JP2015106503A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】菌の繁殖を防止でき且つ燃料電池発電装置の運転メリットの大幅な低下を回避できるタイミングで菌対策運転を実施可能な燃料電池システムを提供する。【解決手段】燃料電池システムであって、不純物除去装置Rによる不純物除去処理の対象となる水の温度を、燃料電池発電装置Gが出力する熱を用いて調節する水温調節装置Aを備え、制御装置Cは、予め決定された菌対策運転の開始タイミングになると、不純物除去処理の対象となる水の温度が基準期間の間、高温側基準温度以上に維持されるように水温調節装置Aを動作させる菌対策運転を実施し、及び、次の菌対策運転の開始タイミングを、運転計画処理の結果を参照して、当該次の菌対策運転の実施対象期間の間で燃料電池発電装置Gの出力計画値が所定の対策運転可能条件を満たすタイミングに決定するタイミング決定処理を実施するように構成される。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関し、具体的には、燃料電池本体及びその燃料電池本体での発電反応に用いられる燃料ガスを生成する燃料改質部を有する燃料電池発電装置と、燃料改質部で行われる水蒸気改質に用いられる改質用水を燃料電池発電装置に供給する水供給装置と、水供給装置が改質用水として用いる水に対して不純物除去処理を施す不純物除去装置と、上記各装置の運転を制御する制御装置とを備える燃料電池システムに関する。
従来から、燃料電池システム内に不純物除去装置を設けて、改質用水として用いる水に対して不純物除去処理を施すことが行われている。例えば、水に含まれる不純物としては、イオン化して溶存している塩類やアンモニアなどのイオン性物質、並びに、微生物や油分などの有機物がある。このうち、イオン化して溶存している塩類やアンモニアなどのイオン性物質は、例えばイオン交換樹脂を備える不純物除去装置を用いて除去できる。また、有機物は活性炭などの吸着材を備える不純物除去装置を用いて吸着して除去できる。
但し、水中に菌などが繁殖すると、その菌がイオン交換樹脂や吸着材などに付着してその性能が低下し、不純物除去装置で処理した後の水の水質が悪化する可能性や、水路に狭窄が発生する可能性がある。従って、菌によって不純物除去装置の性能を低下させないような対策を講じておく必要がある。
特許文献1には、水に菌が繁殖すると不純物除去装置を構成する機器や配管が閉塞されるという課題に鑑みて、その水を菌が死滅する温度以上に加熱することが記載されている。具体的には、特許文献1に記載の燃料電池システムでは、水の温度が、菌が繁殖できる温度で所定時間経過するとその水の温度を上昇させるというように、間欠的に水の温度を上昇させて菌の繁殖を抑制することを行っている。
また、特許文献1には、水の温度を上昇させる手段として、燃料電池発電装置からの排熱を用いる例や、電気ヒータによる熱を用いる例などが記載されている。つまり、水の温度を上昇させるという菌対策運転を実施するために、燃料電池発電装置からの発電電力や排熱を利用している。
特開2010−170877号公報
燃料電池発電装置を運転させるとき、電力需要部での電力需要の時系列的な予測値及び熱需要部での熱需要の時系列的な予測値に基づいて、燃料電池発電装置から電力需要部に電力を供給し及び熱需要部に熱を供給するための燃料電池発電装置の時系列的な出力計画値を導出する運転計画処理が行われることが一般的である。
ところが、特許文献1に記載の燃料電池システムでは、電力需要部での電力消費及び熱需要部での熱消費とは別に、上述のような菌対策運転を実施するために燃料電池発電装置からの発電電力や排熱を消費している。そのため、本来は電力需要部や熱需要部で利用できていたはずの燃料電池発電装置からの電力や熱が予期せずに変化することになる。そして、電力や熱の不足が生じた場合には、不足した電力を調達するために商用電力系統などから電力を購入することや、不足した熱を調達するために他の熱源機を運転することなどが必要になる。その結果、電力需要部で必要とされる電力及び熱需要部で必要とされる熱を燃料電池発電装置から供給される電力及び熱で賄っていれば運転メリットが高いはずであったのに、菌対策運転を実施することに伴って運転メリットが一時的に低下するという問題が発生する。
つまり、特許文献1に記載の燃料電池システムでは、菌対策運転を行うか否かが、前回の菌対策運転を行ってからの経過時間に基づいて決定されるだけであり、燃料電池発電装置がどのような運転状態であるかを考慮していない。そのため、燃料電池発電装置の運転状態から見て好ましくないタイミングであっても(例えば、運転メリットが大幅に低下するような好ましくないタイミングであっても)菌対策運転が行われるという問題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、菌の繁殖を防止でき且つ燃料電池発電装置の運転メリットの大幅な低下を回避できるタイミングで菌対策運転を実施可能な燃料電池システムを提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る燃料電池システムの特徴構成は、燃料ガスと酸化剤ガスとを用いて発電を行う燃料電池本体、及び、炭化水素を含む原燃料を水蒸気改質して、前記燃料電池本体での発電反応に用いられる前記燃料ガスを生成する燃料改質部を有する燃料電池発電装置と、
前記燃料改質部で行われる水蒸気改質に用いられる改質用水を前記燃料電池発電装置に供給する水供給装置と、
前記水供給装置が前記改質用水として用いる水に対して不純物除去処理を施す不純物除去装置と、
前記各装置の運転を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、電力需要部での電力需要の時系列的な予測値及び熱需要部での熱需要の時系列的な予測値に基づいて、前記燃料電池発電装置から前記電力需要部に電力を供給し及び前記熱需要部に熱を供給するための前記燃料電池発電装置の時系列的な出力計画値を導出する運転計画処理を行う燃料電池システムであって、
