以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、本実施形態に係る文字入力装置10を内蔵した情報端末機器としてタブレットPCを想定するが、本発明は、スマートフォンやタブレット端末等、タッチ式の入力面を備えた情報端末機器に搭載することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る文字入力装置10を内蔵したタブレットPC100の主要な構成を示すブロック図である。同図に示したように、タブレットPC100は、入力部12、制御部14、記憶部16及び表示部18を含んで構成されている。そして、本実施形態に係る文字入力装置10は、入力部12、制御部14、記憶部16を含んで構成され、文字群の中から任意の文字を選択して入力するための装置である。
ここで、文字群は、複数の代表文字で構成される代表文字グループと、各代表文字に従属する従属文字グループとを含んで構成される。この文字群の種類や構成は特に限定されないが、例えば図2(a)に示した文字群30は、代表文字グループ32が50音表の「あ段」に属する文字「あ・か・さ・た・な・は・ま・や・ら・わ」で構成され、「あ」を代表文字とする従属文字グループ34が「あ行」に属する「あ・い・う・え・お」で構成されている。以下同様に、代表文字「か」の従属文字グループ34が「か行」の「か・き・く・け・こ」で構成され、代表文字「さ」の従属文字グループ34が「さ行」の「さ・し・す・せ・そ」で構成されている。なお、濁音や半濁音等については、例えば、代表文字「か」の従属文字グループ34内に「が・ぎ・ぐ・げ・ご」を含む構成としてもよく、或いは代表文字グループ32内に「が・ざ・だ・ば・ぱ」を含む構成とし、代表文字「が」の従属文字グループ34を「が・ぎ・ぐ・げ・ご」で構成してもよい。また、記号や数字等についても、例えば、代表文字グループ32内に読点「、」を代表文字として設定し、この読点「、」と、句点「。」や中点「・」等で従属文字グループ34を構成したり、「1」を代表文字とする従属文字グループ34を「1・2・3・4・・・・8・9・0」で構成したりしてもよい。
入力部12は、ユーザの指先やスタイラスペンのペン先等での接触を検出して機能するタッチ式の入力面であり、例えば、タッチパネルやタッチパッド等が挙げられる。本実施形態の入力部12に係る入力面への第1の接触及び第2の接触があると、後述する制御部14に係る第1接触検出部20a及び第2接触検出部20bにその情報が送られ、第1接触検出部20a及び第2接触検出部20bにおいて第1の接触及び第2の接触が検出されることとなる。
制御部14は、入力部12に係る入力面への第1の接触の有無及び第1の接触に係る第1接触点の座標を検出する第1接触検出部20aと、第1接触点の入力面への接触状態を維持したまま、続く第2の接触の有無及び第2の接触に係る第2接触点の座標を検出する第2接触検出部20bからの情報に基づいて入力面への操作内容を判断し、文字群から入力したい文字を選択・決定して出力部18へ出力する。本実施形態に係る制御部14は、上記の第1接触検出部20a及び第2接触検出部20bと、第1操作検出部22a、第2操作検出部22b、代表文字選択部24a及び従属文字選択部24bとを含んで構成されている。
第1操作検出部22aは、第1の接触に係る第1接触点が入力面に接触状態のままスライド移動したときの第1移動方向及び第1移動方向の変化を検出する。第1移動方向及びその変化を検出するためのアルゴリズムについては特に限定されず、公知のアルゴリズムが適用できるが、例えば、入力面における第1接触点の位置情報の変化を検出する。そして、所定の2点を結ぶ直線のXY座標上におけるX成分とY成分とを比較することによって第1移動方向及びその変化を検出する。ここで、第1接触点のスライド移動を直線移動とし、第1移動方向を入力面における上下方向とした場合、まず第1接触点を入力面において下方向に移動させたとき、第1操作検出部22aは第1接触点の最初の移動方向を検出し、その後、上方向に移動方向を変化させたとき、つまり第1接触点の移動方向を下方向から上方向へ折り返したとき、第1操作検出部22aは第1接触点の移動方向が変化したことを検出する。
代表文字選択部24aは、第1操作検出部22aで検出された第1接触点の第1移動方向及びその変化に応じて、代表文字グループ32内で代表文字の送り動作を行う。例えば、入力面における第1接触点のスライド移動を直線移動とし、第1移動方向を上下方向とした場合、第1接触検出部20aが第1の接触を検出し、第1接触点が入力面においてまず下方向に移動することによって、代表文字「あ」から始まる代表文字選択状態となる。そして、第1接触点の第1移動方向が上方向へ変化したとき、代表文字グループ32内において代表文字「あ」から「か」へ送り動作が行われる。以降、第1移動方向の変化に応じて「か」→「さ」→「た」→「な」→「は」・・・と代表文字の送り動作が行われる。
