JP2015123021A - 苗移植機 - Google Patents

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Hikari Osano
光 小佐野
山崎 仁史
Hitoshi Yamazaki
仁史 山崎
英希 山下
Hideki Yamashita
英希 山下
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Abstract

【課題】薬剤を適切に散布することのできる苗移植機を提供すること。【解決手段】走行車体2の後部に積載した苗を植え付ける苗植付部50と、薬剤を貯留する薬剤ホッパ90と、苗植付部50に積載された苗に設定量ずつ薬剤を供給する薬剤供給装置91と、を備える薬剤散布装置80と、を備え、薬剤供給装置91は、機体後側から機体前側に向かい、且つ、機体左右方向に薬剤を散布する。これにより、薬剤散布装置80と苗植付部50の前後間隔を広くすることができ、苗の植付作業に伴い跳ね上がってくる水や、苗に付着した水が、薬剤散布装置80に付着することを防止し、薬剤の散布量が不足することを防止することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、薬剤散布装置を備える苗移植機に関する。
圃場で苗の植付け等の作業を行う際に用いる苗移植機等の作業車両には、防虫等の薬剤等を散布する薬剤散布装置を備えているものがある。例えば、特許文献1には、苗植付部に積載した植付前の苗に、殺菌剤等の薬剤を散布する薬剤散布装置を装着した苗移植機が記載されており、この薬剤散布装置は、薬剤ホッパから落下する薬剤を、繰出し装置で所定量ずつ苗の上方から散布する構成になっている。
また、特許文献2には、薬剤ホッパから落下する薬剤を、駆動回転する薬剤散布ローラで跳ね飛ばし、複数条(文献では1ローラで4条)に薬剤を供給する薬剤散布装置を装着した苗移植機が記載されている。この薬剤散布装置では、これらのように構成することにより、構成部品を減らすことができるので、重量バランスが機体後側に偏ることを防止できると共に、薬剤の排出口と苗の間隔を広くすることができるので、苗に付着した水や飛散する水が排出口に付着し難くなり、薬剤の排出量を設定量通りにすることができる。
特開2010−35423号公報 特開2002−101708号公報
しかしながら、特許文献1に記載された苗移植機に備えられる薬剤散布装置では、薬剤の排出口が苗に近い配置構成になるので、乾燥防止のために苗に供給している水や、走行輪等が跳ね上げる水が排出口に付着し易くなり、この水に薬剤が付着すると設定量の薬剤が供給されなくなる虞がある。また、特許文献2に記載された苗移植機に備えられる薬剤散布装置では、所定方向に回転する薬剤散布ローラで薬剤を複数条に拡散させることにより、薬剤の供給量にバラつきが生じ易く、薬剤が不足した条、または薬剤が過剰となった条では、苗の生育が悪くなる問題や、苗が枯れてしまう問題がある。これらのため、苗移植機に備えられる薬剤散布装置で、薬剤を適切な量で散布するのは、大変困難なものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、薬剤を適切に散布することのできる苗移植機を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の苗移植機は、走行車体(2)の後部に積載した苗を植え付ける苗植付部(50)と、薬剤を貯留する薬剤ホッパ(90、201)と、前記苗植付部(50)に積載された苗に設定量ずつ前記薬剤を供給する薬剤供給装置(91、205)と、を備える薬剤散布装置(80、200)と、を備え、前記薬剤供給装置(91、205)は、機体後側から機体前側に向かい、且つ、機体左右方向に前記薬剤を散布することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の苗移植機において、前記薬剤供給装置(91)は、前記薬剤ホッパ(90)の機体下方側に設ける薬剤供給フレーム(92)と、前記薬剤供給フレーム(92)内の機体上部位置に、間欠作動装置(93)で設定間隔ごとに開閉動作して前記薬剤を移動させる開閉部材(94)と、前記開閉部材(94)の機体下方側に、前記薬剤を案内する案内通路(95)と、前記案内通路(95)の機体下方側に、供給される前記薬剤を機体左右方向に散布する散布部材(96)と、を備え、前記薬剤供給フレーム(92)には、機体下部側に、前記散布部材(96)の上下幅と同じ上下幅で開口し、前記薬剤が放出される散布開口部(97)が形成されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の苗移植機において、前記薬剤供給フレーム(92)には、前記散布部材(96)を回転駆動させる散布伝動ケース(100)が設けられており、前記散布伝動ケース(100)の一側端部には前記散布部材(96)が配設され、他側端部には前記散布伝動ケース(100)に駆動力を供給する散布駆動部材(101)が配設されていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の苗移植機において、前記散布伝動ケース(100)は、機体左右において一対が設けられており、且つ、一対の前記散布伝動ケース(100)は、機体後側ほど機体左右方向に離間し、機体前側ほど接近して配置されており、一対の前記散布伝動ケース(100)の機体前端部には、それぞれに伝動ギヤ(102)が配設され、一対の前記散布伝動ケース(100)のうち、いずれか一方には前記散布駆動部材(101)が配設されており、前記散布部材(96)の回転方向は、互いに対向する回転方向であることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の苗移植機において、前記苗植付部(50)は、複数条の苗を積載する苗載部材(51)と、それぞれ植付条が割り当てられた複数の苗植付装置(60)と、を備え、前記走行車体(2)には、所定の条に対応する前記苗植付装置(60)の動作を入切する部分条操作部材(105)が設けられており、前記苗植付部(50)には、所定条分の苗に前記薬剤を供給する前記薬剤散布装置(80)が、植付条に対応して配設され、前記部分条操作部材(105)を操作すると、所定の条に対応する前記苗植付装置(60)と前記薬剤散布装置(80)の入切が連動して切り替えられることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の苗移植機において、前記散布伝動ケース(100)は、機体左右方向に回動自在になっており、前記薬剤供給装置(91)は、前記散布伝動ケース(100)を左右方向に回動させる回動ギヤ(132)と、前記回動ギヤ(132)を回転させる回動操作部材(120)と、を備え、前記薬剤供給装置(91)での前記薬剤の散布時は、前記回動操作部材(120)は、所定間隔ごとに駆動と停止を繰り返すことを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の苗移植機において、前記苗植付部(50)は、複数条の苗を積載する苗載部材(51)と、それぞれ植付条が割り当てられた複数の苗植付装置(60)と、を備え、前記薬剤供給装置(205)は、前記薬剤ホッパ(201)の機体下方側に設ける薬剤供給フレーム(206)と、前記薬剤供給フレーム(206)内の機体上部側の位置に配設されて、前記薬剤ホッパ(201)から落下する前記薬剤を所定量ずつ受けて移動させる繰出し部材(210)と、前記繰出し部材(210)の機体下方側に、前記薬剤を案内する案内通路(260)と、前記案内通路(260)の機体下方側に、前記薬剤を前記苗植付部(50)の各条の苗に機体上方側から供給する薬剤供給部材(261)と、前記薬剤供給部材(261)に搬送風を供給する起風装置(280)と、を備えることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の苗移植機において、前記薬剤供給部材(261)は、機体左右方向に配設される案内部材(262)に、条ごとの機体上下方向の供給部材(265)を備え、前記供給部材(265)内には、搬送風と前記薬剤の移動を切り替える切替部材(270)を、それぞれ機体上下方向における位置調節が自在に配設されていることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の苗移植機において、前記繰出し部材(210)は、軸方向に突出する凸部(213)を有すると共に、前記薬剤を移動させるロール部材(226)が装着される第1軸(212)と、前記凸部(213)が挿入されると共に、前記第1軸(212)に対して相対回転可能に配設され、前記第1軸(212)に装着される前記ロール部材(226)とは別のロール部材(226)が装着される第2軸(222)と、を備え、前記第1軸(212)と前記第2軸(222)とには、個別に駆動力が伝達されることを特徴とする。
請求項1に記載の苗移植機は、薬剤供給装置が薬剤を機体後側から前側に散布することにより、薬剤散布装置と苗植付部の前後間隔を広くすることができるので、苗の植付作業に伴い跳ね上がってくる水や、苗に付着した水が薬剤散布装置の排出口周辺に付着することを防止でき、これにより、薬剤の散布量が不足することを防止でき、薬剤を適切に散布することができる。また、薬剤供給装置が左右方向に薬剤を散布することにより、1つの薬剤散布装置で苗植付部の複数条の苗に薬剤を供給することができるので、薬剤散布装置の部品点数の削減や重量の軽減を図ることができる。
請求項2に記載の苗移植機は、請求項1の発明の効果に加えて、開閉部材を間欠作動装置で開閉動作させることにより、間欠作動装置の作動タイミングで薬剤の散布量を変更することができるので、散布量の調節機構を簡潔な構成にすることができる。また、散布開口部の上下幅を散布部材の上下幅とほぼ同じとしたことにより、薬剤が上下方向に拡散し難くなるので、左右方向の所定範囲内に設定量の薬剤を能率的に供給することができる。これにより、苗に均一に薬剤を供給することができ、苗の生育を安定させることができる。
請求項3に記載の苗移植機は、請求項2の発明の効果に加えて、散布駆動部材の駆動力を、散布伝動ケースを介して散布部材に伝動し、散布部材を回転させることにより、案内通路から落下する薬剤を散布部材の回転で左右方向に散布することができる。これにより、薬剤を広範囲に能率よく供給でき、苗の生育を安定させることができる。
請求項4に記載の苗移植機は、請求項3の発明の効果に加えて、左右一対の散布部材を設け、伝動ギヤを介して散布駆動部材の駆動力を伝動する構成としたことにより、散布駆動部材の数を減らすことができるので、部品点数を削減することができる。また、一方の伝動ギヤの回転に他方が連動するので、左右の散布部材の回転速度をほぼ一定にすることができる。これにより、薬剤の散布量や散布範囲を安定させることができ、苗に安定して薬剤を供給することができる。また、散布部材の回転方向を互いに対向する回転方向としたことにより、飛散する方向を左右方向に拡げることができるので、1つの薬剤散布装置で複数条の苗に薬剤を供給することができる。
請求項5に記載の苗移植機は、請求項1から4のいずれか1項の発明の効果に加えて、部分条操作部材の操作により、所定条の苗植付装置と薬剤散布装置の入切を連動して行うことにより、圃場端等で苗の植付作業を行わない条には薬剤を供給しないことにより、過剰に薬剤が供給されることが防止でき、苗や圃場の汚染を防止できる。また、薬剤の余分な消費を抑えることができ、苗の植付作業コストを低減することができる。
請求項6に記載の苗移植機は、請求項1から4のいずれか1項の発明の効果に加えて、散布伝動ケースが左右方向に回動することにより、薬剤の散布方向をいっそう左右方向に広くすることができる。これにより、複数条の苗に確実に薬剤の供給を行うことができ、苗の生育を安定させることができる。また、より広範囲に薬剤を散布できるので、苗植付部の条数に対する薬剤散布装置の数を減らすことができ、軽量化を図ることができる。
