JP2015063602A - 粘着シートおよびその製造方法 - Google Patents

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正輝 山蔭
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【課題】被着体である油汚れの付着し得る透明板に貼付したときに透視性が良好であり、また剥がす時に剥がしやすくかつ糊残りが少ない粘着シートを提供する。【解決手段】透明基材11の一方の表面に透明粘着剤層12が積層された粘着シート1であって、粘着シート1は透明性を有し、透明粘着剤層12の透明基材と接している面と反対側の表面(粘着面P)は平滑性を有し、透明粘着剤層12の粘着剤は再剥離性を有する、油汚れの付着し得る透明板に使用される粘着シート1。【選択図】図1

Description

本発明は、油汚れの付着し得る透明板に使用される粘着シート、当該粘着シートの製造方法および使用方法に関するものである。
食品スーパーやレストラン等においては、調理している状況を一般顧客に見せるため、調理場(キッチン)と売り場またはホールとを、透明板にて仕切ることが行われている。ここで、調理場にて、揚げ、炒めなどの油を用いた調理が行われ、油汚れが透明板に付着してしまうと、調理場が見えにくくなったり、調理場が不衛生である印象を与えたり、調理品が美味しそうに見えなかったりと悪い印象を与えてしまう場合がある。この場合、洗剤を用いた清掃等により対応するのが一般的であるが、作業が非常に煩雑であり、その改善が求められている。
油汚れの防止方法として、汚れ防止シートを調理場の壁面に貼付し、汚れが付着したら当該シートを剥がして新たなシートを貼付することにより、清掃を必要としない汚れ防止方法などが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−249287号公報
しかし、特許文献1をはじめとする汚れ防止シートによる方法は、いずれも透視性が要求されない壁面に対するものである。かかる方法にて用いられる汚れ防止シートは、透明性に劣り、透明板に適用すると透視性に劣るものとなってしまう。また、一般的な粘着シートを用いた場合には、粘着力が高いため、汚れが付着した後に剥がそうとしても剥がしづらく、また剥がした時に糊残りが生じてしまうため、透明板の清掃が必要となることがある。仮に、清掃が不十分なまま新たなシートを貼付すると、残っている糊の影響で透視性を損ねてしまう場合がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、被着体である油汚れの付着し得る透明板に貼付したときに透視性が良好であり、また剥がす時に剥がしやすくかつ糊残りが少ない粘着シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第一に本発明は、透明基材の一方の表面に透明粘着剤層が積層された粘着シートであって、前記粘着シートは透明性を有し、前記透明粘着剤層の前記透明基材と接している面と反対側の表面は平滑性を有し、前記透明粘着剤層の粘着剤は再剥離性を有することを特徴とする、油汚れの付着し得る透明板に使用される粘着シートを提供する(発明1)。
上記発明(発明1)の粘着シートは、油汚れの付着し得る透明板に貼付したときに透視性が良好であり、また剥がす時に剥がしやすくかつ糊残りが少ないものとなる。本発明の粘着シートは、透明板の透明性を維持し、常にきれいな状態にしておくために好適に使用することができる。また、本発明の粘着シートは、被着体である透明板と粘着シートの間に空気が残りにくい効果も備える。
上記発明(発明1)において、前記透明粘着剤層の前記透明基材側とは反対側の面には剥離シートが直接積層されており、前記剥離シートにおける前記透明粘着剤層と接する面は、平滑面となっていることが好ましい(発明2)。
第二に本発明は、油汚れの付着し得る透明板に、上記発明(発明1,2)の粘着シートを、前記透明粘着剤層における前記透明基材と接している面と反対側の表面が前記透明板に接するように貼付し、油汚れが付着した後に、前記粘着シートを前記透明板から剥離することを特徴とする、油汚れの付着し得る透明板の透明性を維持する方法を提供する(発明3)。
第三に本発明は、上記発明(発明2)の粘着シートを製造する方法であって、前記透明粘着剤層を構成する粘着性材料を前記透明基材の一方の表面に塗布し、前記塗布した粘着性材料を製膜して前記透明粘着剤層とし、前記剥離シートにおける前記平滑面が前記透明粘着剤層に直接接触するように、前記剥離シートと前記透明粘着剤層とを積層することを特徴とする粘着シートの製造方法を提供する(発明4)。
本発明の粘着シートは、油汚れの付着し得る透明板に貼付したときに透視性が良好であり、また剥がす時に剥がしやすくかつ糊残りが少ないものとなる。
本発明の一実施形態に係る粘着シートの断面図である。 本発明の一実施形態において用いる剥離シートの断面図である。 本発明の一実施形態に係る粘着シートを被着体に貼付したときの外観の一例を表す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る粘着シートの断面図である。本実施形態に係る粘着シート1は、透明基材11と、透明基材11の一方の表面(図1では下側)に積層された透明粘着剤層12とから構成される。さらに、透明粘着剤層12における透明基材11と接している面とは反対側の面(図1では下側)に、剥離シート2が直接積層されていてもよい。この場合、剥離シート2は、粘着シート1の使用時には透明粘着剤層12から剥離される(または剥離シート2から透明粘着剤層12および透明基材11から構成される粘着シート1が剥離される)。剥離シート2が剥離された粘着シート1は、その透明粘着剤層12における透明基材11と接している面とは反対側の露出した面(図1に示す粘着面P)が被着体である透明板に当接され、もって粘着シート1は透明板に貼付される。なお、本実施形態においては、粘着シート1と剥離シート2との積層体を剥離シート付き粘着シート1Aということがある。
本明細書においてある対象物が「透明」であるとは、対象物の反対側(見る者からの反対側)が対象物を通して視認可能なことを言い、具体的には可視光を透過可能であって光の乱反射が少ない状態を言う。また、本実施形態に係る粘着シート1が「透明性を有する」とは、粘着シート1の一方の主面から当該粘着シート1を通して反対側の主面方向を見たときに、その反対側が視認可能であることを意味する。ただし、上記「透明性を有する」とは、粘着シート1の全面が「透明」である必要はなく、例えば、透明基材11に印刷が施されているなどにより、粘着シート1において部分的に「透明」でない箇所が存在する場合も含まれる。
本実施形態において、粘着シート1のヘーズ値は、0%超、6%以下であることが好ましく、特に0%超、4%以下であることが好ましく、0%超、2%以下であることがより好ましい。ヘーズ値がかかる範囲にあることで、粘着シート1の透明性が確保され、透明板に貼付したときに、透明板の一方の側(例えば、売り場やホールなど)から反対側(例えば、調理場など)への透視性が良好に保たれるものとなる。なお、ヘーズ値の具体的な測定方法は後述する実施例にて示す。
