JP2015107226A - コイルパイプ位置固定部材、マニピュレータ、およびコイルパイプ位置固定方法 - Google Patents

コイルパイプ位置固定部材、マニピュレータ、およびコイルパイプ位置固定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コイルパイプ位置固定部材において、ワイヤーを挿通するコイルパイプを容易に固定することができ、かつ固定位置の再調整が可能となることができるようにする。
【解決手段】コイルパイプ25を基端側固定部材27に固定するコイルパイプ位置固定部材28であって、押圧によって変形可能な軟性材料からなりコイルパイプ25の外周面に着脱可能に配置される弾性樹脂部材29A、29Bと、これらを内側に収容する収容部28aと、基端側固定部材27に設けられたスリット27aに着脱可能に嵌合して、位置を固定する外周溝部28cとを有する外枠部材28A、28Bと、を備え、外枠部材28A、28Bは、収容部28aとコイルパイプ25の外周面との間に弾性樹脂部材29A、29Bを挟み、これらをコイルパイプ25の外周面に密着させた状態で、スリット27aに外周溝部28cが嵌合することによりコイルパイプ25の位置を固定する。
【選択図】図5

Description

本発明は、コイルパイプ位置固定部材、マニピュレータ、およびコイルパイプ位置固定方法に関する。例えば、湾曲操作に用いるワイヤーを挿通するコイルパイプを固定するコイルパイプ位置固定部材、例えば内視鏡、処置具などの先端部の向きを変える湾曲操作を行うマニピュレータ、およびコイルパイプ位置固定部材を用いたコイルパイプ位置固定方法に関する。
従来、先端側の操作対象に連結されたワイヤーを基端側の操作部で操作する種々のマニピュレータが知られている。このようなマニピュテータの例としては、例えば、先端部の向きを変更するため、先端部の近傍に設けられた湾曲部を、ワイヤーを介して基端側で操作する工業用、医療用の内視鏡や、内視鏡チャンネルに挿入して用いる処置具などの例を挙げることができる。
例えば、内視鏡は、先端側から基端側に向かって、先端部、先端部の向きを変える湾曲部、先端部および湾曲部を被検体に挿入する可撓性を有する挿入部、および湾曲部に係止されて挿入部内に挿通されたワイヤーを牽引して湾曲部を湾曲させる操作部をこの順に備える。
先端部には、例えば、撮像素子(CCDなど)、光学系(レンズなど)などが設けられている。
湾曲部は多数の管状体(節輪)が上下左右方向に回動自在に連結して形成されており、この管状体に挿通されたワイヤーの長さが、操作部によって変更されることにより湾曲される。
挿入部は、被検体に挿入しやすいように細長の蛇管部あるいは可撓管部を有する。
被検体の種類にもよるが、挿入部は、1.5mから30m程度と非常に長い。特に工業用内視鏡においては、用途にもよるが、特に長い蛇管部をもつ場合が多い。
挿入部は、被検体内を曲がった状態で挿入されていくことが多いため、正確な湾曲操作を行うためには、挿入部が曲がっても、挿入部に挿通されるワイヤーの長さを一定に保つとともに曲げによる摺動抵抗の変化を抑制する必要がある。このため、挿入部の内部では、ワイヤーは、金属線が密巻きされて可撓性を有するコイルパイプに挿通されている。
コイルパイプは、挿入部に合わせて曲がることが可能であり、ワイヤーの張力がかかった状態でもほとんど圧縮されないため、内部の経路長がほとんど変化しない。
このようなコイルパイプは、必要な長さに切断され、例えば、特許文献1に記載されたように、端部を位置決め部に突き当てることにより、コイルパイプの端部の位置が固定されている。
また、コイルパイプは、その端部を金属部材に半田付け(ロー付け)して固定される場合もある。
特開2008−173472号公報
しかしながら、上記のような従来技術には、以下のような問題があった。
コイルパイプは、圧縮を受けてもほとんど長さが変わらないが、弾性体であるため、多少は変形し、全長が長い場合には、操作性能上無視できない長さの変化が発生する場合がある。また、コイルパイプの変形特性は、製造バラツキによっても異なるため、同一長さに切りそろえても、実際の使用時の圧縮特性にバラツキが生じる場合がある。
このため、特に、長尺のコイルパイプを用いる場合、マニピュレータの製造工程において、ワイヤーの牽引量に対する湾曲量が、所定の特性となるように、コイルパイプの長さや固定位置の調整を行う必要があった。
特許文献1に記載の技術では、コイルパイプの端部を位置決め部に突き当てて固定するため、コイルパイプの長さを伸ばす方向の調整はできない。このため調整に失敗すると、コイルパイプを廃棄しなければならず製造コストが増大する原因になっていた。
コイルパイプを半田付けする場合には、半田付けが終了するまでは、固定位置を調整することができるが、半田付けが終了すると、再調整は困難である。
また、コイルパイプには半田が乗りにくいステンレスが用いられるため、ステンレス用のフラックスが必要となる。このため、作業性が悪く、洗浄工程も増えるため、製造に手間がかかるという問題もある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、ワイヤーを挿通するコイルパイプを容易に固定することができ、かつ固定位置の再調整も容易となるコイルパイプ位置固定部材、およびこれを用いたコイルパイプ位置固定方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、操作に用いるワイヤーの牽引量に対する操作量を容易に調整することができるマニピュレータを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様のコイルパイプ位置固定部材は、ワイヤーを内部に挿通するため金属線が密巻きされたコイルパイプを、固定部材に対して固定するコイルパイプ位置固定部材であって、押圧によって変形可能な軟性材料からなり、前記コイルパイプの外周面に着脱可能に配置される押し当て部材と、該押し当て部材を内側に収容する収容部と、前記固定部材に設けられた嵌合部に着脱可能に嵌合して、前記固定部材に対する位置を固定する位置固定部とを有する外枠部材と、を備え、該外枠部材は、前記収容部と前記コイルパイプの外周面との間に前記押し当て部材を挟み、該押し当て部材を前記コイルパイプの外周面に密着させた状態で、前記固定部材の前記嵌合部に前記位置固定部が嵌合することにより、前記固定部材に対する前記コイルパイプの位置を固定する構成とする。
上記コイルパイプ位置固定部材においては、前記外枠部材は、前記嵌合部への嵌合時に筒体状となる複数の金属部材からなることが好ましい。
上記コイルパイプ位置固定部材においては、前記押し当て部材は、押圧によって弾性変形する樹脂部材を備えることが好ましい。
上記コイルパイプ位置固定部材においては、前記押し当て部材は、少なくとも前記コイルパイプの外周面に対して接離可能な接着性または粘着性を有する樹脂材料を表面に備えることが好ましい。
上記コイルパイプ位置固定部材においては、前記押し当て部材は、前記コイルパイプの外周面に面する表面に、前記コイルパイプの外周面の凹凸に係合する凹凸形状が形成されていることが好ましい。
本発明の第2の態様のマニピュレータは、操作を行うためのワイヤーと、該ワイヤーを牽引して前記操作を行う操作部と、金属線が密巻きされて可撓性を有し、前記ワイヤーを内部に挿通するコイルパイプと、前記操作部に対して前記コイルパイプの端部を固定するための固定部材と、該固定部材に対する前記コイルパイプの端部の位置を固定する上記コイルパイプ位置固定部材と、を備える構成とする。
