JP2015093586A - 車両用制動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回生協調制御時に、実際の減速度が目標減速度から乖離し、この乖離を抑制すべくマスタシリンダ圧指令値の補正を行った場合に、踏力変動が生じるのを抑えることが可能な車両用制動制御装置を提供すること。【解決手段】摩擦制動トルクと回生制動トルクとを制御する回生協調制御を実行する回生協調制御部200は、回生協調制御において、車両の実際の減速度がドライバの要求制動トルクに応じた目標減速度から乖離する場合に乖離を狭める方向にマスタシリンダ圧Pmcの指令値を補正する際に、指令値の補正によって踏力変動量(補正前後インプットロッド反力変動量ΔFir_Lmt)が予め設定された許容値(許容インプットロッド変動量Fir_Lmt)内となるか否か判定し、許容値を超える場合には、指令値の補正量を減少させるマスタシリンダ圧指令補正制限部231を備えていることを特徴とする車両用制動制御装置とした。【選択図】図3

Description

本発明は、運転者の制動操作によりマスタシリンダ圧を発生させる液圧制動装置と、駆動輪の回転により回生制動トルクを発生させる回生制動装置と、を協調作動させる回生協調制御を行なう車両用制動制御装置に関する。
従来、回生制動装置と摩擦(液圧)制動装置とを協調作動させてドライバの要求減速度を発生する車両用制動制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来技術では、ドライバにより操作されるインプットロッドは、下記式(01)に示すように、インプットロッドへの入力と、マスタシリンダ圧およびリターンスプリングの反力の合力と、が釣り合う位置に配置される。
インプットロッド入力(Fi)
=マスタシリンダ圧(Pmc)×インプットロッド面積(Ai)+リターンスプリングのばね定数(K)×スプリングストローク量(Δx) ・・・(01)
そして、この従来技術では、インプットロッドストローク(Xi)に対して目標ピストンストロークを算出し、ピストンストローク(Xb)が目標ピストンストロークとなるようにブースタ推力(Fb)を制御する構成になっていた
特開2007−112426号公報
しかしながら、上記従来技術では、車速や温度などを要因として、ピストンストローク量に対する摩擦制動トルクの、実際の特性と制御特性とにずれが生じることがある。この場合、実際の総制動トルクが、目標制動トルクに対して変動する。
そして、このような摩擦制動トルクの実際の特性と制御特性とのずれに起因して、総制動トルクを、時々刻々とブースタ推力を調整してフィードバック補正を行うと、マスタシリンダ圧が変動し、それが、ドライバのブレーキペダル踏力変化として現れる。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、回生協調制御時に、実際の減速度が目標減速度から乖離し、この乖離を抑制すべくマスタシリンダ圧指令値の補正を行った場合に、踏力変動が生じるのを抑えることが可能な車両用制動制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の車両用制動制御装置は、
摩擦制動トルクと回生制動トルクとを含む総制動トルクがドライバの要求制動トルクとなるように前記摩擦制動トルクと前記回生制動トルクとを制御する回生協調制御を実行する回生協調制御装置を備えた車両用制動制御装置において、
前記回生協調制御装置は、前記回生協調制御において、前記車両の実際の減速度が前記ドライバの要求制動トルクに応じた目標減速度から乖離する場合に前記乖離を狭める方向に前記マスタシリンダ圧の指令値を補正する際に、前記指令値の補正によって踏力変動量が予め設定された許容値内となるか否か判定し、前記許容値を超える場合には、前記指令値の補正量を減少させるマスタシリンダ圧指令補正制限部を備えていることを特徴とする車両用制動制御装置した。
本発明の車両用制動制御装置では、マスタシリンダ圧指令補正制限部は、回生協調制御時に、実際の減速度が目標減速度から乖離したのに応じてマスタシリンダ圧の補正を行う際に、踏力変動量が許容値を超える補正量の場合には、その補正量を減少させる。
この補正量の減少により、補正によるマスタシリンダ圧の変化量も減少され、踏力変動を抑制できる。
実施の形態1の車両用制動制御装置を適用したハイブリッド車両の構成を示す全体システム図である。 実施の形態1の車両用制動制御装置に用いたブレーキ装置の全体構成図である。 実施の形態1の車両用制動制御装置における回生協調制御を実行する構成を簡略化して示すブロック図である。 実施の形態1の車両用制動制御装置における回生協調制御でのマスタシリンダ圧指令値を算出する処理の流れの全体を示すフローチャートである。 図4のフローチャートのステップS19の処理の詳細を示すフローチャートである。 図5のフローチャートのステップS25、S26の処理の詳細を示すフローチャートである。 図5のフローチャートのステップS32の処理の詳細を示すフローチャートである。 図5のフローチャートのステップS29においてインプットロッド反力差制限値の算出に用いるマップを示す反力制限値特性図である。 実施の形態1の車両用制動制御装置と比較するための比較例の動作例を示すタイムチャートである。 実施の形態1の車両用制動制御装置と比較するための比較例においてマスタシリンダ圧の補正を行った場合の踏力変化を示すタイムチャートである。 実施の形態1の車両用制動制御装置の動作例を示すタイムチャートである。
以下、本発明の車両用制動制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施の形態1に基づいて説明する。
まず、実施の形態1の車両用制動制御装置の構成を説明する。
実施の形態1の車両用制動制御装置を備えたハイブリッド車両の構成を、「全体構成」「制御系」「ブレーキ装置の構成」[マスタシリンダ圧制御機構の構成および動作][回生協調制御を実行する構成]に分けて説明する。
[全体構成]
図1は、前記ハイブリッド車両を示す全体システム図である。
このハイブリッド車両の駆動系は、図1に示すように、エンジンEと、第1クラッチCL1と、モータジェネレータ(回生制動装置)MGと、第2クラッチCL2と、自動変速機ATと、プロペラシャフトPSと、ディファレンシャルDFと、左ドライブシャフトDSLと、右ドライブシャフトDSRと、左後輪RLと、右後輪RRと、を有する。また、従動輪として、左前輪FL、右前輪FRを備えている。
エンジンEは、例えばガソリンエンジンであり、後述するエンジンコントローラ101からの制御指令に基づいて、スロットルバルブのバルブ開度等が制御される。なお、エンジン出力軸にはフライホイールFWが設けられている。
第1クラッチCL1は、エンジンEとモータジェネレータMGとの間に介装されたクラッチである。この第1クラッチCL1は、後述する第1クラッチコントローラ105からの制御指令に基づいて、第1クラッチ油圧ユニット106により作り出された制御油圧により作動し、スリップ締結を含み締結・開放が制御される。具体的には、第1クラッチCL1は、非制御時において、板ばねの付勢力によって完全締結しているノーマルクローズ型の乾式クラッチである。そして、第1クラッチCL1に開放指令が出力されると、伝達トルク容量指令に応じた油圧がピストンに供給されてストロークし、ストローク量に応じた伝達トルク容量に設定される。所定以上のストロークが行われると、クラッチプレート間の接触が絶たれて開放する。また、ピストンにはクラッチ開放時のフリクションロスを軽減するために、クラッチプレートの接触が絶たれた後もさらにピストンに付与する油圧を高めて余分に所定量ストロークさせる。
一方、第1クラッチCL1が開放された状態から締結するときは、ピストンに付与する油圧を徐々に低くする。すると、ピストンがストロークを開始し、所定量ストロークしたときにクラッチプレートが当接し始める(ガタ詰めに相当)。ちなみに、クラッチプレートが当接したか否かはエンジン回転数Neが上昇を開始したか否かで判断できる。それ以後は、ピストンに作用する油圧を低くするほど高い伝達トルク容量となる。
モータジェネレータMGは、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータジェネレータである。このモータジェネレータMGは、後述するモータコントローラ102からの制御指令に基づいて、インバータ103により形成された三相交流を印加することにより制御される。
