JP2012071595A - 複合成形体の製造方法 - Google Patents

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Masayuki Koshi
政之 越
Soichi Ishibashi
壮一 石橋
Kazuaki Funada
和昭 船田
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Abstract

【課題】不連続繊維強化樹脂成形体と長繊維あるいは連続繊維強化樹脂成形体とを、大きな面積を有する成形品、さらにはその肉厚が薄い成形品に対しても、特別な手法によることなく低圧で容易にかつ反り等の変形を抑えて精度よく所望の形態に一体成形できるようにした複合成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】竪型プレス機のプレス端に金型を配置し、該金型のキャビティ内に、強化繊維と熱可塑性樹脂からなる予備成形体を配置し、該キャビティの残りの空間内に不連続強化繊維を含有する溶融熱可塑性樹脂を射出し、竪型プレス機によるプレスでキャビティを所定の容積に縮小することによって、不連続強化繊維含有溶融熱可塑性樹脂をキャビティ内に充満させつつ予備成形体をキャビティの所定の内面に押し付け、該不連続強化繊維含有熱可塑性樹脂と予備成形体を一体化して複合成形体に成形することを特徴とする複合成形体の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、複合成形体の製造方法に関し、とくに、所望の形態、機械特性を有する繊維強化熱可塑性樹脂の複合成形体を効率よく容易に製造できる方法に関する。
繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法としては射出成形が一般的であり、通常、熱可塑性溶融樹脂中に短繊維の強化繊維を含有させた状態で成形型としての金型内に射出し、樹脂を冷却固化させて所定形状の成形品を得るようにしている。しかし、このような通常の射出成形品では、熱可塑性樹脂が短繊維の強化繊維のみで補強されており、補強効果に限界があるため、剛性などの力学特性の観点から用途が限定されていた。
このような限界を打破するために、より高い強度、剛性を有する長繊維強化樹脂や連続繊維強化樹脂で補強する方法が考えられる。しかし、成形品全体を効率よく製造するためには、上記射出成形短織維強化樹脂と長繊維あるいは連続繊維強化樹脂とを一体成形することが望まれるが、容易に一体成形するのは困難であった。すなわち、通常の射出成形法では、相当高い溶融樹脂供給圧が必要であるため、とくに成形すべき成形品が比較的大きな面積を有し、肉厚が薄いような場合、その大面積全体にわたって短繊維強化樹脂を充填させるには相当な高圧が必要である。この状態では、成形機に極めて高い型締力が要求されると同時に、長繊維あるいは連続繊維強化樹脂とを複合一体化しようとした際にその高圧のために、型内に配置した強化繊維と熱可塑性樹脂からなる予備成形体は、その意図した配置や、あるいは予備成形体そのものの意図した形状を保持できなくなるような不具合を生じやすい。また、残留歪が少なく、それによる反り等の変形が小さな成形を行うためには、成形品全面にわたってほぼ均―な圧カをかけることが望まれるが、上記のように高圧が要求され、しかも大面積の揚合、均―な圧力の付与が難しくなる。さらに、通常の射出成形機は横型に設置され、射出機の射出端に金型が設けられるが、このような装置を用いて、上記長繊維あるいは連続繊維強化樹脂の予備成形体を射出成形短繊維強化樹脂補強のためのインサート体として金型内に前もって挿入しておこうとする場合、インサート体の挿入方法、金型への把持方法等に特別の工夫が必要になり、操作、設備が複雑になるという問題がある。
このように、射出成形短繊維強化樹脂成形体を長繊維あるいは連続繊維強化樹脂との一体成形により補強することは、従来技術では容易なことではない。なお、熱可塑性樹脂シートと熱可塑性樹脂製の部材とをプレス成形装置の金型内で一体化する技術は知られているが(例えば、特許文献1、2)、これら従来技術は、熱可塑性樹脂のみを主体とした成形を意図したもので、高い機械的特性(強度、剛性)を要求されるような構造体の成形、とくに繊維強化熱可塑性樹脂の複合成形体の成形が可能なものでない。