請求項7に記載の苗移植機は、請求項1の発明の効果に加えて、薬剤を、薬剤供給部材を通じて各条の苗に供給する構成としたことにより、1つの薬剤散布装置で苗植付部に積載した全条の苗に薬剤を供給することができる。これにより、薬剤散布装置の配置スペースが余分に必要なくなると共に、薬剤散布装置の重量がかからなくなるため、軽量化を図ることができる。また、起風装置で搬送風を発生させ、この搬送風で薬剤を各条の苗に供給することにより、苗に付着している水が薬剤供給部材の入り口に付着し難くなり、また付着しても風圧で除去することができる。これにより、薬剤供給部材の出口付近に薬剤が付着することがなく、薬剤の供給を安定させることができる。
請求項8に記載の苗移植機は、請求項7の発明の効果に加えて、切替部材の上下位置を変更することにより、所定の供給部材への薬剤及び搬送風の移動を規制することができるので、薬剤を供給する苗を選択することができる。これにより、過剰な薬剤の供給による苗や圃場の汚染を防止できると共に、薬剤の使用量を削減することができる。また、切替部材の上下位置を変更することにより、薬剤や搬送風の通過量を調節することができるので、起風装置近くの供給部材と、起風装置から離れた位置の供給部材とで、偏った量の薬剤が供給されることを防止することができる。これにより、各条の苗に設定量の薬剤を供給することができ、苗の生育を安定させることができる。
請求項9に記載の苗移植機は、請求項7または8の発明の効果に加えて、繰出し部材が有し、それぞれにロール部材が装着される第1軸と第2軸とは、相対回転可能に配設されると共に、個別に駆動力が伝達されるため、1つの薬剤供給装置で、2箇所の領域に対して独立して薬剤を散布することができる。これにより、例えば苗の植付作業を行わない条には、薬剤を供給しないようにすることができるため、過剰に薬剤が供給されることを防止でき、苗や圃場の汚染を防止することができる。また、薬剤の余分な消費を抑えることができ、苗の植付作業コストを低減することができる。
図1は、実施形態1に係る苗移植機の側面図である。 図2は、図1に示す苗移植機の平面図である。 図3は、苗植付部に設けられる薬剤散布装置の説明図である。 図4は、図3のA−A矢視図である。 図5は、図3のB−B矢視図である。 図6は、図1に示す苗移植機の要部構成図である。 図7は、実施形態2に係る苗移植機が有する薬剤散布装置の説明図であり、薬剤散布装置及び苗植付部の側面図である。 図8は、図7のC−C矢視図である。 図9は、図8のD−D矢視図である。 図10は、図8のE−E矢視図である。 図11は、図9のF部詳細図である。 図12は、図11のG部詳細図である。 図13は、繰出しロールの説明図である。 図14は、繰出しロールからロール部材を取り除いた状態の説明図である。 図15は、第1軸と第2軸とを離間させた状態を示す説明図である。 図16は、図8のH詳細図である。 図17は、切替プレートを図16のJ方向から見た場合の説明図である。 図18は、図17のK−K矢視図である。 図19は、実施形態1に係る苗移植機の変形例であり、薬剤供給装置が回動する形態の説明図である。 図20は、実施形態1に係る苗移植機の変形例であり、施肥装置が有する貯留ホッパの側面図である。 図21は、図20のL−L矢視図である。
以下に、本発明に係る苗移植機の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1に係る苗移植機の側面図である。図2は、図1に示す苗移植機の平面図である。なお、以下の説明においては、前後、左右の方向基準は、苗移植機の操縦席からみて、車体の走行方向を基準として、前後、左右の基準を規定している。本実施形態1に係る苗移植機1の走行車体2は、左右一対の前輪4と、同様に左右一対の後輪5とを有しており、走行時には各車輪が駆動する四輪駆動車としている。これにより、走行車体2は、圃場や道路を走行することが可能になっている。また、走行車体2の後部には、苗植付部昇降機構40によって昇降可能な苗植付部50が備えられている。
この走行車体2は、車体の略中央に配置されたメインフレーム7と、このメインフレーム7の上に搭載されたエンジン10と、エンジン10の動力を駆動輪と苗植付部50とに伝える動力伝達装置15と、を備えている。つまり、本実施形態1に係るこの苗移植機1では、エンジン10の動力は、走行車体2を前進や後進させるために用いるのみでなく、苗植付部50を駆動させるためにも使用され、ディーゼル機関やガソリン機関等の熱機関が用いられる。
また、エンジン10は、走行車体2の左右方向における略中央で、且つ、作業者が乗車時に足を載せるフロアステップ26よりも上方に突出させた状態で配置されている。また、フロアステップ26は、走行車体2の前部とエンジン10の後部との間に渡って設けられてメインフレーム7上に取り付けられており、その一部が格子状になることにより、靴に付いた泥を圃場に落とせるようになっている。また、このフロアステップ26の後方には、後輪5のフェンダを兼ねたリアステップ27が設けられている。このリアステップ27は、後方に向うに従って上方に向う方向に傾斜した傾斜面を有しており、エンジン10の左右それぞれの側方に配置されている。
エンジン10は、これらのフロアステップ26とリアステップ27とから上方に突出しており、これらのステップから突出している部分には、エンジン10を覆うエンジンカバー11が配設されている。即ち、エンジンカバー11は、フロアステップ26とリアステップ27とから上方に突出した状態で、エンジン10を覆っている。
また、走行車体2には、エンジンカバー11の上部に操縦席28が設置されており、操縦席28の前方で、且つ、走行車体2の前側中央部には、操縦部30が配設されている。この操縦部30は、フロアステップ26の床面から上方に突出した状態で配置されており、フロアステップ26の前部側を左右に分断している。
操縦部30の前部には、開閉可能なフロントカバー31が設けられている。また、操縦部30の上部には、操作装置を作動させる操作レバー等や計器類、ハンドル32が配設されている。このハンドル32は、作業者が前輪4を操舵操作することにより走行車体2を操舵する操舵部材として設けられており、操縦部30内の操作装置等を介して前輪4を転舵させることが可能になっている。また、操作レバーとしては、走行車体2の前後進及び走行速度を操作する主走行操作部材である走行レバー35と、走行車体2の走行速度を、走行する場所に応じた速度に切り替える副走行操作部材である副変速レバー38と、が配設されている。
また、フロアステップ26における操縦部30の左右それぞれの側方に位置する部分には、補給用の苗を載せておく予備苗載台65が配置されている。この予備苗載台65は、フロアステップ26の床面から突出した支持軸(鉛直軸)によって回転自在に支持されており、作業者の手、または電動モータ等の回動部材によって回動させることが可能になっている。
また、動力伝達装置15は、主変速機としての油圧式無段変速機16と、この油圧式無段変速機16にエンジン10からの動力を伝えるベルト式動力伝達機構17と、を有している。このうち、油圧式無段変速機16とは、HST(Hydro Static Transmission)と云われる静油圧式の無段変速装置として構成されている。このため、油圧式無段変速機16は、エンジン10からの動力で駆動する油圧ポンプによって油圧を発生させ、この油圧を油圧モータで機械的な力(回転力)に変換して出力する。これにより、油圧式無段変速機16は、エンジン10で発生する動力を、走行車体2を走行させる力に変換する。
その際に、油圧式無段変速機16は、回転力の方向や回転速度を変更することにより、走行車体2の前後進及び走行速度を変更することが可能になっており、走行レバー35は、この油圧式無段変速機16の出力及び出力方向を変更することによって、走行車体2の前後進及び走行速度を操作することが可能になっている。
この油圧式無段変速機16は、エンジン10よりも前方で、且つ、フロアステップ26の床面よりも下方に配置されており、本実施形態1に係る苗移植機1では、走行車体2の上面から見て、エンジン10の前方に配置されている。
また、ベルト式動力伝達機構17は、エンジン10の出力軸に取り付けたプーリと、油圧式無段変速機16の入力軸に取り付けたプーリと、双方のプーリに巻き掛けたベルトと、さらに、このベルトの張力を調整するテンションプーリと、を備えている。これにより、ベルト式動力伝達機構17は、エンジン10で発生した動力を、ベルトを介して油圧式無段変速機16に伝達可能になっている。
さらに、動力伝達装置15は、エンジン10からの出力がベルト式動力伝達機構17と油圧式無段変速機16とを介して伝達されるミッションケース18を有している。このミッションケース18は、路上走行時や植付時等における走行車体2の作業速度を切り替える副変速機構(図示省略)を内設しており、メインフレーム7の前部に取り付けられている。副変速レバー38は、ミッションケース18内の副変速機構を操作することにより、走行車体2の走行速度を切り替えることが可能になっている。ミッションケース18は、ベルト式動力伝達機構17と油圧式無段変速機16とを介して伝達されたエンジン10からの出力を、当該ミッションケース18内の副変速機構で変速して、前輪4と後輪5への走行用動力と、苗植付部50への駆動用動力とに分けて出力可能になっている。
このうち、走行用動力は、一部が左右の前輪ファイナルケース21を介して前輪4に伝達可能になっており、残りが左右の後輪ギヤケース22を介して後輪5に伝達可能になっている。左右それぞれの前輪ファイナルケース21は、ミッションケース18の左右それぞれの側方に配設されており、左右の前輪4は、車軸を介して左右の前輪ファイナルケース21に連結されている。また、この前輪ファイナルケース21は、ハンドル32の操舵操作に応じて駆動し、前輪4を転舵させることが可能になっている。同様に、左右それぞれの後輪ギヤケース22には、車軸を介して後輪5が連結されている。一方、駆動用動力は、走行車体2の後部に設けた植付クラッチ(図示省略)に伝達され、この植付クラッチの係合時に植付伝動軸(図示省略)によって苗植付部50へ伝達される。
また、走行車体2の後部に備えられる苗植付部50を昇降させる苗植付部昇降機構40は、昇降リンク装置41を有しており、苗植付部50は、この昇降リンク装置41を介して走行車体2に取り付けられている。この昇降リンク装置41は、走行車体2の後部と苗植付部50とを連結させる平行リンク機構42を備えている。この平行リンク機構42は、上リンクと下リンクとを有しており、これらのリンクが、メインフレーム7の後部端に立設した背面視門型のリンクベースフレーム43に回動自在に連結され、各リンクの他端側が苗植付部50に回転自在に連結されることにより、苗植付部50を昇降可能に走行車体2に連結している。
また、苗植付部昇降機構40は、油圧によって伸縮する油圧昇降シリンダ44を有しており、油圧昇降シリンダ44の伸縮動作によって、苗植付部50を昇降させることが可能になっている。苗植付部昇降機構40は、その昇降動作によって、苗植付部50を非作業位置まで上昇させたり、対地作業位置(対地植付位置)まで下降させたりすることが可能になっている。
また、苗植付部50は、苗を植え付ける範囲を複数の区画、或いは複数の列で植え付けることができ、本実施形態1に係る苗移植機1では、苗を6つの区画で植え付ける、いわゆる6条植の苗植付部50になっている。この苗植付部50は、苗植付装置60と、苗載置台51及びフロート47を備えている。このうち、苗載置台51は、複数条の苗を積載する苗載部材として設けられており、走行車体2の左右方向において仕切られた植付条数分の苗載せ面52を有し、それぞれの苗載せ面52に土付きのマット状苗を載置することが可能になっている。これにより、苗載置台51に載置した苗が植え付けられて無くなるたびに、圃場外に用意している苗を取りに戻る必要が無く、連続した作業を行えるので、作業能率が向上する。
