JP2015124997A - 屈折率分布計測方法、屈折率分布計測装置、及び光学素子の製造方法 - Google Patents

屈折率分布計測方法、屈折率分布計測装置、及び光学素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 被検物の屈折率分布を高精度に計測する。
【解決手段】 光源10から射出した光を参照光と被検光に分割し、参照光と被検物60を透過した被検光とを干渉させて参照光と被検光の位相差を第1及び第2の波長において測定し、被検物60の波面収差を第1及び第2の波長において測定する。第1及び第2の波長における位相差の差分である位相差差分量と、第1及び第2の波長における波面収差の差分である波面収差差分量とを算出し、位相差差分量と波面収差差分量とから被検物60の屈折率分布を算出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光学素子の屈折率分布を計測する屈折率分布計測方法及び屈折率分布計測装置に関する。
モールドによるレンズ製造方法は、レンズ内部に屈折率分布を発生させる。レンズ内部の屈折率分布は、光学性能に悪影響を及ぼす。そのため、モールドレンズの製造には、モールド後に非破壊で屈折率分布を計測する技術が必要である。
特許文献1に開示された計測方法では、被検物と、屈折率及び形状が既知のガラス試料とを、被検物の屈折率とほぼ等しい屈折率を有する第1のマッチング液に浸して干渉縞を測定する。さらに、被検物とガラス試料とを、第1のマッチング液の屈折率とわずかに異なる屈折率を有する第2のマッチング液に浸して干渉縞を測定する。そして、第1のマッチング液による測定結果と第2のマッチング液による測定結果とから、被検物の形状と屈折率分布とを求める。それぞれのマッチング液の屈折率は、干渉縞が密になりすぎない範囲で被検物の屈折率とわずかに異なっている必要がある。
特許文献2に開示された計測方法では、被検物の屈折率とは異なる屈折率を有する媒質中に被検物を配置し、第1の波長における第1の透過波面と、第1の波長とは異なる第2の波長における第2の透過波面とを測定する。そして、第1及び第2の透過波面の測定結果と、被検物と同一形状及び特定の屈折率分布を有する基準被検物が媒質中に配置されているときの第1及び第2の波長に対応する各透過波面とを用いて、被検物の形状成分を除去して、被検物の屈折率分布を算出する。
特開平02−008726号公報 特開2011−247687号公報
特許文献1に開示された方法では、被検物の屈折率とほぼ等しい屈折率を有するマッチング液が必要である。しかしながら、屈折率が高いマッチング液は、透過率が低い。このため、特許文献1で開示された計測方法により高屈折率の光学素子の干渉縞を測定すると、検出器から小さな信号しか得られず、測定精度が低くなる。
特許文献2で開示された方法では、基準被検物の(位相)屈折率が既知であることを前提としている。基準被検物の位相屈折率は、被検物内部の1点(例えばレンズの中心)の位相屈折率と一致している必要がある。そのため、特許文献2に開示された屈折率分布計測方法には、被検物内部の1点の位相屈折率を非破壊で計測する技術が必要である。しかし、位相屈折率を非破壊で計測することは難しい。低コヒーレンス干渉法や波長走査干渉法は、非破壊で屈折率を計測できるが、計測される屈折率は、位相屈折率ではなく群屈折率である。位相屈折率と群屈折率は1対1に対応していないため、群屈折率から変換された位相屈折率は変換誤差を含む。
なお、位相屈折率N(λ)は、光の等位相面の移動速度である位相速度v(λ)に関する屈折率であり、群屈折率N(λ)は、光のエネルギーの移動速度(波束の移動速度)v(λ)に関する屈折率である。
本発明は、被検物の屈折率分布を非破壊かつ高精度に計測することができる屈折率分布計測方法および屈折率分布計測装置を提供することを例示的な目的とする。
本発明の一側面としての屈折率分布計測方法は、光源から射出した光を参照光と被検光に分割し、参照光と、被検物に入射して被検物を透過した被検光とを干渉させることによって、参照光と被検光との位相差を測定する位相差測定ステップと、被検光の波面収差を測定する波面収差測定ステップと、位相差と波面収差とから被検物の屈折率分布を算出する算出ステップとを有する屈折率分布計測方法であって、位相差測定ステップにおいて、第1の波長における第1の位相差と、第1の波長とは異なる第2の波長における第2の位相差とを測定し、波面収差測定ステップにおいて、第1の波長における第1の波面収差と、第2の波長における第2の波面収差とを測定し、算出ステップにおいて、第1の位相差と第2の位相差との差分である位相差差分量を算出し、第1の波面収差と第2の波面収差との差分である波面収差差分量を算出し、位相差差分量と波面収差差分量とから被検物の屈折率分布を算出することを特徴とする。
尚、光学素子をモールドするステップと、上記の屈折率分布計測方法を用いて光学素子の屈折率分布を計測することによって、モールドされた光学素子の光学性能を評価するステップとを含む光学素子の製造方法も、本発明の他の一側面を構成する。
また、本発明のさらに他の一側面としての屈折率分布計測装置は、複数の波長の光を射出する光源と、光源から射出した光を参照光と被検光に分割し、参照光と、被検物に入射して被検物を透過した被検光とを干渉させることによって、参照光と被検光との位相差を測定する位相差測定手段と、被検光の波面収差を測定する波面収差測定手段と、位相差と波面収差とから被検物の屈折率分布を算出する算出手段と、を有する屈折率分布計測装置において、位相差測定手段は、第1の波長における第1の位相差と、第1の波長とは異なる第2の波長における第2の位相差とを測定し、波面収差測定手段は、第1の波長における第1の波面収差と、第2の波長における第2の波面収差とを測定し、算出手段は、第1の位相差と第2の位相差との差分である位相差差分量を算出し、第1の波面収差と第2の波面収差との差分である波面収差差分量を算出し、位相差差分量と波面収差差分量から被検物の屈折率分布を算出することを特徴とする。
本発明によれば、被検物の屈折率分布を高精度に計測することができる。
本発明における実施例1の屈折率分布計測装置の概略構成を示す図。 実施例1における被検物の屈折率分布の算出手順を示すフローチャート。 実施例1において分光器で波長を変化させながら検出器で検出した干渉信号を示す図。 被検物上に定義された座標系と計測装置内での光線の光路を示す図。 本発明における実施例2の屈折率分布計測装置の概略構成を示す図。 本発明の実施例3の光学素子の製造方法の製造工程を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例について説明する。
図1は、本発明における実施例1の屈折率分布計測装置の概略構成を示している。本実施例の屈折率分布計測装置は、マッハツェンダ干渉計をもとに構成されている。計測装置は、光源10、干渉光学系、被検物60と媒質70を収納可能な容器50、検出器80、波面センサ81、コンピュータ90を有し、被検物60の屈折率分布を計測する。本実施例では、被検物はレンズや平板等の屈折型光学素子である。尚、媒質70の屈折率は、被検物60の屈折率と一致している必要はない。
