JP6212018B2 - 二酸化塩素ガスの発生方法、二酸化塩素ガス発生用キットおよびゲル状組成物 - Google Patents

二酸化塩素ガスの発生方法、二酸化塩素ガス発生用キットおよびゲル状組成物 Download PDF

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本発明は、環境浄化、細菌またはウイルスなどの除菌または殺菌、屋内(室内外)、屋外または食品などの脱臭、防カビ、防腐などに使用される希薄な二酸化塩素ガスの発生方法、二酸化塩素ガス発生用キットおよびゲル状組成物に関する。
二酸化塩素は強い酸化力を有し、環境浄化、細菌またはウイルスなどの除菌または殺菌、家庭、病院などの屋内もしくは屋外または食品などの脱臭、防カビ、防腐などの分野において、除菌剤、殺菌剤、脱臭剤、防カビ剤、防腐剤、または漂白剤などとして広く使用されている。たとえば、国が二酸化塩素の使用を認可した用途は、温泉やスーパー銭湯などの湯の殺菌(レジオネラ菌などの殺菌)、プール水の殺菌、生食野菜の殺菌、上水への添加(鉄、マンガンなどの除去)などがある。また、二酸化塩素ガスの大気中の環境基準としては、ACGIH(米国産業衛生専門家会議)によって2001年に発表されているTLV(Threshold Limit Values、これは毎日繰り返しある物質たとえば二酸化塩素ガスに暴露したときほとんどの労働者に悪影響がみられないと思われる大気中の濃度をいう。)が重要な指標とされており、8時間におけるTWA(時間加重平均値、これはある物質たとえば二酸化塩素ガスの濃度とその持続時間との積の総和を総時間数、たとえば8時間または40時間、で割ったものをいう。)が0.1ppm(0.28mg/m3)であり、15分間におけるSTEL(短時間暴露限界値、これは労働者が作業中の任意の時間にこの値を超えて暴露してはならない15分間の時間加重平均値をいう。)が0.3ppm(0.84mg/m3)とされている。したがって、室内において二酸化塩素ガスを常時発生させる場合には、その室内における二酸化塩素ガスの濃度は、上記のTWAおよびSTEL以下にする必要がある。
上記の用途に向けて二酸化塩素ガスを発生する粉体状や粒状の組成物が種々開発されている。たとえば、特開昭61−48404号公報(特許文献1)は、亜塩素酸塩の粉体、または亜塩素酸塩もしくは安定化二酸化塩素の水溶液を塩基性固体物質に混合または吸着させた組成物に、酸もしくはエステルの蒸気を接触させることにより、二酸化塩素を緩慢に発生させる方法を開示する。
また、特開昭63−303905号公報(特許文献2)は、亜塩素酸塩ソーダ溶液に超音波を照射することにより、空気中に飛散する亜塩素酸ソーダまたは該揮散物が空気中の炭酸ガスと反応することにより生成する二酸化塩素ガスを被処理物に接触させる防黴方法を開示する。
また、特開平6−2233985号公報(特許文献3)は、多孔性無機質担体に二酸化塩素ガスを吸着保持せしめてなる殺菌消毒剤、およびかかる殺菌消毒剤から二酸化塩素ガスを放散させる殺菌消毒方法を開示する。
さらに、特開平11−278808号公報(特許文献4)は、溶存二酸化塩素ガス、亜塩素酸塩およびpH調整剤を構成成分に有する純粋二酸化塩素液剤、かかる純粋二酸化塩素液剤および高吸水性樹脂を含有するゲル状組成物、およびかかる純粋二酸化塩素液剤またはゲル状組成物を用いて二酸化塩素ガスを継続的に発生させることを開示する。
また、特開2003−12424号公報(特許文献5)は、二酸化塩素ガスの放出量をコントロールするために、焼成骨材と、水と、溶存二酸化塩素とを含有してなる二酸化塩素組成物、かかる二酸化塩素組成物にさらにゲル化剤を含有してなる二酸化塩素組成物を開示する。
また、特開2005−29430号公報(特許文献6)は、二酸化塩素ガスの発生持続時間をさらに延ばすために、亜塩素酸塩水溶液に有機酸または無機酸とセピオライトなどの粉状のガス発生調節剤またはかかるガス発生調節剤と吸水性樹脂とを添加し、ゲル化させて二酸化塩素ガスを持続的に発生させる二酸化塩素ガスの発生方法を開示する。
特開昭61−48404号公報 特開昭63−303905号公報 特開平6−233985号公報 特開平11−278808号公報 特開2003−12424号公報 特開2005−29430号公報
特開昭61−48404号公報(特許文献1)、特開昭63−303905号公報(特許文献2)および特開平6−233985号公報(特許文献3)に開示されるような二酸化塩素ガス発生用組成物は空気中の湿分によって反応が進行し、二酸化塩素ガスを徐々に発生するのが通常である。したがって、二酸化塩素ガスの発生速度は湿分に左右されるばかりでなく、使用当初は著しく大きいが、時間的経過と共に発生量が減少する。また固形物であるので、その表面の成分のみが二酸化塩素ガスの発生に消費されるために粒子を時々かき混ぜて表面を更新する必要があり、二酸化塩素ガス濃度を一定レベルに保持するためには適時これらの組成物を交換補充しなければならない。またシリカゲルに二酸化塩素ガスを吸着させて空気で追い出す方法については、設備と手間がかかり、使用上において容易ではない。
