JP2015094878A - 反射防止膜、光学素子、光学系および光学機器 - Google Patents

反射防止膜、光学素子、光学系および光学機器 Download PDF

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丈晴 奥野
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Abstract

【課題】波長特性および入射角特性に優れた反射率特性を有する反射防止膜を提供する。
【解決手段】反射防止膜は、入射波長550nmに対して、屈折率Nsubの光学基板側から順に、屈折率がN〜Nで膜厚がD〜Dの第1層〜第7層と、平均ピッチが400nm以下の凹凸構造体で、屈折率がNから1.0に連続的に変化し、層厚Dである第8層とを有する。1.40≦Nsub≦2.20、1.90≦N≦2.40、5.0≦D≦45.0nm、1.36≦N≦1.58、3.0≦D≦80.0nm、1.90≦N≦2.40、15.0≦D≦165.0nm、1.36≦N≦1.58、11.0≦D≦58.0nm、1.90≦N≦2.40、13.0≦D≦38.0nm、1.36≦N≦1.58、9.0≦D≦75.0nm、1.35≦N≦1.65、22.0≦D≦60.0nm、1.35≦N≦1.65、180.0≦D≦350.0nmを満足する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レンズ等の光学基板上に形成される反射防止膜に関する。
カメラ用レンズ等の光学素子の表面には、入射光の光量損失を低減させるために、マルチコートと称される誘電体多層膜が形成されることが多い。誘電体多層膜は、屈折率が異なる複数の誘電体薄膜を適切な膜厚で積層することで、各膜の表面および界面で発生する反射波の振幅と位相を調整し、それらを干渉させることで反射光を低減させる。このような誘電体多層膜は、特定の波長および特定の入射角の光線に対しては優れた反射防止性能を有する。ただし、特定の波長および入射角とは異なる波長や入射角の光線に対しては干渉条件が崩れるため、可視波長全域のような広い波長帯域や0〜60°といった大きな入射角範囲の全域において高い反射防止性能を実現するのは困難である。
一方、近年広く普及しているデジタルカメラでは、写真フィルムに比べて表面反射率が高いCCDセンサやCMOSセンサ等のイメージセンサを使用する。このため、センサ面で反射した光が再びレンズ面に到達して反射し、再度センサ面に到達することで、いわゆる「デジタルゴースト」と称される特定の不要光が発生しやすい。
さらにデジタルカメラ用レンズには、高い画質の達成はもちろん、高スペック(高ズーム倍率や明るい像の形成)だけではなく、携帯容易性、すなわち小型で軽量であることも同時に求められる。このため、異常分散ガラス、非球面レンズ、曲率が大きなレンズ等を多用する傾向にある。これらのなかでも、曲率の大きなレンズは、周辺部で大きな角度の光線が入射・出射するため、従来のマルチコートでは反射を十分に低減することができず、フレアやゴースト等の撮影画像の品質を低下させる不要光が発生する場合がある。したがって、マルチコートよりも波長帯域特性および入射角特性に優れた高性能な反射防止膜の開発が求められている。
特許文献1は、真空蒸着法を用いて形成した3層の誘電体薄膜の上に、ゾル−ゲル法でフッ化マグネシウム層を形成した反射防止膜を開示している。また、特許文件2は、各層の屈折率と膜厚を適切に設定することで、優れた反射防止特性が得られるようにした反射防止膜が開示されている。さらに、特許文献3には、微細凹凸構造体の外側に透明性材料により形成された被覆層を設け、該これにより、反射防止性能を維持した上で、耐高温と高湿環境性および耐擦傷性に優れた反射防止膜を実現できる。
特開2005−284040号公報 特開2012−189846号公報
しかしながら、特許文献1にて開示された反射防止膜は、入射角0°および波長500〜600nmの範囲で反射率が0.3〜0.4%程度となっており、ゴーストを抑制するための十分な反射防止性能が実現できていない。さらに、入射角60°および波長400〜620nmの範囲では2%程度、波長650〜700nmの範囲では2.5%を超える反射率となっており、優れた入射角特性を実現しているとは言えない。
また、特許文献2は、その実施例4において、入射角0°および波長400〜700nmの範囲で反射率が0.2%程度以下の特性を開示している。しかし、入射角0°以外での反射率特性を開示しておらず、入射角特性が不明である。本発明者が特許文献2の実施例4について検証を行った結果、入射角45°での反射率特性は入射角0°での反射率特性に比べて大きく悪化することが分かった。また、さらに屈折率勾配を有する層の膜厚が150nm以下の場合について本発明者が検討した結果、優れた入射角特性が実現できないことも分かった。
本発明は、優れた反射率特性(波長特性および入射角特性)を有する反射防止膜を提供する。また、本発明は、この反射防止膜を備えた光学素子、光学系および光学機器をも提供する。
本発明の一側面としての反射防止膜は、光学基板上に形成される。反射防止膜は、入射光の波長550nmを入射波長とするとき、光学基板の入射波長に対する屈折率はNsubであり、光学基板側から順に、入射波長に対する屈折率がNで膜厚がDの膜である第1層と、入射波長に対する屈折率がNで膜厚がDの膜である第2層と、入射波長に対する屈折率がNで膜厚がDの膜である第3層と、入射波長に対する屈折率がNで膜厚がDの膜である第4層と、入射波長に対する屈折率がNで膜厚がDの膜である第5層と、入射波長に対する屈折率がNで膜厚がDの膜である第6層と、入射波長に対する屈折率がNで膜厚がDの膜である第7層と、平均ピッチが400nm以下の凹凸構造体により構成され、入射波長に対する屈折率がNから1.0に向かって連続的に変化し、層厚がDである第8層とを有する。そして、第1から第8層の屈折率および膜厚が、以下の条件を満足することを特徴とする。
1.40≦Nsub≦2.20
1.90≦N≦2.40、 5.0nm≦D≦45.0nm
1.36≦N≦1.58、 3.0nm≦D≦80.0nm
1.90≦N≦2.40、 15.0nm≦D≦165.0nm
1.36≦N≦1.58、 11.0nm≦D≦58.0nm
1.90≦N≦2.40、 13.0nm≦D≦38.0nm
1.36≦N≦1.58、 9.0nm≦D≦75.0nm
1.35≦N≦1.65、 22.0nm≦D≦60.0nm
1.35≦N≦1.65、 180.0nm≦D≦350.0nm。
なお、上記反射防止膜を備えた光学素子、該光学素子を含む光学系および該光学系を備えた光学機器も、本発明の他の一側面を構成する。
本発明によれば、波長特性および入射角特性ともに優れた反射率特性を有する反射防止膜を実現することができる。そして、この反射防止膜を備えた光学素子を光学系や光学機器に用いることにより、良好な光学特性を有する光学系および光学機器を実現することができる。
本発明の典型的な実施例である反射防止膜の屈折率構造と層構造を示す図。 本発明の実施例1および実施例2である反射防止膜の屈折率構造および反射率特性を示す図。 本発明の実施例3および実施例4である反射防止膜の屈折率構造および反射率特性を示す図。 本発明の実施例5である反射防止膜の屈折率構造および反射率特性を示す図。 本発明の実施例6および実施例7である反射防止膜の屈折率構造および反射率特性を示す図。 本発明の実施例8および実施例9である反射防止膜の屈折率構造および反射率特性を示す図。 本発明の実施例10である反射防止膜の屈折率構造および反射率特性を示す図。 本発明の実施例11および実施例12である反射防止膜の屈折率構造および反射率特性を示す図。 本発明の実施例13および実施例14である反射防止膜の屈折率構造および反射率特性を示す図。 本発明の実施例15である反射防止膜の屈折率構造および反射率特性を示す図。 本発明の実施例16および実施例17である反射防止膜の屈折率構造および反射率特性を示す図。 本発明の実施例18および実施例19である反射防止膜の屈折率構造および反射率特性を示す図。 本発明の実施例20である反射防止膜の屈折率構造および反射率特性を示す図。 本発明の実施例21および実施例22である反射防止膜の屈折率構造および反射率特性を示す図。 本発明の実施例23および実施例24である反射防止膜の屈折率構造および反射率特性を示す図。 比較例1および比較例2の反射防止膜の屈折率構造および反射率特性を示す図。 比較例3および比較例4の反射防止膜の屈折率構造および反射率特性を示す図。 本発明の実施例25である光学系および本発明の実施例26である光学機器の構成を示す図。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。まず、具体的な実施例の説明に先立って、本発明の典型的な実施例である反射防止膜について説明する。なお、以下の説明において、屈折率は、実施例23を除いて、波長550nm(入射波長)の光に対する値である。実施例23には、d線(波長587.56nm)に対する光学設計値(数値例1)を示している。
図1(a),(b)にはそれぞれ、レンズ等の光学基板上(光学素子本体上)に多層膜としての実施例の反射防止膜を形成した場合における屈折率構造と層構造を示している。
光学基板101は、屈折率Nsubとして1.40≦Nsub≦2.20の範囲内の値を有する。反射防止膜102は、光学基板側から順に、第1層103、第2層104、第3層105、第4層106、第5層107、第6層108、第7層109および第8層110が積層された構成を有する。第1層103から第7層109は誘電体薄膜により形成され、第8層110は平均ピッチが400nm以下の微細凹凸構造体により形成されている。第1層103から第8層110ま屈折率および膜厚(層厚)は、以下の条件(1)を満足する。
第1層103は、屈折率Nとして1.90≦N≦2.40の範囲内の値を有し、膜厚Dとして5.0nm≦D≦45.0nmの範囲内の値を有する。
第2層104は、屈折率Nとして1.36≦N≦1.58の範囲内の値を有し、膜厚Dとして3.0nm≦D≦80.0nmの範囲内の値を有する。
第3層105は、屈折率Nとして1.90≦N≦2.40の範囲内の値を有し、膜厚Dとして15.0nm≦D≦165.0nmの範囲内の値を有する。
第4層106は、屈折率Nとして1.36≦N≦1.58の範囲内の値を有し、膜厚Dとして11.0nm≦D≦58.0nmの範囲内の値を有する。
第5層107は、屈折率Nとして1.90≦N≦2.40の範囲内の値を有し、膜厚Dとして13.0nm≦D≦38.0nmの範囲内の値を有する。
第6層108は、屈折率Nとして1.36≦N≦1.58の範囲内の値を有し、膜厚Dとして9.0nm≦D≦75.0nmの範囲内の値を有する。
第7層109は、屈折率Nとして1.35≦N≦1.65の範囲内の値を有し、膜厚Dとして22.0nm≦D≦60.0nmの範囲内の値を有する。
第8層110は、層厚Dとして180.0nm≦D≦350.0nmの範囲内の値を有し、屈折率Nとしては、1.35≦N≦1.65の範囲内の値から、第8層110が接する媒質である空気の屈折率1.0に向かって連続的に変化する値を有する。ただし、第8層110の屈折率が「連続的に変化する」のは、第8層110を形成する媒質(材料)の屈折率そのものが連続的に変化することを意味するものではない。微細凹凸構造体の空間占有率(filling factor)が厚さ方向(層厚方向)に連続的に変化することで該凹凸構造体の「有効屈折率」が連続的に変化することを意味する。これは、微細凹凸構造体に入射する光が、その光の波長以下のサイズ(平均ピッチ)の微細凹凸構造体を、該構造体の空間占有率に応じた「有効屈折率」を有する媒質として認識する性質によるものである。