光源10は、複数の波長の光を射出することができる光源(例えば、スーパーコンティニューム光源)である。複数の波長の光は、分光器20を通って準単色光となる。分光器20を通った光は、ピンホール30を通って発散波となり、コリメータレンズ40を通って平行光となる。
干渉光学系は、ビームスプリッタ100、101、ミラー105、106を有する。干渉光学系は、コリメータレンズ40を通った光を、被検物を透過しない参照光と被検物を透過する被検光に分割し、参照光と被検光を干渉させて、その干渉光を検出器80に導光する。また、干渉光学系は、被検光を波面センサ81に導光する。
容器50には、被検物60と媒質70とガラスプリズム(参照被検物)110が収容される。容器内における参照光の光路長と被検光の光路長は、被検物60やガラスプリズム110が容器内に配置されていない状態において、等しいことが好ましい。したがって、容器50の側面50a、50bは厚さが同一かつ平行であり、屈折率が均一であることが好ましい。
容器50に入射した被検光の一部は、媒質70、被検物60を透過し、別の被検光の一部は、媒質70及びガラスプリズム110を透過する。容器50に入射したその他の被検光は、媒質70のみを透過する。一方、ビームスプリッタ100を透過した参照光は、容器50の側面及び媒質70を透過し、ミラー105で反射される。参照光と被検光は、ビームスプリッタ101で合波され、干渉光を形成する。
媒質70の屈折率は、媒質70内に配置された屈折率及び形状が既知のガラスプリズム(参照被検物)110の透過波面から算出される。媒質70の屈折率は、温度計を用いて媒質70の温度を測定し、測定した温度と媒質70の屈折率の温度係数に基づいて算出することもできる。
ミラー105は、不図示の駆動機構により、図1中の矢印方向に駆動される。駆動方向は図1の矢印方向に限らず、ミラー105の駆動によって参照光と被検光の光路長差が変化しさえすれば任意の方向でよい。ミラー105の駆動機構は、例えば、ピエゾステージ等から構成される。ミラー105の駆動量は、不図示の測長器(例えば、レーザ変位計やエンコーダ)によって測定され、コンピュータ90によって制御される。参照光と被検光の光路長差は、ミラー105の駆動機構によって調整される。
ビームスプリッタ101で形成された干渉光は、結像レンズ45を介して検出器80(例えば、CCDやCMOS)で検出される。検出器80で検出された干渉信号は、コンピュータ90に送られる。検出器80は、被検物60及びガラスプリズム110の位置と、結像レンズ45に関して共役な位置に配置されている。
本実施例においては被検物60と媒質70の屈折率が異なるため、被検物60を透過する被検光と参照光とで形成される干渉縞の大部分は、検出器80で分解できないほど密になる。そのため検出器80は、被検物60を透過する被検光と参照光とで形成される干渉縞の大部分を測定できない。しかし、本実施例において、検出器80は、被検物60の透過光すべての干渉信号を検出する必要はない。検出器80は、媒質70やガラスプリズム110を透過した透過光に関する干渉信号と、被検物60の中心を透過した透過光に関する干渉信号を検出すればよい。
被検物60を透過した被検光の一部は、ビームスプリッタ101で反射され、波面センサ81(例えば、シャックハルトマンセンサ)で検出される。波面センサ81で検出された信号は、コンピュータ90に送られ、被検物60を透過した被検光の透過波面として算出される。
コンピュータ90は、検出器80の検出結果と、波面センサ81の検出結果に基づいて被検物の屈折率分布を算出する算出手段や、分光器20を透過する波長及びミラー105の駆動量を制御する制御手段を有し、CPU等から成る。
干渉光学系は、被検物60が容器50内に配置されていない状態で、参照光と被検光の光路長が等しくなるように調整されている。調整方法を以下に説明する。
図1に示す屈折率分布計測装置において、被検物60が被検光の光路上に配置されていない状態で参照光と被検光の干渉信号が取得される。このとき、参照光と被検光の位相差φ(λ)、参照光と被検光の干渉強度Iφ0(λ)は数式1で表される。
Figure 2015124997
ただし、λは光源を出射した光の空気中における波長、Δは参照光と被検光の光路長の差、Iは参照光の強度と被検光の強度の和、γは可視度である。数式1より、Δがゼロでないとき、干渉強度Iφ0(λ)は振動関数となることがわかる。したがって、参照光と被検光の光路長を等しくするためには、干渉信号が振動関数とならないようにミラー105を駆動させればよい。このとき、Δがゼロになる。
図2は、被検物60の屈折率分布を算出する算出手順を示すフローチャートである。まず、被検物が被検光の光路上に配置される(S10)。次に、第1の波長λにおける参照光と被検光の位相差である第1の位相差φ(λ)と、第1の波長λとは異なる第2の波長λにおける参照光と被検光の位相差である第2の位相差φ(λ)とが測定される(S20、位相差測定ステップ)。第1の波長λと第2の波長λは、例えば、λ=450nm、λ=650nmとするのが良い。波長λにおける位相差φ(λ)及び干渉強度I(λ)は数式2で表される。本実施例において、位相差φ(λ)はレンズの中心を通る被検光と参照光との位相差を示している。
Figure 2015124997
ただし、nsample(λ,0,0)は被検物60の中心の屈折率、nmedium(λ)は媒質70の屈折率、L(0,0)は被検物の中心の厚さである。ここで測定される位相差φ(λ)は、2πの整数倍に対応する未知数2πm(λ)(m(λ)は波長に依存する整数)を含む。
図3は、図1の検出器80で測定されるスペクトル領域の干渉信号である。干渉信号は、位相差φ(λ)が波長に依存しているため、振動関数となる。図3のλは、位相差φ(λ)が極値をとるときの波長を示している。干渉信号の振動周期は、波長λの付近で長くなるため、干渉信号を容易に測定することができる。波長λは、ミラー105を駆動してΔの値を変化させることで調整することができる。
位相差φ(λ)は、位相シフト法を用いて測定することができる。位相シフト法を用いた位相差φ(λ)の測定方法を以下に示す。まず、ミラー105を微小量ずつ駆動させながら干渉信号を取得する。ミラー105の位相シフト量(=駆動量×2π/λ)がδ(k=0,1,・・・,M−1)のときの干渉光の強度I(λ)は数式3で表される。
Figure 2015124997
係数a、a、aを最小二乗法によって算出すると、位相差φ(λ)は、位相シフト量δ、干渉強度I(λ)を用いて数式4で表される。算出された位相差φ(λ)は2πで畳み込まれている。したがって、2πの位相飛びをつなぎ合わせる作業(アンラッピング)が必要である。
Figure 2015124997
