JP2015069076A - 構造色フィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】構造色フィルターは、光の波長程度の膜厚、寸法の薄膜や格子構造による光の干渉、回折を利用することから、入射光の入射角や観察方向に依存して色特性が変化する、いわゆる入射角依存性(視野角依存性)が大きい、という欠点を有していた。
【解決手段】基板上に高分子樹脂により形成した回折格子パターンを有し、回折格子パターンの間隙全域に金属性の薄膜が存在する構造色フィルターとし、好ましくは金属性の薄膜の材料をAl、またはAgとして、入射光としてTE偏光を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、構造色を利用したカラーフィルターに関する。特に、ナノインプリント技術で作製した高分子樹脂による回折格子パターンと、回折格子パターンの間隙に金属膜を形成した構造によって生じる色特性を利用するカラーフィルターに関する。
カラーフィルターは、ディスプレイ、イメージセンサー、各種光学機器、分析機器などで、色を表現または識別する素子として、様々な用途で利用され、一般的には色素を添加した高分子材料がカラーフィルターの色材として使用されている。
一方、構造色は、光の波長程度のスケール(厚さ、寸法)の薄膜や回折格子構造によって発生する光の干渉や回折の結果として発現する色であり、構造色を用いたカラーフィルター(以下、構造色フィルターと記す)は、色素合成プロセスを必要とせず、構造パラメータの最適化により多様な色特性を、同一基板上に一括形成できる、等の特長を有する。
光の波長程度のスケールの構造やパターンを形成する方法としては、従来、電子線描画などの半導体微細加工技術が必要とされ、構造色フィルターの製造コストを高める要因となっていたが、近年、より量産に適したナノインプリント技術が進展しつつあり、構造色フィルターの製造への適用が期待されている。(非特許文献1参照)。
特許第5023324号公報
金森義明、月刊ディスプレイ、2009年、3月号、p.32 渋谷、大木、回折と結像の光学、朝倉書店(2005年、初版)、p.207 "マイクロリソグラフィのための薄膜の光学特性(Optical Properties of Thin Films for DUV and VUV Microlithography)"、[online]、ロチェスター工科大学(Rochester Institute of Technology)、インターネット<URL:http://www.rit.edu/kgcoe/microsystems/lithography/thinfilms/thinfilms/thinfilms>
構造色フィルターは、前述のように、光の干渉、回折を利用することから、波長帯域(発色要因となる、反射率や透過率のスペクトルのピーク若しくはボトムの半値幅)が狭くなり、彩度の高い色を生じることが多い反面、入射光の入射角や観察方向に依存して色特性が変化する、いわゆる入射角依存性(視野角依存性)が大きい、という欠点を有していた。
図10は、石英基板上1に、ナノインプリントにより高分子樹脂2(以下、適宜ポリマーと記す)の回折格子を形成した構造色フィルターの断面模式図であるが、図10において、d1は作製した回折格子部の厚さ(深さ)、d2はナノインプリント後の残膜部の厚さであり、P、wはそれぞれ回折格子の周期、線幅を表わしている。また、4、5、6はそれぞれ入射光、反射光、透過光であり、θは入射光の入射角を表わしている。
図10の構造において、d1=250nm、d2=100nm、F(回折格子の線幅/周期)=w/P=0.45とし(Fは通常Filling Factorと呼ばれる)、TE偏光を、上面(回折格子側)から垂直入射(入射角θ=0)したときの分光反射率(反射率スペクトル)を計算すると、例えば図11(a)のようになる。ここで、ポリマーとしては、波長400nmから700nmにおける平均屈折率が1.70程度のもの(以下、これをポリマーAと記す)を用いている。計算には、コンピュータを用いた電磁界解析法の一種である、厳密結合波解析(RCWA:Rigorous Coupled Wave Analysis)法を使用した(非特許文献2参照)。
