JP2015085303A - 酸性排ガスの処理方法、及び排ガス処理剤 - Google Patents

酸性排ガスの処理方法、及び排ガス処理剤 Download PDF

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Abstract

【課題】重金属固定剤の使用量を減らすとともに、低コストで重金属の固定処理を行うことができる酸性排ガスの処理方法を提供する。
【解決手段】酸性排ガスに対して、比表面積20m2/g以上、メジアン径(d50)5〜30μmであって、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムを構成成分として有する粉体を含有してなる排ガス処理剤を添加することにより、pH8.3を終点とする酸消費量から規定される飛灰のアルカリ度を150mgCaCO3/g以下とする工程を行い、さらに飛灰を集塵する工程を行った後に、無機重金属固定剤及び/又は酸性中和剤を添加する工程を行う酸性排ガスの処理方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、都市ごみ廃棄物焼却炉、産業廃棄物焼却炉、発電ボイラ、炭化炉、民間工場等の燃焼施設において発生する塩化水素や硫黄酸化物等の有害な酸性ガスを含む排ガスの処理方法に関する。
都市ゴミや産業廃棄物等の廃棄物焼却炉から排出される燃焼排ガスには、炭酸ガスや、水蒸気、酸素、窒素、硫黄酸化物、窒素酸化物、塩化水素、重金属化合物、煤塵などが含まれていることから、大気放出に先立ち、これらの物質を除去する必要がある。
特許文献1のように、一般的に、有害な塩化水素や硫黄酸化物を含む酸性排ガスは、水酸化カルシウム等のアルカリ剤で処理された後、バグフィルター等の集塵機で除塵され、煙突から排出される。一方、集塵機で集塵された飛灰は、有害な鉛、カドミウム等の重金属を含有しており、これら有害重金属を安定化処理した後に埋立処分されている。
集塵機で除塵された飛灰中の重金属の処理方法としては、ピペラジンジチオカルバミン酸塩、ジエチルジチオカルバミン酸塩等のキレート系の重金属固定剤で不溶化処理する方法が一般的である。該方法は、環境庁告示13号試験等による短期的な重金属の固定効果は高いが、最終処分場において酸性雨によりpHが低下した際の影響や、キレートが酸化して自己分解することにより鉛等の重金属が再溶出する問題が懸念されている。
一方、特許文献2は、重金属固定剤として、リン酸等のリン酸系化合物を用いている。リン酸系化合物は、無機鉱物であるヒドロキシアパタイト形態まで変化させるため最終処分場における鉛等の長期安定性に優れる。このように、リン酸系重金属固定剤は、キレート系重金属固定剤と異なり、長期にわたる重金属固定効果を有しており、酸性雨の影響を加味したアベイラビリティ試験のような厳しい条件下においても、鉛等の重金属を安定的に処理することが可能であり、環境保護の観点から非常に価値の高い重金属の処理方法と考えられている。
また、重金属の固定に関して、塩酸、硫酸バンド等の酸性中和剤を添加する方法、ケイ酸ナトリウム水溶液、粉末二酸化ケイ素等の二酸化ケイ素含有化合物を添加する方法が知られている。また、六価クロム、砒素、セレン、水銀等の重金属が溶出する場合には、塩化第一鉄、ポリ硫酸鉄等の鉄含有化合物を添加し、これら重金属の溶出を防止する方法が知られている。
特許文献3には、5〜30μmの微粉に加工された重曹(NaHCO3)で酸性排ガスを処理することにより、通常の水酸化カルシウムに比べ酸性排ガスを安定的に処理することができることが記載されている。また、特許文献4には、重曹を添加された飛灰は、残存するアルカリの未反応分が少なくなり、リン酸系の重金属固定剤の使用量を低減できる飛灰の処理方法が記載されている。
特開平9−99215号公報 特公平4−61710号公報 特開2000−218128号公報 特開2006−110423号公報
特許文献1のように、酸性排ガスを水酸化カルシウムで処理した飛灰は、未反応の水酸化カルシウムを多量に含んでいる。このため、特許文献2のように、重金属固定剤としてリン酸系化合物を用いた場合、リン酸系化合物が未反応水酸化カルシウムに消費され、鉛等の溶出防止に有効な液固比(L/S)=10における飛灰溶出液のpHを低下させるためのリン酸系化合物が大量に必要となる。また、酸性の中和剤、二酸化ケイ素含有化合物についても、未反応水酸化カルシウムの影響により添加量が多大となる。
特許文献3及び4のように、微粉の重曹で酸性排ガスを処理した飛灰にリン酸系化合物等を添加し重金属を固定する方法は、重金属を長期的に固定するための有効な方法であるが、重曹等のナトリウム系の薬剤は水酸化カルシウム等のカルシウム系の薬剤に比べてコストが高いことに加え、さらに微粉に加工するための粉砕設備等の加工コストがかかり、処理費用が増加するため普及率は低いのが現状である。
本発明は、リン酸系化合物等の重金属固定剤の使用量を減らすとともに、低コストで重金属の固定処理を行うことができる酸性排ガスの処理方法、及び排ガス処理剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、以下の[1]〜[12]の酸性排ガスの処理方法を提供する。
[1]酸性排ガスに対して、比表面積が20m2/g以上、メジアン径(d50)が5〜30μmであって、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムを構成成分として有する粉体を含有してなる排ガス処理剤を添加することにより、pH8.3を終点とする酸消費量から規定される飛灰のアルカリ度を150mgCaCO3/g以下とする工程を行い、さらに飛灰を集塵する工程を行った後に、無機重金属固定剤及び/又は酸性中和剤を添加する工程を行う酸性排ガスの処理方法。
[2]無機重金属固定剤及び/又は酸性中和剤を添加する工程を行った後の飛灰の液固比10における溶出液のpHが8.0〜11.5である上記[1]に記載の酸性排ガスの処理方法。
[3]前記粉体中のマグネシウム原子とカルシウム原子とのモルの比が1:0.79 〜 1:3.15である上記[1]又は[2]に記載の酸性排ガスの処理方法。
[4]前記粉体の細孔容積が0.1〜0.7cm3/g、動的見掛け比重が0.3〜0.7g/cm3である上記[1]〜[3]の何れかに記載の酸性排ガスの処理方法。
[5]前記水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムとして、水酸化ドロマイトを含有する上記[1]〜[4]の何れかに記載の酸性排ガスの処理方法。
