JP2015160178A - スルホン化炭素触媒及びその製造方法、及び該スルホン化炭素触媒を用いた触媒インキ並びに燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、コスト、資源量などの観点より使用量低減が求められる貴金属触媒の代替として、高いプロトン輸送性を有し、比表面積の大きい安価な炭素触媒、及び該炭素触媒を用いた触媒インキ並びに燃料電池を提供することにある。【解決手段】1種または2種以上の、炭素材料および化合物を混合、熱処理し、得られた炭素触媒を、スルホン化してなるスルホン化炭素触媒であって、前記炭素材料が、無機炭素材料由来の炭素粒子/または有機材料を熱処理して得られる炭素粒子の群から選ばれる少なくとも1種であり、前記化合物が、窒素元素および卑金属元素を含有する化合物であるスルホン化炭素触媒。【選択図】図1

Description

本発明は、白金や白金合金などの貴金属を全く使用しない炭素触媒、及び該炭素触媒を用いた触媒インキ並びに燃料電池に関する。
固体高分子型燃料電池や水電解装置などの各種電気化学デバイスにおいて、固体高分子電解質は、膜状に成形され、その両面に電極を接合した膜電極接合体(MEA)の状態で使用される。また、固体高分子型燃料電池において、電極は一般にガス拡散層と電極触媒層の二層構造をとる。ガス拡散層は、電極触媒層に反応ガス及び電子を供給するものであり、カーボン繊維、カーボンペーパーなどが用いられる。また、電極触媒層は電極反応の反応場となる部分であり、一般に電極触媒と固体高分子電解質との複合体からなる。
このような各種電気化学デバイスに用いられる電極触媒には、従来、白金などの貴金属微粒子、カーボンブラックなどの炭素担体上に白金などの貴金属微粒子を担持したもの、電解質膜表面にメッキやスパッタなどの方法で形成された貴金属の薄膜などが用いられている。
しかし、白金などの貴金属は、高い触媒活性(酸素還元活性、水素酸化活性)とその活性安定性を示すが、非常に高価であり、資源的にも限られている。そのため、電極触媒が各種電気化学デバイスのコストを高くする一因となっている。特に、燃料電池は所定の出力を得るために多数のMEAが積層された状態で使用されるので、燃料電池1個あたりの電極触媒の使用量も多くなり、このことが燃料電池の普及を妨げている。
上記のような課題を解決させるために、これまでに様々な対策が取られてきた。白金などの貴金属を用いないものとして、例えば、炭素材料を原料とせずに金属ポルフィリンや金属フタロシアニンなどの大環状化合物と有機高分子材料との混合物を炭化させた炭素触媒(特許文献1、2、3、4、5)、または、大環状化合物を含まない有機高分子材料を炭化させた炭素触媒(特許文献6、7)、などが報告されている。しかし、電池性能を考慮すると、比表面積の大きさや電子伝導性が重要であるのに対し、これらの有機高分子材料を原料とした炭素触媒は、電子伝導性が低い、または比表面積が小さいといった問題があった。
比表面積の大きい電子導電体を担持体とした炭素触媒としては、大環状化合物をカーボンブラックなどの電子伝導性炭素担体表面に担持し、炭化させた炭素触媒(特許文献8、9、10)などが提案されている。
燃料電池はその原理上、酸素分子及び電子、プロトンが反応し、水を生じることで発電し、それら要素がひとつでも不足すると発電に至らない。とりわけ、燃料電池におけるプロトン輸送は、水分子や、Nafion(登録商標)を代表とするプロトン伝導性樹脂を介して生起するため、それらとの接点を有していない炭素触媒(もしくはその一部)は発電に寄与することができない。
このような課題を解決するため、炭素材料に直接プロトン伝導性の置換基を導入させる手法(特許文献11、12,13)や、プロトン伝導性置換基が導入された高分子材料を添加する手法(特許文献14、15)が報告されているが、いずれの方法においても、充分な電池性能を有する触媒及び該触媒を用いた燃料電池の提案には至っていない。
特開2011−6283号公報 特開2010−275116号公報 特開2011−6282号公報 特許第4452887号公報 特開2010−275115号公報 特開2011−6280 特開2011−6293号公報 特許第4461427号公報 特開2006−314871号公報 国際公開第2009/124905号パンフレット 特開2002−75420号公報 特許第4487468号公報 特許第4611956号公報 特開2005−527687号公報 特開2007−535787号公報
本発明が解決しようとする課題は、コスト、資源量などの観点より使用量低減が求められる貴金属触媒の代替として、高いプロトン輸送性を有し、比表面積の大きい安価な炭素触媒、及び該炭素触媒を用いた触媒インキ並びに燃料電池を提供することにある。
すなわち本発明は、1種または2種以上の、炭素材料および化合物を混合し、熱処理を行い、その後スルホン化して得られるスルホン化炭素触媒であって、
前記炭素材料が、無機炭素材料由来の炭素粒子および/または有機材料を熱処理して得られる炭素粒子の群から選ばれる少なくとも1種であり、前記化合物が、窒素元素および卑金属元素を含有する化合物であるスルホン化炭素触媒に関する。
また本発明は、前記記載のスルホン化炭素触媒と、バインダーと、溶剤とを含有してなる触媒インキに関する。
また本発明は、前記記載のスルホン化炭素触媒を、固体高分子電解質膜の一方、又は双方の面に配置させてなる電極触媒を有する燃料電池に関する。
また本発明は、無機炭素材料由来の炭素粒子および/または有機材料を熱処理して得られる炭素粒子の群から選ばれる少なくとも1種である炭素材料と、窒素元素および卑金属元素を含有する化合物とを乾式混合し混合物を得る工程1と、前記混合物を不活性ガス雰囲気中で熱処理し金属が担持された炭素材料を得る工程2と、前記金属が担持された炭素材料をスルホン化処理する工程3とからなる、スルホン化炭素触媒の製造方法に関する。
本発明により、貴金属元素を含有することなく、高いBET比表面積並びに高い電子伝導性を有する炭素触媒を得ることができる。また、同炭素触媒をカソード電極に用いることで、高い酸素還元能と高い電子伝導性を有する燃料電池が得られる。
図1は、本発明の炭素触媒を電極触媒に適用した燃料電池の構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
本発明におけるスルホン化処理炭素触媒は、1種または2種以上の、炭素材料および化合物を混合し、熱処理を行い作製された炭素触媒を、スルホン化して得られ、
前記炭素材料が、無機炭素材料由来の炭素粒子および/または有機材料を熱処理して得られる炭素粒子の群から選ばれる少なくとも1種であり、前記化合物が、窒素元素および卑金属元素を含有する化合物であると好ましい。
