JP2015101507A - 二酸化塩素を放出する方法 - Google Patents

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靖浩 戸田
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Abstract

【課題】容器内に収納されている二酸化塩素を含有または発生する水から二酸化塩素を放出する方法であって、含有成分による調整ではなく、特定の通気性を有する包装材を用いることで容易に二酸化塩素の放出を長期間持続させる方法を提供する。【解決手段】 容器内に収納されている二酸化塩素を含有または発生する水から二酸化塩素を放出する方法であって、半透膜フィルムを通して水分と共に二酸化塩素を放出する方法であり、水が基材に吸収されており、該基材が多孔性無機粒子および/または吸水性樹脂粒子であり、二酸化塩素を含有または発生する水を吸収した後でも粒子状態である方法である。【選択図】 図2

Description

本発明は、二酸化塩素を放出する方法に関する。より詳細には、半透膜フィルムを通して水分と共に二酸化塩素を放出させる方法に関する。
近年、二酸化塩素は塩素に代わる殺菌消毒剤として注目されている。従来、二酸化塩素を発生させる方法としては、亜塩素酸塩と酸を混合反応させるのが主流であった(たとえば、特許文献1)。しかしながら、この方法は、最初は二酸化塩素が多く発生するが次第に発生が少なくなり、長期間持続的に二酸化塩素を放出するのが難しいという問題があった。二酸化塩素を長期間持続的に発生させる方法が検討され、たとえば、リン酸二水素ナトリウムなどのpH調整剤を用いたり(たとえば、特許文献2)、特定の酸を用いたり(たとえば、特許文献3)、多孔質物質を併用して二酸化塩素を一旦吸収させたり(たとえば、特許文献4)する方法が提案されている。
特開昭60−161307号公報 特開2013−75820号公報 特許4373386号 特開2002−370910号公報
しかしながら、上記の方法は組成物に関し、二酸化塩素が発生するpHは中性〜酸性であるので、二酸化塩素放出の最適化を含有成分によって調整することが難しいという問題がある。
本発明の目的は、含有成分による調整ではなく、特定の通気性を有する包装材を用いることで容易に二酸化塩素の放出を長期間持続させる方法を提供することである。
発明者は、鋭意検討した結果、半透膜フィルムを用いて水分の揮散を抑制することで上記目的を達成できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、容器内に収納されている二酸化塩素を含有または発生する水から二酸化塩素を放出する方法であって、半透膜フィルムを通して水分と共に二酸化塩素を放出する方法である。
さらに本発明は、上記二酸化塩素を含有または発生する水が基材に含浸されていることを特徴とする。
さらに本発明は、上記基材が多孔性無機粒子および/または吸水性樹脂粒子であり、二酸化塩素を含有または発生する水を吸収した後でも粒子状態であることを特徴とする。
さらに本発明は、上記基材が吸水性樹脂粒子であり、該吸水性樹脂粒子が疎水性微粒子で処理されていることを特徴とする。
さらに本発明は、上記半透膜フィルムが液体の水を通さないが水蒸気を通す半透膜フィルムであることを特徴とする。
本発明において、容器内に収納されている二酸化塩素を含有または発生する水(以下、単に抗菌水という場合がある)から二酸化塩素を放出する方法であって、半透膜フィルムを通して水分と共に二酸化塩素を放出する方法あるので、水分の放出が抑制されると共に二酸化塩素の放出速度がより均一化され、そのため二酸化塩素が長期間より安定的に放出される。
さらに本発明は、上記抗菌水が基材に含浸されているので、抗菌水が半透膜フィルムから外部ににじみ出ることはなく、安全に使用することができる。
さらに本発明は、上記基材が多孔性無機粒子および/または吸水性樹脂粒子であり、二酸化塩素を含有または発生する水を吸収した後でも粒子状態であるので、粒子間に空隙があると同時に粒子の表面積がゲルや液体の表面積よりも大きくそれだけ水分や二酸化塩素が空隙中に放出されやすい。そして、空隙中に存在する二酸化塩素が半透膜フィルムを通して外部に抑制的に放出される。
また、ゲル状ではなく粒子状であるため、袋などの容器に収納するのに作業性がよいという効果も奏する。
抗菌水が多孔性無機粒子や吸水性樹脂粒子に吸収されており、通常のゲル状物に比較して抗菌水が直接に袋などの容器表面に接触することが少ない。そのため抗菌水中の成分がこれを収納する容器に与える影響が少なくなる。したがって、抗菌水中の二酸化塩素が容器を腐食しにくくなる。
