JP2015089097A - 有極型ローパスフィルタおよび分波器 - Google Patents

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Abstract

【課題】より小型化可能な有極型ローパスフィルタを提供すること。
【解決手段】有極型ローパスフィルタ1は、入力端子と出力端子を結ぶ直列腕に接続された少なくともインダクタL2,L3を備え、これらインダクタL2,L3は、積層体3の第一面S1上に実装される巻線型インダクタであって、該巻線型インダクタの各巻回軸A2,A3は略直交する。
【選択図】図3

Description

本発明は、通過帯域近傍に減衰極を有するローパスフィルタ、およびこれを備えた分波器に関する。
従来、この種のローパスフィルタ(以下、LPF(Low Pass Filter)という場合がある)としては、例えば、下記特許文献1に記載のものがある。このLPFは、直列腕と、例えば三つの並列腕とを備えている。この直列腕には、例えば二つの並列共振回路が設けられる。第一並列腕は、LPFの入力端子と、前段の並列共振回路との間に設けられる。また、第二並列腕は、二つの並列共振回路の間に設けられる。第三並列腕は、後段の並列共振回路と、LPFの出力端子との間に設けられる。各並列腕には、コンデンサが一つずつ設けられている。
上記特許文献1には、インダクタやコンデンサの具体的な配置について言及されていない。しかし、LPFに限定せずに、インダクタおよびコンデンサを含むフィルタ(以下、LCフィルタという場合がある)であれば、下記特許文献2には、インダクタおよびコンデンサの配置が詳説されている。このLCフィルタにおいて、誘電体基板内には、複数の内部電極により少なくとも一つのコンデンサ(つまり、内層コンデンサ)が構成される。また、誘電体基板の上面には、二つのチップ型コイルと、二つのコンデンサ(つまり、外付けコンデンサ)が実装される。以上の内蔵コンデンサ、チップ型コイルおよび外付けコンデンサを電気的に接続することで、LCフィルタを得ることができる。ここで、各チップ型コイルは、縦巻きタイプであり、それぞれのコアの軸が誘電体基板の上面に略直交するように実装される。したがって、各チップ型コイルの軸は互いに略平行となっている。ここで、チップ型コイルの一方は誘電体基板のある一角に配置され、その他方は誘電体基板の他の一角に配置され、これによって、両チップ型コイル間の距離を極力大きくとっている。このようにするのは、チップ型コイルの磁気結合の影響を小さくして、LCフィルタの特性を確保するためである。
特開2010−232765号公報 特開平6−176966号公報
しかしながら、特許文献2の配置では、両チップ型コイル間の距離を大きくとる必要があるため、LPFを小型化し難いという問題点があった。
それゆえに、本発明の目的は、より小型化可能な有極型ローパスフィルタおよび分波器を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の第一局面は、有極型ローパスフィルタであって、積層体と、前記積層体の第二面に形成された入力端子、出力端子およびグランド端子と、前記入力端子と前記出力端子を結ぶ直列腕に接続された複数の並列共振回路であって、コンデンサおよびインダクタを含む複数の並列共振回路と、前記直列腕とグランド端子とを結ぶ並列腕に接続されたコンデンサと、を備えている。ここで、前記直列腕に設けられた少なくとも二つのインダクタは、前記積層体の第一面上に実装される巻線型インダクタであって、該巻線型インダクタの各巻回軸は略直交する。
また、本発明の第二局面は、有極型ローパスフィルタであって、積層体と、前記積層体の第二面に形成された入力端子、出力端子およびグランド端子と、前記入力端子と前記出力端子を結ぶ直列腕に接続された少なくとも一つのインダクタと、前記直列腕上であって前記少なくとも一つのインダクタの後段に接続された複数の並列共振回路であって、コンデンサおよびインダクタを含む複数の並列共振回路と、前記直列腕とグランド端子とを結ぶ並列腕に接続されたコンデンサと、を備えている。ここで、前記直列腕に設けられた少なくとも二つのインダクタは、前記積層体の第一面上に実装される巻線型インダクタであって、該巻線型インダクタの各巻回軸は略直交する。
また、本発明の第三局面は、分波器であって、積層体と、前記積層体の第二面に形成された入力端子、第一出力端子および第一グランド端子と、前記積層体において、前記入力端子および前記第一出力端子の間に設けられた有極型ローパスフィルタと、前記積層体の第二面に形成された第二出力端子および第二グランド端子と、前記積層体において、前記入力端子および前記第二出力端子の間に設けられたハイパスフィルタであって、コンデンサとインダクタとを含むハイパスフィルタと、を備えている。ここで、前記有極型ローパスフィルタは、前記入力端子と前記第一出力端子を結ぶ直列腕に接続された複数の並列共振回路であって、コンデンサおよびインダクタを含む複数の並列共振回路と、前記直列腕とグランド端子とを結ぶ並列腕に接続されたコンデンサと、を含んでおり、前記直列腕に設けられた少なくとも二つのインダクタは、前記積層体の第一面上に実装される巻線型インダクタであって、該巻線型インダクタの各巻回軸は略直交する。
また、本発明の第四局面は、分波器であって、積層体と、前記積層体の第二面に形成された入力端子、第一出力端子および第一グランド端子と、前記積層体において、前記入力端子および前記第一出力端子の間に設けられた有極型ローパスフィルタと、前記積層体の第二面に形成された第二出力端子および第二グランド端子と、前記積層体において、前記入力端子および前記第二出力端子の間に設けられたハイパスフィルタであって、コンデンサとインダクタとを含むハイパスフィルタと、を備えている。前記有極型ローパスフィルタは、前記入力端子と前記第一出力端子を結ぶ直列腕に接続された少なくとも一つのインダクタと、前記直列腕に接続された複数の並列共振回路であって、コンデンサおよびインダクタを含む複数の並列共振回路と、前記直列腕と前記第一グランド端子とを結ぶ並列腕に接続されたコンデンサと、を備えている。ここで、前記直列腕に設けられた少なくとも二つのインダクタは、前記積層体の第一面上に実装される巻線型インダクタであって、該巻線型インダクタの各巻回軸は略直交している。
上記各局面によれば、一方の巻線型インダクタで発生した磁束が、他方の巻線型インダクタを貫かないようにすることができる。これによって、巻線型インダクタ同士を近接させても磁気結合を弱めることができるため、LPFや分波器を小型化することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るLPFを備えた分波器の等価回路図である。 図1の分波器の上面図である。 図2Aの積層体の正面図である。 図2Aのインダクタのうち、巻回軸が直交する二つのインダクタを示す斜視図である。 図2Bの第一基材層ないし第五基材層の上面図である。 図2Bの第六基材層ないし第十基材層の上面図である。 図2Bの第十一基材層ないし第十五基材層の上面図である。 図2Bの第十六基材層ないし第十九基材層の上面図である。 図1のLPFの通過帯域特性(0から1.5[GHz]まで)等を示すグラフである。 図1のLPFの通過帯域特性(0から200[MHz]まで)等を示すグラフである。 第1の変形例に係る分波器の上面図である。 第2の変形例に係る分波器の上面図である。
(実施形態)
以下、図1〜図5Bを参照して、一実施形態に係る有極型ローパスフィルタ(以下、単に、LPFという)と、これを備えた分波器について詳説する。
(有極型ローパスフィルタ・分波器の等価回路)