また、苗植付装置60は、苗載置台51に載置された苗を圃場に植え付ける装置になっている。この苗植付装置60は、2条毎に1つずつ配設されており、回転可能なロータリケース63に、2条分の植込杆61を回転可能に備えている。即ち、複数の苗植付装置60は、それぞれ植付条が割り当てられている。このうち、ロータリケース63は、苗植付装置60に駆動力を供給する植付伝動ケース64に対して回転可能に連結されており、植付伝動ケース64は、エンジン10から苗植付部50に伝達された動力を、苗植付装置60に供給する。つまり、植付伝動ケース64には、2つのロータリケース63が、機体左右方向の両側に連結されており、苗植付部50は、この植付伝動ケース64を3つ備えている。
また、フロート47は、走行車体2の移動と共に、圃場面上を滑走して整地するものであり、走行車体2の左右方向における苗植付部50の中央に位置するセンターフロート48と、左右方向における苗植付部50の両側に位置するサイドフロート49と、を有している。
また、苗植付部50の下方側の位置における前側には、圃場の整地を行う整地用ロータ67が設けられている。この整地用ロータ67は、後輪ギヤケース22を介して伝達されるエンジン10からの出力によって回転可能に構成されている。さらに、苗植付部50の後方には、苗植付部50に積載された苗に対して、除菌剤等の薬剤を散布する薬剤散布装置80(図3参照)が配設されている。この薬剤散布装置80は、植付条に対応して配設されており、所定条分の苗に薬剤を供給することが可能になっている。
また、苗植付部50の左右両側には、次の植付条に進行方向の目安になる線を形成する線引きマーカ68が備えられている。即ち、線引きマーカ68は、苗移植機1が圃場内における直進前進時に、圃場の畦際で転回した後に直進前進する際の目印を圃場上に線引きする。この線引きマーカ68は、マーカモータ(図示省略)によって作動し、走行車体2が旋回するごとに、左右の線引きマーカ68が入れ替わって作動することができるように構成されている。この左右の線引きマーカ68の入れ替えは、マーカモータが接続されるコントローラ(図示省略)によって行う。即ち、コントローラは、走行車体2の旋回時に、左右の線引きマーカ68を交互に作動状態と非作動状態とに切り替えるマーカ切替装置としても設けられている。なお、左右の線引きマーカ68の線引き作用部は、図1及び図2に示す通り、円盤の外周部に複数の突起体を設け、回転自在にロッド部に装着したものとすると、圃場面との接地抵抗により確実に圃場面に線を形成することができ、次の植付作業位置での直進作業が行い易くなり、作業能率が向上する。
また、走行車体2における操縦席28の後方には、施肥装置70が搭載されている。この施肥装置70は、肥料を貯留する貯留ホッパ71と、貯留ホッパ71から供給される肥料を設定量ずつ繰り出す繰出し装置72と、繰出し装置72により繰り出される肥料を圃場に供給する施肥通路である施肥ホース74と、施肥ホース74に搬送風を供給することにより、施肥ホース74内の肥料を苗植付部50側に移送する起風装置であるブロア73と、を有している。さらに、施肥装置70は、苗植付部50の下方に配設されると共に、施肥ホース74によって肥料が移送される施肥ガイド75と、施肥ガイド75の前側に設けられると共に、施肥ホース74によって移送された肥料を、苗植付条の側部近傍に形成される施肥溝内に落とし込む作溝器76と、を有している。
図3は、苗植付部に設けられる薬剤散布装置の説明図である。図4は、図3のA−A矢視図である。図5は、図3のB−B矢視図である。薬剤散布装置80は、散布装置支持部材81によって支持されている。散布装置支持部材81は、植付伝動ケース64に連結される脚部82と、薬剤散布装置80を連結する連結部83と、を備えている。このうち、脚部82は、機体上下方向における下端部分が、苗植付部50の植付伝動ケース64の上面側に連結されており、植付伝動ケース64から上方に向かって延在している。散布装置支持部材81は、このように形成される脚部82を、植付伝動ケース64と同様に3本有している。
また、連結部83は、機体左右方向に延在する部材からなり、3本の脚部82の上端部分に連結されている。つまり、3本の脚部82は、それぞれ連結部83に連結されることにより、一体に形成されている。薬剤散布装置80は、この連結部83に連結されることにより、散布装置支持部材81に連結されており、植付伝動ケース64に連結される散布装置支持部材81に支持されている。
このように散布装置支持部材81に支持される薬剤散布装置80は、薬剤を貯留する薬剤ホッパ90と、苗植付部50に積載された苗に設定量ずつ薬剤を供給する薬剤供給装置91と、を備えている。このうち、薬剤供給装置91は、苗植付部50の機体後方側に配置された状態で、機体後側から機体前側に向かい、且つ、機体左右方向に薬剤を散布することにより、苗植付部50に積載された苗に対して薬剤を散布することが可能になっている。
また、薬剤供給装置91は、薬剤ホッパ90の機体下方側に配設さており、薬剤供給フレーム92と、定量シャッタ94と、ガイドホース95と、散布ロール96と、散布伝動ケース100と、を備えている。このうち、薬剤供給フレーム92は、薬剤供給装置91のフレームとして設けられており、薬剤ホッパ90の機体下方側に配設されている。定量シャッタ94は、間欠作動装置であるソレノイド93によって、設定間隔ごとに開閉動作して、薬剤ホッパ90内の薬剤を移動させる開閉部材として設けられており、薬剤供給フレーム92内の機体上部位置に配設されている。
また、ガイドホース95は、定量シャッタ94の機体下方側に配設されており、薬剤を案内する案内通路として設けられている。また、散布ロール96は、ガイドホース95の機体下方側に配設されており、ガイドホース95を介して供給される薬剤を、機体左右方向に散布する散布部材として設けられている。この散布ロール96は、軸方向が機体上下方向になる向きで回転自在に配設されていると共に、薬剤を叩く打撃板を、円周方向に複数備えている。このように、横回転可能に配設されている散布ロール96は、回転時に打撃板で薬剤を叩き、薬剤を弾き飛ばすことにより、薬剤を散布することが可能になっている。
また、散布伝動ケース100は、散布ロール96を回転駆動させることが可能になっており、一側端部には散布ロール96が配設され、他側端部には散布伝動ケース100に駆動力を供給する散布駆動部材である散布駆動モータ101が配設されている。散布伝動ケース100は、内部に、駆動プーリ(図示省略)と、従動プーリ(図示省略)と、これらに巻き掛けられて双方の間で動力を伝達する伝動ベルト(図示省略)が設けられている。散布駆動モータ101は、駆動プーリに対して駆動力を伝達することができるように配設されており、散布ロール96は、従動プーリと一体となって回転可能に配設されている。このため、散布伝動ケース100は、散布駆動モータ101で発生した駆動力を、伝動ベルトを介して散布ロール96側に伝達することにより、散布ロール96を回転駆動させることが可能になっている。なお、散布駆動モータ101の駆動力の伝動は、駆動スプロケットと従動スプロケットに伝動チェーンを巻回する構成とすると、重量が増加すると共に潤滑剤の定期的な供給を必要とする代わりに、伝動ベルトよりも駆動力の伝達ロスが小さくなり、左右の散布ロール96,96の回転数が均等になり易く、薬剤の散布量が安定する。また、伝動ベルトのように、薬剤や水等によりスリップして外れることがなく、作業が中断されることが無いので、作業効率が向上する。
定量シャッタ94と、ガイドホース95と、散布ロール96と、散布伝動ケース100とは、全て薬剤供給フレーム92に内設されており、薬剤供給フレーム92には、機体下部側に、散布ロール96で散布する薬剤が放出される散布開口部97が形成されている。この散布開口部97は、機体上下方向における位置が散布ロール96の位置と同じ位置で、且つ、散布ロール96の上下幅と同じ上下幅で、薬剤供給フレーム92に開口している。
さらに、ガイドホース95と、散布ロール96と、散布伝動ケース100とは、それぞれ機体左右方向において一対が設けられている。つまりこれらは、それぞれ一対が薬剤供給フレーム92に内設されており、機体左右方向に並んで配設されている。
詳しくは、ガイドホース95は、上端部側が、薬剤ホッパ90の下方側の開口部に接続されて薬剤ホッパ90内に対して開口しており、一対のガイドホース95は、それぞれ異なる薬剤ホッパ90の開口部に接続されている。つまり、薬剤ホッパ90の開口部は、ガイドホース95に対応して、機体左右方向に2つが形成されており、一対のガイドホース95は、2つの開口部に別々に接続されている。定量シャッタ94とソレノイド93は、2つの開口部に対応して2つずつ配設されており、それぞれ独立して開口部を開閉することが可能になっている。このように、2つの開口部のそれぞれに配設される定量シャッタ94は、薬剤ホッパ90におけるガイドホース95が接続されている開口部を開閉することにより、対応するガイドホース95と、薬剤ホッパ90内とを連通させたり遮断させたりすることが可能になっている。
また、一対のガイドホース95のそれぞれの下端部側は、一対の散布ロール96に向けて開口している。即ち、一対のガイドホース95のうち、相対的に左側に位置するガイドホース95の下端部は、一対の散布ロール96のうち相対的に左側に位置する散布ロール96に対して上方側から開口し、相対的に右側に位置するガイドホース95の下端部は、相対的に右側に位置する散布ロール96に対して上方側から開口している。
また、一対の散布伝動ケース100は、共に駆動プーリ側が機体前側に位置し、従動プーリ側が機体後側に位置しており、一対の散布伝動ケース100は、機体後側ほど機体左右方向に離間し、機体前側ほど接近して配置されている。即ち、一対の散布伝動ケース100は、駆動プーリ側よりも、従動プーリ側の方が、機体左右方向に離間している。
また、一対の散布伝動ケース100の機体前端部には、それぞれに伝動ギヤ102が配設されており、この伝動ギヤ102は、互いに噛み合っている。一対の散布伝動ケース100のそれぞれの駆動プーリは、それぞれの散布伝動ケース100が有する伝動ギヤ102に連結され、伝動ギヤ102と一体となって回転可能になっており、その回転方向は、双方の散布伝動ケース100の駆動プーリで、互いに逆回転になっている。
また、一対の散布伝動ケース100のうち、いずれか一方には散布駆動モータ101が配設されており、散布駆動モータ101が配設されている側の散布伝動ケース100の伝動ギヤ102は、この散布駆動モータ101から伝達される駆動力により回転可能になっている。これらにより、双方の散布伝動ケース100が有する従動プーリは、散布駆動モータ101から伝達される駆動力によって、互いに対向する回転方向で回転可能になっている。
このように構成される一対の散布伝動ケース100のうち、相対的に左側に位置する散布伝動ケース100の従動プーリには、相対的に左側に位置する散布ロール96が連結されており、相対的に右側に位置する散布伝動ケース100の従動プーリには、相対的に右側に位置する散布ロール96が連結されている。このため、一対の散布ロール96の回転方向は、互いに対向する回転方向になっている。
薬剤供給フレーム92に形成される散布開口部97は、機体前後方向における散布ロール96の前方側に開口しており、左右の散布ロール96の前方側にかけて、機体左右方向に亘って形成されている。即ち、散布ロール96を内設する薬剤供給フレーム92は、上下方向において散布ロール96が配設されている位置では、散布開口部97により、機体前方側に向かって開口している。