本実施形態に係る粘着シート1の被着体は、油汚れが付着し得る透明板である。本明細書における「油汚れ」には、調理場で調理時に飛散する調理用油や調理物に含まれる油、工場などで使用され空気中に飛散した機械油、タバコの煙に含まれるヤニなどのタール分、またはこれらと一体となって付着する埃などが含まれる。被着体である透明板は、透明板の少なくとも一方の主面から当該透明板を通して反対側の主面方向を見たときに、その反対側が視認できるものであれば特に制限されず、例えばガラス板やアクリル板などが例示されるが、これらに限定されない。また、前述の粘着シート1と同様に、透明板についても全面が透明である必要はなく、透明板において部分的に透明でない箇所が存在していてもよい。
1.透明基材
本実施形態において用いられる透明基材11としては、透明であれば特に制限はなく、従来公知のものの中から任意のものを適宜選択して用いることができる。このような透明基材11としては、通常、樹脂フィルムが使用される。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、アクリルウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ABS樹脂、アイオノマー樹脂、各種熱可塑性エラストマーなどから選ばれる少なくとも一種の樹脂からなるフィルム、またはそれらから選ばれる単一種又は複数種の積層フィルム等を使用することができる。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及びメタクリル酸の両方を意味する。他の類似用語も同様である。
樹脂フィルムは、延伸フィルムであってもよいし、無延伸フィルムであってもよく、工程材料を用いてキャスティング法等で形成したものであってもよい。また、樹脂フィルムは、無機フィラー、有機フィラー、紫外線吸収剤等の各種添加剤を含んだものであってもよい。
本実施形態に係る粘着シート1の透明基材11としては、上記樹脂フィルムの中でも、特にポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレン、ポリウレタンなどが好ましい。
上記樹脂フィルムの片面または両面には、プライマー処理、酸化法、凹凸化法などによる表面処理を施すことができる。かかる表面処理により、樹脂フィルムに積層される透明粘着剤層12の密着性が向上する。また、後述するように、樹脂フィルムの表面に印刷層を設ける場合は、樹脂フィルムと印刷層との密着性も向上する。なお、上記プライマー処理とは、上記樹脂フィルムの片面または両面に透明粘着剤層12との密着性を向上させるための液剤を塗布する処理をいう。プライマー処理に使用し得る液剤としては、特に制限はされず、例えばアクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、シリコーン系、ゴム系などの従来公知のものを用いることができる。一方、上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ放電処理、クロム酸化処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン、紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶射処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は、樹脂フィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、本実施形態においてはプライマー処理が効果の面から好ましく用いられる。
また、上記樹脂フィルムにおける透明粘着剤層12を積層する面とは反対側の面(図1における上側)に、さらに印刷層を設けてもよい。上記樹脂フィルムの表面に印刷を施すことで、粘着シート1を透明板に貼付したときに、当該印刷を観察することができる。この場合において、上記樹脂フィルムの表面には、印刷層の密着性を向上させるための印刷用コート層が形成されてもよい。なお、上記樹脂フィルムの透明粘着剤層12を積層する面に印刷(バックプリント)を施すこともでき、この場合には、当該面に印刷用コート層が形成されてもよい。上記樹脂フィルムの透明粘着剤層12を積層する面に印刷を施した場合、粘着シート1を透明板に貼付したときに、透明板側から当該印刷を観察することができる。
図3は、印刷を施した粘着シート1を被着体に貼付したときの外観の一例を表す図である。図3に示すように、上記印刷は、上記樹脂フィルムの表面に部分的に印刷してもよい。この印刷の例としては、上記樹脂フィルムの上下や両端に「5時からタイムセール」「月曜日はお肉の特売日」「水曜日はお惣菜10%OFFの日」等の印刷13を、被着体である透明板3の透視性を阻害しない程度に施すことなどが挙げられる。このような印刷を施すことにより、粘着シート1を透明板3に貼付した場合に、顧客吸引力や広告宣伝効果を持たせることができる。
また、上記樹脂フィルムの表面または印刷層の表面には、その面に付着した油汚れを容易にふき取ることを可能にする防汚処理を施してもよい。この防汚処理としてはフッ素系やシリコーン系などの樹脂を塗布することが挙げられる。
また、上記防汚処理に替えて、一方の面にこの防汚処理がされ、その反対側の面に粘着剤層が積層された樹脂フィルムや、一方の面に粘着剤層が積層されたフッ素樹脂フィルムなど、油汚れを容易にふき取ることを可能にするフィルムなどを、上記樹脂フィルムの透明粘着剤層12を積層する面とは反対側の面に貼り合わせてもよい。
透明基材11の厚さは、特に限定されるものではないが、5〜300μmであることが好ましく、特に20〜150μmであることが好ましい。透明基材11の厚さが5μmよりも薄くなると、透明基材11の腰が弱くなり、粘着シート1(または剥離シート付き粘着シート1A)を製造する工程においてシワが発生したり、切れてしまったりすることがあり、また、粘着シート1を被着体に貼付する際にシワが入ってしまうなどの不具合を生じることがある。一方、透明基材11の厚さが300μmよりも厚くなると、透明基材11が不必要に厚くなって透明基材11の材料費用を余分に必要とし、また、粘着シート1(または剥離シート付き粘着シート1A)を製造する工程の巻き取り段階において透明基材11が厚く嵩むことが原因で1度に巻き取れる数量が少なくなり、所望の数量における製造費用が高くなることなどから経済的に不利になる。
2.透明粘着剤層
本実施形態における透明粘着剤層12は、透明基材11が積層される面とは反対側の面(図1に示す粘着面P)が平滑性を有するものである。透明粘着剤層12における粘着面Pが平滑性を有することで、本実施形態に係る粘着シート1を被着体(油汚れが付着し得る透明板)に貼付したときに、透明板の透視性が良好に保たれ、また粘着シート1と被着体との間に空気が残りにくいものとなる。
透明粘着剤層12における透明基材11を積層する面とは反対側の面(図1に示す粘着面P)は、その表面粗さを粗さ曲線の二乗平均平方根傾斜(RΔq)で表したときに、0μm超、1.0μm以下であることが好ましく、特に0μm超、0.030μm以下であることが好ましく、0μm超、0.015μm以下であることがより好ましい。ここで、粗さ曲線の二乗平均平方根傾斜(RΔq)は、表面の微小範囲における凹凸の傾斜を二乗平均し平方根をとって得られるパラメータであり、具体的な測定方法は後述する。粗さ曲線の二乗平均平方根傾斜は、表面が平滑であるほど小さい値となる。
