JP2015075321A - 貯湯式熱源装置及びその運転方法 - Google Patents

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秀樹 早川
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輝 森田
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智史 片山
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Abstract

【課題】熱電併給装置とヒートポンプ装置と貯湯タンクとを備えた構成において、更なる運転効率の向上を図ることができる貯湯式熱源装置及びその運転方法を提供する。
【解決手段】ヒートポンプ装置20を働かせて第2熱交換器H2を加熱し、当該第2熱交換器H2で加熱された湯水を、第2循環路C2に循環させ貯湯タンク30に貯湯する制御部50を備え、制御部50は、熱電併給装置10を電主運転している状態で、給湯利用箇所40からの1日の給湯熱量が1日の熱電併給装置10の排熱量よりも大きい場合又は大きくなると予測される場合、給湯利用箇所40からの給湯の発生前で、熱電併給装置10の定格発電出力よりも電力負荷が少ない時間帯又は少なくなると予測される時間帯を優先して、ヒートポンプ装置20を働かせて第2熱交換器H2を加熱し、当該第2熱交換器H2で加熱された湯水を、第2循環路C2に循環させ貯湯タンク30に貯湯する。
【選択図】図1

Description

本発明は、給湯利用箇所に供給する湯水を貯留する貯留タンクと、熱と電力とを発生する熱電併給装置により湯水を加熱する第1熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第1熱交換器とを湯水が循環する第1水路と、ヒートポンプ装置により湯水を加熱する第2熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第2熱交換器とを湯水が循環する第2水路と、暖房負荷と追焚負荷の少なくとも一方で熱を消費する第3熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第3熱交換器とを湯水が循環する第3水路と、燃焼装置により湯水を加熱する第4熱交換器と、当該第4熱交換器と前記第3熱交換器とを湯水が循環する第4水路と、給湯利用箇所に貯湯タンクの湯水を導く第5流路とを備えた貯湯式熱源装置及びその運転方法に関する。
従来、貯湯式熱源装置としては、特許文献1の図11、19に示される回路構成のものや、特許文献2の図19、20に示される回路構成のものが知られており、何れも、給湯利用箇所に供給する湯水を貯湯する貯湯タンクと、熱と電力とを発生する熱電併給装置により湯水を加熱する第1熱交換器と、貯湯タンクと第1熱交換器とを湯水が循環する第1循環路と、ヒートポンプ装置により湯水を加熱する第2熱交換器と、貯湯タンクと第2熱交換器とを湯水が循環する第2循環路と、暖房負荷と追焚負荷の少なくとも一方で熱を消費する第3熱交換器と、貯湯タンクと第3熱交換器とを湯水が循環する第3循環路と、燃焼装置により湯水を加熱する第4熱交換器と、当該第4熱交換器と第3熱交換器とを湯水が循環する第4循環路とを備え、熱電併給装置にて発生した電力をヒートポンプ装置に供給し、ヒートポンプ装置を駆動可能に構成されている。
また、別の貯湯式熱源装置としては、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒と温水とを熱交換する第2熱交換器と、冷媒を膨張する膨張弁と、冷媒と外気とを熱交換する第5熱交換器と、それらを記載順に接続して冷媒を循環させる冷媒循環路と、当該冷媒循環路での冷媒の循環方向を、上述の記載順とする冷媒正方向循環状態と、冷媒正方向循環状態と逆方向の冷媒逆方向循環状態とで切り替える切替手段とを有するヒートポンプ装置を備えると共に、電気と熱とを発生する熱電併給装置により湯水を加熱する第1熱交換器とを備え、貯湯タンクの下部を上流端として上部を下流端とする湯水循環路に、第1熱交換器と第2熱交換器とを記載順に備えたものが知られている(特許文献3を参照)。
そして、当該特許文献3に開示の技術には、熱電併給装置の放熱を促進する場合、ヒートポンプ装置を冷媒逆方向循環状態として、ヒートポンプ装置の第2熱交換器により、湯水循環路を通流する湯水の放熱を促進する運転が示されている。
特開2011−247568号公報 特開2012−57932号公報 特開2009−036473号公報
上記特許文献1、2に開示の技術では、暖房負荷や追焚負荷が大きく、それらをヒートポンプ装置により発生する熱によっても賄おうとすると、暖房負荷や追焚負荷が発生する時間帯は電力負荷も多く、熱電併給装置の余剰電力がないため、商用電力系統から供給される電力によりヒートポンプ装置を働かせていた。
ここで、商用電力系統から供給される電力が、火力発電にて発電されたものである場合、火力発電の発電効率を含めたヒートポンプ装置の運転効率は、火力発電の発電効率「37%」と、ヒートポンプ装置のCOP「3」とを乗算したものとなり、その値は111%と低く、改善の余地があった。
一方、特許文献3に開示の技術では、ヒートポンプ装置を冷媒逆方向循環状態とし、ヒートポンプ装置の第2熱交換器により、湯水循環路を通流する湯水の放熱を促進する運転を実行する場合、ヒートポンプ装置の第2熱交換器にて放熱された湯水は、貯湯タンクに戻された後に、熱電併給装置の第1熱交換器に導かれるため、貯湯タンクの蓄熱状態が100%である場合には、熱電併給装置の第1熱交換器には、高い温度の湯水が導かれることを避けられない。特に、熱電併給装置が燃料電池である場合には、その運転を停止せざるを得ない状況となる虞があり、改善の余地があった。
また、貯湯タンクの上部には、ヒートポンプ装置の第2熱交換器にて放熱された後の比較的低温の湯水が戻されるため、貯湯タンク内の湯水の成層貯湯が崩れる虞があった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱電併給装置とヒートポンプ装置と貯湯タンクとを備えた構成において、更なる運転効率の向上を図ることができる貯湯式熱源装置及びその運転方法を提供する点にある。
上記目的を達成するための本願に係る貯湯式熱源装置は、
給湯利用箇所に供給する湯水を貯湯する貯湯タンクと、
熱と電力とを発生する熱電併給装置により湯水を加熱する第1熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第1熱交換器とを湯水が循環する第1循環路と、
ヒートポンプ装置により湯水を加熱する第2熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第2熱交換器とを湯水が循環する第2循環路と、
暖房負荷と追焚負荷の少なくとも一方で熱を消費する第3熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第3熱交換器とを湯水が循環する第3循環路と、
燃焼装置により湯水を加熱する第4熱交換器と、当該第4熱交換器と前記第3熱交換器とを湯水が循環する第4循環路と、
給湯利用箇所に貯湯タンクの湯水を導く第5流路とを備えた貯湯式熱源装置であって、その特徴構成は、
前記ヒートポンプ装置を働かせて前記第2熱交換器を加熱し、当該第2熱交換器で加熱された湯水を、前記第2循環路に循環させ前記貯湯タンクに貯湯する制御部を備え、
前記制御部は、前記熱電併給装置を電主運転している状態で、前記給湯利用箇所からの1日の給湯熱量が1日の前記熱電併給装置の排熱量よりも大きい場合又は大きくなると予測される場合、
前記給湯利用箇所からの給湯の発生前で、前記熱電併給装置の定格発電出力よりも電力負荷が少ない時間帯又は少なくなると予測される時間帯を優先して、前記ヒートポンプ装置を働かせて前記第2熱交換器を加熱し、当該第2熱交換器で加熱された湯水を、前記第2循環路に循環させ前記貯湯タンクに貯湯し、
