JP2015084062A - 顕微鏡撮像装置、顕微鏡撮像方法および顕微鏡撮像プログラム - Google Patents

顕微鏡撮像装置、顕微鏡撮像方法および顕微鏡撮像プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】画像の画質を低下させることなく任意のパターンを有する光を用いた撮像が可能な顕微鏡撮像装置、顕微鏡撮像方法および顕微鏡撮像プログラムを提供する。
【解決手段】投光変調素子112によりパターン測定光が生成され、測定対象物Sに照射される。生成されたパターンの空間的な位相が光変調素子112により所定量ずつ測定対象物S上で順次移動される。受光部120により測定対象物Sからの光が受光され、受光量を示す受光信号が出力される。受光部120から出力される受光信号に基づいてパターンの複数の位相で生成される複数の画像データに基づいて、測定対象物Sの画像を示すセクショニング画像データが生成される。光変調素子112の複数の変調画素間の非導光部の周期性に基づいて、画像データまたはセクショニング画像データにおける非導光部に相当する部分がフィルタ処理により除去される。
【選択図】図2

Description

本発明は、顕微鏡撮像装置、顕微鏡撮像方法および顕微鏡撮像プログラムに関する。
光学的セクショニング(切断)により3次元像を作るために使用可能な像を生成する顕微鏡撮像装置が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載された顕微鏡撮像装置においては、空間的に周期的なパターンで物体が照明されるようにマスクが光源に備えられる。それにより、試料にマスクパターンが投影される。マスクパターンの空間位相を調整するために、キャリッジによりマスクが少なくとも3つの位置に移動される。マスクの少なくとも3つの位置で照明された物体の3つ以上の像を解析することにより、物体の3次元像が生成される。
特表2000−506634号公報
キャリッジ等の機械的な機構に代えて光変調素子を用いることにより、任意のパターンを有する光を用いた撮像が可能となる。しかしながら、光変調素子を用いて得られた画像の画質は、機械的な機構を用いて得られた画像の画質よりも低下することがある。
本発明の目的は、画像の画質を低下させることなく任意のパターンを有する光を用いた撮像が可能な顕微鏡撮像装置、顕微鏡撮像方法および顕微鏡撮像プログラムを提供することである。
(1)第1の発明に係る顕微鏡撮像装置は、光を出射する投光部と、投光部により出射された光から任意のパターンを有する測定光を生成するように構成された複数の第1の画素を含む光変調素子と、光変調素子により生成された測定光を測定対象物に照射する投光光学系と、測定対象物からの光を受光し、受光量を示す受光信号を出力する受光部と、受光部から出力される受光信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成部と、画像データ生成部により生成される画像データに画像処理を行う画像処理部と、パターンを有する測定光を生成するとともに生成されたパターンの空間的な位相を所定量ずつ測定対象物上で順次移動させるように光変調素子を制御し、パターンの複数の位相で生成される複数の画像データに基づいて測定対象物の画像を示すセクショニング画像データを生成するように画像データ生成部を制御する制御部とを備え、光変調素子は、複数の第1の画素間に周期的な非導光部を有し、画像処理部は、光変調素子の非導光部の周期性に基づいて、画像データまたはセクショニング画像データにおける非導光部に相当する部分を除去するフィルタ処理を実行するものである。
この顕微鏡撮像装置においては、投光部により出射された光から複数の第1の画素を含む光変調素子により任意のパターンを有する測定光が生成される。光変調素子により生成された測定光が投光光学系により測定対象物に照射される。生成されたパターンの空間的な位相が光変調素子により所定量ずつ測定対象物上で順次移動される。受光部により測定対象物からの光が受光され、受光量を示す受光信号が出力される。受光部から出力される受光信号に基づいてパターンの複数の位相で生成される複数の画像データに基づいて、測定対象物の画像を示すセクショニング画像データが生成される。
ここで、光変調素子は、複数の第1の画素に周期的な非導光部を含む。光変調素子の非導光部からは、測定光が生成されない。したがって、生成される画像データにより表わされる画像には、光変調素子の非導光部に相当する影パターンが映り込む。このような場合でも、光変調素子の非導光部の周期性に基づいて、画像データまたはセクショニング画像データにおける非導光部に相当する部分がフィルタ処理により除去される。これにより、画像の画質を低下させることなく任意のパターンを有する光を用いた撮像が可能になる。
(2)顕微鏡撮像装置は、フィルタ処理を実行するか否かを指示するための第1の指示部をさらに備え、制御部は、第1の指示部によりフィルタ処理の実行が指示された場合にはフィルタ処理を実行し、第1の指示部によりフィルタ処理の実行が指示されない場合にはフィルタ処理を実行しないように画像処理部を制御してもよい。
この場合、フィルタ処理を実行するか否かが第1の指示部により指示される。これにより、画像に光変調素子の非導光部に相当する影パターンが映り込まない場合のみフィルタ処理を実行することが可能になる。その結果、影パターンが映り込まない画像を表わす画像データまたはセクショニング画像データにフィルタ処理が行われることを防止することができる。
(3)顕微鏡撮像装置は、第1の動作モードまたは第2の動作モードを指示するための第2の指示部をさらに備え、光変調素子は、投光部により出射された光から任意のパターンを有する測定光およびパターンを有しない光を選択的に生成するように構成され、制御部は、第2の指示部により第1の動作モードが指示された場合には、パターンを有する測定光を生成するとともに生成されたパターンの空間的な位相を所定量ずつ測定対象物上で順次移動させるように光変調素子を制御し、パターンの複数の位相で生成される複数の画像データに基づいてセクショニング画像データを生成するように画像データ生成部を制御し、第2の指示部により第2の動作モードが指示された場合には、パターンを有しない測定光を生成するように光変調素子を制御し、パターンを有しない測定光が照射されたときの測定対象物の画像を示す通常画像データを生成するように画像データ生成部を制御してもよい。
この場合、第2の指示部により第1の動作モードまたは第2の動作モードが指示される。第1の動作モードにおいては、パターンを有する測定光が光変調素子により生成され、測定対象物に照射される。また、生成されたパターンの空間的な位相が光変調素子により所定量ずつ測定対象物上で順次移動される。パターンの複数の位相で生成される複数の画像データに基づいてセクショニング画像データが生成される。
一方、第2の動作モードにおいては、パターンを有しない測定光が光変調素子により生成され、測定対象物に照射される。これにより、パターンを有しない測定光が照射されたときの測定対象物の画像を示す通常画像データが生成される。
このように、光変調素子を用いることにより、共通の投光光学系により任意のパターンを有する測定光およびパターンを有しない測定光を測定対象物に照射することができる。これにより、任意のパターンを有する測定光を用いた場合のセクショニング画像データおよびパターンを有しない測定光を用いた場合の通常画像データを得ることができる。
また、画像データ、セクショニング画像データまたは通常画像データにおける非導光部に相当する部分がフィルタ処理により除去される。したがって、第1および第2の動作モードにおいて、画質の低下が防止された画像を示す画像データを生成することができる。
(4)フィルタ処理は、空間フィルタ処理を含んでもよい。この場合、画像データまたはセクショニング画像データにおける光変調素子の非導光部に相当する部分を容易に除去することができる。
(5)画像処理部は、フィルタ処理として、波形変換処理、空間フィルタ処理、および波形変換処理の逆変換処理を順次行ってもよい。
この場合、波形変換処理により光変調素子の非導光部に相当する画像データまたはセクショニング画像データの部分が他の部分から分離される。これにより、空間フィルタ処理により画像データまたはセクショニング画像データにおける光変調素子の非導光部に相当する部分を効率よく除去することができる。その結果、逆変換処理により光変調素子の非導光部に相当する部分が除去された画像を得ることができる。
(6)波形変換処理は、離散フーリエ変換または離散ウェーブレット変換を含んでもよい。
この場合、光変調素子の非導光部に対応する空間周波数に基づいて、画像データまたはセクショニング画像データにおける光変調素子の非導光部に相当する部分を他の部分から高い精度で分離することができる。
(7)空間フィルタ処理は、ぼかしフィルタ処理を含んでもよい。
この場合、ぼかしフィルタ処理により画像がぼかされる。これにより、画像の画質を大きく低下させることなく画像データまたはセクショニング画像データにおける光変調素子の非導光部に相当する部分を容易に除去することができる。
