JP2015074642A - 3級アミン又は3級アミン誘導体の製造方法 - Google Patents

3級アミン又は3級アミン誘導体の製造方法 Download PDF

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寛史 中
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Abstract

【課題】3級アミン又は3級アミン誘導体を高い選択率で製造する方法を提供する。【解決手段】本発明は、−NH2、−NH2・HCl、>NH、及び、>NH・HClから選ばれた少なくとも1種の基を含み、且つ、該基に含まれる窒素原子が炭素原子に結合している有機化合物原料と、炭素原子数1〜20の脂肪族アルコールと、酸化チタンを含む担体に銀成分(金属銀又は銀化合物)が担持された触媒とを含む反応系に光を照射し、上記有機化合物原料における上記基が−NR02又は>NR0(R0は、上記脂肪族アルコールに由来する炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基である)に変換された3級アミン又は3級アミン誘導体を製造する方法であり、上記触媒に含まれる上記銀の含有割合が、酸化チタンに対して0.5〜10質量%である。【選択図】なし

Description

本発明は、光触媒を用いたN−アルキル化反応により、−NR又は>NR(Rは脂肪族炭化水素基)を有する3級アミン又は3級アミン誘導体を製造する方法に関する。
アミンは、工業的に多様な用途に好適な化合物であり、例えば、医農薬分野の中間体、電子材料、光記録材料、染料の中間体、ウレタンフォームの原料、界面活性剤、防錆剤、防蝕剤、殺菌剤、乳化剤、帯電防止剤、潤滑油添加剤、石油添加剤、ゴム・プラスチック用添加剤、アスファルト添加剤、水処理剤、顔料分散剤、繊維柔軟剤、浮遊選鉱剤、エポキシ樹脂硬化剤等の形成のために広く用いられている。中でも、3級アミンは、4級アンモニウム塩等に誘導されて、繊維柔軟仕上げ剤、シャンプー、リンス、帯電防止剤、洗浄剤、分散剤、繊維助剤や、電気化学素子とは電気化学キャパシタ、二次電池、色素増感太陽電池等に用いられる電解液等の原料や、医農薬分野の中間体、石油添加剤等として好適といわれている。
上記用途において用いられる3級アミンの中には、一般に、高級アミンといわれるものもあるが、目的に応じた構造を有する3級アミンの効率的な製造方法の検討が続けられている。例えば、触媒及び塩基の存在下、原料アミン(1級アリールアミン又は2級ジアリールアミン)と、脱離が容易な置換基(ハロゲン原子、トリフレート基、メシレート基、トシレート基、ジアゾニウム基等)を有するアリール化合物とを反応させる方法(特許文献1等)、原料アミンと、アルデヒドと、還元剤(蟻酸、水素ガス、NaCNBH、NaHB(OAc)等)とを用いる方法、カーバメート若しくはカルボン酸アミドと、還元剤(LiAlH等)とを用いる方法、原料アミンと、アルコールとを用いる方法(特許文献2及び3、非特許文献1〜10)、Ru系触媒の存在下、原料アミン(1級アリールアミン又は2級ジアリールアミン)と、二酸化炭素と、水素とを用いる方法(非特許文献11〜13)等が知られている。これらのうち、非特許文献8〜10は、原料化合物と、酸化チタン系触媒とを含む反応系に光を照射する方法によるものである。
特開2006−335712号公報 特開2008−94800号公報 特開2012−62281号公報
Tetrahedron 64(2008) 1943 J.Catal. 292(2012) 130 Green Chem. 12(2010) 1281 Chem.Cat.Chem. 1(2009) 497 Monatsh Chem. 144(2013) 1187 Catal.Comm. 24(2012) 30 Appl.Catal.A. 413(2012) 261 J.Am.Chem.soc. 108(1986) 308 Catal.Sci.Technol. 3(2013) 94 Catal.Comm. 8(2007) 2194 Angew.Chem. 125(2013) 9733 Angew.Chem.Int.Ed. 52(2013) 1 Angew.Chem.Int.Ed. 52(2013) 9568
従来のアミンの製造方法においては、反応条件が過酷であったり、適用可能な反応原料が、それ以外の反応剤により限定されたり、副生物が多量に生成したりする等の不具合があった。また、光触媒を用いてN−アルキル化反応を進めた非特許文献8〜10においては、−NHを有する基質から、−NHRを有する化合物のみ、あるいは、−NHRを有する化合物及び−NRを有する化合物(Rは脂肪族炭化水素基)の両方、が生成してしまうといった問題があった(下記スキーム参照)。
Figure 2015074642
本発明の目的は、−NH、−NH・HCl、>NH、及び、>NH・HClから選ばれた少なくとも1種の基を含む化合物から、−NR又は>NR(Rは脂肪族炭化水素基)を有する3級アミン又は3級アミン誘導体を高い選択率で製造する方法を提供することである。
