JP2015119076A - 内部加工層形成単結晶部材およびその製造方法 - Google Patents

内部加工層形成単結晶部材およびその製造方法 Download PDF

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利香 松尾
Rika Matsuo
利香 松尾
信裕 篠塚
Nobuhiro Shinozuka
信裕 篠塚
鈴木 秀樹
Hideki Suzuki
秀樹 鈴木
順一 池野
Junichi Ikeno
順一 池野
章 高澤
Akira Takazawa
章 高澤
直樹 三木
Naoki Miki
直樹 三木
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Abstract

【課題】剥離面の平坦性を確保しつつ加工時間の短縮化を図ることができる内部加工層形成単結晶部材およびその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】レーザ光を集光するレーザ集光手段を介して連続波のレーザ光Bをシリコンの単結晶部材10の被照射面20tから照射しつつ、単結晶部材10とレーザ集光手段とを相対的に移動させることで、内部加工層形成単結晶部材10は、単結晶部材10内部に形成された加工層21と、加工層21の両面側にそれぞれ隣接する非加工層22と、を有する。加工層21には、レーザ光Bの走査方向Sに沿って形成された変質部が、隣り合う変質部同士の距離が所定値以下となるように配列されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、単結晶部材の被照射側の表面から単結晶部材内部にレーザ光を集光することで、単結晶部材内部に加工層を形成した内部加工層形成単結晶部材およびその製造方法に関する。
従来、単結晶のシリコン(Si)ウエハに代表される半導体ウエハを製造する場合には、石英るつぼ内に溶融されたシリコン融液から凝固した円柱形のインゴットを適切な長さのブロックに切断して、その周縁部を目標の直径になるよう研削し、その後、ブロック化されたインゴットをワイヤソーによりウエハ形にスライスして半導体ウエハを製造するようにしている。
このようにして製造された半導体ウエハは、前工程で回路パターンの形成等、各種の処理が順次施されて後工程に供され、この後工程で裏面がバックグラインド処理されて薄片化が図られることにより、厚さが約750μmから100μm以下、例えば75μmや50μm程度に調整される。
従来における半導体ウエハは、以上のように製造され、インゴットがワイヤソーにより切断され、しかも、切断の際にワイヤソーの太さ以上の切り代が必要となるので、厚さ0.1mm以下の薄い半導体ウエハを製造することが非常に困難であり、製品率も向上しないという問題がある。
また近年、次世代の半導体として、硬度が大きく、熱伝導率も高いシリコンカーバイド(SiC)が注目されているが、SiCの場合には、Siよりも硬度が大きい関係上、インゴットをワイヤソーにより容易にスライスすることができず、また、バックグラインドによる基板の薄層化も容易ではない。
一方、集光レンズでレーザ光の集光点をインゴット(ウエハ)の内部に合わせ、そのレーザ光でインゴットを相対的に走査することにより、インゴットの内部に多光子吸収による面状の改質層(加工層)を形成し、この改質層を剥離面としてインゴットの一部を基板として剥離することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
なお、この明細書中においては、別記する場合を除いてウエハのことを適宜に基板と称する。
特開2011−167718号公報
しかし、単結晶部材内部に改質層を形成する場合、1つのレーザパルスで1点(1つ)の加工痕を形成している。このため、その加工間隔である加工ピッチは、加工進行方向へのステージ移動速度とパルス周波数で決まる。また、この加工ピッチと、オフセット方向(加工進行方向に直交する方向)の間隔である加工オフセットと、によって、単結晶部材内部に形成される加工痕の数(加工数)が決まる。
