JP2015141741A - パターン化透明導電積層体の製造方法 - Google Patents

パターン化透明導電積層体の製造方法 Download PDF

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聡美 榎原
松本 和正
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【課題】導電性線状構造体を有するパターン化透明導電積層体において、骨見えし難いパターン化透明導電積層体の製造方法を提供する。【解決手段】導電性線状構造体を有するパターン化透明導電積層体において、導電層を導電性領域と絶縁性領域にパターン化する工程(A)、および絶縁性領域にサンドブラスト処理を施す工程(B)をこの順に施す。【選択図】図1f

Description

本発明は、導電性線状構造体を含む導電層を有するパターン化透明導電積層体の製造方法に関する。さらに詳しくは、導電性領域のパターンが視認される、いわゆる「骨見え」が抑制されたパターン化透明導電積層体の製造方法に関する。
透明導電積層体は、タッチパネル、有機EL、液晶ディスプレイやPDPなどの用途に加えて、フレキシブルディスプレイや太陽電池といった分野でも電極用の導電部材として広く用いられている。このような導電性を発現する透明導電積層体を形成するにあたり、樹脂に導電性線状構造体を含有させて膜を形成する方法がある。
上記導電性線状構造体として、カーボンナノチューブや金属ナノワイヤーが知られている。これらの導電性線状構造体を分散させた塗料を塗布して形成された塗膜(導電層)は、塗膜内で導電性線状構造体同士が接したネットワーク構造を構築することによって導電性が発現する(特許文献1、2)。
透明導電積層体をタッチパネル等へ適用する際には、導通可能な導電性領域と非導電性の絶縁性領域とに導電層をパターン化する必要がある。この導電層のパターン化は、一般的にケミカルエッチング法を用いて行われている。
特開2000−26760号公報 特表2009−505358号公報
上記したように、導電層のパターン形成方法としてはケミカルエッチング法が一般的に用いられているが、ケミカルエッチング法により導電性領域と絶縁性領域にパターン化された導電層は、両者の光学特性(例えばヘイズ値)の違いによって、導電性領域のパターンが視認される、いわゆる「骨見え」が起こり、品位が低下するという課題がある。
従って本発明の目的は、上記従来技術の課題に鑑み、骨見えが低減されたパターン化透明導電積層体の製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は以下の発明によって基本的に達成された。
1)基材の少なくとも片面に導電性線状構造体を含む導電層を有し、該導電層は導電性領域と絶縁性領域にパターン化された透明導電積層体の製造方法であって、導電層を導電性領域と絶縁性領域にパターン化する工程(A)、および絶縁性領域にサンドブラスト処理を施す工程(B)をこの順に有することを特徴とするパターン化透明導電積層体の製造方法。
2)導電層をパターン化する工程(A)が、導電層上にパターン化されたエッチングレジスト膜を形成する工程(A1)、および導電層をエッチングする工程(A2)をこの順に有し、絶縁性領域にサンドブラスト処理を施す工程(B)はエッチングレジスト膜を介して行われ、前記工程(B)の後に、エッチングレジスト膜を除去する工程(C)を有する、前記1)に記載のパターン化透明導電積層体の製造方法。
3)前記導電性線状構造体が銀ナノワイヤーである、前記1)または2)に記載の透明導電積層体の製造方法。
4)前記1)〜3)のいずれかに記載の透明導電積層体を用いてなる、タッチパネル。
本発明のパターン化透明導電積層体の製造方法により、ケミカルエッチング法を用いて、骨見えが低減されたパターン化透明導電積層体の製造方法を提供できる。
