JP2015101446A - 用紙搬送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】湾曲搬送路の上流側と下流側とに設置した第1,第2用紙搬送ローラ対間で速度差があるときに用紙への搬送抵抗を低減する。
【解決手段】湾曲搬送路JR−Cの上流側に設置され且つ第1搬送速度で用紙Pを挟持搬送する第1用紙搬送ローラ対R1と、第1用紙搬送ローラ対R1よりも下流側に設置され且つ第1搬送速度よりも速い第2搬送速度で用紙を挟持搬送する第2用紙搬送ローラ対R2とを備えた用紙搬送装置100であって、第1用紙紙搬送ローラ対R1の従動ローラR1bを回転自在に支持し、且つ、この従動ローラR1bを駆動ローラR1a側に押圧するニップ位置と、このニップ位置よりも下流側に位置するニップ開放位置との間を往復移動する移動体109と、移動体上に取り付けられて湾曲搬送路に沿って搬送される用紙に接離する摩擦部材114と、移動体をニップ位置側に付勢する付勢手段113と、を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、用紙を湾曲状に搬送する湾曲搬送路の上流側に設置され且つ第1搬送速度で用紙を挟持搬送する第1用紙搬送ローラ対と、この第1用紙搬送ローラ対よりも下流側に設置され且つ第1搬送速度よりも速い第2搬送速度で用紙を挟持搬送する第2用紙搬送ローラ対とを備えた用紙搬送装置に関する。
一般的に、用紙を用紙搬送路に沿って設けた複数の用紙搬送ローラ対により挟持搬送する用紙搬送装置は、インクジェット印刷装置,孔版印刷装置,レーザビームプリンタ,熱転写印刷装置や複写機などの画像形成装置に適用されている。
この種の用紙搬送装置の一例として、用紙上に両面印刷できる印刷装置に適用され、この装置内に設けた印刷部を循環するように循環搬送路を形成し、この循環搬送路中に形成した湾曲搬送路の上流側と下流側とで速度差をもって用紙を搬送する複数の用紙搬送ローラ対を備えた印刷装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された印刷装置は、ここでの図示を省略するが、この装置内に形成された循環搬送路では、印刷部で片面を印刷した印刷済みの用紙を、湾曲した搬送路の上流側に設置した用紙搬送ローラ対により印字搬送速度で下流側に搬送し、更に、湾曲した搬送路の下流側に設置した用紙搬送ローラ対で印字搬送速度よりも速い搬送速度で用紙を再び印刷部に向けて搬送することで両面印刷への生産性を高めている。
このとき、湾曲した搬送路の上流側の用紙搬送ローラ対と下流側の用紙搬送ローラ対との間で速度差があるので、用紙は下流側の用紙搬送ローラ対に引っ張られるために、上流側の用紙搬送ローラ対でスリップが生じる、
そこで、特許文献1に開示された印刷装置では、第1ニップ圧で圧接された第1駆動ローラと第1従動ローラとにより用紙を第1搬送速度で挟持搬送する第1搬送手段が、湾曲した搬送路に沿って用紙搬送方向の上流側に設置されている。
また、第1ニップ圧以下の第2ニップ圧で圧接された第2駆動ローラと第2従動ローラとにより用紙を第1搬送速度で挟持搬送する第2搬送手段が、第1搬送手段よりも下流側に設置されている。
更に、第1ニップ圧よりも大きい第3ニップ圧で圧接された第3駆動ローラと第3従動ローラとにより用紙を第1搬送速度よりも速い第2搬送速度で挟持搬送する第3搬送手段が、第2搬送手段よりも下流側に設置されている。
そして、第1〜第3搬送手段を湾曲した搬送路に沿って順に設置したときに、第2搬送手段の第2従動ローラは、湾曲した搬送路の湾曲内側方向に伸縮自在なコイルスプリングにより湾曲内側に支持されている。
これにより、第1,第2搬送手段の第1搬送速度と、この第1搬送速度よりも速い第3搬送手段の第2搬送速度との速度差によって用紙にバックテンションが生じても、第2搬送手段の用紙搬送ローラ対に対してニップが開放され、用紙は、より大きいニップ圧で圧接されている第3搬送手段により引っ張られて第2搬送速度で搬送路を搬送されるので、第1搬送速度で駆動する第1搬送手段の用紙搬送ローラ対に対してスリップを防止することができる。
また、画像形成装置の用紙搬送装置において、用紙搬送ローラ対の一方の用紙搬送ローラをコイルスプリングによらず、ソレノイド機構により離間させるものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開2012−171705号公報 特開平05−323719号公報
ところで、上記した特許文献1に開示された印刷装置では、前述したように、第1,第2搬送手段と第3搬送手段との間の速度差で用紙が引っ張られることにより第2搬送手段の用紙搬送ローラがコイルスプリングの作用により湾曲した搬送路の湾曲内側に変位することで、第2搬送手段の用紙搬送ローラ対をニップ開放している。
しかしながら、第2搬送手段の用紙搬送ローラを湾曲した搬送路の湾曲内側に付勢させるためには、第3搬送手段のニップ圧を強力にして圧接しなければならず、第3搬送手段にかかる搬送負担が大きく、第3搬送手段の耐久性に問題が生じる。
また、下流側での用紙搬送を上流側よりも速くして搬送する場合に、下流側である第3搬送手段にかかる負担が大きいという問題を解決していない。そのほか、ハガキなどの短い用紙を扱う場合では、第1搬送手段と第3搬送手段の両方で用紙を挟持することがないため上流側の第1搬送手段に対してスリップ防止の効果が得られない。
