持されて設けられた場合には、流体が多翼状羽根車から吸い込まれ螺旋状羽根車へ吸引され、螺旋状羽根車の外周の一部から反対側の外周の一部に向かって、軸方向に直角な断面内を通り抜けることとなる。多翼状羽根車を設けることで吸引する風量・水量を大きくすることが可能となる。このとき、螺旋状羽根車により羽根車の径を小さくすることで小型化が可能となる。そして、螺旋状羽根車の軸方向の長さを増すことで、螺旋状羽根車の径はそのままで風量・水量の増大を図ることが可能となる。
このように、この発明の第三の局面となる磁気共鳴現象手段を有することで、貫通孔内の流体に強制的に対流を起こすことが可能となる。そして、駆動機構に磁性体を用いることで、貫通孔内を流通する流体は、気体・液体の両方に適応することが可能となる。このようにして、強制対流を発生させることで、第一の局面の煙突効果手段によって、内部管路内に発生する対流動作が効果的に行なわれ、熱交換効率を向上させ放熱効果が高められ
ることが可能となる。また、強制対流によって自然対流による放熱に比べて熱伝達率が大きくなり、放熱効率を向上させる。さらに、この磁気共鳴現象手段により、小さなモーターの運動エネルギーを大きな運動エネルギーに変換することで、省エネルギー効果を高めることが可能となる。送風・送液ファンの設置場所としては、流体の排出口側に設けることが好ましいと言える。
また、上記の貫通孔の他端には、パイプを連通させ貫通孔内に流体を吸込むための、複数の漏斗状孔を有する漏斗状吸入口が設けられた場合には、冷気を持った流体が貫通孔内に吸い込まれるという対流動作を繰り返すことで、熱交換効率が向上し放熱効率を高めることが可能となる。この発明の第四の局面である流体流路手段は、漏斗状の孔が緩やかに狭くなる流入口を用いることで、速度損失を少なくし、漏斗状吸入口から流入した流体は密度が小さくなるため、流体の冷却効果が高められることが可能となる。その後、流体は連結するパイプ内で広がって発達して層流から乱流を生じ、熱伝達が促進されることが可能となる。
このとき、気体が貫通孔内に流入する場合、その気体中に微水滴を噴霧し、湿り空気を混入させて貫通孔内を流通させることで、流通する微水滴を有する湿り空気が、内部管路内を通過する際に、管状内壁に接触し管状内壁との接触面で蒸発して蒸発潜熱を奪って、内部管路内の気体にその熱が伝達されて流通して排気口から放散することで、放熱・冷却効果を高めることが可能となる。
以上のように、この発明によれば、電子機器などの小型化する発熱素子の急速な発熱量の変化に対応して、その発生した熱を局所的に熱伝達し、発熱素子に面接触することで受熱効率を高め、小さい伝熱面積で放熱面積拡大効果を可能とする。第一の局面では、煙突効果手段による流体の対流動作をもたらし、強制対流を用いてより大きな放熱量を確保する。第二の局面では、液体還流を効果的に行なう液体通路手段を有する構造と、第三の局面では、磁気共鳴効果手段を有することで、気体・液体に対応する送風・送液機により強制対流を発生させる。第四の局面では、流体の流れ助走・発達領域を設け、流体の冷却効果を高めるための流体流路手段を有する。
このように、ヒートパイプの蒸発部と凝縮部を近接して設け、強制対流方式の熱交換器部を備えることで、ヒートパイプの機能を媒体として、熱交換器と一体化する構造により、放熱冷却を効果的に行なうことが可能となり、この小型放熱冷却装置の放熱冷却特性を高めることが可能となる。それにより、大小さまざまな発熱素子の放熱冷却効果を向上させ、設定条件に合った全ての傾斜角度に対応して設置することを可能とする、コンパクトな小型放熱冷却装置を提供することが可能となる。
また、複数個の発熱体に対応して、個々の熱源に接続しそれぞれの発熱素子を連結して、集約立体的に積層配置されたモジュールの発熱素子を同時に冷却することで、効果的に放熱冷却が可能となる。また、発熱体を有する筐体内部の温度上昇を防止することが可能となる。それにより、電子機器などの発熱量・発熱密度を制御することが可能となる。