これらのように構成される薬剤散布装置80は、機体左右方向に複数が配設されており、本実施形態1に係る苗移植機1では、2つの薬剤散布装置80が散布装置支持部材81に支持されることにより配設されている。薬剤散布装置80は、1つの散布ロール96で、苗載置台51に載置される2条分の苗に対して薬剤を散布することが可能になっており、このため2つの薬剤散布装置80のうち一方は、薬剤散布装置80の中心位置が、苗載置台51の左側端部の位置から機体中央側に向かって2条分の位置付近に位置するように配設され、他方は、苗載置台51の右側端部の位置から、機体中央側に向かって2条分の位置付近に中心位置が位置するように配設されている。即ち、2つの薬剤散布装置80は、機体左右方向における中心位置が、苗載置台51に載置される苗の2条分離間して配設されている。
図6は、図1に示す苗移植機の要部構成図である。走行車体2には、所定の条に対応する苗植付装置60の動作を入切する部分条操作部材である部分条クラッチスイッチ105が設けられており、部分条クラッチスイッチ105は、操縦部30に配設されている。この部分条クラッチスイッチ105は、苗移植機1に搭載される各機器を制御する制御装置110に接続されている。制御装置110は、各種の信号を電気信号によって送受信したり、各種の演算処理を行ったりする電子制御装置によって構成されており、苗移植機1の各部の制御が可能になっている。
また、制御装置110には、苗植付装置60に伝達される動力の入切を切り替えるクラッチを操作するモータ115が接続されている。制御装置110は、部分条クラッチスイッチ105の操作状態に応じてモータ115の駆動を制御することにより、操作された部分条クラッチスイッチ105に対応する苗植付装置60を作動させたり停止させたりする。これにより、部分条クラッチスイッチ105は、所定の条に対応する苗植付装置60を入切することが可能になっている。
また、薬剤散布装置80のソレノイド93や散布駆動モータ101も制御装置110に接続されており、制御装置110によって動作の制御が行われる。制御装置110は、これらのソレノイド93や散布駆動モータ101の動作の制御も、部分条クラッチスイッチ105の操作状態に応じて行う。その際に、制御装置110は、複数のソレノイド93のうち、部分条クラッチスイッチ105に対応する複数のソレノイド93の動作を制御する。
これらのように、制御装置110は、部分条クラッチスイッチ105が操作された際には、苗植付装置60のみでなく、所定の条に対応する薬剤散布装置80の入切も行う。即ち、制御装置110は、作業者が部分条クラッチスイッチ105を操作すると、所定の条に対応する苗植付装置60と薬剤散布装置80の入切を連動して切り替える。
本実施形態1に係る苗移植機1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。苗移植機1の運転時は、エンジン10で発生する動力によって、走行車体2の走行と、苗載置台51に載せた苗の植え付け作業を行う。この植え付け作業は、回転軸が左右方向になる向きで苗植付装置60全体が回転しながら、植込杆61も回転することにより、苗載置台51に載せられた苗を徐々に圃場に植え付ける。その際に、苗載置台51を、苗載置台51に載置する1条分の機体左右方向の幅の範囲内で機体左右方向に往復移動させることにより、各苗植付装置60は、苗載置台51においてそれぞれの苗植付装置60に対応する部分から苗を取り出し、圃場に植え付ける。即ち、各苗植付装置60は、苗載置台51の所定の条に対応する部分から苗を取り出して、所定の条に苗を植え付ける。植え付け作業時は、このように苗植付装置60を作動させながら圃場内を走行車体2で走行することにより、複数の列状に苗を植え付ける。
走行車体2の走行時には、エンジン10で発生した動力はベルト式動力伝達機構17に伝達され、ベルト式動力伝達機構17から油圧式無段変速機16に伝達されて、油圧式無段変速機16で所望の回転速度や回転方向、トルクに変換されて出力される。油圧式無段変速機16から出力された動力は、ミッションケース18に伝達され、ミッションケース18内の副変速機構で、路上走行時の走行速度に適した回転速度、または苗の植付時の走行速度に適した回転速度に変速されて、前輪4側や後輪5側に出力される。また、ミッションケース18から出力される動力の一部は、苗植付部50側にも伝達され、苗植付部50での植え付け作業にも用いられる。
また、苗載置台51に載置されている苗に対して薬剤散布装置80によって薬剤を散布する際には、薬剤ホッパ90に薬剤を貯留した状態で、ソレノイド93を設定間隔ごとに作動させる。この設定間隔は、例えば、苗載置台51の機体左右方向の移動時の間隔に合わせた間隔になっている。設定間隔ごとにソレノイド93が作動すると、ソレノイド93に連結されている定量シャッタ94もソレノイド93に合わせて作動し、薬剤ホッパ90とガイドホース95との間の開口部を開閉する。
定量シャッタ94が薬剤ホッパ90の開口部を閉じているときは、薬剤ホッパ90とガイドホース95との間の通路は遮蔽された状態になっているため、薬剤ホッパ90内の薬剤は定量シャッタ94から下方には移動せず、ガイドホース95の方向には移動しない。制御装置110に記憶されている設定間隔でソレノイド93が作動し、定量シャッタ94が薬剤ホッパ90の開口部を開くと、薬剤ホッパ90内の薬剤は、薬剤ホッパ90とガイドホース95との間の通路を通って下方に落下し、ガイドホース95内に入り込む。
定量シャッタ94は、設定間隔でソレノイド93が作動することにより、薬剤ホッパ90の開口部を閉じた状態になるため、薬剤ホッパ90内の薬剤は、定量シャッタ94が薬剤ホッパ90の開口部を開いた状態のときだけ、ガイドホース95の方向に移動する。即ち、薬剤ホッパ90内の薬剤は、一定量ずつガイドホース95内に移動する。
ガイドホース95内の薬剤は、ガイドホース95の下端部から散布ロール96に供給される。この散布ロール96は、散布伝動ケース100が有する散布駆動モータ101から駆動力が伝達されることにより、ソレノイド93と同様に設定間隔で回転する。即ち、薬剤散布装置80での薬剤の散布時は、制御装置110は、散布駆動モータ101を、ソレノイド93と同様に設定間隔で駆動させる。
具体的には、ソレノイド93の動作状態が、定量シャッタ94が薬剤ホッパ90の開口部を閉じる状態のときは、散布駆動モータ101は駆動が停止し、散布ロール96も回転しない。ソレノイド93の動作状態が、定量シャッタ94が薬剤ホッパ90の開口部を開く状態になるのと同時、或いは、それよりも若干早いタイミングで、散布駆動モータ101は駆動を開始し、散布ロール96は回転を開始する。その後、ソレノイド93の動作状態が、定量シャッタ94が薬剤ホッパ90の開口部を閉じる状態になり、ガイドホース95内の薬剤が、全て散布ロール96に供給される程度の時間が経過したら、散布駆動モータ101は駆動が停止し、散布ロール96も回転が停止する。即ち、散布ロール96は、通常は回転しておらず、ガイドホース95から薬剤が供給されるタイミングでのみ回転する。
このように、散布ロール96は、ガイドホース95から薬剤が供給される状態のときには回転するため、散布ロール96に供給された薬剤は、回転する散布ロール96に設けられる打撃板によって弾き飛ばされる。散布ロール96の打撃板に弾き飛ばされた薬剤は、薬剤供給フレーム92に形成される散布開口部97から薬剤供給フレーム92の外に出て、苗載置台51の方向に向かう。即ち、薬剤は、薬剤供給装置91により、機体後側から機体前側に向かって散布される。その際に、散布ロール96は、回転軸が機体上下方向になり、横回転をしながら薬剤を弾き飛ばすため、薬剤は、機体左右方向に広がりながら散布される。
薬剤散布装置80は、これらにより、苗載置台51の後方側から、苗載置台51に向かって、機体左右方向に拡散させながら薬剤を散布する。散布された薬剤は、苗載置台51に載置されている苗に付着することにより、苗載置台51に載置されている苗に設定量ずつ供給される。その際に、薬剤ホッパ90で貯留する薬剤は、粒状の形態になっているが、散布ロール96に設けられる打撃板で叩かれることにより粉砕し、粒が砕けた状態、または粉状になって苗に散布される。なお、薬剤の粒の大きさによっては、打撃板に打撃されても砕けず、そのまま散布されるものもある。
これらのように薬剤を散布する薬剤散布装置80における散布の間隔、即ち、ソレノイド93が作動する設定間隔は、機体左右方向に往復移動する苗載置台51と、薬剤散布装置80との相対的な位置が、所定の位置になった時に薬剤を散布することができる間隔になっている。つまり、薬剤散布装置80による薬剤の散布は、複数の散布ロール96の回転により、それぞれの散布ロール96から所定の範囲に散布するが、この所定の範囲は、苗載置台51に載置される苗の2条分の苗に対して散布することができる範囲になっている。
一方、苗の植え付け作業時は、苗載置台51が機体左右方向に往復移動することにより、薬剤散布装置80と苗載置台51との位置関係が変化し、各散布ロール96と苗載置台51との相対的な位置関係が変化する。このため、ソレノイド93が作動する設定間隔は、各散布ロール96が、それぞれ対応する苗載置台51の所定の2条に対して、薬剤を散布することができる位置に苗載置台51が位置するタイミングになる間隔になっている。これにより、薬剤散布装置80での薬剤の散布時は、複数の散布ロール96は、それぞれ対応する苗載置台51の所定の2条に向けて、薬剤を散布する。
なお、本実施形態1に係る苗移植機1は、それぞれ2条分の苗に対して薬剤を散布可能な2つの散布ロール96を備える薬剤散布装置80を2つ有しているが、苗載置台51は、6条分の苗を載置するように構成されている。このため、薬剤散布装置80での薬剤の散布時は、2つの薬剤散布装置80のうち、一方の薬剤散布装置80が有する1つの散布ロール96からは、薬剤を散布しないようにする。つまり、2つの薬剤散布装置80のうち、一方の薬剤散布装置80は、2つのソレノイド93のうち、一方のソレノイド93を、定量シャッタ94が閉じた状態を維持するようにし、この定量シャッタ94に対応する散布ロール96に対しては、薬剤を供給しないようにする。
また、苗移植機1での苗の植え付け作業時には、圃場の状態や植え付けの計画等に応じて、部分条クラッチスイッチ105を操作しながら行う。部分条クラッチスイッチ105は、複数の苗植付装置60のうち、任意の苗植付装置60に伝達される駆動力の入切を切り替えるクラッチを操作するモータ115を作動させ、任意の苗植付装置60の入切を行うことができる。部分条クラッチスイッチ105を操作することにより、一部の苗植付装置60を停止させた場合は、苗載置台51に載置される6条の苗のうち、この一部の苗植付装置60に対応する植付条の植え付けが行われなくなる。これにより、任意の条数で植え付けを行う。
その際に、制御装置110は、薬剤散布装置80が有する複数のソレノイド93のうち、部分条クラッチスイッチ105に対応する植付条に供給する薬剤の通路の開閉を行う定量シャッタ94を作動させるソレノイド93を制御し、定量シャッタ94を閉じた状態で維持する。これにより、苗植付装置60での植え付けが停止している植付条に薬剤を散布する散布ロール96には、薬剤が供給されなくなるため、苗載置台51で載置する苗の条のうち、植え付けが行われない条に対しては、薬剤が散布されなくなる。
以上の実施形態1に係る苗移植機1は、薬剤散布装置80での薬剤の散布時には、薬剤供給装置91が薬剤を機体後側から機体前側に散布することにより、薬剤散布装置80と苗植付部50の前後間隔を広くすることができる。これにより、苗の植付作業に伴い跳ね上がってくる水や、苗に付着した水が、薬剤散布装置80の散布開口部97周辺に付着することを防止でき、薬剤の散布量が不足することを防止することができる。この結果、薬剤を適切に散布することができる。
また、薬剤散布装置80での薬剤を散布する際には、薬剤供給装置91が左右方向に薬剤を拡散させながら散布するため、1つの薬剤散布装置80で、苗植付部50の複数条の苗に薬剤を供給することができる。この結果、薬剤散布装置80の部品点数の削減や重量の軽減を図ることができる。
