JP2015139849A - スカルピングカッタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】円筒体の周面に螺旋状に配置された切刃部20を有するスカルピングカッタである。切刃部が、円筒体に設けられたチップ座に固定される複数の切削チップ15に形成された切れ刃18によって構成される。切れ刃同士の間にニック21が形成される。ニックの内側面21A、21Bが円筒体の軸線に垂直な面に沿って形成され、または切れ刃18から離間するに従い円筒面の軸線に垂直な面から離間して後退する方向に形成されている。
【選択図】図3
Description
スカルピングカッタは、円筒体の周面に螺旋状となるよう互いに平行に配設された複数条の切刃部を有する回転体である。
そして、下記特許文献1には、図6,図7に示すように、切刃部101を構成する切れ刃102同士の間にニック103が形成されており、これらニック103の内側面103A、103Bが、切刃部101の延びる方向に垂直な面に沿って形成されたスカルピングカッタ100が開示されている。
ニック103の内側面103A、103Bが、切刃部101の延びる方向に垂直な面に沿って形成されているため、当該スカルピングカッタ100によってシートSの表面を切削する際に、ニック103の内側面の内の一方の内側面103Aのエッジ部が、予期せぬ切れ刃の役目を果たすこととなる。
すなわち、スカルピングカッタ100が回転する際に、図7に示すように、切刃部101はカッタ回転方向Tに回転しながら、送り方向Fに送り出されるシートSに対して相対移動して切り込まれることとなるが、このとき、ニック103の一方の内側面103Aが、切れ刃102の背面側に回り込むことなく、直接、シートSの表面に接触して切削することとなる。
このように、切れ刃102ではない部分で切削を行うため、当該スカルピングカッタ100が被削材であるシートSを切削するときの切削抵抗が増し、スカルピングカッタ100自体の切れ味が悪化するとともに、スカルピングカッタ100の寿命が短くなる問題があった。
さらに、被削材であるシートSへの切削抵抗が増すため、例えば、切刃部101が、円筒体に形成されたチップ座に切削チップがロー付により固定されて構成される場合、切削チップがチップ座から剥がれてしまい、切刃部101に欠損が生じるおそれがあった。
この結果、前述した従前のスカルピングカッタによる切削に比べ、切削抵抗が減少する。このため、スカルピングカッタへの負荷が減少することに伴い、カッタの長寿命化が図れる。また、切削抵抗が減少するとともに、切刃部に形成された切れ刃のみによる切削が行われるので、被削材の面粗度が向上する。
加えて、ニック同士を、切刃部の長さ方向に沿ってL/2以下の距離ずつずれて配置しているので、ニックが存することに伴う切れ残し部分を、回転方向後段に存する複数の切れ刃で切削することとなり、被削材の面粗度をさらに向上させることができる。
なお、回転方向に隣接するニック同士を、切刃部の長さ方向に沿ってL/5の距離ずつずれて配置する場合、ニック同士のずれ量が少なくなる。ここで、円筒体のチップ座に例えばロー付により切削チップを固定する際には、それら切削チップをニック分だけずらしながら配置してロー付することとなるが、そのとき、回転方向に隣接するニック同士が、少ないずれ量をもつようにしかもそれらずれ量が均等となるように、切削チップを配置させてロー付しなければならず、切削チップのロー付作業が面倒になるおそれがある。
図1において、符号10は本発明に係るスカルピングカッタを示している。このスカルピングカッタ10は大略、軸線Pを中心とする円筒体11、及びその両端部に設けられて軸線Pを共有する回転軸部12からなる。円筒体11及び回転軸部12は例えばSCM440等の鋼材によって作られる。
つまり、円筒体11の周面には、切刃部20が溝13と同様、螺旋状となるように配置されている。
切削チップ15は、図3に示すように、平面視平行四辺形に形成されている。切削チップ15の切れ刃18の左右両端からは、側面21A、21Bが円筒体11の内方に延びるように形成されている。これら側面21A、21Bのうちの一部、つまり外端部分はニック21の内側面を構成している。側面21A、21Bのうち、一方の側面21Aは切れ刃18に対し鋭角をなし、他方の側面21Bは切れ刃18に対して鈍角をなしている。そして、それら側面21A、21Bは、円筒体11の前記軸線Pに垂直な面に沿って形成されている。
ニック21のずれ量については、説明の便宜上、図3に示すように、円筒体11の軸線Pに平行となるように投影した状態で説明するが、投影することなく、ニック21の直接の値を用いた場合でもその内容は実質的に同一である。
