JP2015069671A - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 Download PDF

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栄二 小原
Eiji Obara
栄二 小原
裕樹 中川
Hiroki Nakagawa
裕樹 中川
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Abstract

【課題】キャリアの保持孔に収容させた円板状のガラス基板を2つの定盤で挟んだ状態で、ガラス基板の主表面を研削する場合、キャリアの寿命を長くすること。
【解決手段】本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法におけるガラス基板の研削処理では、添加剤を含むクーラントをガラス基板と定盤の間に供給しながらガラス基板の主表面を研削する。このとき、クーラントに加える添加剤は、当該添加剤を添加後のクーラントのキャリアに対する接触角を、添加前のクーラントのそれよりも増加させるものにする。
【選択図】図2

Description

本発明は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法に係り、特にガラス基板の研削処理に関する。
情報記録媒体の1つとして用いられる磁気ディスクには、従来、ガラス基板が好適に用いられている。今日、ハードディスクドライブ装置における記憶容量の増大の要請を受けて、磁気記録の高密度化が図られている。これに伴って、磁気ヘッドの磁気記録面からの浮上距離を極めて短くして磁気記録情報エリアを微細化することが行われている。このような磁気ディスクに用いる円板状のガラス基板の寸法及び形状は目標通り精度高く作製されていることが好ましい。
ガラス基板の寸法及び形状を精度高く作製するために、ガラス基板の表面に対する研削処理を行う。ガラス基板の研削処理では、キャリアの保持孔に収容させたガラス基板を2つの固定砥粒を貼り付けた定盤で挟んだ状態で、ガラス基板の主表面を研削する。従来、ガラス基板のキャリアとして、機械的強度及びコストの点からガラス繊維等に樹脂を含浸させた繊維強化樹脂が広く用いられている。特に、ガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させた層を複数層積層させた構成のキャリアが好適に用いられる。
従来、研削処理に用いられるクーラントに添加剤を含ませることが知られている。金属の研削に使用される例であるが、下記引用文献1には、添加剤として、加工性、潤滑性などの機能付与のために界面活性剤を含むものが知られている。
特開平11−246887号公報
ところで、上述したキャリアは、ガラス基板の研削処理に伴って摩耗していく。この摩耗の量は、ガラス基板と定盤の間にクーラントを供給しながらガラス基板の主表面を研削する場合、大きい。このため、キャリアを定期的に交換しなければならず、コストが増加する。また、摩耗によってキャリアから離脱した樹脂等の微粒子が、ガラス基板の主表面と擦れてガラス基板に微小欠陥を作る虞が高くなる。さらに、また、上記樹脂等の微粒子が、ガラス基板に強固に付着してガラス基板の汚染源になる虞が高くなる。
そこで、本発明は、キャリアの保持孔に収容させた円板状のガラス基板を2つの定盤で挟んだ状態で、ガラス基板の主表面を研削する場合、キャリアの寿命を長くすることができる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本願発明者は、上述した従来の問題を解決するために鋭意検討したところ、クーラントがキャリアと定盤との間に介在するが、この介在するクーラントによってキャリアが定盤に貼り付き易いか否かによって、摩耗速度に差が生じることを知見した。すなわち、キャリアが定盤に貼り付き難いほど、キャリアと定盤との間の摩擦が発生し難く、その結果キャリアの摩耗が抑制されることを見出した。キャリアが定盤に貼り付き難くするには、クーラントに対するキャリアの表層の親和性を小さくすること、つまり、クーラントのキャリアに対する濡れ性を低下させることが有効であることも知見した。
以上の知見より、本願発明者は、以下の発明を見出した。
すなわち、本発明の第1の観点は、キャリアの保持孔に収容させた円板状のガラス基板を2つの定盤で挟んだ状態で、ガラス基板の主表面を研削する研削処理を備えた磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記研削処理は、添加剤を含むクーラントをガラス基板と定盤の間に供給しながらガラス基板の主表面を研削するものであって、前記添加剤は、当該添加剤を添加後のクーラントの前記キャリアに対する接触角を、添加前のクーラントのそれよりも増加させるものであることを特徴とする、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