また、薬剤ホッパ90から散布ロール96への通路を開閉する定量シャッタ94を、ソレノイド93で開閉動作させる構成にすることにより、ソレノイド93の作動タイミングで、薬剤の散布量を変更することができる。この結果、薬剤の散布量を調節する機構を、簡潔な構成にすることができる。また、散布開口部97の上下幅を散布ロール96の上下幅とほぼ同じ上下幅としたことにより、薬剤が上下方向に拡散し難くなり、左右方向の所定範囲内に設定量の薬剤を、能率的に供給することができる。この結果、苗に均一に薬剤を供給することができ、苗の生育を安定させることができる。
また、散布駆動モータ101の駆動力は、散布伝動ケース100を介して散布ロール96に伝動し、この散布駆動モータ101からの駆動力によって散布ロール96を回転させるため、ガイドホース95から落下する薬剤を、散布ロール96の回転で左右方向に散布することができる。この結果、薬剤を広範囲に能率よく供給することができ、苗の生育を安定させることができる。
また、1つの薬剤散布装置80には、左右一対の散布ロール96を設け、散布駆動モータ101の駆動力は、伝動ギヤ102を介して一対の散布ロール96に伝動する構成としたため、散布ロール96を回転させる散布駆動モータ101の数を減らすことができる。この結果、部品点数を削減することができる。また、散布駆動モータ101の駆動時は、一方の伝動ギヤ102の回転に他方が連動するため、左右の散布ロール96の回転速度をほぼ一定にすることができる。この結果、薬剤の散布量や散布範囲を安定させることができ、苗に安定して薬剤を供給することができる。また、一対の散布ロール96は、互いに対向する回転方向で回転するため、薬剤が飛散する方向を、機体左右方向に拡げることができる。この結果、1つの薬剤散布装置80で、複数条の苗に薬剤を供給することができる。
また、部分条クラッチスイッチ105を操作した際には、所定条の苗植付装置60と薬剤散布装置80の入切を連動して行うため、例えば圃場端等で苗の植付作業を行わない条には、薬剤を供給しないようにすることができる。この結果、過剰に薬剤が供給されることを防止でき、苗や圃場の汚染を防止することができる。また、薬剤の余分な消費を抑えることができ、苗の植付作業コストを低減することができる。
〔実施形態2〕
実施形態2に係る苗移植機1は、実施形態1に係る苗移植機1と略同様の構成であるが、苗植付部50に積載された苗への薬剤の散布を、ブロアを用いて行う点に特徴がある。他の構成は実施形態1と同様なので、その説明を省略すると共に、同一の符号を付す。
図7は、実施形態2に係る苗移植機が有する薬剤散布装置の説明図であり、薬剤散布装置及び苗植付部の側面図である。図8は、図7のC−C矢視図である。図9は、図8のD−D矢視図である。図10は、図8のE−E矢視図である。本実施形態2に係る苗移植機1が備える薬剤散布装置200は、実施形態1に係る苗移植機1が備える薬剤散布装置80と同様に、薬剤を貯留する薬剤ホッパ201と、苗植付部50に積載された苗に設定量ずつ薬剤を供給する薬剤供給装置205と、を備える薬剤散布装置200と、を備えている。この薬剤散布装置200は、実施形態1に係る薬剤散布装置80と同様に、苗植付部50の機体後方側に配置された状態で、機体後側から機体前側に向かい、且つ、機体左右方向に薬剤を散布することにより、苗植付部50に積載された苗に対して薬剤を散布することが可能になっている。
薬剤散布装置200が有する薬剤ホッパ201と薬剤供給装置205とのうち、薬剤供給装置205は、薬剤ホッパ201の機体下方側に配設されており、薬剤供給フレーム206と、繰出しロール210と、ガイドホース260と、薬剤供給ホース261と、ブロア280と、を備えている。このうち、薬剤供給フレーム206は、薬剤供給装置205のフレームとして設けられており、薬剤ホッパ201の機体下方側に配設されている。繰出しロール210は、薬剤ホッパ201から落下する薬剤を所定量ずつ受けて移動させる繰出し部材として設けられている。この繰出しロール210は、薬剤供給フレーム206内における機体上部側の位置に配設されている。
また、ガイドホース260は、繰出しロール210の機体下方側に配設されており、繰出しロール210で移動させた薬剤を案内する案内通路として設けられている。また、薬剤供給ホース261は、ガイドホース260の機体下方側に配設されており、薬剤を苗植付部50の各条の苗に機体上方側から供給する薬剤供給部材として設けられている。また、ブロア280は、薬剤供給ホース261に搬送風を供給する起風装置として設けられている。
このうち、薬剤供給フレーム206は、1つの薬剤ホッパ201に対して、2つが薬剤ホッパ201の機体下方側に配設されている。詳しくは、薬剤ホッパ201は、貯留する薬剤を排出する開口部を2つ備えており、この2つの開口部は、機体下方側の部分に、機体左右方向に並んで形成されている。2つの薬剤供給フレーム206は、薬剤ホッパ201の2つの開口部に、それぞれ連結されている。即ち、2つの薬剤供給フレーム206は、薬剤ホッパ201の機体下方側に、機体左右方向に並んで配設されている。
繰出しロール210は、2つの薬剤供給フレーム206のそれぞれに内設されており、それぞれの繰出しロール210は、回転軸が機体左右方向になる向きで、回転可能に配設されており、繰出しロール駆動軸250から伝達される駆動力によって回転する。繰出しロール駆動軸250は、薬剤供給フレーム206の外側に配設され、機体左右方向において2つの薬剤供給フレーム206が配設される部分に亘って機体左右方向に延在しており、エンジン10で発生した動力によって回転する。2つの薬剤供給フレーム206に内設される2つの繰出しロール210は、この1つの繰出しロール駆動軸250から伝達される駆動力によって回転する。
また、これらの繰出しロール210と繰出しロール駆動軸250とは、繰出しロール駆動軸250から繰出しロール210に対して駆動力を伝達したり、伝達しないようにしたりすることが可能に構成されている。図11は、図9のF部詳細図である。図12は、図11のG部詳細図である。繰出しロール駆動軸250には、2つの薬剤供給フレーム206のそれぞれの機体左右方向の端部付近に、第1係合部材230と第2係合部材240とが配設されている。この第1係合部材230と第2係合部材240は、1つの薬剤供給フレーム206の機体左右方向の両端部付近に配設されているため、繰出しロール駆動軸250には、第1係合部材230と第2係合部材240とが、共に2つずつ配設されている。この第1係合部材230と第2係合部材240とは、共に繰出しロール駆動軸250の軸方向に対しては移動可能になっており、繰出しロール駆動軸250の回転方向に対しては、繰出しロール駆動軸250と一体となって回転するように配設されている。
また、第1係合部材230と第2係合部材240とには、これらを軸方向に移動させるアームが係合しており、第1係合部材230には第1アーム236が係合し、第2係合部材240には第2アーム246が係合している。この第1アーム236と第2アーム246とは、これらを支持するアーム取付部材255に、回動自在に取り付けられており、第1係合部材230や第2係合部材240に係合している部分の他端側には、ケーブルが接続されている。
つまり、第1アーム236は、一端側が第1係合部材230に係合し、他端側に第1ケーブル237が接続されており、第1係合部材230に係合している部分と第1ケーブル237が接続されている部分との間の部分が、回動自在にアーム取付部材255に取り付けられている。これにより、第1アーム236は、第1ケーブル237が接続されている側の端部が、第1ケーブル237によって引っ張られた際には、第1アーム236全体が回動し、第1係合部材230に係合している側の端部が、第1係合部材230を軸方向に移動させる方向に動く。
同様に、第2アーム246は、一端側が第2係合部材240に係合し、他端側に第2ケーブル247が接続されており、第2係合部材240に係合している部分と第2ケーブル247が接続されている部分との間の部分が、回動自在にアーム取付部材255に取り付けられている。これにより、第2アーム246は、第2ケーブル247が接続されている側の端部が、第2ケーブル247によって引っ張られた際には、第2アーム246全体が回動し、第2係合部材240に係合している側の端部が、第2係合部材240を軸方向に移動させる方向に動く。
これらの第1ケーブル237と第2ケーブル247は、他端側が、各苗植付装置60に伝達される動力の入切を切り替えるクラッチに接続されており、クラッチの状態が変化すると、第1ケーブル237や第2ケーブル247に対するクラッチからの張力が変化する。このため、クラッチの状態が変化すると、第1ケーブル237や第2ケーブル247から第1アーム236や第2アーム246に対する張力が変化する。これにより、第1ケーブル237と第2ケーブル247は、このクラッチの動作に連動して第1アーム236や第2アーム246を回動させ、第1係合部材230や第2係合部材240を軸方向に移動させる。
繰出しロール210は、第1アーム236や第2アーム246によって軸方向に移動する第1係合部材230や第2係合部材240の位置によって、繰出しロール駆動軸250から繰出しロール210への駆動力が伝達したり伝達しなかったりするように構成されている。図13は、繰出しロールの説明図である。繰出しロール210は、軸方向における両端に、第1係合部材230や第2係合部材240から伝達される駆動力を受けるギヤが備えられており、第1係合部材230側の端部には第1ギヤ211が配設され、第2係合部材240側の端部には第2ギヤ221が配設されている。
一方、第1係合部材230には、軸方向において第2係合部材240が位置する側の端部側に、第1ギヤ211と噛み合う第1係合ギヤ232が配設され、軸方向における他端側に、円板状に形成された部材である第1当接部233が配設されている。この第1係合ギヤ232と第1当接部233とは、繰出しロール駆動軸250と一体で回転すると共に繰出しロール駆動軸250の軸方向に移動可能な第1係合部材軸部231の両端に設けられている。また、第1アーム236における第1係合部材230に係合する側の端部は、第1係合ギヤ232と第1当接部233との間に位置し、第1アーム236の回動により、第1係合ギヤ232または第1当接部233に当接し、これらに押力を付与することが可能になっている。
同様に、第2係合部材240には、軸方向において第1係合部材230が位置する側の端部側に、第2ギヤ221と噛み合う第2係合ギヤ242が配設され、軸方向における他端側に、円板状に形成された部材である第2当接部243が配設されている。この第2係合ギヤ242と第2当接部243とは、繰出しロール駆動軸250と一体で回転すると共に繰出しロール駆動軸250の軸方向に移動可能な第2係合部材軸部241の両端に設けられている。また、第2アーム246における第2係合部材240に係合する側の端部は、第2係合ギヤ242と第2当接部243との間に位置し、第2アーム246の回動により、第2係合ギヤ242または第2当接部243に当接し、これらに押力を付与することが可能になっている。
また、繰出しロール210は、端部に第1ギヤ211が設けられる第1軸212と、同様に端部に第2ギヤ221が設けられる第2軸222とを有しており、薬剤を移動させるロール部材226が、第1軸212と第2軸222とに嵌め込まれることにより構成されている。このロール部材226は、薬剤が入り込む繰出し凹部227が外周面に形成されており、第1軸212と第2軸222とには、それぞれ別のロール部材226が嵌め込まれることによって装着される。
図14は、繰出しロールからロール部材を取り除いた状態の説明図である。図15は、第1軸と第2軸とを離間させた状態を示す説明図である。第1軸212と第2軸222とは、互いに独立して回転可能に接続されている。詳しくは、第1軸212における第1ギヤ211が設けられる側の端部の反対側の端部には、第1軸212の軸径よりも細く、第1ギヤ211が位置する方向の反対方向に、軸方向に突出した凸部213が設けられている。