<炭素触媒>炭素触媒は、1種または2種以上の、炭素材料および化合物を混合し、熱処理を行い作製された炭素触媒であって、従来公知のものを使用できる。一般的に、炭素触媒の活性点としては、炭素粒子表面に卑金属−N4構造(卑金属元素を中心に4個の窒素元素が平面上に並んだ構造)に含まれる卑金属元素や、炭素粒子表面のエッジ部に導入された窒素元素近傍の炭素元素などが挙げられる。そのため、炭素触媒が、上記活性点を構成する窒素元素や卑金属元素を含有することは、酸素還元活性を有する上で重要である。
更に、炭素触媒は、BET比表面積が20〜2000m2/gが好ましく、100〜1000m2/gがより好ましく、60〜600m2/gがさらに好ましい。
BET比表面積が20m2/gを下回る場合、反応するガス成分である酸素との反応面積が極端に小さくなり、燃料電池にした際の発電効率が低下することがある。一方、BET比表面積が2000m2/gを上回る場合、プロトン伝導性を有するバインダー成分を多量に使用しないと分散安定性の良い触媒インキが作製しにくくなり、触媒層中の炭素触媒量が減少することになる。その結果、セル質量あたりの発電効率が低下することがある。
<炭素触媒の製造方法>炭素触媒の製造方法は特に限定されず、炭素担体表面に大環状化合物を担持させ炭化させる方法、大環状化合物と有機材料との混合物を炭化させる方法、大環状化合物を含まない有機材料を炭化させる方法、無機炭素材料由来の炭素粒子を用いる方法など、従来公知の方法を使用できる。好ましい製造方法としては、無機炭素材料由来の炭素粒子と窒素元素および卑金属元素を含有する化合物とを混合後に不活性ガス雰囲気中で熱処理して炭素触媒を得る方法である。前記熱処理は、複数の温度で多段階に行ってもよく、また、熱処理工程の後若しくは途中に、酸で洗浄、及び乾燥する工程を含んでも良い。
炭素触媒を製造する際に、原料を混合する場合では、原料同士が均一に混合・複合されている方が好ましく、混合法としては、乾式混合及び湿式混合が挙げられる。混合装置としては、以下のような乾式混合装置や湿式混合装置を使用できる。
乾式混合装置としては、例えば、2本ロールや3本ロール等のロールミル、ヘンシェルミキサーやスーパーミキサー等の高速攪拌機、マイクロナイザーやジェットミル等の流体エネルギー粉砕機、アトライター、ホソカワミクロン社製粒子複合化装置「ナノキュア」、「ノビルタ」、「メカノフュージョン」、奈良機械製作所社製粉体表面改質装置「ハイブリダイゼーションシステム」、「メカノマイクロス」、「ミラーロ」等が挙げられる。
乾式混合装置を使用する際には、母体となる原料粉体に他の原料を粉体のまま直接添加してもよいが、より均一な混合物を作製するために、前もって他の原料を少量の溶媒に溶解、又は分散させておき、母体となる原料粉体の凝集粒子を解しながら添加する方法が好ましい。更に、処理効率を上げるために、加温することが好ましい場合もある。
原料の中には、常温では固体であるが、融点、軟化点、又はガラス転移温度が100℃未満と低い材料がある。それらの材料を用いる場合、常温で混合するより、加温下で溶融させて混合する方がより均一に混合できる場合もある。
湿式混合装置としては、例えば、ディスパー、ホモミキサー、若しくはプラネタリーミキサー等のミキサー類;
エム・テクニック社製「クレアミックス」、若しくはPRIMIX社製「フィルミックス」等のホモジナイザー類;
ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、若しくはコボールミル等のメディア型分散機;
湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS−5」、奈良機械製作所社製「マイクロス」等のメディアレス分散機;
その他ロールミル、ニーダー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、湿式混合装置としては、装置からの金属混入防止処理を施したものを用いることが好ましい場合がある。
例えば、メディア型分散機を使用する場合は、アジテーター及びベッセルがセラミック製又は樹脂製の分散機を使用する方法や、金属製アジテーター及びベッセル表面がタングステンカーバイド溶射又は樹脂コーティング等で処理された分散機を用いることが好ましい。メディアは、ガラスビーズ、又は、ジルコニアビーズ、若しくはアルミナビーズ等のセラミックビーズを用いることが好ましい。また、ロールミルを使用する場合は、セラミック製ロールを用いることが好ましい。分散装置は、1種のみを使用してもよいし、複数種の装置を組み合わせて使用してもよい。また、原料の溶媒への濡れ性、分散性を向上させるために、一般的な親水性官能基を有する分散剤を一緒に添加し、分散、及び混合することができる。
湿式混合する際、各原料が均一に溶解しないケースにおいては、各原料の溶媒への濡れ性、及び分散性を向上させるために、市販の分散剤を一緒に添加し、分散して混合してもよい。分散剤としては、水系分散剤及び溶剤系分散剤を使用でき、具体的には、以下のものが挙げられる。
市販の水系分散剤は特に限定されないが、例えば、下記のものが挙げられる。
ビックケミー社製の分散剤としては、Disperbyk、Disperbyk−180、183、184、185、187、190、191、192、193、198、2090、2091、2095、2096、又はBYK−154等が挙げられる。
日本ルーブリゾール社製の分散剤としては、SOLSPERSE12000、20000、27000、41000、41090、43000、44000、又は45000等が挙げられる。
エフカアディティブズ社製の分散剤としては、EFKA1101、1120、1125、1500、1503、4500、4510、4520、4530、4540、4550、4560、4570、4580、又は5071等が挙げられる。
BASFジャパン社製の分散剤としては、JONCRYL67、678、586、611、680、682、683、690、52J、57J、60J、61J、62J、63J、70J、HPD−96J、501J、354J、6610、PDX−6102B、7100、390、711、511、7001、741、450、840、74J、HRC−1645J、734、852、7600、775、537J、1535、PDX−7630、352J、252D、538J、7640、7641、631、790、780、7610、JDX−C3000、JDX−3020、又はJDX−6500等が挙げられる。また、Luvitec K17、K30、K60、K80、K85、K90、K115、VA64W、VA64、VPI55K72W、又はVPC55K65W等が挙げられる。
川研ファインケミカル社製の分散剤としては、ヒノアクトA−110、300、303、又は501等が挙げられる。