仮に、加工ピッチを1μm、加工オフセットを2μmとすると、100mm角(一辺が100mmの正方形)の領域を加工するには50億パルスのレーザ光を照射する必要がある。この場合、パルス周波数を100kHzとするとステージ移動速度は100mm/sとなり、50000秒、すなわち14時間という長大な加工時間が必要となる。
また、仮に、加工ピッチと加工オフセットとを広げて剥離可能な条件を見い出したとしても、隣り合う加工痕の間の領域ではレーザ光による加工(改質)がなされていない。このため、例えば単結晶部材の厚み方向の位置によって剥離する高さ位置が異なり、剥離面の平坦性が悪化することが考えられる。
本発明は、上記課題に鑑み、単結晶部材に形成した加工層から剥離させることで比較的大きくて薄い単結晶基板を形成するにあたり、剥離面の平坦性を確保しつつ加工時間の短縮化を図ることができる内部加工層形成単結晶部材およびその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための本発明の一態様によれば、レーザ光を集光するレーザ集光手段を介して連続波のレーザ光をシリコンの単結晶部材の被照射面から照射しつつ、前記単結晶部材と前記レーザ集光手段とを相対的に移動させることで、前記単結晶部材内部に形成された加工層と、前記加工層の両面側にそれぞれ隣接する非加工部と、を備え、前記加工層には、レーザ光の走査方向に沿って形成された変質部が、隣り合う変質部同士の距離が所定値以下となるように配列されていることを特徴とする内部加工層形成単結晶が提供される。
本発明の別の態様によれば、レーザ光を集光するレーザ集光手段を介してレーザ光をシリコンの単結晶部材の被照射面から照射しつつ、前記単結晶部材と前記レーザ集光手段とを相対的に移動させることで、前記単結晶部材内部に加工層を形成して前記単結晶部材を内部加工層形成単結晶部材とする内部加工層形成単結晶部材の製造方法であって、レーザ光として連続波のレーザ光を用い、レーザ光の走査方向に沿った変質部を所定範囲のオフセット間隔で形成していくことで前記加工層とすることを特徴とする内部加工層形成単結晶部材の製造方法が提供される。
本発明によれば、単結晶部材に形成した加工層から剥離させることで比較的大きくて薄い単結晶基板を形成するにあたり、剥離面の平坦性を確保しつつ加工時間の短縮化を図ることができる内部加工層形成単結晶部材およびその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態で内部加工層形成単結晶部材を製造することを説明する模式的な鳥瞰図である。 本発明の一実施形態で内部加工層形成単結晶部材を製造することを説明する模式的な側面断面図である。 本発明の一実施形態の内部加工層形成単結晶部材の模式的な側面断面図である。 本発明の一実施形態で、内部加工層形成単結晶部材を製造することを説明する側面図である。 本発明の一実施形態で、加工層から剥離させるためにシリコンウエハの両面に金属板を貼り付けたことを説明する側面図である。 実験例で、内部加工層形成単結晶部材の一例を説明する模式的な側面断面図である。 図7(a)および(b)は、それぞれ、比較例で、集光器から出射したレーザ光によって単結晶部材に加工層を形成することを説明する模式的な平面断面図および模式的な側面断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、すでに説明したものと同一または類似の構成要素には同一または類似の符号を付し、その詳細な説明を適宜省略している。
また、図面は模式的なものであり、寸法比などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法比などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための例示であって、この発明の実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものではない。この発明の実施の形態は、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