特開2004−276257号公報 特開2001−121561号公報
そこで本発明の課題は、上記のような実情に鑑み、従来の射出成形技術に特別な手段を組み合わせ、不連続繊維強化樹脂成形体、とくに短繊維強化樹脂成形体と長繊維あるいは連続繊維強化樹脂成形体とを、大きな面積を有する成形品、さらにはその肉厚が薄い成形品に対しても、特別な手法によることなく低圧で容易にかつ反り等の変形を抑えて精度よく所望の形態に一体成形できるようにした複合成形体の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る複合成形体の製造方法は、竪型プレス機のプレス端に、該プレス機の作動に応じて相対移動可能な上型と下型とからなる金型を配置し、該金型のキャビティ内に、強化繊維と熱可塑性樹脂からなる予備成形体を配置し、該キャビティの残りの空間内に不連続強化繊維を含有する溶融熱可塑性樹脂を射出し、前記竪型プレス機によるプレスで前記キャビティを所定の容積に縮小することによって、前記不連続強化繊維含有溶融熱可塑性樹脂をキャビティ内に充満させつつ前記予備成形体をキャビティの所定の内面に押し付け、該不連続強化繊維含有熱可塑性樹脂と前記予備成形体を一体化して複合成形体に成形することを特徴とする方法からなる。
このような本発明に係る複合成形体の製造方法においては、不連続強化繊維含有溶融熱可塑性樹脂をキャビティ内に供給(射出)する段階では、キャビティ内に空間部が残存していてもかまわないので、その供給圧力は従来の射出成形における射出(供給)圧力よりもはるかに低くて済む(例えば、1/2〜1/10程度の低圧で済む)。そして、キャビティ内に供給された不連続強化繊維含有溶融熱可塑性樹脂は竪型プレス機によるプレスによってキャビティ内に充満されるが、このときの型締め圧力(成形圧力)についても、対抗圧力となる上記キャビティ内への供給圧力が低圧であることから、従来の射出成形における型締め圧力よりもはるかに低くて済む(例えば、1/3〜1/6程度の低圧で済む)。このように低圧で不連続強化繊維含有熱可塑性樹脂と予備成形体との一体成形が可能になる。低圧成形が可能になる結果、大面積を有する成形品、さらにはその肉厚が薄いような成形品であっても、容易にその大面積全体にわたって不連続強化繊維含有溶融熱可塑性樹脂を充填させることが可能になり、所望の一体成形を行うことが可能になる。また、不連続強化繊維含有溶融熱可塑性樹脂は竪型プレス機による上下方向のプレス圧を利用してキャビティ内に充満されるが、樹脂が押し広げられる方向が、水平方向あるいはそれと同等の方向となるため、従来の射出成形における上下方向あるいはそれと同等の方向の場合に比べ、樹脂は容易に成形品全面にわたって均一に広がりやすくなるとともにキャビティ内全体にわたって均一な圧力がかかりやすくなり、樹脂の均一な分布が得られて残留歪が少なくなり、それによる反り等の変形の小さな成形が可能になる。つまり、均一な物性、機械特性の成形体が精度よく所望の形態で得られる。その結果、大きな面積を有する成形品に対しても、さらにはその肉厚が薄い成形品に対しても、特別な手法によることなく容易にかつ精度よく、不連続繊維強化樹脂成形体と予備成形体を用いた補強用の強化樹脂成形体とを一体成形できるようになり、目標とする複合成形体を効率よく製造することができる。
上記本発明に係る複合成形体の製造方法において、上記予備成形体の強化繊維としては、連続繊維からなることが好ましいが、上記不連続強化繊維より平均繊維長の長い長繊維を使用することも可能であり、いずれの場合にも不連続繊維強化樹脂成形体の補強に供することができる。予備成形体の強化繊維として長繊維を使用する場合には、その重量平均繊維長が1〜50mmの繊維からなることが好ましい。上記予備成形体は、成形時金型キャビティ内で所定の形状に沿って一体化されるように可撓性であることが望ましい。予備成形体自体が常温で可撓性である場合に加え、予備成形体をあらかじめ予熱するような手法で可撓性にした状態に調整後、キャビティ内で一体化することもできる。
とくに本発明において好ましい形態の予備成形体として、上記連続繊維または上記長繊維からなる強化繊維が一方向に並行に配列されたシート状またはテープ状の予備成形体、またはその予備成形体を複数枚積層したものを挙げることができる。このような形態の予備成形体を使用すれば、該予備成形体をキャビティ内で、ひいては最終成形体に対して、容易に所望の位置に配置することができる。
