JP2015155164A - 液体噴射装置及びメンテナンス方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体噴射部のノズルの開口を含む空間を減圧することで同ノズルから液体を流出させるメンテナンスを行うときに、ノズルから流出する液体量を低減しつつ同ノズルの噴射不良を解消することができる液体噴射装置及び同液体噴射装置のメンテナンス方法を提供する。【解決手段】液体噴射装置は、液体を噴射するノズルを有する液体噴射部と、液体供給源とノズルとを接続する供給流路と、供給流路に設けられた差圧弁と、を備える。供給流路は、液体供給源から差圧弁に向かって液体を加圧供給する第1流路と、差圧弁からノズルに向かって液体を供給する第2流路とを含む。差圧弁は、第2流路が大気圧未満に減圧された場合に開弁することで第1流路と第2流路とを連通する。そして、閉空間の減圧に伴って差圧弁が開弁してから第1流路の圧力が大気圧以上であるときに閉空間を大気開放させる。【選択図】図4

Description

本発明は、例えばインクジェット式プリンターなどの液体噴射装置及び同液体噴射装置のメンテナンス方法に関する。
従来から、液体噴射装置の一例として、液体噴射部に形成されたノズルから液体(インク)を媒体(用紙)に対して噴射することで、同媒体に印刷を行うインクジェット式プリンターが知られている。こうしたプリンターには、液体噴射部における液体の噴射不良を解消するために、液体噴射部内(ノズル内)に混入した気泡などの異物を液体とともに排出させるメンテナンス装置を備えるものがある(例えば、特許文献1)。
詳しくは、こうしたメンテナンス装置では、有底箱状をなすキャップを液体噴射部のノズルの開口面に接触させることでノズルの開口を含む閉空間を形成し、同閉空間を減圧することで液体噴射部のノズルから液体とともに気泡などを排出させるメンテナンスが行われる。
特開平10−211720号公報
ところで、上記のようなメンテナンス装置では、メンテナンス動作を終了するために、閉空間の圧力が大気圧未満である状態で閉空間を大気開放すると、キャップ内の空間に流入する空気がノズル内に入り込むおそれがある。このため、こうしたメンテナンス装置では、閉空間の圧力が大気圧又は大気圧に近い圧力となるまで、すなわち、閉空間の減圧状態が解消されるまで待機してから閉空間を大気開放するようにしている。ここで、閉空間の大気開放を待機することによって閉空間の減圧状態が解消されるのは、大気圧未満に減圧された状態の閉空間においてノズルから液体が流出し続けるためである。したがって、閉空間の大気開放を待機する間にノズルから液体が流出し続けることで、メンテナンスにおいて液体噴射部のノズルから流出する液体量が多くなるというという課題がある。
なお、上記課題は、インクジェット式プリンターに限らず、液体を噴射するノズルを有する液体噴射部から液体を流出させるメンテナンスを行う液体噴射装置及びそのメンテナンス方法にあっては概ね共通する課題となっている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。その目的は、液体噴射部のノズルの開口を含む空間を減圧することで同ノズルから液体を流出させるメンテナンスを行うときに、ノズルから流出する液体量を低減しつつ同ノズルの噴射不良を解消することができる液体噴射装置及び同液体噴射装置のメンテナンス方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する液体噴射装置は、液体を噴射するノズルを有する液体噴射部と、液体供給源と前記ノズルとを接続する供給流路と、前記供給流路に設けられた差圧弁と、前記ノズルの開口を含む空間を閉空間とするキャップと、前記閉空間を減圧することによって前記ノズルから液体を流出させる減圧部と、前記閉空間を大気開放する大気開放部と、を有するメンテナンス部と、前記メンテナンス部を制御する制御部と、を備え、前記供給流路は、前記液体供給源から前記差圧弁に向かって液体を加圧供給する第1流路と、前記差圧弁から前記ノズルに向かって液体を供給する第2流路と、を含み、前記差圧弁は、前記第2流路が大気圧未満に減圧された場合に開弁することで前記第1流路と前記第2流路とを連通可能とし、前記制御部は、前記閉空間の減圧に伴って前記差圧弁が開弁してから前記第1流路の圧力が大気圧以上であるときに前記閉空間を大気開放させる。
第1流路やノズルに気泡などの異物が混入することで液体の噴射不良が生じたノズルがある場合などには、キャップによって形成されたノズルの開口を含む閉空間を減圧することで、噴射不良が生じたノズル(不良ノズル)から、液体とともに気泡などを排出させるメンテナンスが行われる。ここで、上記構成では、ノズルからの液体の流出によって第2流路が大気圧未満に減圧されることで、差圧弁が開弁し、第1流路と第2流路とが連通する。続いて、加圧状態の第1流路から減圧状態の第2流路に液体が供給されることで、第1流路が次第に減圧される。そして、第1流路が大気圧以上であるときに、すなわち第1流路が大気圧未満まで減圧される前に、閉空間を大気開放する。すなわち、液体噴射部のノズルから液体を流出させるメンテナンスを行うときに、ノズルから液体が流出することで閉空間の減圧状態が解消されるのを待たずに、閉空間を大気開放することで同閉空間の減圧状態を解消する。したがって、ノズルからの液体の流出によって閉空間の減圧状態を解消しないため、閉空間の減圧状態の解消に伴う液体の流出量を少なくすることができる。
その一方で、第1流路が大気圧未満に減圧された状態であるときに閉空間を大気開放する場合には、キャップ内の空間(閉空間)に流入する空気がノズルや減圧状態の第2流路に入り込みやすい。この点、上記構成では、第1流路が大気圧以上(正圧)であるときに閉空間を大気開放するため、第2流路には正圧状態の第1流路から液体が速やかに供給され、同第2流路にはノズルを介して空気が流入しにくい。したがって、閉空間の減圧状態を解消するときに、ノズルや第2流路への気泡の混入が抑制される。
こうして、液体噴射部のノズルの開口を含む空間を減圧することで同ノズルから液体を流出させるメンテナンスを行うときに、ノズルから流出する液体量を低減しつつ同ノズルの噴射不良を解消することができる。
上記液体噴射装置において、前記減圧部は、前記閉空間に連通可能な圧力室と、前記圧力室を減圧するポンプと、前記閉空間と前記圧力室との間に設けられる開閉弁と、を有し、前記開閉弁は、開弁することで対応する前記閉空間と前記圧力室との連通を許容する一方、閉弁することで対応する前記閉空間と前記圧力室との連通を制限し、前記制御部は、前記開閉弁を閉弁させた状態で前記ポンプを駆動することで前記圧力室を大気圧未満に減圧させ、同圧力室の圧力が大気圧未満であるときに前記開閉弁を開弁することで前記閉空間を減圧させることが望ましい。
閉空間を大気圧から次第に減圧する場合には、閉空間の圧力が不良ノズルの噴射不良を解消するのに必要な流速で同ノズルから液体が流出する圧力に達するまでの間においても、ノズルから液体が流出することになる。ところが、こうした液体の流出はノズルの噴射不良の解消に対する寄与が小さい。その点、上記構成によれば、大気圧未満に減圧した圧力室と閉空間との間に設けられる開閉弁を開弁することで、閉空間を速やかに減圧することが可能になる。すなわち、ノズルから上記必要な流速で液体が流出する圧力まで、閉空間を速やかに減圧させることができるようになるため、メンテナンスに伴う液体の流出量の増大を抑制しつつ、不良ノズルの噴射不良を解消することができる。
