JP2015110683A - 導電インク、導体付き基材及び導体付き基材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】親液撥液パターン上に印刷し配線幅が50μm以下の配線を形成する場合にも、撥液部にインクの残渣がない導電インクの提供。撥液部にインクの残渣がなく、信頼性の高い配線の形成に好適な導体付き基材の製造方法の提供。【解決手段】非水溶性の有機溶媒である主溶媒と、前記主溶媒の沸点を超える沸点を持ち、かつ20℃での表面張力が35〜73dyn/cmである添加溶媒と、を含む分散溶媒と、前記分散溶媒中に分散された水素化銅微粒子と、を含む導電インク4。【選択図】図1
Description
本発明は導電インク、導体付き基材及び導体付き基材の製造方法に関する。
電子回路又は集積回路等に使用される所定パターンからなる配線等を形成する方法として、銀、銅等の金属微粒子が溶媒中に分散された分散液からなる導電インクを、基材上にインクジェット印刷等の方法により印刷し、加熱して導体を形成する方法が知られている。このインクジェット法には、パターン用の液体材料(機能液)を基板に直接パターン配置し、その後熱処理やレーザ照射を行って所望のパターンを形成する方法や、親液性領域と撥液性領域とのパターン(以下、親液撥液パターンともいう。)を付与した基板上に機能液を塗布して所望のパターンを形成する方法等がある。これらの方法によれば、プロセスが大幅に簡略化されるとともに、パターン位置に原材料を直接配置できるというメリットがある。
近年、デバイスを構成する回路の高密度化が進み、配線についてもさらなる微細化、細線化が要求されている。しかしながら、上述した導電インクを用いたパターン形成方法では、液滴が基板上で広がるため、微細なパターンを安定的に形成するのが困難であった。特に、パターンが導体であるため、上述した液滴の広がりによって、液だまり(バルジ)や残渣が生じ、それが断線や短絡等の不具合の発生原因となるおそれがあった。
このような問題に対して、例えば、特許文献1には、液滴を1滴塗布する毎に硬化させることにより平坦なパターンを形成する方法が開示されている。特許文献2には、インクジェット法による液滴印刷において、パターンの形成される基板を、フッ素を含んだ低沸点液体で表面処理し、その表面エネルギーを一時的に低くすることでインク液滴の広がりを抑制する方法が開示されている。特許文献3には、基板等の表面に撥液性を付与するコーティング液に含まれる撥液性を発現する成分の濃度を制御することによって親液撥液パターンを形成する方法が開示されている。しかしながら、これらの方法を用いて配線を形成する場合には、図2に示すように、親液部3と撥液部2を有する親液撥液パターン上にインク4を塗布し、導体を形成した場合であっても、導電インクの表面張力が充分でないために撥液部2にインクの残渣5が生じるという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、親液撥液パターン上に印刷し配線幅が50μm以下の配線を形成する場合にも、撥液部にインクの残渣がなく、体積抵抗率の小さい導体を形成できる導電インクの提供を目的とする。
また、本発明は、撥液部にインクの残渣がなく、信頼性の高い配線の形成に好適な導体付き基材の製造方法の提供を目的とする。
また、本発明は、撥液部にインクの残渣がなく、信頼性の高い配線の形成に好適な導体付き基材の製造方法の提供を目的とする。
本発明の導電インクは、非水溶性の有機溶媒である主溶媒と、前記主溶媒の沸点を超える沸点を持ち、かつ20℃での表面張力が35〜73dyn/cmである添加溶媒と、を含む分散溶媒と、前記分散溶媒中に分散された水素化銅微粒子と、を含むことを特徴とする。
本発明の導体付き基材は,基材上に形成された親液性領域と撥液性領域とのパターンを有する高分子膜の表面に、本発明の導電インクを用いて形成された導体を有する。
本発明の導体付き基材は,基材上に形成された親液性領域と撥液性領域とのパターンを有する高分子膜の表面に、本発明の導電インクを用いて形成された導体を有する。
本発明の導体付き基材の製造方法は、基材を準備する工程と、前記基材上に、親液性領域と撥液性領域とのパターンを有する高分子膜を形成する工程と、前記高分子膜表面に本発明の導電インクの塗布層を形成する工程と、前記塗布層を加熱して、銅を主体とする導体を形成する工程とを有する。
本発明の導電インクは、親液撥液パターンを有する高分子膜上に印刷し配線幅が50μm以下の配線を形成する場合に、撥液部にインクの残渣がなく、精密に導体を形成できる。本発明の導体付き基材の製造方法は、撥液部にインクの残渣がなく、体積抵抗率の小さい導体付き基材を製造できる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明は、以下に記載する実施形態に限定されるものではない。
本発明の導電インクは、非水溶性の有機溶媒である主溶媒と、この主溶媒の沸点を超える沸点を持ち、かつ20℃での表面張力が35〜73dyn/cmである添加溶媒と、を含む分散溶媒と、この分散溶媒中に分散された水素化銅微粒子とを含有する。したがって、図1に模式的に示すように、本発明の導電インク4は、基材1上の、撥液部2と親液部3を有する親液撥液パターン上に印刷する場合に、インク4が親液部3上に留まり、撥液部2にインクの残渣を生じずに導体を形成できる。
本発明の導電インクは、水素化銅微粒子を分散させる溶媒が、沸点の比較的低い主溶媒と主溶媒より沸点の高い添加溶媒を含む。そのため、導電インクの塗布層を加熱する過程で沸点の高い添加溶媒が濃縮され、導電インクに充分な表面張力を付与する。この表面張力によりインクが濡れ広がることなく親液撥液パターンを有する高分子膜表面の親液性領域に留まり、撥液性領域に残渣を残さずに導体を形成できる。
なお、本明細書において、「親液性領域」を「親液部」、「撥液性領域」を「撥液部」ということもある。
以下、実施形態の導電インクに含有される各成分について説明する。
なお、本明細書において、「親液性領域」を「親液部」、「撥液性領域」を「撥液部」ということもある。
以下、実施形態の導電インクに含有される各成分について説明する。
<水素化銅微粒子>
水素化銅微粒子は、実施形態の導電インクの導電成分となるものである。