[6]前記酸性排ガスが塩化水素及び硫黄酸化物を含み、該塩化水素及び硫黄酸化物に対して、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムを合計で0.5〜5.0当量となるように添加する上記[1]〜[5]の何れかに記載の酸性排ガスの処理方法。
[7]酸性排ガスに対して、比表面積20m2/g以上、メジアン径(d50)5〜30μmであって、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムを構成成分として有する粉体を含有してなる排ガス処理剤を添加することにより、pH8.3を終点とする酸消費量から規定される飛灰のアルカリ度を55mgCaCO3/g未満とする工程を行い、さらに飛灰を集塵する工程を行った後に、キレート系重金属固定剤を添加する工程を行う酸性排ガスの処理方法。
[8]排ガス処理剤を添加してpH8.3を終点とする酸消費量から規定される飛灰のアルカリ度を55mgCaCO3/g未満とする工程において、飛灰の液固比10における溶出液のpHを11.8以下とする上記[7]に記載の酸性排ガスの処理方法。
[9]前記粉体中のマグネシウム原子とカルシウム原子とのモルの比が1:0.79 〜 1:3.15である上記[7]又は[8]に記載の酸性排ガスの処理方法。
[10]前記粉体の細孔容積が0.1〜0.7cm3/g、動的見掛け比重が0.3〜0.7g/cm3である上記[7]〜[9]の何れかに記載の酸性排ガスの処理方法。
[11]前記水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムとして、水酸化ドロマイトを含有する上記[7]〜[10]の何れかに記載の酸性排ガスの処理方法。
[12]前記酸性排ガスが塩化水素及び硫黄酸化物を含み、該塩化水素及び硫黄酸化物に対して、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムを合計で0.5〜5.0当量となるように添加する上記[7]〜[11]の何れかに記載の酸性排ガスの処理方法。
本発明の酸性排ガスの処理方法によれば、重金属固定剤の使用量を減らすとともに、低コストで重金属の固定処理を行うことができる。
本発明を実施するための酸性排ガス処理システムの一実施形態を示す模式図である。
[酸性排ガスの処理方法]
本発明の酸性排ガスの処理方法は、酸性排ガスに対して、比表面積20m2/g以上、メジアン径(d50)5〜30μmであって、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムを構成成分として有する粉体を含有してなる排ガス処理剤を添加することにより、pH8.3を終点とする酸消費量から規定される飛灰のアルカリ度を100mgCaCO3/g以下とする工程を行い、さらに飛灰を集塵する工程を行った後に、無機重金属固定剤及び/又は酸性中和剤を添加する工程を行うものである(以下、「第一の方法」と称する場合がある。)。
また、本発明の酸性排ガスの処理方法は、酸性排ガスに対して、比表面積20m2/g以上、メジアン径(d50)5〜30μmであって、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムを構成成分として有する粉体を含有してなる排ガス処理剤を添加することにより、pH8.3を終点とする酸消費量から規定される飛灰のアルカリ度を55mgCaCO3/g未満とする工程を行い、さらに飛灰を集塵する工程を行った後に、キレート系重金属固定剤を添加する工程を行うものである(以下、「第二の方法」と称する場合がある。)。
図1は、本発明の第一の方法及び第二の方法における酸性排ガスの処理方法を実施する排ガス処理システムの一実施形態を示す模式図である。図1の酸性排ガス処理システムでは、酸性排ガスは減温塔1で冷却され、煙道2を介して集塵機4に接続されている。また、排ガス処理剤供給装置3から排ガス処理剤が供給され、煙道2の途中において、酸性排ガスと排ガス処理剤とが混合されている。集塵機4からは吸引ファン5により煙が吸い出され、煙突から煙が放出される。また、集塵機4からは飛灰処理装置6に集塵した飛灰が放出され、該装置内で、図示しない薬剤添加手段により、重金属固定剤及び/又は酸性中和剤が添加された後、灰ピット7に放出される。
(排ガス処理剤の添加工程)
本発明の第一の方法及び第二の方法における酸性排ガスの処理方法では、まず、酸性排ガスに対して排ガス処理剤を添加する工程を行う。
本発明の酸性排ガスの処理方法が適用できる酸性排ガスは特に制限されない。例えば、都市ごみ廃棄物焼却炉、産業廃棄物焼却炉、発電ボイラ、炭化炉、民間工場等の燃焼施設において発生する、塩化水素や硫黄酸化物等の酸性ガスを含む排ガスが挙げられる。
排ガス処理剤の添加場所は、特に制限はなく、焼却炉内、減温塔手前、バグフィルター等の集塵機の手前で添加することで本発明の効果が見込まれる。ただし、一般的には、排ガス処理剤を、酸性排ガスを減温塔で冷却した後のバグフィルター等の集塵機手前で添加することが好ましい。
本発明の酸性排ガスの処理方法では、排ガス処理剤として、比表面積が20m2/g以上、メジアン径(d50)が5〜30μmであって、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムを構成成分として有する粉体を含有してなるものを用いる。
従来のように、水酸化カルシウムで酸性排ガスを処理した場合、飛灰に水酸化カルシウムの未反応分が残存し、酸消費量で規定される飛灰中のアルカリ度が高くなる。これにより、リン酸系化合物に代表される重金属固定剤を多量に用いる必要がある。
しかしながら、本発明では、上述の特定の粉体を含有してなる排ガス処理剤を用いることから、酸性排ガスとの反応性に優れるとともに、従来の水酸化カルシウムに比べ、処理剤自身のアルカリ度を大幅に削減できる。具体的には、粉体のアルカリ度を500〜1000 mgCaCO3/gにすることができ、好ましくは700〜900 mgCaCO3/gにすることができる。これにより、飛灰に残存するアルカリ含有量を大幅に低減でき、重金属固定剤の添加量を大幅に削減することができる。
粉体の比表面積が20m2/g未満であると、塩化水素や硫黄酸化物等の酸性ガスとの反応性が低下する。また、粉体のメジアン径(d50)が5μm未満であると、集塵機での捕集効率の低下や差圧の上昇が懸念される。また、粉体のメジアン径(d50)が30μmを超えると酸性ガスとの反応性の低下が懸念される。