図1(b)には、微細凹凸構造体が完全な周期構造(規則配列構造)ではなく、ランダム性を持った構造を有することを示している。このような場合でも、一つ一つの凸部の平均ピッチが入射する光の波長よりも小さければ、回折や散乱等の不要光や有害光はほとんど発生しない。しかし、まったく発生しない訳ではなく、ランダム性に応じて微小の散乱光は発生してしまう。この散乱光の量は、同じランダム性の場合、凸部の高さに比例して多くなる。したがって、実施例の反射防止膜を使用する光学系の用途に応じて、凸部の高さの抑制が必要な場合がある。
なお、微細凹凸構造体は上記のようにランダム性を持つ構造に限らず、完全な周期構造を有していてもよい。
微細凹凸構造体の有効屈折率Neffは、入射光の波長以下(ただし、本実施例では400nm以下)の平均ピッチで凸部を形成している材料の屈折率をNとし、その材料の空間占有率をffとするとき、Lorentz-Lorenzの式である、
(Neff −1)/(Neff +2)=ff(N −1)/(N +2)
を用いて求めることができる。すなわち、入射光の波長以下(または該波長より小さい)の平均ピッチで空間占有率が連続的に変化するような構造体を形成すれば、実質的な屈折率である有効屈折率が連続的に変化する層(膜)を形成することが可能となる。
また、図1(a)では、第8層110の有効屈折率として、第7層109との界面部分での屈折率Nから1.0(空気)に向かって3つの領域にて異なる変化率で変化する屈折率を実線で示した。しかし、有効屈折率の変化の仕方はこれに限定されず、連続的に変化していればどのようなものでもよい。例えば、図1(a)中に2本の破線で示すように、曲線的に変化したり直線的に変化したりしてもよい。ただし、直線的な変化に対して上側に凸となるような変化の仕方は好ましくなく、直線的な変化よりも下側に凸となるような変化の仕方が好ましい。
このような屈折率構造を有する実施例の反射防止膜は、以下に示す反射率規格1を満足する波長特性と入射角特性を両立した高い反射防止性能を実現することができる。
≪反射率規格1≫
入射角0〜30°の範囲の光線に対して、
(1)波長430nmから670nmの範囲において反射率が0.15%以下
(2)波長400nmおよび700nmにおいて反射率が0.25%以下
入射角45の光線に対して、
(3)波長430nmから670nmの範囲において反射率が0.4%以下
(4)波長400nmおよび700nmにおいて反射率が0.5%以下
入射角60°の光線に対して、
(5)波長430nmから670nmの範囲において反射率が2.5%以下
(6)波長400nmおよび700nmにおいて反射率が3.0%以下。
ここで、実施例おいて反射防止膜の高性能の基準とした上記反射率規格1について説明する。実施例の反射防止膜では、波長430〜670nmでの反射率特性を特に重視し、波長400〜430nmおよび波長670〜700nmでの反射率特性に対する要求を緩和している。これは、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置(以下、カメラという)でイメージセンサとして使用されるCCDセンサやCMOSセンサの分光感度特性を考慮したものである。すなわちカメラ用のイメージセンサは、人間が見た光学像を忠実に撮影画像として再現するため、波長430〜670nmの範囲では高い感度が有するが、波長400〜430nmおよび波長670〜700nmでは感度が低くなるように設定される。このため、波長400〜430nmおよび波長670〜700nmでの反射率が多少高くても、フレアやゴースト等の不要光や有害光が撮影画像に悪影響を与えることはほとんどない。
実施例の反射防止膜において、より好ましくは、各層の膜厚を以下の条件(2)を満足するように設定するとよい。なお、各層の屈折率N1〜N8(Neff)は上述した条件(1)で示した範囲内の値であることが望ましい。
5.5nm≦D≦43.0nm
3.5nm≦D≦75.0nm
17.0nm≦D≦160.0nm
14.8nm≦D≦58.0nm
14.0nm≦D≦35.0nm
10.0nm≦D≦70.0nm
28.0nm≦D≦55.0nm
200.0nm≦D≦350.0nm ...(2)
条件(2)を満足することで、上記反射率規格1よりもさらに優れた反射率規格2を満足することができる。
≪反射率規格2≫
入射角0〜30°の範囲の光線に対して、
(1)波長430nmから670nmの範囲において反射率が0.1%以下
(2)波長400nmおよび700nmにおいて反射率が0.2%以下
入射角45の光線に対して、
(3)波長430nmから670nmの範囲において反射率が0.3%以下
(4)波長400nmおよび700nmにおいて反射率が0.4%以下
入射角60°の光線に対して、
(5)波長430nmから670nmの範囲において反射率が2.0%以下
(6)波長400nmおよび700nmにおいて反射率が2.5%以下。
さらに好ましくは、各層の膜厚を以下の条件(3)を満足するように設定するとよい。なお、各層の屈折率N1〜N8(Neff)は上述した条件(1)で示した範囲内の値であることが望ましい。
6.0nm≦D≦40.0nm
6.0nm≦D≦72.0nm
19.0nm≦D≦72.0nm
18.0nm≦D≦52.0nm
15.0nm≦D≦33.0nm
25.0nm≦D≦65.0nm
30.0nm≦D≦45.0nm
220.0nm≦D≦300.0nm ...(3)
条件(3)を満足することで、上記反射率規格1よりもさらに優れた反射率規格2を満足することができる。
≪反射率規格3≫
入射角0〜30°の範囲の光線に対して、
(1)波長430nmから670nmの範囲において反射率が0.05%以下
(2)波長400nmおよび700nmにおいて反射率が0.15%以下
入射角45の光線に対して、
(3)波長430nmから670nmの範囲において反射率が0.2%以下
(4)波長400nmおよび700nmにおいて反射率が0.3%以下
入射角60°の光線に対して、
(5)波長430nmから670nmの範囲において反射率が1.5%以下
(6)波長400nmおよび700nmにおいて反射率が2.0%以下。
実施例における第1層103、第3層105および第5層107の膜材料は5酸化タンタル(Ta)である。ただし、屈折率が1.90〜2.40の範囲の誘電体薄膜であればこれに代用することができる。例えば、チタニア(TiO)、ジルコニア(ZrO)、窒化珪素(SiN)、酸窒化珪素(SiON)の単体またはこれらの混合材料を用いることができる。これらの中でも窒化珪素および酸窒化珪素は、外部からの湿度や硝材内部からのアルカリ成分等の透過および溶出を抑制することができ、耐環境信頼性の観点から好適な場合がある。また、酸窒化珪素は、酸素と窒素の比率を変えることで屈折率を1.4〜2.2程度の範囲で調整可能である。第1層103、第3層105および第5層107に用いる際は、窒素の比率を高め、屈折率が1.9以上となるようにすればよい。
また、実施例における第2層104、第4層106および第6層108の膜材料はシリカ(SiO)である。ただし、屈折率が1.36〜1.58の範囲の誘電体薄膜であればこれに代用することができる。例えば、フッ化マグネシウム(MgF)、酸窒化珪素(SiON)の単体またはこれらの混合材料を用いることができる。酸窒化珪素を第2層104、第4層106および第6層108に用いる場合は、酸素の比率を高め、屈折率が1.58以下となるようにすればよい。
実施例の反射防止膜において、各層の成膜方法はどのような方法であってもよく、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法等、任意の方法を用いることができる。誘電体薄膜の形成においては、材料が同じでも成膜条件(基板温度や到達真空度等)に応じて屈折率および屈折率分散が若干変動するが、その場合は各膜の光学膜厚(屈折率×物理膜厚)の値が一致するように膜厚を修正すれば、ほぼ同様の高い性能が得られる。
実施例では、第1層103と第3層105と第5層107が同範囲の屈折率を有し、第2層104と第4層106と第6層108が同範囲の屈折率を有する。ただし、第1層103と第3層105と第5層107および第2層104と第4層106と第6層108をそれぞれ、同じ材料により形成したり同じ屈折率としたりする必要はない。もちろん同じ材料を用いると、成膜において使用する蒸着源、ターゲット材料、ソースガス等の種類が少なくて済むため、製造コストを抑制する観点からは好ましい。
第7層109および第8層110の製法としては以下のような方法がある。例えば、アルミナ(Al)をこれらの層の材料として用いる場合には、アルミナを含有する溶液を第6層108上に塗布し、乾燥することで形成された膜を温水中に浸漬し、表面に板状結晶を析出させる方法がある。アルミナを含有する層から析出した板状結晶部分が第8層110となり、析出せずにベース部分に残った多孔質層(多孔質膜)が第7層109となる。この方法を用いれば、第7層109および第8層110を同時かつ簡便に形成することができる。
また、第7層109および第8層110は、溶液のアルミナ成分の濃度や安定化剤、触媒等の種類や塗布条件を適切に設定することで制御可能である。また、塗布後の乾燥温度や浸漬する温水の温度および時間等でも屈折率および膜厚を制御することができる。この膜の塗布方法については、ディップコート法、スピンコート法およびスプレーコート法等、様々な湿式塗工法を用いることができる。ただし、曲率の大きなレンズ面等に塗布する場合は、面内の膜厚を均一にする観点からスピンコート法が最も好適である。この場合、塗工時のスピン回転速度や回転時間を調整することで膜厚調整が可能である。
開角(曲率)の大きなレンズに真空蒸着法やスパッタリング法を用いた場合では、一般に開角に応じて膜厚が変化する。すなわち、開角の大きなレンズ周辺部では膜厚が薄くなる。しかし、スピンコート法では、開角の大きなレンズ凹面に成膜する際に、レンズ周辺部で膜厚が厚くなる。実施例のような膜構成においては、すべての層で膜厚が薄くなるように変化した場合には反射防止性能が著しく劣化してしまう。しかし、第1層103〜第6層108の膜厚がレンズ周辺部に向かって薄くなるように変化しても、第7層109および第8層110の膜厚(層厚)がレンズ周辺部に向かって厚くなるように変化することで、性能劣化を抑制することができる。この観点からも、第7層および第8層の成膜方法として、スピンコート法が好ましい。
以上説明した反射防止膜を備えた光学素子を、カメラの撮影光学系等、光学機器の光学系に使用することで、フレアやゴースト等の不要光や有害光の発生を抑制した高品位な光学系および光学機器を実現することができる。
以下、具体的な実施例(数値例)について説明する。各実施例における各層の屈折率および膜厚を、表1にまとめて示す。
図2(a)には、本発明の実施例1である反射防止膜の屈折率構造を示している。本実施例では、光学基板101として株式会社オハラ製のS−LAH79を使用し、その屈折率Nsubは2.011である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは30.9nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは8.39nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは57.3nmである。第4層106の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは21.8nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは27.2nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは36.1nmである。第7層109の屈折率Nは1.505であり、膜厚Dは34.0nmである。