水素化銅微粒子としては、後述する方法により製造される水素化銅微粒子分散液中の水素化銅微粒子を用いることが好ましいが、それに限定されない。なお、後述する方法で製造される水素化銅微粒子分散液には、水素化銅微粒子だけでなく、保護剤である沸点が250℃以下のアルキルアミンが含有されているので、この水素化銅微粒子分散液をそのまま使用して、本発明の導電インクを得ることができる。水素化銅微粒子分散液を用いて本発明の導電インクを調製する方法については、後述する。
水素化銅微粒子は、実施形態の導電インクの導電成分となるものである。
水素化銅微粒子としては、後述する方法により製造される水素化銅微粒子分散液中の水素化銅微粒子を用いることが好ましいが、それに限定されない。なお、後述する方法で製造される水素化銅微粒子分散液には、水素化銅微粒子だけでなく、保護剤である沸点が250℃以下のアルキルアミンが含有されているので、この水素化銅微粒子分散液をそのまま使用して、本発明の導電インクを得ることができる。水素化銅微粒子分散液を用いて本発明の導電インクを調製する方法については、後述する。
水素化銅微粒子(一次粒子)の平均一次粒子径は、5〜100nmが好ましく、5〜70nmがより好ましく、5〜35nmが特に好ましい。水素化銅微粒子の平均一次粒子径が100nm以下であれば、微粒子の特徴である低温での焼結性が良好となり、得られる導体の体積抵抗率を低くすることが可能になる。また、水素化銅微粒子の平均一次粒子径が5nm以上であれば、水素化銅微粒子を安定に分散させることができる。
なお、水素化銅微粒子の平均一次粒子径は、無作為に抽出した100個の微粒子の粒子径を、透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して測定し、それらの値を平均して求めた値である。
なお、水素化銅微粒子の平均一次粒子径は、無作為に抽出した100個の微粒子の粒子径を、透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して測定し、それらの値を平均して求めた値である。
導電インクにおける、固形分としての水素化銅微粒子の含有割合(濃度)は、10〜50質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。導電インクにおいて、固形分としての水素化銅微粒子の含有割合(濃度)が10質量%以上であれば、充分な厚みを有する導体を形成しやすい。水素化銅微粒子の含有割合が50質量%以下であれば、粘度、表面張力等のインク特性の制御が容易であり、導体の形成が容易になる。
<水素化銅微粒子分散液の製造方法>
本発明の導電インクに含まれる、水素化銅微粒子を含有する分散液は、以下に説明する溶媒(A)中でアルキルアミン(B)の存在下、ヒドリド系還元剤により銅(II)塩を還元する方法により得ることが好ましい。以下、この製造方法について説明する。
本発明の導電インクに含まれる、水素化銅微粒子を含有する分散液は、以下に説明する溶媒(A)中でアルキルアミン(B)の存在下、ヒドリド系還元剤により銅(II)塩を還元する方法により得ることが好ましい。以下、この製造方法について説明する。
銅(II)塩としては、アルキルアミン(B)と銅(II)アミン錯体を形成可能な塩が使用できる。銅(II)塩は、無水物でも水和物でもよい。
銅(II)塩は、CuX2又はCuYで表される。ここで、Xは1価の塩基、Yは2価の塩基である。この銅(II)塩がヒドリド系還元剤によって還元されて水素化銅微粒子が生成する際、銅(II)塩に含まれるXはHXとして、YはH2Yとして、遊離すると考えられる。本発明においては、この遊離するHX又はH2Y(以下、遊離酸ともいう。)の沸点又は分解点が150℃以下となる塩を用いることが好ましい。これは、銅(II)塩の還元により生じる遊離酸が導体形成の際の加熱時に揮発しやすく、体積抵抗率の低い導体を形成しやすいからである。
銅(II)塩は、CuX2又はCuYで表される。ここで、Xは1価の塩基、Yは2価の塩基である。この銅(II)塩がヒドリド系還元剤によって還元されて水素化銅微粒子が生成する際、銅(II)塩に含まれるXはHXとして、YはH2Yとして、遊離すると考えられる。本発明においては、この遊離するHX又はH2Y(以下、遊離酸ともいう。)の沸点又は分解点が150℃以下となる塩を用いることが好ましい。これは、銅(II)塩の還元により生じる遊離酸が導体形成の際の加熱時に揮発しやすく、体積抵抗率の低い導体を形成しやすいからである。
銅(II)塩としては、例えば、シュウ酸銅(II)(遊離するシュウ酸の分解点:189.5℃)、塩化銅(II)(遊離する塩酸の沸点110℃)、酢酸銅(II)(遊離する酢酸の沸点:118℃)、ギ酸銅(II)(遊離するギ酸の沸点:100.75℃)、硝酸銅(II)(遊離する硝酸の沸点:82.6℃)、硫酸銅(II)(遊離する硫酸の沸点:290℃)、酒石酸銅(II)(遊離する酒石酸の沸点、分解点:不明)、クエン酸銅(II)(遊離するクエン酸の分解点:175℃)、炭酸銅(II)、オレイン酸銅(II)(遊離するオレイン酸の沸点:193℃/100Pa、分解点:400℃以上)が挙げられる。なかでも、酢酸銅(II)、ギ酸銅(II)、硝酸銅(II)、炭酸銅(II)が好ましい。
銅(II)塩は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
銅(II)塩は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ヒドリド系還元剤としては、例えば、NaBH4、LiBH4、Zn(BH4)2、(CH3)4NBH(OCOCH3)3、NaBH3CN、LiAlH4、(i−Bu)2AlH(DIBAL)、LiAlH(t−BuO)3、NaAlH2(OCH2CH2OCH3)2(Red−Al)等が挙げられる。なかでも、水素化銅微粒子の粒子径の制御に重要である還元速度が調節しやすい点から、NaBH4、LiBH4、及びNaBH3CNからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
ヒドリド系還元剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ヒドリド系還元剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
溶媒(A)は、SP値が8〜12の溶媒である。SP値が8〜12であれば、溶媒(A)と水との相溶性が低く、反応系中に水が混入することを抑制できる。これにより、溶媒(A)中に溶解したヒドリド系還元剤が水と反応して不活性化することを抑制できる。
溶媒(A)のSP値は、8.5〜9.5がより好ましい。