上記液体噴射装置において、前記制御部は、前記開閉弁を開弁するときの前記圧力室の圧力が低いほど、前記開閉弁を開弁してから前記大気開放部に前記閉空間を大気開放させるまでの時間を短くすることが望ましい。
開閉弁を開弁するときの圧力室の圧力が低い場合には、同圧力室の圧力が高い場合よりも、圧力室と連通する閉空間の圧力が低くなる。また、閉空間の圧力が低い場合には、同閉空間の圧力が高い場合よりも、液体噴射部のノズルを流通する液体の速度が速くなる。
このため、開閉弁を開弁してから大気開放部が閉空間を大気開放するまでの時間を一定とする場合、開閉弁を開弁するときの圧力室の圧力が低いほど、より多量の液体がノズルから流出することになる。したがって、メンテナンスにおいて、ノズルから流出させたい液体量が定量である場合には、圧力室の圧力が低いほど短時間でそうした液体量の液体をノズルから流出させることができる。そこで、上記構成では、開閉弁を開弁するときの圧力室の圧力が低いほど、開閉弁を開弁してから大気開放部が閉空間を大気開放するまでの時間を短くするようにした。これによれば、メンテナンスに要する時間を短縮できるとともに、メンテナンスに伴う液体の流出量の増大を抑制することができる。
上記液体噴射装置において、前記制御部は、前記閉空間の減圧に伴う前記ノズルからの液体の流出量が、前記ノズルの容積よりも大きく、前記第2流路の容積よりも小さいときに、前記大気開放部に前記閉空間を大気開放させることが望ましい。
上記構成によれば、少なくともノズルの容積に相当する量の液体を同ノズルから流出させることで、ノズル内に混入した気泡などの異物を同ノズルから排出し、不良ノズルの噴射不良を解消することができる。また、多くとも第2流路の容積に相当する量の液体がノズルから流出するに過ぎないため、メンテナンスに伴う液体の流出量の増大を抑制することができる。
上記液体噴射装置において、前記液体噴射部は、複数の前記ノズルを有し、前記メンテナンス部は、複数の前記キャップを有し、前記複数のキャップは、それぞれ異なるノズルが開口する空間を閉空間とし、前記圧力室は、前記開閉弁が開弁したとき、前記複数のキャップによって形成される複数の閉空間と連通することが望ましい。
上記構成によれば、メンテナンスを行うにあたり、複数のキャップによって形成される閉空間ごとに、圧力室、ポンプ及び開閉弁といった減圧に係る構成を複数設ける必要がないため、装置構成を簡略化することができる。また、上記構成では、開閉弁を開弁すると、複数のキャップによって形成される複数の閉空間と圧力室とが一度に連通するため、上記減圧にかかる構成を複数設ける場合と比較して、複数の閉空間を一様に減圧することができる。すなわち、開閉弁を開弁したときの複数の閉空間における圧力差を小さくすることができ、異なる閉空間に含まれるノズル間における液体の流出量のばらつきを低減することができる。
上記液体噴射装置において、前記ポンプを第1減圧ポンプとしたとき、前記減圧部は、前記第1減圧ポンプよりも減圧量が小さい第2減圧ポンプをさらに有し、前記制御部は、少なくとも前記第1減圧ポンプが駆動する状態から、前記第2減圧ポンプが駆動する状態に切り替えることで、前記圧力室を減圧させることが望ましい。
例えば、比較的減圧量の大きい第1減圧ポンプだけで圧力室を減圧する場合には、圧力室を速やかに減圧することができる一方で、圧力室の圧力を目的とする圧力値に収束させにくい。また、比較的減圧量の小さい第2減圧ポンプだけで圧力室を減圧する場合には、圧力室の圧力を目的とする圧力値に収束させやすい一方で、圧力室を目的とする圧力値まで減圧するのに時間を要する。その点、上記構成では、少なくとも第1減圧ポンプを駆動する状態から第2減圧ポンプを駆動する状態に切り替えることで、圧力室を速やかに減圧するとともに、圧力室の圧力を目標とする圧力値に速やかに収束させることができる。したがって、メンテナンスに要する時間を短縮することができる。
上記液体噴射装置において、前記制御部は、装置内の温度が低いほど前記閉空間の圧力が低くなるように、前記減圧部を制御することが望ましい。
装置内の温度が低い場合には、装置内の温度が高い場合よりも、装置内を流れる液体の流動性が低下しやすい。このため、温度が低い場合には、閉空間に対して温度が高いときと同程度の減圧を行ったとしても、不良ノズルの噴射不良を解消させるのに十分な量の液体を流出させることができないおそれがある。その点、上記構成では、装置内の温度が低いほど閉空間の圧力が低くされるので、装置内の温度の低下によって液体の流動性が低下した場合にも、不良ノズルの噴射不良を解消させるのに十分な量の液体を流出させることができる。
上記液体噴射装置は、前記液体噴射部から噴射される液体を受容する媒体を搬送する搬送機構を備え、前記液体噴射部は、前記媒体の搬送方向と交差する同媒体の幅方向に亘って、複数の前記ノズルを有することが望ましい。
上記構成によれば、液体噴射部が液体の噴射を行う領域が媒体の幅方向に亘って設定される場合において、同液体噴射部を幅方向に移動させる必要がないため、媒体に対して効率良く液体を噴射することができる。また、幅方向に亘ってノズルが複数設けられる点で、液体噴射部のメンテナンスに伴う液体の流出量が増大しやすいところ、上記メンテナンスによる液体の流出量の低減効果を顕著に得ることができる。
上記課題を解決する液体噴射装置のメンテナンス方法は、液体を噴射するノズルを有する液体噴射部と、液体供給源から前記液体噴射部に向かって液体を加圧供給する供給流路と、前記供給流路に設けられ、前記ノズル側の前記供給流路が大気圧未満に減圧された場合に開弁することで前記液体供給源から前記ノズルへの液体の供給を許容する差圧弁と、を備える液体噴射装置のメンテナンス方法であって、前記ノズルの開口を含む空間を閉空間とする閉空間形成ステップと、前記閉空間を減圧して前記ノズルから液体を流出させる減圧ステップと、前記閉空間の減圧に伴って前記差圧弁が開弁してから、前記差圧弁よりも前記液体供給源側の前記供給流路の圧力が大気圧以上であるか否かを判定する判定ステップと、前記前記差圧弁よりも前記液体供給源側の前記供給流路の圧力が大気圧以上であるときに、前記閉空間を大気開放する大気開放ステップと、を備える。
上記構成によれば、上述した液体噴射装置の奏する効果を得ることができる。
液体噴射装置の概略構成を示す模式図。 液体噴射装置の電気的構成を示すブロック図。 液体噴射部のメンテナンスをするために制御部が実行する処理ルーチンを示すフローチャート。 液体噴射部のメンテナンスをするときのタイミングチャートであって、(a)は第1減圧ポンプ及び第2減圧ポンプの駆動状態の推移を示し、(b)は開閉弁及び大気開放弁の開閉状態の推移を示し(c)は圧力室の圧力の推移を示し、(d)は閉空間の圧力の推移を示し、(e)は第1流路及び第2流路の圧力の推移を示す。 閉空間の減圧条件に応じてノズルの噴射不良が解消したか否かを示す表。 閉空間の減圧条件に応じた第1流路の圧力変化を示すグラフ。
以下、液体噴射装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
液体噴射装置は、例えば、用紙などの媒体に液体の一例であるインクを噴射することによって印刷を行うインクジェット式のプリンターである。
図1に示すように、液体噴射装置11は、液体を噴射可能なノズル12が設けられた液体噴射部13と、液体噴射部13に液体を供給するための供給流路14と、液体を収容する液体供給源19内の液体を加圧して送出する加圧ポンプ15と、液体噴射部13をメンテナンスするメンテナンス部16とを備えている。なお、本実施形態において、ノズル12は、例えば図1において紙面と直交する方向に並ぶように、液体噴射部13に複数設けられている。そして、これら複数のノズル12は、液体噴射部13のノズル形成面18に開口している。