また、本発明において、射出後の複合成形体における上記不連続強化繊維含有溶融熱可塑性樹脂の、不連続強化繊維としては、従来の射出成形でも用いられていたような短繊維が好ましい。とくに、複合成形体における上記不連続強化繊維含有溶融熱可塑性樹脂の、含有する繊維長が重量平均繊維長0.4mm〜3mmであることが好ましい。不連続強化繊維を含有する溶融熱可塑性樹脂の、含有する繊維長は、全体構造として高い力学的特性を発現しやすいこと、および予備成形体との線膨張率のマッチングなどの点からは、比較的繊維長が長い方が望ましい。具体的には射出用の長繊維ペレットを使用することを例示することができる。この場合、特に射出後の繊維長が、つまり、上記不連続強化繊維含有溶融熱可塑性樹脂の、含有する繊維長が重量平均繊維長で0.4mm〜3mmの範囲になることが望ましい。重量平均繊維長が0.4mm未満では、通常のコンパウンドペレットを使用した場合のように、強化繊維の特性を引き出せないばかりか、成形収縮が大きくなり、線膨張率も大きくなる。このような難点を重量平均繊維長が0.4mm以上では抑制することができる。重量平均繊維長が3mmを超えると、力学的特性などの面では有利になるものの、射出成形をするには繊維長が長すぎ、流動性低下など成形性に問題が生じる。なお、射出前のペレット等における含有強化繊維の重量平均繊維長としては、2〜15mm程度の範囲、好ましくは5〜8mm程度の範囲のものが望ましく、このような繊維長のものが、射出成型用の混練機などにより、射出された際には上記の如く0.4mm〜3mmの重量平均繊維長となる形態が望ましい。
また、本発明において強化繊維の種類はとくに限定されず、炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維等、あるいはこれらを複数種含むハイブリッド構成の強化繊維等、各種の強化繊維を使用できるが、より強度や剛性に優れた複合成形体を得るという面からは、上記予備成形体の強化繊維および上記不連続強化繊維の少なくとも一方が炭素繊維を含むことが好ましく、両方とも炭素繊維を含むことがより好ましい。
また、上記竪型プレス機と金型の連結形態としては、上記金型の上型にプレス端が連結された形態に設定でき、竪型プレス機の動作により上型を上下動させて、型締め、型開きを行うようにした形態に設定できるが、この場合、上記キャビティ内の下型上に予備成形体を配置し、該下型のキャビティ形成面からキャビティ内に上記不連続強化繊維含有溶融熱可塑性樹脂を射出するようにすると、予備成形体を下型上に配置するだけの極めて簡単な操作で所望の一連の成形動作を開始することができるようになる。なお、上記キャビティ内の下型上に(可撓性)予備成形体を配置することには限定されず、上型に何らかの手法により予備成形体を配置して成形することも可能である。
なお、本発明において用いる熱可塑性樹脂の種類はとくに限定されず、使用可能な樹脂を例示すると、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66等)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリカーボネート、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリスチレン、ABS、液晶ポリエステルや、アクリロニトリルとスチレンの共重合体等を挙げることができる。これらの混合物でもよい。また、ナイロン6とナイロン66との共重合ナイロンのように共重合したものであってもよい。さらに得たい成形品の要求特性に応じて、難燃剤、耐候性改良剤、その他酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、相溶化剤、導電性フィラー等を添加しておくことができる。
このように、本発明に係る複合成形体の製造方法によれば、不連続繊維強化樹脂成形体と長繊維あるいは連続繊維強化樹脂成形体とを格別の工夫を要することなく精度よく一体成形でき、大きな面積を有する成形品に対しても、さらにはその肉厚が薄い成形品に対しても、目標とする剛性等の機械特性を均一に発現でき、本来の特性である軽量性も併せ備えた所望の繊維強化熱可塑性樹脂の複合成形体を効率よく製造することができる。