溶媒(A)のSP値は、8.5〜9.5がより好ましい。
溶媒(A)としては、例えば、シクロヘキサン(SP値8.2)、酢酸イソブチル(SP値8.3)、酢酸イソプロピル(SP値8.4)、酢酸ブチル(SP値8.5)、四塩化炭素(SP値8.6)、エチルベンゼン(SP値8.8)、キシレン(SP値8.8)、トルエン(SP値8.9)、酢酸エチル(SP値9.1)、テトラヒドロフラン(SP値9.1)、ベンゼン(SP値9.2)、クロロホルム(SP値9.3)、塩化メチレン(SP値9.7)、二硫化炭素(SP値10.0)、酢酸(SP値10.1)、ピリジン(SP値10.7)、ジメチルホルムアミド(SP値12.0)等が挙げられる。
また、溶媒(A)としては、還元反応に使用するヒドリド系還元剤に対して不活性な溶媒を使用する。すなわち、溶媒(A)としては、還元反応に使用するヒドリド系還元剤によって還元されない溶媒、又は活性水素を持たない溶媒が、ヒドリド系還元剤が不活性化することを抑制できるので好ましい。
溶媒(A)としては、還元反応の制御が容易な点、及び生成する水素化銅微粒子の分散性の点から、トルエン、キシレン、ベンゼン等の炭化水素類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル等のエステル類が好ましく、トルエン、キシレンが特に好ましい。
溶媒(A)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
溶媒(A)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、ヒドリド系還元剤は種類によって還元力に差がある。例えば、NaBH4はエステル類を還元しないが、LiAlH4はエステル類を還元する。よって、使用するヒドリド系還元剤の種類により、前記溶媒(A)から適切な溶媒を選択して使用する。
アルキルアミン(B)は、炭素数7以上のアルキル基を有し、かつ沸点が250℃以下のアルキルアミンである。
アルキルアミン(B)におけるアルキル基の炭素数が7以上であれば、生成する水素化銅微粒子の分散性が良好となる。なお、本発明では反応場が有機相であるため、水からの保護を目的として、炭素数の大きいアルキルアミンを使用する必要がない。アルキルアミン(B)におけるアルキル基の炭素数は、沸点が高くなりすぎることを抑制する点から、11以下が好ましい。
アルキルアミン(B)におけるアルキル基の炭素数が7以上であれば、生成する水素化銅微粒子の分散性が良好となる。なお、本発明では反応場が有機相であるため、水からの保護を目的として、炭素数の大きいアルキルアミンを使用する必要がない。アルキルアミン(B)におけるアルキル基の炭素数は、沸点が高くなりすぎることを抑制する点から、11以下が好ましい。
アルキルアミン(B)の沸点が250℃以下であれば、導電インクを用いて導体を形成する際に、アルキルアミン(B)が微粒子表面から脱離し、揮発して体積抵抗率の低い導体を形成できる。アルキルアミン(B)の沸点は、加熱時の脱離性及び揮発性の点から、250℃以下が好ましく、200℃以下がより好ましい。また、アルキルアミン(B)の沸点は、アルキル基の炭素数を7以上とする点から、通常は150℃以上が好ましい。
アルキルアミン(B)のアルキル基は、得られる水素化銅微粒子の分散安定性の点から、直鎖アルキル基が好ましい。ただし、アルキルアミン(B)のアルキル基は、分岐アルキル基であってもよい。
アルキルアミン(B)としては、n−ヘプチルアミン(アルキル基の炭素数7、沸点157℃)、n−オクチルアミン(アルキル基の炭素数8、沸点176℃)、n−ノニルアミン(アルキル基の炭素数9、沸点201℃)、1−アミノデカン(アルキル基の炭素数10、沸点220℃)、1−アミノウンデカン(アルキル基の炭素数11、沸点242℃)が好ましく、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミンがより好ましい。
アルキルアミン(B)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
アルキルアミン(B)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
このような水素化銅微粒子分散液の製造方法では、アルキルアミン(B)の存在下において、ヒドリド系還元剤で銅(II)塩を還元することで水素化銅微粒子を生成させる。アルキルアミン(B)の存在下では、アルキルアミン(B)が銅(II)に配位して銅(II)アミン錯体が形成された後、該銅(II)アミン錯体がヒドリド系還元剤によって還元される。これにより、銅(II)塩の急激な還元による水素化銅の塊の形成を抑制でき、水素化銅の微粒子の表面にアルキルアミン(B)が配位した水素化銅微粒子が生成する。
また、この製造方法では、ヒドリド系還元剤の溶媒(A)に対する溶解性がさほど高くないため、ヒドリド系還元剤の大半が固形状で溶媒(A)中に存在し、一部が溶媒(A)中に溶解している。この溶媒(A)中に溶解しているヒドリド系還元剤が銅(II)塩を還元して消費されると、固形状で存在するヒドリド系還元剤が溶媒(A)に徐々に溶解する。そして、溶媒(A)に徐々に溶解したヒドリド系還元剤が順次還元反応に寄与するので、還元反応が急激に進行せず、水素化銅微粒子が安定して生成する。
生成する水素化銅微粒子は、表面にアルキルアミン(B)が配位していることで、溶媒(A)中に分散できる。
生成する水素化銅微粒子は、表面にアルキルアミン(B)が配位していることで、溶媒(A)中に分散できる。
銅(II)塩、ヒドリド系還元剤、アルキルアミン(B)を溶媒(A)に添加する順序は、アルキルアミン(B)、銅(II)塩、ヒドリド系還元剤の順が好ましい。これにより、前記銅(II)アミン錯体が形成された後に、該銅(II)アミン錯体のヒドリド系還元剤による還元が進行しやすくなり、水素化銅微粒子がより安定して得られる。
ただし、銅(II)塩、ヒドリド系還元剤、アルキルアミン(B)を溶媒(A)に添加する順序は、ヒドリド系還元剤による還元反応がアルキルアミン(B)の存在下で進行する順序であれば前記順序には限定されない。例えば、溶媒(A)に、アルキルアミン(B)、ヒドリド系還元剤、銅(II)塩の順に添加してもよい。この場合、ヒドリド系還元剤は溶媒(A)中に固形状で存在しており、溶媒(A)中で前記銅(II)アミン錯体が形成された後、固形状で存在する該銅(II)アミン錯体がヒドリド系還元剤と反応する。さらに、ヒドリド系還元剤、アルキルアミン(B)、銅(II)塩の順に添加しても、差し支えない。