粘着面Pの表面粗さが上記範囲にあることで、当該粘着面Pがより平滑なものとなり、粘着面Pが凸凹を有する状態(いわゆるゆず肌)になることが防止され、粘着面Pに到達した光の散乱が抑制される。このため、粘着シート1を透明板に貼付したときに、透明板の透視性がより優れたものとなる。また、当該粘着面Pがより平滑なものとなることにより、透明板と粘着シート1との間に空気が残りにくくなる。
ここで、透明粘着剤層12の粘着面Pは、後述する剥離シート2の剥離面と直接接しており、その剥離面の表面粗さが粘着面Pに転写されるため、粘着面Pの表面粗さは剥離面の表面粗さに近似する。そのため、本明細書における粘着面Pの表面粗さは、剥離シート2の剥離面の表面粗さをもって測定するものとする。
本実施形態において透明粘着剤層12を構成する粘着剤は、再剥離性を有するものである。上記粘着剤が再剥離性を有することで、本実施形態に係る粘着シート1が、透明板に貼付している間は貼着が維持され、また透明板から剥がす時には剥がしやすく、かつ糊残りが少ないものとなる。
本実施形態に係る粘着シート1は、被着体をガラス板としたときに、粘着シート1を当該ガラス板に貼付した場合の粘着力が、貼付直後で1〜140mN/25mmであることが好ましく、特に5〜100mN/25mmであることが好ましく、10〜50mN/25mmであることがより好ましい。また、貼付後24時間後の粘着力は、1〜160mN/25mmであることが好ましく、特に5〜120mN/25mmであることが好ましく、10〜70mN/25mmであることがより好ましい。
また、本実施形態に係る粘着シート1は、被着体をアクリル板としたときに、粘着シート1を当該アクリル板に貼付した場合の粘着力が、貼付直後で1〜220mN/25mmであることが好ましく、特に5〜100mN/25mmであることが好ましく、10〜50mN/25mmであることがより好ましい。また、貼付後24時間後の粘着力は、1〜230mN/25mmであることが好ましく、特に5〜110mN/25mmであることが好ましく、10〜60mN/25mmであることがより好ましい。
本実施形態に係る粘着シート1において、貼付直後および貼付後24時間後の粘着力が上記範囲にあることで、透明板に貼付している間は貼着が維持され、また透明板から剥がす時にはより剥がしやすく、かつ糊残りがより少ないものとなる。なお、上記粘着力の具体的な試験方法は後述する実施例にて示す。
本実施形態において透明粘着剤層12を構成する粘着剤は、再剥離性を有し、粘着シート1に前述した粘着力をもたらすものであれば特に制限されるものではなく、アクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ゴム系、シリコーン系等を例示することができる。また、エマルション型、溶剤型または無溶剤型のいずれでもよく、架橋タイプまたは非架橋タイプのいずれであってもよい。なお、これらの粘着剤の中では、シリコーン系粘着剤が好ましい。シリコーン系粘着剤は、粘着性を比較的低くすることが可能であるため、被着体から容易に剥離することが可能であり、かつ被着体への糊残りを極めて僅少にすることができる。したがって、かかるシリコーン系粘着剤から構成される透明粘着剤層12を有する粘着シート1は、再剥離性に優れたものとなる。また、シリコーン系粘着剤は、表面エネルギーがアクリル系粘着剤等と比較して低く、濡れ性が良好であり、被着体表面で濡れ広がりやすいことから、粘着シート1を透明板に貼付するときに被着体と粘着シート1との間にさらに空気が残りにくく、透視性および作業性がより一層優れたものとなる。
透明粘着剤層12を構成するシリコーン系粘着剤は、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する第1のポリジメチルシロキサンおよび1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する第2のポリジメチルシロキサンから得られる付加反応型シリコーン樹脂と、シリコーンレジンとを含有する付加反応型シリコーン粘着剤であることが好ましい。
第1のポリジメチルシロキサンに含まれるアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基等の1価炭化水素基が挙げられ、中でもビニル基が特に好ましい。
第1のポリジメチルシロキサン中におけるアルケニル基の含有量(シロキサン結合の数に対するアルケニル基の数の割合)は、0.01〜10モル%であることが好ましく、特に0.1〜5モル%であることが好ましい。アルケニル基は、分子鎖の両末端に有することが好ましく、側鎖に有してもよい。第1のポリジメチルシロキサンの重合度(シロキサン結合の数)は、200〜5,000であることが好ましく、特に500〜3,000であることが好ましい。また、第2のポリジメチルシロキサン中におけるヒドロシリル基の含有量は、1分子中に2〜300個であることが好ましく、特に4〜200個であることが好ましい。第2のポリジメチルシロキサンの重合度は、50〜2,000であることが好ましく、特に100〜1,500であることが好ましい。さらに、第1のポリジメチルシロキサン100質量部に対する第2のポリジメチルシロキサンの配合比は、0.01〜20質量部であることが好ましく、特に0.1〜10質量部であることが好ましい。各官能基の含有量および第1のポリジメチルシロキサンに対する第2のポリジメチルシロキサンの配合比が上記の範囲内にあることで、第1のポリジメチルシロキサンと第2のポリジメチルシロキサンとの付加反応が良好に行われ、再剥離性を有するシリコーン系粘着剤を得ることが可能となる。
なお、第1のポリジメチルシロキサンは、ヒドロシリル基を有しないことが好ましく、第2のポリジメチルシロキサンは、アルケニル基を有しないことが好ましい。
第1のポリジメチルシロキサンの重量平均分子量は、20000〜1300000であることが好ましく、特に300000〜1200000であることが好ましい。また、第2のポリジメチルシロキサンの重量平均分子量は、300〜1400であることが好ましく、特に500〜1200であることが好ましい。なお、本明細書における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
シリコーンレジンとしては、例えば、一官能シロキサン単位[(CHSiO1/2]であるM単位と、四官能シロキサン単位[SiO4/2]であるQ単位とから構成されるMQレジンを使用することができる。M単位/Q単位のモル比は、0.6〜1.7であることが好ましい。このシリコーンレジンは、シリコーン系粘着剤に粘着性を付与する役割を有する。
付加反応型シリコーン樹脂100質量部に対するシリコーンレジンの配合比は、1〜30質量部であることが好ましく、特に3〜20質量部であることが好ましく、さらには5〜15質量部であることが好ましい。シリコーンレジンの配合比がかかる範囲にあることで、得られる透明粘着剤層12の剥離シート2からの剥離性を望ましい範囲に調整することができる。すなわち、得られる透明粘着剤層12を有する粘着シート1は、後述する剥離シート2の剥離面から、好ましい剥離力で剥離することができる。また、得られる透明粘着剤層12を有する粘着シート1は、被着体からも容易に剥離できるものとなり、かつ被着体への糊残りが極めて僅少になる。