なお、本発明において「アルカリ度」は、試料(0.1〜0.5g)と1,000倍量の純水(100〜500ml)をビーカーに投入し、マグネチックスターラーで、1時間攪拌した試料からマイクロピペットで所定量(ml)分取し、フェノールフタレイン指示薬を数滴加え混合した後、1/50Nの硫酸を変色する(pH8.3に至る)まですみやかに滴定し、薬剤1gあたりの硫酸の滴定量(ml)を記録し、以下の換算式により算出した。
(換算式)
アルカリ度(mgCaCO3/g)
=0.02 [滴定硫酸濃度(mol/L)]×A (ml)÷B(g)×C(ml)÷D(ml)×100÷2
=A(ml)÷B(g)×C(ml)÷D(ml)
A:硫酸滴定量(ml)
B:試料量(g)
C:純水添加量(ml)
D:攪拌後の分取量(ml)
排ガス処理剤中の粉体は、酸性排ガス処理性能の観点から、比表面積、メジアン径(d50)、細孔容積及び動的見掛比重が以下の範囲であることが好ましい。
比表面積は20〜150m2/gであることが好ましく、20〜100m2/gであることがより好ましく、20〜60m2/gであることがさらに好ましい。メジアン径(d50)は5〜30μmであることが好ましく、10〜20μmであることがより好ましい。細孔容積は0.1〜0.7cm3/gであることが好ましく、0.1〜0.6cm3/gであることがより好ましく、0.1〜0.4cm3/gであることがさらに好ましい。動的見掛比重は、0.3〜0.7g/cm3であることが好ましく、0.4〜0.6 g/cm3であることがより好ましい。
本発明において「比表面積」とは窒素吸着によるBET法により、窒素の吸着量からBET1点法により算出される比表面積を意味し、「細孔容積」とはBJH法により算出される細孔容積を意味し、いずれもQuanta chrome社製の商品名 NOVA 2000等の測定装置により測定できる。また、「メジアン径(d50)」とは、レーザー回折散乱法によって求めた粒度分布における粒子個数の積算値が50%となる粒子径(d50)を意味し、島津製作所社製の商品名SALD-2100等の測定装置により測定できる。また、「動的見掛比重」とは、貯留槽における実際の比重に近い値であり、ホソカワミクロン社製の商品名パウダーテスター等の測定装置により測定される「ゆるみ見掛比重(タップをしない時の見掛比重)」と「固め見掛比重(十分にタップをした際の見掛比重)」の測定値をもとに以下算出式で試算される。
動的見掛比重(g/cm3)=A+{(B−A)×(B−A)÷B}
A:ゆるみ見掛比重(g/cm3
B:固め見掛比重(g/cm3
排ガス処理剤中の粉体は、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムを構成成分として有する。排ガス処理剤中の粉体に、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムという2つの成分を構成成分として有することにより、従来の水酸化カルシウムに比べ、処理剤自身のアルカリ度を大幅に削減できる。この理由は、水酸化カルシウムに比べ、水酸化マグネシウムは、水への溶解が非常に遅く、上記アルカリ度において検出しにくいためと考えられる。
さらに、水酸化カルシウムと水酸化マグネシウムの混合物、特に高比表面積の水酸化ドロマイトは、従来の水酸化カルシウムに比べ酸性排ガスとの反応性が優れており、水酸化カルシウムの未反応分が減少し、前記排ガス処理剤を添加し処理した飛灰のアルカリ度を大幅に減少させることができ、無機重金属固定剤、酸性中和剤、キレート系重金属固定剤の必要添加量を大幅に削減することができる。
なお、本発明において、「水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムを構成成分として有する」とは、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムが独立して存在する構成、並びに、後述する水酸化ドロマイト[Ca(OH)2・Mg(OH)2]のように、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムが複合化してなる構成等のように、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムを構成成分中に含むものを意味する。
粉体である排ガス処理剤に含まれる、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムは、飛灰アルカリ度の低減効果及び排ガス処理剤の低コスト化の観点から、排ガス処理剤中に含まれるマグネシウム原子とカルシウム原子のモルの比が、1:0.79〜1:3.15で含まれることが好ましく、1:0.96〜1:2.36で含まれることがより好ましい。
マグネシウム原子とカルシウム原子とのモル比は、EDTA滴定法により算出することができる。例えば、前記排ガス処理剤をJIS R9011に基づくEDTA滴定法により分析したCaとMgの測定結果から算出することができる。
水酸化カルシウムは、以下のように、焼成工程、消化工程を経て製造することができる。
(1)焼成工程 CaCO3 → CaO +CO2
原料の炭酸カルシウムを主成分とする石灰石は、特に制限されることなく使用できる。石灰石の分解温度は、約900℃であるが、焼成工程は、一般的には、1100〜1300℃程度の熱をかけて焼成される。焼成する時間は、炉の形式にもよるが2〜24時間程度行うことにより焼成が可能である。
焼成工程により得られた生石灰(酸化カルシウム)を消化原料とする場合には、ロールクラッシャーやインペラブレーカー等の粉砕機を用いて、数mmアンダー程度の粒度に粉砕することが好ましい。
(2)消化工程 CaO + H2O → Ca(OH)2
生石灰の消化工程は、一般的には、消化機で生石灰と水を反応させた後、消化反応のムラをなくすため、熟成機で、数十分程度攪拌し、熟成する。消化水の量は、熟成後の消石灰がほぼ乾粉で得られるよう調整される。生石灰の消化工程において必要な理論水量は、生石灰の3割程度であるが、消化に伴う発熱で水分ロスがある為、理論量の倍に相当する6割程度の水を加えて消化するのが一般的である。
前記製造した消石灰には、一部未焼成物や未反応の酸化カルシウムが含まれるため、気流分級機でこれらの不純物を取り除くとともに、ある一定の粒径範囲で消石灰を分級回収する。この際、粗粒のものは、振動ミルやボールミル等の粉砕機により粉砕し、再度分級する場合もある。工業的に使用されるJIS特号消石灰においては、ほぼ150μmアンダーとなるよう粒度調整され、その結果、メジアン径(d50)が5〜20μm程度になる。また、比表面積は、10〜20m2/g、細孔容積が0.05〜0.15cm3/g、動的見掛比重は、0.5〜0.6g/cm3程度となる。