まず、液体噴射部13及び供給流路14の構成について説明する。
液体噴射部13の上流側に設けられる供給流路14の上流端は、液体を収容した液体供給源19に接続されている。すなわち、液体供給源19は、供給流路14によって液体噴射部13のノズル12に接続されている。ここで、液体供給源19は、液体噴射装置11に着脱可能に装着されるカートリッジであってもよいし、液体噴射装置11に設けられた液体収容タンクであってもよい。なお、以降の説明では、液体噴射装置11において、液体供給源19からノズル12に向かう液体の流れに従って、「上流側」及び「下流側」をいうものとする。すなわち、液体噴射装置11において、液体供給源19側を上流側とし、ノズル12側を下流側とする。
供給流路14において、液体供給源19とノズル12との間には、上流側から下流側に向かう順に、圧力調整機構21、共通液室22及び液体室23が設けられている。圧力調整機構21は、共通液室22と連結流路24を介して接続され、ノズル12の背圧となる共通液室22及び液体室23の圧力(液圧)を調整する。また、共通液室22は、振動板31によって液体室23と区画されているとともに、振動板31に形成された供給口32を通じて液体室23と連通している。
振動板31から見て、液体室23とは反対側には、収容室33に収容されたアクチュエーター34が設けられている。アクチュエーター34は、電圧が印加された場合に収縮する圧電素子であり、その収縮に応じて振動板31を変位させることを可能としている。このため、アクチュエーター34は、駆動電圧の変更に応じて、図1に二点鎖線で示すように振動板31を振動させることで、液体室23に供給される液体をノズル12から吐出させる吐出動作を行う。
液体室23、供給口32、及びアクチュエーター34はノズル12に個別に対応するように複数設けられる一方、共通液室22は複数の液体室23に供給口32を介して連通している。すなわち、液体供給源19から供給された液体は共通液室22に一時貯留された後、共通液室22から供給口32を通じて液体室23に供給される。
次に、圧力調整機構21の構成について説明する。
圧力調整機構21は、供給流路14に設けられ、流路断面積が拡大する拡幅部である第1室41及び第2室42を有している。また、圧力調整機構21は、第1室41に位置する板状部と板状部の片面中央から第2室42側へ向かって突出する軸部を有するとともに挿通孔43を開閉可能な差圧弁44と、第1室41内に収容されて差圧弁44を付勢するコイルばね45とを有している。
第1室41は、挿通孔43を介して第2室42と連通可能とされ、第2室42は連結流路24を介して共通液室22と連通している。また、第1室41において、コイルばね45は、差圧弁44が挿通孔43を閉塞する方向に、差圧弁44を付勢している。また、第2室42において、同第2室42と大気とを区画する壁面の一部(図1では左側壁)は、可撓性を有するフィルム47によって構成されている。
ここで、ノズル12から液体が噴射等されることで第2室42に収容される液体が減少すると、同第2室42の圧力が低下することで、第2室42の圧力と大気圧との差圧が大きくなる。すると、フィルム47が第2室42の容積を減少させる方向に撓むことで、同フィルム47が差圧弁44の軸部を押圧する。そして、フィルム47が差圧弁44を押す力がコイルばね45の付勢力より大きくなると、挿通孔43を閉弁していた差圧弁44の板状部が挿通孔43から離れることで差圧弁44が開弁する。なお、コイルばね45の付勢力は、第2室42内の圧力が規定圧力(例えば、−1kPa)より小さくなった場合に開弁するように調整されている。また、このような圧力調整機構21の圧力調整機能により、ノズル12の背圧である共通液室22及び液体室23の圧力は、大気圧未満の圧力に保持される。
また、本実施形態では、液体供給源19から差圧弁44(圧力調整機構21)までの供給流路14を「第1流路141」ともいい、差圧弁44(圧力調整機構21)からノズル12までの供給流路14を「第2流路142」ともいう。このため、上述した差圧弁44は、第2室42と接続する第2流路142の圧力が大気圧未満の規定圧力よりも小さい場合に開弁することで、第1流路141と第2流路142とを連通状態にするということもできる。また、同差圧弁44は、第2室42と接続する第2流路142の圧力が大気圧未満の規定圧力以上になった場合に閉弁することで、第1流路141と第2流路142とを非連通状態にするということもできる。
なお、第1流路141は、上述した加圧ポンプ15が液体供給源19に収容された液体を下流側に送出することによって、大気圧以上の圧力(正圧)に保持されている。また、第2流路142は、上述した圧力調整機構21の圧力調整機能により、大気圧未満の圧力(負圧)に保持されている。
次に、メンテナンス部16の構成について説明する。
メンテナンス部16は、液体噴射部13のノズル12の開口を含む空間を閉空間CPとするキャップ51と、大気圧未満に減圧された流体(主に空気)を貯留可能な圧力室52と、キャップ51と圧力室52とを接続する接続流路53と、を備えている。また、メンテナンス部16は、圧力室52を減圧する第1減圧ポンプ54及び第2減圧ポンプ55と、液体噴射部13のノズル12から流出した液体を貯留する廃液貯留部56と、圧力室52と廃液貯留部56を接続する第1接続流路57及び第2接続流路58とを備えている。
キャップ51は、有底箱状をなし、液体噴射部13のノズル形成面18に対して相対移動可能とされている。そして、キャップ51が液体噴射部13に接近する方向に相対移動し、ノズル形成面18に接触することで上記閉空間CPが形成される。なお、本実施形態では、このようにキャップ51が閉空間CPを形成することを「キャッピングする」ともいい、キャップ51がノズル形成面18から離れることを「キャッピングを解消する」ともいう。なお、図1では、液体噴射部13がキャッピングされ、閉空間CPが形成された状態を示している。
接続流路53には、同接続流路53内における流体の流通を許容したり制限したりする開閉弁59が設けられている。このため、キャップ51が液体噴射部13をキャッピングしたときに、開閉弁59が開弁状態にある場合には、閉空間CPと圧力室52とが接続流路53を介して連通状態とされる。一方、キャップ51が液体噴射部13をキャッピングしたときに、開閉弁59が閉弁状態にある場合には、閉空間CPと圧力室52とが非連通状態とされる。
圧力室52は、キャップ51によって形成される閉空間CPよりも容積が大きいことが望ましい。また、圧力室52には、同圧力室52の圧力を測定する圧力センサー61と、圧力室52を大気開放する大気開放部の一例としての大気開放弁62とが設けられている。大気開放弁62は、閉弁状態で圧力室52と大気とを非連通状態とし、開弁状態で圧力室52と大気とを連通状態とする。このため、開閉弁59及び大気開放弁62を閉弁した状態で第1減圧ポンプ54及び第2減圧ポンプ55を駆動すると、圧力室52が減圧されて大気圧未満の圧力(負圧)となる。また、液体噴射部13がキャッピングされ、圧力室52が大気圧未満に減圧された状態において開閉弁59を開弁することで、圧力室52と連通される閉空間CPが速やかに減圧される。こうした点で、本実施形態では、圧力室52、開閉弁59、第1減圧ポンプ54及び第2減圧ポンプ55によって、「減圧部」の一例が構成されている。
