JP2015129922A - 光学異方性膜 - Google Patents

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忠弘 小林
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Abstract

【課題】透明性が高い光学異方性膜を提供する。【解決手段】nz>nx>nyの屈折率関係を有する光学異方性膜であって、重合性液晶化合物の重合物及び有機変性ポリシロキサンを含む光学異方性膜の提供。(式中、nzは、光学異方性膜が形成する屈折率楕円体において、膜平面に対して垂直な方向の屈折率を表す。nxは、光学異方性膜が形成する屈折率楕円体において、膜平面対して平行な方向の主屈折率を表す。nyは、光学異方性膜が形成する屈折率楕円体において、膜平面に対して平行であり、且つ、該nxの方向に対して直交する方向の屈折率を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、光学異方性膜に関する。
フラットパネル表示装置(FPD)には、偏光板、位相差板などの光学異方性膜を含む部材が用いられている。このような光学異方性膜として、重合性液晶化合物を含む組成物を基材上に塗布することにより製造された光学異方性膜が知られている。例えば、特許文献1には、配向処理を施した基材上に、重合性液晶化合物を含む組成物を塗布することにより塗布膜を得て、該塗布膜中の重合性液晶化合物を重合させることにより形成された光学異方性膜が記載されている。
特開2007−148098号公報
従来の光学異方性膜は透明性が十分ではなかった。
本発明は以下の発明を含む。
[1] nz>nx>nyの屈折率関係を有する光学異方性膜であって、
重合性液晶化合物の重合物及び有機変性ポリシロキサンを含む光学異方性膜。
(式中、nzは、光学異方性膜が形成する屈折率楕円体において、膜平面に対して垂直な方向の屈折率を表す。nxは、光学異方性膜が形成する屈折率楕円体において、膜平面に対して平行な方向の主屈折率を表す。nyは、光学異方性膜が形成する屈折率楕円体において、膜平面に対して平行であり、且つ、該nxの方向に対して直交する方向の屈折率を表す。)
[2] 有機変性ポリシロキサンの含有量が、光学異方性膜100質量部に対して0.1〜30質量部である[1]に記載の光学異方性膜。
[3] 重合性液晶化合物の重合物が、重合性液晶化合物が垂直配向した状態で重合した重合物である[1]又は[2]に記載の光学異方性膜。
[4] 有機変性ポリシロキサンが、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン構造を有する[1]〜[3]のいずれかに記載の光学異方性膜。
[5] 水の接触角が70°〜100°である[1]〜[4]のいずれかに記載の光学異方性膜。
[6] 重合性液晶化合物及び有機変性ポリシロキサンを含む光学異方性膜形成用組成物から得られる[1]〜[5]のいずれかに記載の光学異方性膜。
[7] IPS(in-plane switching)液晶表示装置用の[1]〜[6]のいずれかに記載の光学異方性膜。
[8] [1]〜[7]のいずれかに記載の光学異方性膜を備える位相差フィルム。
[9] [1]〜[7]のいずれかに記載の光学異方性膜を備える偏光板。
[10] [1]〜[7]のいずれかに記載の光学異方性膜を備える表示装置。
[11] 重合性液晶化合物及び有機変性ポリシロキサンを含む光学異方性膜形成用組成物であって、有機変性ポリシロキサンの含有量が、重合性液晶化合物100質量部に対して0.1質量部〜30質量部である光学異方性膜形成用組成物。
[12] さらにイソシアナート基を有する化合物を含む[11]に記載の組成物。
本発明の光学異方性膜は、透明性が高い。
本発明に係る偏光板の一例を示す模式図である。 本発明に係る液晶表示装置の一例を示す模式図である。
本発明の光学異方性膜(以下、本光学異方性膜ということがある。)は、重合性液晶化合物の重合物及び有機変性ポリシロキサンを含む。好ましくは、重合性液晶化合物の重合物を主成分として含む。
<光学異方性膜>
本光学異方性膜は、光学異方性膜が形成する屈折率楕円体において、膜平面に対して平行な方向の主屈折率をnx、膜平面に対して平行であり且つ該nxの方向に対して直交する方向の屈折率をny、膜平面に対して垂直な方向の屈折率をnzとした場合、nz>nx>nyで表される屈折率関係を有する。
本光学異方性膜の、550nmの光に対する正面位相差値Re(550)は、好ましくは0〜10nmであり、より好ましく0〜5nmである。厚み方向の位相差値Rthは、好ましくは−10nm〜−300nmであり、より好ましくは−20nm〜−200nmである。本光学異方性膜の中でも、このような光学特性を有するものは、特にIPS(in-plane switching)モードの液晶表示装置の補償に適する。
Rthは、面内の進相軸を傾斜軸として50度傾斜させて測定される位相差値R50と面内の位相差値Rとから算出することができる。すなわち、Rthは、面内の位相差値R、進相軸を傾斜軸として50度傾斜させて測定した位相差値R50、光学異方性膜の厚みd、及び光学異方性膜の平均屈折率nから、以下の式(9)〜(11)によりnx、ny及びnzを求め、これらを式(8)に代入して、算出することができる。
Rth=[(nx+ny)/2−nz]×d (8)
R0 =(nx−ny)×d (9)
R50=(nx−ny')×d/cos(φ) (10)
(nx+ny+nz)/3=n (11)
ここで、
φ=sin−1〔sin(50°)/n
ny'=ny×nz/〔ny×sin(φ)+nz×cos(φ)〕1/2
光学異方性膜の厚さは、0.1μm〜10μmが好ましく、光弾性を小さくする点で0.2μm〜5μmがより好ましい。
重合性液晶化合物の配向の状態には、水平配向、垂直配向、ハイブリッド配向及び傾斜配向等があるが、好ましくは垂直配向である。本光学異方性膜は、垂直配向した重合性液晶化合物の重合物を含むのが好ましい。
水平、垂直等の表現は、光学異方性膜平面を基準とした重合性液晶化合物の長軸の配向方向を表す。垂直配向とは光学異方性膜平面に対して垂直な方向に重合性液晶化合物の長軸を有することである。ここでいう垂直とは、90°±20°のことである。
本光学異方性膜の表面の水の接触角は、本光学異方性膜の表面のぬれ性が高く、本光学異方性膜への接着剤等の塗布を容易にするため、好ましくは70°〜100°であり、より好ましくは80°〜95°であり、さらに好ましくは85°〜95°である。
本光学異方性膜のヘイズ値は、通常1.5%以下であり、好ましくは0.5%以下であり、より好ましくは0.3%以下であり、さらに好ましくは0.25%以下である。ヘイズ値が低いほど、透明性が高いことを意味する。
本光学異方性膜の厚み分布は、通常5%以下であり、好ましくは4%以下であり、より好ましくは3%未満であり、さらに好ましくは2%以下である。
<有機変性ポリシロキサン>
有機変性ポリシロキサンとしては、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、アルキル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン及びアラルキル変性ポリジメチルシロキサンが挙げられ、好ましくは、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンである。
有機変性ポリシロキサンは公知の方法で製造することができ、例えば、特開平4―242499号公報の合成例1、2、3及び4や、特開平9−165318号公報の参考例に記載の方法等により製造することができる。また、市販の材料を用いることもでき、具体的には、TSF4445、TSF4446(GE東芝シリコーン(株)製)、SH200、SH3746M、DC3PA、ST869A(東レ・ダウコーニング(株)製)、KPシリーズ(信越化学工業(株)製)、BYK−302、BYK−306、BYK−307、BYK−330、BYK−370(ビックケミージャパン社製)等が挙げられる。
