JP2015100811A - プレス成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製品形状の自由度を低下させることなく、縮みフランジ割れの問題を根本的に解決し、さらには操作の煩雑化や生産性の低下のない縮みフランジ成形方法を得る。
【解決手段】本発明に係るプレス成形方法は、外周縁の一部が外方に突出した凸状外周縁部3を有する天板部5と、天板部5における凸状外周縁部3に沿って曲げ成形された縦壁部7とを有する成形部品1をプレス成形するプレス成形方法であって、ブランク材9における天板部5に相当する部位の一部を板押え17によって押える板押え工程と、縦壁部7を成形する第1成形工程と、天板部5を平坦に成形する第2成形工程を備えてなり、板押え工程は、天板部5における凸状外周縁部3のR止まりからブランク材9の加工前の板厚の10倍以上100倍以下の距離を離して板押えを行い、第2成形工程は、第1成形工程において天板部5における板押えをしていない部位について成形を行うことを特徴とするものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属板をプレス成形して縮みフランジを成形するプレス成形方法に関する。
金属薄板を金型で挟むことによってプレス成形することで、金属板が圧縮変形を受けて縮み変形が発生する場合がある。これを縮みフランジ成形とよぶ。軽度な縮みフランジの場合、板厚が増加する現象が発生するが、縮みフランジ成形量が大きくなると、成形途中でシワが発生し、成形後もそのシワが残留するようになる。このシワは成形品の形状不具合や、金型の損耗の原因となるため、望ましくない。特にこのシワが強く発生すると、金属板の成形割れの原因にもなる。
このような縮みフランジによる不具合を回避する方法については、様々な方法が用いられている。
例えば、特許文献1には、金属板を予め薄くする、あるいは穴開けをおこなうことで、圧縮変形を容易にする方法が開示されている。
また、特許文献2及び特許文献3には、成形金型の工夫によりシワの発生を軽減する方法も複数開示されている。
また、特許文献4には、パッドを素材金属板に近接又は接触させた状態で、前記素材金属板の少なくとも一部を、ダイ金型のうち、天板部に対応する部位の上でスライドさせつつ、縦壁部およびフランジ部を成形するL字状形状を有するプレス部品の成形方法が開示されている。
特開2007−253173号公報 特開平7−39954号公報 特開2010−201486号公報 特開2012−245536号公報
縮みフランジ部における上述した従来のシワ対策にはそれぞれ以下のような課題がある。
例えば、特許文献1に記載の方法では、金属板に不均一な予加工を行うため、最終製品の外観、強度、密封性、さらに素材が表面処理鋼板の場合には防錆性に影響を及ぼすため、適用部位が限定される。
特許文献2に記載の方法では縮みフランジ部周辺を拘束するために金型構造が複雑となり、金型作成および維持費用の点で課題を有すると推測される。
特許文献3に開示の方法は、曲げ金型先端部の形状の工夫により変形を分散させる方法であるが、鋼板の成形曲げ角度が90°に近い場合には有効かもしれないが、曲げ角度が小さい場合には曲げ金型先端部の形状が有効に作用しないと考えられ、このような場合には適用できない。
また、特許文献4に開示された方法では、素材金属板の少なくとも一部を、ダイ金型の天板部に対応する部位の上でスライドさせるため、パッドとダイ金型との間に素材金属板の板厚以上で板厚の1.1倍以下の隙間を設けるとしており、該隙間を厳格に規定する必要があり、金属板はその製造上、板厚のバラツキがあることから、操作が煩雑になり、隙間の精度を保持するのが難しいという課題がある。
本発明は、上記のような種々の問題を解決するためになされたものであり、金属板に予加工を施したり、金型構造を複雑にしたりすることなく、かつ曲げ角度に依存せず、さらには操作の煩雑化や生産性の低下のない加工精度の高い縮みフランジ成形ができるプレス成形方法を得ることを目的としている。
(1)本発明に係るプレス成形方法は、外周縁の一部が外方に突出した凸状外周縁部を有する天板部と、該天板部における凸状外周縁部に沿って曲げ成形された縦壁部とを有する成形部品をプレス成形するプレス成形方法であって、