ニックのずれ量は、一の切刃部20において隣り合うニック21同士の間隔、つまりニック21のピッチをLとするとき(この間隔Lは切削チップ15の長さよりもニック21の幅分だけ長くなっている。)、L/nの長さ(nは2以上の整数)に設定されている。図3に示す例ではnは4に設定されている。
なお、この実施形態では、ニック21のピッチをLとするとき、ニック21のずれ量をL/4に設定しているが、これに限れることなく、このずれ量をL/3、あるいはL/5に設定しても、あるいはnを整数に限られることなく、小数点以下の小さな数を含む数字に設定した値としてもよい。
図5は、図1に示すスカルピングカッタ10を用いたシートSの表面の切削状況を示す断面図である。
例えば、前述の実施形態では、側面21A、21Bが軸線Pに垂直な面に沿って形成されているが、図4に破線で示すようにこれらの側面21A、21Bが切れ刃18から離間するに従い軸線Pに垂直な面から離間して後退する方向に形成されていてもよい。すなわち、この図4に破線で示すように、側面21A、21Bは、それぞれの側面21A、21Bと切れ刃18との交点を通る軸線Pに垂直な面に対して、カッタ回転方向Tの後方側(送り方向F側)に向かうに従い軸線P方向に凹むように傾斜していてもよい。また、側面21A、21Bの一方がこのように切れ刃18から離間するに従い軸線Pに垂直な面から離間して後退する方向に形成されていて、他方は軸線Pに垂直な面に沿って形成されていてもよく、すなわち側面21A、21Bの両方が切れ刃18から離間するに従い軸線Pに垂直な面から突出しないように形成されていればよい。
さらに、前述の実施形態では、円筒体11に別部材の切削チップ15を固定して切刃部20を構成したものを例に挙げて説明したが、これに限られることなく、円筒体11に直接切刃部20が形成されたスカルピングカッタにも、本発明は適用可能である。
13 溝 14 チップ座 15 切削チップ 16 すくい面 17 逃げ面
18 切れ刃 20 切刃部 21 ニック 21A、21B 側面(ニックの内側面) P 軸線 S シート(被削材)
Claims (4)
- 円筒体の周面に螺旋状に配置された切刃部を有するスカルピングカッタにおいて、
前記切刃部の切れ刃同士の間にニックが形成され、
前記ニックの内側面が、前記円筒体の軸線に垂直な面に沿って形成され、または前記切れ刃から離間するに従い前記円筒体の軸線に垂直な面から離間して後退する方向に形成されていることを特徴とするスカルピングカッタ。 - 前記切刃部が、前記円筒体に設けられたチップ座に固定される複数の切削チップに形成された切れ刃によって構成され、
前記切削チップ同士の間に前記ニックが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスカルピングカッタ。 - 回転方向に隣接する前記ニック同士は、前記切刃部における前記ニックのピッチをLとするとき、前記切刃部の長さ方向に沿ってL/2以下の距離ずつずれて配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のスカルピングカッタ。
- 回転方向に隣接する前記ニック同士は、前記切刃部の長さ方向に沿ってL/4の距離ずつずれて配置されていることを特徴とする請求項3に記載のスカルピングカッタ。
Priority Applications (1)
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JP2014014399A JP6369031B2 (ja) | 2014-01-29 | 2014-01-29 | スカルピングカッタ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014014399A JP6369031B2 (ja) | 2014-01-29 | 2014-01-29 | スカルピングカッタ |
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JP6369031B2 JP6369031B2 (ja) | 2018-08-08 |
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Family Applications (1)
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Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2014
- 2014-01-29 JP JP2014014399A patent/JP6369031B2/ja active Active
Patent Citations (5)
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