有機変性ポリシロキサンは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
有機変性ポリシロキサンの含有量は、本光学異方性膜100質量部に対して、通常0.1〜30質量部であり、好ましくは0.1〜10質量部であり、より好ましくは0.2〜1質量部である。
本光学異方性膜は、通常、重合性液晶化合物及び有機変性ポリシロキサン含む光学異方性膜形成用組成物を基材に塗布し、塗布された重合性液晶化合物を重合することにより製造される。
<基材>
基材は、樹脂基材であることが好ましい。
樹脂基材は、通常透明樹脂基材である。透明樹脂基材とは、光、特に可視光を透過し得る透光性を有する基材を意味し、透光性とは、波長380nm〜780nmにわたる光線に対しての透過率が80%以上となる特性をいう。樹脂基材には、通常フィルム状のものが用いられ、好ましくは長尺フィルムロールが用いられる。
基材を構成する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマー等のポリオレフィン;ポリビニルアルコール;ポリエチレンテレフタレート;ポリメタクリル酸エステル;ポリアクリル酸エステル;セルロースエステル;ポリエチレンナフタレート;ポリカーボネート;ポリスルフォン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリフェニレンスルフィド;およびポリフェニレンオキシドが挙げられる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマー等のポリオレフィンからなる基材が好ましい。
基材には、表面処理を施してもよい。表面処理の方法としては、例えば、真空から大気圧の雰囲気下で、コロナまたはプラズマで基材の表面を処理する方法、基材表面をレーザー処理する方法、基材表面をオゾン処理する方法、基材表面をケン化処理する方法、基材表面を火炎処理する方法、基材表面にカップリング剤を塗布する方法、基材表面をプライマー処理する方法、及び、反応性モノマーや反応性を有するポリマーを基材表面に付着させた後に放射線、プラズマ又は紫外線を照射して反応させるグラフト重合法などが挙げられる。中でも、真空から大気圧の雰囲気下で、基材表面をコロナまたはプラズマ処理する方法が好ましい。
コロナまたはプラズマで基材の表面処理を行う方法としては、大気圧近傍の圧力下で、対向した電極間に基材を設置し、コロナまたはプラズマを発生させて、基材の表面処理を行う方法、対向した電極間にガスを流し、電極間でガスをプラズマ化し、プラズマ化したガスを基材に吹付ける方法、および、低圧条件下で、グロー放電プラズマを発生させて、基材の表面処理を行う方法が挙げられる。
中でも、大気圧近傍の圧力下で、対向した電極間に基材を設置し、コロナまたはプラズマを発生させて、基材の表面処理を行う方法、または、対向した電極間にガスを流し、電極間でガスをプラズマ化し、プラズマ化したガスを基材に吹付ける方法が好ましい。かかるコロナまたはプラズマによる表面処理は、通常、市販の表面処理装置により行われる。
基材は、基材の光学異方性膜形成用組成物を塗布する面とは反対の面に保護フィルムを有していてもよい。保護フィルムとしては、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート及びポリオレフィンなどのフィルム、並びに、当該フィルムにさらに粘着層を有するフィルム等が挙げられる。中でも、乾燥時における熱変形が小さいため、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。保護フィルムを、光学異方性膜形成用組成物を塗布する面とは反対の面に有することで、基材搬送時のフィルムのゆれや塗布面のわずかな振動を抑えることができ、塗膜の均一性を向上させることができる。
基材の厚さは、通常5μm〜300μmであり、好ましくは20μm〜200μmである。
長尺フィルムロールの長尺方向の長さは、通常10m〜3000mであり、好ましくは100m〜2000mである。長尺フィルムロールの短尺方向の長さは、通常0.1m〜5mであり、好ましくは0.2m〜2mである。
<配向膜>
基材の、光学異方性膜形成用組成物が塗布される面には、好ましくは配向膜が形成されている。
配向膜とは、後述する重合性液晶化合物を所望の方向に配向させる、配向規制力を有するものである。
配向膜としては、光学異方性膜形成用組成物の塗布等により溶解しない溶剤耐性を有し、また、溶剤の除去や重合性液晶化合物の配向のための加熱処理における耐熱性を有するものが好ましい。配向膜としては、配向性ポリマーを含む配向膜、光配向膜及び、表面に凹凸パターンや複数の溝を有するグルブ配向膜等が挙げられる。
このような配向膜は、重合性液晶化合物の配向を容易にする。また、配向膜の種類やラビング条件によって、水平配向、垂直配向、ハイブリッド配向、傾斜配向等の様々な配向の制御が可能である。
配向膜の厚さは、通常10nm〜10000nmの範囲であり、好ましくは10nm〜1000nmの範囲であり、より好ましくは500nm以下であり、さらに好ましくは10nm〜200nmの範囲である。
<配向性ポリマーを含む配向膜>
配向性ポリマーとしては、アミド結合を有するポリアミドやゼラチン類、イミド結合を有するポリイミド及びその加水分解物であるポリアミック酸、ポリビニルアルコール、アルキル変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリオキサゾール、ポリエチレンイミン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸エステル類が挙げられる。中でも、ポリビニルアルコールが好ましい。2種以上の配向性ポリマーを組み合わせてもよい。
配向性ポリマーを含む配向膜は、通常、配向性ポリマーが溶剤に溶解した配向性ポリマー組成物を基材に塗布し、溶剤を除去する、又は、配向性ポリマー組成物を基材に塗布し、溶剤を除去し、ラビングすることで得られる。
前記溶剤としては、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル等のエステル溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶剤、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤、アセトニトリル等のニトリル溶剤、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル溶剤、及び、クロロホルム、クロロベンゼン等の塩素化炭化水素溶剤が挙げられる。溶剤は、二種以上を組み合わせてもよい。
配向性ポリマー組成物中の配向性ポリマーの濃度は、配向性ポリマーが溶剤に完溶する範囲であればよい。配向性ポリマー組成物に対する配向性ポリマーの含有量は、好ましくは0.1〜20%であり、より好ましくは0.1〜10%である。
配向性ポリマー組成物は、市場から入手できる。市販の配向性ポリマー組成物としては、サンエバー(登録商標、日産化学工業(株)製)、オプトマー(登録商標、JSR(株)製)等が挙げられる。
配向性ポリマー組成物を基材に塗布する方法としては、スピンコ−ティング法、エクストルージョン法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、スリットコーティング法、バーコーティング法、アプリケータ法等の塗布法、フレキソ法等の印刷法等の公知の方法が挙げられる。光学異方性膜を、後述するRoll to Roll形式の連続的製造方法により製造する場合、当該塗布方法としては通常、グラビアコーティング法、ダイコーティング法又はフレキソ法等の印刷法が採用される。