図1は、本発明の一実施形態(以下、本実施形態という)で、レーザ集光手段により単結晶部材10の被照射面(被照射側の表面)からレーザ光を集光して内部に加工層21を形成していくことを説明する模式的な鳥瞰図である。図2は、レーザ光の照射により単結晶部材10の内部に加工層21を形成して内部加工層形成単結晶部材を形成することを説明する模式的な断面図である。図3は、本実施形態で製造された内部加工層形成単結晶部材20の断面構造を説明する模式的な側面断面図である。図4は、本実施形態で、内部加工層形成単結晶部材を製造することを説明する側面図であり、本実施形態におけるレーザ加工装置の一例の全体図も示している。図5は、本実施形態で、加工層から剥離させるためにシリコンウエハの両面に金属板を貼り付けたことを説明する側面図である。図6は、実験例で、内部加工層形成単結晶部材の一例を説明する模式的な側面断面図である。
(概要説明)
本実施形態で製造する内部加工層形成単結晶部材20は、連続波(CW)のレーザ光Bをシリコンの単結晶部材10の被照射面20tから集光することで、この被照射面20tと離間しかつこの被照射面20tと平行に延在する加工層21と、その加工層21の両面側にそれぞれ隣接する非加工層22とを有する。
図3に示すように、加工層21には、レーザ光Bの走査方向Sに沿って形成された変質部21cが、隣り合う変質部21c同士の距離dが所定値以下となるように配列されている。ここで、所定値とは、加工層21と非加工層22とを剥離させる際に適正な平坦性を確保できる距離の上限値のことである。
内部加工層形成単結晶部材20を製造して単結晶基板を得るには、レーザ集光手段として例えば集光器(組レンズ)78により、調整した連続波のレーザ光Bを単結晶部材10の被照射面20tに照射して単結晶部材10内部にレーザ光Bを集光することで集光部分の単結晶部材を変質(改質)させつつ、集光器78と単結晶部材10とを相対的に移動させることで、単結晶部材10内部に、被照射面20tと平行に延在する加工層21を形成した内部加工層形成単結晶部材20を製造する。
単結晶部材10としては、レーザ光Bを照射する被照射面20t(第1面)と、被照射面20tに平行であって被照射面20tに照射したレーザ光Bが通過する光出射面20s(第2面)と、を有する部材を用いる。
加工層21を形成することで内部加工層形成単結晶部材10を製造した後、加工層21から劈開させて剥離面(劈開面)を露出させる。そして、この剥離面(加工層露出面)をラッピング加工およびポリシング加工により研磨加工する。研磨加工は例えばラッピング・ポリシング装置を利用して行うことができる。
(詳細説明)
以下、本実施形態をより詳細に説明する。本実施形態では、図4に示すように、レーザ加工装置は、レーザ発振器71、ズームエキスパンダ72、アパーチャー73、集光器78を順次備え、また、XYステージ80を備えている。
レーザ発振器71は、連続波のレーザ光Bを発生するレーザ装置であり、例えば、半導体レーザ励起YAGレーザである。また、集光器78は複数のレンズが組み合わされた組レンズとなっており、集光性能が高くされている。
本実施形態では、レーザ発振器71からのレーザ光Bは、ビームエキスパンダ72で所定の径にまで拡大させる。その後、反射ミラー(図示せず)により光路調整を行い、さらにアパーチャ76を通過させることによってレーザ光周辺の不均一パワー部分の光を除去して均一パワーのレーザ光とし、集光器78に入射させても良い。なお、アパーチャ76の開口径は、アパーチャ76通過後のレーザ光が回折光とならないように調整しておく。開口径がレーザ光Bのビーム径よりも大きすぎるとレーザ光Bの不均一パワー部分の光を除去することができず、逆に、開口径が小さ過ぎるとレーザ光Bが回折ビームとなってしまい均一パワーとならない。
レーザ光を照射する単結晶部材10のサイズは、例えばφ300mmの厚いシリコンウエハEからなり、レーザ光Bが照射される被照射面Etが予め平坦化されていることが好ましい。