本発明者らは、特定の触媒(光触媒)の存在下、1級アミン、2級アミン又はこれらの誘導体であって、−NH、−NH・HCl、>NH、及び、>NH・HClから選ばれた少なくとも1種の基(以下、「特定の基」という。)を含み、且つ、該特定の基に含まれる窒素原子(N)が炭素原子(C)に結合している有機化合物原料(以下、「基質」ともいう。)と、特定の脂肪族アルコールとを反応させることにより、上記有機化合物原料における上記特定の基が−NR 又は>NR(Rは、脂肪族アルコールに由来する脂肪族炭化水素基である)に変換された3級アミン又は3級アミン誘導体を、高い選択率で製造した。
本発明は、基質と、炭素原子数1〜20の脂肪族アルコール(以下、単に「アルコール(A)」ともいう。)と、酸化チタンを含む担体に銀成分が担持された触媒とを含む反応系に光を照射し、上記基質における上記特定の基が−NR 又は>NR(Rは、上記脂肪族アルコールに由来する炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基である)に変換された3級アミン又は3級アミン誘導体(以下、合わせて「3級アミン化合物」という)を製造する方法であって、上記触媒に含まれる銀の含有割合が、酸化チタンに対して0.5〜10質量%であることを特徴とするものである。尚、アルコール(A)としては、モノオール以外にジオール等を用いることができる。
本発明において、3級アミン化合物を得る反応は、下記スキーム(1)〜(4)に例示される。これらは、基質として、化合物(S1)〜(S4)を用い、アルコール(A)として、モノオールであるR−OHを用いた反応を示している。
Figure 2015074642
(式中、Rは、炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、R、R及びRは、互いに同一又は異なって、炭素原子数1〜40の炭化水素基、又は、該炭化水素基を構成する水素原子の少なくとも1つが他の原子又は官能基に置換された誘導体基、又は、複素環等を含む1価の有機基である。尚、R及びRは、互いに結合して2価の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、2価の他の有機基を形成していてもよい。)
上記スキーム(1)及び(2)において、Rが炭化水素基である場合には、得られる化合物(P1)は、3級アミンであり、Rが、炭化水素基を構成する水素原子の少なくとも1つが他の原子又は官能基に置換された誘導体基である場合には、得られる化合物(P1)は、3級アミン誘導体である。
また、上記スキーム(3)及び(4)において、R及びRが炭化水素基である場合には、得られる化合物(P2)は、3級アミンであり、R及びRの少なくとも一方が、炭化水素基を構成する水素原子の少なくとも1つが他の原子又は官能基に置換された誘導体基である場合には、得られる化合物(P2)は、3級アミン誘導体である。
本発明によれば、例えば、100℃〜200℃等の高い温度、30〜80atm等の高い圧力等といった過酷な反応条件を必要とすることなく、大気圧中、常温で光を照射するといった穏和な反応条件により、効率よくN−アルキル化を進めて、所望の構造を有する、3級アミン化合物を、高い選択率で製造することができる。
実施例1により得られた反応液のGC−MSクロマトグラムである。 実施例26により得られた反応液のGC−MSクロマトグラムである。
本発明における3級アミン化合物の製造方法は、有機化合物原料(基質)と、アルコール(A)と、触媒とを含む反応系に光を照射する工程(以下、「反応工程」という。)を備える。反応系には、後述するように、助触媒、有機溶剤(アルコール(A)を除く)等を併存させてもよい。この反応工程において、N−アルキル化反応が進行し、3級アミン化合物、即ち、上記化合物(P1)又は(P2)が生成する。
本発明の製造方法は、反応工程の後、更に、生成した3級アミン化合物を回収する工程、精製する工程等を備えることができる。
以下、原料成分について、説明する。
本発明に係る有機化合物原料(基質)は、−NH、−NH・HCl、>NH、及び、>NH・HClから選ばれた少なくとも1種の基(特定の基)を含み、且つ、該特定の基に含まれる窒素原子(N)が炭素原子(C)に結合している化合物であって、炭素原子数の合計が、好ましくは1〜30、より好ましくは5〜20の有機化合物である。尚、カーバメート結合、アミド結合、スルホンアミド結合又はウレア結合に由来する>NHは、反応工程により>NRに変換されずに、そのまま残存する場合がある。また、基質に含まれる各特定の基の数は、特に限定されず、上記基質において、1つのみであってよいし、2つ以上であってもよい。
上記基質は、上記好ましい炭素原子数を有するものであれば、更に、硼素原子、他の窒素原子、酸素原子、弗素原子、珪素原子、燐原子、硫黄原子、塩素原子、セレン原子、臭素原子、沃素原子等を、そのままで、あるいは、−BX、−BF、−B(OH)、−COOH、−COOX、−C=N−、−N=N−、=N−O−、−NO、=N−S−、−NX、−O−、−OH、−OX、−O−Si−、−CHF、−CHF、−CF、−SiX、−Si(OX)、−S−、−SH、−SX、−SO、−SOH、−SOX、−PO等の形態で、含んでもよい。これらの原子団において、Xは炭化水素基若しくはその誘導体基(炭素原子に結合する水素原子が他の原子又は官能基に置換されたもの)等である。