特開平11−278808号公報(特許文献4)に開示されるようなゲル状組成物は、二酸化塩素ガスを長時間継続して発生させることができるが、高吸水性樹脂の添加のみでは二酸化塩素ガスの蒸散速度の調節が難しく、たとえば温度の上昇によってその蒸散速度が大になるという問題点がある。
特開2003−12424号公報(特許文献5)および特開2005−29430号公報(特許文献6)に開示されるようなゲル状組成物は、特開平11−278808号公報(特許文献4)に開示されるようなゲル状組成物に比べて、二酸化塩素ガスの発生持続時間をさらに延ばすことができるが、環境浄化、細菌またはウイルスなどの除菌または殺菌、家庭、病院などの屋内もしくは屋外または食品などの脱臭、防カビ、防腐などの観点から、二酸化塩素ガスの発生持続時間をさらに延長させることが求められている。
本発明は、二酸化塩素ガスの発生持続時間が極めて長い二酸化塩素ガスの発生方法、二酸化塩素ガス発生用キットおよびゲル状組成物を提供することを目的とする。
本発明は、ある局面に従えば、亜塩素酸塩水性液に、ガス発生調節剤、pH調整剤、ガス生成促進剤および吸水性樹脂を含むゲル化活性剤を添加しゲル化して得られるゲル化組成物から、二酸化塩素ガスを持続的に発生させる二酸化塩素ガスの発生方法であって、pH調整剤は酸解離定数pK a が2.5以上の弱酸の塩であり、ガス生成促進剤はpH調整剤の共役酸である、二酸化塩素ガスの発生方法である。
本発明のかかる局面に従う二酸化塩素ガスの発生方法において、亜塩素酸塩水性液は、pHが9以上13以下のアルカリ性とすることができる。また、亜塩素酸塩水性液は、ゲル化活性剤が添加される前には、気密性容器に封入され得る。また、ゲル化活性剤は、亜塩素酸塩水性液に添加する前には、気密性容器に封入され得る。
本発明は、別の局面に従えば、亜塩素酸塩水性液を含むA剤と、ガス発生調節剤、pH調整剤、ガス生成促進剤および吸水性樹脂を含むゲル化活性剤を含むB剤と、で構成され、A剤にB剤を添加することにより二酸化塩素ガス持続的に発生させる二酸化塩素ガス発生用キットであって、pH調整剤は酸解離定数pK a が2.5以上の弱酸の塩であり、ガス生成促進剤はpH調整剤の共役酸である、二酸化塩素ガス発生用キットである。
本発明のかかる局面に従う二酸化塩素ガス発生用キットにおいて、A剤に含まれる亜塩素酸塩水性液は、pHが9以上13以下のアルカリ性とすることができる。
本発明は、さらに別の局面に従えば、亜塩素酸塩水性液と、ガス発生調節剤、pH調整剤、ガス生成促進剤および吸水性樹脂を含むゲル化活性剤と、を含み、二酸化塩素ガスを持続的に発生させるゲル状組成物であって、pH調整剤は酸解離定数pK a が2.5以上の弱酸の塩であり、ガス生成促進剤はpH調整剤の共役酸である、ゲル状組成物である。
本発明によれば、二酸化塩素ガスの発生持続時間が極めて長い二酸化塩素ガスの発生方法、二酸化塩素ガス発生用キットおよびゲル状組成物を提供できる。
ゲル状組成物から発生した二酸化塩素ガスの濃度の測定方法を示す概略図である。
[実施形態1:二酸化塩素ガスの発生方法]
本発明のある実施形態である二酸化塩素ガスの発生方法は、亜塩素酸塩水性液に、ガス発生調節剤、pH調整剤および吸水性樹脂を含むゲル化活性剤を添加しゲル化して得られるゲル状組成物から、二酸化塩素ガスを持続的に発生させる方法である。本実施形態の二酸化塩素ガスの発生方法は、亜塩素酸塩水性液に、ガス発生調節剤、pH調整剤および吸水性樹脂を含むゲル化活性剤を添加することにより、ゲル化して得られるゲル状組成物から二酸化塩素ガスを極めて長い時間に亘って持続的に発生させることができる。
本実施形態の二酸化塩素ガスの発生方法において、「亜塩素酸塩水性液にゲル化活性剤を添加」と規定しているが、「ゲル化活性剤に亜塩素酸塩水性液を添加」しても本質的に同様の作用効果が得られる。すなわち、「ゲル化活性剤に亜塩素酸塩水性液を添加」する場合は、「亜塩素酸塩水性液にゲル化活性剤を添加する場合と均等である。
本実施形態の二酸化塩素ガスの発生方法において、亜塩素酸塩水性液にゲル化活性剤を添加した後初期(たとえば0〜1時間後)の二酸化塩素ガスの生成および発生を促進させる観点から、ゲル化活性剤は、ガス生成促進剤をさらに含むことができる。
本実施形態の二酸化塩素ガスの発生方法において、ゲル化活性剤の添加前の亜塩素酸塩水性液中の亜塩素酸塩の分解による二酸化塩素ガスの生成および発生を抑制して長期間安定に保存できるとともにゲル化活性剤の添加により二酸化塩素ガスを安定して長時間持続的に発生させる観点から、亜塩素酸塩水性液のpHは、9以上13以下好ましく、10以上12.5以下がより好ましく、11以上12以下がさらに好ましい。
本実施形態の二酸化塩素ガスの発生方法において、ゲル化活性剤が添加される前の亜塩素酸塩水性液中の亜塩素酸塩の分解による二酸化塩素ガスの生成および発生を抑制して長期間安定に保存できるとともに、ゲル化活性剤が添加されることにより二酸化塩素ガスを安定して長時間持続的に発生させる観点から、亜塩素酸塩水性液は、ゲル化活性剤が添加される前には、気密性容器に封入されていることが好ましい。