上記マニピュレータは、先端部と、該先端部に連結された湾曲部と、該湾曲部の前記先端部と反対側の端部と前記操作部とを連結するとともに内部に前記コイルパイプが挿通された可撓管部と、を備え、前記固定部材は、前記操作部に接続された前記可撓管部の端部に設けられ、前記ワイヤーは、前記湾曲部では、該湾曲部の中心軸線を挟んで対向する位置に対をなして挿通され、前記操作部によって牽引量を変更することにより前記湾曲部を湾曲させる操作に用いられることが好ましい。
本発明の第3の態様のコイルパイプ位置固定方法は、金属線が密巻きされて可撓性を有しワイヤーを内部に挿通するコイルパイプを、固定部材に対して固定するコイルパイプ位置固定方法であって、前記コイルパイプの外周面に、上記コイルパイプ位置固定部材の前記押し当て部材、前記外枠部材をこの順に配置するコイルパイプ位置固定部材配置工程と、前記外枠部材の前記収容部と前記コイルパイプの外周面との間に前記押し当て部材を挟み、該押し当て部材を前記コイルパイプの外周面に密着させた状態で、前記固定部材の前記嵌合部に前記位置固定部を嵌合させて、前記固定部材に対する前記コイルパイプの位置を固定する位置固定工程と、を備える方法とする。
本発明のコイルパイプ位置固定部材およびコイルパイプ位置固定方法によれば、外枠部材とコイルパイプの外周面との間に押し当て部材を挟んで、コイルパイプの位置を固定するため、ワイヤーを挿通するコイルパイプを容易に固定することができ、かつ固定位置の再調整が可能となるという効果を奏する。
本発明のマニピュレータによれば、本発明のコイルパイプ位置固定部材を備えることによりコイルパイプの固定位置の再調整を行うことができるため、操作に用いるワイヤーの牽引量に対する操作量を容易に調整することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態のマニピュレータの構成を示す模式的な斜視図である。 本発明の第1の実施形態のマニピュレータの構成を示す模式的な正面図である。 図2におけるA部の詳細図である。 本発明の第1の実施形態のコイルパイプ位置固定部材の固定時の外観を示す模式的な斜視図である。 本発明の第1の実施形態のコイルパイプ位置固定部材の軸方向に沿う断面図、およびそのB−B断面図である。 本発明の第1の実施形態のコイルパイプ位置固定部材の模式的な分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態のコイルパイプ位置固定方法のコイルパイプ位置固定部材配置工程を示す工程説明図である。 図7におけるC−C断面図である。 本発明の第1の実施形態のマニピュレータにおける先端部の動作を説明する模式図である。 本発明の第2の実施形態のコイルパイプ位置固定部材の固定時の軸方向に沿う模式的な断面図である。 本発明の第2の実施形態のコイルパイプ位置固定部材の模式的な分解斜視図である。
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態のマニピュレータおよびコイルパイプ位置固定部材について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態のマニピュレータの構成を示す模式的な斜視図である。図2は、本発明の第1の実施形態のマニピュレータの構成を示す模式的な正面図である。図3は、図2におけるA部の詳細図である。図4は、本発明の第1の実施形態のコイルパイプ位置固定部材の固定時の外観を示す模式的な斜視図である。図5(a)は、本発明の第1の実施形態のコイルパイプ位置固定部材の軸方向に沿う断面図である。図5(b)は、図5(a)におけるB−B断面図である。図6は、本発明の第1の実施形態のコイルパイプ位置固定部材の模式的な分解斜視図である。
なお、各図面は模式図のため寸法や形状は誇張されている(後出の他の図面も同様)。
図1に示すように、本実施形態の内視鏡1(マニピュレータ)は、例えば、工業用内視鏡であり、挿入部11と、操作部12と、操作部12と電気的な接続をとるとともに照明光を供給するユニバーサルコード13とを備える。
挿入部11は、図示略の被検体に挿入するため、可撓性を有する管状に形成されており、先端側から順に、先端部14、湾曲部15、および蛇管部16(可撓管部)が連設して構成されている。
先端部14は、内視鏡1の最先端部に配置され、マニピュレータとしてのエンドエフェクタを備える部位である。本実施形態では、先端部14は、被検体の映像を取得するため、例えばCCDなどの撮像素子と、適宜のレンズを備える撮像光学系とを内部に含み、円柱状の外形を有する。
先端部14は、例えば、5〜10mm程度の長さを有し、その先端面14aには、背後に図示略の撮像光学系と撮像素子とが配置された観察窓20と、撮像光学系の視野範囲に照明光を照射する照明窓21とが設けられている。
湾曲部15は、先端部14の基端側に連結され、先端部14の向きを変更するため、湾曲可能となっている管状の部位であり、例えば、30mm前後の長さを有する。
湾曲部15は、図2に模式的に示すように、円環状の複数の節輪15A、15Bが、例えば、連結部15a、15bによって回動可能に連結されている。以下では、節輪15A、15Bの中心軸線を連ねた軸線を湾曲部15の中心軸線C15と称する。
連結部15aは、節輪15Aの先端側の端部に設けられ、先端側に隣接する節輪15Bと、湾曲部15の中心軸線C15に直交する一方向、例えば、図2の紙面垂直軸回りに回動可能に連結するものである。
連結部15bは、節輪15Aの基端側の端部に設けられ、基端側に隣接する節輪15Bと、湾曲部15の中心軸線C15および連結部15aの回動軸に直交する軸線回りに回動可能に連結するものである。
連結部15a、15bの具体的な構成例としては、節輪15A、15Bから湾曲部15の中心軸線C15に沿う方向に突出された突片同士を回動可能にピン結合した構成を採用することができる。
各節輪15A、15Bには、内周面において、周方向を4等分する4箇所の位置に、湾曲操作を行うためのワイヤー22を湾曲部15の中心軸線C15に沿う方向に挿通する挿通孔からなるワイヤー挿通部15cが設けられている。
図2は模式図のため、ワイヤー22のうち、連結部15aの回動軸に直交する方向に延ばされたワイヤー22のみを図示している。
また、図2では図示を省略しているが、湾曲部15の内部には、例えば、先端部14の撮像素子に接続された電気配線や、照明窓21まで延ばされたライトガイドなどの部材が収容されている。これらの電気配線やライトガイドなどの部材は、後述する蛇管部16の内部に挿通されて、操作部12まで延ばされている。
蛇管部16は、図2に示すように、湾曲部15と、後述する操作部12とを繋ぐ、可撓性を有する管状部分であり、例えば、1.5m〜30m程度の長さを有する。
蛇管部16は、例えば、金属あるいは樹脂製の帯状部材が螺旋状に巻かれた図示略の蛇管部本体の外周部に、軟性の被覆チューブ16aが被覆された構成を採用することができる。被覆チューブ16aとしては、例えば、樹脂チューブや、金属製の網状管などを採用することができる。
このような構成により、蛇管部16は、略円形の断面を保持した状態で、適宜方向に曲がることができる。
蛇管部16の先端16Aは、湾曲部15の基端側に連結され、基端16Bは、操作部12と連結されている。
蛇管部16の内部には、湾曲部15の4箇所から基端側に向かって延びるワイヤー22をそれぞれ挿通する4本のコイルパイプ25が先端16Aから基端16Bまでの間に挿通されている。
コイルパイプ25は、ワイヤー22を挿通させるために金属線を螺旋状に密巻して形成された可撓性を有する細長い管状部材である。
コイルパイプ25の内径は、ワイヤー22が摺動可能に挿通できるように、ワイヤー22の外径よりもわずかに大径となるように形成される。例えば、ワイヤー22の外径が直径0.3mmの場合、コイルパイプ25の内径は、直径0.35mmとすることが可能である。
コイルパイプ25を形成する金属線は、例えば、直径0.2mmのステンレス製の金属線を採用することができる。