以上より、第1の波長λにおける第1の位相差φ(λ)と、第2の波長λにおける第2の位相差φ(λ)とが、数式5のように算出される。
Figure 2015124997
そして、第1の位相差φ(λ)と第2の位相差φ(λ)との差分である位相差差分量φ(λ)−φ(λ)が算出される(S30)。位相差差分量φ(λ)−φ(λ)は数式6で表される。
Figure 2015124997
整数m(λ)と整数m(λ)は未知数であるが、整数m(λ)と整数m(λ)の差分の整数m(λ)−m(λ)は、図3の干渉信号から算出することができる。第1の波長λと第2の波長λが図3(a)に示された波長のとき、第1の波長λと位相差φ(λ)の極値をとる波長λとの間には1周期分の差が、第2の波長λと波長λとの間には2周期分の差がある。つまり、|m(λ)−m(λ)|=1、|m(λ)−m(λ)|=2である。極値φ(λ)が極大値か極小値かは、被検物60の設計値と媒質70の屈折率等の測定条件とから算出できる。極値φ(λ)が極大値とすると、m(λ)−m(λ)=−1、m(λ)−m(λ)=−2となるため、差分の整数m(λ)−m(λ)=−1と算出できる。
数式6の位相差差分量φ(λ)−φ(λ)は、被検物の第1の波長λにおける屈折率nsample(λ)と第2の波長λにおける屈折率nsample(λ)に関係する物理量である。数式7の物理量f(λ,λ)は、屈折率nsample(λ)と屈折率nsample(λ)の関係が分かりやすくなるように数式6を変形したものである。
Figure 2015124997
続いて、第1の波長における被検物の波面収差W(λ,x,y)と第2の波長における被検物の波面収差W(λ,x,y)とが測定される(S40、波面収差測定ステップ)。本実施例において、波面収差の測定は、図2のステップAに従う。
まず、第1の波長における被検物60の透過波面W(λ,x,y)と第2の波長における被検物60の透過波面W(λ,x,y)とが測定される(S401)。被検物60の透過波面を測定する際、被検物60を透過しない被検光や参照光は不要な光のため、波面センサ81に不要光が入らないように不図示のアパーチャやシャッター等で不要光を遮光する。図4(a)に示される被検物60内の点(x,y)を通る、波長λにおける被検物の透過波面W(λ,x,y)は、数式8で表される。
Figure 2015124997
ただし、L(x,y)、L(x,y)、L(x,y)、L(x,y)は、図4(b)に示される光線に沿った各構成要素間の幾何学的距離である。図4(b)の光線は、図4(a)に示す被検物60の内部にある点(x,y)を通る光線を指す。L(x,y)は、被検物60内における光線の光路の幾何学的距離、すなわち光線方向の被検物の厚みである。nsample(λ,x,y)は被検物60の波長λにおける屈折率である。ここでは簡単のため、容器50の側面50a、50bの厚みは無視している。
そして、特定の屈折率分布を有する基準被検物の第1の波長における透過波面Wsim(λ,x,y)と第2の波長における透過波面Wsim(λ,x,y)とが算出される(S402)。このステップは、被検物60と同一形状で一様な屈折率分布を有する基準被検物を仮定し、基準被検物がS401における被検物60の位置に配置されていると仮定したときの透過波面を算出するステップである。
基準被検物の透過波面を算出する際に、基準被検物の位相屈折率を入力する必要がある。基準被検物の位相屈折率は、被検物60内部のいずれか1点の位相屈折率と一致していることが理想的である。例えば、基準被検物の位相屈折率が、被検物60の中心の位相屈折率nsample(λ,0,0)と一致している場合、波長λにおける基準被検物の透過波面Wsim(λ,x,y)は、数式9で表される。さらに、数式8と数式9の差をとることで、数式10のように被検物の屈折率分布GI(λ,x,y)が算出される。
Figure 2015124997
Figure 2015124997
基準被検物の位相屈折率が、被検物60の中心の位相屈折率nsample(λ,0,0)と一致していない場合を考える。基準被検物の位相屈折率をnsample(λ,0,0)+δn(λ)としたとき、算出される被検物の屈折率分布GI’(λ,x,y)は数式11のようになる。
Figure 2015124997
数式11の右辺第2項は位置(x,y)の関数となっていることから、屈折率分布GI’(λ,x,y)は実際の屈折率分布GI(λ,x,y)と異なる分布形状を示していることがわかる。したがって、被検物60の屈折率分布を高精度に算出するためには、被検物60内部のいずれか1点(本実施例では、被検物60の中心)の位相屈折率を高精度に計測しなければならない。しかし、非破壊で被検物60の位相屈折率を計測することは難しい。そこで、本実施例では次のような代替手段を用いて、δn(λ)に由来する屈折率分布誤差を低減している。
すなわち、以下の数式12の関係を満たすように、基準被検物の位相屈折率nsample(λ,0,0)+δn(λ)を決定する。数式12においては、第1の波長における基準被検物の位相屈折率をnsample(λ,0,0)+δn(λ)とし、第2の波長における基準被検物の位相屈折率をnsample(λ,0,0)+δn(λ)としている。
Figure 2015124997
数式12で決定された基準被検物の位相屈折率を用いると、基準被検物の透過波面Wsim(λ,x,y)は数式13のように表される。
Figure 2015124997
被検物の透過波面W(λ,x,y)と基準被検物の透過波面Wsim(λ,x,y)との差分に相当する波面収差W(λ,x,y)が、数式14のように算出される(S403)。
Figure 2015124997
以上のステップAによって、第1の波長における被検物60の第1の波面収差W(λ,x,y)と第2の波長における被検物60の第2の波面収差W(λ,x,y)とが測定される(S40)。第1の波面収差W(λ,x,y)、第2の波面収差W(λ,x,y)は、数式15のように表される。
Figure 2015124997
そして、数式16のように波面収差差分量W(λ,x,y)−W(λ,x,y)が算出される(S50)。さらに、数式17の近似式を用いると、数式16は数式18のように変形される。
Figure 2015124997
Figure 2015124997
Figure 2015124997
数式18の右辺第2項は、δn(λ)に由来する屈折率分布算出誤差であり、数式11の第2項に相当する。しかし、本実施例では、基準被検物の位相屈折率を数式12の関係を満たすように決定しているため、数式18の右辺第2項はゼロとなる。つまり、位相差差分量φ(λ)−φ(λ)を用いて算出される数式7、数式12と、数式16の波面収差差分量W(λ,x,y)−W(λ,x,y)から、屈折率分布GI(λ,x,y)が数式19のように算出される(S60)。さらに、数式17の式を用いれば、第1の波長における屈折率分布GI(λ,x,y)から、第2の波長における屈折率分布GI(λ,x,y)が得られる。尚、数式19にまだδn(λ)が残っているが、この式の形で残存するδn(λ)が屈折率分布に与える影響は、無視できるほど小さい。