前記不純物除去装置による不純物除去処理の対象となる水の温度を、前記燃料電池発電装置が出力する熱を用いて調節する水温調節装置を備え、
前記制御装置は、予め決定された菌対策運転の開始タイミングになると、前記不純物除去処理の対象となる水の温度が基準期間の間、高温側基準温度以上に維持されるように前記水温調節装置を動作させる菌対策運転を実施し、及び、次の前記菌対策運転の開始タイミングを、前記運転計画処理の結果を参照して、当該次の菌対策運転の実施対象期間の間で前記燃料電池発電装置の前記出力計画値が所定の対策運転可能条件を満たすタイミングに決定するタイミング決定処理を実施するように構成される点にある。
上記特徴構成によれば、制御装置は、次の菌対策運転の開始タイミングを、運転計画処理の結果を参照して、当該次の菌対策運転の実施対象期間の間で燃料電池発電装置の出力計画値が所定の対策運転可能条件を満たすタイミングに決定するタイミング決定処理を実施する。つまり、制御装置は、「次の菌対策運転の実施対象期間の間にあること」という時間的な条件と、「燃料電池発電装置の出力計画値が所定の対策運転可能条件を満たすこと」という燃料電池発電装置の運転状態に関する条件とに基づいて、次の菌対策運転の開始タイミングを予め決定しておき、そのタイミングが到来すると菌対策運転を実施する。その結果、「次の菌対策運転の実施対象期間の間にあること」という時間的な条件が考慮されることで、菌の繁殖を防止できる。また、「燃料電池発電装置の出力計画値が所定の対策運転可能条件を満たすこと」という燃料電池発電装置の運転状態に関する条件が考慮されることで、燃料電池発電装置の運転状態から見て好ましくないタイミング(例えば、運転メリットが大幅に低下するような好ましくないタイミング)に菌対策運転が行われるという問題の発生を回避できる。
従って、菌の繁殖を防止でき且つ燃料電池発電装置の運転メリットの大幅な低下を回避できるタイミングで菌対策運転を実施可能な燃料電池システムを提供できる。
本発明に係る燃料電池システムの別の特徴構成は、前記制御装置は、前記菌対策運転を実施中か否かに関わらず、前記不純物除去処理の対象となる水の温度が前記基準期間の間、前記高温側基準温度以上又は当該高温側基準温度よりも低い低温側基準温度以下に維持されていれば、前記菌対策運転が完了したと判定し、及び、前記タイミング決定処理を実施する点にある。
菌対策運転を行う目的は、不純物除去処理の対象となる水の中で菌が繁殖することを防止することにある。そのため、制御装置が菌対策運転を実施中か否かに関わらず、不純物除去処理の対象となる水の温度が基準期間の間、高温側基準温度以上又はその高温側基準温度よりも低い低温側基準温度以下に維持されていれば、菌の繁殖を防止するという目的は達成される。また、上記のように実質的に菌の繁殖防止の効果が得られているのに、予め設定されている次の菌対策運転の開始タイミングになると更に菌対策運転を行うとすると、菌の繁殖防止の対策が必要以上に実施され、菌対策運転に用いられるエネルギが必要以上に消費されることになる。
そこで本特徴構成では、制御装置は、菌対策運転を実施中か否かに関わらず、不純物除去処理の対象となる水の温度が基準期間の間、高温側基準温度以上又はその高温側基準温度よりも低い低温側基準温度以下に維持されていれば、菌対策運転が完了したと判定し、及び、タイミング決定処理を実施して次の菌対策運転の開始タイミングを決定し直す。つまり、菌の繁殖防止の対策が必要以上に実施されないようになって、菌対策運転に用いられるエネルギが必要以上に消費されないという利点が得られる。
本発明に係る燃料電池システムの更に別の特徴構成は、前記制御装置は、前記タイミング決定処理において、前記次の菌対策運転の前記実施対象期間の間で前記燃料電池発電装置の前記出力計画値が前記対策運転可能条件を満たすタイミングが存在しないとき、前記次の菌対策運転の前記実施対象期間の最後に、前記次の菌対策運転の開始タイミングを設定する点にある。
菌対策運転の実施間隔が長くなれば菌対策運転の合計実施回数が少なくなるため、菌対策運転に用いられる合計エネルギも少なくなる。そのため、次の菌対策運転の実施対象期間が定められているとき、その実施対象期間の最後に菌対策運転が行われるようにすれば、菌対策運転の実施間隔が長くなり、上述のように菌対策運転に用いられる合計エネルギも少なくなる点で好ましい。
そこで本特徴構成では、制御装置は、タイミング決定処理において、次の菌対策運転の実施対象期間の間で燃料電池発電装置の出力計画値が対策運転可能条件を満たすタイミングが存在しないとき、次の菌対策運転の実施対象期間の最後に、次の菌対策運転の開始タイミングを設定する。これにより、菌対策運転の実施間隔が長くなって、菌対策運転に用いられる合計エネルギが少なくなるという利点が得られる。
本発明に係る燃料電池システムの更に別の特徴構成は、前記制御装置は、前記タイミング決定処理において、前記次の菌対策運転の前記実施対象期間の間で前記燃料電池発電装置の前記出力計画値が前記対策運転可能条件を満たすタイミングが複数存在するとき、時期的に後のタイミングを前記次の菌対策運転の開始タイミングに設定する点にある。
菌対策運転の実施間隔が長くなれば菌対策運転の合計実施回数が少なくなるため、菌対策運転に用いられる合計エネルギも少なくなる。そのため、次の菌対策運転の実施対象期間が定められているとき、その実施対象期間の最後に菌対策運転が行われるようにすれば、菌対策運転の実施間隔が長くなり、上述のように菌対策運転に用いられる合計エネルギも少なくなる点で好ましい。