また、モータジェネレータMGは、バッテリ104からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機(回生制動装置)として動作できる(以下、この状態を「力行」と呼ぶ)。さらに、モータジェネレータMGは、ロータが外力により回転している場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能してバッテリ104を充電することもできる(以下、この動作状態を「回生」と呼ぶ)。なお、このモータジェネレータMGのロータは、図外のダンパーを介して自動変速機ATの入力軸に連結されている。
第2クラッチCL2は、モータジェネレータMGと左右後輪RL,RRとの間に介装されたクラッチである。この第2クラッチCL2は、後述するATコントローラ107からの制御指令に基づいて、第2クラッチ油圧ユニット108により作り出された制御油圧により、スリップ締結を含み締結・開放が制御される。
自動変速機ATは、前進5速後退1速等の有段階の変速比を車速Vwやアクセル開度APO等に応じて自動的に切り換える変速機である。本実施の形態1では、第2クラッチCL2は、専用クラッチとして新たに追加したものではなく、自動変速機ATの各変速段にて締結される複数の摩擦締結要素のうち、いくつかの摩擦締結要素を流用している。また、第2クラッチCL2を、モータジェネレータMGと自動変速機ATとの間に独立して設けてもよい。
自動変速機ATの出力軸は、車両駆動軸としてのプロペラシャフトPS、ディファレンシャルDF、左ドライブシャフトDSL、右ドライブシャフトDSRを介して左右後輪RL,RRに連結されている。なお、第1クラッチCL1と第2クラッチCL2には、例えば、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できる湿式多板クラッチを用いている。
このハイブリッド車両の駆動系は、第1クラッチCL1の締結・開放状態に応じて3つの走行モードを有する。
第1の走行モードは、第1クラッチCL1の開放状態で、モータジェネレータMGの動力のみを動力源として走行するモータ使用走行モードとしての電気自動車走行モード(以下、「EV走行モード」と略称する。)である。
第2の走行モードは、第1クラッチCL1の締結状態で、エンジンEを動力源に含みながら走行するエンジン使用走行モード(以下、「HEV走行モード」と略称する。)である。
また、第3の走行モードは、第1クラッチCL1の締結状態で第2クラッチCL2をスリップ制御させ、エンジンEを動力源に含みながら走行するエンジン使用スリップ走行モード(以下、「WSC走行モード」と略称する。)である。このWSCモードは、特にバッテリSOCが低いときやエンジン水温が低いときに、クリープ走行を達成可能なモードである。なお、EV走行モードからHEV走行モードに遷移するときは、第1クラッチCL1を締結し、モータジェネレータMGのトルクを用いてエンジン始動を行う。
さらに、上記「HEV走行モード」には、「エンジン走行モード」と「モータアシスト走行モード」と「走行発電モード」との3つの走行モードを設定する。
「エンジン走行モード」は、エンジンEのみを動力源として駆動輪としての左右後輪RL,RRを動かす。「モータアシスト走行モード」は、エンジンEとモータジェネレータMGの2つを動力源として駆動輪としての左右後輪RL,RRを動かす。「走行発電モード」は、エンジンEを動力源として駆動輪としての左右後輪RL,RRを動かすと同時に、モータジェネレータMGを発電機として機能させる。
定速運転時や加速運転時には、エンジンEの動力を利用してモータジェネレータMGを発電機として動作させる。また、減速運転時は、制動エネルギを回生してモータジェネレータMGにより発電し、バッテリ104の充電のために使用する。
また、さらなるモードとして、車両停止時には、エンジンEの動力を利用してモータジェネレータMGを発電機として動作させる発電モードを有する。
[制御系]
次に、ハイブリッド車両の制御系を説明する。
ハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ101と、モータコントローラ102と、インバータ103と、バッテリ104と、第1クラッチコントローラ105と、第1クラッチ油圧ユニット106と、ATコントローラ107と、第2クラッチ油圧ユニット108と、ブレーキ装置1と、統合コントローラ(回生協調制御装置)110と、を有して構成されている。なお、エンジンコントローラ101と、モータコントローラ102と、第1クラッチコントローラ105と、ATコントローラ107と、ブレーキ装置1と、統合コントローラ110とは、互いの情報交換が可能なCAN通信線111を介して接続されている。
エンジンコントローラ101は、エンジン回転数センサ112からのエンジン回転数情報を入力し、統合コントローラ110からの目標エンジントルク指令等に応じ、エンジン動作点(Ne:エンジン回転数,Te:エンジントルク)を制御する指令を出力する。この指令出力は、例えば、図外のスロットルバルブアクチュエータへ出力される。なお、エンジン回転数Ne等の情報は、CAN通信線111を介して統合コントローラ110へ供給される。
モータコントローラ102は、モータジェネレータMGのロータ回転位置を検出するレゾルバ113からの情報を入力する。そして、統合コントローラ110からの目標モータジェネレータトルク指令等に応じ、モータジェネレータMGのモータ動作点(Nm:モータジェネレータ回転数,Tm:モータジェネレータトルク)を制御する指令をインバータ103へ出力する。なお、このモータコントローラ102では、バッテリ104の充電状態を表すバッテリSOCを監視していて、バッテリSOC情報は、モータジェネレータMGの制御情報に用いると共に、CAN通信線111を介して統合コントローラ110へ供給される。
第1クラッチコントローラ105は、第1クラッチ油圧センサ114と第1クラッチストロークセンサ115からのセンサ情報を入力する。そして、統合コントローラ110からの第1クラッチ制御指令に応じ、第1クラッチCL1の締結・開放を制御する指令を第1クラッチ油圧ユニット106に出力する。なお、第1クラッチストロークC1Sの情報は、CAN通信線111を介して統合コントローラ110へ供給する。
ATコントローラ107は、アクセル開度センサ116と車速センサ117と第2クラッチ油圧センサ118と運転者の操作するシフトレバーの位置に応じた信号を出力するインヒビタスイッチからの各センサ情報を入力する。そして、統合コントローラ110からの第2クラッチ制御指令に応じ、第2クラッチCL2の締結・開放を制御する指令をAT油圧コントロールバルブ内の第2クラッチ油圧ユニット108に出力する。なお、アクセル開度APOと車速Vwとインヒビタスイッチの情報は、CAN通信線111を介して統合コントローラ110へ供給する。
ブレーキ装置1は、ドライバの制動操作に応じて各車輪に摩擦制動トルクを付与する。また、統合コントローラ110からの回生協調制御指令に基づいて摩擦制動トルクを調整する。回生協調制御については後述する。
統合コントローラ110は、車両全体の消費エネルギを管理し、最高効率で車両を走らせるための機能を担うもので、モータ回転数Nmを検出するモータ回転数センサ121と、第2クラッチ出力回転数N2outを検出する第2クラッチ出力回転数センサ122と、第2クラッチ伝達トルク容量TCL2(第2クラッチトルク)を検出する第2クラッチトルクセンサ123と、4輪の各車輪速を検出する車輪速センサ124と、前後加速度を検出するGセンサ125とからの各センサ情報と、CAN通信線111を介して得られた情報とを入力する。
統合コントローラ110は、エンジンコントローラ101への制御指令によるエンジンEの動作制御と、モータコントローラ102への制御指令によるモータジェネレータMGの動作制御と、第1クラッチコントローラ105への制御指令による第1クラッチCL1の締結・開放制御と、ATコントローラ107への制御指令による第2クラッチCL2の締結・開放制御と、ブレーキコントローラ109への制御指令によるブレーキ装置1の動作制御と、を行う。
統合コントローラ110は、ドライバのブレーキペダル踏込量に対して目標減速度を算出し、算出した目標減速度に対し回生制動トルクを優先することにより、特に加減速を繰り返す走行パターンにおいて、エネルギ回収効率が高く、より低い車速まで回生制動によるエネルギの回収を実現している。