第2操作検出部22bは、第2接触検出部20bが検出する第2の接触に係る第2接触点が入力面に接触状態のままスライド移動したときの第2移動方向及び第2移動方向の変化を検出する。或いは、第2接触点のタップを検出する。第2移動方向及びその変化の検出については、第1移動方向及びその変化の検出と同様であるが、具体的には、入力面における第2接触点の位置情報の変化を検出する。そして、所定の2点を結ぶ直線のXY座標上におけるX成分とY成分とを比較することによって第2移動方向及びその変化を検出する。例えば、第2接触点のスライド移動を直線移動とし、第2移動方向を入力面における上下方向とした場合、まず第2接触点を入力面において下方向に移動させたとき、第2操作検出部22bは第2接触点の最初の移動方向を検出し、上方向に移動方向を変化させたとき、つまり第2接触点の移動方向を下方向から上方向へ折り返したときに第2操作検出部22bは第2接触点の移動方向が変化したことを検出する。なお、第2接触検出部20bが第2の接触を検出しているとき、第1接触点の接触状態は維持され、第1操作検出部22aによる第1接触点の移動方向及びその変化も検出されてはいるが、第2操作検出部22bによる第2接触点の移動方向及びその変化の検出が優先される構成となっている。従って、例えば、入力面においてユーザが片手の2本の指で入力操作を行う際に、第1接触点が人差し指の指先、第2接触点が中指の指先とした場合、第2操作検出部22bが第2接触点に係る中指指先の移動方向及びその変化を検出しているときは、入力面において第1接触点に係る人差し指指先の移動方向及びその変化も検出しているが、第2操作検出部22bによる第2接触点の移動方向及びその変化の検出が優先されるため、これら2本の指先を同方向に移動させても第2接触点の移動方向及びその変化に応じた動作のみを実行することができる。
従属文字選択部24bは、第2操作検出部22bで検出された第2接触点の第2移動方向及びその変化に応じて、代表文字選択部24aで選択された代表文字に従属する従属文字グループ34内で文字の送り動作を行う。
例えば、入力面における第2接触点のスライド移動を直線移動とし、第2移動方向を上下方向とした場合、代表文字選択部24aで選択された代表文字が「は」であれば、第2接触検出部20bが第2の接触を検出することによって、代表文字「は」に従属する従属文字グループ34内の「は」が入力状態になると共に、「は行」の従属文字グループ34内での文字選択状態となる。そして、第2接触点が入力面において下方向に移動することによって第2操作検出部22bが第2接触点の第2移動方向を検出し、従属文字グループ34内において従属文字「は」から従属文字「ひ」へ送り動作が行われる。第2接触点の移動方向が上方向へ変化したとき、従属文字グループ34内において従属文字「ひ」から「ふ」へ送り動作が行われ、以降、第2移動方向の変化に応じて「ふ」→「へ」→「ほ」→「は」・・・と文字の送り動作が行われる。なお、例えば、「は行」の従属文字グループ34内に濁音や半濁音の文字(ば、ぱ等)を含む場合には、移動方向の変化に応じて「へ」→「ほ」→「ば」→「び」→・・・→「ぱ」→「ぴ」→・・・と送り動作が行われることとなる。
一方、第2操作検出部22bが第2接触点のタップを検出する場合は、第2接触検出部20bが第2の接触を検出することによって、まず従属文字「は」が入力状態になると共に「は行」の文字選択状態となり、第2接触点のタップを検出するごとに従属文字グループ34内において従属文字「は」から従属文字「ひ」→「ふ」→「へ」→「ほ」→「は」・・・と、文字の送り動作が行われる。
入力文字決定部26は、従属文字選択部24bによって選択された文字を入力文字として決定する。入力文字を決定する方法は特に限定されないが、例えば、第1の接触及び第2の接触が解除されたとき、つまり入力面から第1接触点及び第2接触点の何れもが離れたときに、従属文字選択部24bによって選択された文字を入力文字として決定する。なお、本実施形態では、第1接触点の接触状態が維持されたままで第2接触点の接触状態が所定時間、解除された場合(タイムアウト)、或いは第2接触点の接触状態が解除されて第1接触点の第1移動方向の変化が検出された場合は代表文字選択状態となり、第2接触点の接触状態が維持されたままで第1接触点の接触状態のみが解除された場合は文字入力が無効となるように構成されているが、各接触点の接触状態の有無による制御方法は特に限定されるものではない。
記憶部16は、代表文字選択部24a及び従属文字選択部24bが使用する代表文字グループ32及び各代表文字に従属する従属文字グループ34を含んで構成される文字群30を記憶した記憶装置であって、例えば、フラッシュメモリやHDD等が挙げられる。
表示部18は、制御部14に係る代表文字選択部24a及び従属文字選択部24bで選択中の文字、並びに入力文字決定部26で決定された文字を表示する装置であり、代表文字選択部24a、従属文字選択部24b及び入力文字決定部26からの出力情報に応じて文字を表示することができれば、装置の種類は特に限定されるものではない。なお、入力部12と表示部18とは分離して設けることもできるが、本実施形態に係るタブレットPC100では、入力部12と表示部18とを一体的に設け、表示部18の画面上に入力部12に係る入力面を備える構成としている。