更に、特許文献2に開示されたソレノイド機構を特許文献1に開示された印刷装置に適用しても、下流側の用紙搬送ローラ対を用紙が通過したことをセンサで検出してからソレノイド機構により第2搬送手段である用紙搬送ローラを離間させるため、用紙を下流側の第3搬送手段による用紙搬送ローラ対で加速した瞬間に上流側の用紙搬送ローラ対のニップを開放できないため、下流ローラである第3搬送手段にかかる負担を軽減できない。
そこで、下流側の用紙搬送ローラ対の耐久性を向上させる用紙搬送装置を提供する。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、請求項1記載の発明は、用紙を湾曲状に搬送する湾曲搬送路の上流側に設置され、第1搬送速度で前記用紙を挟持搬送する第1用紙搬送ローラ対と、
前記第1用紙搬送ローラ対よりも下流側に設置され、前記第1搬送速度よりも速い第2搬送速度で前記用紙を挟持搬送する第2用紙搬送ローラ対と、
を備えた用紙搬送装置であって、
前記第1用紙搬送ローラ対のうち前記湾曲搬送路の内側の用紙搬送ローラを支持し、且つ、前記湾曲搬送路の内側内部において前記第1用紙搬送ローラ対で前記用紙をニップするニップ位置と、前記ニップ位置よりも下流側の位置で前記第1用紙搬送ローラ対による前記用紙へのニップを開放するニップ開放位置との間を往復移動する移動体と、
前記移動体に支持され、前記湾曲搬送路に沿って搬送される前記用紙に接離する摩擦部材と、
前記移動体を前記ニップ位置側に付勢する付勢手段と、を備え、
前記湾曲搬送路に沿って搬送される前記用紙を前記第1用紙搬送ローラ対と前記第2用紙搬送ローラ対とでニップしたときに、前記摩擦部材と前記用紙とが離間している状態から当接する状態になり、前記移動体が前記ニップ位置から前記ニップ開放位置に移動して前記第1用紙搬送ローラ対による前記用紙へのニップが開放された後に、前記摩擦部材と前記用紙とが当接している状態から離間する状態になったときに、前記付勢手段により前記移動体が前記ニップ開放位置から前記ニップ位置に戻ることを特徴とする用紙搬送装置である。
また、請求項2記載の発明は、前記移動体が前記ニップ開放位置に至ったときに、前記移動体を所定時間だけ前記ニップ開放位置で固定する固定手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の用紙搬送装置である。
請求項1記載の用紙搬送装置によると、湾曲搬送路中で第1用紙搬送ローラ対と第2用紙搬送ローラ対との間で速度差がある場合に、下流側の第2用紙搬送ローラ対で用紙を上流側の第1用紙搬送ローラ対よりも速く搬送させるとき、第1用紙搬送ローラ対のうち湾曲搬送路の内側の用紙搬送ローラを支持した移動体上に設けた摩擦部材を利用して、上流側の第1用紙搬送ローラ対をニップ開放位置に移動させているので、用紙を下流側の第2用紙搬送ローラで加速した瞬間に上流側の第1用紙搬送ローラ対に対してニップを開放でき、第1用紙搬送ローラ対と第2用紙搬送ローラ対の搬送負担を低減できる。
また、請求項2記載の用紙搬送装置によると、移動体がニップ開放位置に至ったときに、固定手段により移動体をニップ開放位置で所定時間だけ固定するので、用紙の搬送がされた後、移動体が再度ニップ位置に戻り、次の用紙の搬送を確実にすることができる。
本発明に係る用紙搬送装置を適用した画像形成装置の全体構成を示した全体構成図である。 本発明に係る用紙搬送装置の構成及び第1動作を示した図である。 図2に示した第1用紙ローラ対の従動ローラ側を示した斜視図である。 本発明に係る用紙搬送装置の第2動作を示した図である。 本発明に係る用紙搬送装置の第3動作を示した図である。 本発明に係る用紙搬送装置を一部変形させた変形例の用紙搬送装置を示した図である。
以下に本発明に係る用紙搬送装置の一実施形態について、図1〜図6を参照して詳細に説明する。
本発明に係る用紙搬送装置は、用紙を湾曲状に搬送する湾曲搬送路の上流側に設置され且つ第1搬送速度で用紙を挟持搬送する第1用紙搬送ローラ対と、この第1用紙搬送ローラ対よりも下流側に設置され且つ第1搬送速度よりも速い第2搬送速度で用紙を挟持搬送する第2用紙搬送ローラ対とを備えた際、湾曲搬送路中で第1用紙搬送ローラ対と第2用紙搬送ローラ対との間で速度差がある場合に、用紙が第1,第2用紙搬送ローラ対間で第2用紙搬送ローラ対に引っ張られる力を利用して、第1用紙搬送ローラ対をニップ位置からニップ開放位置に移動させることで、用紙を第2用紙搬送ローラ対で加速した瞬間に第1用紙搬送ローラ対に対してニップを開放でき、且つ、第1用紙搬送ローラ対に対して用紙への搬送抵抗を低減できると共に、第1,第2用紙搬送ローラ対の搬送負担を低減できるように用紙搬送装置が構成されている。
ここで、本発明に係る用紙搬送装置を説明する前に、この用紙搬送装置を適用した画像形成装置について図1を用いて先に説明する。
(画像形成装置)
図1は本発明に係る用紙搬送装置を適用した画像形成装置の全体構成を示している。
図1に示す如く、本発明に係る用紙搬送装置を適用した画像形成装置1は、インクジェット印刷方式を用いて用紙P上に画像や文字を両面印刷できるインクジェット印刷装置として構成されている。
上記した画像形成装置1は、この装置全体を操作する操作パネル部10と、用紙Pを1枚ずつ給紙する給紙部20と、給紙部20よりも用紙搬送の下流側に回転可能に設置されたベルトプラテン部50と、ベルトプラテン部50と対向して複数色のインクIKを吐出する複数のライン型インクジェットヘッド61が固定設置され、ベルトプラテン部50により搬送された用紙P上に複数色のインクIKによりカラー画像を印刷する印刷部(画像形成部)60と、印刷部60で印刷された印刷済みの用紙Pを排紙する排紙部80と、装置全体を制御する制御部90と、を備えている。