給湯要求があったときには、前記貯湯タンクの湯水を前記第5流路に導き、低温暖房負荷が発生したときには、前記ヒートポンプ装置を働かせ前記第2熱交換器を加熱し、当該第2熱交換器で加熱された湯水を、前記第3循環路に循環させ前記第3熱交換器を加熱し、高温暖房負荷が発生したときには、前記燃焼装置で前記第4熱交換器を加熱して前記第4循環路を循環する湯水により前記第3熱交換器を加熱する点にある。
上記目的を達成するための本願に係る貯湯式熱源装置の運転方法は、
給湯利用箇所に供給する湯水を貯湯する貯湯タンクと、
熱と電力とを発生する熱電併給装置により湯水を加熱する第1熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第1熱交換器とを湯水が循環する第1循環路と、
ヒートポンプ装置により湯水を加熱する第2熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第2熱交換器とを湯水が循環する第2循環路と、
暖房負荷と追焚負荷の少なくとも一方で熱を消費する第3熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第3熱交換器とを湯水が循環する第3循環路と、
燃焼装置により湯水を加熱する第4熱交換器と、当該第4熱交換器と前記第3熱交換器とを湯水が循環する第4循環路と、
給湯利用箇所に貯湯タンクの湯水を導く第5流路とを備えた貯湯式熱源装置の運転方法であって、その特徴構成は、
前記熱電併給装置を電主運転している状態で、前記給湯利用箇所からの1日の給湯熱量が1日の前記熱電併給装置の排熱量よりも大きい場合又は大きくなると予測される場合、
前記給湯利用箇所からの給湯の発生前で、前記熱電併給装置の定格発電出力よりも電力負荷が少ない時間帯又は少なくなると予測される時間帯を優先して、前記ヒートポンプ装置を働かせて前記第2熱交換器を加熱し、当該第2熱交換器で加熱された湯水を、前記第2循環路に循環させ前記貯湯タンクに貯湯し、
給湯要求があったときには、前記貯湯タンクの湯水を前記第5流路に導き、低温暖房負荷が発生したときには、前記ヒートポンプ装置を働かせ前記第2熱交換器を加熱し、当該第2熱交換器で加熱された湯水を、前記第3循環路に循環させ前記第3熱交換器を加熱し、高温暖房負荷が発生したときには、前記燃焼装置で前記第4熱交換器を加熱して前記第4循環路を循環する湯水により前記第3熱交換器を加熱する点にある。
上記特徴構成によれば、熱電併給装置を電主で運転している状態で、給湯利用箇所からの一日の給湯熱量が一日の熱電併給装置の排熱量よりも大きい場合又は大きくなると予測される場合、給湯利用箇所からの給湯の発生前で、熱電併給装置の定格発電出力よりも電力負荷が少ない時間帯又は少なくなると予測される時間帯を優先して、熱電併給装置を部分負荷から定格負荷となるようにヒートポンプ装置を働かせ、ヒートポンプ装置の発生する熱を貯湯タンクに蓄熱するから、その後に発生する給湯熱量を、当該貯湯タンクに蓄熱される熱により賄うことができる。結果、給湯熱量に関しては、熱電併給装置にて発生させた電力でヒートポンプ装置を働かせ効率良く発生させた熱により賄い、総合的な運転効率を向上させることができる。
尚、熱電併給装置の運転効率を含めたヒートポンプ装置の運転効率は、熱電併給装置の発電効率「40%」とヒートポンプ装置のCOP「3」とを乗算したものと、熱電併給装置の排熱効率「40%」とを足し合わせた160%となり、火力発電による発電電力にてヒートポンプ装置を働かせた場合の運転効率111%に比べ、十分に高いものとなる。
ここで、当該特徴構成では、温水温度が約50℃未満の低温暖房負荷はヒートポンプ装置の熱にて賄い、温水温度が約50℃以上の高温暖房負荷は燃焼装置の熱により賄う。
上記目的を達成するための本願に係る貯湯式熱源装置は、
給湯利用箇所に供給する湯水を貯湯する貯湯タンクと、
熱と電力とを発生する熱電併給装置により湯水を加熱する第1熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第1熱交換器とを湯水が循環する第1循環路と、
ヒートポンプ装置により湯水を加熱する第2熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第2熱交換器とを湯水が循環する第2循環路と、
暖房負荷と追焚負荷の少なくとも一方で熱を消費する第3熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第3熱交換器とを湯水が循環する第3循環路と、
燃焼装置により湯水を加熱する第4熱交換器と、当該第4熱交換器と前記第3熱交換器とを湯水が循環する第4循環路と、
給湯利用箇所に貯湯タンクの湯水を導く第5流路とを備えた貯湯式熱源装置であって、その特徴構成は、
前記ヒートポンプ装置を働かせて前記第2熱交換器を加熱し、当該第2熱交換器で加熱された湯水を、前記第2循環路に循環させ前記貯湯タンクに貯湯する制御部を備え、
前記制御部は、前記熱電併給装置を電主運転している状態で、前記給湯利用箇所からの1日の給湯熱量及び一日の低温暖房負荷の合計が1日の前記熱電併給装置の排熱量よりも大きい場合又は大きくなると予測される場合、
前記給湯利用箇所からの給湯又は低温暖房負荷の発生前で、前記熱電併給装置の定格発電出力よりも電力負荷が少ない時間帯又は少なくなると予測される時間帯を優先して、前記ヒートポンプ装置を働かせて前記第2熱交換器を加熱し、当該第2熱交換器で加熱された湯水を、前記第2循環路に循環させ前記貯湯タンクに貯湯し、
給湯要求があったときには、前記貯湯タンクの湯水を前記第5流路に導き、低温暖房負荷が発生したときには、前記貯湯タンクの貯湯熱量又は貯湯温度が要求下限値以上の場合、前記貯湯タンクの湯水を、前記第3循環路に循環させ前記第3熱交換器を加熱し、前記貯湯タンクの貯湯熱量又は貯湯温度が要求下限値未満の場合、前記燃焼装置で第4熱交換器を加熱して前記第4循環路を循環する湯水により前記第3熱交換器を加熱すると共に、高温暖房負荷が発生したときには、前記燃焼装置で前記第4熱交換器を加熱して前記第4循環路を循環する湯水により前記第3熱交換器を加熱する点にある。
上記目的を達成するための本願に係る貯湯式熱源装置の運転方法は、
給湯利用箇所に供給する湯水を貯湯する貯湯タンクと、
熱と電力とを発生する熱電併給装置により湯水を加熱する第1熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第1熱交換器とを湯水が循環する第1循環路と、
ヒートポンプ装置により湯水を加熱する第2熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第2熱交換器とを湯水が循環する第2循環路と、
暖房負荷と追焚負荷の少なくとも一方で熱を消費する第3熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第3熱交換器とを湯水が循環する第3循環路と、
燃焼装置により湯水を加熱する第4熱交換器と、当該第4熱交換器と前記第3熱交換器とを湯水が循環する第4循環路と、
給湯利用箇所に貯湯タンクの湯水を導く第5流路とを備えた貯湯式熱源装置の運転方法であって、その特徴構成は、
前記熱電併給装置を電主運転している状態で、前記給湯利用箇所からの1日の給湯熱量及び一日の低温暖房負荷の合計が1日の前記熱電併給装置の排熱量よりも大きい場合又は大きくなると予測される場合、
前記給湯利用箇所からの給湯又は低温暖房負荷の発生前で、前記熱電併給装置の定格発電出力よりも電力負荷が少ない時間帯又は少なくなると予測される時間帯を優先して、前記ヒートポンプ装置を働かせて前記第2熱交換器を加熱し、当該第2熱交換器で加熱された湯水を、前記第2循環路に循環させ前記貯湯タンクに貯湯し、
給湯要求があったときには、前記貯湯タンクの湯水を前記第5流路に導き、低温暖房負荷が発生したときには、前記貯湯タンクの貯湯熱量又は貯湯温度が要求下限値以上の場合、前記貯湯タンクの湯水を、前記第3循環路に循環させ前記第3熱交換器を加熱し、前記貯湯タンクの貯湯熱量又は貯湯温度が要求下限値未満の場合、前記燃焼装置で第4熱交換器を加熱して前記第4循環路を循環する湯水により前記第3熱交換器を加熱すると共に、高温暖房負荷が発生したときには、前記燃焼装置で前記第4熱交換器を加熱して前記第4循環路を循環する湯水により前記第3熱交換器を加熱する点にある。
