JP2015157390A - 印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被印刷基板を検査することなく被印刷基板上に面内均一な印刷パターンを安定的に形成することができる印刷装置を提供する。
【解決手段】印刷版101が設置される回転式の版胴102と、被印刷基板106を載置する移動定盤107と、印刷版にインキを供給するインキ供給装置とを備え、印刷装置は、印刷版に供給したインキを転写する検査ロールと、検査ロール108の表面に転写されたインキを撮影する撮影装置と、をさらに有し、撮影装置で撮影した検査ロールの表面の画像に対して、全画素の色度値の平均値を計算する手段と、平均値との色度値の差の絶対値が最大である画素の検査ロール上における位置を特定する手段と、画素の平均値との色度値の差及び検査ロール上における位置に基づいて版胴の被印刷基板106に対する傾斜角を調整する手段と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機EL素子もしくは有機EL素子に用いる、パネルを製造するための印刷装置に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(以下EL)素子は、対向する陽極と陰極との間に有機発光材料からなる有機発光層が形成された構造をもつ発光素子であり、電圧の印加によって陽極、陰極からそれぞれ正孔、電子が注入され、それらが有機発光層で再結合を起こすことにより発光するものであるが、効率の良い発光を得るためには、有機発光層の膜厚が重要な要素であり、数nmから数十nm程度で膜厚をコントロールする必要がある。さらに、これをディスプレイ化するには高精細にパターニングする必要がある。
有機発光層に用いられる有機発光材料は、低分子系材料と高分子系材料に区分されており、有機発光層の形成方法は有機発光材料の種類によって異なる。
一般に低分子系材料は、抵抗加熱蒸着法(真空蒸着法)等によって基板に薄膜を形成する。有機EL素子をフルカラー化する場合には、各色の画素形状に応じたパターンのマスクを用いて、異なる発光色の発光材料をそれぞれの画素に蒸着して形成する方法が採用されている。この方法は、薄膜形状を均一に形成するには優れた方法であるが、蒸着される基板が大型になると、マスクのパターン精度を得るのが難しくなってしまう。
一方で高分子系材料では、主に有機発光材料を溶剤に溶解あるいは分散させてインキ化し、これをウェットコーティング法によって薄膜を形成する方法が用いられている。ウェットコーティング法としては、スピンコート法、バーコート法、塗出コート法、ディップコート法等があるが、高精細なパターニングや、フルカラー化の色の塗り分けにこれらの方法を用いることは困難である。
そこで、フルカラー化に有機発光材層をパターニングする手段としては、インキジェット法や印刷法によるパターン印刷が有効であると考えられる。低分子系材料でも近年、可溶性なインキタイプの発光材料も出ており、印刷法を用いる製造プロセスが有望視されている。
高精細パターニング方法の一つとして、例えばインキジェットノズルから溶剤に溶かした有機発光材料を基板上に噴出させ、基板上で乾燥させることでパターンを形成するインキジェット方法がある(特許文献1)。
この方法においては、ノズルから噴出されたインキ液滴は球状をしている為、基板上に着弾する際にインキが円形状に広がり、形成されたパターンの形状が直線性に欠けたり、あるいは着弾精度が悪くなってパターンの直線性が得られなかったりするという課題がある。
一方で印刷法によるパターン形成方法には、凸版印刷法、反転印刷法、スクリーン印刷法等が提案されている。有機EL素子やディスプレイでは、基材としてガラス基板を用いることが多く、グラビア印刷法等のように金属製等の硬い印刷版を用いる方法は不向きである。
そのため、弾性を有するゴム製の印刷版を用いた印刷法や、ゴム製の印刷用ブランケッ
トを用いたオフセット印刷法、弾性を有するゴムやその他の樹脂を主成分とした感光性樹脂版を用いる凸版印刷法等が適正な印刷法と考えられている。
実際に、これらの印刷法の試みとして、オフセット印刷によるパターン印刷方法(特許文献2)、凸版印刷によるパターン印刷方法(特許文献3)などが提唱されている。特に凸版印刷による方法は、パターン形成精度や膜厚均一性などに優れ、印刷による有機EL素子の製造方法として最も適している。
凸版印刷法による有機EL素子の作製工程の一例を以下に示す。まず、微細な孔を有するアニロックスロールの表面にインキを塗布する。次に、アニロックスロール表面の余分なインキをドクターでかきとることによって、アニロックスロールの単位面積あたりのインキ塗布量を均一にする。
