JP2018114781A - 更生タイヤ - Google Patents

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石川 純一
Junichi Ishikawa
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Abstract

【課題】トレッド部のキャップゴムが端部から剥離することを防止できる更生タイヤを提供する。【解決手段】更生タイヤ1は、更生加工を目的とした一次寿命終了後のタイヤである台タイヤ20と、台タイヤ20のトレッド部21を覆うキャップゴム27とを備え、台タイヤ20は、バフ処理されたバットレス部22に設けられた段部41を有し、キャップゴム27の端部271は段部41に配置される。段部41は、タイヤ子午断面において、タイヤ幅方向外側が出口であり、かつ、タイヤ幅方向内側が奥側であり、段部41の奥側から出口までの少なくとも一部は、タイヤ最大幅の位置を通りタイヤ回転軸に平行な線Sからのタイヤ径方向の高さが、線Sから段部41の出口までの高さH3以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、更生タイヤに関する。
従来の空気入りタイヤの中には、トレッドに形成される溝の溝深さが所定の深さより浅くなることによってトレッドが使用寿命に達した際に、更生加工を行い、再利用できるようにした更生タイヤがある。更生加工は、古いトレッドゴムを除去してバフがけ作業を行った後、トレッドゴムを貼り替える加工である。更生タイヤの製造方法には、リモールド方式とプリキュア方式とがある。リモールド方式は、台タイヤに、未加硫のトレッドゴム(ベースゴムおよびキャップゴム)を貼り付け、パターンを彫刻した金型(モールド)に入れ加硫する方式である。プリキュア方式は、台タイヤに、予め加硫されたトレッドゴムを貼り付け、加硫する方式である。台タイヤは、更生加工を目的とした一次寿命終了後のタイヤである。更生タイヤは、台タイヤのタイヤ径方向外側に、ベースゴムおよびキャップゴムによるトレッド部を新たに設けた構造になっている。
ここで、特許文献1および特許文献2には、バックルの発生を防止する技術が開示されている。特許文献1では、タイヤ加硫時に台タイヤの表面が新たなトレッドに押し込まれて、生じるバックル(トレッド表面がウェーブ状に湾曲する現象)の発生を抑制するため、バットレス部に凹部を設けている。特許文献2では、タイヤプロファイルを適正化して台タイヤと成形金型とのクリアランスを確保してバックルの発生を抑制している。
特開2014−76765号公報 特開2014−76768号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示されている技術においては、キャップゴムの端部についてなんら配慮がなされていない。このため、更生タイヤのキャップゴムが、その端部から剥離する可能性があり、改善の余地がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、トレッド部のキャップゴムが端部から剥離することを防止できる更生タイヤの提供を目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様による更生タイヤは、更生加工を目的とした一次寿命終了後のタイヤである台タイヤと、前記台タイヤのトレッド部を覆うキャップゴムとを備え、前記台タイヤは、バフ処理されたバットレス部に設けられた段部を有し、前記キャップゴムの端部は前記段部に配置され、前記段部は、タイヤ子午断面において、タイヤ幅方向外側が該段部の出口であり、かつ、タイヤ幅方向内側が該段部の奥側であり、前記段部の前記奥側から前記出口までの少なくとも一部は、タイヤ最大幅の位置を通りタイヤ回転軸に平行な線からのタイヤ径方向の高さが、前記平行な線から前記段部の出口までの高さ以下である。
また、一対のビードコアと、前記一対のビードコアのタイヤ径方向外側にそれぞれ配置される一対のビードフィラーと、前記ビードコアおよび前記ビードフィラーを包み込み巻き返されて配置されるカーカスとを備え、タイヤ子午断面において、前記段部の前記出口から前記奥側へ向かう線と前記バットレス部のバフ処理された表面に沿った延長線との交点から、前記段部の前記出口までの距離が2.5mm以上であり、前記交点と前記カーカスとの距離が3mm以上であることが好ましい。
前記段部は、タイヤ子午断面において、前記バットレス部のバフ処理された表面に沿った延長線と前記段部の前記出口から前記奥側へ向かう線とが曲線で接続され、前記曲線の半径は2mm以上であることが好ましい。