ニットーボーメディカル社製の分散剤としては、PAAシリーズ、PASシリーズ、両性シリーズPAS−410C、410SA、84、2451、又は2351等が挙げられる。
アイエスピー・ジャパン社製の分散剤としては、ポリビニルピロリドンPVP K−15、K−30、K−60、K−90、又はK−120等が挙げられる。
丸善石油化学社製の分散剤としては、ポリビニルイミダゾールPVI等が挙げられる。
市販の溶剤系分散剤としては、特に限定されないが、例えば下記のものが挙げられる。
ビックケミー社製の分散剤としては、Anti-Terra-U、U100、203、204、205、Disperbyk−101、102、103、106、107、108、109、110、111、112、116、130、140、142、161、162、163、164、166、167、168、170、171、174、180、182、183、184、185、2000、2001、2050、2070、2096、2150、BYK−P104、P104S、P105、9076、9077及び220S等が挙げられる。
日本ルーブリゾール社製の分散剤としては、SOLSPERSE3000、5000、9000、13240、13650、13940、17000、18000、19000、21000、22000、24000SC、24000GR、26000、28000、31845、32000、32500、32600、33500、34750、35100、35200、36600、37500、38500、又は53095が挙げられる。
エフカアディティブズ社製の分散剤としては、EFKA1500、1501、1502、1503、4008、4009、4010、4015、4020、4046、4047、4050、4055、4060、4080、4300、4330、4400、4401、4402、4403、4406、4510、4520、4530、4570、4800、5010、5044、5054、5055、5063、5064、5065、5066、5070、5071、5207、又は5244等が挙げられる。
味の素ファインテクノ社製の分散剤としては、アジスパーPB711、PB821、PB822、PN411、又はPA111が挙げられる。
川研ファインケミカル社製の分散剤としては、ヒノアクトKF−1000、1300M、1500、1700、T−6000、8000、8000E、又は9100等が挙げられる。
BASFジャパン社製の分散剤としては、Luvicap等が挙げられる。
湿式混合の場合、混合前駆体を乾燥させる工程が必要となる。この場合、乾燥装置としては、棚式乾燥機、回転乾燥機、気流乾燥機、噴霧乾燥機、撹拌乾燥機、凍結乾燥機などを好適に使用することが出来る。
炭素材料と化合物の混合物を熱処理する方法においては、原料となる炭素材料、化合物によって異なるが、加熱温度は500〜1100℃が好ましい。熱処理における加熱温度が500℃を下回る場合、炭素材料や化合物の融解や熱分解が生じにくいため、触媒活性が低いことがある。一方、加熱温度が1100℃を超える場合、炭素材料や化合物の熱分解や昇華が激しくなる。その結果、得られる炭素触媒表面の活性点できにくくなり触媒活性が低いことがある。
熱処理における雰囲気は、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気や、不活性ガスに水素が混合された還元性ガス雰囲気が好ましい。原料をできるだけ不完全燃焼により炭化させ、窒素元素、卑金属元素等を炭素触媒表面に残存させる必要性があるためである。また、熱処理における炭素触媒中の窒素元素の低減を抑制するために、窒素元素を多量に含むアンモニアガス雰囲気下で熱処理を行うこともできる。
また、熱処理は、一定の温度下、1段階で処理を行う方法に限定されない。例えば、分解温度の異なる炭素材料および化合物を2種類以上混合する場合は、各成分の熱分解温度に合わせて、加熱温度の異なる数段階に分けて熱処理を行なうことも可能である。これにより、活性点をより効率的に多く残存させられることがある。
炭素触媒の製造方法としては、更に、前記熱処理により得られた炭素触媒を酸で洗浄、及び乾燥する工程を含む方法が挙げられる。ここで用いる酸は、前記熱処理により得られた炭素触媒表面に存在する活性点として作用しない卑金属成分を溶出させることができるものであれば特に限定されない。炭素触媒との反応性が低く、卑金属成分の溶解力が強い濃塩酸や希硫酸等が好ましい。具体的な洗浄方法としては、ガラス容器内に酸を加え、炭素触媒を添加し、分散させながら数時間撹拌させた後、静置し、上澄みを除去する。そして、上澄みの着色が確認されなくなるまで上記方法を繰り返し行い、最後に、ろ過、水洗により酸を除去し、乾燥する方法が挙げられる。触媒活性点としてエッジ部の窒素元素近傍の炭素元素を有する炭素触媒は、酸で洗浄することにより、表面の活性点として作用しない卑金属成分が除去され触媒活性が向上するため好ましい場合がある。
<無機炭素材料由来の炭素粒子>無機炭素材料由来の炭素粒子としては、無機材料由来の炭素粒子であれば特に限定されない。例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック及びミディアムサーマルカーボンブラック等のカーボンブラック:活性炭、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、グラフェン、グラフェンナノプレートレット、ナノポーラスカーボン及び炭素繊維等が挙げられる。炭素粒子は、種類やメーカーによって、粒子径、形状、BET比表面積、細孔容積、細孔径、嵩密度、DBP吸油量、表面酸塩基度、表面親水度、導電性などの様々な物性や、コストが異なるため、使用する用途や要求性能に合わせて最適な材料を選択できる。無機炭素粒子は、一種類又は二種類以上で用いられる。
前記無機炭素材料由来の炭素粒子としては、グラフェンナノプレートレット、カーボンブラック、カーボンナノチューブなどを用いると、大きい比表面積と高い電子伝導性を有する炭素触媒を得られやすく好ましい。
<グラフェンナノプレートレット>
本発明において、使用されるグラフェンナノプレートレットとは、炭素原子が6角形をなす平面構造を有するグラフェンシートが、ファンデルワールス力により弱く結合した複層構造を有している。グラフェンナノプレートレットは、欠陥の少ない平面構造を有しているため、高い電子伝導性、高い熱伝導性や高い機械的強度を示す。
複層構造のグラフェンナノプレートレットの厚みは特に限定されないが0.335nm(単層)以上、20nm以下であることが好ましい。厚すぎると、電子伝導性や比表面積などが低くなり好ましくない場合がある。