(8)ぼかしフィルタ処理は、ガウシアンフィルタ処理を含んでもよい。
この場合、ガウシアンフィルタ処理により光変調素子の非導光部に相当する部分が画像の他の部分よりも大きな重みでぼかされる。これにより、画像の画質をほとんど低下させることなく画像データまたはセクショニング画像データにおける光変調素子の非導光部に相当する部分を容易に除去することができる。
(9)光変調素子、受光部および投光光学系は、投光光学系の解像度が光変調素子の複数の第1の画素間の隙間の幅よりも低くなるように構成されてもよい。
この場合、投光光学系の解像度が光変調素子の複数の第1の画素間の隙間の幅よりも低いので、生成されるセクショニング画像データに基づく画像には光変調素子の非導光部に相当する影パターンが映り込まない。これにより、画質がほとんど低下しない画像を示すセクショニング画像データを生成することができる。
(10)光変調素子および受光部の一方は、光変調素子および受光部の他方に対して、投光光学系を介して共役関係となる位置から投光光学系の解像度が光変調素子の複数の第1の画素間の隙間の幅よりも低くなるまでずれた位置に配置されてもよい。
この場合、投光光学系の解像度を光変調素子の複数の第1の画素間の隙間の幅よりも容易に低くすることができる。
(11)投光光学系の変調伝達関数の値は、光変調素子の複数の第1の画素間の隙間の幅に対応する空間周波数において、予め定められたしきい値以下であってもよい。
この場合、投光光学系の解像度を光変調素子の複数の第1の画素間の隙間の幅よりも容易に低くすることができる。
(12)受光部の受光面を含む平面上において、測定対象物から受光部への光の照射範囲が受光部の受光面を包含するように投光光学系が構成されてもよい。
投光光学系の配置のずれのため、測定対象物から受光部への光の照射範囲が受光部の受光面に相当する範囲より外れることがある。光が受光部の受光面の一部に照射されない場合、生成されるセクショニング画像データに基づく画像の一部に欠落が発生する。上記の構成によれば、測定対象物から受光部への光の照射範囲が受光部の受光面を包含する。そのため、光の大部分が受光部の受光面に入射する。これにより、投光光学系の配置のずれによる欠落が防止された画像を示すセクショニング画像データを生成することができる。
(13)受光部は、互いに交差する第1および第2の方向に並ぶ複数の第2の画素を含み、受光部の受光面を含む平面上において、光変調素子の各1個の第1の画素に対応する測定対象物から受光部への光の部分が、第1の方向に並ぶ3個の第2の画素および第2の方向に並ぶ3個の第2の画素を含む領域以下の領域に照射されるように投光光学系が構成されてもよい。
測定対象物から受光部への光の照射範囲が受光部の受光面よりも大き過ぎる場合、光変調素子による測定光のパターンの最小の幅が大きくなることにより、測定対象物の細部を高い精度で撮像する性能(セクショニング性能)が低下する。上記の構成によれば、光変調素子の各1個の第1の画素に対応する光の部分の照射範囲は、第1の方向に並ぶ3個の第2の画素および第2の方向に並ぶ3個の第2の画素を含む領域以下の領域に制限される。これにより、光変調素子による測定光のパターンの最小の幅を小さくすることができる。その結果、セクショニング性能が低下することを防止することができる。
(14)第2の発明に係る顕微鏡撮像方法は、投光部により光を出射するステップと、投光部により出射された光から複数の第1の画素を含む光変調素子により任意のパターンを有する測定光を生成するステップと、光変調素子により生成された測定光を投光光学系により測定対象物に照射するステップと、生成されたパターンの空間的な位相を光変調素子により所定量ずつ測定対象物上で順次移動させるステップと、受光部により測定対象物からの光を受光し、受光量を示す受光信号を出力するステップと、受光部から出力される受光信号に基づいてパターンの複数の位相で生成される複数の画像データに基づいて、測定対象物の画像を示すセクショニング画像データを生成するステップと、光変調素子の複数の第1の画素間の非導光部の周期性に基づいて、画像データまたはセクショニング画像データにおける非導光部に相当する部分を除去するステップとを含むものである。
この顕微鏡撮像方法によれば、投光部により出射された光から複数の第1の画素を含む光変調素子により任意のパターンを有する測定光が生成される。光変調素子により生成された測定光が投光光学系により測定対象物に照射される。生成されたパターンの空間的な位相が光変調素子により所定量ずつ測定対象物上で順次移動される。受光部により測定対象物からの光が受光され、受光量を示す受光信号が出力される。受光部から出力される受光信号に基づいてパターンの複数の位相で生成される複数の画像データに基づいて、測定対象物の画像を示すセクショニング画像データが生成される。
ここで、光変調素子は、複数の第1の画素に周期的な非導光部を含む。光変調素子の非導光部からは、測定光が生成されない。したがって、生成される画像データにより表わされる画像には、光変調素子の非導光部に相当する影パターンが映り込む。このような場合でも、光変調素子の非導光部の周期性に基づいて、画像データまたはセクショニング画像データにおける非導光部に相当する部分が除去される。これにより、画像の画質を低下させることなく任意のパターンを有する光を用いた撮像が可能になる。
(15)第3の発明に係る顕微鏡撮像プログラムは、処理装置により実行可能な顕微鏡撮像プログラムであって、投光部により光を出射する処理と、投光部により出射された光から複数の第1の画素を含む光変調素子により任意のパターンを有する測定光を生成する処理と、光変調素子により生成された測定光を投光光学系により測定対象物に照射する処理と、生成されたパターンの空間的な位相を光変調素子により所定量ずつ測定対象物上で順次移動させる処理と、受光部により測定対象物からの光を受光し、受光量を示す受光信号を出力する処理と、受光部から出力される受光信号に基づいてパターンの複数の位相で生成される複数の画像データに基づいて、測定対象物の画像を示すセクショニング画像データを生成する処理と、光変調素子の複数の第1の画素間の非導光部の周期性に基づいて、画像データまたはセクショニング画像データにおける非導光部に相当する部分を除去する処理とを、処理装置に実行させるものである。
この顕微鏡撮像プログラムによれば、投光部により出射された光から複数の第1の画素を含む光変調素子により任意のパターンを有する測定光が生成される。光変調素子により生成された測定光が投光光学系により測定対象物に照射される。生成されたパターンの空間的な位相が光変調素子により所定量ずつ測定対象物上で順次移動される。受光部により測定対象物からの光が受光され、受光量を示す受光信号が出力される。受光部から出力される受光信号に基づいてパターンの複数の位相で生成される複数の画像データに基づいて、測定対象物の画像を示すセクショニング画像データが生成される。
ここで、光変調素子は、複数の第1の画素に周期的な非導光部を含む。光変調素子の非導光部からは、測定光が生成されない。したがって、生成される画像データにより表わされる画像には、光変調素子の非導光部に相当する影パターンが映り込む。このような場合でも、光変調素子の非導光部の周期性に基づいて、画像データまたはセクショニング画像データにおける非導光部に相当する部分が除去される。これにより、画像の画質を低下させることなく任意のパターンを有する光を用いた撮像が可能になる。
本発明によれば、画像の画質を低下させることなく任意のパターンを有する光を用いた撮像が可能になる。
本発明の一実施の形態に係る顕微鏡撮像装置の構成を示すブロック図である。 図1の顕微鏡撮像装置の測定部および測定光供給部の構成を示す模式図である。 図1の顕微鏡撮像装置の測定部における光路を示す模式図である。 CPUの構成を示すブロック図である。 パターン付与部により出射される測定光の例を示す図である。 測定対象物の通常画像を示す図である。 通常画像および変換画像の一例を示す図である。 影パターンの空間周波数の算出に用いられるパターン測定光の一例を示す図である。 投影解像サイズの調整方法を説明するための図である。 受光面を含む平面上における蛍光の照射範囲と受光面との関係を示す図である。 蛍光の照射範囲および受光面の一部の拡大図である。 受光部の模式的拡大図である。
(1)顕微鏡撮像装置の構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る顕微鏡撮像装置の構成を示すブロック図である。図2は、図1の顕微鏡撮像装置500の測定部および測定光供給部300の構成を示す模式図である。図3は、図1の顕微鏡撮像装置500の測定部における光路を示す模式図である。
以下、本実施の形態に係る顕微鏡撮像装置500について、図1〜図3を参照しながら説明する。図1に示すように、顕微鏡撮像装置500は、測定部100、PC(パーソナルコンピュータ)200、測定光供給部300および表示部400を備える。