また、上記基質は、鎖状化合物及び環構造を有する化合物(脂環式化合物、芳香族化合物、複素環化合物等)のいずれでもよい。後者(環構造を有する化合物)の場合、(1)>NH又は>NH・HClに含まれる窒素原子が環構造の構成原子の1つである形態、(2)炭素原子のみにより環構造を形成している形態、(3)炭素原子と、他の原子(窒素原子、酸素原子、珪素原子、燐原子、硫黄原子等)とにより環構造を形成している形態、等とすることができる。これらの場合において、環構造を構成する原子の数は、好ましくは3〜10、より好ましくは5〜8である。
上記基質は、様々な構造を有することができ、代表的な化合物は、下記一般式(S1)〜(S4)で表される。
Figure 2015074642
(式中、R、R及びRは、互いに同一又は異なって、炭素原子数1〜30の炭化水素基、又は、該炭化水素基を構成する水素原子の少なくとも1つが他の原子又は官能基に置換された誘導体基、又は、複素環等を含む1価の有機基である。尚、R及びRは、互いに結合して2価の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、2価の他の有機基を形成していてもよい。)
上記一般式(S1)〜(S4)において、R、R及びRで表される炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基等を含んでもよい。炭化水素基の炭素原子数は、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10である。
上記一般式(S3)及び(S4)において、R及びRが互いに結合して、2価の炭化水素基又はその誘導体基を形成している場合、炭素原子数は、好ましくは2〜30、より好ましくは2〜20である。また、R及びRが互いに結合して、2価の他の有機基を形成している場合の例としては、複数の炭素原子からなる鎖の途中に、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、珪素原子等を含む形態等とすることができる。
本発明によれば、従来技術において、基質として、上記一般式(S1)又は(S2)で表される、−NH、又は、−NH・HClを有する化合物を用いた場合に、−NHRを有する化合物のみ、あるいは、−NHRを有する化合物及び−NRを有する化合物(Rは炭化水素基)の両方、が生成した不具合が解消され、−NRを有する化合物のみを選択的に得ることができる。特に、このような効果が顕著な基質は、好ましくは下記構造を有する。
Figure 2015074642
これらの構造において、*で表される部分は、鎖状炭化水素を構成する炭素原子、脂環式炭化水素(シクロアルカン、シクロアルケン、シクロジエン、アダマンタン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン等)を構成する炭素原子、又は、芳香族炭化水素における環構造(ベンゼン、ナフタレン等)を構成する炭素原子であることが特に好ましい。
本発明において、所望の3級アミン化合物を得るのに好適な基質としては、塩基解離定数pKbが、好ましくは3以上、より好ましくは5〜10の化合物である。
一方、上記基質との反応に用いられるアルコール(A)は、炭素原子数1〜20の脂肪族アルコールである。ヒドロキシル基の数は、特に限定されないが、好ましくはモノオール又はジオールである。上記アルコール(A)としては、反応効率の観点から、モノオールが特に好ましく、以下に例示される。
炭素原子数1〜20の脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、イソブタノール、1−ペンタノール、イソペンタノール、ネオペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ドデカノール、1−テトラデカノール、1−ヘキサデカノール、1−オクタデカノール等の1級アルコール;2−プロパノール、2−ブタノール、2−ペンタノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、2−ノナノール、3−ノナノール、4−ノナノール、2−デカノール、3−デカノール、イソドデカノール等の2級アルコール;2−メチル−2−プロパノール、2−メチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、2−メチル−2−ヘプタノール、tert−アミルアルコール等の3級アルコールが挙げられる。
本発明において、アルコール(A)は、好ましくは炭素原子数1〜4の脂肪族アルコールであり、より好ましくは炭素原子数1〜3の脂肪族アルコールであり、特に好ましくはメタノールである。
上記アルコール(A)がジオールである場合、例えば、エチレングリコールを用いることができる。
上記アルコール(A)の使用量は、反応効率の観点から、上記基質1モルに対して、通常、50〜500モル、好ましくは60〜250モルとなる量であり、質量基準では、上記基質1質量部に対して、好ましくは8〜50質量部、より好ましくは10〜25質量部である。
本発明において、有機化合物原料と、アルコール(A)とを反応させる際に、触媒を用いる。この触媒は、担体として酸化チタンを含み、その表面に銀成分が担持された複合物からなる成分(光応答固体触媒)である。そして、この触媒は、反応系に光が照射された際に、金属銀の状態、又は、金属銀に限りなく近い電子状態(0価)となることが好ましい。