本発明の一実施態様に係る複合成形体の製造方法の主要ステップを示す工程図である。 竪型プレス機を用いたプレス成形の基本ステップの一例を示す工程図である。 本発明をパネル部材の成形に適用する場合の一体化構成の形態例を示す説明図である。 実施例1、2における予備成形体の配設位置および試験片切り出し位置を示すキャビティの平面図である。 実施例1における複合成形体の製造方法の主要ステップを示す工程図である。 実施例1で得られた複合成形体の試験片の断面を観察した結果を示す図である。 実施例2における複合成形体の製造方法の主要ステップを示す工程図である。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る複合成形体の製造方法における主要ステップの状態を概略示している。図1において、1は、相対移動(可動)可能な上型2と下型3とからなる金型を示しており、本実施態様では、上型2が竪型プレス機4のプレス端に連結されて、プレス機4のプレス動作に応じて上下動されるようになっている。上型2と下型3によって、プレス機4のプレス動作に応じて容積が変化される所定形状のキャビティ5が形成される。下型3内には、被射出物質をキャビティ5内に射出、供給するための供給路6が設けられており、本実施態様では、供給路6は、導入端が下型3の側面側に開口され、そこから下型3内を折れ曲がって延び、被射出物質の供給端として、下型3のキャビティ5形成面である下型3上面の中央部にて開口されている。
ここまでの装置構成により、竪型プレス機4を用いたプレス成形用の装置が構成されるが、その基本動作について、ここで先ず、図2を参照して説明しておく。上型2が目標とする成形品の体積よりもキャビティ5の容積が大きくなるように開いた状態(型開きした状態)で、供給路6を通してキャビティ5内に被射出物質7(例えば、溶融樹脂や繊維含有溶融樹脂)が供給開始され、ある量供給された段階から、竪型プレス機4によるプレス作動により、上型2が下型3に対して下降され、キャビティ5の容積が縮小されつつ、供給されていた,あるいは未だ供給されつつある被射出物質7がキャビティ5内に押し広げられ、やがて型締めが完了するとともに、所定の容積へと縮小されたキャビティ5内に被射出物質7が充満され、所定形状の成形品へとプレス成形される。以上がありうる成形手法のひとつであるが、成形装置はこのような動作をすることに限定するものではなく、金型の形状やその他の要件によりプレスの上下の動作制御は自由に設定すればよい。
このような竪型プレス機4を用いたプレス成形では、前述したように、通常の射出成形法と比較して、被射出物質7の供給圧力が従来の射出成形における射出(供給)圧力に比べ1/2〜1/10程度の低圧で済み、型締め圧力P(成形圧力)についても、従来の射出成形における型締め圧力に比べ1/3〜1/6程度の低圧で済む。また、キャビティ5内全体にわたって均一な圧力がかかりやすくなり、樹脂の均一な分布が得られて残留歪が少なくなり、それによる反り等の変形の小さな成形が可能になる。
本発明では、このような竪型プレス機4を用いたプレス成形における長所を最大限活かしつつ、複合成形体の成形が行われる。再び図1を参照して説明するに、金型1のキャビティ5内に、図示例では下型3のキャビティ形成面である上面上に、長繊維または連続繊維の強化繊維と熱可塑性樹脂からなるシート状予備成形体10が配置される。この配置に際しては、例えば、上型2の下縁と適当な把持具11との間に予備成形体10の縁部を把持するようにすればよい。図示例では、把持具11は伸縮自在なガイド部材12の上端に設けられている。この状態で、キャビティ5内に、不連続強化繊維を含有する溶融熱可塑性樹脂13が供給路6を通して供給、射出される。供給路6は下型3の上面中央部に開口されており、不連続強化繊維含有溶融熱可塑性樹脂13の供給により、予備成形体10は上方に向けて膨らみ、やがて上型2のキャビティ形成面である内面に沿わせられる。このとき同時に、竪型プレス機4の作動により、下型3に対して上型2が下降され、同時にキャビティ5内に成形圧P(プレス圧)が負荷される。上型2の下降時には、ガイド部材12が縮められ、予め定められたキャビティ高さになったときに下降動作は停止される。ただし、下降端ではキャビティ5内全体にわたって目標とする成形圧が加わっていることが望ましい。
