JP2019028474A - 光学異方性フィルム - Google Patents

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Tadahiro Kobayashi
忠弘 小林
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Abstract

【課題】黒表示時の光漏れ抑制に優れる光学異方性フィルムを提供する。【解決手段】nx>nz>nyの屈折率関係を有し、nx−nzが0.005未満であり、nz−nyが0.004未満である光学異方性フィルムを提供する。R0(450)/R0(550)が、0.8〜1.2であってもよい。(式中、nzは、厚さ方向の屈折率を表す。nxは、面内において最大の屈折率を生じる方向の屈折率を表す。nyは、面内においてnxの方向に対して直交する方向の屈折率を表す。R0(550)は、550nmの光に対する正面位相差値を表し、R0(450)は、450nmの光に対する正面位相差値を表す。)【選択図】図1

Description

本発明は、光学異方性フィルムに関する。
フラットパネル表示装置(FPD)には、偏光板、位相差板などの、光学異方性フィルムを含む部材が用いられている。このような光学異方性フィルムとして、重合性液晶化合物を含む組成物を基材に塗布することにより製造された光学異方性フィルムが知られている。例えば、特許文献1には、配向処理を施した基材に、重合性液晶化合物を含む組成物を塗布することにより塗布膜を得、該塗布膜中の重合性液晶化合物を重合させることにより形成された光学異方性フィルムが記載されている。
特開2007−148098号公報
しかしながら、従来の光学異方性フィルムは、黒表示時の光漏れを抑制するという光学補償特性において十分ではなかった。
本発明は以下の発明を含む。
[1] nx>nz>nyの屈折率関係を有し、nx−nzが0.005未満であり、nz−nyが0.004未満である光学異方性フィルム。
(式中、nzは、厚さ方向の屈折率を表す。nxは、面内において最大の屈折率を生じる方向の屈折率を表す。nyは、面内においてnxの方向に対して直交する方向の屈折率を表す。)
[2] R(450)/R(550)が、0.8〜1.2である[1]に記載の光学異方性フィルム。
(R(550)は、550nmの光に対する正面位相差値を表し、R(450)は、450nmの光に対する正面位相差値を表す。)
[3] R(550)が90〜160nmであり、R50(550)が91〜170nmであり、R50(550)−R(550)が10nm以下である[1]又は[2]に記載の光学異方性フィルム。
(R(550)は前記と同じ意味を表す。R50(550)は、nyの方向の軸を傾斜軸として、厚さ方向から50°傾斜した方向から入射された550nmの光に対する位相差値を表す。)
[4] 光学異方性フィルムが、厚さ方向に光軸を有する光学異方性膜と、基材とを含む積層体である[1]〜[3]のいずれかに記載の光学異方性フィルム。
[5] 基材が、面内方向に光軸を有する[4]に記載の光学異方性フィルム。
[6] 基材のnyとnzとの差が0以上0.01以下である[4]又は[5]のいずれかに記載の光学異方性フィルム。
(ny及びnzは、前記と同じ意味を表す。)
[7] 基材と光学異方性膜との間に、厚さ1〜300nmの高分子樹脂膜を有する[4]〜[6]のいずれかに記載の光学異方性フィルム。
[8] 高分子樹脂膜のR(550)が0〜10nmである[7]に記載の光学異方性フィルム。
(R(550)は前記と同じ意味を表す。)
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の光学異方性フィルムと、偏光素子とを有する偏光板。
[10] [4]〜[8]のいずれかに記載の光学異方性フィルムの光学異方性膜の面と、偏光素子とが、接着剤層を介して積層された偏光板。
[11] [4]〜[8]のいずれかに記載の光学異方性フィルムの基材のnxの方向と、偏光素子の透過軸の方向とが直交している[10]に記載の偏光板。
(nxは、前記と同じ意味を表す。)
[12] [1]〜[8]のいずれかに記載の光学異方性フィルムを有する表示装置。
[13] [9]〜[11]のいずれかに記載の偏光板を有する表示装置。
本発明によれば、黒表示時の光漏れ抑制に優れる光学異方性フィルムを提供することができる。
本発明に係る偏光板の一例を示す模式図である。 本発明に係る偏光素子の一例を示す模式図である。 本発明に係る偏光板の一例を示す模式図である。 本発明に係る光学異方性フィルムの積層様態の一例を示す模式図である。 本発明に係る偏光板の一例を示す模式図である。 本発明に係る偏光板を有する表示装置の一例を示す模式図である。
本発明の光学異方性フィルム(以下、本光学異方性フィルムということがある。)は、nx>nz>nyの屈折率関係を有し、nx−nzが0.005未満であり、nz−nyが0.004未満である。nx−nzは好ましくは0.002未満であり、nz−nyは好ましくは0.003未満である。なお、nx>nz>nyの関係を満たすことから、nx−nz及びnz−nyは、それぞれ0よりも大きい。
式中、nzは、厚さ方向の屈折率を表す。nxは、面内において最大の屈折率を生じる方向の屈折率を表す。nyは、面内においてnxの方向に対して直交する方向の屈折率を表す。
すなわち、nzは、光学異方性フィルムが形成する屈折率楕円体において、光学異方性フィルム平面に対して垂直な方向の屈折率を表す。nxは、光学異方性フィルムが形成する屈折率楕円体において、光学異方性フィルム平面に対して平行な方向の主屈折率を表す。nyは、光学異方性フィルムが形成する屈折率楕円体において、光学異方性フィルム平面に対して平行であり、且つ、nxの方向に対して直交する方向の屈折率を表す。
本光学異方性フィルムは、550nmの光に対する正面位相差値R(550)と、450nmの光に対する正面位相差値R(450)の比R(450)/R(550)が、好ましくは0.8〜1.2であり、より好ましくは0.9〜1.2である。R(450)/R(550)が0.8〜1.2であれば、液晶セル中に含まれる液晶分子と光学特性が類似するため、光学補償特性がより優れる。
本光学異方性フィルムのR(550)は、好ましくは90〜160nmであり、より好ましくは95〜155nmであり、さらに好ましくは100〜150nmである。
本光学異方性フィルムのR40(550)は、好ましくは91〜170nmであり、より好ましくは105〜165nmであり、さらに好ましくは110〜160nmである。
40(550)は、nyの方向の軸を傾斜軸として、厚さ方向から40°傾斜した方向から入射された550nmの光に対する位相差値を表す。
ただし、R(550)とR40(550)とは、R(550)<R40(550)の関係を満たす。
40(550)は、市販の位相差測定装置を用い、nyの方向の軸を進相軸として検出し、この軸を傾斜軸として傾けることで測定することができる。nyの方向の軸を傾斜軸として傾けると、光学異方性膜の斜めからみた場合の屈折率増加分が上乗せされるため、R(550)<R40(550)となる。
本光学異方性フィルムにおける、R40(550)−R(550)は、好ましくは10nm以下である。これにより、黒表示時における各方向の視野における光漏れ抑制効果をより効果的に発現することができる。
本光学異方性フィルムとしては、例えば、液晶性材料を塗布することにより形成される膜、延伸フィルム、及び、これらを組み合わせたフィルムが挙げられる。
本光学異方性フィルムは、位相差を有する膜を複数枚積層したものでもよいし、位相差を有する膜と位相差を有さない膜とを積層したものでもよい。
本光学異方性フィルムは、好ましくは、厚さ方向に光軸を有する光学異方性膜と、基材とを含む積層体である。また、好ましくは該光学異方性膜と、基材との間に高分子樹脂膜を有する積層体である。
本明細書において光軸とは、光の入射時に最も小さい複屈折を生じる方向を意味する。
<光学異方性膜>
本発明における光学異方性膜(以下、本光学異方性膜ということがある。)の光軸は、好ましくは、本光学異方性膜の平面に対して垂直な方向、つまり、本光学異方性膜の厚さ方向に平行な方向にある。すなわち、本光学異方性膜の光軸は、好ましくは、nzの方向に対応する。
本光学異方性膜は、通常、nz>nx>nyの屈折率関係を有する。
本光学異方性膜が、上記屈折率関係を有すれば、視認方向が、本光学異方性膜平面に対する法線方向から傾斜するにつれて、光学異方性膜の複屈折量が大きくなるため、視認方向の変化に伴う補償効果を得ることが可能となる。
本光学異方性膜の正面位相差値R(550)は、通常0〜10nmであり、好ましくは0〜5nmである。
本光学異方性膜の、550nmの光に対する厚さ方向の位相差値Rth(550)は、通常−10〜−300nmであり、好ましくは−20〜−200nmである。
本光学異方性膜としては、例えば、液晶性材料を塗布することにより形成される膜及び延伸フィルムが挙げられる。光学異方性膜が液晶性材料を塗布することにより形成される膜である場合、光学異方性膜の光学特性は液晶性材料の配向状態によって調整することができる。光学異方性膜が延伸フィルムである場合、光学異方性膜の光学特性は、延伸フィルムを構成する樹脂及び、延伸フィルムの延伸方法を適宜選択することにより調整することができる。
液晶性材料としては、例えば、棒状及び円盤状の液晶化合物が挙げられる。
棒状の液晶化合物が膜面に対して垂直な方向に配向した場合は、光学異方性膜の光軸は、該液晶化合物の長軸方向と一致する。
円盤状の液晶化合物が配向した場合は、光学異方性膜の光軸は、該液晶化合物の円盤面に対して直交する方向に存在する。
延伸フィルムの遅相軸方向は延伸方法により異なり、一軸、二軸または斜め延伸等、その延伸方法に応じて遅相軸および光軸が決定される。
液晶性材料を塗布することにより形成される膜が正面位相差を発現するためには、液晶性材料を適した方向に配向させればよい。液晶性材料が棒状の液晶化合物の場合は、配向した該液晶性材料の光軸を光学異方性膜平面に対して水平にすることで正面位相差が発現する、この場合、光軸方向と遅相軸方向とは一致する。液晶性材料が円盤状の化合物の場合は、配向した該液晶性材料の光軸を光学異方性膜平面に対して水平にすることで正面位相差が発現する、この場合、光軸と遅相軸とは直交する。
