JP2015107953A - 植物エキスを含有するトイレタリー製品用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 掻痒軽減作用、良好な保湿作用等を有するトイレタリー製品用組成物を提供すること。
【解決手段】 柑橘類果皮エキス、タイムエキスおよびルイボスティーエキスを含有する、トイレタリー製品用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、植物エキスを含有するトイレタリー製品用組成物に関する。
トイレタリー製品は、身体の洗浄や身嗜みを整えること等を目的とした日用品であり、パーソナルケア製品とも称される。トイレタリー製品としては、石けん、化粧水、浴用剤(入浴剤)などがある。トイレタリー製品は、日用品の中でも、嗜好性の強い製品であり、消費者が香りや色などの好みに応じて製品を選択するという側面がある。植物由来原料を用いて、付加価値が付与されたトイレタリー製品や、さらに、美白または保湿などの効能効果を奏する機能性製品も存在する。そのような機能性製品の例としては、抗炎症作用を有する浴用剤がある(特許文献1)。特許文献1は、ニンニクエキス誘導体を含有する浴用剤を記載する。
一般に、浴用剤は、入浴により得られる温浴効果(身体を温める、および/または血行を促進する)および清浄効果(皮膚を清浄にする)を高める効果を有するが、入浴による温浴効果または浴用剤により高められた温浴効果は、掻痒に悩む利用者、例えばアトピー性皮膚炎患者における痒みを増悪する場合があった。
特許文献1に記載の浴用剤は、一定のアトピー性皮膚炎患者に対して、掻痒軽減作用を有することが記載されている。
特開平5−009110号公報
従来の浴用剤における掻痒軽減効果は、満足できない場合もあった。また、植物由来原料を用いた浴用剤では、香りなどの観点から、掻痒軽減効果を有する植物由来原料の含有量を増やすことが困難な場合がある。浴用剤のみならず、トイレタリー製品全般において、掻痒軽減効果を有する機能性製品が望まれている。したがって、本発明の1つの目的は、良好な掻痒軽減効果を有する、植物由来原料を含有するトイレタリー製品用組成物を提供することにある。
また、従来の浴用剤等のトイレタリー製品による保湿作用、皮膚バリア機能の保護作用、改善作用等では満足できない場合があった。したがって、本発明の1つの目的は、良好な保湿作用、皮膚バリア機能の保護作用、改善作用等を有する、トイレタリー製品用組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、様々な植物エキスの組合せについて鋭意検討した結果、柑橘類果皮エキス、タイムエキスおよびルイボスティーエキスを含有する組成物が、良好な掻痒軽減作用、良好な保湿作用、皮膚バリア機能の保護作用、改善作用等を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の組成物またはトイレタリー製品を提供する。
[1] 柑橘類果皮エキス、タイムエキスおよびルイボスティーエキスを含有する、トイレタリー製品用組成物。
[2] 柑橘類果皮エキスがチンピエキスである、[1]に記載の組成物。
[3] トイレタリー製品が、石けん、化粧水、および浴用剤からなる群より選択される、[1]または[2]に記載の組成物。
[4] トイレタリー製品が浴用剤である、[1]または[2]に記載の組成物。
[5] 組成物質量あたり、柑橘類果皮エキスを0.01〜20質量%、タイムエキスを0.01〜10質量%、およびルイボスティーエキスを0.01〜10質量%含有する、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の組成物。
[6] 組成物質量あたり、柑橘類果皮エキスを0.1〜10質量%、タイムエキスを0.05〜3質量%、およびルイボスティーエキスを0.01〜1質量%含有する、[5]に記載の組成物。
[7] [1]〜[6]のいずれか一項に記載の組成物を含む、トイレタリー製品。
本発明に係る組成物は良好な掻痒軽減作用を有する。本発明に係る組成物は、良好な皮疹の改善作用を有し得る。また、本発明に係る組成物は、良好な保湿作用、良好な皮膚バリア機能の保護作用および改善作用を有し得る。
さらに、本発明に係る組成物は、従来の組成物が上記効果を十分に発揮できなかった対象(特にヒト)に対して、十分な効果を発揮し得る。
水道水中の残留塩素濃度の測定結果を示す。 試験例4の被験薬について、経表皮水分蒸散量(Trans Epidermal Water Loss:以下、「TEWL」と称する。)の荒れ肌処理前の測定値に対する被験薬塗布後の測定値を算出した結果を示す。