Figure 2015124997
以上のように、高精度に計測可能な位相差差分量φ(λ)−φ(λ)と波面収差差分量W(λ,x,y)−W(λ,x,y)の2つの物理量を用いることで、被検物60の屈折率分布を非破壊で高精度に計測することができる。
本実施例では、第1の波長における屈折率分布GI(λ,x,y)を算出した後に、第2の波長における屈折率分布GI(λ,x,y)を算出している。その代わりに、数式16と数式17から、第2の波長における屈折率分布GI(λ,x,y)を算出した後に、第1の波長における屈折率分布GI(λ,x,y)を算出してもよい。
本実施例では、数式6の位相差差分量φ(λ)−φ(λ)から数式7の物理量f(λ,λ)を算出し、物理量f(λ,λ)に基づいて基準被検物の位相屈折率を決定している。これによって、位相屈折率の誤差δn(λ)に起因する屈折率分布誤差を低減している。
基準被検物の位相屈折率を決定するための物理量は、f(λ,λ)に限定されず、位相差差分量φ(λ)−φ(λ)から算出される物理量であればよい。例えば、数式20のg(λ,λ)やh(λ,λ)などが、物理量として代替できる。もしくは、f(λ,λ)のような物理量を算出せずに、位相差差分量φ(λ)−φ(λ)の形の物理量のまま用いてもよい。
Figure 2015124997
本実施例では、被検物60の中心の屈折率nsample(λ,0,0)の値が分からなくても、屈折率分布GI(λ,x,y)を算出できる。さらに、次のような計算をすることで、実際の被検物60の中心の屈折率nsample(λ,0,0)も算出できる。
数式21のΘは、数式11から算出される屈折率分布GI’(λ,x,y)と数式19から算出されるGI(λ,x,y)との差の2乗である。このΘが小さくなるような基準被検物の位相屈折率nsample(λ,0,0)+δn(λ)を算出すれば、被検物60の中心の屈折率nsample(λ,0,0)も算出される。
Figure 2015124997
一般的に、被検物の位相屈折率を非破壊で計測することは難しい。しかし、被検物の屈折率分布が既知であれば、数式21のような方法を用いることで、被検物の位相屈折率を非破壊で計測することができる。本実施例では、第1の波長における被検物60の中心の屈折率nsample(λ,0,0)を算出したが、第2の波長における被検物60の中心の屈折率nsample(λ,0,0)も上記方法で算出できる。
一般に、研削・研磨によって製作されたレンズやモールドによって製作されたレンズは、屈折率の分散分布が発生しにくいため、数式17の近似が成り立つ。一方、色収差を低減するために故意に分散分布を発生させたレンズは、数式17の近似が成り立たない。本実施例を用いた分散分布レンズの屈折率分布計測は、誤差が混入するため、注意が必要である。
本実施例では、被検物60と基準被検物が同一形状L(x,y)を有すると仮定している。被検物60の形状と基準被検物の形状が異なると、得られる屈折率分布は誤差を含む。そのため、あらかじめ被検物60の形状を触針式の計測方法等で計測し、その形状を基準被検物の形状に適用することが望ましい。もしくは、基準被検物の形状として設計値L(x,y)を適用し、被検物60の設計値からの形状誤差(形状成分)δL(x,y)を除去する方式を用いてもよい。形状誤差δL(x,y)は、屈折率の異なる2種類の媒質(例えば、第1の媒質として屈折率〜1.70のオイル、第2の媒質として屈折率〜1.75のオイル)それぞれに被検物60を浸して、図2のフローを行うことで除去できる。
被検物の形状がL(x,y)+δL(x,y)のとき、第kの媒質における被検物60の第1の位相差と第2の位相差との差分である第kの位相差差分量φ(λ)−φ(λ)は、数式22のように表される。ただし、k=1,2である。
Figure 2015124997
medium(λ)は第kの媒質の屈折率、Δ0kは第kの媒質中に被検物60が配置されていない状態における参照光と被検光の光路長差、m(λ)は第kの媒質における整数である。第1の媒質における第1の位相差差分量φ(λ)−φ(λ)と第2の媒質における第2の位相差差分量φ(λ)−φ(λ)とから、形状成分L(0,0)+δL(0,0)を除去すると、数式23のように物理量f(λ,λ)が得られる。
Figure 2015124997
第kの媒質における被検物60の第1の波面収差W(λ,x,y)と第2の波面収差W(λ,x,y)との差分である第kの波面収差差分量W(λ,x,y)−W(λ,x,y)を考える。被検物の形状がL(x,y)+δL(x,y)のとき、第kの波面収差差分量W(λ,x,y)−W(λ,x,y)は、数式12と数式23と、数式24の近似式とを用いて、数式25のように表される。
Figure 2015124997
Figure 2015124997
第1の媒質における第1の波面収差差分量W(λ,x,y)−W(λ,x,y)と第2の媒質における第2の波面収差差分量W(λ,x,y)−W(λ,x,y)とから、形状成分δL(x,y)とδL(0,0)を除去することができる。さらに、数式17を用いて、数式26のように屈折率分布GI(λ,x,y)が算出される。
Figure 2015124997
媒質の屈折率は、媒質の温度の変化に伴って変化する。したがって、1種類の媒質でも異なる2種類の温度の下で本実施例の屈折率分布計測を行えば、屈折率の異なる2種類の媒質において本実施例の屈折率分布計測を行ったことと同じことになる。すなわち、本実施例における第1の媒質と第2の媒質は互いに屈折率が異なっていれば良く、2種類の媒質でも良いし、互いに温度が異なる1種類の媒質でも良い。そのため、2種類の温度を用いて被検物60の形状成分が除去されてもよい。
被検物60の中心の形状誤差δL(0,0)が位相差差分量φ(λ)−φ(λ)に与える影響は、2種類の媒質や2種類の温度を利用して除去する代わりに、次の方法で低減することができる。
その方法とは、特定の波長において被検物60の群屈折率と等しい群屈折率を有する媒質70中に被検物60を配置し、Δ=0として、図3(b)のような干渉信号を取得する。干渉信号は、参照光と被検光との位相差の波長依存性を示している。図3(b)の波長λは、被検物60の群屈折率と媒質70の群屈折率とが等しくなる特定の波長に相当する。
図3(b)のように、位相差φ(λ)が極値をとる波長λから、等しい周期離れた第1の波長λ’と第2の波長λ’とを選ぶと、φ(λ’)=φ(λ’)となる。このとき、数式27の右辺第3項はゼロとなり、物理量f(λ’,λ’)は被検物60の形状成分に依存しない値となる。
つまり、第1の波長λ’における位相差φ(λ’)と第2の波長λ’における位相差φ(λ’)が等しくなるように第1の波長と第2の波長を選択するのが良い。これによって、被検物60の中心の形状誤差δL(0,0)が位相差差分量φ(λ)−φ(λ)に与える影響を低減できる。
Figure 2015124997