本明細書において、厚みとは積層されたグラフェンシート面に対し垂直方向の大きさのことである。具体的には、原子間力顕微鏡(AFM:SII社製SPA−300)によって求めることができる。
同様に、グラフェンナノプレートレットの平均一次粒子径とは炭素平面方向の大きさ(長径)のことであり、具体的には、透過型電子顕微鏡(TEM:JEOL社製JEM1010)により、測定した粒子50個の平均値によって求めることができる。
グラフェンナノプレートレットの平均一次粒子径は、特に限定されないが、0.3μm〜10μmであると、比表面積が大きくなり、また平滑な面に比べ活性なエッジ面の割合が多くなるため好ましい。
グラフェンナノプレートレットのBET比表面積(BETN2)は、260m2/g〜2000m2/gであるとスルホン化の際に反応できる表面炭素部位が多くなりやすく、好ましい。
本明細書において、比表面積とは試料単位あたりの表面積のことであり、ガス(N2などの不活性ガス)吸着法によって求めることができる。解析法はBET法を用い、相対圧(P/P0=0.05〜0.3)とガス吸着量のプロットより得られる直線の切片と勾配から、単分子吸着量を求めることで、BET比表面積を算出できる。
<カーボンブラック>
カーボンブラックとは、一次粒子がストラクチャーと呼ばれる粒子同士の繋がり、または凝集による構造を有する微細炭素粒子であり、大きい比表面積及び高い電子伝導性有する。
用いるカーボンブラックの比表面積は、値が大きいほど、カーボンブラック粒子どうしの接触点が増え、高い電子伝導性を示すようになる。BET比表面積(BETN2)は、20m2/g〜2000m2/gであると好ましい。比表面積が20m2/gを下回るカーボンブラックを用いると、十分な導電性を得ることが難しくなる場合があり、2000m2/gを超えるカーボンブラックは、市販材料での入手が困難となる場合がある。
<カーボンナノチューブ>
本発明において、使用される炭素担体であるカーボンナノチューブとは、炭素原子が6角形をなす平面構造を有するカーボンナノチューブが、ファンデルワールス力により弱く結合した複層構造を有している。カーボンナノチューブは、欠陥の少ない平面構造を有しているため、高い電子伝導性、高い熱伝導性や高い機械的強度を示す。
複層構造のカーボンナノチューブの厚みは特に限定されないが単層以上であることが好ましい。厚すぎると、電子伝導性や比表面積などが低くなり好ましくない場合がある。
市販の無機炭素粒子としては、例えば、ケッチェンブラックEC−300J、及びEC−600JD等のアクゾ社製ケッチェンブラック;
トーカブラック#4300、#4400、#4500、及び#5500等の東海カーボン社製ファーネスブラック;
プリンテックスL等のデグサ社製ファーネスブラック;
Raven7000、5750、5250、5000ULTRAIII、5000ULTRA、Conductex SC ULTRA、975 ULTRA、PUER BLACK100、115、及び205等のコロンビヤン社製ファーネスブラック;
#2350、#2400B、#2600B、#30050B、#3030B、#3230B、#3350B、#3400B、及び#5400B等の三菱化学社製ファーネスブラック;
MONARCH1400、1300、900、VulcanXC−72R、及びBlackPearls2000等のキャボット社製ファーネスブラック;
Ensaco250G、Ensaco260G、Ensaco350G、及びSuperP−Li等のTIMCAL社製ファーネスブラック;
デンカブラック、デンカブラックHS−100、FX−35等の電気化学工業社製アセチレンブラック;
VGCF、VGCF−H、VGCF−X等の昭和電工社製カーボンナノチューブ;
名城ナノカーボン社製カーボンナノチューブ;
MW−CNT、SW−CNT等のSIGMA-ALDRICH社製カーボンナノチューブ;
xGnP−C−750、xGnP−M−5等のXGSciences社製グラフェンナノプレートレット;
Easy−N社製ナノポーラスカーボン;
カイノール炭素繊維、カイノール活性炭繊維などの群栄化学工業社製炭素繊維;等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<熱処理して炭素粒子となる有機材料>熱処理して炭素粒子となる有機材料は、熱処理後炭素粒子となる材料であれば特に限定されない。熱処理後の炭素粒子に活性点となるヘテロ元素を含有させるため、予め同へテロ元素を含有する有機材料の使用が好ましい場合がある。具体的な有機材料としては、フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアニリン系樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂系樹脂、ポリイミダゾール系樹脂、ポリピロール系樹脂、ポリベンゾイミダゾール系樹脂、メラミン系樹脂、ピッチ、褐炭、ポリカルボジイミド、バイオマス、タンパク質、フミン酸等やそれらの誘導体などが挙げられる。
<窒素元素および卑金属元素を含有する化合物>窒素元素および卑金属元素を含有する化合物は、窒素元素および卑金属元素を1種又は2種以上含有する化合物であればよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において特に限定されない。例えば、金属を含有する色素やポリマー等の有機化合物、金属単体、金属酸化物、金属塩等の無機化合物が挙げられる。前記化合物は、1種類または2種類以上を併用して用いることができる。卑金属元素とは、遷移金属元素のうち貴金属元素(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、オスミウム、イリジウム、白金、金)を除く金属元素であり、卑金属元素としては、コバルト、鉄、ニッケル、マンガン、銅、チタン、バナジウム、クロム、亜鉛、スズ、アルミニウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、及びマグネシウムから選ばれる一種以上を含有することが好ましい。
炭素触媒中に効率的に窒素元素や卑金属元素を導入する観点から、卑金属元素を分子中に含有することが可能な窒素を含有した芳香族化合物が好ましい。具体的には、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、テトラアザアヌレン系化合物等が挙げられる。上記芳香族化合物は、電子吸引性官能基や電子供与性官能基が導入されたものであってもよい。特に、フタロシアニン系化合物は、様々な卑金属元素を含んだ化合物が入手可能であり、コスト的にも安価であるため、原料として特に好ましい。具体的には、コバルトフタロシアニン系化合物、ニッケルフタロシアニン系化合物、鉄フタロシアニン系化合物などの金属フタロシアニン系化合物が挙げられる。これらの原料を用いることにより、安価であって、かつ、高い酸素還元活性を有する炭素触媒を提供できる。