一方、第2軸222における第2ギヤ221が設けられる側の端部の反対側の端部には、内径が凸部213の径よりも若干大きい径で形成され、深さが凸部213の長さよりも深い深さで形成された孔である凹部223が形成されている。第1軸212と第2軸222とは、第1軸212の凸部213が、第2軸222の凹部223に挿入されることにより、互いに独立して回転可能に連結される。
その際に、第1軸212と第2軸222との間には、内径が凸部213の径よりも大きく、且つ、第1軸212や第2軸222の外径よりは小さく、さらに、外径が、ロール部材226の外径よりも大きいリング状の部材、或いは、中心に孔が開いた円板状の部材であるカラー225が挟み込まれる。第1軸212と第2軸222は、このように双方の間にカラー225を挟み込んだ状態で、相対回転可能に連結されている。
また、第1軸212には、凸部213が形成されている側の端部寄りの外周面に、ロール部材226と係合する第1軸係合部214が形成されている。この第1軸係合部214は、面取り等が施されることにより、軸方向に見た形状が、円形以外の形状となって形成される。ロール部材226には、この第1軸係合部214に係合することができる孔が形成されており、この孔に第1軸係合部214が挿入され、この孔と第1軸係合部214とが係合することにより、ロール部材226は、第1軸212と一体となって回転可能に、第1軸212に嵌め込まれる。
同様に、第2軸222には、凹部223が形成されている側の端部寄りの外周面に、ロール部材226と係合する第2軸係合部224が形成されている。この第2軸係合部224は、面取り等が施されることにより、軸方向に見た形状が、円形以外の形状となって形成される。ロール部材226には、この第2軸係合部224に係合することができる孔が形成されており、この孔に第2軸係合部224が挿入され、この孔と第2軸係合部224とが係合することにより、ロール部材226は、第2軸222と一体となって回転可能に、第2軸222に嵌め込まれる。
繰出しロール210は、これらのようにそれぞれ独立して回転可能な第1軸212と第2軸222とに、それぞれロール部材226が嵌め込まれることにより、第1軸212側のロール部材226と、第2軸222側のロール部材226とで、独立して回転することが可能になっている。また、繰出しロール210が装着される第1軸212と第2軸222とは、それぞれ第1ギヤ211と第2ギヤ221が設けられているため、第1軸212と第2軸222とには、個別に駆動力を伝達することができるように構成されている。これらのように構成される繰出しロール210は、同じ構成で、2つの薬剤供給フレーム206のそれぞれに内設されている。
また、ガイドホース260は、1つの薬剤供給装置205に、2つが配設されている。詳しくは、薬剤供給フレーム206における繰出しロール210が配設されている部分の下方側には、繰出しロール210で移動した薬剤を薬剤供給フレーム206内から送出する薬剤送出部208が配設されている。2つのガイドホース260は、共にこの薬剤送出部208に接続されている。薬剤送出部208に接続されるガイドホース260は、薬剤送出部208の機体前方側の部分に、機体前後方向の向きで接続されている。このように、2つのガイドホース260が接続される薬剤送出部208は、内部の空間が、機体左右方向において各ガイドホース260に対応する別々の空間として隔離されている。一方、ガイドホース260は、軟質材量からなるホース状の部材になっているため、薬剤送出部208に接続されたガイドホース260は、機体前後方向の向きから曲げられて、機体左右方向に延在している。
このように、機体左右方向に延在する各ガイドホース260の端部には、それぞれに薬剤供給ホース261が接続されている。この薬剤供給ホース261は、機体左右方向に配設される案内部材である案内ホース262と、条ごとの機体上下方向の供給部材である供給ホース265と、を備えている。このうち、案内ホース262は、機体左右方向に延在するホースになっており、ガイドホース260には、この案内ホース262の端部が接続されている。また、供給ホース265は、1つの案内ホース262に、機体左右方向に所定の間隔をあけて複数が接続されている。このように案内ホース262に接続される供給ホース265は、案内ホース262から機体下方に向かって延びている。この供給ホース265は、機体左右方向において、苗載置台51に載置される苗の各植付条の位置に配設されている。
図16は、図8のH詳細図である。案内ホース262には、供給ホース265が配設される位置に、略円筒形の形状で形成された接続部263が形成されており、供給ホース265は、端部が接続部263に接続されることにより、案内ホース262に着脱可能に接続されている。このように案内ホース262に接続される供給ホース265内には、搬送風と薬剤の移動を切り替える切替部材である切替プレート270が配設されている。
図17は、切替プレートを図16のJ方向から見た場合の説明図である。図18は、図17のK−K矢視図である。切替プレート270は、供給ホース265に取り付ける部分である取付部271と、切替プレート270で受けた薬剤が、案内ホース262の方向に流れることを防ぐ遮蔽部275と、を有している。このうち、取付部271は、供給ホース265の軸方向に見た場合は、外径が供給ホース265の内径と同程度になる半円状の形状で、供給ホース265の延在方向に所定の長さを有する板状の形状になっている。遮蔽部275は、取付部271の一端側に設けられており、取付部271の径と同じ径になる半円形の形状で形成され、厚さ方向が供給ホース265の軸方向になる板状の部位になっている。
また、取付部271には、切替プレート270を供給ホース265に取り付ける際に用いるネジ孔である取付孔272が、取付部271の長さ方向、即ち、供給ホース265の軸方向に、複数形成されている。切替プレート270を供給ホース265に取り付ける際には、遮蔽部275側が案内ホース262側に位置する向きで供給ホース265内に位置させ、供給ホース265に形成される孔にビス278を通して、取付部271の取付孔272にビス278を螺合させる。
また、取付部271には、取付孔272が複数形成されているため、ビス278を螺合させる取付孔272を変更させることにより、供給ホース265に対する切替プレート270の相対位置を、供給ホース265の軸方向に変化させて取り付けることができる。複数の供給ホース265内に配設される切替プレート270は、このようにビス278と螺合する取付孔272を変更して取り付けることにより、それぞれ機体上下方向における位置調節が自在に配設されている。このため、切替プレート270は、案内ホース262に対する遮蔽部275側の部分の突き出し量を調節して取り付けることができる。
また、ブロア280は、全ての薬剤供給ホース261に対して搬送風を供給するように構成されている。詳しくは、薬剤供給フレーム206の下端側に配設され、ガイドホース260が接続される薬剤送出部208における、ガイドホース260が接続されている側の反対側の部分には、送風部材281が接続されている。つまり、薬剤送出部208においてガイドホース260が接続されている部分である機体前方側の部分の反対側の部分、即ち、薬剤送出部208における機体後方側の部分に、送風部材281は接続されている。
この送風部材281は、軸方向が機体左右方向になる向きで配設される略円筒形の形状で形成されており、2つの薬剤供給フレーム206の下方に配設される薬剤送出部208は、このように機体左右方向に延在する1つの送風部材281に、共に接続されている。ブロア280は、この送風部材281における機体左右方向の中心付近の位置に接続されており、送風部材281の機体後方側に接続されている。これらにより、ブロア280で発生した搬送風は、送風部材281と薬剤送出部208とを介して各ガイドホース260に供給し、ガイドホース260から、各薬剤供給ホース261に供給することが可能になっている。
本実施形態2に係る苗移植機1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。苗載置台51に載置されている苗に対して薬剤散布装置200によって薬剤を散布する際には、薬剤ホッパ201に薬剤を貯留した状態で、ブロア280を駆動して薬剤供給ホース261に対して搬送風を供給しつつ、繰出しロール210を回転させる。この繰出しロール210は、繰出しロール駆動軸250からの駆動力が、第1係合部材230や第2係合部材240によって繰出しロール210に伝達されることにより、回転する。第1係合部材230と第2係合部材240とは、第1アーム236や第2アーム246によって繰出しロール駆動軸250の軸方向に移動することにより、繰出しロール210への駆動力の伝達や遮断を行う。
例えば、通常の植え付け作業時は、全ての苗植付装置60で植付動作を行うため、苗植付装置60に対して動力を伝達するクラッチは、全て係合する。このクラッチが係合すると、第1ケーブル237には、クラッチから張力が付与されないため、第1アーム236は、第1係合部材230に係合している部分が、第1係合ギヤ232に近付く方向に回動する。この第1アーム236の回動により、第1係合部材230は、第1係合ギヤ232が第1ギヤ211に近付く方向に移動し、第1係合ギヤ232は、第1ギヤ211と係合する。このように、第1係合ギヤ232と第1ギヤ211とが係合することにより、繰出しロール駆動軸250の駆動力が第1係合ギヤ232を介して第1ギヤ211に伝達され、伝達された駆動力により、第1軸212が回転する。これにより、第1軸212に嵌め込まれているロール部材226が、第1軸212と一体となって回転する。
また、苗植付装置60に対して動力を伝達するクラッチが全て係合すると、第1ケーブル237と同様に、第2ケーブル247にも、クラッチから張力が付与されないため、第2アーム246は、第2係合部材240に係合している部分が、第2係合ギヤ242に近付く方向に回動する。この第2アーム246の回動により、第2係合部材240は、第2係合ギヤ242が第2ギヤ221に近付く方向に移動し、第2係合ギヤ242は、第2ギヤ221と係合する。このように、第2係合ギヤ242と第2ギヤ221とが係合することにより、繰出しロール駆動軸250の駆動力が第2係合ギヤ242を介して第2ギヤ221に伝達され、伝達された駆動力により、第2軸222が回転する。これにより、第2軸222に嵌め込まれているロール部材226が、第2軸222と一体となって回転する。
薬剤ホッパ201は、薬剤供給装置205に配設されているため、薬剤ホッパ201に薬剤が貯留されている場合、この薬剤は下方に落下し、薬剤供給フレーム206内に落下する。これにより、薬剤供給フレーム206内に入り込んだ薬剤は、薬剤供給フレーム206に内設されている繰出しロール210に向けて落下し、ロール部材226の繰出し凹部227のうち、その時点で上半側に位置している繰出し凹部227に入り込む。薬剤が入り込んだ繰出し凹部227は、繰出しロール210の回転に伴って、下方に移動する。
これにより、薬剤が入り込んだ繰出し凹部227が下方側に移動した場合、繰出し凹部227は、下方に開口する状態になるため、繰出し凹部227内の薬剤は、繰出し凹部227の開口部分から抜け出て落下する。繰出しロール210は、このように繰出し凹部227に入り込んだ薬剤を、繰出しロール210を回転させて上方から下方に移動させることにより、薬剤ホッパ201から落下する薬剤を、所定量ずつ受けて薬剤ホッパ201側から下方側に移動させる。
繰出しロール210から下方に落下した薬剤は、薬剤供給フレーム206から抜け出て、薬剤送出部208に入り込む。薬剤送出部208には、ブロア280で発生した搬送風が供給されているため、この搬送風により、薬剤送出部208からガイドホース260内に流される。ガイドホース260内に入り込んだ薬剤は、搬送風によって薬剤供給ホース261の案内ホース262に供給され、さらに案内ホース262から供給ホース265に供給される。
