図1は、本発明の燃料電池コージェネレーションシステム(以下、コージェネシステムと略す場合がある。)の一例を示した構成図である。なお、以降の図において同一の部材については同一の番号を付するものとする。
図1に示すコージェネシステムは、発電を行なう発電ユニットと、熱交換後の湯水を貯湯する貯湯ユニットと、これらのユニット間に水を循環させるための循環配管と、発電ユニット(後述する水タンク)からの排水と発電ユニットからの排水以外の水とを混合するための混合タンクを備える混合部と、混合タンクにて混合された混合排水を外部に排水するための外部排水管とを具備して構成されている。
図1に示す発電ユニットは、複数個の燃料電池セル(図示せず)を組み合わせてなる燃料電池セルスタック1と(以下、セルスタックと略す場合がある。)、セルスタック1に供給する燃料ガスを生成するための改質器4と、セルスタック1からの排ガスと水とで熱交換するための熱交換器5と、改質器4に供給する水として熱交換器5での熱交換により生成された凝縮水を一時的に貯水して浄化するための凝縮水処理装置16と、凝縮水処理装置16にて浄化された凝縮水(純水)を貯水するための水タンク7とを備えている。まず、発電ユニットを構成する各部材について説明する。
発電ユニットは、天然ガス等の原燃料を供給する原燃料供給装置2、セルスタック1を構成する燃料電池セルに酸素含有ガスを供給するための酸素含有ガス供給装置3、原燃料と水蒸気により水蒸気改質する改質器4を具備している。なお、改質器4は、後述する水ポンプ6により供給される水(純水、以下適宜水と略す場合がある)を気化し、原燃料供給装置2から供給された原燃料と水蒸気とを混合するための気化部と、内部に改質触媒を備え、混合された原燃料と水蒸気とを反応させて燃料ガス(水素含有ガス)を生成するための改質部とを備えている。
なお、セルスタック1や改質器4を収納容器内に収納することで、発電ユニットを構成する燃料電池モジュールが構成される。なお図1においては、燃料電池モジュールを構成する各装置類を二点鎖線により囲って示している(図1においてMで示している)。
また、セルスタック1からの排ガスと水とで熱交換するための熱交換器5、熱交換器5においてセルスタック1からの排ガスとで熱交換するための水を循環するための循環配管の一部、熱交換器5での熱交換により生成された凝縮水を一時的に貯水するとともに、凝縮水を浄化する(純水にする)ための凝縮水処理装置16、熱交換器5と凝縮水処理装置16とを接続する凝縮水供給管15、凝縮水処理装置16と水タンク7とを接続するタンク連結管17、水タンク7と改質器4とを接続する改質水供給管24とが設けられており、熱交換器5で生成された凝縮水は、凝縮水処理装置16にて純水に処理された後、水タンク7に貯水されて、改質水供給管24に設けられた水ポンプ6により改質器4(気化部、図示せず)に供給される。なお、図1に示すコージェネシステムにおいては、凝縮水処理装置16が、熱交換器5での熱交換により生成される凝縮水を貯水するための水タンクに相当し、以下の説明において、特に断りのない限り、凝縮水を貯水するための水タンクとして、凝縮水処理装置16を用いて説明する。
さらに図1に示す発電ユニットは、セルスタック1にて発電された直流電力を交流電力に変換し、変換された電流の外部負荷への供給量を調整するための供給電力調整部(パワーコンディショナ)8、後述する貯湯タンク14の水を熱交換器5に供給するための循環配管(送り配管12)に設けられ、熱交換器5に供給される水の水温を測定するための循環配管温度センサ10のほか、制御装置9が設けられている。制御装置9については後述する。また、後述する熱交換器5と後述する貯湯タンク14とで水を循環するための、送り配管12と戻り配管13とが設けられており(以下、送り配管12と戻り配管13とをあわせて循環配管と呼ぶ)、送り配管12には、熱交換器5と貯湯タンク14とで水を循環させるための循環ポンプ11が設けられている。なお、循環ポンプ11は貯湯ユニット側に配置することも可能である。そして、これら発電ユニットを構成する各装置を、外装ケース内に収納することで、設置や持ち運び等が容易な発電ユニット(燃料電池装置)とすることができる(図示せず)。
なお、セルスタック1と熱交換器5との間には、燃料電池セル(セルスタック1)の運転に伴い生じる排ガスを処理するための排ガス処理装置が設けられている(図示せず)。なお、排ガス処理装置は、収納容器内に排ガス処理部材を収納してなり、排ガス処理部材としては、一般的に公知の燃焼触媒を用いることができる。
