JP2015123642A - 多層フィルム及びそれを用いた包装材 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた透明性、耐薬品性及び防湿性を有し、直線的に容易に切断でき、切断面が直線状になり、かつ、引張強度や突き刺し強度等の機械的特性に優れるフィルム及び包装材を提供する。【解決手段】基材、接着層及びシーラント層をこの順に積層した多層フィルムであって、該シーラント層が環状オレフィン樹脂及び低密度ポリエチレン樹脂を含む層を有し、該環状オレフィン樹脂及びポリエチレン樹脂を含む層における環状オレフィン樹脂の含有量が、該層の総質量に対して30質量%以上70質量%未満であり、該シーラント層が低密度ポリエチレン樹脂を含む多層フィルムを得る。【選択図】なし
Description
本発明は、低密度ポリエチレン樹脂及び環状オレフィン樹脂を含む多層フィルム及びそれを用いた包装材に関する。
近年、医薬品や飲食品等を包装するための材料として、セロハンとポリエチレンをラミネートしたセロポリやグラシン紙が用いられている。これらを用いた包装材は手で引き裂いて開封する際に容易に開封することができるものの、直線的に切れず、さらに、開封面(切断面)が波形になるという欠点がある。また、引張強度や表面を突き刺した場合の強度に劣るという欠点がある。また、セロポリに用いられるセロハンは防湿性に劣るため、内容物の長期保管には適しておらず、OTC医薬品(一般用医薬品)等の長期保管されるものの包装材には通常使用されていない。また、吸湿により形状が変化することがあり、寸法安定性にも問題がある。
一方、環状オレフィン樹脂は、透明性、耐薬品性、防湿性及び機械的特性等に優れるため、光学用途や、医薬又は医療機器用途等の材料として用いられている。また、環状オレフィン樹脂は、溶融加工性や流動性、熱収縮性や印刷特性にも優れるため、フィルム状又はシート状の成形品や、包装材としても利用されている。このように、環状オレフィン樹脂は様々な分野において利用されている。
ところで、環状オレフィン樹脂に対して添加剤を加えて、成形体の物性を改善することは一般的に行われている。そして、添加剤の種類によって、改善される物性が決まるわけではなく、添加剤の配合量、添加剤自体の物性により改善される物性が異なることが知られている。例えば、特許文献1では、低密度ポリエチレンを主成分とする樹脂層と、低密度ポリエチレンと環状オレフィン系樹脂を特定の比率で含有する層とを積層した多層フィルムが提案されている。当該多層フィルムにおいては、環状オレフィン系樹脂の含有量を10〜30質量%とすることにより、易開封性等の特性を付与している。また、特許文献2では、低密度ポリエチレンと環状オレフィンコポリマーとを含むフィルムが提案されている。当該フィルムにおいては、環状オレフィンコポリマーを2重量%以上添加することにより、易引き裂き性等の特性を付与している。
しかしながら、上述したような従来のフィルムは、手で引き裂いて開封する際の開封面(切断面)が波形になるという問題や、引張強度や突き刺し強度が十分でない等の問題があった。
本発明は、上述したような従来のフィルムにおける問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、優れた透明性、耐薬品性及び防湿性を有し、直線的に容易に切断でき、切断面が直線状になり、かつ、引張強度や突き刺し強度等の機械的特性に優れるフィルム及びそれを用いた包装材を提供することにある。
上記課題を解決する本発明は以下の通りである。
(1)基材、接着層及びシーラント層をこの順に積層した多層フィルムであって、該シーラント層が環状オレフィン樹脂及びポリエチレン樹脂を含む層を有し、該環状オレフィン樹脂及びポリエチレン樹脂を含む層における環状オレフィン樹脂の含有量が、該層の総質量に対して30質量%以上70質量%未満であり、該シーラント層が低密度ポリエチレン樹脂を含む、多層フィルム。
(2)上記シーラント層が、環状オレフィン樹脂及びポリエチレン樹脂を含む層と低密度ポリエチレン樹脂からなる層を含む二以上の層とを含み、上記接着層から最も離れた位置に配置された層が直鎖状低密度ポリエチレンを含まない層である、(1)に記載の多層フィルム。
(3)上記シーラント層が、低密度ポリエチレン樹脂又は直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を主成分とする層(A)と、環状オレフィン樹脂及びポリエチレン樹脂を含む層(B)と、低密度ポリエチレン樹脂からなる層(C)とを、(A)/(B)/(C)の順に積層した層である、(1)又は(2)に記載の多層フィルム。
(4)上記環状オレフィン樹脂及びポリエチレン樹脂を含むにおける環状オレフィン樹脂の含有量が、当該環状オレフィン樹脂及びポリエチレン樹脂を含む層の総質量に対して40質量%以上60質量%未満である、(1)〜(3)のいずれか一に記載の多層フィルム。
(5)フィルムの総厚みが100μm以下である、(1)〜(4)のいずれか一に記載の多層フィルム。
(6)(1)〜(5)のいずれか一に記載の多層フィルムを成形してなる包装材。
(1)基材、接着層及びシーラント層をこの順に積層した多層フィルムであって、該シーラント層が環状オレフィン樹脂及びポリエチレン樹脂を含む層を有し、該環状オレフィン樹脂及びポリエチレン樹脂を含む層における環状オレフィン樹脂の含有量が、該層の総質量に対して30質量%以上70質量%未満であり、該シーラント層が低密度ポリエチレン樹脂を含む、多層フィルム。