図2に示すように、測定光供給部300は、電源装置310、投光部320および導光部材330を含む。本例においては、導光部材330は液体ライトガイドである。導光部材330は、例えばガラスファイバまたは石英ファイバであってもよい。電源装置310は、投光部320に電力を供給するとともに、図示しない電源ケーブルを介して測定部100に電力を供給する。
投光部320は、測定光源321、減光機構322および遮光機構323を含む。測定光源321は、例えばメタルハライドランプである。測定光源321は、水銀ランプまたは白色LED(発光ダイオード)等の他の光源であってもよい。以下、測定光源321により出射される光を測定光と呼ぶ。
減光機構322は、互いに透過率が異なる複数のND(Neutral Density)フィルタを含む。減光機構322は、複数のNDフィルタのいずれかが測定光源321から出射された測定光の光路上に位置するように配置される。測定光の光路上に位置するNDフィルタを選択的に切り替えることにより、減光機構322を通過する測定光の強度を調整することができる。減光機構322は、複数のNDフィルタに代えて、光の強度を調整可能な光変調器等の光学素子を含んでもよい。
遮光機構323は、例えばメカニカルシャッタである。遮光機構323は、減光機構322を通過した測定光の光路上に配置される。遮光機構323が開状態である場合には、測定光は遮光機構323を通過し、導光部材330に入力される。一方、遮光機構323が閉状態である場合には、測定光は遮断され、導光部材330に入力されない。遮光機構323は、光の通過および遮断を切り替え可能な光変調器等の光学素子を含んでもよい。
測定部100は、例えば蛍光顕微鏡であり、蛍光照明レンズ101、パターン付与部110、受光部120、透過光供給部130、ステージ140、フィルタユニット150、レンズユニット160および制御基板170を含む。受光部120、フィルタユニット150、レンズユニット160、ステージ140および透過光供給部130は、下方から上方に向かってこの順で配置される。
ステージ140上には、測定対象物Sが載置される。本例においては、測定対象物Sは種々のタンパク質を含む生物標本である。測定対象物Sには、特定のタンパク質に融合する蛍光試薬が塗布されている。蛍光試薬は、例えばGFP(緑色蛍光タンパク質)、Texas Red(テキサスレッド)およびDAPI(ジアミジノフェニルインドール)を含む。
GFPは、490nm付近の光を吸収して510nm付近の波長の光を放出する。Texas Redは、波長596nm付近の光を吸収して波長620nm付近の光を放出する。DAPIは、波長345nm付近の光を吸収して波長455nm付近の光を放出する。
測定対象物Sが載置されるステージ140上の平面(以下、載置面と呼ぶ)内で互いに直交する2方向をX方向およびY方向と定義し、載置面に対して直交する方向をZ方向と定義する。本実施の形態においては、X方向およびY方向は水平方向であり、Z方向は上下方向である。また、本実施の形態においては、ステージ140はX−Yステージであり、図示しないステージ駆動部によりX方向およびY方向に移動可能に配置される。
測定部100には、測定光供給部300から出射される測定光を測定対象物Sに導く光学系、透過光供給部130から出射される光を測定対象物Sに導く光学系および測定対象物Sからの光を受光部120に導く光学系が構成される。
パターン付与部110は、光出力部111、光変調素子112および複数(本例では2個)のミラー113を含む。光出力部111は、導光部材330に入力された測定光を出力する。光出力部111から出力された光は、複数のミラー113により反射され、光変調素子112に入射する。
光変調素子112は、例えばDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)である。DMDは2次元状に配列された複数のマイクロミラーにより構成される。光変調素子112は、LCOS(Liquid Crystal on Silicon:反射型液晶素子)またはLCD(液晶ディスプレイ)であってもよい。光変調素子112に入射した光は、後述するパターン生成部212により予め設定されたパターンおよび予め設定された強度(明るさ)に変換され、蛍光照明レンズ101を通ってフィルタユニット150に出射される。
フィルタユニット150は、複数(本例では3個)のフィルタキューブ151およびフィルタターレット152を含む。複数のフィルタキューブ151は、測定対象物Sに塗布される複数種類の蛍光試薬に対応する。図3に示すように、各フィルタキューブ151は、フレーム151a、励起フィルタ151b、ダイクロイックミラー151cおよび吸収フィルタ151dを含む。フレーム151aは、励起フィルタ151b、ダイクロイックミラー151cおよび吸収フィルタ151dを支持する立方体状の部材である。
図2の励起フィルタ151bは、第1の波長帯域の光を通過させる帯域通過フィルタである。吸収フィルタ151dは、第1の波長帯域と異なる第2の波長帯域の光を通過させる帯域通過フィルタである。ダイクロイックミラー151cは、第1の波長帯域を含む波長帯域の光を反射し、第2の波長帯域を含む波長帯域の光を通過させるミラーである。第1および第2の波長帯域は、蛍光試薬の吸収波長および放出波長に応じてフィルタキューブ151ごとに互いに異なる。
フィルタターレット152は、円板状を有する。本実施の形態においては、フィルタターレット152に略90°間隔で4個のフィルタキューブ取付部152aが設けられている。各フィルタキューブ取付部152aは、フィルタキューブ151を取り付け可能に形成された開口である。
本実施の形態においては、3個のフィルタキューブ取付部152aにそれぞれ3個のフィルタキューブ151が取り付けられ、残り1個のフィルタキューブ取付部152aにはフィルタキューブ151が取り付けられない。そのため、フィルタキューブ151が取り付けられないフィルタキューブ取付部152aを測定光の光路上に配置させることにより、フィルタキューブ151を用いない明視野観察を行うことが可能である。なお、図2の例においては、フィルタターレット152に2個のフィルタキューブ151が取り付けられている。
フィルタターレット152は、図示しないフィルタターレット駆動部によりZ方向に平行な軸を中心に所定の角度間隔(本例では90°間隔)で回転可能に配置される。使用者は、後述するPC200の操作部250を操作してフィルタターレット152を回転させることにより、測定対象物Sの測定に用いるフィルタキューブ151を選択する。
選択されたフィルタキューブ151は、測定光が励起フィルタ151bに入射するようにフィルタユニット150に取り付けられている。図3に示すように、励起フィルタ151bに測定光が入射すると、測定光のうち第1の波長帯域を有する成分のみが励起フィルタ151bを通過する。励起フィルタ151bを通過した測定光は、ダイクロイックミラー151cにより上方のレンズユニット160(図2)に向けて反射される。
レンズユニット160は、複数(本例では6個)の対物レンズ161、レンズターレット162および焦点位置調整機構163を含む。複数の対物レンズ161は、互いに異なる倍率を有する。レンズターレット162は、円板状を有する。本実施の形態においては、レンズターレット162上に略60°間隔で6個の対物レンズ取付部162aが設けられている。各対物レンズ取付部162aは、対物レンズ161を取付可能に形成された開口である。
本実施の形態においては、6個の対物レンズ取付部162aにそれぞれ6個の対物レンズ161が取り付けられる。なお、図2の例においては、レンズユニット160に3個の対物レンズ161が取り付けられている。
レンズターレット162は、図示しないレンズターレット駆動部によりZ方向に平行な軸を中心に所定の角度間隔(本例では60°間隔)で回転可能に配置される。使用者は、後述するPC200の操作部250を操作してレンズターレット162を回転させることにより、測定対象物Sの測定に用いる対物レンズ161を選択する。選択された対物レンズ161は、選択されたフィルタキューブ151と重なる。これにより、図3に示すように、フィルタキューブ151のダイクロイックミラー151cにより反射された測定光は、選択された対物レンズ161を通過する。
図2の焦点位置調整機構163は、図示しない焦点位置調整機構駆動部によりレンズターレット162をZ方向に移動可能に配置される。これにより、ステージ140上の測定対象物Sと選択された対物レンズ161との相対的な距離が調整される。ステージ140は、略中央部に開口を有する。対物レンズ161を通過した測定光は、集光されつつステージ140の開口を通過して測定対象物Sに照射される。
測定光が照射された測定対象物Sは、測定光を吸収して、第2の波長帯域を含む波長帯域の蛍光を放出する。測定対象物Sの下方に放出された蛍光は、選択された対物レンズ161ならびに選択されたフィルタキューブ151のダイクロイックミラー151cおよび吸収フィルタ151dを通過する。これにより、蛍光のうち第2の波長帯域を有する成分が受光部120に入射する。