上記付加反応型シリコーン粘着剤は、触媒を含有することが好ましい。触媒としては、上記付加反応型シリコーン樹脂を硬化(第1のポリジメチルシロキサンと第2のポリジメチルシロキサンとを付加反応)させることができるものであれば特に限定されないが、中でも白金族金属系化合物が好ましい。白金族金属系化合物としては、例えば、微粒子状白金、炭素粉末担体上に吸着された微粒子状白金、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸のオレフィン錯体、パラジウム、ロジウム等が挙げられる。かかる触媒を含有することで、付加反応型シリコーン樹脂の硬化反応をより効率良く進行させることができる。
上記付加反応型シリコーン樹脂100質量部に対する触媒の配合比は、白金分が0.0001〜0.1質量部であることが好ましく、特に0.001〜0.01質量部であることが好ましい。
上記付加反応型シリコーン粘着剤は、上記成分以外にも、反応抑制剤、密着向上剤等の各種添加剤を含有してもよい。
透明粘着剤層12の厚さは、通常1〜100μmであることが好ましく、特に3〜30μmであることが好ましく、さらには5〜15μmであることが好ましい。ここで、透明粘着剤層12の厚さが1μmよりも薄くなると、粘着シート1を製造する際に透明粘着剤層12を形成することが困難になってしまうなどの不具合を生じる場合がある。また、透明粘着剤層12の厚さが100μmよりも厚くなると、透明粘着剤層12が不必要に厚くなって透明粘着剤層12の材料費用を余分に必要とし、また、粘着シート1を製造する工程の巻き取り段階において透明粘着剤層12が厚く嵩むことが原因で1度に巻き取れる数量が少なくなり、所望の数量における製造費用が高くなることなどから経済的に不利になる。
3.剥離シート
本実施形態に係る剥離シート2は、上記透明粘着剤層12の透明基材11に接している面とは反対側の面(図1に示す粘着面P)に直接積層され、粘着シート1における透明粘着剤層12と接する面(図1に示す剥離面R)が平滑面となっていることが好ましい。ここで、剥離シート2の剥離面Rが凹凸を有する粗面である場合、当該剥離面Rに接触している粘着剤層の粘着面Pに上記の凹凸が転写され、粘着剤層の粘着面Pがいわゆるゆず肌になってしまうおそれがあり、粘着面Pに到達した光が散乱して粘着シート1の透明性が悪化するおそれがある。しかし、剥離シート2の剥離面Rが平滑面であることで、当該剥離面Rに直接接触する透明粘着剤層12の粘着面Pは、剥離シート2から剥離した直後から平滑なものとなり、いわゆるゆず肌になることが防止されるため、粘着面Pに到達した光の散乱が抑制され、透視性がより優れたものとなる。また、当該粘着面Pが平滑なものとなることにより、透明板と粘着シート1との間に空気が残りにくくなる。
このような剥離シート2としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニルフィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム等が用いられる。また、これらから選ばれる単一種又は複数種の積層フィルムであってもよい。また、剥離シート2の基材として、上質紙、クラフト紙、グラシン紙等の紙基材を用いてもよい。紙基材には、片面又は両面にオレフィン、アクリル、ウレタン、デンプン等の樹脂がコート層としてコーティングされていてもよく、これらのコート剤から選ばれる単一種又は複数種が積層されていてもよく、また、ポリオレフィン、アクリル、ポリウレタンなどの樹脂フィルムがラミネートされていてもよく、これらのフィルムから選ばれる単一種又は複数種が積層されていてもよい。
上記剥離シート2の剥離面Rには、必要により剥離処理が施されていてもよい。この場合、剥離処理に使用される剥離剤としては、例えば、アルキッド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ワックス系、ゴム系の剥離剤が挙げられる。
また、剥離シート2における透明粘着剤層12とは反対側の面(図1に示す裏面B)は、粗面となっていることが好ましい。剥離シート2の裏面Bが粗面であることで、剥離シート付き粘着シート1Aの搬送や繰り出しを良好に行うことができ、印刷や抜き加工等の加工に好適なものとなる。
かかる特徴を備える剥離シート2としては、図2に示す剥離シートが特に好適に用いられる。
ここで、図2に示す剥離シート2は、紙基材21と、紙基材21の一方の面側(図2では上側)に形成されたコート層22と、コート層22の紙基材21側とは反対側(図2では上側)に形成された第1の樹脂層23と、紙基材21の他方の面側(図2では下側)に形成された第2の樹脂層24とから構成される。
本実施形態においては、第1の樹脂層23のコート層22側とは反対側の表面(図2では上側の表面)が剥離面Rとなり、その剥離面Rに透明粘着剤層12が直接積層される。剥離時には、その剥離面Rにて、剥離シート2と透明粘着剤層12とが分離される。
紙基材21としては、前述した上質紙、クラフト紙、グラシン紙等を使用することができ、中でも上質紙を使用することが好ましい。上質紙は、環境温度、湿度等の影響によるカール(紙の反り)の度合いが小さいという利点がある。
紙基材21の坪量は、35〜200g/mであることが好ましく、特に60〜120g/mであることが好ましい。紙基材21の坪量が35g/mより少なくなると紙基材21の腰が弱くなり、剥離シート2を製造する工程においてシワが発生したり、切れてしまったりするなどの不具合を生じる場合がある。また、紙基材21の坪量が200g/mよりも多い場合は、紙基材21が不必要に厚くなって紙基材21の材料費用を余分に必要とし、また、剥離シート付き粘着シート1Aを製造する工程の巻き取り段階において紙基材21が厚く嵩むことが原因で1度に巻き取れる数量が少なくなり、所望の数量における製造費用が高くなることなどから経済的にも不利になる。
紙基材21は不透明であることが好ましい。不透明であれば、本実施形態に係る剥離シート付き粘着シート1Aに印刷を施した場合に、印刷後の剥離シート付き粘着シート1Aを複数積層したときでも、各剥離シート付き粘着シート1Aの印刷部分がそれぞれ重なって見えるようなことがなく、印刷外観の検査、剥離シート付き粘着シート1Aの検品を容易に行うことができる。
上記紙基材21上に形成されるコート層22は、紙基材21の紙繊維に起因する凹凸を埋める(目止めする)役割を有する。したがって、このコート層22の紙基材21側とは反対側の表面の粗さは、紙基材21の表面の粗さよりも小さいものとなっている。また、コート層22は、耐水性や耐薬品性などの目止め以外の役割を有していてもよい。
コート層22は、顔料などを含むことが好ましく、これらの顔料を使用することで、紙基材21を効果的に目止めすることができる。この場合、コート層22は、顔料、バインダー、溶媒、および所望により添加剤を含有する塗布液を上記紙基材21の一方の面に塗布することにより形成される。顔料としては、例えば、クレー、酸化チタン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸カルシウム、酸化亜鉛、アルミナ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、プラスチックピグメント、合成シリカ等が挙げられる。これらは1種を単独で使用することもできるし、2種以上を混合して使用することもできる。