本明細書において、「柑橘類」は、ミカン科ミカン属またはキンカン属の果樹を意味する。ミカン属の果樹は、限定するものではないが、オレンジ類、香酸柑橘類、ミカン類の果樹がある。オレンジ類の果樹としては、限定するものではないが、ビターオレンジ(Bitter Orange)がある。香酸柑橘類の果樹としては、限定するものではないが、カボス(Citrus sphaerocarpa)、スダチ(Citrus sudachi)、ユズ(Citrus junos)、およびレモン(Citrus limon)がある。ミカン類の果樹としては、限定するものではないが、温州ミカン(Citrus unshiu)、紀州ミカン(Citrus kinokuni)、およびポンカン(Citrus tangerina)がある。キンカン属の果樹としては、限定するものではないが、ニンポウキンカン(寧波金柑 Fortunella crassifolia)およびマルミキンカン(丸実金柑 Furtunella Japonica)がある。
本明細書において、「タイム」は、シソ科イブキジャコウソウ属のタチジャコウソウ(Thumus vulgaris Linne'(Labiatae))を意味する。
本明細書において、「ルイボスティー」は、マメ科アスパラトゥス属のルイボス(Aspalathus linearis)の葉を乾燥させたものを意味する。
本明細書において、「柑橘類果皮エキス」は、柑橘類の果樹の果皮から得られた抽出物を意味する。柑橘類果皮エキスは、商業的に入手可能な柑橘類の果皮エキスであってもよく、または柑橘類の果皮から常法に従って抽出された果皮エキスであってもよい。抽出に用いられる果樹の果皮は、完熟前の果樹の果皮または完熟した果樹の果皮であってよい。例えば、完熟前の温州ミカンの果皮(「青皮(セイヒ)」とも称する)または完熟した温州ミカンの果皮(「陳皮(チンピ)」とも称する)であってよい。果皮エキスの抽出において、果樹の果皮を生のまま用いもよいが、乾燥させた果樹の果皮を用いてもよい。
本明細書において、「柑橘類果皮エキス」は、ミカン属の果樹の果皮エキスおよびキンカン属の果樹それぞれの果皮エキスの1種または2種以上の混合エキスであってもよい。特に好ましい柑橘類果皮エキスとしてはチンピエキスが挙げられる。
本明細書において、「タイムエキス」は、タイムから得られた抽出物を意味する。タイムエキスは、商業的に入手可能な抽出物であってもよく、またはタイムの葉から常法に従って抽出された抽出物であってもよい。タイムエキスの抽出において、タイムの葉を生のまま用いてもよいが、乾燥させたタイムの葉を用いてもよい。
本明細書において、「ルイボスティーエキス」は、ルイボスの葉から得られた抽出物を意味する。ルイボスティーエキスは、商業的に入手可能な抽出物であってもよく、またはルイボスの葉より常法に従って抽出された抽出物であってもよい。ルイボスティーエキスの抽出において、ルイボスの葉を生のまま用いてもよいが、乾燥させたルイボスの葉を用いてもよい。
柑橘類果皮エキス、タイムエキスおよびルイボスティーエキスなどの植物抽出エキスの製造方法は、抽出溶媒に浸漬する方法、水蒸気蒸留法、または超臨界流体もしくは亜臨界流体を利用する方法であってよい。抽出効率の観点から、攪拌を行ってもよいし、抽出溶媒中でホモジナイズしてもよい。さらに、植物エキスの製造工程において、限定するものではないが、遠心分離、限外ろ過、カラムクロマトグラフ等による分離方法および精製方法を適宜組合せてもよい。
上記抽出により得られる植物抽出エキスは、前記抽出方法により、医薬品、医薬部外品または化粧品への配合が許容される規格に適合し、本発明の効果を発揮するものであれば、粗精製物であってもよい。
抽出溶媒は、特に制限はなく、水、温湯、熱湯;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級1価アルコール;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール等の多価アルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素類など、抽出に一般的に用いられる有機溶媒であってよく、これらの中から選ばれる1種単独の溶媒または2種以上を混合した混合液を用いてもよい。
植物抽出エキスは、特に限定されないが、液体、減圧濃縮等によって濃縮したペースト、または乾燥もしくは凍結乾燥した粉末であってよく、あるいは粉末を溶剤に再溶解した液体であってもよい。液体の場合、抽出に用いる溶媒または植物抽出エキス粉末を再溶解させる溶媒は、水、エタノール、1,3−ブチレングリコール等の皮膚刺激の低い溶媒が好ましく、これらと水との混合溶媒でもよい。
本発明の組成物に配合される植物抽出エキスは、医薬部外品原料規格、日本薬局方、医薬品添加物規格に記載の品目として市販されているものや一般化粧品原料を適宜用いればよい。