光学異方性膜の正面位相差値は、光学異方性膜の厚みによって調整することができる。
正面位相差値は式(10)によって決定されることから、所望の正面位相差値R(λ)を得るためには、Δn(λ)と膜厚dを調整すればよい。液晶性材料を塗布することにより形成される光学異方性膜が、nz>nx>nyの屈折率関係を有するためには、液晶性材料を適した方向に配向させればよい。本発明において、厚み方向の位相差を発現するとは、式(20)において、Rth(厚み方向の位相差値)が負となる特性を示すものと定義する。Rthは、面内の進相軸を傾斜軸として40度傾斜させて測定される位相差値(R40)と、正面位相差値(R)とから算出することができる。すなわち、Rthは、R、R40、d(光学異方性膜の厚み)、およびn0(光学異方性膜の平均屈折率)から、以下の式(21)〜(23)によりnx、ny及びnzを求め、これらを式(20)に代入することで算出することができる。
(λ)=d×Δn(λ) (10)
式中、R(λ)は、波長λnmの光に対する正面位相差値を表し、dは膜厚を表し、Δn(λ)は波長λnmの光に対する複屈折率を表わす。
Rth=[(nx+ny)/2−nz]×d (20)
=(nx−ny)×d (21)
40=(nx−ny')×d/cos(φ) (22)
(nx+ny+nz)/3=n0 (23)
ここで、
φ=sin−1〔sin(40°)/n0〕
ny'=ny×nz/〔ny2×sin2(φ)+nz2×cos2(φ)〕1/2
複屈折率Δn(λ)は、正面位相差値を測定して、光学異方性膜の厚みで除することで得られる。具体的な測定方法は実施例に示すが、この際、ガラス基板のように基材自体に正面位相差が無い基材上に製膜したものを測定することで、実質的な光学異方性膜の特性を測定することができる。
液晶性材料が棒状の液晶化合物の場合は、配向した該液晶性材料の光軸を光学異方性膜平面に対して垂直にすることで厚さ方向の位相差が発現する。液晶性材料が円盤状の液晶化合物の場合は、配向した該液晶性材料の光軸を光学異方性膜平面に対して水平にすることで厚み方向の位相差が発現する。円盤状の液晶化合物の場合は、配向した液晶化合物の光軸が光学異方性膜平面に対して平行であるため、Rを決めると、厚さが固定され、一義的にRthが決定される。棒状の液晶化合物の場合は、配向した液晶化合物の光軸が光学異方性膜平面に対して垂直であるため、光学異方性膜の厚さを調整することでRを変化させることなくRthを調整することができる。
配向した棒状の液晶化合物の光軸が、光学異方性膜平面に対して垂直にある場合、得られる光学異方性膜の屈折率関係は、nz>nx>nyとなり、nzと遅相軸方向が一致する。
配向した円盤状の液晶化合物の光軸が、光学異方性膜平面に対して平行にある場合、得られる光学異方性膜の屈折率関係は、nz>nx>nyとなりnyと遅相軸方向が一致する。
光学異方性膜が延伸フィルムの場合、その厚さは、通常300μm以下であり、好ましくは5μm以上100μm以下であり、より好ましくは10μm以上50μm以下である。
光学異方性膜が液晶性材料を塗布することにより形成される膜の場合、その厚さは、通常20μm以下であり、好ましくは5μm以下であり、より好ましくは0.5μm以上3μm以下である。
光学異方性膜の厚さは、干渉膜厚計、レーザー顕微鏡または触針式膜厚計による測定によって求めることができる。
本光学異方性フィルムは、例えば、下記工程を行うことで製造することができる。
(1)基材の表面に、高分子樹脂膜を形成する工程
(2)得られた高分子樹脂膜の表面に、液晶性材料を含む光学異方性膜形成用組成物を塗布する工程
(3)塗布された光学異方性膜形成用組成物を乾燥して光学異方性膜を形成する工程
また、このようにして得られた光学異方性膜を基材から剥がし取り、別の基材に張り合わせて本光学異方性フィルムを得ることもできる。
液晶性材料としては、高分子液晶及び液晶化合物等が挙げられ、好ましくは液晶化合物であり、より好ましくは重合性基を有する液晶化合物である(以下、重合性液晶化合物ということがある。)。液晶性材料が重合性液晶化合物の場合、光学異方性膜形成用組成物にはさらに重合開始剤が含まれると好ましい。
高分子液晶としては、例えば、特開平7−261023号公報に記載の高分子液晶が挙げられる。
<基材>
基材は、樹脂基材であると好ましい。
樹脂基材は、通常、透明樹脂基材である。透明樹脂基材とは、光、特に可視光を透過し得る透光性を有する基材を意味し、透光性とは、波長380〜780nmにわたる光線に対しての透過率が80%以上となる特性をいう。樹脂基材は、通常、フィルム状であり、好ましくは長尺フィルム基材である。
基材は、好ましくは基材平面に対して平行方向に光軸を有しており、位相差を示すものである。位相差を有する基材と、光学異方性膜と組み合わせると、本光学異方性フィルムの光学特性を制御することが容易になる。
基材の光軸は、好ましくは基材のnxの方向に一致する。基材の光軸を基材平面に対し平行とすることで、黒表示時の各方向の視野における光漏れ抑制効果がより優れる。
本光学異方性フィルムに含まれる基材のnxは、基材のny及びnzよりも大きいことが好ましい。基材平面に平行に存在するnxが、それに直交するnyより大きく、さらに基材平面に垂直であるnzよりも大きいと、面内の複屈折が大きくなるため、より薄い基材で十分な光学特性を得ることができる。なお、この場合、基材の光軸はnxの方向に一致する。
基材が有する屈折率nyとnzとの差であるny−nzは、基材平面における複屈折が大きくなるとともに、基材平面に対して垂直な方向の複屈折がより小さくなるように制御するため、好ましくは0以上0.01以下であり、より好ましくは0以上0.005以下であり、さらに好ましくは0以上0.001以下である。
このような基材は、光学異方性膜との光学特性の調整が容易であり、光学異方性フィルムとしての光学特性を制御し易い。
このような屈折率を有する基材を得る方法としては、nx方向のみに延伸しny方向に延伸しない、溶融押出形成する、基材平面に対して水平方向に配向する液晶化合物を塗布して塗布膜を形成する、等が挙げられる。
基材を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマーなどのポリオレフィン;環状オレフィン系樹脂;ポリビニルアルコール;ポリエチレンテレフタレート;ポリメタクリル酸エステル;ポリアクリル酸エステル;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース及びセルロースアセテートプロピオネートなどのセルロースエステル;ポリエチレンナフタレート;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリフェニレンスルフィド;及びポリフェニレンオキシド等が挙げられる。好ましくは、セルロースエステル、環状オレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート又はポリメタクリル酸エステルである。
セルロースエステルは、セルロースに含まれる水酸基の少なくとも一部が、エステル化されたものであり、市場から入手することができる。また、セルロースエステルを含む基材も市場から入手することができる。市販のセルロースエステルを含む基材としては、フジタック(登録商標)フィルム(富士写真フイルム(株))、KC8UX2M(コニカミノルタオプト(株))、KC8UY(コニカミノルタオプト(株))及び、KC4UY(コニカミノルタオプト(株))等が挙げられる。
環状オレフィン系樹脂とは、ノルボルネン又は多環ノルボルネン系モノマー等の環状オレフィンの重合体、若しくはそれらの共重合体を含むものである。当該環状オレフィン系樹脂は、開環構造を含んでもよく、また、開環構造を含む環状オレフィン系樹脂を水素添加したものでもよい。また、当該環状オレフィン系樹脂は、透明性を著しく損なわず、著しく吸湿性を増大させない範囲で、鎖状オレフィン及びビニル化芳香族化合物に由来する構造単位を含んでいてもよい。また、当該環状オレフィン系樹脂は、その分子内に極性基が導入されていてもよい。
鎖状オレフィンとしては、エチレン及びプロピレン等が挙げられ、ビニル化芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン及びアルキル置換スチレン等が挙げられる。
環状オレフィン系樹脂が、環状オレフィンと、鎖状オレフィン又はビニル化芳香族化合物との共重合体である場合、環状オレフィンに由来する構造単位の含有量は、共重合体の全構造単位に対して、通常50モル%以下であり、好ましくは15〜50モル%である。
環状オレフィン系樹脂が、環状オレフィンと、鎖状オレフィンと、ビニル化芳香族化合物との三元共重合体である場合、鎖状オレフィンに由来する構造単位の含有量は、共重合体の全構造単位に対して、通常5〜80モル%であり、ビニル化芳香族化合物に由来する構造単位の含有割合は、共重合体の全構造単位に対して、通常5〜80モル%である。このような三元共重合体は、高価な環状オレフィンの使用量を比較的少なくすることができるという利点がある。
環状オレフィン系樹脂は、市場から入手できる。市販の環状オレフィン系樹脂としては、Topas(登録商標)(Ticona社(独))、アートン(登録商標)(JSR(株))、ゼオノア(ZEONOR)(登録商標)(日本ゼオン(株))、ゼオネックス(ZEONEX)(登録商標)(日本ゼオン(株))及び、アペル(登録商標)(三井化学(株))等が挙げられる。このような環状オレフィン系樹脂を、例えば、溶剤キャスト法、溶融押出法などの公知の手段により製膜して、基材とすることができる。市販の環状オレフィン系樹脂を含む基材としては、エスシーナ(登録商標)(積水化学工業(株))、SCA40(登録商標)(積水化学工業(株))、ゼオノアフィルム(登録商標)(オプテス(株))及び、アートンフィルム(登録商標)(JSR(株))等が挙げられる。