次に、本実施形態に係る文字入力装置10の動作について、図3(a)、図4及び図5に示したフローチャートに基づいて詳述する。本実施形態の文字入力装置10は、図3(a)に示すように、基本的にはまず代表文字選択処理50が動作し、次に従属文字選択処理60が動作することによって入力したい文字が決定され、決定された文字が入力(文字入力70)されることによって終了する。
まず代表文字選択処理50は、図4に示すように、ステップS51において、入力部12に係る入力面への第1の接触の有無を第1接触検出部20aが検出し、第1の接触が検出された場合、ステップS52に進んで、制御部14は第1接触検出部20aが検出した第1接触点の座標を記憶部16に格納すると共に、文字群30に係る代表文字グループ32から最初の代表文字「あ」又は「わ」が選択可能な状態となる。
次に、ステップS53において、入力部12に係る入力面への第2の接触の有無を第2接触検出部20bが検出し、第2の接触が検出されない場合、ステップS54に進む。ステップS54において、記憶部16に時系列で格納された第1接触点の各座標を繋ぎ合わせた軌跡を算出し、第1操作検出部22aにおいて第1接触点の第1移動方向及び第1移動方向の変化の有無を検出する。例えば、第1接触点のスライド移動を直線移動とし、第1移動方向を上下方向とした場合、ステップS54において第1接触点が入力面においてまず下方向に移動したことを第1操作検出部22aが検出することによって、ステップS55において代表文字グループ32内での文字送りが行われて最初の代表文字「あ」が表示部18に表示され、代表文字「あ」から始まる代表文字選択状態となる。なお、ステップS54において第1接触点の第1移動方向及びその変化が検出されない場合はステップS51に戻る。
ステップS55において、代表文字グループ32内で代表文字が1文字送られると、ステップS51に戻って再び第1の接触及び第2の接触の有無が検出され、ステップS52において第1の接触が検出され、ステップS53において第2の接触が検出されなければ、ステップS54において第1接触点の第1移動方向の変化が検出され、第1接触点の第1移動方向が下方向から上方向へ変化したとき、代表文字グループ32内において代表文字「あ」から「か」へ文字の送り動作が行われる。以降、第1移動方向の変化に応じて「か」→「さ」→「た」・・・と代表文字の送り動作が行われる。
一方、ステップS53で第2の接触が検出された場合、ステップS56に進んで代表文字の送り動作の有無が判断される。既にステップS54及びステップS55を経由して代表文字の送り動作が行われていればステップS57において代表文字が決定され、代表文字選択処理50が終了する。なお、ステップS56において、代表文字の送り動作が行われていないと判断された場合、例えば、代表文字選択処理50の開始後、第1の接触と第2の接触が同時に検出された場合は、代表文字未選択の状態での第2の接触の検出状態となり、無効な操作として代表文字が決定されないまま代表文字選択処理50が終了する。
代表文字選択処理50において代表文字が決定されると、次に従属文字選択処理60において代表文字選択処理50において決定された代表文字に従属する従属文字グループ34内から入力したい文字が選択される。
従属文字選択処理60が動作するためには、入力部12に係る入力面への第1の接触点の接触状態が維持されたまま、第2の接触を第2接触検出部20bが検出している状態でなければならない。図5に示すように、ステップS61において、制御部14は第2接触検出部20bが検出した第2接触点の座標を記憶部16に格納すると共に、代表文字選択処理50で選択された代表文字、例えば「た」が表示部18に表示された状態で、代表文字「た」の従属文字グループ34に含まれる「た・ち・つ・て・と」が選択可能な状態となる。
次に、ステップS62において、記憶部16に時系列で格納された第2接触点の各座標を繋ぎ合わせた軌跡を算出し、第2操作検出部22bにおいて第2接触点の第2移動方向及び第2移動方向の変化の有無を検出する。例えば、第2接触点のスライド移動を直線移動とし、第2移動方向を上下方向とした場合、ステップS62において、第2接触点が入力面において下方向に移動したことを第2操作検出部22bが検出することによって、ステップS63において、従属文字グループ34内での文字送りが行われる。つまり、代表文字選択処理50で選択された代表文字が「た」の場合、第2操作検出部22bが第2接触点の下方向の移動を検出することによって、従属文字グループ34内で従属文字「た」から従属文字「ち」への文字送りが行われて表示部18に「ち」が表示される。なお、ステップS62において第2接触点の第2移動方向及びその変化が検出されない場合はステップS64に進む。
ステップS63において、従属文字グループ34内で文字が1文字送られると、ステップS64に進んで第2の接触の有無が検出される。ステップS64において第2の接触が検出されれば、ステップS65において第1の接触の有無が検出され、第1接触点の接触状態が維持されていれば再びステップS61において第2接触点の座標が記憶部16に格納されることとなる。以降、第2移動方向が下方向から上方向へ変化したとき、従属文字グループ34内において従属文字「ち」から「つ」へ文字の送り動作が行われ、第2移動方向の変化に応じて「つ」→「て」→「と」→「た」・・・と従属文字の送り動作が行われる。