本発明の組成物は、トイレタリー製品として使用され得る。したがって、本発明は、柑橘類果皮エキス、タイムエキスおよびルイボスティーエキスを含有する、トイレタリー製品用組成物を提供する。
本明細書において、「トイレタリー製品」は、皮膚に適用される日用品を意味し、限定するものではないが、浴用剤、石けん、例えば固形石けん、液体石けん、クリーム石けん(ムース型石けん)等、ならびにスキンケア品、例えば化粧水、ボディリンスおよび乳液等がある。本発明の1つの実施形態において、石けん、化粧水および浴用剤が好ましく、浴用剤がさらに好ましい。
本発明のトイレタリー製品用組成物は、各種トイレタリー製品として既知の処方へ柑橘類果皮エキス、タイムエキスおよびルイボスティーエキスを配合するか、または既知の処方の一部をこれらのエキスと置き換えて調製すればよい。
本願発明のトイレタリー製品用組成物は、柑橘類果皮エキス、タイムエキスおよびルイボスティーエキスを、混合割合(質量比)として、通常1:0.025〜2.5:0.01〜1.0(柑橘類果皮エキス:タイムエキス:ルイボスティーエキス)となるよう、好ましくは1:0.1〜1.0:0.05〜0.5となるよう含有する。柑橘類果皮エキス、タイムエキスおよびルイボスティーエキスのトイレタリー製品への配合量は、その製品の特性に応じて適宜定めればよい。
なお、本明細書において、植物抽出エキスの量は、特に断りのない限り、固形分の量を示すものとする。
本発明において、組成物の全量を100質量%として、通常、柑橘類果皮エキスを0.01〜20質量%、タイムエキスを0.01〜10質量%およびルイボスティーエキスを0.01〜10質量%含むトイレタリー製品用組成物が提供される。
本発明の組成物は、浴用剤として使用され得る。この場合、浴用剤中には、組成物の全量を100質量%として、通常、柑橘類果皮エキスが0.1〜10質量%、タイムエキスが0.05〜3質量%およびルイボスティーエキスが0.01〜1質量%含まれ、好ましくは、柑橘類果皮エキスが0.5〜5質量%、タイムエキスが0.2〜1.5質量%およびルイボスティーエキスが0.05〜0.5質量%含まれる。
本発明における浴用剤は、風呂の湯に溶解した場合に湯200Lあたりの柑橘類果皮エキス、タイムエキスおよびルイボスティーエキスの合計量が0.3〜30g、好ましくは0.54〜13.5g、より好ましくは1.08〜6.75gとなるよう調製され得る。
本発明における浴用剤は、柑橘類果皮エキス、タイムエキスおよびルイボスティーエキス以外の成分として、従来の浴用剤に配合される既知の任意成分を常法に従って配合して調製され得る。そのような任意成分として、限定するものではないが、柑橘類果皮エキス、タイムエキスおよびルイボスティーエキス以外の植物抽出エキス、炭酸塩、有機酸、無機顔料、保湿剤、防腐剤、香料、無機塩類、油性成分、滑沢剤、水溶性高分子、着色剤等が例示される。これらの成分は、浴用剤の剤形または用途に応じて、1種単独でまたは2種以上を混合して配合することができる。
以下に、上記成分の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
柑橘類果皮エキス、タイムエキスおよびルイボスティーエキス以外の植物抽出エキスとしては、ニンニクエキス、およびカミツレエキスが挙げられる。
炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウムが挙げられる。
有機酸としては、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、酒石酸、クエン酸、マロン酸、マレイン酸が挙げられる。
無機顔料としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、タルク、ケイ酸カルシウム、無水ケイ酸、カオリン、ベントナイト、雲母チタンが挙げられる。
保湿剤としては、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、デキストリン、グルコース、マルトース、ラクトース、サッカロース、キシロース、フルクトース、マンニトール、ラクチトール等の糖類;エチレングリコール、プロピレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール(BG)等の多価アルコール類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム等のアミノ酸類;尿素が挙げられる。
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル(例えば、メチルパラベン)、安息香酸、安息香酸塩、フェノキシエタノールが挙げられる。