本実施例では、複数の波長の光を射出する光源と分光器との組み合わせで波長を走査した。複数の波長の光を射出する光源としてスーパーコンティニューム光源が使用されているが、スーパールミネッセントダイオード(SLD)や短パルスレーザやハロゲンランプ等が代用できる。複数の波長の光を射出する光源と分光器の組み合わせの代わりに、波長掃引光源でもよいし、複数の波長を離散的に射出するマルチラインレーザでもよい。複数の波長の光を射出する光源は、単一の光源に限らず、複数の光源を組み合わせでもよい。本実施例は、2種類以上の波長の光を射出する光源であれば足りる。
本実施例では、被検物60の中心(図4(a)の座標(0,0))の位相差を測定した。なぜなら、被検物60の中心を通る光は、偏向せずに直進するため、測定しやすいからである。もちろん、中心の代わりに任意の座標(x,y)の位相差を測定してもよい。
本実施例では、波面センサ81としてシャックハルトマンセンサを使用している。波面センサ81は、大きな収差の透過波面を計測できる波面センサであればよい。波面センサ81としては、ハルトマン法を用いた波面センサや、タルボ干渉計のようなシアリング干渉法を用いた波面センサを用いることができる。
本実施例では、干渉光学系にマッハツェンダ干渉計を用いた。その代わりにトワイマングリーン干渉計など、参照光と被検光の光路長差を測定できる干渉計であればよい。また、本実施例では、位相差や波面収差を波長の関数として算出しているが、周波数の関数として算出してもよい。
本実施例では、数式6において、整数m(λ)−m(λ)を図3の干渉信号から算出した。整数m(λ)−m(λ)は離散的な値なので、被検物60の設計値と媒質70の屈折率等の測定条件とを用いても算出できる。つまり、整数m(λ)−m(λ)は、干渉信号から算出する代わりに、図1の計測装置を計算機上で再現し、設計値を用いて算出してもよい。
本実施例では、図1のように、被検物60に対して被検光が垂直に入射する構成で被検物60の屈折率分布を計測したが、被検物60に対して被検光が斜めに入射する構成でも被検物60の屈折率分布を計測できる。斜入射配置による被検物60の屈折率分布計測によって、被検物60の光軸方向の屈折率分布が算出できる。
光路長分布(=屈折率分布×L(x,y))は、モールドレンズの光学性能を示す物理量として、屈折率分布に代用することができる。したがって、本発明の屈折率分布計測方法(屈折率分布計測装置)は、光路長分布計測方法(光路長分布計測装置)も意味する。
本実施例では、実施例1で使用した基準被検物を使用せずに、被検物60の屈折率分布を算出する方法を説明する。図5は、本発明における実施例2の屈折率分布計測装置の概略構成を示す図である。実施例1と同様の構成については、同一の符号を付して説明する。本実施例では、2種類のレンズを用いて被検物60を挟むことで、被検物60の透過光をほぼ平行にしている。透過光がほぼ平行光なので、シャックハルトマンセンサのような大きな収差の波面を測定できる波面センサは必要なく、参照光と被検光の干渉縞を測定する検出器80だけで測定することができる。
本実施例の光源11は、複数波長で離散的に発光するマルチラインガスレーザ(例えば、アルゴンレーザやクリプトンレーザ)である。本実施例では、マッハツェンダ干渉計を用いて、参照光と被検光の位相差φ(λ)と、波面収差W(λ,x,y)とを測定する。
本実施例では、被検物60の屈折力の影響を除去するために、被検物60とほぼ等しい屈折率を有する第1基準レンズ120及び第2基準レンズ125と媒質71とによって被検物60を挟み、被検ユニット200を構成している。第1基準レンズ120は、被検物60の第1面の面形状とほぼ等しい面を有し、第2基準レンズ125は、被検物60の第2面の面形状とほぼ等しい面を有している。被検物60、第1基準レンズ120、第2基準レンズ125の面形状と、第1基準レンズ120、第2基準レンズ125の屈折率とは、既知の量である。
第1基準レンズ120及び第2基準レンズ125は、屈折率分布がほぼゼロのレンズであり、例えば、研削・研磨で製作されたものである。被検物60と第1基準レンズ120と第2基準レンズ125の屈折率及び面形状は、本実施例の装置で測定される干渉縞が密になりすぎない範囲(=解像できる範囲)で一致している必要がある。第1基準レンズ120と被検物60の間、及び被検物60と第2基準レンズ125の間に、屈折の影響を低減するための媒質71(例えば、オイル)が塗布されている。
光源11から射出した光は、分光器20によって分光され、準単色光となってピンホール30に入射する。準単色光の波長はコンピュータ90によって制御される。ピンホール30を透過した光は発散光となり、コリメータレンズ40によって平行光となる。平行光は、ビームスプリッタ100によって透過光(参照光)と反射光(被検光)に分割される。
ビームスプリッタ100で反射された被検光は、ミラー106によって反射され、被検ユニット200(第1基準レンズ120、媒質71、被検物60、媒質71、第2基準レンズ125)を透過してビープスプリッタ101に入射する。一方、ビームスプリッタ100を透過した参照光は、補償板130を透過し、ミラー105で反射され、ビームスプリッタ101に至る。補償板130は、第1基準レンズ120及び第2基準レンズ125と同一材質で製作されたガラスブロックである。
被検光と参照光はビームスプリッタ101で合波され、干渉光を形成する。形成された干渉光は、結像レンズ45を介して検出器80で検出される。検出器80で検出された干渉信号は、コンピュータ90に送られる。検出器80は、被検物60の位置と、結像レンズ45に関して共役な位置に配置されている。
本実施例における被検物60の屈折率分布の算出方法を以下に示す。本実施例は、まず、被検物60を第1基準レンズ120と第2基準レンズ125と媒質71とで挟んで被検ユニット200を構成し、被検ユニット200を被検光路上に配置する。分光器20の波長制御と、ミラー105の駆動機構を用いた位相シフト法により、第1の波長における第1の位相差φ(λ)、第1の波面収差W(λ,x,y)、第2の波長における第2の位相差φ(λ)、第2の波面収差W(λ,x,y)を測定する。本実施例では、波面収差W(λ,x,y)と位相差φ(λ)を同時に測定することができる。尚、本実施例では、被検物60の中心(0,0)の位相差ではなく、座標(a,b)における位相差を測定している。波長λにおける位相差φ(λ)と波面収差W(λ,x,y)とは、数式28で表される。
Figure 2015124997
(x,y)、L(x,y)、L(x,y)、L(x,y)、L(x,y)は、図4(c)に示される光線に沿った各構成要素間の幾何学距離である。図4(c)は、各面における屈折による光線の偏向を無視して描かれている。L(x,y)は被検物60の厚み、L(x,y)は第1基準レンズ120の厚み、L(x,y)は第2基準レンズ125の厚みである。