上記磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、前記キャリアの主表面がエポキシ樹脂または芳香族ポリアミドを含み、前記添加剤が無機塩であってもよい。
上記磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、前記添加剤を添加後のクーラントの前記キャリアに対する接触角は、100度以上であってもよい。
上記磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、前記添加剤は、アニオン系界面活性剤を含んでもよい。
上記磁気ディスク用ガラス基板の製造方法によれば、キャリアの保持孔に収容させた円板状のガラス基板を2つの定盤で挟んだ状態で、ガラス基板の主表面を研削する場合、キャリアの寿命を長くすることができる。
本実施形態のキャリアを用いる研削装置(両面研磨装置)の一例の分解斜視図である。 図1に示す研削装置の一例の断面図である。
以下、本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について詳細に説明する。先ず、この磁気ディスク用ガラス基板の製造方法に含まれる研削処理について説明する。
<研削装置>
本実施形態の研削処理に用いられるガラス基板の研削装置について図1及び図2を参照して説明する。図1は、研削装置(両面研磨装置)の分解斜視図である。図2は、研削装置の断面図である。なお、研磨装置についても研削装置と同様の構成を有する。
図1に示すように、研削装置は、上下一対の定盤、すなわち上定盤40および下定盤60を有している。上定盤40および下定盤60の間に円環状のガラス基板Gが狭持され、上定盤40または下定盤60のいずれか一方、または、双方を移動操作することにより、ガラス基板Gと各定盤とを相対的に移動させることで、このガラス基板Gの両主表面を研削することができる。なお、ガラス基板と定盤との間には、クーラント(研削液)が供給される。以降、上定盤40及び下定盤60を総称して説明するとき、単に定盤という。
図1及び図2を参照して研削装置の構成をさらに具体的に説明する。
研削装置において、下定盤60の上面および上定盤40の底面には、多数の固定砥粒10が貼り付けられている。図1では、多数の固定砥粒10は便宜上シート状に記されている。固定砥粒10には、例えば、樹脂で固めたダイヤモンド粒子を用いることができる。
キャリア30は、円板状のガラス基板Gを2つの定盤で挟んでガラス基板Gの主表面を研削処理する際に、ガラス基板Gを保持するための保持孔を有する。具体的には、キャリア30は、外周部に設けられて太陽歯車61及び内歯車62に噛合する歯部31と、ガラス基板Gを収容し保持するための1または複数の保持孔32とを有する。太陽歯車61、外縁に設けられた内歯車62および円板状のキャリア30は全体として、中心軸CTRを中心とする遊星歯車機構を構成する。円板状のキャリア30は、内周側で太陽歯車61に噛合し、かつ外周側で内歯車62に噛合するともに、ガラス基板G(ワーク)を1または複数を収容し保持する。下定盤60上では、キャリア30が遊星歯車として自転しながら公転し、ガラス基板Gと下定盤60とが相対的に移動させられる。例えば、太陽歯車61がCCW(反時計回り)の方向に回転すれば、キャリア30はCW(時計回り)の方向に回転し、内歯車62はCCWの方向に回転する。その結果、下定盤60とガラス基板Gの間に相対運動が生じる。同様にして、ガラス基板Gと上定盤40とを相対的に移動させてもよい。
上記相対運動の動作中には、上定盤40がキャリア30に保持されたガラス基板Gに対して(つまり、鉛直方向に)所定の圧力で押圧し、これによりガラス基板Gに対して固定砥粒10が押圧される。また、図2に示すように、ポンプ(不図示)によってクーラントが、供給タンク71から1または複数の配管72を経由してガラス基板Gと固定砥粒10の間に供給される。
キャリア30の厚さは、ガラス基板Gの厚さよりも薄いにもかかわらず、キャリア30は、上定盤40あるいは下定盤60に擦れて磨耗していることを本願発明者は見出している。
この理由は、以下のように考えられる。すなわち、キャリア30と各定盤の間にはクーラントが存在するため、一般的にキャリア30は定盤に貼り付きやすくなっている。また、キャリア30はワークであるガラス基板Gより薄いため、しなりやすい。このような状態で、太陽歯車61及び内歯車62から加えられる外力によりキャリア30を回転運動させようとすると、キャリア30は部分的に僅かに波打ち、上定盤40あるいは下定盤60に接触し易くなるので、キャリア30と定盤が擦れて磨耗する、と考えられる。なお、キャリア30が各定盤に貼り付き易いほど摩擦力は強くなり、磨耗が激しくなると考えられる。