一方、回生制動トルクには車速によって決まる回転数に応じて上限があるため、目標減速度に対し回生制動トルクによる減速のみでは不足する場合、その不足分を摩擦制動トルクで補うような回生協調制御指令をブレーキ装置1に出力する。
[ブレーキ装置の構成]
図2は、実施の形態1の車両用制動制御装置に用いたブレーキ装置1の全体構成図である。このブレーキ装置1は、マスタシリンダ2と、リザーバタンクRESと、各車輪に設けたホイルシリンダ4a〜4dと、マスタシリンダ2に接続して設けたマスタシリンダ圧制御機構(ブレーキ倍力装置)5およびインプットロッド(入力部材)6と、ブレーキ操作量検出装置7と、マスタシリンダ圧制御機構5を制御するマスタシリンダ圧制御装置8と、を有する。
インプットロッド6は、ブレーキペダルBPと共にストローク(進退)し、マスタシリンダ2内の液圧(以下、マスタシリンダ圧Pmc)を増減する。マスタシリンダ圧制御機構5およびマスタシリンダ圧制御装置8は、マスタシリンダ2のプライマリピストン(アシスト部材)2bをストロークさせ、マスタシリンダ圧Pmcを増減する。
以下、説明のため、マスタシリンダ2の軸方向にx軸を設定し、ブレーキペダルBPの側を負方向とし、踏込ストローク方向を正方向とする。
マスタシリンダ2は、いわゆるタンデム型であり、シリンダ2a内にプライマリピストン2bおよびセカンダリピストン2cを有している。シリンダ2aの内周面と、プライマリピストン2bのx軸正方向側の面およびセカンダリピストン2cのx軸負方向側の面との間で、第1液圧室としてのプライマリ液圧室2dが形成されている。シリンダ2aの内周面とセカンダリピストン2cのx軸正方向側の面との間で、第2液圧室としてのセカンダリ液室2eが形成されている。
プライマリ液圧室2dは、プライマリ回路10と連通可能に接続され、セカンダリ液室2eは、セカンダリ回路20と連通可能に接続されている。プライマリ液圧室2dの容積は、プライマリピストン2bおよびセカンダリピストン2cがシリンダ2a内をストロークすることで変化する。プライマリ液圧室2dには、プライマリピストン2bをx軸負方向側に付勢する戻しバネ2fが設置されている。セカンダリ液室2eの容積は、セカンダリピストン2cがシリンダ2a内をストロークすることで変化する。セカンダリ液室2eには、セカンダリピストン2cをx軸負方向側に付勢する戻しバネ2gが設置されている。
なお、プライマリ回路10およびセカンダリ回路20には、ABS制御等が実施するための各ホイルシリンダ圧を独立して制御可能な各種バルブやモータポンプ、リザーバ等を備えた液圧制御ユニット100が設けられている。
プライマリ回路10には、プライマリ液圧センサ13が設けられ、セカンダリ回路20には、セカンダリ液圧センサ14が設けられている。プライマリ液圧センサ13は、プライマリ液圧室2dの液圧を検出し、セカンダリ液圧センサ14は、セカンダリ液室2eの液圧を検出し、これらの液圧情報はマスタシリンダ圧制御装置8に送信される。
インプットロッド6のx軸正方向側の一端6aは、プライマリピストン2bの隔壁2hを貫通し、プライマリ液圧室2d内に接地されている。インプットロッド6の一端6aとプライマリピストン2bの隔壁2hとの間はシールされており、液密性を確保すると共に、一端6aは隔壁2hに対してx軸方向に摺動可能に設けられている。一方、インプットロッド6のx軸負方向側の他端6bは、ブレーキペダルBPに連結されている。
したがって、ドライバがブレーキペダルBPを踏むと、インプットロッド6はx軸正方向側に移動し、ドライバがブレーキペダルBPを戻すとインプットロッド6はx軸負方向側に移動する。
またインプットロッド6には、プライマリピストン2bの隔壁2hの内周よりも大径、かつ、フランジ部6cの外径よりも小径の大径部6fが形成されている。この大径部6fのx軸正方向側端面と隔壁2hのx軸負方向側端面との間には、ブレーキ非作動時においてギャップL1が設けられている。このギャップL1により、統合コントローラ110から回生協調制御指令を受けた場合には、プライマリピストン2bをインプットロッド6に対してx軸負方向に相対移動することで、回生制動トルク分だけ摩擦制動トルクを減じることが可能である。また、インプットロッド6が、プライマリピストン2bに対してx軸正方向にギャップL1の分だけ相対変位すると、大径部6fのx軸正方向の面と隔壁2hとが当接し、インプットロッド6とプライマリピストン2bとが一体的に移動可能である。
インプットロッド6またはプライマリピストン2bがx軸正方向側へ移動することによって、プライマリ液圧室2dの作動液が加圧され、加圧された作動液がプライマリ回路10に供給される。また、加圧された作動液によるプライマリ液圧室2dの圧力により、セカンダリピストン2cがx軸正方向側へ移動される。セカンダリピストン2cがx軸正方向側へ移動することによってセカンダリ液室2eの作動液が加圧され、加圧された作動液がセカンダリ回路20に供給される。
上記のように、インプットロッド6がブレーキペダルBPと連動して移動し、プライマリ液圧室2dを加圧する構成となっている。これにより、万が一、故障によりマスタシリンダ圧制御機構5の駆動モータ(アクチュエータ)50が停止した場合にも、ドライバのブレーキ操作によってマスタシリンダ圧Pmcを上昇させ、所定の制動トルクを確保できる。また、マスタシリンダ圧Pmcに応じた力がインプットロッド6を介してブレーキペダルBPに作用し、ブレーキペダル反力としてドライバに伝達されるため、上記構成を採らない場合に必要な、ブレーキペダル反力を生成するバネ等の装置が不要となる。よって、ブレーキ倍力装置の小型化・軽量化を図ることができ、車両への搭載性が向上する。
ブレーキ操作量検出装置7は、ドライバの要求減速度を検出するためのもので、インプットロッド6の他端6b側に設けられている。ブレーキ操作量検出装置7は、インプットロッド6のx軸方向変位量(ストローク)を検出するストロークセンサ、すなわち、ブレーキペダルBPのストロークセンサである。
リザーバタンクRESは、隔壁(図示省略)によって互いに仕切られた少なくとも2つの液室(図示省略)を有している。各液室は、それぞれブレーキ回路11,12を介して、マスタシリンダ2のプライマリ液圧室2dおよびセカンダリ液室2eと連通可能に接続されている。
ホイルシリンダ(摩擦制動装置)4a〜4dは、シリンダ、ピストン、パッド等を有しており、シリンダ2aが供給した作動液によって上記ピストンが移動し、このピストンに連結されたパッドをディスクロータ40a〜40dに押圧するものである。なお、ディスクロータ40a〜40dは各車輪と一体回転し、ディスクロータ40a〜40dに作用するブレーキトルクは、各車輪と路面との間に作用するブレーキ力となる。
マスタシリンダ圧制御機構5は、プライマリピストン2bの変位量すなわちマスタシリンダ圧Pmcを、マスタシリンダ圧制御装置8の制御指令に従って制御するものであり、駆動モータ50と、減速装置51と、回転−並進変換装置55と、を有している。マスタシリンダ圧制御装置8は演算処理回路であり、ブレーキ操作量検出装置7や駆動モータ50からのセンサ信号等に基づいて、駆動モータ50の作動を制御する。
[マスタシリンダ圧制御機構5の構成および動作]
次に、マスタシリンダ圧制御機構5の構成および動作について説明する。
駆動モータ50は三相DCブラシレスモータであり、マスタシリンダ圧制御装置8の制御指令に基づき供給する電力によって動作し、所望の回転トルクを発生する。
減速装置51は、駆動モータ50の出力回転をプーリ減速方式により減速する。減速装置51は、駆動モータ50の出力軸に設けた小径の駆動側プーリ52と、回転−並進変換装置55のボールネジナット56に設けた大径の従動側プーリ53と、駆動側プーリ52および従動側プーリ53に巻き掛けたベルト54とを有している。減速装置51は、駆動モータ50の回転トルクを、減速比(駆動側プーリ52および従動側プーリ53の半径比)分だけ増幅し、回転−並進変換装置55に伝達する。
回転−並進変換装置55は、駆動モータ50の回転動力を並進動力に変換し、この並進動力によりプライマリピストン2bを押圧する。本実施の形態1では、動力変換機構としてボールネジ方式を採用しており、回転−並進変換装置55は、ボールネジナット56と、ボールネジ軸57と、可動部材58と、戻しバネ59とを有している。