本実施形態の二酸化塩素ガスの発生方法において、亜塩素酸塩水性液に添加する前のゲル化活性剤の劣化を抑制して長時間安定に保存できる観点から、ゲル化活性剤は、亜塩素酸塩水性液に添加する前には、気密性容器に封入されていることが好ましい。
(亜塩素酸塩水性液)
本実施形態の二酸化塩素ガスの発生方法において用いられる亜塩素酸塩水性液は、亜塩素酸塩を含む、水を主成分(亜塩素酸塩などの溶質および/または分散質を除いた溶媒および/または分散媒中の水の含有量が50質量%以上であることをいう。以下同じ。)とする液体であって、ガス発生調節剤、pH調整剤、吸水性樹脂およびガス生成促進剤を含むゲル化活性剤を溶解および/または分散させることができる液体であって、ゲル化活性剤が添加されることにより、ゲル状組成物を形成し、形成されたゲル状組成物から二酸化塩素ガスを持続的に発生させる液体である。亜塩素酸塩水性液は、ゲル化活性剤が添加されてゲル化して得られるゲル状組成物から二酸化塩素ガスを安全にかつ長時間安定して持続的に発生させる観点から、水溶液または水分散液であることが好ましい。
亜塩素酸塩水性液に含まれる亜塩素酸塩は、後述するpH調整剤の存在により、二酸化塩素ガスを生成する亜塩素酸塩であれば特に制限はなく、たとえば、亜塩素酸ナトリウム(NaClO2)、亜塩素酸カリウム(KClO2)、亜塩素酸リチウム(LiClO2)などの水素を除く第1族元素(アルカリ金属元素)の亜塩素酸塩、亜塩素酸カルシウム(Ca(ClO22)、亜塩素酸ストロンチウム(Sr(ClO22)、亜塩素酸バリウム(Ba(ClO22)、亜塩素酸マグネシウム(Mg(ClO22)などの第2族元素の亜塩素酸塩などが挙げられる。これらの中で、市販されている亜塩素酸ナトリウムが入手しやすく使用上も問題がない。
亜塩素酸塩水性液は、上記の亜塩素酸塩を水性液に所定濃度を溶解させることにより得られる。亜塩素酸ナトリウムを水性液に溶解させる場合は、液体では漂白剤として使用させる市販の25質量%の亜塩素酸ナトリウム水溶液や、固体では市販の86質量%品、80質量%品、79質量%品または76質量%品が好適に用いられる。また、亜塩素酸塩水性液の濃度は、劇毒物および危険物に該当せず取り扱いが容易な観点から25質量%未満であることが好ましく、15質量%未満がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。
亜塩素酸塩水性液のpHは、9以上13以下好ましく、10以上12.5以下がより好ましく、11以上12以下がさらに好ましい。ゲル化活性剤の添加前の亜塩素酸塩水性液中の亜塩素酸塩の分解による二酸化塩素ガスの生成および発生を抑制して長期間安定に保存できるとともにゲル化活性剤の添加により二酸化塩素ガスを安定して長時間持続的に発生させることができる。
亜塩素案塩水溶液は、そのpHを9以上13以下とするために、アリカリ剤をさらに含むことが好ましい。アルカリ剤は、それが亜塩素酸塩水溶液中に溶解および/または分散することにより、亜塩素酸塩水溶液がアルカリ性を呈するものであれば特に制限はないが、ゲル化活性剤が添加されることにより酸性雰囲気下になっても、二酸化塩素ガスの発生を妨げない観点から、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)などが好ましい。水酸化カリウムは、水酸化ナトリウムのように大気中の二酸化炭素と反応して重炭酸ナトリウムなどの塩を形成しない点、水酸化ナトリウムよりも、水和において濡れやすく浸透しやすく、ゲル化活性剤と混ざり合いやすく、ゲル状組成物の形成がより促進される点から、特に好ましい。
亜塩素酸塩水性液は、ゲル化活性剤が添加される前には、気密性容器に封入されていることが好ましい。亜塩素酸塩水性液を気密性容器に封入することで、ゲル化活性剤の添加前の亜塩素酸塩水性液中の亜塩素酸塩の分解による二酸化塩素ガスの生成および発生を抑制して亜塩素酸塩水性液を長期間安定に保存できるとともにゲル化活性剤の添加により二酸化塩素ガスを安定して長時間持続的に発生させることができる。ここで、気密性容器とは、水蒸気などの気体、水分などの液体、および固体も透過しない容器をいう。亜塩素酸塩水性液との反応性が低く、亜塩素酸塩水性液を長期間安定に保存する観点から、各種プラスチック製容器が好ましい。
(ガス発生調節剤)
本実施形態の二酸化塩素化ガスの発生方法において用いられるガス発生調節剤とは、pH調整剤の存在により亜塩素酸塩水性液から生成した二酸化塩素ガスをゲル状組成物から長時間持続的に発生させるための調節剤をいう。すなわち、ガス発生調節剤は、二酸化塩素ガスの生成量が多量のときはその二酸化塩素ガスの少なくとも一部を表面および/または内部に保持し、二酸化塩素ガスの生成量が少量または無いときは保持していた二酸化塩素ガスを放出することにより、二酸化塩素ガスをゲル状組成物から持続的に発生させる機能を有する。ここで、ガス発生調節剤は、ゲル化活性剤の構成要素であり、固体である。