基材には、表面処理を施してもよい。表面処理の方法としては、例えば、真空から大気圧の雰囲気下で、コロナまたはプラズマで基材の表面を処理する方法、基材表面をレーザー処理する方法、基材表面をオゾン処理する方法、基材表面をケン化処理する方法、基材表面を火炎処理する方法、基材表面にカップリング剤を塗布する方法、基材表面をプライマー処理する方法、及び、反応性モノマーや反応性を有するポリマーを基材表面に付着させた後に放射線、プラズマ又は紫外線を照射して反応させるグラフト重合法などが挙げられる。中でも、真空から大気圧の雰囲気下で、基材表面をコロナまたはプラズマ処理する方法が好ましい。
コロナまたはプラズマで基材の表面処理を行う方法としては、大気圧近傍の圧力下で、対向した電極間に基材を設置し、コロナまたはプラズマを発生させて、基材の表面処理を行う方法、対向した電極間にガスを流し、電極間でガスをプラズマ化し、プラズマ化したガスを基材に吹付ける方法、および、低圧条件下で、グロー放電プラズマを発生させて、基材の表面処理を行う方法が挙げられる。
中でも、大気圧近傍の圧力下で、対向した電極間に基材を設置し、コロナまたはプラズマを発生させて、基材の表面処理を行う方法、または、対向した電極間にガスを流し、電極間でガスをプラズマ化し、プラズマ化したガスを基材に吹付ける方法が好ましい。かかるコロナまたはプラズマによる表面処理は、通常、市販の表面処理装置により行われる。
基材は、光学異方性膜形成用組成物を塗布する面とは反対の面に保護フィルムを有していてもよい。保護フィルムとしては、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート及びポリオレフィンなどのフィルム、並びに、当該フィルムにさらに接着層を有するフィルム等が挙げられる。光学異方性膜形成用組成物を塗布する面とは反対の面に接着層を有し、さらにその上に保護フィルムを有するのが好ましい。中でも、乾燥時における熱変形が小さい点で、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。保護フィルムを、偏光膜形成用組成物を塗布する面とは反対の面に有することで、基材搬送時のフィルムのゆれや塗布面のわずかな振動を抑えることができ、塗膜の均一性を向上させることができる。
基材の厚さは、実用的な取扱いができる程度の重量である点では、薄い方が好ましいが、薄すぎると強度が低下し、加工性に劣る傾向がある。基材の厚さは、通常5〜300μmであり、好ましくは20〜200μmである。
長尺フィルム基材の長手方向の長さは、通常10〜3000mであり、好ましくは100〜2000mである。基材の短手方向の長さは、通常0.1〜5mであり、好ましくは0.2〜2mである。
<高分子樹脂膜>
本光学異方性フィルムは、好ましくは、本光学異方性膜と基材との間に高分子樹脂膜を有する。高分子樹脂膜の厚さは、好ましくは1nm〜300nmであり、より好ましくは10nm〜300nmであり、さらに好ましくは10nm〜200nmである。
高分子樹脂膜の550nmの光に対する正面位相差値R(550)は、基材及び光学異方性膜の光学特性への影響を小さくするために、好ましくは0〜10nmであり、より好ましくは0〜8nmであり、さらに好ましくは0〜6nmである。
高分子樹脂膜は、液晶性材料を配向させ得る、配向規制力を有する配向膜であると好ましい。
配向膜としては、光学異方性膜形成用組成物の塗布等により溶解しない溶剤耐性を有し、また、溶剤の除去や液晶化合物の配向のための加熱処理における耐熱性を有するものが好ましい。配向膜としては、配向性ポリマーを含む配向膜、光配向膜及び、表面に凹凸パターンや複数の溝を有するグルブ配向膜等が挙げられる。
このような配向膜は、液晶性材料の配向を容易にし、また、配向膜の種類やラビング条件によって、水平配向、垂直配向、ハイブリッド配向、傾斜配向等の様々な配向の制御が可能である。
<配向性ポリマーを含む配向膜>
配向性ポリマーとしては、アミド結合を有するポリアミドやゼラチン類、イミド結合を有するポリイミド及びその加水分解物であるポリアミック酸、ポリビニルアルコール、アルキル変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリオキサゾール、ポリエチレンイミン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸エステル類が挙げられる。中でも、ポリビニルアルコールが好ましい。2種以上の配向性ポリマーを組み合わせてもよい。
配向性ポリマーを含む配向膜は、通常、配向性ポリマーが溶剤に溶解した配向性ポリマー組成物を基材に塗布し、溶剤を除去する、又は、配向性ポリマー組成物を基材に塗布し、溶剤を除去し、ラビングすることで得られる。
前記溶剤としては、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル等のエステル溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶剤、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤、アセトニトリル等のニトリル溶剤、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル溶剤、及び、クロロホルム、クロロベンゼン等の塩素化炭化水素溶剤が挙げられる。溶剤は、二種以上を組み合わせてもよい。
配向性ポリマー組成物中の配向性ポリマーの濃度は、配向性ポリマーが溶剤に完溶する範囲であればよい。配向性ポリマー組成物に対する配向性ポリマーの含有量は、好ましくは0.1〜20%であり、よりが好ましくは0.1〜10%である。
配向性ポリマー組成物は、市場から入手できる。市販の配向性ポリマー組成物としては、サンエバー(登録商標、日産化学工業(株)製)、オプトマー(登録商標、JSR(株)製)等が挙げられる。
配向性ポリマー組成物を基材に塗布する方法としては、スピンコ−ティング法、エクストルージョン法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、スリットコーティング法、バーコーティング法、アプリケータ法等の塗布法、フレキソ法等の印刷法等の公知の方法が挙げられる。光学異方性膜を、後述するRoll to Roll形式の連続的製造方法により製造する場合、当該塗布方法としては通常、グラビアコーティング法、ダイコーティング法又はフレキソ法等の印刷法が採用される。
配向性ポリマー組成物に含まれる溶剤を除去する方法としては、自然乾燥、通風乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥およびこれらを組み合わせた方法が挙げられる。乾燥温度は、10〜250℃が好ましく、25〜200℃がより好ましい。乾燥時間は、溶剤の種類にもよるが、5秒間〜60分間が好ましく、10秒間〜30分間がより好ましい。
配向性ポリマー組成物から形成された塗布膜には、ラビング処理を施してもよい。ラビング処理を施すことにより、前記塗布膜に配向規制力を付与することができる。
ラビング処理の方法としては、ラビング布が巻きつけられ、回転しているラビングロールに、前記塗布膜を接触させる方法が挙げられる。
ラビング処理を行う時に、マスキングを行えば、配向の方向が異なる複数の領域(パターン)を配向膜に形成することもできる。
<光配向膜>
光配向膜は、通常、光反応性基を有するポリマー又はモノマーと溶剤とを含む光配向膜形成用組成物を基材に塗布し、偏光(好ましくは、偏光UV)を照射することで得られる。光配向膜は、照射する偏光の偏光方向を選択することにより、配向規制力の方向を任意に制御することができる。
光反応性基とは、光照射することにより配向能を生じる基をいう。具体的には、光照射により生じる分子の配向誘起反応、異性化反応、光二量化反応、光架橋反応もしくは光分解反応等の配向能の起源となる光反応に関与する基が挙げられる。中でも、光二量化反応又は光架橋反応に関与する基が、配向性に優れる点で好ましい。光反応性基としては、不飽和結合、特に二重結合を有する基が好ましく、炭素−炭素二重結合(C=C結合)、炭素−窒素二重結合(C=N結合)、窒素−窒素二重結合(N=N結合)及び炭素−酸素二重結合(C=O結合)からなる群より選ばれる少なくとも一つを有する基が特に好ましい。
C=C結合を有する光反応性基としては、ビニル基、ポリエン基、スチルベン基、スチルバゾ−ル基、スチルバゾリウム基、カルコン基及びシンナモイル基が挙げられる。C=N結合を有する光反応性基としては、芳香族シッフ塩基、芳香族ヒドラゾン等の構造を有する基が挙げられる。N=N結合を有する光反応性基としては、アゾベンゼン基、アゾナフタレン基、芳香族複素環アゾ基、ビスアゾ基、ホルマザン基、及び、アゾキシベンゼン構造を有する基が挙げられる。C=O結合を有する光反応性基としては、ベンゾフェノン基、クマリン基、アントラキノン基及びマレイミド基が挙げられる。これらの基は、アルキル基、アルコキシ基、アリ−ル基、アリルオキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、ハロゲン化アルキル基等の置換基を有していてもよい。
中でも、光二量化反応に関与する光反応性基が好ましく、配向に必要な偏光照射量が比較的少なく、かつ、熱安定性や経時安定性に優れる光配向膜が得られやすいという点で、シンナモイル基及びカルコン基が好ましい。光反応性基を有するポリマーとしては、当該ポリマー側鎖の末端部が桂皮酸構造となるようなシンナモイル基を有するものが特に好ましい。
光配向膜形成用組成物を基材上に塗布することにより、基材上に光配向誘起層を形成することができる。該組成物に含まれる溶剤としては、上述の配向性ポリマー組成物に含まれる溶剤と同様のものが挙げられ、光反応性基を有するポリマー又はモノマーの溶解性に応じて選択することができる。
光配向膜形成用組成物中の光反応性基を有するポリマー又はモノマーの含有量は、ポリマー又はモノマーの種類や目的とする光配向膜の厚みによって調節でき、少なくとも0.2質量%とすることが好ましく、0.3〜10質量%の範囲がより好ましい。光配向膜の特性が著しく損なわれない範囲で、光配向膜形成用組成物は、ポリビニルアルコ−ルやポリイミド等の高分子材料や光増感剤を含んでいてもよい。
光配向膜形成用組成物を基材に塗布する方法としては、配向性ポリマー組成物を基材に塗布する方法と同様の方法が挙げられる。塗布された光配向膜形成用組成物から、溶剤を除去する方法としては、配向性ポリマー組成物から溶剤を除去する方法と同じ方法が挙げられる。