図1aは本発明のパターン化透明導電積層体の製造工程の一例を示す模式断面図である。 図1bは本発明のパターン化透明導電積層体の製造工程の一例を示す模式断面図である。 図1cは本発明のパターン化透明導電積層体の製造工程の一例を示す模式断面図である。 図1dは本発明のパターン化透明導電積層体の製造工程の一例を示す模式断面図である。 図1eは本発明のパターン化透明導電積層体の製造工程の一例を示す模式断面図である。 図1fは本発明のパターン化透明導電積層体の製造工程の一例を示す模式断面図である。 図2は本発明のパターン化透明導電積層体を用いたタッチパネルの一例を示す模式断面図である。
本発明のパターン化透明導電積層体は、基材の少なくとも片面に導電性線状構造体を含む導電層を有し、この導電層が導電性領域と絶縁性領域にパターン化されたものである。導電層のパターン形状は、パターン化透明導電積層体が適用される用途(例えばタッチパネル用途)に応じて、各種パターンが採用される。パターン形状としては、例えば、ストライプ状、格子状、あるいはこれらの組み合わせ等が挙げられる。具体的には、例えば、特開2006−344163号公報、特開2011−128896号公報等に開示されているパターンが挙げられる。
本発明のパターン化透明導電積層体は、導電層の導電性線状構造体を保護する目的で導電層上に保護層が設けられていてもよい。かかる保護層は導電層と一体的(導電層の導電性線状構造体の中に保護層成分の樹脂が入り込み、かつ保護層中に導電性線状構造体の一部が入り込んでいる)になっており、保護層が設けられている場合は、この保護層を含めて導電層と称す。保護層の詳細は後述する。
導電性線状構造体を含む導電層を導電性領域と絶縁性領域にパターン化すると、導電性領域(導電性線状構造体が存在する領域)と絶縁性領域(エッチング等によって導電性線状構造体が除去された領域)との光学特性(例えばヘイズ値)の差によって導電性領域のパターン化が視認される「骨見え」現象が起こりやすくなる。本発明は、絶縁性領域にサンドブラスト処理を施すことによって、上記した課題である「骨見え」が抑制されることを見出し、本発明を成すに至った。
絶縁性領域にサンドブラスト処理を施すことにより絶縁性領域に微小な凹みが形成されてヘイズ値が大きくなり、絶縁性領域のヘイズ値が導電性領域のヘイズ値と同程度になることによって、前述の「骨見え」が低減すると推測される。
本発明のパターン化透明導電積層体の製造方法を、図1を用いて詳細に説明する。図1aは本発明のパターン化透明導電積層体の製造に用いられる透明導電積層体の一例を示す模式断面図である。透明導電積層体10は、基材1の上に導電性線状構造体3を含む導電層2を有する。導電層2の上に導電性線状構造体を保護する目的で保護層(図示せず)が設けられていてもよい。
本発明のパターン化透明導電積層体の製造方法は、導電層を導電性領域と絶縁性領域にパターン化する工程(A)、および絶縁性領域にサンドブラスト処理を施す工程(B)をこの順に有する。
導電層を導電性領域と絶縁性領域にパターン化する工程(A)は、ケミカルエッチング法が好ましく用いられる。ケミカルエッチング法は、導電層上にパターン化されたエッチングレジスト膜を形成する工程(A1)、および導電層をエッチングする工程(A2)をこの順に有する。
導電層上にパターン化されたエッチングレジスト膜を形成する工程(A1)は、フォトリソグラフィ法(マスク露光法あるいはレーザー露光法)や印刷法を用いて行うことができる。
エッチングレジスト膜は、紫外線あるいはレーザー光線などの露光で硬化しかつ未露光部はアルカリ溶液などで現像が可能なアクリル系フォトレジスト材料などで構成される。エッチングレジスト膜は、導電層上に液状のレジスト材料を塗布によって積層してもよいし、導電層上にドライレジストフィルムを貼り合わせることによって積層してもよい。
図1bおよび図1cは、導電層上にパターン化されたエッチングレジスト膜を形成する工程(A1)の一例であり、ここではフォトリソグラフィ法(マスク露光法)を用いた例を示す。
先ず、エッチングレジスト膜(ここではドライレジストフィルムを用いた)5を透明導電積層体10の導電層2の表面に積層する。次に、フォトマスク8を介してエッチングレジスト膜5を露光(紫外線照射)する(図1b)。フォトマスク8は、所定(所望)の導電層パターンに合わせて、光遮蔽部6と光透過部7にパターン化されたものである。なお、かかる露光において、光が遮蔽される導電層の領域が最終的に絶縁性領域となり、光が透過する領域が導電性領域となる。