ガス発生調節剤は、二酸化塩素ガスの発生を効率よく分散できるものであれば材質および形状に特に制限はないが、二酸化塩素ガスを多く保持できる観点から、表面積が大きい多孔質のものが好ましく、セピオライト、モンモリロナイト、ケイソウ土、タルクおよびゼオライトからなる群から選ばれる少なくともいずれかであることが好ましい。また、表面積を大きくする観点から、粉状、粒状および/または多孔質であることが好ましい。
上記のガス発生調節剤のうちで、二酸化塩素ガスの保持および放出に優れている観点から、セピオライトが好ましい。ここで、セピオライトは、ケイ酸マグネシウム塩の天然鉱物であって化学組成式はMg8Si1230(OH)4(OH24・8H2Oで表され、その結晶構造は繊維状で表面に多数の溝を有すると共に、内部に筒型トンネル構造のクリアランスを多数有し、非常に表面積の大きい物質である。市販品としては商品名ミラクレー(近江鉱業社製)などが挙げられる。また粉状のケイソウ土としては商品名セライト(昭和ケミカル社製)などが挙げられる。
(pH調整剤)
本実施形態の二酸化塩素ガスの発生方法において用いられるpH調整剤は、ゲル状組成物内のpH雰囲気を、亜塩素酸塩から二酸化塩素ガスの生成に必要なpHに安定に保つ機能を有する。pH調整剤は、ゲル化活性剤の構成要素であり、固体である。ここで、ゲル状組成物内のpH雰囲気は、特に制限はないが、二酸化塩素ガスを安定に長時間持続的に生成させる観点から、2以上9以下が好ましく、3以上7以下がより好ましい。
pH調整剤は、特に制限はないが、二酸化塩素ガスを安定に長時間持続的に生成させる観点から、酸解離定数pKaが2.5以上の弱酸の塩、酸解離定数pKaが3.8以上の弱酸、酸性およびアルカリ性の両方の官能基を有する両性化合物、ならびにピリミジン構造を有する複素環式化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つの物質が好ましい。
酸解離定数pKaが2.5以上の弱酸の塩としては、クエン酸(pKa1が2.90、pKa2が4.35、pKa3が5.69)の塩であるクエン酸ナトリウム、リンゴ酸(pKa1が3.23、pKa2が4.77)の塩であるリンゴ酸ナトリウムなどが挙げられる。ここで、クエン酸ナトリウムには、クエン酸一ナトリウム(クエン酸モノナトリウム)、クエン酸二ナトリウム(クエン酸ジナトリウム))およびクエン酸三ナトリウム(クエン酸トリナトリウム))の3種類があり、これらの中でクエン酸二ナトリウムおよびクエン酸三ナトリウムがより好ましい。また、リンゴ酸ナトリウムには、リンゴ酸一ナトリウム(リンゴ酸モノナトリウム)およびリンゴ酸二ナトリウム(リンゴ酸ジナトリウム)の2種類があり、これらの中でリンゴ酸二ナトリウムがより好ましい。
酸解離定数pKaが3.8以上の弱酸としては、コハク酸(pKa1が3.99、pKa2が5.20)、ホウ酸(pKa1が9.23、pKa2が12.74、pKa3が13.52)などが挙げられる。
両性化合物としては、酸性の官能基であるカルボキシル基(COOH基)とアルカリ性の官能基であるアミノ基(NH2基)とを有するアミノ酸などが挙げられる。アミノ酸としては、アルキル鎖を有するグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、およびイソロイシン、ヒドロキシ基(OH基)を有するセリンおよびトリオニン、アミド基(RCONH基)を有するアスパラギンおよびグルタミン、イミノ基(C=NH基またはCNHC基)を有するプロリン、フェニル基(C65基)を有するフェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファン、2以上のカルボキシル基(COOH基)を有するアスパラギン酸およびグルタミン酸、2以上のアミノ基(NH2基)を有するリシンおよびアルギニンなどが挙げられる。
ピリミジン構造を有する複素環式化合物としては、バルビツール酸、オロト酸などが挙げられる。
(吸水性樹脂)
本実施形態の二酸化塩素ガスの発生方法において用いられる吸水性樹脂は、水分を吸収してゲル状組成物を形成するものである。吸水性樹脂は、ゲル化活性剤の構成要素であり、固体であり、たとえば、デンプン系吸水性樹脂、セルロース系吸水性樹脂、合成ポリマー系吸水性樹脂などが好ましく用いられる。デンプン系吸水性樹脂としてはデンプン/ポリアクリル酸系樹脂(三洋化成社製、粉末)などがあり、合成ポリマー系吸水性樹脂としては架橋ポリアクリル酸系樹脂、イソブチレン/マレイン酸系樹脂、ポパール/ポリアクリル酸塩系樹脂、ポリアクリル酸塩系樹脂などがあり、具体的にはポリアクリル酸ナトリウムなどが用いられる。
(ガス生成促進剤)
本実施形態の二酸化塩素ガスの発生方法において、任意に用いられるガス生成促進剤は、pH調整剤の存在下で亜塩素酸塩からの二酸化塩素ガスの生成を促進させるものである。ガス生成促進剤は、ゲル化活性剤の任意的な構成要素であり、固体であれば特に制限はないが、安全性が高い観点から、食品添加物として使用される有機酸が好ましい。有機酸としては、クエン酸(pKa1が2.90、pKa2が4.35、pKa3が5.69)、リンゴ酸(pKa1が3.23、pKa2が4.77)、ギ酸(pKaが3.54)、乳酸(pKaが3.64)、酒石酸((+)体でpKa1が2.87、pKa2が3.97:メソ体でpKa1が2.95、pKa2が4.46)などのカルボン酸類などが挙げられる。
