JP2015160421A - Rtm成形装置およびrtm製造方法、ならびにこれらを用いた繊維強化樹脂成形体 - Google Patents

Rtm成形装置およびrtm製造方法、ならびにこれらを用いた繊維強化樹脂成形体 Download PDF

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有輝 彦坂
晃之助 山本
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晃之助 山本
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Seiji Tsuji
誠司 辻
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Abstract

【課題】大流量で樹脂を注入した場合でも樹脂吐出孔直下の強化繊維基材の乱れを防止可能なRTM成形装置およびRTM製造方法、ならびにこれらを用いた繊維強化樹脂成形体を提供する。
【解決手段】上下一対の成形型を有するRTM成形装置であって、前記成形型の間には強化繊維を複数積層した強化繊維積層体を配置するキャビティが形成され、前記キャビティ内に配置される強化繊維積層体の一方の表層に対して開口する樹脂吐出孔と、該樹脂吐出孔に連通する樹脂注入調整機構が少なくともいずれか一方の型に設けられ、前記キャビティへの樹脂注入開始時から一定時間t(秒)は、前記樹脂注入調整機構のキャビティに接する面と前記成形型内表面とが略面一とならない注入時位置に、一定時間t(秒)経過後に、前記樹脂注入調整機構のキャビティに接する面が前記成形型内表面と略面一となる保持時位置に移動するRTM成形装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、RTM成形装置およびRTM製造方法、ならびに繊維強化樹脂成形体に関し、特に、樹脂吐出孔直下での成形品表面品位不良の発生を防止することが可能なRTM成形装置および成形方法、繊維強化樹脂成形体に関する。
生産性に優れた繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics:FRP)の成形方法として、ドライの強化繊維布帛からなる基材を成形型内に配置し、マトリックス樹脂を型内に注入し強化繊維基材内に含浸させ、樹脂を硬化させた後、成形品を脱型させる、RTM成形方法と呼ばれる成形方法が知られている。
特に、成形品の生産速度を向上させる場合、あるいは、大型の成形品を生産する場合においては、複数の樹脂注入孔を設け、複数の注入点から樹脂を注入することで繊維強化樹脂成形体の成形時間を短縮する技術が用いられる。
例えば、特許文献1では、金型と積層体との間に、一方の型と他方の型の間に、厚み方向に貫通する樹脂流路を形成する中間部材を配設し、該中間部材を介して、樹脂を強化繊維基材に対して複数の箇所からほぼ同時に注入する技術が開示されている。この方法によれば、比較的大きな三次元面状体に対しても、樹脂注入から含浸・硬化までの成形工程を、樹脂が流れない領域が生じさせることなく、高速で実施できる。しかしながら、樹脂硬化後には樹脂流路用溝、および貫通孔に樹脂の塊が残ることから、成形品の重量増加を招いたり、当該塊の樹脂収縮の影響により成形品の表面に凹凸等の外観不良が現れたりする問題があったため、例えば外板部材のような意匠性を要する部材に適用することができなかった。
これに対し、特許文献2では、強化繊維基材と接する成形型の少なくとも一面に樹脂注入口を設け、冷熱媒体が流れる機構と樹脂の流量を制御するバルブ機構を備えてなる樹脂注入部を複数設けて、この複数の樹脂注入部より吐出される樹脂を前記樹脂注入口から注入する技術が開示されている。この技術によれば、樹脂流路や注入口近傍で発生する樹脂塊はなくなる一方、できるだけ樹脂を早く含浸させるために樹脂流量を大きくすると、注入口直下近傍の繊維積層体にかかる圧力も大きくなるため、前記繊維積層体を構成する強化繊維基材の乱れが生じるという問題がある。
この強化繊維基材の乱れとは、例えば図1に示すように、織物状の強化繊維基材41の繊維束411が注入された樹脂61の圧力により押されて樹脂注入前の位置からずれる現象であり、成形品の外観意匠性が低下するだけでなく、意図しない繊維配向となることで力学物性も低下する。
特許文献3では、特許文献2の樹脂注入口の先端部における樹脂流路の横断面を、樹脂流れ方向にみて該先端部直前における樹脂流路の横断面に対し拡大した形態(流路下流側に向けてラッパ状に末広がり状に形成された形態)にする樹脂注入孔を用いた技術が開示されている。この技術によれば、樹脂注入口における樹脂圧力が低下するため、強化繊維基材の乱れを抑制しながら、樹脂流動抵抗が低下することで含浸速度を早くすることができるが、特許文献1同様に、ラッパ状の樹脂形状が成形品に転写されるため成形体の表面品位に問題が生じる。