マスタシリンダ2のx軸負方向側には、第1ハウジング部材HSG1が接続され、第1ハウジング部材HSG1のx軸負方向側には、第2ハウジング部材HSG2が接続されている。ボールネジナット56は、第2ハウジング部材HSG2内に設けられたベアリングBRGの内周に、軸回転可能に設置されている。ボールネジナット56のx軸負方向側の外周には、従動側プーリ53が嵌合されている。ボールネジナット56の内周には、中空のボールネジ軸57が螺子を噛み合わせて結合されている。ボールネジナット56とボールネジ軸57との間の隙間には、複数のボールが回転移動可能に設置されている。
ボールネジ軸57のx軸正方向側の端には、可動部材58が一体に設けられ、この可動部材58のx軸正方向側の面に、プライマリピストン2bが接合されている。プライマリピストン2bは、第1ハウジング部材HSG1内に収容され、プライマリピストン2bのx軸正方向側の端は、第1ハウジング部材HSG1から突出されてマスタシリンダ2の内周に嵌合されている。
第1ハウジング部材HSG1内であって、プライマリピストン2bの外周に、戻しバネ59が設置されている。戻しバネ59は、x軸正方向側の端部が第1ハウジング部材HSG1内部のx軸正方向側の面Aに固定される一方、x軸負方向側の端部が可動部材58に係合されている。戻しバネ59は、面Aと可動部材58との間でx軸方向に押し縮めて設置されており、可動部材58およびボールネジ軸57をx軸負方向側に付勢している。
従動側プーリ53が回転すると、ボールネジナット56が一体に回転し、このボールネジナット56の回転運動により、ボールネジ軸57が、x軸方向に並進運動する。x軸正方向側へのボールネジ軸57の並進運動の推力により、可動部材58を介してプライマリピストン2bがx軸正方向側に押圧される。なお、図2では、ブレーキ非操作時にボールネジ軸57が、x軸負方向側に最大変位した初期位置にある状態を示している。
一方、ボールネジ軸57には、上記x軸正方向側への推力と反対方向(x軸負方向側)に、戻しバネ59の弾性力が作用する。これにより制動中(プライマリピストン2bをx軸正方向側に押圧してマスタシリンダ圧Pmcを加圧している状態で)、万が一、故障により駆動モータ50が停止し、ボールネジ軸57の戻し制御が不能となった場合でも、戻しバネ59の反力によりボールネジ軸57が初期位置に戻る。これによりマスタシリンダ圧Pmcがゼロ付近まで低下するため、ブレーキ力の引きずりの発生を防止し、この引きずりに起因して車両挙動が不安定になる事態を回避することができる。
また、インプットロッド6とプライマリピストン2bとの間に画成された環状空間Bには、一対のバネ(付勢部材)6d,6eが配設されている。一対のバネ6d,6eは、その各一端がインプットロッド6に設けたフランジ部6cに係止され、バネ6dの他端がプライマリピストン2bの隔壁2hに係止され、バネ6eの他端が可動部材58に係止されている。これら一対のバネ6d,6eは、プライマリピストン2bに対してインプットロッド6を両者の相対変位の中立位置に向けて付勢し、ブレーキ非作動時にインプットロッド6とプライマリピストン2bとを相対移動の中立位置に保持する機能を有している。これら一対のバネ6d,6eにより、インプットロッド6とプライマリピストン2bとが中立位置からいずれかの方向に相対変位したとき、プライマリピストン2bに対してインプットロッド6を中立位置に戻す付勢力が作用する。
なお、駆動モータ50には、例えば、レゾルバ等の回転角検出センサ50aが設けられており、これにより検出されたモータ出力軸の位置信号がマスタシリンダ圧制御装置8に入力される。マスタシリンダ圧制御装置8は、入力した位置信号に基づき駆動モータ50の回転角を算出し、この回転角に基づき回転−並進変換装置55の推進量、すなわちプライマリピストン2bのx軸方向変位量を算出する。
次に、マスタシリンダ圧制御機構5とマスタシリンダ圧制御装置8による、インプットロッド6の推力の増幅作用について説明する。実施の形態1では、マスタシリンダ圧制御装置8は駆動モータ50によりインプットロッド6の変位に応じたプライマリピストン2bの変位、すなわちインプットロッド6とプライマリピストン2bの相対変位を制御している。
マスタシリンダ圧制御機構5およびマスタシリンダ圧制御装置8は、ドライバのブレーキ操作によるインプットロッド6の変位量で決まる目標減速度に応じて、プライマリピストン2bを変位させる。これにより、プライマリ液圧室2dを、インプットロッド6の推力に加えてプライマリピストン2bの推力によって加圧し、マスタシリンダ圧Pmcを調整する。すなわち、インプットロッド6の推力を増幅する。増幅比(以下、倍力比α)は、プライマリ液圧室2dにおけるインプットロッド6とプライマリピストン2bの軸直方向断面積(以下、それぞれ受圧面積AIRおよびAPP)の比等により、以下のように決定される。
マスタシリンダ圧Pmcの液圧調整を、下記の式(1)で示される圧力平衡関係をもって行う。
Pmc=(FIR+K×△x)/AIR=(FPP−K×△x)/APP …(1)
ここで、圧力平衡関係を示す式(1)における各要素は、以下のとおりである。
Pmc:プライマリ液圧室2dの液圧(マスタシリンダ圧)
FIR:インプットロッド6の推力
FPP:プライマリピストン2bの推力
AIR:インプットロッド6の受圧面積
APP:プライマリピストン2bの受圧面積
K:バネ6d,6eのバネ定数
Δx:インプットロッド6とプライマリピストン2bとの相対変位量
なお、実施の形態1では、インプットロッド6の受圧面積AIRを、プライマリピストン2bの受圧面積APPよりも小さく設定している。
ここで相対変位量Δxは、インプットロッド6の変位(インプットロッドストローク)をXi、プライマリピストン2bの変位(ピストンストローク)をXbとして、Δx=Xb−Xiと定義する。よって、相対変位量Δxは、相対移動の中立位置では0、インプットロッド6に対してプライマリピストン2bが前進(x軸正方向側へストローク)する方向では正符号、その逆方向では負符号となる。なお、圧力平衡関係を示す式(1)ではシールの摺動抵抗を無視している。また、プライマリピストン2bの推力FPPは、駆動モータ50の電流値から推定できる。
一方、倍力比αを、下記の式(2)のように表すことができる。
α=Pmc×(APP+AIR)/FIR …(2)
よって、式(2)に上記式(1)のPmcを代入すると、倍力比αは下記の式(3)のようになる。
α=(1+K×Δx/FIR)×(AIR+APP)/AIR …(3)
倍力制御では、目標のマスタシリンダ圧特性が得られるように、駆動モータ50(ピストンストロークXb)を制御する。ここで、マスタシリンダ圧特性とは、インプットロッドストロークXiに対するマスタシリンダ圧Pmcの変化特性を指す。インプットロッドストロークXiに対するピストンストロークXbを示すストローク特性と、上記目標マスタシリンダ圧特性とに対応して、インプットロッドストロークXiに対する相対変位量Δxの変化を示す目標変位量算出特性を得ることができる。検証により得られた目標変位量算出特性データに基づき、相対変位量Δxの目標値(以下、目標変位量Δx*)を算出する。
すなわち、目標変位量算出特性は、インプットロッドストロークXiに対する目標変位量Δx*の変化の特性を示し、インプットロッドストロークXiに対応して1つの目標変位量Δx*が定まる。検出したインプットロッドストロークXiに対応して決定される目標変位量Δx*を実現するように駆動モータ50の回転(ピストンストロークXb)を制御すると、目標変位量Δx*に対応する大きさのマスタシリンダ圧Pmcがマスタシリンダ2で発生する。
ここで、上記のようにインプットロッドストロークXiをブレーキ操作量検出装置7により検出し、ピストンストロークXbを回転角検出センサ50aの信号に基づき算出し、相対変位量Δxを上記検出(算出)した変位量の差により求めることができる。倍力制御では、具体的には、インプットロッドストロークXiと目標変位量算出特性とに基づいて目標変位量Δx*を設定し、上記検出(算出)された相対変位量Δxが目標変位量Δx*と一致するように駆動モータ50を制御(フィードバック制御)する。なお、ピストンストロークXbを検出するストロークセンサを別途設けることとしてもよい。
実施の形態1では、踏力センサを用いることなく倍力制御を行うため、その分だけコストを低減できる。また、相対変位量Δxが任意の所定値となるように駆動モータ50を制御することにより、受圧面積比(AIR+APP)/AIRで定まる倍力比よりも大きな倍力比や小さな倍力比を得ることができ、所望の倍力比に基づく制動力を得ることができる。
一定倍力制御は、インプットロッド6およびプライマリピストン2bを一体的に変位させる、すなわち、インプットロッド6に対してプライマリピストン2bが常に上記中立位置となり、相対変位量Δx=0で変位するように、駆動モータ50を制御する。