一方、ステップS64において第2の接触が検出されなかった場合は、ステップS66に進む。そして、ステップS66において第1の接触の有無が検出され、第1の接触が検出されなかった場合、つまり第1の接触及び第2の接触の何れもが検出されなかった場合、ステップS67において従属文字が決定され、従属文字選択処理60が終了する。なお、ステップS66において第1の接触が検出された場合は、従属文字の選択状態が解除されて、代表文字選択処理50に係るステップS54に戻って再び代表文字の選択状態となる。
従属文字選択処理60の終了に伴い、ステップS67において決定された従属文字が文字入力70によって入力され、本実施形態に係る文字入力装置10の動作が終了する。
次に、図6に基づいて、本実施形態の文字入力装置10に係る文字入力方法を説明する。例えば、ユーザが「ち」を入力したい場合、まず図6(a)に示すように、本実施形態の文字入力装置10を内蔵したタブレットPC100の入力部12に係る入力面において第1の接触を検出すると、文字入力動作が開始され、代表文字の選択状態となる。
ここで、第1の接触に係る第1接触点40のスライド移動を直線移動とし、第1移動方向を上下方向とした場合、同図(b)に示すように、第1接触点40を入力面においてまず下方向に移動させることによって、代表文字グループ32内での文字の順送りが行われて最初の代表文字「あ」が表示部18に表示され、代表文字「あ」から始まる代表文字選択状態となる。次に、同図(c)に示すように、第1接触点40の第1移動方向を下方向から上方向へ変化させたとき、代表文字グループ32内において代表文字「あ」から「か」へ文字の送り動作が行われる。以降、同図(d)、(e)に示すように、第1移動方向を変化させることによって「か」→「さ」→「た」と代表文字の送り動作が行われる。
続いて、同図(f)に示すように、入力部12に係る入力面への第1接触点40の接触状態を維持した状態で、第2の接触に係る第2接触点42を入力面に接触させると、「た」が表示部18に表示された状態で、代表文字「た」に従属する「た・ち・つ・て・と」で構成される「た行」の従属文字グループ34内の文字が選択可能な状態となる。
そして、例えば、第2接触点42のスライド移動を直線移動とし、第2移動方向を上下方向とした場合、同図(g)に示すように、第2接触点42を入力面において下方向に移動させることによって、従属文字グループ34内で従属文字「た」から従属文字「ち」への文字送りが行われて表示部18に「ち」が表示される。最終的に、第1の接触及び第2の接触を解除する、即ち入力面から第1接触点40及び第2接触点42の何れも離したときに、最後に選択・表示されていた「ち」が入力文字として確定し、入力されることとなる。
以上のように、本実施形態に係る文字入力装置10及び本実施形態に係る文字入力方法によると、タッチ式の入力面を備えた情報端末機器等において、視覚情報に一切、頼ることなく、単純な操作によって文字群の中から任意の文字を選択して入力することができる。従って、視覚障害者であっても、タッチパネル、タブレット等の情報端末において、手書き入力以外の方法によって簡単、且つ正確に文字入力を行うことができる。
以上、本発明の実施形態に係る文字入力装置10及び文字入力方法について詳述したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。上記の文字入力装置10に係る従属文字選択処理60では、第2接触点の移動方向及びその変化を検出したが、第2接触点のタップを検出することによっても従属文字選択処理を動作させて従属文字を決定することができる。
図7のフローチャートに示す従属文字選択処理80では、ステップS81において、制御部14は第2接触検出部20bが検出した第2接触点の座標を記憶部16に格納すると共に、代表文字選択処理50で選択された代表文字、例えば「た」が表示部18に表示された状態で、代表文字「た」に従属する「た・ち・つ・て・と」で構成される「た行」の従属文字グループ34内の文字が選択可能な状態となる。(図8(f)参照)。なお、図8は、本実施形態の従属文字選択処理80に係る文字入力方法を示し、符号40は第1接触点、符号42は第2接触点を示すが、図8(a)〜(e)に示した入力状態については、上記の実施形態に係る代表文字選択処理50と同様であるため説明を省略する。
次に、ステップS82において、第2接触点のタップの有無を検出する。例えば、第2接触点のタップを1回検出することによって、ステップS83において、従属文字グループ34内で従属文字「た」から従属文字「ち」への文字送りが行われて表示部18に「ち」が表示される(図8(g)参照)。なお、ステップS82において第2接触点のタップが検出されない場合はステップS86に進む。
