JP2015086478A - パルモールド用抄造型、食品収納容器及び食品収納容器の製造方法 - Google Patents

パルモールド用抄造型、食品収納容器及び食品収納容器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低コストで強度と成形の自由度が得られるとともに、環境保全に配慮した使い捨ての食品収納容器及びかかる容器の製造に使用される抄造型、並びにその製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】凸型の所定形状を有する本体と、前記本体に対応して覆設された網状体と、前記本体外部から内部方向に吸引脱水する複数の穿設孔を有し、非木材繊維に所定量の植物性澱粉を添加させたスラリーに浸漬させて前記吸引脱水をすると、非木材繊維が前記網状体の形状に沿って吸着し、水素結合により前記食品収納容器の中間体を成形する抄造型とこれを使用して製造された食品収納容器及びその製造方法を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、外表面が平滑な食品収納容器を製造するために使用されるパルプモールド用抄造型、かかる抄造型を使用して製造された食品収納容器及びその食品収納容器の製造方法に関するものである。
近年、森林資源保護及び生態系保護等環境保全の観点から、使い捨て商品の素材にバイオマスを利用することが求められている。一方で、前記使い捨て商品の中でも、用途によっては、製造過程等において様々な制約に従わなければならない場合がある。たとえば、弁当などに使用される使い捨ての食品収納容器の場合、衛生的であることはもとより、強度、耐水性、耐油性、耐熱性、さらには、運搬時又は廃棄時の嵩の軽減、成形の自由度など、様々な条件をクリアしなければ利用者の需要に応えることができない。
かかる食品収納容器について、現在、最も多く流通しているのは、いわゆる合成樹脂製のものであるが、前記環境保全の観点からは推奨しがたいものとなっている。合成樹脂に代わる素材として、最近、パルプモールドなる製造方法による食品収納容器の製造が注目されている。
パルプモールドとは、スラリー状のパルプ繊維に、網状体が覆設され、複数の吸引孔が設けられた所定形状の抄造型を浸漬し、吸引孔から真空引き等によって吸引を行うと、前記網状体にパルプ繊維が吸着し、これをさらに吸引脱水して乾燥し、抄造型から離型することによって得られる成形体である(例えば、特許文献1参照)。パルプモールドによれば、複雑な組立工程なしに、所望の形状の容器を一体成形によって得られるうえ、前記パルプ繊維を非木材性繊維とし、バージンパルプを使用すれば、前記環境保全に資するうえ、衛生面もクリアできるため、食品収納容器としての完成度を高める様々な工夫が提案されている。
たとえば、運搬時、廃棄時の嵩、重量並びに焼却時の発熱量を軽減するために、製品の形状を特定形状に限定し、いわゆるアフタープレス工程を付加することにより、薄肉のパルプモールド製品が得られることが記載されている(例えば、特許文献2参照)。
また、打ち抜き穴を有する金属板を抄造型に覆設した網状体に付設し、パルプモールド成形体の製造法が提案されていた(例えば、特許文献3参照)。この構成によれば、成形体表面に文字等微細かつ鮮明な凹凸部を表示させることができる。
ところで、パルプモールドで使用される抄造型に設けられた吸引孔によって脱水吸引を行うと、吸引孔近傍にのみスラリー内の非木材繊維が吸着され、中間体の形状が不均一になる。この状態で乾燥工程に入ると、最終的に得られる容器は所望の形状にならない。また、かかる中間体をアフタープレスすると、表面は平滑になるが、繊維密度が不均一になるため、強度が安定しないという問題も生じる。そこで、抄造型網状体を覆設し、吸着の偏在を解消させているが、従来、網状体は、中間体の外表面に対向配置されるため、これによって得られる食品収納容器の外表面は、網状体の形状が転写される結果、表面の凹凸に起因して、運搬時の摩擦による紙粉の落下、汚れの付着に対して拭き取りが十分にできない、などの問題が生じていた。
このような問題に対し、抄造型を外側に凸状に成形し、パルプモールドの中間体の内面が、網状体の表面と接し、容器を製造する方法が提案されていた(例えば、特許文献4参照)。この製造方法によれば、中間体の外表面は網状体と接しないため、平滑な面が得られる結果、前記した紙粉が生じにくく、容易に汚れの拭き取りができる。