このようにΔx=0となるようにプライマリピストン2bをストロークさせた場合、上記式(3)により、倍力比αは、α=(AIR+APP)/AIRとして一意に定まる。よって、必要な倍力比に基づいてAIRおよびAPPを設定し、ピストンストロークXbがインプットロッドストロークXiに等しくなるようにプライマリピストン2bを制御することで、常に一定の(上記必要な)倍力比を得ることができる。
一定倍力制御における目標マスタシリンダ圧特性は、インプットロッド6の前進(x軸正方向側への変位)に伴い発生するマスタシリンダ圧Pmcが2次曲線、3次曲線、あるいはこれらにそれ以上の高次曲線等が複合した多次曲線(以下、これらを総称して多次曲線という)状に大きくなる。また、一定倍力制御は、インプットロッドストロークXiと同じ量だけプライマリピストン2bがストロークする(Xb=Xi)ストローク特性を有している。このストローク特性と上記目標マスタシリンダ圧特性とに基づき得られる目標変位量算出特性では、あらゆるインプットロッドストロークXiに対して目標変位量Δx*が0となる。
これに対し、倍力可変制御は、目標変位量Δx*を正の所定値に設定し、相対変位量Δxがこの所定値となるように駆動モータ50を制御する。これにより、マスタシリンダ圧Pmcを増加する方向へインプットロッド6が前進移動するに従い、インプットロッドストロークXiに比べてプライマリピストン2bのピストンストロークXbが大きくなるようにするものである。
上記式(3)により、倍力比αは、(1+K×Δx/FIR)倍の大きさとなる。すなわち、インプットロッドストロークXiに比例ゲイン(1+K×Δx/FIR)を乗じた量だけプライマリピストン2bをストロークさせることと同義となる。このように相対変位量Δxに応じて倍力比αが可変となり、マスタシリンダ圧制御機構5が倍力源として働いて、ドライバの要求通りの制動トルクを発生させつつペダル踏力の大きな低減を図ることができる。
制御性の観点からは上記比例ゲイン(1+K×Δx/FIR)は1であることが望ましいが、例えば緊急ブレーキ等によりドライバのブレーキ操作量を上回る制動トルクが必要な場合には、一時的に、1を上回る値に上記比例ゲインを変更することができる。
これにより、同量のブレーキ操作量でも、マスタシリンダ圧Pmcを通常時(上記比例ゲインが1の場合)に比べて引き上げることができるため、より大きな制動トルクを発生させることができる。ここで、緊急ブレーキの判定は、例えば、ブレーキ操作量検出装置7の信号の時間変化率が所定値を上回るか否かで判定できる。
このように、倍力可変制御では、インプットロッド6の前進に対してプライマリピストン2bの前進をより進める。これにより、インプットロッド6に対するプライマリピストン2bの相対変位量Δxがインプットロッド6の前進に伴い大きくなり、これに対応してインプットロッド6の前進に伴うマスタシリンダ圧Pmcの増加が一定倍力制御よりも大きくなるように駆動モータ50を制御する。
倍力可変制御における目標マスタシリンダ圧特性は、インプットロッド6の前進(x軸正方向側への変位)に伴い発生するマスタシリンダ圧Pmcの増加が、一定倍力制御よりも大きくなる(多次曲線状に増加するマスタシリンダ圧特性がより急峻になる)。また、倍力可変制御は、インプットロッドストロークXiの増加に対するピストンストロークXbの増加分が1よりも大きいストローク特性を有している。このストローク特性と上記目標マスタシリンダ圧特性とに基づき得られる目標変位量算出特性では、インプットロッドストロークXiが増加するに応じて目標変位量Δx*が所定の割合で増加する。
また、倍力可変制御として、上記制御(マスタシリンダ圧Pmcを増加する方向へインプットロッド6が移動するに従い、インプットロッドストロークXiに比べてピストンストロークXbが大きくなるように制御すること)と逆の制御も行なう。すなわち、マスタシリンダ圧Pmcを増加する方向へインプットロッド6が移動するに従い、インプットロッドストロークXiに比べてピストンストロークXbが小さくなるように駆動モータ50を制御する。これにより、回生協調制御時、回生制動トルクの増加に応じて摩擦制動トルクを減じることができる。
[回生協調制御を実行する構成]
図3は、回生協調制御を実行する構成を簡略化して示すブロック図である。
回生協調制御部200は、統合コントローラ110の一部に設けられている。
目標減速度演算部210は、ブレーキ操作量検出装置7からペダルストロークSpを入力し、目標減速度Gsを算出し、さらに、目標制動トルク(総制動トルク)Tsを求める。
そして、減算部220では、目標制動トルクTsから、この目標制動トルクTsに応じてモータコントローラ102にて実行された回生制御に基づく回生実行トルクを減算して、基本となる補正前のノミナル摩擦制動トルクTfを算出する。
マスタシリンダ圧指令補正部230では、回生協調制御において、車両の実際の減速度がドライバの要求制動トルクに応じた目標減速度Gsから乖離する場合に、この乖離を狭める方向にマスタシリンダ圧Pmcの指令値を補正する。さらに、マスタシリンダ圧指令補正制限部231では、指令値の補正によって踏力変動量(インプットロッド反力Fir)が、予め設定された許容値(許容インプットロッド変動量Fir_Lmt)内となるか否か判定し、許容値を超える場合には、指令値の補正量を減少させる。
G−P換算部240では、ノミナル摩擦制動トルクTfから算出したノミナルマスタシリンダ圧Pfに、最終的にマスタシリンダ圧指令補正部230にて演算されたマスタシリンダ圧補正量Pfrを加減算し、今回のマスタシリンダ圧指令値Pfsを算出する。ノミナルマスタシリンダ圧Pfは、目標減速度Gsに対応して予め設定された基本となる補正前のマスタシリンダ圧である。
以下に、図3に示した回生協調制御部200において実行される回生協調制御にてマスタシリンダ圧指令値Pfsを算出する処理の流れを、図4〜図7のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
図4は、上記の回生協調制御におけるマスタシリンダ圧指令値Pfsを算出する処理の流れの全体を示すフローチャートである。
この回生協調制御は、ドライバが制動操作、すなわち、ブレーキペダルBPの踏込を行なったことで開始される。
最初のステップS1では、ペダルストロークSpを読み込み、次のステップS10に進む。
ステップS10では、予めマップとして設定されたペダルストロークSpに対する目標減速度Gsの特性から目標減速度Gsを算出し、次のステップS11に進む。
ステップS11では、目標減速度Gsを、下記式(4)に基づいて、目標制動トルクTsに変換し、次のステップS12に進む。
Ts=Gs×α …(4)
なお、αは、予め、減速度を制動トルクに変換するためにモータコントローラに設定された係数であり、車両の制動力特性として設定された値である。
ステップS12では、目標制動トルクTsを、モータコントローラ102に出力した後、次のステップS13に進む。モータコントローラ102では、予め目標制動トルクTsに対する回生制動トルクTrがマップとして設定されている。そこで、次のステップS13では、モータコントローラ102にて決定された回生制動トルクTrを受信して読み込んだ後、ステップS14に進む。
ステップS14では、補正前の基本となる摩擦制動トルクであるノミナル摩擦制動トルクTfを、目標制動トルクTsと回生制動トルクTrとから、下記式(5)に基づいて算出し、次のステップS15に進む。
Tf=Ts−Tr …(5)
ここで、補正前の摩擦制動トルクであるノミナル摩擦制動トルクTfは、図8に示すP−G特性に示す特性となるように設定されている。
ステップS15では、補正前の基本となるマスタシリンダ圧であるノミナルマスタシリンダ圧Pfを算出した後、ステップS16に進む。このノミナルマスタシリンダ圧Pfは、補正前の摩擦トルクであるノミナル摩擦制動トルクTfに基づいて、下記式(6)により算出する。
Pf=Tf×β …(6)
なお、βは、予め、車両の摩擦制動力特性に基づいて設定された、摩擦制動トルクをマスタシリンダ圧に換算するための係数である。
ステップS16では、モータコントローラ102から受信した回生制動トルクTrと、統合コントローラ110で記憶していたその前回値Trz1とから、下記式(7)に基づいて回生制動トルクTrの変化量ΔTrを算出し、ステップS17に進む。
ΔTr=Tr−Trz1 …(7)