第8層110の膜厚Dは237.0nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって図2(a)に示すプロファイルで変化する。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ39.4nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ48.5nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ149.2nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図2(b),(c)に本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。図2(c)は図2(b)の縦軸(反射率)のフルスケールを3.0%から0.5%に拡大した図である。この関係は、後述する他の実施例および比較例の反射率特性を示す図(例えば、図2(e),(f)や図3(b),(c))において同じである。
図2(b),(c)から、本実施例の反射防止膜が可視波長域の全域(波長400〜700nm)にわたって高い反射防止性能を実現していることが分かる。本実施例の反射防止膜は、先に示した反射率規格3を満足しており、極めて優れた波長特性と入射角特性を両立している。特に波長430〜670nmで入射角0〜30°の光線に対して0.007%以下という極めて高い反射防止性能を実現している。
図2(d)には、本発明の実施例2である反射防止膜の屈折率構造を示している。本実施例でも、光学基板101として、実施例1と同じく、株式会社オハラ製のS−LAH79を使用し、その屈折率Nsubは2.011である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは37.1nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは6.28nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは65.7nmである。第4層106の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは20.9nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは27.2nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは28.0nmである。第7層109の屈折率Nは1.505であり、膜厚Dは40.4nmである。
第8層110の膜厚Dは282.0nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって、図2(d)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ46.8nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ57.7nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ177.5nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図2(e),(f)に本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から、本実施例の反射防止膜が可視波長域の全域(波長400〜700nm)にわたって高い反射防止性能を実現していることが分かる。本実施例の反射防止膜は、先に示した反射率規格3を満足しており、極めて優れた波長特性と入射角特性を両立している。特に波長430〜670nmで入射角0〜45°の光線に対して0.05%以下という極めて高い反射防止性能を実現している。
本実施例においても上述のような屈折率構造が実現できれば、製法は限定しない。例えば、実施例1での説明と同様に、各材料やパラメータを選定または調整すればよい。このことは、これ以後の実施例についても同様である。
図3(a)には、本発明の実施例3である反射防止膜の屈折率構造を示している。本実施例でも、光学基板101として、実施例1と同じく、株式会社オハラ製のS−LAH79を使用し、その屈折率Nsubは2.011である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは20.7nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは5.72nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは138.8nmである。第4層106の屈折率Nは1.487、であり、膜厚Dは18.5nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは23.2nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは11.4nmである。第7層109の屈折率Nは1.505、であり、膜厚Dは50.0nmである。
第8層110の膜厚Dは348.4nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって、図3(a)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ57.9nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ71.3nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ219.3nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図3(b),(c)に本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から、本実施例の反射防止膜が可視波長域の全域(波長400〜700nm)にわたって高い反射防止性能を実現していることが分かる。本実施例の反射防止膜は、先に示した反射率規格2を満足しており、極めて優れた波長特性と入射角特性を両立している。特に波長430〜670nmで入射角0〜45°の光線に対して0.1%以下、入射角60°の光線に対して0.35%以下という極めて高い反射防止性能を実現している。
本実施例より、微細凹凸構造の第8層110の層厚を厚くすると、大きな入射角での反射率特性が向上することが分かる。
図3(d)には、本発明の実施例4である反射防止膜の屈折率構造を示している。本実施例でも、光学基板101として、実施例1と同じく、株式会社オハラ製のS−LAH79を使用し、その屈折率Nsubは2.011である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは24.3nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは3.78nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは102.3nmである。第4層106の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは15.5nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは24.8nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは32.9nmである。第7層109の屈折率Nは1.505であり、膜厚Dは29.7nmである。
第8層110の膜厚Dは207.3nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって、図3(d)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ34.4nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ42.4nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ130.5nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図3(e),(f)に本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から、本実施例の反射防止膜が可視波長域の全域(波長400〜700nm)にわたって高い反射防止性能を実現していることが分かる。本実施例の反射防止膜は、先に示した反射率規格2を満足しており、極めて優れた波長特性と入射角特性を両立している。特に波長430〜670nmで入射角0〜30°の光線に対して0.015%以下という極めて高い反射防止性能を実現している。
図4(a)には、本発明の実施例5である反射防止膜の屈折率構造を示している。本実施例でも、光学基板101として、実施例1と同じく、株式会社オハラ製のS−LAH79を使用し、その屈折率Nsubは2.011である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは22.1nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは4.27nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは107.5nmである。第4層106の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは14.7nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは23.9nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは33.9nmである。第7層109の屈折率Nは1.505、であり、膜厚Dは27.5nmである。
第8層110の膜厚Dは192.0nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって、図4(a)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ31.9nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ39.3nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ120.8nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図4(b),(c)に本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から、本実施例の反射防止膜が可視波長域の全域(波長400〜700nm)にわたって高い反射防止性能を実現していることが分かる。本実施例の反射防止膜は、先に示した反射率規格1を満足しており、極めて優れた波長特性と入射角特性を両立している。
図5(a)には、本発明の実施例6である反射防止膜の屈折率構造を示している。本実施例では、光学基板101として、株式会社オハラ製のS−LAH65Vを使用し、その屈折率Nsubは1.808である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは20.0nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは23.4nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは43.1nmである。第4層106の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは29.6nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは27.0nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは39.7nmである。第7層109の屈折率Nは1.505であり、膜厚Dは34.0nmである。
