JP2015122391A - SmFeN系磁石の製造方法およびSmFeN系磁石 - Google Patents
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Abstract
【課題】給電設備が不要で設備コストが低減でき、かつ高温雰囲気下でも磁気特性を十分に発揮させることが可能なSmFeN系磁石の製造方法およびSmFeN系磁石を提供する。
【解決手段】SmFe粉末を窒化処理してSmFeN磁粉とし、これを焼結処理してSmFeN系磁石を製造するに際して、前記窒化処理工程の後ないし焼結処理工程において350〜550℃で5時間〜60時間の熱処理を行ってαFeを析出させ焼結する。
【選択図】 なし
【解決手段】SmFe粉末を窒化処理してSmFeN磁粉とし、これを焼結処理してSmFeN系磁石を製造するに際して、前記窒化処理工程の後ないし焼結処理工程において350〜550℃で5時間〜60時間の熱処理を行ってαFeを析出させ焼結する。
【選択図】 なし
Description
本発明はSmFeN系磁石の製造方法およびSmFeN系磁石に関し、特に耐熱性に優れたSmFeN系磁石の製造方法等に関するものである。
SmFeN系磁石はNdFeB系磁石に比して耐食性が優れているが、従来の焼結温度である900℃以上で焼結すると、主相が分解して磁石特性が消失してしまう。そこで従来は樹脂等をバインダとして使用したボンド磁石が主流である。しかし、ボンド磁石は樹脂を含むことにより200℃以上の高温雰囲気下では使用できないという問題があった。そこで、例えば特許文献1には、焼結時のキャビティを画成する上下のパンチ間に電流を流して磁粉粒子間の接触抵抗によるジュール熱で瞬時に焼結を進行させ、熱負荷を軽減することによって、SmFeN系の焼結磁石を実現する方法が提案されている。
しかし、上記従来の方法では、焼結設備に給電設備を付設する必要があるとともに、磁粉表面を部分的に高温にするものであるため本来磁気特性を発揮し得る構造が喪失させられるという問題があった。
そこで、本発明はこのような課題を解決するもので、給電設備が不要で設備コストが低減でき、かつ高温雰囲気下でも磁気特性を十分に発揮させることが可能なSmFeN系磁石の製造方法およびSmFeN系磁石を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本第1発明のSmFeN系磁石の製造方法では、SmFe粉末を窒化処理してSmFeN磁粉とし、これを焼結処理してSmFeN系磁石を製造するに際して、前記窒化処理工程の後ないし焼結処理工程において350〜550℃で5時間〜60時間の熱処理を行ってαFeを析出させ焼結して得られることを特徴とする。
本第2発明のSmFeN系磁石では、SmFeN磁粉の母相表面に析出したαFeが、他のSmFeN磁粉の母相あるいは当該母相表面に析出しているαFeと拡散接合して焼結されている。
このような本発明によれば、十分に低温とした窒化処理工程を経て、あるいは十分に低温とした焼結処理工程を経てSmFeN磁粉の母相表面にαFeを析出させて、他のSmFeN磁粉の母相あるいは当該母相表面に析出しているαFeと拡散接合させて焼結状態を生成できる。したがって、焼結設備に従来のように給電設備を付設することなくSmFeN磁粉の焼結が可能となって、設備コストが大きく低減できる。またSmFeN磁粉の磁石特性が消失することがない十分な低温で焼結ができ、このような焼結磁石はボンド磁石と異なって樹脂材を使用していないから、磁気特性を損なうことなく200〜500℃での高温での使用が可能となるとともに耐食性も維持される。
以上のように、本発明によれば、給電設備が不要で設備コストが低減でき、かつ高温雰囲気下でも磁気特性を十分に発揮させることが可能なSmFeN系磁石を実現できる。
なお、以下に説明する実施形態はあくまで一例であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が行う種々の設計的改良も本発明の範囲に含まれる。
(第1実施形態)
本実施形態では図1に示すように、SmFeの溶湯を急冷ロールに滴下して急冷法によってSmFeの薄帯を製造する。なお、急冷法に代えて還元拡散法等を使用しても良い。