配向性ポリマー組成物に含まれる溶剤を除去する方法としては、自然乾燥、通風乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥およびこれらを組み合わせた方法が挙げられる。乾燥温度は、10〜250℃が好ましく、25〜200℃がより好ましい。乾燥時間は、溶剤の種類にもよるが、5秒間〜60分間が好ましく、10秒間〜30分間がより好ましい。
配向性ポリマー組成物から形成された塗布膜には、ラビング処理を施してもよい。ラビング処理を施すことにより、前記塗布膜に配向規制力を付与することができる。
ラビング処理の方法としては、ラビング布が巻きつけられ、回転しているラビングロールに、前記塗布膜を接触させる方法が挙げられる。
ラビング処理を行う時に、マスキングを行えば、配向の方向が異なる複数の領域(パターン)を配向膜に形成することもできる。
<光配向膜>
光配向膜は、通常、光反応性基を有するポリマー又はモノマーと溶剤とを含む光配向膜形成用組成物を基材に塗布し、偏光(好ましくは、偏光UV)を照射することで得られる。光配向膜は、照射する偏光の偏光方向を選択することにより、配向規制力の方向を任意に制御することができる。
光反応性基とは、光照射することにより配向能を生じる基をいう。具体的には、光照射により生じる分子の配向誘起反応、異性化反応、光二量化反応、光架橋反応もしくは光分解反応等の配向能の起源となる光反応に関与する基が挙げられる。中でも、光二量化反応又は光架橋反応に関与する基が、配向性に優れる点で好ましい。光反応性基としては、不飽和結合、特に二重結合を有する基が好ましく、炭素−炭素二重結合(C=C結合)、炭素−窒素二重結合(C=N結合)、窒素−窒素二重結合(N=N結合)及び炭素−酸素二重結合(C=O結合)からなる群より選ばれる少なくとも一つを有する基が特に好ましい。
C=C結合を有する光反応性基としては、ビニル基、ポリエン基、スチルベン基、スチルバゾ−ル基、スチルバゾリウム基、カルコン基及びシンナモイル基が挙げられる。C=N結合を有する光反応性基としては、芳香族シッフ塩基、芳香族ヒドラゾン等の構造を有する基が挙げられる。N=N結合を有する光反応性基としては、アゾベンゼン基、アゾナフタレン基、芳香族複素環アゾ基、ビスアゾ基、ホルマザン基、及び、アゾキシベンゼン構造を有する基が挙げられる。C=O結合を有する光反応性基としては、ベンゾフェノン基、クマリン基、アントラキノン基及びマレイミド基が挙げられる。これらの基は、アルキル基、アルコキシ基、アリ−ル基、アリルオキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、ハロゲン化アルキル基等の置換基を有していてもよい。
中でも、光二量化反応に関与する光反応性基が好ましく、配向に必要な偏光照射量が比較的少なく、かつ、熱安定性や経時安定性に優れる光配向膜が得られやすいという点で、シンナモイル基及びカルコン基が好ましい。光反応性基を有するポリマーとしては、当該ポリマー側鎖の末端部が桂皮酸構造となるようなシンナモイル基を有するものが特に好ましい。
光配向膜形成用組成物を基材上に塗布することにより、基材上に光配向誘起層を形成することができる。該組成物に含まれる溶剤としては、上述の配向性ポリマー組成物に含まれる溶剤と同様のものが挙げられ、光反応性基を有するポリマー又はモノマーの溶解性に応じて選択することができる。
光配向膜形成用組成物中の光反応性基を有するポリマー又はモノマーの含有量は、ポリマー又はモノマーの種類や目的とする光配向膜の厚みによって調節でき、少なくとも0.2質量%とすることが好ましく、0.3〜10質量%の範囲がより好ましい。光配向膜の特性が著しく損なわれない範囲で、光配向膜形成用組成物は、ポリビニルアルコ−ルやポリイミド等の高分子材料や光増感剤を含んでいてもよい。
光配向膜形成用組成物を基材に塗布する方法としては、配向性ポリマー組成物を基材に塗布する方法と同様の方法が挙げられる。塗布された光配向膜形成用組成物から、溶剤を除去する方法としては、配向性ポリマー組成物から溶剤を除去する方法と同じ方法が挙げられる。
偏光を照射するには、基材上に塗布された光配向膜形成用組成物から、溶剤を除去したものに直接、偏光を照射する形式でも、基材側から偏光を照射し、偏光を透過させて照射する形式でもよい。また、当該偏光は、実質的に平行光であると好ましい。照射する偏光の波長は、光反応性基を有するポリマー又はモノマーの光反応性基が、光エネルギーを吸収し得る波長領域のものがよい。具体的には、波長250nm〜400nmの範囲のUV(紫外線)が特に好ましい。当該偏光を照射する光源としては、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、KrF、ArF等の紫外光レ−ザ−等が挙げられる。中でも、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ及びメタルハライドランプが、波長313nmの紫外線の発光強度が大きいため好ましい。前記光源からの光を、適当な偏光層を通過して照射することにより、偏光UVを照射することができる。偏光層としては、偏光フィルター、グラントムソン及び、グランテ−ラ−等の偏光プリズム、並びに、ワイヤーグリッドタイプの偏光層が挙げられる。
偏光照射を行う時に、マスキングを行えば、配向の方向が異なる複数の領域(パターン)を、配向膜に形成することができる。
<グルブ配向膜>
グルブ(groove)配向膜は、膜表面に凹凸パターン又は複数のグルブ(溝)を有する膜である。等間隔に並んだ複数の直線状のグルブを有する膜に液晶分子を置いた場合、その溝に沿った方向に液晶分子が配向する。
グルブ配向膜を得る方法としては、感光性ポリイミド膜表面にパターン形状のスリットを有する露光用マスクを介して露光後、現像及びリンス処理を行って凹凸パターンを形成する方法、表面に溝を有する板状の原盤に、硬化前のUV硬化樹脂層を形成し、樹脂層を基材へ移してから硬化する方法、及び、基材上に形成した硬化前のUV硬化樹脂の膜に、複数の溝を有するロール状の原盤を押し当てて凹凸を形成し、その後硬化する方法等が挙げられる。具体的には、特開平6−34976号公報及び、特開2011−242743号公報記載の方法等が挙げられる。
上記方法の中でも、複数の溝を有するロール状の原盤を、硬化前のUV硬化樹脂層表面に押し当てて凹凸を形成し、その後硬化する方法が好ましい。ロール状原盤としては、耐久性の観点からステンレス(SUS)鋼が好ましい。
UV硬化樹脂としては、単官能アクリレート、多官能アクリレート又はこれらの混合物が挙げられる。
単官能アクリレートとは、アクリロイルオキシ基(CH=CH−COO−)及びメタクリロイルオキシ基(CH=C(CH)−COO−)からなる群より選ばれる基(以下、(メタ)アクリロイルオキシ基と記すこともある。)を1個有する化合物である。また、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
(メタ)アクリロイルオキシ基を1個有する単官能アクリレートとしては、炭素数4から16のアルキル(メタ)アクリレート、炭素数2から14のβカルボキシアルキル(メタ)アクリレート、炭素数2から14のアルキル化フェニル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及びイソボニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多官能アクリレートとは、2以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物であり、(メタ)アクリロイルオキシ基を2から6個有する化合物が好ましい。