上記特徴構成によれば、熱電併給装置の定格発電電力よりも電力負荷が少ない時間帯又は少なくなると予測される時間帯、即ち、電力負荷の少ない深夜や日中に優先して、ヒートポンプ装置を働かせ、ヒートポンプ装置により発生した熱を貯湯タンクに蓄熱し、蓄熱された熱により暖房負荷や追焚負荷を賄うことができる。
つまり、当該構成によれば、比較的高い運転効率となる。例えば、できるだけ定格発電状態の燃料電池等の熱電併給装置の余剰電力により、ヒートポンプ装置を働かせて熱を発生させ、その熱を貯湯タンクに一旦蓄熱し、蓄熱された熱で、その後の暖房負荷や追焚負荷を賄うことができるから、暖房負荷や追焚負荷の発生時に、比較的低い運転効率である火力発電等により発電された電力でヒートポンプ装置を働かせる場合に比べ、運転効率を向上できる。
更に、上記特徴構成にあっては、熱電併給装置を電主運転している状態で、給湯利用箇所からの1日の給湯熱量及び一日の低温暖房負荷の合計が1日の熱電併給装置の排熱量よりも大きい場合又は大きくなると予測される場合、給湯利用箇所からの給湯又は低温暖房負荷の発生前で、熱電併給装置の定格発電出力よりも電力負荷が少ない時間帯又は少なくなると予測される時間帯を優先して、当該熱電併給装置が部分負荷から定格負荷となるようにヒートポンプ装置を働かせて熱を発生させ、当該発生させた熱を、1日分の給湯熱量及び1日分の低温暖房負荷の熱量へ回すことができるから、効率の低い火力発電の電力にてヒートポンプ装置を働かせて発生する熱で賄う場合や、同じく効率の低いバーナ式等の燃焼装置により発生する熱で賄う場合に比べ、さらに効率を向上させることができる。
本願に係る貯湯式熱源装置の更なる特徴構成は、
前記第1循環路は、前記貯湯タンクの下部を上流端とし上部を下流端とすると共に、前記ヒートポンプ装置の前記第2熱交換器と、前記熱電併給装置の第1熱交換器とに、記載の順に湯水を循環させる流路であり、
前記ヒートポンプ装置が、冷媒を圧縮する圧縮機と、前記第2熱交換器と、冷媒を膨張させる膨張弁と、第5熱交換器とに、記載の順に冷媒を循環させる冷媒正方向循環状態と、当該冷媒正方向とは逆方向の循環状態である冷媒逆方向循環状態とで冷媒を切り替えて循環可能な冷媒循環路を備え、
前記制御部は、前記貯湯タンクの下部の温度が前記熱電併給装置の運転継続上限閾値を超える場合、前記ヒートポンプ装置を前記冷媒逆方向循環状態で働かせて前記第2熱交換器で湯水を放熱させると共に、前記熱電併給装置の運転を継続させる点にある。
上記特徴構成によれば、貯湯タンクの下部の湯水温度が運転継続上限閾値を超える場合、ヒートポンプ装置を冷媒逆方向循環状態で働かせて第2熱交換器で湯水を放熱させるから、熱電併給装置の運転継続上限閾値未満まで低下させた湯水を、第1循環路にて熱電併給装置の第1熱交換器へ導くことができ、熱電併給装置の運転を継続させることができる。
結果、熱電併給装置の第1熱交換器に導かれる湯水の熱を放熱させるラジエータ等を別途設ける必要がなくなり、構成の簡素化を図ることができる。尚、このようなラジエータ等の放熱設備を別途設ける必要のない簡易な構成の貯湯式熱源装置は、例えば、集合住宅の各戸のベランダ等の比較的小さいスペースに設置する場合に、特に有効な構成となる。
また、上記特徴構成によれば、貯湯タンクの上部に戻される湯水の温度は、燃料電池の排熱を第1熱交換器にて回収したある程度温度の高い湯水を導くことができるから、上述した特許文献3に開示の技術に比べ、貯湯タンク内の湯水の温度成層を維持し易い。
ヒートポンプ装置を冷媒正方向循環状態とする貯湯式熱源装置の概略構成図 ヒートポンプ装置を冷媒逆方向循環状態とする貯湯式熱源装置の概略構成図 第1実施形態に係る制御フロー図 第2実施形態に係る制御フロー図 参考例1での1日のエネルギの発生及び使用過程を示す図表 参考例2での1日のエネルギの発生及び使用過程を示す図表 第1実施形態での1日のエネルギの発生及び使用過程を示す図表 第2実施形態での1日のエネルギの発生及び使用過程を示す図表
本願の貯湯式熱源装置100は、特に、熱と電力とを発生する熱電併給装置10と、ヒートポンプ装置20と、熱電併給装置10の排熱及びヒートポンプ装置20にて発生する熱を蓄熱する貯湯タンク30とを備えた貯湯式熱源装置100において、全体としての運転効率を向上させることができるものに関する。
〔第1実施形態〕
本願の貯湯式熱源装置100を、図1〜3、5〜7に基づいて説明する。
本願の貯湯式熱源装置100は、図1、2に示すように、給湯利用箇所40(例えば給湯栓)に供給する湯水を貯湯する貯湯タンク30と、熱と電力とを発生する熱電併給装置(例えば、燃料電池)10により湯水を加熱する第1熱交換器H1と、ヒートポンプ装置20により湯水を加熱(又は放熱)する第2熱交換器H2と、暖房負荷と追焚負荷の少なくとも一方で熱を消費する第3熱交換器H3と、バーナ式の燃焼装置41により湯水を加熱する第4熱交換器H4とを備えている。
貯湯タンク30は、例えば、内部に湯水を貯留可能で、断熱性能を有する密閉型のタンクにて構成されており、内部の湯水は、上方から下方にかけて高温から低温となる温度成層を形成するように構成されている。
ヒートポンプ装置20は、冷媒を循環させる冷媒循環路C7と、当該冷媒循環路C7を循環する冷媒の循環方向を冷媒正方向循環状態(図1に示す循環状態)と冷媒逆方向循環状態(図2に示す循環状態)とで切替自在な四方切替弁24と、冷媒を圧縮する圧縮機21と、湯水と冷媒とを熱交換可能な第2熱交換器H2と、冷媒を膨張する膨張弁22と、外気と冷媒とを熱交換可能な第5熱交換器H5とを備えている。当該ヒートポンプ装置20は、冷媒正方向循環状態(図1に示す状態)では、第2熱交換器H2が凝縮器として働くと共に第5熱交換器H5が蒸発器として働くから、第2熱交換器H2では湯水が加熱される。一方、冷媒逆方向循環状態(図2に示す状態)では、第2熱交換器H2が蒸発器として働くと共に第5熱交換器H5が凝縮器として働くから、第2熱交換器H2では湯水が放熱される。
当該ヒートポンプ装置20を働かせる電力は、熱電併給装置20にて発生した電力である場合と、商用電力系統(図示せず)からの電力(以下、買電と略称する場合がある)である場合とがある。
バーナ式の燃焼装置41は、例えば、ガス燃料等を燃焼させて熱を発生させ、当該熱により第4熱交換器H4にて湯水を加熱するように構成されている。
第3熱交換器H3として、暖房負荷に用いられる暖房用第3熱交換器H3aと、浴槽42の追焚負荷に用いられる追焚用第3熱交換器H3bとが設けられている。
また、追焚用第3熱交換器H3bと追焚負荷としての浴槽42との間で熱媒(浴槽水)を循環自在な第1熱媒循環路C5が設けられていると共に、当該第1熱媒循環路C5に熱媒を圧送する第3循環ポンプP3が設けられている。これにより、第1熱媒循環路C5は、追焚用第3熱交換器H3bと浴槽42との間で、熱媒を循環可能に構成されている。
暖房用第3熱交換器H3aと暖房負荷としての暖房端末43との間で熱媒を循環可能な第2熱媒循環路C6が設けられると共に、当該第2熱媒循環路C6には、熱媒を貯留自在な熱媒タンク44、第2熱媒循環路C6で熱媒を圧送して循環する第4循環ポンプP4が設けられている。これにより、第2熱媒循環路C6は、循環ポンプP4で圧送された熱媒を暖房用第3熱交換器H3aと暖房端末43との間で、熱媒を循環可能に構成されている。ここで、図示は省略するが、暖房端末43としては、浴室乾燥装置や床暖房装置が適用可能である。
本願の貯湯式熱源装置100は、これまで説明した第1熱交換器H1〜第4熱交換器H4に湯水を循環させる第1循環路C1〜第4循環路C4、及び第1流路L1〜第5流路L5が備えられている。