また、近年、通常用いられていたJIS特号消石灰に比べ、酸性ガスとの反応性が高い、高反応性の消石灰が利用されている。この高反応性消石灰の製造においては、前記消化工程において、生石灰と同量の消化水を糖や多価アルコール等の消化遅延剤とともに添加する。この工程により、消石灰の比表面積を高くし、酸性ガスとの反応性を向上させることができる。
消化遅延剤としては、砂糖等の糖類、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノアルコール類が知られている。消化遅延剤は、生石灰100質量部に対して、0.1〜1.0質量部添加される。
消化後、必要に応じて乾燥、粉砕、分級などの工程を経て、メジアン径(d50)が5〜20μm程度、比表面積が40〜55m2/g、細孔容積が0.15〜0.30cm3/g、動的見掛比重0.35〜0.5g/cm3程度の高反応性の消石灰が得られる。
水酸化マグネシウムは、脱炭酸した海水に消石灰や水酸化ナトリウム等のアルカリ剤を添加し、水酸化マグネシウムの製造を行う海水法が一般的である。本方法では、製造する水酸化マグネシウムがコロイド状となり、沈降及び洗浄が困難となるので、循環により種晶を大きくして、沈降性・ろ過性の高い水酸化マグネシウムを得た後、沈降、洗浄、ろ過、乾燥、粉砕の工程を経て製造することができる。
また、酸化マグネシウムに水を接触させ、水酸化マグネシウムを製造する方法も知られている。
水酸化マグネシウムのメジアン径(d50)は、上記粉砕工程により調整することができる。一般的に市販されている水酸化マグネシウムは、粒子径1〜10μm、比表面積1〜40m2/gのものがある。
本発明では、比表面積の大きい水酸化マグネシウムを用いるのが好ましいことから、神島化学工業社製の商品名「水酸化マグネシウム300(粒子径7μm、BET比表面積35m2/g)」を適用するのが好適である。また、本発明の効果を得るため特開2005-247604号公報に記載されているようなBET比表面積が100m2/g以上の水酸化マグネシウムを適用することも好適である。
水酸化カルシウムと水酸化マグネシウムとを含む粉としては、水酸化ドロマイトが好適である。
水酸化ドロマイトは、ドロマイト(CaCO3・MgCO3)を原料として、下記に示すように、焼成工程、消化工程を経て製造される。水酸化ドロマイトは、日本国内に不純物の少ない高品位なドロマイト資源がある点、水酸化カルシウムと水酸化マグネシウムを混合利用する場合や、石灰石や軽焼マグネシウム(MgO)を混合して消化製造する場合において原料を混合する工程は不要であり、比較的安価に製造できる点において好適である。
(1)焼成工程 CaCO3・MgCO3 → CaO・MgO
原料のドロマイトは特に制限されることなく使用できる。ドロマイトは、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムの複塩であり、炭酸マグネシウムは、炭酸カルシウムに比べ分解温度が低いため、焼成温度は、1100〜1200℃程度と同程度からやや低い温度で焼成できる。焼成する時間は、前記同様、炉の形式にもよるが2〜24時間程度で十分焼成が可能である。
焼成工程により得られた酸化カルシウムと酸化マグネシウムを含む軽焼ドロマイトを消化原料とする場合には、消化反応を安定させるために、ロールクラッシャーやインペラブレーカー等により、数mmアンダー程度の粒度に粉砕することが好ましい。
(2)消化工程 CaO・MgO + 2H2O → Ca(OH)2・Mg(OH)2
軽焼ドロマイト(CaO・MgO)は、上記生石灰とほぼ同様に消化できる。前記製造した水酸化ドロマイトに含まれる一部未焼成物や未反応物は、前記同様、気流分級機で取り除くとともに、ある一定の粒径範囲で水酸化ドロマイトを分級回収する。この際、粗粒のものは、振動ミルやボールミル等の粉砕機により粉砕し、再度分級しても良い。これらの製造工程を経て、メジアン径(d50)が5〜30μm程度に調整され、比表面積が20〜40m2/g、細孔容積が0.1〜0.2cm3/g、動的見掛比重0.45〜0.65g/cm3程度の水酸化ドロマイトが得られる。
水酸化ドロマイトにおいても、上記の消化工程において、消化水に消化遅延剤を添加することにより比表面積を高くすることができる。比表面積を高くすることにより、本発明における酸性ガス除去性能を向上させるとともに、飛灰に残存するアルカリ度を低減することができ、非常に有効な手段である。
消化遅延剤としては、前記同様、砂糖等の糖類、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノアルコール類が挙げられる。
消化遅延剤は、原料である軽焼ドロマイト100質量部に対して、0.1〜1.5質量部添加することが好ましく、0.4〜1.2質量部添加することがより好ましい。
消化後、必要に応じて乾燥、粉砕、分級などの工程を経て、メジアン径(d50)が5〜30μm程度、比表面積が40〜60m2/g、細孔容積が0.2〜0.4cm3/g、動的見掛比重0.4〜0.6g/cm3程度の高比表面積の水酸化ドロマイトが得られる。
酸性排ガスに対する排ガス処理剤の添加量は、酸性排ガス中の塩化水素及び硫黄酸化物の合計に対して、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムを合計で0.5〜5.0当量となるように添加することが好ましい。排ガス処理剤をこのような量で添加することにより、飛灰のアルカリ度を後述の範囲としやすくすることができ、重金属固定剤の添加量を大幅に削減しやすくできるとともに、重金属の溶出を安定的に防止しやすくできる。
また、排ガス処理剤の添加量は、第一の方法では、0.7〜4.0当量とすることが好ましく、第二の方法では、0.6〜1.5当量とすることが好ましい。
上述のような適切な量の排ガス処理剤を添加するために、出口の塩化水素や硫黄酸化物濃度を監視する装置を設置し、排ガス処理剤の添加量をフィードバックで制御することにより排出する塩化水素や硫黄酸化物濃度の濃度レベルを調整したり、あるいは、煙道入り口付近の塩化水素や硫黄酸化物の濃度を監視する装置を設置し、入口酸性排ガス濃度に応じて排ガス処理剤の添加量を調整することが好ましい。