(メタ)アクリロイルオキシ基を2個有する多官能アクリレートとしては、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート;1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート;テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジアクリレート;ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル;エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート;プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート;エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート及び3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシ基を3〜6個有する多官能アクリレートとしては、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート;エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物;
トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物;
カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物;カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、及びカプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物等が挙げられる。
カプロラクトン変性とは、(メタ)アクリレート化合物のアルコール由来部位と(メタ)アクリロイルオキシ基との間に、カプロラクトンの開環体、又は、開環重合体が導入されていることを意味する。
多官能アクリレートは市場から入手することができる。市販品としては、A−DOD−N、A−HD−N、A−NOD−N、APG−100、APG−200、APG−400、A−GLY−9E、A−GLY−20E、A−TMM−3、A−TMPT、AD−TMP、ATM−35E、A−TMMT、A−9550、A−DPH、HD−N、NOD−N、NPG、TMPT[新中村化学(株)]、“ARONIX M−220”、同“M−325”、同“M−240”、同“M−270”同“M−309”同“M−310”、同“M−321”、同“M−350”、同“M−360”、同“M−305”、同“M−306”、同“M−450”、同“M−451”、同“M−408”、同“M−400”、同“M−402”、同“M−403”、同“M−404”、同“M−405”、同“M−406”[東亜合成(株)]、“EBECRYL11”、同“145”、同“150”、同“40”、同“140”、同“180”、DPGDA、HDDA、TPGDA、HPNDA、PETIA、PETRA、TMPTA、TMPEOTA、DPHA、EBECRYLシリーズ[ダイセル・サイテック(株)]等を挙げることができる。
配向乱れの小さな配向を得るためには、グルブ配向膜の凸部の幅は0.05μm〜5μmであることが好ましく、凹部の幅は0.1μm〜5μmであることが好ましく、凹凸の段差の深さは2μm以下であることが好ましく、0.01μm〜1μm以下であることが好ましい。
<光学異方性膜形成用組成物>
光学異方性膜形成用組成物に含まれる有機変性ポリシロキサンとしては上記したものと同じものが挙げられる。
光学異方性膜形成用組成物における有機変性ポリシロキサンの含有量は、重合性液晶化合物100質量部に対して、通常0.1〜30質量部であり、好ましくは0.1〜10質量部であり、より好ましくは0.2〜1質量部である。
<重合性液晶化合物>
重合性液晶化合物としては、例えば、式(X)で表される基を含む化合物(以下「化合物(X)」という場合がある)が挙げられる。重合性液晶化合物は一種類でもよいし、異なる構造の化合物を複数組み合わせてもよい。
11−B11−E11−B12−A11−B13− (X)
[式(X)中、P11は、水素原子又は重合性基を表わす。
11は、2価の脂環式炭化水素基または2価の芳香族炭化水素基を表わす。該2価の脂環式炭化水素基および2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基で置換されていてもよく、該炭素数1〜6のアルキル基および該炭素数1〜6アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。
11は、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−NR16−、−NR16−CO−、−CO−、−CS−または単結合を表わす。R16は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表わす。
12およびB13は、それぞれ独立に、−C≡C−、−CH=CH−、−CH−CH−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−C(=O)−NR16−、−NR16−C(=O)−、−OCH−、−OCF−、−CHO−、−CFO−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−または単結合を表わす。
11は、炭素数1〜12のアルカンジイル基を表わし、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルコキシ基で置換されていてもよく、該アルコキシ基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。また、該アルカンジイル基を構成する−CH−は、−O−または−CO−に置き換わっていてもよい。]
11の芳香族炭化水素基および脂環式炭化水素基の炭素数は、3〜18の範囲であることが好ましく、5〜12の範囲であることがより好ましく、5または6であることが特に好ましい。A11としては、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、1,4−フェニレン基が好ましい。
11としては、直鎖状の炭素数1〜12のアルカンジイル基が好ましい。該アルカンジイル基を構成する−CH−は、−O−に置き換っていてもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、へキサン−1,6−ジイル基、へプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基およびドデカン−1,12−ジイル基等の炭素数1〜12の直鎖状アルカンジイル基;−CH−CH−O−CH−CH−、−CH−CH−O−CH−CH−O−CH−CH−および−CH−CH−O−CH−CH−O−CH−CH−O−CH−CH−等が挙げられる。
11としては、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−が好ましく、中でも、−CO−O−がより好ましい。
12およびB13としては、それぞれ独立に、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−が好ましく、中でも、−O−または−O−C(=O)−O−がより好ましい。
11で示される重合性基としては、重合反応性、特に光重合反応性が高いという点で、ラジカル重合性基またはカチオン重合性基が好ましく、取り扱いが容易な上、液晶化合物の製造も容易であることから、重合性基は、下記の式(P−11)〜式(P−15)のいずれかで表わされる基、またはp−スチルベン基であることが好ましい。
Figure 2015129922
[式(P−11)〜(P−13)中、