このため、本実施形態のキャリア30については、上定盤40あるいは下定盤60に張り付き難くすること、キャリア30が上定盤40あるいは下定盤60に貼り付いた場合でも貼り付いた部分が解放され易くすること、さらに、上定盤40あるいは下定盤60に接触して擦れても磨耗し難いこと、が望まれる。
ここで、研削に用いるクーラントは冷却、防錆防食、洗浄等のクーラント本来の機能を備えている限り公知の組成から構成されていてもよい。本実施形態の研削処理では、クーラントには添加剤が加えられ、この添加剤は、当該添加剤を添加後のクーラントのキャリアに対する接触角を、添加前のクーラントのそれよりも増加させる機能を備えたものである。つまり、クーラントのキャリアに対する濡れ性を低下させる(接触角を増加させる)目的で、クーラントに添加剤が加えられる。そのような機能を備えている限り添加剤の組成は限定するものではないが、少なくとも表層においてガラス繊維にエポキシ樹脂または芳香族ポリアミド(アラミド樹脂)を含浸させたキャリアを使用する場合、添加剤は例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム等の無機塩とするのがよい。
なお、クーラントのキャリアに対する接触角を増加させる機能を備えている限り、無機塩に限られず、キャリアの主表面の材料に応じて添加剤の組成は適宜決定してもよい。
上記添加剤をクーラントに加えることでクーラントのキャリアに対する濡れ性が低下するため、キャリア30と固定砥粒10との間には、凝集して丸くなった微小液滴が一様に分布し、キャリア30が上定盤40あるいは下定盤60に貼り付き難くなる。万一、キャリア30が上定盤40あるいは下定盤60に貼り付いても、貼り付いた部分の面積は小さく、また、その周囲には微小液滴が介在しているので、解放され易い。このため、キャリア30の磨耗は低減される。クーラントのキャリア30に対する接触角が大きいほどキャリア30の摩耗量が少なくなる。キャリアの摩耗量を少なくするためには、クーラントのキャリア30に対する接触角は100度以上であることが好ましい。例えば、主表面がエポキシ樹脂製のキャリアの場合、塩化ナトリウムをクーラントに対して1重量%加えたものを研削に用いることで、クーラントのキャリア30に対する接触角は100度以上とすることができ、キャリア30の摩耗量を大幅に少なくすることができる。
図1,2に示す研削装置では、固定砥粒を上定盤40あるいは下定盤60に設けたものであるが、上定盤40あるいは下定盤60に研磨パッドを貼り付けて、ガラス基板Gと上定盤40あるいは下定盤60との間に研磨砥粒等を含み、水を溶媒とした水溶液からなるスラリーに上記添加剤を加えたものを供給してもよい。また、キャリア30は研削装置の他に、ガラス基板Gの主表面を研磨する研磨装置に用いることもできる。
このようなキャリア30を用いた研削装置さらには、この研削装置と略同様の構成をした研磨装置に用いて、以下に示すような磁気ディスク用ガラス基板の製造に好適に用いることができる。なお、研磨装置に用いる場合、上定盤40あるいは下定盤60に固定砥粒でなく研磨パッドが貼り付けられる。また、クーラントの代わりに、研磨砥粒を含んだ研磨液(スラリー)が用いられる。
なお、クーラントにはさらに、固定砥粒に対する目詰まり防止機能を備えた添加剤(目詰まり防止剤)を加えることが好ましい。目詰まり防止剤としては、例えばアニオン系界面活性剤が挙げられる。具体的にはアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩等がある。またノニオン系界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル等がある。一般に固定砥粒の目詰まりとは、被研削物であるガラスの切り屑が固定砥粒の気孔を埋め尽くすことで、砥粒の先端が埋もれてしまう現象である。目詰まりが発生すると加工レートが低下してしまう。本実施形態では、アニオン系界面活性剤を添加することにより、界面張力が下がり濡れ性が向上することで洗浄効果が上がるため、固定砥粒の目詰まりを防止することができる。
添加するアニオン系界面活性剤の量は、0.5〜2重量%の範囲内であることが好ましい。ただし、この範囲は、原液では無く研磨使用下においての希釈後の重量%である。
<磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の説明>