このような一連の動作により、不連続強化繊維含有溶融熱可塑性樹脂13が所定の形状まで縮小されたキャビティ5内に充満されつつ、予備成形体10がキャビティ5の所定の内面(図示例では、上型2の内面)に押し付けられ、不連続強化繊維含有熱可塑性樹脂13と予備成形体10とが一体化されて複合成形体14に成形される。成形後、竪型プレス機4の作動により、上型2を開き、複合成形体14を取り出せばよい。
このように、極めて簡単な操作で、かつ、低圧かつ均一な圧力にて、目標とする複合成形体14が効率よく製造される。低圧かつ均一な圧力での成形であることから、比較的大きな面積を有する場合にあっても、さらにはその肉厚が薄い成形品に対しても、所望の剛性等の機械特性を均一に発現できる、目標とする複合成形を容易に実施することができるようになる。
なお、上述した例では、不連続強化繊維含有溶融熱可塑性樹脂13の供給機はとくに図示しなかったが、通常の射出成形で用いられている射出機や、不連続強化繊維と溶融熱可塑性樹脂とを混連可能な押出機などを適宜使用することができる。また射出ユニットからプレスに装着された金型、さらにキャビティへの流路も図1や図2では単純化して記しているが、ホットランナーなど既存の射出成形金型技術を自由に応用することが可能である。
また、上記図示例では、予備成形体10を上型2の内面側に押し付けられるように配置したが、下型3の内面側に押し付けられるように配置することも可能である。さらに、上型2の内面側に押し付けられる予備成形体10と、下型3の内面側に押し付けられる予備成形体10を配置し、両予備成形体10間に不連続強化繊維含有溶融熱可塑性樹脂13を注入、充満させていくような形態を採用することも可能である。
前述の如く、本発明は、比較的大きな面積を有する複合成形体、さらにはその肉厚が薄い複合成形体の成形に好適なものであり、例えば、複合構造を有するパネル部材(例えば、主要剛性を受け持つ構造材の内面側に内装材や外面側に外装材を複合したパネル部材[例えば自動車用パネル部材]) の成形に好適なものである。図3に、このようなパネル部材における構造材21と内装材22や外装材23との一体化構成例を示す。この場合、構造材21を本発明における不連続強化繊維含有熱可塑性樹脂、内装材22や外装材23を本発明における予備成形体とすることにより、あるいはその逆に設定することにより、図示したいずれの一体化構成も成形可能である。
予備成形体として、一方向に引き揃えた炭素繊維(東レ(株)製、“トレカ”(登録商標)T700S−12K)にナイロン系樹脂を含浸させたテープ状の一方向強化繊維基材(幅:50mm、厚み:0.3mm)を用意した。射出するための不連続強化繊維含有熱可塑性樹脂としては、内部に強化繊維としての炭素繊維を含有するナイロン系樹脂(東レ(株)製、TLP1060)であり、ペレットの段階における炭素繊維の繊維長が約7mm、炭素繊維重量含有率Wf=約30%のものを用意した。
[実施例1]
竪型プレス機(アミノプレス社製、1000tプレス機)に設けた上型および下型を開き、図4(A)および(B)にそれぞれキャビティ31の平面形状にて示すように、予備成形体32の貼り付け位置を変えた2通りの方法で予備成形体32を配置した。図5(A)、(B)、(C)に示すように、キャビティ31を開いた状態で、射出装置におけるシリンダー温度を270℃、上型34、下型35からなる金型の型温80℃で上述の不連続強化繊維含有熱可塑性樹脂36を射出し、射出完了後に上型34をプレス機で成形圧力150tでプレス(型締め)して、平面寸法にて縦:400mm、横:210mmで厚みが2mmの成形品を成形した。
得られた成形品から、図4(A)および(B)中に示した矩形(40mm×25mm)の切り出し位置(41、43は予備成形体32(UDテープ)が配置された部分での切り出し位置、42、44は切り出し位置41、43に隣接する、予備成形体32が配置されていない部分での切り出し位置、45は不連続強化繊維含有熱可塑性樹脂36をキャビティ31内に射出するためのゲート位置をそれぞれ示している。)に沿って試験片を切り出し、曲げ試験(ISO178に準拠した曲げ試験)を行い、強度、弾性率を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2012071595