供給ホース265に供給された薬剤は、供給ホース265から送出され、苗載置台51に載置されている苗の条ごとに、各条に対応する供給ホース265から薬剤が散布される。薬剤散布装置200は、このように繰出しロール210で所定量ずつ移動させた薬剤を、ブロア280で発生した搬送風によって、苗載置台51に載置されている苗まで搬送し、所定量ずつ苗に散布する。
また、作業者が部分条クラッチスイッチ105を操作することにより、操作された部分条クラッチスイッチ105に対応する苗植付装置60を作動させるクラッチが非係合の状態になると、この苗植付装置60には動力が伝達されなくなるため、この苗植付装置60では、植え付け作業が行われなくなる。また、このように、苗植付装置60に対して動力を伝達するクラッチが非係合の状態になると、このクラッチに対応する第1ケーブル237や第2ケーブル247には、クラッチから張力が付与される。
例えば、非係合になるクラッチが、第1ケーブル237に接続されている場合は、クラッチが非係合になることにより、クラッチから第1ケーブル237に対して張力が付与される。第1ケーブル237に対して張力が付与されると、この張力は、第1ケーブル237から第1アーム236への張力として第1アーム236に付与される。第1ケーブル237から張力が付与された第1アーム236は、この張力により、第1係合部材230に係合している部分が、第1当接部233に近付く方向に回動する。
これにより第1アーム236が第1当接部233に当接し、さらに第1アーム236が回動すると、第1当接部233には、第1係合ギヤ232が第1ギヤ211から離れる方向の力が入力され、第1係合部材230は、この力によって軸方向に移動する。これにより、第1係合部材230の第1係合ギヤ232は、第1ギヤ211から離間する。
第1係合ギヤ232が第1ギヤ211から離間すると、繰出しロール駆動軸250の駆動力は、第1係合ギヤ232から第1ギヤ211に伝達されなくなる。このため、第1軸212は回転しなくなり、第1軸212に嵌め込まれているロール部材226も回転しなくなる。
一方、この状態でも、第2軸222には、繰出しロール駆動軸250の駆動力が第2係合ギヤ242を介して伝達される。ここで、第2軸222と第1軸212とは、第1軸212の凸部213が第2軸222の凹部223に挿入されることにより連結されているため、回転方向に対しては、互いに独立して回転することが可能になっている。このため、第1軸212が停止している状態でも、繰出しロール駆動軸250の駆動力が伝達された第2軸222は、伝達された駆動力によって回転し、第2軸222に嵌め込まれているロール部材226も、第2軸222と一体となって回転する。
このように、第1軸212は停止し、第2軸222のみが回転している状態で、繰出しロール210に向けて落下した薬剤は、第1軸212に嵌め込まれているロール部材226と、第2軸222に嵌め込まれているロール部材226との双方の繰出し凹部227に入り込む。このように、繰出し凹部227に入り込んだ薬剤のうち、第1軸212に嵌め込まれているロール部材226の繰出し凹部227に入り込んだ薬剤は、第1軸212が停止していることにより、その状態からは移動せず、繰出し凹部227に入り込んでいる状態が維持される。
一方、第2軸222に嵌め込まれているロール部材226の繰出し凹部227に入り込んだ薬剤は、第2軸222と共にロール部材226が回転して繰出し凹部227が下方に移動することにより、ロール部材226の下方に落下する。繰出しロール210から下方に落下した薬剤は、薬剤送出部208に入り込むが、2つのガイドホース260が接続される薬剤送出部208は、内部の空間が、各ガイドホース260に対応する別々の空間として隔離されている。このため、第2軸222側のロール部材226から落下した薬剤は、薬剤送出部208内の2つの空間のうち、一方の空間内に入り込む。
薬剤送出部208内の一方の空間内に入り込んだ薬剤は、ブロア280で発生した搬送風により、この空間側に接続されるガイドホース260内に流される。ガイドホース260内に入り込んだ薬剤は、搬送風によって、このガイドホース260に接続される薬剤供給ホース261の案内ホース262に供給され、さらに案内ホース262から供給ホース265に供給される。供給ホース265に供給された薬剤は、供給ホース265から送出され、苗載置台51に載置されている苗の条ごとに、各条に対応する供給ホース265から薬剤が散布される。
一方、薬剤送出部208内の2つの空間のうち、他方の空間は、第1軸212側のロール部材226から落下した薬剤が入り込む空間になっているが、第1軸212の回転が停止している場合は、この空間内には、薬剤は入り込まない。このため、この空間側に接続されるガイドホース260には、薬剤は流れないため、このガイドホース260に接続される案内ホース262や供給ホース265には薬剤は供給されず、供給ホース265からは、薬剤は散布されない。
これらとは反対に、第1ケーブル237には張力が付与されず、第2ケーブル247に張力が付与された場合は、第2係合ギヤ242が第2ギヤ221から離れる方向の力を第2当接部243に付与する方向に、第2アーム246が回動し、第2アーム246からの力により、第2係合部材240が移動する。これにより、第2係合ギヤ242が第2ギヤ221から離れると、繰出しロール駆動軸250からの力は、第2軸222には伝達されなくなるため、第2軸222は回転しなくなる。このため、第2軸222側のロール部材226は回転せず、第1軸212側のロール部材226のみが回転する状態になる。
このため、繰出しロール210に向けて落下した薬剤のうち、第2軸222側のロール部材226の繰出し凹部227に入り込んだ薬剤は、その状態からは移動せず、第1軸212側のロール部材226の繰出し凹部227に入り込んだ薬剤のみが、ロール部材226の下方に落下する。繰出しロール210から下方に落下した薬剤は、薬剤送出部208内の2つの空間のうち、一方の空間内に入り込み、ブロア280で発生した搬送風により、この空間側に接続されるガイドホース260内に流される。
ガイドホース260内に入り込んだ薬剤は、搬送風によって、このガイドホース260に接続される案内ホース262に供給され、さらに案内ホース262から供給ホース265に供給されることにより、苗載置台51に載置されている苗の条ごとに、各条に対応する供給ホース265から散布される。
一方、薬剤送出部208内の2つの空間のうち、第2軸222側のロール部材226から落下した薬剤が入り込む空間内には、第2軸222が停止していることにより、薬剤は入り込まない。このため、この空間側に接続されるガイドホース260には、薬剤は流れないため、このガイドホース260に接続される案内ホース262や供給ホース265には薬剤は供給されず、供給ホース265からは、薬剤は散布されない。
これらのように、一部の苗植付装置60を作動させるクラッチが非係合の状態になった場合は、繰出しロール210のうち、この苗植付装置60が対応する苗の植付条に対応するロール部材226の回転が停止することにより、当該植付条に対しては、薬剤の散布が行われなくなる。
ここで、供給ホース265は、案内ホース262から分岐する形態で、1つの案内ホース262に複数が接続されているため、各供給ホース265内に入り込む薬剤は、薬剤の量や質量と、搬送風の強さとの関係で、供給ホース265同士でバラつきが発生することがある。この場合は、供給ホース265に取り付けられる切替プレート270の上下位置を変更することにより、供給ホース265に入り込む薬剤の量を調節し、供給ホース265からの薬剤の送出量を調節する。
例えば、複数の供給ホース265のうち、所望の供給ホース265からの薬剤の送出量を多くしたいときは、遮蔽部275側の部分の案内ホース262内への突出量を多くして、供給ホース265に取り付ける。これにより、搬送風によって案内ホース262内を流れる薬剤は、より多くが切替プレート270に当たることになる。切替プレート270に当たった薬剤のうち、供給ホース265の方向に移動する薬剤は、供給ホース265内を通って供給ホース265から送出される。
一方、切替プレート270に当たった薬剤のうち、遮蔽部275の方向に移動する薬剤は、遮蔽部275で遮られ、遮蔽部275に当たって供給ホース265の方向に跳ね返る。これにより、この薬剤も供給ホース265内を通って、供給ホース265から送出される。これにより、供給ホース265からの薬剤の送出量を多くすることができる。
また、複数の供給ホース265のうち、所望の供給ホース265からの薬剤の送出量を少なくしたいときは、遮蔽部275側の部分の案内ホース262内への突出量を少なくして、供給ホース265に取り付ける。これにより、搬送風によって案内ホース262内を流れる薬剤は、切替プレート270に当たり難くなる。このため、切替プレート270に当たって供給ホース265の方向に移動する薬剤の量が少なくなるため、供給ホース265からの薬剤の送出量を少なくすることができる。
以上の実施形態2に係る苗移植機1は、薬剤を、薬剤供給ホース261を通じて各条の苗に供給する構成としたため、1つの薬剤散布装置200で苗植付部50に積載した全条の苗に、薬剤を供給することができる。この結果、薬剤散布装置200の配置スペースが余分に必要なくなると共に、薬剤散布装置200の重量がかからず、軽量化を図ることができる。また、ブロア280で搬送風を発生させ、この搬送風で薬剤を各条の苗に供給することにより、苗に付着している水が、薬剤供給ホース261の出口付近に付着し難くなり、また付着しても、風圧で除去することができる。この結果、薬剤供給ホース261の出口付近に薬剤が付着することを抑制することができ、薬剤を安定して適切に散布することができる。
また、切替プレート270の上下位置を変更することにより、所定の供給ホース265への薬剤及び搬送風の移動を規制することができるので、薬剤を供給する苗を選択することができる。この結果、過剰な薬剤の供給による苗や圃場の汚染を防止することができると共に、薬剤の使用量を削減することができる。また、切替プレート270の上下位置を変更することにより、薬剤や搬送風の通過量を調節することができるので、ブロア280近くの供給ホース265と、ブロア280から離れた位置の供給ホース265とで、偏った量の薬剤が供給されることを防止することができる。この結果、各条の苗に設定量の薬剤を供給することができ、苗の生育を安定させることができる。
また、繰出しロール210が有し、それぞれにロール部材226が装着される第1軸212と第2軸222とは、相対回転可能に配設されると共に、個別に駆動力が伝達されるため、1つの薬剤供給装置205で、2箇所の領域に対して独立して薬剤を散布することができる。これにより、例えば苗の植付作業を行わない条には、薬剤を供給しないようにすることができる。この結果、過剰に薬剤が供給されることを防止でき、苗や圃場の汚染を防止することができる。また、薬剤の余分な消費を抑えることができ、苗の植付作業コストを低減することができる。
〔変形例〕
なお、実施形態1に係る苗移植機1では、薬剤散布装置80は、散布装置支持部材81に固定されているが、薬剤散布装置80は、散布装置支持部材81に対して動くように構成されていてもよい。図19は、実施形態1に係る苗移植機の変形例であり、薬剤供給装置が回動する形態の説明図である。薬剤散布装置80は、例えば、図19に示すように、薬剤供給装置91を左右方向に回動させる回動ギヤ132と、回動ギヤ132を回転させる回動操作部材であるモータ120と、を備えていてもよい。
詳しくは、薬剤供給装置91は、回動部材130上に設置され、回動部材130は、回動部材130における機体前方側に位置し、中心軸が機体上下方向になる回動軸131を中心として回動可能に設けられている。つまり、回動部材130は、回動軸131を中心として、散布装置支持部材81に対して相対回動が可能に配設されている。回動ギヤ132は、この回動部材130における機体後方側の部分に形成されており、回動軸131を中心とする円弧状に形成されるギヤとして形成されている。