排ガス処理剤中の粉体は、本発明の効果を阻害しない範囲で、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウム以外の構成成分を含有していてもよい。例えば、排ガスのダイオキシンを処理する活性炭やバグフィルターのろ過助剤として使用される珪藻土等と配合し排ガス処理剤として添加することは、添加設備を節約できるケースもあり、有用な方法である。また、後述する無機重金属固定剤、酸性中和剤及びキレート剤等の重金属固定剤を配合しても良い。この際、製品の配合上、粉体の重金属固定剤が好ましい。
酸性排ガスに排ガス処理剤を添加する手段は特に制限されない。例えば、図1に示す酸性排ガス処理システム8では、排ガス処理剤供給装置3の薬剤貯留槽に入れられた排ガス処理剤は、ブロアー等により薬注ホースを経由して搬送され、煙道2に設置されたノズルから煙道2の酸性排ガスに吹き付けられる。排ガス処理剤は、粉体の形態で用いてもよいし、粉体を水等に分散して分散液の形態として用いてもよい。また、分散液を煙道2の酸性排ガスに噴霧する際には、一流体もしくは二流体等の分散ノズルを用い、排ガスに噴霧してよいし、減温塔の噴霧水とともに排ガスに噴霧し接触させてもよい。
排ガス処理剤を添加する際の酸性排ガスの温度は、特に制限はない。排ガス処理剤は、集塵機において酸性ガスと反応することから、集塵温度は100〜300℃であることが好ましく、130〜230℃であることがより好ましい。
第一の方法においては、排ガス処理剤を添加した後の飛灰のpH8.3終点における酸消費量から規定されるアルカリ度を150 mgCaCO3/g以下とする。飛灰のアルカリ度を前記範囲とすることにより、無機重金属固定剤及び/又は酸性中和剤の添加量を大幅に削減しやすくできるとともに、重金属の溶出を安定的に防止しやすくできる。同アルカリ度は120 mgCaCO3/g以下であることが好ましく、90 mgCaCO3/g以下であることがより好ましい。
また、第二の方法においては、排ガス処理剤を添加した後の飛灰のpH8.3終点における酸消費量から規定されるアルカリ度を55mgCaCO3/g未満とする。飛灰のアルカリ度を前記範囲とすることにより、キレート系重金属固定剤の添加量を大幅に削減しやすくできるとともに、重金属の溶出を安定的に防止しやすくできる。同アルカリ度は52mgCaCO3/g以下であることがより好ましい。また、アルカリ度を55mgCaCO3/g未満とした場合の効果は、排ガス処理剤を添加した後の飛灰の液固比10における溶出液のpHを11.8以下とすることにより、より顕著なものとすることができる。排ガス処理剤を添加した後の飛灰の液固比10における溶出液のpHは、11.6以下とすることがより好ましい。
なお、第一及び第二の方法において、排ガス処理剤を添加した後の飛灰のpH8.3終点における酸消費量から規定されるアルカリ度の下限については特に制限はないが、酸性排ガスの処理を確実に行なう観点から、例えば10mgCaCO3/g以上、好ましくは20mgCaCO3/g以上とすることができる。
(飛灰の集塵工程)
酸性排ガスに排ガス処理剤を添加した後は、飛灰の集塵工程を行う。飛灰の集塵はバグフィルター等の公知の集塵機で行うことができる。
(重金属の固定工程)
飛灰を集塵した後は、集塵した飛灰に対して重金属固定剤を添加する工程を行い、重金属の固定を行う。飛灰中の重金属としては、鉛が代表例であり、その他、カドミウム、クロム、砒素、セレン、水銀等が挙げられる。
重金属固定剤としては、第一の方法では、無機重金属固定剤及び/又は酸性中和剤を用いることができる。無機重金属固定剤としては、リン酸系化合物、二酸化ケイ素系化合物、鉄含有化合物及び酸性中和剤が挙げられ、これらから選ばれる少なくとも一種以上を用いることができる。
また、第二の方法で用いる重金属固定剤としては、キレート系重金属固定剤が挙げられる。
なお、本発明の効果を阻害しない範囲で、第一の方法においてキレート系重金属固定剤を用いること、第二の方法において無機重金属固定剤及び/又は酸性中和剤を用いることは差し支えない。
リン酸系化合物は、処分場における重金属の長期固定効果を示し、環境保護の観点から有効な材料である。リン酸系化合物は、例えば重金属である鉛と反応し、鉛クロロピロモルファイトや鉛ピロモルファイトを形成し、鉱物の形態で鉛を固定することができる。
リン酸系化合物としては、リン酸を含有していれば特に制限なく用いることができ、リン酸塩であっても鉱物であっても良い。
リン酸系化合物としては、例えば、正リン酸(オルソリン酸)、ポリリン酸、メタリン酸、次リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、過リン酸、第一リン酸ソーダ、第二リン酸ソーダ、第三リン酸ソーダ、第一リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、第三リン酸カリウム、第一リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム、第一リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、過燐酸石灰、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等が挙げられる。
これらの中でも、正リン酸、第一リン酸塩、第二リン酸塩、第三リン酸塩、トリポリリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、ピロリン酸塩、ヒドロキシアパタイトの形態を有する鉱物、特に燐灰石(アパタイト化合物)が良好な重金属固定効果を示す。
リン酸系化合物は、重金属の中でも、鉛の固定化に特に有用である。
二酸化ケイ素含有化合物は、飛灰中のカルシウム成分と、二酸化ケイ素とが反応してケイ酸カルシウム鉱物(3CaO・2SiO2・3H2O)を生成して、該鉱物の中に重金属を封じ込める効果、並びに二酸化ケイ素が直接重金属に作用して、難溶性の重金属ケイ酸塩(PbSiO3等)を生成することにより重金属を固定する効果が得られると考えられる。二酸化ケイ素含有化合物の重金属固定は、飛灰中のアルカリ含有量の影響を受け、飛灰中のアルカリ含有量が多大な場合、必要添加量が増加する。従って、本発明により、二酸化ケイ素含有化合物においても必要添加量を大幅に削減することができる。
二酸化ケイ素含有化合物は、SiO2成分を有する化合物であれば特に制限なく用いることができ、二酸化ケイ素そのものであってもよいし、塩であっても鉱物であってもよい。