ただし、銅(II)塩、ヒドリド系還元剤、アルキルアミン(B)を溶媒(A)に添加する順序は、ヒドリド系還元剤による還元反応がアルキルアミン(B)の存在下で進行する順序であれば前記順序には限定されない。例えば、溶媒(A)に、アルキルアミン(B)、ヒドリド系還元剤、銅(II)塩の順に添加してもよい。この場合、ヒドリド系還元剤は溶媒(A)中に固形状で存在しており、溶媒(A)中で前記銅(II)アミン錯体が形成された後、固形状で存在する該銅(II)アミン錯体がヒドリド系還元剤と反応する。さらに、ヒドリド系還元剤、アルキルアミン(B)、銅(II)塩の順に添加しても、差し支えない。
ヒドリド系還元剤による還元反応は、溶媒(A)を撹拌しながら行ってもよい。これにより、還元反応が進行しやすくなる。
反応温度は、0〜80℃が好ましく、15〜50℃がより好ましい。反応温度が0℃以上であれば、還元反応が進行しやすい。反応温度が80℃以下であれば、得られる水素化銅微粒子分散液中の水素化銅微粒子の分散性が良好であり、その結果、体積抵抗率の小さい導体を形成しやすくなる。
反応温度は、0〜80℃が好ましく、15〜50℃がより好ましい。反応温度が0℃以上であれば、還元反応が進行しやすい。反応温度が80℃以下であれば、得られる水素化銅微粒子分散液中の水素化銅微粒子の分散性が良好であり、その結果、体積抵抗率の小さい導体を形成しやすくなる。
銅(II)塩の添加量は、水素化銅微粒子の生産性の点から、溶媒(A)の1gに対して、0.1×10−3モル以上が好ましく、0.15×10−3モル以上がより好ましく、0.25×10−3モル以上が特に好ましい。また、銅(II)塩の添加量は、還元反応の制御が容易な点から、溶媒(A)の1gに対して、0.65×10−3モル以下が好ましく、0.6×10−3モル以下がより好ましく、0.5×10−3モル以下が特に好ましい。
アルキルアミン(B)の添加量は、得られる水素化銅微粒子分散液中の水素化銅微粒子の分散性が良好になる点から、溶媒(A)の1gに対して、0.2×10−3モル以上が好ましく、0.25×10−3モル以上がより好ましく、0.3×10−3モル以上が特に好ましい。また、アルキルアミン(B)の添加量が過剰であると、銅(II)塩に配位しきれなかったアルキルアミン(B)が導体形成時に残留し、導体の体積抵抗率を上昇させるおそれがある。よって、アルキルアミン(B)の量の上限は、溶媒(A)の1gに対して、0.75×10−3モル以下が好ましく、0.7×10−3モル以下がより好ましく、0.6×10−3モル以下が特に好ましい。
ヒドリド系還元剤の添加量は、水素化銅微粒子の収率の点から、溶媒(A)の1gに対して、0.25×10−3モル以上が好ましく、0.3×10−3モル以上がより好ましく、0.35×10−3モル以上が特に好ましい。また、ヒドリド系還元剤の添加量は、還元反応の制御が容易な点から、溶媒(A)の1gに対して、0.65×10−3モル以下が好ましく、0.55×10−3モル以下がより好ましく、0.5×10−3モル以下が特に好ましい。
溶媒(A)中に添加する銅(II)塩とアルキルアミン(B)のモル比(以下、Cu/アルキルアミンと示す。)は、生成する水素化銅微粒子の分散安定性が良好となる点から、1.8以下が好ましく、1.4以下がより好ましく、1.2以下が特に好ましい。また、前記モル比(Cu/アルキルアミン)は、導体形成時の加熱による、アルキルアミン(B)の微粒子表面からの脱離及び揮発が容易な点から、0.64以上が好ましく、0.85以上がより好ましい。
溶媒(A)に添加する銅(II)塩とヒドリド系還元剤(R)のモル比(以下、Cu/ヒドリド系還元剤と示す。)は、還元反応が進行しやすい点から、1.42以下が好ましく、1.3以下がより好ましく、1.2以下が特に好ましい。また、前記モル比(Cu/ヒドリド系還元剤)は、還元反応の制御が容易な点から、0.7以上が好ましく、0.8以上がより好ましく、0.9以上が特に好ましい。
こうして平均一次粒子径が5〜100nm、より好ましくは5〜70nm、特に好ましくは5〜35nmの水素化銅微粒子(一次粒子)が、溶媒(A)に分散された水素化銅微粒子分散液が得られる。水素化銅微粒子の平均一次粒子径は、アルキルアミン(B)の添加量、及びヒドリド系還元剤の添加量により調節できる。アルキルアミン(B)の添加量を多くすることで、水素化銅微粒子の平均一次粒子径が小さくなる傾向がある。また、ヒドリド系還元剤の添加量を少なくすることで、水素化銅微粒子の平均一次粒子径が小さくなる傾向がある。
得られる水素化銅微粒子分散液における固形分としての水素化銅微粒子の濃度は、分散液全体を100質量%として、1〜6質量%が好ましく、2.5〜4.5質量%がより好ましい。水素化銅微粒子分散液の前記水素化銅微粒子固形分濃度が1質量%未満であると、濃縮工程に時間がかかり、生産性が低下するおそれがある。水素化銅微粒子分散液の水素化銅微粒子固形分濃度が6質量%を超えると、分散液中の水素化銅微粒子の分散安定性が低下するおそれがある。
<分散溶媒>
実施形態の導電インクの分散溶媒は主溶媒(S)と添加溶媒(s)とを含む。分散溶媒としては、前記製造方法により得られた水素化銅微粒子分散液の溶媒(SP値が8〜12の溶媒である溶媒(A)。)を使用してもよく、それ以外の他の溶媒(すなわち、SP値が8未満または12超の溶媒。以下、溶媒(C)と記す。)を使用してもよい。つまり、本発明の導電インクは、前記製造方法で製造された水素化銅微粒子分散液の固形分濃度や粘度を調整して得ることができる。
実施形態の導電インクの分散溶媒は主溶媒(S)と添加溶媒(s)とを含む。分散溶媒としては、前記製造方法により得られた水素化銅微粒子分散液の溶媒(SP値が8〜12の溶媒である溶媒(A)。)を使用してもよく、それ以外の他の溶媒(すなわち、SP値が8未満または12超の溶媒。以下、溶媒(C)と記す。)を使用してもよい。つまり、本発明の導電インクは、前記製造方法で製造された水素化銅微粒子分散液の固形分濃度や粘度を調整して得ることができる。
また、前記製造方法で得られた水素化銅微粒子分散液の溶媒を置換し、すなわち、例えば溶媒(A)を溶媒(C)に置換し、さらに固形分濃度や粘度を調整することで、本発明の導電インクを得ることができる。この場合溶媒(A)は主溶媒(S)を含んでいてもよく、添加溶媒(s)を含んでいてもよい。同様に溶媒(C)が主溶媒(S)を含んでいてもよく、添加溶媒(s)を含んでいてもよい。いずれの場合も、本発明の導電インクには、水素化銅微粒子を溶媒中に分散させる働きをする分散剤、又は保護剤としての働きもする前記アルキルアミン(B)がそのまま含有される。