貯湯ユニットは、熱交換後の湯水を貯水するための貯湯タンク14を備えている。貯湯タンク14には、外部からの水(水道水等)を供給するための貯湯タンク水供給管23が接続されており、また貯湯タンク14内の圧力を減圧するために、貯湯タンク14内の水を排水するための貯湯タンク排水弁25を備えている。なお、図中の矢印は、原燃料、酸素含有ガス、水の流れ方向を示したものである。
また、凝縮水処理装置16、水タンク7、貯湯タンク14には、それぞれの装置に貯水される水がオーバーフローした場合に、それぞれの装置から水を排水するための、凝縮水排水管20、水タンク排水管19、貯湯タンク排水管18が設けられており、それぞれの排水管が、後述する混合部(混合タンク21)に接続されている。なお貯湯タンク排水弁25は貯湯タンク排水管18に設けられている。
以下に、図1に示したコージェネシステムの運転方法について説明する。
燃料電池セルの発電に用いられる燃料ガスを生成するために水蒸気改質を行なうにあたり、改質器4で使用される水は、熱交換器5において燃料電池セル(セルスタック1)の運転に伴って生じた排ガスと循環配管を流れる水との熱交換により生成される凝縮水が用いられる。熱交換器5にて生成された凝縮水は、凝縮水供給管15を流れて凝縮水処理装置16に供給される。凝縮水処理装置16にて凝縮水が一時的に貯水され、処理されることにより純水が生成される。凝縮水処理装置16にて生成された純水は水タンク7に供給される。水タンク7に貯水された水は、水ポンプ6により改質器4に供給され、原燃料供給装置2より供給される原燃料とで水蒸気改質が行われ、生成された燃料ガスが燃料電池セルに供給される。燃料電池セルにおいては、燃料ガスと酸素含有ガス供給装置3より供給される酸素含有ガスとを用いて発電が行われる。このように凝縮水を有効に利用することにより、水自立運転を行なうことができる。この際、凝縮水処理装置16にてオーバーフローした水(凝縮水)は凝縮水排水管20より排水され、水タンク7にてオーバーフローした水は水タンク排水管19より排水される。
一方、貯湯タンク14に接続され循環ポンプ11により貯湯タンク14から熱交換器5に向けて送り配管12を流れる循環水は、熱交換器5内を流れる間に、セルスタック1からの排ガスとで熱交換され、温度が上昇する。熱交換後の温度の上昇した水(お湯)は、続いて戻り配管13を流れて貯湯タンク14に貯水される。なお、図示していないが、戻り配管13における熱交換器5の出口側には、熱交換器5での熱交換後の水の温度を測定するための出口水温センサが設けることが好ましい。循環ポンプ11の動作は、出口水温センサ10が測定する熱交換後の循環水の温度情報に基づいて、制御装置9により制御される。
また、貯湯タンク14においては、ユーザーの給湯の使用量(貯湯タンク14内の貯水量)や貯湯タンク14内に貯水された水の温度等に基づいて、貯湯タンク水供給管23より外部からの水(水道水等)が貯湯タンク14内に供給される。
一方、貯湯タンク14がオーバーフローする場合や、貯湯タンク14の内圧を低減する場合においては、貯湯タンク排水弁25を作動させて、貯湯タンク14に貯水された水を、貯湯タンク排水管18より排水する。
ところで、発電ユニット(セルスタック1)から排出される排ガスには二酸化炭素等の成分を含む場合がある。ここで、熱交換器5において循環配管を流れる水とでの熱交換により生成された凝縮水に二酸化炭素等の成分が溶解した場合に、凝縮水の水質(特にはpH)が悪化し、そのような水質が悪化した凝縮水を、凝縮水排水管20を介して外部に排水した場合には、環境に与える影響や下水処理に与える影響が懸念される。
ここで、水質の悪化した凝縮水を処理するために、さらに各種装置や各種処理剤を設けることもできるが、この場合、コージェネシステムのコストがかかるという問題がある。
そこで、本発明のコージェネシステムにおいては、凝縮水を一時的に貯水する凝縮水処理装置(凝縮水を一時的に貯水する水タンクに相当)からの排水を、凝縮水処理装置16からの排水以外の水と混合した後に、コージェネシステムの外部に排水するための、混合タンク21を備える混合部と、凝縮水処理装置16からの排水以外の水を混合部(混合タンク21)に供給するための混合用水供給手段とを備えており、混合部において混合された混合排水を、外部排水管22を介してコージェネシステムの外部に排水する。なお、図1に示すコージェネシステムにおいては、凝縮水処理装置16より排水される凝縮水に加えて、水タンク7より排水される水を混合しており、以下、これらをまとめて、発電ユニットからの排水という場合がある。