そこで本特徴構成では、制御装置は、タイミング決定処理において、次の菌対策運転の実施対象期間の間で燃料電池発電装置の出力計画値が対策運転可能条件を満たすタイミングが複数存在するとき、時期的に後のタイミングを次の菌対策運転の開始タイミングに設定する。これにより、菌対策運転の実施間隔が長くなって、菌対策運転に用いられる合計エネルギが少なくなるという利点が得られる。
燃料電池システムの構成を説明する図である。 燃料電池発電装置の菌対策運転を行うときの手順を示すフローチャートである。
以下に図面を参照して本発明に係る燃料電池システムについて説明する。図1は、燃料電池システムの構成を説明する図である。
燃料電池システムは、燃料電池本体10及び燃料改質部7を有する燃料電池発電装置Gと、改質用水を燃料電池発電装置Gに供給する水供給装置Sと、水供給装置Sが改質用水として用いる水に対して不純物除去処理を施す不純物除去装置Rと、各装置の運転を制御する制御装置Cとを備える。
燃料電池発電装置Gは、燃料電池本体10及び燃料改質部7を有する。
燃料改質部7は、炭化水素を含む原燃料ガスを、水素を主成分とする燃料ガスに改質処理する装置である。本実施形態では、燃料改質部7は、原燃料ガスの水蒸気改質を行う改質器8と、改質器8での改質反応に供給される熱を発生する燃焼器9とを備える。原燃料ガスは、原燃料ガス供給路3を介して燃料改質部7の改質器8に供給される。原燃料ガス供給路3にはガス開閉弁1と原燃料ポンプ2とが設けられて、燃料改質部7へと供給される原燃料の流量が調節される。原燃料ポンプ2の下流側には原燃料ガス分岐路4が設けられ、この原燃料ガス分岐路4の上流側は原燃料ガス供給路3に接続され、その下流側は燃料改質部7の燃焼器9に接続されている。原燃料ガス分岐路4には、燃焼用空気供給路5が接続される。燃焼用空気供給路5には、燃焼用空気ブロア6から空気(酸素)が送り込まれるので、燃焼器9へは原燃料ガスと空気との混合ガスが供給されることになり、その結果、燃焼器9においてその混合ガスの燃焼が行われる。そして、燃焼器9で発生した燃焼熱が改質器8に伝達される。また、後述する燃料電池本体10のアノードから排出される排燃料ガス(アノードで使用されなかった水素ガスを含むガス)が、排燃料ガス供給路20を通して燃料改質部7の燃焼器9に供給されると、その排燃料ガスを燃焼器9において燃焼させることもできる。
燃料電池本体10が、例えば固体高分子形燃料電池で構成される場合、図示は省略するが、燃料電池本体10は、固体高分子電解質膜をアノード及びカソードで挟んで構成されるセルを複数積層して備える。そして、そのアノードが燃料ガス供給路19を介して改質器8に接続され、そのカソードがカソード空気供給路24に接続されている。カソード空気供給路24には、カソード空気ブロア25が設けられている。このように構成されているので、改質器8での水蒸気改質によって生成された水素を主成分とする燃料ガスは、燃料ガス供給路19を通して燃料電池本体10のアノードに供給され、カソード空気供給路24を通して燃料電池本体10のカソードに供給される。そして、燃料ガス及び酸化材としての空気(酸素)の酸化及び還元によって発電が行われる。
本実施形態では、燃料電池システムは、燃料改質部7の改質器8へ、原燃料ガスの水蒸気改質に用いる改質用水を供給するための水供給装置Sを備える。水供給装置Sは、水タンク21と改質用水供給路22と改質用水ポンプ23とを備える。また、燃料電池システムは、水タンク21に貯えられている水、即ち、水供給装置Sが改質用水として用いる水に対して不純物除去処理を施す不純物除去装置Rを備える。
水供給装置Sにおいて、改質用水供給路22の一端側は水タンク21に接続され、その他端側が改質器8に接続されている。従って、改質用水ポンプ23が作動すると、水タンク21内の水が改質用水供給路22を通して改質器8に供給され、この改質器8において、この水が気化して生成される水蒸気により原燃料ガス供給路3を通して供給される原燃料ガスが水蒸気改質され、水蒸気改質された水素を主成分とする燃料ガスが上述したように燃料電池本体10のアノードに供給される。
不純物除去装置Rは、水タンク21が貯えている水が循環する水処理路29と、水処理路29の途中に設けられる不純物除去部30と、水が不純物除去部30を通流するように水処理路29に水を流す処理水ポンプ31とを備える。不純物除去部30は、例えば、処理水中に溶存している不純物としてのイオンを除去可能なイオン交換樹脂を備えて構成される。或いは、処理水中に存在している不純物としての有機物などを吸着可能な吸着材などを更に備えていてもよい。イオン交換樹脂は、処理水に溶存している電解質のイオン(例えば、イオン化して溶存している塩類やアンモニアなど)を例えばH+、OH-と交換することで、処理水に含まれる電解質の濃度を相対的に低くさせる(即ち、電気伝導度を低くさせる)機能を果たす。吸着材は例えば活性炭等を備えて構成され、処理水に含まれる有機物(例えば、シロキサン、無極性又は極性有機分子、微生物や微生物の分泌物、油分等)などの被吸着物を吸着するという機能を発揮する。
このような構成により、処理水ポンプ31が作動すると、水タンク21内の水が水処理路29を通して流れ、不純物除去部30により処理された後に水タンク21に戻る。
また、燃料電池本体10は、発電時に発生する熱を回収することで燃料電池を冷却する冷却部(図示せず)も備える。具体的には、この冷却部には後述する冷却水循環路16を循環する冷却水が供給されて、燃料電池本体10の冷却が行われる。このようにして燃料電池発電装置Gからの排熱を回収した冷却水は、冷却水循環路16の途中に設けられた熱交換器18に流入する。この熱交換器18において、冷却水は貯湯循環路26を循環する温水と熱交換して燃料電池発電装置Gから回収した排熱をその温水に渡す。貯湯循環路26を流れるその温水は、貯湯タンク27に貯えられ、そこで蓄熱が行われる。