次に、フォトマスク8を介して露光されたエッチングレジスト膜5を現像処理する。この現像処理によって、未露光部分(フォトマスク8の光遮蔽部6に対応する部分)のエッチングレジスト膜は溶解除去され、露光部分(フォトマスク8の光透過部7に対応する部分)のエッチングレジスト膜は溶解除去されずに残って、導電層2の上にパターン化されたエッチングレジスト膜5が形成される(図1c)。
次に、導電層をエッチングする工程(A2)が実行される(図1d)。この工程は、パターン化されたエッチングレジスト膜を介して導電層がエッチングされる。
エッチング液はエッチングレジスト膜5が被覆されていない領域16にのみ作用し、導電層の導電性線状構造体3が溶解除去され、絶縁性領域を形成する。一方、エッチングレジスト膜5が被覆されている領域17の導電層はエッチングされず、導電性領域となる(図1d)。
エッチング液としては、導電性線状構造体に応じて適宜選択することができる。例えば銀ナノワイヤーの場合には、塩酸と硝酸の混合物のような酸性エッチング液を使用することができる。エッチング液中に含まれる酸の含有量は、エッチング液全質量に対し1〜40質量%が好ましく、より好ましくは10〜25質量%である。40質量%より大きいとエッチング速度が極端に早くなり、エッチングの制御が難しくなる場合がある。また、エッチング時の処理温度は、使用するエッチング液の種類や濃度に応じて適宜調整すればよいが、30〜60℃で処理することでエッチング液成分が導電性線状構造体に作用しやすくなるため好ましい。30℃未満であると低温での制御が困難な場合や、エッチング液成分の作用や浸透が遅くなる場合があり、60℃を超えると酸成分同士が過剰に反応する可能性があり、エッチング液が変化してしまう場合がある。
次に、絶縁性領域にサンドブラスト処理を施す工程(B)が実行される(図1e)。サンドブラスト処理は、エッチングレジスト膜を介して行われる。これによって、導電性領域27はエッチングレジスト膜がサンドブラスト用マスクとなるのでサンドブラスト処理が施されず、絶縁性領域26のみがサンドブラスト処理される。
サンドブラスト処理が施された絶縁性領域26には、微小な凹み9が形成される。エッチング処理によって、線状構造体が溶解除去されてヘイズ値が低下した絶縁性領域26に微小凹み9を形成することで、絶縁性領域26のヘイズ値を導電性領域27のヘイズ値と同等程度まで上昇させることができる。これによって、導電性領域と絶縁性領域とのヘイズ値差(光学特性差)が小さくなり、「骨見え」が低減すると考えられる。
サンドブラスト処理としては、特に限定されず、公知のサンドブラスト処理を用いることができる。例えば、無機粒子を投射材として、これを圧搾空気の力によってノズル先端から吹き付ける方法が挙げられる。
サンドブラスト処理に用いられる投射材としては、シリカ、シリコンカーバイト、ジルコニア、アルミナ、ダイヤモンド等の無機粒子が挙げられる。これらの中でも硬度の高い粒子が好ましく用いられる。
また、投射材として電気絶縁性の高い無機粒子が好ましく用いられる。電気絶縁性の高い無機粒子は、絶縁性領域の表面に残留しても絶縁性を低下させることはない。
投射材の平均粒子径は1〜50μmであることが好ましい。投射材の平均粒子径が1〜50μmの範囲であることによって、適度な衝突エネルギーを得ることができ、基材にダメージを与えることがなく、絶縁性領域に凹みを与えることができる。粒子径が50μmを超えて大きいと、投射材を吹き当てる際の衝突エネルギーが大きくなり過ぎ、凹みが大きくなってヘイズ値の調整が難しくなることがある。逆に投射材の平均粒子径が1μm未満であると、投射材の衝突エネルギーが小さ過ぎ、適度な凹みが形成できないことがある。
ここで、投射材の平均粒子径は、中心粒径(D50)を意味するものであり、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置で測定された値である。