本実施の形態において、測定部100は測定対象物Sからの蛍光を観察可能な蛍光顕微鏡であるが、これに限定されない。測定部100は、例えば反射型顕微鏡であってもよい。この場合、フィルタターレット152のフィルタキューブ取付部152aには、フィルタキューブ151に代えてハーフミラーが取り付けられる。
透過光供給部130は、測定対象物Sの明視野観察、位相差観察、微分干渉観察、暗視野観察、偏斜観察または偏光観察に用いられる。透過光供給部130は、透過光源131および透過光学系132を含む。透過光源131は、例えば白色LEDである。透過光源131は、ハロゲンランプ等の他の光源であってもよい。以下、透過光源131により出射される光を透過光と呼ぶ。
透過光学系132は、開口絞り、位相差スリット、リレーレンズ、コンデンサレンズおよびシャッタ等の光学素子を含む。透過光源131により出射された透過光は、透過光学系132を通過してステージ140上の測定対象物Sに照射される。
透過光は、測定対象物Sを透過して、対物レンズ161を通過する。その後、透過光は、フィルタキューブ151が取り付けられていないフィルタターレット152のフィルタキューブ取付部152aを通過して受光部120に入射する。
受光部120は、カメラ121、カラーフィルタ122および結像レンズ123を含む。カメラ121は、例えば撮像素子を含むCCD(電荷結合素子)カメラである。撮像素子は、例えばモノクロCCDである。撮像素子は、カラーCCDであってもよいし、CMOS(相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサ等の他の撮像素子であってもよい。撮像素子がカラーCCDである場合には、受光部120にカラーフィルタ122は設けられない。
受光部120に入射した蛍光または透過光は、結像レンズ123により集光および結像された後、カラーフィルタ122を通ってカメラ121により受光される。これにより、測定対象物Sの画像が得られる。カメラ121の撮像素子の各画素からは、受光量に対応するアナログの電気信号(以下、受光信号と呼ぶ)が制御基板170に出力される。
制御基板170には、図示しないA/D変換器(アナログ/デジタル変換器)およびFIFO(First In First Out)メモリが実装される。カメラ121から出力される受光信号は、PC200による制御に基づいて、A/D変換器により一定のサンプリング周期でサンプリングされるとともにデジタル信号に変換される。A/D変換器から出力されるデジタル信号は、FIFOメモリに順次蓄積される。FIFOメモリに蓄積されたデジタル信号は画素データとして順次PC200に転送される。
また、制御基板170は、PC200による制御に基づいて、パターン付与部110、受光部120、透過光供給部130、ステージ140、フィルタユニット150およびレンズユニット160の動作を制御する。さらに、制御基板170は、PC200による制御に基づいて、測定光供給部300の投光部320の動作を制御する。
図1に示すように、PC200は、CPU(中央演算処理装置)210、ROM(リードオンリメモリ)220、RAM(ランダムアクセスメモリ)230、記憶装置240および操作部250を含む。操作部250は、キーボードおよびポインティングデバイスを含む。ポインティングデバイスとしては、マウスまたはジョイスティック等が用いられる。
表示部400は、例えばLCDパネルまたは有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルにより構成される。図2の例においては、PC200および表示部400は、1台のノート型パーソナルコンピュータにより実現される。
ROM220には、システムプログラムが記憶される。RAM230は、種々のデータの処理のために用いられる。記憶装置240は、ハードディスク等からなる。記憶装置240には、画像処理プログラムおよび顕微鏡撮像プログラムが記憶される。また、記憶装置240は、測定部100から与えられる画素データ等の種々のデータを保存するために用いられる。
図4は、CPU210の構成を示すブロック図である。図4に示すように、CPU210は、画像データ生成部211、パターン生成部212、制御部213および画像処理部214を含む。画像データ生成部211は、測定部100から与えられる画素データに基づいて画像データを生成する。画像データは複数の画素データの集合である。画像処理部214は、画像データ生成部211により生成される画像データを表わす画像に画像処理を行う。詳細は後述する。
パターン生成部212は、図2の光変調素子112により出射される測定光のパターンとして、空間的な位相を所定量ずつ順次移動させつつ前記測定対象物に照射すべきパターンを生成する。制御部213は、パターン生成部212により生成されたパターンに基づいて図2の制御基板170を介して光変調素子112を制御することにより、所定のパターンを有する測定光を測定対象物Sに照射しつつパターンの位相を移動させる。
また、制御部213は、制御基板170を介して受光部120、透過光供給部130、ステージ140、フィルタユニット150、レンズユニット160および投光部320の動作を制御する。さらに、制御部213は、生成した画像データにRAM230を用いて各種処理を行うとともに、画像データに基づく画像を表示部400に表示させる。
測定部100においては、測定対象物Sと図3の対物レンズ161との相対的な距離を変化させることにより、測定対象物Sに対する対物レンズ161の焦点の位置(以下、対物レンズ161の焦点位置と呼ぶ)が変化する。対物レンズ161の焦点位置が変化されつつ測定光が測定対象物Sに照射される。これにより、各焦点位置における測定対象物Sの画像データが生成される。
本実施の形態に係る顕微鏡撮像装置500では、図2の投光部320を用いて測定対象物Sの落射観察を行うことができ、透過光供給部130を用いて測定対象物Sの透過観察を行うことができる。
落射観察としては、以下に説明するパターン化された測定光を用いるセクショニング観察および均一な測定光を用いる通常観察を行うことができる。
(2)セクショニング観察および通常観察
セクショニング観察では、1次元状または2次元状のパターンを有する測定光を測定対象物Sに照射しつつそのパターンの位相を一定量ずつ移動させる。1次元状のパターンを有する測定光は、XY平面上の一方向(例えばY方向)において周期的に変化する強度を有する。2次元状のパターンを有する測定光は、XY平面上の互いに交差する二方向(例えばX方向およびY方向)において周期的に変化する強度を有する。
以下、パターンを有する測定光をパターン測定光と呼ぶ。特に、1次元状のパターンを有する測定光を1次元状パターン測定光と呼び、2次元状のパターンを有する測定光を2次元状パターン測定光と呼ぶ。また、均一な強度を有する測定光を均一測定光と呼ぶ。
パターン測定光のパターンは、光変調素子112により制御される。以下、パターン測定光のパターンについて説明する。ここで、強度が所定の値以上のパターン測定光の部分を明部分と呼び、強度が所定の値より小さいパターン測定光の部分を暗部分と呼ぶ。図5は、パターン付与部110により出射される測定光の例を示す図である。
図5(a)は、1次元状パターン測定光の一例を示す。図5(a)の1次元状パターン測定光を矩形波状測定光と呼ぶ。矩形波状測定光の断面は、一方向(例えばX方向)に平行でかつ一方向に直交する他の方向(例えばY方向)に略等間隔で並ぶ複数の直線状の明部分を含み、複数の明部分の間に複数の直線状の暗部分を含む。
図5(b)は、1次元状パターン測定光の他の例を示す。図5(b)の1次元状パターン測定光を1次元正弦波状測定光と呼ぶ。1次元正弦波状測定光の断面は、例えばX方向に平行でかつY方向に強度が正弦波状に変化するパターンを含む。
図5(c)は、2次元状パターン測定光の一例を示す。図5(c)の2次元状パターン測定光をドット状測定光と呼ぶ。ドット状測定光の断面は、X方向およびY方向に略等間隔で並ぶ複数のドット状の明部分を含む。
2次元状パターン測定光の他の例として、パターン測定光は2次元正弦波状測定光であってもよい。2次元正弦波状測定光の断面は、X方向およびY方向に強度が正弦波状に変化するパターンを含む。2次元状パターン測定光のさらに他の例として、パターン測定光は格子状のパターンまたはチェッカーパターン(市松模様)を有してもよい。
セクショニング観察では、パターン測定光の明部分が測定光の照射範囲の全体に少なくとも1回照射されるようにパターン測定光のパターンの位相を一定量ずつ移動させつつ、測定対象物Sにより放出される蛍光を検出する。これにより、測定対象物Sの複数の画像データが生成される。
以下、測定対象物Sにパターン測定光が照射された場合に得られる画像データをパターン画像データと呼ぶ。パターン画像データに基づく画像をパターン画像と呼ぶ。
各パターン画像データにおいて、パターン測定光の明部分に対応する画素データは高い値(輝度値)を有し、パターン測定光の暗部分に対応する画素データは低い値(輝度値)を有する。そのため、各パターン画像において、パターン測定光の明部分に対応する画素は明るく、パターン測定光の暗部分に対応する画素は暗い。