ステップS83において、従属文字グループ34内で文字が1文字送られると、ステップS84に進んで第1の接触の有無が検出される。ステップS84において第1接触点の接触状態が維持されていれば再びステップS81において、ステップS82に係る第2接触点のタップ時の座標が記憶部16に格納されることとなる。以降、ステップS82においてタップが検出されと、従属文字グループ34内において従属文字「ち」から「つ」へ文字の送り動作が行われ、タップの回数に応じて「つ」→「て」→「と」→「た」・・・と従属文字の送り動作が行われる。
一方、ステップS84において第1の接触が検出されなかった場合、つまり第1の接触及び第2の接触の何れもが検出されなかった場合、ステップS85において従属文字が決定され、従属文字選択処理80が終了する。なお、ステップS82において、第2接触点のタップが検出されなかった場合はステップS86へ進み、ステップS86において所定時間を経過したと判断された場合は従属文字の選択状態が解除されて、代表文字選択処理50に係るステップS54に戻って再び代表文字の選択状態となる。また、ステップS86において、所定時間を経過していないと判断された場合は、再びステップS82に戻って第2接触点のタップの有無を検出することとなる。
そして、従属文字選択処理80の終了に伴い、ステップS85において決定された従属文字が文字入力70によって入力され、本実施形態に係る文字入力装置10の動作が終了する。
次に、本発明の文字入力装置の他の実施形態について詳述する。図9は、本発明の他の実施形態に係る文字入力装置10aを内蔵したタブレットPC100の主要な構成を示すブロック図である。同図に示したように、本実施形態に係る文字入力装置10aの構成は、上記の実施形態に係る文字入力装置10の構成とほぼ同様であるが、本実施形態に係る文字入力装置10aは、制御部14に第3操作検出部22c及び付属文字選択部24cを更に含んで構成されている。
まず、本実施形態の文字入力装置10aに係る文字群30aは、図2(b)に示すように、まず文字群30と同様、代表文字グループ32が50音表のあ段に属する文字「あ・か・さ・た・な・は・ま・や・ら・わ」で構成され、「あ」を代表文字とする従属文字グループ34が「あ行」に属する「あ・い・う・え・お」で構成されている。以下同様に、代表文字「か」の従属文字グループ34が「か行」の「か・き・く・け・こ」で構成され、代表文字「さ」の従属文字グループ34が「さ行」の「さ・し・す・せ・そ」で構成されている。そして、文字群30aでは更に、従属文字グループ34を構成する各従属文字に付属する付属文字で構成される付属文字グループ38を含んで構成されている。例えば、「は」を代表文字とする従属文字グループ34が「は行」に属する「は・ひ・ふ・へ・ほ」で構成され、従属文字「は」の付属文字が「ば・ぱ」、従属文字「ひ」の付属文字が「び・ぴ」のように構成されて、これら「ば・び・ぶ・べ・ぼ」や「ぱ・ぴ・ぷ・ぺ・ぽ」によって付属文字グループ38が構成されている。
本実施形態の文字入力装置10aに係る第3操作検出部22cは、第1接触点及び第2接触点の接触状態が維持されたままの状態で、第2接触検出部20bが検出する第2の接触に係る第2接触点が入力面に接触状態のままスライド移動したときの第3移動方向及び第3移動方向の変化を検出する。第3移動方向及びその変化の検出については、第1移動方向及びその変化の検出とほぼ同様であるが、具体的には、入力面における第2接触点の位置情報の変化を検出する。そして、所定の2点を結ぶ直線のXY座標上におけるX成分とY成分とを比較することによって第3移動方向及びその変化を検出する。例えば、第2接触点のスライド移動を直線移動とし、第2移動方向を入力面における上下方向、第3移動方向を入力面における左右方向とした場合、第2接触点を入力面において下方向に移動させたとき、第2操作検出部22bは第2接触点の最初の第2移動方向を検出し、上方向に第2移動方向を変化させたとき、つまり第2接触点の第2移動方向を下方向から上方向へ折り返したときに第2操作検出部22bは第2接触点の第2移動方向が変化したことを検出する。
更に、第2接触点を入力面において右方向に移動させたとき、第3操作検出部22cは第2接触点の最初の第3移動方向を検出し、左方向に第3移動方向を変化させたとき、つまり第2接触点の第3移動方向を右方向から左方向へ折り返したときに第3操作検出部22cは第2接触点の第3移動方向が変化したことを検出する。
付属文字選択部24cは、第3操作検出部22cで検出された第2接触点の第3移動方向及びその変化に応じて、従属文字選択部24bで選択された従属文字と、この従属文字に付属する付属文字との間で送り動作を行う。例えば、入力面における第2接触点のスライド移動を直線移動とし、第3移動方向を左右方向とした場合、代表文字選択部24aで選択された代表文字が「は」、従属文字選択部24bで選択された従属文字が「ふ」であって、第2接触検出部20bが第2の接触を検出している状態であれば、「ふ」の付属文字選択状態となっている。そして、第2接触点が入力面において右方向に移動することによって第3操作検出部22cが第2接触点の第3移動方向を検出し、従属文字「ふ」から、「ふ」の付属文字「ぶ」へ送り動作が行われる。第2接触点の移動方向が左方向へ変化したとき、付属文字「ぶ」から付属文字「ぷ」へ送り動作が行われ、以降、第3移動方向の変化に応じて「ぷ」→「ふ」→「ぶ」→「ぷ」・・・と従属文字を含む付属文字の送り動作が行われる。