上述の絶縁性領域にサンドブラスト処理を施す工程(B)が実行された後、エッチングレジスト膜を除去する工程(C)が実行される(図1f)。導電層2上に存在するエッチングレジスト膜5が、アルカリ処理されて剥離除去される。アルカリ処理に用いられるアルカリ液としては、1〜4質量%程度の水酸化ナトリウムを含有するアルカリ水溶液が一般的に用いられる。
このエッチングレジスト膜を除去する工程(C)の後には、通常水洗処理が行われる。
以下、本発明のパターン化透明導電積層体を構成する各構成要素について詳細に説明する。
[基材]
基材は、その上に導電層が積層される材料であり、例えば剛性または柔軟性を有する基材を用いることができる。タッチパネル用途等へ適用することを考慮して、基材は可視光線領域における全光線透過率が80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上の透明性を有するものであることが好ましい。具体的にはフィルム基材、ガラス基材などを挙げることができ、厚み250μm以下で巻き取り可能なフィルム基材であっても、厚み250μmを超えるガラス基材であってもよい。コスト、生産性、取り扱い性等の観点からは250μm以下のフィルム基材が好ましく、190μm以下がより好ましく、150μm以下が特に好ましい。
フィルム基材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース、および、これら樹脂の混合および/あるいは共重合したものが挙げられ、例えばその樹脂を未延伸、一軸延伸、二軸延伸してフィルムとすることができる。
ガラス基材としては、通常のソーダガラスを用いることができる。
また、これらの複数の基材を組み合わせて用いることもできる。例えば、フィルム基材とガラス基材を組み合わせた基材、2種以上のフィルムを積層した基材などの複合基材であってもよい。
さらに、基材には、必要に応じ、表面処理が施されていてもよい。表面処理は、グロー放電、コロナ放電、プラズマ処理、火炎処理等の物理的処理、あるいは樹脂層を設けてあってもよい。フィルムの場合、易接着層のあるものでもよい。基材の種類は上述に限定されることはなく、用途に応じて透明性や耐久性や可撓性やコスト等から最適なものを選ぶことができる。
[導電層]
導電層は、導電性線状構造体を含有するものであり、その他として、導電性線状構造体分散塗料に含まれる結合剤、分散剤、レベリング剤等の添加剤を、別途含んでいても良い。
導電性線状構造体を三次元の構造体として模式的に示すと、導電性線状構造体は、楕円柱または楕円柱の湾曲体もしくはその屈曲体として示すことができる。本明細書では、かかる楕円柱の底面における長径や短径に相当する長さを、導電性線状構造体の「短軸の長さ(導電性線状構造体の直径)」と称することがある。また、かかる楕円柱の高さに相当する長さを、導電性線状構造体の「長軸の長さ(導電性線状構造体の長さ)」と称することがある。
導電性線状構造体としては、短軸の長さ(導電性線状構造体の直径)及び長軸の長さ(導電性線状構造体の長さ)は、種々の範囲を採りうるが、短軸の長さは1nm〜1000nmが好ましく、短軸の長さに対する長軸の長さの比であるアスペクト比(長軸の長さ/短軸の長さ)が10より大きくなるような長さであれば良い。アスペクト比が大きいと、より効果的なネットワーク構造が形成可能となるため、好ましい。また、長軸の長さとしては、1μm〜100μmであることが好ましい。
導電性線状構造体の形状としては、直線形状や弧の形状などが挙げられ、それらの組み合わせであっても良く、かつそれらは屈曲部を有していても良い。このような導電性線状構造体の例として、繊維状導電体やワイヤー状導電体、針状導電体等が挙げられる。ここで、繊維状とは、直線形状のものであり、屈曲部を有していても良い。ワイヤー状とは、弧の形状をしている構造体であり、針状とは、直線形状をしている構造体である。