貯湯タンク27に貯えられた温水は、温水供給路33を通って熱需要部35に供給される。具体的には、燃料電池システムは、貯湯タンク27に貯えている湯水が貯湯タンク27と熱需要部35との間で循環する温水供給路33を有する。温水供給路33における温水の流速は温水ポンプ34によって調整される。熱需要部35が、温水の熱のみを利用する床暖房装置や空調装置などの場合、熱需要部35で熱が利用された後の温水は温水循環路を通って貯湯タンク27に帰還する。或いは、熱需要部35が、温水自体を利用する給湯装置などの場合、貯湯タンク27には温水は帰還しない。
尚、図1には示していないが、貯湯タンク27から熱需要部35に供給される温水を加熱するための補助熱源機(ガス燃焼式温水器や電気温水器等)などを設けてもよい。
燃料電池発電装置Gの燃料電池本体10で発電された電力は、インバータ11を経由して電力線14へと出力され、その電力線14に接続される電力需要部13で消費される。本実施形態では、電力線14には商用電力系統12も接続されている。つまり、電力需要部13は、燃料電池発電装置G及び商用電力系統12の少なくとも何れか一方から電力の供給を受けることができるように構成されている。
更に、本実施形態の燃料電池システムは、不純物除去装置Rによる不純物除去処理の対象となる水の温度を、燃料電池発電装置Gが出力する熱を用いて調節する水温調節装置Aを備える。ここで、不純物除去処理の対象となる水とは、水タンク21から水処理路29に流入して不純物除去部30に至る経路を流れる水のことである。本実施形態では、冷却水ポンプ17、熱交換器18、水タンク21、循環ポンプ28、処理水ポンプ31などの機能を利用して、水温調節装置Aを実現できる。
例えば、制御装置Cが、循環ポンプ28の動作を制御して、貯湯循環路26を流れる温水の流量を少なくすると、熱交換器18においてその温水が冷却水循環路16を流れる冷却水から受け取る熱量が少なくなる。そして、熱交換器18から冷却水循環路16を通って水タンク21へ流入する冷却水の温度が相対的に高くなる。その結果、水タンク21から水処理路29へと流入する水の温度も相対的に高くなる。
制御装置Cが、冷却水ポンプ17の動作を制御して、冷却水循環路16を流れる冷却水の流量を多くすると、熱交換器18においてその冷却水が貯湯循環路26を流れる温水によって奪われる熱量が少なくなる。そして、熱交換器18から冷却水循環路16を通って水タンク21へ流入する冷却水の温度が相対的に高くなる。その結果、水タンク21から水処理路29へと流入する水の温度も相対的に高くなる。
制御装置Cが、処理水ポンプ31の動作を制御して、水処理路29を流れる処理水の流量を多くする、即ち、不純物除去部30に流入する処理水が多くすると、不純物除去部30が受け取る熱量が多くなる。そして、不純物除去部30の温度が相対的に高くなる。その結果、水処理路29を流れる処理水の温度も相対的に高くなる。
以上のように、本実施形態では、燃料電池システムは、燃料電池発電装置Gに冷却水を循環させる冷却水循環路16を有し、その冷却水循環路16を流れる冷却水を用いて燃料電池発電装置Gが出力する熱を回収する冷却手段を備える。即ち、ここで言う冷却手段は、冷却水循環路16、冷却水ポンプ17、熱交換器18、水タンク21などを用いて構成される。そして、水温調節装置Aは、上記冷却手段が燃料電池発電装置Gから回収した排熱の一部を、冷却水循環路16を流れる冷却水から得て、その排熱の一部を用いて不純物除去処理の対象となる水の温度を調節する。本実施形態では、水温調節装置Aは、上記排熱の一部を、冷却水循環路16の一部を構成する水タンク21から得ている。
更に、燃料電池システムは、上記冷却手段が燃料電池発電装置Gから回収した排熱を、冷却水循環路16を流れる冷却水と熱交換して取得すると共に蓄熱装置(貯湯タンク27)に蓄える排熱回収装置を備える。即ち、ここで言う排熱回収装置は、熱交換器18、貯湯循環路26、貯湯タンク27、循環ポンプ28などを用いて構成される。そして、冷却水循環路16の途中には、燃料電池発電装置Gから回収した排熱の一部を上述した水温調節装置Aが取得する熱取得部位(水タンク21が設けられている部位)と、燃料電池発電装置Gから回収した排熱を上述した排熱回収装置が取得する熱回収部位(熱交換器18が設けられている部位)とが設けられ、上記熱取得部位(水タンク21)は上記熱回収部位(熱交換器18)よりも下流側にある。
次に、制御装置Cによる燃料電池発電装置Gの動作制御について説明する。
制御装置Cは、電力需要部13での電力需要の時系列的な予測値を、過去の電力需要部13での時系列的な電力需要データを参照して導出する。例えば、電力線14に設けられる電力計測手段15が、電力需要部13での実際の電力需要データを計測し、そのデータを記憶装置Mに記憶させておく。そして、制御装置Cは、記憶装置Mに記憶されている過去の電力需要部13での時系列的な電力需要データを参照して、電力需要部13での電力需要の時系列的な予測値を導出する。
また、制御装置Cは、熱需要部35での電力需要の時系列的な予測値を、過去の熱需要部35での時系列的な熱需要データを参照して導出する。例えば、熱需要部35に流入する温水の流量を検出する流量センサ36及び温度を検出する温度センサ37が、熱需要部35よりも上流側の温水供給路33に設けられ、熱需要部35から流出する温水の流量を検出する温度センサ38が、熱需要部35よりも下流側の温水供給路33に設けられている。そして、それら流量センサ36、温度センサ37、温度センサ38の検出結果を記憶装置Mに記憶させておく。その結果、制御装置Cは、熱需要部35に流入する温水の流量と、熱需要部35を流れる前後での温度とから、熱需要部35で消費された熱量を導出でき、記憶装置Mにその熱量を記憶させておくことができる。このようにして、制御装置Cは、記憶装置Mに記憶されている過去の熱需要部35での時系列的な熱需要データを参照して、熱需要部35での熱需要の時系列的な予測値を導出する。