特開平9−296397号公報 特開2006−123982号公報 特開2005−133232号公報 特開2013−129921号公報
しかしながら、前記いずれの先行技術においても、食品収納容器としての一定の強度を確保するための解決手段は明示されていない。特に全体的にも、部分的にも、薄肉に形成すると容器の強度の向上は必須となる。一方で、市販されている弁当の多様化に伴い、成形の自由度も高める必要がある。さらに、環境保全を考慮した使い捨て食品収納容器であることから、食品の残滓との分別等、廃棄時の作業負荷を軽減し、かつ、製品コストが上がらないように、製造工程を簡易にする必要もある。
そこで、本発明は、前記課題に鑑みて、低コストで強度と成形の自由度が得られるとともに、環境保全に配慮した使い捨ての食品収納容器及びかかる容器の製造に使用される抄造型、並びにその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成させるために、本発明にかかるパルプモールド用抄造型は、食品収納容器を製造するパルプモールド用抄造型であって、凸型の所定形状を有する本体と、前記本体に対応して覆設された網状体と、前記本体外部から内部方向に吸引脱水する複数の穿設孔を有し、非木材繊維に所定量の植物性澱粉を添加させたスラリーに浸漬させて前記吸引脱水をすると、非木材繊維が前記網状体の形状に沿って吸着し、水素結合により前記食品収納容器の中間体を成形することを最も主要な特徴とする。
この構成によれば、中間体の外表面の平滑性を維持しつつ、植物性澱粉によって強度を向上させることができる。さらに、植物性澱粉であることから、収納する食品を害することもなく、廃棄時の焼却によってもカーボンニュートラルが維持される。
なお、前記複数の穿設孔は、穿設間隔を一部疎に穿設するか、径寸法の一部を小径にするか、あるいは吸引脱水する方向に対して所定角傾斜させるか、のいずれか一つ、または組合せで形成するようにしてもよい。このような構成にすることにより、中間体の一部分だけを肉薄に形成することができる。
また、前記目的を達成させるために、本発明にかかる食品収納容器は、パルプモールドによって形成される食品収納容器であって、非木材繊維に所定量の植物性澱粉を添加させたスラリーによって形成され、前記抄造型に覆設された網状体の網目が内表面にのみ転写され、平滑な外表面を有することを最も主要な特徴とする。
なお、食品収納容器としての強度を得るためには、前記スラリーに対する植物性澱粉の添加比率が1%〜1.5%であることが好ましい。
前記網目が転写されている内表面には、前記内表面に合成樹脂製フィルムまたは生分解性樹脂フィルムを圧着してもよい。外表面に比べて面精度が粗い凹凸面に接着剤を使用せずに圧着していることから、廃棄時においてフィルムを分別する場合、比較的容易に剥離することができる。
さらには、前記目的を達成させるために、本発明にかかる製造方法は、凸型の所定形状を有する本体に対応して網状体を覆設し、前記本体外部から内部方向に吸引脱水する複数の穿設孔を備えた抄造型を、非木材繊維に所定量の植物性澱粉を添加させたスラリーに浸漬する工程と、前記穿設孔から吸引して前記網状体に水素結合した非木材繊維を吸着させて中間体を形成する工程と、前記中間体をスラリーから取り出して前記穿設孔から吸引脱水する工程と、前記抄造型から中間体を離型し、乾燥させる工程とを有することを特徴とする。
この製造方法によれば、パルプモールドによる製造方法において、アフタープレス工程を経ずに、食品収納容器を得ることができる。
本発明により、低コストで、強度があり、成形の自由度が高い食品収納容器を得ることができるという効果を奏する。また、同時に、かかる食品収納容器は、環境保全を配慮したものにもなっている。
具体的には、外表面が平滑であるため、スタック状に積み重ねて運搬等しても、紙粉が下部の容器内部に落下することを防ぐことができるとともに、植物性澱粉を添加したスラリーを使用したうえで、部分的に薄肉に形成することができるようにしたため、加工の自由度を確保しつつ、強度も補強することができる。また、薄肉部分の形成が可能になったことにより、運搬時の軽量化を図ることも可能になり、運搬コストの低減と、環境保全にも貢献する。さらに、再生利用、回収時に問題となる容器内部の食品残滓(食材の付着)については、容器内部にフィルムを被覆することにより、食材の付着したフィルムと容器本体とを分別することができる。このとき、フィルムを被覆した内表面は、網状体の転写よって凹凸が形成されているため、剥離容易となり、分別促進を図ることもできる。また、容器内表面にフィルムを被覆することにより、前記食品残滓を周囲にこぼさずにフィルムごと廃棄し易くなる。フィルムの被覆は、耐油、耐水、食材の付着防止、容器全体の強度を向上させることもできる。特に、前記植物性澱粉によって、強度は向上するが、フィルムの貼付によって加重的に強度を向上させることができる一方、フィルムを剥離した後は、たとえば、容器の立ち上がり部分を切り取りしやすいように薄肉部分を形成することにより、廃棄時の嵩を減少させ廃棄コストの低減に貢献することもできる。