ブランク材における前記天板部に相当する部位の一部を板押えによって押える板押え工程と、前記縦壁部を成形する第1成形工程と、前記天板部を平坦に成形する第2成形工程を備えてなり、
前記板押え工程は、前記天板部における前記凸状外周縁部のR止まりから前記ブランク材の加工前の板厚の10倍以上100倍以下の距離を離して板押えを行い、
前記第2成形工程は、前記第1成形工程において前記天板部における板押えをしていない部位について成形を行うことを特徴とするものである。
本発明においては、板押え工程は、天板部における凸状外周縁部のR止まりからブランク材の加工前の板厚の10倍以上100倍以下の距離を離して板押えを行い、第2成形工程は、第1成形工程において天板部における板押えをしていない部位について成形を行うことにより、縦壁部の屈曲部に縮みを集中させることなくシワの発生を効果的に防止でき、天板部の加工精度も向上させることができる。
また、本発明に用いる金属板や金型構造は一般のプレス成形とほぼ同一のため、本発明のプレス成形方法を用いることで製造コストが増加する懸念もない。
本発明の一実施の形態に係るプレス成形方法の説明図である。 本発明の一実施の形態に係るプレス成形方法によって成形されるプレス成形部品の説明図である。 本発明の一実施の形態に係るプレス成形方法に用いられるプレス成形金型の要部の説明図である。 本実施の形態におけるプレス成形方法の板押え工程における板押え隙間距離Lの根拠となる実験結果のグラフである。 実施例の実験結果のグラフであり、天板部の板厚増加率と板押え隙間距離Lとの関係を示すグラフである。 図3のプレス成形金型の他の態様の要部の説明図である。
本発明の一実施の形態に係るプレス成形方法は、天板部5と縦壁部7を有する成形部品1(図2参照)をプレス成形するプレス成形方法であって、ブランク材9における天板部5に相当する部位の一部を板押え17によって押える板押え工程(図1(a)参照)と、縦壁部7を成形する第1成形工程(図1(b)参照)と、天板部5を平坦に成形する第2成形工程(図1(c)参照)を備えている。
なお、図1(a)はブランク材9設置後の状態、図1(b)は第1成形工程直後の状態、図1(c)は下死点状態をそれぞれ図示したものである。図1(b)及び図1(c)の隣には、そのときのブランク材9の状態を示すために、パンチ15の図示を省略したもの{図1(b−1)及び図1(c−1)}を図示している。
以下、成形部品1、使用するプレス成形金型11、本発明に係るプレス成形方法について図1〜図5に基づいて詳細に説明する。
<成形部品>
本実施の形態におけるプレス成形の目標形状となる成形部品1は、図2に示すように、外周縁の一部が外方に突出した凸状外周縁部3を有する天板部5と、天板部5における凸状外周縁部3に沿って曲げ成形された縦壁部7を有するものである。
このような形状の成形部品1は、縦壁部7が縮みフランジ変形となり、縦壁部7における屈曲部7aに縮みが集中して、当該部位にシワが発生しやすい。
<プレス成形金型>
プレス成形金型11は、図3に示すように、下金型となるダイ13と、ダイ13の上方から下動するパンチ15と、ブランク材9を押える板押え17を備えている。
パンチ15の形状は、成形部品1の天板部5を成形する天板成形部15aと、成形部品1の縦壁部7を成形する縦壁成形部15bとを備えている。
ダイ13は、パンチ15の各成形部の形状に対応した形状を有している。
板押え17の端部は、図1(b−1)や図1(c−1)に示すように、成形部品1の凸状外周縁部3と同様に中央部が外方に突出した形状をしている。
板押え17によるブランク材9をダイ13に押圧する押圧力は、パンチ15の下動による成形に際して、天板部5における板押えをしている部位に変形が生じないような十分強い圧力であることが望ましい。
<プレス成形方法>
次に、上記のプレス成形金型11を用いたプレス成形方法について、前述した板押え工程、第1成形工程及び第2成形工程を詳細に説明する。
≪板押え工程≫
板押え工程は、図1(a)に示すように、ブランク材9をダイ13の上面に配置して板押え17で押える工程である。
ブランク材9は、縦壁部7に相当する部分をパンチ15で押し曲げ可能なように配置する。