タイヤ子午断面において、前記平行な線から前記交点までの高さH4は、前記平行な線からバットレス部のバフ面のタイヤ径方向外側の点d2までの高さH2に対し、H2×0.25≦H4≦H2×0.75であることが好ましい。
前記段部の奥側と前記段部の出口とを結ぶ線と、前記タイヤ回転軸との角度aが、0度≦a≦60度であることが好ましい。
タイヤ子午断面において、前記段部の出口の位置は、前記タイヤ最大幅の位置よりもタイヤ径方向外側であることが好ましい。
本発明にかかる更生タイヤは、トレッド部のキャップゴムが端部から剥離することを防止できるという効果を奏する。
図1は、本実施形態にかかる更生タイヤの要部を示す子午断面図である。 図2は、トレッド部のキャップゴムの端部をバフ部に配置する場合の例を示す子午断面図である。 図3は、段部の例を示す断面図である。 図4は、図3中の破線円部分の拡大図である。 図5は、段部の変形例を示す断面図である。 図6は、段部の他の変形例を示す断面図である。 図7は、段部の他の変形例を示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。なお、以下の各図の説明において、他の図と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。また、この実施形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
以下の説明において、タイヤ幅方向とは、更生タイヤの回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLに向かう方向、タイヤ幅方向外側とは、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLに向かう方向の反対方向をいう。また、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向においてタイヤ回転軸に向かう方向、タイヤ径方向外側とは、タイヤ径方向においてタイヤ回転軸から離れる方向をいう。また、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心として回転する方向をいう。
図1は、本実施形態にかかる更生タイヤ1の要部を示す子午断面図である。図1は、更生タイヤ1の子午断面のタイヤ赤道面CLを対称面とする右半分を示しており、その左半分は図示を省略している。更生タイヤ1の子午断面のタイヤ赤道面CLを対称面とする左半分は、上記右半分と対称の構造になっている。図1に示す更生タイヤ1は、更生前の空気入りタイヤ(図示省略)のトレッド踏面(図示省略)が摩耗してトレッド(図示省略)に形成される溝の溝深さが所定の深さより浅くなることにより、トレッドが使用寿命に達した際に、トレッドゴム(図示省略)を貼り替えて空気入りタイヤとして再利用可能な状態にしたものになっている。更生タイヤ1は、子午断面図で見た場合、タイヤ径方向の最も外側となる部分に更生後のトレッドである更生トレッド2が配設されており、更生トレッド2の表面、すなわち、当該更生タイヤ1を装着する車両(図示省略)の走行時に路面と接触する部分は、トレッド踏面3として形成されている。
トレッド踏面3には、タイヤ周方向に延びる周方向主溝11が複数形成されており、周方向主溝11に交差するラグ溝12が複数形成されている。トレッド踏面3には、これらの複数の周方向主溝11やラグ溝12によって複数の陸部10が区画されている。なお、周方向主溝11の本数やタイヤ周方向におけるラグ溝12の間隔、ラグ溝12の長さや角度、各溝の溝幅や溝深さ等は、適宜設定されるのが好ましい。すなわち、トレッド踏面3に形成されるトレッドパターンは、適宜設定されるのが好ましい。
更生トレッド2は、更生前の空気入りタイヤからトレッドを取り除いた台タイヤ20の外周面、及び台タイヤ20のタイヤ幅方向の両側面における外周面近傍の位置に配置されている。詳しくは、空気入りタイヤからトレッドを除去する際には、トレッドが設けられている位置に対してバフがけ作業を行うことによって除去するため、このバフがけ作業が行われた部分が、台タイヤ20においてはバフ部40として形成される。更生トレッド2は、このように形成される台タイヤ20のバフ部40に貼り付けられることにより、バフ部40に配設される。
更生トレッド2のタイヤ幅方向における両端は、ショルダー部5として形成されており、ショルダー部5から、タイヤ径方向内側の所定の位置までは、サイドウォール部23が配設されている。サイドウォール部23は、台タイヤ20を有しており、タイヤ幅方向における更生タイヤ1の両側2箇所に配設されている。