一方、樹脂注入時の強化繊維基材の乱れを抑制する技術として、例えば特許文献4のように、少なくとも1つ以上の突起が形成された押さえ面を有する治具を用いて樹脂注入・硬化させる技術が開示されている。この技術によれば、樹脂の含浸時に繊維体は治具によって固定され、特に、治具の突起によって強い押圧力でしっかりと固定されるので、注入された樹脂によって繊維体の繊維が押し流されることは防止される一方、治具の存在により樹脂流路が狭くなり、樹脂流量が小さくなるため成形時間は長くなる。
特開2005−246902号公報 特開2010−89501号公報 特開2012−192542号公報 特開2004−249592号公報
上述の通り、強化繊維積層体の一面に対面して配置された樹脂吐出孔から樹脂を注入する方法において、特許文献1や特許文献3で開示されるような方法では、樹脂塊の残存等によって成形体の表面品位が低下するという問題があった。また、特許文献2に開示されるような方法では、繊維積層体を構成する強化繊維基材の乱れが生じるという問題があった。一方、特許文献4で開示されるような方法においては、固定治具の存在により樹脂流路が狭くなり、樹脂流量が小さくなるため成形時間は長くなるという問題があった。
そこで本発明の課題は、上記のような従来技術の現状に鑑みて、大流量で樹脂を注入した場合でも樹脂吐出孔直下の強化繊維基材の乱れを防止可能なRTM成形装置およびRTM製造方法、ならびにこれらを用いた繊維強化樹脂成形体を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るRTM成形装置は、
(1)上下一対の成形型を有するRTM成形装置であって、
前記成形型の間には強化繊維を複数積層した強化繊維積層体を配置するキャビティが形成され、
前記キャビティ内に配置される強化繊維積層体の一方の表層に対して開口する樹脂吐出孔と、該樹脂吐出孔に連通する樹脂注入調整機構が少なくともいずれか一方の型に設けられ、
前記キャビティへの樹脂注入開始時から一定時間t(秒)は、前記樹脂注入調整機構のキャビティに接する面と前記成形型内表面とが略面一とならない注入時位置に、
一定時間t(秒)経過後に、前記樹脂注入調整機構のキャビティに接する面が前記成形型内表面と略面一となる保持時位置に移動することを特徴とするRTM成形装置。
(2)前記樹脂吐出孔の断面積S(cm)と、前記樹脂注入調整機構の前記キャビティに接する面の投影面積S(cm)の比が下記関係式(I)を充足する、(1)に記載のRTM成形装置。
2<(S/S)<20 ・・・(I)
(3)前記一定時間t(秒)として、樹脂注入開始後、樹脂粘度が100mPa・sに達するより短い時間とすることを特徴とする、(1)または(2)に記載のRTM成形装置。
(4)前記注入時位置が、(A)または(B)の位置であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載のRTM成形装置。
(A)前記樹脂注入調整機構の接する面が前記強化繊維積層体の一部を押圧する位置y
(B)前記樹脂注入調整機構の接する面と前記強化繊維積層体とが離間した位置y
(5)前記注入時位置が、樹脂注入開始時に前記(A)または(B)の位置にあり、一定時間t(秒:0<t<t)経過後に、樹脂注入開始時と異なる他方の位置に移動させることを特徴とする(4)に記載のRTM成形装置。
(6)前記樹脂注入調整機構が前記位置(A)に移動した際、前記樹脂注入調整機構に押圧された範囲における前記強化繊維積層体の繊維体積含有率Vf1が、押圧前における前記強化繊維積層体の繊維体積含有率Vf0の1.1倍以上1.3倍以下であることを特徴とする(4)または(5)に記載のRTM成形装置。
(7)前記樹脂注入調整機構が前記位置(B)に移動した際、前記樹脂注入調整機構のキャビティに接する面と、前記成形型内表面との距離dが、0.2mm<d<1mmの範囲にあることを特徴とする、(4)または(5)に記載のRTM成形装置。
からなる。また、本発明に係るRTM製造方法は、
(8)上下一対の成形型の間に形成されたキャビティ内に強化繊維基材を複数積層した強化繊維積層体を配置し、
少なくとも一方の型に該強化繊維積層体の一方の表層に対向して開口する樹脂吐出孔と、該樹脂吐出孔に連通する樹脂注入調整機構とが設けられ、
該樹脂吐出孔から樹脂を注入して該強化繊維積層体に含浸させ、硬化させるRTM製造方法において、
前記キャビティへの樹脂注入開始時から一定時間t(秒)は、前記樹脂注入調整機構の前記キャビティに接する面の位置を前記成形型表面と略面一とならない注入時位置に移動させ、一定時間t(秒)経過後に前記樹脂注入調整機構のキャビティ側の面の位置を該成形型表面と略面一となる保持時位置に移動させ、該樹脂を硬化させて繊維強化樹脂成形体を得ることを特徴とするRTM製造方法。