(2)上記シーラント層が、環状オレフィン樹脂及びポリエチレン樹脂を含む層と低密度ポリエチレン樹脂からなる層を含む二以上の層とを含み、上記接着層から最も離れた位置に配置された層が直鎖状低密度ポリエチレンを含まない層である、(1)に記載の多層フィルム。
(3)上記シーラント層が、低密度ポリエチレン樹脂又は直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を主成分とする層(A)と、環状オレフィン樹脂及びポリエチレン樹脂を含む層(B)と、低密度ポリエチレン樹脂からなる層(C)とを、(A)/(B)/(C)の順に積層した層である、(1)又は(2)に記載の多層フィルム。
(4)上記環状オレフィン樹脂及びポリエチレン樹脂を含むにおける環状オレフィン樹脂の含有量が、当該環状オレフィン樹脂及びポリエチレン樹脂を含む層の総質量に対して40質量%以上60質量%未満である、(1)〜(3)のいずれか一に記載の多層フィルム。
(5)フィルムの総厚みが100μm以下である、(1)〜(4)のいずれか一に記載の多層フィルム。
(6)(1)〜(5)のいずれか一に記載の多層フィルムを成形してなる包装材。
本発明によれば、優れた透明性、耐薬品性及び防湿性を有し、直線的に容易に切断でき、切断面が直線状になり、かつ、引張強度や突き刺し強度等の機械的特性に優れるフィルム及び包装材を提供することができる。
本発明の多層フィルムは、基材、接着層及びシーラント層をこの順に積層したものであって、該シーラント層が環状オレフィン樹脂及び低密度ポリエチレン樹脂を含む。
本発明の多層フィルムは、シーラント層において環状オレフィン樹脂を所定量含有することを特徴としており、それにより優れた透明性、耐薬品性及び防湿性を有し、直線的に容易に切断でき、切断時の切断面が直線状になり、かつ、引張強度や突き刺し強度等の機械的特性に優れるという効果を発揮するものである。
以下、多層フィルムの各層及び各層を構成する成分について詳述する。
本発明の多層フィルムは、シーラント層において環状オレフィン樹脂を所定量含有することを特徴としており、それにより優れた透明性、耐薬品性及び防湿性を有し、直線的に容易に切断でき、切断時の切断面が直線状になり、かつ、引張強度や突き刺し強度等の機械的特性に優れるという効果を発揮するものである。
以下、多層フィルムの各層及び各層を構成する成分について詳述する。
[基材]
使用される基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)等のポリエステル樹脂、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)等のオレフィン樹脂、ナイロン−6、ナイロン−66等のポリアミド樹脂(PA)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリアクリロニトリル樹脂(PAN)、ポリイミド樹脂(PI)、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)等の一軸延伸、二軸延伸、無延伸フィルムが使用できる。中でも、易カット性や突き刺し強度に優れるという点でポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)が好ましく用いられる。
開封時の所望の方向への易カット性を得るためには、開封方向の延伸倍率が開封方向と直交する方向の延伸倍率よりも大きいことが望ましい。
使用される基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)等のポリエステル樹脂、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)等のオレフィン樹脂、ナイロン−6、ナイロン−66等のポリアミド樹脂(PA)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリアクリロニトリル樹脂(PAN)、ポリイミド樹脂(PI)、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)等の一軸延伸、二軸延伸、無延伸フィルムが使用できる。中でも、易カット性や突き刺し強度に優れるという点でポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)が好ましく用いられる。
開封時の所望の方向への易カット性を得るためには、開封方向の延伸倍率が開封方向と直交する方向の延伸倍率よりも大きいことが望ましい。
[接着層]
接着層としては、押し出しラミネートの場合は、例えば低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体樹脂(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂(EEA)、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(EMAA)又はエチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂(EMMA)等の樹脂が使用できる。また、これらの樹脂を使用する場合は、密着性を上げるという理由で、有機チタン系、イソシアネート系、ポリエチレンイミン系又はポリブタジエン系等のアンカーコート剤を併用することが望ましい。