さらに本発明は、前記基材が吸水性樹脂の粒子であり、該吸水性樹脂の粒子が疎水性微粒子で処理されているので、抗菌水を吸収しても吸水性樹脂はゲルにならずに容易に粒子状態で存在することができる。吸水性樹脂は無機粒子に比較して吸水倍率が格段に大きいので少量の吸水性樹脂で多量の抗菌水を保持することができ、長期間抗菌効果を持続することができる。
吸水性樹脂の粒子が疎水性微粒子で処理されているので、吸水性樹脂粒子の表面がさらっとしており、水を吸収した吸水性樹脂粒子の粒子同士が粘着しにくくそのため粒子状態になりやすい。また粒子もさらっとしているので、取り扱いやすく容器に入れやすく生産上も有利である。本発明において、粒子状態とは粒子と粒子が離れており、個々の粒子が明確に確認でき、全体が流動性を有する状態をいう。
さらに本発明は、半透膜フィルムが液体の水を通さないが水蒸気を通す半透膜フィルムであるので、容器に醤油や酢などの酸性を示す水溶液がかかったとしても半透膜フィルムが液体の水を通さないので中に入らず、抗菌水から二酸化塩素の発生が助長されることはなく弊害が少なくなる。
図1(a)は、本発明における一実施態様である偏平状タイプの正面図であり、図1(b)は図1(a)のX−Y軸を含み紙面に垂直な平面で切断した断面図を示す。図1(c)は図1(b)の偏平状タイプに不透過性素材で形成された密閉容器に封入した偏平状タイプの断面図である。 図2(a)は、本発明における一実施態様であるシート状タイプの斜視図である。図2(b)は、図2(a)に記載されたX−Y軸を含み紙面に垂直な平面で切断したシート状タイプを拡大した断面図である。図2(c)は図2(b)のシート状タイプを不透過性素材で形成された密閉容器に封入したシート状タイプの断面図である。
以下、本発明の実施の形態につき、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
本発明において、二酸化塩素を含有または発生する水としては、たとえば亜塩素酸塩水溶液、安定化二酸化塩素水溶液、二酸化塩素を水に溶解した水溶液(たとえば、純粋二酸化塩素水溶液や純粋中性二酸化塩素水溶液など)が挙げられるがこれらに限定されない。好ましいのは亜塩素酸塩水溶液、安定化二酸化塩素水溶液である。これらの中に次亜塩素酸塩を含んでいてもよい。
亜塩素酸塩水溶液は、亜塩素酸塩を含む水溶液をいう。亜塩素酸塩としては、酸と反応して二酸化塩素を生成するものであれば特に制限はないが、たとえば、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、亜塩素酸リチウムなどの亜塩素酸アルカリ金属塩、または亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸バリウムなどの亜塩素酸アルカリ土類金属塩などが挙げられる。これらの中で、亜塩素酸ナトリウムが入手しやすく使用上も問題がなく好ましい。
亜塩素酸塩水溶液は、pHが8.5以上であれば化学的にも安定であり、密封容器内に保存することにより、0.5年〜1年程度の保存が可能である。亜塩素酸ナトリウムの水溶液としては市販品の32質量%品または25質量%品などが使用できる。
安定化二酸化塩素水溶液とは、二酸化塩素をアルカリ性水溶液に溶存させて安定化した水溶液をいい、既存化学物質1−143,CAS
No.10049−04−4であり、二酸化塩素と同一番号で特定される化学物質である。一方、亜塩素酸ナトリウムおよび亜塩素酸ナトリウム水溶液は、いずれも既存化学物質1−238,CAS
No.7758−19−2で特定される化学物質である。
安定化二酸化塩素水溶液は、溶存する二酸化塩素が安定化されている溶液であれば、製造方法には特に制限はないが、たとえば、炭酸ナトリウム水溶液に二酸化塩素ガスを吹き込みながら過炭酸ナトリウムを添加することにより得られる。また、溶液中に溶存する二酸化塩素を安定化させるための安定化剤が添加される場合もある。
本発明において用いられる安定化二酸化塩素水溶液に含まれる二酸化塩素含有量は、特に制限はないが、脱臭、殺菌、防カビ、防腐になどに有効な濃度の二酸化塩素を安定に維持する観点から、0.05質量%から25質量%までが好ましい。
たとえば、安定化二酸化塩素水溶液の市販品として、International Dioxide INC社製のAnthium
Dioxcideは、5質量%(50000ppm)の二酸化塩素と、3.65質量%の炭酸ナトリウムと、91.35質量%の水と、を含む。Rio Linda Chmical