コイルパイプ25は、外力を受けると、曲がることが可能であるが、長手方向には、ほとんど縮むことが無いように作られている。
ここで、ほとんど縮むことがないというのは、密巻きであるため、コイルばねのように収縮することはないが、種々の原因により、わずかに縮む場合があるためである。
例えば、コイルパイプ25が軸方向に圧縮力を受けると、コイルパイプ25を構成する金属線の巻ピッチ方向に弾性変形するため縮む可能性がある。
また、製造誤差により金属線の巻線ピッチがばらついていると縮みが発生する。
また、このような弾性変形や製造誤差が無視できたとしても、蛇管部16内の収容スペースや、組立バラツキなどによっては、コイルパイプ25が蛇管部16内に湾曲して配置される場合がある。
この場合、コイルパイプ25が湾曲した部位では、湾曲の外周側の金属線がわずかに開くため、コイルパイプ25の中心軸線の長さは、真直状態の場合よりも長くなる。つまり、コイルパイプ25に挿通されるワイヤー22の経路長としては、真直状態のコイルパイプ25の経路長よりもわずかに長くなる。
このようなコイルパイプ25に挿通されたワイヤー22に張力が加わって、湾曲した部位の金属線間の隙間が詰まると、真直時の自然長に近づくため、コイルパイプ25の見かけ上の長さが縮むことになる。
各コイルパイプ25は、その両端部が、蛇管部16の先端16Aに設けられた先端側固定部材26と、蛇管部16の基端16Bに設けられた基端側固定部材27とにおいて固定されている。本実施形態では、図3に基端側固定部材27における固定状態を示すように、コイルパイプ25は、コイルパイプ位置固定部材28を介して固定されている。
以下では、個々のコイルパイプ25を区別する必要がある場合には、例えば、コイルパイプ25A、25Bなどのように、符号に添字をつけて区別する。
コイルパイプ位置固定部材28の詳細構成についてはその固定方法と併せて後述する。
操作部12は、蛇管部16の先端16Aに対する先端部14の向きを変えるなどのために使用者が操作を行う部分である。
操作部12は、図1に示すように、蛇管部16の基端16Bに連結され、基端側固定部材27と一体に設けられた操作部支持体30を有し、操作部支持体30に、湾曲ノブ17、18、および操作スイッチ19が設けられている。
湾曲ノブ17は、湾曲部15を図1の図示C方向(図2のC方向に対応)に湾曲させる操作を行う部材であり、操作部支持体30に回動可能に固定されている。
湾曲ノブ18は、湾曲部15を、図示C方向と直交する方向である図示D方向(図1参照)に湾曲させる操作を行う部材であり、操作部支持体30において、湾曲ノブ17と同軸の位置に回動可能に固定されている。
操作スイッチ19は、内視鏡1の湾曲操作以外の操作、例えば、撮像動作、照明動作などを遠隔操作するスイッチ類である。操作スイッチ19は、それぞれのスイッチ機能に応じて、例えば、ユニバーサルコード13を介して図示略の制御装置、表示装置、光源装置などと電気的に接続されたり、先端部14の撮像素子を含む回路と電気的に接続されたりしている。
図2に示すように、湾曲ノブ17は、操作部支持体30に回転支持された回動軸23aを介して、ワイヤー22の中間部22Cが掛け回されたプーリー23が連結されている。
図示は省略するが、同様に、湾曲ノブ18も操作部支持体30に回転支持された回動軸を介して、他のワイヤー22の中間部が掛け回わされたプーリーが連結されている。
プーリー23に掛け回されたワイヤー22は、図3に示すように、蛇管部16の基端16Bに向かって延ばされ、蛇管部16の中心軸線C16を挟んで対向する位置に配置されて基端側固定部材27に固定された2つのコイルパイプ25A、25Bの内部にそれぞれ挿入されている。
コイルパイプ25Aに挿入されたワイヤー22の端部は、図2に示すように、コイルパイプ25Aの反対側の端部から湾曲部15内に延出されている。コイルパイプ25Aから延出されたワイヤー22は、湾曲部15内のワイヤー挿通部15cに順次挿通され、先端部14の基端部に設けられた接続部24Aによって、先端部14に固定されている。
コイルパイプ25Bに挿入された、ワイヤー22の端部は、コイルパイプ25Bの反対側の端部から湾曲部15内に延出されている。コイルパイプ25Bから延出されたワイヤー22は、湾曲部15内のワイヤー挿通部15cに順次挿通され、先端部14の基端部に設けられた接続部24Bによって、先端部14に固定されている。
接続部24A、24Bは、例えば、半田付け(ロー付け)などからなる。
このように、ワイヤー22は、湾曲部15および蛇管部16の内部では各中心軸線C15、C16を挟んで並行して配回され、中間部22Cではプーリー23に掛け回され、両端部が先端部14に固定されることで、U字状をなして張架されている。
ワイヤー22は、接続部24A、24Bの固定時に適宜の張力が設定されており、このため、湾曲ノブ17を回動すると、プーリー23の回動角に応じて、ワイヤー22が牽引または繰り出される。
例えば、図2において、湾曲ノブ17が図示時計回り(反時計回り)に回動されると、コイルパイプ25A(25B)に挿通されたワイヤー22がプーリー23側に牽引され、コイルパイプ25A(25B)から先端部14までのワイヤー延出部22A(22B)の長さが短くなる。
このため、例えば、湾曲部15が図2のような真直な状態から、図示時計回り(反時計回り)に湾曲し、これにより、先端部14が時計回り(反時計回り)に回動する。
このように湾曲ノブ17を回動操作することで、先端部14の向きを、矢印C方向に沿って、適宜変更することができる。
図示は省略するが、湾曲ノブ18に連結されたプーリーに掛け回された他のワイヤー22は、蛇管部16の基端16Bの基端側固定部材27に固定された他のコイルパイプ25に向かって延ばされ、各コイルパイプ25の内部にそれぞれ挿入されている。
このワイヤー22の蛇管部16、湾曲部15における配置は、プーリー23に掛け回されたワイヤー22と配置方向が90度異なる点を除いて、上述のワイヤー22と同様である。
このため、同様に湾曲ノブ18を回動操作することで、先端部14の向きを、矢印C方向と直交する図1の矢印D方向に沿って、適宜変更することができる。
湾曲ノブ17を用いた湾曲操作と、湾曲ノブ18を用いた湾曲操作とは、湾曲方向が異なるのみで、構成上の本質的な差異はないため、以下では、湾曲操作に関する説明は、湾曲ノブ17による湾曲操作に関する構成を中心として説明する。
ここで、コイルパイプ位置固定部材28の詳細構成について説明する。
図4に示すように、コイルパイプ位置固定部材28は、コイルパイプ25の外周側を内部で保持した状態で、基端側固定部材27に設けられたU字状のスリット27a(嵌合部)に嵌め込まれて、位置が固定されている。
スリット27aは、図3に示すように、基端側固定部材27において、蛇管部16の中心軸線C16に直交して配置された平板部27bに形成されている。
図5(a)、(b)、図6に示すように、コイルパイプ位置固定部材28は、外枠部材28A、28B、弾性樹脂部材29A、29B(押し当て部材)を備える。
外枠部材28A、28Bは、それぞれ、軸方向に厚さが変化する略円筒状部材をその中心軸線Oを含む平面で二分割した形状を有する部材である。
外枠部材28A、28Bの外形は、図5(a)に示すように、半径rの円筒面からなる外周面28dと、軸方向の中間部に整列するように、外周面28dの周方向に沿って半円状に形成された外周溝部28c(位置固定部)とを有している。すなわち、外周溝部28cの溝底の半径をrと表すと、r<rである。
ここで半径rは、スリット27aの幅の半分の大きさとされている。
外周溝部28cの溝幅は、平板部27bの厚さよりもわずかに大きく、これにより、スリット27aの内縁部に着脱可能に嵌め込むことが可能である。
