JP2015112946A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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菜穂子 鈴木
Naoko Suzuki
菜穂子 鈴木
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Abstract

【課題】耐久性能と乗り心地性能との両立を図った空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】タイヤ子午断面において、サイドウォール部2にサイド補強ゴム28が形成された空気入りタイヤである。サイド補強ゴム28に包囲された領域に、少なくとも1つの空洞部C11、C12、C13が形成されている。空洞部1つの最大面積(空洞部C11、C12、C13の各々の面積)はサイド補強ゴム28の面積の50%以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は、耐久性能と乗り心地性能との両立を図った空気入りタイヤに関する。
耐久性能、乗り心地性能等に着目して、サイドウォール部に補強ゴムを形成した空気入りタイヤが知られている(特許文献1参照)。また、タイヤの軽量化等を目的として、ショルダー部からビード部に、チューブ材をタイヤ周方向に層状に配列した空気入りタイヤが知られている(特許文献2参照)。
特開2012−11948号公報 特開2006−131091号公報
特許文献1に開示された技術では、サイドウォール部の略全域に孔を有しない忠実なサイド補強ゴムが形成されているため、運転者が乗り心地について十分に柔らかくないと感じるおそれがある。
また、特許文献2に開示された技術では、サイドウォール部は勿論、そのタイヤ径方向両側に至る領域に多数のチューブ材が配列されているため、補強ゴムの形成領域が確保されず、十分な耐久性能が得られないおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、サイドウォール部に補強ゴムが形成されていることを前提に、耐久性能と乗り心地性能との両立を図った空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係る空気入りタイヤは、タイヤ子午断面において、サイドウォール部にサイド補強ゴムが形成された空気入りタイヤである。上記サイド補強ゴムに包囲された領域に、少なくとも1つの空洞部が形成されている。上記空洞部1つの最大面積は上記サイド補強ゴムの面積の50%以下である。
本発明に係る空気入りタイヤでは、サイド補強ゴム内に形成する空洞部の面積を制御することで、サイド補強ゴムの配設領域と空洞部の形成領域とのバランスを図っている。その結果、本発明に係る空気入りタイヤによれば、耐久性能と乗り心地性能とを両立することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤを示すタイヤ子午断面図である。 図2は、図1に示すサイド補強ゴムを拡大して示す図である。 図3は、図2に示す空洞部の変形例であり、(a)は空洞部が円形状の場合を示し、(b)は空洞部が楕円状の場合を示す。 図4は、図2に示す空洞部の変形例である。 図5は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤの変形例を示すタイヤ赤道面に平行な断面図である。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施の形態(以下に示す、基本形態及び付加的形態1から8)を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの実施の形態は、本発明を限定するものではない。また、上記実施の形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。さらに、上記実施の形態に含まれる各種形態は、当業者が自明の範囲内で任意に組み合わせることができる。
[基本形態]