17〜R21はそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基または水素原子を表わす。]
式(P−11)〜式(P−13)で表わされる基の具体例としては、下記式(P−16)〜式(P−20)で表わされる基が挙げられる。
Figure 2015129922
11は、式(P−14)〜式(P−20)のいずれかで表わされる基、またはp−スチルベン基であることが好ましく、ビニル基、p−スチルベン基、エポキシ基またはオキセタニル基がより好ましい。
11−B11−で表わされる基が、アクリロイルオキシ基またはメタアクリロイルオキシ基であることがさらに好ましい。
化合物(X)としては、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)または式(VI)で表わされる化合物が挙げられる。
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-A14-B16-E12-B17-P12 (I)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-A14-F11 (II)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-E12-B17-P12 (III)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-F11 (IV)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-E12-B17-P12 (V)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-F11 (VI)
(式中、
12〜A14はそれぞれ独立に、A11と同義であり、B14〜B16はそれぞれ独立に、B12と同義であり、B17は、B11と同義であり、E12は、E11と同義である。
11は、水素原子、炭素数1〜13のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、ジメチルアミノ基、ヒドロキシ基、メチロール基、ホルミル基、スルホ基(−SOH)、カルボキシ基、炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基またはハロゲン原子を表わし、該アルキル基およびアルコキシ基を構成する−CH−は、−O−に置き換っていてもよい。
12は、水素原子又は重合性基を表わし、好ましくは重合性基である。重合性基としては、上記P11と同様の重合性基が挙げられる。P11及びP12は少なくとも一方が、重合性基である。)
重合性液晶化合物の具体例としては、液晶便覧(液晶便覧編集委員会編、丸善(株)平成12年10月30日発行)の「3.8.6 ネットワーク(完全架橋型)」、「6.5.1 液晶材料 b.重合性ネマチック液晶材料」に記載された化合物の中で重合性基を有する化合物、特開2010−31223号公報、特開2010−270108号公報、特開2011−6360号公報および特開2011−207765号公報記載の重合性液晶化合物が挙げられる。
化合物(X)の具体例としては、下記式(I−1)〜式(I−4)、式(II−1)〜式(II−4)、式(III−1)〜式(III−26)、式(IV−1)〜式(IV−26)、式(V−1)〜式(V−2)および式(VI−1)〜式(VI−6)で表わされる化合物が挙げられる。なお、下記式中、k1およびk2は、それぞれ独立して、2〜12の整数を表わす。これらの化合物(X)は、その合成の容易さ、または、入手の容易さの点で、好ましい。
Figure 2015129922
Figure 2015129922
Figure 2015129922
Figure 2015129922
Figure 2015129922
Figure 2015129922
Figure 2015129922
Figure 2015129922
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光学異方性膜形成用組成物における重合性液晶化合物の含有量は、光学異方性膜形成用組成物100質量部に対して、通常5〜50質量部であり、好ましくは10〜30質量部である。
光学異方性膜形成用組成物には、上記重合性液晶化合物及び有機変性ポリシロキサンに加えて、溶剤、重合開始剤、重合禁止剤、光増感剤、レベリング剤、カイラル剤、反応性添加剤等が含まれてもよい。光学異方性膜形成用組成物には好ましくは重合開始剤が含まれる。
<溶剤>
溶剤としては、重合性液晶化合物等の光学異方性膜形成用組成物の構成成分を溶解し得る有機溶剤が好ましく、重合性液晶化合物等の光学異方性膜形成用組成物の構成成分を溶解し得る溶剤であって、且つ、重合性液晶化合物の重合反応に不活性な溶剤がより好ましい。
具体的には、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、フェノール等のアルコール溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル等のエステル溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶剤;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の非塩素化脂肪族炭化水素溶剤;トルエン、キシレン等の非塩素化芳香族炭化水素溶剤;アセトニトリル等のニトリル溶剤;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル溶剤;およびクロロホルム、クロロベンゼン等の塩素化炭化水素溶剤;が挙げられる。二種以上の有機溶剤を組み合わせて用いてもよい。中でも、アルコール溶剤、エステル溶剤、ケトン溶剤、非塩素化脂肪族炭化水素溶剤および非塩素化芳香族炭化水素溶剤が好ましい。
溶剤の含有量は、固形分100質量部に対して、10〜10000質量部が好ましく、より好ましくは100〜5000質量部である。光学異方性膜形成用組成物中の固形分濃度は、通常1〜90質量%であり、好ましくは2〜50質量%であり、より好ましくは5〜50質量%である。”固形分”とは、光学異方性膜形成用組成物から溶剤を除いた成分の合計を意味する。
<重合開始剤>
重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましく、光照射によりラジカルを発生する光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンジルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、α−アセトフェノン化合物、トリアジン化合物、ヨードニウム塩およびスルホニウム塩が挙げられる。具体的には、イルガキュア(Irgacure)907、イルガキュア184、イルガキュア651、イルガキュア819、イルガキュア250、イルガキュア369(以上、全てチバ・ジャパン株式会社製)、セイクオールBZ、セイクオールZ、セイクオールBEE(以上、全て精工化学株式会社製)、カヤキュアー(kayacure)BP100(日本化薬株式会社製)、カヤキュアーUVI−6992(ダウ社製)、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170(以上、全て株式会社ADEKA製)、TAZ−A、TAZ−PP(以上、日本シイベルヘグナー社製)およびTAZ−104(三和ケミカル社製)を挙げることができる。中でも、α−アセトフェノン化合物が好ましく、α−アセトフェノン化合物としては、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オン及び2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−(4−メチルフェニルメチル)ブタン−1−オン等が挙げられ、より好ましくは2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン及び2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オンが挙げられる。α−アセトフェノン化合物の市販品としては、イルガキュア369、379EG、907(以上、BASFジャパン(株)製)及びセイクオールBEE(精工化学社製)等が挙げられる。