図1において、分波器1は、共通入力端子Pin、積層体3と、LPF5、ハイパスフィルタ(以下、単に、HPFという)7、第一出力端子Pout1、第二出力端子Pout2および複数のグランド端子PGND1〜PGND3と、を備えている。
共通入力端子Pinと、複数のグランド端子PGND1〜PGND3のいずれか一つとの間には、分波器1により分波されるべき周波数多重信号が入力される。この周波数多重信号には、例えば、ケーブルTVで用いられる65MHz帯の信号(以下、低周波信号という)および87MHz帯の信号(以下、高周波信号という)が多重されている。
積層体3は実線枠にて示されている。図1に積層体3を実線枠で示したのは、積層体3に内蔵される素子(つまり、実線枠内に示すインダクタL7以外)と、内蔵されない外付けの素子(つまり、実線枠外に示すインダクタL7)と、を明確に区別するためである。積層体3の詳細な構成については後で説明するので、ここでの説明は控える。
LPF5は、共通入力端子Pinに入力された周波数多重信号のうち低周波信号を通過させ、高周波信号を除去する。そのために、LPF5には、共通入力端子Pinと出力端子Pout1とを結ぶ直列腕に、インダクタL1,L2と、複数の並列共振回路の一例として四つの並列共振回路51〜54と、インダクタL7とが、共通入力端子Pinから出力端子Pout1に向かう信号経路上で、この記載順に接続される。インダクタL7は、積層体3の外部、例えば分波器1が実装される回路基板9(図2Aを参照)上に設けられ、このインダクタL7の一方端は、出力端子Pout1に接続されている。並列共振回路51は、並列に接続されたインダクタL3およびコンデンサC1を含んでいる。同様に、並列共振回路52〜54は、並列接続されたインダクタL4〜L6およびコンデンサC2〜C4を有している。
上記に加え、LPF5は、コンデンサC5〜C8を備えている。コンデンサC5は、インダクタL2および並列共振回路51の間とグランドとの間を結ぶ並列腕に設けられる。コンデンサC6は、並列共振回路51,52の間とグランドとを結ぶ並列腕に、コンデンサC7は、並列共振回路52,53の間とグランドとを結ぶ並列腕に、コンデンサC8は、並列共振回路53,54の間とグランドとを結ぶ並列腕に、設けられる。
インダクタL7の他方端と、グランドとの間には、入力周波数多重信号からLPF5によって分離された低周波信号が現れる。以上のLPF5の通過帯域特性等は、基本的には、インダクタL1〜L7の値やコンデンサC1〜C8の値により定まる。なお、詳細は後述するが、この通過帯域特性等は、図5A,図5Bにおいて実線で示す曲線を参照されたい。
再度図1を参照する。HPF7は、共通入力端子Pinに入力された周波数多重信号のうち高周波信号を通過させて、低周波信号を除去する。そのために、HPF7において、共通入力端子Pinと出力端子Pout2とを結ぶ直列腕に、LPF5と共用のインダクタL1と、コンデンサC9〜C13と、インダクタL12とが、共通入力端子Pinから出力端子Pout2に向かう信号経路上で、この記載順に接続される。
上記に加え、HPF7は、直列共振回路71〜74と、並列共振回路75と、を含んでいる。直列共振回路71は、直列に接続されたインダクタL8およびコンデンサC14を有し、コンデンサC9,C10の間とグランドとの間を結ぶ並列腕に設けられる。直列共振回路72は、直列接続されたインダクタL9およびコンデンサC15を有し、コンデンサC10,C11の間とグランドとの間を結ぶ並列腕に設けられる。直列共振回路73は、直列接続されたインダクタL10およびコンデンサC16を有し、コンデンサC11,C12の間とグランドとの間を結ぶ並列腕に設けられる。直列共振回路74は、直列接続されたインダクタL11およびコンデンサC17を有し、コンデンサC12,C13の間とグランドとの間を結ぶ並列腕に設けられる。また、インダクタL13およびコンデンサC18は、互いに並列に接続されており、並列共振回路75を構成する。この並列共振回路75は、インダクタL12および出力端子Pout2の間と、グランドとの間を結ぶ並列腕に設けられる。ここで、インダクタL12およびコンデンサC18は、HPF7の高周波特性の劣化を抑制するための位相調整回路を構成する。
また、出力端子Pout2と、グランド端子PGND3との間には、入力周波数多重信号からHPF7によって分離された高周波信号が現れる。以上のHPF7の通過帯域特性等は、基本的には、インダクタL1,L8〜L13の値やコンデンサC9〜C18の値により定められる。この通過帯域特性等は、図5A,図5Bにおいて細破線で示される曲線を参照されたい。
(ローパスフィルタ・分波器の構成)
図1の等価回路で表される分波器1は、実際には、図2A〜図4Dに示すように、積層体3に、共通入力端子Pin、LPF5(但し、インダクタL7を除く)、HPF7、出力端子Pout1、出力端子Pout2およびグランド端子PGND1〜PGND3を形成または実装することで実現される。この分波器1は、図2Aに例示するように、回路基板9上に実装されかつ出力端子Pout1とインダクタL7と電気的に接続された状態で、図示しない筐体に収容される。
ここで、以下の説明の便宜のため、図2A〜図4Dに示されるx軸、y軸およびz軸について説明する。x軸、y軸およびz軸は互いに直交する。本実施形態では、x軸は、分波器1の横方向(つまり、左右方向)を、y軸はその奥行き方向(つまり、前後方向)を、z軸はその高さ方向(つまり、上下方向)を示す。また、z軸はさらに、基材層Mの積層方向や、積層体3においてインダクタL2〜L11が実装される第一面S1および第二面S2に対する法線方向を示す。
積層体3は、z軸方向に相対向する第一面(つまり、上面)S1と第二面(つまり、底面)S2とを含む略直方体形状を有しており、複数の基材層をz軸方向に積層したものである。本実施形態では、積層体3は、図2Bに示すように、第一基材層M1ないし第十九基材層M19を、この順番で上から下へと積層したものである。ここで、以下の説明では、各基材層M1〜M19を包括して、基材層Mと記載する場合がある。各基材層Mは、本実施形態では例示的に、LTCC(Low Temperature Co−fired Ceramics)のようなセラミックスからなる。
各基材層Mは、z軸方向からの平面視で、互いに概ね同じ長方形の形状を有する。本実施形態では例示的に、各基材層Mのx軸方向長さは10mmであり、そのy軸方向長さは8mmであるとする。また、各基材層Mのz軸方向厚さの例示は下記の通りである。まず、最上層である基材層M1は上下方向に約200μmの厚さを、その直下の基材層M2は約200μmの厚さを、基材層M10は約300μmの厚さを、基材層M18は約200μmの厚さを有する。上記以外の基材層は、約15μmの厚さを有する。
ここで、図2Aには、分波器1(つまり、基材層M1)の上面図が示される。基材層M1においてz軸の正方向側の面(つまり、積層体3の上面)S1には、インダクタL2〜L5,L8〜L13が実装される。ここで、分波器1が100MHz付近の周波数帯の信号を分波することから、数百nHという相対的に大きなインダクタンス値を有するインダクタが必要となる。そこで、インダクタL2〜L5,L8〜L13は、相対的に大きなインダクタンス値に加え、良好なQ特性を有することが求められる。また、ノイズの影響を低減するため、各インダクタL2〜L5,L8〜L13は、巻線型チップインダクタであることが好ましい。また、分波器1の低背化のためには、各インダクタL2〜L5,L8〜L13は横巻き型チップインダクタであることがより好ましい。以下、各インダクタL2〜L5,L8〜L13の構成について詳説する。