その後、有機EL素子の画素形状に対応してパターニングされた印刷版上にアニロックスロール上のインキを転写する。最後に、印刷版上のインキ薄膜を基板上に転写させることで有機EL素子の発光層を形成する。
図6は、一般的な、凸版印刷法による発光部形成工程に用いる印刷機の構成を示しており、インキパン103にはインキが貯留されている。アニロックスロール104にはこのインキパン103中においてインキが供給された後に、その上の余分なインキがドクター105によって掻き落とされ、孔内部にのみインキが蓄えられる。
孔内部のインキは、アニロックスロール104と相対して回転する版胴102に巻かれている印刷版(凸版)101の画像形成部上に転移させられ、そこにインキの薄膜を形成する。さらに、画像形成部上に形成された薄膜は版胴102と相対して移動する被印刷基板106上に転写される。
有機EL素子を凸版印刷法で作製する場合、印刷版上の転写パターンは有機EL素子の各画素を構成する複数の発光部のうち、同色発光部を形成するための転写パターンが複数配列された構成となっており、それぞれの発光色に発光する発光部を順次印刷して行くことで、有機発光層パターンが得られる。
前述したように、凸版印刷法ではアニロックスロール104から印刷版(凸版)101にインキを転写し、更に印刷版101上のインキを被印刷基板106へ転写することで所望の有機発光層パターンを得るのだが、ここで凸版上に形成される樹脂パターンは被印刷基板上に形成される所望の有機発光層パターンと相対した均一なパターンである必要がある。
しかし、印刷している膜厚が不均一であることで、毎回版胴の左右の高さ調整をする必要があり、刷り上りでの確認から、確認・調整後は版上インクが乾いているため、版を確認毎に洗浄が必要なことや版上で使用したインキを洗浄することから廃棄しなくてはならないこと、また刷り上りを待つことによる工程内での時間ロスで生産性を損ねていることなど、問題点が多々見受けられた。
そのため歩留りの低下、コスト増大等に繋がるという課題がある。
特開平10−12377号公報 特開2001−93668号公報 特開2001−155858号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、被印刷基板を検査することなく被印刷基板上に面内均一な印刷パターンを安定的に形成することができる印刷装置を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、印刷版が設置される回転式の版胴と、被印刷基板を載置する移動定盤と、前記印刷版にインキを供給するインキ供給装置とを備え、前記インキにより画素を形成する印刷装置であって、
前記印刷版に供給するインキを転写する検査ロールを有し、検査ロールの表面に転写された画素を形成するインキの画素の位置毎の色度値と、画素の位置情報毎の色度値から色度分布を検知する手段と、
前記検査ロール上に印刷されたインキの色度分布から前記版胴の前記被印刷基板に対する傾斜角を調整する手段と、
を有することを特徴とする印刷装置である。
また、請求項2に記載の発明は、前記傾斜角を調整する手段が、前記回転式の版胴の両端それぞれに設けられ、独立する上下動機構であり、
前記画素の前記平均値との色度値の差及び前記特定された検査ロール上における、色度値の差の絶対値が最大である画素位置に基づき、
前記上下動機構により、傾斜角を調整することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置である。
また、請求項3に記載の発明は、前記色度値の平均値との差を256階調で示し、その数値に連動して前記上下動機構を動作させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷装置である。
検査ロール上に転写したインキパターンを検査することによって、時間、材料ロスなく、印刷パターンの検査が可能となり、従来の方法に比べ、歩留まりが向上し、コスト低減に繋がる。
本発明の、検査ロールに印刷されたインキの色度値の平均値を計算する手段、傾斜角を調整する手段を持つ印刷装置を示した断面概念図である。 本発明の、検査ロールに印刷された、インキの色度値の平均値を計算する手段、位置を特定する手段、版胴の被印刷基板に対する傾斜角を調整する手段を持つ印刷装置を示した断面概念図である。 版胴の被印刷基板に対する傾斜角と、被印刷基板に印刷されたインキの色度値の位置関係を示した概念図である。 本発明の、検査ロールに印刷されたインキの色度値を検知し、版胴角度を調整する流れを示したフロー図である。 本発明で得られる有機EL素子を示した断面概念図である。 一般的な凸版印刷装置を示した断面概念図である。