本発明に基づく一実施例における小型放熱冷却装置が、発熱素子に装着された状態を示す斜視図である。 本発明の一実施例の小型放熱冷却装置の形成状態を示す一部展開断面斜視図である。 本発明の一実施例の貫通孔が2個の小型放熱冷却装置が、レベルヒートモード、(傾き・0度)の設置状態を示す斜視図である。 本発明の一実施例の貫通孔が1個の小型放熱冷却装置が、レベルヒートモード、(傾き・0度)の設置状態を示す斜視図である。 本発明の一実施例の貫通孔が1個の小型放熱冷却装置が、ボトムヒートモード、(傾き・+90度)の設置状態を示す斜視図である。 本発明の一実施例の貫通孔が1つの小型放熱冷却装置が、トップヒートモード、(傾き・−90度)の設置状態を示す斜視図である。 本発明の一実施例の貫通孔が1つの小型放熱冷却装置が、トップヒートモード、(傾き・180度反転)の設置状態を示す斜視図である。 本発明の図3、図4に示した、空冷方式によるレベルヒートモード測定での放熱特性である。 本発明の図4、図5、図7に示した、空冷方式による測定モード別の放熱特性である。 本発明の図3、図4に示した、水冷方式によるレベルヒートモード測定での放熱特性である。 本発明の図3〜図7に示した、水冷方式による測定モード別の放熱特性である。
以下、この発明に基づく実施例の形態について、図1〜図7を用いて説明する。
まず、図1、図3〜図5を参照して、図1が示すように、本発明に基づく小型放熱冷却装置1が電子機器部品などの発熱素子に組み込まれることになる。電子機器部品などの発熱素子の発熱源26が水平方向に設けられた場合は、この発熱源26の上面に、本発明に基づく小型放熱冷却装置1の管状外壁4の受熱領域9が、面接触するように装着され、レベルヒートモードで使用されることになる。また、発熱源26が垂直方向に設けられた場合は、この発熱源26の側面に、受熱領域9が、面接触するように装着され、ボトムヒートモードで使用されることになる。
他の使用例として、例えば、図6が示すように、小型放熱冷却装置1の蒸発部が凝縮部より上方に位置するトップヒートモードで装着して使用することも可能である。あるいは、図7が示すように、発熱源26が180度に反転した状態で設けられた場合に、発熱源26の底面に装着してトップヒートモードで使用することも可能である。このように、全ての傾斜角度の設定に対応して設置することを可能とする。また、接触面で発生する接触熱抵抗の低減に、サーマルシート・サーマルグリース等を使用することが好ましい。
次に、図2を参考にして、本発明に基づく小型放熱冷却装置1が、発熱源26に装着されて設けられた場合には、貫通孔2を規定するように、管状外壁4の直方体形状部の受熱領域9の両端の双肩部10aに、左右対称を構成するループ状の貫通孔2が、あるいは一端の肩部10bに、ループ状の貫通孔2が発熱源26に平行して設けられている。これらの双肩部10a、肩部10bは、管状外壁4と管状内壁6とを有する二重構造となっている。
管状外壁4内には、所定の間隔をあけて管状内壁6が設けられている。この管状外壁4と管状内壁6とによって外部管路5が形成されることになる。外部管路5内は気密な状態となるように、その両側面は側壁11によって密閉封止されている。この気密封止された外部管路5内に作動流体12が導入される。
管状外壁4の直方体形状部分の受熱領域9は、発熱源26に面接触して設けられている。管状外壁4の内周面と管状内壁6の外周面には、凝縮した作動流体12を毛細管現象に
よって、外部管路5内を内部管路3に対し内方向にループ状を描きながら、受熱部である蒸発部へ還流させるための液体通路手段が形成されている。この液体通路手段は、管状外壁4の内周面において、受熱領域9から、内部管路3の長手方向軸線に対して鉛直方向に、平行に沿って延び、双肩部10a、あるいは肩部10bでリング状を形成して、管状外壁4内周面を周回する、複数の溝のグルーブ7a、あるいはウイック7bと、そして、さらに管状内壁6の外周面において、内部管路3の長手方向に対し鉛直方向にリング状の複数の溝のグルーブ7a、あるいはウイック7bが単体あるいは複合で設けられている。