ここで、図1に示すコージェネシステムにおいては、混合部(混合タンク21)に発電ユニットからの排水される水以外の水を供給するための混合用水供給手段として、貯湯タンク14と混合タンク21とを接続する貯湯タンク排水管18と、貯湯タンク排水管18に設けられ、貯湯タンク14に貯水された水を混合部に排水するための貯湯タンク排水弁25とを含んで構成されている。
すなわち、図1に示すコージェネシステムにおいては、凝縮水排水管20と、水タンク排水管19と、貯湯タンク排水管18とがそれぞれ混合部(混合タンク21)に接続されており、混合タンク21内にて各排水管より排水された水を混合した後に、コージェネシステムの外部に外部排水管22を介して排水する。
それにより、凝縮水処理装置16(凝縮水排水管20)から排水される水のpHが低い場合であっても、貯湯タンク14(貯湯タンク排水管18)からの排水と混合することで、外部に排水される水のpHが低下することを抑制することができる。それにより、環境や下水処理に及ぼす影響を低減することが可能なコージェネシステムとすることができるとともに、コストの低減を図ることができる。
なお、本発明のコージェネシステムにおいて、熱交換器5において生成される凝縮水の水質が改質器4に供給するにあたり問題を生じない水質(pH)レベルである場合には、凝縮水処理装置16や凝縮水排水管20を設けない構成としてもよく、この場合は、水タンク7が、本発明でいう凝縮水を貯水するための水タンクに相当する。またこの場合は、水タンク排水管19より排水される水と、貯湯タンク排水管18より排水される水とを、混合部(混合タンク21)にて混合した後に、外部排水管22を介して排水すればよい。
ところで、外部排水管22を介して外部に排水される水のpHを測定するにあたり、例えば混合部(混合タンク21)にpHセンサ等を設けることが考えられるが、この場合においてコージェネシステムのコストが上昇するおそれがある。
そこで、本発明のコージェネシステムにおいては、制御装置9が、所定時間おきに、水タンク(凝縮水処理装置16)からの排水以外の水を混合部(混合タンク21)に供給するように、混合用水供給手段(図1に示すコージェネシステムにおいては、貯湯タンク排水弁25)の動作を制御する。
それにより、混合部(混合タンク21)に定期的に貯湯タンク14内の水が供給されることから、外部に排水される水のpHが低下することを効率よく抑制することができるとともに、pHセンサを設ける必要性がないため、コストの上昇を抑制することができる。従って、環境や下水処理に及ぼす影響を低減することが可能な燃料電池コージェネレーションシステムとすることができる。
ここで、凝縮水処理装置16(凝縮水排水管20)または水タンク7(水タンク排水管19)から排水される水のpHは、予めコージェネシステムを運転させて調査しておくことが好ましい。それにより、凝縮水処理装置16(凝縮水排水管20)または水タンク7(水タンク排水管19)から排水される水のpHの範囲を認識することができる。
また、凝縮水処理装置16(凝縮水排水管20)または水タンク7(水タンク排水管19)から単位時間に排水される水の量(排水量、余剰の凝縮水量)は、燃料電池セル(セルスタック1)の発電量に必要な燃料ガスを生成するための改質器4に供給される原燃料の量および水の量、熱交換器5における熱交換後の排ガスの温度とから求めることができる。なお、熱交換器5において、熱交換後の排ガスの温度を、送り配管12に設けられた循環配管温度センサ10により測定された循環配管を流れる水の温度と関連して設定する場合には、循環配管温度センサ10により測定された循環配管を流れる水の温度を用いてもよく、また熱交換器5の熱交換後の排ガスの排出口に温度センサを設けてもよい。