接着層としては、押し出しラミネートの場合は、例えば低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体樹脂(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂(EEA)、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(EMAA)又はエチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂(EMMA)等の樹脂が使用できる。また、これらの樹脂を使用する場合は、密着性を上げるという理由で、有機チタン系、イソシアネート系、ポリエチレンイミン系又はポリブタジエン系等のアンカーコート剤を併用することが望ましい。
[シーラント層]
シーラント層は単層又は二以上の層からなり、環状オレフィン樹脂及び低密度ポリエチレン樹脂を必須の成分として含有する。シーラント層が単層の場合、該シーラント層は環状オレフィン樹脂及び低密度ポリエチレン樹脂を含有する。シーラント層が二以上の層からなる場合、環状オレフィン樹脂及び低密度ポリエチレン樹脂及び/又は直鎖状低密度ポリエチレン樹脂及び/又は高密度ポリエチレン樹脂を含有する層(COC+PE層)と、低密度ポリエチレン樹脂からなる層(LDPE層)又は直鎖状低密度ポリエチレン樹脂からなる層(LLDPE層)とを含む。また、シーラント層が三層以上の場合、COC+PE層及びLDPE層又はLLDPE層以外の層としては、特に限定されないが、低密度ポリエチレン樹脂を主成分とする層(LDPE層’)又は直鎖状低密度ポリエチレンを主成分とする層(LLDPE層’)を含むことが好ましい。ここで、「主成分とする」とは、当該層の総質量に対して低密度ポリエチレン樹脂又は直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を60質量%以上含有することを意味する。
シーラント層が二以上の層からなる場合、シーラント層を構成する各層の配置は特に限定されない。しかしながら、本発明の多層フィルムが、医薬品や飲食品等の人が摂取する物の包装材として用いられる場合であって、シーラント層が被包装物と接触する構成をとる場合、当該シーラント層を構成する層のうち、接着層と反対側(接着層から最も離れた位置)の層(すなわち、包装材の最内層)はLLDPEを含まない層であることが好ましい。これは、LLDPEが、摂取すると好ましくない遷移金属を触媒として用いて製造されるためである。接着層と反対側(接着層から最も離れた位置)を構成する層は、LDPE層であることが好ましい。
シーラント層は単層又は二以上の層からなり、環状オレフィン樹脂及び低密度ポリエチレン樹脂を必須の成分として含有する。シーラント層が単層の場合、該シーラント層は環状オレフィン樹脂及び低密度ポリエチレン樹脂を含有する。シーラント層が二以上の層からなる場合、環状オレフィン樹脂及び低密度ポリエチレン樹脂及び/又は直鎖状低密度ポリエチレン樹脂及び/又は高密度ポリエチレン樹脂を含有する層(COC+PE層)と、低密度ポリエチレン樹脂からなる層(LDPE層)又は直鎖状低密度ポリエチレン樹脂からなる層(LLDPE層)とを含む。また、シーラント層が三層以上の場合、COC+PE層及びLDPE層又はLLDPE層以外の層としては、特に限定されないが、低密度ポリエチレン樹脂を主成分とする層(LDPE層’)又は直鎖状低密度ポリエチレンを主成分とする層(LLDPE層’)を含むことが好ましい。ここで、「主成分とする」とは、当該層の総質量に対して低密度ポリエチレン樹脂又は直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を60質量%以上含有することを意味する。
シーラント層が二以上の層からなる場合、シーラント層を構成する各層の配置は特に限定されない。しかしながら、本発明の多層フィルムが、医薬品や飲食品等の人が摂取する物の包装材として用いられる場合であって、シーラント層が被包装物と接触する構成をとる場合、当該シーラント層を構成する層のうち、接着層と反対側(接着層から最も離れた位置)の層(すなわち、包装材の最内層)はLLDPEを含まない層であることが好ましい。これは、LLDPEが、摂取すると好ましくない遷移金属を触媒として用いて製造されるためである。接着層と反対側(接着層から最も離れた位置)を構成する層は、LDPE層であることが好ましい。
シーラント層が二層の場合、好ましいシーラント層の構成は、基材及び接着層に対して、基材/接着層/COC+PE層/LDPE層である。
また、シーラント層が三層の場合、好ましいシーラント層の構成は、基材/接着層/LDPE層’/COC+PE層/LDEP層、又は、基材/接着層/LLDPE層’/COC層+PE層/LDPE層である。
また、シーラント層が三層の場合、好ましいシーラント層の構成は、基材/接着層/LDPE層’/COC+PE層/LDEP層、又は、基材/接着層/LLDPE層’/COC層+PE層/LDPE層である。
シーラント層の製造方法は、押出機を使用して、樹脂組成物をフィルムに成形する成形工程を含む。該成形工程においては、一般的に用いられる押出成形法に従い、押出機のシリンダー内で上記の樹脂組成物を溶融体にした後、押出機のダイから溶融した樹脂組成物を引き落として空気中又は水中等で冷却し、フィルムが成形される。成形工程において使用する押出機としては、特に限定されないが、単軸押出機、2軸押出機又はスクリュー押出機(フルフライト、ダブルフライト等のタイプ)等を使用できる。