モータ120には、出力軸に駆動ギヤ121が取り付けられており、駆動ギヤ121は、回動ギヤ132と噛み合っている。このため、モータ120の駆動時にモータ120で発生する駆動力は、駆動ギヤ121と回動ギヤ132とにより、回動部材130に伝達され、回動部材130は、この駆動力により、回動軸131を中心として、薬剤供給装置91と一体となって回動する。
薬剤供給装置91が回動すると、薬剤供給装置91が有する薬剤供給フレーム92や散布ロール96、散布伝動ケース100等が一体となって回動するため、回動しながら薬剤の散布を行った場合、薬剤供給装置91は、散布の方向を機体左右方向に移動させながら散布する。このように、薬剤供給装置91を回動させるモータ120は、制御装置110に接続されており、薬剤供給装置91での薬剤の散布時は、制御装置110は、所定間隔ごとにモータ120を駆動させたり停止させたりすることを繰り返す。
これらのように、薬剤の散布時に薬剤供給装置91が回動し、薬剤供給装置91が有する散布伝動ケース100が左右方向に回動することにより、薬剤の散布方向を、いっそう左右方向に広くすることができる。この結果、複数条の苗に確実に薬剤を供給することができ、苗の生育を安定させることができる。また、より広範囲に薬剤を散布できるので、苗植付部50の条数に対する薬剤散布装置80の数を減らすことができる。この結果、軽量化を図ることができる。
また、薬剤散布装置80には、散布開口部97が濡れ難くなる部材を設けてもよい。薬剤散布装置80には、例えば、散布開口部97の上方に、庇を設けてもよい。これにより、雨水が散布開口部97や散布ロール96に伝わることを防ぐことができ、また、散布開口部97から排出された薬剤が、薬剤供給フレーム92の外面に付着することを防ぐことができる。
また、薬剤散布装置80には、機体後方側に、雨や泥はね除けの部材を配設してもよい。例えば、薬剤散布装置80の機体後方側に、雨や泥はね除けの部材として、ビニールシートを配設してもよい。これにより、薬剤散布装置80に雨水や泥はねが付着することを防ぐことができ、薬剤散布装置80の防水性を向上させることができる。
また、薬剤散布装置80、200は、苗植付部昇降機構40によって苗植付部50が上げ状態のときは、機体左右方向において苗植付部50が傾いている方向と反対の方向に移動するように構成してもよい。例えば、走行車体2に対して後輪5がローリングするように苗移植機1に構成され、このローリング量を検知する検知センサが設けられている場合、検知したローリング量が所定量以上のときは、機体左右方向において、ローリング方向の逆方向に薬剤散布装置80、200を移動させるように構成してもよい。苗植付部50に薬剤散布装置80、200が設けられている場合、重心位置が高くなり、バランスが悪くなり易いため、ローリング方向の逆方向に薬剤散布装置80、200を移動させることにより、苗植付部50のバランスを、良好なものにすることができる。
また、実施形態1、2に係る苗移植機1が有する施肥装置70では、貯留ホッパ71内で、肥料が詰まることがある。このため、施肥装置70は、肥料が詰まり難くなるような構成を低コストで実現できるようにしてもよい。図20は、実施形態1に係る苗移植機の変形例であり、施肥装置が有する貯留ホッパの側面図である。図21は、図20のL−L矢視図である。施肥装置70で肥料が詰まり難くなるような構成を低コストで実現できる手法としては、例えば、図20、図21に示すように、貯留ホッパ71の内部に、肥料を篩う網部材300を支持するリブ310を、複数設ける。このように配設されるリブ310には、上方に突出することによって、網部材300の下方側から網目に入り込む突起部311を、各リブ310に形成する。
このように、貯留ホッパ71の内部に、突起部311を有するリブ310を複数設けることにより、貯留ホッパ71の形状が異なっていても、網部材300は、共通の物を使用することができる。この結果、肥料が詰まり難くなるような構成を、低コストで実現することができる。また、リブ310に突起部311を設け、突起部311を網部材300に入り込ませた状態で網部材300を支持するため、網部材300の取り外しの容易性を確保しつつ、網部材300の設置状態での強度を確保することができる。
また、貯留ホッパ71の内部に設置される網部材300には、中央に、取っ手の機能を持った規制板305を設けるのが好ましい。この規制板305は、網部材300と一体で設けてもよく、網部材300から取り外し可能にしてもよい。このように、網部材300に規制板305を設けることにより、肥料が分散するため、施肥装置70が有する繰出し装置72への荷重を低減することができる。また、網部材300の取り外しを容易に行うことができるため、メンテナンス性を向上させることができる。
また、苗移植機1は、上述した実施形態で用いられている構成や制御等を適宜組み合わせてもよく、または、上述した構成や制御以外を用いてもよい。苗移植機1の構成や制御方法に関わらず、薬剤を機体後側から機体前側に散布するように薬剤散布装置80、200を構成することにより、苗に付着した水等が、薬剤散布装置80、200に付着することを防止でき、薬剤の散布量が不足することを防止できるため、薬剤を適切に散布することができる。
1 苗移植機
2 走行車体
7 メインフレーム
10 エンジン
15 動力伝達装置
16 油圧式無段変速機
17 ベルト式動力伝達機構
18 ミッションケース
28 操縦席
30 操縦部
32 ハンドル
40 苗植付部昇降機構
44 油圧昇降シリンダ
47 フロート
50 苗植付部
51 苗載置台(苗載部材)
60 苗植付装置
61 植込杆
64 植付伝動ケース
70 施肥装置
71 貯留ホッパ
72 繰出し装置
80、200 薬剤散布装置
81 散布装置支持部材
90、201 薬剤ホッパ
91、205 薬剤供給装置
92、206 薬剤供給フレーム
93 ソレノイド(間欠作動装置)
94 定量シャッタ(開閉部材)
95 ガイドホース(案内通路)
96 散布ロール(散布部材)
97 散布開口部
100 散布伝動ケース
101 散布駆動モータ(散布駆動部材)
102 伝動ギヤ
105 部分条クラッチスイッチ(部分条操作部材)
110 制御装置
120 モータ(回動操作部材)
130 回動部材
132 回動ギヤ
208 薬剤送出部
210 繰出しロール(繰出し部材)
212 第1軸
213 凸部
222 第2軸
223 凹部
226 ロール部材
230 第1係合部材
236 第1アーム
240 第2係合部材
246 第2アーム
250 繰出しロール駆動軸
260 ガイドホース(案内通路)
261 薬剤供給ホース(薬剤供給部材)
262 案内ホース(案内部材)
265 供給ホース(供給部材)
270 切替プレート(切替部材)
280 ブロア(起風装置)
281 送風部材
300 網部材
305 規制板
310 リブ
311 突起部

Claims (9)

  1. 走行車体の後部に積載した苗を植え付ける苗植付部と、
    薬剤を貯留する薬剤ホッパと、前記苗植付部に積載された苗に設定量ずつ前記薬剤を供給する薬剤供給装置と、を備える薬剤散布装置と、
    を備え、
    前記薬剤供給装置は、機体後側から機体前側に向かい、且つ、機体左右方向に前記薬剤を散布することを特徴とする苗移植機。
  2. 前記薬剤供給装置は、
    前記薬剤ホッパの機体下方側に設ける薬剤供給フレームと、
    前記薬剤供給フレーム内の機体上部位置に、間欠作動装置で設定間隔ごとに開閉動作して前記薬剤を移動させる開閉部材と、
    前記開閉部材の機体下方側に、前記薬剤を案内する案内通路と、
    前記案内通路の機体下方側に、供給される前記薬剤を機体左右方向に散布する散布部材と、
    を備え、
    前記薬剤供給フレームには、機体下部側に、前記散布部材の上下幅と同じ上下幅で開口し、前記薬剤が放出される散布開口部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の苗移植機。
  3. 前記薬剤供給フレームには、前記散布部材を回転駆動させる散布伝動ケースが設けられており、
    前記散布伝動ケースの一側端部には前記散布部材が配設され、他側端部には前記散布伝動ケースに駆動力を供給する散布駆動部材が配設されていることを特徴とする請求項2に記載の苗移植機。
  4. 前記散布伝動ケースは、機体左右において一対が設けられており、且つ、一対の前記散布伝動ケースは、機体後側ほど機体左右方向に離間し、機体前側ほど接近して配置されており、
    一対の前記散布伝動ケースの機体前端部には、それぞれに伝動ギヤが配設され、
    一対の前記散布伝動ケースのうち、いずれか一方には前記散布駆動部材が配設されており、
    前記散布部材の回転方向は、互いに対向する回転方向であることを特徴とする請求項3に記載の苗移植機。
  5. 前記苗植付部は、複数条の苗を積載する苗載部材と、それぞれ植付条が割り当てられた複数の苗植付装置と、を備え、
    前記走行車体には、所定の条に対応する前記苗植付装置の動作を入切する部分条操作部材が設けられており、
    前記苗植付部には、所定条分の苗に前記薬剤を供給する前記薬剤散布装置が、植付条に対応して配設され、
    前記部分条操作部材を操作すると、所定の条に対応する前記苗植付装置と前記薬剤散布装置の入切が連動して切り替えられることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の苗移植機。
  6. 前記散布伝動ケースは、機体左右方向に回動自在になっており、
    前記薬剤供給装置は、
    前記散布伝動ケースを左右方向に回動させる回動ギヤと、
    前記回動ギヤを回転させる回動操作部材と、
    を備え、
    前記薬剤供給装置での前記薬剤の散布時は、前記回動操作部材は、所定間隔ごとに駆動と停止を繰り返すことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の苗移植機。
  7. 前記苗植付部は、複数条の苗を積載する苗載部材と、それぞれ植付条が割り当てられた複数の苗植付装置と、を備え、
    前記薬剤供給装置は、
    前記薬剤ホッパの機体下方側に設ける薬剤供給フレームと、
    前記薬剤供給フレーム内の機体上部側の位置に配設されて、前記薬剤ホッパから落下する前記薬剤を所定量ずつ受けて移動させる繰出し部材と、
    前記繰出し部材の機体下方側に、前記薬剤を案内する案内通路と、
    前記案内通路の機体下方側に、前記薬剤を前記苗植付部の各条の苗に機体上方側から供給する薬剤供給部材と、
    前記薬剤供給部材に搬送風を供給する起風装置と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の苗移植機。
  8. 前記薬剤供給部材は、機体左右方向に配設される案内部材に、条ごとの機体上下方向の供給部材を備え、
    前記供給部材内には、搬送風と前記薬剤の移動を切り替える切替部材を、それぞれ機体上下方向における位置調節が自在に配設されていることを特徴とする請求項7に記載の苗移植機。
  9. 前記繰出し部材は、
    軸方向に突出する凸部を有すると共に、前記薬剤を移動させるロール部材が装着される第1軸と、
    前記凸部が挿入されると共に、前記第1軸に対して相対回転可能に配設され、前記第1軸に装着される前記ロール部材とは別のロール部材が装着される第2軸と、
    を備え、
    前記第1軸と前記第2軸とには、個別に駆動力が伝達されることを特徴とする請求項7または8に記載の苗移植機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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