複数のパターン画像データから画素ごとに複数の画素データの値を用いて明暗差の度合いを表わす成分(以下、合焦成分と呼ぶ)が算出される。合焦成分を有する画素をつなぎ合わせることにより生成される画像データをセクショニング画像データと呼ぶ。セクショニング画像データに基づく画像をセクショニング画像と呼ぶ。
矩形波状測定光またはドット状測定光を用いて生成されたパターン画像データにおいては、合焦成分は、例えば画素データの最大値(最大輝度値)と最小値(最小輝度値)との差、または画素データの値の標準偏差である。1次元正弦波状測定光または2次元正弦波状測定光を用いて生成されたパターン画像データにおいては、合焦成分は、例えば画素データの振幅(ピークトゥピーク)である。
最も簡単な方法では、各画素について、複数のパターン画像データから最大値を有する画素データを選択し、全画素について、選択された画素データをつなぎ合せることにより、セクショニング画像データを生成することが可能である。
ここで、各パターン画像は、迷光の影響を受ける。それにより、パターン画像のパターンにはボケが生じる。各パターン画像データにおいて迷光による成分をボケ成分と呼ぶ。ボケ成分は、パターン測定光の各明部分自体において発生する迷光によるボケ成分と、パターン測定光の各明部分に隣り合う他の明部分からの迷光によるボケ成分とを含む。
そこで、迷光の影響を除去するために、各画素について、パターン測定光の明部分および暗部分が照射されたときのパターン画像データの画素データの差を算出する。算出された全画素についての差をつなぎ合せることにより、セクショニング画像データを生成する。各画素について、パターン測定光の暗部分が照射されたときのパターン画像データの画素データの値は、ボケ成分に相当する。したがって、迷光の影響が除去されたセクショニング画像データを得ることができる。
セクショニング画像データの生成方法の一例として、本実施の形態では、各画素について、複数のパターン画像データの複数の画素データの最大値(最大輝度値)と最小値(最小輝度値)との差を算出する。算出された全画素についての差をつなぎ合せることにより、セクショニング画像データを生成する。他の方法により、複数のパターン画像データの複数の画素データに基づいてセクショニング画像が生成されてもよい。
例えば、各画素について、複数のパターン画像データの複数の画素データの値の標準偏差を算出する。算出された全画素についての標準偏差をつなぎ合せることにより、セクショニング画像データを生成してもよい。
セクショニング観察において、1次元状パターン測定光を用いる場合には、パターン測定光の位相が例えばY方向に移動されるので、Y方向におけるボケ成分が除去されたセクショニング画像データが生成される。また、パターン測定光の位相は例えばX方向に移動される必要がないので、撮像回数が低減される。そのため、比較的高い画質を有するセクショニング画像を高速に得ることができる。
一方、セクショニング観察において、2次元状パターン測定光を用いる場合には、パターン測定光の位相がX方向およびY方向に移動されるので、X方向Y方向におけるボケ成分が除去されたセクショニング画像データが生成される。そのため、1次元状パターン測定光を用いる場合よりも撮像回数が増加するが、非常に高い画質を有するセクショニング画像を得ることができる。
特に測定部100が蛍光顕微鏡である場合には、多数回のパターン測定光を測定対象物Sに照射することにより測定対象物Sの蛍光試薬が褪色することがある。そのため、測定対象物Sによっては、撮像回数を低減させることが重視されることがある。
本実施の形態においては、光変調素子112を制御することにより、1次元状パターン測定光と2次元状パターン測定光とを容易かつ高速に切り替えることができる。したがって、使用者は、セクショニング画像データの生成に要する時間(撮像回数)と、得られるセクショニング画像の画質とを考慮して、セクショニング観察に用いるパターン測定光を選択することができる。
図5(d)は、均一測定光の一例を示す。均一測定光は、均一な強度分布を有する。すなわち、均一測定光は明部分のみからなる測定光である。通常観察では、図5(d)の均一測定光が測定対象物Sの全ての部分に照射され、測定対象物Sにより放出される蛍光が検出される。これにより、測定対象物Sの画像データが生成される。通常観察において得られる画像データを通常画像データと呼び、通常画像データに基づく画像を通常画像と呼ぶ。
(3)画像処理
光変調素子112は、2次元状に配列された複数の画素により構成される。以下、カメラ121の画素と区別するため、光変調素子112の画素を変調画素と呼ぶ。光変調素子112がDMDである場合には、変調画素はマイクロミラーであり、光変調素子112がLCOSまたはLCDである場合には、変調画素は液晶の画素である。
光変調素子112の複数の変調画素間には、非導光部として微小な隙間が存在する。光変調素子112の非導光部では測定光が反射または透過されない。そのため、光変調素子112の非導光部からは測定光は出射されない。したがって、光変調素子112の非導光部に相当する測定対象物Sの部分には、パターン測定光および均一測定光の明部分が照射されない。
図6は、測定対象物Sの通常画像を示す図である。なお、図6の例における測定対象物Sは白紙である。図6(a)は、光変調素子112を用いることなく均一測定光を測定対象物Sに照射した場合の通常画像である。図6(b)は、光変調素子112を用いて均一測定光を測定対象物Sに照射した場合の通常画像である。図6(c)は、図6(b)のA部の拡大図である。
光変調素子112を用いない場合、測定対象物Sの全ての部分に均一測定光の明部分が照射される。そのため、図6(a)に示すように、測定対象物Sの全体の通常画像が得られる。一方、光変調素子112を用いた場合、変調素子間の非導光部に相当する測定対象物Sの部分には均一測定光の明部分が照射されない。そのため、図6(b),(c)に示すように、得られる通常画像に格子状の影パターンが映り込む。
図6(b),(c)の影パターンがセクショニング画像または通常画像に映り込む場合、セクショニング画像または通常画像の画質が低下する。そこで、本実施の形態においては、CPU210の画像処理部214が以下の画像処理を実行することにより、セクショニング画像または通常画像から影パターンを除去する。以下の説明においては、通常画像から影パターンを除去する手順について説明するが、セクショニング画像から影パターンを除去する手順についても同様である。
まず、通常画像データに波形変換処理が実行される。本例においては、波形変換処理は例えばDFT(離散フーリエ変換)である。波形変換処理は、DWT(離散ウェーブレット変換)等の他の波形変換処理であってもよい。これにより、波形変換処理が行われた画像データが生成される。以下、波形変換処理が行われた画像データを変換画像データと呼び、変換画像データに基づく画像を変換画像と呼ぶ。
図7は、通常画像および変換画像の一例を示す図である。図7(a)は光変調素子112を用いて得られた通常画像を示す。図7(a)の横軸はX方向の位置であり、縦方向はY方向の位置である。図7(a)の通常画像には、格子状の影パターンが映り込んでいる。
図7(b)は変換画像を示す。図7(b)の横軸はX方向の空間周波数であり、縦軸はY方向の空間周波数である。図7(b)の変換画像の中央部分の画素を示す画素データは、波形変換処理における低周波成分(直流成分)に相当し、大きな値を有する。すなわち、変換画像の中央部分の画素は明るく表示される。
変調画素間の非導光部は略等間隔で存在するので、通常画像に移り込む影パターンは周期性を有する。したがって、影パターンに相当する画素データは、高い空間周波数でかつ比較的大きな値を有する。図7(b)の例においては、枠で囲まれた4つの領域における画素を示す画素データが影パターンに対応する画素データである。これらの領域における画素は、比較的明るく表示される。なお、図7(b)の変換画像においては、枠で囲まれた領域の画素の明るさを視認しやすくするために、明るさが対数表示されている。
次に、変換画像データにフィルタ処理が実行される。フィルタ処理としては、低域通過フィルタ処理または帯域遮断フィルタ処理等の公知のフィルタ処理を用いることができる。フィルタ処理のパラメータは、変換画像データの画素データのうち、影パターンに相当する画素データの値が0になるか、または低減されるように決定される。これにより、影パターンに相当する画素データの値が0になるか、または低減された変換画像データが生成される。
その後、フィルタ処理が実行された変換画像データに波形変換処理の逆変換処理が実行される。波形変換処理がDFTであった場合には、逆変換処理はIDFT(逆離散フーリエ変換)であり、波形変換処理がDWTであった場合には、逆変換処理はIDWT(逆離散ウェーブレット変換)である。これにより、通常画像データが生成される。
変換画像データにおいては、影パターンに相当する画素データの値が0になるか、または低減されるので、逆変換処理により得られる通常画像データにおいては、影パターンに相当する画素データの値が0になるか、または低減される。これにより、逆変換処理により得られる通常画像データに基づく通常画像から影パターンが除去される。