また、pH調整剤として酸解離定数pKaが2.5以上の弱酸の塩を用いている場合は、pH調整効果を高める観点から、ガス生成促進剤としてpH調整剤の共役酸を用いることが好ましい。たとえば、pH調整剤としてクエン酸塩を用いた場合はガス生成促進剤としてクエン酸を用いることが好ましく、pH調整剤としてリンゴ酸塩を用いた場合はガス生成促進剤としてリンゴ酸を用いることが好ましい。
(ゲル化活性剤)
本実施形態の二酸化塩素ガスの発生方法において用いられるゲル化活性剤は、亜塩素酸塩水性液に添加することにより、ゲル状組成物を形成し、形成されたゲル状組成物から二酸化塩素ガスを持続的に発生させるものであり、ガス発生調節剤、pH調整剤および吸水性樹脂を含む。また、ゲル化活性剤は、亜塩素酸塩水性液にゲル化活性剤を添加した後初期の二酸化塩素ガスの生成および発生を促進させる観点から、ガス生成促進剤をさらに含むことができる。ここで、均質なゲル状組成物を形成させる観点から、ゲル化活性剤は、亜塩素酸塩と、ガス発生調節剤と、pH調整剤と、吸水性樹脂と、任意にガス生成促進剤と、が十分に混合されたものを含むことが好ましい。
ゲル化活性剤は、亜塩素酸塩水性液に添加する前には、気密性容器内に封入されていることが好ましい。亜塩素酸塩水性液への添加前においては、ゲル化活性剤は、気密性容器内に封入されていることにより、大気中からの水分の混入が防止されることから、劣化が防止されるため、長期間安定して保存することができる。ここで、気密性容器とは、水蒸気などの気体、水分などの液体、および固体も透過しない容器をいい、たとえば、各種金属製容器、各種プラスチック製容器などが挙げられる。
[実施形態2:二酸化塩素ガス発生用キット]
本発明の別の実施形態である二酸化塩素ガス発生用キットは、亜塩素酸塩水性液を含むA剤と、ガス発生調節剤、pH調整剤および吸水性樹脂を含むゲル化活性剤を含むB剤と、で構成され、A剤にB剤を添加することにより二酸化塩素ガス持続的に発生させるキットである。本実施形態の二酸化塩素ガス発生用キットは、亜塩素酸塩水性液を含むA剤と、ガス発生調節剤、pH調整剤および吸水性樹脂を含むゲル化活性剤を含むB剤と、で構成され、A剤にB剤を添加することにより、ゲル化して得られるゲル状組成物から二酸化塩素ガスを極めて長い時間に亘って持続的に発生させることができる。
本実施形態の二酸化塩素ガス発生用キットにおいて、「A剤にB剤を添加」と規定しているが、「B剤にA剤を添加」しても本質的に同様の作用効果が得られる。すなわち、「B剤にA剤を添加」する場合は、「A剤にB剤を添加」する場合と均等である。
本実施形態の二酸化塩素ガス発生用キットにおいて、A剤にB剤を添加した後初期(たとえば0〜1時間後)の二酸化塩素ガスの生成および発生を促進させる観点から、B剤に含まれるゲル化活性剤は、ガス生成促進剤をさらに含むことができる。
本実施形態の二酸化塩素ガス発生用キットにおいて、B剤の添加前のA剤中の亜塩素酸塩水性液中の亜塩素酸塩の分解による二酸化塩素ガスの生成および発生を抑制して長期間安定に保存できるとともにB剤の添加により二酸化塩素ガスを安定して長時間持続的に発生させる観点から、A剤に含まれる亜塩素酸塩水性液のpHは、9以上13以下が好ましく、10以上12.5以下がより好ましく、11以上12以下がさらに好ましい。
本実施形態の二酸化塩素ガス発生用キットを構成する一要素であるA剤は、B剤の添加前には、気密性容器に封入されていることが好ましい。B剤の添加前のA剤中の亜塩素酸塩水性液中の亜塩素酸塩の分解による二酸化塩素ガスの生成および発生を抑制して亜塩素酸塩水性液を含むA剤を長期間安定に保存できるとともにB剤の添加により二酸化塩素ガスを安定して長時間持続的に発生させることができる。ここで、気密性容器とは、水蒸気などの気体、水分などの液体、および固体も透過しない容器をいい、亜塩素酸塩水性液との反応性が低く、亜塩素酸塩水性液を長期間安定に保存する観点から、各種プラスチック製容器が好ましい。
本実施形態の二酸化塩素ガス発生用キットを構成する別の要素であるB剤は、A剤に添加する前には、気密性容器内に封入されていることが好ましい。B剤中のゲル化活性剤は、気密性容器内に封入されていることにより、大気中からの水分の混入が防止されることから、劣化が防止されるため、ゲル化活性剤を含むB剤を長期間安定して保存することができる。ここで、気密性容器とは、水蒸気などの気体、水分などの液体、および固体も透過しない容器をいい、たとえば、各種金属製容器、各種プラスチック製容器などが挙げられる。
また、B剤は、均質なゲル状組成物を形成させて、二酸化塩素ガスを極めて長い時間に亘って持続的に発生させる観点から、亜塩素酸塩と、ガス発生調節剤と、pH調整剤と、吸水性樹脂と、任意にガス生成促進剤と、が十分に混合されたゲル化活性剤を含むことが好ましい。