第1減圧ポンプ54は、第1接続流路57に設けられ、同第1接続流路57を介して圧力室52を減圧する。また、第2減圧ポンプ55は、第2接続流路58に設けられ、同第2接続流路58を介して圧力室52を減圧する。ここで、第1減圧ポンプ54の減圧量(減圧速度)は、第2減圧ポンプ55の減圧量(減圧速度)よりも大きいことが望ましい。一例として、第1減圧ポンプ54をダイヤフラムポンプとし、第2減圧ポンプ55をロータリーポンプとすることで、第1減圧ポンプ54の減圧量(減圧速度)を第2減圧ポンプ55の減圧量(減圧速度)よりも大きくなるようにしてもよい。
次に、図2を参照して、液体噴射装置11が備える制御部70の電気的構成について説明する。
図2に示すように、制御部70の入力側インターフェースには、圧力センサー61が接続されている。一方、制御部70の出力側インターフェースには、液体噴射部13、加圧ポンプ15、アクチュエーター34、キャップ51、第1減圧ポンプ54、第2減圧ポンプ55、開閉弁59及び大気開放弁62が接続されている。そして、制御部70は、圧力センサー61からの出力信号に基づいて、その出力側インターフェースに接続された各構成要素を動作させることで、液体噴射部13から液体を流出させるメンテナンスを実行する。
次に、本実施形態における液体噴射部13のメンテナンスについて説明する。なお、以降の説明では、噴射不良が生じたノズル12のことを「不良ノズル」ともいう。
図1に示すように、ノズル12付近に気泡Buが存在すると、液体の噴射量が減少したり、ノズル12から液体が噴射されなくなったりする噴射不良が生じることがある。なお、こうした気泡Buは、例えば、ノズル12よりも上流側から流入したり、弾性を有するワイパーでノズル形成面18を払拭するワイピングの際にノズル12の開口から気体が押し込まれたりすることで、ノズル12付近に混入する。
このため、液体噴射装置11においては、不良ノズルの噴射不良の解消または予防のために、液体噴射部13のノズル12から液体を流出させるメンテナンスが行われる。詳しくは、液体噴射部13をキャッピングすることで形成された閉空間CPを減圧することにより、同液体噴射部13のノズル12から液体とともに気泡Buを排出させるメンテナンスが行われる。
ところで、上記のようなメンテナンスでは、メンテナンス動作を終了するためにキャッピングを解消するにあたって、大気開放弁62を開弁するなどして、閉空間CPを大気開放する。ここで、閉空間CPを大気開放するときの同閉空間CPの圧力が大気圧未満であると、キャップ51内の空間(閉空間CP)に流入する空気がノズル12や第1流路141に入り込むことがある。
こうした現象は、ノズル12からの液体の流出に伴って、「第2流路142の圧力<第1流路141の圧力<大気圧」の関係が成立した状態で閉空間CPが大気開放された場合に生じやすい。すなわち、上記関係が成立する場合、第2流路142に対し、第2流路142との圧力差の小さい第1流路141から液体が供給されるよりも、第2流路142との圧力差の大きい大気からノズル12を介して空気が流入しやすい。
ここで、閉空間CPの大気開放時におけるノズル12を介した気泡Buの混入を抑制するためには、メンテナンス動作を終了するときに、閉空間CPの圧力が大気圧又は大気圧に近い圧力になるまで、閉空間CPを大気開放せずに待機することが考えられる。この場合、閉空間CPを大気開放せずに待機することで閉空間CPの圧力が増圧されるのは、大気圧未満に減圧された状態の閉空間CPにおいて、ノズル12から液体が流出するためである。詳しくは、閉空間CPが減圧された状態であって第2室42の圧力が規定圧力未満である場合には、差圧弁44が開弁した状態が継続されるため、第1流路141を介して供給される液体がノズル12から流出し続けることになる。こうして、上記のようなメンテナンスでは、閉空間CPの圧力が大気圧又は大気圧に近い圧力になるまで待機する間にノズル12から液体が流出し続けることで、液体の流出量(消費量)が多くなる。
そこで、本実施形態では、液体噴射部13のノズル12から液体を流出させるメンテナンスを行うときに、閉空間CPの減圧に伴って差圧弁44が開弁してから第1流路141の圧力が大気圧以上であるときに閉空間CPを大気開放するようにした。すなわち、ノズル12からの液体の流出に伴って、「第2流路142の圧力<大気圧≦第1流路141の圧力」の関係が成立するときに閉空間CPを大気開放するようにした。
次に、図3に示すフローチャートを参照して、制御部70が、液体噴射部13のメンテナンスをするために実行する処理ルーチンについて説明する。
図3に示すように、制御部70は、圧力室52を減圧するときの目標となる第1目標圧力及び第2目標圧力を演算する(ステップS11,S12)。第1目標圧力(以下「第1目標圧力P1」ともいう。)は、減圧量の大きい第1減圧ポンプ54によって圧力室52を減圧するときに目標とされる圧力である。また、第2目標圧力(以下「第2目標圧力P2」ともいう。)は、減圧量の小さい第2減圧ポンプ55によって圧力室52を減圧するときに目標とされる圧力である。すなわち、第2目標圧力P2は第1目標圧力P1よりも低圧とされる。また、第2目標圧力P2は、開閉弁59を開弁したときに、閉空間CPが第2目標圧力P2に応じた圧力になることで、ノズル12から流出する液体の流速が、同ノズル12内に混入した気泡Buを排出するために必要な流速(以下「必要流速Vr」ともいう。)となるときの圧力である。
続いて、制御部70は、キャップ51によって液体噴射部13をキャッピングさせる(ステップS13)。そして、制御部70は、減圧量の大きい第1減圧ポンプ54を駆動させ(ステップS14)、圧力室52を減圧する。なお、このステップS14を実行する前に、制御部70は、全ての開閉弁59及び大気開放弁62を閉弁させる。そして、制御部70は、圧力センサー61の検出結果に基づいて、圧力室52の圧力が第1目標圧力P1未満となったか否かを判定する(ステップS15)。圧力室52の圧力が第1目標圧力P1以上である場合(ステップS15:NO)、制御部70は、その処理をステップS15に移行して、再度、同様に判定を行う。
一方、圧力室52の圧力が第1目標圧力P1未満である場合(ステップS15:YES)、制御部70は、第1減圧ポンプ54の駆動を停止させ(ステップS16)、第2減圧ポンプ55を駆動させる(ステップS17)。そして、制御部70は、圧力センサー61の検出結果に基づいて、圧力室52の圧力が第2目標圧力P2未満となったか否かを判定する(ステップS18)。圧力室52の圧力が第2目標圧力P2以上である場合(ステップS18:NO)、制御部70は、その処理をステップS18に移行して、再度、同様に判定を行う。
一方、圧力室52の圧力が第2目標圧力P2未満である場合(ステップS18:YES)、制御部70は、第2減圧ポンプ55を停止し(ステップS19)、開閉弁59を開弁させる(ステップS20)。これにより、第2目標圧力P2まで減圧された圧力室52と閉空間CPとが連通することで、閉空間CPが速やかに減圧される。すなわち、本実施形態では、このステップS20を実行することにより、液体噴射部13のノズル12から液体が流出し始める。
そして、制御部70は、開閉弁59を開弁してからの経過時間が減圧期間を超えたか否かを判定する(ステップS21)。ここで、減圧期間とは、ノズル12の噴射不良を解消するために、閉空間CPを減圧する期間を決定するための判定値であって、例えば、以下の条件に基づいて決定することが望ましい。