Co社製のEZ Flow 25%は、25質量%の二酸化塩素と、5質量%の塩化ナトリウムと、2質量%の炭酸ナトリウムと、68質量%の水と、を含む。Bio−Cide
Chemical Co.Inc社製のPurogeneは、2質量%(20000ppm)の二酸化塩素を含む。
本発明においては抗菌水が容器内に収納されていれば本発明の効果を奏するが、抗菌水が基材に吸収されているのが好ましい。抗菌水が基材に含浸されていると、抗菌水が半透膜フィルムから外部ににじみ出ることはなく、安全に使用することができる。
抗菌水を吸収する基材としては、抗菌水を吸収して容器内に収納できれば特に限定はないが、多孔性無機粒子および/または吸水性樹脂粒子が好ましく使用できる。これらの粒子は二酸化塩素を含有または発生する水を吸収した後でも粒子状態であるのが特に好ましい。
本発明における多孔性無機粒子としては、セピオライト、モンモリロナイト、ケイソウ土、タルク、シリカゲル,アルミナゲル,シリカアルミナゲル,ゼオライト、ケイ酸カルシウム,活性白土、貝がら・サンゴなどの焼成骨材、焼成粘土などが挙げられる。多孔性無機粒子の中で抗菌水を多く吸収保持できる観点から、表面積が比較的大きいセピオライト、モンモリロナイト、ケイソウ土、タルクおよびゼオライトなどが好ましい。ここで、セピオライトは、ケイ酸マグネシウム塩の天然鉱物であって化学構造式は(OH24(OH24(OH24Mg8Si1230・6〜8H2Oで表され、その結晶構造は繊維状で表面に多数の溝を有すると共に、内部に筒型トンネル構造のクリアランスを多数有し、非常に表面積の大きい物質である。
これら多孔性無機粒子の粒子径はこれを充填する容器の大きさや使用目的によって異なるが、好ましくは0.1〜5mmのものが用いられる。
多孔性無機粒子に吸収される抗菌水の量は限定はないが、多孔性無機粒子が吸収する抗菌水の量は後述する吸水性樹脂粒子に比較して少量であり、抗菌水を100%吸収させて使用するのが好ましい。
本発明における吸水性樹脂粒子は吸水性樹脂の粒子であり、天然系でも合成系でも特に限定はなく、吸水性樹脂としては、安価で、安全性、耐久性、吸水倍率・保水性などの吸水特性に優れ、かつ、腐敗の心配の無いものが好ましい。
このようなものとして特に合成系の吸水性樹脂が挙げられ、吸水・保水するものであれば特に限定されるものではないが、たとえば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、デンプン−アクリル酸グラフト重合体の中和物、デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合架橋体、アクリロニトリル共重合体若しくはアクリルアミド共重合体の加水分解物またはこれらの架橋体、アクリル酸塩−アクリルアミド共重合架橋体、ポリビニルアルコール架橋体、変性ポリエチレンオキサイド架橋体、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩共重合架橋体、(メタ)アクリロイルアルカンスルホン酸塩共重合架橋体、架橋カルボキシメチルセルロース塩、カチオン性モノマーの架橋重合体などが挙げられる。これらのうち、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、およびデンプン−アクリル酸グラフト重合体の中和物が、吸水特性、安全性や経済性などが特に良好であるため好ましい。
本発明における吸水性樹脂は、重合・架橋して得られる吸水性樹脂の含水ゲル状重合体を乾燥後、粉砕して得られるものが使用できるが、さらに必要により粒度調整して得られる吸収剤粒子の表面近傍を、カルボキシル基などの酸基及び/又はその塩基と反応しうる官能基を少なくとも2個有する架橋剤で表面架橋した表面架橋型の吸水性樹脂とすればより好適に用いられる。
このような表面架橋型の吸水性樹脂は、常圧下だけでなく加圧下においても吸水性、保水性に優れ、かつゲル強度も大きくなるので、保水性がさらに良好であり本発明に好適である。
上記の吸水性樹脂は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。上記吸水性樹脂は粒子状であり、所定形状に造粒されていてもよく、また、不定形破砕状、球状、鱗片状、繊維状、棒状、塊状、粉末状など、形状には限定はないが、吸水特性を向上させるために、粉末状であることがより好ましい。