香料としては、ラベンダー油、ジャスミン油、レモン油等の天然香料、またはゲラニオール、シトロネロール、フェネチルアルコール等の合成香料が挙げられる。
無機塩類としては、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウム、酸化マグネシウム、硫酸アルミニウム、ミョウバン、メタケイ酸塩が挙げられる。
油性成分としては、大豆油、ヌカ油、ホホバ油、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、ゴマ油、パーシック油、ヒマシ油、ヤシ油、ミンク油、牛脂、豚脂等の天然油脂、これらの天然油脂を水素添加して得られる硬化油およびミリスチン酸グリセリド、2−エチルヘキサン酸グリセリド等の合成グリセリド、ジグリセリド等の油脂類;カルナウバロウ、鯨ロウ、ミツロウ、ラノリン等のロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、スクワラン、プリスタン等の炭化水素類;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸類;ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、コレステロール、2−ヘキシルデカノール等の高級アルコール類;オクタン酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、イソステアリン酸コレステロール等のエステル類;精油類;シリコーン油類が挙げられる。
滑沢剤としては、カオリン、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、シリコーン油、油性成分、澱粉が挙げられる。
水溶性高分子としては、ニカワ、ゼラチン、コラーゲン蛋白、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、ファーセレラン、タマリンドガム、ペクチン、アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、トラガントガム、ローカストビーンガム、デキストラン、寒天、澱粉等の天然水溶性高分子;カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、アルギン酸プロピレングリコールエステル、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン澱粉等の半合成水溶性高分子;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等の合成水溶性高分子が挙げられる。
着色剤としては、リボフラビン(ビタミンB)、カロチン、クロロフィルが挙げられる。
各成分は従来から知られている浴用剤の処方に沿って適宜選択すればよい。本発明における浴用剤は、柑橘類果皮エキス、タイムエキスおよびルイボスティーエキスと、上記任意成分を適宜選択して混合することによって製造できる。例えば、粉末形態の柑橘類果皮エキス、タイムエキスおよびルイボスティーエキスを、その他の粉末原料と混合して均一に混合し、次いで少量の油性成分と混合することによって粉末形態の浴用剤を製造する方法が例示される。
本発明の組成物は、スキンケア品(例えば化粧水)として使用され得る。化粧水の場合、柑橘類果皮エキス、タイムエキスおよびルイボスティーエキス以外の成分として、従来の化粧水に配合される既知の任意成分を常法に従って配合して調製される。化粧水に配合される既知の任意成分としては、限定するものではないが、柑橘類果皮エキス、タイムエキスおよびルイボスティーエキス以外の前記植物抽出エキス、前記有機酸、前記保湿剤、前記防腐剤、前記香料、前記油性成分(液状油分等)、前記滑沢剤、前記水溶性高分子、アルコール類、界面活性剤(可溶化剤)が例示される。これらの任意成分は、化粧水の用途または剤形に応じて、1種でまたは2種以上を混合して配合することができる。
以下に、上記成分の具体例を例示するが、これらに限定されるものではない。
アルコール類としては、エタノール、プロパノール、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールが挙げられる。
界面活性剤(可溶化剤)としては、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸石けん、N−アシルグルタミン酸塩、アシルタウリン塩、アシルアルキルタウリン塩、高級アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、N−アシルサルコシン酸塩、高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、リン酸エステル塩、スルホコハク酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンメチルエーテルジメチコンおよびポリオキシエチレン・メチルポリシロキサンが挙げられる。