二酸化ケイ素含有化合物は、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属を含むケイ酸塩、シリカヒューム、シリカゲル、活性白土、ゼオライト、ベントナイト、カオリナイト、ハロイサイト、アンチゴライト、パイオライト、タルク、モンモリロナイト、サボナイト、パーミキュライト、白雲母、バラゴナイト、イライト、金雲母、黒雲母、マーガライト、ザンソフィライト、ドンパサイト、スドウ石、クリノクロア、シャモサイト、セピオライト、パリゴルスカイト、イモゴライト、アロフェン及びヒシンゲライト等のケイ酸塩鉱物などが挙げられる。
二酸化ケイ素含有化合物は、重金属の中でも、鉛の固定化に特に有用である。
鉄含有化合物としては、鉄を含有していれば良く、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、鉄粉等が挙げられる。
鉄含有化合物は、重金属の中でも、六価クロム、砒素、セレン及び水銀の固定化に特に有用である。
酸性中和剤は、重金属の溶出量を低下させる役割を有する。酸性中和剤も飛灰に残存するアルカリの影響を受け、残存飛灰中のアルカリ含有量が多大な場合、必要添加量が増加する。従って、本発明により、酸性中和剤も必要添加量を大幅に削減することができる。
酸性中和剤としては、塩酸、硫酸、硝酸、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等が例示できる。
酸性中和剤は単独で用いても良いが、重金属の溶出をさらに抑えるという観点からは、上述の無機重金属固定剤と併用して用いることが好ましい。また、無機重金属固定剤と酸性中和剤とを併用した場合、高価である無機重金属固定剤の使用量を低減できる点で好適である。さらに、中和剤とキレート系重金属固定剤を併用しても本発明の効果は得られる。
キレート剤は、飛灰中の重金属と難溶性のキレート化合物を形成して、重金属を固定する作用を有する。本発明においては、飛灰のアルカリ度や溶出液のpHを上述の範囲とすることにより、キレート剤においても必要添加量を削減することができる。これは、上述した飛灰性状により、飛灰からの鉛の溶出量を大幅に削減でき、これにより、キレート剤の必要添加量を削減できたものと考えられる。
キレート剤としては、キレート化合物の形成により重金属を固定する効果を有すれば良く、特に制限はない。このようなキレート剤としては、ピペラジンジチオカルバミン酸塩、ジエチルジチオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩、ジブチルジチオカルバミン酸塩等のジチオカルバミン酸塩類、ポリアルキレンポリアミンやポリエチレンイミン等のポリアミン類が挙げられる。
キレート剤は、重金属の中でも、鉛、水銀の固定化に特に有用である。
重金属固定剤の添加量は、重金属固定剤の種類、飛灰のアルカリ度や、飛灰中の重金属の量によっても異なるため一概には言えないが、飛灰に対して0.1〜30質量%であることが好ましく、1〜25質量%であることがより好ましい。
第一の方法においては、無機重金属固定剤及び/又は酸性中和剤を添加した後の飛灰の液固比(L/S)が10の場合の溶出液のpHを8.0〜11.5とすることが好ましく、特に9.0〜10.5であることがより好ましい。溶出液のpHを前記範囲とすることにより、鉛等重金属の溶出を効果的に防止できるとともに水酸化マグネシウムの溶解を抑え、水酸化マグネシウムの含有量に相当するアルカリ度が低減され、無機重金属固定剤及び/又は酸性中和剤の添加量削減に寄与できる。
飛灰に無機重金属固定剤、中和剤、キレート系重金属固定剤を添加する手段は特に制限されない。例えば、図1に示すような酸性排ガス処理システムでは、集塵した飛灰は飛灰処理装置に排出され、該装置内で、薬剤添加手段により、無機重金属固定剤、中和剤、キレート系重金属固定剤を添加することができる。
無機重金属固定剤、中和剤、キレート系重金属固定剤は、粉体の形態で用いてもよいが、粉体を水等に溶解又は分散する等して液状の形態として用いることが好ましい。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
(A.排ガス処理剤)
[参考例A−1、A−2]
一般的に酸性排ガス処理に使用される水酸化カルシウム(参考例A−1:JIS特号水酸化カルシウム、参考例A−2:高反応水酸化カルシウム)のアルカリ度を上述の測定方法に基づいて測定した。結果を表1に示す。
[参考例A−3〜A−5]
ドロマイトを原料として、以下の手法により、参考例A−3〜A−5の排ガス処理剤(水酸化ドロマイト)を得た。参考例A−3〜A−5の水酸化ドロマイトの粉体特性及びアルカリ度を表1に示す。なお、表1の「Mg:Ca」の値は、EDTA滴定法により算出した。
(参考例A−3の水酸化ドロマイトの製造)
ドロマイトをロータリーキルンで1100〜1200℃で加熱、焼成した。本焼成工程の所要時間は約3時間であった。この軽焼ドロマイトをインペラブレーカーで4 mmアンダーに破砕した。
次いで、軽焼ドロマイトに対して、消化水を95%となるよう添加し、十分熟成消化させた。この後、乾燥、粉砕、分級機能を持った装置で参考例A−3の水酸化ドロマイトを得た。以下、参考例A−3で得られた水酸化ドロマイトを「水酸化ドロマイトa」という場合がある。
(参考例A−4の水酸化ドロマイトの製造)
軽焼ドロマイトの消化水に、軽焼ドロマイトに対してジエチレングリコールが0.48%となるように添加した以外は、実施例1と同様にして水酸化ドロマイトを製造した。以下、参考例A−4で得られた水酸化ドロマイトを「水酸化ドロマイトb」という場合がある。
(参考例A−5の水酸化ドロマイトの製造)
軽焼ドロマイトの消化水に、軽焼ドロマイトあたりジエチレングリコールが0.95%となるように溶解させた以外は、実施例1と同様にして水酸化ドロマイトを得た。以下、参考例A−5で得られた水酸化ドロマイトを「水酸化ドロマイトc」という場合がある。
表1から明らかなように、参考例A3〜A5の排ガス処理剤(水酸化ドロマイト)は、参考例A−1及びA−2の一般的な水酸化カルシウムに比べて、アルカリ剤自体のアルカリ度を29〜34%と大幅に低下できることが分かる。
(B.排ガス処理剤の添加工程)
[参考例B−1〜B−5]
カラムに各排ガス処理剤(参考例B−1:JIS特号水酸化カルシウム、参考例B−2:高反応水酸化カルシウム、参考例B−3:水酸化ドロマイトa、参考例B−4:水酸化ドロマイトb、参考例B−5:水酸化ドロマイトc)を0.5g充填し、酸性排ガスを模して作製したガス(HCl:1000ppm、SO2:100ppm、H2O:20%、N2:残部(Balance))を流速900cm3/minの速さで75分間通過させ、温度170℃と190℃の2条件で反応させ、酸性成分であるHCl及びSO2除去率を測定した。