さらに、それぞれのサイドウォール部23のタイヤ径方向内側には、ビード部35が位置している。ビード部35は、サイドウォール部23と同様に、タイヤ赤道面CLの両側2箇所に配設されている。すなわち、ビード部35は、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLの両側に一対が配設されている。一対のビード部35のそれぞれにはビードコア36が設けられている。それぞれのビードコア36のタイヤ径方向外側にはビードフィラー37が設けられている。ビードコア36は、スチールワイヤであるビードワイヤをリング状に巻くことにより形成されている。ビードフィラー37は、後述するカーカス25のタイヤ幅方向端部がビードコア36の位置でタイヤ幅方向外側に折り返されることにより形成された空間に配置されるゴム材である。
ビード部35は、15°テーパーの規定リムに装着することができるように構成されている。ここでいう規定リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、或いはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。すなわち、本実施形態にかかる更生タイヤ1は、ビード部35と嵌合する部分が回転軸に対して15°の傾斜角で傾斜する規定リムに装着することが可能になっている。
更生トレッド2のタイヤ径方向内側には、ベルト層30が設けられている。つまり、台タイヤ20における、外周面にバフ部40が形成されて更生トレッド2が配設される部分は、トレッド部21として構成され、ベルト層30は、このトレッド部21に設けられている。ベルト層30は、例えば、4層のベルト31,32,33,34を積層した多層構造をなし、スチール、またはポリエステルやレーヨンやナイロン等の有機繊維材から成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成される。また、ベルト31,32,33,34は、タイヤ周方向に対するベルトコードの傾斜角として定義されるベルトコード角度が互いに異なっており、タイヤ周方向に対するベルトコードの傾斜方向を相互に交差させて積層される、いわゆるクロスプライ構造として構成される。なお、図1において、バフ部40とベルト層30のうち最も近いベルトとの最短距離をG2とすると、G2≧2mmであることが好ましい。
このベルト層30のタイヤ径方向内側、及びサイドウォール部23のタイヤ赤道面CL側には、ラジアルプライのコードを内包するカーカス25が連続して設けられている。このカーカス25は、1枚のカーカスプライから成る単層構造、或いは複数のカーカスプライを積層して成る多層構造を有し、タイヤの骨格を構成する。詳しくは、カーカス25は、タイヤ幅方向における両側に位置する一対のビード部35のうち、一方のビード部35から他方のビード部35にかけて配置されている。カーカス25は、ビードコア36及びビードフィラー37を包み込むようにビード部35でビードコア36に沿ってタイヤ幅方向外側に巻き返されて配置されている。また、カーカス25のカーカスプライは、スチール、或いはアラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の有機繊維材から成る複数のカーカスコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成されている。
また、カーカス25の内側、或いは、当該カーカス25の、更生タイヤ1における内部側には、インナーライナ26がカーカス25に沿って形成されている。
図1に示すように、更生タイヤ1は、バットレス部22を有する。図1において、バットレス部22は、サイドウォール部23のうち、ショルダー部5からタイヤ最大幅の点d1までの部分である。
[更生トレッドの剥離、クラック]
一般に、更生タイヤは、車両の走行に伴うバットレス部の屈曲変形により、更生トレッドの端部から更生界面に沿ってクラックや内部に進行する剥離が発生しやすい。この剥離を防ぐために、台タイヤ20のバットレス部22をバフがけし、トレッド部21を覆うキャップゴム27の端部271をバフ部40に配置することも考えられる。
図2は、トレッド部21のキャップゴム27の端部271をバフ部40に配置する場合の例を示す子午断面図である。図2に示すように、更生タイヤ1aは、台タイヤ20のバットレス部22をバフがけすることにより、トレッド部21のキャップゴム27の先端部d3aがバフ部40に位置する構造になっている。図2に示す構造によると、新たに設けるキャップゴム27の接着性が向上する。しかしながら、バットレス部22の屈曲変形が繰り返されると、先端部d3aがバフ部40から剥離したり、先端部d3aにクラックが発生したりする可能性がある。