レーザ光Bは、単結晶部材10の周面ではなく、上記の被照射面20tに集光器78を介して照射される。このレーザ光Bは、900nm以上の波長、好ましくは1000nm以上の波長が選択され、YAGレーザ等が好適に使用される。
(作用、効果)
以下、本実施形態で内部加工層形成単結晶部材10を製造することについて説明する。本実施形態では、単結晶部材10をXYステージ80上に載置し、真空チャック、静電チャックなどでこの単結晶部材10を保持する。そして、XYステージで単結晶部材10をX方向やY方向に移動させることで、レーザ集光手段(ズームエキスパンダ72、アパーチャ73、および、集光器78)と単結晶部材10とを、単結晶部材10の被照射面20tに平行に相対的に移動させながら、レーザ発振器71で発生したレーザ光Bを照射する。この結果、単結晶部材10の内部に集光したレーザ光Bによって、レーザ光Bの走査方向Sに沿って連続した1本の変質部21cが形成される。
その後、XYステージ80の移動により単結晶部材10をオフセット方向Fへ所定範囲の加工オフセットw(図1参照)で移動させ、同様に、1本の連続した変質部21cを走査方向Sに沿って形成する。これを順次繰り返すことで加工層21を形成する。ここで、所定範囲の上限値は、加工層21と非加工層22とを剥離させる際に剥離面の適正な平坦性を確保できる値の上限値であり、所定範囲の下限値は、変質部21cに隣接する変質部21cを形成する際に、既に形成された変質部21cにレーザ光Bが照射されることを回避できる下限値である。
本実施形態では、この変質部21cを形成する際、加工オフセットw(オフセット間隔)を5〜20μmの範囲とすることが加工時間および加工層での剥離において好ましい範囲である。加工時間の点では加工オフセットwは10〜20μmの範囲がより好ましい範囲である。なお、レーザ光Bの走査速度を遅くすることや、レーザ光Bのパワーを上げることで、変質部21cの幅(オフセット方向Fの幅)が大きくなる。従って、加工オフセットwを、レーザ光Bの走査速度およびレーザ光Bの強度に基づいて設定することが好ましいが、改質層以外の非加工部の単結晶材品質に影響を与えないように設定することが必要である。
本実施形態では、加工層21を形成していく際、連続波(CW)のレーザ光を照射することで走査方向Sは連続する変質部21をオフセット方向Fにも拡がった状態で形成でき、またオフセット方向Fにwの間隔で形成した隣接する加工層21隣り合う加工層21と連なった状態を形成できる。これは連続波(CW)により熱加工の効果が高いことが要因と考えられる。よって、レーザ光のオフセット方向Fに隣り合う加工層21の加工オフセットwを従来に比べて大幅に広くすることができるので、加工層21の加工密度、すなわち加工層21の形成数を大幅に低減させることができる。従って、加工層21の加工時間が更に大幅に短縮され、内部加工層形成単結晶部材20の製造効率が大きく向上する。また、剥離に必要な力も低減させることができる。加工層21が形成された結果、加工層21を挟んでレーザ光Bの照射方向とその反対側にそれぞれ非加工層22が加工層21に隣接して存在する。形成する加工層21の寸法、などは、剥離し易くする観点で設定することが好ましい。
このように加工層21を形成した内部加工層形成単結晶部材20は、加工層21から分断させた新たな単結晶部材を創成することができる。これは、加工層21と非加工層22との剥離により行う。本実施形態では、先ず、内部加工層形成単結晶部材20の側面に加工層21を露出させる。露出させるには、例えば、非加工層22の所定の結晶面に沿ってへき開する。加工層21が既に露出している場合や、加工層21の周縁と内部加工層形成単結晶部材20の側壁との距離が十分に短い場合には、この露出をさせる作業を省略することが可能である。
その後、図5に示すように、内部加工層形成単結晶部材20の非加工層22の表面である被照射面20tに、金属製基板61a、61bを接着剤63a、63bで内部加工層形成単結晶部材20を挟持するように接着固定する。金属製基板61a、61bとしては、例えば、SUS製の板を用いる。接着剤63a、63bとしては、例えば、アクリル系2液モノマー成分からなる接着剤を用いる。