すなわち、開閉弁59を開弁してから第1流路141が大気圧未満になるまでの期間を上限閾値Tmaxとし、減圧期間をTthとすると、減圧期間Tthは、次の関係式(式1)を満たす必要がある。
Tth≦Tmax (式1)
これは、減圧期間Tth>上限閾値Tmaxとなる場合には、第1流路141の圧力が大気圧未満に減圧されることで、閉空間CPを大気開放するときに、キャップ51内の空間に流入する空気がノズル12に入り込むおそれがあるためである。したがって、上限閾値Tmaxは、差圧弁44が開弁してから第1流路141の圧力が大気圧以上であるときに閉空間CPを大気開放させるための減圧期間Tthの上限を定める閾値である。なお、上限閾値Tmaxは、例えば実験などで求めることが望ましい。
また、必要流速Vrでノズル12の容積に相当する液体量を各ノズル12から流出させるために必要な期間である下限閾値をTminとすると、減圧期間Tthは、次の関係式(式2)を満たすことが望ましい。
Tmin≦Tth (式2)
これは、ノズル12内に混入した気泡Buを同ノズル12から排出させるためには、必要流速Vrで少なくともノズル12の容積に相当する量の液体を流出させる必要があると考えられるためである。したがって、下限閾値Tminは、メンテナンスにおいて、ノズル12の容積に相当する量の液体を各ノズル12から流出させるための減圧期間Tthの下限を定める閾値である。なお、下限閾値Tminは、メンテナンスにおいて、ノズル12及び液体室23の容積に相当する量の液体が各ノズル12から流出するときの期間としてもよい。さらに、下限閾値Tminは、メンテナンスにおいて、ノズル12、液体室23及び共通液室22の容積に相当する量の液体が各ノズル12から流出するときの期間としてもよい。ただし、下限閾値Tminは、メンテナンスにおいて、第2流路142の容積に相当する量の液体が全てのノズル12を通じて流出するときの期間よりは、短いことが好ましい。少なくとも第2流路142の容積に相当する量の液体を、全てのノズル12を通じて流通させれば、ノズル12や液体室23に混入する気泡Buを排出できると考えられるためである。なお、下限閾値Tminは、例えば実験などで求めることが望ましい。
一方、先のステップS21において、開閉弁59を開弁してからの経過時間が減圧期間Tthを経過していない場合(ステップS21:NO)、制御部70は、その処理をステップS21に移行して、再度、同様に判定を行う。一方、開閉弁59を開弁してからの経過時間が減圧期間Tthを経過した場合(ステップS21:YES)、制御部70は、大気開放弁62を開弁する(ステップS22)。すなわち、圧力室52の負圧状態を解消することで閉空間CPの圧力を大気圧まで増圧させて、液体噴射部13のノズル12からの液体の流出を停止させる。そして、制御部70は、キャップ51に液体噴射部13のキャッピングを解消させる(ステップS23)。
なお、上述した処理ルーチンにおいて、ステップS13が、ノズル12の開口を含む空間を閉空間CPとする「閉空間形成ステップ」に相当する。また、ステップS20が、閉空間CPを減圧してノズル12から液体を流出させる「減圧ステップ」に相当する。また、ステップS21が、閉空間CPの減圧に伴って差圧弁44が開弁してから、第1流路141の圧力が大気圧以上であるか否かを判定する「判定ステップ」に相当する。また、ステップS22が、閉空間CPを大気開放する「大気開放ステップ」に相当する。
次に、図4に示すタイミングチャートを参照し、メンテナンス部16が液体噴射部13をメンテナンスするときの作用について説明する。なお、液体噴射部13のメンテナンスを開始するにあたり、液体噴射部13は既にキャッピングされているものとする。また、図4(e)における第1流路141の圧力は液体供給源19の下流側の圧力をいい、図4(e)における第2流路142の圧力は連結流路24の圧力をいうものとする。そして、メンテナンスを行う前の第1流路141の圧力を「第1圧力Pf1」とし、同メンテナンスを行う前の第2流路142の圧力を「第2圧力Pf2」とする。なお、第1圧力Pf1は、加圧ポンプ15による液体の供給圧力(正圧)であり、第2圧力Pf2は圧力調整機構21によって調整された大気圧未満の圧力(負圧)である。
図4(a),(b),(c),(d),(e)に示すように、第1のタイミングt1で、開閉弁59及び大気開放弁62を閉弁した状態で、第1減圧ポンプ54の駆動が開始される(ステップS14)。すると、圧力室52が第1減圧ポンプ54によって次第に減圧される。
そして、第2のタイミングt2では、圧力室52の圧力が第1目標圧力P1に達することで(ステップS15:YES)、第1減圧ポンプ54の駆動が停止され(ステップS16)、第2減圧ポンプ55の駆動が開始される(ステップS17)。ここで、第2減圧ポンプ55は、第1減圧ポンプ54に比較して減圧量が小さいため、圧力室52の減圧速度は、第1減圧ポンプ54が駆動される第1のタイミングt1から第2のタイミングt2までの期間よりも、第2減圧ポンプ55が駆動される第2のタイミングt2から次の第3のタイミングt3までの期間のほうが遅くなる。
続いて、第3のタイミングt3では、圧力室52の圧力が第2目標圧力P2に達することで(ステップS18:YES)、第2減圧ポンプ55の駆動が停止される(ステップS19)。
そして、第4のタイミングt4では、開閉弁59が開弁されることで(ステップS20)、接続流路53を介して閉空間CPと圧力室52が連通される。このため、圧力室52が第2目標圧力P2から速やかに増圧されると同時に、閉空間CPが大気圧から速やかに減圧される。ここで、開閉弁59を開弁したときの閉空間CPの圧力を「初期圧Pi」とすると、第4のタイミングt4では、圧力室52及び閉空間CPの圧力は、ともに初期圧Piになる。なお、第4のタイミングt4以降では、圧力室52と閉空間CPとが連通するため、圧力室52と閉空間CPとの圧力は等しく変化する。
また、第4のタイミングt4では、閉空間CPが減圧されたことに伴って、液体噴射部13のノズル12から液体が流出し始め、第2流路142の圧力が第2圧力Pf2から次第に減圧される。そして、第4のタイミングt4の次の第5のタイミングt5では、第2流路142(第2室42)の圧力が規定圧力未満となることで差圧弁44が開弁し、第1流路141と第2流路142とが連通する。そして、第5のタイミングt5以降では、第1流路141の圧力は、同第1流路141から第2流路142に液体が流出することによって、第1圧力Pf1から次第に減圧される。また、第5のタイミングt5から次の第6のタイミングt6までの期間では、第2流路142に対して第1流路141から液体が供給されるため、第4のタイミングt4から第5のタイミングt5までの期間と比較して、第2流路142の減圧速度が緩やかになる。
そして、第6のタイミングt6では、開閉弁59が開弁される第4のタイミングt4からから減圧期間Tthを経過することで(ステップS21:YES)、大気開放弁62が開弁される(ステップS22)。このため、第6のタイミングt6では、圧力室52及び閉空間CPが大気と連通し、圧力室52及び閉空間CPが大気圧まで速やかに増圧される。また、閉空間CPの圧力が大気圧となることで、液体噴射部13のノズル12からの液体の流出が停止する。すると、第1圧力Pf1未満の第1流路141には液体供給源19から液体が供給されるとともに、第2圧力Pf2未満の第2流路142には第1流路141から液体が供給される。このため、第6のタイミングt6以降では、第1流路141が第1圧力Pf1まで次第に増圧されるとともに、第2流路142が第2圧力Pf2まで次第に増圧される。