すなわち、本発明は、環境保全及び製造工程の簡易性という効果を維持しつつ、さらに、消費者の購買意欲、衛生上の問題等を解決するという効果を奏する。
図1は、本発明にかかる抄造型をスラリーに浸漬した状態を示す側断面図である。 図2は、本発明にかかる抄造型をスラリーに浸漬し、穿設孔によって吸引した後の状態を示した側断面図である。 図3は、本発明にかかる抄造型の穿設孔の穿設密度が疎なものを示した部分拡大側断面図である。 図4は、本発明にかかる抄造型の穿設孔の径寸法が他の穿設孔よりも小径であるものを示した部分拡大側断面図である。 図5は、本発明にかかる抄造型の穿設孔から吸引脱水する方向に対して所定角傾斜させて穿設した穿設孔を示した部分拡大側断面図である。 図6は、本発明にかかる食品収納容器の製造方法のフローを示した図である。
図1を参照して、1は、本発明にかかるパルプモールド用の抄造型である。抄造型1の素材は特に限定しないが、コスト面、加工容易性の面から、アルミ合金等がよい。本実施形態では、抄造型1は、蓋と容器本体を一体成形するものであり、容器の蓋部に対応する蓋型部1aと容器本体型部1bとからなる。ただし、抄造型1は、容器本体型部と蓋部が別体のもの、容器の形状が丼ぶり状のもの、矩形で食品収納部に複数の仕切りがあるものなど、弁当など食品収納に適合する所定形状であればよく、この形態に限定する趣旨ではない。
容器本体型部1bは、内部に中空の空間を有する凸型に形成され、蓋型部1aと一体となって、図2で示すとおり、外表面の成形面1cに食品収納容器の中間体3が形成される。抄造型1は、蓋型部1a及び容器本体型部1bの全体に亘って厚さ方向に貫通する穿設孔11が複数設けられている。図1では、穿設孔11の穿設間隔、径寸法及び穿設角度は、同一であるが、後述するように、生成する容器の仕様によって変更しうるものである。
穿設孔11は、図2で示すとおり、生成する食品収納容器の原材料となる非木材繊維からなるスラリーSに、抄造型1の外部面である成形面1cを浸漬した後、成形面1cの裏面1dに囲繞された抄造型1内部の空間の吸引領域VからA方向に向かって非木材繊維を吸引し、脱水するために使用される。なお、吸引は、図示しない真空ポンプなどの吸引ポンプで吸引する。また、脱水によって吸引された水分は、貯留槽Tの上部に設置された脱水口Dから排出すればよい。
ところで、穿設孔11からスラリーSを直接吸引すると、穿設孔11のある箇所とない箇所とで吸引力に不均衡が生じるため、穿設孔11近傍に非木材繊維が偏在し、抄造型1に対応した所望の形状の容器が得られない。そこで、図2で示すとおり、抄造型1の成形面1cに、成形面1cに対応した形状の網状体2を対向させて覆設し、穿設孔11から吸引すると、前記覆設された網状体2に非木材繊維が吸着するようにしている。穿設孔11と非木材繊維との間に網状体2を介在させることにより、網状体2の形状に沿って略均一に非木材繊維が吸着し、所望の形状の容器を得ることができる。なお、網状体2の素材、覆設方法は、特に限定されないが例えば金網の場合、スポット溶接で固定すればよい。
スラリーSの原材料である非木材繊維は、弁当などの食品収納に好適なもの、たとえば、耐水性、耐油性、耐熱性があれば限定しないが、具体的には、サトウキビの搾りかす(バガス)や竹などが有用である。特に、竹繊維の場合、資源が潤沢に存在し、生育期間が短いうえ、現状では素材としての利用が限定的であり有効利用されていないため、入手しやすいという利点がある。さらに、高い強度、優れた抗菌効果、消臭効果、抗酸化作用が知られているため、前記入手容易性と相俟って、使い捨ての食品収納容器の原材料としては好適である。なお、竹は、イネ科に属し、植物学上の分類として木本、草本双方の解釈が存在するが、本明細書では、竹は、非木材繊維に分類されるものと定義する。