また、外枠部材28A、28Bは、それぞれ外周面28dの中心軸線Oを含み、互いに当接可能な平面部28e(図5(b)、図6参照)を有している。
平面部28eには、中心軸線Oに沿って延びる断面半円状の溝部が貫通されている。この溝部は、軸方向の両端部に形成された半径rの半円断面を有する端部溝部28bと、軸方向の中間部において端部溝部28bよりも大径の半径rの半円断面を有する収容部28aとによって形成されている。
ここで、半径rは、コイルパイプ25の外半径rよりも大きく、半径rは、外周溝部28cの半径rよりも小さい。すなわち、r<r<r<rの関係を満足する。
このような構成により、収容部28aは、平面部28eから見た開口形状が矩形状とされ、端部溝部28bが形成された部位から径方向外方に陥没する半円柱状の空間が形成されている。このため、収容部28aの軸方向の両端部には、収容部28aから端部溝部28bまで突出する段状部が形成されている。
図5(b)、図6に示すように、外枠部材28Aには、固定ねじ31を挿通するため、収容部28aの両側方において外周面28dおよび平面部28eに貫通する複数のねじ挿通孔28fが設けられている。図6には、一例として、ねじ挿通孔28fが、収容部28aの一側方において外周溝部28cを挟む2箇所に設けられた場合を図示している。なお、図示の視点からは隠れているため図示していないが、収容部28aを挟んで反対側の側方には、同様の位置関係にある2箇所にもねじ挿通孔28fが設けられている。
外枠部材28Bには、外枠部材28Aの各ねじ挿通孔28fに対応して、固定ねじ31を螺合する雌ねじ部28gがそれぞれ設けられている。なお、図6では、ねじ挿通孔28fと同様の理由で4箇所のうち2箇所のみが図示されている。
雌ねじ部28gの位置は、外枠部材28A、28Bをそれぞれの外周溝部28cが整列した状態で、各平面部28eを合わせたときに、各ねじ挿通孔28fの中心軸線と同軸となる位置になっている。
このような構成の外枠部材28A、28Bの材質は、基端側固定部材27に固定することができ、ワイヤー22の牽引操作時の外力に耐えることができれば、特に限定されず、例えば、樹脂、金属、あるいはこれらの複合体の採用が可能である。ただし、外枠部材28A、28Bは、金属製であることがより好ましい。本実施形態では、一例として、真鍮製の金属部材を採用している。
弾性樹脂部材29A、29Bは、それぞれ、外枠部材28A、28Bの収容部28aに収容され、コイルパイプ25の外周面に着脱可能に当接する樹脂製の弾性材料からなる。このため、弾性樹脂部材29A、29Bは、押圧によって変形可能な軟性材料になっている。
弾性樹脂部材29A、29Bの形状は、収容部28aの軸方向の長さと略等しい長さを有し、断面が半円弧状の形状を有する。
弾性樹脂部材29A、29Bの外周面29aの半径は、rに等しい。このため、外周面29aが、それぞれ外枠部材28A、28Bの収容部28aと密着することが可能である。
弾性樹脂部材29A、29Bの厚さは、外力を受けない自然状態では、r−rよりも厚くなっている。
このような構成により、弾性樹脂部材29A、29Bは、収容部28aとコイルパイプ25の外周面との間に挟まれて圧縮された状態で、コイルパイプ25を挟持し、その摩擦力によって、コイルパイプ25の軸方向の位置を固定することができる。
弾性樹脂部材29A、29Bの内周面は、滑らかな円筒面状でもよいが、コイルパイプ25との摩擦力を増大させるために凹凸形状を設けることが可能である。
本実施形態では、図6に示すように、凹凸形状の一例として、コイルパイプ25の巻線ピッチに等しい螺旋溝29bが形成されている。
このような螺旋溝29bは、特に、コイルパイプ25の外周面の凹凸に係合する凹凸形状になっているため、効率的に摩擦力を増大させることができる。
弾性樹脂部材29A、29Bの材質としては、例えば、ゴムやエラストマーなどの成形品を採用することができる。本実施形態では、一例として、ゴム硬度A50のシリコンゴム成形品を用いている。
このようなコイルパイプ位置固定部材28を用いた本実施形態のコイルパイプ位置固定方法について説明する。
図7は、本発明の第1の実施形態のコイルパイプ位置固定方法のコイルパイプ位置固定部材配置工程を示す工程説明図である。図8は、図7におけるC−C断面図である。図9は、本発明の第1の実施形態のマニピュレータにおける先端部の動作を説明する模式図である。
まず、本方法を開始するまでの間に、コイルパイプ25と基端側固定部材27との固定を除く他の内視鏡1の構成を組み立てておく。
このため、各コイルパイプ25の先端部は、先端側固定部材26に固定されている。また、各ワイヤー22は、各コイルパイプ25を挿通された状態で、プーリー23等に掛け回され、各端部が、例えば、接続部24A、24Bなどの対応する接続部に固定されている。
本実施形態のコイルパイプ位置固定方法は、コイルパイプ位置固定部材配置工程および位置固定工程を備え、これらをこの順に行う方法である。なお、これらの動作は、いずれのコイルパイプ25においても共通するため、以下では1つのコイルパイプ25について、それぞれの工程を説明する。
コイルパイプ位置固定部材配置工程は、コイルパイプ25の外周面に、コイルパイプ位置固定部材28の弾性樹脂部材29A(29B)と、外枠部材28A(28B)とをこの順に配置する工程である。
本工程では、例えば、図6に示すように、コイルパイプ25を挟んで、弾性樹脂部材29A、29Bを互いの内周面である螺旋溝29bが対向するように配置し、さらに、その外側に、弾性樹脂部材29A(29B)の外周面29aに、収容部28aが対向するように、外枠部材28A(28B)を配置することが可能である。
本実施形態では、図7に示すように、予め、弾性樹脂部材29A(29B)を、その外周面29aが収容部28aに当接するように、外枠部材28A(28B)内に配置して、外枠部材28A(28B)と弾性樹脂部材29A(29B)との組立体を形成する。
弾性樹脂部材29A(29B)は、軸方向の長さが収容部28aの長さに等しく、外周面29aの半径が、収容部28aの半径rに等しいため、収容部28aによって形成される半円柱状の空間にガタなく収容される。
次に、これらの組立体をコイルパイプ25の側方に配置する。このとき、各組立体は、図示白抜き矢印のような軸方向に相対移動可能であるため、コイルパイプ25を固定したい部位に、各組立体を移動する。
以上で、コイルパイプ位置固定部材配置工程が終了する。
次に、位置固定工程を行う。本工程は、外枠部材の収容部とコイルパイプの外周面との間に押し当て部材を挟み、この押し当て部材をコイルパイプの外周面に密着させた状態で、固定部材の嵌合部に位置固定部を嵌合させて、固定部材に対するコイルパイプの位置を固定する工程である。
まず、外枠部材28A(28B)と弾性樹脂部材29A(29B)との組立体を、図7、8の白抜き矢印のようにコイルパイプ25の外周面に向けて移動し、各螺旋溝29bをコイルパイプ25の外周面に当接させる。
このとき、螺旋溝29bの溝径は、コイルパイプ25の外周面の半径rよりも小さいため、螺旋溝29bがコイルパイプ25の外周面に密着しても、各平面部28eは互いに離間している。
次に、図示略の固定ねじ31を外枠部材28Aの収容部28a(図6参照)に挿入し、外枠部材28Bの雌ねじ部28gに螺合する。そして、外枠部材28A、28Bの各平面部28eが互いに当接するまで、各固定ねじ31のネジ締めを行う。
これにより、弾性樹脂部材29A、29Bが径方向に圧縮されて、収容部28aおよびコイルパイプ25の外周面に密着し、コイルパイプ位置固定部材28によって、コイルパイプ25が弾性的に挟持される。この結果、コイルパイプ25に対して、コイルパイプ位置固定部材28の位置が固定される。