第8層110の膜厚Dは237.0nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって図5(a)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ39.4nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ48.5nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層10は、厚さ149.2nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図5(b),(c)に本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から、本実施例の反射防止膜が可視波長域の全域(波長400〜700nm)にわたって高い反射防止性能を実現していることが分かる。本実施例の反射防止膜は、先に示した反射率規格3を満足しており、極めて優れた波長特性と入射角特性を両立している。特に波長430〜670nmで入射角0〜30°の光線に対して0.01%以下という極めて高い反射防止性能を実現している。
図5(d)には、本発明の実施例7である反射防止膜の屈折率構造を示している。本実施例では、光学基板101として、実施例6と同じく、株式会社オハラ製のS−LAH65Vを使用し、その屈折率Nsubは1.808である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは22.3nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは23.0nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは46.4nmである。第4層106の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは29.1nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは27.6nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは33.3nmである。第7層109の屈折率Nは1.505であり、膜厚Dは39.4nmである。
第8層110の膜厚Dは275.0nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって図5(d)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ45.7nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ56.2nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ173.0nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図5(e),(f)に本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から、本実施例の反射防止膜が可視波長域の全域(波長400〜700nm)にわたって高い反射防止性能を実現していることが分かる。本実施例の反射防止膜は、先に示した反射率規格3を満足しており、極めて優れた波長特性と入射角特性を両立している。特に波長430〜670nmで入射角0〜45°の光線に対して0.05%以下という極めて高い反射防止性能を実現している。
図6(a)には、本発明の実施例8である反射防止膜の屈折率構造を示している。本実施例では、光学基板101として、実施例6と同じく、株式会社オハラ製のS−LAH65Vを使用し、その屈折率Nsubは1.808である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは24.0nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは21.3nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは48.8nmである。第4層106の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは27.6nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは26.7nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは18.6nmである。第7層109の屈折率Nは1.505であり、膜厚Dは49.9nmである。
第8層110の膜厚Dは348.5nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって図6(a)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ57.9nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ71.3nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ219.3nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図6(b),(c)に本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から、本実施例の反射防止膜が可視波長域の全域(波長400〜700nm)にわたって高い反射防止性能を実現していることが分かる。本実施例の反射防止膜は、先に示した反射率規格2を満足しており、極めて優れた波長特性と入射角特性を両立している。特に波長430〜670nmで入射角0〜45°の光線に対して0.07%以下、入射角60°の光線に対して0.30%以下という極めて高い反射防止性能を実現している。
図6(d)には、本発明の実施例9である反射防止膜の屈折率構造を示している。本実施例では、光学基板101として、実施例6と同じく、株式会社オハラ製のS−LAH65Vを使用し、その屈折率Nsubは1.808である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは23.1nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは20.2nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは51.2nmである。第4層106の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは23.8nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは28.7nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは38.4nmである。第7層109の屈折率Nは1.505であり、膜厚Dは29.8nmである。
第8層110の膜厚Dは207.8nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって図6(d)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ34.5nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ42.5nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ130.8nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図6(e),(f)に本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から、本実施例の反射防止膜が可視波長域の全域(波長400〜700nm)にわたって高い反射防止性能を実現していることが分かる。本実施例の反射防止膜は、先に示した反射率規格2を満足しており、極めて優れた波長特性と入射角特性を両立している。特に波長430〜670nmで入射角0〜30°の光線に対して0.02%以下という極めて高い反射防止性能を実現している。
図7(a)には、本発明の実施例10である反射防止膜の屈折率構造を示している。本実施例では、光学基板101として、実施例6と同じく、株式会社オハラ製のS−LAH65Vを使用し、その屈折率Nsubは1.808である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは24.1nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは17.3nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは58.8nmである。第4層106の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは19.3nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは29.5nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは37.4nmである。第7層109の屈折率Nは1.505であり、膜厚Dは27.2nmである。
第8層110の膜厚Dは189.6nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって図7(a)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ31.5nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ38.8nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ119.3nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図7(b),(c)に本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から、本実施例の反射防止膜が可視波長域の全域(波長400〜700nm)にわたって高い反射防止性能を実現していることが分かる。本実施例の反射防止膜は、先に示した反射率規格1を満足しており、極めて優れた波長特性と入射角特性を両立している。
図8(a)には、本発明の実施例11である反射防止膜の屈折率構造を示している。本実施例では、光学基板101として、株式会社オハラ製のL−BAL42を使用し、その屈折率Nsubは1.585である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは11.9nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは44.3nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは29.9nmである。第4層106の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは40.2nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは24.7nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは43.3nmである。第7層109の屈折率Nは1.505であり、膜厚Dは34.0nmである。