以下に、本発明に係る空気入りタイヤについて、その基本形態を説明する。以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤの回転軸と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、上記回転軸を中心軸とする周り方向をいう。さらに、タイヤ幅方向とは、上記回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)に向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面から離れる側をいう。なお、タイヤ赤道面とは、空気入りタイヤの回転軸に直交するとともに、空気入りタイヤのタイヤ幅の中心を通る平面である。
図1は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤを示すタイヤ子午断面図である。なお、同図には、タイヤ赤道面CLに対して一方側の領域を示すが、本実施の形態の空気入りタイヤはタイヤ赤道面CLに対して他方側の領域についても同様の構造を有する。
図1に示すように、空気入りタイヤ1は、タイヤ径方向内側から外側に向かって、ビード部2、サイドウォール部4、ショルダー部6及びトレッド部8を連続して有する。空気入りタイヤ1は、ビードコア10と、ビードフィラ12と、カーカス層14と、ベルト層16と、ベルトカバー層18、19と、トレッドゴム20と、サイドウォールゴム22と、リムクッションゴム24と、インナーライナ26と、サイド補強ゴム28とにより構成されている。そして、これらの構成部材10から28がそれぞれタイヤ周方向に連続的に延在し、空気入りタイヤ1は全体としてトロイダル状をなしている。
ビードコア10は、スチール製のビードワイヤを複数本束ねた部材であって、タイヤを(図示しない)リムに固定するための部材である。ビードフィラ12は、ビードコア10のタイヤ径方向外側に位置し、隣接する他のゴム層よりも高硬度の部材であって、タイヤ全体のケーシング剛性を高める部材である。
カーカス層14は、タイヤ幅方向両側のビードコア10(図1では一方のみ示す)間に架け渡されてタイヤの骨格を形成する部材である。カーカス層14は、そのタイヤ径方向最内部(端部)付近でビードコア10の周りにタイヤ幅方向内側から外側に向かって巻き付けられており、本体部14aに対してタイヤ幅方向外側の巻上部14bが形成されている。なお、図1に示す例では、カーカス層14は一層のカーカスプライからなるが、カーカス層14は、複数層のカーカスプライをタイヤ幅方向に隣接配置して構成してもよい。
ベルト層16は、カーカス層14のタイヤ径方向外側に位置し、カーカス層14を強く締め付け、トレッド部8の剛性を高める部材である。ベルト層16は、タイヤ径方向内側から外側に向けて順に形成された2枚のベルト16a、16bからなる。ベルト16a、16bは、ベルトコードが互いに交差する構造を有する。
ベルトカバー層18、19は、ベルト層16のタイヤ径方向外側に位置し、高速走行時のベルト層16タイヤ幅方向両端部の遠心力による浮き上がりを抑制することにより、ベルト層16端部の剥離故障を防止して高速耐久性を向上するための構成部材である。図1に示す例では、ベルトカバー層18は、トレッド部8においてタイヤ幅方向の略全域に形成されており、ベルトカバー層19は、ベルトカバー層18のタイヤ幅方向最外側を覆うように、トレッド部8のタイヤ幅方向の略両端部にのみ形成されている。なお、図1に示すところでは、ベルトカバー層は、2層のプライ18、19からなるが、本実施の形態はこれに限られず、ベルトカバー層は一層のプライ18のみから構成することもできる。
トレッドゴム20は、カーカス層14、ベルト層16及びベルトカバー層18、19のタイヤ径方向外側に位置して路面と接する部材であり、カーカス層14を保護し、その摩耗や外傷を防止するタイヤの外皮部材である。
サイドウォールゴム22は、主にサイドウォール部4において、カーカス層14のタイヤ幅方向外側に位置するタイヤの外皮部材である。サイドウォールゴム22は、タイヤ走行時に繰り返しの屈曲変形に耐え、カーカス層14を外力から保護し、その摩耗や外傷を防止する部材である。
リムクッションゴム24は、主にビード部2に設けられ、図示しないリムフランジと接触するタイヤ幅方向外側表面からビードトウ部P0を経由してタイヤ幅方向内側表面に延在するように配置されるタイヤの外皮部材である。