(9)前記樹脂吐出孔の断面積S(cm)と、前記樹脂注入調整機構の前記キャビティに接する面の投影面積S(cm)の比を、下記関係式(I)を充足するように設定する(8)に記載のRTM製造方法。
2<(S/S)<20 ・・・(I)
(10)前記一定時間t(秒)が、樹脂注入開始後、樹脂粘度が100mPa・sに達する時間よりも短いことを特徴とする、(8)または(9)に記載のRTM製造方法。
(11)前記注入時位置を、以下の(A)または(B)の位置とすることを特徴とする(8)〜(10)のいずれかに記載のRTM製造方法。
(A)前記樹脂注入調整機構の接する面が前記強化繊維積層体の一部を押圧する位置y
(B)前記樹脂注入調整機構の接する面と前記強化繊維積層体とが離間した位置y
(12)前記樹脂注入調整機構の前記注入時位置を、樹脂注入開始時においては前記(A)または(B)の位置にあり、一定時間t(秒:0<t<t)経過後に、樹脂注入開始時とは異なる他方の位置に移動することを特徴とする、(11)に記載のRTM製造方法。
(13)前記樹脂注入調整機構を前記位置(A)に移動した際において、前記樹脂注入調整機構の直下の前記強化繊維積層体の繊維体積含有率Vf1を、前記樹脂注入調整機構の直下以外の前記強化繊維積層体の繊維体積含有率Vf0の1.1倍以上1.3倍以下となるように前記樹脂注入調整機構を移動させることを特徴とする(11)または(12)に記載のRTM製造方法。
(14)前記樹脂注入調整機構を前記位置(B)に移動した際において、前記樹脂注入調整機構の前記強化繊維積層体と対向する面と、前記強化繊維積層体の前期樹脂注入調整機構と対向する面の距離dを、0.2mm<d<1mmを満たすように、前記樹脂注入調整機構を移動させることを特徴とする(11)または(12)に記載のRTM製造方法。
からなる。また、本発明に係る繊維強化樹脂成形体は、
(15)(8)〜(14)のいずれかに記載のRTM成形方法を用いて得られる、繊維強化樹脂成形体。
からなる。
このように構成された本発明のRTM成形装置およびRTM製造方法によれば、強化繊維積層体の面内から樹脂を注入するに際し、樹脂吐出孔近傍の強化繊維基材に乱れを生じることなく高い樹脂流量を確保でき、かつ成形後の繊維強化樹脂成形体に注入口形状の転写がなく、もしくは転写した場合でも目立たないため除去する必要のない、高意匠な成形品を短時間で得ることができる。
従来技術における強化繊維基材の乱れを例示した模式図である。 本発明に係るRTM成形装置の一作動状態を示す概略縦断面図である。 本発明の一実施形態に係るRTM成形装置の樹脂注入調整機構が成形型内表面と略面一とならない一作動状態の概略断面図である。 本発明の一実施形態に係るRTM成形装置の樹脂注入調整機構が成形型内表面と略面一となる一作動状態の概略断面図である。 本発明の一実施形態に係るRTM成形装置の樹脂吐出孔と樹脂注入調整機構の断面積を例示した概略断面図である。 本発明の一実施形態に係るRTM成形装置の樹脂注入調整機構が注入時位置(A)にあり、強化繊維積層体を押圧している状態を例示した概略断面図である。 本発明の一実施形態に係るRTM成形装置の樹脂注入調整機構が注入時位置(B)にあり、樹脂注入調整機構と強化繊維積層体との間に空間を形成している状態を例示した概略断面図である。 本発明の一実施形態に係るRTM成形装置の樹脂注入調整機構の一作動状態を示す概略断面図である。 本発明の別の実施形態に係るRTM成形装置の樹脂注入調整機構の一作動状態を示す概略断面図である。 実施例で用いた試験装置の概略断面図である。
以下に、本発明の望ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図2は、本発明の一実施態様に係るRTM成形装置の一作動状態を示している。
本発明のRTM成形装置は、キャビティ12を形成する少なくとも一対の型10a、10bから形成される成形型10、樹脂注入機9、樹脂注入ライン91、樹脂注入調節機構2および樹脂吐出孔3からなる樹脂注入部13、プレス機構5から構成されている。
強化繊維基材積層体4が設置されるキャビティ12は、型10aおよび10bの間に設置されたシール材11でシールされる。
ここで、本発明に係るRTM成形装置を用いて繊維強化樹脂成形体を得る方法の一例を説明する。強化繊維積層体4が配置された後、成形型10が閉じられた状態で、強化繊維積層体4の一面(図2では上面側)に対面して開口する、例えばピン状の弁体31によって開閉される樹脂吐出孔3から、樹脂注入機9から送られたマトリックス樹脂が注入されて強化繊維積層体4に含浸され、次いで樹脂が硬化されてキャビティ12と同等形状の繊維強化樹脂成形体が成形される。