ヒトの眼の分光感度特性によると、青色(B)と感じる光強度のピーク波長は約450nm、同じく緑色(G)、赤色(R)と感じる光強度のピーク波長はそれぞれ、約550nm、610nmである。図11(a)によると、回折格子の周期:P=300nm、375nm、415nmとしたときに、それぞれ波長=450nm、550nm、610nm付近にピークが出来ており、これらの周期で作製することで、加法混色用のB、G、Rの構造色フィルターとなることが分かる。
図11(b)は、図10の構造色フィルターに対して、TE(Transverse Electric Wave)偏光を上面(回折格子側)から入射角θ=5degで入射したときの分光反射率を計算したものである。図11(b)では、図11(a)のB、G、Rのピークに、B1、B2、G1、G2、R1、R2と分離が発生している。このように、入射角をわずかに変化させただけで、分光反射率は変化し、図10の構造色フィルターの視野角は狭いことが分かる。
また、図12(a)は、同じく図10の構造において、TM(Transverse Magnetic Wave)偏光を、上面(回折格子側)から垂直入射(入射角θ=0deg)したときの分光反射率(反射率スペクトル)を計算したものである。図12(a)によると、回折格子の周期=300nm、371nm、416nmとしたときに、TE偏光の場合よりも半値幅は狭いものの、それぞれ波長=450nm、550nm、610nm付近にピークが出来ており、これらの周期で作製することで、加法混色用のB、G、Rの構造色フィルターとなることが分かる。
図12(b)は、図10の構造色フィルターに対して、TM偏光を上面(回折格子側)から入射角θ=5degで入射したときの分光反射率を計算したものである。図12(b)によると、TE偏光の場合と同様、図12(a)のB、G、Rのピークに、B1、B2、G1、G2、R1、R2と分離が発生しており、TM偏光入射においても、入射角のわずかな変化で分光反射率が変化し、図10の構造色フィルターは視野角が狭いことが分かる。
上述の課題を解決するために、請求項1に記載の本発明は、基板と、当該基板上に設けられ高分子樹脂から形成した回折格子パターンとを有する構造色フィルターであって、前記回折格子パターンの間隙全域に金属性の薄膜が存在することを特徴とする構造色フィルターである。
請求項2に記載の本発明は、前記金属性の薄膜はAlであることを特徴とする請求項1に記載の構造色フィルターである。
請求項3に記載の本発明は、金属性の薄膜はAgであることを特徴とする請求項1に記載の構造色フィルターである。
請求項4に記載の本発明は、入射光として、TE偏光を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の構造色フィルターである。
本発明は、ナノインプリント技術で作製した高分子樹脂による回折格子パターンと、回折格子パターンの間隙全域に金属性の薄膜(以下、空間膜と記す)が存在することによって発現する色特性を利用する構造色フィルターであり、空間膜材料として、Al、またはAgを用い、入射光としてTE偏光を用いることにより、従来問題であった構造色フィルターの入射角依存性、すなわち視野角依存性が大きい、という欠点を抑えることができる。また、量産に適したナノインプリント技術と、特に空間膜材料として安価で入手しやすいAlを使用することにより、製造コストを低減することができる。
本発明の構造色フィルターの断面模式図、および本発明の構造色フィルターに回折格子側から入射光を入射させる場合の概念図 本発明の構造色フィルターの断面模式図、および本発明の構造色フィルターに基板側から入射光を入射させる場合の概念図 本発明の構造色フィルターを設計し、TE偏光である入射光を回折格子側から垂直入射する場合の分光反射率を計算した結果の例を示す特性図 本発明の構造色フィルターに、TE偏光である入射光を回折格子側の斜め方向から入射する場合の分光反射率を計算した結果の例を示す特性図 本発明の構造色フィルターを設計し、TE偏光である入射光を基板側から垂直入射する場合の分光反射率を計算した結果の例を示す特性図 本発明の構造色フィルターに、TE偏光である入射光を基板側の斜め方向から入射する場合の分光反射率を計算した結果の例を示す特性図 