金属製基板61a、61bの接着後、金属製基板61aと金属製基板61bとに互いに離れる方向の力をそれぞれ加えると加工層21と非加工層22で分断、剥離される。
加工層21で剥離させるために金属製基板61a、61bに力を加える手法は、特に限定しない。例えば、内部加工層形成単結晶部材20の側壁をエッチングして加工層21に溝を形成し、この溝に楔状圧入材(例えばカッター刃)を圧入することで力を発生させてもよい。また、内部加工層形成単結晶部材20に角方向から力を加えて、上方向の力成分と下方向の力成分とを発生させてもよい。さらには、金属製基板61a、61bをチャックにより挟持して、上下方向に適当な速度で引張ることにより剥離させることも可能である。
剥離後、この剥離面(加工層露出面)をラッピング加工およびポリシング加工により研磨加工する。研磨加工は例えばラッピング・ポリシング装置を利用して行うことができる。ラッピングでは研磨剤として粒径が1μmから数10μmの遊離砥粒を潤滑剤に混ぜたスラリーをラップ定盤と上記の加工層露出面との間に入れ加工する。このときの遊離砥粒としてはコロイダルシリカ、アルミナ、微粒ダイヤモンド、酸化セリウムなどが利用できる。ポリシング加工では粒径1μm以下の微細な研磨剤が使用され、研磨パッドを定盤に貼りつけて加工層露出面を研磨加工する。
以上説明したように、本実施形態では、レーザ光Bとして、パルス状のレーザ光(パルスレーザ光)ではなく連続波(CW)のレーザ光Bを用い、単結晶部材10内部にレーザ光Bを集光して変質部21cを形成しつつ、単結晶部材10に対してレーザ光Bを走査している。従って、変質部21cがレーザ光Bの走査方向Sに沿って連続しており、加工ピッチという概念が不要となる上、加工層21と非加工層22との境界の面積が大幅に増える。
よって、パルスレーザ光で加工する場合に比べ、レーザ光の走査速度、すなわち、XYステージ80の移動速度を大幅に上げることができる。例えば、従来では100mm/secあったXYステージ80の移動速度を、その10倍の1000mm/secにすることができる。よって、加工層21の形成にかかる時間を大幅に低減させることができ、内部加工層形成単結晶部材20の製造効率が大きく向上する。また、剥離に必要な力も低減させることができる。
また、連続波のレーザ光Bを照射しているので、パルスレーザ光を照射する場合に比べて加工層21の厚みを大幅に低減させることができる。従って、剥離面の研磨加工にかかる時間を短縮できるとともに、単結晶部材10の削除量を小さくすることで単結晶部材10を有効に利用することができる。また、非加工層22を加工層21から剥離させる際、加工層21の最上部と最下部との間のすべての部分で剥離する可能性があるので、本実施形態により、剥離する厚さの管理が容易になる上、剥離面のうねりや段差を抑えることができる。
また、レーザ光Bの走査速度を遅くする(例えばパルスレーザ光を照射する場合と同等にまで遅くする)ことにより、変質部21cの幅が広がる、すなわち、変質部21cがオフセット方向Fに広がる。従って、加工オフセットwを増大させることができ、加工層21の形成にかかる時間を大幅に低減させることが可能になる。
なお、レーザ光Bの走査速度を遅くすることで隣り合う変質部21c同士を連続させて(つまり隣り合う変質部21c同士の距離dを0にして)、加工層21を全て変質部21cで構成させることが可能である(後述の図6参照)。このように加工層21を全て変質部21cで構成させることによって、剥離面の安定化、剥離に必要な力の低減化などの種々の効果を奏することができる。
また、本実施形態では、単結晶部材10としてシリコンウエハEを例に挙げて説明したが、単結晶部材10がインゴット状であって、加工層21を形成して被照射面20t側の非加工層を剥がすことを順次繰り返してもよく、単結晶部材10の寸法は特に限定しない
<実験例>
本発明者は、実施例として、加工装置を用いて単結晶部材10内部に加工層21を形成した。なお、集光器78のレンズは、レーザ光Bの通過で損傷が生じないように、レーザ光Bの出力に応じて選定した。照射条件を以下に示す。