樹脂注入部13に設置される樹脂注入調節機構2は、キャビティ12内への樹脂注入開始時から一定時間t(秒)は、この樹脂注入調整機構2のキャビティ12に対面する面21が成形型10aの型内表面101aと、例えば図3aのように略面一にならない位置(以降、注入時位置と呼ぶ)にあり、一定時間t(秒)経過後に図3bのようにキャビティ12に対面する面21が成形型10aの型内表面101aと略面一となる位置(以降、保持時位置と呼ぶ)に移動する。
樹脂注入開始時に樹脂注入調節機構2が注入時位置に移動することによって、強化繊維基材積層体4から離れる方向へ移動させた場合においては、見かけの樹脂注入口径を大きくして樹脂吐出孔3近傍の樹脂圧力を低下させることができる。一方、強化繊維基材積層体4に近づく方向へ移動させた場合においては、キャビティ12強化繊維積層体の把持力を大きくすることができる。いずれの場合においても、樹脂注入流量を大きくしても、樹脂吐出孔3直下の強化繊維積層体4を構成する強化繊維基材に乱れが生じず、高意匠表面を有する繊維強化樹脂成形体を短時間で得ることができる。
さらに、樹脂注入後一定時間t(秒)が経過した後、樹脂注入調整機構2が保持時位置に移動することで、樹脂注入調整機構2そのもの上型の境界部の形状が成形品表面に実質的に転写されることなく、高意匠性を有する強化繊維樹脂が得られる。
次に、図3a、図3bに本発明の一実施形態に係るRTM成形装置の樹脂注入調整機構の概略断面図を示す。
樹脂注入調整機構2は、成形型のキャビティ12に対面する面21側の面の形状が、対応する箇所の繊維強化樹脂成形体の形状を成す可動部材23と、可動部材を上下動するための駆動機構22から構成される。
可動部材23は、樹脂が成形型10aとの間に浸入しないよう、上型側へ延びた構造を有し、上型側面との間にシール材24、25を備えている。シール材24、25の材質は特に限定されず、マトリックス樹脂に対する耐薬品性や注入圧力でシールが決壊しない耐圧性を有するものを選択すればよい。
駆動機構22としてピストンが樹脂吐出孔3を開閉する弁体31の可動方向26に動くことで、可動部材23が移動する機構を例示しているが、駆動機構は特に限定されず、ピストン以外に、ボールねじやラック・ピニオン機構などを用いてもよく、またその駆動方法は空気式、油圧式、電動式のいずれでもよい。
また、樹脂注入調整機構2を構成する部材の材質は特に限定されないが、後述するマトリックス樹脂を硬化させる時の温度上昇に伴う材質の熱膨張により、隙間が生じてシール不良になったり、スムーズに可動できなくなったりすることがないように、上型10aの材料との熱膨張係数の差が±1.0×10−6/K以下の材料が好ましい。
次に、図4に本発明の一実施形態に係るRTM成形装置の樹脂吐出孔と樹脂注入調整機構の断面積を例示した概略断面図を示す。
樹脂吐出孔3の断面積S(cm)と、樹脂注入調整機構2を構成する可動部材2aの、キャビティ12に対面する面21の投影面積S(cm)の比は以下の関係式(I)を充足することが好ましい。
2<(S/S)<20 (I)
/Sが2以下になると、樹脂吐出孔3の断面積S(cm)と樹脂注入調整機構2を構成する可動部材2aの、キャビティ12に対面する面21の投影面積S(cm)間の差が小さくなり、樹脂吐出孔3直下の強化繊維基材の乱れを抑制することができず、強化繊維樹脂成形体の表面意匠性に問題が生じる。
/Sが20以上になると、強化繊維積層体の押圧される面積が大きくなり、樹脂注入調整機構2のキャビティに対面する面21が成形型10aの型内表面101aと略面一になっても、強化繊維積層体の押圧された領域が復元せず、樹脂注入調整機構2の直下に樹脂リッチが生じやすくなるほか、樹脂注入調整機構2の側面と上型10aの間にマトリックス樹脂が入り込んで硬化した際に、接着面積が大きくなるため接着力が高くなり、可動部材23が動かなくなりやすくなる。また、樹脂注入調整機構2が大きくなればなるほど駆動機構も大きくする必要があるほか、上型10aに樹脂注入調整機構2を取り付けるための掘り込み量が大きくなるため、上型10aの剛性が下がり樹脂注入時や上型温度変化時にたわみやすくなる。さらに、可動部材2aは温度調整機能を有さないため、S/Sが20以上になると直下の樹脂に十分な熱を与えることができず、硬化不良を招くおそれがある。本発明の効果をより得やすくするためには、S/Sは5より大きく、15より小さいことが好ましい。