具体的には、例えば、燃料電池セル(セルスタック1)の発電量に応じて改質器4に供給される原燃料の量と水(水蒸気改質用の水)の量から、セルスタック1より排出される排ガス中の水の量を算出する。続いて、熱交換器5での熱交換後の排ガスの温度を求める。なお、熱交換器5が、熱交換後の排ガスの温度が、送り配管12に設けられた循環配管温度センサ10により測定された循環配管を流れる水の温度と関連して設定されるように構成されている場合には、循環配管温度センサ10により測定された循環配管を流れる水の温度を基準として、熱交換後の排ガスの温度を算出する。上述のセルスタック1から排出される排ガス中に含まれる水の量から、熱交換後の排ガスの温度における飽和水蒸気量を算出し、単位時間あたりの生成される凝縮水の量を算出する。その結果より、燃料電池セル(セルスタック1)の発電量を得るにあたって必要な燃料ガスを生成するにあたり改質器4での水蒸気改質反応のために水ポンプ6により供給される単位時間あたりの水の量を引くことで、余剰の凝縮水量(排水量)を求めることができる。
それにより、制御装置9は、算出された余剰の凝縮水量(排水量)と予め測定された凝縮水のpHとから、混合排水のpHを所定の範囲内とするにあたって必要な量の水(凝縮水処理装置16より排水される水以外の水)を混合部(混合タンク21)に供給するように、混合用水供給手段(図1に示すコージェネシステムにおいては、貯湯タンク排水弁25。)の動作を制御する。それにより、混合排水のpHを所定の範囲内とするにあたり、混合部(混合タンク21)に適量の水を供給することができ、効率よく混合排水のpHを所定の範囲内とすることができる。なお、混合排水のpHの所定の範囲とは、例えば各地域で設定されている排水基準の代表値であるpH5.8〜8.6とすることができ、以下同意である。
なお、制御装置9が、混合用水供給手段を所定時間おきに作動させるにあたり、所定時間とは、セルスタック1の発電量や混合部(混合タンク21)の容量等に基づき、適宜設定することができ、例えば1分〜120分の間で設定することができる。
具体的には、例えば、熱交換器5が、熱交換後の排ガスの温度が、送り配管12に設けられた循環配管温度センサ10により測定された循環配管を流れる水の温度よりも5℃高い温度となるように構成されている場合には、セルスタック1の発電量が700wで、循環配管温度センサ10により測定される熱交換器5に供給される水の温度が5℃(熱交換後の排ガスの温度が10℃に相当)である場合においては、余剰の凝縮水量としては4.2g/mLとなる。ここで、制御装置9が混合用水供給手段を30分おきに作動させる場合には、4.2g・mL×30分=126gの余剰の凝縮水が生成される。この凝縮水のpHが4.3の場合には、pHを5.8以上とするにあたり、混合用水供給手段より供給される水のpHが6.6の場合には、制御装置9は、4.6L以上の水を混合部(混合タンク21)に供給するように、混合用水供給手段の動作を制御すればよい。制御装置9は、混合部(混合タンク21)に必要量の水を供給した後は、混合用水供給手段を停止するように制御することが好ましい。
なお、熱交換器5の性能や、改質器4における改質性能等に基づいて、余剰の凝縮水の生成量やpH、さらには混合用水供給手段より供給されるpH等は適宜異なるため、制御装置9はそれぞれの性能や水質にあわせて、適宜混合用水供給手段の動作を制御するように設定すればよい。
図2は、本発明のコージェネシステムの他の一例を示した構成図である。図2に示すコージェネシステムにおいては、混合部(混合タンク21)に供給される水タンク(凝縮水処理装置16)からの排水以外の水として、外部からの水を供給する場合を示している。
上述したように、発電ユニット(セルスタック1)から排出される排ガスには二酸化炭素等の成分を含む場合があり、熱交換器5において循環配管を流れる水とでの熱交換により生成された凝縮水に二酸化炭素等の成分が溶解した場合に、凝縮水のpHが低下し、そのようなpHが低下した凝縮水を、凝縮水排水管20を介して外部に排水した場合には、環境に与える影響や下水処理に与える影響が懸念される。
ここで、貯湯タンク排水管18を介して貯湯タンク14より排水される水を混合タンク21に供給するにあたり、貯湯タンク排水管18に水量計や他のセンサを設ける必要がある場合があり、この場合においてもコージェネシステムのコストが上昇するおそれがある。さらには、また貯湯タンク14に貯水された温度の上昇した水(お湯)を積極的に排水することとなるため、コージェネシステムの総合効率が低下するおそれがある。