この際、画像形成装置1では、給紙部20で給紙された用紙Pに対して印刷部60で両面印刷を可能にするために、この用紙Pを循環させて搬送する循環可能な用紙搬送路(以下、循環搬送路と記す)JRを設けている。
上記した循環搬送路JRは、印刷時に用紙Pを一定の用紙搬送速度(第1搬送速度)で直線的に搬送する第1直線搬送路JR−L1と、この第1直線搬送路JR−L1の下流端に接続されて片面印刷済みの用紙Pを第1搬送速度で湾曲させて搬送する湾曲搬送路JR−Cと、この湾曲搬送路JR−Cの下流端に接続されて片面印刷済みの用紙Pを第1搬送速度よりも速い第2搬送速度で直線的に搬送する第2直線搬送路JR−L2と、この第2直線搬送路JR−L2の下流端に一端が接続され且つ他端が第1直線搬送路JR−L1の上流端に接続されて片面印刷済みの用紙Pに対してスイッチバックして第2搬送速度で印刷部60の方向へ再び搬送して両面印刷を行うスイッチバック搬送路JR−Sとからなる。
また、印刷済みの用紙Pを不図示の後処理装置に搬送する後処理搬送路ARと、印刷済みの用紙Pを排紙する排紙搬送路HRとを循環搬送路JRから分岐させている。
そして、循環搬送路JR中の湾曲搬送路JR−Cの上流側には、印刷済みの用紙Pを第1搬送速度で挟持搬送する第1用紙搬送ローラ対(以下、単に第1ローラ対と記す)R1が回転可能に設けられている。
また、循環搬送路JR中の湾曲搬送路JR−Cの下流側,第2直線搬送路JR−L2,スイッチバック搬送路JR−S及び排紙搬送路HRには、印刷済みの用紙Pを第1搬送速度よりも速い第2搬送速度で挟持搬送する複数の第2用紙搬送ローラ対(以下、単に第2ローラ対と記す)R2が回転可能に設置されている。
更に、湾曲搬送路JR−C中で印刷済みの用紙Pを第1搬送速度で挟持搬送する第1ローラ対R1から第2搬送速度で挟持搬送する第2ローラ対R2に受け渡して、この印刷済みの用紙Pを第2ローラ対R2で加速する場合に、本発明に係る用紙搬送装置100(又は120)が湾曲搬送路JR−C中に設置されているが、この用紙搬送装置100(又は120)については後で詳述する。
ここで、画像形成装置1の各部について順を追って具体的に説明すると、この画像形成装置1の外観を形成する筐体2は箱状に形成されている。
まず、上記した操作パネル部10は、筐体2の上面2aに設置されており、ここでの詳細な図示を省略するが、片面/両面印刷キー、スタートキー、ストップキー、テンキー、印刷枚数設定キー、薄紙,普通紙,厚紙……などの各種の用紙の種類を入力する用紙種類入力キー、アラーム表示部、液晶パネルなどが設けられている。
次に、上記した給紙部20は、エンコーダ付きモータ21により筐体2の左側面下方部位に設けた給紙台ガイド側板2bの外側に沿って上下動可能に配設されたサイド給紙台22と、筐体2内の左下方部位に固定設置された複数の給紙台31,32とを備えている。
この際、サイド給紙台22は少なくとも一つ以上の定形サイズの用紙Pと不定形サイズの用紙Pのうちいずれか1種類の用紙Pが積層可能になっている。一方、複数の給紙台31,32は例えばA4サイズ,A3サイズなど特定の定形サイズの用紙Pがそれぞれ積層可能になっている。
また、サイド給紙台22及び複数の給紙台31,32の上方には、ギアードモータ33によって用紙Pを定速で搬送するために一定の用紙搬送速度(第1搬送速度)で回転駆動される給紙ローラ34がそれぞれ設けられている。
この際、サイド給紙台22が筐体2の給紙台ガイド側板2bに沿って上動することによって最上層の用紙Pが給紙ローラ34に当接して給紙される一方、複数の給紙台31,32内に設けた各バネ(図示せず)の付勢力によって最上層の各用紙Pが各給紙ローラ34に当接して給紙される。
また、サイド給紙台22及び複数の給紙台31,32側には、給紙ローラ34よりも用紙搬送方向の下流にギアードモータ33を共用して回転駆動される捌きローラ35と捌き板36とが給紙搬送路KRの上下に互いに対向してそれぞれ設けられている。
そして、給紙ローラ34により給紙された用紙Pは、捌きローラ35と捌き板36との間で挟持搬送されながら最上位の用紙Pのみが1枚ずつ分離されて重送が防止され、この後、給紙搬送路KRよりも下流にループ状に設けた循環搬送路JR側に搬送される。
また、循環搬送路JRの上流側には、光透過型の給紙センサ41と、ギアードモータ42によって停止/回転駆動されて用紙Pを一定の用紙搬送速度(第1搬送速度)で挟持搬送するレジストローラ対43と、レジストローラ対43で挟持搬送された用紙の先端部と後端部の通過を検出する光透過型の第1トップエッジセンサ44とが設置されている。
ここで、給紙部20により給紙された用紙Pの先端部が停止中のレジストローラ対43に突き当たったときに点線で示したような撓みTが生じ、この撓みTにより用紙Pの先端位置がレジストローラ対43に対して揃うようになる。
そして、用紙Pの先端部に発生した先端部撓みTの量が所定量に至った後に、ギアードモータ42によりレジストローラ対43を一定の用紙搬送速度に応じて回転駆動させている。
更に、レジストローラ対43で挟持搬送された用紙Pの先端部と後端部とを第1トップエッジセンサ44で検出し、且つ、用紙Pの先端部から後端部までの通過時間を後述する制御部90内に設けたタイマ90dで計測し、第1トップエッジセンサ44による用紙Pの通過時間と上記した一定の用紙搬送速度とにより制御部90内に設けたCPU90aで演算することで用紙Pの長さを測定している。
即ち、用紙搬送速度が一定の場合に、用紙Pの長さは、第1トップエッジセンサ44を通過した用紙の通過時間と、一定の用紙搬送速度とを制御部90のCPU90a内で乗算すれば得られる。