このとき、各外周溝部28cは整列され、コイルパイプ位置固定部材28の外周部には、各外周溝部28cにより半径rの円周に沿って外周を周回する1条の溝部が形成される。
次に、外周溝部28cを基端側固定部材27のスリット27aの開口部から嵌合させる。これにより、図5(a)、(b)に示すように、コイルパイプ位置固定部材28の軸方向の位置が、平板部27bの位置に位置決めされ、コイルパイプ位置固定部材28の径方向の位置が、スリット27aの円弧部によって位置決めされて、基端側固定部材27に固定される。
以上で、位置固定工程が終了する。
このようにして、コイルパイプ25が固定されると、例えば、操作部12の湾曲ノブ17を回動すると、ワイヤー22が湾曲ノブ17の回動方向に牽引されて、湾曲部15が湾曲する。
具体的には、例えば、図9に示すように、湾曲ノブ17に連動するプーリー23が図示時計回りに操作角φだけ回動し、コイルパイプ25A内のワイヤー22が図示右側に長さΔだけ牽引され、硬度調整用コイルパイプ25B内のワイヤー22が図示左側に長さΔだけ繰り出される。
これにより、ワイヤー延出部22Aの長さL22Aが短くなり、ワイヤー延出部22Bの長さL22Bが長くなることで、湾曲部15が湾曲して、湾曲部15の先端に連結された先端部14が図示時計回りに回転するとともに傾斜していく。
例えば、湾曲部15の真直状態(図2参照)から、蛇管部16の先端16Aの中心軸線に対する先端部14の中心軸線の傾き角度はθになる。
このとき、湾曲ノブ17によって、操作角φと傾き角度θとが所定の関係になる操作を行うには、操作角φの回動によるワイヤー22の牽引量Δが、ワイヤー延出部22A、22Bのうち、張り側の長さ、例えば、図7の場合には、長さL22Aの変化が、一定値Δ’になる必要がある。
コイルパイプ25Aの長さが一定で、張力の変化によるワイヤー22の伸びを無視できれば、短縮量Δ’は牽引量Δと常に一致する。
そもそも、コイルパイプ25は、蛇管部16がどのように曲げられても、蛇管部16内に挿通される部分のワイヤー22の経路長を一定に保つために設けられている。しかし、厳密に言えば、コイルパイプ25を一定の長さに切り出しただけでは、同一の性能が得られるとは限らない。
例えば、コイルパイプ25の密巻きの加工精度にバラツキがあると、コイルパイプ25の圧縮による長さ変化が生じる。
また、コイルパイプ25の内径の大きさにバラツキがあると、ワイヤー22の牽引時に摩擦負荷が大きくなる場合があり、ワイヤー22の牽引力の伝達効率が低下して、短縮量Δ’が小さくなってしまう。
コイルパイプ25を蛇管部16内に挿通して配置する際、蛇管部16内の他の配置物との関係で決まる空きスペースによっては、蛇管部16内でコイルパイプ25自体が蛇行して配置される場合がある。
この場合には、コイルパイプ25の蛇行によりワイヤー22の牽引時に摩擦負荷が大きくなったり、コイルパイプ25の蛇行を矯正する仕事にワイヤー22の張力が費やされる結果、ワイヤー22の伸びが増えたりする。このため、ワイヤー22の牽引力の伝達効率が低下し、短縮量Δ’が小さくなってしまう。
これらの原因による性能のバラツキは、コイルパイプ25の長さが長くなるほど顕著に現れる。
このように、組立時におけるコイルパイプ25の実質的な長さの変化や、摺動抵抗の変化などにより、一定の牽引量Δに対するワイヤー延出部22Aの短縮量Δ’は組立体ごとに相違する可能性がある。
また、同様に、1つの組立体内でも、コイルパイプ25A、25Bにおける実質的な長さや摺動抵抗が異なる可能性があるため、操作方向によって、短縮量Δ’が相違する可能性がある。
このため、以上のように、コイルパイプ25を固定して、実際に湾曲操作を行った場合、操作角φと先端部14の傾き角度θとの関係が、設計仕様と異なる場合が出てくる。
あるいは、湾曲ノブ17の操作方向によって、操作角φと傾き角度θとの関係が相違する場合が出てくる。
このような場合、牽引量Δに対する張り側のワイヤー延出部22Aの短縮量Δ’が、設計仕様と相違することになる。このため、傾き角度θのズレ量を張り側のワイヤー延出部22Aの短縮量Δ’の誤差εに換算することができる。
すなわち、傾き角度θが増加(減少)しすぎている場合、短縮量Δ’が、設計仕様値に比べて誤差εだけ大きい(小さい)ことになる。
基端側固定部材27とプーリー23との位置関係は、操作部支持体30によって固定されている。このため、基端側固定部材27に固定されたコイルパイプ25から延出されてプーリー23に掛け回されるワイヤー22の経路長は一定である。
一方、基端側固定部材27から接続部24Aまでのワイヤー22の経路長は、ワイヤー延出部22Aの長さと、先端側固定部材26から基端側固定部材27までのコイルパイプ25の長さとの和になっている。このため、先端側固定部材26と基端側固定部材27との間のコイルパイプ25の長さを変更することで、相対的にワイヤー延出部22Aにおけるワイヤー22の経路長を変更することが可能である。
つまり、基端側固定部材27に対するコイルパイプ25の固定位置を変更して、誤差εだけコイルパイプ25Aの固定長を短縮(延長)することで、ワイヤー延出部22Aの長さL22Aを補正することができる。
本実施形態では、コイルパイプ位置固定部材28は、コイルパイプ25および基端側固定部材27に対して着脱可能に固定されている。このため、操作角φと傾き角度θとの関係が、設計仕様と異なる場合には、短縮量Δ’の誤差εを補正する方向に、コイルパイプ位置固定部材28の固定位置をずらすことができる。
すなわち、現状のコイルパイプ位置固定部材28の固定位置が分かるようにしておき、上記の各工程を逆順に行って、コイルパイプ位置固定部材28をコイルパイプ25から取り外す。そして、上記コイルパイプ位置固定部材配置工程において、誤差εだけコイルパイプ位置固定部材28の配置位置をずらして、上記と同様の工程を繰り返す。
このようにして、操作角φと傾き角度θとの関係を設計仕様に合致させる調整を行うことができる。
以上説明したように、本実施形態のコイルパイプ位置固定部材28およびこれを用いた本実施形態のコイルパイプ位置固定方法によれば、外枠部材28A(28B)とコイルパイプ25の外周面との間に弾性樹脂部材29A(29B)を挟んで、コイルパイプ25の位置を固定する。このため、内視鏡1の湾曲操作に用いるワイヤー22を挿通するコイルパイプ25を容易に固定することができ、かつ固定位置の再調整が可能となる。
また、内視鏡1によれば、コイルパイプ位置固定部材28を備えるため、湾曲操作におけるワイヤー22の牽引量に対する湾曲量(操作量)を容易に調整することができる。
[第1変形例]
次に、本実施形態の第1変形例について説明する。
図5(a)に示すように、本変形例のコイルパイプ位置固定部材38は、上記第1の実施形態の外枠部材28A、28Bに代えて、外枠部材38A、38Bを備え、固定ねじ31を削除したものである。
コイルパイプ位置固定部材38は、上記第1の実施形態のコイルパイプ位置固定部材28と同様に、内視鏡1におけるコイルパイプ25の固定に用いることができる。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
外枠部材38Aは、上記第1の実施形態の外枠部材28Aのねじ挿通孔28fを削除した点のみが外枠部材28Aと異なる。
外枠部材38Bは、上記第1の実施形態の外枠部材28Bの雌ねじ部28gを削除した点のみが外枠部材28Bと異なる。
本変形例によるコイルパイプ位置固定方法は、上記第1の実施形態の位置固定工程において、固定ねじ31を用いることなく、基端側固定部材27への固定を行う点が、上記第1の実施形態と異なる。
すなわち、本変形例では、上記第1の実施形態と同様にして、外枠部材38A(38B)と弾性樹脂部材29A(29B)との組立体を形成する。次に、この組立体を、コイルパイプ25を固定する位置で、コイルパイプ25の両側から挟んで、各螺旋溝29bをコイルパイプ25の外周面に向けて移動して、螺旋溝29bをコイルパイプ25の外周面に当接させる。