第8層110の膜厚Dは237.0nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって図8(a)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ39.4nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ48.5nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ149.2nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図8(b),(c)に本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から、本実施例の反射防止膜が可視波長域の全域(波長400〜700nm)にわたって高い反射防止性能を実現していることが分かる。本実施例の反射防止膜は、先に示した反射率規格3を満足しており、極めて優れた波長特性と入射角特性を両立している。特に波長430〜670nmで入射角0〜30°の光線に対して0.015%以下という極めて高い反射防止性能を実現している。
図8(d)には、本発明の実施例12である反射防止膜の屈折率構造を示している。本実施例では、光学基板101として、実施例11と同じく、株式会社オハラ製のL−BAL42を使用し、その屈折率Nsubは1.585である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは12.8nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは44.5nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは31.4nmである。第4層106の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは40.0nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは25.2nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは38.1nmである。第7層109の屈折率Nは1.505であり、膜厚Dは38.4nmである。
第8層110の膜厚Dは267.8nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって図8(d)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ44.5nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ54.8nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ168.5nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図8(e),(f)に本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から、本実施例の反射防止膜が可視波長域の全域(波長400〜700nm)にわたって高い反射防止性能を実現していることが分かる。本実施例の反射防止膜は、先に示した反射率規格3を満足しており、極めて優れた波長特性と入射角特性を両立している。特に波長430〜670nmで入射角0〜45°の光線に対して0.06%以下という極めて高い反射防止性能を実現している。
図9(a)には、本発明の実施例13である反射防止膜の屈折率構造を示している。本実施例では、光学基板101として、実施例11と同じく、株式会社オハラ製のL−BAL42を使用し、その屈折率Nsubは1.585である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは14.2nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは42.5nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは33.4nmである。第4層106の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは37.9nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは24.8nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは22.4nmである。第7層109の屈折率Nは1.505であり、膜厚Dは49.9nmである。
第8層110の膜厚Dは348.5nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって図9(a)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ57.9nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ71.3nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ219.3nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図9(b),(c)に本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から、本実施例の反射防止膜が可視波長域の全域(波長400〜700nm)にわたって高い反射防止性能を実現していることが分かる。本実施例の反射防止膜は、先に示した反射率規格2を満足しており、極めて優れた波長特性と入射角特性を両立している。特に波長430〜670nmで入射角0〜30°の光線に対して0.08%以下という極めて高い反射防止性能を実現している。
図9(d)には、本発明の実施例14である反射防止膜の屈折率構造を示している。本実施例では、光学基板101として、実施例11と同じく、株式会社オハラ製のL−BAL42を使用し、その屈折率Nsubは1.585である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは13.7nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは41.8nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは34.1nmである。第4層106の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは35.0nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは26.8nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは42.9nmである。第7層109の屈折率Nは1.505であり、膜厚Dは30.1nmである。
第8層110の膜厚Dは209.7nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって図9(d)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ34.8nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ42.9nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ132.0nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図9(e),(f)に本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から、本実施例の反射防止膜が可視波長域の全域(波長400〜700nm)にわたって高い反射防止性能を実現していることが分かる。本実施例の反射防止膜は、先に示した反射率規格2を満足しており、極めて優れた波長特性と入射角特性を両立している。特に波長430〜670nmで入射角0〜30°の光線に対して0.025%以下という極めて高い反射防止性能を実現している。
図10(a)には、本発明の実施例15である反射防止膜の屈折率構造を示している。本実施例では、光学基板101として、実施例11と同じく、株式会社オハラ製のL−BAL42を使用し、その屈折率Nsubは1.585である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは14.9nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは38.8nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは37.7nmである。第4層106の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは30.7nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは28.4nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは41.6nmである。第7層109の屈折率Nは1.505であり、膜厚Dは27.9nmである。
第8層110の膜厚Dは194.4nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって図10(a)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ32.3nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ39.8nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ122.3nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図10(b),(c)に本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から、本実施例の反射防止膜が可視波長域の全域(波長400〜700nm)にわたって高い反射防止性能を実現していることが分かる。本実施例の反射防止膜は、先に示した反射率規格1を満足しており、極めて優れた波長特性と入射角特性を両立している。
図11(a)には、本発明の実施例16である反射防止膜の屈折率構造を示している。本実施例では、光学基板101として、株式会社オハラ製のS−FPL53を使用し、その屈折率Nsubは1.440である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは6.29nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは66.8nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは21.7nmである。第4層106の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは47.1nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは22.6nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは45.0nmである。第7層109の屈折率Nは1.505であり、膜厚Dは34.0nmである。