本発明の構造色フィルターを設計し、TE偏光である入射光を基板側から垂直入射する場合の分光透過率を計算した結果の例を示す特性図 本発明の構造色フィルターに、TE偏光である入射光を基板側の斜め方向から入射する場合の分光透過率を計算した結果の例を示す特性図 本発明の構造の構造色フィルターに、TM偏光である入射光を回折格子側の(a)垂直方向から、および(b)(c)斜め方向から入射する場合の分光反射率を計算した結果の例を示す特性図 従来構造の構造色フィルターの断面模式図、および従来構造の構造色フィルターに回折格子側から入射光を入射させる場合の概念図 従来構造の構造色フィルターに、入射光(TE偏光)を回折格子側から入射する場合の分光反射率を計算した結果の例を示す特性図であり、(a)は垂直方向、(b)は斜め方向から入射する場合を示す特性図 従来構造の構造色フィルターに、入射光(TM偏光)を回折格子側から入射する場合の分光反射率を計算した結果の例を示す特性図であり、(a)は垂直方向、(b)は斜め方向から入射する場合を示す特性図
図1、および図2に示すように、本発明の実施の形態に関わる構造色フィルターは、基板1(石英、アルミナなど透明性であることが好ましい)と、基板1上に高分子樹脂2から形成した回折格子パターン、および前記回折格子パターンの間隙全域に金属性の薄膜(空間膜)3を有している。
好ましくは、前記回折格子パターンの間隙全域に存在する空間膜3は、Al(アルミニウム)、若しくはAg(銀)である。
図1、および図2に示すように、本発明の実施形態においては、TE偏光である入射光(図1では符号4、図2では符号7)は回折格子側(図1)、若しくは基板側(図2)から入射させる。後述するが、それらの反射光(図1では符号5、図2では符号8)は、減法混色用の3原色である、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)として利用することができる。また、透過光(図1では6、図2では9)は、Y、M、Cの補色であり、加法混色用の3原色である、B(青)、G(緑)、R(赤)として利用することができる。
以下、図3乃至図8に、本発明の構造色フィルターについて、波長400nmから700nmの可視光域におけるTE偏光入射の分光反射率、若しくは分光透過率を計算した結果を示す。計算方法は、図11、図12と同様、RCWA法であり、基板材料は石英、高分子樹脂としては、ポリマーA、ポリマーBの2種類、空間膜材料としては、AlまたはAgとした場合について示す。計算に必要な屈折率は、石英は1.46で一定とし、Al、Agについては、非特許文献3に掲載されている値を用いた。また、ポリマーAは波長400nmから700nmの領域における平均屈折率が約1.70の高屈折率ポリマーであり、分光エリプソメーターで実際に測定した数値を用いた。ポリマーBは平均屈折率が約1.50の一般的なポリマーである。
図3乃至図8の計算結果は、図11、図12の場合と同様、ヒトの目の分光感度特性に即して、B(青):450nm、G(緑):550nm、R(赤):610nmにピーク、または、Y(イエロー):450nm、M(マゼンタ):550nm、C(シアン):610nmにボトムができるよう、構造パラメータである格子部膜厚:d1、残膜部膜厚:d2、周期:P、およびF=w/Pを調整して設計した結果を示している。それぞれの場合の具体的な材料、パラメータの数値は、図3乃至図8中に示している。
(実施例1)
図3,4を参照しつつ、実施例1について説明する。図3は、本発明の構造色フィルターの構成と、当該構造色フィルターにTE偏光である入射光を回折格子側から垂直入射した場合の分光反射率を計算した結果とを示す特性図である。
実施例1では、図3、図4に基づき、本発明の構造色フィルターの有効性を説明する。図3(a)によると、格子部および残膜部材料がポリマーA、空間膜材料がAlの組み合わせで、格子部膜厚:d1=150nm、残膜部膜厚:d2=100nmとし、F=w/P=0.5の条件で、回折格子の周期:P=270nm、430nm、520nmとしたときに、それぞれ波長=450nm、550nm、610nm付近にボトムが出来ており、これらの周期で作製することで、減法混色用のY、M、Cの構造色フィルターとなることが分かる。同様に、図3(b)では同じ材料の組み合わせで、d1、d2、F、Pを図中に示した数値に最適化することで波長=450nm、550nm、610nm付近にボトムが出来ており、減法混色用のY、M、Cの構造色フィルターとなることが分かる。