本発明におけるシーラント層には、フィルムの成分として通常使用される他の成分を適宜配合してもよい。このような成分としては、酸化防止剤、二次酸化防止剤、着色剤、中和剤、分散剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、核剤、顔料、着色剤、難燃剤及びアンチブロッキング剤や、その他の各種有機無機化合物等が挙げられる。樹脂組成物中のこれらの成分の配合量は、目的の効果等に応じて適宜調整される。
本発明におけるシーラント層には、フィルムの成分として通常使用される他の成分を適宜配合してもよい。このような成分としては、酸化防止剤、二次酸化防止剤、着色剤、中和剤、分散剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、核剤、顔料、着色剤、難燃剤及びアンチブロッキング剤や、その他の各種有機無機化合物等が挙げられる。樹脂組成物中のこれらの成分の配合量は、目的の効果等に応じて適宜調整される。
上述した基材、接着層及びシーラント層の各層は、多層フィルムを製造する際に用いられる一般的な方法により貼り合わせられて多層フィルムが形成される。例えば、サンドラミネート法及びドライラミネート等の方法を用いることができる。
基材の厚みは10〜50μmであることが好ましい。また、接着層の厚みは1〜20μmであることが好ましい。また、シーラント層の厚みは20〜80μmであることが好ましい。
多層フィルムの総厚みは100μm以下であることが好ましく、90μm以下であることがより好ましい。
多層フィルムの総厚みは100μm以下であることが好ましく、90μm以下であることがより好ましい。
[環状オレフィン樹脂]
環状オレフィン樹脂は、環状オレフィン成分を共重合成分として含むものであり、環状オレフィン成分を主鎖に含むポリオレフィン樹脂であれば、特に限定されるものではない。例えば、環状オレフィンの付加重合体又はその水素添加物、環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体又はその水素添加物等を挙げることができる。
環状オレフィン樹脂は、環状オレフィン成分を共重合成分として含むものであり、環状オレフィン成分を主鎖に含むポリオレフィン樹脂であれば、特に限定されるものではない。例えば、環状オレフィンの付加重合体又はその水素添加物、環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体又はその水素添加物等を挙げることができる。
また、環状オレフィン樹脂としては、上記重合体に、さらに極性基を有する不飽和化合物をグラフト及び/又は共重合したものを含む。
極性基としては、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、エステル基、ヒドロキシル基、スルホ基、ホスホノ基及びホスフィノ基等を挙げることができる。極性基を有する不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜10)エステル、マレイン酸アルキル(炭素数1〜10)エステル、(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル等を挙げることができる。中でも、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、エステル基、ヒドロキシル基、スルホ基、ホスホノ基及びホスフィノ基が好ましく用いられる。
環状オレフィン樹脂としては、環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体又はその水素添加物が好ましい。
また、環状オレフィン成分を共重合成分として含む環状オレフィン系樹脂としては、市販の樹脂を用いることも可能である。市販されている環状オレフィン系樹脂としては、例えば、TOPAS(登録商標)(Topas Advanced Polymers社製)、アペル(登録商標)(三井化学社製)、ゼオネックス(登録商標)(日本ゼオン社製)、ゼオノア(登録商標)(日本ゼオン社製)及びアートン(登録商標)(JSR社製)等を挙げられる。
環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体として、特に好ましい例としては、(1)炭素数2〜20のα−オレフィン成分と、(2)下記一般式(I)で示される環状オレフィン成分とを含む共重合体を挙げることができる。
(式中、R1〜R12は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子及び炭化水素基からなる群より選ばれるものであり、
R9とR10、R11とR12は、一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、
R9又はR10と、R11又はR12とは、互いに環を形成していてもよい。
また、nは0又は正の整数を示し、
nが2以上の場合には、R5〜R8はそれぞれの繰り返し単位の中で、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
R9とR10、R11とR12は、一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、
R9又はR10と、R11又はR12とは、互いに環を形成していてもよい。
また、nは0又は正の整数を示し、
nが2以上の場合には、R5〜R8はそれぞれの繰り返し単位の中で、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