なお、本実施形態の二酸化塩素ガス発生用キットにおける亜塩素酸塩水性液、ガス発生調節剤、pH調整剤、吸水性樹脂、ガス生成促進剤およびゲル化活性剤は、実施形態1の二酸化塩素ガスの発生方法における亜塩素酸塩水性液、ガス発生調節剤、pH調整剤、吸水性樹脂、ガス生成促進剤およびゲル化活性剤と同様であるため、ここでは繰り返さない。
本実施形態の二酸化塩素ガス発生用キットの具体的な形態は、特に制限はなく、A剤(たとえば亜塩素酸塩水溶液)を封入した気密性容器と、B剤(たとえば、ガス発生調節剤、pH調整剤および吸水性樹脂を含むゲル化活性剤)を封入した気密性容器とが一緒に梱包された形態、あるいは、A剤(たとえば亜塩素酸塩水溶液)を封入した容器を梱包したものと、B剤(たとえば、ガス発生調節剤、pH調整剤および吸水性樹脂を含むゲル化活性剤)を封入した容器を梱包したものとを組み合わせた形態、などが挙げられる。
[実施形態3:ゲル状組成物]
本発明のさらに別の実施形態であるゲル状組成物は、亜塩素酸塩水性液と、ガス発生調節剤、pH調整剤および吸水性樹脂を含むゲル化活性剤と、を含み、二酸化塩素ガスを持続的に発生させるゲル状の組成物である。本実施形態のゲル状組成物は、亜塩素酸塩水性液と、ガス発生調節剤、pH調整剤および吸水性樹脂と含むゲル化活性剤と、を含んでいるため、ゲル状組成物から二酸化塩素ガスを極めて長い時間に亘って持続的に発生させることができる。
本実施形態のゲル状組成物において、亜塩素酸塩水性液にゲル化活性剤を添加した後初期(たとえば0〜1時間後)のゲル状組成物からの二酸化塩素ガスの発生を促進させる観点から、ゲル化活性剤は、ガス生成促進剤をさらに含むことができる。
本実施形態のゲル状組成物は、実施形態1の二酸化塩素ガス発生方法に従い、亜塩素酸塩水性液に、ガス発生調節剤、pH調整剤および吸水性樹脂を含むゲル化活性剤を添加することによりゲル化したものであり、より具体的には、実施形態2の二酸化塩素ガス発生用キットを用いて、亜塩素酸塩水性液を含むA剤に、ガス発生調節剤、pH調整剤および吸水性樹脂を含むゲル化活性剤を含むB剤を添加することによりゲル化したものである。
なお、本実施形態のゲル組成物における亜塩素酸塩水性液、ガス発生調節剤、pH調整剤、吸水性樹脂、ガス生成促進剤およびゲル化活性剤は、実施形態1の二酸化塩素ガスの発生方法における亜塩素酸塩水性液、ガス発生調節剤、pH調整剤、吸水性樹脂、ガス生成促進剤およびゲル化活性剤と同様であるため、ここでは繰り返さない
本実施形態のゲル状組成物は、特に制限はないが、ゲル状組成物から二酸化塩素ガスを極めて長時間に亘って持続的に発生させる観点から、亜塩素酸塩水性液中の亜塩素酸塩成分が純分換算で2.5質量%〜10質量%、ガス発生調節剤が1.5質量%〜15質量%、pH調整剤が2質量%〜10質量%、吸水性樹脂が2.5質量%〜10質量%、ガス生成促進剤が0質量%〜5質量%、亜塩素酸塩水性液中の水性液成分が50質量%〜90質量%であることが好ましい。
(容器の準備)
図1を参照して、容量200ml(平均内径35.7mm×高さ50mm、開口部内径28mm)のプラスチック製本体と、開口孔1wとして直径1.5mmのドリル切孔が5個設けられたプラスチック製ねじ蓋キャップと、で構成される容器1を多数個準備した。
(亜塩素酸塩水性液の調製)
以下のようにして、亜塩素酸塩水性液を調製した。まず、25質量%の亜塩素酸ナトリウム水溶液(ダイソー社製25%亜塩素酸ナトリウム水溶液)を純水で希釈して、8質量%の亜塩素酸ナトリウム水溶液を1000ml作製した。次いで、この1000mlの8質量%亜塩素酸ナトリウム水溶液にアルカリ剤として水酸化ナトリウム(関東電化社製フレークか性ソーダ)0.4gを添加して、亜塩素酸塩水性液としてpHが約12の8質量%の亜塩素酸ナトリウム水溶液を調製した。
(ゲル化活性剤の調整)
以下のようにして、ガス発生調節剤、pH調節剤、吸水性樹脂およびガス生成促進剤を含むゲル化活性剤を調製した。まず、ガス発生調節剤としてセピオライト粉末(近江工業社製ミラクレーP−150D)630gと、pH調節剤としてクエン酸三ナトリウム二水和物粉末(扶桑化学工業製クエン酸ナトリウム)975gと、吸水性樹脂としてポリアクリル酸系吸水性樹脂粉末(三洋化成社製サンフレッシュST−500D)1740gと、ガス生成促進剤としてクエン酸粉末(扶桑化学工業社製クエン酸(結晶))585gと、を高速ブレンドミキサーを用いてミキシングすることにより、ゲル化活性剤3930gを調製した。
こうして得られたゲル化活性剤を高速充填機および分包機を用いて、分包No.1〜No.3の3種類の分包をそれぞれ多数個作製した。1個の分包No.1には13.1gのゲル化活性剤が充填され、1個の分包No.2には19.65gのゲル化活性剤(すなわち分包No.1の1.5倍量のゲル化活性剤)が充填され、1個の分包No.3には26.2gのゲル化活性剤(すなわち分包No.1の2倍のゲル化活性剤)が充填されていた。
(実施例1)
上記3個の各々の容器の本体に、上記調製した亜塩素酸塩水性液を46.9g入れた後、分包No.1のゲル化活性剤13.1gを添加した。ゲル化活性剤の添加から1.5分でゲル化してゲル状組成物が得られた。次に、上記各容器の本体を上記各容器のねじ蓋キャップで閉めた。