上記の画像処理に代えて、通常画像データにぼかしフィルタ処理が実行されてもよい。ぼかしフィルタ処理としては、ガウシアンフィルタ処理または移動平均フィルタ処理等の公知のぼかしフィルタ処理を用いることができる。ぼかしフィルタ処理のパラメータは、通常画像データの画素データのうち、影パターンに相当する画素データの値が0になるか、または低減されるように決定される。この場合、ぼかしフィルタ処理により得られる通常画像データに基づく通常画像から影パターンが除去される。
変換画像データに実行するフィルタ処理のパラメータまたは通常画像データに実行するぼかしフィルタ処理のパラメータは、影パターンの空間周波数等の周期性に基づいて決定される。影パターンの空間周波数は、光変調素子112の複数の変調画素間の間隔、カメラ121の複数の画素間の間隔、蛍光照明レンズ101の倍率および結像レンズ123の倍率に依存する。したがって、これらの光学素子の値に基づいて、影パターンの空間周波数を算出することが可能である。
なお、本実施の形態においては、対物レンズ161は、パターン付与部110から測定対象物Sへ向かう測定光と、測定対象物Sから受光部120へ向かう蛍光とに共通に用いられる。そのため、影パターンの空間周波数は、対物レンズ161の倍率には依存しない。
ここで、上記の手順により算出される影パターンの空間周波数は、実測される影パターンの空間周波数と僅かに異なることがある。これは、変調画素間の間隔の誤差、画素間の間隔の誤差、レンズの倍率の誤差、測定部100の組み立ての誤差および光変調素子112に対する受光部120の傾きの誤差等が原因である。そこで、本実施の形態においては、以下の手順により影パターンの空間周波数が算出される。
図8は、影パターンの空間周波数の算出に用いられるパターン測定光の一例を示す図である。図8(a)はパターン付与部110から出射されるパターン測定光を示し、図8(b)は受光部120により受光されるパターン測定光を示す。図8においては、パターン測定光の明部分が白抜きにより表わされ、暗部分がハッチングパターンにより表わされている。
図8(a)の例においては、パターン付与部110から出射されるパターン測定光は、X方向に距離D1だけ離間する2つの明部分を有する。距離D1の単位は変調画素数(modulator pixel)である。パターン付与部110から出射されたパターン測定光が複数のミラーおよびレンズを介して受光部120により受光される。
図8(b)に示すように、受光部120により受光されるパターン測定光においては、2つの明部分は距離D2だけ離間し、2つの明部分を結ぶ直線はX方向に対して角度θをなす。距離D2の単位は画素数(image pixel)である。
X方向およびY方向の空間周波数は、それぞれD2×cosθ/(n×D1)およびD2×sinθ/(n×D1)により与えられる。ここで、nはビニング数である。ビニング数とは、複数の画素データを擬似的に結合させて1つの画素データとして扱うビニング処理において結合される画素データの数を意味する。例えば、画素データに3×3のビニング処理が行われた場合、X方向およびY方向の空間周波数は、それぞれD2×cosθ/(3×D1)およびD2×sinθ/(3×D1)となる。
ぼかしフィルタ処理としてガウシアンフィルタ処理を実行する場合、ガウシアン曲線の標準偏差は、D2/(n×D1)の値に基づいて決定される。本例においては、ガウシアン曲線の標準偏差は、k×D2/(n×D1)により与えられる。ここで、kは適当な比例係数であり、例えば0.5である。
本実施の形態においては、自動的にフィルタ処理が実行されることによりパターン画像データ、セクショニング画像データまたは通常画像データにおける光変調素子112の非導光部に相当する部分が除去される。ここで、光学系の条件によっては、パターン画像、セクショニング画像または通常画像に影パターンが映り込まないことがある。例えば、対物レンズ161の倍率および開口数が大きい場合には、パターン画像、セクショニング画像または通常画像に影パターンが映り込まない。
このような場合に、フィルタ処理を実行すると、パターン画像、セクショニング画像または通常画像の画質が低下する。そのため、フィルタ処理は自動的に実行されず、使用者の指示に基づいて実行されてもよい。あるいは、フィルタ処理を実行するか否かが使用者により選択されてもよい。この場合、使用者は、図1の操作部250を用いて、フィルタ処理を実行するか否かを指示または選択することができる。
(4)投影解像サイズの調整
光変調素子112により測定対象物Sにパターン測定光が照射された場合において、受光部120により測定対象物Sとともに認識可能なパターン測定光の明部分または暗部分の最小の幅を光変調素子112の投影解像サイズdと呼ぶ。投影解像サイズdを調整することにより、通常画像から影パターンを除去することも可能である。
光変調素子112を長期に渡って使用した場合、劣化により光変調素子112の変調画素に欠陥画素が発生することがある。この場合、測定光の明部分から欠陥画素に相当する部分が欠落する。また、複数の変調画素を一組の変調画素群として、測定光の明部分を生成することがある。ここで、変調画素群の複数の変調画素に欠陥画素が発生する場合、測定光の明部分から欠陥画素に相当する部分が大きく欠落する。変調画素または変調画素群の欠陥画素により測定光の明部分の一部が欠落する場合でも、投影解像サイズdを調整することにより、通常画像から欠落部分を除去することが可能である。
図9は、投影解像サイズdの調整方法を説明するための図である。図9に示すように、測定部100には、光変調素子112を配置するための位置として、複数の位置D,C,B,A,B’,C’,D’がこの順で並ぶように設けられる。ここで、光変調素子112の複数の変調画素間の隙間の寸法(幅)をa1とし、変調画素の寸法をa2とし、変調画素群の寸法をa3とする。寸法a3は寸法a2よりも大きく、寸法a2は寸法a1よりも大きい。
光変調素子112が複数の位置D,C,B,A,B’,C’,D’のいずれかに配置されることにより、光変調素子112の投影解像サイズdが調整される。位置Aは、蛍光照明レンズ101および結像レンズ123からなる光学系の解像度が最大になる位置である。すなわち、位置Aは、光変調素子112の投影解像サイズdが最小となる位置であり、蛍光照明レンズ101および結像レンズ123を挟んでカメラ121と共役関係となる位置である。
位置Bおよび位置B’は、光学系の解像度が寸法a1よりも低く、寸法a2以上となる位置である。位置Cおよび位置C’は、光学系の解像度が寸法a2よりも低く、寸法a3以上となる位置である。位置Dおよび位置D’は、光学系の解像度が寸法a3よりも低くなる位置である。
したがって、光変調素子112を位置Bまたは位置B’に配置することにより、光変調素子112の投影解像サイズdを寸法a1よりも大きくかつ寸法a2以下に調整することができる。これにより、通常画像から影パターンを除去することができる。
光変調素子112を位置Cまたは位置C’に配置することにより、光変調素子112の投影解像サイズdを寸法a2よりも大きくかつ寸法a3以下に調整することができる。これにより、通常画像から影パターンを除去するとともに、変調画素の欠陥画素による欠落部分を除去することができる。
光変調素子112を位置Dまたは位置D’に配置することにより、光変調素子112の投影解像サイズdを寸法a3よりも大きく調整することができる。これにより、通常画像から影パターンを除去し、変調画素の欠陥画素による欠落部分を除去するとともに、変調画素群の欠陥画素による欠落部分を除去することができる。
本実施の形態においては、光変調素子112がカメラ121と共役関係になる位置(位置A)とは僅かに異なる位置に配置されるが、これに限定されない。測定部100に透過光供給部130が設けられない場合には、光変調素子112が位置Aに配置された状態で、カメラ121の位置が光変調素子112と共役関係となる位置とは僅かに異なる位置に配置されてもよい。
上記の方法に代えて、または上記の方法と組み合わせて他の方法により光変調素子112の投影解像サイズdが調整されてもよい。例えば、MTF(変調伝達関数)の値が所望の空間周波数において予め設定されたしきい値よりも小さく(好ましくは0に)なるように蛍光照明レンズ101または結像レンズ123が構成されてもよい。これにより、光変調素子112の投影解像サイズdが調整される。この場合、光変調素子112は、図9の位置Aに配置されてもよい。
所望の空間周波数が1/(2×a1)である場合、通常画像から影パターンを除去することができる。所望の空間周波数が1/(2×a2)である場合、通常画像から変調画素の欠陥画素による欠落部分をさらに除去することができる。所望の空間周波数が1/(2×a3)である場合、通常画像から変調画素群の欠陥画素による欠落部分をさらに除去することができる。
(5)光学系の構成