樹脂注入調整機構2が樹脂注入開始後に注入時位置から保持時位置へ移動するまでの時間t(秒)としては、マトリックス樹脂が注入開始された後、樹脂の粘度が100mPa・sに達する時間より短く設定されることが好ましい。注入された樹脂は、熱硬化性樹脂を用いた場合は硬化反応の進行により、熱可塑性樹脂を用いた場合は樹脂温度の低下により粘度が上昇し、最終的に繊維強化樹脂成形体となる。樹脂粘度が100mPa・sを超えてから樹脂注入調整機構2を動かすと、その形状が繊維強化樹脂成形体表面に転写されてしまい、表面意匠性に問題が生じる。注入開始後に樹脂の粘度が100mPa・sに達するまでの時間は、成形前に実施される予備試験から決定しても良いし、注入された金型内の樹脂粘度を直接測定しながら決定しても良い。予備試験からt1(秒)を決定する場合は、たとえば動的粘弾性測定装置を使用して、樹脂を金型内に注入したときの温度変化を模擬し、その際の粘度変化を測定することで樹脂注入開始から樹脂の粘度が100mPa・sに達するまでの時間t(秒)を求めることができる。金型内に注入された樹脂粘度を直接測定しながらt(秒)を決定する場合は、たとえば誘電率センサを樹脂注入部13の直下に配置し、金型内樹脂の誘電分析を行うことで樹脂粘度の推移をリアルタイムに計測することで、樹脂注入開始から樹脂の粘度が100mPa・sに達するまでの時間を予測して、t(秒)を決定することができる。
本発明で使用する樹脂としては、例えばエポキシ樹脂やビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂に限らず、アクリル樹脂やポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂も使用することができる。特に樹脂粘度が一時10Pa・s以下であるような、粘度が低く強化繊維基材への含浸が良好な樹脂が特に好ましい。
また、本発明における強化繊維基材とは、強化繊維からなる基材の総称である。本発明における強化繊維基材に用いられる強化繊維としては、例えば炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維、PBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、チラノ(チタンアルミナ)繊維、ナイロン繊維などが挙げられる。もちろん、単一の繊維で構成するだけでなく複数の繊維から構成される基材も用いることができる。また、強化繊維基材の形態は、平織りや綾織り、朱子織り等の織物に限らず、ストランドを一方向に揃えたUD(ni irection)材料、ノンクリンプファブリック材料や多軸基材、ランダムマットやコンティニアスストランドマット等のマット材料やニット材料、およびこれらを組み合わせたハイブリッド基材も用いることができる。このハイブリッド基材として、例えば、一方向材と織物材を組み合わせた不織布の上に一方向材を配置した基材が挙げられる。
次に、樹脂注入調整機構2について説明する。
樹脂注入調整機構2は、樹脂注入開始時までに注入時位置として以下の(A)または(B)の位置に移動し、注入開始から一定時間t(秒)の間は注入時位置を保持することが好ましい。
(A)樹脂注入調整機構2の、キャビティと接する面21が前記強化繊維積層体4の一部を押圧する位置y
(B)樹脂注入調整機構2の、キャビティと接する面21と強化繊維積層体4とが離間した位置y
樹脂注入調整機構2が位置y(A)にある場合、図5のように樹脂注入調整機構2のキャビティと接する面21が強化繊維積層体4の一部を押圧することで、樹脂吐出孔3近傍での強化繊維積層体4の把持力が増加するため、樹脂流動力に対する強化繊維基材の抵抗力が大きくなり、樹脂吐出孔近傍での強化繊維基材の乱れが抑制される。本発明の効果を得るためには、キャビティと接する面21に押圧された範囲における強化繊維積層体4の繊維体積含有率Vf1が、押圧前における繊維強化積層体4の繊維体積含有率Vf0(35−55%)の1.1倍以上1.3倍以下の範囲となるように前記位置yを設定することが好ましい。
f1がVf0の1.1倍より小さくなると、強化繊維基材の乱れを抑制するのに十分な強化繊維積層体の把持力が得られず、樹脂流動時の圧力で強化繊維基材が移動し、乱れが発生する。またVf1がVf0の1.3倍より大きくなると、強化繊維積層体内の樹脂流路の働きをする空隙が小さくなるため、注入時の流量低下を招く。
一方、樹脂注入調整機構2が位置y(B)にある場合、図6のように樹脂注入調整機構2のキャビティと接する面21と、直下の強化繊維積層体4との間に空隙7が形成され、樹脂吐出孔3から吐出された樹脂は空隙7を充填した後強化繊維積層体4に含浸する。このとき空隙7は樹脂吐出孔3よりも大口径の見かけの樹脂注入口として働き、樹脂が強化繊維積層体4に及ぼす圧力Pは、樹脂吐出孔3からの吐出圧力Pよりも低くなるため、樹脂吐出孔3直下での強化繊維基材の乱れが抑制される。前記位置yは、樹脂注入機構2のキャビティと接する面21と上型10aの型内表面101aとの距離dが0.2mm<d<1mmの範囲となるように設定することが好ましく、0.5mm<d<0.8mmであることがより好ましい。