板押え17は、板押え17の端部を天板部5における凸状外周縁部3のR止まりに相当する部位からブランク材9の加工前の板厚の10倍以上100倍以下の距離Lだけ離して配置する(図1(b−1)参照)。すなわち、図1(b−1)において、板押え17端部形状の凸状位置と、凸状外周縁部3の屈曲の中心8のR止まりとを距離Lだけ離して、板押え17端部とR止まりとがほぼ平行になるように配置する。
従来の方法(通常の縮みフランジ成形)では板押え17を凸状外周縁部3のR止まりに相当する部位に沿って配置して、天板部5の全体を押さえるが、これに対し、本発明では上述したように板押え17を凸状外周縁部3のR止まりに相当する部位からから所定の距離Lだけ離して配置して、天板部5の一部を押えるようにする。こうすることで、第1成形工程において、成形中にブランク材9の板押えをしていない部位がある程度自由に変形することができる。この点についての詳細は後述する。
凸状外周縁部3のR止まりから板押え17の端部まで距離L(以下、「板押え隙間距離L」という)をブランク材9の加工前の板厚の10倍以上100倍以下とした理由については後述する。
≪第1成形工程≫
第1成形工程は、図1(a)の状態から、パンチ15を下動させて、図1(b)に示すように、曲げ成形を行う工程である。この工程では、天板部5における凸状外周縁部3のR止まりからブランク材9の加工前の板厚の10倍以上100倍以下の距離Lの部位については板押えをしないで、天板部5における他の部位については板押えをしてプレス成形を行う。
第1成形工程によって、凸状外周縁部3と縦壁部7が形成される(図1(b−1)参照)。
従来の方法のように天板部5の全体を押さえる方法であれば、ブランク材9の変形は凸状外周縁部3と縦壁部7のみで発生し、天板部5は、板押え荷重がシワを押さえるのに十分である場合、わずかな面内変形が発生する以外は、ほとんど変形が発生しない。
一方、本発明であれば、ブランク材9の変形は、凸状外周縁部3、縦壁部7に加えて、天板部5の板押えをしていない部位でも発生する。
具体的には、凸状外周縁部3から天板部5にかけて、凸状外周縁部3の屈曲の中心8の近傍部分(図1(b−1)において、ブランク材9の点線の楕円で囲んだ部分)において、ダイ13から浮き上がる方向に変形が発生する。このような変形が天板部5に発生することで縦壁部7の変形は、従来の方法に比べて小さくなり、上述したような縦壁部7における屈曲部7a(図2参照)に縮みが集中することによるシワの発生を防止するという効果が得られる。
このような効果は、板押え隙間距離Lを適切に設定することで得ることができる。板押え隙間距離Lが短すぎる、すなわち板押え17の端部が凸状外周縁部3のR止まりに近すぎると、天板部5が変形することができず、上述した効果が十分に得られない一方で、遠すぎると板押え17の効果自体が減殺される。
そこで、この点について検討したところ、板押え隙間距離Lは、ブランク材9の剛性と極めて高い相関を持つ板厚との比率で表すことが妥当であり、具体的には、板厚の10倍以上、100倍以下(例えば板厚が1mmであれば、板押え隙間距離Lは10mm以上、100mm以下)であることが望ましい。この理由については、後述の実施例で詳細に説明する。
≪第2成形工程≫
第2成形工程は、図1(c)に示すように、図1(b)の状態からパンチ15をさらに下動させて、第1成形工程において天板部5における板押えをしていない部位、すなわち、天板部5における凸状外周縁部3のR止まりから板押え隙間距離Lの部位について成形を行う工程である。
天板部5における板押えをしていない部位は、成形下死点において、ダイ13とパンチ15に挟圧されて成形される。このようにして、金型形状と同一形状の製品を得ることができる(図1(c−1)を参照)。
第1成形工程において天板部5における板押えをしていない部位に発生した変形(図1(b−1)参照)は、下死点直前に平坦に成形されるが、このとき縦壁部7は圧縮変形を受ける。しかし、その変形は縦壁部7全体に広く分散されるため、従来工法に比べてシワが発生することはない。
本実施の形態においては、次のような効果を奏する。