<金属フタロシアニン>金属フタロシアニンは、大環状金属錯体の一種であり、フタロシアニン構造の中心に金属イオンが配位した分子構造である。中心の金属イオンには、窒素原子が平面上に4配位しており、この構造は一般的に「金属−N4構造」と呼ばれる。同構造は酸素還元触媒の活性点として作用することが知られており、本発明における炭素触媒においても、表面上に金属−N4構造が高密度に存在することが、高い触媒活性の発現に有利となる場合がある。そのため、炭素触媒の合成における熱処理工程においては、金属−N4構造が分解しない温度以下で行う必要がある。
前記フタロシアニンの中心金属としては、アルミニウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛などが挙げられ、中心金属が鉄またはコバルトで形成される「Fe−N4構造またはCo−N4構造」は、熱に対する構造安定性や酸素分子の吸着能が優れているなどの特性より、高い触媒活性を示すため好ましい。
<スルホン基を導入する工程>
1種または2種以上の、炭素材料および化合物を混合、熱処理し炭素化された炭素触媒を、無水酢酸と96%硫酸より調整した酢酸スルホネート溶液に室温で加え、70℃にて6時間撹拌することによりスルホン化させた。スルホン化処理する方法においては、反応温度は、0〜100℃、好ましくは30〜70℃であることが好ましい。
加熱時間は特に限定されないが、通常は1時間から5時間であることが好ましい。
スルホン化処理後、吸引濾別、水洗を行い、さらに100℃にて乾燥を実施する。この工程にて、金属が系外へ溶出されることは無く、略全量が炭素触媒内にとどまっている。
炭素材料にスルホン基を導入する方法は公知であり、特開平10−110112号記載の、SO3ガスにより材料を処理する方法、三酸化硫黄-ピリジン錯体を用いて溶媒中で加熱する方法、アミノスルホン酸を用いて溶媒中で加熱する方法等があげられる。また、USP5,571,311号明細書、WO96-18696公報記載のように、スルファニル酸を酸性水溶液中で、亜硝酸ナトリウムで処理して得られるジアゾニウム塩を用いる方法も好ましい。この場合には、炭素材料上にベンゼン環を介してスルホン基が導入される。
また、炭素材料に導入されるスルホン酸基の量に特に制限はないが、炭素材料に十分なプロトン導電性を持たせるためには、ICP分析において、炭素材料1g中に、S原子重量で0.01重量%以上含まれていることが好ましく、さらには、0.1重量%以上がより好ましい。スルホン基の量が少ないと、炭素材料が十分なプロトン伝導性を示さない。なお、炭素材料のスルホン基の量の測定法は以下の通りである。
スルホン化された炭素材料をイオン交換水中、超音波発生器等を用いて均一に分散させ、1時間撹拌したのち、濾過し固形分を100℃にて乾燥させ、ICP分析、もしくはESCA分析にてS原子の含有量を分析した。
<触媒インキ>
次に、本発明における炭素触媒を用いた触媒インキについて説明する。
本発明の触媒インキは、炭素触媒、バインダー、溶剤を最低限含むものである。バインダー成分は、プロトン伝導性があり、耐酸化性のある材料が好ましい。炭素触媒、バインダー、溶剤の割合は、特に限定されるものではなく、広い範囲内で適宜選択される。
更に、本発明における触媒インキでは、炭素触媒の溶剤中への濡れ性、分散性を向上させるために、分散剤を用いても良い。
分散剤の含有量は、触媒インキ中の炭素触媒に対し、0.01〜5重量%、好ましくは0.02〜3重量%である。この範囲の含有量とすることにより、炭素触媒の分散安定性を十分に達成できると同時に、炭素触媒の凝集を効果的に防止でき、かつ触媒層表面への分散剤の析出を防止できる。
触媒インキの調製方法も特に制限はない。調製は、各成分を同時に分散しても良いし、炭素触媒を分散剤のみで分散後、バインダーを添加してもよく、使用する炭素触媒、バインダー、溶剤種により最適化することができる。
溶剤中で炭素触媒とバインダーを分散混合する装置に関しては、特に限定するものではない。
<バインダー>
バインダーとしては、プロトン伝導性を有する樹脂が好ましく、プロトン伝導性樹脂としては、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸などスルホン酸基を導入したオレフィン系樹脂、スルホン酸基を導入したポリイミド系樹脂、スルホン酸基を導入したフェノール樹脂、スルホン酸基を導入したポリエーテルケトン系樹脂、スルホン酸基が導入されたポリベンズイミダゾール系樹脂、酸とイミダゾール部分で塩形成したポリベンズイミダゾール系樹脂、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体のスルホン酸ドープ品、パーフルオロスルホン酸系樹脂などが挙げられる。
特に、電気陰性度の高いフッ素原子を導入する事で化学的に安定性が高く、スルホン酸基の解離度が高く、高いイオン電子伝導性が実現可能なパーフルオロスルホン酸系樹脂は、実用性が高く好ましい。このようなプロトン伝導性を有する樹脂の具体例としては、デュポン社製の「Nafion」、旭硝子社製の「Flemion」、旭化成社製の「Aciplex」、ゴア(Gore)社製の「Gore Select」などが挙げられる。通常、プロトン伝導性を有する樹脂は、固形分として5〜30重量%程度含むアルコール水溶液として使用される。アルコールとしては、例えば、メタノール、プロパノール、エタノールジエチルエーテルなどが使用される。
<溶剤>
溶剤としては、特に限定されるものではない。主溶剤としては、水または水と親和性が高い溶剤が好ましく、特にアルコールが好適に使用できる。このようなアルコールとしては、例えば、沸点80〜200℃程度の1価のアルコールないし多価アルコールが利用でき、好ましくは炭素数が4以下のアルコール系溶剤が挙げられる。具体的には、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノールなどが挙げられる。アルコールは、1種単独で又は2種以上混合して使用される。これらの1価のアルコールの中でも、2−プロパノール、1−ブタノール及びt−ブタノールが好ましい。多価アルコールとしては具体的には、プロトン伝導性を有する樹脂との相溶性、及び触媒インキとした場合の乾燥効率の問題から、例えば、プロピレングリコール、エチレングリコールなどが好ましく、中でもプロピレングリコールが特に好ましい。
<燃料電池>
次に、本発明における炭素触媒を、アノード電極及びカソード電極に適用した燃料電池について説明する。