ステップS17では、回生制動トルクTrの変化量ΔTrが減少側であるか否か(回生制動トルクTrが=0に向かう方向であるか否か)判定し、減少側である場合にはステップS18に進む。また、変化量ΔTrが減少側でない場合、すなわち、変化量ΔTrが増加側か0の場合はステップS20に進む。
回生制動トルクTrの変化量ΔTrが減少側である場合に進むステップS18では、回生制動トルクTrの減少開始時の回生制動トルクTr0を記憶し、次のステップS19に進む。なお、このステップS18における減少開始時の回生制動トルクTr0の記憶は、ステップS17において、前回のサンプルでNOを選択し、今回のサンプルでYESを選択したときのみ実行する。
ステップS19では、算出されたマスタシリンダ圧補正量Pfrを必要に応じて補正量を減少させる制限をかけた上で、マスタシリンダ圧補正量Pfrの算出を行い、次のステップS21に進む。なお、このステップS19におけるマスタシリンダ圧補正量Pfrの算出処理は、図5に基づいて後述する。
また、上記ステップS19によるマスタシリンダ圧補正量Pfrを減少させる制限は、制動操作が実行されるたびに演算され、制動操作が終了するなどして制動操作が解除されるたびに破棄される。したがって、制動操作が行われるたびにステップS1からの処理が実行され、その都度、最適のマスタシリンダ圧補正量Pfrを演算する。
一方、ステップS17において、変化量ΔTrが増加側か0の場合に進むステップS20では、マスタシリンダ圧補正量Pfrを、そのままの値に設定した後、ステップS21に進む。なお、このマスタシリンダ圧補正量Pfrは、マスタシリンダ圧指令値と、実際のマスタシリンダ圧Pmcとが乖離した場合に、両者を近づけるために算出された値である。このマスタシリンダ圧補正量Pfrの算出自体は、本願の特徴ではなく、種々の周知の方法を用いて求めてよい。この場合、例えば、マスタシリンダ圧補正量Pfrは、実際のマスタシリンダ圧Pmcをマスタシリンダ圧指令値に一致させる値としてもよいし、両者を徐々に近づけるように算出された値としてもよい。
ステップS21では、ステップS19あるいはS20にて算出されたマスタシリンダ圧補正量Pfrに基づいて、下記式(8)により今回のマスタシリンダ圧指令値Pfsを算出した後、ステップS21に進む。
Pfs=Pf+Pfr×(Tr0−Tr)/Tr0 …(8)
なお、Tr0は、前述のようにステップS18にて記憶した減少開始時の回生制動トルクである。
ステップS22では、今回の回生制動トルクTrを前回値Trz1として保存し、1回の処理を終える。
次に、図5のフローチャートに基づいて、ステップS19におけるマスタシリンダ圧補正量Pfrの算出処理について説明する。
ステップS23では、インプットロッド反力Firを下記の式(9)に基づいて算出した後、ステップS24に進む。
Fir=Rf×Apms−(PP−IR)×Kspr …(9)
なお、Pfは、ステップS15において算出した補正前のノミナルマスタシリンダ圧、APmsは、インプットロッド面積(プランジャ面積)、PPはプライマリピストン位置、IRはインプットロッド位置、Ksprはバネ6d,6eのバネ定数である。
次のステップS24では、下記式(10)に基づいて、回生制動トルクTrと同じトルクを摩擦制動トルクにより発生させるために必要なマスタシリンダ圧である基本マスタシリンダ圧Pr0を算出した後、ステップS25に進む。
Pr0=Tr×β …(10)
なお、βは、ステップS15に用いた、ノミナル摩擦制動トルクTfをマスタシリンダ圧Pmcに換算するために用いた係数である。
ステップS25では、パッドμ(摩擦係数)推定によるμ推定マスタシリンダ圧補正量Pr1を算出し、ステップS26に進む。また、ステップS26では、基本マスタシリンダ圧Pr0にμ推定マスタシリンダ圧補正量Pr1を加算したマスタシリンダ圧Pmcを実現するためのプライマリピストン位置PP1を算出し、ステップS27に進む。
上記パッドμ推定は、温度などにより変動するものであり、例えば、極低温時は基本的にパッドμが高めであり、例えば、約1.5倍になることがある。
なお、ステップS25におけるμ推定マスタシリンダ圧補正量Pr1の算出およびステップS26におけるプライマリピストン位置PP1の算出については、図6のフローチャートに基づいて後述する。
ステップS27では、下記式(11)に基づいてすり替え後のインプットロッド反力(回生制動トルクTrが0になったときの反力)Fir1を算出し、ステップS28に進む。すなわち、補正したいマスタシリンダ圧Pmcと、そのマスタシリンダ圧Pmcを実現するプライマリピストン位置PPとしたときの反力を推定する。
Fir1=(Pr0+Pr1)×APmc−(PP1−IR)×Kspr …(11)
ステップS28では、すり替え前後のインプットロッド反力差ΔFirを下記式(12)により算出した後、ステップS29に進む。
ΔFir=Fir−Fir1 …(12)
ステップS29では、インプットロッド反力差ΔFirの許容値である許容インプットロッド変動量Fir_Lmtを算出した後、ステップS30に進む。なお、この許容インプットロッド変動量Fir_Lmtの算出は、図8に示すように、インプットロッド反力Firが大きいほど許容インプットロッド変動量Fir_Lmtが大きくなるように予め設定された反力差制限値マップに基づいて求める。
次のステップS30では、インプットロッド反力差ΔFirが、ステップS29にて求めた許容インプットロッド変動量Fir_Lmtの範囲内であるか否か、すなわち、インプットロッド反力差ΔFirの絶対値が、許容インプットロッド変動量Fir_Lmt以下であるか否か判定する。そして、インプットロッド反力差ΔFirが許容インプットロッド変動量Fir_Lmtの範囲内であれば、ステップS31に進み、その範囲外であればステップS32に進む。
ステップS31では、ステップS25で演算したμ推定マスタシリンダ圧補正量Pr1(後述するステップS36にて演算したμ推定マスタシリンダ圧補正量Pr1に相当する)を、今回のマスタシリンダ圧補正量Pfrとして、1回の処理を終える。
一方、インプットロッド反力差ΔFirが、許容インプットロッド変動量Fir_Lmtの範囲外である場合に進むステップS32では、詳細は後述するが、インプットロッド反力差ΔFirの制限(許容インプットロッド変動量Fir_Lmt)を反映したマスタシリンダ圧制限補正量Pr_Lmtを算出する。
次のステップS33では、マスタシリンダ圧制限補正量Pr_Lmtから、最終的な制限をかけた最終マスタシリンダ圧制限補正量Pf_Lmtを算出し、これをマスタシリンダ圧補正量Pfrとして1回の処理を終える。
次に、ステップS25、S26におけるμ推定マスタシリンダ圧補正量Pr1の算出およびプライマリピストン位置PP1の算出の詳細について図6のフローチャートにより説明する。
まず、車速Vwを受信し、ステップS35に進む。
ステップS35では、予め設定された、車速Vwからマスタシリンダ圧Pmcを補正するための変換ゲインθを求めるマップに基づいて、今回の変換ゲインθを算出する。この変換ゲインマップは、マスタシリンダ圧Pmcの補正を行わない時、変換ゲインθ=1に設定される。
ステップS36では、ブレーキパッド(ホイルシリンダ4a〜4dのピストンによりディスクロータ40a〜40dに押圧される部材)の摩擦係数推定によるμ推定マスタシリンダ圧補正量Pr1を、下記式(13)により算出する。なお、この摩擦係数μの推定は、ステップS35にて算出した変換ゲインθから行なう。
Pr1=(θ−1)×Pr0 …(13)
続くステップS37では、基本マスタシリンダ圧Pr0にμ推定マスタシリンダ圧補正量Pr1を加算した補正後マスタシリンダ圧を実現するプライマリピストン位置PP1を、予め設定された、液量液圧特性マップから算出する。なお、この液量液圧特性マップは、横軸にプライマリピストン位置、縦軸にマスタシリンダ圧をとっている。
次に、ステップS32におけるインプットロッド反力差ΔFirの制限(許容インプットロッド変動量Fir_Lmt)を反映したマスタシリンダ圧制限補正量Pr_Lmtの算出について図7のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS39では、ステップS36において算出したμ推定マスタシリンダ圧補正量Pr1を、マスタシリンダ圧制限補正量Pr_Lmtとして一時保存した後、ステップS40に進む。
ステップS40では、マスタシリンダ圧制限補正量Pr_Lmtから微少量γを差し引いた変動制限補正量Pr_Lmt0を算出した後、ステップS41に進む。なお、μ推定マスタシリンダ圧補正量Pr1が負値の場合は微少量γを加算する。