上記顔料の中でも、クレーが特に好ましい。クレーによれば、紙基材21の目止めをより効果的に行うことができる。クレーとしては、例えば、カオリン、タルク、ベントナイト、バーミキュライト、マイカ、雲母、緑泥石、木節粘土、ガイロメ粘土、スメクタイト、ハロイサイト等が挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。上記クレーの中でも、紙基材21の目止めをより効果的に行うことのできる、カオリンおよび/またはタルクを使用することが好ましい。
バインダーとしては、例えば、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリル系ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス等のラテックス類;デンプン、変性デンプン、酸化デンプン、ヒドロキシエチルエーテル化デンプン、リン酸エステル化デンプン等のデンプン類;カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カゼイン、ゼラチンなどが挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
添加剤としては、例えば、顔料分散剤、消泡剤、発泡防止剤、粘度調整剤、潤滑剤、耐水化剤、保水剤、紫外線吸収剤、着色剤等を適宜使用することができる。溶媒としては、通常、水やアルコール等が用いられる。
上記塗布液の塗布は、例えば、バーコーター、ダイコーター、グラビアコーター、ロールコーター、ブレードコーター、サイズプレスコーター等の塗工機を用いて行うことができる。
コート層22の乾燥後の塗布量は、5〜40g/mであることが好ましく、特に10〜30g/mであることが好ましい。コート層22の乾燥後の塗布量が上記の範囲にあることで、紙基材21の目止めを必要十分に行うことができる。
なお、あらかじめ紙基材21の一方の面にコート層22が形成されたものを使用することもできる。
第1の樹脂層23は、コート層22の第1の樹脂層側の平滑な表面におけるさらに微細な凹凸をカバーし、剥離シート2の剥離面Rをさらに平滑化する役割を有する。一方、第2の樹脂層24は、剥離シート2のカールを抑制する役割を有する。すなわち、樹脂層が紙基材21の両面に積層されることにより、剥離シート2の一方の面側および他方の面側に生じる応力がつり合い、剥離シート2にカールが発生し難くなる。また、樹脂層が紙基材21の両面に積層されることにより、紙基材21中の水分が外部に移動し難くなるため、含水量の変化に起因する剥離シート2のカールを防止することができる。さらに、第2の樹脂層24は、必要に応じて、剥離シート2の剥離面Rとは反対側の面(裏面B;第2の樹脂層24の紙基材21側とは反対側の表面に該当)の平滑度を、所望の度合いに調整するための層としての役割も有する。
第1の樹脂層23および第2の樹脂層24を構成する樹脂としては、例えば、超低密度ポリエチレン(VLDPE,密度:880kg/m以上、910kg/m未満)、低密度ポリエチレン(LDPE,密度:910kg/m以上、930kg/m未満)、中密度ポリエチレン(MDPE,密度:930kg/m以上、942kg/m未満)、高密度ポリエチレン(HDPE,密度:942kg/m以上)等のポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体、オレフィン系エラストマー(TPO)、シクロオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体などが挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。第1の樹脂層23の樹脂と第2の樹脂層24の樹脂とは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記樹脂の中でも、ポリエチレン樹脂、特に低密度ポリエチレンが好ましい。ポリエチレン樹脂によれば、シリコーン系粘着剤からなる粘着剤層を剥離することが可能となる。また、特に低密度ポリエチレンは弾性率が低く、剥離力が小さくなるため、当該低密度ポリエチレンによれば、シリコーン系粘着剤からなる粘着剤層を容易に剥離することが可能となる。
第1の樹脂層23の厚さ(図2におけるt1)は、0.1〜100μmであることが好ましく、特に1〜50μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましい。第1の樹脂層23の厚さ(t1)が0.1μm以上であることで、コート層22の第1の樹脂層23側の表面のさらに微細な凹凸を十分にカバーし、剥離シート2の剥離面Rを所望のレベルまで平滑化することが可能となる。第1の樹脂層23の厚さ(t1)は、100μmあれば十分であり、それよりも厚くなると、剥離シート2が不必要に厚くなって樹脂の材料費用を余分に必要とし、また、剥離シート2を製造する工程の巻き取り段階において剥離シート2が厚く嵩むことが原因で1度に巻き取れる数量が少なくなり、所望の数量における製造費用が高くなることなどから経済的に不利になる。
第2の樹脂層24の厚さ(図2におけるt2)は、0.1〜100μmであることが好ましく、特に1〜50μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましい。第2の樹脂層24の厚さ(t2)が0.1μm以上であると、剥離シート2の裏面Bの粗さを、所望の度合いに調整することが可能となる。第2の樹脂層24の厚さ(t2)は、100μmあれば十分であり、それよりも厚くなると、剥離シート2が不必要に厚くなって樹脂の材料費用を余分に必要とし、また、例えば製造時の巻き取り段階で嵩むことが原因で1度に巻き取れる数量が少なくなり、所望の数量における製造費用が高くなることなどから経済的にも不利になる。
第2の樹脂層24の厚さ(t2)に対する第1の樹脂層23の厚さ(t1)の比(t1/t2)は、0.5〜2.0であることが好ましく、特に0.8〜1.5であることが好ましい。両者の比(t1/t2)が上記の範囲内にあることで、剥離シート2の一方の面側および他方の面側に生じる応力がつり合い、剥離シート2のカールを効果的に防止することができる。また、第1の樹脂層23のコート層22側とは反対側の表面(剥離面R)の平滑度と、第2の樹脂層24の紙基材21側とは反対側の表面(剥離シート2の裏面B)の平滑度を、それぞれ後述する好ましい範囲にすることが容易となる。
第1の樹脂層23および第2の樹脂層24は、それぞれ押出しラミネートによって形成することが好ましい。具体的には、Tダイ製膜機等を使用して、第1の樹脂層23を構成する樹脂および第2の樹脂層24を構成する樹脂をそれぞれ溶融・混練し、片面にコート層22を形成した紙基材21を一定の速度にて移動させながら、コート層22側の面に、溶融した第1の樹脂層23の樹脂を押出しラミネートし、紙基材21のコート層22とは反対側の面に、溶融した第2の樹脂層24の樹脂を押出しラミネートする。