偏光を照射するには、基材上に塗布された光配向膜形成用組成物から、溶剤を除去したものに直接、偏光を照射する形式でも、基材側から偏光を照射し、偏光を透過させて照射する形式でもよい。また、当該偏光は、実質的に平行光であると好ましい。照射する偏光の波長は、光反応性基を有するポリマー又はモノマーの光反応性基が、光エネルギーを吸収し得る波長領域のものがよい。具体的には、波長250〜400nmの範囲のUV(紫外線)が特に好ましい。当該偏光を照射する光源としては、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、KrF、ArF等の紫外光レ−ザ−等が挙げられる。中でも、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ及びメタルハライドランプが、波長313nmの紫外線の発光強度が大きいため好ましい。前記光源からの光を、適当な偏光層を通過して照射することにより、偏光UVを照射することができる。偏光層としては、偏光フィルター、グラントムソン及び、グランテ−ラ−等の偏光プリズム、並びに、ワイヤーグリッドタイプの偏光層が挙げられる。
偏光照射を行う時に、マスキングを行えば、配向の方向が異なる複数の領域(パターン)を、配向膜に形成することができる。
<グルブ配向膜>
グルブ(groove)配向膜は、膜表面に凹凸パターン又は複数のグルブ(溝)を有する膜である。等間隔に並んだ複数の直線状のグルブを有する膜に液晶分子を置いた場合、その溝に沿った方向に液晶分子が配向する。
グルブ配向膜を得る方法としては、感光性ポリイミド膜表面にパターン形状のスリットを有する露光用マスクを介して露光後、現像及びリンス処理を行って凹凸パターンを形成する方法、表面に溝を有する板状の原盤に、硬化前のUV硬化樹脂層を形成し、樹脂層を基材へ移してから硬化する方法、及び、基材上に形成した硬化前のUV硬化樹脂の膜に、複数の溝を有するロール状の原盤を押し当てて凹凸を形成し、その後硬化する方法等が挙げられる。具体的には、特開平6−34976号公報及び、特開2011−242743号公報記載の方法等が挙げられる。
上記方法の中でも、複数の溝を有するロール状の原盤を、硬化前のUV硬化樹脂層表面に押し当てて凹凸を形成し、その後硬化する方法が好ましい。ロール状原盤としては、耐久性の観点からステンレス(SUS)鋼が好ましい。
UV硬化樹脂としては、単官能アクリレート、多官能アクリレート又はこれらの混合物が挙げられる。
単官能アクリレートとは、アクリロイルオキシ基(CH=CH−COO−)及びメタクリロイルオキシ基(CH=C(CH)−COO−)からなる群より選ばれる基(以下、(メタ)アクリロイルオキシ基と記すこともある。)を1個有する化合物である。また、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
(メタ)アクリロイルオキシ基を1個有する単官能アクリレートとしては、炭素数4から16のアルキル(メタ)アクリレート、炭素数2から14のβカルボキシアルキル(メタ)アクリレート、炭素数2から14のアルキル化フェニル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及びイソボニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多官能アクリレートとは、2以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物であり、(メタ)アクリロイルオキシ基を2から6個有する化合物が好ましい。
(メタ)アクリロイルオキシ基を2個有する多官能アクリレートとしては、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート;1,3−ブタンジオール(メタ)アクリレート;1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート;テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジアクリレート;ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル;エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート;プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート;エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート及び3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシ基を3〜6個有する多官能アクリレートとしては、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート;エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物;
トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物;
カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物;カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、及びカプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物等が挙げられる。
カプロラクトン変性とは、(メタ)アクリレート化合物のアルコール由来部位と(メタ)アクリロイルオキシ基との間に、カプロラクトンの開環体、又は、開環重合体が導入されていることを意味する。
多官能アクリレートは市場から入手することができる。市販品としては、A−DOD−N、A−HD−N、A−NOD−N、APG−100、APG−200、APG−400、A−GLY−9E、A−GLY−20E、A−TMM−3、A−TMPT、AD−TMP、ATM−35E、A−TMMT、A−9550、A−DPH、HD−N、NOD−N、NPG、TMPT[新中村化学(株)]、“ARONIX M−220”、同“M−325”、同“M−240”、同“M−270”同“M−309”同“M−310”、同“M−321”、同“M−350”、同“M−360”、同“M−305”、同“M−306”、同“M−450”、同“M−451”、同“M−408”、同“M−400”、同“M−402”、同“M−403”、同“M−404”、同“M−405”、同“M−406”[東亜合成(株)]、“EBECRYL11”、同“145”、同“150”、同“40”、同“140”、同“180”、DPGDA、HDDA、TPGDA、HPNDA、PETIA、PETRA、TMPTA、TMPEOTA、DPHA、EBECRYLシリーズ[ダイセル・サイテック(株)]等を挙げることができる。
配向乱れの小さな配向を得るためには、グルブ配向膜の凸部の幅は0.05〜5μmであることが好ましく、凹部の幅は0.1〜5μmであることが好ましく、凹凸の段差の深さは2μm以下であることが好ましく、0.01〜1μm以下であることが好ましい。
<光学異方性膜形成用組成物>
光学異方性膜形成用組成物は液晶性材料を含む。さらに、溶剤、レベリング剤、カイラル剤、重合開始剤、重合禁止剤、光増感剤及び反応性添加剤が含まれていてもよい。
液晶性材料が高分子液晶の場合、光学異方性膜形成用組成物には、好ましくは、溶剤及び、レベリング剤が含まれる。
液晶性材料が液晶化合物の場合、光学異方性膜形成用組成物には、好ましくは、溶剤、レベリング剤及び、カイラル剤等が含まれる。液晶性化合物が重合性液晶化合物の場合、さらに、重合開始剤が含まれると好ましく、さらに、重合禁止剤、光増感剤及び反応性添加剤が含まれると好ましい。
<液晶性化合物>
液晶性化合物としては、例えば、式(X)で表される基を含む化合物(以下「化合物(X)」という場合がある)が挙げられる。重合性液晶化合物としては、例えば、化合物(X)のうち、重合性基を有するものが挙げられる。液晶性化合物は一種類でもよいし、異なる構造の化合物を複数組み合わせてもよい。
11−B11−E11−B12−A11−B13− (X)
[式(X)中、P11は、水素原子又は重合性基を表わす。
11は、2価の脂環式炭化水素基または2価の芳香族炭化水素基を表わす。該2価の脂環式炭化水素基および2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基で置換されていてもよく、該炭素数1〜6のアルキル基および該炭素数1〜6アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。
11は、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−NR16−、−NR16−CO−、−CO−、−CS−または単結合を表わす。R16は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表わす。
12およびB13は、それぞれ独立に、−C≡C−、−CH=CH−、−CH−CH−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−C(=O)−NR16−、−NR16−C(=O)−、−OCH−、−OCF−、−CHO−、−CFO−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−または単結合を表わす。
11は、炭素数1〜12のアルカンジイル基を表わし、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルコキシ基で置換されていてもよく、該アルコキシ基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。また、該アルカンジイル基を構成する−CH−は、−O−または−CO−に置き換わっていてもよい。]