第1成形工程では、凸状外周縁部3のR止まりからブランク材9の加工前の板厚の10倍以上100倍以下の距離Lの部位については板押えをしないで、天板部5における他の部位については板押えをして成形を行うようにしているので、板押えをしない部位に変形を生じさせて、縦壁部7の板厚増加を低減させることができ、これによって板厚増加が最大となる縦壁部7の屈曲部7aに縮みを集中させることなく、シワの発生を効果的に防止できる。
また、第2成形工程で板押えをしていない部位について成形を行うようにしているので、第1成形工程で発生した天板部5の浮き上がり変形が平坦にされ、天板部5についても形状精度に優れた成形部品1を容易に製造することができる。
また、工程や金型構造は、一般のプレス成形とほぼ同一のため、本方法を用いることで製造コストが増加する懸念もない。
なお、本実施の形態においては、天板部5における板押えをしていない部位に変形が発生するため、成形下死点後、金型からブランク材9を取り出す段階で、金型内で発生していた応力を起因とするスプリングバックによる形状戻りが発生し、天板部5の形状精度が悪化することが懸念されるが、この形状戻り対策として、天板部5に凹凸形状を設けて応力分布を調整することで対応可能である。また、発生するスプリングバックと逆の形状を金型に予め設けておき、スプリングバック後に目的とする形状を得る方法をとることも可能である。
なお、上記の説明では、パンチ15の形状は、図3に示すように、天板成形部15aの端部が板押え17の端部に沿う形状であったが、パンチの形状はこれに限られず、例えば図6に示すように、板押え17と緩衝しないように段部を設けるようにしてもよい。具体的には、図6に示すパンチ19は、天板成形部19aから段部19cを介して延出する延出部19dを有しており、下死点において天板成形部19aとダイ13とによってブランク材9を挟圧する際に、延出部19dとダイ13の間に形成される隙間に板押え17が位置することになるので、パンチ19が板押え17と緩衝しないようになっており、かつ、パンチ19が板押え17を介して、成形下死点においてブランク材9を挟圧することも可能であり、天板部5の挟圧をより確実にすることができる。
なお、図6のパンチ19は図3のパンチ15の変形例である。そのため、図6において、図3と同様のものには同一の符号を付しており、パンチ19においてパンチ15と同様のものには同様の添え字を付している。
また、上記図では天板部5は平坦であるが、天板部5にある程度凹凸形状があってもよく、上記と同様に屈曲部7aのシワを防止できる。
本発明のプレス成形方法において、板押え隙間距離Lをブランク材の加工前の板厚の10倍以上100倍以下としたことの作用効果について確認するための実験を行ったので、その結果について以下に説明する。
実験は、板押え隙間距離L(mm)を変更してプレス成形を行い、シワ傾向を評価するというものである。成形対象は図2に示す成形部品1とした。また、板押え17は、その端部が成形部品1の凸状外周縁部3のR止まりと平行になるようにした。
板押え隙間距離Lは、0mm、20mm、30mm、40mm、50mm、75mm、100mm、125mm、150mmの9水準とした。なお、板押え隙間距離Lが0mmのものは従来のプレス成形方法であり、比較のために行った。
プレス成形は有限要素法を用いたコンピュータ解析計算により行った。解析計算プログラムとしてはLSTC社製のLS−DYNAバージョン971の動的陽解法ソルバーを用いた。
板押え隙間距離L以外のプレス成形条件はいずれも同様であり、成形部品1の形状を凸形状角度θ(図2参照)が140°、縦壁高さが30mm、凸状外周縁部Rが5mmとし、ブランク材9を板厚が1.2mmの引張り強度が590MPa級の高張力鋼板とした。
プレス成形金型11は、図1及び図3に示すものを用いた。
シワ傾向の評価には成形下死点における板厚増加率の計算結果の最大値(最大板厚増加率(%))を用いた。また、天板部5の平坦度の指標となる板厚増加率(天板部板厚増加率)(%)も求めた。
プレス成形の結果を表1に示す。
表1において、最大板厚増加率は、その値が大きければ、加工中に縦壁部7が押し縮められてシワが発生する傾向(シワ傾向)が強いことを意味し、天板部板厚増加率は、その値が大きければ天板部5にシワが発生する傾向が強いことを意味している。