制御装置Cは、電力需要部13での電力需要の時系列的な予測値及び熱需要部35での熱需要の時系列的な予測値に基づいて、燃料電池発電装置Gから電力需要部13に電力を供給し及び熱需要部35に熱を供給するための燃料電池発電装置Gの時系列的な出力計画値を導出する運転計画処理を行う。例えば、制御装置Cは、午前0時などの設定タイミングになると、燃料電池発電装置Gの発電出力の時系列的な計画値を24時間後までの1時間毎に導出し、その計画値を記憶装置Mに記憶させる。この運転計画処理において、制御装置Cは、燃料電池発電装置Gを運転する場合、及び、商用電力系統12から電力を購入する場合、他の補助熱源機(図示せず)から熱供給を受ける場合などに生じる一次エネルギ消費量及びコスト及び環境負荷量(例えば、CO2排出量)を考慮して、電力需要の時系列的な予測値及び熱需要の時系列的な予測値を賄う際に生じる一次エネルギ消費量及びコスト及び環境負荷量(例えば、CO2排出量)の少なくとも何れか一つが最小になるように燃料電池発電装置Gの時系列的な出力計画値を導出する。
次に、菌対策運転について説明する。
本実施形態では、制御装置Cは、予め決定された菌対策運転の開始タイミングになると、不純物除去処理の対象となる水の温度が基準期間(例えば、1時間)の間、高温側基準温度以上(例えば、40℃以上)に維持されるように水温調節装置Aを動作させる菌対策運転を実施する。上述したように、水温調節装置Aは、冷却水ポンプ17、熱交換器18、水タンク21、循環ポンプ28、処理水ポンプ31などの機能を利用して実現できる。具体的には、制御装置Cは、冷却水ポンプ17、循環ポンプ28、処理水ポンプ31の少なくとも何れか一つの動作を制御して、不純物除去処理の対象となる水の温度を調節できる。本実施形態では、水処理路29の途中の、水タンク21から流出した後、不純物除去部30に至る前の処理水の温度を測定可能な部位に温度センサ32を設けており、その温度センサ32の検出結果を監視することで、制御装置Cは、不純物除去処理の対象となる水の温度を知ることができる。
菌対策運転の実施間隔について説明すると、不純物除去装置Rでの菌の繁殖を抑制するためには、少なくとも定期的に上記菌対策運転を行うことが必要である。但し、菌対策運転が必要以上に頻繁に行われると、菌対策運転に用いられるエネルギが必要以上に消費されることになる。そこで、制御装置Cは、一度、菌対策運転が行われると、次の菌対策運転までどれだけの期間を空けるべきか、及び、次の菌対策運転までどれだけの期間が空いてはいけないか、を規定するために、次の菌対策運転の実施対象期間を定めている。例えば、制御装置Cは、菌対策運転が終了した後に所定の時間が経過した後の期間(例えば菌対策運転が終了してから13時間後〜26時間後の期間)を、次の菌対策運転の実施対象期間として設定し、その間に次の菌対策運転を行うようにする。これにより、不純物除去装置Rでの菌の繁殖を抑制することができ、且つ、頻繁な菌対策運転の実施を避けることができる。
尚、菌対策運転の実施対象期間内であっても、菌対策運転を行うことができないタイミングがある。
具体的には、本実施形態では、水温調節装置Aは、不純物除去装置Rによる不純物除去処理の対象となる水の温度を、燃料電池発電装置Gが出力する熱を用いて調節するように構成されている。そのため、燃料電池発電装置Gが出力する熱量が少ないとき、即ち、燃料電池発電装置Gの発電出力が小さいとき、不純物除去処理の対象となる水の温度を高温側基準温度以上に維持することができない。例えば、制御装置Cは、燃料電池発電装置Gの発電出力が350W未満であれば、不純物除去処理の対象となる水の温度を高温側基準温度以上に維持することができないと判定する。
また、水温調節装置Aは、燃料電池本体10の冷却を担う冷却水(水タンク21に貯えられる冷却水)を用いている。そのため、燃料電池発電装置Gが出力する熱量が多いとき、即ち、燃料電池発電装置Gの発電出力が大きいときに菌対策運転を行うと、同時に冷却水の温度が高くなりすぎ、燃料電池本体10の冷却を十分に行えないことがある。例えば、制御装置Cは、燃料電池発電装置Gの発電出力が500Wより大きければ、冷却水の温度が高くなりすぎ、燃料電池本体10の冷却を十分に行えないと判定する。
以上のことから、制御装置Cは、燃料電池発電装置Gの出力値が所定の対策運転可能条件(例えば、燃料電池発電装置Gの発電出力が350W以上500W以下であること)を満たすタイミングでなければ、菌対策運転を行うことができないとしている。
尚、制御装置Cが上述した水温調節装置Aの動作を制御して菌対策運転を実施中か否かに関わらず、実質的に菌対策運転が実施されていることもある。即ち、制御装置Cは、温度センサ32の検出結果を常時監視し、その不純物除去処理の対象となる水の温度が基準期間(例えば、1時間)の間、高温側基準温度以上(例えば、40℃以上)に維持されていれば、菌対策運転が完了したと判定する。或いは、制御装置Cは、温度センサ32の検出結果を常時監視し、その不純物除去処理の対象となる水の温度が基準期間の間、上記高温側基準温度よりも低い低温側基準温度以下(例えば、25℃以下)に維持されていれば、菌対策運転が完了したと判定する。
加えて、制御装置Cは、菌対策運転を実施すると共に、次の菌対策運転の開始タイミングを、運転計画処理の結果を参照して、当該次の菌対策運転の実施対象期間の間で燃料電池発電装置Gの出力計画値が所定の対策運転可能条件を満たすタイミングに決定するタイミング決定処理を実施する。例えば、制御装置Cは、菌対策運転が終了してから13時間後〜26時間後の間であり、且つ、燃料電池発電装置Gの出力計画値が上述した350W以上500W以下の間にあるタイミングを、次の菌対策運転の実施タイミングに決定するタイミング決定処理を行う。