液状油分としては、油脂、脂肪酸、エステル油、炭化水素油、高級アルコールおよびシリコーン油が挙げられる。
油脂としては、アマニ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、アボガド油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、キョウニン油、シナモン油、ホホバ油、ブドウ油、ヒマワリ油、アーモンド油、ナタネ油、ゴマ油、小麦胚芽油、米胚芽油、米ヌカ油、綿実油、大豆油、落花生油、茶実油および月見草油が挙げられる。
脂肪酸としては、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ペンタデカン酸、ヘプタデカン酸、ノナデカン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸およびアラキドン酸が挙げられる。
エステル油としては、テトラオクタン酸ペンタエリスリット、オクタン酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソパルミチン酸オクチル、オレイン酸イソデシルおよびエチルヘキサン酸セチルが挙げられる。
炭化水素油としては、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、パラフィン、イソパラフィン、オクタン、デカン、ドデカン、イソドデカン、ヘキサデカンおよびイソヘキサデカンが挙げられる。
高級アルコールとしては、オクチルアルコール、イソステアリルアルコールおよびオレイルアルコールが挙げられる。
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状シリコーン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、およびドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコーンが挙げられる。
本発明の組成物は、石けんとして使用され得る。この場合、石けんは、柑橘類果皮エキス、タイムエキスおよびルイボスティーエキス以外の成分として、従来の石けんに配合される既知の任意成分を常法に従って配合して調製される。石けんに配合される既知の任意成分としては、限定するものではないが、柑橘類果皮エキス、タイムエキスおよびルイボスティーエキス以外の前記植物抽出エキス、前記保湿剤、前記防腐剤、前記香料、前記油性成分、前記滑沢剤、前記水溶性高分子、石けん素地、キレート剤、界面活性剤、高級アルコール類、酸化防止剤、金属封鎖剤、抗炎症剤等が例示される。これらの任意成分は、石けんの用途または剤形に応じて、1種または2種以上を混合して配合することができる。
以下に、これらの成分の具体例を例示するが、これに限定されるものではない。
石けん素地は、例えば、牛脂、羊脂等の動物油脂、ヤシ油、パーム油、パーム核油、大豆油、オリーブ油、綿実油等の植物油脂、の各単独もしくは混合物を苛性ソーダでけん化するか、あるいはこれらの油脂を分解して得られる脂肪酸の各単独もしくは混合物を苛性ソーダ、苛性カリ、アルカノールアミン等で中和することによって得ることができる。
石けん素地は、通常知られている固形石けんであれば、特段の限定無く適用でき、脂肪酸のナトリウム石けんやトリエタノールアミン石けんを主成分とする固形石けんはもとより、アシル化グルタミン酸ナトリウムを主成分とする石けんなどにも適用できる。又、通常の不透明な固形石けんにも、透明な固形石けんにも適用できる。
キレート剤としては、EDTA、DTPA(ジエチレントリアミンテトラ酢酸)、ヒドロキシエタンジホスホン酸等が挙げられる。