次に、図1を参照して、ゲル状組成物が入った3個の容器1を、3個の容量1.3lのビーカ2(PYREX(登録商標) IWAKI TE−32 ASAHI GLASS(AGC旭硝子))の底部にそれぞれ配置した。次に、各々のビーカ2の注ぎ口以外の開口部をプラスチック製フィルム3(旭化成ケミカルズ社製サランラップ(登録商標))で覆った。
ゲル化活性剤の添加から所定時間経過後に、ゲル状組成物から発生した二酸化塩素ガスの濃度を、ビーカ2の解放された注ぎ口に北川式検知管4を挿入して測定した。上記3個の各容器についての各実測値の平均を20℃に温度補正したものを二酸化塩素ガス濃度とした。経過時間(hr)、二酸化塩素(ClO2)ガス濃度(ppm)、そのときの大気の温度(℃)および相対湿度(%)を、それぞれ表1にまとめた。
Figure 0006212018
(実施例2)
上記3個の各々の容器の本体に、上記調製した亜塩素酸塩水性液を70.35g(すなわち実施例1の1.5倍量)入れた後、分包No.2のゲル化活性剤19.65g(すなわち実施例1の1.5倍量)を添加した。ゲル化活性剤の添加から2分でゲル化してゲル状組成物が得られた。次に、上記各容器の本体を上記各容器のねじ蓋キャップを閉めた。実施例1と同様にして、ゲル化活性剤の添加から所定時間経過後に、ゲル状組成物から発生した二酸化塩素ガスの濃度を測定した。経過時間(hr)、二酸化塩素(ClO2)ガス濃度(ppm)、そのときの大気の温度(℃)および相対湿度(%)を、それぞれ表2にまとめた。
Figure 0006212018
(実施例3)
上記3個の各々の容器の本体に、上記調製した亜塩素酸塩水性液を93.8g(すなわち実施例1の2倍量)入れた後、分包No.3のゲル化活性剤26.2g(すなわち実施例1の2倍量)を添加した。ゲル化活性剤の添加から2.5分でゲル化してゲル状組成物が得られた。次に、上記各容器の本体を上記各容器のねじ蓋キャップで閉めた。実施例1と同様にして、ゲル化活性剤の添加から所定時間経過後に、ゲル状組成物から発生した二酸化塩素ガスの濃度を測定した。経過時間(hr)、二酸化塩素(ClO2)ガス濃度(ppm)、そのときの大気の温度(℃)および相対湿度(%を、それぞれ表3にまとめた。
Figure 0006212018
(実施例4)
上記3個の各々の容器の本体に、上記調製した亜塩素酸塩水性液を60g(すなわち実施例1の約1.28倍量)入れた後、分包No.1のゲル化活性剤13.1g(すなわち実施例1の1倍量)を添加した。ゲル化活性剤の添加から3分でゲル化してゲル状組成物が得られた。次に、上記各容器の本体を上記各容器のねじ蓋キャップで閉めた。実施例1と同様にして、ゲル化活性剤の添加から所定時間経過後に、ゲル状組成物から発生した二酸化塩素ガスの濃度を測定した。経過時間(hr)、二酸化塩素(ClO2)ガス濃度(ppm)、そのときの大気の温度(℃)および相対湿度(%)を、それぞれ表4にまとめた。
Figure 0006212018
(実施例5)
上記3個の各々の容器の本体に、上記調製した亜塩素酸塩水性液を90g(すなわち実施例1の約1.92倍量)入れた後、分包No.2のゲル化活性剤19.65g(すなわち実施例1の1.5倍量)を添加した。ゲル化活性剤の添加から3分でゲル化してゲル状組成物が得られた。次に、上記容器の本体を上記容器のねじ蓋キャップで閉めた。実施例1と同様にして、ゲル化活性剤の添加から所定時間経過後に、ゲル状組成物から発生した二酸化塩素ガスの濃度を測定した。経過時間(hr)、二酸化塩素(ClO2)ガス濃度(ppm)、そのときの大気の温度(℃)および相対湿度(%)を、それぞれ表5にまとめた。
Figure 0006212018
参考例6)
以下のようにして、ガス発生調節剤、pH調節剤および吸水性樹脂を含む(ガス生成促進剤を含まない)ゲル化活性剤を調製した。まず、ガス発生調節剤としてセピオライト粉末(近江工業社製ミラクレーP−150D)2.1gと、pH調節剤としてクエン酸三ナトリウム二水和物粉末(扶桑化学工業製クエン酸ナトリウム)5.2gと、吸水性樹脂としてポリアクリル酸系吸水性樹脂粉末(三洋化成社製サンフレッシュST−500D)5.8gと、プラスチック(ポリエチレン)製チャック袋に充填して混合した。こうして、13.1gのゲル化活性剤が入った分包を3個調製した。
上記3個の各々の容器の本体に、上記調製した亜塩素酸塩水性液を46.9g(すなわち実施例1の1倍量)入れた後、上記調製した分包のゲル化活性剤13.1g(すなわち実施例1の1倍量)を添加した。ゲル化活性剤の添加から2.5分でゲル化してゲル状組成物が得られた。次に、上記各容器の本体を上記容器のねじ蓋キャップで閉めた。実施例1と同様にして、ゲル化活性剤の添加から所定時間経過後に、ゲル状組成物から発生した二酸化塩素ガスの濃度を測定した。経過時間(hr)、二酸化塩素(ClO2)ガス濃度(ppm)、そのときの大気の温度(℃)および相対湿度(%)を、それぞれ表6にまとめた。
Figure 0006212018
参考例7)