第1循環路C1は、貯湯タンク30と熱電併給装置10の第1熱交換器H1との間で湯水を循環する循環路であり、その上流端が貯湯タンク30の下部に接続されると共にその下流端が貯湯タンク30の上部に接続されており、当該第1循環路C1の湯水を圧送する第1循環ポンプP1を第1熱交換器H1の下流側に備えている。当該第1循環路C1は、ヒートポンプ装置20の第2熱交換器H2が設けられる流路と、第2熱交換器H2をバイパスする第1流路L1とが並列状態で設けられた流路を含むものであり、第2熱交換器H2が設けられる流路と第1流路L1との上流側の接続部位には、第2熱交換器H2を通流する流路と第1流路L1との何れかに湯水を分配して通流させるように調整自在な第1三方弁S1が設けられている。
即ち、第1循環路C1には、第1三方弁S1が第2熱交換器H2が配設される流路へ湯水を導く状態にある場合、湯水の流れ方向で第2熱交換器H2と第1熱交換器H1とが記載の順に配設される。
この場合、ヒートポンプ装置20を冷媒逆方向循環状態にすることにより、第2熱交換器H2を通流する湯水を放熱でき、貯湯タンク30の下部から導かれる湯水の温度が熱電併給装置10の運転を継続する運転継続上限値(燃料電池の場合は例えば40℃)を超える場合であっても、当該湯水の熱を適切に放熱させて、熱電併給装置10の第1熱交換器H1に導かれる湯水の温度を、運転継続上限値以下にすることができる。
第2循環路C2は、その流路の一部を第1循環路C1と共通とするものであり、貯湯タンク30とヒートポンプ装置20の第2熱交換器H2との間で湯水を循環する流路であり、その上流端が貯湯タンク30の下部に接続されると共にその下流端が貯湯タンク30の上部に接続されており、当該第2循環路C2の湯水を圧送する第1循環ポンプP1を第2熱交換器H2の下流側に備えている。当該第2循環路C2は、熱電併給装置10の第1熱交換器H1が設けられる流路と、第1熱交換器H1をバイパスする第2流路L2とが並列状態で配設された流路を含むものであり、第1熱交換器H1を通流する流路と第2流路L2との上流側の接続部位には、第1熱交換器H1が設けられる流路と第2流路L2との何れか一方に湯水を通流させるように切替自在な第2三方弁S2が設けられている。
第3循環路C3は、第3熱交換器H3と貯湯タンク30との間で湯水を循環する循環路であり、その上流端が貯湯タンク30の上部に接続されると共にその下流端が貯湯タンク30の下部に接続されており、当該第3循環路C3で開度調整自在な第1比例弁V1、当該第3循環路C3の湯水を圧送する第2循環ポンプP2が湯水の流れ方向で記載の順に設けられている。当該第3循環路C3は、暖房用第3熱交換器H3aに湯水を通流する暖房側第3循環路C3aと、追焚用第3熱交換器H3bに湯水を通流する追焚側第3循環路C3bとを含み、暖房側第3循環路C3aと追焚側第3循環路C3bとは上流側分岐部及び下流側合流部にて接続されることで、暖房用第3熱交換器H3aと追焚用第3熱交換器H3bとが併設状態で設けられる。暖房側第3循環路C3aには第3開閉弁V3が、追焚側第3循環路C3bには第4開閉弁V4が設けられ、夫々の開閉状態を切り替えることにより、暖房用第3熱交換器H3aと追焚用第3熱交換器H3bとの何れに湯水を分配するかを切り替え自在となっている。
また、第3循環路C3には、貯湯タンク30の上部と第3熱交換器H3との間の流路部位に、バーナ式の燃焼装置41にて加熱される第4熱交換器H4が設けられており、第3循環路C3の貯湯タンク30の下部の近傍の流路部位には、上水を所定の給水圧力にて供給する給水路が、第3三方弁S3を介して接続されている。
第3循環路C3の第4熱交換器H4と第3熱交換器H3との間の流路部位には、給湯利用箇所40への湯水を通流する第5流路L5が接続されると共に、当該第5流路L5には、第2比例弁V2が設けられている。これにより、給湯利用箇所40としての給湯栓が開栓された場合、給水路から供給される上水の圧力により、貯湯タンク30の上部に貯留された湯水を、第1比例弁V1、第4熱交換器H4、及び第2比例弁V2を介して、第3循環路C3の一部と第5流路L5を通流して給湯利用箇所40へ導く水路を形成する。
尚、第3循環路C3には、貯湯タンク30の上部から送出された湯水を、第1比例弁V1、第4熱交換器H4、及び第2比例弁V2をバイパスして第5流路L5へ導く第3流路L3が設けられている。
第3循環路C3において、第1比例弁V1と第2循環ポンプP2との間の流路部位と、第3熱交換器H3と第3三方弁S3の間の流路部位とを接続する第4流路L4が備えられ、当該第4流路L4には第5比例弁V5が設けられている。これにより、第1比例弁V1及び第2比例弁V2を閉状態とし、第5比例弁V5を開状態とすることで、第3循環路C3の一部と第4流路L4とにより、貯湯タンク30をバイパスする状態で、第4熱交換器H4と第3熱交換器H3とに湯水を循環する第4循環路C4が形成される。
当該貯湯式熱源装置100の運転を制御するコンピュータを備えた制御装置50(制御部の一例)が設けられており、当該制御装置50は、運転を指令する人為操作式の貯湯式熱源装置用リモコン(図示省略)との間で各種の情報を通信可能に構成されている。当該リモコンは、例えば、台所や浴室等に設けられており、給湯設定温度等を設定可能であると共に、各種スイッチのON操作により各種運転の運転要求を要求可能に構成されている。また、制御装置50は、暖房端末43の運転を指令する人為操作式の暖房端末用リモコン、浴槽42の追焚運転等を指令する人為操作式の風呂リモコンとの間で各種の情報を通信可能に構成されている。
制御装置50は、貯湯式熱源装置用リモコンの運転スイッチがON操作されると制御可能な状態となり、給湯利用箇所40としての給湯栓が開栓操作されると、給湯利用箇所40に給湯する給湯運転を実行する。また、制御装置50は、例えば、貯湯タンク30の蓄熱量が設定量以下になる、或いは、給湯利用箇所40へ給湯する給湯時間帯や暖房端末43での暖房熱負荷が発生する暖房時間帯よりも前の蓄熱時間帯になる等の蓄熱条件が満たされると、蓄熱運転の運転要求があったとして、貯湯タンク30へ蓄熱する蓄熱運転を実行する。さらに、制御装置50は、暖房端末用リモコンの暖房運転スイッチがON操作されて暖房端末43から運転要求が要求されると暖房運転を実行し、風呂リモコンの追焚スイッチがON操作されて追焚要求が要求されると追焚運転を実行する。
以下、各運転について説明する。
(蓄熱運転)
制御装置50は、熱電併給装置10のみを働かせて第1熱交換器H1により湯水を加熱する第1蓄熱運転、ヒートポンプ装置20のみを冷媒正方向循環状態(図1に示す状態)で働かせて第2熱交換器H2により湯水を加熱する第2蓄熱運転、熱電併給装置10を働かせると共にヒートポンプ装置20を冷媒正方向循環状態で働かせて第1熱交換器H1と第2熱交換器H2とで湯水を加熱する第3蓄熱運転を実行可能に構成されている。
第1蓄熱運転は、貯湯タンク30の蓄熱量に比較的余裕がある場合に実行される運転であり、貯湯タンク30の下部の湯水を第1循環路C1に通流させ、湯水を熱電併給装置10の第1熱交換器H1により加熱し、加熱された湯水を貯湯タンク30の上部に戻す運転であり、ヒートポンプ装置20は働かせない。当該第1蓄熱運転では、第1三方弁S1を貯湯タンク30からの湯水の全量を第1流路L1の側へ導く状態とし、第1循環ポンプP1を所定の回転速度で駆動させる。
第2蓄熱運転は、電力負荷が少ない場合に実行される運転であり、貯湯タンク30の下部の湯水を第2循環路C2に通流させ、湯水をヒートポンプ装置20の第2熱交換器H2により加熱し、加熱された湯水を貯湯タンク30の上部に戻す運転である。当該第2蓄熱運転では、第1三方弁S1を貯湯タンク30からの湯水の全量を第2循環路C2の第2熱交換器H2が設けられる流路部位へ導く状態とすると共に、第2三方弁S2を湯水の全量を第2流路L2へ導く状態とし、第1循環ポンプP1を所定の回転速度で駆動させる。尚、熱電併給装置10が燃料電池である場合、熱電併給装置10は連続運転を行うことが基本であるため、当該熱電併給装置10の運転を停止することになる当該第2蓄熱運転を実行しないことが好ましい。