本実施形態の製造方法では、まず、一対 の主表面を有する板状の磁気ディスク用ガラス基板の素材となるガラスブランクの成形処理が行われる。次に、このガラスブランクの粗研削処理が行われる。この後、ガラスブランクに形状加工処理及び端面研磨処理が施される。この後、ガラスブランクから得られたガラス基板に固定砥粒を用いた精研削処理が行われる。この後、第1研磨処理、化学強化処理、及び、第2研磨処理がガラス基板に施される。なお、本実施形態では、上記流れで行うが、上記処理がある必要はなく、これらの処理は適宜行われなくてもよい。以下、各処理について、説明する。
(a)ガラスブランクの成形処理
ガラスブランクの成形では、例えばプレス成形法を用いることができる。プレス成形法により、円形状のガラスブランクを得ることができる。さらに、ダウンドロー法、リドロー法、フュージョン法などの公知の製造方法を用いて製造することができる。これらの公知の製造方法で作られた板状ガラスブランクに対し、適宜形状加工を行うことによって磁気ディスク用ガラス基板の元となる円板状のガラス基板が得られる。
(b)粗研削処理
粗研削処理では、具体的には、ガラスブランクを、周知の両面研削装置に装着される保持部材(キャリア)に設けられた保持孔内に保持しながらガラスブランクの両側の主表面の研削が行われる。この時、上記記載のキャリアを用いてもよい。研磨材として、例えば遊離砥粒が用いられる。粗研削処理では、ガラスブランクが目標とする板厚寸法及び主表面の平坦度に略近づくように研削される。なお、粗研削処理は、成形されたガラスブランクの寸法精度あるいは表面粗さに応じて行われるものであり、場合によっては行われなくてもよい。
(c)形状加工処理
次に、形状加工処理が行われる。形状加工処理では、ガラスブランクの成形処理後、公知の加工方法を用いて円孔を形成することにより、円孔があいた円盤形状のガラス基板を得る。その後、ガラス基板の端面の面取りを実施する。これにより、ガラス基板の端面には、主表面と直交している側壁面と、側壁面と主表面を繋ぐ面取り面(介在面)が形成される。
(d)端面研磨処理
次にガラス基板の端面研磨処理が行われる。端面研磨処理は、研磨ブラシとガラス基板の端面との間に遊離砥粒を含む研磨液を供給して研磨ブラシとガラス基板とを相対的に移動させることにより研磨を行う処理である。端面研磨では、ガラス基板の内周側端面及び外周側端面を研磨対象とし、内周側端面及び外周側端面を鏡面状態にする。
(e)精研削処理
次に、ガラス基板の主表面に精研削処理が施される。具体的には前述したように、固定砥粒を貼り付けた定盤を用い、図1,2に示した両面研削装置を用いて、ガラス基板の主表面に対して研削を行う。このとき、ガラス基板を、両面研削装置の保持部材であるキャリア30に設けられた保持孔32内に保持しながらガラス基板の両側の主表面の研削を行う。研削による取代量は、例えば10μm〜200μm程度である。このとき、上定盤40あるいは下定盤60がガラス基板Gを押圧する圧力は10〜200g/cm2であることが、研削を効果的に行う点で好ましい。両面研削装置は、上下一対の定盤(上定盤および下定盤)を有しており、上定盤及び下定盤の表面に例えばダイヤモンドの砥粒を含む固定砥粒が貼り付けられている。砥粒として例えば平均粒径が1μm〜50μmの砥粒が用いられる。なお、砥粒としては、ダイヤモンド等の粒子や、複数の粒子をガラス、セラミック、金属、または樹脂などのバインダーで固めた凝集体を用いることができる。そして、例えば、それらの砥粒を樹脂などの支持材を用いて固定したペレットをシートに貼り付けたものを固定砥粒とすることができる。このような上定盤及び下定盤の間にガラス基板が狭持される。そして、クーラントを供給しつつ、上定盤または下定盤のいずれか一方、または、双方を移動操作させることで、ガラス基板と各定盤とを相対的に移動させることにより、このガラス基板の両主表面を研削することができる。
本実施形態の研削処理では、固定砥粒を含んだ研削面とガラス基板の主表面とを接触させてガラス基板の主表面を研削するが、遊離砥粒を用いた研削を行ってもよい。
(f)第1研磨処理
次に、ガラス基板の主表面に第1研磨処理が施される。具体的には、ガラス基板の外周側端面を、上述したキャリアを備える両面研削装置と同様の構成の両面研磨装置のキャリアに設けられた保持孔内に保持しながらガラス基板の両側の主表面の研磨が行われる。第1研磨処理は、遊離砥粒を用いて、定盤に貼り付けられた研磨パッドを用いる。第1研磨は、例えば固定砥粒による研削を行った場合に主表面に残留したクラックや歪みの除去、あるいは、結晶化処理により主表面に生じた微小な表面凹凸の除去をする。取代量を上記範囲内とすることで、主表面端部の形状が過度に落ち込んだり突出したりすることを防止しつつ、主表面の表面粗さ、例えば算術平均粗さRaを低減することができる。