[バックル故障]
また、バットレス部22のバフ量が少ない場合に新たに設けるキャップゴム27の流れ込み過多によるバックル故障が発生する場合がある。バックル故障は、以下のように発生する。すなわち、加硫成型時に、バフ部40の部分に流れ込むゴムの量が過剰であると、加硫成型時に金型方向には突出できずに、更生タイヤのタイヤ幅方向内側にゴムが突出する。タイヤ幅方向内側のカーカス25側にゴムが突出した更生タイヤは、空気圧充填時に、タイヤ幅方向外側に突出した部分、すなわちバックル故障が発生する。
上記のような更生トレッドの剥離やバックル故障の発生を防止するため、本実施形態の更生タイヤ1では、ショルダー部5へのバフがけ作業により、バットレス部22に、タイヤ幅方向のタイヤ赤道面CL側に入り込んだ段部(ステップ)41を設ける。そして、更生トレッド2に新たに設けるキャップゴム27の端部271をその段部41内に収める。キャップゴム27の端部271を段部41内に収めることにより、段部41よりも径方向内側にゴムが流れないようにする(以下、ゴム止め効果と称する)。こうすることで、バットレス部22のキャップゴム27のバックル故障の発生を防止しつつ、上述したキャップゴム27の端部271からのクラックの発生を抑制する。
[台タイヤ]
台タイヤ20は、タイヤ最大幅の点d1とトレッド部21のバフ面の円弧端の点d2とで区切られるバットレス部22において、タイヤ断面高さH0に対し、図1中の高さH2から高さH4までの範囲がバフ処理されている。高さH2は、タイヤ最大幅の位置である点d1を通りタイヤ回転軸に平行な線Sからバットレス部22のバフ処理された表面(以下、バフ面と呼ぶ)のタイヤ径方向外側の点d2までの高さである。高さH4は、線Sから点d4までのタイヤ径方向の高さである。
台タイヤ20は、バットレス部22のタイヤ幅方向内側に、更生トレッド2の端部すなわちキャップゴム27の端部271を配置するための段部41を備えている。台タイヤ20に段部41を設けることにより、キャップゴム27の端部271からキャップゴム27と台タイヤ20との界面に沿って進行するクラックの成長による更生界面剥離故障を抑制できる。
[段部]
図1に示すように、更生タイヤ1は、台タイヤ20のバットレス部22にタイヤ幅方向で内側に入り込んだ段部41を有する。つまり、バフ処理によって段部41を形成した台タイヤ20を用いることによって、更生タイヤ1が作製される。段部41は、タイヤ子午断面において、タイヤ幅方向外側が、段部41の出口の点d3である。また、段部41は、図1において、タイヤ幅方向内側が、段部41の奥側の点d4である。
図1において、タイヤ最大幅の位置である点d1を通りタイヤ回転軸に平行な線Sを基準とし、線Sから点d3までのタイヤ径方向の高さをH3、線Sから点d4までのタイヤ径方向の高さをH4とすると、H3>H4である。また、図3は、段部41の例を示す断面図である。図3に示す更生タイヤ1bの段部41は、高さH3と高さH4との関係がH3=H4である。
図4は、図3中の破線円100部分の拡大図である。図4に示すように、点d3から点d4へ向かう線として示される段部41については、高さH3と高さH4との関係がH3=H4である。
ここで、段部41の奥側の点d4から出口の点d3までの少なくとも一部は、タイヤ最大幅の位置である点d1を通りタイヤ回転軸に平行な線Sからのタイヤ径方向の高さが、タイヤ最大幅の位置である点d1を通りタイヤ回転軸に平行な線Sから段部41の出口の点d3までの高さH3以下であることが好ましい。つまり、段部41については、H3≧H4であることが好ましい。ただし、H3<H4であっても、段部41の奥側の点d4から出口の点d3までの間にタイヤ径方向に凹んだ部分があり、線Sからその凹んだ部分までの高さが高さH3よりも小さくなっていれば、ゴム止め効果が生じる。
ところで、H3<H4すなわち点d4が点d3よりもタイヤ径方向外側に位置する場合、段部41の角度aがマイナスの値となり、段部41のゴム止め効果が少なくなり、流れたゴムによるクラックの発生を招く。このため、段部41は、H3≧H4を満たす必要がある。この条件を満たす段部41であれば、キャップゴム27の端部271を段部41の部分に配置することができる。