そこで、図2に示すコージェネシステムにおいては、混合用水供給手段が、貯湯タンク14に外部から水を供給するための外部水供給手段と、外部水供給手段と混合タンク21とを接続する外部水供給管26と、外部水供給管26に設けられ、外部水供給手段から混合タンク21に供給する水の供給量を調整するための外部水調整弁27とを含んでなるとともに、所定時間おきに、外部からの水を混合部(混合タンク21)に供給するように外部水調整弁27の動作を制御する制御装置9を備えている。なお、外部水供給管26と貯湯タンク水供給管23とが接続されている。
それにより、混合タンク21に外部水供給管26より外部からの水を供給することで、混合排水のpHを所定の範囲内とすることが可能となる。それゆえ、混合タンク21より外部排水管22を介して外部に排水される水(混合排水)のpHが低下することを抑制することができ、環境や下水処理に及ぼす影響を低減することが可能なコージェネシステムとすることができる。
なお、図2に示しているように、貯湯タンク14からの排水もあわせて混合タンク21に供給することができ、この場合に制御装置9は、貯湯タンク14からの排水を考慮して外部水調整弁27の動作を制御することが好ましい。
具体的には、制御装置9は、外部水供給管26より混合タンク21に外部水が供給されるように、所定時間おきに、外部水調整弁27の動作を制御する。それにより、凝縮水処理装置16からの排水と、外部水供給管26より供給される外部水とが混合されることで、混合排水のpHを所定の範囲内とすることができる。なお、混合排水のpHが所定の範囲内となった後は、制御装置9は、外部水供給管26から混合タンク21に供給される外部水を停止するように、適宜外部水調整弁27を停止するように制御することで、外部水の使用量が増加することを抑制することができる。なお、所定時間おきに、外部水調整弁27の動作を制御するにあたっての所定時間とは、上述した時間とすることができる。
図3は、本発明のコージェネシステムのさらに他の一例を示した構成図である。図3に示すコージェネシステムにおいては、混合部(混合タンク21)に、水タンク(凝縮水処理装置16)からの排水以外の水を供給するための混合用水供給手段として、循環配管を用いる場合を示している。
図3に示すコージェネシステムにおいては、混合用水供給手段が、循環配管と混合タンク21とを接続する循環水供給管28と、循環水供給管28に設けられ、循環配管から混合タンク21に供給する水の供給量を調整するための循環水調整弁29とを含んでなるとともに、所定時間おきに、循環配管を流れる水を混合部(混合タンク21)に供給するように循環水調整弁29の動作を制御する制御装置9を備えている。
それにより、混合タンク21に外部水供給管26より外部からの水を供給することで、混合排水のpHを所定の範囲内とすることが可能となる。それゆえ、混合タンク21より外部排水管22を介して外部に排水される水(混合排水)のpHが低下することを抑制することができ、環境や下水処理に及ぼす影響を低減することが可能なコージェネシステムとすることができる。
なお、図3に示しているように、貯湯タンク14からの排水もあわせて混合タンク21に供給することができ、この場合に制御装置9は、貯湯タンク14からの排水を考慮して循環水調整弁29の動作を制御することが好ましい。
具体的には、制御装置9は、循環水供給管28より混合タンク21に循環水が供給されるように、所定時間おきに、循環水調整弁29の動作を制御する。それにより、凝縮水処理装置16からの排水と、循環水供給管28より供給される循環水とが混合されることで、混合排水のpHを所定の範囲内とすることができる。なお、混合排水のpHが所定の範囲内となった後は、制御装置9は、循環水供給管28から混合タンク21に供給される循環水を停止するように、適宜循環水調整弁29を制御することで、循環水の使用量が増加することを抑制することができる。なお、所定時間おきに、循環水調整弁29の動作を制御するにあたっての所定時間とは、上述した時間とすることができる。
なお、循環水供給管28は、循環配管のうち、熱交換器5にて熱交換された後の水を貯湯タンク14に供給するための戻り配管13に接続されていることが好ましい。
貯湯タンク14より熱交換器5に向けて送り配管12を流れる水を混合タンク21に供給するように循環水供給管28を接続する場合には、熱交換器5内を流れる水の量が減少し、熱交換器5における熱交換効率が低下するとともに、熱交換器5での熱交換により生成される凝縮水の量が減少するおそれがある。