が0.2mm以下になると、樹脂注入調整機構2のキャビティと接する面21と強化繊維積層体4の間の距離が近すぎるため、樹脂が強化繊維積層体4に及ぼす圧力Pが一定にならず吐出孔3の直下で圧力が高くなるため強化繊維基材の乱れを抑制することができなくなる。またdが1mm以上になると、得られた強化繊維樹脂の樹脂注入調整機構2直下に当たる領域に樹脂リッチが形成され、意匠性に問題が生じる。
その後、図7に示すように、上記の位置y(A)またはy(B)から、樹脂注入開始から一定時間t(秒)が経過した後、樹脂注入調整機構2は、キャビティに接する面21が上型10aの型内表面101aと略面一となる保持時位置に移動し樹脂を硬化させることで強化繊維基材に乱れの無い、高意匠性を有する強化繊維樹脂が得られる。特に位置y(B)から樹脂注入調整機構2の、キャビティに接する面21が上型10aの型内表面101aと略面一となる保持時位置に移動する場合は、型内樹脂圧を維持できるため、樹脂の硬化収縮による表面意匠性の低下を防ぐことができる。
さらに、図8に本発明の別の実施形態に係るRTM成形装置の樹脂注入調整機構の一作動状態を示す概略断面図を示す。
本実施形態においては、樹脂注入開始時に樹脂注入調整機構2は位置yまたは位置yにあり、一定時間t(秒)経過後(0<t<t)に樹脂注入開始時とは異なる他方の位置に移動し、注入開始から一定時間t(秒)が経過した時点で、樹脂注入調整機構2は、キャビティに接する面21が上型10aの型内表面101aと略面一となる保持時位置に移動し、樹脂注入後に樹脂を硬化させることでも強化繊維基材に乱れの無い、高意匠性を有する強化繊維樹脂が得られる。
このように、本発明に係るRTM成形装置および成形方法では、樹脂注入口直下の強化繊維積層体の把持力を上げたり、樹脂吐出孔より大口径の見かけの樹脂注入口を形成できる樹脂注入調整機構を用いたりすることで、樹脂吐出孔近傍の繊維強化基材に乱れを生じることなく高い流量で樹脂を注入することができ、高意匠な繊維強化樹脂成形体を短時間で得ることができる。
以下に本発明を実施例と比較例を用いて、さらに詳細に説明する。
実施例では、以下に述べる材料を使用した。
・強化繊維基材:東レ(株)製炭素繊維織物“CK6255”(織り組織:平織り、織物目付:330g/m)、熱可塑性樹脂のバインダ(粒状)が5g/m付着されているもの
・樹脂:東レ(株)製エポキシ樹脂
実施例では、図9に断面図を示すような、試験装置8を用いた。試験装置8は450mm×450mmの平板型キャビティ81を有する成形型82上型82aと下型82bを備えており、上型82aには樹脂吐出孔83と、その近傍に樹脂注入調整機構84を設けた。樹脂注入調整機構84は、図示しないボールねじを用いて、手動で昇降させることができるようにした。試験装置8における上型82aは図示しないプレス機構により型締め、型開けできるように構成した。本実施例では、プレス荷重はすべて50tとした。また、試験装置8の樹脂吐出孔83はピン状の弁体85で開閉されるようになっており、キャビティ81の周囲はシリコーンゴム86によってシールした。また、成形型82は図示しない熱媒流路を有しており、実施例では加圧水を流すことで成形型82を120℃に加熱して試験を実施した。
(実施例1〜5)
上記試験装置8の下型82bに、強化繊維基材からなる強化繊維積層体87を配置し、上型82aを閉じた。ここで用いた強化繊維積層体の構成は以下の通りである。
・強化繊維基材(0/90°繊維配向)× 4ply
次に、成形型の温度を120℃に保った状態で金型内を真空状態に保持し、樹脂注入調整機構84で樹脂注入調整機構直下の強化繊維積層体87を押圧し、表1に示すように、押圧された範囲の繊維体積含有率Vf1が、押圧前の繊維体積含有率Vf0(45−50%)の1.1〜1.5倍となるように位置を調整した。また各実施例において、樹脂吐出孔83の径Sと、樹脂注入調整機構84のキャビティに接する面841の投影面積Sの比S/Sを、2、5、10、15、20倍に順次変更して試験を実施した。
この状態で樹脂吐出孔83を開け、図示しない樹脂注入機を用いて樹脂を注入した。このときの樹脂流量は40g/sとした。注入開始から5秒後に、樹脂注入調整機構84を、キャビティに接する面841と上型82aの型内表面821aが略面一になるよう移動し、その状態を保持して樹脂を硬化させ、繊維強化樹脂成形体を得た。なお注入開始後5秒経過時の樹脂粘度は50mPa・s以下であった。
表1に、得られた繊維強化樹脂成形体の注入口直下の表面品位を示す。Vf1/Vf0を1.1〜1.3倍とした実施例1〜3では、S/Sを5〜15とすることで強化繊維基材の乱れや樹脂リッチが無く平滑な、高意匠な表面が得られた。S/Sを2とした場合は、強化繊維積層体を押圧することができる範囲が狭く、樹脂吐出孔83近傍で強化繊維基材の乱れが発生した。またS/Sを20とした場合は、樹脂注入調整機構84の直下に樹脂リッチが発生した。また、Vf1/Vf0を1.4〜1.5倍とした実施例4、5では、樹脂吐出孔83近傍の樹脂流路が閉塞し、樹脂注入を完了することができなかった。