上記(1)炭素数2〜20のα−オレフィン成分について説明する。炭素数2〜20のα−オレフィンは、特に限定されるものではない。例えば、特開2007−302722に開示されているものと同様のものを挙げることができる。また、これらのα−オレフィン成分は、1種単独でも2種以上を同時に使用してもよい。これらの中では、エチレンの単独使用が最も好ましい。
上記(2)一般式(I)で示される環状オレフィン成分について説明する。一般式(I)におけるR1〜R12は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子及び炭化水素基からなる群より選ばれるものである。
R1〜R8の具体例としては、例えば、水素原子;フッ素、塩素及び臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の低級アルキル基等を挙げることができ、これらはそれぞれ異なっていてもよく、部分的に異なっていてもよく、また、全部が同一であってもよい。
また、R9〜R12の具体例としては、例えば、水素原子;フッ素、塩素及び臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基及びステアリル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、エチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ナフチル基及びアントリル基等の置換又は無置換の芳香族炭化水素基;ベンジル基、フェネチル基、その他アルキル基にアリール基が置換したアラルキル基等を挙げることができ、これらはそれぞれ異なっていてもよく、部分的に異なっていてもよく、また、全部が同一であってもよい。
R9とR10、又はR11とR12とが一体化して2価の炭化水素基を形成する場合の具体例としては、例えば、エチリデン基、プロピリデン基及びイソプロピリデン基等のアルキリデン基等を挙げることができる。
R9又はR10と、R11又はR12とが、互いに環を形成する場合には、形成される環は単環でも多環であってもよく、架橋を有する多環であってもよく、二重結合を有する環であってもよく、またこれらの環の組み合わせからなる環であってもよい。また、これらの環はメチル基等の置換基を有していてもよい。
上記一般式(I)で示される環状オレフィン成分の具体例としては、特開2007−302722に開示されているものと同様のものを挙げることができる。
これらの環状オレフィン成分は、1種単独でも、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中では、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名:ノルボルネン)を単独使用することが好ましい。
上記(1)炭素数2〜20のα−オレフィン成分と(2)一般式(I)で表される環状オレフィン成分との重合方法及び得られた重合体の水素添加方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法に従って行うことができる。ランダム共重合であってもブロック共重合であってもよいが、ランダム共重合であることが好ましい。
また、用いられる重合触媒についても特に限定されるものではなく、チーグラー・ナッタ系、メタセシス系及びメタロセン系触媒等の従来周知の触媒を用いて周知の方法により環状オレフィン系樹脂を得ることができる。
次いで、その他共重合成分について簡単に説明する。環状オレフィン系樹脂は、上記の(1)炭素数2〜20のα−オレフィン成分と、(2)一般式(I)で示される環状オレフィン成分以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合可能な不飽和単量体成分を含有していてもよい。
任意に共重合されていてもよい不飽和単量体としては、特に限定されるものではないが、例えば、炭素−炭素二重結合を1分子内に2個以上含む炭化水素系単量体等を挙げることができる。炭素−炭素二重結合を1分子内に2個以上含む炭化水素系単量体の具体例としては、特開2007−302722に開示されているものと同様のものを挙げることができる。
シーラント層が単層の場合、シーラント層における環状オレフィン樹脂の含有量は、シーラント層の総質量に対して30質量%以上70質量%未満であることが好ましく、40質量%以上60質量%以下であることがより好ましい。また、シーラント層が二以上の層を含む場合、環状オレフィン樹脂及びポリエチレン樹脂を含む層における環状オレフィン樹脂の含有量は、当該層の総質量に対して30質量%以上70質量%未満であることが好ましく、40質量%以上60質量%以下であることがより好ましい。環状オレフィン樹脂の含有量が30質量%未満であると、手で引き裂いて開封する際の開封面(切断面)が波形になり、また、容易に開封できないという問題があり、70質量%以上であると、直線的に切れなくなり、また、フィルムの剛性が上がるため巻き取り時にシワが発生しやすくなるという問題がある。
なお、環状オレフィン樹脂を含有する層には、本発明の効果を害さない範囲で、環状オレフィン樹脂以外の成分が含まれていてもよい。その他の成分としては、例えば、その他の樹脂、無機充填剤、核剤、顔料、酸化防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤及び離型剤等が挙げられる。
[ポリエチレン樹脂]