粒子の平均粒子径について特に限定はないが、好ましくは30〜850μmであり、より好ましくは60〜400μmである。30μmより大きいと吸水特性が良好であり生産しやすい。850μmより小さいと袋体に入れてもブロッキングしにくい。粒度分布は特に限定はないが、好ましくは30〜850μmの範囲の粒子が95質量%以上になるような粒度分布である。ここで平均粒子径は質量平均粒子径を意味し、質量平均粒子径は、架橋重合体の各粒度分布を横軸が粒子径、縦軸が質量基準の含有量の対数確率紙にプロットし、全体の50%を占めるところの粒子径を求める方法により測定する。たとえば、通常の篩振とう法が適用できる。
吸水倍率は20〜1,000g/gが好ましく、80〜600g/gがより好ましい。吸水倍率が20g/g以上であると吸水性、保水性が良好であり、1,000g/g以下であると抗菌水を吸収してもさらっとした粒子状となりやすい。吸水量は上記の吸水性樹脂の種々の製造条件によりコントロールできる。
保水量/吸水倍率の比は0.55〜1.00が好ましく、0.65〜1.00がより好ましい。保水量/吸水量の比が0.55以上であると長期間二酸化塩素水を保持しやすい。保水量/吸水倍率の比はモノマーの種類や架橋条件などによりコントロールできる。
吸水倍率、保水量は以下のようにして測定できる。
[吸水倍率]
250メッシュナイロンネット製、サイズ10×20cm、ヒートシール幅5mm以内のティーバッグと、純水を準備する。吸水性樹脂をJIS標準篩いでふるい分けし、30〜100メッシュの粒径のものを採取して測定試料とする。
試料0.20gをティーバッグへ投入し、それを純水中に、ティーバッグの底から約15cmを浸す。1時間放置後にティーバッグを引き上げ、垂直に吊るして15分間水切りする。重量(Ag)を測定する。試料を入れない空ティーバッグを使用して同様の操作を行い重量(Bg)を測定する。測定は各3回行い平均する。吸水倍率(g/g)=(A−B)/0.2より計算する。
[保水量]
150G(1100rpm、r=10cm)の遠心力が発揮できる遠心分離器を準備する。遠心分離器に吸水量測定後の試料入りティーバッグをセットし、それと対角線上に空ティーバッグをセットし、150G×90秒遠心分離する。各々のティーバッグの重量を測定し、保水量(g/g)=(A−B)/0.2より計算する。
保水量/吸水倍率は、上記の数値を用いれば計算できる。
上記吸水性樹脂は、二酸化塩素を含有または発生する水を吸収しても粒子状態が好ましい。吸水性樹脂中の含水量が少なければ粒子の形状を保持しやすいし、含水量が多くなると粒子がくずれゲル状態になる。このような吸水性樹脂としては表面架橋したものが形状を保持しやすいので好ましい。また粒子の表面を疎水性微粒子で処理して粒子表面を疎水性とすればさらに表面がさらっとして、さらに粒子状態を保持しやすくなるのでより好ましい。このようにすれば抗菌水を吸収した吸水性樹脂を容易に粒子状態とすることができる。
粒子表面を疎水化処理する場合に用いる疎水性微粒子は、疎水性であり、吸水性樹脂の粒子径よりも小さい微粒子であれば、特に限定されるものではないが、たとえば無機微粒子を疎水化処理した疎水化無機微粒子が好適である。無機微粒子の平均一次粒子径は7nm以上300nm以下が好ましい。この範囲内の無機微粒子であると吸水性樹脂の粒子の表面に付着して吸水性樹脂の疎水性を向上させることができる。より好ましくは10nm以上100nm以下である。
無機微粒子としては、たとえばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができるが、本発明においてはシリカが汎用性があり好ましい。
無機微粒子を疎水化処理するための疎水化処理剤としては、たとえば、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビニルメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルビニルクロルシラン、オクチルトリクロルシラン、ジペンチルジクロルシラン、トリヘキシルクロルシラン、トリデシルクロルシラン、ジオクチルメチルクロルシラン、イソブチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ジエチルテトラチルジシラザンなどの有機系シラン化合物やジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル、メタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル等のシリコーンオイル、その他シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤などが挙げられる。中でも有機系シラン化合物が好ましい。