ここで、循環水供給管28を、熱交換器5にて熱交換された後の水を貯湯タンク14に供給するための戻り配管13に接続することにより、熱交換器5内を流れる水の量が減少することを抑制でき、熱交換器5における熱交換効率が低下することや、熱交換器5での熱交換により生成される凝縮水の量が減少することを抑制することができる。
それにより、熱交換効率を低下することなく、混合排水のpHを所定の範囲内とすることが可能となり、環境や下水処理に及ぼす影響を低減することが可能な燃料電池コージェネレーションシステムとすることができる。
図4は、本発明のコージェネシステムのさらに他の一例を示した構成図である。図4に示すコージェネシステムにおいては、混合タンク21に供給する水として、外部からの水と循環配管を流れる水との両方を用いる場合の例を示している。
図2に示すコージェネシステムにおいては、混合タンク21に供給する水として、外部からの水を供給する場合の例を示し、図3に示すコージェネシステムにおいては、混合タンク21に供給する水として、循環配管を流れる水を供給する場合の例を示したが、貯湯タンク14内に貯水されている水の量や温度によっては、これらを使い分ることが好ましい。
特には、貯湯タンク14内に貯水されている水の量が少ない場合には、貯湯タンク水供給管23より多くの水を貯湯タンク14に供給することが好ましく、この場合に外部水供給管26より混合タンク21への供給を停止し、循環水供給管28より混合タンク21へ循環水を供給することが好ましい。
一方、貯湯タンク14内に貯水されている水の温度が低い場合には、貯湯タンク水供給管23より貯湯タンク14に供給される外部からの水を停止することが好ましく、この場合に、循環水供給管28より混合タンク21への供給を停止し、外部水供給管26より混合タンク21へ外部水を供給することが好ましい。
それゆえ、図4に示すコージェネシステムにおいては、混合タンク21に供給する水として、外部からの水と循環配管を流れる水との両方を用いる場合の例を示している。
具体的には、混合用水供給手段が、貯湯タンク14に外部から水を供給するための外部水供給手段と、外部水供給手段と混合タンク21とを接続する外部水供給管26と、外部水供給管26に設けられ、外部水供給手段から混合タンク21に供給する水の供給量を調整するための外部水調整弁27と、循環配管と、循環配管(戻り配管13)と混合タンク21を接続する循環水供給管28と、循環水供給管28に設けられ、循環配管から混合タンク21に供給する水の供給量を調整するための循環水調整弁29とを含んでなる。さらに、貯湯タンク14には、貯湯タンク14の貯水量を測定するための貯水量センサ31と、貯湯タンク14に貯水された水の温度を測定するための貯湯タンク温度センサ32とが設けられており、貯水量センサ31および貯湯タンク温度センサ32により測定された情報に基づいて、所定時間おきに、外部水供給管26を流れる水および循環配管を流れる水のうち少なくとも一方を混合タンク21に供給するように、外部水調整弁27および循環水調整弁29の動作を制御する制御装置9を備えている。
それにより、貯水量センサ31により測定される貯湯タンク14の貯水量や、貯湯タンク温度センサ32により測定される貯湯タンク14に貯水された水の温度に基づいて、制御装置9が、所定時間おきに、外部水調整弁27および循環水調整弁29の動作を制御して、適宜外部水供給管26および循環水供給管28より混合タンク21に水を供給することで、効率よく混合排水のpHを所定の範囲内とすることができる。
具体的には、貯水量センサ31により測定された貯湯タンク14の貯水量情報と、貯湯タンク温度センサ32により測定された貯湯タンク14に貯水された水の温度情報とが制御装置9に伝送される。制御装置9は、所定時間おきに、外部水調整弁27および循環水調整弁29の動作を制御して、適宜外部水供給管26および循環水供給管28より混合タンク21に水を供給するが、その際、貯水量センサ31より伝送された貯水量情報が所定の範囲外の場合には、循環水供給管28より混合タンク21に循環水が供給されるように、外部水調整弁27および循環水調整弁29の動作を制御する。それにより、凝縮水処理装置16と、循環水供給管28より供給される循環水とが混合されることで、混合排水のpHを所定の範囲内とすることができる。ここで、貯水量が所定の範囲とは、貯湯タンク14の容量等に基づいて適宜設定することができ、例えば最低貯水量とすることができる。