前記非木材繊維は、食品衛生上、バージンパルプであることが望ましい。非木材繊維を原材料とするパルプモールドは、耐水性、耐油性、耐熱性にすぐれ、バイオマス容器として環境保全にも資するものであるが、さらに、セルロースを主成分とする水素結合によって強度も確保できる。しかし、一般に使い捨て弁当箱などの容器は、相当量のボリュームで搬送されるため、コスト面、さらには環境保全の視点からも軽量化の要求が厳しく、肉厚を薄くすることが余儀なくされる。したがって、非木材繊維のみを原料とする場合は、強度面で薄肉化に限界がある。本発明では、この強度の問題を解決するために、スラリーSに所定量の植物性澱粉を添加させることとした。
植物性澱粉は、水溶性高分子化合物であり、本発明の課題の一つである環境保全を達成しつつ、容器の強度を増強するものである。かかる特性を有する植物性澱粉であれば、特に限定せず、例えば、米粉澱粉、小麦澱粉、トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、さつまいも澱粉、小豆澱粉、緑豆澱粉、くず澱粉、片栗澱粉等が挙げられる。特に、タピオカ澱粉は、入手し易さ、食品に対する無害性、増強特性からみて好適である。タピオカ澱粉は、アミロンペクチン含有率が80%前後と非常に高く、柔軟性に優れ、糊液の透明度が高く、粘度も高い。
スラリーSに対して、前記効果が得られる植物性澱粉の添加比率は1〜1.5%が好ましい。なお、植物性澱粉を添加することにより、添加しない容器と同程度の強度を有する容器で5〜10%の軽量化を実現することが可能となる。
前記したとおり、抄造型1は、凸型形状であり、食品収納容器として成形される中間体3は、容器の内表面、すなわち、食品収納部に網状体2の形状が転写される。したがって、容器の外表面は、網状体2の形状の影響を受けず、前記内表面に比して平滑な面を得ることができる。抄造型を凹型形状とし、生成される容器の表裏が逆転した場合、容器の外表面に網状体の形状が転写される。これをスタック状に重ねて運搬等すると、運搬時の振動によって摩擦が生じ、重ねた下方の容器内部に紙粉が落下する。これを十分に除去しないまま食品を収納すると、食品に紙粉が付着し、衛生面はもとより、需要者の購買意欲をそぐ結果となり好ましくない。また、外表面に凹凸があることにより、液体状の汚れが付着した場合に、拭き取りにくくなり、紙粉の落下同様、衛生面、需要者の購買意欲減退等の問題が生じる。そこで、本発明では、抄造型1の形状を凸型として、網状体2の形状の転写が中間体3の外表面に及ばない構成とした。
なお、この構成の場合、内表面に凹凸が生じることになるが、液状の食材のしみなどは、食品を収納する側であるから、食材が収納されている状態では、視認されないうえ、そもそも食材を収納する面であるから、かかるしみなどがあっても、購買意欲をそぐようなことはない。さらに、後述するように、内表面へのフィルムの圧着または樹脂剤の塗布によって撥水処理をすれば、しみなどの汚れの問題もクリアすることができる。
図3乃至図4は、穿設孔11の穿設間隔、径寸法及び穿設角度についてバリエーションを示したものである。図3は、穿設孔11自体は、同一であるが、穿設間隔(ピッチ)が異なるものを示している。すなわち、隣接する穿設孔11aのピッチ12aと隣接する11bのピッチ12bの間隔が異なる。したがって、吸引領域Vから各穿設孔11a、11bに対して均一の吸引力で吸引しても、ピッチ12bのように穿設間隔が疎な場合には、穿設孔11b近傍のスラリーSに対する吸引力が低減し、穿設孔11a近傍よりも、中間体3の肉厚が薄くなる。
図4は、穿設孔11の径寸法が異なるものを示している。すなわち、ピッチ12aは一定であるが、穿設孔11cは、穿設孔11aよりも、径寸法が小さい。したがって、吸引領域Vから各穿設孔11a、11cに対して均一の吸引力で吸引しても、穿設孔11cのように、径寸法が相対的に小さく、経路が狭小な場合には、穿設孔11c近傍のスラリーSに対する吸引力が低減し、穿設孔11a近傍よりも、中間体3の肉厚が薄くなる。