上記の疎水化処理剤で前記無機微粒子を処理することによって得られる疎水性無機微粒子が得られるが、これらの中でも疎水化シリカ微粒子が好ましい。疎水化シリカ微粒子の市販品としては、たとえばHDK
H 2000、HDK H 2000/4、HDK H 2050EP、HVK21(以上ヘキスト社製)やR972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(以上日本アエロジル社製)、TS530、TS720(以上キャボット社製)などが挙げられ、これらが使用できる。
吸水性樹脂を疎水性微粒子で処理する方法としては、吸水性樹脂に疎水性微粒子を配合して好ましくは0〜50℃、より好ましくは10〜30℃で混合すれば容易に得られる。好ましくは吸水性樹脂100重量部に対して疎水性微粒子を1〜20重量部、より好ましくは2〜7重量部配合して混合する。混合方法は両者を容器に入れ攪拌混合するか、振ることにより得られる。また、容器中で混合してもよい。
また二酸化塩素を含有または発生する水を吸水性樹脂に含ませた後で、疎水性微粒子をさらに加えて混合することによりさらにさらっとさせることもできる。
二酸化塩素を含有または発生する水を吸収する前の吸水性樹脂(以下、含水前の吸水性樹脂ということがある)と抗菌水の比率は、好ましくは重量比で1:1〜1:40である。抗菌水の比率が1以上であれば、粒子から二酸化塩素および水を揮散することができ、40以下であれば含水後の吸水性樹脂が粒子状になりやすい。より好ましくは1:3〜1:10である。
また、含水前の吸水性樹脂に抗菌水を吸収させる場合、抗菌水の量は吸水性樹脂の吸水倍率の1/10以下が好ましく、1/30以下がより好ましく、1/80以下が特に好ましい。1/10以下であると吸水性樹脂が抗菌水を吸収して粒子状になりやすい。
吸水性樹脂に抗菌水を吸収させる方法は、たとえば室温で吸水性樹脂粉末に抗菌水をスプレーするか、吸水性樹脂と抗菌水を袋などの容器に配合後閉じて攪拌または振ればできる。
吸水性樹脂が抗菌水を吸収した後の粒子の形状は特に限定はないが、粉末状が取り扱いやすく、二酸化塩素水の揮散も良好であるので好ましい。
抗菌水を吸収した吸水性樹脂の粒子の平均粒子径は0.1〜3mmであるのが好ましい。抗菌水を吸収した吸水性樹脂は当然膨潤するが、上記のように抗菌水の量をある程度以下に抑えるとゲル化せず粒子の形状を維持することができる。吸水後の粒子径が上記範囲であるとゲル化した場合に比べてはるかに表面積が大きく、二酸化塩素および水分がさらに揮散しやすくなる。また全体が流動性を有するので、粒子に衝撃や振動が加わると、粒子の周辺の空気が振動したり、粒子が動き、さらにはその粒子が衝突したりし、二酸化塩素が水分と共に粒子から放出される。平均粒子径が0.1mmより大きいと粒子状を保持しやすく取り扱いやすい。3mより小さいと袋体に入れてもブロッキングしにくい。好ましくは0.3mm以上、2mm以下である。この範囲内であると粒子状態としてさらに好適に使用できる。粒度分布は特に限定はないが、好ましくは0.1〜3mmの範囲の粒子が80質量%以上になるような粒度分布である。ここで平均粒子径、粒度分布は上記の含水する前の吸水性樹脂の場合と同じである。
吸水性樹脂粒子のカルボキシル基は亜塩素酸塩と反応して二酸化塩素を発生させる。吸水性樹脂中のカルボキシル基は完全中和されておらず、通常20〜30モル%のカルボキシル基は未中和となっている。抗菌水を吸収した粒子における吸水性樹脂は粒子の外枠を形成しており、吸水性樹脂中の水の中を自由に動き回ることはできないので、粒子中の水の中に存在する亜塩素酸塩が移動して吸水性樹脂のカルボキシル基に接触して反応する。使用時は水分の揮散や粒子の振動、衝突により亜塩素酸塩がカルボキシル基と反応するので、継続して二酸化塩素を発生することができる。また、水分が揮散することにより、吸水性樹脂の吸収能力に余力があり発生した二酸化塩素を保持し、持続性に寄与することもできると推察される。
また、多孔性無機粒子や吸水性樹脂粒子はシート状の形態で使用することができる。シート状においても粒子状態を維持することができる。シート状にする方法は公知の方法が適用できる。たとえば、シート用の基材にこれらの粒子を固定させたもの、該基材に該粒子を散布し、他方の基材でサンドイッチ状に挟み、エンボス加工法、ニードルパンチ法、ステッチボンド法、融着法などの方法で粒子を一体化したものなどが挙げられる。シート用の基材上での粒子の位置は基材の全面であれ巾をもった線状であれ連続的に散布するのが好ましい。