ここで、第1の樹脂層23のコート層22側とは反対側の表面(剥離面R)は、後述する高平滑処理が施されていることが好ましい。これにより、剥離シート2の剥離面Rの平滑度は、非常に高いものとなる。このため、高平滑な剥離シート2の剥離面Rに直接接触する、透明粘着剤層12の粘着面Pは、剥離シート2から剥離した直後から高平滑なものとなり、いわゆるゆず肌になることが防止されるため、粘着面Pに到達した光の散乱が抑制され、透視性がより優れたものとなる。また、当該粘着面Pが高平滑なものとなることにより、透明板と粘着シート1との間に空気が残りにくくなる。
高平滑処理としては、例えば、表面が鏡面加工された鏡面ロールを使用したカレンダー処理(押出し直後のクーリング処理、スーパーカレンダー処理を含む)やプレス処理等を採用することができる。かかる高平滑処理は、上記押出しラミネートと一連の工程で行うことが好ましい。
第1の樹脂層23のコート層22側とは反対側の表面(剥離面R)における粗さ曲線の二乗平均平方根傾斜は、0μm超、1.0μm以下であることが好ましく、特に0μm超、0.030μm以下であることが好ましく、さらには0μm超、0.015μm以下であることが好ましい。これにより、当該表面に積層される透明粘着剤層12の粘着面は高平滑なものとなり、粘着面のゆず肌が防止される。
前述したように、粗さ曲線の二乗平均平方根傾斜(RΔq)は、表面の微小範囲における凹凸の傾斜を二乗平均し平方根をとって得られるパラメータである。表面が平滑であるほど、粗さ曲線の二乗平均平方根傾斜は小さい値となる。粗さ曲線の二乗平均平方根傾斜は、ISO 4287:1997に準拠して求められ、本明細書では、表面粗さ測定機(試験例ではミツトヨ社製のSURFTEST SV−3000)を用いて、カットオフ値2.5mmの粗さ曲線から、基準長さ2.5mmで測定した値とする。
一方、第2の樹脂層24は、紙基材21に直接積層されるため、第2の樹脂層24の紙基材21側とは反対側の表面(剥離シート2の裏面B)は、紙基材21の凹凸が反映されて粗面になる。ただし、その粗さ(平滑度)が所望の程度に達していない場合には、剥離シート2の裏面Bは、マット加工されることが好ましい。本明細書におけるマット加工とは、表面を物理的に粗面化する加工をいう。
マット加工としては、例えば、エンボス加工法、サンドブラスト加工法等が挙げられるが、中でもエンボス加工法が好ましく、特に表面に凹凸を施したマットロールを使用したエンボス加工法が好ましい。マットロールを使用したエンボス加工法は、上記押出しラミネートと一連の工程で行うことができる。この場合、マットロールをポリオレフィン樹脂の押出し直後の冷却ロールとして使用することができる。
上記の通り、剥離シート2の裏面Bは粗面になっているため、当該剥離シート2を備えた剥離シート付き粘着シート1Aを各種の加工に付す場合、特に枚葉で加工に付す場合、剥離シート2の裏面Bの粗面凹部に空気が入ること及び剥離シート付き粘着シート1Aの透明基材11の表面との接触面積が小さくなることで、当該裏面Bでの滑りが効果的に発現され、剥離シート付き粘着シート1Aの重送(複数枚重ねて搬送されること)やジャミング(搬送経路での詰まり)を抑制することができる。これにより、特に枚葉で印刷する場合には、剥離シート付き粘着シート1Aを正確に搬送することができる。また、上記剥離シート付き粘着シート1Aをロール・トゥ・ロールで加工する際の巻取ロールにおいて、粗面になっている剥離シート2の裏面Bは、剥離シート付き粘着シート1Aの透明基材11の表面との間でブロッキング(シート同士の部分的な接着)が発生し難く、剥離シート付き粘着シート1Aの繰り出しを良好に行うことができる。
第2の樹脂層24の紙基材21側とは反対側の表面の王研式平滑度は、10,000sec以下であることが好ましく、特に5,000sec以下であることが好ましく、さらには1,000sec以下であることが好ましい。これにより、剥離シート2の裏面Bが、印刷や抜き加工等の加工に好適な粗面となり、搬送や繰り出しを良好に行うことができる。
ここで、王研式平滑度は、測定リングに試験片を所定圧力で押し付けた状態で、測定リングと試験片との間隙から圧縮空気が所定量漏れるのに要する秒数で表される。王研式平滑度の値が小さいほど粗いことを表し、剥離シート付き粘着シート1Aを搬送する際に重送やジャミングが起きにくくなる。王研式平滑度は、JIS P8155:2010に準拠して測定され、本明細書では、王研式透気度・平滑度試験機(試験例では旭精工社製のKY6)を用いて測定した値とする。
剥離シート2の総厚は、100〜200μmであることが好ましく、特に140〜180μmであることが好ましい。上記の構成を有する剥離シート2がかかる総厚を有することで、剥離シート2は所望の剛性(コシ)を有することとなり、種々の加工適性に優れたものとなる。
本実施形態の剥離シート2においては、紙基材21を所望の色に着色してもよいし、紙基材21または第2の樹脂層24に所望の印刷を施してもよい。また、第1の樹脂層23および/または第2の樹脂層24を所望の色に着色してもよい。
着色の色は特に限定されないが、剥離シート付き粘着シート1Aに印刷が施される場合は、その校正や外観検査等の観点から、剥離シート2の色は、白色であることが好ましい。白色度の指標としては、例えば、JIS P8123に規定されるハンター白色度が挙げられる。このハンター白色度は、ハンター白色度計(例えば、東洋精機社製のハンター白色度計D型など)によって測定可能である。白色の剥離シート2は、具体的には、当該ハンター白色度が70〜90%であることが好ましい。これにより、剥離シート付き粘着シート1Aの校正や外観検査等を容易に行うことができる。
4.粘着シートの製造方法
本実施形態に係る粘着シート1(剥離シート付き粘着シート1A)は、例えば以下のようにして製造することができる。まず、透明基材11の一方の面に、前述したシリコーン系粘着剤を構成する粘着性材料および所望により希釈剤を含有する塗布液を塗布した後、乾燥し、製膜(硬化)することにより、透明粘着剤層12を形成する。塗布は、例えば、バーコーター、ダイコーター、グラビアコーター、ロールコーター、ナイフコーター等の塗工機を用いて行うことができる。
上記希釈剤としては特に制限はなく、様々なものを用いることができる。例えばトルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素化合物をはじめ、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アルコール、水およびこれらの混合物等が用いられる。
透明粘着剤層12の乾燥後の塗布量は、0.1〜500g/mであることが好ましく、特に1〜100g/mであることが好ましく、10〜40g/mであることがより好ましい。透明粘着剤層12の乾燥後の塗布量が上記範囲にあることで、透明粘着剤層12の粘着剤による粘着力と再剥離性とがいずれも良好なものとなる。
また、シリコーン系粘着剤が前述した付加反応型シリコーン粘着剤である場合、塗布した粘着性材料は、熱硬化させることが好ましい。この場合の加熱温度は80〜180℃であることが好ましい。加熱温度が80℃よりも低いと熱硬化が不十分になることがあり、180℃よりも高いと溶媒が突沸して塗布面状態が悪くなることがある。また、加熱時間は10〜90秒程度であることが好ましい。熱硬化に有する時間は90秒で十分であるため、これよりも長くする必要はなく、また10秒よりも短いと熱硬化が不十分になることがある。