また、循環搬送路JR中で第1トップエッジセンサ44よりも用紙搬送方向の下流には、光反射型の第2トップエッジセンサ45と、ベルトプラテン部50と、このベルトプラテン部50と対向した印刷部60とが設置されている。
上記した第2トップエッジセンサ45は、用紙Pの先端部を検出し、この先端部を基準として所定時間経過後に印刷を開始させるためのタイミングを取る機能を備えている。
また、上記したベルトプラテン部50は、複数のエアー吸引孔(図示せず)を有して帯状に形成されたベルトプラテン51がギアードモータ52により一定の用紙搬送速度(第1搬送速度)で回転駆動される駆動プーリ53と従動プーリ54との間に中間プーリ55を介してエンドレスに掛け渡されており、ベルトプラテン51上に搬送された用紙Pをエアー吸引部56で吸引搭載しながら矢印方向に搬送している。
また、印刷部(画像形成部)60は、ベルトプラテン部50の上方でこのベルトプラテン部50と僅かに間隔を離して対向して設けられており、筐体2内の略中央部位に位置している。
この印刷部60では、複数色のインクIKと対応して複数のライン型インクジェットヘッド61が用紙Pの搬送方向の上流側から下流側に向かってC(シアン)用,K(ブラック)用,M(マゼンタ)用,Y(イエロー)用の順に固定設置されている。
そして、用紙Pをエアー吸引によりベルトプラテン51上に固定した状態でベルトプラテン51の回転より用紙Pを一定の用紙搬送速度(第1搬送速度)で矢印方向に搬送しながら複数のライン型インクジェットヘッド61により印刷データに基いてカラー画像を印刷している。
また、循環搬送路JRには、ベルトプラテン部50及び印刷部60の下流直後に光反射型の第1分岐センサ71と第1フリッパ72とが設けられている。
そして、第1分岐センサ71で印刷済みの用紙Pの先端部を検出したときに、第1フリッパ72を下方に向けて回動させることにより、印刷済みの用紙Pを湾曲搬送路JR−Cに向けて搬送させている。
一方、印刷済みの用紙Pに対して後処理加工を施したい場合には、第1フリッパ72を水平に回動して印刷済みの用紙Pをベルトプラテン部50に対して直線的に接続した後処理搬送路ARに搬送させて、ローラ対R0により印刷済みの用紙Pを筐体2の右側面2c側から不図示の後処理装置に向けて挟持搬送することが可能になっている。
また、循環搬送路JRには、第1分岐センサ71及び第1フリッパ72よりも下流側で曲線状に湾曲した後の直線部分で第2直線搬送路JR−L2の上流に光反射型の第2分岐センサ73が設けられ、且つ、第2分岐センサ73よりも下流に第2フリッパ74を介して排紙搬送路HRとスイッチバック搬送路JR−Sとが分岐されている。
そして、循環搬送路JR中の湾曲搬送路JR−Cを通過した印刷済みの用紙Pを第2分岐センサ73で検出したときに、第2フリッパ74を下方に向けて回動させることにより印刷済みの用紙Pを排紙搬送路HRに導き、且つ、排紙搬送路HRに沿って設けた光反射型の排紙センサ75で排紙を検出した後に、筐体2の左側面上方部位2dに傾斜させて設けた排紙部80の排紙トレイ81に排紙している。
一方、用紙Pの両面に印刷を行う場合には、第2フリッパ74を上方に向けて回動させることにより片面印刷済みの用紙Pをスイッチバック搬送路JR−Sに導き、且つ、スイッチバック搬送路JR−Sに沿って設けた光反射型のスイッチバックセンサ76でスイッチバックを検出している。
この後、スイッチバック搬送路JR−Sに導かれた片面印刷済みの用紙Pは、スイッチバック搬送路JR−S中に設けた第3フリッパ77を介して排紙トレイ81の裏面に形成した用紙ガイド枠82内に向かい、この用紙ガイド枠82内で片面印刷済みの用紙Pの先頭位置を反転させた後に再度、給紙センサ41及びレジストローラ対43に向かい、この後、ベルトプラテン部50及び印刷部60に再度搬送されて、ここで両面印刷を行っている。
更に、湾曲搬送路JR−C中で第1ローラ対R1によって用紙Pが挟持搬送される区間は用紙Pが一定の用紙搬送速度(第1搬送速度)で搬送される定速区間になっているが、第1ローラ対R1よりも下流の第2ローラ対R2から第2直線搬送路JR−L2,排紙搬送路HR及びスイッチバック搬送路JR−Sを含めて一定の用紙搬送速度よりも速い速度(第2搬送速度)で用紙Pを高速に搬送する高速区間になっている。
この際、第1搬送速度が例えば600mm/secであるときに、第2搬送速度は用紙Pの長さに応じて第1搬送速度に対して2倍〜3倍程度速く設定されており、用紙Pの長さが長いほど第2搬送速度は高速に設定されている。
この高速区間を設けることで用紙Pを表面印刷,裏面印刷,表面印刷,裏面印刷,……の順で印刷するときに、隣り合う用紙Pの間隔が略等しく且つタイミング良く迅速に印刷することがでるきようになっている。
また、上記した制御部90は、筐体2内の適宜な位置に設置されて装置全体を制御している。この制御部90は、画像形成装置1の外部に設けた不図示のパソコンと接続されており、パソコンからの印刷ジョブ情報に応じて画像形成装置1の各部を制御することが可能になっている。
また、制御部90は、演算処理や印刷ジョブ情報などを判断処理するCPU90aと、画像形成装置1の動作プログラムを予め格納したROM90bと、用紙Pを搬送する用紙搬送速度(第1,第2搬送速度)や、用紙Pの長さなどを含めて変更可能な情報などを一時的に格納するRAM90cと、第1トップエッジセンサ44を通過する用紙Pの通過時間を計測するタイマ90dとを有している。
更に、制御部90は、下記する本発明に係る用紙搬送装置100(又は120)において、用紙Pの搬送を制御している。