第8層110の膜厚Dは237.0nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって図11(a)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ39.4nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ48.5nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ149.2nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図11(b),(c)に本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から、本実施例の反射防止膜が可視波長域の全域(波長400〜700nm)にわたって高い反射防止性能を実現していることが分かる。本実施例の反射防止膜は、先に示した反射率規格3を満足しており、極めて優れた波長特性と入射角特性を両立している。特に波長430〜670nmで入射角0〜30°の光線に対して0.02%以下という極めて高い反射防止性能を実現している。
図11(d)には、本発明の実施例17である反射防止膜の屈折率構造を示している。本実施例では、光学基板101として、実施例16と同じく、株式会社オハラ製のS−FPL53を使用し、その屈折率Nsubは1.440である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは6.75nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは66.9nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは22.6nmである。第4層106の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは47.0nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは22.9nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは40.7nmである。第7層109の屈折率Nは1.505であり、膜厚Dは37.7nmである。
第8層110の膜厚Dは263.1nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって図11(d)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ43.7nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ53.8nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ165.6nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図11(e),(f)に本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から、本実施例の反射防止膜が可視波長域の全域(波長400〜700nm)にわたって高い反射防止性能を実現していることが分かる。本実施例の反射防止膜は、先に示した反射率規格3を満足しており、極めて優れた波長特性と入射角特性を両立している。特に波長430〜670nmで入射角0〜45°の光線に対して0.09%以下という極めて高い反射防止性能を実現している。
図12(a)には、本発明の実施例18である反射防止膜の屈折率構造を示している。本実施例では、光学基板101として、実施例16と同じく、株式会社オハラ製のS−FPL53を使用し、その屈折率Nsubは1.440である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは8.09nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは63.2nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは24.6nmである。第4層106の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは44.8nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは22.7nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは24.5nmである。第7層109の屈折率Nは1.505であり、膜厚Dは49.9nmである。
第8層110の膜厚Dは348.5nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって図12(a)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ57.9nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ71.3nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ219.3nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図12(b),(c)に本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から、本実施例の反射防止膜が可視波長域の全域(波長400〜700nm)にわたって高い反射防止性能を実現していることが分かる。本実施例の反射防止膜は、先に示した反射率規格2を満足しており、極めて優れた波長特性と入射角特性を両立している。特に波長430〜670nmで入射角0〜30°の光線に対して0.08%以下という極めて高い反射防止性能を実現している。
図12(d)には、本発明の実施例19である反射防止膜の屈折率構造を示している。本実施例では、光学基板101として、実施例16と同じく、株式会社オハラ製のS−FPL53を使用し、その屈折率Nsubは1.440である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは7.83nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは62.2nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは25.4nmである。第4層106の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは41.7nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは24.8nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは45.0nmである。第7層109の屈折率Nは1.505であり、膜厚Dは29.9nmである。
第8層110の膜厚Dは208.6nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって図12(d)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ34.6nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ42.7nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ131.3nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図12(e),(f)に本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から、本実施例の反射防止膜が可視波長域の全域(波長400〜700nm)にわたって高い反射防止性能を実現していることが分かる。本実施例の反射防止膜は、先に示した反射率規格2を満足しており、極めて優れた波長特性と入射角特性を両立している。特に波長430〜670nmで入射角0〜30°の光線に対して0.03%以下という極めて高い反射防止性能を実現している。
図13(a)には、本発明の実施例20である反射防止膜の屈折率構造を示している。本実施例では、光学基板101として、実施例16と同じく、株式会社オハラ製のS−FPL53を使用し、その屈折率Nsubは1.440である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは8.39nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは59.8nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは27.0nmである。第4層106の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは39.3nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは25.8nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは44.6nmである。第7層109の屈折率Nは1.505であり、膜厚Dは28.4nmである。
第8層110の膜厚Dは197.9nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって図13(a)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ32.9nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ40.5nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ124.5nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図13(b),(c)に本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から、本実施例の反射防止膜が可視波長域の全域(波長400〜700nm)にわたって高い反射防止性能を実現していることが分かる。本実施例の反射防止膜は、先に示した反射率規格1を満足しており、極めて優れた波長特性と入射角特性を両立している。特に波長430〜670nmで入射角0〜30°の光線に対して0.04%以下という極めて高い反射防止性能を実現している。
図14(a)には、本発明の実施例21である反射防止膜の屈折率構造を示している。本実施例では、光学基板101として、実施例11〜15と同じく、株式会社オハラ製のL−BAL42を使用し、その屈折率Nsubは1.585である。
第1層103の屈折率Nは2.323であり、膜厚Dは8.32nmである。第2層104の屈折率Nは1.507であり、膜厚Dは49.9nmである。第3層105の屈折率Nは2.323であり、膜厚Dは19.9nmである。第4層106の屈折率Nは1.507であり、膜厚Dは46.6nmである。第5層107の屈折率Nは2.323であり、膜厚Dは16.2nmである。第6層108の屈折率Nは1.507であり、膜厚Dは45.8nmである。第7層109の屈折率Nは1.505であり、膜厚Dは34.0nmである。