以下本発明を実施するための形態を、図面を用いて詳細に説明する。本発明の実施の形
態に係る印刷装置を図1に示す。ここでは特に印刷法として凸版印刷法を用いて説明するが、これに限定はしない。回転式の版胴102、版胴102の周囲に形成される発光パターン形成用の印刷版(凸版)101と、被印刷基板106を搬送する移動定盤107と、印刷版101上にインキを供給するアニロックスロール104と、アニロックスロール104にインキを供給するインキパン103と、アニロックスロール104上の余剰インキを除去するドクター105を含んで構成されている。次に、本発明の各構成を詳細に説明する。
版胴102は移動定盤107上に配置されるものであり、定位置に回転可能に支持されている。印刷版(凸版)101は、版胴102の周面に装着されている。アニロックスロール104は版胴102の回転軸と平行にかつ印刷版(凸版)101の表面の版面と接触するように設置されている。インキパン103の内部にはインキが充填されており、アニロックスロール104とインキパン103内部のインキとが接するよう設置されている。被印刷基板106は移動定盤107上に載置されている。移動定盤107は版胴102の回転軸と直交する方向に水平に移動するよう設置されている。
上述した構成の印刷装置では、アニロックスロール104の回転に伴い、インキパン103から供給されたインキがアニロックスロール104表面に均一に保持されたあと、版胴102に取り付けられた印刷版(凸版)101の版面に転移する。被印刷基板106は摺動可能な移動定盤107上に固定され、印刷版(凸版)101のパターンと被印刷基板106のパターン形成位置との位置調整機構により、位置調整しながら印刷開始位置まで移動する。印刷開始位置からは被印刷基板106が印刷版101の凸部と接して版胴102の回転と同期しながら移動し、印刷版(凸版)101から被印刷基板106の所定位置にパターニングしてインキが転写される。被印刷基板106にインキパターンが形成された後は、必要に応じてオーブンなどによる乾燥工程を設けることができる。
本発明の実施の形態に係るアニロックスロール104は、版胴102の周速と同一の周速で回転しながらインキを印刷版101に供給するものである。アニロックスロール104はクロム製やセラミックス製のものを用いることができ、アニロックスロール104の外周面には、インキを保持するための細かい孔や凹部、セル状などのパターンが形成されていることが望ましい。
本発明の実施の形態に係るインキパン103は、アニロックスロール104の下方周面部分を浸漬するインキ溜りや、滴下型のインキングユニット、ファウンテンロール、ダイコーター、キャップコーターなどのコーターやそれらを組み合わせたものなどを用いることができる。また、インキパン103にインキを補充するインキ補充装置(図示せず)や、インキを保存するインキタンク(図示せず)が接続されていることが望ましい。
また、アニロックスロール104上に均一にインキを供給する為にドクター105を併設することが望ましい。ドクター105の形状は刃状のものやロール状のものなどがあり、そのいずれでもかまわない。また、インキパン103がインキ溜りの場合には、ドクター105は、アニロックスロール104の回転方向で、インキ溜りからアニロックスロール104と印刷版(凸版)101との当接点までの間に位置し、掻き取ったインキがインキ溜りに落ちるようにするのが好ましい。
本発明の実施の形態に係る印刷版(凸版)101に用いられる基材の材料は、印刷に対する機械的強度を有すれば良く、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコールなどの公知の合成樹脂、鉄や銅、アルミニウムといった公知の金属、ま
たはそれらの積層体を用いることができる。
印刷版(凸版)101を構成する基材としては、高い寸法安定性を保持するものが望ましく、基材として用いられる材料としては金属が好適に使用される。基材として用いられる金属としては鉄、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、チタン、クロム、金、銀やそれらの合金、積層体などが挙げられるが、特に、加工性、経済性から鉄を主成分とするスチール基材やアルミ基材を好適に用いることができる。
印刷版(凸版)101の版面を樹脂で形成する場合、その版面上の凸部の形成方法としてはポジ型感光性樹脂やネガ型感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィー法、射出成型、レーザーアブレーション法等の種々のパターン成型法を用いることができるが、パターンの高精細さの観点から、感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィー法が望ましく、また、要求精度の凸版を形成可能なネガ型感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィー法が最も望ましい。