インナーライナ26は、タイヤ内周面に位置し、カーカス層14を覆う帯状のゴムシート部材であり、カーカス層14の露出による酸化を防止するとともに、タイヤに充填された空気の洩れを防止する部材である。
サイド補強ゴム28は、ビード部2の一部からトレッド部8の一部までのタイヤ径方向領域にわたり、カーカスプライ14とインナーライナ26との間に位置し、硬度及び耐破壊強度が高く、かつ、発熱性の低い部材である。サイド補強ゴム28は、図1に示すように、インナーライナ26に沿った三日月形状とすることができるが、それ以外の形状とすることもできる。
以上のような構造の空気入りタイヤ1は、以下に示すサイド補強ゴム28についての構造をさらに有する。
図2は、図1に示すサイド補強ゴム28を拡大して示す図である。本実施の形態に係る空気入りタイヤ1においては、図2に示すように、サイド補強ゴム28に包囲された領域に、少なくとも1つの、同図に示すところでは3つの同形状の空洞部C11、C12、C13が形成されている。空洞部C11からC13は、それぞれ、サイド補強ゴム28とは異なり、かつ、一定の厚みを有する、空洞部区画部材D11、D12、D13によって包囲されている。空洞部C11からC13(空洞部区画部材D11からD13)は、いずれも、タイヤ周方向に連続的に延在していても、或いは断続的に延在していてもよい。また、空洞部C11からC13(空洞部区画部材D11からD13)をタイヤ周方向に連続的に延在させる場合には、それらのタイヤ子午断面における形状は、タイヤ周方向において同一とすることも、また変化させることもできる。
そして、本実施の形態の空気入りタイヤ1においては、面積が最大の空洞部(同図に示す例では空洞部C11、C12、C13のそれぞれ)が、サイド補強ゴム28に対して50%以下の面積を有する。ここで、本実施の形態におけるサイド補強ゴム28の面積とは、図2における斜線部分の面積と、空洞部C11、C12、C13の面積と、空洞部区画部材D11、D12、D13との和をいう。換言すれば、サイド補強ゴム28の面積とは図2の斜線部分の外輪郭線によって囲まれる領域の面積をいう。
(作用等)
本実施の形態に係る空気入りタイヤでは、図2に示すように、サイド補強ゴム28に包囲された領域に少なくとも1つの空洞部C11、C12、C13を形成することで、軽量化を図ることができ、これに伴い、路面追従性が高まり、ひいては優れた乗り心地性能を実現することができる。
また、本実施の形態に係る空気入りタイヤでは、面積が最大の空洞部(同図に示す例では空洞部C11、C12、C13のそれぞれ)を、サイド補強ゴム28に対して50%以下の面積を有するものとしている。これにより、サイド補強ゴム28の形成領域を十分に確保することができ、特にサイドウォール部4の耐破壊強度を十分に確保し、ひいては優れた耐久性能を実現することができる。
以上に示すように、本実施の形態に係る空気入りタイヤでは、サイド補強ゴム内に空洞部を設けるとともに、この空洞部の面積を適正化している。これにより、耐久性能向上に支配的な補強ゴムの配設領域と、乗り心地性能向上に支配的な空洞部の形成領域とのバランスを図っている。その結果、本発明に係る空気入りタイヤによれば、耐久性能と乗り心地性能とを両立することができる。
なお、以上に示す、本実施の形態に係る空気入りタイヤは、通常の各製造工程、即ち、タイヤ材料の混合工程、タイヤ材料の加工工程、グリーンタイヤの成型工程、加硫工程及び加硫後の検査工程等を経て得られるものである。本実施の形態の空気入りタイヤを製造する場合には、特に、空洞部区画部材用の素材の内部にこの素材が潰れない程度の空気圧を付与し、次いでこの素材を所定の位置に埋め込んだサイド補強ゴム材料を用いてグリーンタイヤの成型を行う。
[付加的形態]
次に、本発明に係る空気入りタイヤの上記基本形態に対して、任意選択的に実施可能な、付加的形態1から8を説明する。
(付加的形態1)
基本形態においては、空洞部1つの最大面積(図2に示す空洞部C11からC13のそれぞれの面積)が同図に示すサイド補強ゴム28の面積の10%以上であること(付加的形態1)が好ましい。
1つの空洞部C11(C12、C13)の最大面積をサイド補強ゴム28の面積の10%以上とすることで、十分に軽量化を図ることができ、これに伴い、路面追従性が一層高まり、ひいては乗り心地性能をさらに改善することができる。