(x,y)、L(x,y)、L(x,y)は、別の面形状計測方法によって計測されているものとし、ここでは既知の量と定義している。L(x,y)とL(x,y)は、被検物60の第1面と第1基準レンズ120の第2面、被検物60の第2面と第2基準レンズ125の第1面、それぞれの面形状がわずかに異なることによって発生する隙間である。L(x,y)、L(x,y)、L(x,y)が既知であるため、L(x,y)、L(x,y)も既知である。L+δLは、補償板130の厚みであり既知である。本実施例では、数式29のように、L(x,y)、L(x,y)、L(x,y)、L(x,y)、L(x,y)の和は、被検ユニット200の厚さLと等しい。被検ユニット200の厚さLは、既知である。
Figure 2015124997
(λ)は、第1基準レンズ120、第2基準レンズ125、補償板130の位相屈折率であり、既知である。本実施例では、第1基準レンズ120、第2基準レンズ125、補償板130の位相屈折率は同一で、レンズ内に一様に分布しているものと仮定している。nmedium(λ)は、媒質71の位相屈折率である。不図示の温度計を用いて温度を測定し、測定した温度に基づいて媒質71の位相屈折率nmedium(λ)が算出されている。Δは、第1基準レンズ120、被検物60、第2基準レンズ125、補償板130が、参照光路上及び被検光路上に配置されていないときの、参照光と被検光の光路長の差である。
もし、数式28の整数m(λ)が特定されれば、位相差φ(λ)から位相屈折率nsample(λ,a,b)が算出される。そして、位相屈折率nsample(λ,a,b)と波面収差W(λ,x,y)と数式29から、屈折率分布GI(λ,x,y)が数式30のように算出される。
Figure 2015124997
しかし、被検物60の位相屈折率は、モールドによる製造時に大きく変化するため、整数m(λ)の特定は難しい。言い換えると、被検物60の位相屈折率を非破壊で計測することは難しい。もし、整数m(λ)をδm間違えた場合、数式30から得られる屈折率分布GI(λ,x,y)はδm/L(x,y)の誤差を含む。
本実施例では、実施例1と同様に、整数m(λ)の特定の代わりに、第1の波長における整数m(λ)と第2の波長における整数m(λ)との差分m(λ)−m(λ)を特定する。差分m(λ)−m(λ)を特定することは簡単なので、屈折率分布GI(λ,x,y)へのδm/L(x,y)の誤差の混入を防ぐことができる。
位相差差分量φ(λ)−φ(λ)と波面収差差分量W(λ,x,y)−W(λ,x,y)とを算出すると、数式31が得られる。また、位相差差分量φ(λ)−φ(λ)から算出した物理量F(λ,λ)は、数式32のように表される。
Figure 2015124997
Figure 2015124997
そして、数式33を満たすように第1の波長における被検物60の位相屈折率nsample(λ,a,b)+δn(λ)と、第2の波長における被検物60の位相屈折率nsample(λ,a,b)+δn(λ)とが決定される。
Figure 2015124997
最後に、数式17、数式31、数式32、数式33を用いて、数式34のように、被検物60の屈折率分布GI(λ,x,y)が算出される。
Figure 2015124997
本実施例では、被検物60の形状L(x,y)が既知であることを前提としている。被検物60の形状L(x,y)が未知の場合でも、第1基準レンズ120、被検物60、第2基準レンズ125の間の隙間であるL(x,y)、L(x,y)が、被検物の厚みに対して無視できる程小さければ、数式34の右辺第3項をゼロと見做せる。つまり、数式35の近似が成り立つ。そのため、被検物60の形状誤差の影響を無視できる。被検物60の形状L(x,y)が未知の場合の屈折率分布GI(λ,x,y)の算出式は、数式36のようになる。
Figure 2015124997
Figure 2015124997
もしくは、実施例1と同様に2種類の媒質を用いれば形状誤差δL(x,y)を除去できる。本実施例では、実施例1のように2種類の媒質中に被検物60を浸すのではなく、第1基準レンズ120、被検物60、第2基準レンズ125の間に塗布する媒質71を2種類準備すればよい。そして、2種類の媒質について上記計測を行えば、実施例1と同様に形状成分を除去できる。
実施例1、実施例2で説明した計測装置および計測方法を用いた屈折率分布の計測結果および屈折率の計測結果をレンズ等の光学素子の製造方法にフィードバックすることも可能である。
図6には、モールド成型を利用した光学素子の製造工程の例を示している。
光学素子は、光学素子の設計工程、金型の設計工程および該金型を用いた光学素子のモールド成型工程を経て製造される。成型された光学素子は、その形状精度が評価され、精度不足である場合は金型を補正して再度モールド成型を行う。形状精度が良好であれば、該光学素子の光学性能が評価される。この光学性能の評価工程に、本発明の屈折率分布計測方法や屈折率計測方法を組み込むことで、モールド成型される光学素子を精度良く量産することができる。
なお、光学性能が低い場合は、光学面を補正した光学素子を設計し直す。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
10 光源
60 被検物
70 媒質
80 検出器
81 波面センサ
90 コンピュータ

Claims (16)

  1. 光源からの光を参照光と被検光に分割し、前記参照光と、被検物に入射して前記被検物を透過した前記被検光とを干渉させることによって、前記参照光と前記被検光との位相差を測定する位相差測定ステップと、前記被検光の波面収差を測定する波面収差測定ステップと、前記位相差と前記波面収差に基づいて前記被検物の屈折率分布を算出する算出ステップとを有する屈折率分布計測方法であって、
    前記位相差測定ステップにおいて、第1の波長における第1の位相差と、前記第1の波長とは異なる第2の波長における第2の位相差とを測定し、
    前記波面収差測定ステップにおいて、前記第1の波長における第1の波面収差と、前記第2の波長における第2の波面収差とを測定し、
    前記算出ステップにおいて、前記第1の位相差と前記第2の位相差との差分である位相差差分量を算出し、前記第1の波面収差と前記第2の波面収差との差分である波面収差差分量を算出し、前記位相差差分量と前記波面収差差分量に基づいて前記被検物の屈折率分布を算出することを特徴とする屈折率分布計測方法。
  2. 前記波面収差測定ステップにおいて、前記第1の波長における前記被検物の透過波面と、特定の屈折率分布を有する基準被検物の前記第1の波長における透過波面との差分である第1の波面収差を算出し、前記第2の波長における前記被検物の透過波面と、前記基準被検物の前記第2の波長における透過波面との差分である第2の波面収差を算出することを特徴とする請求項1に記載の屈折率分布計測方法。
  3. 前記位相差測定ステップにおいて、第1の屈折率を有する第1の媒質中に前記被検物を配置して、前記第1の波長における第1の位相差と前記第2の波長における第2の位相差とを測定し、前記第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有する第2の媒質中に前記被検物を配置して、前記第1の波長における第1の位相差と前記2の波長における第2の位相差とを測定し、