このような構造の更生タイヤ1、1bは、更生加工を目的とした一次寿命終了後のタイヤである台タイヤ20と、台タイヤ20のトレッド部21を覆うキャップゴム27とを備えており、台タイヤ20は、バフ処理されたバットレス部22に設けられた段部41を有し、キャップゴム27の端部271は段部41に配置される。台タイヤ20のバットレス部22に段部41を設けておき、キャップゴム27の端部271を段部41の部分に配置することで、クラックや剥離の発生とバックル故障の発生とを抑制できる。
また、線Sから段部41の奥側の点d4までの高さH4は、線Sからバットレス部22のバフ面のタイヤ径方向外側の点d2までの高さH2に対し、H2×0.25≦H4≦H2×0.75の範囲内であることが好ましい。高さH4が高さH2に対して、H4>H2×0.75であると、トレッド部21のラグ溝12の出口と段部41の位置とが近くなり、溝底のクラックの発生を招く恐れがあるので好ましくない。
タイヤ子午断面において、段部41の出口の点d3の位置は、タイヤ最大幅の位置である点d1よりもタイヤ径方向外側であることが好ましい。点d3が点d1よりタイヤ径方向内側に位置する場合、バフ範囲が広くなり、ブランド名や法規で定められた文字を削る恐れがある。また、点d3が点d1よりタイヤ径方向内側に位置する場合、サイドトレッドゲージが薄いため、カーカス25との距離G5(図1参照)が不足するという問題がある。点d3が点d1よりタイヤ径方向外側に位置する場合、これらの問題が生じないため、ブランド名や法規で定められた文字が削れてしまうことを防止しつつ、剥離やバックル故障を防止できる更生タイヤを実現できる。
[段部の変形例]
また、図5は、段部41の変形例を示す断面図である。図5において、段部41の奥側の点d4と段部41の出口の点d3とを結ぶ線と、タイヤ回転軸との角度aが、0度≦a≦60度であることが好ましい。ゴム止め効果を確保するためには角度aについては大きいほど好ましいが、角度aが60度を超えると加硫成形時に段部41の鋭角部分にゴムが流れにくくなる。なお、角度aが0度である場合、高さH3と高さH4とが等しくなる。
図6は、段部41の他の変形例を示す断面図である。図6は、段部41の奥側の底部が曲面になっている場合を示す。図6は、更生タイヤ1の子午断面であるため、段部41の奥側の曲面は、図6ではバフ部40のバフ面に沿った線と点d3から点d4へ向かう線とを接続する曲線41Rとして表れる。この曲線41Rの半径R1は2mm以上であることが好ましい。半径R1が2mm未満であると、段部41に空洞が生じやすくなる。
図6において、バフ部40のバフ面の延長線と、点d3から角度aでタイヤ奥側に向かう線の延長線との交点が点d4となる。図6に示す例では、点d3から、バフ部40のバフ面の延長線と曲線41Rとの接続点d41までが段部41である。
図7は、段部41の他の変形例を示す断面図である。図7は、段部41の奥側の底部が曲面になっている場合を示す。図7は、更生タイヤ1の子午断面を示すため、段部41の奥側の曲面は、図7ではバフ部40のバフ面に沿った線と点d3から点d4へ向かう線とを接続する曲線41Rとなる。この曲線41Rの半径R1は、図6の場合よりも大きな値である。図7においても、バフ部40のバフ面の延長線と、点d3から角度aでタイヤ奥側に向かう線の延長線との交点が点d4となる。図7に示す例においても、点d3から、バフ部40のバフ面の延長線と曲線41Rとの接続点d41までが段部41である。
ところで、図4から図7において、バットレス部22のバフ面の延長線と、点d3から角度aでタイヤ奥側に向かう線の延長線との交点である点d4から、段部41の出口の点d3までの距離を段部41の幅G4と定義した場合に、2.5mm≦G4であり、かつ、点d4から、点d4に隣接するカーカス25との距離G5が3mm以上であることが好ましい。幅G4が2.5mm未満であったり、点d4とカーカス25との距離G5が3mm未満であったりすると、更生タイヤのタイヤ幅方向内側のカーカス25側にゴムが突出し、空気圧充填時にタイヤ幅方向外側に突出するバックル故障が発生する。このため、バックル故障を防止する効果を得るには、幅G4が2.5mm以上であることが好ましく、かつ、点d4とカーカス25との距離G5が3mm以上であることが好ましい。
なお、図1において、段部41とサイドウォール部23との境目となる点d3においては、面取りを設けてはならない。点d3に面取りを設けると、その部分からキャップゴム27の端部271が剥離する可能性が高まるからである。面取りを設けないため、点d3は子午断面図である図1のように、一つの点として示される。
[実施例]