次に、この組立体によってコイルパイプ25を弾性的に挟持した状態で、各平面部28eがスリット27aの深さ方向に略平行となる姿勢を保ちながら、外周溝部28cをスリット27aの開口部から挿入して嵌合させる。
本変形例では、組立体の各平面部28eは必ずしも当接されていないため、嵌合時の初期は、外枠部材38A、38Bの各外周溝部28cの溝底の間隔は、2・rより大きい。しかし、スリット27aに押し込んで行くにつれて、外枠部材38A、38Bがスリット27aの内周面から外力を受けて、スリット27aの中心に向かって移動される。このため、各平面部28eの間隔が漸次縮小し、弾性樹脂部材29A、29Bの弾性変形が進む。
このようにして、組立体が、スリット27aの内部に押し込まれると、各平面部28eが略当接した状態になって、図5(a)に示すようなコイルパイプ位置固定部材38が形成される。
コイルパイプ位置固定部材38は、軸方向および径方向の位置が、上記第1の実施形態と同様にスリット27aによって位置決めされて、基端側固定部材27に固定される。
以上で、本変形例の位置固定工程が終了する。
このような固定状態では、外枠部材38A、38B同士は、互いに固定されてはいないが、弾性樹脂部材29A、29Bの弾性復元力によって、スリット27aの内周面に付勢されている。このため、コイルパイプ25は、弾性樹脂部材29A、29Bから弾性力を受けており、上記第1の実施形態と同様に、摩擦力によって、コイルパイプ位置固定部材38に固定されている。
本変形例によれば、固定ねじ31を用いないため、位置固定工程をより迅速に行うことができ、再調整を行う場合にも迅速に再調整を行うことができる。
[第2変形例]
次に、本実施形態の第2変形例について説明する。
図5(a)に示すように、本変形例のコイルパイプ位置固定部材48は、上記第1の実施形態の弾性樹脂部材29A、29Bに代えて、弾性樹脂部材49A、49B(押し当て部材)を備える。
コイルパイプ位置固定部材48は、上記第1の実施形態のコイルパイプ位置固定部材28と同様に、内視鏡1におけるコイルパイプ25の固定に用いることができる。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
弾性樹脂部材49A、49Bは、上記第1の実施形態の弾性樹脂部材29A、29Bが、半円筒状に成形された成形品からなるのに対して、同材質の矩形シート部材からなる点が弾性樹脂部材29A、29Bと異なる。
弾性樹脂部材49A、49Bの面積は、それぞれ、外枠部材28A、28Bの収容部28aの略全面に密着できるように、収容部28aの面積と略同一とする。
弾性樹脂部材49A、49Bの厚さは、外力を受けない自然状態では、r−rよりも厚くなっている。
本変形例によるコイルパイプ位置固定方法は、上記第1の実施形態のコイルパイプ位置固定部材配置工程において、弾性樹脂部材29A、29Bに代えて、弾性樹脂部材49A、49Bを配置する点が上記第1の実施形態と異なる。
弾性樹脂部材49A、49Bは、シート状部材であるため、収容部28aの円筒面に沿うように、湾曲させて収容する。
このとき、弾性樹脂部材49A、49Bは、湾曲された状態で収容部28aに当接されるため、弾性復元力が収容部28aに付勢され、収容部28aとの摩擦力によって、当接状態が維持される。
なお、弾性樹脂部材49A、49Bの材質によって、収容部28aとの摩擦力が不足する場合には、弾性樹脂部材49A、49Bと収容部28aとの間に、例えば、粘着剤など介在させて、当接状態を安定させるようにしてもよい。
本変形例のコイルパイプ位置固定部材配置工程で形成される外枠部材28A(28B)と弾性樹脂部材49A(49B)とによる組立体は、上記第1の実施形態の内周面が螺旋溝29bになっているのに対して、平滑な内周面になっている点が、上記第1の実施形態と異なる。
本変形例の位置固定工程では、コイルパイプ25の外周面と当接する弾性樹脂部材49A(49B)の内周面が平滑な円筒面になっている点が異なるのみで、上記第1の実施形態と同様にして、コイルパイプ25の外周面に固定することができる。
このとき、弾性樹脂部材49A(49B)の内周面には、凹凸形状が形成されていない。しかし、弾性樹脂部材49A(49B)は軟性の弾性材料からなるため、弾性係数と厚さとを適宜設定することにより、弾性樹脂部材49A、49Bの内周面をコイルパイプ25の凹凸形状に沿って変形させることが可能である。
これにより、コイルパイプ25の外周面と弾性樹脂部材49A(49B)の内周面との間の摩擦力を向上することができる。
本変形例によれば、弾性樹脂部材49A、49Bとして、シート状部材を切断するなどして用いることができるため、部品コストを低減することができる。
[第3変形例]
次に、本実施形態の第3変形例について説明する。
図5(a)に示すように、本変形例のコイルパイプ位置固定部材58は、上記第1の実施形態の弾性樹脂部材29A、29Bに代えて、接着樹脂部材59A、59B(押し当て部材)を備える。
コイルパイプ位置固定部材58は、上記第1の実施形態のコイルパイプ位置固定部材28と同様に、内視鏡1におけるコイルパイプ25の固定に用いることができる。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
接着樹脂部材59A、59Bは、外枠部材28A、28Bの収容部28a上に配置された接着性または粘着性を有する樹脂材料からなる。
接着樹脂部材59A、59Bは、外枠部材28A、28Bおよびコイルパイプ25との繰り返しの接離が可能となるように、離型性が良好な材料からなることが好ましい。
接着樹脂部材59A、59Bに好適な樹脂材料としては、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤などを好適に採用することができる。
本変形例によるコイルパイプ位置固定方法は、上記第1の実施形態のコイルパイプ位置固定部材配置工程において、弾性樹脂部材29A、29Bに代えて、接着樹脂部材59A、59Bを、収容部28a上に配置する点が、上記第1の実施形態と異なる。
接着樹脂部材59A、59Bの配置方法としては、r−rよりも厚いシート状に成形された高粘性材料を収容部28aに転写することにより配置する方法や、液状の材料を収容部28a上にr−rよりも厚く塗布して配置する方法などを採用することができる。
本変形例のコイルパイプ位置固定部材配置工程で形成される外枠部材28A(28B)と接着樹脂部材59A(59B)とによる組立体は、接着樹脂部材59A(59B)が配置状態では弾性体ではない軟性材料からなる点と、上記第1の実施形態の内周面が螺旋溝29bになっているのに対して、平滑な内周面になっている点とが、上記第1の実施形態と異なる。
本変形例の位置固定工程では、コイルパイプ25の外周面と当接する接着樹脂部材59A(59B)が、その接着性または粘着性によりコイルパイプ25の外周面に密着することができる。
したがって、コイルパイプ25が弾性復元力によって付勢されることはないが、引抜き力に対しては、接着樹脂部材59A(59B)の材質の粘弾性等に基づくせん断抵抗が発生するため、固定状態を維持することができる。
これにより、コイルパイプ25が径方向に受ける圧縮力を低減することができるため、コイルパイプ25の金属線を細径化することにより、コイルパイプ25の外径自体を低減することができる。このため、蛇管部16の外径を低減したり、蛇管部16内の挿通スペースを増大させたりすることが可能になる。
本変形例では、接着樹脂部材59A(59B)の材料として、繰り返しの接離が可能な材料を用いる場合には、上記第1の実施形態と同様にして、コイルパイプ位置固定部材58を分解して、再度固定すればよい。