それにより、作動流体12は、グルーブ7a、又はウイック7bに沿って流れ、受熱領域9から管状外壁4の内周面に沿って移行し、内部管路3に対し内方向に管状外壁4の内周面をループ状に双肩部10a、肩部10bへと運ばれながら、管状内壁6の外周表面で凝縮することによって管状内壁6に熱を伝達する。このように、作動流体12は液体通路手段によって効率よく受熱部へ還流され作動することが可能となり、その際に、壁面から効率よく熱を奪い放熱部で熱を放熱し、連続的に熱伝達率を高めることが可能となる。
管状内壁6によって内部管路3が形成され貫通孔2が規定されることになる。この貫通孔2内の内部管路3では、気体が流通する工程では、内部管路3内の気体は加熱されて、周囲の空気より密度が小さくなるため、その加熱された気体は内部管路3内から一方の貫通孔2内を通じて外部に放散され、この内部管路3内の加熱された気体が放散された後は、冷気を持った気体が他方の貫通孔2の先端から補給され、内部管路3内に吸気される対流動作をもたらす煙突効果手段が形成される。そして、この冷気を持った気体が同様にして管状内壁6から熱を奪って再び流通する。このような対流熱伝達を繰り返すことによって、熱の排出が効果的に行なわれることになる。
また、液体が流通する工程では、放熱によって管状内壁6の内周面に気泡が発生し、この熱を含んだ気泡は内部管路3内の液体に熱を移行し、内部管路3内の加熱された液体は、内部管路3内から一方の貫通孔2内を通じて外部に排水され、この内部管路3内の加熱された液体が排水された後は、冷気を持った液体が他方の貫通孔2の先端から補給され、内部管路3内に吸入される対流動作をもたらす煙突効果手段が形成される。そして、この冷気を持った空気が同様にして管状内壁6から熱を奪って再び流通する。このような対流熱伝達を繰り返すことによって、熱の排出が効果的に行なわれることになる。この煙突効果手段により、対流熱伝達を効果的に行ない、放熱特性を高めた小型放熱冷却装置1が得られる。
また、この管状内壁6の内周面には、溝状を形成する、稜線分が螺旋状を呈す断面が三角形状のフィン、あるいは、稜線分が螺旋状を呈す角錐状のフィン、あるいは、内部管路の長手方向軸線に沿う板状のフィンである、放熱用のフィン8が設けられている。このフィン8を設けることによって管状内壁6の内周面の表面積を増大させ、対流との接触面積を拡げて伝熱量を増やし、それにより、熱伝達効率を向上させることが可能となる。
内部管路3の両端には、内部管路3が側壁11から突出するジョイント13が設けられ、このジョイント13のそれぞれの両端に、パイプ14が連結して設けられている。パイプ14としては、金属、または、ゴム等の弾生体が用いられることが好ましい。このジョイント13とパイプ14が連通して、貫通孔2内を流体が流通し、内部管路内の放熱により加熱された気体あるいは液体が通過し、パイプ14の一端の排出口16から外部へ排出されて、パイプ14の他端の漏斗状吸気口15から、冷気を有する気体あるいは液体が補給され、再び内部管路3から熱を奪って通過し放熱される。それにより、加熱された流体が補給された冷気を持った流体に熱を移動し、加熱された流体の排出と、冷気を有する流体の補給によって、熱伝達が繰り返され放熱効率を増大させることが可能となる。そして、冷却効果を高めることが可能となる。
また、貫通孔2の一端には、貫通孔2内に流体(気体・液体)を流通させるために、吸込み側に設けられた2枚から多数枚の羽根車を有する多翼状羽根車18と、多翼状羽根車18と同心軸上で接合する、吐き出し側に設けられた羽根形状が軸方向に凹凸状の螺旋を描く螺旋状羽根車19が、支軸22と軸受23によって支持されて外筐25内に取り付けられている。このとき、多翼状羽根車18は、流体の吸込み側に螺旋状羽根車19の前方に設けることが好ましいと言える。