ここで、図3は、図2Aに示すインダクタL2,L3の構成や配置を示す斜視図である。図3において、インダクタL2は、コア21と、導線22と、二つの外部電極E23,E24と、を備えている。コア21は面S1と略平行に延在している。導線22は、コア21の周囲に螺旋状に巻回される。具体的には、面S1と略平行な巻回軸A2を中心に旋回しつつ、コア21の一方端から他方端の方向に進行するような螺旋を形成するように、導線22はコア21の周面上に巻回される。外部電極E23,E24は、コア21の一方端および他方端に設けられる。この外部電極E23,E24には、導線22の一方端および他方端が結合されている。かかる外部電極E23,E24を用いて、インダクタL2は、面S1上で対応するランド電極に実装される。
また、インダクタL3は、インダクタL2と比較するとインダクタンス値が異なる点で相違し、コア31と、導線32と、外部電極E33,E34と、を備えている。コア31および外部電極E33,E34は、コア21および外部電極E23,E24と比較すると、サイズが異なる点で相違し、導線32は、導線22と比較すると、巻き数および/または線径等が異なる点で相違する。このようなインダクタL3は、巻回軸A3が巻回軸A2と略直交するように、面S1上に設けられた対応するランド電極に実装される。
再度図2Aを参照する。インダクタL4,L5もまた、要求仕様に応じたインダクタンス値やサイズを有する横巻き型チップインダクタンスである。ただし、インダクタL4の巻回軸とインダクタL5の巻回軸とは平行である。更に、インダクタL4の巻回軸は、インダクタL3の巻回軸と直交している。
ところで、LPF5は、図5A,図5Bにおいて細破線で示される曲線の通過特性を有するために、以下に説明する構成を有している。より詳細には、図1に示す並列共振回路52の共振周波数は、並列共振回路51〜54の共振周波数の中で最も低い。そのため、図5Bに示すように、並列共振回路52は、減衰極P1を形成している。また、並列共振回路51の共振周波数は、並列共振回路51〜54の共振周波数の中で二番目に低い。そのため、図5Bに示すように、並列共振回路51は、減衰極P2を形成している。並列共振回路53の共振周波数は、並列共振回路51〜54の共振周波数の中で三番目に低い。そのため、図5Bに示すように、並列共振回路53は、減衰極P3を形成している。
以上より、最も低い共振周波数を有する並列共振回路52に含まれるインダクタL4の巻回軸と、二番目に低い共振周波数を有する並列共振回路51に含まれるインダクタL3の巻回軸とは、略直交している。更に、最も低い共振周波数を有する並列共振回路52に含まれるインダクタL4の巻回軸と、三番目に低い共振周波数を有する並列共振回路53に含まれるインダクタL5の巻回軸とは、略平行である。
他のインダクタL8〜L13もまた、要求仕様に応じたインダクタンス値やサイズを有する横巻き型チップインダクタンスである。
また、本実施形態では、インダクタL8,L9は、インダクタL2,L3と同様に、両インダクタL8,L9の巻回軸が略直交するように、面S1上に実装される。インダクタL4,L5,L10,L11は、それぞれの巻回軸が巻回軸A2等と略平行となるように実装される。インダクタL12,L3は、それぞれの巻回軸が巻回軸A3と略平行となるように、面S1上に実装される。
また、分波器1の完成品を回路基板9に表面実装するために、表面実装機(図示せず)が用いられる。この表面実装機は、供給装置(図示せず)から供給された分波器1の完成品を、自身に備わるノズルにより吸着し、吸着した分波器1を回路基板9上の定められた位置に実装する。そのために、積層体3の面S1の略中央部分、より具体的には面S1の対角線同士の交差点近傍には、直径が200μm程度の吸着エリアAが規定されている。なお、図2A中、吸着エリアAは、仮想的な点線の円で囲まれたエリアである。インダクタL2〜L5,L8〜L13は、予め規定されている吸着エリアAの内部には実装されずに、吸着エリアA外に実装される。
また、分波器1の回路基板9への実装精度を高めるために、面S1の所定位置、例えば面S1上のx軸正方向端部に、認識マークIが描かれている。表面実装機は、供給装置により供給された分波器1をカメラで撮影して、撮影画像に写っている認識マークIを基準として、ノズルによる吸着位置を正確に決定する。
次に、図4A〜図4Dを参照して、積層体3の内部または表面に設けられたLPF5の構成要素について説明する。図4A〜図4Dでは、LPF5の構成要素を区別するために、各基材層Mのy軸正方向側には一点鎖線で仮想的な枠αが示され、この枠α内にLPF5の構成要素が示されている。また、枠αに対しy軸の負方向側には二点鎖線で仮想的な枠βが示されている。この枠β内にはHPF7の構成要素が示されている。
まず、図4A最上段右側には、その左側に示すインダクタL2〜L5,L8〜L13の実装のために面S1に形成された二個一対のランド電極(ハッチングを付けた部分を参照)が示される。各ランド電極は、例えば銅のような導電性材料で形成される。
次に、共通入力端子Pinは、図4Dに明示されるように、基材層M19においてz軸の負方向側(要するに、基材層M19の背面側)にある第二面S2に形成される。より具体的には、面S2におけるx軸の負方向側であって、かつy軸方向の略中央の部分に、共通入力端子Pinが形成される。この共通入力端子Pinは、基材層M17〜M19を貫通するビア導体を介して、インダクタL1の一方端と接続される。各ビア導体は、例えば銅のような導電性材料からなる。また、各ビア導体は、対応する基材層Mをz軸方向に貫通する孔内に形成されており、異なる基材層Mに形成される導体と接合する。なお、ビア導体は、図4A〜図4Dでは、”・”(点)で示されるが、図の見易さの観点から、各ビア導体には参照符号を付けていない。
インダクタL1は、インダクタL2等と比較して小さなインダクタンス値を有していればよいため、積層体3の内部に形成されている。より具体的には、インダクタL1は、図4C,図4Dに明示されるように、基材層M14〜M17の上面に一つずつ形成された線状パターン導体と、これらを直列に接続するビア導体と、を含んでおり、z軸に平行な巻回軸の周りを旋回しつつ、z軸方向に進行するような螺旋形状を有するヘリカルコイルである。このインダクタL1の他方端は、ビア導体等を介して、インダクタL2の外部電極E23と、HPF7を構成するコンデンサC9(後述)とに電気的に接続される。
また、インダクタL2の外部電極E24は、ビア導体等を介して、コンデンサC5に電気的に接続される。ここで、コンデンサC5は、図4C,図4Dに明示されるように、基材層M13,M15,M17の上面に一つずつ形成された平面状パターン導体を含んでいる。より具体的には、これら基材層M13,M15,M17上の平面状パターン導体は、この順番で、いくつかのビア導体を介してインダクタL2の外部電極E24と接続されると共に、グランド導体G1〜G3のいずれか一つまたは二つとz軸方向に対向している。また、グランド導体G1,G2,G3は、詳細は後述するが、基材層M14,M16,M18の上面に形成されており、後述のグランド端子PGND1,PGND2と電気的に接続される。