ポリエチレン樹脂としては、密度が0.900以上0.940未満の低密度ポリエチレン樹脂又は直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、及び、密度が0.930以上の高密度ポリエチレン樹脂を用いることができる。シーラント層が単層の場合、シーラント層におけるポリエチレン樹脂の含有量は30質量%〜70質量%であることが好ましく、40質量%〜60質量%であることがより好ましい。また、シーラント層が二以上の層を含む場合、環状オレフィン樹脂及びポリエチレン樹脂を含む層におけるポリエチレン樹脂の含有量は、当該層の総質量に対して30質量%〜70質量%であることが好ましく、40質量%〜60質量%であることがより好ましい。
ポリエチレン樹脂としては、密度が0.900以上0.940未満の低密度ポリエチレン樹脂又は直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、及び、密度が0.930以上の高密度ポリエチレン樹脂を用いることができる。シーラント層が単層の場合、シーラント層におけるポリエチレン樹脂の含有量は30質量%〜70質量%であることが好ましく、40質量%〜60質量%であることがより好ましい。また、シーラント層が二以上の層を含む場合、環状オレフィン樹脂及びポリエチレン樹脂を含む層におけるポリエチレン樹脂の含有量は、当該層の総質量に対して30質量%〜70質量%であることが好ましく、40質量%〜60質量%であることがより好ましい。
低密度ポリエチレン樹脂及び直鎖状低密度ポリエチレン樹脂としては、市販の樹脂を用いることも可能である。市販されている樹脂としては、例えば、ノバテック(登録商標)シリーズ(日本ポリエチレン製)、スミカセン(登録商標)(住友化学製)等を挙げることができる。
また、高密度ポリエチレン樹脂としては、ノバテック(登録商標)シリーズ(日本ポリエチレン製)、ハイゼックス(登録商標)(プライムポリマー製)等を挙げることができる。
また、高密度ポリエチレン樹脂としては、ノバテック(登録商標)シリーズ(日本ポリエチレン製)、ハイゼックス(登録商標)(プライムポリマー製)等を挙げることができる。
[包装材]
本発明の包装材は、上記本発明の多層フィルムを成形してなる。成形方法は特に限定されず、包装材の形状等に応じて、押出成形、ブロー成形及び真空成形等適宜好ましい成形方法を用いることができる。本発明の多層フィルムは優れた透明性を有するため、被包装物の確認が容易である。また、防湿性及び機械的特性に優れるため、本発明の包装材は水蒸気等によって劣化する製品を保存する包装材として好適である。さらに、開封時の開封面(切断面)が波形にならないため、粉末や顆粒のような被包装物が開封面に付着して残留することを抑制することができる。本発明の包装材の被包装物としては、とくに限定されないが、例えば、医薬品、医療用品、衛生用品及び飲食品等が挙げられる。また、断熱性や耐熱性にも優れるので、高温の液体(例えば60℃以上の熱湯)と接触する容器等にも使用できる。
本発明の包装材は、上記本発明の多層フィルムを成形してなる。成形方法は特に限定されず、包装材の形状等に応じて、押出成形、ブロー成形及び真空成形等適宜好ましい成形方法を用いることができる。本発明の多層フィルムは優れた透明性を有するため、被包装物の確認が容易である。また、防湿性及び機械的特性に優れるため、本発明の包装材は水蒸気等によって劣化する製品を保存する包装材として好適である。さらに、開封時の開封面(切断面)が波形にならないため、粉末や顆粒のような被包装物が開封面に付着して残留することを抑制することができる。本発明の包装材の被包装物としては、とくに限定されないが、例えば、医薬品、医療用品、衛生用品及び飲食品等が挙げられる。また、断熱性や耐熱性にも優れるので、高温の液体(例えば60℃以上の熱湯)と接触する容器等にも使用できる。
本発明の多層フィルムが包装材として用いられる場合、上記シーラント層が被包装物と接する側に存在するように構成することが好ましい。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<環状オレフィン樹脂>
実施例で使用した環状オレフィン樹脂は以下のとおりである。
COC−1:商品名「TOPAS7010F−600」、TOPAS Advanced Polymers社製
COC−2:商品名「TOPAS8007F−500」、TOPAS Advanced Polymers社製
実施例で使用した環状オレフィン樹脂は以下のとおりである。
COC−1:商品名「TOPAS7010F−600」、TOPAS Advanced Polymers社製
COC−2:商品名「TOPAS8007F−500」、TOPAS Advanced Polymers社製
<ポリエチレン樹脂>
実施例で使用したポリエチレン樹脂は以下のとおりである。
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE):商品名「ノバテックUF320」、日本ポリエチレン株式会社製
低密度ポリエチレン(LDPE):商品名「ノバテックLF280」、日本ポリエチレン株式会社製
高密度ポリエチレン(HDPE):商品名「ノバテックHY530」、日本ポリエチレン株式会社製
実施例で使用したポリエチレン樹脂は以下のとおりである。
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE):商品名「ノバテックUF320」、日本ポリエチレン株式会社製