担体は、酸化チタンのみからなるものであってよいし、酸化チタンと、Si及び/又はWの酸化物とからなるものであってもよい。後者の具体例は、TiO−SiO、TiO−WO、TiO−SiO−WO等である。尚、酸化チタンの結晶は、アナターゼ型及びルチル型のいずれでもよく、両者を組み合わせてもよい。
上記担体の比表面積は、特に限定されず、通常、36〜65m/gである。
また、担体に担持される銀成分は、基質、アルコール(A)、助触媒又は有機溶剤と反応することなく、反応工程において、少なくとも、金属銀の状態を維持する成分、又は、反応工程の光照射により還元されて金属銀、又は、金属銀に限りなく近い電子状態を形成する成分である。即ち、上記銀成分は、金属銀及び銀化合物(銀元素を含む化合物)のいずれでもよい。後者の銀化合物の価数は、特に限定されず、銀化合物としては、無機化合物及び有機化合物のいずれを用いてもよい。無機化合物としては、硫酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、炭酸銀、塩素酸銀、過塩素酸銀、弗化銀、塩化銀、臭化銀、沃化銀、酸化銀、硫化銀、シアン化銀、銀錯体等が挙げられる。有機化合物としては、酢酸銀、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、マレイン酸銀、フマル酸銀、酒石酸銀、フロ酸銀、リノレン酸銀、酪酸銀、ショウノウ酸銀、乳酸銀、安息香酸銀、フタル酸銀、テレフタル酸銀、サリチル酸銀、フェニル酢酸銀、ピロメリト酸銀、アセチルアセトナート銀、テトラフルオロ硼酸銀、シクロヘキサン酪酸銀、ジエチルジチオカルバミン酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀等が挙げられる。
本発明において、反応効率及び経済性の観点から、銀成分は、銀元素を含む無機化合物であることが好ましい。
また、上記触媒に含まれる銀の量は、反応効率の観点から、酸化チタンに対して0.5〜10質量%であり、より好ましくは1〜10質量%、更に好ましくは4〜10質量%である。
上記触媒の形状及び大きさは、特に限定されない。上記触媒は、通常、粒状であり、その粒子径の上限は、製造時の作業性、反応効率等の観点から、好ましくは200nm、より好ましくは120nm、更に好ましくは80nmである。尚、下限は、通常、1nmである。
上記触媒の使用量は、反応効率の観点から、上記基質100質量部に対して、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは10〜50質量部、更に好ましくは20〜50質量部である。
本発明において、基質、アルコール(A)及び触媒を含む反応系には、反応効率を向上させるための助触媒を配合することができる。
上記助触媒としては、無機酸、有機酸等が挙げられる。これらは、単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記助触媒は、基質の性質等により、適宜、選択される。
上記助触媒としては、無機酸及び有機酸(以下、両者を併せて、「酸」という。)がいずれも好ましい。
上記酸は、反応系において基質を変質させないものであれば、特に限定されない。
無機酸としては、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、過塩素酸等が挙げられる。また、有機酸としては、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリメチルメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、10−カンファースルホン酸等のスルホン酸;蟻酸、酢酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、2−クロロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、サリチル酸、シュウ酸、ジピコリン酸等のカルボン酸が挙げられる。
また、本発明において、基質、アルコール(A)及び触媒を含む反応系には、有機溶剤を配合することができる。この有機溶剤としては、基質又はアルコール(A)を溶解する化合物であることが好ましい。
上記有機溶剤としては、有機化合物の合成において、従来、公知の化合物を用いることができ、例えば、アルコール(A)以外のアルコール、ニトリル、炭化水素、ハロアルカン、エーテル等が挙げられる。これらは、単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記反応工程において、基質と、水素源化合物と、触媒と、必要に応じて併用される助触媒及び有機溶剤とを含む反応系に、光が照射される。上記光は、紫外線が好ましく、好ましい波長は340〜400nm、より好ましくは365〜400nmである。尚、「光の照射」とは、単一波長の光、又は、所望の1波長を含む所定の波長範囲の光が照射されることを意味する。