重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の配向を乱すことなく重合性液晶化合物を重合するためには、重合性液晶化合物100質量部に対して、通常0.1〜30質量部であり、好ましくは0.5〜10質量部である。
<重合禁止剤>
重合禁止剤は、重合性液晶化合物の重合反応をコントロールすることができる。
重合禁止剤としては、ハイドロキノンおよびアルキルエーテル等の置換基を有するハイドロキノン類;ブチルカテコール等のアルキルエーテル等の置換基を有するカテコール類;ピロガロール類、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル等のラジカル補足剤;チオフェノール類;β−ナフチルアミン類およびβ−ナフトール類が挙げられる。
重合禁止剤の含有量は、重合性液晶化合物の配向を乱すことなく、重合性液晶化合物を重合するためには、重合性液晶化合物100質量部に対して、通常0.1〜30質量部であり、好ましくは0.5〜10質量部である。
<光増感剤>
光増感剤としては、キサントン、チオキサントン等のキサントン類;アントラセンおよびアルキルエーテル等の置換基を有するアントラセン類;フェノチアジン;ルブレンが挙げられる。
光増感剤を用いることにより、光重合開始剤を高感度化することができる。光増感剤の含有量は、重合性液晶化合物100質量部に対して、通常0.1〜30質量部であり、好ましくは0.5〜10質量部である。
<レベリング剤>
レベリング剤としては、ポリアクリレート系およびパーフルオロアルキル系のレベリング剤が挙げられる。具体的には、フロリナート(fluorinert)(登録商標)FC−72、同FC−40、同FC−43、同FC−3283(以上、全て住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)R−08、同R−30、同R−90、同F−410、同F−411、同F−443、同F−445、同F−470、同F−477、同F−479、同F−482、同F−483(以上、いずれもDIC(株)製)、エフトップ(商品名)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(以上、全て三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S−381、同S−382、同S−383、同S−393、同SC−101、同SC−105、KH−40、SA−100(以上、全てAGCセイミケミカル(株)製)、商品名E1830、同E5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)、BM−1000、BM−1100、BYK−352、BYK−353及びBYK−361N(いずれも商品名:BM Chemie社製)が挙げられる。2種以上のレベリング剤を組み合わせてもよい。
レベリング剤を用いることにより、より平滑な光学異方性膜を形成することができる。また、光学異方性膜の製造過程で、光学異方性膜形成用組成物の流動性を制御したり、光学異方性膜の架橋密度を調整したりすることができる。レベリング剤の含有量は、重合性液晶化合物100質量部に対して、通常0.1〜30質量部であり、好ましくは0.1〜10質量部である。
<カイラル剤>
カイラル剤としては、公知のカイラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)が挙げられる。
カイラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もカイラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物としては、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が挙げられる。
具体的には、特開2007−269640号公報、特開2007−269639号公報、特開2007−176870号公報、特開2003−137887号公報、特表2000−515496号公報、特開2007−169178号公報および特表平9−506088号公報に記載されているような化合物が挙げられ、好ましくはBASFジャパン(株)製のpaliocolor(登録商標) LC756である。
カイラル剤の含有量は、重合性液晶化合物の配向を乱すことなく、重合性液晶化合物を重合するためには、重合性液晶化合物100質量部に対して、通常0.1〜30質量部であり、好ましくは1.0〜25質量部である。
<反応性添加剤>
反応性添加剤としては、その分子内に炭素−炭素不飽和結合と活性水素反応性基とを有するものが好ましい。なお、ここでいう「活性水素反応性基」とは、カルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)、アミノ基(−NH)等の活性水素を有する基に対して反応性を有する基を意味し、エポキシ基、オキサゾリン基、カルボジイミド基、アジリジン基、イミド基、イソシアナート基、チオイソシアナート基、無水マレイン酸基等がその代表例である。
反応性添加剤において、活性水素反応性基は少なくとも2つ存在すると好ましく、この場合、複数存在する活性水素反応性基は同一でも、異なるものであってもよい。
反応性添加剤が有する炭素−炭素不飽和結合は、炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合又は、それらの組み合わせであってよく、好ましくは炭素−炭素二重結合である。中でも、反応性添加剤が、ビニル基及び/又は(メタ)アクリル基を含むと好ましい。さらに、活性水素反応性基が、エポキシ基、グリシジル基及びイソシアナート基からなる群から選ばれる少なくとも1種であるものが好ましく、アクリル基と、イソシアナート基とを有する反応性添加剤が特に好ましい。
反応性添加剤の具体例としては、メタクリロキシグリシジルエーテルやアクリロキシグリシジルエーテルなどの、(メタ)アクリル基とエポキシ基とを有する化合物;オキセタンアクリレートやオキセタンメタクリレートなどの、(メタ)アクリル基とオキセタン基とを有する化合物;ラクトンアクリレートやラクトンメタクリレートなどの、(メタ)アクリル基とラクトン基とを有する化合物;ビニルオキサゾリンやイソプロペニルオキサゾリンなどの、ビニル基とオキサゾリン基とを有する化合物;イソシアナートメチルアクリレート、イソシアナートメチルメタクリレート、2−イソシアナートエチルアクリレート及び20イソシアナートエチルメタクリレートなどの、(メタ)アクリル基とイソシアナート基とを有する化合物のオリゴマー等が挙げられる。また、メタクリル酸無水物、アクリル酸無水物、無水マレイン酸及びビニル無水マレイン酸などの、ビニル基やビニレン基と酸無水物とを有する化合物などが挙げられる。中でも、メタクリロキシグリシジルエーテル、アクリロキシグリシジルエーテル、イソシアナートメチルアクリレート、イソシアナートメチルメタクリレート、ビニルオキサゾリン、2−イソシアナートエチルアクリレート、2−イソシアナートエチルメタクリレート及び前記のオリゴマーが好ましく、イソシアナートメチルアクリレート、2−イソシアナートエチルアクリレート及び前記のオリゴマーが特に好ましい。
この好ましい反応性添加剤は、下記式(Y)で表される。