11で表される2価の芳香族炭化水素基および2価の脂環式炭化水素基の炭素数は、3〜18の範囲であることが好ましく、5〜12の範囲であることがより好ましく、5または6であることが特に好ましい。A11としては、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、1,4−フェニレン基が好ましい。
11で表される炭素数1〜12のアルカンジイル基としては、直鎖状の炭素数1〜12のアルカンジイル基が好ましい。炭素数1〜12のアルカンジイル基を構成する−CH−は、−O−に置き換っていてもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、へキサン−1,6−ジイル基、へプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基およびドデカン−1,12−ジイル基等の炭素数1〜12の直鎖状アルカンジイル基;−CH−CH−O−CH−CH−、−CH−CH−O−CH−CH−O−CH−CH−および−CH−CH−O−CH−CH−O−CH−CH−O−CH−CH−等が挙げられる。
11としては、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−が好ましく、中でも、−CO−O−がより好ましい。
12およびB13としては、それぞれ独立に、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−が好ましく、中でも、−O−または−O−C(=O)−O−がより好ましい。
11で示される重合性基としては、光重合反応がし易いという点で、ラジカル重合性基またはカチオン重合性基が好ましく、取り扱いが容易な上、重合性液晶化合物の製造自体も容易であることから、重合性基は、下記の式(P−11)〜式(P−15)で表わされる基であることが好ましい。
Figure 2019028474
[式(P−11)〜(P−15)中、
17〜R21はそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基または水素原子を表わす。]
式(P−11)〜式(P−13)で表わされる基の具体例としては、下記式(P−16)〜式(P−20)で表わされる基が挙げられる。
Figure 2019028474
11は、式(P−14)〜式(P−20)で表わされる基であることが好ましく、ビニル基、p−スチルベン基、エポキシ基またはオキセタニル基がより好ましい。
11−B11−で表わされる基が、アクリロイルオキシ基またはメタアクリロイルオキシ基であることがさらに好ましい。
化合物(X)としては、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)または式(VI)で表わされる化合物が挙げられる。
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-A14-B16-E12-B17-P12 (I)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-A14-F11 (II)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-E12-B17-P12 (III)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-F11 (IV)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-E12-B17-P12 (V)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-F11 (VI)
(式中、
12〜A14はそれぞれ独立に、A11と同義であり、B14〜B16はそれぞれ独立に、B12と同義であり、B17は、B11と同義であり、E12は、E11と同義である。
11は、水素原子、炭素数1〜13のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、ジメチルアミノ基、ヒドロキシ基、メチロール基、ホルミル基、スルホ基(−SOH)、カルボキシ基、炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基またはハロゲン原子を表わし、該アルキル基およびアルコキシ基を構成する−CH−は、−O−に置き換っていてもよい。
液晶化合物の具体例としては、液晶便覧(液晶便覧編集委員会編、丸善(株)平成12年10月30日発行)の「3.8.6 ネットワーク(完全架橋型)」、「6.5.1 液晶材料 b.重合性ネマチック液晶材料」に記載された化合物、特開2010−31223号公報、特開2010−270108号公報、特開2011−6360号公報および特開2011−207765号公報記載の化合物が挙げられる。
化合物(X)の具体例としては、下記式(I−1)〜式(I−4)、式(II−1)〜式(II−4)、式(III−1)〜式(III−26)、式(IV−1)〜式(IV−26)、式(V−1)〜式(V−2)および式(VI−1)〜式(VI−6)で表わされる化合物が挙げられる。なお、下記式中、k1およびk2は、それぞれ独立して、2〜12の整数を表わす。これらの化合物(X)は、その合成の容易さ、または、入手の容易さの点で、好ましい。
Figure 2019028474
Figure 2019028474
Figure 2019028474
Figure 2019028474
Figure 2019028474
Figure 2019028474
Figure 2019028474
Figure 2019028474
Figure 2019028474
光学異方性膜形成用組成物における液晶性材料の含有量は、光学異方性膜形成用組成物100質量部に対して、通常5質量部〜50質量部であり、好ましくは10質量部〜30質量部である。
<溶剤>
溶剤としては、液晶性材料等の光学異方性膜形成用組成物の構成成分を溶解し得る有機溶剤が好ましく、液晶性材料等の光学異方性膜形成用組成物の構成成分を溶解し得る溶剤であって、さらに、液晶性材料が重合性基を有する場合は、液晶性材料の重合反応に不活性な溶剤がより好ましい。
具体的には、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、フェノール等のアルコール溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、プロピオン酸ブチル、酢酸2−メトキシエチル、酢酸2−エトキシエチル、酢酸イソアミル、アセト酢酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等のエステル溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、N−メチル−2−ピロリジノン等のケトン溶剤;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の非塩素化脂肪族炭化水素溶剤;トルエン、キシレン等の非塩素化芳香族炭化水素溶剤;アセトニトリル等のニトリル溶剤;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル溶剤;およびクロロホルム、クロロベンゼン等の塩素化炭化水素溶剤;が挙げられる。二種以上の有機溶剤を組み合わせて用いてもよい。
好ましくは、アルコール溶剤、エステル溶剤、ケトン溶剤、非塩素化脂肪族炭化水素溶剤及び非塩素化芳香族炭化水素溶剤である。
溶剤の含有量は、固形分100質量部に対して、10〜10000質量部が好ましく、より好ましくは100〜5000質量部である。光学異方性膜形成用組成物中の固形分濃度は、好ましくは2〜50質量%であり、より好ましくは5〜50質量%である。”固形分”とは、光学異方性膜形成用組成物から溶剤を除いた成分の合計を意味する。
<レベリング剤>
レベリング剤としては、有機変性シリコーンオイル系、ポリアクリレート系およびパーフルオロアルキル系のレベリング剤が挙げられる。具体的には、DC3PA、SH7PA、DC11PA、SH28PA、SH29PA、SH30PA、ST80PA、ST86PA、SH8400、SH8700、FZ2123(以上、全て東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341、X22−161A、KF6001(以上、全て信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452、TSF4460(以上、全てモメンティブ パフォーマンス マテリアルズ ジャパン合同会社製)、フロリナート(fluorinert)(登録商標)FC−72、同FC−40、同FC−43、同FC−3283(以上、全て住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)R−08、同R−30、同R−90、同F−410、同F−411、同F−443、同F−445、同F−470、同F−477、同F−479、同F−482、同F−483(以上、いずれもDIC(株)製)、エフトップ(商品名)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(以上、全て三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S−381、同S−382、同S−383、同S−393、同SC−101、同SC−105、KH−40、SA−100(以上、全てAGCセイミケミカル(株)製)、商品名E1830、同E5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)、BM−1000、BM−1100、BYK−352、BYK−353及びBYK−361N(いずれも商品名:BM Chemie社製)が挙げられる。2種以上のレベリング剤を組み合わせてもよい。
レベリング剤により、より平滑な光学異方性膜Aが得られる。レベリング剤は、光学異方性膜形成用組成物の流動性を制御したり、重合性液層化合物の架橋密度を調整したりすることができる。レベリング剤の含有量は、液晶性材料100質量部に対して、通常0.1質量部〜30質量部であり、好ましくは0.1質量部〜10質量部である。