この多翼状羽根車18と螺旋状羽根車19を駆動するために、磁気作用と共鳴現象により発動する磁気共鳴モーター24が設けられている。この磁気共鳴モーター24は、螺旋状羽根車19の基部に磁性体を組み込んだ回転体20と、回転体20と磁気と共鳴により連動して発動する、モーターの回転軸に磁性体が組み込まれた回転子21が、外筐25の外部に接合して設けられている。回転体20と回転子21が磁気の斥力と引力により作用し、振動体となる回転子21が回転体20に接近することで磁気共鳴現象を起こし、発動する磁気共鳴モーター24を形成することが可能となる。それにより、回転体20と回転子21が連動して多翼状羽根車18と螺旋状羽根車19を回転させ、駆動が可能となる。
ここで、回転部に付属する多翼状羽根車18、螺旋状羽根車19と磁気共鳴モーター24が、一体化することで流体を流通させるための、送風・送液ファン17が形成されることになる。そして、貫通孔2内にパイプ14を連通させることで、貫通孔2内に強制対流により流体を流通することを可能とする磁気共鳴現象手段が形成される。そして、駆動機構に磁性体を用いることで、貫通孔内を流通する流体は、気体・液体の両方に適応することが可能となる。また、この送風・送液ファン17は、排出口16側のパイプ14に取り付けることが好ましいと言える。
また、多翼状羽根車18を設けることで、吸込み側の吸引する風量・水量を大きくすることが可能となり、流体が多翼状羽根車18から吸い込まれ、吐き出し側の螺旋状羽根車19へ吸引されて通り抜けることになる。このとき、螺旋状羽根車19の軸方向長さを増せば、螺旋状羽根車19の径はそのままで風量・水量の増大が可能となり、螺旋状羽根車19により羽根車の径を小さくでき小型化が可能となる。また、多翼状羽根車18と螺旋状羽根車19の風量・水量の増大が図れることとなる。
この貫通孔2の他端のパイプ14には、貫通孔2内に冷気を持った流体を吸い込むための複数の漏斗状の孔を有する漏斗状吸入口15が設けられている。漏斗状吸入口15の孔は緩やかに狭くなる流入口を用いることで、流体の流れの助走・発達領域を設け、流体の冷却効果を高めるための流体流路手段が形成されている。流体は流出口が緩やかに広がることで速度損失が少なり、漏斗状吸入口15からパイプ14内に流入する。このとき、流入した流体は密度が小さくなるため、流体の冷却効果を高めることが可能となる。その後、流体はパイプ14内で広がって発達して層流から乱流を生じ、熱伝達が促進すされることが可能となる。この漏斗状吸入口15はパイプ14に固定して取り付けられている。
このとき、冷気を持った気体を貫通孔2内に流入する場合に、流入させる気体中に微水滴を噴霧し、湿り空気を流通させることで、さらに冷気を持った気体が内部管路3内を通過する際に、管状内壁6との接触面で蒸発して熱を奪って、内部管路3内の空気に熱が伝達されて、冷却効果を高めることが可能となる。
さらに、図1、図2を用いて上記のような構造を有する小型放熱冷却装置1の動作について説明する。図1に示されるように、電子機器部品などの発熱素子に設置するために小型放熱冷却装置1が水平方向、あるいは、垂直方向に設けられる。ここで、発熱素子の発熱源26に小型放熱冷却装置1の受熱領域9面を接触させ、小型放熱冷却装置1のヒート
パイプ機能の凝縮部となる双肩部10aおよび肩部10bを、発熱源26から一定の間隔で離間して設けることで、内部管路3が発熱源26から離れ、内部管路3内の加熱された流体は、強制対流方式により効果的に放熱冷却が行われることになる。
発熱源26から発生する熱は、まず管状外壁4の直方体形状の一方の壁面の受熱領域9に伝達される。そして、管状外壁4に伝達された熱は、外部管路5内に伝達されることになる。