例えば、表1に示すように、制御装置Cは、時刻0において菌対策運転が完了したとすると、その13時間後〜26時間後の期間を次の菌対策運転の実施対象期間とする。そして、制御装置Cは、次の菌対策運転の開始タイミングを、その実施対象期間の間で燃料電池発電装置Gの出力計画値が所定の対策運転可能条件(350W以上500W以下)を満たすタイミングに決定する。制御装置Cは、燃料電池発電装置Gの出力計画値が対策運転可能条件(350W以上500W以下)を満たさないタイミングについては菌対策運転の実施不可(表1では「×」と表示)の判定を下し、それ以外のタイミングは菌対策運転の実施可能(表1では「○」と表示)の判定を下す。表1の場合、時刻21、時刻22、時刻23、時刻24であれば、燃料電池発電装置Gの出力計画値が対策運転可能条件(350W以上500W以下)を満たすタイミングになっている。また、制御装置Cは、タイミング決定処理において、次の菌対策運転の実施対象期間の間で燃料電池発電装置Gの出力計画値が対策運転可能条件を満たすタイミングが複数存在するとき、時期的に後のタイミングを次の菌対策運転の開始タイミングに設定する。従って、表1の例では、制御装置Cは、時刻24のタイミングを、次の菌対策運転の開始タイミングに設定する。
Figure 2015106503
次に、制御装置Cが燃料電池発電装置Gの菌対策運転を行うときの手順について説明する。図2は、制御装置Cが燃料電池発電装置Gの菌対策運転を行うときの手順を示すフローチャートである。制御装置Cは、燃料電池発電装置Gの運転を開始すると、図2に示すフローチャートをスタートする。
工程#10において、制御装置Cは、菌対策運転の完了条件が満たされているか否かを判定する。制御装置Cは、菌対策運転を実施中か否かに関わらず温度センサ32の検出結果を常時監視しており、その不純物除去処理の対象となる水の温度が基準期間の間、高温側基準温度以上に維持されていれば、或いは、その不純物除去処理の対象となる水の温度が基準期間の間、上記高温側基準温度よりも低い低温側基準温度以下に維持されていれば、菌対策運転が完了したと判定する。つまり、制御装置Cが菌対策運転を実施することによりその完了条件が満たされた場合や、制御装置Cが菌対策運転を実施していないにも関わらず実質的に菌対策運転の完了条件が満たされた場合の何れかがあり得る。そして、制御装置Cは、菌対策運転の完了条件が満たされたと判定すると工程#12に移行し、満たされていないと判定すると工程#22に移行する。
工程#12において、制御装置Cは、菌対策運転を実施中であるか否かを判定する。そして、制御装置Cは、菌対策運転を実施中である場合には工程#14に移行して菌対策運転を終了し、その後、工程#16に移行する。また、制御装置Cは、菌対策運転を実施中でない場合(即ち、菌対策運転を行った訳ではないが、実質的に菌対策運転が完了した場合)には工程#16に移行する。
工程#16において、制御装置Cは、時間カウンタをリセットする。上述したように、制御装置Cは、菌対策運転の実施間隔を管理しており、そのために前回の菌対策運転が完了してからの経過時間をカウントしている。従って、制御装置Cは、今回、菌対策運転が完了したタイミングでその経過時間のカウントをリセットする(即ち、「経過時間=0」にする)。
次に、工程#18において、制御装置Cは、次の菌対策運転の開始タイミングを決定するためのタイミング決定処理を実施する。ここでは、制御装置Cは、上記表1を参照して説明したように、燃料電池発電装置Gの時系列的な出力計画値が導出される運転計画処理の結果を参照して、次の菌対策運転の開始タイミングを、その実施対象期間の間で燃料電池発電装置Gの出力計画値が所定の対策運転可能条件を満たすタイミングに決定する。
制御装置Cは、このタイミング決定処理が完了して次の菌対策運転の開始タイミングが決定すると、次に工程#20に移行して所定時間(図2では「X分」と表記)待機した後でこのフローチャートの最初にリターンする。
また、制御装置Cは、上記工程#10において菌対策運転の完了条件が満たされていないと判定すると、工程#22に移行して、菌対策運転を実施中であるか否かを判定する。そして、制御装置Cは、菌対策運転を実施中である場合には工程#24に移行して所定時間(図2では「X分」と表記)待機した後でこのフローチャートの最初にリターンする。つまり、水温調節装置Aを動作させて菌対策運転を実施中ではあるが、未だ菌対策運転が完了するには至っていない(「不純物除去処理の対象となる水の温度が基準期間の間、高温側基準温度以上に維持される」には至っていない)状態であるので、そのまま待機する趣旨である。
これに対して、制御装置Cは、工程#22において菌対策運転を実施中であると判定した場合には工程#26に移行して、菌対策運転の実施タイミングであるか否かを判定する。つまり、制御装置Cは、経過時間のカウントを確認して、次の菌対策運転の開始タイミングに到達したか否かを判定する。
そして、制御装置Cは、工程#26で次の菌対策運転の開始タイミングであると判定すると、工程#28に移行して菌対策運転を開始する。
これに対して、制御装置Cは、工程#26で次の菌対策運転の開始タイミングではない判定すると、工程#30に移行して所定時間(図2では「X分」と表記)待機した後でこのフローチャートの最初にリターンする。
以上のように、制御装置Cは、次の菌対策運転の開始タイミングを、運転計画処理の結果を参照して、当該次の菌対策運転の実施対象期間の間で燃料電池発電装置Gの出力計画値が所定の対策運転可能条件を満たすタイミングに決定するタイミング決定処理を実施する。つまり、制御装置Cは、「次の菌対策運転の実施対象期間の間にあること」という時間的な条件と、「燃料電池発電装置Gの出力計画値が所定の対策運転可能条件を満たすこと」という燃料電池発電装置Gの運転状態に関する条件とに基づいて、次の菌対策運転の開始タイミングを予め決定しておき、そのタイミングが到来すると菌対策運転を実施する。その結果、「次の菌対策運転の実施対象期間の間にあること」という時間的な条件が考慮されることで、菌の繁殖を防止できる。また、「燃料電池発電装置Gの出力計画値が所定の対策運転可能条件を満たすこと」という燃料電池発電装置Gの運転状態に関する条件が考慮されることで、燃料電池発電装置Gの運転状態から見て好ましくないタイミング(例えば、運転メリットが大幅に低下するような好ましくないタイミング)に菌対策運転が行われるという問題の発生を回避できる。従って、菌の繁殖を防止でき且つ燃料電池発電装置Gの運転メリットの大幅な低下を回避できるタイミングで菌対策運転を実施可能な燃料電池システムを提供できる。