上記のようにして透明基材11の一方の面に透明粘着剤層12を形成したら、上記剥離シート2の剥離面Rが透明粘着剤層12に直接接触するように、剥離シート2と透明粘着剤層12とを積層する。剥離シート2の剥離面Rが高平滑であるため、これに直接接触する粘着面Pも高平滑なものとなり、本実施形態の剥離シート付き粘着シート1Aを得ることができる。
なお、透明基材11が、表面処理、印刷、防汚処理等が施されたものである場合、それらの処理は、任意の段階で行うことができる。
ここで、上記とは逆の順序、すなわち剥離シート2の剥離面Rに透明粘着剤層12を直接積層し、透明粘着剤層12における剥離シート2とは反対側の面に透明基材11をさらに積層する方法も採用し得るが、かかる方法では透明基材11と透明粘着剤層12との密着性が劣る場合がある。そのため、前述したように、透明基材11の一方の面に透明粘着剤層12を形成した後、剥離シート2を透明粘着剤層12に直接積層する方法がより好ましい。
5.透明板の透明性維持方法
本実施形態の剥離シート付き粘着シート1Aは、使用時に剥離シート2を剥離して、透明粘着剤層12の粘着面Pを露出させ、油汚れが付着し得る透明板(被着体)に貼付する。貼付された粘着シート1により、透明板は油汚れから保護される。
ここで、透明粘着剤層12の粘着面Pは、前述したように平滑面となっている。この平滑性は、好ましくは透明粘着剤層12の粘着面Pに直接接触している剥離シート2の剥離面Rが高い平滑度を有することで、剥離面Rの高平滑面が粘着面Pに転写されることにより、もたらされる。このように、本実施形態に係る粘着シート1は、透明粘着剤層12の粘着面Pが平滑面となっているため、剥離シート付き粘着シート1Aから剥離シート2を剥離した直後からゆず肌になることが防止され、粘着面Pに到達した光の散乱が抑制されることから、粘着シート1を貼付した透明板の透視性が貼付直後から保たれる。そのため、粘着シート1を貼付した透明板は、その一方の側(例えば、売り場やホールなど)から反対側(例えば、調理場など)への透視性が良好なものとなる。
また、当該粘着面Pが高平滑なものとなることで、透明板と粘着シート1との間に空気が残りにくくなり、貼り直し等の作業が減って作業性が向上する。なお、貼付方法として、場合によっては水貼りを行ってもよい。この水貼りとは、粘着シート1を被着体に貼付する際に、粘着シート1の粘着面および被着体表面に噴霧器で霧状の水をかけてから仮貼りし、その後スキージーというへらでフィルム表面を順次均一に擦りつけて、水を押し出して除去しながら粘着シート1を被着体に密着させる方法である。
油汚れが粘着シート1に付着した場合には、油汚れが付着した粘着シート1を透明板から剥がすことにより、透明板を初期のきれいな透明状態とする。ここで、透明粘着剤層12の粘着剤が再剥離性を有しているため、粘着シート1を透明板に貼付している間は貼着が維持され、一方透明板から剥がす時には剥がしやすく、かつ糊残りが少ない。粘着シート1を剥がした透明板は、再度別の粘着シート1を貼付することにより、油汚れの付着から保護され、透明板の透明性を維持することができる。
透明板の透明性が維持されることで、食品スーパーやレストラン等においては、ホールから調理場への透視性が保たれ、一般顧客に対して調理場が衛生的である印象を与えたり、調理品が美味しそうに見える印象を与えることができ、調理品の売上向上につながり得る効果が得られる。
なお、複数枚の粘着シート1をあらかじめ積層した積層体を、油汚れが付着し得る透明板(被着体)に貼付してもよい。具体的には、粘着シート1の透明基材11における透明粘着剤層12と接している面とは反対側の表面(透明基材11に表面処理、印刷、防汚処理などが施されている場合は、その処理などがされた透明基材11の表面;図1に示す表面S)に、別の粘着シート1の粘着面Pを貼り付けて2枚の粘着シート1を積層し、さらに同様にして複数枚の粘着シート1を積層して積層体とする。その積層体の最外層にて露出している粘着面Pが上記透明板に接触するように、上記積層体を当該透明板に貼付する。このように複数枚の粘着シート1の積層体を透明板に貼付することで、油汚れが付着した際に、当該積層体のガラスと接している面とは反対側の最も外側の粘着シート1を剥がすだけで、透明板の透明性を回復することができる。この作業は、粘着シート1の枚数分行うことができる。上記の方法によれば、再度別の粘着シート1を透明板に貼付する手間が省けるため、油汚れのない粘着シート1に保護された透明板を素早く得ることが可能となる。
また、複数枚の粘着シート1を、油汚れが付着し得る透明板(被着体)に順次貼付してもよい。具体的には、第1の剥離シート付き粘着シート1Aから第1の剥離シート2を剥離して透明粘着剤層12の粘着面Pを露出させ、その粘着面Pが上記透明板に接触するように、第1の粘着シート1を当該透明板に貼付する。次に、第2の剥離シート付き粘着シート1Aから第2の剥離シート2を剥離して透明粘着剤層12の粘着面Pを露出させ、その粘着面Pが上記透明板に貼付された第1の粘着シート1の表面Sに接触するように、第2の粘着シート1を第1の粘着シート1に貼付する。同様にして、第n+1の粘着シート1を順次第nの粘着シート1に貼付する。このように複数枚の粘着シート1を透明板に順次貼付することで、油汚れが付着した際に、最後に貼付した粘着シート1を剥がすだけで、透明板の透明性を回復することができる。この作業は、粘着シート1の枚数分行うことができる。上記の方法によれば、粘着シート1に油汚れが付着した際に、粘着シート1を剥がした後、再度別の粘着シート1を透明板に貼付する手間が省けるため、油汚れのない粘着シート1に保護された透明板を素早く得ることが可能となる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔製造例1〕シリコーン系粘着剤の製造
両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖直鎖状ジメチルポリシロキサン(重合度1,000)100質量部と、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(1分子中のヒドロシリル基の数40個)3質量部と、触媒としての塩化白金酸およびジビニルテトラメチルジシロキサンの錯体のトルエン溶液(白金分0.4質量%)0.5質量部と、シリコーンレジンとしてのMQレジン(M単位/Q単位=0.85)10質量部とを混合し、シリコーン系粘着剤(トルエン溶液)を得た。
〔製造例2〕剥離シートの製造
(i)コート層用塗布液の調製
カオリン80質量部と、重質炭酸カルシウム20質量部と、スチレン−ブタジエンラテックス10質量部と、デンプン5質量部とを、水に分散させて混合し、コート層用塗布液(固形分:50質量%)を得た。
(ii)コート層の形成
坪量80g/mの上質紙からなる紙基材のフェルト面に、上記コート層用塗布液を、乾燥後の塗布量が20g/mになるようにグラビアコーターによって塗布し、乾燥させた後、金属ロールと弾性ロールとの間に通して加圧することにより、コート層を形成した。
(iii)第2の樹脂層の形成