インダクタL3の外部電極E34は、インダクタL2の外部電極E24等と、ビア導体等を介して電気的に接続される。また、コンデンサC1は、ビア導体等を用いて、インダクタL3と並列接続されるように、積層体3の内部に形成される。本実施形態では、コンデンサC1は、図4A,図4Bに明示されるように、基材層M3〜M8のそれぞれの上面に一つずつ形成された平面状パターン導体を含んでいる。より具体的には、これら基材層M3〜M8のうち、z軸方向に隣り合う二つの基材層(例えば、基材層M3,M4)に形成された二つの平面状パターン導体が、一つの基材層を介在した状態でz軸方向に対向する。また、基材層M4,M6,M8に形成された平面状パターン導体は、この順番でビア導体を介して接続されると共に、外部電極E24,E34等と電気的に接続される。また、基材層M3,M5,M7に形成された平面状パターン導体は、この順番でビア導体を介して接続されると共に、インダクタL3の外部電極E33等と電気的に接続される。
また、インダクタL3の外部電極E33はさらに、コンデンサC6とビア導体等を介して電気的に接続される。ここで、コンデンサC6は、図4C,図4Dに明示するように、基材層M15,M17に一つずつ形成された平面状パターン導体を含んでいる。これら平面状パターン導体は、基材層M3,M5,M7等に形成されたコンデンサC1,C2の平面状パターン導体とビア導体を介して電気的に接続されている。また、基材層M15の平面状パターン導体はグランド導体G1,G2と、基材層M17の平面状パターン導体はグランド導体G2,G3と、z軸方向に対向し、これによって、コンデンサC6を形成している。
また、インダクタL4の外部電極E43は、ビア導体等を介してインダクタL3の外部電極E33と電気的に接続される。また、インダクタL4と並列接続されるように、コンデンサC2はビア導体等を用いて積層体3の内部に形成される。本実施形態では、コンデンサC2は、図4A,図4Bに明示されるように、基材層M3〜M7のそれぞれの上面に一つずつ形成された平面状パターン導体を含んでいる。より具体的には、基材層M3〜M7のうち、z軸方向に隣り合う二つの基材層の平面状パターン導体は、一つの基材層を介してz軸方向に対向する。また、基材層M3,M5,M7の平面状パターン導体は、この順番で複数のビア導体により電気的に接続されると共に、外部電極E43等と電気的に接続される。また、基材層M4,M6の平面状パターン導体は、複数のビア導体を介して、外部電極E44等と電気的に接続される。
また、インダクタL4の外部電極E44はさらに、ビア導体等を介して、コンデンサC7の一方端と接続される。ここで、コンデンサC7は、図4C,図4Dに明示するように、基材層M15,M17の上面に一つずつ形成された平面状パターン導体を含んでいる。具体的には、基材層M15の平面状パターン導体はグランド導体G1,G2と、また、基材層M17の平面状パターン導体はグランド導体G2,G3と、z軸方向に対向する。また、これら平面状パターン導体は複数のビア導体により、外部電極E44等と電気的に接続される。
また、インダクタL5の外部電極E53は、ビア導体等を介して、インダクタL4の外部電極E44と接続される。また、コンデンサC3は、複数のビア導体等を用いてインダクタL5と並列接続されるように、積層体3の内部に形成される。本実施形態では、コンデンサC3は、図4A,図4Bに明示されるように、基材層M3〜M8のそれぞれの上面に一つずつ形成された平面状パターン導体を含んでいる。より具体的には、これら基材層M3〜M8のうち、z軸方向に隣り合う二つの基材層(例えば、基材層M3,M4)に形成された二つの平面状パターン導体が、一つの基材層を介在した状態でz軸方向に対向する。また、基材層M3,M5,M7に形成された平面状パターン導体は、この記載順に複数のビア導体により接続されるとともに、外部電極E53と電気的に接続される。また、基材層M4,M6,M8に形成された平面状パターン導体は、この記載順に複数のビア導体により接続されるとともに、外部電極E54と電気的に接続される。
また、インダクタL5の外部電極E54は、複数のビア導体等を介して、コンデンサC8の一方端と接続される。コンデンサC8は、図4C,図4Dに明示されるように、基材層M13,M15,M17の上面に一つずつ形成された平面状パターン導体を含んでいる。これら平面状パターン導体は、グランド導体G1〜G3のいずれか一つまたは二つとz軸方向に対向する。また、基材層M13,M15,M17の平面状パターン導体は、この記載順に複数のビア導体により接続されるとともに、インダクタL5の外部電極E54等と電気的に接続される。
また、上記外部電極E54はさらに、ビア導体等を介して、インダクタL6の一方端とも接続される。インダクタL6は、インダクタL2等と比較して小さなインダクタンス値で足りるため、積層体3内に形成されている。このようなインダクタL6は、図4Aの上から二段目において仮想的な点線楕円で囲まれた部分であって、基材層M2の上面に形成された線状導体パターンである。このインダクタL6の他方端は、複数のビア導体等を介して出力端子Pout1等と電気的に接続される。なお、基材層M2の上面には、インダクタL6に加え、基材層M2の上面には、面S1に実装されたインダクタL2〜L5,L8〜L13と、積層体3内に設けられるインダクタL1,L6やコンデンサC1〜C18等とを接続するために、いくつかの配線導体が形成されている。
また、上記インダクタL6と並列接続されるように、コンデンサC4が積層体3の内部に形成される。より具体的には、コンデンサC4は、図4A,図4Bに明示されるように、基材層M3〜M9のそれぞれの上面に一つずつ形成された平面状パターン導体を含んでいる。より具体的には、これら基材層M3〜M9のうちz軸方向に隣り合う基材層に形成された二つの平面状パターン導体が基材層を介してz軸方向に対向する。また、基材層M3,M5,M7,M9の平面状パターン導体は、この記載順にビア導体により接続されると共に、インダクタL6の一方端等と電気的に接続される。また、基材層M4,M6,M8に形成された平面状パターン導体は、この記載順に複数のビア導体により接続されると共に、インダクタL6の他方端等と電気的に接続される。
上記の通り、グランド導体G1,G2,G3は、図4C,図4Dに明示するように、基材層M14,M16,M18の上面に形成された平面状パターン導体である。グランド導体G1は単体で、基材層M13,M15のいずれかに形成されたコンデンサC5〜C8の平面状パターン導体とz軸方向に対向するとともに、x軸方向に延在している。また、グランド導体G2,G3もまた、グランド導体G1と同様に、z軸方向に隣り合う基材層Mに形成されたコンデンサC5〜C8のパターン導体とz軸方向に対向するとともに、x軸方向に延在している。
また、グランド導体G1,G2,G3は、この記載順にビア導体を介してz軸方向に並ぶように接続されている。本実施形態では、基材層M14においてグランド導体G1の直下であってx軸方向位置が相違する四か所には合計五個のビア導体が設けられている。また、基材層M16,M18には、基材層M14のビア導***置とxy平面上で同じ位置に五個のビア導体が設けられている。また、グランド導体G3は、基材層M18,M19におけるx軸方向両端に設けられたビア導体を介して、積層体3の面S2においてx軸方向両端に設けられたグランド端子PGND1,PGND2と接続されている。以上のように、x軸方向に多くのビア導体を設けることで、グランド導体G1〜G3上の電流がx軸方向に流れることを低減している。その結果、グランド導体G1〜G3では、z軸方向の電流経路が支配的となり、電流経路長が短縮化される。これによって、グランド導体G1〜G3でのインダクタンス成分の発生を抑制している。
出力端子Pout1は、基材層M19の面S2に形成されている。より具体的には、この面S2において、y軸方向の正方向側端部であって、かつx軸方向の略中央の部分に形成される。この出力端子Pout1は、インダクタL6を構成する線状パターン導体(図4Aを参照)の他方端と、複数のビア導体を介して接続される。また、面S2において、出力端子Pout1を挟んでx軸の正方向側および負方向側には、二つのグランド端子PGND1,PGND2が形成される。なお、上記の通り、この出力端子Pout1には、外付けのインダクタL7が接続される。