さらに、図3(c)では格子部および残膜部材料がポリマーB、空間膜材料がAlの組み合わせで、図3(d)では格子部および残膜部材料がポリマーA、空間膜材料がAgの組み合わせで、それぞれd1、d2、F、Pを図中に示した数値に最適化することで波長=450nm、550nm、610nm付近にボトムが出来ており、減法混色用のY、M、Cの構造色フィルターが得られることが分かる。
図4(a)〜(c)は、図3(a)の構造色フィルターに対して、TE偏光を回折格子側から、それぞれ入射角θ=5、10、20degで斜め入射したときの分光反射率を計算したものである。図4から分かるように、図3(a)の構造色フィルターは、入射角を20度程度まで変化させてもY、M、Cのボトム形状に、大きな変化は見られない。また、図では省略しているが、図3(b)、図3(c)、図3(d)の構造色フィルターに対しても同様である。このように、本発明の構造色フィルターは、TE偏光の回折格子側からの斜め入射(入射角)に対する依存性が従来構造の構造色フィルターよりもはるかに小さく、視野角が広いことが分かる。
(実施例2)
図5,6を参照しつつ、実施例2について説明する。図5は、本発明の構造色フィルターの構成と、当該構造色フィルターにTE偏光である入射光を基板側から垂直入射した場合の分光反射率を計算した結果とを示す特性図である。
実施例2では、図5、図6に基づき、本発明の構造色フィルターの有効性を説明する。図5(a)によると、格子部、および残膜部材料がポリマーA、空間膜材料がAlの組み合わせで、格子部膜厚:d1=150nm、残膜部膜厚:d2=100nmとし、F=w/P=0.45の条件で、回折格子の周期:P=300nm、470nm、580nmとしたときに、それぞれ波長=450nm、550nm、610nm付近にボトムが出来ており、これらの周期で作製することで、減法混色用のY、M、Cの構造色フィルターとなることが分かる。図5(b)では、材料組み合わせと、d1、d2を図5(a)と同じとし、F=w/P=0.5の条件で、Pを図中に示した数値に最適化することで波長=450nm、550nm、610nm付近にボトムが出来ており、減法混色用のY、M、Cの構造色フィルターとなることが分かる。
さらに、図5(c)では格子部、および残膜部材料がポリマーB、空間膜材料がAlの組み合わせで、図5(d)では格子部、および残膜部材料がポリマーA、空間膜材料がAgの組み合わせで、それぞれd1、d2、F、Pを図中に示した数値に最適化することで波長=450nm、550nm、610nm付近にボトムが出来ており、減法混色用のY、M、Cの構造色フィルターが得られることが分かる。
図6(a)は、図5(a)の構造色フィルターに対して、TE偏光を基板側から入射角θ=10degで斜め入射したときの分光反射率を計算したものである。図6(b)、(c)は、図5(b)の構造色フィルターに対して、TE偏光を基板側から、それぞれ入射角θ=10、20degで斜め入射したときの分光反射率を計算したものである。図6から分かるように、図5(a)、(b)の構造色フィルターでは、入射角を20度程度まで変化させてもY、M、Cのボトム形状に、大きな変化は見られない。図では省略しているが、図5(c)、図5(d)の構造色フィルターに対しても同様である。このように、本発明の構造色フィルターは、TE偏光の基板側からの斜め入射(入射角)に対する依存性が従来構造の構造色フィルターよりもはるかに小さく、視野角が広いことが分かる。
(実施例3)
図7,8を参照しつつ、実施例3について説明する。図7は、本発明の構造色フィルターの構成と、当該構造色フィルターにTE偏光である入射光を回折格子側から垂直入射した場合の分光反射率を計算した結果とを示す特性図である。
実施例3では、図7、図8に基づき、本発明の構造色フィルターの有効性を説明する。図7(a)、図7(b)、図7(c)によると、格子部、および残膜部材料がポリマーA、空間膜材料がAlの組み合わせで、それぞれ図中のd1、d2、F=w/Pの条件で、回折格子の周期:Pを図中に示した数値に最適化したときに、波長=450nm、550nm、610nm付近にピークが出来ており、これらの周期で作製することで、加法混色用のB、G、Rの構造色フィルターとなることが分かる。