<カイラル剤>
カイラル剤としては、公知のカイラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)が挙げられる。
カイラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もカイラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物としては、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が挙げられる。
具体的には、特開2007−269640号公報、特開2007−269639号公報、特開2007−176870号公報、特開2003−137887号公報、特表2000−515496号公報、特開2007−169178号公報および特表平9−506088号公報に記載されているような化合物が挙げられ、好ましくはBASFジャパン(株)製のpaliocolor(登録商標) LC756である。
カイラル剤の含有量は、液晶性材料100質量部に対して、通常0.1質量部〜30質量部であり、好ましくは1.0質量部〜25質量部である。
<重合開始剤>
重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましく、光照射によりラジカルを発生する光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、光照射によりラジカルを発生するものが挙げられる。
光重合開始剤としては、ベンゾイン化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンジルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、α−アセトフェノン化合物、トリアジン化合物、ヨードニウム塩およびスルホニウム塩が挙げられる。具体的には、イルガキュア(Irgacure)907、イルガキュア184、イルガキュア651、イルガキュア819、イルガキュア250、イルガキュア369(以上、全てチバ・ジャパン株式会社製)、セイクオールBZ、セイクオールZ、セイクオールBEE(以上、全て精工化学株式会社製)、カヤキュアー(kayacure)BP100(日本化薬株式会社製)、カヤキュアーUVI−6992(ダウ社製)、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170(以上、全て株式会社ADEKA製)、TAZ−A、TAZ−PP(以上、日本シイベルヘグナー社製)およびTAZ−104(三和ケミカル社製)等が挙げられる。中でも、α−アセトフェノン化合物が好ましく、α−アセトフェノン化合物としては、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オン及び2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−(4−メチルフェニルメチル)ブタン−1−オン等が挙げられ、より好ましくは2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン及び2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オンが挙げられる。α−アセトフェノン化合物の市販品としては、イルガキュア369、379EG、907(以上、BASFジャパン(株)製)及びセイクオールBEE(精工化学社製)等が挙げられる。
重合開始剤の含有量は、液晶性材料100質量部に対して、通常0.1質量部〜30質量部であり、好ましくは0.5質量部〜10質量部である。上記範囲内であれば、液晶性材料の液晶配向を乱しにくい。
<重合禁止剤>
重合禁止剤としては、ハイドロキノンおよびアルキルエーテル等の置換基を有するハイドロキノン類;ブチルカテコール等のアルキルエーテル等の置換基を有するカテコール類;ピロガロール類、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル等のラジカル補足剤;チオフェノール類;β−ナフチルアミン類およびβ−ナフトール類が挙げられる。
光学異方性膜形成用組成物における重合禁止剤の含有量は、液晶性材料100質量部に対して、通常0.1質量部〜30質量部であり、好ましくは0.5質量部〜10質量部である。上記範囲内であれば液晶性材料の液晶配向を乱しにくい。
<光増感剤>
光増感剤としては、キサントン、チオキサントン等のキサントン類;アントラセンおよびアルキルエーテル等の置換基を有するアントラセン類;フェノチアジン;ルブレンが挙げられる。
光増感剤の含有量は、液晶性材料100質量部に対して、通常0.1質量部〜30質量部であり、好ましくは0.5質量部〜10質量部である。
<反応性添加剤>
反応性添加剤としては、その分子内に炭素−炭素不飽和結合と活性水素反応性基とを有するものが好ましい。なお、ここでいう「活性水素反応性基」とは、カルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)、アミノ基(−NH)等の活性水素を有する基に対して反応性を有する基を意味し、エポキシ基、オキサゾリン基、カルボジイミド基、アジリジン基、イミド基、イソシアナート基、チオイソシアナート基、無水マレイン酸基等がその代表例である。
反応性添加剤において、活性水素反応性基は少なくとも2つ存在すると好ましく、この場合、複数存在する活性水素反応性基は同一でも、異なるものであってもよい。
反応性添加剤が有する炭素−炭素不飽和結合は、炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合又は、それらの組み合わせであってよく、好ましくは炭素−炭素二重結合である。中でも、反応性添加剤が、ビニル基及び/又は(メタ)アクリル基を含むと好ましい。さらに、活性水素反応性基が、エポキシ基、グリシジル基及びイソシアナート基からなる群から選ばれる少なくとも1種であるものが好ましく、アクリル基と、イソシアナート基とを有する反応性添加剤が特に好ましい。
反応性添加剤の具体例としては、メタクリロキシグリシジルエーテルやアクリロキシグリシジルエーテルなどの、(メタ)アクリル基とエポキシ基とを有する化合物;オキセタンアクリレートやオキセタンメタクリレートなどの、(メタ)アクリル基とオキセタン基とを有する化合物;ラクトンアクリレートやラクトンメタクリレートなどの、(メタ)アクリル基とラクトン基とを有する化合物;ビニルオキサゾリンやイソプロペニルオキサゾリンなどの、ビニル基とオキサゾリン基とを有する化合物;イソシアナートメチルアクリレート、イソシアナートメチルメタクリレート、2−イソシアナートエチルアクリレート及び20イソシアナートエチルメタクリレートなどの、(メタ)アクリル基とイソシアナート基とを有する化合物のオリゴマー等が挙げられる。また、メタクリル酸無水物、アクリル酸無水物、無水マレイン酸及びビニル無水マレイン酸などの、ビニル基やビニレン基と酸無水物とを有する化合物などが挙げられる。中でも、メタクリロキシグリシジルエーテル、アクリロキシグリシジルエーテル、イソシアナートメチルアクリレート、イソシアナートメチルメタクリレート、ビニルオキサゾリン、2−イソシアナートエチルアクリレート、2−イソシアナートエチルメタクリレート及び前記のオリゴマーが好ましく、イソシアナートメチルアクリレート、2−イソシアナートエチルアクリレート及び前記のオリゴマーが特に好ましい。
この好ましい反応性添加剤は、下記式(Y)で表される。

Figure 2019028474
[式(Y)中、
nは1〜10までの整数を表わし、R1’は、炭素数2〜20の2価の脂肪族又は脂環式炭化水素基、或いは炭素数5〜20の2価の芳香族炭化水素基を表わす。各繰り返し単位にある2つのR2’は、一方が−NH−であり、他方が>N−C(=O)−R3’で示される基である。R3’は、水酸基又は炭素−炭素不飽和結合を有する基を表す。
式(Y)中のR3’のうち、少なくとも1つのR3’は炭素−炭素不飽和結合を有する基である。]
前記式(Y)で表される反応性添加剤の中でも、下記式(YY)で表される化合物(以下、場合により「化合物(YY)」という。)が特に好ましい(なお、nは前記と同じ意味である)。
Figure 2019028474
化合物(YY)には、市販品をそのまま又は必要に応じて精製して用いることができる。市販品としては、例えば、Laromer(登録商標)LR−9000(BASF社製)等が挙げられる。
反応性添加剤の含有量は、液晶性材料100質量部に対して、通常0.1質量部〜30質量部であり、好ましくは0.1質量部〜5質量部である。
液晶性材料の液晶配向の状態は、好ましくは、垂直配向である。垂直配向とは、基材面を基準とした液晶性材料の長軸の配向方向を表す。垂直配向とは基材面に対して垂直な方向に液晶性材料の長軸を有することであり、ここで垂直とは、90°±20°のことである。
光学異方性膜に含まれる液晶性材料がネマチック相等の液晶相を示す場合、光学異方性膜はモノドメイン配向による複屈折性を有する。
光学異方性膜形成用組成物を基材又は、基材の表面に形成された高分子樹脂膜に塗布する方法としては、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、CAPコーティング法、スリットコーティング法、ダイコーティング法等が挙げられる。また、ディップコーター、バーコーター、スピンコーター等のコーターを用いて塗布する方法等も挙げられる。中でも、RolltoRoll形式で連続的に塗布できる点で、CAPコーティング法、インクジェット法、ディップコーティング法、スリットコーティング法、ダイコーティング法およびバーコーターによる塗布方法が好ましい。RolltoRoll形式で塗布する場合、基材に高分子樹脂膜を形成し、さらに得られた高分子樹脂膜の上に光学異方性膜を連続的に形成することもできる。