図5は、穿設孔11の穿設角度が異なるものを示している。すなわち、穿設孔11aは、軸方向と吸引方向A1とが一致しているため、吸引領域V内の吸引力とスラリーS側の吸引力に差がないが、穿設孔11dの場合は、スラリーS側の吸引力は、傾斜した穿設角度によって穿設孔11dの内壁面が、吸引力の一部を阻害し、スラリーS側の吸引方向A2については、吸引力が減衰する。したがって、吸引領域Vで均一の吸引力をもって吸引しても、中間体3を形成する側では、穿設孔11d近傍では、穿設孔11aに比べて吸引力が低減し、中間体2の肉厚が薄くなる。ここで、穿設角度とは、図5のように、穿設孔11d全体を単一角度で傾斜させる場合のほか、穿設孔11dの長手方向途上で角度を変えて屈曲させる場合、すなわち、複数の角度で傾斜させる場合も含まれる。この場合は、吸引力の阻害量がさらに増大するため、より薄肉な部分を形成することが可能になる。
なお、上記図3乃至図5の説明では、穿設孔11に対して、穿設間隔、径寸法及び穿設角度のいずれか一つの要素を施す形態を説明したが、これらの要素を2以上組合せた構成であってもよい。穿設間隔、径寸法、穿設角度の数値、さらには、各要素の組合せは、所望の肉厚によって適宜変更すればよい。
前記のとおり、肉厚を変化させることにより、たとえば、図1及び図2で説明したように、蓋部と本体部が一体成形された容器にあって、両者の接合部をヒンジ状にして蓋部の開閉を可能にするためには、ヒンジ部分の肉厚を若干薄くする必要がある。なお、前記接合部をヒンジ部として使用することによる強度の問題については、本発明において、スラリーSに植物性澱粉(特にタピオカ澱粉)が添加されているため、耐折強度を強化することができる。
また、食品収納容器の本体部分は、収納という性質上、側壁が立ち上げられており、これが廃棄時に嵩張り、廃棄コスト、廃棄処理の負荷が問題となる。そこで、容器の圧潰を容易にする工夫が必要になるが、たとえば、ミシン目を設ける等、圧潰のための新たな加工工程を付加することは製品コストに影響し、使い捨てという用途から考えると好ましくない。そこで、たとえば容器本体の底面と側壁面との境界部の肉厚を若干薄くすることで圧潰容易な構造とすることもできる。
以上のとおり、穿設孔11にバリエーションを設けることで、加工工程を付加することなく、また、吸引力の強弱を部分的に変化させるなどの複雑な操作を要せずに、肉厚を部分的に変化させることができる。
本実施形態で前記したとおり、抄造型1を使って生成した容器は、容器内表面に網状体2の形状が転写されるため、外表面に比べて凹凸が生じ、面精度が粗い。かかる凹凸を隠蔽して美粧性を向上させるとともに、食品残滓(特に、米などのでんぷん質の食材の付着)を低減し、さらには、着色等を施すことによって、色彩的に食材を引き立て、購買意欲を刺激するようにするために、フィルムの被覆または樹脂剤の塗布を施してもよい(図示せず)。フィルムは、環境保全の観点から、有機合成接着剤等は使用せず、熱圧着等圧着によって被覆すればよい。塗布する樹脂剤についても、生分解性のものが好ましい。フィルムは、凹凸面に接着するため剥離しやすいので、分別容易であることから、合成樹脂製フィルム、たとえば、ポリエチレン(PE)系、ポリエチレンテレフタレート(PET)系、あるいはポリプロピレン(PP)系の熱可塑性フィルムでもよいが、生分解性樹脂フィルムであれば、さらに好適である。 また、フィルムを圧着することにより、食品を収納している状態では、容器自体の強度を増強し、剥離した後は、前記薄肉にした部分を支点として圧潰しやすくなる。
なお、フィルムの被覆の効果としては、前記のとおり、食材付着防止、容器全体の強度補強のほか、耐水性、耐油性の向上が挙げられる。かかる耐水性、耐油性の向上は、フィルムの被覆のほか、所定薬剤の含浸、塗付、吹付等によっても得られる。
図6は、本発明にかかる食品収納容器の製造方法のフローを示した図である。なお、フロー図中の記号は、図1、図2のものを使用する。まず、タピオカ澱粉等の植物性澱粉を添加させたバガス等の非木材繊維からなるスラリーSを生成し(S1)、生成したスラリーS内に凸型形状の抄造型1を浸漬させる(S2)。浸漬させた抄造型1の穿設孔11から真空ポンプによる真空引き等で吸引し(S3)、スラリーS内の非木材繊維を網状体2に吸着させ、中間体3を生成する(S4)。スラリーSから中間体3が吸着した抄造型1を取り出し(S5)、穿設孔11からさらに吸引して脱水する(S6)。抄造型1(実際には、網状体2)から中間体3を離型し(S7)、離型した中間体3を乾燥させる(S8)。本実施の形態では、S7の離型工程とS8の乾燥工程とを時系列上、別工程としているが、両工程を同時に行っても良い。乾燥工程の終了後、抄造時に形成された余剰部分を切断等によって整形処理し(S9)、食品収納容器が生成される(S10)。なお、必要に応じて、生成された食品収納容器の内表面にフィルムを圧着し、または樹脂剤を塗布してもよい(図示せず)。