ところで、第6のタイミングt6で大気開放弁62を開弁しない場合には、図4(e)に破線で示すように、第7のタイミングt7において、第1流路141の圧力が大気圧となる。ここで、第7のタイミングt7よりも後に、すなわち、第1流路141の圧力が大気圧未満である状態で大気開放弁62を開弁することで閉空間CPを大気開放したとすると、キャップ51内の空間に流入した空気がノズル12内に入り込むおそれがある。これは、第2流路142に対して、第2流路142との圧力差の小さい第1流路141から液体が供給されるよりも、第2流路142との圧力差の大きい大気からノズル12に空気が流入しやすいためである。
これに対し、本実施形態では、第1流路141の圧力が大気圧以上である第6のタイミングt6で、大気開放弁62を開弁することで閉空間CPを大気開放する。このため、第2流路142に対して、第2流路142との圧力差の小さい大気からノズル12に空気が流入するよりも、第2流路142との圧力差の大きい第1流路141から液体が供給されやすくなる。すなわち、キャップ51内の空間に流入した空気がノズル12内に入り込むことが抑制される。
次に、図5及び図6に示す実験結果を参照して、メンテナンスを行うときの閉空間CPの減圧条件と減圧期間Tthの関係について説明する。なお、図5は、不良ノズルの数がN(N>2)以上ある状態で、開閉弁59を開弁したときの閉空間CPの初期圧Piと、開閉弁59を開弁してから大気開放弁62を開弁するまでの減圧期間Tthと、を変化させてメンテナンスを行った場合に、不良ノズルの噴射不良が解消したか否かを示す表である。図5において、「○」はメンテナンス後の不良ノズルの数が零であったことを示し、「×」はメンテナンス後の不良ノズルの数がN以上であったことを示し、「△」はメンテナンス後の不良ノズルの数が1以上N未満であったことを示している。
図5に示すように、閉空間CPの初期圧Piが−40kPa以下である場合には、不良ノズルの噴射不良が解消される場合があった。すなわち、閉空間CPの初期圧Piが−40kPa以下である場合には、気泡Buを排出するのに必要な必要流速Vrを確保することができ、ノズル12から気泡Buを排出させることができたと考えられる。一方、圧力室52の圧力P2が−30kPaである場合には、不良ノズルの噴射不良が解消されなかった。これは、閉空間CPの初期圧Piが−30kPaの場合では、気泡Buを排出するのに必要な必要流速Vrを確保できなかったためと考えられる。
すなわち、閉空間CPの初期圧Piは、必要流速Vrを確保できる圧力であることが必要である。また、閉空間CPの初期圧Piは、開閉弁59を開弁するときの閉空間CPの圧力(第2目標圧力P2)に応じて変化するため、第2目標圧力P2は、必要流速Vrを確保できる圧力であることが必要であるともいえる。
また、閉空間CPの初期圧Piが−40kPaから−70kPaの範囲では、初期圧Piが低いほど、短い減圧期間Tthで不良ノズルの噴射不良が解消された。これは、閉空間CPの初期圧Piが低い場合には、同初期圧Piが高い場合よりも、液体噴射部13のノズル12から流出する液体の流速が速くなることで、不良ノズルの噴射不良の解消のために必要な量の液体をノズル12から短期間で流出できるためと考えられる。
すなわち、閉空間CPの初期圧Piが低い場合には、同閉空間CPの初期圧Piが高い場合よりも、上述の下限閾値Tminが小さくなるといえる。例えば、本例においては、閉空間CPの初期圧Piが−70kPaのときの下限閾値Tminは20msecであり、初期圧Piがそれよりも高い−40kPaのときの下限閾値Tminである100msecよりも短い。
そして、閉空間CPの初期圧Piは、開閉弁59を開弁するときの閉空間CPの圧力(第2目標圧力P2)に応じて変化するため、第2目標圧力P2が低い場合には、同第2目標圧力P2が高い場合よりも、減圧期間Tthを短くすることができる。
さらに、閉空間CPの初期圧Piが−40kPaから−70kPaの範囲では、初期圧Piが高いほど、減圧期間Tthを長くしても不良ノズルの噴射不良が解消された。これは、閉空間CPの初期圧Piが高い場合には、同初期圧Piが低い場合よりも、開閉弁59を開弁してから、第1流路141が大気圧未満に減圧されるまでの期間が長くなるためと考えられる。
すなわち、閉空間CPの初期圧Piが高い場合には、同閉空間CPの初期圧Piが低い場合よりも、上述の上限閾値Tmaxが大きくなるといえる。例えば、本例においては、閉空間CPの初期圧Piが−40kPaのときの上限閾値Tmaxは350msecであり、初期圧Piがそれよりも低い−70kPaのときの上限閾値Tmaxである200msecよりも長い。
そして、閉空間CPの初期圧Piは、開閉弁59を開弁するときの閉空間CPの圧力(第2目標圧力P2)に応じて変化するため、第2目標圧力P2が高い場合には、同第2目標圧力P2が低い場合よりも、減圧期間Tthを長くすることができる。
図6は、図4に示すタイミングチャートにおいて、第6のタイミングt6で大気開放弁62を開弁しない場合(図4(e)に破線で示す場合)の第1流路141の圧力変化を示している。また、図6には、閉空間CPの初期圧Piが、−30kPa、−40kPa、−50kPa、−60kPaの場合における第1流路141の圧力変化を併記している。
図6に示すように、閉空間CPの初期圧Piが低い場合には、同初期圧Piが高い場合よりも、第1流路141の圧力が速やかに減圧されている。このため、閉空間CPの初期圧Piが−60kPaの場合には、第1流路141の差圧弁44が開弁する第5のタイミングt5の次の第51のタイミングt51において、第1流路141の圧力が大気圧となる。また、閉空間CPの初期圧Piが−50kPaの場合には、第51のタイミングt51の次の第52のタイミングt52において、第1流路141の圧力が大気圧となる。また、閉空間CPの初期圧Piが−40kPaの場合には、第52のタイミングt52の次の第53のタイミングt53において、第1流路141の圧力が大気圧となる。また、閉空間CPの初期圧Piが−30kPaの場合には、第53のタイミングt53の次の第54のタイミングt54において、第1流路141の圧力が大気圧となる。
また、図6に示すように、例えば、初期圧Piが−40kPaの場合には第4のタイミングt4から第53のタイミングt53までの期間が上限閾値Tmaxとなり、初期圧Piが−60kPaの場合には第4のタイミングt4から第51のタイミングt51までの期間が上限閾値Tmaxとなる。したがって、図6に示す圧力変動のグラフからも、閉空間CPの初期圧Piが高い場合には、同閉空間CPの初期圧Piが低い場合よりも、上述の上限閾値Tmaxが大きくなるということができる。
なお、下限閾値Tminをより小さくするためには、不良ノズルの噴射不良の解消のために必要な液体量をノズル12から短期間に流出させる必要がある点で、ノズル12などを流れる液体の流速を速くすることが必要と考えられる。したがって、第2流路142の流路抵抗やノズル12における流路抵抗を低減することで、下限閾値Tminをより小さくすることができると考えられる。
また、上限閾値Tmaxをより大きくするためには、第1流路141が第2流路142と連通した後に、第1流路141の圧力が減圧されにくくする必要があると考えられる。したがって、加圧ポンプ15の駆動により第1流路141をより高圧で保持したり、第1流路141にバッファタンクを設けたりすることで、上限閾値Tmaxをより大きくすることができると考えられる。