表1は、この発明の実施の形態にかかる更生タイヤの性能試験の結果を示す表である。評価方法および評価結果について説明する。この性能試験では、複数種類の試験タイヤについて、バットレス部22のバックルの発生有無およびキャップゴム27の端部271のクラックの発生有無を確認した。サイズが11R22.5 16PRの更生タイヤを複数種類作製した。作製した更生タイヤについて、外観を目視することによってバットレス部22のバックルの発生有無を確認した。その後、ドラム耐久試験(JIS D4230規定の耐久試験条件)を実施し、走行後のキャップゴム27の端部271のクラックの発生有無を確認した。
表1に示すように、従来例は、高さH3が高さH4に等しく、幅G4が2.5mm、点d4とカーカス25との距離G5が3mm、半径R1が2mm、段部がないため高さH4がなく、角度aが−30度、点d3の位置が点d1より外側、である更生タイヤである。表1に示すように、実施例1から実施例8、比較例1から比較例17、および、従来例は、高さH3と高さH4との関係、段部41の出口から奥側へ向かう線とバフ面に沿った延長線との交点から、段部41の出口までの幅G4、点d4とカーカス25との距離G5、半径R1、高さH4と高さH2との関係、角度a、点d3の位置について、変化させたものである。
表1に示す実施例1から実施例8、比較例1から比較例17からわかるように、高さH3が高さH4以上で、幅G4が2.5mm以上、距離G5が3mm以上、半径R1が2mm以上、高さH2と高さH4との関係がH2×0.25≦H4≦H2×0.75、角度aが0度≦a≦60度、点d3の位置が点d1より外側、である場合に、良好な結果が得られた。なお、比較例16および比較例17については、角度aが60度より大きいため、段部41の奥側の底部にエアが残ることがあるため、好ましくない。
Figure 2018114781
1,1a,1b 更生タイヤ
2 更生トレッド
3 トレッド踏面
5 ショルダー部
10 陸部
11 周方向主溝
12 ラグ溝
20 台タイヤ
21 トレッド部
22 バットレス部
23 サイドウォール部
25 カーカス
26 インナーライナ
27 キャップゴム
30 ベルト層
31,32,33,34 ベルト
35 ビード部
36 ビードコア
37 ビードフィラー
40 バフ部
41 段部
271 端部

Claims (6)

  1. 更生加工を目的とした一次寿命終了後のタイヤである台タイヤと、前記台タイヤのトレッド部を覆うキャップゴムとを備え、
    前記台タイヤは、バフ処理されたバットレス部に設けられた段部を有し、前記キャップゴムの端部は前記段部に配置され、
    前記段部は、タイヤ子午断面において、タイヤ幅方向外側が該段部の出口であり、かつ、タイヤ幅方向内側が該段部の奥側であり、
    前記段部の前記奥側から前記出口までの少なくとも一部は、タイヤ最大幅の位置を通りタイヤ回転軸に平行な線からのタイヤ径方向の高さが、前記平行な線から前記段部の出口までの高さ以下である更生タイヤ。
  2. 一対のビードコアと、前記一対のビードコアのタイヤ径方向外側にそれぞれ配置される一対のビードフィラーと、前記ビードコアおよび前記ビードフィラーを包み込み巻き返されて配置されるカーカスとを備え、
    タイヤ子午断面において、前記段部の前記出口から前記奥側へ向かう線と前記バットレス部のバフ処理された表面に沿った延長線との交点から、前記段部の前記出口までの距離が2.5mm以上であり、前記交点と前記カーカスとの距離が3mm以上である請求項1に記載の更生タイヤ。
  3. 前記段部は、タイヤ子午断面において、前記バットレス部のバフ処理された表面に沿った延長線と前記段部の前記出口から前記奥側へ向かう線とが曲線で接続され、前記曲線の半径は2mm以上である請求項2に記載の更生タイヤ。
  4. タイヤ子午断面において、前記平行な線から前記交点までの高さH4は、前記平行な線からバットレス部のバフ面のタイヤ径方向外側の点d2までの高さH2に対し、H2×0.25≦H4≦H2×0.75である請求項2または3に記載の更生タイヤ。
  5. 前記段部の奥側と前記段部の出口とを結ぶ線と、前記タイヤ回転軸との角度aが、0度≦a≦60度である請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の更生タイヤ。
  6. タイヤ子午断面において、前記段部の出口の位置は、前記タイヤ最大幅の位置よりもタイヤ径方向外側である請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の更生タイヤ。
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