なお、例えば、第2接触点のスライド移動を直線移動とし、第2移動方向を入力面における上下方向、第3移動方向を入力面における左右方向とした場合、代表文字「は」の従属文字グループ34に属する「ふ」の付属文字「ぶ」が選択されている状態で、第2移動方向を変化させることによって、「は行」の従属文字グループ34に付属する「ば・び・ぶ・べ・ぼ」で構成される付属文字グループ38内で文字送りをすることも可能である。つまり、付属文字「ぶ」が選択されている状態で第2接触点を入力面において下方向に移動させることによって第2操作検出部22bが第2接触点の第2移動方向を検出し、付属文字グループ38内において付属文字「ぶ」から付属文字「べ」へ送り動作が行われ、第2接触点を入力面において上方向に移動させることによって第2操作検出部22bが第2接触点の第2移動方向の変化を検出して、付属文字「べ」から付属文字「ぼ」へ送り動作が行われる。
本実施形態に係る文字入力装置10aの動作について、図3(b)、図10に示したフローチャートに基づいて説明する。本実施形態の文字入力装置10aは、図3(b)に示すように、基本的にはまず代表文字選択処理50が動作し、次に従属文字選択処理60又は従属文字選択処理80が動作した後、付属文字選択処理80が動作することによって入力したい文字が決定され、決定された文字が入力(文字入力70)されることによって終了する。
付属文字選択処理90が動作するためには、入力部12に係る入力面への第1接触点及び第2接触点の接触状態が維持されたままでなければならない。図10に示すように、ステップS91において、制御部14は第2接触検出部20bが検出した第2接触点の座標を記憶部16に格納すると共に、従属文字選択処理60(80)で選択された従属文字、例えば「ふ」が表示部18に表示された状態で、従属文字「ふ」及び従属文字「ふ」の付属文字「ぶ・ぷ」が選択可能な状態となる。
次に、ステップS92において、記憶部16に時系列で格納された第2接触点の各座標を繋ぎ合わせた軌跡を算出し、第3操作検出部22cにおいて第2接触点の第3移動方向及び第3移動方向の変化の有無を検出する。例えば、第2接触点の第3移動方向を左右方向とした場合、ステップS92において、第2接触点が入力面において右方向に移動したことを第3操作検出部22cが検出することによって、ステップS93において、従属文字選択処理60(80)で選択された従属文字と、この従属文字の付属文字との間で文字送りが行われる。つまり、従属文字選択処理60(80)で選択された従属文字が「ふ」の場合、第3操作検出部22cが第2接触点の右方向の移動を検出することによって、従属文字「ふ」から付属文字「ぶ」への文字送りが行われて表示部18に「ぶ」が表示される。なお、ステップS92において第2接触点の第3移動方向及びその変化が検出されない場合はステップS94に進む。
ステップS93において、従属文字とこの付属文字との間で文字が1文字送られると、ステップS94に進んで第2の接触の有無が検出される。ステップS94において第2の接触が検出されれば、ステップS95において第1の接触の有無が検出され、第1接触点の接触状態が維持されていれば再びステップS91において第2接触点の座標が記憶部16に格納されることとなる。以降、第3移動方向が右方向から左方向へ変化したとき、付属文字「ぶ」から「ぷ」へ文字の送り動作が行われ、第3移動方向の変化に応じて「ぷ」→「ふ」→「ぶ」→「ぷ」・・・と従属文字と付属文字との間で文字の送り動作が行われる。
一方、ステップS94において第2の接触が検出されなかった場合は、ステップS96に進む。そして、ステップS96において第1の接触の有無が検出され、第1の接触が検出されなかった場合、つまり第1の接触及び第2の接触の何れもが検出されなかった場合、ステップS97において付属文字が決定され、付属文字選択処理90が終了する。なお、ステップS96において第1の接触が検出された場合は、付属文字の選択状態が解除されて、代表文字選択処理50に係るステップS54に戻って再び代表文字の選択状態となる。
付属文字選択処理90の終了に伴い、ステップS97において決定された付属文字が文字入力70によって入力され、本実施形態に係る文字入力装置10aの動作が終了する。
次に、図11に基づいて、本実施形態の文字入力装置10aに係る文字入力方法を説明する。例えば、ユーザが「ぷ」を入力したい場合、まず図11(a)に示すように、本実施形態の文字入力装置10aを内蔵したタブレットPC100の入力部12に係る入力面において第1の接触を検出すると、文字入力動作が開始され、代表文字の選択状態となる。
ここで、第1の接触に係る第1接触点40のスライド移動を直線移動とし、第1移動方向を上下方向とした場合、同図(b)に示すように、第1接触点40を入力面においてまず下方向に移動させることによって、代表文字グループ32内での文字の順送りが行われて最初の代表文字「あ」が表示部18に表示され、代表文字「あ」から始まる代表文字選択状態となる。次に、同図(c)に示すように、第1接触点40の第1移動方向を下方向から上方向へ変化させたとき、代表文字グループ32内において代表文字「あ」から「か」へ文字の送り動作が行われ、同図(d)に示すように、第1移動方向を変化させることによって「か」→「さ」→「た」→「な」→「は」と代表文字の送り動作が行われる。