(付加的形態2)
基本形態及び基本形態に付加的形態1を加えた形態においては、図3(図2に示す空洞部の変形例)に示すように、空洞部が、円形状又は楕円形状であること(付加的形態2)が好ましい。図3(a)に示す例では、一定の厚みを有する空洞部区画部材D21、D22、D23の中に円形状の空洞部C21、C22、C23が形成されている。また、図3(b)に示す例では、一定の厚みを有する空洞部区画部材D31、D32、D33の中に楕円形状の空洞部C31、C32、C33が形成されている。
図3(a)に示すように、空洞部が円形状の場合は、サイド補強ゴム28にタイヤ子午断面内のいずれの方向から応力が加わったとしても、サイド補強ゴム28と空洞部区画部材D21、D22、D23との境界面において、応力の分散が効率的に行われる。このため、特にサイドウォール部4におけるタイヤ径方向への引っ張り変形及び圧縮変形が良好に実現され、ひいては乗り心地性能を改善することができる。
また、図3(b)に示すように、空洞部が楕円形状の場合は、サイド補強ゴム28をサイド補強ゴム28のタイヤ幅方向内側のプロファイルラインと、空洞部C31、C32、C33をなす楕円の長軸とを、同一のタイヤ径方向領域において、略一致させることで、タイヤ転動時に、空洞部区画部材D31、D32、D33がサイド補強ゴム28の変形に追随して変形し易くなる。このため、この場合においても、特にサイドウォール部4におけるタイヤ径方向への引っ張り変形及び圧縮変形が良好に実現され、ひいては乗り心地性能を改善することができる。
(付加的形態3)
基本形態及び基本形態に付加的形態1、2の少なくともいずれかを加えた形態においては、図4(図2に示す空洞部の変形例)に示すように、サイド補強ゴム28内に空洞部C4が1つ形成されていること(付加的形態3)が好ましい。図4に示す例では、一定の厚みを有する空洞部区画部材D4の中に円形状の空洞部C4が形成されている。
図4に示すように、サイド補強ゴム28内に空洞部C4を1つ形成した場合には、図2、3に示すように空洞部を複数形成した場合に比べて、サイド補強ゴム28と空洞部区画部材D4との境界面の面積を最も小さくすることができる。これにより、タイヤ転動時において上記境界面におけるクラック発生を抑制することができ、ひいては耐久性能を改善することができる。なお、サイド補強ゴム28内に空洞部C4を1つ形成した場合には、図2、3に示すように空洞部を複数形成した場合に比べて、タイヤ製造上、特に空洞部区画部材用の素材を所定の位置に埋め込んでサイド補強ゴム材料を加工することが容易である、という利点もある。
(付加的形態4)
基本形態及び基本形態に少なくとも付加的形態3を加えた形態においては、図4に示すように、空洞部C4のタイヤ径方向中心位置P1が、サイド補強ゴム28のタイヤ径方向中心位置P2と一致していること(付加的形態4)が好ましい。
空洞部C4のタイヤ径方向中心位置P1を、サイド補強ゴム28のタイヤ径方向中心位置P2と一致させることで、空洞部C4よりもタイヤ径方向外側と内側とにおいて、サイド補強ゴム28のタイヤ径方向における重量バランスの好適化を図ることができる。これにより、タイヤ径方向におけるユニフォミティを改善することができ、ひいては乗り心地性能を改善することができる。
また、空洞部C4のタイヤ径方向中心位置P1を、サイド補強ゴム28のタイヤ径方向中心位置P2と一致させることで、図4に示すように、空洞部区画部材D4の外周領域(特にタイヤ径方向両側)にサイド補強ゴム28の形成領域を十分に確保することができる。これにより、サイド補強ゴム28におけるクラック発生を抑制することができ、ひいては耐久性能を改善することができる。
(付加的形態5)
基本形態及び基本形態に付加的形態1等を加えた形態においては、図4に示すように、サイド補強ゴム28の最大幅を定める線分Tのうち、空洞部C4の部分の寸法をdとし、空洞部C4の部分よりもタイヤ幅方向内側部分の寸法をt1とし、空洞部C4の部分よりもタイヤ幅方向外側部分の寸法をt2とした場合に、
t1=t2≠0 かつ d≧t1+t2
を満たすこと(付加的形態5)が好ましい。ここで、サイド補強ゴム28の最大幅とは、図4において、サイド補強ゴム28のタイヤ幅方向内側のプロファイルラインに対して垂直な方向に測定した場合の、サイド補強ゴム28のタイヤ幅方向内側のプロファイルラインからタイヤ幅方向外側のプロファイルラインまでの最大寸法をいう。