上記紫外線の光源としては、キセノンランプ、水銀キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、重水素ランプ、エキシマランプ等のランプ式光源;LED等を用いることができる。
上記反応工程における反応系の温度は、基質の種類により、適宜、選択されるが、好ましくは0℃〜45℃、より好ましくは18℃〜28℃である。反応工程を、加熱や、それによる冷却等を伴わない温度(例えば、20℃〜27℃)で進めることができるという点で、プロセスの省エネルギー化を図ることができる。
上記反応系の雰囲気は、好ましくは、不活性ガス雰囲気であり、アルゴンガス、窒素ガス等が用いられる。尚、反応系に酸素ガスを含むと、得られる3級アミン化合物が低収率となる場合がある。
上記光の照射時間は、反応系の大きさ等に依存することがあるが、反応効率の観点から、好ましくは1〜30時間、より好ましくは2〜15時間である。
上記反応系は、固体の触媒を含むので、反応工程では、好ましくは、反応系を撹拌しながら光が照射される。尚、反応系を静置した状態で光を照射してもよい。
上記触媒が、酸化チタンを含む担体の表面に金属銀を担持させた複合物(以下、「複合物(CC1)」という)である場合には、反応工程において、その状態が維持され、3級アミン化合物が円滑に生成する。一方、上記触媒が、酸化チタンを含む担体の表面に銀化合物が担持された複合物である場合には、アルコール(A)を含む反応系への光照射により、瞬時に1価のAgが還元され、担体の表面に金属銀が担持された状態に変化し、実質的に、上記複合物(CC1)と同じ状態になるので、この場合も、3級アミン化合物が円滑に生成する。
反応工程において、基質として、上記一般式(S1)〜(S4)で表される化合物を、アルコール(A)として、メタノールを、それぞれ、用いた場合には、3級アミン化合物(P3)又は(P4)を得ることができる。
Figure 2015074642
尚、メタノールに代えて、エチレングリコールを用いた場合にも、3級アミン化合物(P3)又は(P4)を得ることができる。
本発明においては、所望の構造を有する3級アミン化合物を、高い選択率で得られることから、上記反応工程により得られた反応液には、通常、用いた触媒の種類によらず、生成した3級アミン化合物、未反応の基質又はアルコール(A)、及び、上記複合物(CC1)が含まれ、副生成物の含有割合は、極めて低い。3級アミン化合物を単離する場合には、上記反応液を、従来、公知の、濾過、蒸留、クロマト分離等を含む、回収工程又は精製工程に供すればよい。また、反応液に含まれる複合物(CC1)は、再利用が可能であるので、3級アミン化合物を連続的に製造する場合には、同じ反応系を利用することができる。
本発明の製造方法によれば、基質のモル量に基づき算出される、3級アミン化合物の収率は、好ましい態様において、好ましくは40%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上とすることができる。
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
1.触媒
各実験例で用いた触媒を以下に示す。
(1)触媒A
Aldrich社製TiO(粒径<100nm)に、金属Agを担持させた微粒子であり、Agの担持量(算出値)は、用いたTiOに対して5.0質量%である。
(2)触媒B
Aldrich社製TiO(粒径<100nm)に、硝酸銀を担持させた微粒子であり、Agの担持量(算出値)は、用いたTiOに対して5.0質量%である。
(3)触媒C
Aldrich社製TiO(粒径:21nm)に、金属Agを担持させた微粒子であり、Agの担持量(算出値)は、用いたTiOに対して1.0質量%である。
(4)触媒D
Aldrich社製TiO(粒径:21nm)に、金属Agを担持させた微粒子であり、Agの担持量(算出値)は、用いたTiOに対して5.0質量%である。
(5)触媒E
Aldrich社製TiO(粒径:21nm)に、金属Agを担持させた微粒子であり、Agの担持量(算出値)は、用いたTiOに対して10.0質量%である。
(6)触媒F
Aldrich社製TiO(粒径:21nm)に、硝酸銀を担持させた微粒子であり、Agの担持量(算出値)は、用いたTiOに対して5.0質量%である。
(7)触媒G
Aldrich社製TiO(粒径:25nm)に、金属Agを担持させた微粒子であり、Agの担持量(算出値)は、用いたTiOに対して5.0質量%である。
(8)触媒H
Soekawa社製TiO(粒径:1〜2μm)に、金属Agを担持させた微粒子であり、Agの担持量(算出値)は、用いたTiOに対して5.0質量%である。
(9)触媒I
Aldrich社製TiO(粒径<100nm)に、金属Pdを担持させた微粒子であり、Pdの担持量(算出値)は、用いたTiOに対して5.0質量%である。
2.製造装置
各実験例で用いた装置は、300nmを超える波長の光を透過する直径5cmの光学窓が配設された、内容積200mLの枝付きガラス製反応容器と、この反応容器にアルゴンガスを導入するためのアルゴンガス供給源と、磁気撹拌子を用いる攪拌機と、光学窓を通して紫外線(波長>365nm)を照射するためのキセノンランプ(パーキンエルマー社製「Cermax PE300PF bulb」、出力:300W)とを備える。
3.N−アリル−N−メチルベンジルアミンの製造(1)