ステップS41では、ステップS40にて算出した変動制限補正量Pr_Lmt0を、補正量として採用した場合に想定される想定プライマリピストン位置PP_Lmtを算出した後、ステップS42に進む。なお、このステップS41における想定プライマリピストン位置PP_Lmtの算出は、ステップS37と同様の液量液圧特性を用いて行なう。
ステップS42では、想定プライマリピストン位置PP_Lmtに補正し場合の補正前後での補正前後インプットロッド反力変動量ΔFir_Lmt0を算出する。ここでまず、ステップS40にて算出した変動制限補正量Pr_Lmt0と、ステップS41にて算出した想定プライマリピストン位置PP_Lmtでの補正後インプットロッド反力Fir_Lmt0を下記式(14)により算出する。
Fir_Lmt0=
(Pr0+Pr_Lmt)×APmc−(PP_Lmt−IR)×Kspr …(14)
そして、この式(14)により演算した補正後インプットロッド反力Fir_Lmt0と、ステップS23にて算出した現在のインプットロッド反力Firとの差である、補正前後インプットロッド反力変動量ΔFir_Lmt0を下記式(15)により算出する。
ΔFir_Lmt0=Fir−Fir_Lmt0 …(15)
ステップS43では、ステップS40〜S42によって算出された補正前後インプットロッド反力変動量ΔFir_Lmt0の絶対値|ΔFir_Lmt0|が、ステップS29にて算出した許容インプットロッド変動量Fir_Lmt未満であるか否か判定する。
そして、|ΔFir_Lmt0|<Fir_Lmtの場合はステップS44に進み、それ以外の場合はステップS45へ進む。
ステップS44では、インプットロッド反力差の制限を反映した変動制限補正量Pr_Lmot0を最終マスタシリンダ圧制限補正量Pf_Lmtとして、1回の処理を終える。
一方、ステップS45では、マスタシリンダ圧制限補正量Pr_Lmtとして、変動制限補正量Pr_Lmt0をセットし、ステップS40に戻る。したがって、再度、マスタシリンダ圧制限補正量Pr_Lmtから微少量γだけ変動させた変動制限補正量Pr_Lmt0に基づく、補正前後インプットロッド反力変動量ΔFir_Lmt0が、許容インプットロッド変動量Fir_Lmt未満であるかの判定を行なう。そして、このマスタシリンダ圧制限補正量Pr_Lmtから微少量γだけ変動させる処理は、補正前後インプットロッド反力変動量ΔFir_Lmt0が許容インプットロッド変動量Fir_Lmt未満となるまで、繰り返される。
(実施の形態1の作用)
次に、実施の形態1の車両用制動制御装置に作動について説明するが、まず、マスタシリンダ圧と摩擦制動トルクとの、実際の特性と制御特性とがずれた場合に、課題が生じる比較例の動作を説明する。
(比較例)
図9および図10は、車輪速(車速Vw)が設定車速Vw0に低下した時点で、回生制動トルクから摩擦制動トルクへすり替えを行った際に、目標摩擦制動トルクと実摩擦制動トルクとが異なった場合を示している。すなわち、車速や温度の影響により実際のP−G特性が、制御用のP−G特性に対して異なる特性となった場合を示している。
この図9に示す比較例のすり替え制御時には、回生制動トルクTrの低下分だけ、摩擦制動トルク(ノミナル摩擦制動トルクTf)を生じさせるべく、マスタシリンダ圧(ノミナルマスタシリンダ圧Pf)を制御している。しかしながら、このマスタシリンダ圧の制御に対し、実際に発生する摩擦制動トルクが、図において一点鎖線や二点鎖線により示すようにずれてしまい、減速度Gが制御目標減速度G00に対して高い減速度G01や低くい減速度G02となる。
このような場合、例えば、実施の形態1を当てはめればマスタシリンダ圧指令補正部230により、フィードバック補正が実行されて、上記の減速度G01,G02を、制御目標減速度G00に近づけるマスタシリンダ圧補正量Pfrが演算される。
図10は、実際の摩擦制動トルクが目標摩擦制動トルクよりも高く変動した場合を示している。
すなわち、図10は、図において実線により示す制御用のP−G特性(ペダルストロークに対する減速度)に対して、点線により示す実際のP−G特性が、減速度が高くなるように変動した場合の動作例を示している。
この場合、フィードバック補正により、マスタシリンダ圧Pmcを、図において実線により示す目標値に対して、点線により示すように低下させる補正が実行される。
そして、このようにドライバがブレーキペダルBPを踏み込んだ状態で、マスタシリンダ圧Pmcを低下させると、インプットロッド反力(Fir)が変動し、踏力が図示のように低下する変動(図において点線により示す踏力変更ありの変動)が生じる。
この場合、ブレーキペダルBPに対する反力(踏力)が変動し、ドライバに違和感を与えるおそれがある。
(実施の形態1の動作)
実施の形態1の車両用制動制御装置は、上述の比較例におけるブレーキペダルBPに対する反力(踏力)変動を抑制し、ドライバに与える踏力変動の違和感を抑制するものであり、以下に、その動作を図11に基づいて説明する。
図11は、上記比較例と同様に実P−G特性が制御P−G特性に対してずれが生じた場合における実施の形態1の動作を示している。
ドライバが制動操作を行って、車輪速(車速Vw)が低下し、設定車速Vw0まで低下したt1の時点から、回生協調制御部200は、すり替え制御を開始し、回生制動トルクTrを、設定された勾配で低下させる。なお、この勾配は、車速や目標減速度Gsなどに応じて設定される。
この回生制動トルクTrの低下が検出されると(C1)、まず、その時点の回生制動トルクTr0を記憶する(C2)。なお、この記憶は、ステップS17→S18の処理に基づく。
次に、その時点のインプットロッド反力Firを算出し(C3)、回生制動トルクTrを0とした時の基本マスタシリンダ圧Pr0を算出する(C4)。なお、これらの算出はステップS23→S24の処理に基づく。
そして、図5のステップS23〜S26の処理によりパッドμ推定に基づくμ推定マスタシリンダ圧補正量Pr1を求め、この補正を加えた回生制動トルクTr=0時のマスタシリンダ圧から、それを実現するプライマリピストン位置PP1を算出する(C5)。
さらに、このプライマリピストン位置PP1に基づいて、すり替え後のインプットロッド反力Fir1を算出し(S27)、このすり替え前後のインプットロッド反力差ΔFir(=Fir−Fir1)を算出する(C6)。
次に、t1の時点で記憶したインプットロッド反力Firに基づいて、その変動が許容される限界値であるインプットロッド反力差制限値±Fir_Lmtを算出する(C7)。そして、インプットロッド反力差ΔFirが、このインプットロッド反力差制限値±Fir_Lmtの範囲内にない場合には、インプットロッド反力差ΔFirが、この範囲内に収まるように制限するマスタシリンダ圧補正量Pfrを算出する(C8)。
すなわち、インプットロッド反力Firを考慮しない場合のμ推定マスタシリンダ圧補正量Pr1では、t2の時点のマスタシリンダ圧Pmcは、Pr0+Pr1相当の値となる。それに対して、(C7)の処理で算出したインプットロッド6の許容インプットロッド変動量Fir_Lmtに基づいて制限したマスタシリンダ圧制限補正量Pr_Lmtを与えたマスタシリンダ圧Pmcは、(C9)に示すように、その変動量が抑えられる。
そして、回生制動トルクTrを0とするt2の時点で、上記(C9)のマスタシリンダ圧Pmcが得られるように、ステップS21の処理に基づいて、時間経過に伴って出力するマスタシリンダ圧指令値Pfsを算出する(C10)。
なお、本実施の形態1では、上記(C9)の処理によりマスタシリンダ圧制限補正量Pr_Lmtを求めるのにあたり、μ推定マスタシリンダ圧補正量Pr1に相当するマスタシリンダ圧制限補正量Pr_Lmtから、所定の微少量γだけ差し引いた変動制限補正量Pr_Lmt0を求める。さらに、基本マスタシリンダ圧Pr0にこの変動制限補正量Pr_Lmt0を与えた際の補正前後インプットロッド反力変動量ΔFir_Lmt0が許容インプットロッド変動量±Fir_Lmtの範囲内に収まるか否か判定する(S43)。そして、この補正前後インプットロッド反力変動量ΔFir_Lmt0が許容インプットロッド変動量±Fir_Lmtの範囲内に収まるまで、変動制限補正量Pr_Lmt0から微少量γの減算した値を変動制限補正量Pr_Lmt0とすることを繰り返す。したがって、この許容インプットロッド変動量±Fir_Lmtの範囲内に収まるぎりぎりの変動制限補正量Pr_Lmt0を求めることができるとともに、補正前後インプットロッド反力変動量ΔFir_Lmt0を確実に許容インプットロッド変動量±Fir_Lmtの範囲内に収めることができる。