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸エステル等のアニオン界面活性剤、4級アルキルアミン塩等のカチオン界面活性剤、ポリオキシエチレンセチルエーテル、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸グリセリン、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、脂肪酸モノグリセライド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビンタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート、ソルビンタンセスキオレエート、ソルビンタンモノライレート、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、1−ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリオキシチエレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン等のノニオン界面活性剤、アルキルベタイン、グリシン型、アルキルアミノベタイン、イミダゾリン型、L−アルギニン型、L−リジン型等の両性界面活性剤、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。
高級アルコール類としては、セタノール、ステアリルアルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノールおよびベヘニルアルコールが挙げられる。
酸化防止剤としては、ビタミンEおよびブチルヒドロキシトルエン(BHT)が挙げられる。
金属封鎖剤としては、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムおよびグルコン酸が挙げられる。
抗炎症剤としては、β−グリチルレチン酸、およびトラネキサム酸が挙げられる。
本発明のトイレタリー製品用組成物は、良好な掻痒軽減作用を有するとともに、皮膚炎、例えばアトピー性皮膚炎患者における皮疹を改善し得る。
本明細書において、「掻痒」または「痒み」は、痛みとは異なる皮膚粘膜の感覚を意味する。掻痒の原因は、ヒスタミンの増量、マスト細胞の増数、アセチルコリン分泌の異常等といわれており、皮膚炎などの皮膚疾患に伴って掻痒が生じ得る。掻痒または痒みを伴う皮膚疾患としては、限定するものではないが、アトピー性皮膚炎、老人性皮膚掻痒症(pruritus senilis)、および人工透析患者の皮膚掻痒症がある。掻痒または痒みは、皮膚の過度の乾燥により生じ得る。
本明細書において、「皮疹」または「発疹」は、肉眼で観察される皮膚の変化を意味し、限定するものではないが、アトピー性皮膚炎などの皮膚炎で現れる皮疹が挙げられる。
また、本発明のトイレタリー製品用組成物は、掻痒の軽減とともに、良好な保湿作用を有する。本発明に係るトイレタリー製品用組成物により奏され得る良好な保湿作用は、角層での水分含有量の向上によりもたらされると推測される。角層での水分含有量の向上は皮膚のバリア機能の改善をもたらし、外部刺激により生じ得る掻痒または痒みが軽減される。
さらに、本発明の浴用剤は、皮膚刺激の原因物質であり、皮膚のバリア機能を低下させるとされる遊離塩素を除去する作用を示す。
本発明を以下の実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜3 植物エキスを含む浴用剤用組成物の製造
表1に記載の成分分量を量り、各成分を攪拌混合して、製造した。
Figure 2015107953

a)チンピ(Citrus unshiu Markovich)の粉末1kgに対して水15Lを加え、撹拌抽出した。得られた抽出液をろ過し、そのろ液を減圧下にて濃縮した。濃縮液に、濃縮液の固形分に応じてデキストリンを加え、乾燥してチンピエキス散を得た。
b)タイム(Thymus vulgaris Linne’(Labiatae))の全草の粉末1kgに水20Lを加え、撹拌抽出した。得られた抽出液をろ過し、そのろ液を減圧下にて濃縮し、乾燥してタイムエキス末を得た。
c)ルイボス(Aspalathus Linearis)の葉の粗末1kgに水10Lを加え、1時間加熱抽出した。得られた抽出液をろ過し、そのろ液を減圧下にて濃縮し、乾燥してルイボスティーエキス末を得た。
実施例4 植物エキスを含む化粧水用組成物の製造
水に、表2に記載の水以外の成分を配合して製造した。表2中、チンピエキス散、タイムエキス末およびルイボスティーエキス末は、表1と同様である。
Figure 2015107953
実施例5 植物エキスを含む石けん用組成物の製造
石けん素地に、表3に記載の石けん素地以外の成分を配合、成型して製造した。表3中、チンピエキス散、タイムエキス末およびルイボスティーエキス末は、表1と同様である。
Figure 2015107953
a)PEG#4000K、ライオン株式会社
試験例1 痒みの軽減および皮疹の改善
アトピー性皮膚炎患者における痒みの軽減および皮疹の改善について試験した。アトピー性皮膚炎患者30名を被験者とした。被験者は全員13歳以上であった。