コート層を形成した紙基材の、コート層とは反対側の面に、低密度ポリエチレン(ISO 1872−1:1993に準じて測定されるメルトマスフローレイト:4.5g/10min,密度:923kg/m)を、厚さ20μmになるように溶融押出ラミネートした後、連続して、表面が粗面化された冷却ロール(マットロール)と押圧ロールとの間を、低密度ポリエチレンがマットロールに接するように通してマット加工することにより、第2の樹脂層を形成した。なお、冷却ロールの表面の粗さは、第2の樹脂層の王研式平滑度が490secになるように調整した。
(iv)第1の樹脂層の形成
コート層の表面(紙基材とは反対側の面)に、第2の樹脂層の材料と同じ低密度ポリエチレンを、厚さ25μmになるように溶融押出ラミネートした後、連続して、表面が鏡面加工された冷却ロール(鏡面ロール)と押圧ロールとの間を、第1の樹脂層が鏡面ロールに接するように通すことにより、第1の樹脂層を形成した。このようにして、剥離シートを製造した。
なお、剥離シートのコート層の、JIS P8123に規定されるハンター白色度を、東洋精機社製ハンター白色度計D型を使用して測定した結果、78.2%であった。
〔実施例1〕
透明基材である厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製,コスモシャインA4300)の一方の面に、製造例1で製造したシリコーン系粘着剤のトルエン溶液を、乾燥後の塗布量が15g/mになるようにナイフコーターによって塗布し、乾燥させることにより透明粘着剤層を形成した。この透明粘着剤層の表面に、製造例2で製造した剥離シートを、第1の樹脂層が透明粘着剤層に接するように貼り合わせることにより、剥離シート付き粘着シートを作製した。
〔実施例2〕
透明基材として厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製,コスモシャインA4300)を用い、シリコーン系粘着剤の乾燥後の塗布量が35g/mになるように塗布した以外は実施例1と同様にして、剥離シート付き粘着シートを作製した。
〔比較例1〕
市販の油汚れ防止用シート(キャンドゥ社製,透明シート)を剥離シート付き粘着シートとして用いた。
〔試験例1〕(ヘーズ値の測定)
実施例および比較例の剥離シート付き粘着シートから剥離シートを剥離した粘着シートのヘーズ値(%)を、ヘーズメーター(日本電色工業社製,NDH2000)を使用し、JIS K7136−2000に準拠して測定した。結果を表1に示す。
〔試験例2〕(粘着力の測定)
縦200mm、横25mmの長方形に裁断した実施例および比較例の剥離シート付き粘着シートから、剥離シートのうち縦100mm、横25mmの長方形分を剥離シート付き粘着シートの縦方向の端部から剥離し、露出した透明粘着剤層を、23℃、50%RHの環境下で、被着体としてのガラス板(旭硝子社製,R3202)およびアクリル板(三菱レイヨン社製,WH000)に、質量2kgのゴムローラーを用いて1往復する方法でそれぞれ貼付した。その直後に、万能型引張試験機(オリエンテック社製,テンシロンUTM−4−100)を使用し、JIS Z0237:2000に準拠して、剥離角度180°、剥離速度300mm/minで粘着シートをガラス板およびアクリル板から剥離し、そのときの粘着力をそれぞれ測定した。また、上記と同様にして透明粘着剤層をガラス板およびアクリル板に貼付した後、23℃、50%RHの環境下に24時間放置し、その後に剥離したときの粘着力を測定した。結果を表1に示す。
〔試験例3〕(再剥離性の評価)
縦50mm、横25mmの長方形に裁断した実施例および比較例の剥離シート付き粘着シートから剥離シートを剥離し、露出した透明粘着剤層を、23℃、50%RHの環境下で、被着体としてのガラス板(旭硝子社製,R3202)およびアクリル板(三菱レイヨン社製,WH000)に質量2kgのゴムローラーを用いて1往復する方法でそれぞれ貼付した。次いで、23℃、50%RHの環境下に24時間放置し、その後40℃、95%RHの環境下に1週間放置し、その後に粘着シートを被着体から手で剥がして糊残りの有無を目視で確認した。また剥がす際の抵抗力を以下の基準にて評価した。結果を表1に示す。
=剥がす際の抵抗力の評価=
○:簡単に剥がすことができた。
△:剥がすことはできたが、○の評価のときよりも力を必要とした。
〔試験例4〕(表面粗さの測定)
実施例および比較例で使用した各剥離シートの剥離面における粗さ曲線の二乗平均平方根傾斜を、ISO 4287:1997に準じて、表面粗さ測定機(ミツトヨ社製,SURFTEST SV−3000)を用いて、カットオフ値2.5mmの粗さ曲線から、基準長さ2.5mmで測定した。結果を表1に示す。なお、二乗平均平方根傾斜は値が小さいほど平滑であることを示す。
〔試験例5〕(空気残りの評価)
縦80mm、横80mmの正方形に裁断した実施例および比較例の剥離シート付き粘着シートから剥離シートを剥離し、露出した透明粘着剤層の端部の一辺を、23℃、50%RHの環境下で、表面に異物がない状態に清掃した被着体としてのガラス板(旭硝子社製,R3202)に接触させ、当該接触箇所を起点にしてスキージー(プラスチック製のへら)を用いて貼付し、直径0.5mm以上の空気残りの個数を目視にて評価した。結果を表1に示す。
Figure 2015063602
表1から明らかなように、実施例の粘着シートは、優れた透明性を有し、再剥離に適した粘着力を有し、かつ糊残りが少ないものであった。また粘着面が高平滑であるため空気が残りにくかった。
本発明の粘着シートは、食品スーパーやレストラン等において調理場(キッチン)と売り場またはホールとを仕切っている、油汚れの付着し得る透明板に使用される粘着シートとして好適である。
1…粘着シート
11…透明基材
12…透明粘着剤層
2…剥離シート
21…紙基材
22…コート層
23…第1の樹脂層
24…第2の樹脂層
1A…剥離シート付き粘着シート
R…剥離面
B…(剥離シートの)裏面
P…粘着面
S…(透明基材の)表面

Claims (4)

  1. 透明基材の一方の表面に透明粘着剤層が積層された粘着シートであって、
    前記粘着シートは透明性を有し、
    前記透明粘着剤層の前記透明基材と接している面と反対側の表面は平滑性を有し、
    前記透明粘着剤層の粘着剤は再剥離性を有する
    ことを特徴とする、油汚れの付着し得る透明板に使用される粘着シート。
  2. 前記透明粘着剤層の前記透明基材側とは反対側の面には剥離シートが直接積層されており、
    前記剥離シートにおける前記透明粘着剤層と接する面は、平滑面となっている
    ことを特徴とする請求項1に記載の粘着シート。
  3. 油汚れの付着し得る透明板に、請求項1または2に記載の粘着シートを、前記透明粘着剤層における前記透明基材と接している面と反対側の表面が前記透明板に接するように貼付し、
    油汚れが付着した後に、前記粘着シートを前記透明板から剥離する
    ことを特徴とする、油汚れの付着し得る透明板の透明性を維持する方法。
  4. 請求項2に記載の粘着シートを製造する方法であって、
    前記透明粘着剤層を構成する粘着性材料を前記透明基材の一方の表面に塗布し、
    前記塗布した粘着性材料を製膜して前記透明粘着剤層とし、
    前記剥離シートにおける前記平滑面が前記透明粘着剤層に直接接触するように、前記剥離シートと前記透明粘着剤層とを積層する
    ことを特徴とする粘着シートの製造方法。
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