第1研磨に用いる遊離砥粒は特に制限されないが、例えば、酸化セリウム砥粒、あるいはジルコニア砥粒などが用いられる。
研磨パッドの種類は特に制限されないが、例えば、硬質発泡ウレタン樹脂ポリッシャが用いられる。
(g)化学強化処理
ガラス基板は適宜化学強化することができる。化学強化液として、例えば硝酸カリウム,硝酸ナトリウム、またはそれらの混合物を加熱して得られる溶融液を用いることができる。そして、ガラス基板を化学強化液に浸漬することによって、ガラス基板の表層にあるガラス組成中のリチウムイオンやナトリウムイオンが、それぞれ化学強化液中のイオン半径が相対的に大きいナトリウムイオンやカリウムイオンにそれぞれ置換されることで表層部分に圧縮応力層が形成され、ガラス基板が強化される。
化学強化処理を行うタイミングは、適宜決定することができるが、化学強化処理の後に研磨処理を行うようにすると、表面の平滑化とともに化学強化処理によってガラス基板の表面に固着した異物を取り除くことができるので特に好ましい。また、化学強化処理は、必要に応じて行われればよく、行われなくてもよい。
(h)第2研磨(鏡面研磨)処理
次に、化学強化処理後のガラス基板に第2研磨が施される。第2研磨は、主表面の鏡面研磨を目的とする。第2研磨においても、第1研磨に用いる両面研磨装置と同様の構成を有する両面研磨装置が用いられる。こうすることで主表面の端部の形状が過度に落ち込んだり突出したりすることを防止しつつ、主表面の粗さを低減することができる。第2研磨処理が第1研磨処理と異なる点は、遊離砥粒の種類が異なり及び粒子サイズが小さくなることと、研磨パッドの樹脂ポリッシャの硬度が軟らかくなることである。
第2研磨処理に用いる遊離砥粒として、例えばコロイダルシリカ等の微粒子が用いられる。研磨されたガラス基板を洗浄することで、磁気ディスク用ガラス基板が得られる。
第2研磨処理は、必ずしも必須な処理ではないが、ガラス基板の主表面の表面凹凸のレベルをさらに良好なものとすることができる点で実施することが好ましい。このようにして、第2研磨の施されたガラス基板は磁気ディスク用ガラス基板となる。
以上説明したように、本実施形態に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法では精研削処理において、添加剤を加えたクーラントをガラス基板と定盤の間に供給しながらガラス基板の主表面を研削する。そして、クーラントに加える添加剤は、当該添加剤を添加後のクーラントのキャリアに対する接触角を、添加前のクーラントのそれよりも増加させる機能を備えたものとしているため、クーラントのキャリアに対する濡れ性を低下させる。そのため、キャリアと固定砥粒との間には、凝集して丸くなった微小液滴が一様に分布することから、キャリアが上定盤あるいは下定盤に貼り付き難くなる。キャリアが上定盤あるいは下定盤に貼り付いても、貼り付いた部分の面積は小さく、また、その周囲には微小液滴が介在しているので、解放され易い。このため、キャリアの磨耗は低減される。
[実施例、比較例]
本実施形態の効果を確認するために、上述した(e)精研削処理を行った。具体的には、クーラントとして水を使用し、表1に示すようにクーラントに様々な添加剤を加えたものを用いて精研削処理を行い、キャリアの磨耗量を調べた。加工対象のガラス基板は、2.5インチサイズで板厚が0.8mmのガラス基板とした。精研削処理では、上定盤40及び下定盤60に、ダイヤモンド粒子を樹脂で固めた固定砥粒を設けて、ガラス基板を押圧する圧力を100g/cm2となるように荷重を設定して研削を行った。このとき、少なくとも表層においてガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させたキャリア(板厚:0.5mm)を使用した。
比較例において使用したクーラントには添加剤を加えなかった。
実施例1において使用したクーラントには、クーラントのキャリアに対する接触角を増加させる無機塩として塩化ナトリウム(無機塩A)を、クーラントに対して0.5〜2重量%加えた。
実施例2において使用したクーラントには、クーラントのキャリアに対する接触角を増加させる無機塩として塩化カリウム(無機塩B)を、クーラントに対して0.5〜2重量%加えた。
実施例3において使用したクーラントには実施例1からさらに、目詰まり防止剤としてアニオン系界面活性剤のアルキルベンゼンスルホン酸塩を、クーラントに対して1重量%加えた。
表1において、クーラントのキャリアに対する接触角は、1μl(マイクロリットル)の液滴をキャリア表面に滴下して測定した。