ここで、図4に示すように、サイド補強ゴム28の最大幅を定める線分Tのうち、空洞部C4の部分の寸法dとは、厳密には、空洞部区画部材D4の寸法も含む。
上記等式(t1=t2≠0)を満たすこと、即ち、空洞部C4の略タイヤ幅方向両側においてサイド補強ゴム28の形成領域を同一とすることで、空洞部区画部材D4のタイヤ幅方向両側で、サイド補強ゴム28のタイヤ幅方向における重量バランスの好適化を図ることができる。これにより、タイヤ幅方向におけるユニフォミティを改善することができ、ひいては乗り心地性能を改善することができる。
また、上記不等式(d≧t1+t2)を満たすこと、外周領域のサイド補強ゴム28の形成領域に対して、空洞部Cの形成領域を大きく確保することで、さらに軽量化を図ることができ、これに伴い、路面追従性がさらに高まり、ひいては乗り心地性能をさらに改善することができる。
(付加的形態6)
基本形態及び基本形態に付加的形態1等を加えた形態においては、図5(本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤの変形例を示すタイヤ赤道面に平行な断面図)に示すように、空洞部は断続的に形成されており、かつ、複数の球体であること(付加的形態6)が好ましい。図5に示す例では、一定の厚みを有する8つの空洞部区画部材D51、D52、D53、D54、D55、D56、D57、D58の中に円形状の空洞部C51、C52、C53、C54、C55、C56、C57、C58がそれぞれ形成されている。
図5に示すように、空洞部C51からC58を断続的に形成することで、空洞部をタイヤ周方向において過度に形成することなく、サイド補強ゴム28の配設領域を十分に確保することができる。これにより、特にサイドウォール部4の耐破壊強度を十分に確保し、ひいては耐久性能をさらに改善することができる。
また、上記のとおり、空洞部C51からC58を断続的に形成した場合には、タイヤ周方向におけるユニフォミティが悪化し、乗り心地性能が低下する傾向にある。しかしながら、本実施の形態では、空洞部を複数の球体とすることで、サイド補強ゴム28に3次元空間のいずれの方向から応力が加わったとしても、サイド補強ゴム28と空洞部区画部材C51からC58との境界面において、応力の分散が効率的に行われる。このため、サイドウォール部4における引っ張り変形及び圧縮変形が良好に実現され、ひいては乗り心地性能の低下を抑制することができる。
(付加的形態7)
基本形態及び基本形態に少なくとも付加的形態6を加えた形態においては、図5に示すように、空洞部は、同一のタイヤ周方向ピッチで少なくとも8個形成されていること(付加的形態7)が好ましい。
空洞部を、同一のタイヤ周方向ピッチで少なくとも8個形成することで、十分に軽量化を図ることができ、これに伴い、路面追従性が一層高まり、ひいては乗り心地性能をさらに改善することができる。
(付加的形態8)
基本形態及び基本形態に付加的形態1等を加えた形態においては、上記空洞部を区画する空洞部区画部材が、160℃以上200°以下の温度に対して耐性があり、かつ、JIS硬度が80以下である材料によって形成されていること(付加的形態8)が好ましい。
空洞部区画部材を、160℃以上200°以下の温度に対して耐性がある材料によって形成することで、この材料が加硫時に熱によって変形することを防止することができ、寸法精度の高い空洞部を有する空気入りタイヤを得ることができる。また、空洞部区画部材を、JIS硬度が80以下の材料から形成することで、タイヤ転動時に、空洞部区画部材がサイド補強ゴムの変形に追随してさらに変形し易くなる。このため、特にサイドウォール部4におけるタイヤ径方向への引っ張り変形及び圧縮変形がさらに良好に実現され、ひいては乗り心地性能をさらに改善することができる。
本実施の形態の温度条件及び硬度条件をいずれも満たす、空洞部区画部材に用いられる材料としては、例えば、シリコンを含有したゴム、フッ素を含有したゴム、フッ素を含有した樹脂、グラファイト、及びナノコンポジット等が挙げられる。これらの中では、特に、加熱状態で実施される加硫に十分に耐えることができ、かつ、サイド補強ゴムの変形に追随して極めて変形し易いという理由により、シリコーンを用いることが好ましい。