感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィー法を凸部パターン形成法として適用する場合、基材層、反射抑制層、感光性樹脂層が順次積層されている板状感光性樹脂積層体から印刷版101の凸部を形成することが最も望ましい。感光性樹脂層の成型方法は、射出成型法、突出成型法、ラミネート法、バーコート法、スリットコート法、カンマコート法などの公知の方法を用いることができる。
印刷版(凸版)101の版面を樹脂で形成する場合、用いる樹脂としてはインキに対する耐溶剤性があればよく、ニトリルゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴムなどのゴムの他に、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコールなどの合成樹脂やそれらの共重合体、セルロース誘導体などや、フッ素系エラストマーやポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ六フッ化ビニリデンやそれらの共重合体といったフッ素系樹脂から一種類以上を選択することができる。
本発明の実施の形態に係る印刷版101は、上記のように基材上に凸部パターンが形成された印刷版(凸版)101を版胴102に巻きつけて使用されるが、版胴102を基材として直接版胴102に凸部パターンを形成しても良い。
また、使用するインキは、インキパン103からアニロックスロール104への塗工及びアニロックスロール104から印刷版(凸版)101への転写を考慮し適した粘度に調整し、インキの粘度は5〜180mPa・sとすることが望ましい。本実施の形態で用いる凸版印刷法ではアニロックスロール104から印刷版(凸版)101上へのインキの転写が最初に行われるが、180mPa・s以上の粘度ではアニロックスロール104から印刷版101上へインキが転写した後、印刷版(凸版)101上で十分インキがレベリングせず、ムラの原因になる。また、5mPa・s以下では、被印刷基板10に転写した際に画素内ではじきムラが発生しやすく、ムラの原因になる。
アニロックスロール104から印刷版(凸版)101上に転写されるインキ量は、被印刷基板106に成膜する膜厚によって決定するが、インキ濃度とアニロックスロール104のセル容積を調整することで印刷版(凸版)101上に転写されるインキ量を一定にすることが望ましい。
次に本発明で用いた検査ロール108を用いた検査について、図2、図3を用いて説明する。
印刷版101から検査ロール108上に転写した転写画像を検査用カメラ109にて撮像したロール上転写画像201を、本発明で使用する256階調処理202までフィードバックする。ここで、図3で示したロール上転写部中央301を認識する。事前に設定した左右の濃淡差を任意の値として認識し、左右の平均の最大値と最小値をアウトプットすることで、版胴を上下動させ、版胴の傾きを補正する。以上の流れは、図4にフローで示される。
たとえば、図3で示す、A)のような302のロール上転写画像1が得られた場合、版胴の状態として、303のように左右の傾きが大きいことが考えられる。本発明を用いることで、左右で得られた画像の濃淡差を最大値と最小値で、左端あるいは、右端を各々任意の値分上下動する。この後、検査ロール洗浄手段110にて洗浄し、再度検査ロールに転写する。
図3のB)305のロール上転写画像2が得られた場合、まだ左右の濃淡差が設定されてある任意の値が解消されていないことから、再度256階調処理し、版胴の左端あるいは、右端をそれぞれ上下動させる。この後も繰り返し、検査ロール洗浄手段110にて洗浄し、再転写する。
図3のC)転写で得られた307のロール上転写画像3の場合、事前に設定してある任意の濃淡差の値の範囲内であることから、現状の版胴左右の設定値に本番の印刷を開始する。
事前に設定する任意の値に関しては、本発明で用いた有機EL素子のようにナノメートルオーダーで面内を均一化する場合は小さく設定するなど、目的に応じて設定する必要がある。過剰に設定を厳しくすることで、検査する時間が延びるだけで効率が低下してしまう。