光学異方性膜形成用組成物に溶剤が含まれる場合は、続いて乾燥して、溶剤を除去する。乾燥方法としては、自然乾燥、通風乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥およびこれらを組み合わせた方法が挙げられる。中でも、自然乾燥または加熱乾燥が好ましい。乾燥温度は、0℃〜250℃の範囲が好ましく、50℃〜220℃の範囲がより好ましく、60℃〜170℃の範囲がさらに好ましい。乾燥時間は、10秒間〜60分間が好ましく、より好ましくは30秒間〜30分間である。
塗布された光学異方性膜形成用組成物を乾燥し、溶剤を除去し、液晶相に転移させることで、該光学異方性膜形成用組成物に含まれる液晶性材料は、通常、配向する。
配向した液晶性材料をそのまま光学異方性膜として用いてもよいが、重合性液晶化合物等のように液晶性材料が重合性基を有する場合は、液晶性材料を重合して硬化させるのが好ましい。液晶性材料が重合した光学異方性膜は、液晶性材料の配向が固定化されるため、熱による複屈折の変化の影響を受けにくい。
重合性基を有する液晶性材料を重合する方法としては、光重合が好ましい。光重合によれば、低温で重合を実施できるため、耐熱性の観点で、用いる樹脂長尺フィルムロールの選択幅が広がる。光重合反応は、通常、可視光、紫外光又はレーザー光を照射することにより行われ、好ましくは紫外光を照射することで行われる。
光照射は、塗布された光学異方性膜形成用組成物が溶剤を含む場合は、当該溶剤を乾燥し除去した後に行うのが好ましい。乾燥は、光照射と並行して行ってもよいが、光照射を行う前に、ほとんどの溶剤を除去しておくことが好ましい。
光を照射する時間は、通常5秒〜10分であり、好ましくは5秒〜2分であり、より好ましくは5秒〜1分であり、さらに好ましくは5秒〜30秒である。上記範囲であれば、透明性に優れた光学異方性膜を得ることができる。
上記光学異方性フィルムの製造方法は、RolltoRollなどの連続工程に適用することができ、当該製造方法は他の部材との貼り合わせも容易となるため、生産性に優れる。また、かくして得られる光学異方性フィルムは、光学異方性膜が薄いため、特に、中小型の表示装置に適するものである。
本光学異方性フィルムは、偏光板を構成する部材として有用である。該偏光板は好ましくは、本光学異方性フィルムと偏光素子とを有する。該偏光板に含まれる、本光学異方性フィルムの基材のnxの方向と、偏光子の透過軸の方向とは、好ましくは直交している。
本光学異方性フィルムと偏光素子とを有する偏光板(以下、本偏光板ということがある。)の具体例としては、図1(a)及び図1(b)で示される構成が挙げられる。図1(a)で示される本偏光板4aは、本光学異方性フィルム1と、偏光素子2とが、直接積層された偏光板であり、図1(b)で示される本偏光板4bは、本光学異方性フィルム1と偏光素子2とが、接着層3を介して貼り合わされた偏光板である。接着層3における”接着”とは、接着剤および/または粘着剤を用いた接着の総称を意味する。
偏光素子2の具体例としては、図2(a)及び図2(b)で示される構成が挙げられる。図2(a)で示される偏光素子2aは、保護フィルム5、接着剤層6、偏光子7、接着剤層6’及び保護フィルム5’をこの順に貼り合わせた偏光素子であり、図2(b)で示される偏光素子2bは、保護フィルム5、接着剤層6及び偏光子7をこの順に貼り合せた偏光素子である。
偏光子7は、偏光機能を有するものであればよい。偏光子7としては、吸収異方性を有する色素を吸着させた延伸フィルム、及び、吸収異方性を有する色素を塗布して形成されたフィルム等が挙げられる。吸収異方性を有する色素としては、ヨウ素及びアゾ化合物等の二色性色素が挙げられる。
吸収異方性を有する色素を吸着させた延伸フィルムとしては、ポリビニルアルコール系フィルムに二色性色素を吸着させて延伸したフィルム及び、ポリビニルアルコール系フィルムを延伸して二色性色素を吸着させたフィルム等が挙げられる。
吸収異方性を有する色素を塗布して形成されたフィルムとしては、液晶性を有する二色性色素を含む組成物又は、二色性色素と重合性液晶化合物とを含む組成物を塗布して得られるフィルム等が挙げられる。
前記吸収異方性を有する色素を吸着させた延伸フィルムとしては、具体的には、特許第3708062号、特許第4432487号等に記載の偏光板が挙げられる。
前記吸収異方性を有する色素を塗布して形成されたフィルムとしては、具体的には、特開2012−33249号公報等に記載の偏光フィルムが挙げられる。
保護フィルム5及び5’は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマー等のポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリメタクリル酸エステルフィルム、ポリアクリル酸エステルフィルム、セルロースエステルフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルムおよびポリフェニレンオキシドフィルムが挙げられる。
接着剤層6および接着剤層6’を形成する接着剤は、透明性が高く、耐熱性に優れた接着剤であることが好ましい。そのような接着剤としては、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤およびウレタン系接着剤が挙げられる。
上記偏光素子2を用いた本偏光板としては、図3(a)〜図3(c)で示される偏光板が挙げられる。図3(a)で示される偏光板4cは、保護フィルム5、接着剤層6、偏光子7、接着剤層6’、保護フィルム5’、接着層3及び本光学異方性フィルム1をこの順に積層した偏光板であり、図3(b)で示される偏光板4dは、保護フィルム5、接着剤層6、偏光子7、接着層3及び本光学異方性フィルム1をこの順に積層した偏光板である。本偏光板は、偏光板4c又は偏光板4dの構成でもよいが、図3(c)で示される偏光板4eのように、保護フィルム5、接着剤層6、偏光子7、接着剤層6’及び本光学異方性フィルム1の順で積層した偏光板であることが、光学異方性フィルム1と偏光子7が接着剤層6’で強固に接着され、積層体の耐久性が向上することから好ましい。
本光学異方性フィルムを有する偏光板の偏光度は、好ましくは99.9%以上であり、より好ましくは99.97%以上である。
次に、本光学異方性フィルム1の積層様態について説明する。本光学異方性フィルム1の構成としては、具体的には図4(a)及び図4(b)で示される構成が挙げられる。図4(a)で示される本光学異方性フィルム1aは、基材8と本本光学異方性膜9を直接積層した構成からなり、図4(b)で示される本光学異方性フィルム1bは、基材8、高分子樹脂膜10及び本本光学異方性膜9をこの順に積層した光学異方性フィルムである。
本光学異方性フィルム1の積層様態の詳細を踏まえ、本偏光板の構成をさらに説明する。具体例としては、図5(a)〜図5(d)で示される偏光板が挙げられる。図5(a)で示される偏光板4fは、偏光素子2a、接着層3、本本光学異方性膜9及び基材8をこの順に積層した構成からなり、図5(b)で示される偏光板4gは、偏光素子2a、接着層3、本本光学異方性膜9、高分子樹脂膜10及び基材8をこの順に積層した偏光板である。図5(c)で示される偏光板4hは、偏光素子2a、接着層3、基材8及び本光学異方性膜9をこの順に積層した構成からなり、図5(d)で示される偏光板4iは、偏光素子2a、接着層3、基材8、高分子樹脂膜10及び本光学異方性膜9をこの順に積層した偏光板である。
さらに、本偏光板の具体例としては、図5(e)〜図5(h)で示される偏光板が挙げられる。図5(e)で示される偏光板4jは、偏光素子2b、接着層3、本光学異方性膜9及び基材8をこの順に積層した構成からなり、図5(f)で示される偏光板4kは、偏光素子2b、接着層3、本光学異方性膜9、高分子樹脂膜10及び基材8をこの順に積層した偏光板である。図5(g)で示される偏光板4lは、偏光素子2b、接着層3、基材8及び本光学異方性膜9をこの順に積層した構成からなり、図5(h)で示される偏光板4mは、偏光素子2b、接着層3、基材8、高分子樹脂膜10及び本光学異方性膜9をこの順に積層した偏光板である。ただしここでは、偏光素子2bが有する偏光子7と、粘着層6とが接する。
本偏光板の構成において、好ましい構成としては、図5(i)で示される偏光板4nのように、偏光素子2b、接着剤層6、本光学異方性膜9及び基材8をこの順に積層した構成、あるいは図5(j)で示される偏光板4oのように、偏光素子2b、接着剤層6、本光学異方性膜9、高分子樹脂膜10及び基材8をこの順に積層した構成が挙げられる。ただしここでは、偏光素子2bが有する偏光子7と、接着剤層6とが接する。偏光素子2bと本光学異方性膜9を、接着剤層6を介して接着することで、光学異方性膜付偏光板の耐久性が向上する傾向にあることから好ましい。
本偏光板は表示装置に用いることができる。該表示装置としては、本偏光板と液晶パネルとが貼り合わされた液晶パネルを備える液晶表示装置等が挙げられる。本偏光板を備えた表示装置の実施形態として、液晶表示装置との構成について説明する。
本偏光板を有する表示装置について、図6を用いて説明する。好ましい構成としては、例えば、図6(a)のように、図5(i)の構成で示される本偏光板4n(偏光素子2b、接着剤層6、本光学異方性膜9及び基材8)の基材8側に接着層3を積層し、次に液晶セルの保護膜12aに貼合する。また、本偏光板4nを貼合していない方の液晶セルの保護膜12bに、粘着剤3’を用いて偏光素子2aを貼合する。ここで、偏光素子2aの透過軸方向13bと偏光素子2bの透過軸方向13aは直交の関係である。これら液晶表示装置では、図示しない電極を用いて、液晶パネルに電圧を印加することにより、液晶分子の液晶配向が変化し、白黒表示が実現できる。
本偏光板を有する表示装置の他の例として、図6(b)の構成が挙げられる。図6(b)に示す表示装置は、基材8と本光学異方性膜9との間に高分子樹脂膜10を含有する。
図6(c)は、図6(a)及び図6(b)におけるnx、nyおよびnzの方向を示している。
本光学異方性フィルムは、複数枚積層してもよいし、他のフィルムと組み合わせてもよい。本光学異方性フィルムを複数枚積層する、又は、本光学異方性フィルムと他のフィルムとを組み合わせると、視野角補償フィルム、視野角拡大フィルム、反射防止フィルム、偏光板、円偏光板、楕円偏光板又は輝度向上フィルムとして利用できる。