ただし、繰り返しの接離によって、密着力が劣化する場合には、上記第1の実施形態と同様にして、コイルパイプ位置固定部材58を分解してから、接着樹脂部材59A(59B)を除去し、新たに他の接着樹脂部材59A(59B)を配置することが可能である。
[第4変形例]
次に、本実施形態の第4変形例について説明する。
図5(a)に示すように、本変形例のコイルパイプ位置固定部材68は、上記第1の実施形態の弾性樹脂部材29A、29Bに代えて、両面接着テープ69A、69B(押し当て部材)を備える。
コイルパイプ位置固定部材68は、上記第1の実施形態のコイルパイプ位置固定部材28と同様に、内視鏡1におけるコイルパイプ25の固定に用いることができる。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
両面接着テープ69A、69Bは、図示略の基材テープの表裏面に接着性または粘着性を有する樹脂材料層が設けられたもので、表裏の接着面が外枠部材28A、28Bの収容部28aと、コイルパイプ25の外周面とに感圧接着されている。
両面接着テープ69A、69Bにおいて、表裏の樹脂材料層は、外枠部材28A、28Bおよびコイルパイプ25との離型性が良好な材料からなることが好ましい。
両面接着テープ69A、69Bに好適な樹脂材料層としては、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、ポリウレタン系接着剤などを好適に採用することができる。
両面接着テープ69A、69Bの厚さは、r−rよりも厚くしておく。
基材テープの厚さと、接着性または粘着性を有する樹脂材料層の厚さの比は、樹脂材料層の接着力の大きさに応じて、適宜の比率に設定することができる。
本変形例によるコイルパイプ位置固定方法は、上記第1の実施形態のコイルパイプ位置固定部材配置工程において、弾性樹脂部材29A、29Bに代えて、両面接着テープ69A、69Bを、収容部28a上に貼り付けて配置する点が、上記第1の実施形態と異なる。
本変形例のコイルパイプ位置固定部材68によれば、上記第3変形例と同様に、両面接着テープ69A、69Bの表裏における樹脂材料層によって、収容部28aおよびコイルパイプ25の外周面がそれぞれ接着固定される。
さらに、両面接着テープ69A、69Bは、それらの樹脂材料層の間に基材テープを有するため、貼付が容易となり、作業性が向上する。
また、基材テープの材質や厚さを適宜選定することにより、せん断抵抗の大きさを調整しやすくなる。また、剥離する場合にも、基材テープとともに剥離できるため、剥がし残りを低減することができる。このため、再調整時の作業性を向上することができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態のマニピュレータおよびコイルパイプ位置固定部材について説明する。
図10は、本発明の第2の実施形態のコイルパイプ位置固定部材の固定時の軸方向に沿う模式的な断面図である。図11は、本発明の第2の実施形態のコイルパイプ位置固定部材の模式的な分解斜視図である。
図10に示すように、本実施形態のコイルパイプ位置固定部材78は、上記第1の実施形態の外枠部材28A、28Bに代えて、両面接着テープ69A、69B(押し当て部材)を備える。
コイルパイプ位置固定部材78は、本実施形態の内視鏡71(マニピュレータ、図1参照)におけるコイルパイプ25の固定に用いることができる。
本実施形態の内視鏡71は、図10に示すように、上記第1の実施形態の内視鏡1の基端側固定部材27に代えて基端側固定部材77(固定部材)を備える
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
外枠部材78A、78Bは、上記第1の実施形態の外枠部材28A、28Bの外周溝部28cを削除し、軸方向の一端部に外周面28dの中心軸線Oと同軸に形成された円錐状のテーパ面78h(位置固定部)を設けたものである。
テーパ面78hの外周面28dに対する傾斜角αは、15°〜45°が好ましい。
内視鏡71の基端側固定部材77は、上記第1の実施形態の基端側固定部材27のスリット27aに代えて、固定孔77a(嵌合部)を備える。
固定孔77aは、コイルパイプ位置固定部材78を基端側固定部材77に固定するための嵌合部であり、操作部12の方から蛇管部16の方に向かって縮径するテーパ孔からなる。なお、より強固に固定するため、外枠部材78A、78Bのテーパ面78hに、固定孔7aに対する抜け止めを防止するための突起部等によりストッパを設けることも可能である。
固定孔77aの直径は、コイルパイプ25に固定した状態のコイルパイプ位置固定部材78の外径2・rよりも小さい。固定孔77aのテーパの大きさは、テーパ面78hと略同じ大きさになっている。
これにより、組立状態のコイルパイプ位置固定部材78のテーパ面78hを操作部12の方から蛇管部16の方に向かって挿入して嵌合させることにより、コイルパイプ位置固定部材78が、摩擦力によって固定孔77aに固定される。
本実施形態のコイルパイプ位置固定部材78によって、コイルパイプ25を固定するには、まず、コイルパイプ25を固定孔77aに挿通する。
次に上記第1の実施形態と同様にして、コイルパイプ位置固定部材配置工程を行って、外枠部材78A(78B)と弾性樹脂部材29A(29B)との組立体を形成し、コイルパイプ25を固定する位置に配置する。
次に、本実施形態の位置固定工程を行う。
本工程では、上記第1の実施形態と同様にして、外枠部材78A(78B)と弾性樹脂部材29A(29B)との組立体をコイルパイプ25の外周面に向けて移動し、各螺旋溝29bをコイルパイプ25の外周面に当接させる。
次に、上記第1の実施形態と同様にして、外枠部材78A、78Bの各平面部28eが互いに当接する図示略の固定ねじ31によるねじ締めを行う。
これにより、弾性樹脂部材29A、29Bが径方向に圧縮されて、収容部28aおよびコイルパイプ25の外周面に密着し、コイルパイプ位置固定部材78によって、コイルパイプ25が弾性的に挟持される。この結果、コイルパイプ25に対して、コイルパイプ位置固定部材78の位置が固定される。
このとき、各テーパ面78hは段差なく整列され、コイルパイプ位置固定部材78の一端側の外周部には、各テーパ面78hにより、中心軸線Oと同軸の円錐状のテーパ形状が形成される。
次に、コイルパイプ位置固定部材78のテーパ面78hを、固定孔77aに嵌合させる。これにより、コイルパイプ位置固定部材78が基端側固定部材77に位置決めされた状態で固定される。
このとき、コイルパイプ位置固定部材78の軸方向の位置は、固定孔77aの内径とテーパ面78hの傾斜角αとから決まる。また、コイルパイプ位置固定部材78の径方向の位置は、固定孔77aの中心に位置決めされる。
以上で、位置固定工程が終了する。
これらの工程を逆順に行えば、コイルパイプ位置固定部材78を基端側固定部材77およびコイルパイプ25から取り外すことができ、コイルパイプ25の固定を解除することができる。
このように、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様に、コイルパイプ位置固定部材78は、コイルパイプ25および基端側固定部材77に対して着脱可能に固定されている。
このため、上記第1の実施形態と同様にして、操作角φと傾き角度θとの関係を設計仕様に合致させる調整を行うことができる。
以上説明したように、本実施形態のコイルパイプ位置固定部材78およびこれを用いた本実施形態のコイルパイプ位置固定方法によれば、外枠部材78A(78B)とコイルパイプ25の外周面との間に弾性樹脂部材29A(29B)を挟んで、コイルパイプ25の位置を固定する。このため、内視鏡71の湾曲操作に用いるワイヤー22を挿通するコイルパイプ25を容易に固定することができ、かつ固定位置の再調整が可能となる。