タイヤサイズを255/40R18 99Hとし、図1に示すようにサイドウォール部にサイド補強ゴムが形成されるとともに、図2から図4のいずれかに示す態様で空洞部が形成され、空洞部1つの最大面積がサイド補強ゴムの面積の50%以下である、実施例1から9の空気入りタイヤを作製した。なお、各空気入りタイヤに関する諸条件は、以下の表1に示すとおりである。なお、空洞部を区画する空洞部区画部材は、いずれの例においても、シリコーンを含有したゴムによって形成した。
これに対し、タイヤサイズを255/40R18 99Hとし、図2に示す空洞部を有しないこと以外は実施例1の空気入りタイヤと同一である、従来例の空気入りタイヤを作製した。
このように作製した、実施例1から実施例9及び従来例の各試験タイヤについて、以下に示すように、耐久性能と、乗り心地性能とについての評価を行った。これらの結果を表1に併記する。なお、表1には、各試験タイヤの重量に関する、従来例を基準(100)とした場合の評価結果(低い値ほど軽量化が図れている)も併記する。
(耐久性能)
各試験タイヤを、18×8.5JJのリムに組み付け(空気圧については右前輪0kPa、その他の3つについては230kPa)、排気量が3500CCであってフロントエンジン・リアドライブ方式の車両に装着し、乾燥路面のテストコースにおいて、テストドライバーにより、ISO技術基準に準拠した耐久性能の評価試験を実施した。具体的には、速度80km/hでの定常走行を80km行った。そして、その評価結果を、従来例を基準(100)とした指数評価を行った。この評価は、指数が大きいほど、耐久性能が高いことを示す。
(乗り心地性能)
各試験タイヤを、18×8.5JJのリムに空気圧230kPaで組み付け、排気量が3500CCであってフロントエンジン・リアドライブ方式の車両に装着し、乾燥路面のテストコースにおいて、テストドライバーによるパネラー2名による官能性評価を実施し、その平均値を算出した。そして、この算出結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価を行った。この評価は、指数が大きいほど、乗り心地性能が高いことを示す。
Figure 2015112946
表1によれば、本発明の技術的範囲に属する(サイド補強ゴムの配設領域と空洞部の形成領域とのバランスを図った)実施例1から実施例9の空気入りタイヤについては、いずれも、本発明の技術的範囲に属しない、従来例の空気入りタイヤに比べて、耐久性能と乗り心地性能とが高いレベルで両立されていることが判る。
なお、表1によれば、本発明の技術的範囲に属する実施例1から実施例9の空気入りタイヤについては、いずれも、サイド補強ゴム内に空洞部が形成されているので、本発明の技術的範囲に属しない従来例の空気入りタイヤに比して、軽量化が図られている。
本発明は以下の態様を包含する。
(1)タイヤ子午断面において、サイドウォール部にサイド補強ゴムが形成された空気入りタイヤであって、上記サイド補強ゴムに包囲された領域に、少なくとも1つの空洞部が形成され、上記空洞部1つの最大面積が上記サイド補強ゴムの面積の50%以下であることを特徴とする、空気入りタイヤ。
(2)上記空洞部1つの最大面積が上記サイド補強ゴムの面積の10%以上である、上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(3)上記空洞部は、円形状又は楕円形状である、上記(1)又は(2)に記載の空気入りタイヤ。
(4)サイド補強ゴム内に上記空洞部が1つ形成されている、上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
(5)上記空洞部のタイヤ径方向中心位置が、上記サイド補強ゴムのタイヤ径方向中心位置と一致している、上記(4)に記載の空気入りタイヤ。
(6)上記サイド補強ゴムの最大幅を定める線分のうち、上記空洞部の部分の寸法をdとし、上記空洞部の部分よりもタイヤ幅方向内側部分の寸法をt1とし、上記空洞部の部分よりもタイヤ幅方向外側部分の寸法をt2とした場合に、
t1=t2≠0 かつ d≧t1+t2
を満たす、上記(1)から(5)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