本発明における導電性線状構造体の材質は金属、合金、金属酸化物、金属窒化物、金属水酸化物、等の成分を含有するものである。金属としては、金、白金、銀、ニッケル、銅、アルミニウム、ガリウム、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、マンガン、アンチモン、パラジウム、ビスマス、テクネチウム、レニウム、鉄、オスミウム、コバルト、亜鉛、スカンジウム、ホウ素、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、テルル、錫、マグネシウムなどが挙げられる。合金としては、前記金属を含む合金(ステンレス鋼、黄銅、等)が挙げられる。金属酸化物としては、InO、SnO、ZnO、などが挙げられ、またこれらの金属酸化物複合体(InOSn、SnO−Sb、SnO−V、TiO(Sn/Sb)O、SiO(Sn/Sb)O、KO−nTiO−(Sn/Sb)O、KO−nTiO−Cなど)も挙げられる。またこれらは表面処理を施されていてもよい。さらに、有機化合物(例えば、植物繊維、合成繊維等)や非金属材料(例えば、無機繊維等)の表面に前記金属や金属酸化物でコーティングまたは蒸着したものも導電性線状構造体に含まれる。
上記した導電性線状構造体のうち、透明性等の光学特性や導電性等の観点から銀ナノワイヤーを特に好ましく使用することができる。また、導電性線状構造体を単独、又は複数を組み合わせて混合して使用することもでき、さらに、必要に応じて他のマイクロ〜ナノサイズの導電性材料を添加しても良い。
本発明の導電層は、導電性線状構造体を分散媒に分散させた塗料を基材上に塗布することによって形成することができる。
上記分散媒としては、導電性線状構造体が安定分散可能な液体であれば特に限定されず用いることができるが、具体的には、水、アルコール、ケトン、エーテル、炭化水素、または芳香族溶剤(ベンゼン、トルエン、キシレン等)等が好ましく用いられる。また、上記液体は、揮発性であることが好ましく、液体の沸点は200℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、100℃以下が特に好ましい。
また、導電層を形成するための塗料は、塗布適性、基材との密着性、導電層の製膜性等の観点から、結合材を含有することが好ましい。
結合材としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、2−ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、ポリビニルアルコール(PVA)等が好ましく用いられる。
また、上記塗料には、本発明の効果を阻害しない範囲内で各種の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、有機および無機の微粒子、架橋剤、難燃剤、難燃助剤、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、核剤、染料、充填剤、分散剤およびカップリング剤などが挙げられる。
上記した導電層を形成するための塗料を基材上に塗布する方法としては、ウェットコーティング法が好ましく用いられる。ウェットコーティング法としては、例えば、スプレーコート、バーコート、ロールコート、ダイコート、ディップコート、スピンコート、グラビアコート、エクストルージョンコート、スライドビードコート、カーテンコートなど公知の方法を用いることができる。
本発明において、導電性線状構造体は、導電層中においてネットワーク構造で存在していることが好ましい。ネットワーク構造とは、少なくとも1つの接点で導電性線状構造体同士が接していることである。最も小さいネットワーク構造は2本の導電性線状構造体が、ある一接点を有している場合である。接点は導電性線状構造体のいかなる部分同士で形成されていてもよく、導電性線状構造体の末端部同士が接していたり、末端と末端以外の部分が接していたり、末端以外の部分同士が接していてもよく、また、接するとはその接点が接合していても、単に接触しているだけでもよい。
[保護層]