酸性成分の除去率は、HClについては未反応HClを冷却したトラップに凝縮させ、0.1MのNaOH水溶液を中和滴定して算出した。SO2については、未反応SO2をH22水溶液で捕集して、0.1MのNaOH水溶液を中和滴定して算出した。結果を表2に示す。
参考例B−3〜B−5の排ガス処理剤(水酸化ドロマイト)は、170℃及び190℃において、参考例B−1のJIS特号水酸化カルシウムと同等以上の酸性排ガス処理性能を示し、実用に供する酸性排ガス処理性能を有することが分かる。また、参考例B−3〜B−5の結果から、BET比表面積の上昇に伴い酸性排ガス処理性能が向上することが分かる。さらに、参考例B−2と参考例B−5との排ガス処理剤はBET比表面積が同一であるが、参考例B−5の方が酸性排ガス除去性能に優れている。この結果により、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムを併用することにより、水酸化カルシウム単体よりも、酸性排ガス除去性能を向上できることが分かる。
(C.排ガス処理剤の添加工程、並びに無機重金属固定剤、酸性中和剤、キレート系重金属固定剤の添加工程)
[比較例1]
酸性排ガスの濃度変動が激しい産業廃棄物焼却炉(排ガス量14,000Nm3/h(乾き)、排ガス水分 10%)において、高反応水酸化カルシウムを添加する前の煙道に、塩化水素測定機器(京都電子工業社製、HL−22)と、硫黄酸化物濃度測定装置(堀場製作所社、PG−337)を設置し、入口塩化水素濃度及び硫黄酸化物濃度を測定した。なお、本試験期間中、SO2濃度は、1〜7ppmと低く、影響が軽微であったため、排ガス処理剤の添加当量は、入口塩化水素濃度をもとに試算した。
排ガス処理剤は、粉体切出装置を設置し、バグフィルター前段の煙道に高反応水酸化カルシウム(参考例A−2の排ガス処理剤)を添加した。この際、出口に設置された塩化水素測定機器(京都電子工業社製、KLA−1)で測定される信号を元に出口のHCl濃度を200ppmを目標とし、フィードバック制御を実施した。
上記添加条件で安定した後、3〜10時間かけて飛灰を定期的に採取し、採取した各飛灰中のアルカリ度(pH8.3終点)を測定するとともに、採取した飛灰のうちの一つの飛灰について重金属の溶出試験(環境庁告示13号試験)を行い、重金属固定剤及び酸性中和剤の必要添加量を評価した。また、各種重金属固定剤(リン酸系化合物、二酸化ケイ素系化合物、鉄含有化合物及びキレート剤)及び酸性中和剤を添加して、重金属の溶出量を評価した。
酸性排ガスの処理結果を表3、飛灰のアルカリ度を表4に示す。また、重金属溶出試験を行った飛灰の性状(含有量)を表5、各種重金属固定剤の添加による重金属の溶出量及び該溶出量から求めた薬剤の必要添加量の結果を表6に示す。
[実施例1]
排ガス処理剤を水酸化ドロマイトcに変更した以外は、比較例1と同一の方法で重金属の溶出量等を評価した。結果を表3〜5、7に示す。
[比較例2]
出口のHCl濃度を100ppmを目標としてフィードバックした以外は、比較例1と同一の方法で重金属の溶出量等を評価した。結果を表3〜5、8に示す。
[実施例2]
排ガス処理剤を水酸化ドロマイトcに変更した以外は、比較例2と同一の方法で重金属の溶出量等を評価した。結果を表3〜5、9に示す。
[実施例3]
出口のHCl濃度を50ppmを目標としてフィードバックした以外は、実施例2と同一の方法で重金属の溶出量等を評価した。結果を表3〜5、10に示す。
表3中、O2換算値及び添加当量は以下のように算出した。
<O2換算値>
2換算値(ppm)=実測値(ppm)×(21%−12%)÷(21%−酸素濃度(%))
<消石灰添加当量;比較例1、2>
消石灰添加当量=A ÷ [ ( ( B ÷0.614÷1000÷36.5×74÷2×C÷1000) + ( D ÷0.35÷1000÷64×74×C÷1000)}
A:消石灰添加量(kg/h)
B:入口HCl濃度 [実測値] (ppm)
C:排ガス量[乾き] (Nm3/h)
D:入口SO2濃度 [実測値(ppm)
<水酸化ドロマイト添加当量;実施例1〜3>
水酸化ドロマイト添加当量=E÷[ ((B÷0.614÷1000÷36.5×(58+74)÷4×C÷1000) + ( D ÷0.35÷1000÷64×(58+74)÷2×C÷1000)}
E:水酸化ドロマイト添加量(kg/h)
比較例1の酸性排ガス処理方法では、入口のHCl濃度の平均856ppm(O2換算)に対し、出口HCl濃度の平均は175ppm(O2換算)であり、適正に酸性排ガスを処理することができた。この際、排ガス処理剤の添加量は31kg/hであり、入口の塩化水素及び硫黄酸化物に対する排ガス処理剤の添加当量は1.6当量であった(表3)。
しかし、比較例1における飛灰のアルカリ度は、155mgCaCO3/gと高く(表4)、重金属固定剤及び/又は酸性中和剤の必要添加量は、いずれも多量であった(表6)。
実施例1の酸性排ガス処理方法では、入口のHCl濃度1186ppm(O2換算)に対し、出口HCl濃度は181ppm(O2換算)であり、適正に酸性排ガスを処理することができた。この際、排ガス処理剤の添加量は、23kg/hであり、入口の塩化水素及び硫黄酸化物に対する排ガス処理剤の添加当量は1.0当量であり、比較例1よりも排ガス処理剤の添加量を削減できるものであった(表3)。実施例1における飛灰のアルカリ度は、52mgCaCO3/gであり、比較例1に比べ、飛灰中のアルカリ度を66%と大幅に削減できることが分かる(表4)。また、実施例1における無機重金属固定剤及び/又は酸性中和剤の必要添加量は、比較例1に比べて75〜95%と大幅に削減できるものであった(表7)。
実施例1では、キレート系重金属固定剤である薬剤i(40%ピペラジンジチオカルバミン酸カリウム水溶液)においても、比較例1に比べて添加量を20%削減することができた。実施例1の飛灰は、アルカリ度が52mgCaCO3/gまで低減され、重金属固定剤を添加しない状態での飛灰からの鉛の溶出が大幅に低減し、キレート系重金属固定剤においても本発明の効果が発揮できたものと考える。
比較例2の酸性排ガス処理方法では、入口のHCl濃度1432ppm(O2換算)に対し、出口HCl濃度は95ppm(O2換算)であり、適正に酸性排ガスを処理することができた。この際、排ガス処理剤の添加量は44kg/hであり、入口の塩化水素及び硫黄酸化物に対する排ガス処理剤の添加当量は1.5当量であった(表3)。