第3蓄熱運転は、貯湯タンク30の蓄熱量に余裕がない場合に実行される運転であり、貯湯タンク30の下部の湯水を第1循環路C1と第2循環路C2の双方に通流させ、湯水の一部をヒートポンプ装置20の第2熱交換器H2で加熱すると共に、湯水の残部を熱電併給装置10の第1熱交換器H1で加熱し、加熱された湯水の全量を貯湯タンク30の上部に戻す運転である。当該第3蓄熱運転では、第1三方弁S1を貯湯タンク30からの湯水の一部を第2循環路C2の第2熱交換器H2が設けられる流路部位の側へ導くと共に残部を第1流路L1の側へ導く状態とし、第2三方弁S2を第2循環路C2の第2熱交換器H2が設けられる流路部位からの湯水の全量を第2流路L2の側へ導く状態とすると共に第1流路L1に導かれた湯水の全量を熱電併給装置10の第1熱交換器H1の側へ導く状態とし、第1循環ポンプP1を所定の回転速度で駆動させる。
(給湯運転)
給湯運転では、制御装置50が、貯湯タンク30に貯留された湯水を燃焼装置41にて補助加熱することなく給湯利用箇所40へ供給する非加熱給湯運転と、貯湯タンク30に貯留された湯水を燃焼装置41にて補助加熱をして給湯利用箇所40へ供給する加熱給湯運転とに切り替え自在に構成されている。
制御装置50は、貯湯タンク30の上部に貯留される湯水の温度が給湯利用箇所40にて要求されている給湯設定温度よりも所定温度だけ高い温度に設定された切り換え設定温度以上である場合、非加熱給湯運転に切り換え、貯湯タンク30の上部に貯留される湯水の温度が切り換え設定温度未満である場合、加熱給湯運転に切り換える。ここで、図示を省略するが、貯湯タンク30には、その上部における湯水の温度を検出する温度センサが設けられ、当該温度センサの検出温度を貯湯タンク30の上部に貯留される湯水の温度としている。
非加熱給湯運転に切り換える場合には、制御装置50が、第1比例弁V1及び第2比例弁V2を閉動作させ、上水の圧力により貯湯タンク30の上部から取り出した湯水を、第3流路L3及び第5流路L5を介して給湯利用箇所40へ供給する。この場合、貯湯タンク30の上部に貯留される湯水の温度が給湯設定温度よりも高すぎる場合には、図示しない流路から上水が混合され、給湯設定温度に調整された湯水が給湯利用箇所40から供給される。
加熱給湯運転に切り換える場合には、制御装置50が、第1比例弁V1及び第2比例弁V2を開動作させ、第2循環ポンプP2を駆動し、燃焼装置41を燃焼させることで、貯湯タンク30の上部から取り出した湯水を、第3循環路C3の一部を通流させ、第4熱交換器H4にて加熱した後に給湯利用箇所40へ供給する。
(暖房運転)
暖房運転は、制御装置50により、ヒートポンプ装置20の第2熱交換器H2にて加熱された湯水の熱により実行するヒートポンプ暖房運転と、貯湯タンク30に蓄熱される湯水の熱により実行するタンク暖房運転と、燃焼装置41を働かせて第4熱交換器H4にて加熱された湯水の熱により実行するボイラ暖房運転とに切り替え自在に構成されている。
ヒートポンプ暖房運転は、暖房端末43の低温暖房負荷を賄う運転であり、湯水を第2循環路C2に通流させ、湯水をヒートポンプ装置20の第2熱交換器H2により加熱し、加熱された湯水を貯湯タンク30の上部を介して第3循環路C3を暖房側第3循環路C3aを介する運転で通流させ、暖房用第3熱交換器H3aにて湯水の熱を消費した後の湯水を、貯湯タンク30の下部を介して第2循環路C2に戻すものである。当該ヒートポンプ暖房運転では、第1三方弁S1を貯湯タンク30からの湯水の全量を第2循環路C2の第2熱交換器H2が設けられる流路部位の側へ導く運転とし、第2三方弁S2を湯水の全量を第2流路L2の側へ導く運転とし、第1比例弁V1及び第3開閉弁V3を開運転とし、第2比例弁V2及び第4開閉弁V4及び第5比例弁V5を閉運転とし、第1循環ポンプP1及び第2循環ポンプP2を所定の回転速度で駆動させる。
タンク暖房運転は、暖房端末43の低温暖房負荷を賄う運転であり、貯湯タンク30に蓄熱されている熱にて低温暖房負荷を賄うことができる場合、貯湯タンク30の上部の湯水を、第3循環路C3を暖房側第3循環路C3aを介する運転で通流させ、暖房用第3熱交換器H3aにて湯水の熱を消費した後の湯水を、貯湯タンク30の下部へ戻すものである。当該タンク暖房運転では、第1比例弁V1及び第3開閉弁V3を開運転とし、第2比例弁V2及び第4開閉弁V4及び第5比例弁V5を閉運転とし、第2循環ポンプP2を所定の回転速度で駆動させる。
ボイラ暖房運転は、暖房端末43の高温暖房負荷もしくは貯湯タンク30に蓄熱されている熱では暖房負荷を賄うことができない場合の低温暖房負荷を賄うものであり、第4循環路C4に暖房側第3循環路C3aを介する運転で湯水を循環させ、暖房用第3熱交換器H3aにて湯水の熱を消費するものである。当該ボイラ暖房運転では、第3開閉弁V3及び第5比例弁V5を開運転とし、第1比例弁V1及び第2比例弁V2及び第4開閉弁V4を閉運転とし、第2循環ポンプP2を所定の回転速度で駆動させる。
(追焚運転)
追焚運転では、第4循環路C4に追焚側第3循環路C3bを介する運転で湯水を循環させ、追焚用第3熱交換器H3bにて湯水の熱を消費するものである。当該追焚運転では、制御装置50が、第4開閉弁V4及び第5比例弁V5を開運転とし、第1比例弁V1及び第2比例弁V2及び第3開閉弁V3を閉運転とし、燃焼装置41を第4熱交換器H4を出た後の湯水の温度が追焚負荷で要求される要求温度以上となるように働かせ、第2循環ポンプP2を所定の回転速度で駆動させる。
次に、制御装置50による熱電併給装置10、ヒートポンプ装置20、及び燃焼装置41の学習運転について説明する。
制御装置50は、実際の使用状況に基づいて、1日分(24時間分)の過去負荷データを単位時間毎に記憶するデータ記憶処理を行い、1日分のデータ記憶処理が完了するごとに、記憶されている1日分(又は直近の数日分)の過去負荷データから、その日1日分の予測負荷データを求める予測負荷演算処理を行うように構成されている。
説明を追加すると、制御装置50は、図5に示すように、予測負荷データとして、電力負荷データ(図5に「電力」で示す列に記載されたデータ)と、給湯熱負荷データ(図5に「給湯」で示す列に記載されたデータ)と、暖房熱負荷データ(図5で「高温暖房」と「低温暖房」で示す列に記載されたデータ)とを求める。
第1実施形態に係る貯湯式熱源装置100にあっては、制御装置50は、当該予測負荷データに基づいて、熱電併給装置10、ヒートポンプ装置20、及び燃焼装置41を、図3に示す制御フローに従った学習運転を実行することで、全体としての効率を向上させている。ここで、効率の向上は、図5に示される予測負荷データを満足させる貯湯式熱源装置100の運転に際し、当該運転に用いられる電気1次エネルギ及びガス1次エネルギとの合計1次エネルギの低減量で評価するものとする。
まず、評価の基準となる合計1次エネルギに関し、予測される電力負荷のすべてを商用電力系統からの買電(火力発電の効率:0.37)で賄い、予測される給湯負荷のすべてを燃焼装置41(効率:0.85)にて賄い、予測される暖房負荷のすべてを燃焼装置41(効率:0.75)で賄う場合の1次エネルギの単位時間毎の値、及びその合計を、参考例1として、図5に示す。
例えば、図5で、電気1次エネルギは、予測電力負荷データ(図5で「電力」で示される列に記載されたデータ)を、商用電力系統からの買電の効率(火力発電の効率:0.37)で除算し単位換算した値であり、ガス1次エネルギは、予測給湯熱負荷データ(図5に「給湯」で示される列に記載されたデータ)を燃焼装置41の燃焼効率(効率:0.85)で除算し単位換算したものと、予測暖房負荷データ(図5で「高温暖房」と「低温暖房」で示される列に記載された値の合計のデータ)を燃焼装置41の燃焼効率(効率:0.75)で除算したものと、を合計した値である。
この場合の1次エネルギの合計は、341MJとなる。
次に、参考例2として、図5に示す予測負荷を、制御装置50が熱電併給装置10を電主運転(電力負荷追従)するように制御し、予測される電力負荷を当該熱電併給装置10にて発生する電力(熱電併給装置が燃料電池である場合の発電効率:0.4)で賄うと共に、不足が発生した場合には商用電力系統からの買電(火力発電の効率:0.37)で賄い、当該熱電併給装置10の電主運転にて発生する排熱は貯湯タンク30に貯湯(熱電併給装置が燃料電池である場合の排熱効率:0.4)し、予測される給湯負荷を貯湯タンク30に蓄熱された熱で賄うと共に、不足が発生した場合には燃焼装置41(効率:0.85)にて賄い、予測される暖房負荷のすべてを燃焼装置41(効率:0.75)で賄う場合の1次エネルギの単位時間毎の値、及びその合計を、図6に示す。