図1に本発明の形態の燃料電池の概略構成図を示す。燃料電池は、固体高分子電解質4を挟むように、対向配置されたセパレータ1、ガス拡散層2、アノード電極触媒(燃料極)3、カソード電極触媒(空気極)5、ガス拡散層6、及びセパレータ7とから構成される。
固体高分子電解質4としては、パーフルオロスルホン酸樹脂膜を代表とするフッ素系陽イオン交換樹脂膜が用いられる。
また、本発明における製造方法で製造された炭素触媒をアノード電極触媒3及びカソード電極触媒5として、固体高分子電解質4の双方に接触させることにより、アノード電極触媒3及びカソード電極触媒5に炭素触媒を備えた燃料電池が構成される。
上述の炭素触媒を固体高分子電解質の双方の面に形成し、アノード電極触媒3及びカソード電極触媒5を電極反応層側で固体高分子電解質4の両主面にホットプレスにより密着することにより、MEA(Membrane Electrode Assembly)として一体化させる。
最近では、炭素触媒の比表面積が高いことから、炭素触媒にガス拡散層の機能を付与し、ガス拡散層がなくシンプルで安価な構成の燃料電池構成なども提案されていたりする。本発明の炭素触媒は、ガス拡散層として使い方も十分可能である。
上記セパレータ1、7は、燃料ガス(水素)や酸化剤ガス(酸素)などの反応ガスの供給、排出を行う。そして、アノード及びカソード電極触媒3、5に、ガス拡散層2、6を通じてそれぞれ均一に反応ガスが供給されると、両電極に備えられた炭素触媒と固体高分子電解質4との境界において、気相(反応ガス)、液相(固体高分子電解質膜)、固相(両電極が持つ触媒)の三相界面が形成される。そして、電気化学反応を生じさせることで直流電流が発生する。
上記電気化学反応において、
カソード側:O2+4H++4e-→2H2
アノード側:H2→2H++2e-
の反応が起こり、アノード側で生成されたH+イオンは固体高分子電解質4中をカソード側に向かって移動し、e-(電子)は外部の負荷を通ってカソード側に移動する。
一方、カソード側では酸化剤ガス(酸素)と、アノード側から移動してきたH+イオン及びe-とが反応して水が生成される。この結果、上述の燃料電池は、水素と酸素とから直流電力を発生し、水を生成することになる。
なお、本発明における製造方法で製造された炭素触媒の用途は、上記燃料電池用電極触媒に限定するものではなく、金属‐空気電池用電極触媒、排ガス浄化用触媒、水処理浄化用触媒などとして用いることが可能である。
以下、実施例に基づき本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。実施例中、部は重量部、%は重量%を表す。
炭素触媒及びフタロシアニンの分析は、以下の測定機器を使用した。
・表面窒素元素量、結合状態の検出;X線分光分析(XPS)(島津/KRATOS社製 AXIS−HS)
・BET比表面積の測定;窒素吸着量測定(日本ベル社製 BELSORP−mini)
・平均一次粒子径の観察;透過型電子顕微鏡(TEM:JEOL社製JEM1010)、走査型電子顕微鏡SEM:日立製作所社製S−4300)
・平均二次粒子径の測定;レーザー回折法による粒度分布計(Malvern Instruments社製 マスターサイザー2000)
本明細書において、グラフェンナノプレートレットの平均一次粒子径とは炭素平面方向の大きさ(長径)であり、金属フタロシアニンの平均一次粒子径は粒子の長径のことである。それぞれ、透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡で測定した粒子50個の平均値によって求めることができる。
同様に、金属フタロシアニンの平均二次粒子径とは、上記粒度分布計にて求めたd−50の値である。具体的な測定方法は、金属フタロシアニンの粉末を測定セル内へ投入、信号レベルが最適値を示したところで測定した。
使用した炭素材料および金属フタロシアニンの性状を以下に示す。
・xGnP−C−750(XGscience社製:比表面積670m2/g)
・ケッチェンブラックEC−600JD(ライオン社製:比表面積1530m2/g)
・MW−CNT(SIGMA-ALDRICH社製:比表面積>500m2/g)
・SW−CNT(SIGMA-ALDRICH社製:比表面積>1000m2/g)
・P−26(山陽色素社製鉄フタロシアニン:平均一次粒子径80nm、平均二次粒子径20μm)
・フタロシアニンコバルト(II)(東京化成社製:平均一次粒子径300nm、平均二次粒子径5.0μm)
[製造例1;炭素触媒(1)]
ケッチェンブラックとコバルトフタロシアニンを、重量比1/1で秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合し、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理を行い、炭素触媒(1)を得た。
[製造例2;炭素触媒(2)]
ケッチェンブラックと鉄フタロシアニンを、重量比1/0.5で秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合し、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理を行い、炭素触媒(2)を得た。
[製造例3;炭素触媒(3)]
グラフェンナノプレートレットとコバルトフタロシアニンを、重量比1/1で秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合し、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理を行い、炭素触媒(3)を得た。
[製造例4;炭素触媒(4)]
グラフェンナノプレートレットと鉄フタロシアニンを、重量比1/0.5で秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合し、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理を行い、炭素触媒(4)を得た。
[製造例5;炭素触媒(5)]
MW−CNTとコバルトフタロシアニンを、重量比1/1で秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合し、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理を行い、炭素触媒(5)を得た。
[製造例6;炭素触媒(6)]
MW−CNTと鉄フタロシアニンを、重量比1/0.5で秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合し、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理を行い、炭素触媒(6)を得た。
[製造例7;炭素触媒(7)]