低密度ポリエチレン(LDPE):商品名「ノバテックLF280」、日本ポリエチレン株式会社製
高密度ポリエチレン(HDPE):商品名「ノバテックHY530」、日本ポリエチレン株式会社製
<基材>
実施例で使用した基材は以下のとおりである。
ポリエチレンテレフタレート(PET):商品名「東洋紡エステルフィルムET510」、東洋紡株式会社製
ポリプロピレン(PP):商品名「ノーブレンANNM」、東京インキ株式会社製
実施例で使用した基材は以下のとおりである。
ポリエチレンテレフタレート(PET):商品名「東洋紡エステルフィルムET510」、東洋紡株式会社製
ポリプロピレン(PP):商品名「ノーブレンANNM」、東京インキ株式会社製
上記各材料を用いて、表1に示す組成の各多層フィルムを以下の方法により作製した。なお、特に説明のない限り、表1中の数値は「質量部」を示し、シーラント層を構成する層(A)〜(C)の各層の組成を合計100質量部とした。
(シーラント層の製造方法)
三層インフレーション成形機(トミー機械工業株式会社製)を用いて、層(B)、該層(B)を挟む層(A)及び層(C)を有する3層の多層共押出フィルム(全層厚さ:40μm)を作製し、シーラント層とした。該多層共押出フィルムの成形条件は下記の通りである。
ダイス(ダイ口径:106mm、リップクリアランス:2.5mm)及びスクリュー(φ=40mm、L/D=26)を使用して多層共押出フィルムを作製した。なお、多層共押出フィルムの層(A)及び層(C)のシリンダー温度を190℃に設定し、フィルムの層(B)のシリンダー温度を210℃に設定した。また、ダイスの温度を190℃、ブロー比を2.0、引き取り速度を12.5m/minにそれぞれ設定し、表1中の各層の厚さになるようにスクリュー回転数をそれぞれ設定した。
なお、上記シーラント層が包装材を構成する場合には、層(A)が外層側、層(C)が内層側となるように包装材が構成される。
三層インフレーション成形機(トミー機械工業株式会社製)を用いて、層(B)、該層(B)を挟む層(A)及び層(C)を有する3層の多層共押出フィルム(全層厚さ:40μm)を作製し、シーラント層とした。該多層共押出フィルムの成形条件は下記の通りである。
ダイス(ダイ口径:106mm、リップクリアランス:2.5mm)及びスクリュー(φ=40mm、L/D=26)を使用して多層共押出フィルムを作製した。なお、多層共押出フィルムの層(A)及び層(C)のシリンダー温度を190℃に設定し、フィルムの層(B)のシリンダー温度を210℃に設定した。また、ダイスの温度を190℃、ブロー比を2.0、引き取り速度を12.5m/minにそれぞれ設定し、表1中の各層の厚さになるようにスクリュー回転数をそれぞれ設定した。
なお、上記シーラント層が包装材を構成する場合には、層(A)が外層側、層(C)が内層側となるように包装材が構成される。
(シーラント層と基材のラミネート方法)
押し出しラミネート装置を用いて、表1中に記載のフィルム状の基材の片面にイソシアネート系アンカーコート剤(EL−540、東洋インキ株式会社製)を乾燥時の厚みが0.5μmとなるように塗布、乾燥し、アンカーコート層を形成した。次いで、前記アンカーコート層上に、押し出し温度310℃で、低密度ポリエチレン(ノバテックLC600A、日本ポリエチレン株式会社製)を、厚みが17.5μmとなるように押し出し接着層とした。該接着層上に上記シーラント層の層(A)が接着するように貼り合わせて多層フィルムを作成した。
押し出しラミネート装置を用いて、表1中に記載のフィルム状の基材の片面にイソシアネート系アンカーコート剤(EL−540、東洋インキ株式会社製)を乾燥時の厚みが0.5μmとなるように塗布、乾燥し、アンカーコート層を形成した。次いで、前記アンカーコート層上に、押し出し温度310℃で、低密度ポリエチレン(ノバテックLC600A、日本ポリエチレン株式会社製)を、厚みが17.5μmとなるように押し出し接着層とした。該接着層上に上記シーラント層の層(A)が接着するように貼り合わせて多層フィルムを作成した。
上記方法により製造した各多層フィルムをそれぞれ実施例1−8及び比較例1−3とした。また、市販されているセロポリ(20μmのセロハンに低密度ポリエチレンを押し出しラミネートした多層フィルム)を比較例4とした。
上記各実施例及び比較例を、直線カット性、切断面形状、突き刺し強度、引き裂き強度及びヘイズのそれぞれについて評価した。
[直線カット性]
JIS K7128−1に準じてトラウザー引き裂き試験を行い、引き裂きの終点とフィルムの中心からの距離(下記図1の矢印の距離)を4段階で判定した。
◎:中心から1mm未満
○:中心から2mm未満
△:中心から3mm未満
×:中心から4mm以上
[図1]
JIS K7128−1に準じてトラウザー引き裂き試験を行い、引き裂きの終点とフィルムの中心からの距離(下記図1の矢印の距離)を4段階で判定した。
◎:中心から1mm未満
○:中心から2mm未満
△:中心から3mm未満
×:中心から4mm以上
[図1]
[切断面形状]
JIS K7128−2に準じてエルメンドルフ引き裂き試験を行い、切断面を下記の4段階で判定した。
◎:切断面に波形がない
○:切断面が若干波形
△:切断面がやや波形
×:切断面が波形
JIS K7128−2に準じてエルメンドルフ引き裂き試験を行い、切断面を下記の4段階で判定した。
◎:切断面に波形がない
○:切断面が若干波形
△:切断面がやや波形
×:切断面が波形
[突き刺し強度]
JIS Z1707に準じて突き刺し強度を測定した。針の直径を1mmφ、速度を50mm/minとした。結果を表1に示す。