測定光が測定対象物Sに照射されることにより、測定対象物Sから蛍光が放出される。測定対象物Sから放出される蛍光の強度は、測定対象物Sに照射される測定光の強度に比例する。したがって、測定対象物Sのうち測定光が照射された部分から蛍光が放出され、受光部120のカメラ121に照射される。なお、蛍光の強度は測定光の強度の10−6倍程度である。
カメラ121への蛍光の照射範囲は、カメラ121の受光面に一致することが好ましい。具体的には、カメラ121への蛍光の照射範囲の寸法(投影サイズ)および中心位置は、カメラ121の受光面の寸法(観察視野サイズ)および中心位置にそれぞれ一致することが好ましい。
しかしながら、測定部100には、種々の光学系の配置のずれが存在する。光学系の配置のずれは、蛍光の光軸に対するフィルタターレット152の傾きを含む。また、光学系の配置のずれは、図3のフィルタキューブ151におけるフレーム151aに対する励起フィルタ151b、ダイクロイックミラー151cおよび吸収フィルタ151dの取り付けのずれをさらに含む。
これらの光学系の配置のずれのため、蛍光の照射範囲を受光面に一致させることは困難である。受光面の一部に蛍光が照射されない場合、生成された画像データに基づく画像の一部に欠落が発生する。そこで、本実施の形態においては、蛍光の照射範囲を受光面の寸法よりも僅かに大きくし、受光面の全てに蛍光の大部分が照射されるように光学系を構成する。
図10は、受光面120Sを含む平面上における蛍光の照射範囲と受光面との関係を示す図である。図11は、図10の蛍光の照射範囲Rおよび受光面120Sの一部の拡大図である。図11(a)は図10のB部を示し、図11(b)は図10のC部を示す。以下の説明で用いられる寸法は、すべて受光面120Sにおける等価寸法である。
図10の例においては、蛍光の照射範囲Rは、X方向に平行な2辺とY方向に平行な2辺とからなる矩形状を有する。同様に、受光面120Sは、X方向に平行な2辺とY方向に平行な2辺とからなる矩形状を有する。図10に示すように、蛍光の照射範囲Rは受光面120Sよりも大きく、受光面120Sは蛍光の照射範囲の略中央に位置する。以下の説明においては、光学系のX方向の寸法および数について説明するが、Y方向の寸法および数についても同様である。
光変調素子112の変調画素数をN1とし、光変調素子112の複数の変調画素間の間隔をL1とし、蛍光照明レンズ101の焦点距離をF1とする。また、受光面の画素数をN2とし、受光面の複数の画素間の間隔をL2とし、結像レンズ123の焦点距離をF2とする。なお、変調画素間の間隔L1は、上記の複数の変調素子間の隙間の間隔をa1と変調素子の寸法をa2との和である。対物レンズ161の焦点距離をF0とすると、蛍光照明レンズ101による投光倍率M1はM1=F0/F1となり、結像レンズ123による投光倍率M2はM2=F2/F0となる。
図11(a)に示すように、蛍光の照射範囲Rは拡大された複数の変調画素p1を含み、各変調画素p1の寸法はL1×M1×M2である。すなわち、各変調画素p1の寸法はL1×F2/F1である。これに対し、図11(b)に示すように、受光面120Sの各画素p2の寸法はL2である。
蛍光の照射範囲Rにおいて、複数の変調画素p1はN1個並ぶので、蛍光の照射範囲Rの寸法はN1×L1×F2/F1である。受光面120Sにおいて、複数の画素p2はN2個並ぶので、受光面120Sの寸法はN2×L2である。X方向における受光面120Sの一端から蛍光の照射範囲Rの一端までのマージンおよびX方向における受光面120Sの他端から蛍光の照射範囲Rの他端までのマージンをそれぞれΔとする。この場合、マージンΔはΔ=(N1×L1×F2/F1−N2×L2)/2により与えられる。
光学系の配置のずれのため、測定対象物Sへの測定光がZ軸に対して傾いた角度で対物レンズ161に入射する場合、または測定対象物Sからの蛍光がZ軸に対して傾いた角度で受光部120に入射する場合、受光面120Sに対して蛍光の照射範囲RがX方向またはY方向にずれる。この場合でも、受光面120Sの全てに蛍光の大部分が照射されるように光学系が構成される。
図12は、受光部120の模式的拡大図である。図12の例においては、測定対象物Sからの蛍光がZ軸に対して角度φだけ傾いている。この場合、受光面120S上のX方向における蛍光の照射位置のずれδは、δ=F2×sinφにより与えられる。
本例においては、フィルタキューブ151におけるフレーム151aへのダイクロイックミラー151cの取り付けの個体差として、4分のずれが発生し得る。また、フィルタキューブ151のフィルタターレット152への取り付けの再現性として、3分のずれが発生し得る。さらに、フィルタターレット152の回転によるフィルタキューブ151の切り替えの再現性として、3分のずれが発生し得る。
図3に示すように、光変調素子112から測定対象物Sへの光軸は、フィルタキューブ151においてダイクロイックミラー151cにより90°折り曲げられる。この場合、測定対象物Sへの測定光のZ軸に対する傾きは、設置されたダイクロイックミラー151cの角度ずれの総和の2倍になる。したがって、角度φは、上記のずれの総和の2倍になる。すなわち、角度φはφ=2×10分=0.0058ラジアン程度である。このように、角度φは微小であるため、照射位置のずれδをδ=F2×φに近似することが可能である。
照射位置のずれδがマージンΔ以下であれば、測定対象物Sからの蛍光がZ軸に対して傾いた角度で受光部120に入射する場合でも、受光面120Sの全てに蛍光の大部分が照射される。したがって、照射位置のずれδとマージンΔとの関係は、下記式(1)により与えられる。
Figure 2015084062
一方、1つの拡大された変調画素p1に重なる画素p2の数が多くなり過ぎる場合、光変調素子112による測定光のパターンの最小の幅が大きくなることにより、測定対象物の細部を高い精度で撮像する性能(セクショニング性能)が低下する。そこで、1つの拡大された変調画素p1に重なる画素p2の数の上限値αを設定する。したがって、1つの拡大された変調画素p1に重なる画素p2の数と上限値αとの関係は、下記式(2)により与えられる。なお、本例においては、値αは例えば1以上3以下である。
Figure 2015084062
式(1)および式(2)を整理することにより、下記式(3)の関係が与えられる。蛍光照明レンズ101の焦点距離F1が式(3)により与えられる範囲内に設定される。これにより、測定対象物Sへの測定光がZ軸に対して傾いている場合、または測定対象物Sからの蛍光がZ軸に対して傾いている場合でも、セクショニング性能を低下させない範囲で受光面120Sの全てに蛍光の大部分を照射することができる。その結果、画像の画質の低下および画像の部分の欠落が防止された画像データを生成することができる。
Figure 2015084062
(6)効果
本実施の形態に係る顕微鏡撮像装置500においては、投光部320により出射された光から光変調素子112によりパターン測定光または均一測定光が生成される。セクショニング観察においては、光変調素子112により生成されたパターン測定光が測定対象物Sに照射される。また、生成されたパターンの空間的な位相が光変調素子112により所定量ずつ測定対象物S上で順次移動される。パターンの複数の位相で生成される複数のパターン画像データに基づいてセクショニング画像データが生成される。
一方、通常観察においては、均一測定光が光変調素子112により生成され、測定対象物Sに照射される。これにより、パターンを有しない測定光が照射されたときの測定対象物Sの画像を示す通常画像データが生成される。
このように、光変調素子112を用いることにより、共通の蛍光照明レンズ101、フィルタキューブ151および対物レンズ161を通して測定対象物Sにパターン測定光および均一測定光を照射することができる。また、共通の対物レンズ161および結像レンズ123を通して測定対象物Sからの蛍光を受光することができる。これにより、測定対象物Sのセクショニング観察および通常観察を行うことができる。
ここで、光変調素子112は、複数の変調画素に周期的な非導光部を含む。光変調素子112の複数の変調画素間の非導光部からは、測定光が生成されない。したがって、セクショニング画像または通常画像には、光変調素子112の複数の変調画素間の非導光部に相当する影パターンが映り込む。このような場合でも、セクショニング画像データまたは通常画像データにおける光変調素子112の非導光部に相当する部分がフィルタ処理により除去される。これにより、画像の画質を低下させることなくセクショニング観察および通常観察を行うことが可能になる。
(7)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態においては、投光部320が投光部の例であり、変調画素p1が第1の画素の例であり、画素p2が第2の画素の例であり、光変調素子112が光変調素子の例であり、測定対象物Sが測定対象物の例である。蛍光照明レンズ101、結像レンズ123、フィルタキューブ151および対物レンズ161が投光光学系の例であり、受光部120が受光部の例であり、制御部213が制御部および処理部の例であり、操作部250が第1および第2の指示部の例である。画像データ生成部211が画像データ生成部の例であり、画像処理部214が画像処理部の例であり、受光面120Sが受光面の例であり、照射範囲Rが照射範囲の例であり、顕微鏡撮像装置500が顕微鏡撮像装置の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