<別実施形態>
<1>
上記実施形態において、次の菌対策運転の実施対象期間の間での燃料電池発電装置Gの出力計画値が逐次更新される場合や未定である場合などもある。また、上記実施形態でも説明したように、制御装置Cが菌対策運転を行った訳ではないが、実質的に菌対策運転が完了したと見なすことができる場合もある。以下に、それらの場合でのタイミング決定処理の内容について具体例を挙げて説明する。
〔例1〕
制御装置Cは、運転計画処理を随時行って、一旦は決定された燃料電池発電装置Gの出力計画値を変更することも行う。例えば、表2に示すように、実施対象期間である時刻13〜時刻26の間において、時刻19が終了した時点で、時刻20以降の燃料電池発電装置Gの出力計画値が更新される。
Figure 2015106503
そして、制御装置Cは、表1を参照して説明したように当初は時刻24であった菌対策運転の開始タイミングを、時刻23に変更する。即ち、表2に示すように、新たに決定された時刻20以降の燃料電池発電装置Gの出力計画値に基づくと、時刻21、時刻22、時刻23であれば、燃料電池発電装置Gの出力計画値が対策運転可能条件(350W以上500W以下)を満たすタイミングになっている。また、制御装置Cは、タイミング決定処理において、次の菌対策運転の実施対象期間の間で燃料電池発電装置Gの出力計画値が対策運転可能条件を満たすタイミングが複数存在するとき、時期的に後のタイミングを次の菌対策運転の開始タイミングに設定する。従って、表2の例では、制御装置Cは、時刻23のタイミングを、次の菌対策運転の開始タイミングに設定する。つまり、制御装置Cは、図2に示した工程#18で行うタイミング決定処理とは別に、菌対策運転を実施していない間(例えば、図2の工程#22から工程#26へ移行するなど間)にもタイミング決定処理を行っている。そして、制御装置Cは、図2の工程#26において、菌対策運転の実施タイミングであるか否かを判定するとき、経過時間のカウントに基づいて時刻23(即ち、新たなタイミング決定処理によって決定された菌対策運転の開始タイミング)に到達しているか否かを判定する。
〔例2〕
別の例として、制御装置Cがタイミング決定処理を行うとき、次の菌対策運転の実施対象期間の間での燃料電池発電装置Gの出力計画値が未だ決定されていない場合もあり得る。表3は、時刻17までは、運転計画処理によって出力計画値が決定されているが、時刻18以降は出力計画値が未だ決定されていない場合の例である。但し、時刻18以降は出力計画値が未だ決定されていないが、菌対策運転の実施不可ではないため、制御装置Cは、時刻18以降のタイミングに対して菌対策運転の実施可能の判定を下す。また、表3では、結果として、次の菌対策運転の実施対象期間の間で燃料電池発電装置Gの出力計画値が対策運転可能条件を満たすタイミングが複数存在する。このような場合、制御装置Cは、タイミング決定処理において、次の菌対策運転の実施対象期間の間で燃料電池発電装置Gの出力計画値が対策運転可能条件を満たすタイミングが複数存在するとき、時期的に後のタイミングを次の菌対策運転の開始タイミングに設定する。表3の例では、制御装置Cは、時刻26のタイミングを、次の菌対策運転の開始タイミングに設定する。
Figure 2015106503
尚、上記〔例1〕で説明したように、制御装置Cが運転計画処理を逐次行うことで、当初は未定であった燃料電池発電装置Gの出力計画値が新たに決定されると、その出力計画値に基づいて上述したタイミング決定処理が行われる。つまり、表3において未定であった時刻18以降の出力計画値が新たに決定されて、表1や表2に示したような燃料電池発電装置Gの出力計画値が決定されると、それらの出力計画値に基づいて次の菌対策運転の開始タイミングが決定される。この場合も、制御装置Cは、図2に示した工程#18で行うタイミング決定処理とは別に、菌対策運転を実施していない間(例えば、図2の工程#22から工程#26へ移行するなど間)にもタイミング決定処理を行っている。
〔例3〕
表4に示すのは、制御装置Cが菌対策運転を行った訳ではないが、実質的に菌対策運転が完了した場合の例を説明するものである。即ち、制御装置Cは、菌対策運転を実施中か否かに関わらず温度センサ32の検出結果を常時監視しており、その結果、時刻22において、不純物除去処理の対象となる水の温度が基準期間の間、高温側基準温度以上に維持されていたと判定、或いは、その不純物除去処理の対象となる水の温度が基準期間の間、上記高温側基準温度よりも低い低温側基準温度以下に維持されていたと判定して、菌対策運転が完了したと決定する(図2の工程#10において「Yes」)。そして、制御装置Cは、菌対策運転が完了したタイミングでその経過時間のカウントをリセットし(図2の工程#16)、次の菌対策運転の開始タイミングを決定するためのタイミング決定処理を行う(図2の工程#18)。表4に示した例では、制御装置Cは、時刻22で菌対策運転が完了してから13時間後〜26時間後に対応する時刻35〜時刻48の間を実施対象期間とする。そして、制御装置Cは、次の菌対策運転の開始タイミングを、その実施対象期間の間で燃料電池発電装置Gの出力計画値が所定の対策運転可能条件(350W以上500W以下)を満たすタイミングに決定する。この場合も、時刻42以降は出力計画値が未だ決定されていないが、菌対策運転の実施不可ではないため、制御装置Cは、時刻42以降のタイミングに対して菌対策運転の実施可能の判定を下す。表4では、結果として、次の菌対策運転の実施対象期間の間で燃料電池発電装置Gの出力計画値が対策運転可能条件を満たすタイミングが複数存在するが、制御装置Cは、時期的に最も後の時刻48のタイミングを次の菌対策運転の開始タイミングに設定する。