表1において、キャリアの磨耗量は、ガラス基板の精研削を所定回数行った後に測定した。具体的には、精研削処理後のキャリアの厚さをキャリアの中心部および外周の2箇所で測定し、その平均値を、新品(未使用)時のキャリアの厚さから差し引いて求めた。表1では、比較例のキャリアの磨耗量を基準として、各例の磨耗量を指数化(相対比較)して示してある。
表1より、実施例1〜3における磨耗量は比較例に対して少ないことがわかる。
表1から明らかなように、本実施形態のキャリアは、研削による摩耗量を低下させてキャリアの寿命を長くすることができる。このため、磁気ディスク用ガラス基板における製造コストを抑えることができる。また、本実施形態の研削処理では、クーラントに添加剤を加えることでクーラントのキャリアに対する濡れ性を低下させ、液滴によりキャリアが定盤に貼り付き難くなるので、例えば上定盤へのキャリアの貼り付きに伴ってガラス基板が上定盤に貼りつくことを防止できる。このため、研削あるいは研磨終了後、上定盤に貼り付いたキャリアが下方に落下してガラス基板の主表面に傷等の不良欠陥を作ることを抑制できる。
なお、キャリア以外の条件を上記比較例、実施例1〜3と同条件とし、キャリアを少なくとも表層においてガラス繊維にアラミド樹脂を含浸したキャリアを使用して行ったところ、表1と概ね同様の結果が得られた。
さらに、実施例1、3の場合について、100枚のガラス基板について精研削を行い、1枚目のガラス基板の加工レートと、100枚目のガラス基板の加工レートを測定したところ、100枚目のガラス基板の加工レートに対する1枚目のガラス基板のそれに対する変化率について、実施例3の方が実施例1よりも少ないことが確認された。つまり、目詰まり防止剤を添加剤として加えたクーラントを使用した実施例3では、固定砥粒の気孔の目詰まりが防止されたため、研削中において砥粒がより有効に研削に寄与したものと考えられる。
以上、本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。
10 固定砥粒
30 キャリア
31 歯部
32 保持孔
40 上定盤
60 下定盤
61 太陽歯車
62 内歯車
71 供給タンク
72 配管

Claims (4)

  1. キャリアの保持孔に収容させた円板状のガラス基板を2つの定盤で挟んだ状態で、ガラス基板の主表面を研削する研削処理を備えた磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    前記研削処理は、添加剤を含むクーラントをガラス基板と定盤の間に供給しながらガラス基板の主表面を研削するものであって、
    前記添加剤は、当該添加剤を添加後のクーラントの前記キャリアに対する接触角を、添加前のクーラントのそれよりも増加させるものであることを特徴とする、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  2. 前記キャリアの主表面がエポキシ樹脂または芳香族ポリアミドを含み、前記添加剤が無機塩であることを特徴とする、請求項1に記載された磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記添加剤を添加後のクーラントの前記キャリアに対する接触角は、100度以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載された磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  4. 前記添加剤は、アニオン系界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載された磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107639518A (zh) * 2017-11-01 2018-01-30 湖南宇晶机器股份有限公司 带温控***的龙门式高精密抛光机
CN107639520A (zh) * 2017-11-01 2018-01-30 湖南宇晶机器股份有限公司 用于龙门式抛光机的箱体及传动***
CN107866727A (zh) * 2017-11-01 2018-04-03 湖南宇晶机器股份有限公司 用于龙门式抛光机的高转速上盘装置
EP3854525A1 (de) 2020-01-21 2021-07-28 Lapmaster Wolters GmbH Läuferscheibe, doppelseitenbearbeitungsmaschine und verfahren zum bearbeiten mindestens eines werkstücks in einer doppelseitenbearbeitungsmaschine

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