SW−CNTとコバルトフタロシアニンを、重量比1/1で秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合し、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理を行い、炭素触媒(7)を得た。
[製造例8;炭素触媒(8)]
SW−CNTと鉄フタロシアニンを、重量比1/0.5で秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合し、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理を行い、炭素触媒(8)を得た。
[製造例9;炭素触媒(9)]
フェノール樹脂(群栄化学社製 PSM-4326)と鉄フタロシアニン(山陽色素社製)を質量比3.3:1で秤量し、アセトン中で湿式混合した。上記混合物を減圧留去した後、乳鉢で粉砕し、前駆体とした。上記前駆体粉末をアルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、600℃で2時間熱処理を行い、炭素焼結体(1)を得た。上記炭素焼結体(1)を濃塩酸中でリスラリーし、静置させ、炭素焼結体(1)沈殿後、上澄み液を除去した。上記操作を上澄みの着色がなくなるまで、繰り返し行い、ろ過、水洗、乾燥した後、乳鉢で粉砕し、アルミナ製るつぼに充填、電気炉にてアンモニア雰囲気下、800℃で1時間熱処理し、炭素焼結体(2)を得た。上記炭素焼結体(2)を濃塩酸中でリスラリーし、静置させ、炭素焼結体沈殿後、上澄み液を除去した。上記操作を上澄みの着色がなくなるまで、繰り返し行った後、ろ過、水洗、乾燥し、乳鉢で粉砕し、炭素触媒(9)を得た。
[実施例1;スルホン化炭素触媒(1)]
製造例1で作製した炭素触媒(1)(10g)を、無水酢酸(200ml)と96%硫酸(10ml)から調整した酢酸スルホネート溶液に室温で加え、70℃にて6時間撹拌した後、吸引濾別、水洗を行い、さらに100℃にて乾燥することによりスルホン化炭素触媒(1)を得た。尚、スルホン酸基量はICP発光分光分析(SPECTRO社(ドイツ)製ARCOS)により、0.66重量%である。またコバルト量は、ICP発光分光分析により、2.0重量%である。
スルホン化炭素触媒(1)は、BET比表面積が670m2/gである。
[実施例2;スルホン化炭素触媒(2)]
製造例2で作製した炭素触媒(2)(10g)を、無水酢酸(200ml)と96%硫酸(10ml)から調整した酢酸スルホネート溶液に室温で加え、70℃にて6時間撹拌した後、吸引濾別、水洗を行い、さらに100℃にて乾燥することによりスルホン化炭素触媒(2)を得た。尚、スルホン酸基量はICP発光分光分析により、0.53重量%である。また鉄量は、ICP発光分光分析により、1.4重量%である。
スルホン化炭素触媒(2)は、BET比表面積が690m2/gである。
[実施例3;スルホン化炭素触媒(3)]
製造例3で作製した炭素触媒(3)(10g)を、無水酢酸(200ml)と96%硫酸(10ml)から調整した酢酸スルホネート溶液に室温で加え、70℃にて6時間撹拌した後、吸引濾別、水洗を行い、さらに100℃にて乾燥することによりスルホン化炭素触媒(3)を得た。尚、スルホン酸基量はICP発光分光分析により、0.70重量%である。またコバルト量は、ICP発光分光分析により、1.8重量%である。
スルホン化炭素触媒(3)は、BET比表面積が280m2/gである。
[実施例4;スルホン化炭素触媒(4)]
製造例4で作製した炭素触媒(4)(10g)を、無水酢酸(200ml)と96%硫酸(10ml)から調整した酢酸スルホネート溶液に室温で加え、70℃にて6時間撹拌した後、吸引濾別、水洗を行い、さらに100℃にて乾燥することによりスルホン化炭素触媒(4)を得た。尚、スルホン酸基量はICP発光分光分析により、0.64重量%である。また鉄量は、ICP発光分光分析により、1.6重量%である。
スルホン化炭素触媒(4)は、BET比表面積が280m2/gである。
[実施例5;スルホン化炭素触媒(5)]
製造例5で作製した炭素触媒(5)(10g)を、無水酢酸(200ml)と96%硫酸(10ml)から調整した酢酸スルホネート溶液に室温で加え、70℃にて6時間撹拌した後、吸引濾別、水洗を行い、さらに100℃にて乾燥することによりスルホン化炭素触媒(5)を得た。尚、スルホン酸基量はICP発光分光分析により、0.50重量%である。またコバルト量は、ICP発光分光分析により、2.1重量%である。
スルホン化炭素触媒(5)は、BET比表面積が450m2/gである。
[実施例6;スルホン化炭素触媒(6)]
製造例6で作製した炭素触媒(6)(10g)を、無水酢酸(200ml)と96%硫酸(10ml)から調整した酢酸スルホネート溶液に室温で加え、70℃にて6時間撹拌した後、吸引濾別、水洗を行い、さらに100℃にて乾燥することによりスルホン化炭素触媒(6)を得た。尚、スルホン酸基量はICP発光分光分析により、0.43重量%である。また鉄量は、ICP発光分光分析により、1.8重量%である。
スルホン化炭素触媒(6)は、BET比表面積が480m2/gである。
[実施例7;スルホン化炭素触媒(7)]
製造例7で作製した炭素触媒(7)(10g)を、無水酢酸(200ml)と96%硫酸(10ml)から調整した酢酸スルホネート溶液に室温で加え、70℃にて6時間撹拌した後、吸引濾別、水洗を行い、さらに100℃にて乾燥することによりスルホン化炭素触媒(7)を得た。尚、スルホン酸基量はICP発光分光分析により、0.44重量%である。またコバルト量は、ICP発光分光分析により、2.0重量%である。
スルホン化炭素触媒(7)は、BET比表面積が910m2/gである。
[実施例8;スルホン化炭素触媒(8)]
製造例8で作製した炭素触媒(8)(10g)を、無水酢酸(200ml)と96%硫酸(10ml)から調整した酢酸スルホネート溶液に室温で加え、70℃にて6時間撹拌した後、吸引濾別、水洗を行い、さらに100℃にて乾燥することによりスルホン化炭素触媒(8)を得た。尚、スルホン酸基量はICP発光分光分析により、1.2重量%である。また鉄量は、ICP発光分光分析により、1.8重量%である。
スルホン化炭素触媒(8)は、BET比表面積が880m2/gである。
[実施例9;スルホン化炭素触媒(9)]
製造例9で作製した炭素触媒(9)(10g)を、無水酢酸(200ml)と96%硫酸(10ml)から調整した酢酸スルホネート溶液に室温で加え、70℃にて6時間撹拌した後、吸引濾別、水洗を行い、さらに100℃にて乾燥することによりスルホン化炭素触媒(9)を得た。尚、スルホン酸基量はICP発光分光分析により、0.50重量%である。また鉄量は、ICP発光分光分析により、1.1重量%である。