表1の最大板厚増加率と、天板部板厚増加率について作成したグラフを図4及び図5に示す。
図4は最大板厚増加率についてのグラフである。図4において、縦軸は最大板厚増加率(%)を表している。横軸は2段に併記しており、板押え隙間距離L(mm)と板押え隙間距離L/板厚をそれぞれ表している。
図5は天板部板厚増加率についてのグラフである。図5において、縦軸は天板部板厚増加率(%)を表している。横軸は2段に併記しており、図4と同様に、板押え隙間距離L(mm)と板押え隙間距離L/板厚をそれぞれ表している。
図4に示すとおり、板押え隙間距離Lを板厚(1.2mm)の10倍(12mm)以上にすることで最大板厚増加率が低下している。特に板押え隙間距離Lが40mm以上で顕著に低下しており、シワ傾向が改善している。
他方、板押え隙間距離Lが板厚(1.2mm)の100倍(120mmまで)を超えると最大板厚増加率は再び増加している。したがって、板押え隙間距離Lとしては、板厚の10倍〜100倍とするのが好ましい。
なお、図5から分かるとおり、板押え隙間距離Lが12mmから120mmまでの範囲においては、天板部板厚増加率が30%以下に低く抑えられており、シワ発生の問題はなかった。
以上のことから、板押え隙間距離Lをブランク材の加工前の板厚の10倍以上100倍以下としたことにより、シワ傾向が改善することが実証された。
次に、板押え隙間距離Lを本発明の範囲内にすることで、板押え隙間距離L以外のパラメータ(板厚、材質、凸状外周縁部R、凸形状角度θ、縦壁高さ、板押え形状)が変更されても本発明の効果が得られることを確認する実験を行った。また、比較のために、従来の方法(板押え隙間距離L=0mm)についても同条件でプレス成形を行った。
以下、変更したパラメータ毎に説明する。
まず、板厚を変更した場合について説明する。
板厚は0.6mmと1.8mmの2水準とした。板押え隙間距離Lは0mm、10mm、50mm、100mmの4水準とした。0.6mmの場合、板押え隙間距離Lが6mm〜60mmが本発明の範囲内(本発明例1〜本発明例3)であり、1.8mmの場合18mm〜180mmが本発明の範囲内(本発明例4及び本発明例5)である。その他のパラメータは上記実施の形態と同様である。
プレス成形の結果を表2に示す。
最大板厚増加率は、表2に示すとおり、本発明例1〜本発明例3の場合、比較例1よりも低減し、本発明例4及び本発明例5の場合、比較例2及び比較例3の場合よりも低減した。つまり、本発明例1〜本発明例5の場合、従来の方法よりも、シワ傾向を改善することができた。
天板部板厚増加率も、本発明例1〜本発明例5のいずれの場合も30%以下であり、シワ発生の問題はない。
このように、板厚を変更した場合においても、板押え隙間距離Lを本発明の範囲内とすることで、より好適にプレス成形可能であることが実証された。
以下に、材質を変更した場合について説明する。
材質は270MPa級、980MPa級の2水準とした。板押え隙間距離Lは、0mm、50mmの2水準とした。その他のパラメータは上記実施の形態と同様である。なお、板厚は1.2mmであり、板押え隙間距離Lは12mm〜120mmが本発明の範囲に相当する。
プレス成形の結果を表3に示す。
表3に示すとおり、本発明例6及び本発明例7は、いずれの場合も従来の方法よりも最大板厚増加率を低減させることができた。
また、天板部板厚増加率についても、本発明例6及び本発明例7のいずれの場合も30%以下に抑えられており、シワ防止に好適であった。
このように、材質を変更した場合においても、板押え隙間距離Lを本発明の範囲内とすることで、より好適にプレス成形可能であることが実証された。
以下に、凸状外周縁部Rを変更した場合について説明する。
凸状外周縁部Rは2.5mm、10mmの2水準とした。板押え隙間距離Lは、0mm、50mmの2水準とした。その他のパラメータは上記実施の形態と同様である。なお、板厚は1.2mmであり、板押え隙間距離Lは12mm〜120mmが本発明の範囲に相当する。
プレス成形の結果を表4に示す。
表4に示す通り、凸状外周縁部Rを変更しても、板押え隙間距離Lを本発明の範囲内にすることでシワ傾向が改善された。