本発明は、種々の顕微鏡撮像装置、顕微鏡撮像方法および顕微鏡撮像プログラムに有効に利用することができる。
100 測定部
101 蛍光照明レンズ
110 パターン付与部
111 光出力部
112 光変調素子
113 ミラー
120 受光部
120S 受光面
121 カメラ
122 カラーフィルタ
123 結像レンズ
130 透過光供給部
131 透過光源
132 透過光学系
140 ステージ
150 フィルタユニット
151 フィルタキューブ
151a フレーム
151b 励起フィルタ
151c ダイクロイックミラー
151d 吸収フィルタ
152 フィルタターレット
152a フィルタキューブ取付部
160 レンズユニット
161 対物レンズ
162 レンズターレット
162a 対物レンズ取付部
163 焦点位置調整機構
170 制御基板
200 PC
210 CPU
211 画像データ生成部
212 パターン生成部
213 制御部
214 画像処理部
220 ROM
230 RAM
240 記憶装置
250 操作部
300 測定光供給部
310 電源装置
320 投光部
321 測定光源
322 減光機構
323 遮光機構
330 導光部材
400 表示部
500 顕微鏡撮像装置
p1 変調画素
p2 画素
R 照射範囲
S 測定対象物

Claims (15)

  1. 光を出射する投光部と、
    前記投光部により出射された光から任意のパターンを有する測定光を生成するように構成された複数の第1の画素を含む光変調素子と、
    前記光変調素子により生成された測定光を測定対象物に照射する投光光学系と、
    前記測定対象物からの光を受光し、受光量を示す受光信号を出力する受光部と、
    前記受光部から出力される受光信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成部と、
    前記画像データ生成部により生成される画像データに画像処理を行う画像処理部と、
    パターンを有する測定光を生成するとともに生成されたパターンの空間的な位相を所定量ずつ前記測定対象物上で順次移動させるように前記光変調素子を制御し、前記パターンの複数の位相で生成される複数の画像データに基づいて前記測定対象物の画像を示すセクショニング画像データを生成するように前記画像データ生成部を制御する制御部とを備え、
    前記光変調素子は、前記複数の第1の画素間に周期的な非導光部を有し、
    前記画像処理部は、前記光変調素子の非導光部の周期性に基づいて、画像データまたはセクショニング画像データにおける前記非導光部に相当する部分を除去するフィルタ処理を実行する、顕微鏡撮像装置。
  2. 前記フィルタ処理を実行するか否かを指示するための第1の指示部をさらに備え、
    前記制御部は、前記第1の指示部により前記フィルタ処理の実行が指示された場合には前記フィルタ処理を実行し、前記第1の指示部により前記フィルタ処理の実行が指示されない場合には前記フィルタ処理を実行しないように前記画像処理部を制御する、請求項1記載の顕微鏡撮像装置。
  3. 第1の動作モードまたは第2の動作モードを指示するための第2の指示部をさらに備え、
    前記光変調素子は、前記投光部により出射された光から任意のパターンを有する測定光およびパターンを有しない光を選択的に生成するように構成され、
    前記制御部は、
    前記第2の指示部により前記第1の動作モードが指示された場合には、パターンを有する測定光を生成するとともに生成されたパターンの空間的な位相を所定量ずつ前記測定対象物上で順次移動させるように前記光変調素子を制御し、前記パターンの複数の位相で生成される複数の画像データに基づいてセクショニング画像データを生成するように前記画像データ生成部を制御し、
    前記第2の指示部により前記第2の動作モードが指示された場合には、パターンを有しない測定光を生成するように前記光変調素子を制御し、パターンを有しない測定光が照射されたときの前記測定対象物の画像を示す通常画像データを生成するように前記画像データ生成部を制御する、請求項1または2記載の顕微鏡撮像装置。
  4. 前記フィルタ処理は、空間フィルタ処理を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の顕微鏡撮像装置。
  5. 前記画像処理部は、前記フィルタ処理として、波形変換処理、前記空間フィルタ処理、および前記波形変換処理の逆変換処理を順次行う、請求項4記載の顕微鏡撮像装置。
  6. 前記波形変換処理は、離散フーリエ変換または離散ウェーブレット変換を含む、請求項5記載の顕微鏡撮像装置。
  7. 前記空間フィルタ処理は、ぼかしフィルタ処理を含む、請求項4記載の顕微鏡撮像装置。
  8. 前記ぼかしフィルタ処理は、ガウシアンフィルタ処理を含む、請求項7記載の顕微鏡撮像装置。
  9. 前記光変調素子、前記受光部および前記投光光学系は、前記投光光学系の解像度が前記光変調素子の前記複数の第1の画素間の隙間の幅よりも低くなるように構成される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の顕微鏡撮像装置。
  10. 前記光変調素子および前記受光部の一方は、前記光変調素子および前記受光部の他方に対して、前記投光光学系を介して共役関係となる位置から前記投光光学系の解像度が前記光変調素子の前記複数の第1の画素間の隙間の幅よりも低くなるまでずれた位置に配置される、請求項9記載の顕微鏡撮像装置。
  11. 前記投光光学系の変調伝達関数の値は、前記光変調素子の前記複数の第1の画素間の隙間の幅に対応する空間周波数において、予め定められたしきい値以下である、請求項9または10記載の顕微鏡撮像装置。
  12. 前記受光部の受光面を含む平面上において、前記測定対象物から前記受光部への光の照射範囲が前記受光部の前記受光面を包含するように前記投光光学系が構成される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の顕微鏡撮像装置。
  13. 前記受光部は、互いに交差する第1および第2の方向に並ぶ複数の第2の画素を含み、
    前記受光部の受光面を含む平面上において、前記光変調素子の各1個の第1の画素に対応する前記測定対象物から前記受光部への光の部分が、前記第1の方向に並ぶ3個の第2の画素および前記第2の方向に並ぶ3個の第2の画素を含む領域以下の領域に照射されるように前記投光光学系が構成される、請求項12記載の顕微鏡撮像装置。
  14. 投光部により光を出射するステップと、
    前記投光部により出射された光から複数の第1の画素を含む光変調素子により任意のパターンを有する測定光を生成するステップと、
    前記光変調素子により生成された測定光を投光光学系により測定対象物に照射するステップと、
    生成されたパターンの空間的な位相を前記光変調素子により所定量ずつ前記測定対象物上で順次移動させるステップと、
    受光部により前記測定対象物からの光を受光し、受光量を示す受光信号を出力するステップと、
    前記受光部から出力される受光信号に基づいて前記パターンの複数の位相で生成される複数の画像データに基づいて、前記測定対象物の画像を示すセクショニング画像データを生成するステップと、
    前記光変調素子の前記複数の第1の画素間の非導光部の周期性に基づいて、画像データまたはセクショニング画像データにおける前記非導光部に相当する部分を除去するステップとを含む、顕微鏡撮像方法。
  15. 処理装置により実行可能な顕微鏡撮像プログラムであって、
    投光部により光を出射する処理と、
    前記投光部により出射された光から複数の第1の画素を含む光変調素子により任意のパターンを有する測定光を生成する処理と、
    前記光変調素子により生成された測定光を投光光学系により測定対象物に照射する処理と、
    生成されたパターンの空間的な位相を前記光変調素子により所定量ずつ前記測定対象物上で順次移動させる処理と、
    受光部により前記測定対象物からの光を受光し、受光量を示す受光信号を出力する処理と、
    前記受光部から出力される受光信号に基づいて前記パターンの複数の位相で生成される複数の画像データに基づいて、前記測定対象物の画像を示すセクショニング画像データを生成する処理と、
    前記光変調素子の前記複数の第1の画素間の非導光部の周期性に基づいて、画像データまたはセクショニング画像データにおける前記非導光部に相当する部分を除去する処理とを、
    前記処理装置に実行させる、顕微鏡撮像プログラム。
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