Figure 2015160421
(実施例6〜9)
樹脂注入調整機構84のキャビティに接する面841と、上型82aの型内表面821aの距離dを、表2に示すように0.1〜1.2mmとなるように樹脂注入調整機構84の位置を調整した以外は、実施例1〜5と同様にして繊維強化樹脂成形体を得た。
表2に、得られた繊維強化樹脂成形体の注入口直下の表面品位を示す。dを0.2〜1mmとした実施例7〜10では、S/Sを5〜15とすることで強化繊維基材の乱れや樹脂リッチが無く平滑な、高意匠な表面が得られた。S/Sを2とした場合は、樹脂吐出孔83での吐出圧を下げる効果が小さくなり、樹脂吐出孔83近傍で強化繊維基材の乱れが発生した。またS/Sを20とした場合は、樹脂注入調整機構84の直下に樹脂リッチが発生した。dを0.1mmとした実施例6では、S/Sの値に関わらず樹脂吐出孔83近傍で強化繊維基材の乱れが生じた。またdを1.2mmとした実施例11ではS/Sの値に関わらず、樹脂注入調整機構84の直下において樹脂リッチが観られた。
Figure 2015160421
(比較例1)
注入開始から硬化完了まで、樹脂注入調整機構84のキャビティに接する面841と、上型82aの型内表面821aを略面一にした状態に保持した以外は、実施例1〜11と同様にして繊維強化樹脂成形体を得た。
得られた繊維強化樹脂成形体の樹脂吐出孔83近傍を目視にて観察したところ、強化繊維基材の経糸、緯糸が注入口直下を中心に同心円状に広がっており、激しく乱れている様子が確認された。
(比較例2)
樹脂注入調整機構84で樹脂注入調整機構直下の強化繊維積層体87を押圧し、押圧された範囲の繊維体積含有率Vf1が、押圧前の繊維体積含有率Vf0の1.2倍となるように位置を調整し、注入された樹脂の粘度が100mPa・sを超えた後に樹脂注入調整機構84のキャビティに接する面841と、上型82aの型内表面821aを略面一にした以外は、実施例1〜11と同様にして繊維強化樹脂成形体を得た。
得られた繊維強化樹脂成形体の樹脂注入調整機構84の直下には、樹脂注入調整機構84の移動時に樹脂粘度が高かったことで生じたと考えられる、凹みが観察された。
(比較例3)
注入開始時は樹脂注入調整機構84のキャビティに接する面841と、上型82aの型内表面821aの距離dを0.5mmとなるように樹脂注入調整機構84の位置を調整し、注入された樹脂の粘度が100mPa・sを超えた後に樹脂注入調整機構84のキャビティに接する面841と、上型82aの型内表面821aを略面一にした以外は、実施例1〜11と同様にして繊維強化樹脂成形体を得た。
得られた繊維強化樹脂成形体の樹脂注入調整機構84の直下に、粘度が高い樹脂が押し込まれたことによるものと思われる、強化繊維基材の乱れが確認された。
本発明に係るRTM成形装置およびRTM製造方法、繊維強化樹脂成形体は、成形品の樹脂吐出孔近傍の表面品位の向上が望まれるあらゆる繊維強化樹脂成形体のRTM成形に適用可能である。中でも、高い表面品位を有しつつ成形時間の短縮が望まれる、自動車部材として好ましく用いられる。
1 RTM成形装置
10 成形型
10a 上型
10b 下型
101a 上型内表面
11 シール材
12 キャビティ
13 樹脂注入部
2 樹脂注入調整機構
21 キャビティに接する面
22 ピストン
23 可動部材
24 シール材
25 シール材
26 可動方向
3 樹脂吐出孔
31 弁体
4 強化繊維積層体
41 強化繊維基材
411 繊維束
5 プレス機構
6 マトリックス樹脂
7 空間
8 試験装置
81 キャビティ
82 成形型
82a 上型
82b 下型
83 樹脂吐出孔
84 樹脂注入調整機構
85 弁体
86 シール材
87 強化繊維積層体
9 樹脂注入機
91 樹脂注入ライン

Claims (15)

  1. 上下一対の成形型を有するRTM成形装置であって、
    前記成形型の間には強化繊維を複数積層した強化繊維積層体を配置するキャビティが形成され、
    前記キャビティ内に配置される強化繊維積層体の一方の表層に対して開口する樹脂吐出孔と、該樹脂吐出孔に連通する樹脂注入調整機構が少なくともいずれか一方の型に設けられ、
    前記キャビティへの樹脂注入開始時から一定時間t(秒)は、前記樹脂注入調整機構のキャビティに接する面と前記成形型内表面とが略面一とならない注入時位置に、
    一定時間t(秒)経過後は、前記樹脂注入調整機構のキャビティに接する面が前記成形型内表面と略面一となる保持時位置に移動することを特徴とするRTM成形装置。