本光学異方性フィルムは、液晶性材料の配向状態によって光学特性を変化させることができ、VA(vertical alignment)モード、IPS(in-plane switching)モード、OCB(optically compensated bend)モード、TN(twisted nematic)モード、STN(super twisted nematic)モード等の液晶表示装置用の補償フィルムとして使用することができ、中でも、VAモード、IPSモードの液晶表示装置用の補償フィルムとして有用であり、特にIPSモードの液晶表示装置用の補償フィルムとして好ましく用いられる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。なお、例中の「%」および「部」は、特記ない限り、質量%および質量部を意味する。
[配向性ポリマー組成物の調製]
配向性ポリマー組成物(A)の組成を表1に示す。市販の配向性ポリマーであるサンエバーSE−610(日産化学工業株式会社製)にN−メチル−2−ピロリドン、2−ブトキシエタノール及びエチルシクロヘキサンを加えてして配向性ポリマー組成物(A)を調整した。
Figure 2019028474
表1における括弧内の値は、調製した組成物の全量に対する各成分の含有割合を表す。
SE−610については、固形分量を納品仕様書に記載の濃度から換算した。
[光学異方性膜形成用組成物の調製]
光学異方性膜形成用組成物(1)の組成を表2に示す、各成分を混合し、得られた溶液を80℃で1時間攪拌した後、室温まで冷却して調製した。
Figure 2019028474
表2における括弧内の値は、調製した組成物の全量に対する各成分の含有割合を表す。
表2におけるLR−9000は、BASFジャパン社製のLaromer(登録商標)LR−9000を、Irg907は、BASFジャパン社製のイルガキュア907を、BYK361Nは、ビックケミージャパン製のレベリング剤を、LC242は、下記式で示されるBASF社製の液晶化合物を、PGMEAは、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタートを表す。
Figure 2019028474
製造例1[本発明の光学異方性膜(1)の製造例]
波長550nmにおける位相差値が略0であるシクロオレフィンポリマーフィルム(COP−A)(ZF−14、日本ゼオン株式会社製)の表面を、コロナ処理装置を用いて出力0.3kW、処理速度3m/分の条件で1回処理した。コロナ処理を施した表面に、配向性ポリマー組成物(A)を、バーコーターを用いて塗布し、90℃で1分間乾燥し、配向膜を形成した。得られた配向膜の膜厚をレーザー顕微鏡(オリンパス株式会社製、LEXT)で測定したところ70nmであった。また、得られた配向膜の波長550nmにおける位相差値を測定(測定機:王子計測機器社製、KOBRA−WR)したところ、R(550)=0.7nmであった。なお、前記COP−Aの波長550nmにおける位相差値は略0であるため、当該位相差値には影響しない。続いて、得られた配向膜上に、光学異方性膜用組成物(1)を、バーコーターを用いて塗布し、90℃で1分間乾燥し、高圧水銀ランプ(ウシオ電機株式会社製、ユニキュアVB―15201BY−A)を用いて紫外線を照射(窒素雰囲気下、波長365nmにおける積算光量:1000mJ/cm)することにより光学異方性膜(1)を形成した。得られた光学異方性膜(1)の膜厚をレーザー顕微鏡で測定したところ534nmであった。また、得られた光学異方性膜(1)の波長550nmにおける位相差値を、入射角を変化させながら測定したところR(550)=1.3nm、R40(550)=21.9nm、Rth(550)=−84nmであった。また、光学異方性膜(1)の平均屈折率n0を1.58とし、下記式(21)〜(23)を用いて各屈折率を求めたところ、nx=1.526、ny=1.523、nz=1.691であった。すなわち、光学異方性膜(1)はnz>nx>nyで表される屈折率関係を有する。
=(nx−ny)×d (21)
40=(nx−ny')×d/cos(φ) (22)
(nx+ny+nz)/3=n0 (23)
実施例1[本発明の光学異方性フィルム(1)の製造例]
COP−Aに換えて、COP−B(シクロオレフィンポリマーフィルム、R(550)=117.8nm、R40(550)=101.0nm、nx=1.583、ny=1.579、nz=1.578)を用いた以外は、製造例1と同様にして光学異方性膜(2)を形成し光学異方性フィルム(1)を得た。得られた光学異方性膜(2)の膜厚をレーザー顕微鏡で測定したところ597nmであった。得られた光学異方性フィルム(1)の位相差値を測定し、さらに、光学異方性フィルム(1)の平均屈折率を1.58としたときの各屈折率を算出した。結果を表3及び表4に示す。
実施例2[本発明の光学異方性フィルム(2)の製造例]
COP−Aに換えて、COP−C(シクロオレフィンポリマーフィルム、R(550)=116.0nm、R40(550)=99.5nm、nx=1.583、ny=1.579、nz=1.578))を用いた以外は、製造例1と同様にして光学異方性膜(3)を形成し光学異方性フィルム(2)を得た。得られた光学異方性膜(3)の膜厚をレーザー顕微鏡で測定したところ513nmであった。得られた光学異方性フィルム(2)の位相差値を測定し、さらに、光学異方性フィルム(2)の平均屈折率を1.58としたときの各屈折率を算出した。結果を表3及び表4に示す。
[黒表示の確認]
実施例3
光学異方性フィルム(1)の光学異方性膜面に、粘着剤と偏光素子とをこの順で積層した。この際、偏光素子の透過軸と、光学異方性フィルム(1)が有する基材(COP−B)の遅相軸とが略直交するように積層した。得られた光学異方性フィルム付偏光素子(偏光板)を、視認側偏光板を取り除いたi−Pad(登録商標)(アップル社製、IPSモードの液晶表示装置)の視認側に貼合し、黒表示させた時の光漏れを、前記偏光子の透過軸に対し方位角45°の方向であり、且つ、パネル表面に対し仰角45°の方向から目視で確認した。結果を表5に示す。
実施例4
光学異方性フィルム(1)に換えて、光学異方性フィルム(2)を用いた以外は実施例3と同様にして、黒表示させた時の光漏れを確認した。結果を表5に示す。
参考例1
光学異方性フィルム(1)に換えて、COP−D(シクロオレフィンポリマーフィルム、R(450)=139nm、R(550)=137.8nm、R40(550)=124.7nm、nx=1.5833、ny=1.5784、nz=1.5782)を用いた以外は実施例3と同様にして、黒表示させた時の光漏れを確認した。結果を表5に示す。
Figure 2019028474
Figure 2019028474
Figure 2019028474
実施例で作製した光学異方性フィルムは、黒表示時斜めから見た時の光漏れ抑制に優れることが確認された。
本発明によれば、黒表示時の光漏れ抑制に優れる光学異方性フィルムを得ることができる。
1:本光学異方性フィルム
2a、2b:偏光素子
3:接着層
4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g、4h、4i、4j、4k、4l、4m、4n、4o:偏光板
5、5’:保護フィルム
6、6’:接着剤層
7:偏光子
8:基材
9:本光学異方性フィルム
10:高分子樹脂膜
11:液晶セル
12a、12b:液晶セルの保護膜
13a、13b:偏光素子の透過軸
14:基材の遅相軸
15:液晶セル中の液晶分子の遅相軸(黒表示時)

Claims (13)

  1. nx>nz>nyの屈折率関係を有し、nx−nzが0.005未満であり、nz−nyが0.004未満である光学異方性フィルム。
    (式中、nzは、厚さ方向の屈折率を表す。nxは、面内において最大の屈折率を生じる方向の屈折率を表す。nyは、面内においてnxの方向に対して直交する方向の屈折率を表す。)
  2. (450)/R(550)が、0.8〜1.2である請求項1に記載の光学異方性フィルム。
    (R(550)は、550nmの光に対する正面位相差値を表し、R(450)は、450nmの光に対する正面位相差値を表す。)
  3. (550)が90〜160nmであり、R50(550)が91〜170nmであり、R50(550)−R(550)が10nm以下である請求項1又は2に記載の光学異方性フィルム。
    (R(550)は前記と同じ意味を表す。R50(550)は、nyの方向の軸を傾斜軸として、厚さ方向から50°傾斜した方向から入射された550nmの光に対する位相差値を表す。)
  4. 光学異方性フィルムが、厚さ方向に光軸を有する光学異方性膜と、基材とを含む積層体である請求項1〜3のいずれかに記載の光学異方性フィルム。
  5. 基材が、面内方向に光軸を有する請求項4に記載の光学異方性フィルム。
  6. 基材のnyとnzとの差が0以上0.01以下である請求項4又は5のいずれかに記載の光学異方性フィルム。
    (ny及びnzは、前記と同じ意味を表す。)
  7. 基材と光学異方性膜との間に、厚さ1〜300nmの高分子樹脂膜を有する請求項4〜6のいずれかに記載の光学異方性フィルム。
  8. 高分子樹脂膜のR(550)が0〜10nmである請求項7に記載の光学異方性フィルム。
    (R(550)は前記と同じ意味を表す。)
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の光学異方性フィルムと、偏光素子とを有する偏光板。
  10. 請求項4〜8のいずれかに記載の光学異方性フィルムの光学異方性膜の面と、偏光素子とが、接着剤層を介して積層された偏光板。
  11. 請求項4〜8のいずれかに記載の光学異方性フィルムの基材のnxの方向と、偏光素子の透過軸の方向とが直交している請求項10に記載の偏光板。
    (nxは、前記と同じ意味を表す。)
  12. 請求項1〜8のいずれかに記載の光学異方性フィルムを有する表示装置。
  13. 請求項9〜11のいずれかに記載の偏光板を有する表示装置。
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