また、内視鏡71によれば、コイルパイプ位置固定部材78を備えるため、湾曲操作におけるワイヤー22の牽引量に対する湾曲量(操作量)を容易に調整することができる。
なお、上記各実施形態および変形例の説明では、ワイヤー22がプーリー23等に掛け回されている場合の例で説明したが、ワイヤー22は、2本構成とすることも可能である。
例えば、接続部24Aに一端が固定されてコイルパイプ25Aに挿通され、他端がプーリー23に固定された1本のワイヤーと、接続部24Bに一端が固定されてコイルパイプ25Bに挿通され、他端がプーリー23に固定された1本のワイヤーとの2本構成のワイヤーによっても、プーリー23の回動に応じて、ワイヤー22と同様の操作を行うことができる。
上記各実施形態および変形例の説明では、コイルパイプ位置固定部材の外枠部材が2部材からなる場合の例で説明したが、外枠部材は、このような二分割の構成には限定されない。
例えば、略円筒形状を、周方向に3以上に分割した構成も可能である。
また、外枠部材は、1部材で構成することも可能である。例えば、外枠部材を、弾性変形可能な材料で断面C字状に形成することも可能である。この場合、固定時には、外力を加えてC字の内径部を縮径させることにより、C字の開口部を閉じる。これにより、外枠部材の収容部に配置された押し当て部材をコイルパイプの外周面に密着させて、コイルパイプを固定することができる。
上記各実施形態および変形例の説明では、押し当て部材を外枠部材の収容部に収容してから、コイルパイプに密着させる場合の例で説明した。しかし、押し当て部材は、固定時に、コイルパイプと外枠部材とに挟まれていればよいため、コイルパイプの外周面に密着させておき、その後に外枠部材を押し当て部材に密着させてもよい。
上記各実施形態および変形例の説明では、マニピュレータが工業用内視鏡の場合の例で説明したが、これは一例である。
マニピュレータは、先端側の操作対象に連結されたワイヤーを基端側の操作部で操作する装置であれば、工業用内視鏡には限定されない。例えば、先端部の向きを変更するため先端部の近傍に設けられた湾曲部を湾曲操作する装置としては、医療用内視鏡を挙げることができる。
また、操作対象は先端部の向きや湾曲部には限定されず、例えば、先端に設けられた処置部を、ワイヤーを介して基端側で遠隔操作して動作させる処置具などのマニピュレータも可能である。このような処置具としては、例えば、内視鏡チャンネルに挿入して用いる種々の処置具が含まれる。
また、上記に説明したすべての構成要素は、本発明の技術的思想の範囲で適宜組み合わせたり、削除したりして実施することができる。
例えば、上記第1の実施形態の各変形例は、すべて上記第2の実施形態と組み合わせることが可能である。
1、71 内視鏡(マニピュレータ)
11 挿入部
12 操作部
14 先端部
15 湾曲部
16 蛇管部(可撓管部)
17、18 湾曲ノブ
22 ワイヤー
22A、22B ワイヤー延出部
23 プーリー
25、25A、25B コイルパイプ
26 先端側固定部材
27、77 基端側固定部材(固定部材)
27a スリット(嵌合部)
28、38、48、58、68 コイルパイプ位置固定部材
28A、28B、38A、38B、78A、78B 外枠部材
28a 収容部
28c 外周溝部(位置固定部)
28e 平面部
28f ねじ挿通孔
28g 雌ねじ部
29A、29B、49A、49B 弾性樹脂部材(押し当て部材、樹脂材料)
29b 螺旋溝(凹凸形状)
31 固定ねじ
59A、59B 接着樹脂部材(押し当て部材、樹脂材料)
69A、69B 両面接着テープ(押し当て部材)
77a 固定孔(嵌合部)
78h テーパ面(位置固定部)
C15、C16、O 中心軸線

Claims (8)

  1. ワイヤーを内部に挿通するため金属線が密巻きされたコイルパイプを、固定部材に対して固定するコイルパイプ位置固定部材であって、
    押圧によって変形可能な軟性材料からなり、前記コイルパイプの外周面に着脱可能に配置される押し当て部材と、
    該押し当て部材を内側に収容する収容部と、前記固定部材に設けられた嵌合部に着脱可能に嵌合して、前記固定部材に対する位置を固定する位置固定部とを有する外枠部材と、
    を備え、
    該外枠部材は、
    前記収容部と前記コイルパイプの外周面との間に前記押し当て部材を挟み、該押し当て部材を前記コイルパイプの外周面に密着させた状態で、前記固定部材の前記嵌合部に前記位置固定部が嵌合することにより、前記固定部材に対する前記コイルパイプの位置を固定する、コイルパイプ位置固定部材。
  2. 前記外枠部材は、前記嵌合部への嵌合時に筒体状となる複数の金属部材からなる
    ことを特徴とする、請求項1に記載のコイルパイプ位置固定部材。
  3. 前記押し当て部材は、
    押圧によって弾性変形する樹脂部材を備える
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載のコイルパイプ位置固定部材。
  4. 前記押し当て部材は、
    少なくとも前記コイルパイプの外周面に対して接離可能な接着性または粘着性を有する樹脂材料を表面に備える
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコイルパイプ位置固定部材。
  5. 前記押し当て部材は、
    前記コイルパイプの外周面に面する表面に、前記コイルパイプの外周面の凹凸に係合する凹凸形状が形成されている
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコイルパイプ位置固定部材。
  6. 操作を行うためのワイヤーと、
    該ワイヤーを牽引して前記操作を行う操作部と、
    金属線が密巻きされて可撓性を有し、前記ワイヤーを内部に挿通するコイルパイプと、
    前記操作部に対して前記コイルパイプの端部を固定するための固定部材と、
    該固定部材に対する前記コイルパイプの端部の位置を固定する請求項1〜5のいずれか1項に記載のコイルパイプ位置固定部材と、
    を備える、マニピュレータ。
  7. 先端部と、
    該先端部に連結された湾曲部と、
    該湾曲部の前記先端部と反対側の端部と前記操作部とを連結するとともに内部に前記コイルパイプが挿通された可撓管部と、
    を備え、
    前記固定部材は、
    前記操作部に接続された前記可撓管部の端部に設けられ、
    前記ワイヤーは、
    前記湾曲部では、該湾曲部の中心軸線を挟んで対向する位置に対をなして挿通され、前記操作部によって牽引量を変更することにより前記湾曲部を湾曲させる操作に用いられる
    ことを特徴とする、請求項6に記載のマニピュレータ。
  8. 金属線が密巻きされて可撓性を有しワイヤーを内部に挿通するコイルパイプを、固定部材に対して固定するコイルパイプ位置固定方法であって、
    前記コイルパイプの外周面に、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコイルパイプ位置固定部材の前記押し当て部材、前記外枠部材をこの順に配置するコイルパイプ位置固定部材配置工程と、
    前記外枠部材の前記収容部と前記コイルパイプの外周面との間に前記押し当て部材を挟み、該押し当て部材を前記コイルパイプの外周面に密着させた状態で、前記固定部材の前記嵌合部に前記位置固定部を嵌合させて、前記固定部材に対する前記コイルパイプの位置を固定する位置固定工程と、
    を備える、コイルパイプ位置固定方法。
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