さらに、図7(d)では格子部、および残膜部材料がポリマーB、空間膜材料がAlの組み合わせで、同様にd1、d2、F、Pを図中に示した数値に最適化することで波長=450nm、550nm、610nm付近にピークが出来ており、加法混色用のB、G、Rの構造色フィルターが得られることが分かる。
図8(a)、(b)は、図7(c)の構造色フィルターに対して、TE偏光を基板側から、それぞれ入射角θ=10、15degで斜め入射したときの分光透過率を計算した結果を示すものである。さらに、図8(c)、(d)は、図7(d)の構造色フィルターに対して、TE偏光を基板側から、それぞれ入射角θ=20、30degで斜め入射したときの分光透過率を計算した結果を示すものである。図8(a)、(b)、(c)、(d)から分かるように、図7(c)、図7(d)の構造色フィルターは、入射角を20度程度まで変化させてもB、G、Rのピーク形状に、大きな変化は見られない。図では省略しているが、図7(a)、図7(b)の構造色フィルターに対しても同様である。このように、本発明の構造色フィルターは、TE偏光の基板側からの斜め入射(入射角)に対する依存性が従来構造の構造色フィルターよりもはるかに小さく、視野角が広いことが分かる。
(比較例)
図9(a)では、本発明の構造色フィルターに、TM偏光である入射光を回折格子側から入射した場合の分光反射率の計算結果を示している。図9(a)によると、格子部、および残膜部材料がポリマーA、空間膜材料がAlの組み合わせで、格子部膜厚:d1=100nm、残膜部膜厚:d2=150nmとし、F=w/P=0.5の条件で、回折格子の周期:P=355nmとしたときに、それぞれ波長=550nm付近にピークが出来ており、Gの構造色フィルターとなることが分かる。尚、ここでは後述の斜め入射の場合の図を見やすくするために、Gの場合についてのみ図示したが、周期:Pを最適化することで、B、Rの構造色フィルターを得ることができる。
図9(b)、(c)では、図9(a)の構造色フィルターに対して、TM偏光を回折格子側から、それぞれ入射角θ=5、10degで斜め入射したときの分光反射率を示している。図9(b)、(c)から分かるように、図9(a)のGのピークには、5degの斜め入射で既に分離が生じており、入射角とともに分離したピーク位置の間隔は大きくなっている。図9(b)、(c)ではGのピークについて示したが、B、Rのピークについても同様である。このように、本発明の構造色フィルターにおいては、TM偏光を入射光として使用することは好適ではない。
また、計算結果を使っての説明は省略するが、本発明の構造色フィルターにおいては、空間膜としての材料としては、Al、Ag以外の材料からは、良好なB、G、Rのピーク形状、若しくはY、M、Cのボトム形状は、現状得られていない。
本発明は、色素を添加した高分子材料を使わず、透明材料からなる回折格子パターンと、金属性薄膜を使い、構造パラメータ(膜厚、周期、線幅)を最適化することにより、多様で、視野角の大きい色特性を、同一基板上に一括形成できるので、ディスプレイ、イメージセンサー、各種光学機器、分析機器などへの応用が期待される。
1・・・基板
2・・・高分子樹脂
3・・・金属性薄膜(空間膜)
4、7・・・入射光
5、8・・・反射光
6、9・・・透過光

Claims (4)

  1. 基板と、当該基板上に設けられ高分子樹脂から形成した回折格子パターンとを有する構造色フィルターであって、前記回折格子パターンの間隙全域に金属性の薄膜が存在することを特徴とする構造色フィルター。
  2. 金属性の薄膜はAlであることを特徴とする請求項1に記載の構造色フィルター。
  3. 金属性の薄膜はAgであることを特徴とする請求項1に記載の構造色フィルター。
  4. 入射光として、TE偏光を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の構造色フィルター。
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