スルホン化炭素触媒(9)は、BET比表面積が400m2/gである。
[比較例1〜9]
上記製造例1〜9で作製した炭素触媒(1)〜(9)。
実施例1〜9で得たスルホン化炭素触媒(1)〜(9)及び、比較例1〜9の炭素触媒(1)〜(9)を用いて、触媒インキ及び燃料電池用触媒層の作製を行い、電池性能評価を行った。
<触媒インキの調製>
実施例1〜9のスルホン化炭素触媒(1)〜(9)及び、比較例1〜9の炭素触媒(1)〜(9)を12部それぞれ秤量し、1−ブタノール48部とナフィオン(Nafion)溶液(デュポン社製;固形分20%水−アルコール混合溶液)40重量部の混合溶液中に添加後、ディスパー(プライミクス社製、T.Kホモディスパー)にて撹拌混合することで触媒インキ(1)〜(18)(固形分濃度20重量%、触媒インキ100重量%としたときの炭素触媒とバインダーを合計した割合)をそれぞれ調製した。
<燃料電池用触媒層の作製>
実施例1〜9の触媒インキ(1)〜(9)及び、比較例1〜9の触媒インキ(10)〜(18)を、ドクターブレードにより、乾燥後の炭素触媒の目付け量が2mg/cm2になるようにテフロン(登録商標)フィルム
上に塗布し、大気雰囲気下、95℃で15分間乾燥することにより、ムラのない均一なカソード用燃料電池用触媒層(1)〜(18)を作製した。
<アノード用燃料電池用触媒層の作製>
ここでは、燃料電池用電極膜接合体の作製に使用するアノード用燃料電池用触媒層の作製方法について以下に述べる。
炭素触媒の代わりに、白金触媒担持カーボン4部(田中貴金属社製、白金量46%)、溶剤として1―プロパノール56部、および水20部をディスパー(プライミクス、TKホモディスパー)にて撹拌混合することで触媒ペースト組成物(固形分濃度4%)を調製した。次いで、ナフィオン(Nafion)溶液(デュポン社製;固形分20%水−アルコール混合溶液)20部を添加し、ディスパー(プライミクス製、T.Kホモディスパー)にて撹拌混合することで触媒インキ(固形分濃度8%)を作製した。得られた触媒インキを白金触媒担持カーボンの目付け量が0.46mg/cm2になるようにテフロン(登録商標)フィルム上に塗布し、大気雰囲気中70℃の条件で15分間乾燥することにより、アノード用燃料電池用触媒層を作製した。
<燃料電池用電極膜接合体の作製>
実施例1〜9、及び比較例1〜9で作製したカソード用燃料電池用触媒層(1)〜(18)と、アノード用燃料電池用触媒層とを、それぞれ固体高分子電解質膜(Nafion212、デュポン社製、膜厚50μm)の両面に密着して、150℃、5MPaの条件で狭持した後、テフロン(登録商標)フィルムを剥離した。次いで、更に両側から電極基材(ガス拡散層GDL、炭素繊維からなるカーボンペーパー、TGP−H−090、東レ(株)製)を密着させ、本発明の燃料電池用電極膜接合体(GDL/触媒層/固体高分子電解質膜/触媒層/GDL)(1)〜(18)を作製した。
<燃料電池(単セル)の作製>
実施例1〜9と比較例1〜9で得られた燃料電池用電極膜接合体(1)〜(18)を2cm角の試料とし、その両側からガスケット2枚、次いでグラファイトプレートであるセパレータ2枚ではさみ、更に両側から集電板を2枚装着して燃料電池(単セル)として作製した。
<プロトン輸送抵抗の評価>
AutoPEMシリーズ「PEFC評価システム」東陽テクニカ社製を用いて、80℃、相対湿度33%の条件下、バイアス電圧0.45V、印加交流電圧10mVにおいて、20kHz〜0.1Hzでインピーダンス測定を実施し、得られたナイキストプロットにより触媒層のプロトン輸送抵抗(Ω・cm2)を評価した。この時、発電による電荷移動抵抗を排除するため、カソード側に窒素を、アノード側に水素をそれぞれ300ml/minで流し、電池を30分間平衡にした後、測定を実施した。
<燃料電池(単セル)の発電特性評価>
測定はAutoPEMシリーズ「PEFC評価システム」東陽テクニカ社製で実施した。燃料電池運転条件として、温度80℃、相対湿度100%、ガス圧力0.3MPaの条件下で、アノード側に水素を300ml/minで流し、カソード側に酸素を300ml/minで流して発電試験を実施した。
実施例1〜9と比較例1〜9で作製した単セルの電流−電圧特性を測定することにより、電池性能を評価し、その結果を表1に示した。
Figure 2015160178


表1より、実施例1〜9で作製した単セルでは、開放電圧は0.74〜0.83V、 短絡電流密度2500〜2920mA/cm2、最大出力0.25〜0.34W/cm 2であった。これに対し、比較例1〜9で作製した単セルは、開放電圧0.73〜0. 83V、短絡電流密度1870〜2400mA/cm2と最大出力0.18〜0.24 W/cm2となり、実施例に比べて短絡電流密度および最大出力値が低い結果であった 。
これは、炭素触媒の表面に処理されたスルホン基が、膜内のプロトン輸送性向上に寄 与することで、低電位域での電流低下を抑制し、より多くの電流を取り出すことが可能 となり、最大出力の向上に繋がったと考えられる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に限 定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
1 セパレータ
2 ガス拡散層
3 アノード電極触媒(燃料極)
4 固体高分子電解質
5 カソード電極触媒(空気極)
6 ガス拡散層
7 セパレータ

Claims (4)

  1. 1種または2種以上の、炭素材料および化合物を混合、熱処理し、得られた炭素触媒を、スルホン化して得られるスルホン化炭素触媒であって、
    前記炭素材料が、無機炭素材料由来の炭素粒子および/または有機材料を熱処理して得られる炭素粒子の群から選ばれる少なくとも1種であり、前記化合物が、窒素元素および卑金属元素を含有する化合物であるスルホン化炭素触媒。
  2. 請求項1に記載のスルホン化炭素触媒と、バインダーと、溶剤とを含有してなる触媒インキ。
  3. 請求項1に記載のスルホン化炭素触媒を、固体高分子電解質膜の一方、又は双方の面に配置させてなる電極触媒を有する燃料電池。
  4. 無機炭素材料由来の炭素粒子および/または有機材料を熱処理して得られる炭素粒子の群から選ばれる少なくとも1種である炭素材料と、窒素元素および卑金属元素を含有する化合物とを乾式混合し混合物を得る工程1と、前記混合物を不活性ガス雰囲気中で熱処理し金属が担持された炭素触媒を得る工程2と、前記金属が担持された炭素触媒をスルホン化する工程3とからなる、スルホン化炭素触媒の製造方法。
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