外部管路5内には、蒸発と凝縮とを繰り返すことによって熱の伝達を行なう作動流体12が導入されている。この作動流体12は、管状外壁4との接触面で蒸発して蒸発潜熱として熱を奪って蒸発し、内部管路3の長手方向に対し鉛直方向に設けられたリング状の、複数の溝のグルーブ7a、あるいはウイック7bに沿って、外部管路5内を管状外壁4の内周面と管状内壁6の外周面を、内方向にループ状を描くように移動する。その際に、管状内壁6の外周面で凝縮し凝縮潜熱を放出し熱を伝達する。このようにして凝縮した作動流体12は、ループ状のグルーブ7a、あるいはウイック7bに沿って、この液体通路手段によって運ばれ、再び蒸発部(吸熱部)へ還流される。そして、作動流体12の一部は、流れ落ちる際に、再び周囲から熱を吸収して蒸発する。このとき、液体循環のための液体通路手段によって、冷却部で凝縮した作動流体12がグルーブ7a、あるいはウイック7bに沿って蒸発部に、熱輸送量に応じて戻されことができるため、連続的な熱輸送を繰り返す。
このように、作動流体12は、吸熱面として機能する管状外壁4から熱を吸収して蒸発し、放熱面として機能する管状内壁6に熱を伝達することによって凝縮するといった蒸発と凝縮を連続的に繰り返す。それにより、発熱源1に発生した熱を効果的に管状外壁4から管状内壁6へ伝達する。このようにして管状内壁6に伝達された熱は、放熱用のフィン8に伝達され、内部管路3内の気体あるいは液体に効率的に熱が伝達される。
このようにして熱が伝達された内部管路3内の流体は、内部管路3内を通過する。まず、気体が流通する工程では、内部管路3内の加熱された気体は、その密度が周囲の空気より小さくなるため、煙突効果手段によって内部管路3内から放出され、貫通孔2内を流通して外部へ放散される。そして、貫通孔2の先端から冷気を持った気体が補給されることになる。この冷気を持った気体が煙突効果手段により内部管路3内に吸い込まれる。また、液体が流通する工程では、管状内壁6の内周表面で気泡が発生し、この熱を含んだ気泡は内部管路3内を流れる液体に熱を伝達して、内部管路3内から貫通孔2内を通じて外部に排水されることになる。そして、貫通孔2の先端から冷気を有する液体が補給される。
このように、放熱により熱を伝達された流体は、ジョイント13に接続されたパイプ14内に導入され、排出口16側に設けられた送風・送液ファ17により排出口16から排出される。そして、この際に、漏斗状吸入口15から冷気を持った気体あるいは液体が補給される。
この送風・送液ファン17は、多翼状羽根車18と螺旋状羽根車19と、磁気共鳴モーター24により形成される。この磁気共鳴モーター24内の回転体20と回転子21が磁気の斥力と引力により作用し、モーターが組み込まれて振動体となる回転子21が回転体20に接近することで磁気共鳴現象が起こり、回転体20と回転子21が連動し、磁気共鳴手段によって磁気共鳴モーター24が発動することで送風・送液ファン17の駆動が可能となる。
このようにして、強制対流を発生することで貫通孔2内に流体が一定方向に流通し、熱を有する流体を排出口16から送り出すことが可能となる。この際、内部管路3内で加熱
された気体あるいは液体が排出口16から排出し、漏斗状吸入口15から冷気を持った気体あるいは液体が補給され、接続するパイプ14内を流通し、内部管路3内を通過して管状内壁6から熱を吸収して再び流通する。漏斗状吸入口15から流入した流体は、送風・送液ファン17内の多翼状羽根車18と螺旋状羽根車19を通り抜け、発達して乱流を発生し熱伝達が促進される。このとき、流体が吸込み側の多翼状羽根車18から吸い込まれ、吐き出し側の螺旋状羽根車19へ吸引される。多翼状羽根車18から大量に吸引された流体は、続いて螺旋状羽根車19の外周の一部から反対側の外周の一部に向かって、軸に直角な断面内を通り抜けることになる。
また、磁気共鳴モーター24を用いた送風・送液ファン17により、気体・液体の両方の流体にも適応することが可能となる。さらに、この送風・送液ファン17を設けることによって、貫通孔2内に吸い込まれた流体を一定方向に流通させ、貫通孔2である内部管路3内にパイプ14を通じて、強制的に対流を起こし、内部管路3内に発生する煙突効果手段による対流動作を、効果的に発現させることで、熱交換効率を向上させることが可能となり。これにより、放熱効率を向上させる。