従来、強度補強のために、前記乾燥工程(S8)の後、加圧圧縮工程(アフタープレス)を付加するものがあるが、本発明によれば、前記植物性澱粉の添加、選択的にフィルムの被覆を施すことで、アフタープレスによる強度増強工程を付加せずに強度を補強することができる。また、アフタープレスによって補強した場合は、トレードオフ的に廃棄時の嵩の問題が生じるが、本発明による食品収納容器は、廃棄時には圧潰可能な構成とすることができるため、強度の補強と廃棄時の負荷の軽減の双方の要求を満たすことができる。
1 抄造型
1a 蓋型部
1b 容器本体型部
1c 成形面
1d 裏面
2 網状体
3 中間体
11 穿設孔
D 脱水口
S スラリー
T 貯留層
V 吸引領域

Claims (10)

  1. 食品収納容器を製造するパルプモールド用抄造型であって、
    凸型の所定形状を有する本体と、前記本体に対応して覆設された網状体と、前記本体外部から内部方向に吸引脱水する複数の穿設孔を有し、非木材繊維に所定量の植物性澱粉を添加させたスラリーに浸漬させて前記吸引脱水をすると、非木材繊維が前記網状体の形状に沿って吸着し、水素結合により前記食品収納容器の中間体を成形することを特徴とするパルモールド用抄造型。
  2. 前記複数の穿設孔の穿設間隔は、前記中間体の一部を薄肉に形成する部分に対向する箇所が、相対的に疎に設けられていることを特徴とする請求項1記載のパルプモールド用抄造型。
  3. 前記複数の穿設孔は、前記中間体の一部を薄肉に形成する部分に対向する箇所の径寸法が、他の穿設孔の径寸法に比して相対的に小径であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のパルプモールド用抄造型。
  4. 前記複数の穿設孔は、前記中間体の一部を薄肉に形成する部分に対向する箇所が、前記吸引脱水する方向に対して所定角傾斜していることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のパルプモールド用抄造型。
  5. パルプモールドによって形成される食品収納容器であって、
    非木材繊維に所定量の植物性澱粉を添加させたスラリーによって形成され、請求項1記載の抄造型に覆設された網状体の網目が内表面にのみ転写され、平滑な外表面を有することを特徴とする食品収納容器。
  6. 前記スラリーの主成分を竹繊維としたことを特徴とする請求項5記載の食品用収納容器。
  7. 前記スラリーに対する植物性澱粉の添加比率が1%〜1.5%であることを特徴とする請求項6記載の食品収納容器。
  8. 前記内表面に合成樹脂製フィルムまたは生分解性樹脂フィルムを圧着させたことを特徴とする請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載の食品収納容器。
  9. 請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載の抄造型を使用して、肉厚が部分的に薄肉に形成されることを特徴とする請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載の食品収納容器。
  10. パルプモールドによって食品収納容器を製造する製造方法であって、
    凸型の所定形状を有する本体に対応して網状体を覆設し、前記本体外部から内部方向に吸引脱水する複数の穿設孔を備えた抄造型を、非木材繊維に所定量の植物性澱粉を添加させたスラリーに浸漬する工程と、前記穿設孔から吸引して前記網状体に水素結合した非木材繊維を吸着させて中間体を形成する工程と、前記中間体をスラリーから取り出して前記穿設孔から吸引脱水する工程と、前記抄造型から中間体を離型し、乾燥させる工程とを有することを特徴とする食品収納容器を製造する製造方法。
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WO2019131048A1 (ja) 2017-12-28 2019-07-04 ダイキン工業株式会社 パルプモールド製品およびその製造方法
JP2021534043A (ja) * 2018-08-16 2021-12-09 フットプリント インターナショナル, エルエルシー 繊維系飲料ホルダーの製造方法および装置

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