(用紙搬送装置)
図2は本発明に係る用紙搬送装置の構成及び第1動作を示している。また、図3は図2に示した第1用紙ローラ対の従動ローラ側を斜視的に示している。また、図4は本発明に係る用紙搬送装置の第2動作を示している。また、図5は本発明に係る用紙搬送装置の第3動作を示している。
図2に示す如く、本発明に係る用紙搬送装置100は、先に図1を用いて説明した画像形成装置1内で循環搬送路JR中の第1直線搬送路JR−L1に沿って設けた印刷部60よりも用紙搬送方向の下流に形成した湾曲搬送路JR−C中に設けられている。
上記した用紙搬送装置100では、湾曲搬送路JR−Cに沿って湾曲外側と湾曲内側とに外側用紙ガイド部材101と内側用紙ガイド部材102とが用紙Pを搬送できる程度の所定の間隔Kを隔てて対向して固定設置されている。
そして、湾曲搬送路JR−Cの上流側で湾曲外側にギアードモータ103によって第1搬送速度で回転駆動する駆動ローラR1aが設けられている。この駆動ローラR1aに従動して回転する従動ローラR1bが湾曲搬送路JR−Cの湾曲内側に設けられて、駆動ローラR1aと従動ローラR1bとを対にして第1ローラ対(第1用紙搬送ローラ対)R1が構成されている。
また、湾曲搬送路JR−Cの下流側で湾曲外側にギアードモータ104によって第1搬送速度よりも速い第2搬送速度で回転駆動する駆動ローラR2aが設けられている。この駆動ローラR2aに従動して回転する従動ローラR2bが湾曲搬送路JR−Cの湾曲内側に設けられて、駆動ローラR2aと従動ローラR2bとを対にして第2ローラ対(第2用紙搬送ローラ対)R2が構成されている。
この実施形態では、第1ローラ対R1の従動ローラR1bは、後述する移動体109上に取り付けた摩擦部材114による用紙Pへの接離関係から湾曲搬送路JR−Cの湾曲内側に必ず設置する必要があるが、第2ローラ対R2の従動ローラR2bは湾曲搬送路JR−Cの湾曲外側又は湾曲内側のどちら側に設置してもかまわない。
そして、前述したように、第1ローラ対R1の第1搬送速度が例えば600mm/secであるときに、第2ローラ対R2の第2搬送速度は第1搬送速度に対して2倍〜3倍程度速く設定されている。
尚、以下の説明において、用紙Pが第1ローラ対R1により第1搬送速度で走行する区間を定速区間と呼称し、用紙Pが第2ローラ対R2により第1搬送速度よりも速い第2搬送速度で走行する区間を高速区間と呼称する
そして、第1,第2ローラ対R1,R2の各駆動ローラ及び各従動ローラは、外側用紙ガイド部材101及び内側用紙ガイド部材102に形成した逃げ孔内に臨んだ状態でニップされている。
また、第1搬送速度で回転する第1ローラ対R1のニップ圧は、第1搬送速度よりも速い第2搬送速度で回転する第2ローラ対R2のニップ圧よりも低く設定されている。
ここで、上記した条件下で印刷部60(図1)により印刷された印刷済みの用紙Pが湾曲搬送路JR−Cに搬送される場合に、第1,第2ローラ対R1,R2を回転させて、用紙Pが第1ローラ対R1により第1搬送速度で湾曲搬送路JR−Cに沿って湾曲しながら定速区間内を走行した後に、用紙Pの先端部Pa側が第2ローラ対R2にニップされて受け渡されると、用紙Pが高速区間内で第1搬送速度より速い第2搬送速度に加速される。
このときに、印刷済みの用紙Pが第1,第2ローラ対R,R2にニップされていると、第1搬送速度と第2搬送速度との速度差により第1,第2ローラ対R1,R2間で用紙Pが張り、下流側の第2ローラ対R2に対して上流側の第1ローラ対R1が搬送抵抗となり、第1ローラ対R1と用紙Pとの間でスリップが生じ、これにより用紙搬送タイミングが遅れたり、第1ローラ対R1に磨耗や汚れが発生する。
そこで、本発明に係る用紙搬送装置100では、上記した問題点を解決するために第1ローラ対R1のうち湾曲搬送路JR−Cの内側の用紙搬送ローラである従動ローラR1b側に対して対策を施している。
即ち、図2及び図3に示す如く、湾曲搬送路JR−Cの湾曲内側に設置した第1ローラ対R1の従動ローラR1bは、湾曲搬送路JR−Cの湾曲内側内部に設けた箱体105内に収納されており、この従動ローラR1bが箱体105の上部開口部位から一部突出して第1ローラ対R1の駆動ローラR1aに対して接離可能に設けられている。
この際、第1ローラ対R1の従動ローラR1bは、用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に沿って設けた短尺なローラ軸R1bj上に形成されており、且つ、この従動ローラR1bは用紙幅方向の一直線上に間隔を隔てて複数設けられている。
一方、第1,第2ローラ対R1,R2の駆動ローラR1a,R2a及び第2ローラ対R2の従動ローラR2bは、用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に沿って設けた長尺なローラ軸上に間隔を隔てて複数形成されている。
また、箱体105の下方に設置した固定部材106(図2)と、箱体105の底板105aとの間で用紙幅方向の左右に第1圧縮バネ107,107が介装されており、これらの第1圧縮バネ107,107の付勢力により箱体105内に収納された第1ローラ対R1の従動ローラR1bが用紙Pを介して駆動ローラR1a側に押圧可能になっている。
上記した箱体105は、剛性を有する樹脂材を用いて上部が開口されており、用紙幅方向と対応する左右の側板105b,105cに従動ローラR1bの両端から突出したローラ軸R1bj,R1bjを上方から挿入できる縦溝(105b1…図示せず),105c1がローラ軸R1bj,R1bjの外径の幅で形成されている。