水素化銅微粒子分散液の溶媒(A)を溶媒(C)に置換する方法としては、公知の溶媒置換方法を採用でき、例えば、溶媒(A)を減圧濃縮しつつ、溶媒(C)を添加する方法が挙げられる。
(主溶媒)
本発明の実施形態の導電インクの主溶媒(S)としては、非水溶性の有機溶媒を使用する。なお、本明細書において、「非水溶性」とは、室温(20℃)における水100gへの溶解量が0.5g以下であることを意味する。主溶媒(S)は、前記アルキルアミン(B)との親和性の点から、極性の小さい有機溶媒が好ましい。また、主溶媒(S)は、導体を形成する際の加熱によって熱分解を起こさないものが好ましい。
本発明の実施形態の導電インクの主溶媒(S)としては、非水溶性の有機溶媒を使用する。なお、本明細書において、「非水溶性」とは、室温(20℃)における水100gへの溶解量が0.5g以下であることを意味する。主溶媒(S)は、前記アルキルアミン(B)との親和性の点から、極性の小さい有機溶媒が好ましい。また、主溶媒(S)は、導体を形成する際の加熱によって熱分解を起こさないものが好ましい。
主溶媒(S)としては、例えば、デカン(水に不溶。)、ドデカン(水に不溶。)、テトラデカン(水に不溶。)、デセン(水に不溶。)、ドデセン(水に不溶。)、テトラデセン(水に不溶。)、ジペンテン(水100gへの溶解量0.001g(20℃)。)、α−テルピネオール(水100gへの溶解量0.5g(20℃)。)、メシチレン(水に不溶。)等や印刷インキ用ノンアロマ溶剤、ミネラルスピリットなどの市販の石油系炭化水素系溶媒が挙げられる。なかでも、導電インクの乾燥性の制御、塗布性の制御が容易である点から、α−テルピネオール、デカン、ドデカン、テトラデカンが好ましい。
主溶媒(S)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
主溶媒(S)の含有割合は、導電インクに含まれる各成分の分散性の点から、導電インク全体を100質量%として、40〜90質量%が好ましく、50〜80質量%が特に好ましい。
主溶媒(S)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
主溶媒(S)の含有割合は、導電インクに含まれる各成分の分散性の点から、導電インク全体を100質量%として、40〜90質量%が好ましく、50〜80質量%が特に好ましい。
(添加溶媒)
本発明の導電インクは、水素化銅微粒子の分散媒体として添加溶媒(s)を含有する。添加溶媒(s)は、水素化銅微粒子分散液を製造する過程で、溶媒置換する際に主溶媒(S)に添加して置換してもよく、溶媒置換した後に添加してもよい。また、溶媒(A)が添加溶媒(s)を含んでいてもよく、この場合、前記製造方法で製造された水素化銅微粒子分散液の溶媒濃度を調整して得ることができる。
本発明の導電インクは、水素化銅微粒子の分散媒体として添加溶媒(s)を含有する。添加溶媒(s)は、水素化銅微粒子分散液を製造する過程で、溶媒置換する際に主溶媒(S)に添加して置換してもよく、溶媒置換した後に添加してもよい。また、溶媒(A)が添加溶媒(s)を含んでいてもよく、この場合、前記製造方法で製造された水素化銅微粒子分散液の溶媒濃度を調整して得ることができる。
添加溶媒(s)は、非水溶性の有機溶媒の沸点を超える沸点を持ち、かつ20℃での表面張力が35〜73dyn/cmである。
添加溶媒(s)は、基材上の親液撥液パターンを有する高分子膜に塗布された本発明の導電インクを加熱して導体を形成する際に、比較的沸点の低い主溶媒が蒸発する過程で分散溶媒中に残留し濃縮され、導電インクに表面張力を付与する働きをする。したがって、添加溶媒(s)は、その沸点が主溶媒の沸点以上である。
添加溶媒(s)は、基材上の親液撥液パターンを有する高分子膜に塗布された本発明の導電インクを加熱して導体を形成する際に、比較的沸点の低い主溶媒が蒸発する過程で分散溶媒中に残留し濃縮され、導電インクに表面張力を付与する働きをする。したがって、添加溶媒(s)は、その沸点が主溶媒の沸点以上である。
添加溶媒(s)は、20℃において表面張力が35dyn/cm以上であり、40dyn/cm以上であることが好ましく、45dyn/cm以上がさらに好ましい。20℃での表面張力が35dyn/cm未満であると、導電インクの表面張力が充分でなく、インクの残渣が残るおそれがある。インクの残渣は、導電インクから形成された導体配線の断線や、短絡、マイグレーションを生じさせる原因となる。入手が容易である点から、添加溶媒(s)は、20℃での表面張力が73dyn/cm以下である。
このような添加溶媒(s)としては、ピロリドン、N−メチルピロリドン、イミダゾール、1-メチルイミダゾール、1、3−ジメチルイミダゾール、ブタンジオール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ホルムアミド、トリエタノールアミン、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。これらの添加溶媒(s)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
添加溶媒(s)としては、取り扱い性、入手のし易さの点から、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコールが特に好ましい。
添加溶媒(s)の含有割合は、主溶媒(S)に対して0.2〜10.0質量%が好ましく、0.5〜5.0質量%が特に好ましい。添加溶媒(s)の含有割合が0.2質量%以上であると、導電インクに充分な表面張力を付与でき、10.0質量%以下であると、導電インクの塗布性に優れる。
添加溶媒(s)としては、取り扱い性、入手のし易さの点から、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコールが特に好ましい。
添加溶媒(s)の含有割合は、主溶媒(S)に対して0.2〜10.0質量%が好ましく、0.5〜5.0質量%が特に好ましい。添加溶媒(s)の含有割合が0.2質量%以上であると、導電インクに充分な表面張力を付与でき、10.0質量%以下であると、導電インクの塗布性に優れる。
本発明の実施形態の導電インクは、前記した主溶媒(S)、添加溶媒(s)及び水素化銅微粒子以外に、導電成分である水素化銅微粒子を前記分散溶媒中に分散する保護剤として、アルキルアミンを含有していてもよい。