試験湯は、実施例1の組成物30グラムを約200リットルの湯(約40℃)に溶解して調製した。試験期間は2週間であった。被験者は、試験期間中、内服薬および外用剤を従前どおり使用した。痒みの程度は、以下の表4に示す5段階の判断基準を用いた。
Figure 2015107953
痒みの軽減については、以下の判定基準を用いた:
「非常に有効」:表4の判断基準に示される評価が3段階改善;
「有効」 :表4の判断基準に示される評価が2段階改善;
「やや有効」 :表4の判断基準に示される評価が1段階改善;
「無効」 :表4の判断基準に示される評価に変化が無い、もしくは悪化。
皮疹の改善については、試験前の皮膚(皮疹)の状態と試験後の皮膚(皮疹)の状態とを比較し、臨床所見上、改善がみられたか否かで「有効」および「無効」の判定を行った。
実施例1の組成物の使用による、使用前と比べた痒みの軽減については、30名の被験者のうち3名(10%)が「非常に有効」、11名(36.7%)が「有効」、8名(26.7%)が「やや有効」、8名(26.7%)が「無効」と判定された。実施例1の組成物の使用による、使用前と比べた皮疹の改善については、30名の被験者のうち26名(86.7%)が「有効」、4名(13.3%)が「無効」と判定された。
痒みに対する有効性の判定で、「無効」8名の被験者うち、4名の被験者は皮疹が改善していた。痒みに対する有効性の判定で、「やや有効」以上の判定がなされた22名の被験者に関し、掻痒の軽減と皮疹の改善とは、ほぼ相関した。
実施例1の組成物は、アトピー性皮膚炎患者における掻痒の軽減効果を示した。また、実施例1の組成物は、アトピー性皮膚炎患者における皮疹の改善効果を示した。
試験例1の結果によれば、本発明に係る組成物は、アトピー性皮膚炎の症状、例えば掻痒および皮疹を改善し得る。被験者の多くは、使用感として、さわやかな香りで、総じてリラックスできたとした。
試験例2 表皮角層水分量
皮膚の乾燥改善効果について試験した。皮膚外側の角層には一定量の水分が保持されている。十分な水分を保持する角層は、外部からの刺激を防御するバリア機能を有する。角層の水分量が低下した皮膚、すなわち乾燥肌(ドライスキン)では、皮膚のバリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすくなり、痒みを感じやすくなるとされる。
被験者は、健常者24名であった。被験者を12名ずつの2グループに分け、それぞれ試験群および対照群とした。試験湯は、実施例1の組成物30グラムを約200リットルの湯(約40℃)に溶解して調製した。対照湯は、実施例1の組成物を含まない、約200リットルのさら湯(約40℃)であった。試験期間は4週間であった。表皮角層水分量はSKICON−200により測定した。
電気伝導度が表皮角層水分量の指標であることは、例えば田上八郎他、「高周波に対する抵抗計測による表皮角層水分量の測定」、日皮会誌、vol.90(5)、445-447、1980を参照できる。測定結果を表5に示す。
Figure 2015107953

平均値±標準偏差(S.D.)、n=12
前値: 試験1日前の測定結果である
* : p<0.05 (対、前値 対応のないt-test)
**: p<0.01 (対、前値 対応のないt-test)
♯ : p<0.05 (対、対照湯 対応のないt-test)
♯♯: p<0.01 (対、対照湯 対応のないt-test)
表5で示されるように、試験湯は、試験後2週目および3週目で、対照湯の2週目および3週目の測定結果に対して、それぞれ有意に高値を示した(P<0.05)。また、試験湯は、試験後4週目に、対照湯の4週目の測定結果に対して有意に高値を示した(P<0.01)。実施例1の組成物は、表皮角層水分含有量を上昇させる効果を示した。
試験例2の結果によれば、本発明の組成物は、皮膚の乾燥を改善し得る。かくして、本発明に係る組成物は、良好な保湿作用を有し、皮膚の乾燥が原因で生じる皮膚掻痒を改善し得る。
試験例3 残留塩素除去作用
水道水中の遊離塩素の除去効果について試験した。遊離塩素が皮膚刺激の原因となり、皮膚バリア機能の低下をもたらすことが知られている。
対照水は、40℃の水道水に、遊離塩素2mg/Lとなるように次亜塩素ナトリウム溶液を加えて調製した。試験水は、実施例1の組成物0.3グラムを対照水約300ミリリットルに溶解して調製した。各溶液中の残留遊離塩素濃度、結合塩素濃度および総塩素濃度を、各時点で、衛生試験法に準じたジエチル−p−フェニレンジアミン(DPD)法により測定した。
測定結果を、図1に示す。対照水では、遊離塩素濃度はほぼ一定していた(図1a)。試験水では、遊離塩素濃度の急激な減少が確認された(図1b)。かくして、実施例1の組成物は、水中の遊離塩素を除去する効果を示した。
試験例3の結果によれば、本発明の組成物は、遊離塩素の除去効果を有する。かくして、本発明に係る組成物は、遊離塩素が原因で生じ得る皮膚バリア機能の低下を抑制し、結果的に、皮膚バリア機能の保護作用を有し得る。