導電層上に保護層が積層されていてもよい。保護層は、導電性積層体の耐擦傷性を向上させる役目を有する。上記の観点から、保護層は樹脂を含むことが好ましく、保護層に含有させる樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテート(TAC)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリオレフィンなど樹脂が挙げられる。保護層の膜厚は、耐擦傷性の観点からは、厚い方が好ましい。具体的には10nm以上が好ましく、50nm以上がより好ましく、100nm以上が特に好ましく、120nm以上が最も好ましい。また、保護層には、本発明の効果を阻害しない範囲内で各種の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、有機および無機の微粒子、架橋剤、難燃剤、難燃助剤、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、レベリング剤、滑り賦活剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、核剤、染料、充填剤、分散剤およびカップリング剤などを用いることができる。保護層を形成する方法としては、ウェットコーティング法が好ましく用いられる。ウェットコーティング法としては、前述の導電層の塗布方法に挙げたものと同様のものが用いられる。
[ハードコート層]
本発明のパターン化透明導電積層体は、基材に対し導電層が積層されている側とは反対の面にハードコート層を設けることができる。ハードコート層を設けることによって、耐摩耗性、高表面硬度、耐溶剤性、耐汚染性を付与することができる。
[パターン化透明導電積層体]
本発明のパターン化透明導電積層体は、全光線透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることが特に好ましい。
本発明のパターン化透明導電積層体は、導電性領域の表面抵抗値が1Ω/□以上、1×10Ω/□以下であることが好ましく、より好ましくは1×10Ω/□以上、1.5×10Ω/□以下である。この範囲にあることで、タッチパネル用途として好ましく用いることができる。すなわち、1Ω/□以上であれば消費電力を少なくすることができ、1×10Ω/□以下であれば、タッチパネルの座標読みとりにおける誤差の影響を小さくすることができる。
本発明のパターン化透明導電積層体は、タッチパネル、有機EL、液晶ディスプレイやPDPなどの電極用の導電部材として好ましく使用することができる。特にタッチパネルの電極部材として好ましく用いられる。
タッチパネルの方式としては、抵抗膜式と静電容量式とが主流であるが、これらの方式に限らずいずれの方式にも好ましく用いることができる。特に静電容量式タッチパネルに好ましく用いられる。
[タッチパネル]
本発明のパターン化透明導電積層体は、特にタッチパネルとして好ましく使用することができる。タッチパネルは、パターンが形成された透明導電積層体を単独もしくは複数枚、さらには他の部材と組み合わせて搭載されたものであり、抵抗膜式タッチパネルや静電容量式タッチパネル等が挙げられる。
図2は、本発明のパターン化透明導電積層体を用いた静電容量式タッチパネルの一例を示す模式断面図である。
2つのパターン化透明導電積層体31が、接着剤や粘着剤等の接合層32を介して積層されており、更にタッチ面側の基板33が配置されている。基板33の表面にはハードコート層(あるいはハードコートフィルム)34が積層されている。
以下に、実施例に基づき、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[評価方法]
まず、各実施例および比較例における評価方法を説明する。
(1)絶縁確認試験
エッチング処理した領域(絶縁性領域)の表面抵抗値を、絶縁抵抗計(三和電気計器(株)製 DG6)を用いて測定し、絶縁性を確認した。表面抵抗値が25Vで4MΩ以上を絶縁とし、4MΩ未満を導通とする。
(2)パターン化透明導電積層体の導電層(絶縁性領域)の表面観察