第8層110の膜厚Dは237.0nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって、図14(a)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ39.4nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ48.5nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ149.2nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図14(b),(c)に本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から、本実施例の反射防止膜が可視波長域の全域(波長400〜700nm)にわたって高い反射防止性能を実現していることが分かる。本実施例の反射防止膜は、先に示した反射率規格3を満足しており、極めて優れた波長特性と入射角特性を両立している。特に波長430〜670nmで入射角0〜30°の光線に対して0.025%以下という極めて高い反射防止性能を実現している。
図14(d)には、本発明の実施例22である反射防止膜の屈折率構造を示している。本実施例では、光学基板101として、実施例21と同じく、株式会社オハラ製のL−BAL42を使用し、その屈折率Nsubは1.585である。
第1層103の屈折率Nは2.038であり、膜厚Dは15.0nmである。第2層104の屈折率Nは1.427であり、膜厚Dは38.1nmである。第3層105の屈折率Nは2.038であり、膜厚Dは36.5nmである。第4層106の屈折率Nは1.427であり、膜厚Dは35.9nmである。第5層107の屈折率Nは2.038であり、膜厚Dは29.9nmである。第6層108の屈折率Nは1.427であり、膜厚Dは38.3nmである。第7層109の屈折率Nは1.505であり、膜厚Dは34.0nmである。
第8層110の膜厚Dは237.0nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって図14(d)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ39.4nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ48.5nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ149.2nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図14(e),(f)に本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から、本実施例の反射防止膜が可視波長域の全域(波長400〜700nm)にわたって高い反射防止性能を実現していることが分かる。本実施例の反射防止膜は、先に示した反射率規格3を満足しており、極めて優れた波長特性と入射角特性を両立している。特に波長430〜670nmで入射角0〜30°の光線に対して0.01%以下という極めて高い反射防止性能を実現している。
図15(a)には、本発明の実施例23である反射防止膜の屈折率構造を示している。本実施例では、光学基板101として、実施例21と同じく、株式会社オハラ製のL−BAL42を使用し、その屈折率Nsubは1.585である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは12.8nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは42.0nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは34.1nmである。第4層106の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは33.7nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは30.8nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは33.6nmである。第7層109の屈折率Nは1.575であり、膜厚Dは34.0nmである。
第8層110の膜厚Dは237.0nmであり、屈折率Nは1.575から1.0に向かって図15(a)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ39.4nmにわたって屈折率が1.575から1.259に変化する領域と、厚さ48.5nmにわたって屈折率が1.259から1.164に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ149.2nmにわたって屈折率が1.164から1.0に変化する領域を有する。
図15(b),(c)に本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から、本実施例の反射防止膜が可視波長域の全域(波長400〜700nm)にわたって高い反射防止性能を実現していることが分かる。本実施例の反射防止膜は、先に示した反射率規格3を満足しており、極めて優れた波長特性と入射角特性を両立している。特に波長430〜670nmで入射角0〜30°の光線に対して0.02%以下という極めて高い反射防止性能を実現している。
図15(d)には、本発明の実施例24である反射防止膜の屈折率構造を示している。本実施例では、光学基板101として、実施例21と同じく、株式会社オハラ製のL−BAL42を使用し、その屈折率Nsubは1.585である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは11.5nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは45.9nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは27.3nmである。第4層106の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは44.5nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは20.0nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは60.9nmである。第7層109の屈折率Nは1.405であり、膜厚Dは34.0nmである。
第8層110の膜厚Dは237.0nmであり、屈折率Nは1.405から1.0に向かって図15(d)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ39.4nmにわたって屈折率が1.405から1.184に変化する領域と、厚さ48.5nmにわたって屈折率が1.184から1.120に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ149.2nmにわたって屈折率が1.120から1.0に変化する領域を有する。
図15(e),(f)に本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から、本実施例の反射防止膜が可視波長域の全域(波長400〜700nm)にわたって高い反射防止性能を実現していることが分かる。本実施例の反射防止膜は、先に示した反射率規格3を満足しており、極めて優れた波長特性と入射角特性を両立している。特に波長430〜670nmで入射角0〜45°の光線に対して0.016%以下という極めて高い反射防止性能を実現している。
[比較例1]
図16(a)には、実施例1〜5に対する比較例としての反射防止膜(比較例1)の屈折率構造を示している。本比較例では、光学基板101として、実施例1〜5と同じく、株式会社オハラ製のS−LAH79を使用し、その屈折率Nsubは2.011である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは21.6nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは4.42nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは105.5nmである。第4層106の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは14.1nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは23.6nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは35.3nmである。第7層109の屈折率Nは1.505であり、膜厚Dは25.5nmである。
第8層110の膜厚Dは178.2nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって図16(a)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ29.6nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ36.5nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ112.2nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図16(b),(c)に本比較例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から分かるように、本比較例の反射防止膜は反射率規格1〜3のいずれも満足していない。
[比較例2]
図16(d)には、実施例6〜10に対する比較例としての反射防止膜(比較例2)の屈折率構造を示している。本比較例では、光学基板101として、実施例6〜10と同じく、株式会社オハラ製のS−LAH65Vを使用し、その屈折率Nsubは1.808である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは22.4nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは13.0nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは88.1nmである。第4層106の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは12.1nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは26.0nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは33.4nmである。第7層109の屈折率Nは1.505であり、膜厚Dは25.5nmである。
第8層110の膜厚Dは178.2nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって図16(d)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ29.6nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ36.5nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ112.2nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図16(e),(f)に本比較例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から分かるように、本比較例の反射防止膜は反射率規格1〜3のいずれも満足していない。
[比較例3]