前記製造方法で製造される水素化銅微粒子分散液をそのままで、又は溶媒置換して実施形態の導電インクとする場合には、製造工程で添加される前記アルキルアミン(B)が、導電インクにおける保護剤となる。本発明の導電インクにおいては、このような態様に限定されず、別に保護剤としてアルキルアミンを添加してもよい。
前記製造方法で製造される水素化銅微粒子分散液をそのままで、又は溶媒置換して実施形態の導電インクとする場合には、製造工程で添加される前記アルキルアミン(B)が、導電インクにおける保護剤となる。本発明の導電インクにおいては、このような態様に限定されず、別に保護剤としてアルキルアミンを添加してもよい。
本発明の導電インクは、前記した主溶媒、添加溶媒及び水素化銅微粒子及びアルキルアミン以外に、シランカップリング剤やその他の添加剤を含有していてもよい。その他の添加剤としては、消泡剤、湿潤分散剤、レベリング剤、乾き防止剤、レオロジーコントロール剤、密着性付与剤が挙げられる。
本発明の導電インクの固形分(水素化銅微粒子固形分)の濃度は、要求される粘度によっても異なるが、導電インク全体を100質量%として、15〜70質量%が好ましく、20〜60質量%がより好ましい。導電インクの水素化銅微粒子固形分濃度が15質量%以上であれば、充分な厚みを有する導体を形成しやすい。導電インクの水素化銅微粒子固形分濃度が70質量%以下であれば、粘度、表面張力等のインク特性の制御が容易であり、導体の形成が容易になる。
本発明の導電インクの粘度は、5〜60mPa・sが好ましく、8〜40mPa・sがより好ましい。導電インクの粘度が5mPa・s以上であれば、精度良くインクを吐出できる。導電インクの粘度が60mPa・s以下であれば、入手しうるほとんどのインクジェットヘッドに適用可能となる。
本発明導電インクの20℃での表面張力が、20〜45dyn/cmが好ましく、25〜40dyn/cmがより好ましい。導電インクの表面張力が前記範囲の下限以上であれば、精度良くインクを吐出できる。導電インクの表面張力が前記範囲の上限以下であれば、入手し得るほとんどのインクジェットヘッドに適用可能となる。
なお、本明細書において、導電インクの粘度は、B型粘度計(東機産業社製、装置名:TVB35L)で20℃で測定した値である。表面張力は表面張力計(協和界面科学社製、装置名:DY−500)により測定した値である。
なお、本明細書において、導電インクの粘度は、B型粘度計(東機産業社製、装置名:TVB35L)で20℃で測定した値である。表面張力は表面張力計(協和界面科学社製、装置名:DY−500)により測定した値である。
本発明の導電インクにおいては、加熱することで、水素化銅微粒子の表面に結合し配位したアルキルアミンが脱離する。そして、表面からアルキルアミンが脱離した水素化銅は、例えば、60℃以上の加熱によって金属銅に変化する。そして、こうして生じた金属銅微粒子どうしが溶融、結合されて導体が形成される。
<導体付き基材の製造方法>
本発明の導体付き基材の製造方法は、以下の工程を有する。
(1)基材を準備する工程。
(2)前記基材上に、親液性領域と撥液性領域とのパターンを有する高分子膜を形成する工程(以下、高分子膜形成工程ともいう。)。
(3)前記高分子膜表面に本発明の導電インクを塗布して塗布層を形成する工程(以下、塗布工程ともいう。)。
(4)前記塗布層を加熱して、銅を主体とする導体を形成する工程(以下、導体形成工程ともいう。)。
本発明の導体付き基材の製造方法は、以下の工程を有する。
(1)基材を準備する工程。
(2)前記基材上に、親液性領域と撥液性領域とのパターンを有する高分子膜を形成する工程(以下、高分子膜形成工程ともいう。)。
(3)前記高分子膜表面に本発明の導電インクを塗布して塗布層を形成する工程(以下、塗布工程ともいう。)。
(4)前記塗布層を加熱して、銅を主体とする導体を形成する工程(以下、導体形成工程ともいう。)。
(基材)
基材としては、ガラス基板、プラスチック基材(PET基材、PEN基材、ポリイミド基材、ポリカーボネート基材等。)、繊維強化複合材料(ガラス繊維強化プラスチック基板等。)等が挙げられる。
本発明に用いる基材は、目的に応じて、その表面に酸処理(希釈したフッ酸、硫酸、塩酸等を用いた処理)、アルカリ処理(水酸化ナトリウム水溶液等を用いた処理)又は、超純水や有機溶媒で超音波洗浄等が施されたものを用いてもよい。また、パッシベーション処理(基材表面に酸化物等の膜を形成する処理)を行ってもよい。
基材の表面には、例えば以下のように親液性領域と撥液性領域とのパターンを有する高分子膜を形成する。
基材としては、ガラス基板、プラスチック基材(PET基材、PEN基材、ポリイミド基材、ポリカーボネート基材等。)、繊維強化複合材料(ガラス繊維強化プラスチック基板等。)等が挙げられる。
本発明に用いる基材は、目的に応じて、その表面に酸処理(希釈したフッ酸、硫酸、塩酸等を用いた処理)、アルカリ処理(水酸化ナトリウム水溶液等を用いた処理)又は、超純水や有機溶媒で超音波洗浄等が施されたものを用いてもよい。また、パッシベーション処理(基材表面に酸化物等の膜を形成する処理)を行ってもよい。
基材の表面には、例えば以下のように親液性領域と撥液性領域とのパターンを有する高分子膜を形成する。
(高分子膜形成工程)
高分子膜としては、親液撥液パターンを形成できるものであれば特に限定されない。高分子膜としては、側鎖に疎水基を有するポリイミド、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、親液撥液パターンを形成できる硬化性組成物と溶剤とを含む塗布用組成物を用いて形成される高分子膜等が挙げられる。
高分子膜としては、親液撥液パターンを形成できるものであれば特に限定されない。高分子膜としては、側鎖に疎水基を有するポリイミド、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、親液撥液パターンを形成できる硬化性組成物と溶剤とを含む塗布用組成物を用いて形成される高分子膜等が挙げられる。
高分子膜の厚さは、用途に応じて適宜設定でき、通常、0.1〜100.0μmであり、0.2〜50.0μmが好ましい。
(塗布工程)
(塗布工程)
導体インクを塗布する方法としては、オフセットグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、エアドクターコート、ブレードコート、ナイフコート、スプレーコート、インクジェットコート、スピンコート、スロットダイコート等の方法が挙げられる。中でも、作業性、使用するインクの歩留まりおよび印刷の位置精度の点から、インクジェットコート、スロットダイコートが特に好ましい。