続いて、同図(e)に示すように、入力部12に係る入力面への第1接触点40の接触状態を維持した状態で、第2の接触に係る第2接触点42を入力面に接触させると、「は」が表示部18に表示された状態で、代表文字「は」に従属する「は・ひ・ふ・へ・ほ」で構成される「は行」の従属文字グループ34内の文字が選択可能な状態となる。
次に、例えば、第2接触点42のスライド移動を直線移動とし、第2移動方向を上下方向とした場合、同図(f)に示すように、第2接触点42を入力面において下方向に移動させることによって、従属文字グループ34内で従属文字「は」から「ひ」への文字送りが行われて表示部18に「ひ」が表示される。次に、同図(g)に示すように、第2接触点42の第2移動方向を下方向から上方向へ変化させたとき、従属文字「ひ」から「ふ」へ文字の送り動作が行われる。
そして、例えば、第2接触点42の第3移動方向を左右方向とした場合、同図(h)に示すように、第2接触点を入力面において右方向に移動させることによって、従属文字「ふ」から従属文字「ふ」の付属文字「ぶ」へ文字送りが行われて表示部18に「ぶ」が表示される。続いて、同図(i)に示すように、第2接触点の第3移動方向を右方向から左方向へ変化させたとき、付属文字「ぶ」から「ぷ」へ文字の送り動作が行われる。最終的に、第1の接触及び第2の接触を解除する、即ち入力面から第1接触点40及び第2接触点42の何れも離したときに、最後に選択・表示されていた「ぷ」が入力文字として確定し、入力されることとなる。
なお、同図(j)(k)に示すように、第2接触点42の第3移動方向を変化させることによって、付属文字「ぷ」から従属文字「ふ」、付属文字「ぶ」へと順次、文字の送り動作が行われる。更に、同図(l)に示すように、付属文字「ぶ」が選択されている状態で、第2接触点42の第2移動方向を変化させる、即ち第2接触点42を下方向に移動させることによって、付属文字「ぶ」を含む付属文字グループ38内で付属文字「ぶ」から「べ」への文字の送り動作が行われ、同図(m)に示すように、第2移動方向を上方向へ変化させることによって、付属文字「べ」から「ぼ」への送り動作が行われる。
以上、本発明の種々の実施形態について詳述したが、本発明の技術的思想を実質的に限定するものと解してはならない。例えば、第1接触点及び第2接触点のスライド移動は、上記の各実施形態に係る直線移動に限定されず、回転移動であってもよく、直線移動と回転移動及びタップを適宜、組み合わせて文字入力を実施することも可能である。但し、第2移動方向と第3移動方向は異ならせる必要がある。
具体的には、図12に基づいて、本実施形態に係る文字入力方法を説明する。例えば、ユーザが「つ」を入力したい場合、まず図12(a)に示すように、本発明の文字入力装置を内蔵したタブレットPC100の入力部12に係る入力面において第1の接触を検出すると、文字入力動作が開始され、代表文字の選択状態となる。
ここで、第1の接触に係る第1接触点40のスライド移動を回転移動とし、第1移動方向を時計回りとした場合、同図(b)に示すように、第1接触点40を入力面においてまず時計回りに移動させることによって、代表文字グループ32内での文字の順送りが行われて最初の代表文字「あ」が表示部18に表示され、代表文字「あ」から始まる代表文字選択状態となる。なお、スライド移動が回転移動の場合は、第1接触点が時計回りに半回転以上したときを移動方向の変化として検出し、文字の送り動作を行う構成となっているが、当該移動方向の変化を検出するアルゴリズムは公知のものが適用可能であり、角度による検出、所定の2点を結ぶ直線のXY座標上におけるX成分とY成分との比較による検出等、特に限定されるものではない。
次に、同図(c)に示すように、第1接触点の回転移動が半回転以上したとき、代表文字グループ32内において代表文字「あ」から「か」へ文字の送り動作が行われる。以降、同図(d)、(e)に示すように、第1移動方向を時計回りとし、第1接触点が半回転する毎に第1移動方向の変化を検出して「か」→「さ」→「た」と代表文字の送り動作が行われる。
続いて、同図(f)に示すように、入力部12に係る入力面への第1接触点40の接触状態を維持した状態で、第2の接触に係る第2接触点42を入力面に接触させると、「た」が表示部18に表示された状態で、代表文字「た」に従属する「た・ち・つ・て・と」で構成される「た行」の従属文字グループ34内の文字が選択可能な状態となる。
そして、例えば、第2接触点42のスライド移動を回転移動とし、第2移動方向を時計回りとした場合、同図(g)に示すように、第2接触点を入力面において時計回りに移動させることによって、従属文字グループ34内で従属文字「た」から従属文字「ち」への文字送りが行われて表示部18に「ち」が表示され、更に第2接触点42の回転移動が時計回りに半回転以上したとき、従属文字「ち」から「つ」へ文字送りが行われる。最終的に、第1の接触及び第2の接触を解除する、即ち入力面から第1接触点40及び第2接触点42の何れも離したときに、最後に選択・表示されていた「つ」が入力文字として確定し、入力されることとなる。