また、送風・送液ファン17は、排気口16側に設けられることで、送り出される流体に熱の影響を与えることはない。さらに、この送風・送液ファン17は磁気共鳴モーター24により、通常のモーターの小さなエネルギーを大きな運動エネルギーに変換することで、省エネ効果を高め、小型化を図ることが可能となる。
また、この際に吸入側では漏斗状吸入口15から冷気を持った気体あるいは液体が補給される。この漏斗状吸入口15に吸い込まれた流体は、流入口が緩やかに狭くなることで、流体の流れが剥離せずに一様な速度で流入し滑らかな縮小流が生じ、漏斗状吸入口15内の短い助走区間を経過した後、流体は流出口が緩やかに広がることで速度損失が少なり、パイプ14内に流入する。このとき、漏斗状吸入口15内に流入した流体は密度が小さくなるため、流体の冷却効果を高めることが可能となる。その後、流体はパイプ14内に入り、貫通孔2内で広がって発達して層流から乱流を生じ、熱伝達が促進すされることが可能となる。このように、流体の流れの助走・発達領域を設け、流体の冷却効果を高めるための流体流路手段が形成される。
このとき、冷気を持った気体を貫通孔2内に補給する場合に、流入させる気体中に微水滴を噴霧し、湿り空気を流通させることで、冷気を持った気体が内部管路3内を通過する際に、管状内壁6との接触面で蒸発して熱を奪って、内部管路3内の空気に熱が伝達されてパイプ14内を流通し、排出口16から排気されることで、冷却効果を高めることが可能となる。
このように、磁気共鳴現象手段と流体流路手段により、放熱されるべき熱を持った気体あるいは液体が貫通孔2内から外部に排出され、冷却するための冷気を持った気体あるいは液体が貫通孔2内に吸入されることで熱交換効率が高まり、液体通路手段、煙突効果手段がより効果的に行なわれることで放熱、冷却効果が増大する。以上のようにヒートパイプの蒸発部と凝縮部を近接して設け、強制対流方式の熱交換器部を備えることで、ヒートパイプの機能を媒体として、熱交換器と一体化する構造により、小型放熱冷却装置1の放熱冷却を効果的に行なうことが可能となる。それにより、微小発熱素子をはじめ、さまざまな大きさの発熱素子の放熱・冷却効果を高め、設定条件に合った全ての傾斜角度に対応して設置することを可能とする、コンパクトな小型放熱冷却装置1を提供することが可能となる。
続いて、一実施例の実験として、図3〜図7に示した小型放熱冷却装置1の対流冷却による放熱冷却効果を比較する実験を行なった。図8、図9は、貫通孔2内に送風・送液フ
ァン17から強制対流を流した空冷方式による比較実験の温度変化を示している。また、図10、図11は、貫通孔2内に送風・送液ファン17により強制対流を流した水冷方式による比較実験の温度変化を示している。この実験のために、ニクロム線、太さ0.2mm×長さ600mm、入熱量12Wの熱源を用意し、229℃前後となるように制御された。その熱源の上面に厚さ4mmの平面形状が21×21mmの立方体形状の、発熱素子となるアルミニウムプレート27を設置した。熱源はアルミニウムプレート27の底面に組み込まれた。アルミニウムプレート27内には、熱電対28が挿入され、アルミニウムプレート27の中央部分の温度を測定した。
このアルミニウムプレート27に、図3〜図7に示すように、小型放熱冷却装置1をそれぞれの測定モードに装着して行なった。図8、図9の空冷方式による実験では、貫通孔内の強制対流は送風・送液ファン17によるエアー速度3.0〜4.0m/sであった。また、図10、図11の水冷方式による実験では、貫通孔内の強制対流は水流93ml/1min.水温20.5℃であった。実験室の室温は、15.2〜20.5℃であった。
図8の実験は、空冷方式により、アルミニウムプレート27の上に図3、図4に示すように、貫通孔が1個の小型放熱冷却装置1、貫通孔が2個の小型放熱冷却装置1と、貫通孔が1個の小型放熱冷却装置1のダミーを、それぞれレベルヒートモード(0度)に置いたとき、入熱時、アルミニウムプレート27の温度が何度に維持されるのかを調べた。