一方、制御装置9は、所定時間おきに、外部水調整弁27および循環水調整弁29の動作を制御して、適宜外部水供給管26および循環水供給管28より混合タンク21に水を供給するが、その際、貯湯タンク温度センサ32より伝送された温度情報が所定の範囲外の場合には、外部水供給管26より混合タンク21に外部水が供給されるように、外部水調整弁27および循環水調整弁29の動作を制御する。それにより、凝縮水処理装置16からの排水と、外部水供給管26より供給される外部からの水とが混合されることで、混合排水のpHを所定の範囲内とすることができる。ここで、貯湯タンク14に貯水された水の温度の所定の範囲とは、適宜設定することができ、例えば貯湯タンク14の底部側の水の温度が65℃〜80℃とすることができる。なお、制御装置9は、混合タンク21に、外部水供給管26および循環水供給管28の両方より水が供給されるように、外部水調整弁27および循環水調整弁29の動作を制御することもできる。なお、所定時間おきに、外部水調整弁27および循環水調整弁29の動作を制御するにあたっての所定時間とは、上述した時間とすることができる。
図5は、本発明のコージェネシステムのさらに他の一例を示した構成図である。図5に示すコージェネシステムにおいては、混合タンク21に供給する水として、外部からの水と循環配管を流れる水との両方を用いる場合の例を示しており、図4に示すコージェネシステムと対比して、外部水供給手段と混合タンク21とを接続する外部水供給管26と、循環配管と混合タンク21とを接続する循環水供給管28とが三方弁33により接続されており、三方弁33と混合タンク21とが接続管30により接続されている点と、外部水調整弁27と循環水調整弁29とを備えていない点と、制御装置9が、貯水量センサ31および貯湯タンク温度センサ32により測定される情報に基づいて三方弁33の動作を制御する点で異なっている。
図5に示すコージェネシステムにおいては、制御装置9が、貯水量センサ31および貯湯タンク温度センサ32により測定された情報に基づいて三方弁33の動作を制御することで、適宜外部水供給管26または循環水供給管28より混合タンク21に水を供給することで、効率よく混合排水のpHを所定の範囲内とすることができる。
具体的には、貯水量センサ31により測定された貯湯タンク14の貯水量情報と、貯湯タンク温度センサ32により測定された貯湯タンク14に貯水された水の温度情報とが制御装置9に伝送される。制御装置9は、所定時間おきに、三方弁33の動作を制御して、適宜外部水供給管26および循環水供給管28より混合タンク21に水を供給するが、その際、貯水量センサ31より伝送される貯水量情報が所定の範囲外の場合には、循環水供給管28より混合タンク21に循環水が供給されるように、三方弁33の動作を制御する。それにより、凝縮水処理装置16からの排水と、循環水供給管28より供給される循環水とが混合されることで、混合排水のpHを所定の範囲内とすることができる。ここで、貯水量が所定の範囲とは、貯湯タンク14の容量等に基づいて適宜設定することができ、例えば最低貯水量とすることができる。
一方、制御装置9は、三方弁33の動作を制御して、適宜外部水供給管26および循環水供給管28より混合タンク21に水を供給するが、その際、貯湯タンク温度センサ32より伝送された温度情報が所定の範囲外の場合には、外部水供給管26より混合タンク21に外部水が供給されるように、三方弁33の動作を制御する。それにより、凝縮水処理装置16からの排水と、外部水供給管26より供給される外部からの水とが混合されることで、混合排水のpHを所定の範囲内とすることができる。ここで、貯湯タンク14に貯水された水の温度の所定の範囲とは、上述と同様に、例えば貯湯タンク14の底部側の水の温度が65℃〜80℃とすることができる。また、所定時間おきに、三方弁33の動作を制御するにあたっての所定時間とは、上述した時間とすることができる。
図6は、本発明のコージェネシステムのさらに他の一例を示した構成図である。図6に示すコージェネシステムにおいては、図4に示すコージェネシステムに加えて、外部より供給される水(水道水等)を浄化し、浄化された水を改質器4に水を供給するための外部水処理装置Xを備えている。