また、箱体105の左右の側板105b,105cには、縦溝(105b1),105c1の下端にこの縦溝(105b1),105c1と直交して横孔(105b2…図示せず),105c2が従動ローラR1bのローラ軸R1bj,R1bjに嵌め込まれる左右一対の軸受け108,108の外径の幅で形成されている。
従って、箱体105の左右の側板105b,105cに形成した縦孔(105b1),105c1から横孔(105b2),105c2内に従動ローラR1bのローラ軸R1bj,R1bjを挿入して、この横孔(105b2),105c2内に従動ローラR1bのローラ軸R1bj,R1bjを介して左右一対の軸受け108,108を嵌め込むと、この左右一対の軸受け108,108の外径は縦溝(105b1),105c1の幅よりも大きいので、従動ローラR1bは箱体105の上方に抜け出ることができない。
一方、箱体105の左右の側板105b,105cの外側には、左右一対の移動体109,109が左右の側板105b,105cに沿って矢印方向にスライド可能に設けられている。
これら左右一対の移動体109,109は、用紙搬送方向の上流側の一端部109a,109a側に左右一対の軸受け108,108を嵌め込むための軸受け孔109a1,109a1が貫通して形成されている。
そして、箱体105の左右の側板105b,105cの横孔(105b2),105c2内に嵌め込んだ左右一対の軸受け108,108を、左右一対の移動体109,109の軸受け孔109a1,109a1内に嵌め込んだ後に、従動ローラR1bのローラ軸R1bj,R1bjの端部にEワッシャ110,110を掛止させることで、左右一対の移動体109,109の抜け止めを図っている。
また、左右一対の移動体109,109の下面109b,109bは、箱体105の左右の側板105b,105cの外側に取り付けた左右一対のガイドブラケット(111…図示せず),111上に移動可能にガイドされている。
従って、箱体105内に収納された第1ローラ対R1の従動ローラR1bは、箱体105の左右の側板105b,105cの外側にスライド可能に設けた左右一対の移動体109,109に回転自在に支持されている。
これにより、第1ローラ対R1の従動ローラR1bは、左右一対の移動体109,109と一体に左右の側板105b,105cの横溝(105b2),105c2及び左右一対のガイドブラケット(111),111に案内されて用紙搬送方向の上流側に位置するニップ位置(図4,図5)と、このニップ位置よりも下流側に位置するニップ開放位置(図5)との間で往復移動可能になっている。
また、左右一対の移動体109,109のうちで用紙搬送方向の下流側の他端部109c,109cと、固定部材106上の左右に取り付けた左右一対のバネ掛止部材(112…図示せず),112との間に第2圧縮バネ113,113が介装されており、これらの第2圧縮バネ113,113によって第1ローラ対R1の従動ローラR1bを支持した左右一対の移動体109,109が用紙搬送方向の上流側のニップ位置に向かって付勢されている。
更に、左右一対の移動体109,109の上面109d,109d上で従動ローラR1bよりも少し下流に摩擦部材114,114が取り付けられている。
これらの摩擦部材114,114は、この上端面114a,114aが湾曲搬送路JR−Cに沿って搬送される用紙Pに接離自在に設けられている。
この際、摩擦部材114,114の上端面114a,114aは、湾曲搬送路JR−Cに沿って湾曲しながら搬送される用紙Pに当接せず、且つ、後述するように第1,第2ローラ対R1,R2の速度差により用紙Pが直線的に緊張したときに用紙Pに当接できるように上端面114a,114aの高さ位置が設定されている。
そして、上記のように構成した本発明に係る用紙搬送装置100において、第1ローラ対R1の従動ローラR1bが空転するときの空転トルクをNとし、且つ、従動ローラR1bを支持した移動体109を用紙搬送方向の上流側に向けて押圧してバネが伸びきっているときの第2圧縮バネ113の付勢力をFとし、更に、第1,第2ローラ対R1,R2の速度差により用紙Pが直線的に緊張したときに摩擦部材114の上端面114aが用紙Pに当接したときの摩擦力をFとすると、下記の数式1が満足するように従動ローラR1bの空転トルクN及び第2圧縮バネ113の付勢力Xが予め設定されている。
[数1]
N<X<F
ここで、上記のように構成した用紙搬送装置100の動作について、図2,図4,図5を用いて、箱体105の右側面105c側について説明し、箱体105の右側面105c側と同様に動作する箱体105の左側面105c側についての説明を省略する。
まず、図2に示す如く、用紙搬送装置100の第1動作では、印刷部60(図1)で印刷された印刷済みの用紙Pが循環搬送路JR(図1)中の湾曲搬送路JR−Cに搬送されると、用紙Pは第1ローラ対R1にニップされたまま第1搬送速度で下流の第2ローラ対R2に向かい、この用紙Pの先端部Pa側が第2ローラ対R2にニップされた始めたときに、用紙Pは湾曲搬送路JR−Cに沿って湾曲しながら搬送されている。
このとき、湾曲搬送路JR−Cの内側内部にスライド可能に設けられた移動体109上に取り付けた摩擦部材114の上端面114aは、湾曲搬送路JR−Cに沿って湾曲しながら搬送される用紙Pから離間している。
そして、摩擦部材114の上端面114aが用紙Pから離間しているときに、移動体109は、第2圧縮バネ113の付勢力により用紙搬送方向の上流側に向けて押圧されているので、移動体109が箱体105の右側板105cに形成した横溝105c2とガイドブラケット111とに沿いながら上流側のニップ位置に向かって移動している。