パターン化透明導電積層体の導電層側表面を、カラー3Dレーザー顕微鏡((株)キーエンス製 VK−9700/9710)、標準対物レンズ150X((株)ニコン製 CF IC EPI Plan Apo 150X)、観察アプリケーション((株)キーエンス製 VK−H1V1)を用いて倍率3000倍で観察、撮影し、絶縁性領域における導電性線状構造体の有無と凹みの有無を確認した。
(3)導電層パターンの視認性「骨見え」の評価(非視認性試験)
パターン化透明導電積層体の導電性領域と絶縁性領域の境目の視認性を、蛍光灯下で目視にて観察し、下記の基準で評価した。
レベル5:境目が見えない
レベル4:殆ど境目が見えない
レベル3:薄い境目が見える
レベル2:境目が見える
レベル1:境目が明らかに見える。
[実施例1]
透明導電積層体を以下の要領で作製した。
<導電層形成用塗料>
導電性線状構造体として、短軸の長さが50〜100nm、長軸の長さ20〜40μm、アスペクト比200以上の銀ナノワイヤーを用い、銀ナノワイヤー分散溶液(米Cambrios社製、CleraOhm Ink−A AQ)30質量部あたりに、超純水(和光純薬工業(株)製、超純水Ultrapure Watar)を70質量部、防錆剤(米Cambrios社製、ClearOhm SFT−D)を0.12質量部添加し、導電層形成用塗料を調製した。
<導電層の積層>
厚さが125μmの光学用ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製 ルミラー)を基材として用い、当該フィルムの片面に、上記の導電層形成用塗料をダイコート法で固形分塗布量が1g/mとなるように塗布し、80℃で乾燥して、基材上に導電層を積層した。
<保護層形成用塗料>
アクリル樹脂系塗料(中国塗料(株)製 フォルシードNo.420C 樹脂濃度50重量%)5質量部あたりに、酢酸エチルを95質量部加えて保護層形成用塗料を調製した。
<保護層の積層>
基材上に積層された導電層の上に、上記の保護層形成用塗料を保護層の厚み(硬化後の厚み)が210nmとなるようにダイコート法で塗布し、80℃で乾燥し、紫外線(ヒュージョンUVシステムズジャパン(株)製 LH10−70UVランプ)を200mJ/cm照射して硬化させることで保護層を形成し、透明導電積層体を作製した。
<パターン化されたエッチングレジスト膜の形成>
透明導電積層体の導電層(保護層を含む)の上に、エッチングレジスト膜(ドライレジストフィルム;旭化成イーマテリアルズ(株)製の「サンフォートSPG−152」)を、ホットロール式ラミネーターを用い、ロール温度105℃、エアー圧力0.3MPa、ラミネート速度2m/minの条件で熱ラミネートし、熱ラミネート体を得た。
次いで、熱ラミネート体のドライレジストフィルムの上にフォトマスクを置き、このフォトマスクの上から、4.5kW水銀ショートアークランプ((株)オーク製作所製 HMW−801 平行光)を使用して、露光量200mJ/cmで露光した。
次いで、露光後の熱ラミネート体に、現像液を吹きつけ(スプレーし)、現像処理した。具体的には、コンベアー式現像機を用い、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液を現像液とし、液温度30℃、スプレー圧力0.22MPaの条件で26秒間現像処理を行うことで、導電層上にパターン化されたエッチングレジスト膜(ドライレジストフィルム)を形成した。
<エッチング>
導電層上にパターン化されたエッチングレジスト膜が形成された透明導電積層体を下記のエッチング液(45℃)に5分間浸漬してエッチング処理した。
<エッチング液>
塩酸(和光純薬工業(株)製の特級グレード;塩化水素36質量%)100質量部と、硝酸(佐々木化学薬品(株)製の特級グレード;硝酸60質量%)15質量部に純水85質量部を加えて、エッチング液とした。当該エッチング液の塩化水素と硝酸の質量比は4:1であり、塩化水素と硝酸を合わせた酸濃度は22.5質量%である。
<サンドブラスト処理>
上記のようにして導電層をエッチングしてパターン化した透明導電積層体の導電層の面に以下のサンドブラスト処理を施した。