図9の実験は、空冷方式により、アルミニウムプレート27の上に図4、図5、図7に示すように、小型放熱冷却装置1をレベルヒートモード(0度)、ボトムヒートモード(+90度)、トップヒートモード(180度反転)に置いたとき、入熱時、アルミニウムプレート27の温度が何度に維持されるかを調べた。
図10の実験は、水冷方式により、アルミニウムプレート27の上に図3、図4に示すように、貫通孔が1個の小型放熱冷却装置1、貫通孔が2個の小型放熱冷却装置1を、それぞれレベルヒートモード(0度)に置いたとき、入熱時、アルミニウムプレート27の温度が何度に維持されるのかを調べた。
図11の実験は、水冷方式により、アルミニウムプレート27の上に図4〜図7に示すように、小型放熱冷却装置1をレベルヒートモード(0度)、ボトムヒートモード(+90度)、トップヒートモード(−90度)、トップヒートモード(180度反転)に置いたとき、入熱時、アルミニウムプレート27の温度が何度に維持されるのかを調べた。
実験結果において、図8を参照して、発熱素子となるアルミニウムプレート27の温度は矢印1が示すように、1時間後229℃であった。空冷方式では、矢印2が示すように、貫通孔が1個の小型放熱冷却装置1のダミーを使用すると、徐々に上昇し、1時間後146.9℃であった。これに対し、矢印3で示すように、貫通孔が1個の小型放熱冷却装置1をアルミニウムプレート27の上に載せると、1時間後には127℃を示し一定温度に維持された。矢印4で示す線は、貫通孔が2個の小型放熱冷却装置1を載せた場合を示し、1時間後には88℃を示し一定温度に維持された。
図9を参照して、発熱素子となるアルミニウムプレート27の温度は矢印1が示すように、1時間後229℃であった。空冷方式では、矢印2で示すように、貫通孔が1個の小型放熱冷却装置1を、レベルヒートモード(0度)でアルミニウムプレート27上に載せると、1時間後には127.0℃を示し一定温度に維持された。矢印3で示す、ボトムヒートモード(+90度)でアルミニウムプレート27に設けた場合には、1時間後には120.6℃を示し一定温度に維持された。矢印4で示す、トップヒートモード(180度反転)でアルミニウムプレート27に装着した場合には、1時間後には133.6℃を示
し一定温度に維持された。
次に図10を参照して、矢印1が示すように、発熱素子となるアルミニウムプレート27の温度は1時間後229℃であった。水冷方式では、矢印2で示す、貫通孔が1個の小型放熱冷却装置1をアルミニウムプレート27の上に載せると、1時間後には56.7℃を示し一定温度に維持された。矢印3で示す線は、貫通孔が2個の小型放熱冷却装置1をアルミニウムプレート27の上に載せた場合を示し、1時間後には38.1℃を示し一定温度に維持された。
図11を参照して、発熱素子となるアルミニウムプレート27の温度は矢印1が示すように、1時間後229℃であった。水冷方式では、矢印2で示す、貫通孔が1個の小型放熱冷却装置1を、レベルヒートモード(0度)でアルミニウムプレート27上に載せると、1時間後には56.7℃を示し一定温度に維持された。矢印3で示す、ボトムヒートモード(+90度)でアルミニウムプレート27に設けた場合には、1時間後には55.8℃を示し一定温度に維持された。矢印4で示す、トップヒートモード(−90度)でアルミニウムプレート27に設けた場合には、1時間後には57.3℃を示し一定温度に維持された。矢印5で示す、トップヒートモード(180度反転)でアルミニウムプレート27に装着した場合には、1時間後には50.9℃を示し一定温度に維持された。
上記の結果から、図3〜図7に示した小型放熱冷却装置1は、優れた放熱冷却特性を有していることが確認された。