図6において、「FC発電」は、熱電併給装置10としての燃料電池の発電量を示し、「FC排熱」は、熱電併給装置10としての燃料電池の排熱量を示し、「貯湯1」は、その単位時間までに貯湯タンク30に蓄熱された蓄熱量と、その単位時間に発生した熱電併給装置10の排熱量とを足し合わせたものを示し、「タンク給湯」は、その単位時間で貯湯タンクから給湯へ利用された熱量を示し、「貯湯2」は、「貯湯1」に示す蓄熱量から「タンク給湯」に示す熱量を減算したものを示している。
尚、図6において、時刻3:00からの単位時間で、「貯湯1」に示される値は、前日からの持越し分である。
当該、参考例2にあっては、電気1次エネルギは、予測電力負荷(図5で「電力」で示される列に記載された値)から、燃料電池の発電量(図6で「FC発電」で示される列に記載された値)を差し引いた値を、商用電力系統からの買電の効率(火力発電の効率:0.37)で除算し単位換算した値であり、ガス1次エネルギは、熱電併給装置10にて発生した電力を発電効率(0.4)で除算し単位換算した値と、予測給湯熱負荷(図5に「給湯」で示される列に記載された値)から、貯湯タンクから給湯へ利用された熱量(図6で「タンク給湯」で示される列に記載された値)を差し引いた値を、燃焼装置41の燃焼効率(効率:0.85)で除算し単位換算した値と、予測暖房負荷(図5で「高温暖房」と「低温暖房」で示される列に記載された値の合計値)を燃焼装置41の燃焼効率(効率:0.75)で除算し単位換算した値と、を合計した値である。
当該参考例2の1次エネルギの合計は、284MJとなり、参考例1に比べて1日当たり、57MJの1次エネルギが低減できていることがわかる。
上述した参考例2に示した運転では、図6の「FC発電」の値に示されるように、熱電併給装置10がその定格発電電力(700Wh)未満の部分負荷で運転している時間帯があることがわかる。このような時間帯で、且つ、その後に大きい給湯負荷が発生すると予測される場合、熱電併給装置10を部分負荷から定格負荷となるように、ヒートポンプ装置20を働かせて熱を発生し、当該熱を貯湯タンク30に蓄熱し、後の給湯負荷に利用することで、効率性を向上させることができる。
以下、この場合における貯湯式熱源装置100の学習運転を第1実施形態として、図3、5、6、7に基づいて説明する。
図3の制御フローに示すように、制御装置50は、予測した電力負荷(図3で「電力」として示される負荷)を賄うべく、熱電併給装置10を基本的には電主運転(電力負荷追従)で働かせる。この場合、熱電併給装置10の排熱は貯湯タンクに蓄熱されることとなり、貯湯式熱源装置100の各構成機器は上述した第1蓄熱運転と同様の制御がなされる。ここで、予測した電力負荷が、熱電併給装置10の定格電力出力(本実施形態では700W)を超える場合、当該超過分の電力は、商用電力系統からの買電により賄う(♯11)。
制御装置50は、1日の予測される給湯負荷の熱量の合計が、1日の予測した電力負荷を賄うように熱電併給装置10を電主運転した時の排熱量の合計を超える場合(♯12)、熱電併給装置10の定格発電電力よりも、予測される電力負荷が少なくなる時間帯(図7の14:00〜16:00で示される単位時間に対応する時間帯)を優先して、熱電併給装置10を部分負荷から定格負荷となるように、ヒートポンプ装置20を働かせると共に(♯13)、熱電併給装置10の排熱とヒートポンプ装置20にて発生した熱を貯湯タンク30に蓄熱する(♯14)。この場合、貯湯式熱源装置100の各構成機器は上述した第3蓄熱運転と同様の制御がなされる。尚、ここで、熱電併給装置10を部分負荷から定格負荷へと変更したときに発生する電力は、ヒートポンプ装置20を働かせることに用いられる。
その後、制御装置50は、予測される給湯負荷(図5の参考例1で「給湯」に示される負荷)は、貯湯タンク30に蓄熱された熱(図7の「タンク給湯」)にて賄い、不足分が発生する場合(貯湯タンク30の貯湯温度が給湯設定温度よりも所定温度だけ高い温度に設定された切り換え設定温度未満の場合)は燃焼装置41を働かせて賄う。この場合、貯湯式熱源装置100の各構成機器は上述した給湯運転と同様の制御がなされる(♯15)。
尚、図7に示す例では、図6に示す参考例2に対し、図7で14:00〜16:00で示される単位時間に対応する時間帯において、熱電併給装置10を部分負荷から定格負荷(図7で(a)で示す運転)となるように、ヒートポンプ装置20を働かせて発生した熱を貯湯タンク30に蓄熱しているから、その後に発生する給湯負荷は、ほぼすべてをタンク給湯(図7で(b)で示す給湯)にて賄うことができている。
一方、1日の予測される給湯負荷が、1日の予測した電力負荷を賄うように熱電併給装置10を電主運転した時の排熱量の合計以下の場合(♯12)、熱電併給装置10は、予測される電力負荷に追従する電主運転を行い、排熱を貯湯タンク30に蓄熱する(♯17)。この場合、貯湯式熱源装置100の各構成機器は上述した第1蓄熱運転と同様の制御がなされる。
そして、制御装置50は、予測される高温暖房負荷については、貯湯式熱源装置100の各構成機器を上述したボイラ暖房運転にて示したものと同様の制御をして、燃焼装置41の熱にて賄い、予測される低温暖房負荷については、貯湯式熱源装置100の各構成機器を上述したヒートポンプ暖房運転にて示したものと同様の制御をして、ヒートポンプ装置20の熱にて賄う(♯16)。
当該第1実施形態にあっては、制御装置50が以上の制御を1日を通して実行することで、消費される一次エネルギの合計を258MJとし、参考例1に比べて1日当たり、83MJの1次エネルギを低減できる。
ここで、♯13の制御に関し、熱電併給装置10を部分負荷から定格負荷となるように、ヒートポンプ装置20を働かせる時間帯は、図7で(c)で示される時間帯でも構わない。しかしながら、当該時間帯は、予測される給湯負荷が発生しそれをタンク給湯により賄う時間帯(図7で(b)で示す時間帯)よりもかなり前の時間帯となり、貯湯タンク30からの放熱ロスが発生する虞がある。当該放熱ロスを低減する観点からは、熱電併給装置10を部分負荷から定格負荷となるように、ヒートポンプ装置20を働かせる時間帯は、予測される給湯負荷の直近の時間帯であることが好ましく、図7で(a)で示す時間帯が適切であると言える。
〔第2実施形態〕
上述した第1実施形態では、熱電併給装置10の定格発電出力よりも予測される電力負荷が小さくなる時間帯を優先して、熱電併給装置10を部分負荷から定格負荷となるように、ヒートポンプ装置20を働かせて熱を発生させ、発生した熱を貯湯タンク30に蓄熱し、当該蓄熱した熱にて、予測される給湯負荷を賄う学習運転を示したが、当該第2実施形態は、予測される給湯負荷に加え、予測される低温暖房負荷をも賄うものである。尚、当該第2実施形態の学習運転の制御フローを示す図4では、第1実施形態の学習運転の制御フロー(図3を参照)と略同等の制御フローとなるので、同一のステップ番号を付している。尚、当該第2実施形態にあっても、熱電併給装置10を部分負荷から定格負荷へと変更したときに発生する電力は、ヒートポンプ装置20を働かせることに用いられる。
以下、当該第2実施形態に係る制御を、図4〜6、8に基づいて、説明する。
図4の制御フローに示すように、制御装置50は、予測した電力負荷(図3で「電力」として示される負荷)を賄うべく、熱電併給装置10を基本的には電主運転(電力負荷追従)で働かせる。この場合、熱電併給装置10の排熱は貯湯タンクに蓄熱されることとなり、貯湯式熱源装置100の各構成機器は上述した第1蓄熱運転と同様の制御がなされる。ここで、予測した電力負荷が、熱電併給装置10の定格電力出力(本実施形態では700W)を超える場合、当該超過分の電力は、商用電力系統からの買電により賄う(♯11)。