インクジェットコートの場合、所望のパターンの導体の形成が容易な点から、インク吐出孔の孔径を0.5〜100μmとし、基材上に付着した際の導電インクの直径が1〜100μmとなるようにすることが好ましい。
基材上に導電インクを塗布した後の加熱温度は、60〜300℃が好ましく、60〜150℃がより好ましい。
加熱時間は、加熱温度に応じて、分散溶媒、銅(II)塩から遊離した酸、微粒子表面から脱離したアルキルアミン(B)等を揮発させて導体が形成できる時間を設定すればよい。
また、加熱は、形成する導体の酸化を抑制しやすい点から、窒素雰囲気等の不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
加熱時間は、加熱温度に応じて、分散溶媒、銅(II)塩から遊離した酸、微粒子表面から脱離したアルキルアミン(B)等を揮発させて導体が形成できる時間を設定すればよい。
また、加熱は、形成する導体の酸化を抑制しやすい点から、窒素雰囲気等の不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
導体の厚さは、0.3〜2.0μmが好ましい。
導体の体積抵抗率は、3〜35μΩ・cmが好ましい。
導体の体積抵抗率は、3〜35μΩ・cmが好ましい。
以上説明した導体付き基材の製造方法によれば、加熱過程で充分な表面張力を発現する導電インクを用いるため、インクの残渣がなく、体積抵抗率の小さい導体を有する導体付き基材が得られる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。例1〜3は実施例であり、例4は比較例である。実施例及び比較例における微粒子の同定、微粒子の平均粒子径の測定、導体の厚さの測定、導体の体積抵抗率の測定の各方法、及び導体の剥離性試験の方法を、それぞれ以下に示す。
[微粒子の同定]
微粒子の同定は、X線回折装置(リガク機器社製、装置名:RINT2500)を使用して行った。
微粒子の同定は、X線回折装置(リガク機器社製、装置名:RINT2500)を使用して行った。
[微粒子の平均粒子径]
無作為に抽出した100個の微粒子の粒子径を、透過型電子顕微鏡(日立製作所社製、装置名:H−9000)又は走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、装置名:S−800)を使用して測定し、それらの値を平均して平均粒子径を求めた。
無作為に抽出した100個の微粒子の粒子径を、透過型電子顕微鏡(日立製作所社製、装置名:H−9000)又は走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、装置名:S−800)を使用して測定し、それらの値を平均して平均粒子径を求めた。
[導体の厚さ]
接触式膜厚測定装置(Veeco社製、装置名:DEKTAK150)を使用して測定した。
接触式膜厚測定装置(Veeco社製、装置名:DEKTAK150)を使用して測定した。
[導体の体積抵抗率]
四探針式抵抗計(三菱油化社製、装置名:ロレスタGP MCP−T610)を使用して、導体の表面抵抗値を測定した。測定された表面抵抗値に導体の厚さを乗じて、体積抵抗率を求めた。
四探針式抵抗計(三菱油化社製、装置名:ロレスタGP MCP−T610)を使用して、導体の表面抵抗値を測定した。測定された表面抵抗値に導体の厚さを乗じて、体積抵抗率を求めた。
[親液撥液パターンを有する高分子膜の形成]
ソーダライム系ガラス基板の表面に感光性フッ素樹脂(商品名:AL−X、旭硝子社製)を1,000回転/分で30秒、スピンコートし、150℃のホットプレートを用いて20分間加熱することによって膜厚1μmの高分子膜を形成した。
高分子膜の表面に、マスクパターンを介して紫外線(i線365nm)を部分的に照射し長さ5cm、幅20μmの親液撥液パターンを得た。紫外線の照射は、SUSS社製の製品名:MA−8を用い、照射条件は100J/cm2とした。
ソーダライム系ガラス基板の表面に感光性フッ素樹脂(商品名:AL−X、旭硝子社製)を1,000回転/分で30秒、スピンコートし、150℃のホットプレートを用いて20分間加熱することによって膜厚1μmの高分子膜を形成した。
高分子膜の表面に、マスクパターンを介して紫外線(i線365nm)を部分的に照射し長さ5cm、幅20μmの親液撥液パターンを得た。紫外線の照射は、SUSS社製の製品名:MA−8を用い、照射条件は100J/cm2とした。
[例1]
(水素化銅粒子の製造)
ガラス容器に、トルエン300gと、銅(II)塩としてギ酸銅(II)四水和物30g、及びアルキルアミンとしてn−ヘプチルアミン(沸点157℃)15gを加えて撹拌した。次いで、ヒドリド系還元剤であるNaBH4の4.5gを添加し、撹拌することによって、微粒子がトルエン中に分散した黒色の分散液を得た。
(水素化銅粒子の製造)
ガラス容器に、トルエン300gと、銅(II)塩としてギ酸銅(II)四水和物30g、及びアルキルアミンとしてn−ヘプチルアミン(沸点157℃)15gを加えて撹拌した。次いで、ヒドリド系還元剤であるNaBH4の4.5gを添加し、撹拌することによって、微粒子がトルエン中に分散した黒色の分散液を得た。
得られた分散液中の微粒子を回収し、X線回折で同定を行ったところ、水素化銅微粒子であることが確認された。水素化銅微粒子(一次粒子)の平均一次粒子径は10nmであった。また、得られた水素化銅微粒子分散液の固形分濃度は4質量%であった。
(導電インクの調製)
得られた水素化銅微粒子分散液に対して、減圧下で溶媒置換を行い、導電インクを調製した。すなわち、前記水素化銅微粒子分散液を減圧濃縮した後、ドデカン(沸点216.3℃、20℃での表面張力25.4dyn/cm)に2質量%のジエチレングリコール(沸点244.8℃、20℃での表面張力48.5dyn/cm)量を添加したものを加えて溶媒置換を行い、水素化銅微粒子の固形分濃度が30質量%となるようにした。
得られた水素化銅微粒子分散液に対して、減圧下で溶媒置換を行い、導電インクを調製した。すなわち、前記水素化銅微粒子分散液を減圧濃縮した後、ドデカン(沸点216.3℃、20℃での表面張力25.4dyn/cm)に2質量%のジエチレングリコール(沸点244.8℃、20℃での表面張力48.5dyn/cm)量を添加したものを加えて溶媒置換を行い、水素化銅微粒子の固形分濃度が30質量%となるようにした。