この発明によれば、電子・電気機器等の発熱素子の冷却の際に、設置経路の制約など限定された空間内で、高効率かつコンパクトな構造により効果的な放熱冷却を行ない、貫通孔内に強制対流を流通させて空冷方式・水冷方式を採用することで効果的な放熱冷却を高め、集約多層化・三次元化する発熱体に対応し、微小発熱体から熱を有効に取り出し、コンピュータ分野、半導体関連機器、ゲーム機、通信機器等の、高密度実装化・高機能化に伴う発熱量増大による熱制御が不可欠な用途に適用できる。また、ペルチェ素子の高温側に組み合わせることで、放熱効率化を高めることができる。
1 小型放熱冷却装置
2 貫通孔
3 内部管路
4 管状外壁
5 外部管路
6 管状内壁
7a グルーブ
7b ウイック
8 フィン
9 受熱領域
10a 双肩部
10b 肩部
11 側壁
12 作動流体
13 ジョイント
14 パイプ
15 漏斗状吸入口
16 排出口
17 送風・送液ファン
18 多翼状羽根車
19 螺旋状羽根車
20 回転体
21 回転子
22 支軸
23 軸受
24 磁気共鳴モーター
25 外筐
26 発熱源
27 アルミニウムプレート
28 熱電対











Claims (7)

  1. 受熱部となる直方体形状を有する受熱領域と、前記受熱領域の両端の双肩部、あるいは一端の肩部に、煙突効果手段によって流体の対流動作を発現する貫通孔を有し、
    前記貫通孔内に設けられた内部管路を形成する管状内壁と、
    前記管状内壁を取り囲むように設けられ、前記受熱領域と連通して外部管路を形成する管状外壁と、
    前記受熱領域と前記双肩部、あるいは前記肩部の側面を閉塞する側壁と、
    気密封止された前記外部管路内に導入された、蒸発と凝縮とを繰り返す熱媒体となる作動流体と、
    前記管状内壁の外周面と前記管状外壁の内周面には、凝縮した前記作動流体を毛細管現象によって、前記外部管路内を内方向にループ状を描きながら蒸発部へ還流させる液体通路手段と、を備えた小型放熱冷却装置。
  2. 前記液体通路手段には、前記管状内壁の外周面と前記管状外壁の内周面に、前記内部管路の長手方向軸線に対して鉛直方向に、前記受熱領域から平行に沿って延び前記双肩部、あるいは前記肩部でリング状を形成する、前記作動流体を還流させるための複数のグルーブとウイックが単体あるいは複合で設けられている、請求項1に記載の小型放熱冷却装置。
  3. 前記管状内壁の内周面には、放熱面積拡大のための溝状を形成する、稜線分が螺旋状を呈す断面が三角形状のフィン、あるいは、稜線分が螺旋状を呈す角錐状のフィン、あるいは、前記内部管路の長手方向軸線に沿う板状のフィン、が設けられている、請求項1に記載の小型放熱冷却装置。
  4. 前記内部管路の両端には、前記内部管路が前記側壁から突出し、パイプを連結するためのジョイントが設けられている、請求項1に記載の小型放熱冷却装置。
  5. 前記貫通孔の一端には、前記貫通孔内に気体・液体を流通させるための、
    外筐内に納められた回転部に付属する羽根車と、
    前記羽根車を駆動する、前記羽根車の基部に磁性体を組み込んだ回転体と、
    前記外筐の外部に接合して設けられた、モーターの回転軸に磁性体が組み込まれた前記回転体と連動する回転子とにより形成する、磁気作用と共鳴現象により発動する磁気共鳴モーターと、
    を備えた送風・送液ファンが設けられている、請求項1に記載の小型放熱冷却装置。
  6. 前記送風・送液ファン内の前記羽根車には、前記貫通孔内に気体・液体を流通させるための、吸込み側の2枚から多数枚の羽根車を有する多翼状羽根車と、前記多翼状羽根車と同心軸上で接合する、吐き出し側の羽根形状が軸方向に凹凸状の螺旋を描く螺旋状羽根車とが、支軸と軸受によって支持されて設けられている、請求項1に記載の小型放熱冷却装置。
  7. 前記貫通孔の他端には、パイプを連通させ前記貫通孔内に流体を吸込むための、複数の漏斗状孔を有する漏斗状吸入口が設けられている、請求項1に記載の小型放熱冷却装置。
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