サンドブラスト装置として新東ブレーター社製「マイクロブラスターMB1−ML」を用い、投射材として中心粒径17μmのシリコンカーバイトを、噴射圧0.15MPa、ノズル移動速度10m/s、投射回数4回の条件で投射して、サンドブラスト処理を行なった。
<エッチングレジスト膜の剥離除去>
サンドブラスト処理後、透明導電積層体にアルカリ剥離液を吹き付けて(スプレーして)、透明導電積層体レジストパターニングサンプルからエッチングレジスト膜を剥離除去した。具体的には、コンベアー式剥離機を用い、3質量%の水酸化ナトリウム水溶液を剥離液とし、液温度50℃、スプレー圧力0.20MPaの条件で34秒間剥離処理を行うことで、エッチングレジスト膜を完全に剥離除去した。最後に水洗して、実施例1のパターン化透明導電積層体を得た。
[評価]
実施例1のパターン化透明導電積層体を評価した結果を以下に示す。
<絶縁確認試験>
パターン化された導電層の絶縁性領域を上述した試験方法で確認したところ、絶縁性(4MΩ以上)であった。
<絶縁性領域の表面観察>
パターン化された導電層の絶縁性領域を上述した試験方法で確認したところ、線状構造体は確認されなかった。また、絶縁性領域に平均径400nmの凹みが形成されていた。
<非視認性試験>
パターン化導電層の導電性領域と絶縁性領域との境目を上述した試験方法で確認したところ、レベル5(境目が見えない)であった。
[比較例1]
サンドブラスト処理を行なわない以外は、実施例1と同様にしてパターン化透明導電積層体を作製した。
[評価]
比較例1のパターン化透明導電積層体を評価した結果を以下に示す。
<絶縁確認試験>
パターン化された導電層の絶縁性領域を上述した試験方法で確認したところ、絶縁性(4MΩ以上)であった。
<絶縁性領域の表面観察>
パターン化された導電層の絶縁性領域を上述した試験方法で確認したところ、線状構造体は確認されなかった。また、絶縁性領域に凹みは形成されていなかった。
<非視認性試験>
パターン化導電層の導電性領域と絶縁性領域との境目を上述した試験方法で確認したところ、レベル1(境目が明らかに見える)であった。
本発明のパターン化透明導電積層体の製造方法によって得られたパターン化透明導電積層体は、タッチパネル、電子ペーパーなどのディスプレイおよび太陽電池モジュールなどに使用される電極部材に好適に使用することができる。
1.基材
2.導電層
3.導電性線状構造体
5.エッチングレジスト膜
6.フォトマスクの光遮蔽部
7.フォトマスクの光透過部
8.フォトマスク
9.凹み
10.透明導電積層体
16.エッチングレジスト膜が被覆されていない領域
17.エッチングレジスト膜5が被覆されている領域
26.絶縁性領域
27.導電性領域
31.パターン化透明導電積層体
32.接合層
33.タッチ面側の基板
34.ハードコート層(ハードコートフィルム)

Claims (4)

  1. 基材の少なくとも片面に導電性線状構造体を含む導電層を有し、該導電層は導電性領域と絶縁性領域にパターン化された透明導電積層体の製造方法であって、導電層を導電性領域と絶縁性領域にパターン化する工程(A)、および絶縁性領域にサンドブラスト処理を施す工程(B)をこの順に有することを特徴とするパターン化透明導電積層体の製造方法。
  2. 導電層をパターン化する工程(A)が、導電層上にパターン化されたエッチングレジスト膜を形成する工程(A1)、および導電層をエッチングする工程(A2)をこの順に有し、絶縁性領域にサンドブラスト処理を施す工程(B)はエッチングレジスト膜を介して行われ、前記工程(B)の後に、エッチングレジスト膜を除去する工程(C)を有する、請求項1に記載のパターン化透明導電積層体の製造方法。
  3. 前記導電性線状構造体が銀ナノワイヤーである、請求項1または2に記載の透明導電積層体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電積層体を用いてなる、タッチパネル。
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