実施例6および比較例1
表6に示す組成になるように、チンピエキス散、タイムエキス末およびルイボスティーエキス末を精製水に溶解し、表6中の各組成物を調製した。表6中、チンピエキス散、タイムエキス末およびルイボスティーエキス末は、表1と同様である。
Figure 2015107953
試験例4 皮膚の保湿効果
皮膚の保湿効果について試験した。皮膚の保湿効果の指標として、経表皮水分蒸散量(TEWL)を用いた。TEWLは、水分蒸散量を示していることから、その値が低いほど皮膚からの水分蒸散が抑制されていることとなり、皮膚バリア機能が保持されていると評価することができる。
年齢が20歳以上70歳以下の健常者10名を被験者とした。陰性対照として精製水を使用し、陽性対照として保湿で使用実績のある0.2% アセチル化ヒアルロン酸Na(AcH:「アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム」、資生堂製)を使用した(Genji Imokawa, Selective Recovery of Deranged Water-Holding Properties by Stratum Corneum Lipids. December, Vol. 87, No. 6 (1986):以下、「文献1」と称する。)。被験薬として、実施例6および比較例1の組成物を使用した。
TEWLの測定は、次の手順により行った。
・被験者を、温度20±2℃、湿度45〜55%の恒温室にて、椅子に着席して静かに20分間馴致して皮膚の状態を安定化させる(文献1)。
・皮膚が安定化した後、荒れ肌処理前のTEWLを機器(Tewameter, Cutometer MPA 580(株式会社インテグラル))にて測定する。
・5%ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)5mLをwellに注入して、前腕被験部位に固定して10分間浸漬塗布(荒れ肌処理)する(T. OKA, M, Skin-softening effect of acetylhyaluronate on stratum corneum. J. cosmet, Sci, 50, 171-184(May/June 1999):以下、「文献2」と称する。)。
・荒れ肌処理後、すべてのwellを前腕被験部位より除去し、塗布部位をSDSのヌメリが消えるまで十分に水洗して、タオルで水分を拭き取る。
・その後、すぐに被験薬等を各々5mLずつwellに注入して、前腕被験部位に固定して10分間浸漬塗布する(文献2)。
・浸漬塗布後、すべてのwellを前腕被験部位より除去し、塗布部位の被験薬等をキムワイプで拭き取る。
・被験薬等除去の10分後に、TEWLを測定する。
TEWLの評価は、荒れ肌処理前の測定値に対する被験薬塗布後の測定値((被験薬塗布後の測定値)/(荒れ肌処理前の測定値))を算出して行った。その結果を、表7および図2に示す。
Figure 2015107953
表7および図2に示されるように、本発明に係る組成物(実施例6)のTEWLは、陽性対照(アセチル化ヒアルロン酸Na)および比較例1(チンピおよびタイムの2種配合物)よりも統計的に有意に低い値を示した。
試験例4の結果によれば、本発明に係る組成物は、保湿成分として知られているアセチル化ヒアルロン酸Na、並びにチンピおよびタイムの2種配合物よりも高い、保湿作用、皮膚バリア機能の保護作用、改善作用を有する。

Claims (7)

  1. 柑橘類果皮エキス、タイムエキスおよびルイボスティーエキスを含有する、トイレタリー製品用組成物。
  2. 柑橘類果皮エキスがチンピエキスである、請求項1に記載の組成物。
  3. トイレタリー製品が、石けん、化粧水、および浴用剤からなる群より選択される、請求項1または2に記載の組成物。
  4. トイレタリー製品が浴用剤である、請求項1または2に記載の組成物。
  5. 組成物質量あたり、柑橘類果皮エキスを0.01〜20質量%、タイムエキスを0.01〜10質量%、およびルイボスティーエキスを0.01〜10質量%含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 組成物質量あたり、柑橘類果皮エキスを0.1〜10質量%、タイムエキスを0.05〜3質量%、およびルイボスティーエキスを0.01〜1質量%含有する、請求項5に記載の組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物を含む、トイレタリー製品。
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