(配線パターンの形成)
前記で得られた導電インクを使用し、産業用インクジェットプリンタ(富士フィルムグラフィックシステム社製、装置名:DMP2813)により、基材上に形成した高分子膜表面に印刷した。印刷後の基材を、窒素雰囲気下、150℃で1時間加熱し、導体付き基材を得た。導体の厚さは0.31μm、体積抵抗率は18μΩ・cmであった。
加熱後、SEM(撮像倍率5,000倍)により確認された配線幅は20.5μmで、撥液部にCuの残渣は確認されなかった。
前記で得られた導電インクを使用し、産業用インクジェットプリンタ(富士フィルムグラフィックシステム社製、装置名:DMP2813)により、基材上に形成した高分子膜表面に印刷した。印刷後の基材を、窒素雰囲気下、150℃で1時間加熱し、導体付き基材を得た。導体の厚さは0.31μm、体積抵抗率は18μΩ・cmであった。
加熱後、SEM(撮像倍率5,000倍)により確認された配線幅は20.5μmで、撥液部にCuの残渣は確認されなかった。
[例2]
例1で示した水素化銅微粒子分散液を減圧濃縮した後、ドデカンに0.5質量%のグリセリン(沸点290.0℃、20℃での表面張力63.3dyn/cm)を添加したものを加えて溶媒置換を行い、水素化銅微粒子の固形分濃度が30質量%となる導電インクを調製した。
例1で示した水素化銅微粒子分散液を減圧濃縮した後、ドデカンに0.5質量%のグリセリン(沸点290.0℃、20℃での表面張力63.3dyn/cm)を添加したものを加えて溶媒置換を行い、水素化銅微粒子の固形分濃度が30質量%となる導電インクを調製した。
次いで、得られた導電インクを使用し、例1と同様にして配線パターンを形成した高分子膜表面に印刷し、導体付き基材を得た。導体の厚さは0.35μm、体積抵抗率は16μΩ・cmであった。
加熱後、SEMにより確認された配線幅は20.5μmで、撥液部にCuの残渣は確認されなかった。
加熱後、SEMにより確認された配線幅は20.5μmで、撥液部にCuの残渣は確認されなかった。
[例3]
例1で示した水素化銅微粒子分散液を減圧濃縮した後、デカン(沸点174.1℃、20℃での表面張力23.9dyn/cm)に2質量%のエチレングリコール((沸点197.9℃、20℃での表面張力46.5dyn/cm)を添加したものを加えて溶媒置換を行い、水素化銅微粒子の固形分濃度が30質量%となる導電インクを調製した。
例1で示した水素化銅微粒子分散液を減圧濃縮した後、デカン(沸点174.1℃、20℃での表面張力23.9dyn/cm)に2質量%のエチレングリコール((沸点197.9℃、20℃での表面張力46.5dyn/cm)を添加したものを加えて溶媒置換を行い、水素化銅微粒子の固形分濃度が30質量%となる導電インクを調製した。
次いで、得られた導電インクを使用し、例1と同様にして配線パターンを形成した高分子膜表面に印刷し、導体付き基材を得た。導体の厚さは0.38μm、体積抵抗率は12μΩ・cmであった。
加熱後、SEMにより確認された配線幅は20.5μmで、撥液部にCuの残渣は確認されなかった。
加熱後、SEMにより確認された配線幅は20.5μmで、撥液部にCuの残渣は確認されなかった。
[例4]
例1で示した水素化銅微粒子分散液を減圧濃縮した後、ドデカン(沸点216.3℃、20℃での表面張力25.4dyn/cm)を溶媒として添加し、水素化銅粒子の固形分濃度が30質量%となるように、溶媒置換を行った。
例1で示した水素化銅微粒子分散液を減圧濃縮した後、ドデカン(沸点216.3℃、20℃での表面張力25.4dyn/cm)を溶媒として添加し、水素化銅粒子の固形分濃度が30質量%となるように、溶媒置換を行った。
次いで、得られた導電インクを使用し、例1と同様にして配線パターンを形成した高分子膜表面に印刷し、導体付き基材を得た。導体の厚さは0.36μm、体積抵抗率は20μΩ・cmであった。
焼成後、SEMで確認された配線幅は30.8μmで、撥液部に数ヵ所Cuの残渣が確認された。
焼成後、SEMで確認された配線幅は30.8μmで、撥液部に数ヵ所Cuの残渣が確認された。
表1より、例1〜3は本発明の導電インクを用いているため、撥液部に残渣がないことが分かる。また、体積抵抗率も充分に小さい。これに対して、例4では、本発明の導電インクを用いていないため、撥液部に残渣が確認されている。
このように、本発明の導電インクを用いることにより撥液部に残渣のない体積抵抗率の小さい導体配線を得ることができる。
このように、本発明の導電インクを用いることにより撥液部に残渣のない体積抵抗率の小さい導体配線を得ることができる。
本発明の導電インクによれば、撥液部に残渣のない導体を形成できる。また、本発明の導体付き基材の製造方法によれば、基材上に残渣がなく、体積抵抗率の小さい導体付き基材を製造でき、信頼性の高い配線基板として好適に用いられる。
1…基材、2…撥液部、3…親液部、4…導電インクにより形成された導体、5…導電インクの残渣。
Claims (7)
- 非水溶性の有機溶媒である主溶媒と、
前記主溶媒の沸点を超える沸点を持ち、かつ20℃での表面張力が35〜73dyn/cmである添加溶媒と、を含む分散溶媒と、
前記分散溶媒中に分散された水素化銅微粒子と、
を含むことを特徴とする導電インク。 - 前記添加溶媒の含有割合は、前記主溶媒に対して0.2〜10.0質量%である請求項1記載の導電インク。
- 前記水素化銅微粒子の含有割合は、導電インク全体の、10〜50質量%である請求項1又は2記載の導電インク。
- 前記主溶媒の含有割合は、導電インク全体の、40〜90質量%である請求項1乃至3のいずれか1項記載の導電インク。
- 前記水素化銅微粒子の平均一次粒子径は、5〜100nmである請求項1乃至4のいずれか1項記載の導電インク。
- 基材上に形成された親液性領域と撥液性領域とのパターンを有する高分子膜の表面に、請求項1乃至5いずれか1項に記載の導電インクを用いて形成された導体を有することを特徴とする導体付き基材。
- 基材を準備する工程と、
前記基材上に、親液性領域と撥液性領域とのパターンを有する高分子膜を形成する工程と、
前記高分子膜表面に請求項1乃至6のいずれか1項に記載の導電インクの塗布層を形成する工程と、
前記塗布層を加熱して、銅を主体とする導体を形成する工程と
を有することを特徴とする導体付き基材の製造方法。
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