Figure 2015129922
[式(Y)中、
nは1〜10までの整数を表わし、R1’は、炭素数2〜20の2価の脂肪族又は脂環式炭化水素基、或いは炭素数5〜20の2価の芳香族炭化水素基を表わす。各繰り返し単位にある2つのR2’は、一方が−NH−であり、他方が>N−C(=O)−R3’で示される基である。R3’は、水酸基又は炭素−炭素不飽和結合を有する基を表す。
式(Y)中のR3’のうち、少なくとも1つのR3’は炭素−炭素不飽和結合を有する基である。]
前記式(Y)で表される反応性添加剤の中でも、下記式(YY)で表される化合物(以下、場合により「化合物(YY)」という。)が特に好ましい(なお、nは前記と同じ意味である)。
Figure 2015129922
化合物(YY)には、市販品をそのまま又は必要に応じて精製して用いることができる。市販品としては、例えば、Laromer(登録商標)LR−9000(BASF社製)等が挙げられる。
反応性添加剤の含有量は、重合性液晶化合物100質量部に対して、通常0.1〜30質量部であり、好ましくは0.1〜5質量部である。
<塗布>
光学異方性膜形成用組成物を基材に塗布する方法としては、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、CAPコーティング法、スリットコーティング法、ダイコーティング法等が挙げられる。また、ディップコーター、バーコーター、スピンコーター等のコーターを用いて塗布する方法等も挙げられる。中でも、RolltoRoll形式で連続的に塗布できる点で、CAPコーティング法、インクジェット法、ディップコーティング法、スリットコーティング法、ダイコーティング法およびバーコーターによる塗布方法が好ましい。RolltoRoll形式で塗布する場合、基材に配向膜を形成し、さらに得られた配向膜上に光学異方性膜形成用組成物を連続的に塗布することもできる。
重合性液晶化合物を重合する方法としては、光重合が好ましい。光重合によれば、低温で重合を実施できるため、耐熱性の観点で、用いる樹脂基材の選択幅が広がる。光重合反応は、通常、可視光、紫外光又はレーザー光を照射することにより行われ、好ましくは紫外光を照射することで行われる。
光照射は、塗布された光学異方性膜形成用組成物が溶剤を含む場合は、当該溶剤を乾燥し除去した後に行うのが好ましい。乾燥は、光照射と並行して行ってもよいが、光照射を行う前に、ほとんどの溶剤を除去することが好ましい。
乾燥する方法としては、通常の乾燥方法が挙げられる。通常の乾燥方法としては、自然乾燥、通風乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥およびこれらを組み合わせた方法が挙げられ、中でも、自然乾燥または加熱乾燥が好ましい。乾燥温度は、0〜250℃の範囲が好ましく、50〜220℃の範囲がより好ましく、80〜170℃の範囲がさらに好ましい。乾燥時間は、10秒間〜60分間が好ましく、より好ましくは30秒間〜30分間である。
光学異方性膜がネマチック相等の液晶相を示す場合に、モノドメイン配向による複屈折性を有する。本光学異方性膜は、重合性液晶化合物の配向が固定化されているため、熱による複屈折の変化の影響を受けにくい。
本光学異方性膜は、視野角補償フィルム、視野角拡大フィルム、反射防止フィルム、偏光板、円偏光板、楕円偏光板又は輝度向上フィルムに使用される位相差フィルムとして使用することができる。
さらに、本光学異方性膜は、重合性液晶化合物の配向状態によって光学特性を変化させることができ、VA(vertical alignment)モード、IPS(in-plane switching)モード、OCB(optically compensated bend)モード、TN(twisted nematic)モード、STN(super twisted nematic)モード等の液晶表示装置の位相差フィルムに使用することができる。
本光学異方性膜は、偏光板を構成する部材としても有用である。本発明の偏光板は、本光学異方性膜を少なくとも一つ含むものである。
偏光板の具体例としては、図1(a)〜図1(e)で示される偏光板が挙げられる。図1(a)で示される偏光板4aは、位相差フィルム1と、偏光フィルム2とが、直接積層された偏光板であり、図1(b)で示される偏光板4bは、位相差フィルム1と偏光フィルム2とが、接着剤層3’を介して貼り合わされた偏光板である。図1(c)で示される偏光板4cは、位相差フィルム1と、位相差フィルム1’とを積層させ、さらに、位相差フィルム1’と偏光フィルム2とを積層させた偏光板であり、図1(d)で示される偏光板4dは、位相差フィルム1と、位相差フィルム1’とを接着剤層3を介して貼り合わせ、さらに、位相差フィルム1’上に偏光フィルム2を積層させた偏光板である。図1(e)で示される偏光板4eは、位相差フィルム1と、位相差フィルム1’とを接着剤層3を介して貼り合わせ、さらに、位相差フィルム1’と偏光フィルム2とを接着剤層3’を介して貼り合せた偏光板である。”接着剤”とは、接着剤および/または粘着剤の総称を意味する。上記位相差フィルム1及び位相差フィルム1’からなる群から選ばれる少なくも一つには本光学異方性膜が含まれる。
偏光フィルム2は、偏光機能を有するフィルムであればよい。当該フィルムとしては、吸収異方性を有する色素を吸着させた延伸フィルム、及び、吸収異方性を有する色素を塗布したフィルム等が挙げられる。吸収異方性を有する色素としては、ヨウ素及びアゾ化合物等の二色性色素が挙げられる。
吸収異方性を有する色素を吸着させた延伸フィルムとしては、ポリビニルアルコール系フィルムに二色性色素を吸着させて延伸したフィルム及び、ポリビニルアルコール系フィルムを延伸して二色性色素を吸着させたフィルム等が挙げられる。
吸収異方性を有する色素を塗布したフィルムとしては、液晶性を有する二色性色素を含む組成物又は、二色性色素と重合性液晶化合物とを含む組成物を塗布して得られるフィルム等が挙げられる。
偏光機能を有するフィルムは、好ましくは、その片面又は両面に保護フィルムを有する。当該保護フィルムとしては、上記した基材と同一のものが挙げられる。
前記吸収異方性を有する色素を吸着させた延伸フィルムとしては、具体的には、特許第3708062号、特許第4432487号等に記載の偏光板が挙げられる。
前記吸収異方性を有する色素を塗布したフィルムとしては、具体的には、特開2012−33249号公報等に記載の偏光フィルムが挙げられる。
偏光フィルム2の厚みは薄い方が好ましいが、薄すぎると強度が低下し、加工性に劣る傾向がある。偏光フィルムの厚さは、通常0.1μm〜300μmであり、好ましくは1μm〜200μmであり、より好ましくは5μm〜100μmである。
接着剤層3および接着剤層3’を形成する接着剤は、透明性が高く、耐熱性に優れた接着剤であることが好ましい。そのような接着剤としては、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤およびウレタン系接着剤が挙げられる。
本光学異方性膜は表示装置に用いることができる。該表示装置としては、光学異方性膜と液晶パネルとが貼り合わされた液晶パネルを備える液晶表示装置、および、光学異方性膜と発光層とが貼り合わされた有機エレクトロルミネッセンス(以下、「EL」ともいう)パネルを備える有機EL表示装置等が挙げられる。本光学異方性膜を備えた表示装置の実施形態として、液晶表示装置について説明する。
液晶表示装置としては、図2(a)および図2(b)に示す液晶表示装置10aおよび10bが挙げられる。図2(a)に示す液晶表示装置10aでは、本発明の偏光板4と液晶パネル6とが、接着層5を介して貼り合わされている。図2(b)に示す液晶表示装置10bでは、本発明の偏光板4が液晶パネル6の一方の面に、本発明の偏光板4’が液晶パネル6の他方の面に、接着層5および接着層5’をそれぞれ介して貼り合わされた構造を有している。これら液晶表示装置では、図示しない電極を用いて、液晶パネルに電圧を印加することにより、液晶分子の配向が変化し、白黒表示が実現できる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。なお、例中の「%」および「部」は、特記ない限り、質量%および質量部を意味する。