図17(a)には、実施例11〜15および実施例21〜24に対する比較例としての反射防止膜(比較例3)の屈折率構造を示している。本比較例では、光学基板101として、実施例11〜15および実施例21〜24と同じく、株式会社オハラ製のL−BAL42を使用し、その屈折率Nsubは1.585である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは15.8nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは36.4nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは41.9nmである。第4層106の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは26.8nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは30.5nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは41.8nmである。第7層109の屈折率Nは1.505であり、膜厚Dは25.5nmである。
第8層110の膜厚Dは178.2nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって図17(a)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ29.6nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ36.5nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ112.2nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図17(b),(c)に本比較例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から分かるように、本比較例の反射防止膜は反射率規格1〜3のいずれも満足していない。
[比較例4]
図17(d)には、実施例16〜20に対する比較例としての反射防止膜(比較例4)の屈折率構造を示している。本比較例では、光学基板101として、実施例16〜20と同じく、株式会社オハラ製のS−FPL53を使用し、その屈折率Nsubは1.440である。
第1層103の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは9.93nmである。第2層104の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは54.7nmである。第3層105の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは31.9nmである。第4層106の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは33.5nmである。第5層107の屈折率Nは2.127であり、膜厚Dは28.8nmである。第6層108の屈折率Nは1.487であり、膜厚Dは44.0nmである。第7層109の屈折率Nは1.505であり、膜厚Dは25.5nmである。
第8層110の膜厚Dは178.2nmであり、屈折率Nは1.505から1.0に向かって図17(d)に示したプロファイルで変化している。詳細には、第8層110は、第7層109との界面から厚さ29.6nmにわたって屈折率が1.505から1.229に変化する領域と、厚さ36.5nmにわたって屈折率が1.229から1.147に変化する領域とを有する。さらに、第8層110は、厚さ112.2nmにわたって屈折率が1.147から1.0に変化する領域を有する。
図17(e),(f)に本比較例の反射防止膜の反射率特性を示す。これらの図から分かるように、本比較例の反射防止膜は反射率規格1〜3のいずれも満足していない。
以上の比較例1〜4はいずれも第1〜6層の構成は実施例1〜20と同じであり、反射率が可視波長域の全域で低くなるよう適切な設計値としている。しかしながら、第8層の膜厚Dが180nm未満になったことで、反射率規格1〜3を満たすような波長特性と入射角特性を両立した高性能な反射防止膜は実現できない。したがって、波長特性と入射角特性を両立した高性能な反射防止膜を実現するためには、第8層の膜厚Dとして180nm以上が必要である。
図18(a)には、上記実施例6に示した反射防止膜を備えた光学素子を光学系に適用した例を示す。本実施例の光学系1001の設計値を、数値例1(表2〜表5)に示す。第9面は非球面であり、光軸方向をZ軸、光軸直交方向をY軸とするとき、以下の式で表記される面である。
光学系1001は、焦点距離8〜15mmのカメラ用魚眼ズームレンズである。図において、1002は撮像素子またはフィルム、1003は絞り、1004は副絞りである。この光学系1001において、光学素子101は、光学素子本体としてのレンズの像側の面に実施例6に示した反射防止膜102を設けている。なお、反射防止膜102は、実施例1〜5および実施例7〜24に示した反射防止膜であってもよい。また、光学系としては、反射防止膜を備えた光学素子と、他の少なくとも1つの光学素子とを含んで構成されていればよい。
光学素子101の像側の面は、外周部分での半開角が80° を超える大きな角度を有している。このため、光学素子101の周辺部では大きな角度で光線が入射および出射する。しかし、実施例6の反射防止膜は、波長430〜670nmの波長域および0〜60°の入射角範囲で良好な反射防止性能を実現しているため、フレアやゴースト等の有害光の発生を低減した高品位な光学系を実現することができる。
本実施例では、光学系の一例としてカメラ用魚眼ズームレンズの場合を示したが、焦点距離の長い標準レンズや望遠レンズに実施例1〜24の反射防止膜を備えた光学素子を用いることもできる。さらに、双眼鏡等の観察光学系に実施例1〜24の反射防止膜を備えた光学素子を用いることもできる。
図18(b)には、実施例25の光学系を光学機器としてのデジタルカメラに適用した例を示す。図において、デジタルカメラ2001の本体(光学機器本体)の一部であるレンズ鏡筒2001aには、撮影光学系として実施例25の光学系1001が収容されている。本実施例によれば、フレアやゴースト等の不要光による不要像の発生が抑制された高品位な画像を得ることができる。
なお、光学機器としては、交換レンズや、双眼鏡等の観察装置や、画像投射装置も含まれる。
[数値例1]
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
優れた反射防止性能を備えた反射防止膜、さらにはこれを備えた光学系や光学機器を提供できる。
101 光学基板(レンズ)
102 反射防止膜
103 第1層
104 第2層
105 第3層
106 第4層
107 第5層
108 第6層
109 第7層
110 第8層(微細凹凸構造層)

Claims (11)

  1. 光学基板上に形成される反射防止膜であって、
    入射光の波長550nmを入射波長とするとき、
    前記光学基板の前記入射波長に対する屈折率はNsubであり、
    前記光学基板側から順に、
    前記入射波長に対する屈折率がNで膜厚がDの膜である第1層と、
    前記入射波長に対する屈折率がNで膜厚がDの膜である第2層と、
    前記入射波長に対する屈折率がNで膜厚がDの膜である第3層と、
    前記入射波長に対する屈折率がNで膜厚がDの膜である第4層と、
    前記入射波長に対する屈折率がNで膜厚がDの膜である第5層と、
    前記入射波長に対する屈折率がNで膜厚がDの膜である第6層と、
    前記入射波長に対する屈折率がNで膜厚がDの膜である第7層と、
    平均ピッチが400nm以下の凹凸構造体により構成され、前記入射波長に対する屈折率がNから1.0に向かって連続的に変化し、層厚がDである第8層とを有し、
    以下の条件を満足することを特徴とする反射防止膜。
    1.40≦Nsub≦2.20
    1.90≦N≦2.40、 5.0nm≦D≦45.0nm
    1.36≦N≦1.58、 3.0nm≦D≦80.0nm
    1.90≦N≦2.40、 15.0nm≦D≦165.0nm
    1.36≦N≦1.58、 11.0nm≦D≦58.0nm
    1.90≦N≦2.40、 13.0nm≦D≦38.0nm
    1.36≦N≦1.58、 9.0nm≦D≦75.0nm
    1.35≦N≦1.65、 22.0nm≦D≦60.0nm
    1.35≦N≦1.65、 180.0nm≦D≦350.0nm
  2. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜。
    5.5nm≦D≦43.0nm
    3.5nm≦D≦75.0nm
    17.0nm≦D≦160.0nm
    14.8nm≦D≦58.0nm
    14.0nm≦D≦35.0nm
    10.0nm≦D≦70.0nm
    28.0nm≦D≦55.0nm
    200.0nm≦D≦350.0nm
  3. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止膜。
    6.0nm≦D≦40.0nm
    6.0nm≦D≦72.0nm
    19.0nm≦D≦72.0nm
    18.0nm≦D≦52.0nm
    15.0nm≦D≦33.0nm
    25.0nm≦D≦65.0nm
    30.0nm≦D≦45.0nm
    220.0nm≦D≦300.0nm
  4. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の反射防止膜。
    該反射防止膜に対する入射角が0から30°の範囲であり、波長が430nmから670nmである光線に対する反射率が0.15%以下、
    該反射防止膜に対する入射角が0から30°の範囲であり、波長が400nmから700nmである光線に対する反射率が0.25%以下、
    該反射防止膜に対する入射角が45°であり、波長が430nmから670nmである光線に対する反射率が0.4%以下、
    該反射防止膜に対する入射角が45°であり、波長が400nmから700nmである光線に対する反射率が0.5%以下、
    該反射防止膜に対する入射角が60°であり、波長が430nmから670nmである光線に対する反射率が2.5%以下、
    該反射防止膜に対する入射角が60°であり、波長が400nmから700nmである光線に対する反射率が3.0%以下。
  5. 前記第1層、前記第3層および前記第5層はそれぞれ、Ta、TiO、ZrO、SiNおよびSiONのうちいずれか又はこれらの混合材料により形成された膜であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の反射防止膜。
  6. 前記第2層、前記第4層および前記第6層はそれぞれ、SiO、MgFおよびSiONのうちいずれか又はこれらの混合材料により形成された膜であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の反射防止膜。
  7. 前記第7層は、Alを含有する材料による多孔質膜として形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の反射防止膜。
  8. 前記第8層は、Alを含有する材料による凹凸構造体であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の反射防止膜。
  9. 前記光学基板としての光学素子本体と、
    該光学素子本体の面に形成された請求項1から8のいずれか一項に記載の反射防止膜とを有することを特徴とする光学素子。
  10. 請求項9に記載の光学素子と、
    他の少なくとも1つの光学素子とを有することを特徴とする光学系。
  11. 光学機器本体と、
    該光学機器本体に収容された請求項10に記載の光学系とを有することを特徴とする光学機器。
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