突き刺し強度が高いほど、多層フィルム表面の突き刺しに対する耐性が高い。例えば、多層フィルムを顆粒状の医薬品を包装する包装材として用いる場合には、被包装物が包装材を突き破って外部に放出しないようにする必要があるが、突き刺し強度が7N以上であれば被包装物が包装材を突き破らないようにすることができる。
JIS Z1707に準じて突き刺し強度を測定した。針の直径を1mmφ、速度を50mm/minとした。結果を表1に示す。
突き刺し強度が高いほど、多層フィルム表面の突き刺しに対する耐性が高い。例えば、多層フィルムを顆粒状の医薬品を包装する包装材として用いる場合には、被包装物が包装材を突き破って外部に放出しないようにする必要があるが、突き刺し強度が7N以上であれば被包装物が包装材を突き破らないようにすることができる。
[引き裂き強度]
JIS K7128−2に準じてエルメンドルフ引き裂き試験を行い、フィルムの縦方向の引き裂き強度を測定した。引き裂き強度が低いほど、フィルムの引き裂きに対する耐性が低く、容易に引き裂くことができる(易引き裂き性)。例えば、多層フィルムを包装材として用いる場合には、容易に開封できることが好ましい場合があるが、引き裂き強度が0.5N/枚以下であれば手で容易に引き裂いて開封することができる。
JIS K7128−2に準じてエルメンドルフ引き裂き試験を行い、フィルムの縦方向の引き裂き強度を測定した。引き裂き強度が低いほど、フィルムの引き裂きに対する耐性が低く、容易に引き裂くことができる(易引き裂き性)。例えば、多層フィルムを包装材として用いる場合には、容易に開封できることが好ましい場合があるが、引き裂き強度が0.5N/枚以下であれば手で容易に引き裂いて開封することができる。
[ヘイズ]
ISO 14782に準じてヘイズを測定した。ヘイズが低いほど、フィルムの透明性が高い。例えば、多層フィルムを包装材として用いる場合、被包装物を視認しやすい方が好ましい場合があるが、ヘイズが20%以下であれば容易に被包装物を視認することができる。
ISO 14782に準じてヘイズを測定した。ヘイズが低いほど、フィルムの透明性が高い。例えば、多層フィルムを包装材として用いる場合、被包装物を視認しやすい方が好ましい場合があるが、ヘイズが20%以下であれば容易に被包装物を視認することができる。
上記各評価項目の結果を表1に示す。
表1の結果から、環状オレフィン樹脂を本発明で規定する量含有する実施例においては、上記評価項目のいずれについても良好な結果が得られた。一方、環状オレフィン樹脂が本発明で規定する量より少ない比較例1及び2においては、直線カット性及び易引き裂き性に劣り、また、切断面が波形になった。また、環状オレフィン樹脂が本発明で規定する量より多い比較例3においては、切断面に波形は見られなかったものの、直線カット性に劣る結果となった。
表1の結果から、環状オレフィン樹脂を本発明で規定する量含有する実施例においては、上記評価項目のいずれについても良好な結果が得られた。一方、環状オレフィン樹脂が本発明で規定する量より少ない比較例1及び2においては、直線カット性及び易引き裂き性に劣り、また、切断面が波形になった。また、環状オレフィン樹脂が本発明で規定する量より多い比較例3においては、切断面に波形は見られなかったものの、直線カット性に劣る結果となった。
Claims (6)
- 基材、接着層及びシーラント層をこの順に積層した多層フィルムであって、該シーラント層が環状オレフィン樹脂及びポリエチレン樹脂を含む層を有し、該環状オレフィン樹脂及びポリエチレン樹脂を含む層における環状オレフィン樹脂の含有量が、該層の総質量に対して30質量%以上70質量%未満であり、該シーラント層が低密度ポリエチレン樹脂を含む、多層フィルム。
- 前記シーラント層が、環状オレフィン樹脂及びポリエチレン樹脂を含む層と低密度ポリエチレン樹脂からなる層とを含む二以上の層を含み、前記接着層から最も離れた位置に配置された層が直鎖状低密度ポリエチレンを含まない層である、請求項1に記載の多層フィルム。
- 前記シーラント層が、低密度ポリエチレン樹脂又は直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を主成分とする層(A)と、環状オレフィン樹脂及びポリエチレン樹脂を含む層(B)と、低密度ポリエチレン樹脂からなる層(C)とを、前記接着層側から(A)/(B)/(C)の順に積層した層である、請求項1又は2に記載の多層フィルム。
- 前記環状オレフィン樹脂及びポリエチレン樹脂を含む層における環状オレフィン樹脂の含有量が、当該環状オレフィン樹脂及びポリエチレン樹脂を含む層の総質量に対して40質量%以上60質量%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の多層フィルム。
- フィルムの総厚みが100μm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の多層フィルム。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の多層フィルムを成形してなる包装材。
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2013
- 2013-12-26 JP JP2013268796A patent/JP2015123642A/ja active Pending
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