以下のようにして、ガス発生調節剤、pH調節剤および吸水性樹脂を含む(ガス生成促進剤を含まない)ゲル化活性剤を調製した。まず、ガス発生調節剤としてセピオライト粉末(近江工業社製ミラクレーP−150D)2.1gと、pH調節剤としてアミノ酸粉末(有機合成薬品工業社製グリシン(食品添加物))5.2gと、吸水性樹脂としてポリアクリル酸系吸水性樹脂粉末(三洋化成社製サンフレッシュST−500D)5.8gと、プラスチック(ポリエチレン)製チャック袋に充填して混合した。こうして、13.1gのゲル化活性剤が入った分包を3個調製した。
上記3個の各々の容器の本体に、上記調製した亜塩素酸塩水性液を46.9g(すなわち実施例1の1倍量)入れた後、上記調製した分包のゲル化活性剤13.1g(すなわち実施例1の1倍量)を添加した。ゲル化活性剤の添加から2.5分でゲル化してゲル状組成物が得られた。次に、上記各容器の本体を上記各容器のねじ蓋キャップで閉めた。実施例1と同様にして、ゲル化活性剤の添加から所定時間経過後に、ゲル状組成物から発生した二酸化塩素ガスの濃度を測定した。経過時間(hr)、二酸化塩素(ClO2)ガス濃度(ppm)、そのときの大気の温度(℃)および相対湿度(%)を、それぞれ表7にまとめた。
Figure 0006212018
参考例8)
以下のようにして、ガス発生調節剤、pH調節剤および吸水性樹脂を含む(ガス生成促進剤を含まない)ゲル化活性剤を調製した。まず、ガス発生調節剤としてセピオライト粉末(近江工業社製ミラクレーP−150D)2.1gと、pH調節剤としてクエン酸カリウム粉末(扶桑化学工業社製クエン酸カリウムM))5.2gと、吸水性樹脂としてポリアクリル酸系吸水性樹脂粉末(三洋化成社製サンフレッシュST−500D)5.8gと、プラスチック(ポリエチレン)製チャック袋に充填して混合した。こうして、13.1gのゲル化活性剤が入った分包を3個調製した。
上記3個の各々の容器の本体に、上記調製した亜塩素酸塩水性液を46.9g(すなわち実施例1の1倍量)入れた後、上記調製した分包のゲル化活性剤13.1g(すなわち実施例1の1倍量)を添加した。ゲル化活性剤の添加から2.5分でゲル化してゲル状組成物が得られた。次に、上記各容器の本体を上記各容器のねじ蓋キャップで閉めた。実施例1と同様にして、ゲル化活性剤の添加から所定時間経過後に、ゲル状組成物から発生した二酸化塩素ガスの濃度を測定した。経過時間(hr)、二酸化塩素(ClO2)ガス濃度(ppm)、そのときの大気の温度(℃)および相対湿度(%)を、それぞれ表8にまとめた。
Figure 0006212018
表1〜表8に示すように、亜塩素酸塩水性液に、ガス発生調節剤、pH調整剤、吸水性樹脂および好ましくはガス生成促進剤を含むゲル化活性剤を添加しゲル化して得られるゲル状組成物から、二酸化塩素ガスを持続的に発生させる本二酸化塩素ガスの発生方法により、二酸化塩素ガスを極めて長い時間に亘って持続的に発生させることができた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ゲル状組成物が入ったプラスチック製容器、1w 開口孔、2 ビーカ、3 プラスチック製フィルム、4 北川式検知管。

Claims (7)

  1. 亜塩素酸塩水性液に、ガス発生調節剤、pH調整剤、ガス生成促進剤および吸水性樹脂を含むゲル化活性剤を添加しゲル化して得られるゲル化組成物から、二酸化塩素ガスを持続的に発生させる二酸化塩素ガスの発生方法であって、
    前記pH調整剤は酸解離定数pK a が2.5以上の弱酸の塩であり、
    前記ガス生成促進剤は前記pH調整剤の共役酸である、二酸化塩素ガスの発生方法
  2. 前記亜塩素酸塩水性液は、pHが9以上13以下のアルカリ性である請求項1に記載の二酸化塩素ガスの発生方法。
  3. 前記亜塩素酸塩水性液は、前記ゲル化活性剤が添加される前には、気密性容器に封入されている請求項1または請求項2に記載の二酸化塩素ガスの発生方法。
  4. 前記ゲル化活性剤は、前記亜塩素酸塩水性液に添加する前には、気密性容器に封入されている請求項1または請求項2に記載の二酸化塩素ガスの発生方法。
  5. 亜塩素酸塩水性液を含むA剤と、ガス発生調節剤、pH調整剤、ガス生成促進剤および吸水性樹脂を含むゲル化活性剤を含むB剤と、で構成され、前記A剤に前記B剤を添加することにより二酸化塩素ガス持続的に発生させる二酸化塩素ガス発生用キットであって、
    前記pH調整剤は酸解離定数pK a が2.5以上の弱酸の塩であり、
    前記ガス生成促進剤は前記pH調整剤の共役酸である、二酸化塩素ガス発生用キット
  6. 前記A剤に含まれる前記亜塩素酸塩水性液は、pHが9以上13以下のアルカリ性である請求項に記載の二酸化塩素ガス発生用キット。
  7. 亜塩素酸塩水性液と、ガス発生調節剤、pH調整剤、ガス生成促進剤および吸水性樹脂を含むゲル化活性剤と、を含み、二酸化塩素ガスを持続的に発生させるゲル状組成物であって、
    前記pH調整剤は酸解離定数pK a が2.5以上の弱酸の塩であり、
    前記ガス生成促進剤は前記pH調整剤の共役酸である、ゲル状組成物
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