以下、各種の反応条件を設定して、メタノールを用い、N−アリルベンジルアミンからN−アリル−N−メチルベンジルアミンを製造した。反応スキームは以下の通りである。製造後、TCD検出器を備えるAgilent社製マイクロGC分析装置を用いて、N−アリル−N−メチルベンジルアミンの収率、並びに、N−メチル−N−プロピルベンジルアミン、及び、1−(N−ベンジルアミノ)プロペンが副生した場合のこれらの収率を得た。
Figure 2015074642
実施例1
ガラス製反応容器に、2mmolのN−アリルベンジルアミン、15.0mgの触媒A、20mLの脱水メタノール、及び、磁気撹拌子を収容した。次いで、密閉された反応系にアルゴンガスを導入し、25℃の条件下、反応系を撹拌しながら、紫外線を10時間照射した。反応液をGC−MS分析に供したところ、反応生成物として、N−アリル−N−メチルベンジルアミンのみが得られた(収率35%、表1参照)。図1に、反応液のGC−MS分析結果を示す。
実施例2
触媒Aの使用量を45.0mgに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、N−アリル−N−メチルベンジルアミンのみを得た(収率86%、表1参照)。
実施例3
触媒Aに代えて、触媒Bを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、N−アリル−N−メチルベンジルアミンのみを得た(収率35%、表1参照)。
実施例4
触媒Aに代えて、触媒Dを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、N−アリル−N−メチルベンジルアミンのみを得た(収率88%、表1参照)。
実施例5
触媒Aに代えて、触媒Dを用い、触媒Dの使用量を45.0mgに変更し、紫外線の照射時間を24時間とした以外は、実施例1と同様の操作を行い、N−アリル−N−メチルベンジルアミンのみを得た(収率99%以上、表1参照)。
実施例6
触媒Aに代えて、触媒Fを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、N−アリル−N−メチルベンジルアミンのみを得た(収率83%、表1参照)。
実施例7
触媒Aに代えて、触媒Gを用い、触媒Gの使用量を45.0mgに変更し、紫外線の照射時間を24時間とした以外は、実施例1と同様の操作を行い、N−アリル−N−メチルベンジルアミンのみを得た(収率99%以上、表1参照)。
実施例8
触媒Aに代えて、触媒Hを用い、触媒Hの使用量を45.0mgに変更し、紫外線の照射時間を24時間とした以外は、実施例1と同様の操作を行い、N−アリル−N−メチルベンジルアミンのみを得た(収率97.5%、表1参照)。
実施例9
ガラス製反応容器に、2mmolのN−アリルベンジルアミン、15.0mgの触媒D、0.1mmolのp−トルエンスルホン酸1水和物(以下、「TsOH・HO」と略記する)、20mLの脱水メタノール、及び、磁気撹拌子を収容した。次いで、密閉された反応系にアルゴンガスを導入し、25℃の条件下、反応系を撹拌しながら、紫外線を10時間照射した。反応液を分析したところ、反応生成物として、N−アリル−N−メチルベンジルアミンのみが得られ、その収率は、93%であった(表1参照)。
比較例1
触媒Aに代えて、触媒Iを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。その後、反応液をGC−MS分析に供したところ、N−アリル−N−メチルベンジルアミンに加えて、N−メチル−N−プロピルベンジルアミン、及び、1−(N−ベンジルアミノ)プロペンが得られた(表1参照)。
Figure 2015074642
4.N−アリル−N−メチルベンジルアミンの製造(2)
実施例10
触媒Aに代えて、触媒Cを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、N−アリル−N−メチルベンジルアミンのみを得た(収率42%、表2参照)。
実施例11
触媒Aに代えて、触媒Eを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、N−アリル−N−メチルベンジルアミンのみを得た(収率90%、表2参照)。
Figure 2015074642
5.N−アリル−N−メチルベンジルアミンの製造(3)
実施例12
ガラス製反応容器に、2mmolのN−アリルベンジルアミン、43.15mgの触媒D、20mLのエチレングリコール、及び、磁気撹拌子を収容した。次いで、密閉された反応系にアルゴンガスを導入し、25℃の条件下、反応系を撹拌しながら、紫外線を24時間照射した。反応液をGC−MS分析に供したところ、N−アリル−N−メチルベンジルアミンのみが得られた(収率17.5%)。
6.N−アリル−N−エチルベンジルアミンの製造
実施例13
ガラス製反応容器に、2mmolのN−アリルベンジルアミン、43.15mgの触媒D、20mLの脱水エタノール、及び、磁気撹拌子を収容した。次いで、密閉された反応系にアルゴンガスを導入し、25℃の条件下、反応系を撹拌しながら、紫外線を24時間照射した。反応液をGC−MS分析に供したところ、N−アリル−N−エチルベンジルアミンのみが得られた(収率38%)。
7.他の3級アミン化合物の製造
実施例14