この際、移動体109に嵌め込んだ軸受け108が、箱体105の右側面105c側に形成した横溝105c2内で上流端側に当接するので、移動体109はニップ位置で停止し、このニップ位置よりも上流側への移動が規制されている。
また、移動体109に支持された第1ローラ対R1の従動ローラR1bは、第1圧縮バネ107の付勢力により箱体105と一体となって用紙Pを介して駆動ローラR1aをニップ位置で押圧している。
尚、図2中で第2ローラ対R2の下流近傍に設けた第2分岐センサ73は、用紙Pの先端部Paが第2ローラ対R2を通過したことを検出している。
次に、図4に示す如く、用紙搬送装置100の第2動作では、ニップ位置に至っている第1ローラ対R1により第1搬送速度で挟持搬送されている印刷済みの用紙Pの用紙搬送方向の先端部Paが、第2ローラ対R2にニップされて受け渡されると、用紙Pの先端部Pa側が第1搬送速度より速い第2搬送速度に加速される。
このときに、第1ローラR1の第1搬送速度と、第2ローラR2の第2搬送速度との速度差により用紙Pが第2ローラ対Rに引っ張られ、この用紙Pが第1,第2ローラR1,R2間で直線的に張るので、移動体109上に取り付けた摩擦部材114の上端面114aが用紙Pに当接する。
次に、図5に示す如く、用紙搬送装置100の第3動作では、第2動作で移動体109上に取り付けた摩擦部材114の上端面114aが用紙Pに当接したときに、用紙Pが第2ローラR2により引っ張られる力で摩擦部材114を用紙搬送方向の下流側に移動させる摩擦力がこの摩擦部材114に働く。
このときに、前述した数式1により、移動体109を用紙搬送方向の上流側に向けて押圧している第2圧縮バネ113の付勢力Xは、摩擦部材114の摩擦力Fよりも弱い値に予め設定されているので、摩擦部材114と一体に移動体109が第2圧縮バネ113の付勢力に抗して箱体105の右側板105cの横溝105c2とガイドブラケット111とに沿いながら用紙搬送方向の下流側に向かって移動する。
これに伴って、移動体109に支持されている第1ローラ対R1の従動ローラR1bも用紙搬送方向の下流側に向かって移動する。これにより、第1ローラ対R1の従動ローラR1bは駆動ローラR1aから離間してニップ開放位置に至り、このニップ開放位置で用紙Pは第1ローラ対R1から確実にニップを開放される。
従って、湾曲搬送路JR−C中で第1ローラ対R1と第2ローラ対R2との間で速度差がある場合に、用紙Pを第1ローラ対R1から第2ローラ対R2に受け渡して、この用紙Pが第1,第2ローラ対R1,R2間で第2ローラ対R2により引っ張られる力を、第1ローラ対R1の従動ローラR1bを回転自在に支持した移動体109上の摩擦部材114に伝達している。
そして、摩擦部材114と一体に移動体109に支持した第1用紙搬送ローラ対R1の従動ローラR1bをニップ位置よりも下流側に位置するニップ開放位置に移動させているので、特許文献2に記載したようなソレノイド機構を用いることなく、用紙Pを第2ローラ対R2で加速した瞬間に第1ローラ対R1に対してニップを開放でき、且つ、第1ローラ対R1に対して用紙への搬送抵抗を低減できると共に、第1,第2ローラ対R1,R2の搬送負担を低減できる。
この結果、用紙搬送タイミングが遅れることがなく、且つ、第1ローラ対R1にスリップが生じないので第1ローラ対R1に磨耗や汚れが発生することがなく、用紙P上に両面印刷したときに生産性向上及び印刷性能向上に寄与できる。
この後、ニップ開放位置で第1ローラ対R1からニップを開放された用紙Pは緊張がなくなるために、第2圧縮バネ113の付勢力により移動体109に支持されている第1ローラ対R1の従動ローラR1bがニップ位置に戻る。
従って、上記した第1〜第3動作では、湾曲搬送路JR−Cに沿って搬送される用紙Pを第1ローラ対R1と第2ローラ対R2とでニップしたときに、摩擦部材114と用紙Pとが離間している状態から当接する状態になり、移動体109がニップ位置からニップ開放位置に移動して第1ローラ対R1による用紙Pへのニップが開放された後に、摩擦部材114と用紙Pとが当接している状態から離間する状態になったときに、第2圧縮バネ113の付勢力により移動体109がニップ開放位置からニップ位置に戻り、これを繰り返すことになる。
ここで、本発明に係る用紙搬送装置100を一部変形させた変形例について、図6を用いて説明する。
図6は本発明に係る用紙搬送装置を一部変形させた変形例の用紙搬送装置を示している。
図6に示した変形例の用紙搬送装置120は、先に図5を用いて説明した本発明に係る用紙搬送装置100の第3動作に対して一部改良を施したものであり、ここでは説明の便宜上、先に示した構成部材に対しては同一の符号を付し、先に示した構成部材は必要に応じて適宜説明し、異なる構成部材に新たな符号を付して異なる点について説明する。
図6に示す如く、変形例の用紙搬送装置120では、第1ローラ対R1の従動ローラR1bを支持した移動体109のうちで用紙搬送方向の下流側の他端部109cに磁性板121が固着されている。
また、上記した磁性板121と対向してバネ掛止部材112に電磁石122が取り付けられている点のみが図5に示した用紙搬送装置100に対して異なっている。
上記のように変形例の用紙搬送装置120を構成したときに、先に図5を用いて説明したと同様に、第1ローラR1の第1搬送速度と、第2ローラR2の第2搬送速度との速度差により用紙Pが第2ローラ対Rにより直線的に引っ張られて、移動体109上に取り付けた摩擦部材114の上端面114aが用紙Pに当接する。