また本発明で示す事前に設定する任意の値というのは256階調で白と黒で認識し、たとえば、転写した面内の平均値と平均値から最も離れた値の差分が50未満の場合は面内均一と判定、50以上の場合は版胴へ大きいほうは3μm上昇、小さいほうは3μm下降することで、版胴の左右バランスを保つ機構を作ることである。上下動の大きさに関しては、これとは別に任意に設定することが出来るほうが望ましい。それは、本発明のように凸版の凸部の高さ以上を一度に上下動させると、片側のパターンがつぶれてしまうことが考えられる。また、用いる版胴の大きさ、重さによる装置内の剛性や凸版自体の面内均一性にも拠るため、判定方法に関しては、これに限るものではない。
また検査ロール洗浄機構に関しては、例えば、用いるインキに可溶な溶媒を噴霧させる機構や空気を噴霧する機構やそれらを組み合わせた機構が考えられるが、これに限るものではない。
図5に、本発明で示した図1の印刷装置により製造された有機EL素子401の1つの発光単位38の断面模式図を示した。
この有機EL素子401の発光単位402は、透光性基板407と透明導電層403と正孔注入層404と有機発光層405と陰極層406とを具備するものである。
この有機EL素子401において、透光性基板407としては、ガラス基板やプラスチ
ック製のフィルムまたはシートを用いることができる。プラスチック製のフィルムを用いれば、巻き取りにより有機発光素子の製造が可能となり、安価に素子を提供できる。そのプラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート等を用いることができる。また、透明導電層403を成膜しない側にセラミック蒸着フィルムやポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物等の他のガスバリア性フィルムを積層してもよい。
透明導電層403をなす材料としては、インジウムと錫の複合酸化物(以下ITOという)が挙げられる。また、アルミニウム、金、銀等の金属が半透明状に蒸着されたものや、ポリアニリン等の有機化合物などが挙げられる。
正孔注入層404をなす材料としては、ポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物等の導電性高分子材料を用いても良い。
有機発光層405は、電圧の印加により発光する層であり、図1の印刷装置によって、本発明に係る印刷版101を用いて形成された層であり、上述した塗工液が乾燥してできた層である。
陰極層406をなす材料としては、有機発光層405の発光特性に応じたものを使用すればよく、例えば、リチウム、マグネシウム、カルシウム、イッテルビウム、アルミニウムなどの金属単体や酸化物、これらと金、銀などの安定な金属との合金などが用いられる。また、インジウム、亜鉛、錫などの導電性酸化物を用いることもできる。
透光性基板407上に透明導電層403及び正孔注入層404を形成するには、公知の方法を用いればよく、それらを形成した後に、その上に、図2を参照して説明したようにして本発明に係る印刷版101を用いて有機発光層405を形成し、更にその上に、陰極層406を形成する。陰極層406の形成には真空蒸着法の他にインクジェット法といった公知の手段を用いることができる。
以下に本発明の具体的な実施例について説明するが、これに限るものではない。
以下に、発明を実施するための形態ついて示す。
<被印刷基板の作製>
被印刷基板として、支持体上に設けられたスイッチング素子として機能する薄膜トランジスタと、その上方に形成された平坦化層と、平坦化層上にコンタクトホールによって前記薄膜トランジスタと導通が図られている画素電極とを備えたアクティブマトリクス基板を用いた。
この基板上に設けられている画素電極の端部を被覆し画素を区画するような形状で隔壁を形成した。隔壁の形成は、日本ゼオン社製ポジレジストZWD6216−6をスピンコータにて基板全面に厚み2μmで形成した後、フォトリソグラフィー法によって隔壁を形成した。画素サイズは長辺方向120μm、短辺方向35μmであり長辺方向の画素間の隔壁は10μmである。
画素電極上にスピンコート法により正孔輸送層としてポリ−(3,4)−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)1.5wt%水溶液を100nm膜厚で成膜した。さらにこの成膜されたPEDOT/PSS薄膜を減圧下10
0℃で1時間乾燥することで、被印刷基板を作製した。
<有機発光層形成用有機発光材料の調製>
赤色、緑色、青色(RGB)の3色からなる以下の有機発光材料を調製した(赤色発光インク(R):ポリフルオレン系誘導体のトルエン1質量%溶液、緑色発光インク(G):ポリフルオレン系誘導体のトルエン1質量%溶液、青色発光インク(B):ポリフルオレン系誘導体のトルエン1質量%溶液)。
<印刷版の製造>