しかし、比較例2における飛灰のアルカリ度は、195mgCaCO3/gであり(表4)、重金属固定剤及び/又は酸性中和剤の必要添加量は、いずれも多量であった(表8)。
実施例2の酸性排ガス処理方法では、入口のHCl濃度の平均946ppm(O2換算)に対し、出口HCl濃度の平均は90ppm(O2換算)であり、適正に酸性排ガスを処理することができた。この際、排ガス処理剤の添加量は、29kg/hであり、比較例2よりも排ガス処理剤の添加量を削減できるものであったであった(表3)。実施例2における飛灰のアルカリ度は、56mgCaCO3/gであり、比較例2に比べ、飛灰中のアルカリ度を71%と大幅に削減できることが分かる(表4)。また、実施例2における無機重金属固定剤及び/又は酸性中和剤の必要添加量は、比較例2に比べて67〜88%と大幅に削減できるものであった(表9)。
ただし、キレート系重金属固定剤である薬剤i(40%ピペラジンジチオカルバミン酸カリウム水溶液)においては、必要添加量が3%であり、比較例2と変わらない結果であった。これは、飛灰のアルカリ度が59mgCaCO3/gであり、本アルカリ度ではキレート系重金属固定剤を用いても飛灰からの鉛の溶出量が低下せず、効果がなかったものと考えられる。
また、実施例1及び2の処理飛灰を用い、アルカリ度及び液固比10における溶出液のpHと、重金属固定剤無添加の状態でPb溶出量を調査した。結果を表11に示す。
実施例1の処理飛灰(水酸化ドロマイトcを添加して出口Hcl濃度を200ppmで処理した飛灰)は、アルカリ度が47〜52mgCaCO3/gの範囲であり、溶出液のpHは11.2〜11.6の範囲であり、Pbの溶出量は、2.2〜7.9mg/Lであった。
一方、実施例2の処理飛灰(水酸化ドロマイトcを添加し、出口Hcl濃度を100ppmで処理した飛灰)は、アルカリ含有量が55〜70mgCaCO3/gの範囲であり、溶出液のpHは11.9〜12.0の範囲であり、Pbの溶出量は、52.3〜85.2mg/Lと大量であった。
本結果からアルカリ含有量を55mgCaCO3/g未満とすること、好ましくはさらに、液固比10の溶出試験におけるpHを11.8以下に飛灰の性状を改質することにより、キレート系重金属固定剤の添加量を削減できる効果が得られると考えられる。
実施例3の酸性排ガス処理方法では、入口のHCl濃度の平均682ppm(O2換算)に対し、出口HCl濃度の平均は43ppm(O2換算)であり、適正に酸性排ガスを処理することができた。この際、排ガス処理剤の添加量は、51kg/hであり、入口の塩化水素及び硫黄酸化物に対する排ガス処理剤の添加当量は3.8当量であった(表3)。実施例3における飛灰のアルカリ度は、84mgCaCO3/gである(表4)。また、表10から、実施例3では、重金属の溶出を抑えるための重金属固定剤及び/又は酸性中和剤の添加量が少量で済むことが分かる。
1:減温塔
2:煙道
3:排ガス処理剤供給装置
4:集塵機
5:吸引ファン
6:飛灰処理装置
7:灰ピット
8:酸性排ガス処理システム

Claims (12)

  1. 酸性排ガスに対して、比表面積20m2/g以上、メジアン径(d50)5〜30μmであって、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムを構成成分として有する粉体を含有してなる排ガス処理剤を添加することにより、pH8.3を終点とする酸消費量から規定される飛灰のアルカリ度を150mgCaCO3/g以下とする工程を行い、さらに飛灰を集塵する工程を行った後に、無機重金属固定剤及び/又は酸性中和剤を添加する工程を行う酸性排ガスの処理方法。
  2. 無機重金属固定剤及び/又は酸性中和剤を添加する工程を行った後の飛灰の液固比10における溶出液のpHが8.0〜11.5である請求項1に記載の酸性排ガスの処理方法。
  3. 前記粉体中のマグネシウム原子とカルシウム原子とのモルの比が1:0.79 〜 1:3.15である請求項1又は2に記載の酸性排ガスの処理方法。
  4. 前記粉体の細孔容積が0.1〜0.7cm3/g、動的見掛け比重が0.3〜0.7g/cm3である請求項1〜3の何れかに記載の酸性排ガスの処理方法。
  5. 前記水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムとして、水酸化ドロマイトを含有する請求項1〜4の何れかに記載の酸性排ガスの処理方法。
  6. 前記酸性排ガスが塩化水素及び硫黄酸化物を含み、該塩化水素及び硫黄酸化物に対して、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムを合計で0.5〜5.0当量となるように添加する請求項1〜5の何れかに記載の酸性排ガスの処理方法。
  7. 酸性排ガスに対して、比表面積20m2/g以上、メジアン径(d50)5〜30μmであって、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムを構成成分として有する粉体を含有してなる排ガス処理剤を添加することにより、pH8.3を終点とする酸消費量から規定される飛灰のアルカリ度を55mgCaCO3/g未満とする工程を行い、さらに飛灰を集塵する工程を行った後に、キレート系重金属固定剤を添加する工程を行う酸性排ガスの処理方法。
  8. 排ガス処理剤を添加してpH8.3を終点とする酸消費量から規定される飛灰のアルカリ度を55mgCaCO3/g未満とする工程において、飛灰の液固比10における溶出液のpHを11.8以下とする請求項7に記載の酸性排ガスの処理方法。
  9. 前記粉体中のマグネシウム原子とカルシウム原子とのモルの比が1:0.79 〜 1:3.15である請求項7又は8に記載の酸性排ガスの処理方法。
  10. 前記粉体の細孔容積が0.1〜0.7cm3/g、動的見掛け比重が0.3〜0.7g/cm3である請求項7〜9の何れかに記載の酸性排ガスの処理方法。
  11. 前記水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムとして、水酸化ドロマイトを含有する請求項7〜10の何れかに記載の酸性排ガスの処理方法。
  12. 前記酸性排ガスが塩化水素及び硫黄酸化物を含み、該塩化水素及び硫黄酸化物に対して、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムを合計で0.5〜5.0当量となるように添加する請求項7〜11の何れかに記載の酸性排ガスの処理方法。
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