天板部板厚増加率も、本発明例9及び本発明例10のいずれの場合も30%以下であり、シワ防止に問題はない。
このように、凸状外周縁部Rを変更した場合においても、板押え隙間距離Lを本発明の範囲内とすることで、より好適にプレス成形可能であることが実証された。
以下に、凸形状角度θを変更した場合について説明する。
凸形状角度θは120°、160°の2水準とした。板押え隙間距離Lは、凸形状角度θが120°の場合0mm、50mm、100mmの3水準とし、凸形状角度θが160°の場合0mm、50mmの2水準とした。その他のパラメータは上記実施の形態と同様である。なお、板厚は1.2mmであり、板押え隙間距離Lは12mm〜120mmが本発明の範囲に相当する。
プレス成形の結果を表5に示す。
表5に示す通り、凸形状角度θを変更しても、板押え隙間距離Lを本発明の範囲内にすることでシワ傾向が改善された。天板部板厚増加率に関しても、特に問題はない。
以下に、縦壁高さを変更した場合について説明する。
縦壁高さは20mm、40mmの2水準とした。板押え隙間距離Lは、縦壁高さが20mmの場合0mm、5mm、10mm、20mm、30mm、50mm、100mmの7水準とし、縦壁高さが40mmの場合0mm、10mm、20mm、50mmの4水準とした。その他のパラメータは上記実施の形態と同様である。なお、板厚は1.2mmであり、板押え隙間距離Lは12mm〜120mmが本発明の範囲に相当する。
プレス成形の結果を表6に示す。
表6に示す通り、縦壁高さが変更されても、板押え隙間距離Lが本発明の範囲内にすることで最大板厚増加率が低減され、シワ傾向が改善された。天板部板厚増加率に関しても、特に問題はない。
以下に、板押え形状を変更した場合について説明する。
上記実施の形態では、板押え17は、その端部が成形部品1の凸状外周縁部3に沿う形状をしたものであったが、本例では端部が真直ぐなものを用いてプレス成形を行った。本実施例の場合、板押え隙間距離L´は、天板部5における凸状外周縁部3の屈曲の中心8のR止まりから板押え17の幅方向中央における距離とし、0mm、50mmの2水準とした。その他のパラメータは上記実施の形態と同様である。なお、板厚は1.2mmであり、板押え隙間距離L´は12mm〜120mmが本発明の範囲に相当する。
プレス成形の結果を表7に示す。
表7に示す通り、板押え17端部形状を変更しても、最大板厚増加率は低減し、シワ傾向が改善された。
また、本発明例20の天板部板厚増加率においても30%以下でありシワ防止に特に問題ない。
このように、板押え形状を変更した場合においても、好適にプレス成形可能であることが実証された。
上記表2〜表7に基づいて説明したように、板押え隙間距離を板厚の10倍以上100倍以下の範囲内にして第1成形工程を行い、第2成形工程を行うことにより、板押え隙間距離以外のパラメータ(板厚、材質、凸状外周縁部R、凸形状角度θ、縦壁高さ、板押え形状)が変更されても、従来の方法と比較してシワ傾向を抑えられることが実証された。
1 成形部品
3 凸状外周縁部
5 天板部
7 縦壁部
7a 屈曲部
8 凸状外周縁部の屈曲の中心
9 ブランク材
11 プレス成形金型
13 ダイ
15 パンチ
15a 天板成形部
15b 縦壁成形部
17 板押え
19 パンチ
19a 天板成形部
19b 縦壁成形部
19c 段部
19d 延出部

Claims (1)

  1. 外周縁の一部が外方に突出した凸状外周縁部を有する天板部と、該天板部における凸状外周縁部に沿って曲げ成形された縦壁部とを有する成形部品をプレス成形するプレス成形方法であって、
    ブランク材における前記天板部に相当する部位の一部を板押えによって押える板押え工程と、前記縦壁部を成形する第1成形工程と、前記天板部を平坦に成形する第2成形工程を備えてなり、
    前記板押え工程は、前記天板部における前記凸状外周縁部のR止まりから前記ブランク材の加工前の板厚の10倍以上100倍以下の距離を離して板押えを行い、
    前記第2成形工程は、前記第1成形工程において前記天板部における板押えをしていない部位について成形を行うことを特徴とするプレス成形方法。
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