該シート用の基材としては、たとえば、木材パルプなどの綿状物や、吸水性繊維などの各種繊維を抄紙、機械的接着、バインダー接着、スパンボンド法、スパンレース法などの適宜の方法でシート化したもの;これらを積層してなる積層体が挙げられる。好ましいものは、布(特に好ましくは不織布)、紙などの基材の片面または両面に粘着剤やバインダー樹脂を用いて粒子を固定化させたものであり、特に好ましいものは、木材パルプの綿状物、積層体やティッシュなどの紙に粒子を固定させたもの、基材でサンドイッチ状に挟んだ後、エンボス加工法、ニードルパンチ法で粒子を一体化したもの、プラスチックフィルムの片面または両面に粘着剤やバインダー樹脂を用いて粒子を固定させたもので、たとえば、セロハンやビニールの粘着テープを用いて、粘着面に粒子を散布し圧着ロールで固定したものが挙げられる。
上記のようにして抗菌水を吸収した粒子をシート状にしてもよいし、抗菌水を吸収する前の粒子をシート状にしておいてから、抗菌水を吸収後粒子状態となる量の抗菌水をシートの中の吸水性樹脂の粒子の上に落し吸収させてもよい。好ましくは前者である。
粒子の固定量は好ましくは1〜100g/m2、より好ましくは10〜60g/m2であり、特に好ましくは20〜50g/m2である。
シートの厚みは好ましくは0.001〜5mm、より好ましくは0.01〜3mmである。
多孔性無機粒子および/または吸水性樹脂の粒子の中で好ましいのは吸水性樹脂粒子である。
本発明は、容器内に収納されている抗菌水を半透膜フィルムを通して水分と共に二酸化塩素を放出する方法である。半透膜フィルムは、気体の通気性も小さく水の気体(本発明においては水分とか水蒸気とかいうものとする)の揮散を抑制することができる。同時に系内からの二酸化塩素の放出を抑え、全体的に放出速度をより均一化することができる。半透膜フィルムは特に限定はなく、目的とする二酸化塩素のより均一な放出速度が得られるように半透膜フィルムを選定すればよい。本発明においては、特に液体の水は通さないが水蒸気を通す半透膜フィルムが実用的であり好ましい。液体の水は通さないが水蒸気を通す半透膜フィルムを用いると、たとえば、容器に醤油や酢などの酸性を示す水溶液がかかったとしても半透膜フィルムが液体の水を通さないので容器中にはいらないので抗菌水から二酸化塩素の発生が助長されることはなく弊害が少なくなる。
このような半透膜フィルムとしては、たとえば、ポリビニルアルコール系フィルム(ビニロンフィルム)、セロフアン、低延伸性ナイロンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、エチレン−ビニルアルコール系共重合体フィルム、多孔性フィルム(微細孔を持つフィルム)などが挙げられるが、これらに限定されない。多孔性フィルムの中には、たとえば直径0.01〜100μmの微細孔を1m当たり10〜1,000個開けたタイプのもの、フィルム全体に小さな引っ掻き傷を無数につけ(一部貫通しているところもある)、傷の深さと数で水蒸気透過量を制御するタイプのものなどが挙げられる。
容器において半透膜フィルムの外側には何もないのが好ましいが、水分の揮散を阻害しないものであれば、半透膜フィルムは織布、不織布などの基材で強度などが補強されていてもかまわない。
容器の包材として半透膜フィルムを用いると水分の揮散速度が遅くなり、その影響で二酸化酸素の放出も抑制され、全体として二酸化塩素の放出速度が均一化され放出が長期間持続するので好ましい。
容器の大きさは任意である。容器の形状も任意であるが、偏平状、直方体状、円筒状、球状、シート状のものが挙げられるが、大きさが小さく厚さが薄い偏平状タイプのものやシート状タイプのものが抗菌水の量が少なくなり、それだけ本発明の効果を奏しやすい。すなわち、少量の抗菌水を用いる用途であっても長期間二酸化塩素を放出することができるので好ましい形態である。容器は半透膜フィルムのみで形成されていてもよいし半透膜フィルムの一部を他の材料で置き換えて形成されていてもよい。また、目的とする二酸化塩素の放出速度を得るために半透膜フィルムの面積を変えることができる。他の材料としては限定がなく、通気性があっても通気性がなくてもよいが、好ましくはプラスチックフィルムやアルミニウム層を積層したフィルムなどである。
さらにこの容器は、使用するまでは水分と二酸化塩素が放出できないようにシールをしておいて、使用時にシールを剥がして使用できるようにすることが挙げられるが、別の密閉容器に入れておいて、使用時に密閉容器から取り出して使用するのが好ましい。