    前記波面収差測定ステップにおいて、前記第1の媒質中に前記被検物を配置して、前記第1の波長における第1の波面収差と前記第2の波長における第2の波面収差とを測定し、前記第2の媒質中に前記被検物を配置して、前記第1の波長における第1の波面収差と前記第2の波長における第2の波面収差とを測定し、
    前記算出ステップにおいて、前記第1の媒質中に前記被検物を配置して測定された前記第1の位相差と前記第2の位相差との差分である第1の位相差差分量を算出し、前記第2の媒質中に前記被検物を配置して測定された前記第1の位相差と前記第2の位相差との差分である第2の位相差差分量を算出し、前記第1の媒質中に前記被検物を配置して測定された前記第1の波面収差と前記第2の波面収差との差分である第1の波面収差差分量を算出し、前記第2の媒質中に前記被検物を配置して測定された前記第1の波面収差と前記第2の波面収差との差分である第2の波面収差差分量を算出し、前記第1の位相差差分量と前記第2の位相差差分量と前記第1の波面収差差分量と前記第2の波面収差差分量とに基づいて、前記被検物の形状成分を除去して前記被検物の屈折率分布を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の屈折率分布計測方法。
  4. 前記算出ステップにおいて、前記被検物の既知の形状と前記位相差差分量と前記波面収差差分量とに基づいて、前記被検物の屈折率分布を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の屈折率分布計測方法。
  5. 特定の波長において前記被検物の群屈折率と等しい群屈折率を有する媒質を前記参照光と前記被検光の光路上に配置して、前記参照光と前記被検光の位相差の波長依存性を測定し、前記参照光と前記被検光の位相差の波長依存性に基づいて、前記第1の位相差と前記第2の位相差が等しくなるような前記第1の波長と前記第2の波長とを算出することを特徴とする請求項1または2に記載の屈折率分布計測方法。
  6. 形状及び屈折率が既知の第1基準レンズと、形状及び屈折率が既知の第2基準レンズとを、前記被検物を挟むように配置することによって被検ユニットを構成し、
    前記位相差測定ステップにおいて、前記参照光と、前記被検ユニットを透過した被検光とを干渉させることによって、前記第1の波長における第1の位相差と前記第2の波長における第2の位相差とを測定し、
    前記波面収差測定ステップにおいて、前記被検ユニットを透過した被検光の前記第1の波長における第1の波面収差と前記第2の波長における第2の波面収差とを測定し、
    前記算出ステップにおいて、前記第1の位相差と前記第2の位相差との差分である位相差差分量を算出し、前記第1の波面収差と前記第2の波面収差との差分である波面収差差分量を算出し、前記第1基準レンズの形状及び屈折率と前記第2基準レンズの形状及び屈折率と前記位相差差分量と前記波面収差差分量とに基づいて、前記被検物の屈折率分布を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の屈折率分布計測方法。
  7. 前記位相差測定ステップにおいて、前記第1、第2基準レンズと前記被検物の間に第1の屈折率を有する第1の媒質を配置して、前記第1の波長における第1の位相差と前記第2の波長における第2の位相差とを測定し、前記第1、第2基準レンズと前記被検物の間に前記第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有する第2の媒質を配置して、前記第1の波長における第1の位相差と前記2の波長における第2の位相差とを測定し、
    前記波面収差測定ステップにおいて、前記第1、第2基準レンズと前記被検物の間に前記第1の媒質を配置して、前記第1の波長における第1の波面収差と前記第2の波長における第2の波面収差とを測定し、前記第1、第2基準レンズと前記被検物の間に前記第2の媒質を配置して、前記第1の波長における第1の波面収差と前記第2の波長における第2の波面収差とを測定し、
    前記算出ステップにおいて、前記第1、第2基準レンズと前記被検物の間に前記第1の媒質を配置して測定された前記第1の位相差と前記第2の位相差との差分である第1の位相差差分量を算出し、前記第1、第2基準レンズと前記被検物の間に前記第2の媒質を配置して測定された前記第1の位相差と前記第2の位相差との差分である第2の位相差差分量を算出し、前記第1、第2基準レンズと前記被検物の間に前記第1の媒質を配置して測定された前記第1の波面収差と前記第2の波面収差との差分である第1の波面収差差分量を算出し、前記第1、第2基準レンズと前記被検物の間に前記第2の媒質を配置して測定された前記第1の波面収差と前記第2の波面収差との差分である第2の波面収差差分量を算出し、前記第1の位相差差分量と前記第2の位相差差分量と前記第1の波面収差差分量と前記第2の波面収差差分量とに基づいて、前記被検物の形状成分を除去して前記被検物の屈折率分布を算出することを特徴とする請求項6に記載の屈折率分布計測方法。
  8. 光学素子をモールドするステップと、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の屈折率分布計測方法を用いて前記光学素子の屈折率分布を計測することによって、モールドされた光学素子の光学性能を評価するステップと、を含むことを特徴とする光学素子の製造方法。
  9. 光源と、前記光源から射出した光を参照光と被検光に分割し、前記参照光と、被検物に入射して前記被検物を透過した前記被検光とを干渉させることによって、前記参照光と前記被検光との位相差を測定する位相差測定手段と、前記被検光の波面収差を測定する波面収差測定手段と、前記位相差と前記波面収差に基づいて前記被検物の屈折率分布を算出する算出手段と、を有する屈折率分布計測装置において、
    前記位相差測定手段は、第1の波長における第1の位相差と、前記第1の波長とは異なる第2の波長における第2の位相差とを測定し、
    前記波面収差測定手段は、前記第1の波長における第1の波面収差と、前記第2の波長における第2の波面収差とを測定し、
    前記算出手段は、前記第1の位相差と前記第2の位相差との差分である位相差差分量を算出し、前記第1の波面収差と前記第2の波面収差との差分である波面収差差分量を算出し、前記位相差差分量と前記波面収差差分量とに基づいて前記被検物の屈折率分布を算出することを特徴とする屈折率分布計測装置。