次に、積層体3に設けられたHPF7の構成要素について、図1および図4A〜図4Dを参照して詳説する。上述したように、インダクタL1にはコンデンサC9が接続されている。コンデンサC9は、図4A,図4Bに明示されるように、各基材層M3〜M10の上面に一つずつ形成された平面状パターン導体を含んでいる。より具体的には、これら基材層M3〜M10のうちz軸方向に隣り合う二つの基材層のパターン導体は、一つの基材層を介してz軸方向に対向する。また、基材層M3,M5,M7,M9の平面状パターン導体は、この順番にビア導体により接続される共に、インダクタL8の外部電極E83と電気的に接続される。また、基材層M4,M6,M8,M10の平面状パターン導体は、この順番で複数のビア導体により接続されると共に、外部電極E23等と接続される。
また、インダクタL8の外部電極84は、コンデンサC14を構成する各平面状パターン導体と、ビア導体等を介して接続される。コンデンサC14は、基材層M13,M15,M17の上面に一つずつ形成された平面状パターン導体を含んでいる。基材層M13,M15,M17の平面状パターン導体は、グランド導体G5〜G7のいずれか一つまたは二つとz軸方向に対向する。また、これら三つの平面状パターン導体は、この記載順にビア導体により接続されると共に、外部電極E84と接続される。ここで、上記インダクタL8とコンデンサC14とは直列共振回路71を構成する。
また、コンデンサC10は、コンデンサC9の他方端と接続される。本実施形態では、コンデンサC10は、基材層M3〜M9のそれぞれの上面に一つずつ形成されたパターン導体を含んでいる。より具体的には、これら基材層M3〜M9のうちz軸方向に隣り合う二つの基材層のパターン導体は、一つの基材層を介してz軸方向に対向する。また、基材層M3,M5,M7,M9の平面状パターン導体は、この順番にビア導体により接続される共に、コンデンサC9を構成する基材層M3,M5,M7,M9の平面状パターン導体と、外部電極E83等とに電気的に接続される。また、基材層M4,M6,M8の平面状パターン導体は、この順番で複数のビア導体により接続されると共に、外部電極E93等と接続される。
インダクタL9の外部電極E94は、複数のビア導体等を介して、コンデンサC15と接続される。このインダクタL9とコンデンサC15とにより直列共振回路72が構成される。コンデンサC15は、基材層M11,M13,M15,M17に一つずつ形成された平面状パターン導体からなる。これら平面状パターン導体は、基材層M12,M14,M16,M18のいずれかに形成されたグランド導体G4,G5,G6,G7とz軸方向に対向する。また、五つの平面状パターン導体は、複数のビア導体により接続されると共に、外部電極E94と電気的に接続される。
コンデンサC11はコンデンサC10等と電気的に接続される。本実施形態では、コンデンサC11は、基材層M3〜M9のそれぞれの上面に一つずつ形成されたパターン導体を含んでいる。より具体的には、これら基材層M3〜M9のうちz軸方向に隣り合う二つの基材層のパターン導体は、一つの基材層を介してz軸方向に対向する。また、基材層M3,M5,M7,M9の平面状パターン導体は、この順番にビア導体により接続される共に、次段のコンデンサC12を構成する基材層M3,M5,M7,M9の平面状パターン導体と、外部電極E103等とに電気的に接続される。また、基材層M4,M6,M8の平面状パターン導体は、この順番で複数のビア導体により接続されると共に、前段のコンデンサC10を構成する基材層M4,M6,M8の平面状パターン導体と、外部電極E93等とに電気的に接続される。
インダクタL10の外部電極E104は、ビア導体等を介してコンデンサC16と直列に接続される。このインダクタL10とコンデンサC16とにより直列共振回路73が構成される。コンデンサC16は、基材層M11,M13,M15,M17に一つずつ形成された平面状パターン導体を含んでいる。これら平面状パターン導体は、グランド導体G4,G5,G6,G7のいずれか一つまたは二つとz軸方向に対向する。また、これら平面状パターン導体は、複数のビア導体により直列に接続されると共に、外部電極E104と電気的に接続される。
コンデンサC12は、上記コンデンサC11およびインダクタL10等と電気的に接続されている。本実施形態では、コンデンサC12は、基材層M3〜M9のそれぞれの上面に一つずつ形成されたパターン導体を含んでいる。より具体的には、これら基材層M3〜M9のうちz軸方向に隣り合う二つの基材層のパターン導体は、一つの基材層を介してz軸方向に対向する。また、基材層M3,M5,M7,M9の平面状パターン導体は、この順番にビア導体により接続される共に、コンデンサC11を構成する基材層M3,M5,M7,M9の平面状パターン導体と、外部電極E103等とに電気的に接続される。また、基材層M4,M6,M8の平面状パターン導体は、この順番で複数のビア導体により接続されると共に、次段のコンデンサC13を構成する基材層M4,M6,M8の平面状パターン導体と、外部電極E113等とに電気的に接続される。
インダクタL11の外部電極E113は、ビア導体等を介して、上記コンデンサC12等と接続されている。また、このインダクタL11の外部電極E114は、ビア導体等を介してコンデンサC17と電気的に接続されている。このインダクタL11とコンデンサC17とにより直列共振回路74が構成される。コンデンサC17は、基材層M11,M13,M15,M17に一つずつ形成された平面状パターン導体を含んでいる。これら平面状パターン導体は、グランド導体G4,G5,G6,G7のいずれか一つまたは二つとz軸方向に対向する。また、これら平面状パターン導体は、複数のビア導体により直列に接続されると共に、外部電極E114と電気的に接続される。
コンデンサC13は、上記コンデンサC12およびインダクタL11等と電気的に接続されている。本実施形態では、コンデンサC13は、基材層M3〜M9のそれぞれの上面に一つずつ形成されたパターン導体を含んでいる。より具体的には、これら基材層M3〜M9のうちz軸方向に隣り合う二つの基材層のパターン導体は、一つの基材層を介してz軸方向に対向する。また、基材層M3,M5,M7,M9の平面状パターン導体は、この順番にビア導体により接続される共に、インダクタL12の外部電極123等に電気的に接続される。また、基材層M4,M6,M8の平面状パターン導体は、この順番で複数のビア導体により接続されると共に、コンデンサC12を構成する基材層M4,M6,M8の平面状パターン導体と、外部電極E113等とに電気的に接続される。
インダクタL12の外部電極E124は、ビア導体等を介して、後段のインダクタL13およびコンデンサC18と、出力端子Pout2とに電気的に接続されている。このインダクタL13とコンデンサC18とにより並列共振回路75が構成される。コンデンサC18は、図4A,図4Bに明示されるように、基材層M4〜M6に一つずつ形成された平面状パターン導体を含んでいる。基材層M5の平面状パターン導体は、基材層M4,M6の平面状パターン導体とz軸方向に対向する。また、基材層M4,M6の平面状パターン導体は、複数のビア導体により接続されると共に、配線導体等を介して出力端子Pout2と電気的に接続される。また、基材層M5の平面状パターン導体は、複数のビア等を介してグランド端子PGND3と電気的に接続される。