上記構成によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)液体噴射部13のノズル12から液体を流出させるメンテナンスを行うにあたり、ノズル12から液体が流出することで閉空間CPの減圧状態が解消される前に、閉空間CPを大気開放することによって同閉空間CPの減圧状態を解消する。すなわち、閉空間CPの減圧状態が解消されるまでノズル12から液体を流出させ続けないため、閉空間CPの減圧状態の解消に要する時間を短くするとともに、同減圧状態の解消に伴う液体の流出量を少なくすることができる。また、第1流路141が大気圧以上(正圧)であるときに閉空間CPを大気開放するため、第2流路142には正圧状態の第1流路141から液体が供給されやすく、ノズル12から空気が流入しにくい。したがって、閉空間CPの減圧状態を解消する際に、ノズル内に気泡Buが混入することを抑制できる。
したがって、液体噴射部13のノズル12の開口を含む空間を減圧することで同ノズル12から液体を流出させるメンテナンスを行うときに、ノズル12から流出する液体量を低減しつつ同ノズル12の噴射不良を解消することができる。
(2)大気圧未満に減圧した圧力室52と閉空間CPとの間に設けられる開閉弁59を開弁することで、閉空間CPを速やかに減圧することが可能になる。すなわち、不良ノズルから必要流速Vrで液体が流出する圧力まで、閉空間CPを速やかに減圧することができるので、メンテナンスに伴う液体の流出量の増大を抑制しつつ、不良ノズルの噴射不良を解消することができる。
(3)開閉弁59を開弁するときの圧力室52の圧力が低いほど、開閉弁59を開弁してから大気開放弁62が閉空間CPを大気開放するまでの時間(減圧期間Tth)を短くすることで、メンテナンスに要する時間の短縮化とメンテナンスに伴う液体の流出量の増大の抑制を図ることができる。
(4)関係式(式2)を満たす減圧期間Tthとすることで、閉空間CPの減圧に伴う液体の流出量が、ノズル12の容積よりも大きいときに、大気開放弁62に閉空間CPを大気開放させることができる。このため、少なくともノズル12の容積に相当する量の液体を同ノズル12から流出することで、ノズル12内に混入した気泡Buなどの異物を同ノズル12から排出することができる。また、多くとも第2流路142の容積に相当する量の液体が全てのノズル12を介して流出するに過ぎないため、メンテナンスに伴う液体の流出量の増大を抑制することができる。
(5)第1減圧ポンプ54を駆動することで圧力室52を速やかに減圧した後に、第2減圧ポンプ55を駆動して圧力室52の圧力を目的とする圧力値(第2目標圧力P2)に速やかに収束させることができる。したがって、メンテナンスの実行時間を短縮しつつ、圧力室52を第2目標圧力P2まで正確に減圧することができる。
なお、上記実施形態は、以下に示すように変更してもよい。
・メンテナンス部16は、複数のキャップ51を有していてもよい。この場合、接続流路53を開閉弁59とキャップ51との間で分岐させて、複数のキャップ51に分岐されたそれぞれの接続流路53を接続することが望ましい。さらに、複数のキャップ51は、それぞれ異なるノズル12が開口する空間を閉空間CPとし、圧力室52は、開閉弁59が開弁したとき、複数のキャップ51によって形成される複数の閉空間CPと連通することが望ましい。
これによれば、液体噴射部13のメンテナンスを行うにあたり、複数のキャップ51によって形成される閉空間CPごとに、圧力室52、減圧ポンプ54,55及び開閉弁59といった減圧に係る構成を複数設ける必要がないため装置構成を簡略化することができる。
また、開閉弁59を開弁すると、複数のキャップ51によって形成される複数の閉空間CPと圧力室52とが一度に連通するため、上記減圧にかかる構成を複数設ける場合と比較して、複数の閉空間CPを一様に減圧することができる。すなわち、複数の閉空間CPにおける圧力差を小さくすることができ、異なる閉空間CPに含まれるノズル12間における液体の流出量のばらつきを低減することができる。
・液体噴射装置11内の温度を測定する温度検出部を備えてもよい。この場合、制御部70は、液体噴射装置11内の温度が低いほどメンテナンスを行うときの閉空間CPの圧力(初期圧Pi)が低くなるように、第1減圧ポンプ54及び第2減圧ポンプ55を制御することが望ましい。すなわち、液体噴射装置11内の温度が低いほど、開閉弁59を開弁するときの圧力室52の圧力が低くなるように、第1減圧ポンプ54及び第2減圧ポンプ55を制御することが望ましい。
液体噴射装置11内の温度が低い場合には、同温度が高い場合に比較して、液体噴射装置11内を流れる液体の流動性が低下しやすい。このため、温度が低い場合には、閉空間に対して温度が高いときと同程度の減圧を行ったとしても、ノズル12の噴射不良を解消させるのに十分な量の液体を流出させることができないおそれがある。そこで、液体噴射装置11内の温度が低いほど閉空間CPの圧力が低くなるように第1減圧ポンプ54及び第2減圧ポンプ55を制御すれば、温度の低下によって液体の流動性が低下した場合にも、ノズル12の噴射不良を解消させるのに十分な量の液体を流出させることができる。
・ノズル12から噴射される液体を受容する用紙などの媒体を搬送する搬送機構を備えてもよい。この場合、液体噴射部13は、媒体の搬送方向と交差する同媒体の幅方向に亘って、複数のノズル12を有することが望ましい。
液体噴射部13が液体を噴射する領域が媒体の幅方向に亘って設定される場合には、同液体噴射部13を幅方向に移動させる必要がないため、媒体に対して効率良く液体を噴射することができる。また、幅方向に亘ってノズル12が複数設けられるので、液体噴射部13のメンテナンスに伴う液体の流出量が増大するところ、上記メンテナンスによる液体の流出量の低減効果が顕著となる。
・第1減圧ポンプ54及び第2減圧ポンプ55のうち一方の減圧ポンプを備えなくてもよい。この場合、一方の減圧ポンプを、駆動態様の異なる複数のモードで切り替えるように制御してもよい。複数のモードを切り替える制御としては、減圧量が異なる複数のモードを切り替える駆動方法、減圧速度が異なる複数のモードを切り替える駆動方法、及び減圧時間が異なる複数のモードで切り替える駆動方法などが挙げられる。
・第1減圧ポンプ54及び第2減圧ポンプ55は、同じ性能を有する減圧ポンプであってもよいし、同種の減圧ポンプであってもよいし、同じ性能を有し且つ同種の減圧ポンプであってもよい。この場合、第1減圧ポンプ54及び第2減圧ポンプ55の一方の減圧ポンプを、上記駆動態様の異なる複数のモードで切り替えるように制御してもよい。
・第1減圧ポンプ54及び第2減圧ポンプ55に加えさらに別の減圧ポンプを備えてもよい。この場合、制御部70は、圧力室52を減圧するときに駆動する減圧ポンプの数を変更する制御をしてもよい。なお、複数の減圧ポンプは、同じ性能を有し且つ同種の減圧ポンプであってもよい。
・圧力室52を備えずに、第1減圧ポンプ54及び第2減圧ポンプ55のうち少なくとも一方の減圧ポンプで、閉空間CPを直接減圧するようにしてもよい。ここで、第1減圧ポンプ54及び第2減圧ポンプ55は、速やかに閉空間CPを減圧できるような減圧性能を有していることが望ましい。なお、この場合、第1減圧ポンプ54及び第2減圧ポンプ55のうち少なくとも一方の減圧ポンプが減圧部の一例に相当する。
・複数の液体噴射部13を備えてもよい。この場合、複数の液体噴射部13を単一のキャップ51でキャッピングするようにしてもよいし、複数の液体噴射部13をそれぞれの液体噴射部13に対応して設けるキャップ51によってキャッピングするようにしてもよい。