一方向強化繊維基材(上記UDテープからなる予備成形体32)を両面に貼り付けた部分の試験片は、一方向強化繊維基材のない部分の試験片に比べ、強度で約2.5〜3倍程度、弾性率では約4〜6倍程度強化されていた。また、図6に示すように一方向強化繊維基材(UDテープ)を両面に貼り付けた試験片51の断面を顕微鏡で観察したところ、予備成形体32と、射出成形された繊維強化樹脂52はそれらの界面で良好に接着されていることが確認された。また、成形圧力としては、150tという低圧で良好に成形することができた。
[実施例2]
実施例1において、図4(A)および(B)に示したのと同じ位置にて、図7(A)、(B)、(C)に示すように、キャビティ31内の下型35上のみに予備成形体32を設置した以外は(つまい、片面貼り付け形態とした以外は)、実施例1と同様の方法で成形品を成形し、試験片を切り出した。
実施例1と同様に曲げ試験を行った結果、一方向強化繊維基材(上記UDテープからなる予備成形体32)のない試験片に比べ、一方向強化繊維基材を片面に貼り付けた部分の試験片は、強度で約2倍程度、弾性率では約2.5倍程度強化されていた。結果を表2に示す。また、図6に示したのと同様の断面観察を行った結果、予備成形体と、射出成形された繊維強化樹脂はそれらの界面で良好に接着されていることが確認された。
Figure 2012071595
[比較例1]
従来の横型プレス機を用いて、金型(左右開き)の両型に、実施例1と同様に予備賦形体を配置して、実施例1と同様の成形条件にて成形しようとしたところ、成形圧力を350tまで引き上げても、繊維強化樹脂を十分に射出することができなかった。
本発明に係る複合成形体の製造方法は、繊維強化樹脂を用いたあらゆる複合成形体の製造に適用でき、とくに広い面積を有し、その肉厚が薄い成形体の製造に好適なものである。
1 金型
2 上型
3 下型
4 竪型プレス機
5 キャビティ
6 供給路
7 被射出物質
10 予備成形体
11 把持具
12 ガイド部材
13 不連続強化繊維含有溶融熱可塑性樹脂
14 複合成形体
21 構造材
22 内装材
23 外装材
31 キャビティ
32 予備成形体
33 竪型プレス機
34 上型
35 下型
36 不連続強化繊維含有熱可塑性樹脂
41、43 予備成形体が配置された部分での切り出し位置
42、44 予備成形体が配置されていない部分での切り出し位置
45 射出用ゲート位置
51 試験片
52 射出成形された繊維強化樹脂

Claims (8)

  1. 竪型プレス機のプレス端に、該プレス機の作動に応じて相対移動可能な上型と下型とからなる金型を配置し、該金型のキャビティ内に、強化繊維と熱可塑性樹脂からなる予備成形体を配置し、該キャビティの残りの空間内に不連続強化繊維を含有する溶融熱可塑性樹脂を射出し、前記竪型プレス機によるプレスで前記キャビティを所定の容積に縮小することによって、前記不連続強化繊維含有溶融熱可塑性樹脂をキャビティ内に充満させつつ前記予備成形体をキャビティの所定の内面に押し付け、該不連続強化繊維含有熱可塑性樹脂と前記予備成形体を一体化して複合成形体に成形することを特徴とする、複合成形体の製造方法。
  2. 前記予備成形体の強化繊維が連続繊維からなる、請求項1に記載の複合成形体の製造方法。
  3. 前記予備成形体の強化繊維が長繊維からなる、請求項1に記載の複合成形体の製造方法。
  4. 前記長繊維が、重量平均繊維長1〜50mmの繊維からなる、請求項3に記載の複合成形体の製造方法。
  5. 前記予備成形体が、強化繊維が一方向に並行に配列されたシート状またはテープ状の予備成形体、またはその予備成形体を複数枚積層したものからなる、請求項1〜4のいずれかに記載の複合成形体の製造方法。
  6. 前記複合成形体における前記不連続強化繊維含有溶融熱可塑性樹脂の、含有する繊維長が重量平均繊維長0.4mm〜3mmである、請求項1〜5のいずれかに記載の複合成形体の製造方法。
  7. 前記予備成形体の強化繊維および前記不連続強化繊維の少なくとも一方が炭素繊維を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の複合成形体の製造方法。
  8. 前記上型に前記竪型プレス機のプレス端が連結され、前記キャビティ内の下型上に前記予備成形体が配置され、該下型のキャビティ形成面からキャビティ内に前記不連続強化繊維含有溶融熱可塑性樹脂が射出される、請求項1〜7のいずれかに記載の複合成形体の製造方法。
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