インダクタL13は、コンデンサC18と並列接続される。具体的には、インダクタL13の外部電極E133は、コンデンサC18を構成する平面状パターン導体であって基材層M4,M6の平面状パターン導体と電気的に接続される。また、インダクタL13の外部電極134は、複数のビア導体と、基材層M5に形成されたコンデンサC18の平面状パターン導体とを介してグランド端子PGND3と電気的に接続される。
上記の通り、グランド導体G4,G5,G6,G7は、図4C,図4Dに明示するように、基材層M12,M14,M16,M18の上面に形成された平面状パターン導体である。グランド導体G4は単体で、上記の通り、基材層M11,M13のいずれかに形成されたコンデンサC15〜C17の平面状パターン導体とz軸方向に対向するように形成されている。また、他のグランド導体G5〜G7もまた、z軸方向に隣り合う基材層Mに形成されたコンデンサC14〜C17のパターン導体とz軸方向に対向するように形成されている。また、グランド導体G5〜G7は、この記載順にビア導体を介してz軸方向に直列になるよう接続されるとともに、x軸方向両端のビア導体を介してグランド端子PGND3と電気的に接続されている。
出力端子Pout2は、基材層M19の面S2に形成されている。より具体的には、この面S2において、y軸方向の負方向側端部であって、かつx軸方向の略中央の部分に形成される。この出力端子Pout2は、インダクタL12の外部電極E124等と、複数のビア導体等を介して接続される。また、面S2において、出力端子Pout2を挟んでx軸の正方向側および負方向側には、二つのグランド端子PGND3が形成される。また、面S2において、x軸の正方向側端部であって、y軸方向の略中央の部分には、別のグランド端子PGND3が形成されている。
(ローパスフィルタ・分波器の製造方法)
次に、上記分波器1の製造方法について説明する。まず、積層体3が作製される。より詳細には、Al23とCeO3とBa2Ti412とCa−Al−B−Si系ガラス粉末と
を原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、セラミック粉末を得る。なお、積層体を構成する誘電体材料については特に限定されず、合成樹脂または誘電体セラミックスなどを用いることも可能である。
所望のセラミック粉末に対して結合剤と可塑剤、湿潤材、分散剤を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行う。得られたセラミックスラリーをドクターブレード法により、シート状に形成して乾燥させ、各基材層Mとなるべきセラミックグリーンシートを得る。
次に、各セラミックグリーンシートには、レーザや打ち抜きプレスを利用して、ビア導体用のスルーホールが形成され、これらスルーホール内に、例えば銅等を主成分とする金属からなる電極ペーストが充填される。このようなセラミックグリーンシートは、所望枚数(本実施形態では基材層M1〜M19の十九枚)積層される。
次に、各セラミックグリーンシートの一方の主面上には、銅等の金属を主成分とするとする導電性ペーストがスクリーン印刷法やフォトリソグラフィ法などの方法で塗布されることにより、各種電極、各種パターン導体が形成される。
次に、セラミックグリーンシートの積層体はまとめて加圧接着された後、焼成される。その後、インダクタL2〜L13が積層体3の上面に実装される。その後、個々の積層体3のサイズにダイシングされ、分波器1が完成する。
(ローパスフィルタ・分波器の主な作用・効果)
上記の通り、グランド導体G1〜G3ではz軸方向の電流経路が支配的となると共に、グランド導体G1〜G3とグランド端子PGND1〜PGND3とのz軸方向距離を極力縮めているため、電流経路長が短縮化される。これによって、グランド導体G1〜G3でのインダクタンス成分の発生を抑制している。また、基材層M10が約300μmの厚さを有するため、コンデンサC1〜C4のいずれかとグランド導体G1との間に浮遊容量が発生することを抑制している。これによって、グランド導体G1〜G3での電位変動を抑えることが可能となり、その結果、図5A,図5Bにて実線で示すLPF5の通過帯域の近傍に現れる減衰極で十分な減衰量(例えば、−70dB以下)を得ることが出来る。なお、同様の技術的効果は、HPF7にも当てはまる。
また、LPF5の通過帯域特性において減衰極からの跳ね返りはインダクタL2,L3の磁気結合の度合いに起因する。具体的には、磁気結合が強い程、跳ね返りが大きくなる。そこで、分波器1またはLPF5において、入力端子Pinから出力端子Pout1に至る直列腕上にはインダクタL1〜L6が設けられる。このうち、インダクタL2〜L6は積層体3の面S1に実装される。かかるインダクタL2〜L6のうち、入力周波数多重信号の信号経路上で、入力端子Pinに最も近いインダクタL2の巻回軸A2と、その次に近いインダクタL3の巻回軸A3とが互いに略直交する(図3を参照)。その結果、インダクタL2,L3の一方で発生した磁束が、他方のインダクタの全てのターン(つまり、巻き始めのターンから巻き終わりのターンまで)を貫かないようにすることができ、インダクタL2,L3間の磁気結合を弱めることが可能となる。その結果、インダクタL2,L3同士を近接させても、減衰極に起因する跳ね返りを抑えることが可能となり、図5A,図5Bに例示するように、約90MHzに現れる減衰極よりも高周波数側の広帯域で十分な減衰量を確保している。同様の技術的効果はHPF7でも当てはまる。
また、上記の通り、本実施形態では、インダクタL7は積層体3の外部に設けられる。積層体3にはサイズ面で制約がある場合があり、それゆえ、積層体3に実装される素子数に限界がある場合がある。かかる素子数の制限により、LPF5の特性(例えば、通過帯域特性、通過帯域近傍の減衰極の周波数位置および減衰量)が要求仕様を満たさない場合がある。本実施形態では、外付けのインダクタL7により素子数を補い、これによって、LPF5の特性改善を図っている。具体的には、LPF5の特性は、概ね、インダクタL1〜L7の値やコンデンサC1〜C8の値により定まるが、外付けインダクタL7により、減衰極の周波数位置および減衰量等を調整している。
また、分波器1またはLPF5によれば、図2に示すように、面S1上の予め定められた部分(本実施形態では、中央部分)に表面実装機の吸着エリアAが設けられ、面S1上の予め定められた部分(本実施形態では、x軸正方向端部)には認識マークIが描かれている。この吸着エリアAおよび認識マークIの組み合わせにより、表面実装機が吸着位置を正確に決定することができる。これに加えて、面S1上に吸着エリアAを設けることで、インダクタL2〜L13を樹脂等で封止する必要が無くなるため、分波器1またはLPF5を低背化することが可能となる。
また、分波器1またはLPF5によれば、減衰極P1,P2における減衰量を大きくすることができる。より詳細には、減衰極P1,P2はそれぞれ、図1に示す並列共振回路52,51により形成されている。そして、並列共振回路52に含まれるインダクタL4と並列共振回路51に含まれるインダクタL3との磁気結合が強くなると、減衰極P1,P2における減衰量が小さくなる。そこで、分波器1またはLPF5によれば、最も低い共振周波数を有する並列共振回路52に含まれるインダクタL4の巻回軸と、二番目に低い共振周波数を有する並列共振回路51に含まれるインダクタL3の巻回軸とは、略直交している。これにより、インダクタL3とインダクタL4との磁気結合を弱くすることができる。その結果、減衰極P1,P2における減衰量が大きくなる。