外気温が高く且つ湿度が低い場合等において、熱交換器5における熱交換により生成される凝縮水の量が少ない場合がある。この場合に、コージェネシステムが水自立運転を行なうことが困難となるおそれがある。また、水タンク7に貯水された水の量が少ない場合にも水自立運転が困難となるおそれがある。
それゆえ、図6に示す燃料電池装置においては、外部より供給される水を浄化し、浄化された水を改質器4に供給するための外部水浄化装置Xを具備している。
ここで、外部水浄化装置Xとしては、外部より供給される水の量を調整するための給水弁35、水を浄化するための活性炭フィルタ装置36、逆浸透膜装置37およびイオン交換樹脂装置38の各装置のうち、少なくともイオン交換樹脂装置38(好ましくは全ての装置)、各装置を接続する水供給管34を具備し、図6において、外部より供給される水を浄化し、浄化された水を改質器4に供給するための各装置類を一点鎖線により囲い、外部水浄化装置Xとして示している。なお、イオン交換樹脂装置38にて浄化された水は、水タンク7に供給される。
なお、外部水浄化装置Xとは、上述した外部から供給される水を処理するための各装置を意味するものとし、図6に示したコージェネシステムにおいては、上記各装置のすべてを備える構成を示している。
ここで、混合用水供給手段として、外部水浄化装置Xに供給される外部水を用いることもでき、図6に示したコージェネシステムにおいては、混合用水供給手段が、図4に示したコージェネシステムの構成に加えて、外部水浄化装置Xに水を供給する水供給管34と、水供給管34に設けられた給水弁35(三方弁)、給水弁35の一端と混合タンク21とを接続する水供給管39とを含んでいる。なお、給水弁35として、三方弁の代わりに、電磁弁等の弁を水供給管34と水供給管39のそれぞれに設けることも可能である。この場合、水供給管34に設ける電磁弁は、水供給管39との接続部よりも下流側に設けることが好ましい。
それにより、外部水供給管26や循環水供給管28から混合タンク21に水を供給することが困難な場合において、制御装置9が、所定時間おきに、給水弁35の動作を制御することにより、水供給管34を流れる外部水を、水供給管39を介して混合タンク21に供給することができ、混合排水のpHを所定の範囲内とすることができる。
具体的には、制御装置9は、所定時間おきに混合用水供給手段の動作を制御するが、その際、貯水量センサ31より伝送された貯水量情報が所定の範囲外であり、かつ貯湯タンク温度センサ32より伝送された温度情報が所定の範囲外の場合には、水供給管34を流れる外部水を、水供給管39を介して混合タンク21に供給するように、給水弁(三方弁)35の動作を制御する。それにより、凝縮水処理装置16からの排水と、水供給管39を介して供給される外部水とが混合されることで、混合排水のpHを所定の範囲内とすることができる。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
例えば、上記例においては、混合部(混合タンク21)および外部排水管22を発電ユニットおよび貯湯ユニット外の部位に配置した例を示して説明したが、混合部(混合タンク21)を発電ユニット内や貯湯ユニット内に配置することも可能である。
また、例えば、混合部として混合タンク21を備える例を示したが、凝縮水処理装置16からの排水と混合用水供給手段より供給される混合用水を混合するための混合部材を備え、混合部材にて凝縮水処理装置16からの排水と混合用水供給手段より供給される混合用水とを混合した後に、混合タンク21に混合排水を供給するように構成することもできる。
さらに、本発明のコージェネシステムにおいては、制御装置9が所定時間おきに、混合用水供給手段を制御するが、例えば混合タンク21に貯水量センサを備え、貯水量センサ測定する混合タンク21の貯水量が所定の値を超えるたびに、混合用水が混合タンク21に供給されるように、混合用水供給手段を制御することもできる。それにより、混合排水のpHを効率よく所定の範囲内とすることができるとともに、混合用水の使用量が増加することを抑制することができる。
また、外部水浄化装置Xを備えていない構成において、貯水量センサ31より伝送される貯水量情報が所定の範囲外であり、かつ貯湯タンク温度センサ32より伝送される温度情報が所定の範囲外の場合に、制御装置9は発電ユニットでの発電を停止するように制御することもできる。この場合には、発電ユニットでの発電を停止することで、水質の悪化した水が外部に排水されることを停止することができる。