或いは、第2接触点42のスライド移動を直線移動とし、第2移動方向を上下方向とした場合、同図(i)に示すように、第2接触点42を入力面において下方向に移動させることによって、従属文字グループ34内で従属文字「た」から「ち」への文字送りが行われて表示部18に「ち」が表示され、更に第2移動方向を上方向へ変化させることによって従属文字「ち」から「つ」へ文字送りが行われる。
また別の態様として、第2接触点42のタップを検出する場合、同図(k)に示すように、第2接触点42のタップを1回検出することによって、従属文字グループ34内で従属文字「た」から文字「ち」への文字送りが行われて表示部18に「ち」が表示され、更に第2接触点42のタップが検出されと従属文字「ち」から「つ」へ文字の送り動作が行われる。
また、図13に示すように、例えば、第1接触点40のスライド移動を直線移動とし、第1移動方向を上下方向とした場合、最初の第1移動方向の向きによって、代表文字を「あ」からではなく「わ」から文字送りすることも可能である。具体的には、同図(a)に示すように、入力部12に係る入力面において第1の接触を検出すると、文字入力動作が開始されて代表文字の選択状態となり、同図(b)に示すように、第1接触点40を入力面においてまず上方向に移動させることによって、代表文字グループ32内での文字の逆送りが行われて最初の代表文字「わ」が表示部18に表示され、代表文字「わ」から始まる代表文字選択状態となる。次に、同図(c)に示すように、第1接触点40の第1移動方向を上方向から下方向へ変化させたとき、代表文字グループ32内において代表文字「わ」から「ら」へ文字の送り動作が行われる。以降、同図(d)に示すように、第1移動方向を変化させることによって「ら」→「や」と代表文字の送り動作が行われる。
続いて、同図(e)に示すように、入力部12に係る入力面への第1接触点40の接触状態を維持した状態で、第2の接触に係る第2接触点42を入力面に接触させると、「や」が表示部18に表示された状態で、代表文字「や」に従属する「や・ゆ・よ」で構成される「や行」の従属文字グループ34内の文字が選択可能な状態となる。
そして、例えば、第2接触点42のスライド移動を直線移動とし、第2移動方向を上下方向とした場合、同図(f)に示すように、第2接触点を入力面において下方向に移動させることによって、従属文字グループ34内で従属文字「や」から「ゆ」への文字送りが行われて表示部18に「ゆ」が表示される。最終的に、第1の接触及び第2の接触を解除する、即ち入力面から第1接触点40及び第2接触点42の何れも離したときに、最後に選択・表示されていた「ゆ」が入力文字として確定し、入力されることとなる。なお、同図(e)の状態から第2接触点42を入力面において上方向に移動させることによって、従属文字グループ34内で従属文字「や」から「よ」へ文字送りを行うことも可能である。
また、図14に示すように、第1接触点40のスライド移動を回転移動とした場合、同図(a)〜(d)で示すように、第1接触点40を時計回りに回転させて代表文字を「あ」から「さ」へと正順で文字送りした後、同図(e)に示すように、第1接触点40を反時計回りに回転させることによって、「さ」から「か」へ逆順に文字送りを行うことも可能であり、再び第1接触点40を時計回りに回転させることによって、同図(f)に示すように、「か」から「さ」へ正順での文字送りが可能である。なお、当該入力方法は第2接触点についても可能であり、更には図12に示した文字入力方法においても実施可能である。
また更に、各図に示した文字入力方法においては、第1の接触に係る第1接触点を人差し指の指先、第2の接触に係る第2接触点を中指の指先とする片手のみを使用した文字入力方法を例示したが、本発明では両手を使用して文字入力を行うことも可能である。例えば、タブレットPC100を両手で持ち、左手の親指の指先を第1の接触に係る第1接触点、右手の親指の指先を第2の接触に係る第2接触点として、本発明に係る文字入力装置の操作、及び文字入力方法を実施できる。この場合、第2接触点をスライド移動させる際は、第1接触点は入力面に接触させておくのみでスライド移動させる必要はない。
また、上記の種々の実施形態では、制御部14に係る代表文字選択部24a、従属文字選択部24b、付属文字選択部24cで選択中の文字、並びに入力文字決定部26で決定された文字を表示部18に表示させたが、表示部18への表示と共に、或いは表示部18へ表示させずに、スピーカーやイヤホン等の音声出力部(不図示)から代表文字選択部24a等で選択中の文字や入力文字決定部26で決定された文字を音声出力させることも可能である。或いは、本発明の文字入力装置と有線または無線接続された点字ディスプレイ等の触覚デバイスから出力させることも可能である。音声出力部や触覚デバイスから出力させることによって、視覚障害者にとって文字入力が更に簡便となる。本発明はその要旨を逸脱しない範囲で、当業者の創意と工夫により、適宜に改良、変更又は追加をしながら実施できる。