ガラス製反応容器に、2mmolの2−(ベンジルアミノ)エタノール、45mgの触媒D、20mLの脱水メタノール、及び、磁気撹拌子を収容した。次いで、密閉された反応系にアルゴンガスを導入し、25℃の条件下、反応系を撹拌しながら、紫外線を10時間照射した。反応液をGC−MS分析に供したところ、2−(N−メチルベンジルアミノ)エタノールのみが得られた(収率87%、表3参照)。
実施例15
2−(ベンジルアミノ)エタノールに代えて、(R)−2−(イソプロピルアミノ)−2−フェニルエタノールを用いた以外は、実施例14と同様の操作を行ったところ、反応生成物として、(R)−2−(N−エチル−N−イソプロピルアミノ)−2−フェニルエタノールのみが得られた(収率66%、表3参照)。
実施例16
2−(ベンジルアミノ)エタノールに代えて、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンを用いた以外は、実施例14と同様の操作を行ったところ、反応生成物として、1,2,3,4−テトラヒドロ−2−メチルイソキノリンのみが得られた(収率98%、表3参照)。
実施例17
2−(ベンジルアミノ)エタノールに代えて、(2S,4S)−2,4−ビス(メトキシメチル)ピロリジンを用いた以外は、実施例14と同様の操作を行ったところ、反応生成物として、1−メチル−(2S,4S)−2,4−ビス(メトキシメチル)ピロリジンのみが得られた(収率95%、表3参照)。
実施例18
2−(ベンジルアミノ)エタノールに代えて、N,N−ジシクロヘキシルアミンを用い、紫外線の照射時間を6時間とした以外は、実施例14と同様の操作を行ったところ、反応生成物として、N,N−ジシクロヘキシル−N−メチルアミンのみが得られた(収率99%以上、表3参照)。
Figure 2015074642
実施例19
2−(ベンジルアミノ)エタノールに代えて、2−ピペリジンメタノールを用いた以外は、実施例14と同様の操作を行ったところ、反応生成物として、1−メチル−2−ピペリジンメタノールのみが得られた(収率99%以上、表4参照)。
実施例20
2−(ベンジルアミノ)エタノールに代えて、8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オン塩酸塩を用いた以外は、実施例14と同様の操作を行ったところ、反応生成物として、N−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オンのみが得られた(収率53%、表4参照)。
実施例21
2−(ベンジルアミノ)エタノールに代えて、2,6−ジメチルモルホリンを用いた以外は、実施例14と同様の操作を行ったところ、反応生成物として、2,4,6−トリメチルモルホリンのみが得られた(収率99%以上、表4参照)。
実施例22
2−(ベンジルアミノ)エタノールに代えて、1−ホルミルピペラジンを用いた以外は、実施例14と同様の操作を行ったところ、反応生成物として、1−ホルミル−4−メチルピペラジンのみが得られた(収率90%、表4参照)。
実施例23
2−(ベンジルアミノ)エタノールに代えて、1−アセチルピペラジンを用いた以外は、実施例14と同様の操作を行ったところ、反応生成物として、1−アセチル−4−メチルピペラジンのみが得られた(収率82%、表4参照)。
実施例24
2−(ベンジルアミノ)エタノールに代えて、1−シクロヘキシルピペラジンを用いた以外は、実施例14と同様の操作を行ったところ、反応生成物として、1−メチル−4−シクロヘキシルピペラジンのみが得られた(収率92%、表4参照)。
実施例25
2−(ベンジルアミノ)エタノールに代えて、>NH及び−NHの両方を含む1−(2−アミノエチル)ピペラジンを用いた以外は、実施例14と同様の操作を行ったところ、反応生成物として、1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−4−メチルピペラジンのみが得られた(収率99%以上、表4参照)。
Figure 2015074642
実施例26
ガラス製反応容器に、2mmolのベンジルアミン、45mgの触媒D、20mLの脱水メタノール、及び、磁気撹拌子を収容した。次いで、密閉された反応系にアルゴンガスを導入し、25℃の条件下、反応系を撹拌しながら、紫外線を10時間照射した。反応液を分析したところ、反応生成物として、N,N−ジメチルベンジルアミンのみが得られた(収率99%以上、表5参照)。図2に、反応液のGC−MS分析結果を示す。
実施例27
ベンジルアミンに代えて、(S)−1−フェニルエチルアミンを用い、紫外線の照射時間を10時間とした以外は、実施例26と同様の操作を行ったところ、反応生成物として、(S)−N,N−ジメチル−1−フェニルエチルアミンのみを得た(収率99%以上、表5参照)。
実施例28
ベンジルアミンに代えて、(R)−1−フェニルエチルアミンを用い、紫外線の照射時間を10時間とした以外は、実施例26と同様の操作を行ったところ、反応生成物として、(R)−N,N−ジメチル−1−フェニルエチルアミンのみを得た(収率99%以上、表5参照)。
実施例29