  2. 前記樹脂吐出孔の断面積S(cm)と、前記樹脂注入調整機構の前記キャビティに接する面の投影面積S(cm)の比が下記関係式(I)を充足する、請求項1に記載のRTM成形装置。
    2<(S/S)<20 ・・・(I)
  3. 前記一定時間t(秒)として、樹脂注入開始後、樹脂粘度が100mPa・sに達するより短い時間とすることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のRTM成形装置。
  4. 前記注入時位置が、(A)または(B)の位置であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のRTM成形装置。
    (A)前記樹脂注入調整機構の接する面が前記強化繊維積層体の一部を押圧する位置y
    (B)前記樹脂注入調整機構の接する面と前記強化繊維積層体とが離間した位置y
  5. 前記注入時位置が、樹脂注入開始時に前記(A)または(B)の位置にあり、一定時間t(秒:0<t<t)経過後に、樹脂注入開始時と異なる他方の位置に移動させることを特徴とする請求項4に記載のRTM成形装置。
  6. 前記樹脂注入調整機構が前記位置(A)に移動した際、前記樹脂注入調整機構に押圧された範囲における前記強化繊維積層体の繊維体積含有率Vfが、押圧前における前記強化繊維積層体の繊維体積含有率Vfの1.1倍以上1.3倍以下であることを特徴とする請求項4または5に記載のRTM成形装置。
  7. 前記樹脂注入調整機構が前記位置(B)に移動した際、前記樹脂注入調整機構のキャビティに接する面と、前記成形型内表面との距離dが、0.2mm<d<1mmの範囲にあることを特徴とする、請求項4または請求項5に記載のRTM成形装置。
  8. 上下一対の成形型の間に形成されたキャビティ内に強化繊維基材を複数積層した強化繊維積層体を配置し、
    少なくとも一方の型に該強化繊維積層体の一方の表層に対向して開口する樹脂吐出孔と、該樹脂吐出孔に連通する樹脂注入調整機構とが設けられ、
    該樹脂吐出孔から樹脂を注入して該強化繊維積層体に含浸させ、硬化させるRTM製造方法において、
    前記キャビティへの樹脂注入開始時から一定時間t(秒)は、前記樹脂注入調整機構の前記キャビティに接する面の位置を前記成形型表面と略面一とならない注入時位置に移動させ、一定時間t(秒)経過後に前記樹脂注入調整機構のキャビティ側の面の位置を該成形型表面と略面一となる保持時位置に移動させ、該樹脂を硬化させて繊維強化樹脂成形体を得ることを特徴とするRTM製造方法。
  9. 前記樹脂吐出孔の断面積S(cm)と、前記樹脂注入調整機構の前記キャビティに接する面の投影面積S(cm)の比を、下記関係式(I)を充足するように設定する請求項8に記載のRTM製造方法。
    2<(S/S)<20 ・・・(I)
  10. 前記一定時間t(秒)が、樹脂注入開始後、樹脂粘度が100mPa・sに達する時間よりも短いことを特徴とする、請求項8または9に記載のRTM製造方法。
  11. 前記注入時位置を、以下の(A)または(B)の位置とすることを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれかに記載のRTM製造方法。
    (A)前記樹脂注入調整機構の接する面が前記強化繊維積層体の一部を押圧する位置y
    (B)前記樹脂注入調整機構の接する面と前記強化繊維積層体とが離間した位置y
  12. 前記樹脂注入調整機構の前記注入時位置を、樹脂注入開始時においては前記(A)または(B)の位置にあり、一定時間t(秒:0<t<t)経過後に、樹脂注入開始時とは異なる他方の位置に移動することを特徴とする、請求項11に記載のRTM製造方法。
  13. 前記樹脂注入調整機構を前記位置(A)に移動した際において、前記樹脂注入調整機構の直下の前記強化繊維積層体の繊維体積含有率Vf1を、前記樹脂注入調整機構の直下以外の前記強化繊維積層体の繊維体積含有率Vf0の1.1倍以上1.3倍以下となるように前記樹脂注入調整機構を移動させることを特徴とする請求項11または12のいずれかに記載のRTM製造方法。
  14. 前記樹脂注入調整機構を前記位置(B)に移動した際において、前記樹脂注入調整機構の前記強化繊維積層体と対向する面と、前記強化繊維積層体の前期樹脂注入調整機構と対向する面の距離dを、0.2mm<d<1mmを満たすように、前記樹脂注入調整機構を移動させることを特徴とする請求項11または12に記載のRTM製造方法。
  15. 請求項8〜請求項14のいずれかに記載のRTM製造方法を用いて得られる、繊維強化樹脂成形体。
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