そして、用紙Pが第2ローラR2により引っ張られる力で摩擦部材114と一体に第1ローラ対R1の従動ローラR1bを支持している移動体109が第2圧縮バネ113の付勢力に抗して箱体105の右側板105cの横溝105c2とガイドブラケット111とに沿いながら用紙搬送方向の下流側に向かって移動する。
これに伴って、第1ローラ対R1の従動ローラR1bは、第1ローラ対R1の駆動ローラR1aから離間するので、用紙Pは第1ローラ対R1からニップを開放される。
そして、ニップ開放位置で第1ローラ対R1からニップを開放された用紙Pは緊張がなくなるために、第2圧縮バネ113の付勢力により移動体109に支持されている第1ローラ対R1の従動ローラR1bがニップ位置に戻るが、用紙Pが緊張状態であるか否かにより繰り返される。
そこで、変形例の用紙搬送装置120では、用紙Pの搬送時にバネ掛止部材112に取り付けた電磁石122をオンさせておく。
そして、第1ローラ対R1の従動ローラR1bを支持している移動体109が用紙搬送方向の下流側のニップ開放位置に移動したときに、移動体109の他端部109cに固着させた磁性板121が電磁石122に吸着される。
この後、用紙Pの後端部Pbが第1ローラ対R1を通過するまでの間に設定される所定時間だけ移動体109がニップ開放位置に固定され、更に、所定時間経過後に電磁石122をオフさせると移動体109は再びニップ位置に戻る。
尚、上記した所定時間は、用紙Pの搬送速度に対応して制御部90のRAM90c内に予め格納されており、この所定時間を制御部90のタイマ90dで計測すれば対応できる。
尚また、上記した所定時間を計測することなく、これに代えて、用紙Pの後端部Pbが第2ローラ対R2を通過して、この後端部Pbを第2ローラ対R2の下流近傍に設置した第2分岐センサ73で検出したときに電磁石122をオフさせても良い。
従って、磁性板121及び電磁石122は、第1ローラ対R1の従動ローラR1bをニップ開放位置に固定する固定手段となっている。
この変形例の場合には、磁性板121及び電磁石122などによる固定手段が必要となるが、一つの用紙Pが第1ローラ対R1(又は第2ローラ対R2)を通過するまでの間は移動体109がニップ位置とニップ開放位置との間を繰り返し移動することがないので、用紙Pの搬送がされた後、移動体109が再度ニップ位置に戻り、次の用紙Pの搬送を確実にすることができる。
1…画像形成装置、
10…操作パネル部、20…給紙部、50…ベルトプラテン部、
60…印刷部(画像形成部)、80…排紙部、90…制御部、
100…本発明に係る用紙搬送装置、
101…外側用紙ガイド部材、102…内側用紙ガイド部材、
103,104…ギアードモータ、
105…箱体、105a…底板、105b,105c…左右の側板、
(105b1),105c1…縦溝、(105b2),105c2…横溝、
106…固定部材、107…第1圧縮バネ、108…軸受け、
109…移動体、109a1…軸受け孔、
111…ガイドブラケット、112…バネ掛止部材、113…第2圧縮バネ、
114…摩擦部材、114a…上端面、
120…変形例の用紙搬送装置、
121…磁性板、122…電磁石、
KR…給紙搬送路、JR…用紙搬送路(循環搬送路)、JR−L1…第1直線搬送路、
JR−C…湾曲搬送路、JR−L2…第2直線搬送路、
JR−S…スイッチバック搬送路、AR…後処理搬送路、HR…排紙搬送路、
R1…第1用紙搬送ローラ対(第1ローラ対)、
R1a…駆動ローラ、R1b…従動ローラ、
R2…第2用搬送紙ローラ対(第2ローラ対)、
R2a…駆動ローラ、R2b…従動ローラ、
P…用紙、Pa…用紙の先端部、Pb…用紙の後端部。

Claims (2)

  1. 用紙を湾曲状に搬送する湾曲搬送路の上流側に設置され、第1搬送速度で前記用紙を挟持搬送する第1用紙搬送ローラ対と、
    前記第1用紙搬送ローラ対よりも下流側に設置され、前記第1搬送速度よりも速い第2搬送速度で前記用紙を挟持搬送する第2用紙搬送ローラ対と、
    を備えた用紙搬送装置であって、
    前記第1用紙搬送ローラ対のうち前記湾曲搬送路の内側の用紙搬送ローラを支持し、且つ、前記湾曲搬送路の内側内部において前記第1用紙搬送ローラ対で前記用紙をニップするニップ位置と、前記ニップ位置よりも下流側の位置で前記第1用紙搬送ローラ対による前記用紙へのニップを開放するニップ開放位置との間を往復移動する移動体と、
    前記移動体に支持され、前記湾曲搬送路に沿って搬送される前記用紙に接離する摩擦部材と、
    前記移動体を前記ニップ位置側に付勢する付勢手段と、を備え、
    前記湾曲搬送路に沿って搬送される前記用紙を前記第1用紙搬送ローラ対と前記第2用紙搬送ローラ対とでニップしたときに、前記摩擦部材と前記用紙とが離間している状態から当接する状態になり、前記移動体が前記ニップ位置から前記ニップ開放位置に移動して前記第1用紙搬送ローラ対による前記用紙へのニップが開放された後に、前記摩擦部材と前記用紙とが当接している状態から離間する状態になったときに、前記付勢手段により前記移動体が前記ニップ開放位置から前記ニップ位置に戻ることを特徴とする用紙搬送装置。
  2. 前記移動体が前記ニップ開放位置に至ったときに、前記移動体を所定時間だけ前記ニップ開放位置で固定する固定手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の用紙搬送装置。
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