制御装置50は、1日の予測される給湯負荷の熱量と低温暖房負荷の熱量との合計が、1日の予測した電力負荷を賄うように熱電併給装置10を電主運転した時の排熱量の合計を超える場合(♯12)、熱電併給装置10の定格発電電力よりも、予測される電力負荷が少なくなる時間帯(図8で3:00〜6:00、10:00〜16:00で示される単位時間に対応する時間帯)を優先して、熱電併給装置10を部分負荷から定格負荷となるように、ヒートポンプ装置20を働かせると共に(♯13)、熱電併給装置10の排熱とヒートポンプ装置20にて発生した熱を貯湯タンク30に蓄熱する(♯14)。この場合、貯湯式熱源装置100の各構成機器は上述した第3蓄熱運転と同様の制御がなされる。
尚、上述した熱電併給装置10を部分負荷から定格負荷となるようにヒートポンプ装置20を働かせるタイミングは、予測される給湯負荷を貯湯タンク30の蓄熱で賄う時間帯(図8で(d)で示す時間帯)と、予測される低温暖房負荷を貯湯タンク30の蓄熱で賄う時間帯(図8で(e)で示す時間帯)よりも前に設定されている。
その後、制御装置50は、予測される給湯負荷(図5の参考例1で「給湯」に示される負荷)を、貯湯タンク30に蓄熱された熱(図8の「タンク給湯」)にて賄い、不足分が発生する場合(貯湯タンク30の貯湯温度が給湯設定温度よりも所定温度だけ高い温度に設定された切り換え設定温度未満の場合)は燃焼装置41を働かせて賄う。この場合、貯湯式熱源装置100の各構成機器は上述した給湯運転と同様の制御がなされる。これに加えて、制御装置50は、予測される低温暖房負荷(図5の参考例1で「低温暖房」に示される負荷)を、貯湯タンク30に蓄熱された熱(図8の「タンク暖房」)にて賄い、不足分が発生する場合(貯湯タンク30の貯湯熱量又は貯湯温度が要求下限値未満の場合)は燃焼装置41を働かせて賄う。この場合、貯湯式熱源装置100の各構成機器は上述した暖房運転と同様の制御がなされる(♯15)。
ここで、低温暖房に関し説明を加えると、例えば、冬季等で貯湯タンク30に給水される湯水の温度が10℃程度の場合、貯湯タンク30の蓄熱容量は貯湯温度70℃と給水温度10℃との差に貯湯量(70℃で貯湯された湯水の流量)を積算したものとなるのに対し、低温暖房熱量は暖房往き温度70℃と暖房戻り温度40℃との差に熱媒の循環流量を積算したものとなるため、貯湯タンク30の蓄熱により低温暖房負荷を賄う場合、貯湯タンクに蓄熱された蓄熱量の半分の熱量しか利用できない制約がある。
このため、タンク暖房にあっては、図8の(f)に示す時間帯において、低温暖房負荷(1080kcal)のうち一部(貯湯タンク30に蓄熱される熱量の半分である890kcal、及び684kcal)のみを貯湯タンク30の蓄熱にて賄い、残部は、燃焼装置41にて賄っている。
一方、1日の予測される給湯負荷の熱量と低温暖房負荷の熱量の合計が、1日の予測した電力負荷を賄うように熱電併給装置10を電主運転した時の排熱量の合計以下の場合(♯12)、熱電併給装置10は、予測される電力負荷に追従する電主運転を行い、排熱を貯湯タンク30に蓄熱する(♯17)。この場合、貯湯式熱源装置100の各構成機器は上述した第1蓄熱運転と同様の制御がなされる。
そして、制御装置50は、予測される高温暖房負荷については、貯湯式熱源装置100の各構成機器を上述したボイラ暖房運転にて示したものと同様の制御をして、燃焼装置41の熱にて賄う(♯16)。
当該第2実施形態にあっては、制御装置50が以上の制御を1日を通して実行することで、消費される一次エネルギの合計を248MJとし、参考例1に比べて1日当たり、93MJの1次エネルギを低減できる。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態にあっては、熱電併給装置が燃料電池である例を示したが、別に、その軸出力により発電機を駆動するガスエンジンを採用しても構わない。当該構成を採用する場合であっても、貯湯タンク30の湯水の貯湯量がほぼ満杯で、その下部から、冷却水としてガスエンジンの熱を回収する第1熱交換器H1へ導かれる湯水の温度が、ガスエンジンの入水限界温度を超えるときには、ヒートポンプ装置20を冷媒逆方向循環状態(図2に示す状態)で働かせ、第1熱交換器H1の上流側に配設される第2熱交換器H2により湯水の熱を放熱する構成を採用することができる。
(2)上記実施形態では、熱電併給装置10の運転に関し、過去の電力負荷実績に基づいて、電力負荷がその定格発電出力よりも少なくなると予測される時間帯を優先して運転したが、現状の電力負荷がその定格発電出力よりも少ない時間帯を優先して運転するように構成しても構わない。
(3)制御装置50は、貯湯式熱源装置100の各構成機器を制御することにより、これまで説明した蓄熱運転、給湯運転、暖房運転、及び追焚運転の夫々を各別に実行することができるが、これらを組み合わせて実行することもできる。
(4)本願の貯湯式熱源装置100の構成は、図1、2に示した構成に限定されず、本願の目的を達成し得る範囲内で、適宜変更することができる。
例えば、熱電併給装置10とヒートポンプ装置20に関連する構成以外に関して言うと、特許文献1の第1、3、5実施形態に示すような構成を採用することができる。
(5)上記実施形態での追焚運転では、ボイラによる追焚運転のみとしたが、暖房運転と同様に、ヒートポンプ追焚運転と、タンク追焚運転と、ボイラ追焚運転とに切り替え自在に構成することもできる。
(6)上記実施形態での学習制御においては、追焚運転に関しては特に説明していないが、追焚運転も合わせて実行できるように構成することもできる。
本発明の貯湯式熱源装置及びその運転方法は、熱電併給装置とヒートポンプ装置と貯湯タンクとを備えた構成において、更なる運転効率の向上を図ることができる貯湯式熱源装置及びその運転方法として、有効に利用可能である。
10 :熱電併給装置
20 :ヒートポンプ装置
21 :圧縮機
22 :膨張弁
30 :貯湯タンク
40 :給湯利用箇所
41 :燃焼装置
42 :浴槽
50 :制御装置
100 :貯湯式熱源装置
C1 :第1循環路
C2 :第2循環路
C3 :第3循環路
C4 :第4循環路
C7 :冷媒循環路
H1 :第1熱交換器
H2 :第2熱交換器
H3 :第3熱交換器
H4 :第4熱交換器
H5 :第5熱交換器
L5 :第5流路

Claims (5)

  1. 給湯利用箇所に供給する湯水を貯湯する貯湯タンクと、
    熱と電力とを発生する熱電併給装置により湯水を加熱する第1熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第1熱交換器とを湯水が循環する第1循環路と、
    ヒートポンプ装置により湯水を加熱する第2熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第2熱交換器とを湯水が循環する第2循環路と、
    暖房負荷と追焚負荷の少なくとも一方で熱を消費する第3熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第3熱交換器とを湯水が循環する第3循環路と、
    燃焼装置により湯水を加熱する第4熱交換器と、当該第4熱交換器と前記第3熱交換器とを湯水が循環する第4循環路と、
    給湯利用箇所に貯湯タンクの湯水を導く第5流路とを備えた貯湯式熱源装置であって、
    前記ヒートポンプ装置を働かせて前記第2熱交換器を加熱し、当該第2熱交換器で加熱された湯水を、前記第2循環路に循環させ前記貯湯タンクに貯湯する制御部を備え、
    前記制御部は、前記熱電併給装置を電主運転している状態で、前記給湯利用箇所からの1日の給湯熱量が1日の前記熱電併給装置の排熱量よりも大きい場合又は大きくなると予測される場合、
    前記給湯利用箇所からの給湯の発生前で、前記熱電併給装置の定格発電出力よりも電力負荷が少ない時間帯又は少なくなると予測される時間帯を優先して、前記ヒートポンプ装置を働かせて前記第2熱交換器を加熱し、当該第2熱交換器で加熱された湯水を、前記第2循環路に循環させ前記貯湯タンクに貯湯し、
    給湯要求があったときには、前記貯湯タンクの湯水を前記第5流路に導き、低温暖房負荷が発生したときには、前記ヒートポンプ装置を働かせ前記第2熱交換器を加熱し、当該第2熱交換器で加熱された湯水を、前記第3循環路に循環させ前記第3熱交換器を加熱し、高温暖房負荷が発生したときには、前記燃焼装置で前記第4熱交換器を加熱して前記第4循環路を循環する湯水により前記第3熱交換器を加熱する貯湯式熱源装置。