前述感光性樹脂材に対し、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の画素領域に対応して上記被印刷基板の画素幅である25μmのストライプ状の開口と125μmの遮光部が形成された合成石英基材のクロムマスクを樹脂凸版パターンの原版とし、このマスクをプロキシミティ露光装置にセットしたものを用いて、印刷版となる樹脂凸版を露光した。プロキシミティギャップは100μmで、露光量は400mJ/cmであった。露光の後、ライン搬送式スプレー現像機を用いて現像液である純水を噴射し現像パターンを得た。なお、有機ELディスプレイの作製のためには赤、青、緑の各色印刷専用に別途製版を行った。
<有機EL素子の製造>
前述にて作製した前記凸版を本発明の印刷機のシリンダーに固定した。検査ロールに転写する前に事前に256階調の170以上を黒と、90以下を白と認識し、黒と白の差が150未満なら面内均一と判定、150以上では面内不均一とし、この場合、左右の最大値側を3μm上昇させ、最小値側を3μm下降させるように設定した。このあと、版胴の回転速度を100mm/secで検査ロール上に印刷した。本発明の検査ロール上に転写した画像を確認したところ、左右差で200あったため、検査ロールを洗浄後、左右差を3μmずつ上下動させ、繰り返し凸版から検査ロール上に転写した。次に転写した画像を確認したところ、左右差で130であった。この後、本番基板を投入し、印刷したところ、基板の面内は均一なパターンが得られた。基板の抜取りや版を洗浄するなどの時間や材料のロス無く、印刷することが出来た。
<比較例1>
前述にて作成した前記印刷版101を、図6に示す様な、本発明の検査ロールの機構が無い印刷機の版胴102に固定した。版胴の回転速度を100mm/secで被印刷基板を印刷した。この被印刷基板は面内で左右の転写バラツキが大きく、版胴の上下動を再設定した。被印刷基板を確認していたため、版上インキが乾燥したことから、版洗浄を実施し、確認した基板は廃棄した。再設定後繰り返し被印刷基板へ転写し確認したところ、面内均一な基板が得られた。比較的強度の強い光源にて検査しているため、発光層自体が影響を受けていることから、確認で使用した基板は廃棄した。これらから、検査や版洗浄に要した時間ロスと基板を廃棄した材料ロスが発生した。
101・・・印刷版
102・・・版胴
103・・・インキパン
104・・・アニロックスロール
105・・・ドクター
106・・・被印刷基板
107・・・移動定盤
108・・・検査ロール
109・・・検査用カメラ
110・・・検査ロール洗浄手段
201・・・ロール上転写画像
202・・・256階調処理
203・・・版胴手前側上下動
204・・・版胴奥側上下動
301・・・ロール上転写部中央
302・・・ロール上転写画像1
303・・・版胴傾き大
304・・・検査ロール面
305・・・ロール上転写画像2
306・・・版胴傾き中
307・・・ロール上転写画像3
308・・・版胴傾き小
401・・・有機EL素子
402・・・有機EL素子の発光単位
403・・・透明導電層
404・・・正孔注入層
405・・・有機発光層
406・・・陰極層
407・・・透光性基板

Claims (3)

  1. 印刷版が設置される回転式の版胴と、被印刷基板を載置する移動定盤と、前記印刷版にインキを供給するインキ供給装置とを備えた印刷装置であって、
    前記印刷装置は、前記印刷版に供給したインキを転写する検査ロールと、
    前記検査ロールの表面に転写されたインキを撮影する撮影装置と、をさらに有し、
    前記撮影装置で撮影した前記検査ロールの表面の画像に対して、全画素の色度値の平均値を計算する手段と、
    前記平均値との色度値の差の絶対値が最大である画素の前記検査ロール上における位置を特定する手段と、
    前記画素の前記平均値との色度値の差及び検査ロール上における位置に基づいて前記版胴の前記被印刷基板に対する傾斜角を調整する手段と、
    を有することを特徴とする印刷装置。
  2. 前記傾斜角を調整する手段が、前記回転式の版胴の両端それぞれに設けられ、独立する上下動機構であり、
    前記画素の前記平均値との色度値の差及び前記特定された検査ロール上における、色度値の差の絶対値が最大である画素位置に基づき、
    前記上下動機構により、傾斜角を調整することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記色度値の平均値との差を256階調で示し、その数値に連動して前記上下動機構を動作させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷装置。
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