別の密閉容器は本発明における容器がいれられればよく、これを構成する材質は、二酸化塩素ガスを透過させない不透過性素材であれば限定はないが、二酸化塩素の安定性を維持する観点から遮光性の材料であることが好ましい。このようなものとして、たとえばアルミニウム層とプラスチック層との積層フィルム、アルミニウム蒸着フィルムなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の方法が適用できる好ましい形態は、偏平状タイプ、シート状タイプである。偏平状タイプやシート状タイプの製造法は特に限定されないが、たとえば、少なくとも一方の面を半透膜フィルムとし、他方の面を不透過性基材で構成し、一部を残して閉じた形状にヒートシールした後、上記粒子やシートを挿入しヒートシールして密閉する。この状態では水分が揮発するので不透過性素材で形成された容器に封入して密閉すれば得られる。このような形態にする場合は、たとえば、両面を半透膜フィルムで構成し、粒子や上記シートを入れた後、周囲をヒートシールしてもよく、半透膜フィルムは片面のみにして、別の片面を不透過性基材にしてもよく、さらに厚い不透過性基材に粘着剤または粘着テープを貼り、使用時に衣服に貼付してもよい。
偏平状タイプやシート状タイプの大きさは任意であるが、壁に張ったりする場合は大きくてもよいが、ワッペンなどの衣服に貼付する場合や和菓子の箱などに添付する場合は小さいものが使用される。形状も任意であり、たとえば矩形状、円形状のものが挙げられる。厚さは好ましくは0.5mm〜10mm程度のものが好ましい。中に入れる抗菌水を吸収した粒子の量は任意であり、用途、大きさに応じて使用すればよい。
酸性を示す多孔質無機粒子や吸水性樹脂粒子で抗菌水を吸収させると中の水のPHが下がるが、さらに酸(酸性物質)を併用して、二酸化塩素の発生を助長することができる。このような酸としては、たとえば、リン酸などの無機酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸などの有機酸、さらし粉、イソシアヌル酸類などが挙げられる。
また水素塩を併用して、二酸化塩素の発生をさらに助長することもできる。水素塩とは、多価の酸のH+を陽イオンで置換した塩のうち、なおH+を残しているものをいい、たとえば、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどが挙げられる。
図1に本発明における一実施態様である偏平状タイプの例を示したが、これに限定されない。図1(a)はその正面図であり、図1(b)は図1(a)のX−Y軸を含み紙面に垂直な平面で切断した断面図を示す。
図1(a)に記載された偏平状タイプ1は四角形状の偏平状袋(1)2で構成されている。偏平状袋(1)2の上部両端の縁に二つずつ横長の放出孔3が形成されており、放出孔3はシール4がされている。図1(b)においては、偏平状袋(1)2の中に偏平状袋(2)5が収納されており、偏平状袋(2)5の中には抗菌水を吸収した吸水性樹脂粒子6が入っていることが示されている。
図2にシート状タイプを示した。図2(a)は、シート状タイプの斜視図である。図2(b)は、図2(a)に記載されたX−Y軸を含み紙面に垂直な平面で切断したシート状タイプを拡大した断面図である。図2(c)は図2(b)のシート状タイプを不透過性素材で形成された密閉容器に封入したシート状タイプの断面図である。シート状タイプ−1 7は矩形状であり、両面が半透膜フィルム8で形成され、四方がヒートシール9されている。片面に両面粘着テープ10が貼られている。中には抗菌水を吸収した吸水性樹脂粒子6を含んだシート11が封入されている。抗菌水を吸収した吸水性樹脂粒子6は粒子であるので、隙間が多くあり、この隙間を通り二酸化塩素は外部に放出される。不透過性素材14で形成された密閉容器に封入されているので、水や二酸化塩素は放出されない。使用時には密閉容器からシート状タイプ−2 13を取出し両面粘着テープ10から離型紙12を取り外し、衣服に貼付できる。半透膜フィルム8を通して水と共に二酸化塩素が放出され周囲を抗菌雰囲気とすることができる。
以下実施例にて説明するがこれに限定されない。
(製造例1)抗菌水を吸収した吸水性樹脂粒子の製造
二重にしたポリプロピレン製袋の中に「サンフレッシュST−500D」(ポリアクリル酸架橋型吸水性樹脂、粉末状、吸水倍率400倍、粒径106〜850μm、平均粒径370μm;三洋化成工業社製)6gと「R−972」(疎水性シリカ、日本アエロジル社製;平均粒子径 16nm)0.18gを入れ、室温で10分間振り、吸水性樹脂の疎水化処理を行った。この粒子の平均粒子径は0.8μmで、0.1〜3mmの範囲の粒子が約85質量%であった。