また、分波器1またはLPF5によれば、減衰極P2と減衰極P3との間における通過帯域特性の跳ね上がりを抑制できる。より詳細には、減衰極P3は、並列共振回路53により形成されている。そして、並列共振回路53に含まれるインダクタL5と並列共振回路52に含まれるインダクタL4との磁気結合が弱くなると、減衰極P2と減衰極P3との間における通過帯域特性が跳ね上がる。そこで、分波器1またはLPF5によれば、最も低い共振周波数を有する並列共振回路52に含まれるインダクタL4の巻回軸と、三番目に低い共振周波数を有する並列共振回路53に含まれるインダクタL5の巻回軸とは、略平行である。これにより、インダクタL4とインダクタL5との磁気結合を強くすることができる。その結果、減衰極P2と減衰極P3との間における通過帯域特性の跳ね上がりが抑制される。
(ローパスフィルタ・分波器の他の作用・効果)
インダクタL2〜L13は、巻線型チップインダクタであって、基材層M1(つまり、積層体3)の面S1に実装されている。巻線型チップインダクタは、積層体3内にパターン導体で構成されるインダクタと比較すると、L値およびQ値を大きくし易い。これにより、LPF5、ひいては分波器1のQ値を高めることが可能となる。また、インダクタL2〜L13は表面実装型であるため、積層体3へ簡単に実装可能である。
また、共通入力端子Pinの直後であって、LPF5およびHPF7の直列腕にインダクタL1が挿入されている。これにより、LPF5およびHPF7それぞれのインピーダンスが大きくなる。その結果、分波器1のリターンロスを抑制することが可能となる。特に、HPF7における通過帯域でのリターンロスを抑制することが可能となる。
また、上記分波器1によれば、積層体3には、少なくともコンデンサC1〜C18が設けられる。これにより、不所望な浮遊容量が発生して、高周波特性を劣化させる場合がある。そこで、本実施形態では、HPF7において出力端子Pout2の直前には、インダクタL12と、コンデンサC18およびインダクタL13とを含む位相調整回路を挿入して、高周波特性の劣化を抑制すると共に、HPF7の通過帯域を広げつつ出力インピーダンスを合わせることが可能となる。
また、上記分波器1によれば、例えば、LPF5側の第一グランド導体G1と、HPF7側の第二グランド導体G5とは、同一基材層M14(図4Cを参照)に形成されてはいるが、互いに分離して設けられている。ここで、もしLPF5およびHPF7がグランド導体を共用すると、LPF5およびHPF7に相互に干渉しあってしまう。このような干渉を避けるため、LPF5側の第一グランド導体G1〜G3と、HPF7側の第二グランド導体G4〜G7とは、互いに分離して設けられている。
また、上記説明および図4A〜図4Dから明らかなように、グランド導体G1〜G3は、コンデンサC1〜C4を基準として、積層体3の面S2に形成されたグランド端子PGND1〜PGND3に近接して設けられる。この構成により、グランド導体G1〜G3とグランド端子PGND1〜PGND3との間の距離を小さくできるため、余分なインダクタンス成分の発生を抑えることが可能となる。
(第1の変形例)
以下に、第1の変形例に係る分波器1a及びLPF5aについて図6を参照しながら説明する。
分波器1a及びLPF5aは、コンデンサC1がチップ型コンデンサである点において分波器1及びLPF5と相違する。より詳細には、コンデンサC1は、基材層M1においてz軸方向の正方向側の面(つまり、積層体3の上面)S1に実装される。更に、コンデンサC1は、巻回軸が互いに直交する二つのインダクタL3とインダクタL4との間に配置されている。
以上のような分波器1a又はLPF5aによれば、インダクタL3とインダクタL4とが磁気結合することがより効果的に抑制される。更に、コンデンサC1の一方の電極はグランドに接続されている。よって、コンデンサC1がインダクタL3とインダクタL4との間に配置されることにより、インダクタL3とインダクタL4とが電界結合することが抑制される。
なお、分波器1a及びLPF5aにおいて、コンデンサC2〜C4,C14〜C18がチップ型コンデンサにより構成されていてもよい。この場合、コンデンサC1ではなく、コンデンサC2〜C4,C14〜C18のいずれかがインダクタL3とインダクタL4との間に配置されてもよい。
(第2の変形例)
以下に、第2の変形例に係る分波器1b及びLPF5bについて図7を参照しながら説明する。
分波器1b及びLPF5bは、コンデンサC1〜C3がチップ型コンデンサである点において分波器1及びLPF5と相違する。より詳細には、コンデンサC1〜C3は、基材層M1においてz軸方向の正方向側の面(つまり、積層体3の上面)S1に実装される。更に、コンデンサC1〜C3は、ローパスフィルタLPFの並列共振回路51〜54に含まれるインダクタL3〜L5とハイパスフィルタHPFの直列共振回路71〜74に含まれるインダクタL8〜L11との間に配置されている。
以上のような分波器1b又はLPF5bによれば、インダクタL3〜L5とインダクタL8〜L11とが磁気結合することがより効果的に抑制される。
なお、分波器1b及びLPF5bにおいて、コンデンサC4,C14〜C18がチップ型コンデンサにより構成されていてもよい。この場合、コンデンサC1〜C3ではなく、コンデンサC4,C14〜C18のいずれかがインダクタL3〜L5とインダクタL8〜L11との間に配置されてもよい。
なお、インダクタL3〜L5とインダクタL8〜L11との間に配置されるインダクタの数は、3つに限らず、1つ又は2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
(付記1)
なお、図3に示す通り、インダクタL2には外部電極E23から外部電極E24に向けて信号が伝送され、インダクタL3には外部電極E33から外部電極E34に向けて信号が伝送される。しかし、これに限らず、インダクタL2,L3のいずれかを面S1上でz軸周りに180°回転させても構わない。
(付記2)
また、上記実施形態では、各基材層Mは例示的にLTCCのようなセラミックスからなるとして説明した。しかし、これに限らず、各基材層Mは、樹脂からなっていても構わない。
(付記3)
また、上記実施形態では、全てのインダクタL2〜L5,L8〜L13が横巻き型のチップインダクタであるとして説明した。しかし、これに限らず、巻回軸が直交する二つのインダクタL2,L3のいずれか一方が横巻き型で、いずれか他方が縦巻き型でも構わない。
(付記4)
また、上記実施形態では、インダクタL2,L3のインダクタンス値、サイズ等が異なるとして説明した。しかし、分波器1の要求仕様によっては、インダクタL3は、インダクタL2と同じインダクタンス値または同じサイズを有していても構わない。
(付記5)
また、上記実施形態では、インダクタL2が並列共振回路51に対して直列腕上で前置されるとして説明した。しかし、分波器1の要求仕様によっては、インダクタL2は省略されても構わない。この場合、他のインダクタ(例えば、インダクタL4)が、インダクタL3の巻回軸A3と直交するよう配置される。
(付記6)
分波器1,1a,1b及びLPF5,5a,5bの構成を任意に組み合わせてもよい。
本発明に係る有極型ローパスフィルタおよび分波器は、より小型化可能であり、分波器、共振器、バラン等に好適である。
1,1a,1b 分波器
3 積層体
M1〜M19 基材層
5,5a,5b 有極型ローパスフィルタ
51〜54 並列共振回路
7 ハイパスフィルタ
71〜75 直列共振回路
C1〜C18 コンデンサ
L1〜L13 インダクタ
G1〜G7 グランド導体

Claims (15)

  1. 積層体と、
    前記積層体の第二面に形成された入力端子、出力端子およびグランド端子と、