光源(レーザ発振器) :ファイバーレーザ
波長 :1064nm
集光器のレンズのNA :0.8
発振形態 :CW(連続波)
そして、この加工装置でレーザ出力とオフセット方向Fの間隔を変化させ、隣り合う変質部21c同士が連続し、かつ剥離状態との関係を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2015119076
また、本発明者は、比較例として、従来の加工装置を用い、図7に示すように、パルスレーザ光を照射して単結晶部材10としてシリコンウエハ(直径:150mm、厚さ:625μm、結晶方位(100)、表面:両鏡面)の内部に加工層を形成することを行った。この加工層は、パルスレーザ光の集光による変質部121cが、パルスレーザ光の走査方向Sおよびオフセット方向Fに配列されてなるものである。
照射条件は以下である。なお、加工ピッチpは1μm、加工オフセットwは2μmとした。
光源(レーザ発振器) :ファイバーレーザ
波長 :1064nm
集光器のレンズのNA :0.8
発振形態 :パルス発振
繰り返し周波数 :100kHz
パルス幅 :30ns
そして、この加工装置でオフセット方向Fの間隔を変化させ、隣り合う加工層21同士が連続し、かつ剥離状態との関係を求めた。結果を表2に示す。
Figure 2015119076
加工層21の連なり状態は、シリコンウエハの透過波長で顕微鏡観察することで確認することができる。また、単結晶部材をダイシングなどにより加工層21のオフセット方向断面を露出させ、露出面をエッチング液でエッチングすることによっても確認可能である。
また、剥離面の表面粗さは光学顕微鏡(OLS−4000:オリンパス製)により測定した。
本発明により薄い単結晶基板を効率良く形成することができることから、薄く切り出された単結晶基板は、Si基板(シリコン基板)であれば、太陽電池に応用可能であり、また、SiCなどであれば、SiC系パワーデバイスなどに応用可能であり、透明エレクトロニクス分野、照明分野、ハイブリッド/電気自動車分野など幅広い分野において適用可能である。
10 単結晶部材
20 内部加工層形成単結晶部材
20t 被照射面
21 加工層
21c 変質部
22 非加工層(非加工部)
72 ズームエキスパンダ(レーザ集光手段)
73 アパーチャ(レーザ集光手段)
78 集光器(レーザ集光手段)
B レーザ光
d 距離
F オフセット方向
S 走査方向
w 加工オフセット(オフセット間隔)

Claims (4)

  1. レーザ光を集光するレーザ集光手段を介して連続波のレーザ光をシリコンの単結晶部材の被照射面から照射しつつ、前記単結晶部材と前記レーザ集光手段とを相対的に移動させることで、前記単結晶部材内部に形成された加工層と、
    前記加工層の両面側にそれぞれ隣接する非加工部と、
    を備え、
    前記加工層には、レーザ光の走査方向に沿って形成された変質部が、隣り合う変質部同士の距離が所定値以下となるように配列されていることを特徴とする内部加工層形成単結晶部材。
  2. 隣り合う前記変質部同士が前記変質部の幅方向に連続していることを特徴とする請求項1記載の内部加工層形成単結晶部材。
  3. レーザ光を集光するレーザ集光手段を介してレーザ光をシリコンの単結晶部材の被照射面から照射しつつ、前記単結晶部材と前記レーザ集光手段とを相対的に移動させることで、前記単結晶部材内部に加工層を形成して前記単結晶部材を内部加工層形成単結晶部材とする内部加工層形成単結晶部材の製造方法であって、
    レーザ光として連続波のレーザ光を用い、レーザ光の走査方向に沿った変質部を所定範囲のオフセット間隔で形成していくことで前記加工層とすることを特徴とする内部加工層形成単結晶部材の製造方法。
  4. 前記オフセット間隔を、レーザ光の走査速度およびレーザ光の強度に基づいて設定することを特徴とする請求項3記載の内部加工層形成単結晶部材の製造方法。
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