[配向膜形成用組成物の調製]
配向膜形成用組成物の組成を、表1に示す。市販の配向性ポリマーであるサンエバーSE−610(日産化学工業株式会社製)にN−メチル−2−ピロリドン、2−ブトキシエタノールおよびエチルシクロヘキサンを加えて配向膜形成用組成物(1)を得た。
Figure 2015129922

表1の値は、調製した組成物の全量に対する各成分の含有割合を表す。SE−610については、固形分量を納品仕様書に記載の濃度から換算した。
[光学異方性膜形成用組成物の調製]
光学異方性膜形成用組成物の組成を表2に示す。各成分を混合し、得られた溶液を80℃で1時間攪拌した後、室温まで冷却し、光学異方性膜形成用組成物(1)〜(4)を得た。
Figure 2015129922

表2における括弧内の値は、調製した組成物の全量に対する各成分の含有割合を表す。
表2におけるLR9000は、BASFジャパン社製のLaromer(登録商標)LR−9000を、Irg907は、BASFジャパン社製のイルガキュア907を、BYK330は、ビックケミージャパン製の有機変性ポリシロキサンを、LC242は、下記式で示されるBASF社製の重合性液晶化合物を、PGMEAは、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタートを表す。
Figure 2015129922
実施例1
常圧プラズマ表面処理装置(ロールダイレクトヘッド型 AP−T04S−R890、積水化学工業株式会社製)を用いて、窒素と酸素とを含む雰囲気(体積比 窒素:酸素=99.9:0.1)下で、1.3kV下の条件でプラズマを発生させて、ロール状のシクロオレフィンポリマーフィルム(ZF−14、日本ゼオン株式会社製)の表面を100m処理した。プラズマ処理を施したシクロオレフィンポリマーフィルム表面に、ダイコーターを用いて配向膜形成用組成物(1)を塗布し、90℃の熱風乾燥炉に搬送して1分間乾燥して配向膜を得た。続いて、得られた配向膜の表面に、ダイコーターを用いて光学異方性膜形成用組成物(1)を塗布し、80℃の乾燥炉に搬送して1分間乾燥し、高圧水銀ランプ(GSユアサ株式会社製)を用いて、紫外線を、波長365nmにおいて160W/cmの照度で照射し、光学異方性膜(1)を備えるロール状の位相差フィルム(1)を得た。
比較例1
常圧プラズマ表面処理装置(ロールダイレクトヘッド型 AP−T04S−R890、積水化学工業株式会社製)を用いて、窒素と酸素とを含む雰囲気(体積比 窒素:酸素=99.9:0.1)下で、1.3kV下の条件でプラズマを発生させて、ロール状のシクロオレフィンポリマーフィルム(ZF−14、日本ゼオン株式会社製)の表面を100m処理した。プラズマ処理を施したシクロオレフィンポリマーフィルム表面に、ダイコーターを用いて配向膜形成用組成物(1)を塗布し、90℃の熱風乾燥炉に搬送して1分間乾燥して配向膜を得た。続いて、得られた配向膜の表面に、ダイコーターを用いて光学異方性膜形成用組成物(2)を塗布し、80℃の乾燥炉に搬送して1分間乾燥し、高圧水銀ランプ(GSユアサ株式会社製)を用いて、紫外線を、波長365nmにおいて160W/cmの照度で照射し、光学異方性膜(2)を備えるロール状の位相差フィルム(2)を得た。
[光学特性の測定]
位相差フィルム(1)及び(2)の位相差値を光の入射角を変えて測定し(測定機:KOBRA−WR、王子計測機器社製)、光学異方性膜に含まれる重合性液晶化合物の重合物の配向の状態を確認した。結果を表3に示す。
[接触角の測定]
位相差フィルム(1)及び(2)の光学異方性膜面の水接触角を、協和界面科学株式会社製 DropMaster700を用いて、液適法(液量:1.1μL)により測定した。結果を表3に示す。
[透明性評価]
スガ試験機株式会社製 ヘイズメーター(型式HZ−2)を用いて、ダブルビーム法で、位相差フィルム(1)及び(2)のヘイズ値を測定した。結果を表3に示す。
[厚み分布、ムラ]
光学異方性膜(1)及び(2)の厚み分布を、日本分光株式会社製 エリプソメーターM−220を用いて測定した。
また、吸収軸が直交するように配置した偏光板の間に位相差フィルム(1)及び(2)を配置し、ムラの有無を目視で確認した。結果を表3に示す。
実施例2
光学異方性膜形成用組成物(3)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で光学異方性膜(3)を備えるロール状の位相差フィルム(3)を得た。性能測定の結果を表3に示す。
実施例3
光学異方性膜形成用組成物(4)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で光学異方性膜(4)を備えるロール状の位相差フィルム(4)を得た。性能測定の結果を表3に示す。
Figure 2015129922

実施例で作製した光学異方性膜を備える位相差フィルムはヘイズ値が低く透明性が高かった。
本発明の光学異方性膜は透明性に優れるため有用である。
1、1’:位相差フィルム
2:偏光フィルム
3、3’:接着剤層
4a、4b、4c、4d、4e、4、4’:偏光板
5、5’:接着層
6:液晶パネル
10a、10b:液晶表示装置

Claims (12)

  1. nz>nx>nyの屈折率関係を有する光学異方性膜であって、
    重合性液晶化合物の重合物及び有機変性ポリシロキサンを含む光学異方性膜。
    (式中、nzは、光学異方性膜が形成する屈折率楕円体において、膜平面に対して垂直な方向の屈折率を表す。nxは、光学異方性膜が形成する屈折率楕円体において、膜平面に対して平行な方向の主屈折率を表す。nyは、光学異方性膜が形成する屈折率楕円体において、膜平面に対して平行であり、且つ、該nxの方向に対して直交する方向の屈折率を表す。)
  2. 有機変性ポリシロキサンの含有量が、光学異方性膜100質量部に対して0.1〜30質量部である請求項1に記載の光学異方性膜。
  3. 重合性液晶化合物の重合物が、重合性液晶化合物が垂直配向した状態で重合した重合物である請求項1又は2に記載の光学異方性膜。
  4. 有機変性ポリシロキサンが、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン構造を有する請求項1〜3のいずれかに記載の光学異方性膜。
  5. 水の接触角が70°〜100°である請求項1〜4のいずれかに記載の光学異方性膜。
  6. 重合性液晶化合物及び有機変性ポリシロキサンを含む光学異方性膜形成用組成物から得られる請求項1〜5のいずれかに記載の光学異方性膜。
  7. IPS(in-plane switching)液晶表示装置用の請求項1〜6のいずれかに記載の光学異方性膜。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の光学異方性膜を備える位相差フィルム。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の光学異方性膜を備える偏光板。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載の光学異方性膜を備える表示装置。
  11. 重合性液晶化合物及び有機変性ポリシロキサンを含む光学異方性膜形成用組成物であって、有機変性ポリシロキサンの含有量が、重合性液晶化合物100質量部に対して0.1質量部〜30質量部である光学異方性膜形成用組成物。
  12. さらにイソシアナート基を有する化合物を含む請求項11に記載の組成物。
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