Figure 2015106503
<2>
上記実施形態では、燃料電池システムの構成について具体例を挙げて説明したが、その構成は適宜変更可能である。
一例を挙げると、冷却水循環路16から水タンク21に流入した水(即ち、燃料電池発電装置Gが出力する熱を保持している水)を水タンク21の内部で例えば2系統の水に分割させてもよい。そして、一方の系統の水が冷却水として冷却水循環路16を介して燃料電池本体10へと供給され、他方の系統の水が不純物除去装置Rでの不純物除去処理に供され且つ改質用水として燃料改質部7へと供給されるように構成してもよい。このように、上述した冷却水や改質用水などの種々の水(熱媒)の通流態様は適宜変更可能である。
また、水温調節装置Aが、燃料電池発電装置Gが出力する熱だけでなく、燃料電池発電装置Gが出力する電力も利用して不純物除去装置Rによる不純物除去処理の対象となる水の温度を調節するように構成してもよい。例えば、制御装置Cが、燃料電池発電装置Gが出力する電力を消費してジュール熱を発生させる電気ヒータによって、不純物除去装置Rによる不純物除去処理の対象となる水の温度を直接的又は間接的に調節してもよい。
<3>
上記実施形態では、本発明を説明するために幾つかの数値を例示したが、それらの数値は適宜変更可能である。例えば、菌対策運転が完了した後の次の菌対策運転の実施対象期間について例示した「13時間後〜26時間後」という数値や、菌対策運転が完了したか否かを説明するときに例示した、基準期間(1時間)、高温側基準温度(40℃)、低温側基準温度(25℃)についての数値、菌対策運転を行うときの燃料電池発電装置Gの出力値についての対策運転可能条件(350W〜500W)についての数値などは適宜変更可能である。
本発明は、菌の繁殖を防止でき且つ燃料電池発電装置の運転メリットの大幅な低下を回避できるタイミングで菌対策運転を実施可能な燃料電池システムに利用できる。
7 燃料改質部
10 燃料電池本体
13 電力需要部
16 冷却水循環路
17 冷却水ポンプ(水温調節装置 A)
18 熱交換器(水温調節装置 A)
21 水タンク(水温調節装置 A、水供給装置 S)
22 改質用水供給路(水供給装置 S)
23 改質用水ポンプ(水供給装置 S)
28 循環ポンプ(水温調節装置 A)
29 水処理路(不純物除去装置 R)
30 不純物除去部(不純物除去装置 R)
31 処理水ポンプ(水温調節装置 A、不純物除去装置 R)
35 熱需要部
A 水温調節装置
C 制御装置
G 燃料電池発電装置
R 不純物除去装置
S 水供給装置

Claims (4)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとを用いて発電を行う燃料電池本体、及び、炭化水素を含む原燃料を水蒸気改質して、前記燃料電池本体での発電反応に用いられる前記燃料ガスを生成する燃料改質部を有する燃料電池発電装置と、
    前記燃料改質部で行われる水蒸気改質に用いられる改質用水を前記燃料電池発電装置に供給する水供給装置と、
    前記水供給装置が前記改質用水として用いる水に対して不純物除去処理を施す不純物除去装置と、
    前記各装置の運転を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、電力需要部での電力需要の時系列的な予測値及び熱需要部での熱需要の時系列的な予測値に基づいて、前記燃料電池発電装置から前記電力需要部に電力を供給し及び前記熱需要部に熱を供給するための前記燃料電池発電装置の時系列的な出力計画値を導出する運転計画処理を行う燃料電池システムであって、
    前記不純物除去装置による不純物除去処理の対象となる水の温度を、前記燃料電池発電装置が出力する熱を用いて調節する水温調節装置を備え、
    前記制御装置は、予め決定された菌対策運転の開始タイミングになると、前記不純物除去処理の対象となる水の温度が基準期間の間、高温側基準温度以上に維持されるように前記水温調節装置を動作させる菌対策運転を実施し、及び、次の前記菌対策運転の開始タイミングを、前記運転計画処理の結果を参照して、当該次の菌対策運転の実施対象期間の間で前記燃料電池発電装置の前記出力計画値が所定の対策運転可能条件を満たすタイミングに決定するタイミング決定処理を実施するように構成される燃料電池システム。
  2. 前記制御装置は、前記菌対策運転を実施中か否かに関わらず、前記不純物除去処理の対象となる水の温度が前記基準期間の間、前記高温側基準温度以上又は当該高温側基準温度よりも低い低温側基準温度以下に維持されていれば、前記菌対策運転が完了したと判定し、及び、前記タイミング決定処理を実施する請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御装置は、前記タイミング決定処理において、前記次の菌対策運転の前記実施対象期間の間で前記燃料電池発電装置の前記出力計画値が前記対策運転可能条件を満たすタイミングが存在しないとき、前記次の菌対策運転の前記実施対象期間の最後に、前記次の菌対策運転の開始タイミングを設定する請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記制御装置は、前記タイミング決定処理において、前記次の菌対策運転の前記実施対象期間の間で前記燃料電池発電装置の前記出力計画値が前記対策運転可能条件を満たすタイミングが複数存在するとき、時期的に後のタイミングを前記次の菌対策運転の開始タイミングに設定する請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
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