本実施形態では図1に示すように、SmFeの溶湯を急冷ロールに滴下して急冷法によってSmFeの薄帯を製造する。なお、急冷法に代えて還元拡散法等を使用しても良い。
続いてSmFe薄帯(粉末)をアルゴン雰囲気下において500〜900℃で熱処理した後、窒素ガス単独又はアンモニアと水素の混合ガス雰囲気下で300〜600℃で加熱する窒化処理を施してSmFeN薄帯(磁粉)とする。本実施形態では窒化処理後、窒素ガス雰囲気中で350〜550℃で5〜60時間加熱処理を行う。このような処理により、窒化処理後に、薄帯のロール面にαFeを析出させることができる。
本実施形態における窒化処理後の加熱処理は窒素ガス以外のアルゴンガス等を使用しても良く、また真空状態で行っても良い。ここで、350℃以下ではαFeが効率的に析出せず、一方、550℃以上にするとSmFeN薄帯が化学分解してしまい、磁気特性が低下してしまう。また5時間以下ではαFeが確実に析出しない。一方、60時間以上加熱処理しては生産性が悪くなる。特に生産性の観点からは、加熱処理のより好ましい範囲の上限は30時間である。
次に、SmFeN薄帯は焼結装置へ送られる。焼結装置における焼結温度は従来に比して十分低くでき、本実施形態では350〜550℃と、磁石特性が消失しない十分に低い温度とすることができる。焼結時間は1時間程度で、アルゴンないし窒素雰囲気中で又は真空中で400Kgf/cm2以上の圧力でホットプレスする。このような低温度での焼結が可能になるのは、既述のように薄帯の母相表面に析出しているαFeが、他の薄帯の母相あるいは当該母相表面に析出しているαFeと拡散接合することで焼結状態が現出されるからである。
(実施例)
急冷法で得たSmFe薄帯をアルゴン雰囲気下で500〜900℃で熱処理した後、アンモニアと水素の混合ガス雰囲気下で300〜600℃で窒化処理を行った後にアルゴン雰囲気下で460℃、5時間の熱処理によってαFeの析出を行なった。これを図1、図2に示す。図1はSmFe薄帯のロール面のSEM像であり、αFeの析出が認められる。また、図2はSmFe薄帯のロール面側の反射電子線像であり、矢印で挟まれた母相の表面領域にαFeが析出している。この処理で得た平均粒径100μmのSmFeN薄帯を公知の50×50黒鉛型内に投入して460℃に加熱し、400Kgf/cm2で1時間ホットプレスして焼結した。この過程で、各薄帯の母相表面に析出したαFeが、他の薄帯の母相あるいは当該母相表面に析出したαFeと拡散接合して焼結状態となった。
急冷法で得たSmFe薄帯をアルゴン雰囲気下で500〜900℃で熱処理した後、アンモニアと水素の混合ガス雰囲気下で300〜600℃で窒化処理を行った後にアルゴン雰囲気下で460℃、5時間の熱処理によってαFeの析出を行なった。これを図1、図2に示す。図1はSmFe薄帯のロール面のSEM像であり、αFeの析出が認められる。また、図2はSmFe薄帯のロール面側の反射電子線像であり、矢印で挟まれた母相の表面領域にαFeが析出している。この処理で得た平均粒径100μmのSmFeN薄帯を公知の50×50黒鉛型内に投入して460℃に加熱し、400Kgf/cm2で1時間ホットプレスして焼結した。この過程で、各薄帯の母相表面に析出したαFeが、他の薄帯の母相あるいは当該母相表面に析出したαFeと拡散接合して焼結状態となった。
得られた縦横50mm、厚み14mmの焼結成形品から7×7×5(mm)の直方体を試料として切り出して、45KOeの磁界を印加して着磁した。得られた低温焼結磁石の磁気特性、すなわち残留磁束密度(Br)、保磁力(iHc)、最大エネルギー積((BH)max)をBHカーブトレーサで測定した。その結果を表1に示す。また、比較例として、同形状の試料をボンド磁石(ダイドー電子製:型番SP−14)で製造した場合の結果を同様に表1に示す。これによると、本実施例により製造した焼結磁石は従来のボンド磁石と同等以上の優れた磁気特性を発揮する。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では窒化処理後にαFeの析出を行ったが、焼結工程でαFeの析出を行うようにしても良い。この場合は、第1実施形態と同様に急冷法によってSmFeの薄帯を製造し、続いてSmFe薄帯をアルゴン雰囲気下において500〜900℃で熱処理した後、窒素ガス単独又はアンモニアと水素の混合ガス雰囲気下で300〜600℃で加熱する窒化処理を施してSmFeN薄帯とする。続いてSmFeN薄帯は公知の焼結装置へ送られる。