ベンジルアミンに代えて、L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩を用い、紫外線の照射時間を10時間とした以外は、実施例26と同様の操作を行ったところ、反応生成物として、N,N−ジメチル−L−フェニルアラニンメチルエステルのみを得た(収率42%、表5参照)。
実施例30
2−(ベンジルアミノ)エタノールに代えて、4−(2−アミノエチル)ベンゼンスルホンアミドを用い、紫外線の照射時間を10時間とした以外は、実施例26と同様の操作を行ったところ、反応生成物として、4−(2−N,N−ジメチルアミノエチル)ベンゼンスルホンアミドのみが得られた(収率99%以上、表5参照)。
Figure 2015074642
実施例31
ベンジルアミンに代えて、(R)−1−シクロヘキシルエチルアミンを用い、紫外線の照射時間を10時間とした以外は、実施例26と同様の操作を行ったところ、反応生成物として、(R)−N,N−ジメチル−1−シクロヘキシルエチルアミンのみを得た(収率99%以上、表6参照)。
実施例32
ベンジルアミンに代えて、アマンタジンを用い、紫外線の照射時間を10時間とした以外は、実施例26と同様の操作を行ったところ、反応生成物として、N,N−ジメチルアマンタジンのみを得た(収率99%以上、表6参照)。
実施例33
ベンジルアミンに代えて、n−オクチルアミンを用い、紫外線の照射時間を6時間とした以外は、実施例26と同様の操作を行ったところ、反応生成物として、N,N−ジメチル−n−オクチルアミンのみを得た(収率99%以上、表6参照)。
実施例34
ベンジルアミンに代えて、10−アミノ−1−デセンを用い、紫外線の照射時間を10時間とした以外は、実施例26と同様の操作を行ったところ、反応生成物として、N,N−ジメチル−10−アミノ−1−デセンのみを得た(収率99%以上、表6参照)。
実施例35
ベンジルアミンに代えて、5−アミノ−1−ペンタノールを用い、紫外線の照射時間を10時間とした以外は、実施例26と同様の操作を行ったところ、反応生成物として、5−(ジメチルアミノ)−1−ペンタノールのみを得た(収率99%以上、表6参照)。
実施例36
ベンジルアミンに代えて、6−アミノ−1−ヘキサノールを用い、紫外線の照射時間を10時間とした以外は、実施例26と同様の操作を行ったところ、反応生成物として、6−(ジメチルアミノ)−1−ペンタノールのみを得た(収率99%以上、表6参照)。
実施例37
ベンジルアミンに代えて、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを用い、紫外線の照射時間を10時間とした以外は、実施例26と同様の操作を行ったところ、反応生成物として、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノールのみを得た(収率99%以上、表6参照)。
実施例38
ベンジルアミンに代えて、2,2−ジエトキシエタンアミンを用い、紫外線の照射時間を10時間とした以外は、実施例26と同様の操作を行ったところ、反応生成物として、2,2−ジエトキシ−N,N−ジメチルエタンアミンのみを得た(収率99%以上、表6参照)。
実施例39
ベンジルアミンに代えて、N−(5−アミノアミル)カルバミン酸tert−ブチルを用い、紫外線の照射時間を10時間とした以外は、実施例26と同様の操作を行ったところ、反応生成物として、N−(5−N’,N’−ジメチルアミノアミル)カルバミン酸tert−ブチルのみを得た(収率77%、表6参照)。
Figure 2015074642
本発明により得られる、3級アミン又は3級アミン誘導体は、医農薬分野の中間体、電子材料、光記録材料、ウレタンフォームの原料、界面活性剤、防錆剤、防蝕剤、殺菌剤、乳化剤、帯電防止剤、潤滑油添加剤、石油添加剤、ゴム・プラスチック用添加剤、アスファルト添加剤、水処理剤、顔料分散剤、繊維柔軟剤、浮遊選鉱剤、エポキシ樹脂硬化剤等の形成材料等として有用である。

Claims (4)

  1. −NH、−NH・HCl、>NH、及び、>NH・HClから選ばれた少なくとも1種の基を含み、且つ、該基に含まれる窒素原子(N)が炭素原子(C)に結合している有機化合物原料と、炭素原子数1〜20の脂肪族アルコールと、酸化チタンを含む担体に銀成分が担持された触媒とを含む反応系に光を照射し、上記有機化合物原料における上記基が−NR 又は>NR(Rは、上記脂肪族アルコールに由来する炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基である)に変換されたアミン化合物を製造する方法であって、
    上記触媒に含まれる上記銀の含有割合が、上記酸化チタンに対して0.5〜10質量%であることを特徴とする、3級アミン又は3級アミン誘導体の製造方法。
  2. 上記脂肪族アルコールがメタノールであり、反応生成物は、上記有機化合物原料における上記基が−N(CH又は>N−CHに変換された化合物である請求項1に記載の方法。
  3. 上記銀成分が、金属銀、又は、銀元素を含む無機化合物である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 上記光が紫外線である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
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