さらにこの中に市販の安定化二酸化塩素水溶液(二酸化塩素として60,000ppm)を精製水で希釈した水溶液(二酸化塩素として3000ppm、PH10.3、以下単に二酸化塩素水溶液という場合がある)31gを入れて、室温で20分間振って、二酸化塩素水溶液を吸収した吸水性樹脂粒子を製造した。若干膨潤したが粒子状を維持しており、さらさらとして流動性があった。このものは疎水化処理した吸水性樹脂1gに二酸化塩素水6gを吸収しており、吸収量は6倍であり、吸水倍率(400倍)の1/67の吸収量であった。
(製造例2)抗菌水を吸収した多孔性無機粒子の製造
ゼオライトの粉末10gに製造例1で用いた希釈した安定化二酸化塩素水溶液100gを入れ、30分置いた後濾紙で濾過して抗菌水を吸収した多孔性無機粒子を製造した。ゼオライト1gは二酸化塩素水0.25gを吸収していた。
(実施例1)
90mm×130mmの大きさの半透膜フィルム40μmにPET不織布を積層した通気膜(空気100ccを通過するのに4500〜7000秒を要した)を縦に二つ折にし、一辺を残して周囲の三方を5mm幅で貼り付けた。残りの一片の開口部から上記の抗菌水を吸収した吸水性樹脂粒子(製造例1)、抗菌水を吸収した多孔性無機粒子(製造例2)をそれぞれ10gずつ入れすぐに封をして5mm幅で貼り付け、二酸化塩素水が不透過性のポリプロピレン製袋にそれぞれ入れて保管した。このようにして横45mm×縦65mmの矩形状の偏平状袋に入った偏平状タイプ−1a、2aを製造した。
一方、アルミ蒸着製ポリエステルフィルムで縦65mm×95mmの大きさのカード形状のケースを作成した。このケースは一方を残し周囲の三方を5mm幅で接着してあり、表側の上部(上から1cmのところ)の両端に5mm×10mmの横長の大きさの放出孔が二個ずつ設けられており、表側全体がポリエステルフィルムでシールされている。ケースの残りの一方の開口部から上記の偏平状タイプ−1a、2aをそれぞれ入れた後閉じて5mm幅で接着して密封した。このようにして偏平状タイプ−1b、2bを作成した。
また、上記の半透膜フィルムと不織布を積層した通気膜に替えて、ポリエステル製不織布(目付50g/m)用いる以外は、上記と同様にして、偏平状タイプ−3b、4bを作成した。
これらの偏平状タイプ−1b、2b、3b、4bのシールをはずして、壁にかけておき、1〜4週間後の偏平状袋の重量を測定して、中に残っている抗菌水の量を測定し、同時に二酸化塩素の放出濃度を測定した。その結果を表1に示した。
袋の中にある抗菌水の量は、測定時における偏平状袋の重量を測定し、以下の式により計算した。
10(g)×6/7−(作成直後の偏平状袋の重量(g)時の偏平状袋の重量(g)
二酸化塩素は、10Lの気体補修用バッグに入れておき、1時間後に検知管でバッグの中の二酸化塩素放出濃度(ppm)を測定した。
Figure 2015101507
表1から二酸化塩素は水分と共に放出されている。本発明の方法(実施例1,2)は、比較の方法に比べて水分の揮散が遅く抑制され、二酸化塩素の放出濃度が時間の経過があってもその差が小さく、二酸化塩素の放出速度が均一化されていることがわかる。そのため、二酸化塩素の放出が長期間持続する。すなわち、本発明の半透膜フィルムを用いる方法は、二酸化塩素を水分と共に長期間放出することができる。
1 偏平状タイプ
2 偏平状袋(1)
3 放出孔
4 シール
5 偏平状袋(2)
6 抗菌水を吸収した吸水性樹脂粒子
7 シート状タイプ−1
8 半透膜フィルム
9 ヒートシール部
10 両面粘着テープ
11 抗菌水を吸収した吸水性樹脂粒子を含んだシート
12 離型紙
13 シート状タイプ−2
14 不透過性素材

Claims (5)

  1. 容器内に収納されている二酸化塩素を含有または発生する水から二酸化塩素を放出する方法であって、半透膜フィルムを通して水分と共に二酸化塩素を放出する方法。
  2. 前記二酸化塩素を含有または発生する水が基材に吸収されていることを特徴とする請求項1記載の二酸化塩素を放出する方法。
  3. 前記基材が多孔性無機粒子および/または吸水性樹脂粒子であり、二酸化塩素を含有または発生する水を吸収した後でも粒子状態であることを特徴とする請求項2記載の二酸化塩素を放出する方法。
  4. 前記基材が吸水性樹脂粒子であり、該吸水性樹脂の粒子が疎水性微粒子で処理されていることを特徴とする請求項3記載の二酸化塩素を放出する方法。
  5. 前記半透膜フィルムが液体の水を通さないが水蒸気を通す半透膜フィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の二酸化塩素を放出する方法。
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