(7)上記空洞部は、タイヤ周方向に断続的に形成されており、かつ、複数の球状である、上記(1)から(6)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
(8)上記空洞部は、同一のタイヤ周方向ピッチで少なくとも8個形成されている、上記(7)に記載の空気入りタイヤ。
(9)上記空洞部を区画する空洞部区画部材が、160℃以上200°以下の温度に対して耐性があり、かつ、JIS硬度が80以下である材料によって形成されている、上記(1)から(8)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
1 空気入りタイヤ
2 ビード部
4 サイドウォール部
6 ショルダー部
8 トレッド部
10 ビードコア
12 ビードフィラ
14 カーカス層
14a 本体部
14b 巻上部
16 ベルト層
16a、16b ベルト
18、19 ベルトカバー層
20 トレッドゴム
22 サイドウォールゴム
24 リムクッションゴム
26 インナーライナ
28 サイド補強ゴム
C11、C12、C13、C21、C22、C23、C31、C32、C33、C4、C51、C52、C53、C54、C55、C56、C57、C58 空洞部
CL タイヤ赤道面
D11、D12、D13、D21、D22、D23、D31、D32、D33、D4、D51、D52、D53、D54、D55、D56、D57、D58 空洞部区画部材
d 空洞部C4の部分の寸法
P0 ビードトウ部
P1 空洞部C4のタイヤ径方向中心位置
P2 サイド補強ゴム28のタイヤ径方向中心位置
T サイド補強ゴム28の最大幅を定める線分
t1 空洞部C4の部分よりもタイヤ幅方向内側部分の寸法
t2 空洞部C4の部分よりもタイヤ幅方向外側部分の寸法

Claims (9)

  1. タイヤ子午断面において、
    サイドウォール部にサイド補強ゴムが形成された空気入りタイヤであって、
    前記サイド補強ゴムに包囲された領域に、少なくとも1つの空洞部が形成され、前記空洞部1つの最大面積が前記サイド補強ゴムの面積の50%以下であることを特徴とする、空気入りタイヤ。
  2. 前記空洞部1つの最大面積が前記サイド補強ゴムの面積の10%以上である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記空洞部は、円形状又は楕円形状である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. サイド補強ゴム内に前記空洞部が1つ形成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記空洞部のタイヤ径方向中心位置が、前記サイド補強ゴムのタイヤ径方向中心位置と一致している、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記サイド補強ゴムの最大幅を定める線分のうち、前記空洞部の部分の寸法をdとし、前記空洞部の部分よりもタイヤ幅方向内側部分の寸法をt1とし、前記空洞部の部分よりもタイヤ幅方向外側部分の寸法をt2とした場合に、
    t1=t2≠0 かつ d≧t1+t2
    を満たす、請求項1から5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記空洞部は、タイヤ周方向に断続的に形成されており、かつ、複数の球状である、請求項1から6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記空洞部は、同一のタイヤ周方向ピッチで少なくとも8個形成されている、請求項7に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記空洞部を区画する空洞部区画部材が、160℃以上200°以下の温度に対して耐性があり、かつ、JIS硬度が80以下である材料によって形成されている、請求項1から8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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