  2. 給湯利用箇所に供給する湯水を貯湯する貯湯タンクと、
    熱と電力とを発生する熱電併給装置により湯水を加熱する第1熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第1熱交換器とを湯水が循環する第1循環路と、
    ヒートポンプ装置により湯水を加熱する第2熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第2熱交換器とを湯水が循環する第2循環路と、
    暖房負荷と追焚負荷の少なくとも一方で熱を消費する第3熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第3熱交換器とを湯水が循環する第3循環路と、
    燃焼装置により湯水を加熱する第4熱交換器と、当該第4熱交換器と前記第3熱交換器とを湯水が循環する第4循環路と、
    給湯利用箇所に貯湯タンクの湯水を導く第5流路とを備えた貯湯式熱源装置であって、
    前記ヒートポンプ装置を働かせて前記第2熱交換器を加熱し、当該第2熱交換器で加熱された湯水を、前記第2循環路に循環させ前記貯湯タンクに貯湯する制御部を備え、
    前記制御部は、前記熱電併給装置を電主運転している状態で、前記給湯利用箇所からの1日の給湯熱量及び一日の低温暖房負荷の合計が1日の前記熱電併給装置の排熱量よりも大きい場合又は大きくなると予測される場合、
    前記給湯利用箇所からの給湯又は低温暖房負荷の発生前で、前記熱電併給装置の定格発電出力よりも電力負荷が少ない時間帯又は少なくなると予測される時間帯を優先して、前記ヒートポンプ装置を働かせて前記第2熱交換器を加熱し、当該第2熱交換器で加熱された湯水を、前記第2循環路に循環させ前記貯湯タンクに貯湯し、
    給湯要求があったときには、前記貯湯タンクの湯水を前記第5流路に導き、低温暖房負荷が発生したときには、前記貯湯タンクの貯湯熱量又は貯湯温度が要求下限値以上の場合、前記貯湯タンクの湯水を、前記第3循環路に循環させ前記第3熱交換器を加熱し、前記貯湯タンクの貯湯熱量又は貯湯温度が要求下限値未満の場合、前記燃焼装置で第4熱交換器を加熱して前記第4循環路を循環する湯水により前記第3熱交換器を加熱すると共に、高温暖房負荷が発生したときには、前記燃焼装置で前記第4熱交換器を加熱して前記第4循環路を循環する湯水により前記第3熱交換器を加熱する貯湯式熱源装置。
  3. 前記第1循環路は、前記貯湯タンクの下部を上流端とし上部を下流端とすると共に、前記ヒートポンプ装置の前記第2熱交換器と、前記熱電併給装置の第1熱交換器とに、記載の順に湯水を循環させる流路であり、
    前記ヒートポンプ装置が、冷媒を圧縮する圧縮機と、前記第2熱交換器と、冷媒を膨張させる膨張弁と、第5熱交換器とに、記載の順に冷媒を循環させる冷媒正方向循環状態と、当該冷媒正方向とは逆方向の循環状態である冷媒逆方向循環状態とで冷媒を切り替えて循環可能な冷媒循環路を備え、
    前記制御部は、前記貯湯タンクの下部の温度が前記熱電併給装置の運転継続上限閾値を超える場合、前記ヒートポンプ装置を前記冷媒逆方向循環状態で働かせて前記第2熱交換器で湯水を放熱させると共に、前記熱電併給装置の運転を継続させる請求項1又は2に記載の貯湯式熱源装置。
  4. 給湯利用箇所に供給する湯水を貯湯する貯湯タンクと、
    熱と電力とを発生する熱電併給装置により湯水を加熱する第1熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第1熱交換器とを湯水が循環する第1循環路と、
    ヒートポンプ装置により湯水を加熱する第2熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第2熱交換器とを湯水が循環する第2循環路と、
    暖房負荷と追焚負荷の少なくとも一方で熱を消費する第3熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第3熱交換器とを湯水が循環する第3循環路と、
    燃焼装置により湯水を加熱する第4熱交換器と、当該第4熱交換器と前記第3熱交換器とを湯水が循環する第4循環路と、
    給湯利用箇所に貯湯タンクの湯水を導く第5流路とを備えた貯湯式熱源装置の運転方法であって、
    前記熱電併給装置を電主運転している状態で、前記給湯利用箇所からの1日の給湯熱量が1日の前記熱電併給装置の排熱量よりも大きい場合又は大きくなると予測される場合、
    前記給湯利用箇所からの給湯の発生前で、前記熱電併給装置の定格発電出力よりも電力負荷が少ない時間帯又は少なくなると予測される時間帯を優先して、前記ヒートポンプ装置を働かせて前記第2熱交換器を加熱し、当該第2熱交換器で加熱された湯水を、前記第2循環路に循環させ前記貯湯タンクに貯湯し、
    給湯要求があったときには、前記貯湯タンクの湯水を前記第5流路に導き、低温暖房負荷が発生したときには、前記ヒートポンプ装置を働かせ前記第2熱交換器を加熱し、当該第2熱交換器で加熱された湯水を、前記第3循環路に循環させ前記第3熱交換器を加熱し、高温暖房負荷が発生したときには、前記燃焼装置で前記第4熱交換器を加熱して前記第4循環路を循環する湯水により前記第3熱交換器を加熱する貯湯式熱源装置の運転方法。
  5. 給湯利用箇所に供給する湯水を貯湯する貯湯タンクと、
    熱と電力とを発生する熱電併給装置により湯水を加熱する第1熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第1熱交換器とを湯水が循環する第1循環路と、
    ヒートポンプ装置により湯水を加熱する第2熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第2熱交換器とを湯水が循環する第2循環路と、
    暖房負荷と追焚負荷の少なくとも一方で熱を消費する第3熱交換器と、前記貯湯タンクと前記第3熱交換器とを湯水が循環する第3循環路と、
    燃焼装置により湯水を加熱する第4熱交換器と、当該第4熱交換器と前記第3熱交換器とを湯水が循環する第4循環路と、
    給湯利用箇所に貯湯タンクの湯水を導く第5流路とを備えた貯湯式熱源装置の運転方法であって、
    前記熱電併給装置を電主運転している状態で、前記給湯利用箇所からの1日の給湯熱量及び一日の低温暖房負荷の合計が1日の前記熱電併給装置の排熱量よりも大きい場合又は大きくなると予測される場合、
    前記給湯利用箇所からの給湯又は低温暖房負荷の発生前で、前記熱電併給装置の定格発電出力よりも電力負荷が少ない時間帯又は少なくなると予測される時間帯を優先して、前記ヒートポンプ装置を働かせて前記第2熱交換器を加熱し、当該第2熱交換器で加熱された湯水を、前記第2循環路に循環させ前記貯湯タンクに貯湯し、
    給湯要求があったときには、前記貯湯タンクの湯水を前記第5流路に導き、低温暖房負荷が発生したときには、前記貯湯タンクの貯湯熱量又は貯湯温度が要求下限値以上の場合、前記貯湯タンクの湯水を、前記第3循環路に循環させ前記第3熱交換器を加熱し、前記貯湯タンクの貯湯熱量又は貯湯温度が要求下限値未満の場合、前記燃焼装置で第4熱交換器を加熱して前記第4循環路を循環する湯水により前記第3熱交換器を加熱すると共に、高温暖房負荷が発生したときには、前記燃焼装置で前記第4熱交換器を加熱して前記第4循環路を循環する湯水により前記第3熱交換器を加熱する貯湯式熱源装置の運転方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017194214A (ja) * 2016-04-20 2017-10-26 株式会社ノーリツ 貯湯式給湯装置
JP2020165549A (ja) * 2019-03-28 2020-10-08 東京瓦斯株式会社 エネルギー管理制御装置

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