上記第1実施形態では窒化処理後にαFeの析出を行ったが、焼結工程でαFeの析出を行うようにしても良い。この場合は、第1実施形態と同様に急冷法によってSmFeの薄帯を製造し、続いてSmFe薄帯をアルゴン雰囲気下において500〜900℃で熱処理した後、窒素ガス単独又はアンモニアと水素の混合ガス雰囲気下で300〜600℃で加熱する窒化処理を施してSmFeN薄帯とする。続いてSmFeN薄帯は公知の焼結装置へ送られる。
そして焼結装置において従来に比して十分低く磁石特性が消失しない350〜550℃の温度で、アルゴンないし窒素雰囲気中又は真空中で5〜60時間加熱しつつ、400Kgf/cm2以上の圧力でホットプレスする。このような焼結工程において、各薄帯の母相表面にαFeが析出させられると同時に、各薄帯に析出したαFeが、他の薄帯の母相あるいは当該母相表面に析出したαFeと拡散接合することで焼結状態が現出される。なお、本焼結工程において加熱処理の温度範囲および時間範囲を上記のように設定した理由は第1実施形態と同様である。
(実施例)
急冷法で得たSmFe薄帯をアルゴン雰囲気下で500〜900℃で熱処理した後、アンモニアと水素の混合ガス雰囲気下で300〜600℃で窒化処理を行った。この処理で得た平均粒径100μmのSmFeN薄帯を公知の50×50黒鉛型内に投入して、460℃に加熱し、400Kgf/cm2で10時間ホットプレスし焼結を行った。すなわち、この低温長時間加熱加圧の過程で、各薄帯の母相表面にαFeが析出するとともに、各薄帯に析出したαFeが、他の磁粉の母相あるいは当該母相表面に析出したαFeと拡散接合して焼結状態となった。
急冷法で得たSmFe薄帯をアルゴン雰囲気下で500〜900℃で熱処理した後、アンモニアと水素の混合ガス雰囲気下で300〜600℃で窒化処理を行った。この処理で得た平均粒径100μmのSmFeN薄帯を公知の50×50黒鉛型内に投入して、460℃に加熱し、400Kgf/cm2で10時間ホットプレスし焼結を行った。すなわち、この低温長時間加熱加圧の過程で、各薄帯の母相表面にαFeが析出するとともに、各薄帯に析出したαFeが、他の磁粉の母相あるいは当該母相表面に析出したαFeと拡散接合して焼結状態となった。
得られた縦横50mm、厚み14mmの焼結成形品から7×7×5(mm)の直方体を試料として切り出して、45KOeの磁界を印加して着磁した。得られた低温焼結磁石の磁気特性、すなわち残留磁束密度(Br)、保磁力(iHc)、最大エネルギー積((BH)max)をBHカーブトレーサで測定した。その結果を表2に示す。また、比較例として、同形状の試料をボンド磁石(ダイドー電子製:型番SP−14)で製造した場合の結果を同様に表2に示す。これによると、本実施例により製造した焼結磁石は従来のボンド磁石と同等以上の優れた磁気特性を発揮する。
Claims (2)
- SmFe粉末を窒化処理してSmFeN磁粉とし、これを焼結処理してSmFeN系磁石を製造するに際して、前記窒化処理工程の後ないし焼結処理工程において350〜550℃で5時間〜60時間の熱処理を行ってαFeを析出させ焼結して得られることを特徴とするSmFeN系磁石の製造方法。
- SmFeN磁粉の母相表面に析出したαFeが、他のSmFeN磁粉の母相あるいは当該母相表面に析出しているαFeと拡散接合して焼結されているSmFeN系磁石。
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JP2013264745A JP2015122391A (ja) | 2013-12-23 | 2013-12-23 | SmFeN系磁石の製造方法およびSmFeN系磁石 |
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CN110246685A (zh) * | 2019-07-17 | 2019-09-17 | 徐靖才 | 一种钐铁氮薄膜的制备方法 |
JP2020053436A (ja) * | 2018-09-21 | 2020-04-02 | トヨタ自動車株式会社 | 希土類磁石の製造方法 |
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