以上のように、制動トルクのすり替え制御時に、マスタシリンダ圧Pmcに対する摩擦制動トルクの特性であるP−G特性に変動があっても、回生制動トルクTrの減少開始時のインプットロッド反力Firからの変動量が、設定範囲内に抑えられる。
このため、すり替え制御時に、P−G特性の変動に応じたマスタシリンダ圧補正を行った場合に、ドライバのペダル踏力の変動に対して違和感を与えることを抑えることができる。
次に、実施の形態1の効果を説明する。
実施の形態1の車両用制動制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
1)実施の形態1の車両用制動制御装置は、
ブレーキペダルBPの操作により進退移動する入力部材としてのインプットロッド6と、このインプットロッド6の移動方向に対して相対移動可能に設けたアシスト部材としてのプライマリピストン2bと、このプライマリピストン2bに対してインプットロッド6を両者の相対変位の中立位置に向けて付勢する付勢部材としてのバネ6d,6eと、前記入力部材としてのインプットロッド6の移動量に応じて前記アシスト部材としてのプライマリピストン2bを進退移動させるアクチュエータとしての駆動モータ50と、を備え、前記プライマリピストン2bの推力によりマスタシリンダ2内に倍力されたマスタシリンダ圧Pmcを発生させるブレーキ倍力装置としてのマスタシリンダ圧制御機構5と、
前記マスタシリンダ圧Pmcに応じて車輪に摩擦制動トルクを付与する摩擦制動装置としてのホイルシリンダ4a〜4dと、
前記車輪に回生制動トルクを付与する回生制動装置としてのモータジェネレータMGと、
前記摩擦制動トルクと前記回生制動トルクとを含む総制動トルクがドライバの要求制動トルクとなるように前記摩擦制動トルクと前記回生制動トルクとを制御する回生協調制御を実行する回生協調制御装置としての回生協調制御部200と、
を備え、
前記回生協調制御部200は、
前記回生協調制御において、前記車両の実際の減速度が前記ドライバの要求制動トルクに応じた目標減速度から乖離する場合に前記乖離を狭める方向に前記マスタシリンダ圧Pmcの指令値を補正する際に、前記指令値の補正によって踏力変動量が予め設定された許容値(許容インプットロッド変動量Fir_Lmt)内となるか否か判定し、前記許容値を超える場合には、前記指令値の補正量を減少させるマスタシリンダ圧指令補正制限部231を備えていることを特徴とする。
したがって、マスタシリンダ圧指令補正制限部231は、回生協調制御時に、実際の減速度が目標減速度から乖離したのに応じてマスタシリンダ圧Pmcの補正を行う際に、踏力変動量が許容値を超える補正量の場合には、その補正量を減少させる。
この補正量の減少により、補正によるマスタシリンダ圧Pmcの変化量も減少され、踏力変動を抑制できる。
2)実施の形態1の車両用制動制御装置は、
前記マスタシリンダ圧指令補正制限部231は、前記補正量を減少する際に、予め設定された設定減少量としての微少量γだけ前記補正量(マスタシリンダ圧制限補正量Pr_Lmt)を減少させ、この減少後の前記補正量による前記踏力変動量(補正前後インプットロッド反力変動量ΔFir_Lmt0)を求め、この踏力変動量が前記許容値(許容インプットロッド変動量Fir_Lmt)内となるまで前記設定減少量の減少を繰り返すことを特徴とする。
したがって、この許容インプットロッド変動量±Fir_Lmtの範囲内に収まるぎりぎりの最終マスタシリンダ圧制限補正量Pf_Lmtを求めることができる。そして、補正前後インプットロッド反力変動量ΔFir_Lmt0を確実に許容インプットロッド変動量±Fir_Lmtの範囲内に収めることができ、踏力変動を抑えることができる。
3)実施の形態1の車両用制動制御装置は、
前記マスタシリンダ圧指令補正制限部231は、前記ブレーキペダルBPの操作解除に伴って前記補正量を減少させた最終マスタシリンダ圧制限補正量Pf_Lmtを形成する前記指令値を破棄し、前記マスタシリンダ圧Pmcとして予め設定されたノミナルマスタシリンダ圧Pfに戻すことを特徴とする。
したがって、実P−G特性の変動は、車速や温度などを要因とするパッドμ変化などにより制動操作のたびに生じる。このため、制動操作のたびに、そのときの状況に応じて最終マスタシリンダ圧制限補正量Pf_Lmtを求め、指令値を形成することにより、上記1)の効果を、より確実に得ることができる。
以上、本発明の車両用制動制御装置を実施の形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施の形態では、本発明の車両用制動制御装置を、後輪駆動のハイブリッド車両に適用した例を示した。しかし、本発明の車両用制動制御装置は、回生制動トルクと摩擦制動トルクとのすり替えを行う車両であればどのような車両にも適用できるもので、前輪駆動、全輪駆動の電動車両あるいはハイブリット車両や燃料電池車に適用することができる。
1 ブレーキ装置
2 マスタシリンダ
2b プライマリピストン(アシスト部材)
4a〜4d ホイルシリンダ(摩擦制動装置)
5 マスタシリンダ圧制御機構(ブレーキ倍力装置)
6 インプットロッド(入力部材)
6d バネ(付勢部材)
6e バネ(付勢部材)
50 駆動モータ(アクチュエータ)
102 モータコントローラ(回生協調制御装置)
109 ブレーキコントローラ(回生協調制御装置)
110 統合コントローラ(回生協調制御装置)
200 回生協調制御部(回生協調制御装置)
230 マスタシリンダ圧指令補正部
231 マスタシリンダ圧指令補正制限部
BP ブレーキペダル
Fir_Lmt 許容インプットロッド変動量(許容値)
Gs 目標減速度
MG モータジェネレータ(回生制動装置)
Pf ノミナルマスタシリンダ圧(基本マスタシリンダ圧)
Pf_Lmt 最終マスタシリンダ圧制限補正量
Tf ノミナル摩擦制動トルク
Tr 回生制動トルク
Ts 目標制動トルク(総制動トルク)
γ 微少量(設定減少量)

Claims (3)

  1. ブレーキペダルの操作により進退移動する入力部材と、この入力部材の移動方向に対して相対移動可能に設けたアシスト部材と、このアシスト部材に対して前記入力部材を両者の相対変位の中立位置に向けて付勢する付勢部材と、前記入力部材の移動量に応じて前記アシスト部材を進退移動させるアクチュエータと、を備え、前記アシスト部材の推力によりマスタシリンダ内に倍力されたマスタシリンダ圧を発生させるブレーキ倍力装置と、
    前記マスタシリンダ圧に応じて車輪に摩擦制動トルクを付与する摩擦制動装置と、
    前記車輪に回生制動トルクを付与する回生制動装置と、
    前記摩擦制動トルクと前記回生制動トルクとを含む総制動トルクがドライバの要求制動トルクとなるように前記摩擦制動トルクと前記回生制動トルクとを制御する回生協調制御を実行する回生協調制御装置と、
    を備え、
    前記回生協調制御装置は、
    前記回生協調制御において、前記車両の実際の減速度が前記ドライバの要求制動トルクに応じた目標減速度から乖離する場合に前記乖離を狭める方向に前記マスタシリンダ圧の指令値を補正する際に、前記指令値の補正によって踏力変動量が予め設定された許容値内となるか否か判定し、前記許容値を超える場合には、前記指令値の補正量を減少させるマスタシリンダ圧指令補正制限部を備えていることを特徴とする車両用制動制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用制動制御装置において、
    前記マスタシリンダ圧指令補正制限部は、前記補正量を減少する際に、予め設定された設定減少量だけ前記補正量を減少させ、この減少後の前記補正量による前記踏力変動量を求め、この踏力変動量が前記許容値内となるまで前記設定減少量の減少を繰り返すことを特徴とする車両用制動制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用制動制御装置において、
    前記マスタシリンダ圧指令補正制限部は、前記ブレーキペダルの操作解除に伴って前記補正量を減少させた前記指令値を破棄し、前記マスタシリンダ圧として前記目標減速度に基づいて予め設定された基本マスタシリンダ圧に戻すことを特徴とする車両用制動制御装置。
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