  10. 前記波面収差測定手段は、前記第1の波長における前記被検物の透過波面と、特定の屈折率分布を有する基準被検物の前記第1の波長における透過波面を測定することによって、前記第1の波長における前記被検物の透過波面と、前記第1の波長における前記基準被検物の透過波面との差分である第1の波面収差を算出し、前記第2の波長における前記被検物の透過波面と、前記第2の波長における前記基準被検物の透過波面を測定することによって、前記第2の波長における前記被検物の透過波面と、前記第2の波長における前記基準被検物の透過波面との差分である第2の波面収差を算出することを特徴とする請求項9に記載の屈折率分布計測装置。
  11. 前記位相差測定手段は、第1の屈折率を有する第1の媒質中に前記被検物を配置して、前記第1の波長における第1の位相差と前記第2の波長における第2の位相差とを測定し、前記第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有する第2の媒質中に前記被検物を配置して、前記第1の波長における第1の位相差と前記2の波長における第2の位相差とを測定し、
    前記波面収差測定手段は、前記第1の媒質中に前記被検物を配置して、前記第1の波長における第1の波面収差と前記第2の波長における第2の波面収差とを測定し、前記第2の媒質中に前記被検物を配置して、前記第1の波長における第1の波面収差と前記第2の波長における第2の波面収差とを測定し、
    前記算出手段は、前記第1の媒質中に前記被検物を配置して測定された前記第1の位相差と前記第2の位相差との差分である第1の位相差差分量を算出し、前記第2の媒質中に前記被検物を配置して測定された前記第1の位相差と前記第2の位相差との差分である第2の位相差差分量を算出し、前記第1の媒質中に前記被検物を配置して測定された前記第1の波面収差と前記第2の波面収差との差分である第1の波面収差差分量を算出し、前記第2の媒質中に前記被検物を配置して測定された前記第1の波面収差と前記第2の波面収差との差分である第2の波面収差差分量を算出し、前記第1の位相差差分量と前記第2の位相差差分量と前記第1の波面収差差分量と前記第2の波面収差差分量とに基づいて、前記被検物の形状成分を除去して前記被検物の屈折率分布を算出することを特徴とする請求項9または10に記載の屈折率分布計測装置。
  12. 前記算出手段は、前記被検物の既知の形状と前記位相差差分量と前記波面収差差分量とに基づいて、前記被検物の屈折率分布を算出することを特徴とする請求項9または10に記載の屈折率分布計測装置。
  13. 特定の波長において前記被検物の群屈折率と等しい群屈折率を有する媒質を前記参照光と前記被検光の光路上に配置して、前記参照光と前記被検光の位相差の波長依存性を測定し、前記参照光と前記被検光の位相差の波長依存性に基づいて、前記第1の位相差と前記第2の位相差が等しくなるような前記第1の波長と前記第2の波長とを算出することを特徴とする請求項9または10に記載の屈折率分布計測装置。
  14. 形状及び屈折率が既知の第1基準レンズと、形状及び屈折率が既知の第2基準レンズとを、前記被検物を挟むように配置することによって被検ユニットを構成し、
    前記位相差測定手段は、前記参照光と、前記被検ユニットを透過した被検光とを干渉させることによって、前記第1の波長における第1の位相差と前記第2の波長における第2の位相差とを測定し、
    前記波面収差測定手段は、前記被検ユニットを透過した被検光の前記第1の波長における第1の波面収差と前記第2の波長における第2の波面収差とを測定し、
    前記算出手段は、前記第1の位相差と前記第2の位相差との差分である位相差差分量を算出し、前記第1の波面収差と前記第2の波面収差との差分である波面収差差分量を算出し、前記第1基準レンズの形状及び屈折率と前記第2基準レンズの形状及び屈折率と前記位相差差分量と前記波面収差差分量とに基づいて、前記被検物の屈折率分布を算出することを特徴とする請求項9または10に記載の屈折率分布計測装置。
  15. 前記位相差測定手段は、前記第1、第2基準レンズと前記被検物の間に第1の屈折率を有する第1の媒質を配置して、前記第1の波長における第1の位相差と前記第2の波長における第2の位相差とを測定し、前記第1、第2基準レンズと前記被検物の間に前記第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有する第2の媒質を配置して、前記第1の波長における第1の位相差と前記2の波長における第2の位相差とを測定し、
    前記波面収差測定手段は、前記第1、第2基準レンズと前記被検物の間に前記第1の媒質を配置して、前記第1の波長における第1の波面収差と前記第2の波長における第2の波面収差とを測定し、前記第1、第2基準レンズと前記被検物の間に前記第2の媒質を配置して、前記第1の波長における第1の波面収差と前記第2の波長における第2の波面収差とを測定し、
    前記算出手段は、前記第1、第2基準レンズと前記被検物の間に前記第1の媒質を配置して測定された前記第1の位相差と前記第2の位相差との差分である第1の位相差差分量を算出し、前記第1、第2基準レンズと前記被検物の間に前記第2の媒質を配置して測定された前記第1の位相差と前記第2の位相差との差分である第2の位相差差分量を算出し、前記第1、第2基準レンズと前記被検物の間に前記第1の媒質を配置して測定された前記第1の波面収差と前記第2の波面収差との差分である第1の波面収差差分量を算出し、前記第1、第2基準レンズと前記被検物の間に前記第2の媒質を配置して測定された前記第1の波面収差と前記第2の波面収差との差分である第2の波面収差差分量を算出し、前記第1の位相差差分量と前記第2の位相差差分量と前記第1の波面収差差分量と前記第2の波面収差差分量とに基づいて、前記被検物の形状成分を除去して前記被検物の屈折率分布を算出することを特徴とする請求項14に記載の屈折率分布計測装置。
  16. 光源と、前記光源から射出した光を参照光と被検光に分割し、前記参照光と、被検物に入射して前記被検物を透過した前記被検光とを干渉させることによって、前記参照光と前記被検光との位相差を測定する位相差測定手段と、前記被検光の波面収差を測定する波面収差測定手段と、前記位相差と前記波面収差に基づいて前記被検物の屈折率分布を算出する算出手段と、を有する屈折率分布計測装置において、
    前記位相差測定手段は、第1の波長における第1の位相差と、前記第1の波長とは異なる第2の波長における第2の位相差とを測定し、
    前記波面収差測定手段は、前記第1の波長における第1の波面収差と、前記第2の波長における第2の波面収差とを測定し、
    前記算出手段は、前記第1の位相差と前記第2の位相差との差分である位相差差分量を算出し、前記第1の波面収差と前記第2の波面収差との差分である波面収差差分量を算出し、前記位相差差分量と前記波面収差差分量に基づいて前記被検物の屈折率分布を算出し、前記被検物の屈折率分布と前記第1の波面収差とに基づいて、第1の波長における前記被検物の位相屈折率を算出することを特徴とする屈折率計測装置。
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