・圧力センサー61を備えなくてもよい。この場合、圧力室52内の圧力は、第1減圧ポンプ54及び第2減圧ポンプ55の駆動量(減圧量、減圧速度又は減圧時間)の積算値に基づいて算出してもよい。また、第1減圧ポンプ54及び第2減圧ポンプ55の駆動負荷電流値に基づいて算出してもよい。
・大気開放弁62を備えなくてもよい。この場合、キャップ51を液体噴射部13のノズル形成面18から引き離すことで閉空間CPを大気開放してもよい。この場合、キャップ51が大気開放部の一例に相当する。
・加圧ポンプ15を備えなくてもよい。この場合、水頭差によって液体を差圧弁44に向かって加圧供給することが望ましい。若しくは、可撓性を有する袋体を液体供給源19として、この袋体をばねで押したり、袋体を収容する加圧室を加圧したりすることで、液体を液体噴射部13に向かって加圧供給することが望ましい。
・必要流速Vrは、液体噴射部13において、不良ノズルの吐出不良の原因に応じて変更してもよい。例えば、気泡Buがノズル12内にあるか、液体室23にあるかなどによって変更してもよい。
・液体噴射部13は、少なくとも1つのノズルを有していればよい。
・液体噴射装置11は、サーマルジェットプリンターに適用してもよいし、ソリッドインクジェットプリンターに適用してもよい。
・液体噴射装置11は、シリアルプリンターに適用してもよいし、ラインプリンターに適用してもよいし、ページプリンターに適用してもよい。
・液体噴射部13が噴射する液体は、インク以外の流体(液体や、機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体、ゲルのような流状体、流体として流して噴射できる固体を含む)ものであってもよい。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射する構成にしてもよい。
11…液体噴射装置、12…ノズル、13…液体噴射部、14…供給流路、141…第1流路、142…第2流路、16…メンテナンス部、19…液体供給源、44…差圧弁、51…キャップ、52…圧力室、54…第1減圧ポンプ(ポンプ)、55…第2減圧ポンプ、59…開閉弁、62…大気開放弁(大気開放部の一例)、70…制御部、Bu…気泡、P1…第1目標圧力、P2…第2目標圧力、Pi…初期圧、CP…閉空間、S13…閉空間形成ステップ、S20…減圧ステップ、S21…判定ステップ、S22…大気開放ステップ。

Claims (9)

  1. 液体を噴射するノズルを有する液体噴射部と、
    液体供給源と前記ノズルとを接続する供給流路と、
    前記供給流路に設けられた差圧弁と、
    前記ノズルの開口を含む空間を閉空間とするキャップと、前記閉空間を減圧することによって前記ノズルから液体を流出させる減圧部と、前記閉空間を大気開放する大気開放部と、を有するメンテナンス部と、
    前記メンテナンス部を制御する制御部と、を備え、
    前記供給流路は、前記液体供給源から前記差圧弁に向かって液体を加圧供給する第1流路と、前記差圧弁から前記ノズルに向かって液体を供給する第2流路と、を含み、
    前記差圧弁は、前記第2流路が大気圧未満に減圧された場合に開弁することで前記第1流路と前記第2流路とを連通可能とし、
    前記制御部は、前記閉空間の減圧に伴って前記差圧弁が開弁してから前記第1流路の圧力が大気圧以上であるときに前記閉空間を大気開放させることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記減圧部は、前記閉空間に連通可能な圧力室と、前記圧力室を減圧するポンプと、前記閉空間と前記圧力室との間に設けられる開閉弁と、を有し、
    前記開閉弁は、開弁することで対応する前記閉空間と前記圧力室との連通を許容する一方、閉弁することで対応する前記閉空間と前記圧力室との連通を制限し、
    前記制御部は、前記開閉弁を閉弁させた状態で前記ポンプを駆動することで前記圧力室を大気圧未満に減圧させ、同圧力室の圧力が大気圧未満であるときに前記開閉弁を開弁することで前記閉空間を減圧させることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記制御部は、前記開閉弁を開弁するときの前記圧力室の圧力が低いほど、前記開閉弁を開弁してから前記大気開放部に前記閉空間を大気開放させるまでの時間を短くすることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記制御部は、前記閉空間の減圧に伴う前記ノズルからの液体の流出量が、前記ノズルの容積よりも大きく、前記第2流路の容積よりも小さいときに、前記大気開放部に前記閉空間を大気開放させることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の液体噴射装置。
  5. 前記液体噴射部は、複数の前記ノズルを有し、
    前記メンテナンス部は、複数の前記キャップを有し、
    前記複数のキャップは、それぞれ異なるノズルが開口する空間を閉空間とし、
    前記圧力室は、前記開閉弁が開弁したとき、前記複数のキャップによって形成される複数の閉空間と連通することを特徴とする請求項2〜請求項4のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。
  6. 前記ポンプを第1減圧ポンプとしたとき、
    前記減圧部は、前記第1減圧ポンプよりも減圧量が小さい第2減圧ポンプをさらに有し、
    前記制御部は、少なくとも前記第1減圧ポンプが駆動する状態から、前記第2減圧ポンプが駆動する状態に切り替えることで、前記圧力室を減圧させることを特徴とする請求項2〜請求項5のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。
  7. 前記制御部は、装置内の温度が低いほど前記閉空間の圧力が低くなるように、前記減圧部を制御することを特徴とする請求項1〜請求項6のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。
  8. 前記液体噴射部から噴射される液体を受容する媒体を搬送する搬送機構を備え、
    前記液体噴射部は、前記媒体の搬送方向と交差する同媒体の幅方向に亘って、複数の前記ノズルを有することを特徴とする請求項1〜請求項7のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。
  9. 液体を噴射するノズルを有する液体噴射部と、
    液体供給源から前記液体噴射部に向かって液体を加圧供給する供給流路と、
    前記供給流路に設けられ、前記ノズル側の前記供給流路が大気圧未満に減圧された場合に開弁することで前記液体供給源から前記ノズルへの液体の供給を許容する差圧弁と、を備える液体噴射装置のメンテナンス方法であって、
    前記ノズルの開口を含む空間を閉空間とする閉空間形成ステップと、
    前記閉空間を減圧して前記ノズルから液体を流出させる減圧ステップと、
    前記閉空間の減圧に伴って前記差圧弁が開弁してから、前記差圧弁よりも前記液体供給源側の前記供給流路の圧力が大気圧以上であるか否かを判定する判定ステップと、
    前記前記差圧弁よりも前記液体供給源側の前記供給流路の圧力が大気圧以上であるときに、前記閉空間を大気開放する大気開放ステップと、を備えることを特徴とするメンテナンス方法。
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