    前記入力端子と前記出力端子を結ぶ直列腕に接続された複数の並列共振回路であって、コンデンサおよびインダクタを含む複数の並列共振回路と、
    前記直列腕とグランド端子とを結ぶ並列腕に接続されたコンデンサと、を備え、
    前記直列腕に設けられた少なくとも二つのインダクタは、前記積層体の第一面上に実装される巻線型インダクタであって、該巻線型インダクタの各巻回軸は略直交する、有極型ローパスフィルタ。
  2. 積層体と、
    前記積層体の第二面に形成された入力端子、出力端子およびグランド端子と、
    前記入力端子と前記出力端子を結ぶ直列腕に接続された少なくとも一つのインダクタと、
    前記直列腕上であって前記少なくとも一つのインダクタの後段に接続された複数の並列共振回路であって、コンデンサおよびインダクタを含む複数の並列共振回路と、
    前記直列腕とグランド端子とを結ぶ並列腕に接続されたコンデンサと、を備え、
    前記直列腕に設けられた少なくとも二つのインダクタは、前記積層体の第一面上に実装される巻線型インダクタであって、該巻線型インダクタの各巻回軸は略直交する、有極型ローパスフィルタ。
  3. 前記積層体の第一面に実装される巻線型インダクタのうち、前記入力端子への入力信号の経路上で前記入力端子に最も近接するインダクタおよび次に近接するインダクタの各巻回軸が互いに略直交する、請求項1または2に記載の有極型ローパスフィルタ。
  4. 前記積層体の外部に設けられたインダクタであって、前記出力端子に電気的に接続されたインダクタを、さらに備える、請求項1〜3のいずれかに記載の有極型ローパスフィルタ。
  5. 前記積層体の第一面の中央部分には、表面実装機のノズルによる吸着エリアが規定されており、
    前記積層体の第一面上に設けられた各巻線型インダクタは、前記吸着エリア外に実装される、請求項1〜4のいずれかに記載の有極型ローパスフィルタ。
  6. 前記複数の並列共振回路の内の最も低い共振周波数を有する第一の並列共振回路に含まれる第一の巻線型インダクタの巻回軸と、該複数の並列共振回路の内の二番目に低い共振周波数を有する第二の並列共振回路に含まれる第二の巻線型インダクタの巻回軸とは、略直交していること、
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の有極型ローパスフィルタ。
  7. 前記複数の並列共振回路の内の最も低い共振周波数を有する第一の並列共振回路に含まれる第一の巻線型インダクタの巻回軸と、該複数の並列共振回路の内の三番目に低い共振周波数を有する第三の並列共振回路に含まれる第三の巻線型インダクタの巻回軸とは、略平行であること、
    を特徴とする請求項6に記載の有極型ローパスフィルタ。
  8. 前記複数の並列共振回路に含まれる少なくとも一つのコンデンサは、前記積層体の第一面上に実装されるチップ型コンデンサであり、
    前記チップ型コンデンサは、巻回軸が略直交する二つの巻線型インダクタの間に配置されていること、
    を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の有極型ローパスフィルタ。
  9. 積層体と、
    前記積層体の第二面に形成された入力端子、第一出力端子および第一グランド端子と、
    前記積層体において、前記入力端子および前記第一出力端子の間に設けられた有極型ローパスフィルタと、
    前記積層体の第二面に形成された第二出力端子および第二グランド端子と、
    前記積層体において、前記入力端子および前記第二出力端子の間に設けられたハイパスフィルタであって、コンデンサとインダクタとを含むハイパスフィルタと、を備えた分波器であって、
    前記有極型ローパスフィルタは、
    前記入力端子と前記第一出力端子を結ぶ直列腕に接続された複数の並列共振回路であって、コンデンサおよびインダクタを含む複数の並列共振回路と、
    前記直列腕とグランド端子とを結ぶ並列腕に接続されたコンデンサと、を含んでおり、
    前記直列腕に設けられた少なくとも二つのインダクタは、前記積層体の第一面上に実装される巻線型インダクタであって、該巻線型インダクタの各巻回軸は略直交する、分波器。
  10. 積層体と、
    前記積層体の第二面に形成された入力端子、第一出力端子および第一グランド端子と、
    前記積層体において、前記入力端子および前記第一出力端子の間に設けられた有極型ローパスフィルタと、
    前記積層体の第二面に形成された第二出力端子および第二グランド端子と、
    前記積層体において、前記入力端子および前記第二出力端子の間に設けられたハイパスフィルタであって、コンデンサとインダクタとを含むハイパスフィルタと、を備えた分波器であって、
    前記有極型ローパスフィルタは、
    前記入力端子と前記第一出力端子を結ぶ直列腕に接続された少なくとも一つのインダクタと、
    前記直列腕に接続された複数の並列共振回路であって、コンデンサおよびインダクタを含む複数の並列共振回路と、
    前記直列腕と前記第一グランド端子とを結ぶ並列腕に接続されたコンデンサと、を備え、
    前記直列腕に設けられた少なくとも二つのインダクタは、前記積層体の第一面上に実装される巻線型インダクタであって、該巻線型インダクタの各巻回軸は略直交する、分波器。
  11. 前記ハイパスフィルタは、
    前記入力端子と前記第二出力端子を結ぶ直列腕に接続された複数のコンデンサと、
    前記直列腕と前記第二グランド端子とを結ぶ複数の並列腕のそれぞれに設けられた複数の直列共振回路であって、コンデンサとインダクタを含む複数の直列共振回路と、を備え、
    前記複数の並列腕に設けられた少なくとも二つのインダクタは、前記積層体の第一面上に実装される巻線型インダクタであって、該巻線型インダクタの各巻回軸は略直交する、請求項9または10に記載の分波器。
  12. 前記積層体の第一面の中央部分には、表面実装機のノズルによる吸着エリアが規定されており、
    前記積層体の第一面上に設けられた各巻線型インダクタは、前記吸着エリア外に実装される、請求項9〜11のいずれかに記載の分波器。
  13. 前記有極型ローパスフィルタの前記複数の並列共振回路又は前記ハイパスフィルタに含まれる前記複数の直列共振回路に含まれる少なくとも一つのコンデンサは、前記積層体の第一面上に実装されるチップ型コンデンサであり、
    前記チップ型コンデンサは、前記有極型ローパスフィルタの前記直列共振回路に含まれる巻線型インダクタと、前記ハイパスフィルタの前記直列共振回路に含まれる巻線インダクタとの間に配置されていること、
    を特徴とする請求項11に記載の分波器。
  14. 前記複数の並列共振回路の内の最も低い共振周波数を有する第一の並列共振回路に含まれる第一の巻線型インダクタの巻回軸と、該複数の並列共振回路の内の二番目に低い共振周波数を有する第二の並列共振回路に含まれる第二の巻線型インダクタの巻回軸とは、略直交していること、
    を特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載の分波器。
  15. 前記複数の並列共振回路の内の最も低い共振周波数を有する第一の並列共振回路に含まれる第一の巻線型インダクタの巻回軸と、該複数の並列共振回路の内の三番目に低い共振周波数を有する第三の並列共振回路に含まれる第三の巻線型インダクタの巻回軸とは、略平行であること、
    を特徴とする請求項14に記載の分波器。
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