JP2015061553A - 医療用チューブ - Google Patents

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Nao Yokoi
奈央 横井
政克 川浦
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Abstract

【課題】患者の負担を軽減しつつ、容易かつ確実に、インプラントを本体内に挿入し、生体内に留置することができる医療用チューブを提供すること。
【解決手段】シース30は、生体内に留置されるインプラントが挿入され、チューブ状の本体31を有する。また、シース30は、本体31の少なくとも一方の端部に、中央部に対して拡径した拡径部を有する。また、拡径部は、拡径・縮径可能である。また、シース30は、拡径部を拡径する方向に付勢する付勢部と、付勢部の付勢力に抗して、拡径部を縮径した状態に保持する保持部とを有する。また、シース30は、本体31の先端部に直接または間接的に着脱自在に装着された針体35を有する。
【選択図】図51

Description

本発明は、医療用チューブに関するものである。
尿失禁、特に、腹圧性尿失禁になると、通常の運動中や、笑い、咳、くしゃみ等により腹圧がかかることで、尿漏れが生じる。この原因は、例えば、出産等により、尿道を支える筋肉である骨盤底筋が緩むこと等が挙げられる。
尿失禁の治療には、外科的療法が有効であり、例えば、「スリング」と呼ばれる帯状のインプラントを用い、スリングを体内に留置し、そのスリングで尿道を支持する(例えば、特許文献1参照)。スリングを体内に留置するには、術者がメスで膣を切開し、尿道と膣の間を剥離し、穿刺針等を用いて、その剥離した部位と外部とを閉鎖孔を介し連通させる。そして、このような状態で、スリングを体内に留置する。
しかしながら、膣壁を切開してしまうと、その切開により生じた傷口からスリングが膣内に露出してしまう虞や、前記傷口から感染してしまう等の合併症が生じる虞がある。また、膣壁を切開するので、侵襲が大きく、患者への負担が大きい。また、術者による手技の最中にメスで尿道等を損傷する虞があり、また、術者自身もメスで指先を損傷する虞がある。
特開2010−99499号公報
前記の問題を解決する方法として、医療用チューブと、その医療用チューブに挿入され、湾曲した長尺な挿入部とを備える医療用チューブ組立体を用いて、膣壁を切開せずに、スリングを生体内に留置する方法が考えられる。この方法では、まず、医療用チューブ組立体の先端部に設けられた針体により、体表面から生体を穿刺し、その針体を、尿道と膣との間を通過させ、再び、体表面から外部に突出させる(以下、この操作を「穿刺操作」と言う)。これにより、医療用チューブ組立体の途中の部位が尿道と膣との間に位置し、医療用チューブ組立体の両端がそれぞれ体表面から外部に突出する。次に、医療用チューブから挿入部を抜去し、医療用チューブの一方の端部からその医療用チューブ内にスリングを挿入し、医療用チューブのみを生体から抜去して、スリングを生体内に留置する。なお、患者の負担を小さくするため、医療用チューブの径は、可能な限り小さいことが好ましい。
しかしながら、前記医療用チューブでは、医療用チューブの径を小さく設定すると、医療用チューブの一方の端部からその医療用チューブ内にスリングを挿入することが困難であるという問題がある。
本発明の目的は、患者の負担を軽減しつつ、容易かつ確実に、インプラントを本体内に挿入し、生体内に留置することができる医療用チューブを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(9)の本発明により達成される。
(1) 生体内に留置されるインプラントが挿入され、チューブ状の本体を有する医療用チューブであって、
前記本体の少なくとも一方の端部に、拡径部を有することを特徴とする医療用チューブ。
(2) 前記拡径部は、拡径・縮径可能である上記(1)に記載の医療用チューブ。
(3) 前記拡径部を拡径する方向に付勢する付勢部と、
前記付勢部の付勢力に抗して、前記拡径部を縮径した状態に保持する保持部とを有する上記(2)に記載の医療用チューブ。
(4) 縮径した状態の前記拡径部を拡径する操作を行う操作部を有する上記(2)または(3)に記載の医療用チューブ。
(5) 縮径した状態の前記拡径部を拡径する際、前記本体の全長が延長する上記(2)ないし(4)のいずれか1項に記載の医療用チューブ。
(6) 前記拡径部と前記本体とは別体である上記(1)ないし(5)のいずれか1項に記載の医療用チューブ。
(7) 前記拡径部と前記本体とは一体的に形成されている上記(1)ないし(5)のいずれか1項に記載の医療用チューブ。
(8) 前記本体の先端部に直接または間接的に着脱自在に装着された針体を有し、
前記拡径部は、前記本体の先端部に縮径した状態で配置されており、前記針体を前記本体から離脱させる離脱操作により拡径する上記(2)ないし(5)のいずれか1項に記載の医療用チューブ。
(9) 前記拡径部の内径は、前記本体の軸方向に沿って該本体から離間する方向に向って漸増している上記(1)ないし(8)のいずれか1項に記載の医療用チューブ。
本発明によれば、拡径部を有しているので、本体の径を小さくしても、本体内にインプラントを容易かつ確実に挿入することができ、これにより、インプラントを、容易かつ確実に生体内に留置することができる。
また、本体の径を小さくすることにより、患者の負担を軽減することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る医療用チューブ組立体を適用した穿刺装置を示す斜視図である。 図2は、図1に示す穿刺装置の側面図である。 図3は、図1に示す穿刺装置が有する操作部材を示す平面図である。 図4は、図1に示す穿刺装置が有する穿刺部材を示す図であり、(a)が斜視図、(b)が(a)中のA−A線断面図である。 図5は、図4(a)に示す穿刺部材の断面図である。 図6は、図4(a)に示す穿刺部材が有する状態維持機構を示す図であり、(a)が上面図、(b)および(c)が断面図である。 図7は、図3に示す穿刺部材が有する状態維持機構を示す部分拡大図であり、(a)および(b)がそれぞれ変形例を示す平面図、(c)が本実施形態を示す平面図である。 図8は、図1に示す穿刺装置が有する第2アンカーを示す図であり、(a)が断面図、(b)が穿刺部材に係合した状態を示す断面図である。 図9は、図1に示す穿刺装置が有する第1アンカーを示す図であり、(a)が断面図、(b)が穿刺部材に係合した状態を示す断面図である。 図10は、図1に示す穿刺装置が備えるフレームの案内部を示す断面図である。 図11は、図1に示す穿刺装置が備えるフレームの案内部を示す断面図である。 図12は、図1に示す穿刺装置が備えるフレームの案内部を示す断面図である。 図13は、図1に示す穿刺装置が備えるフレームの固定部を示す平面図である。 図14は、図1に示す穿刺装置が有する挿入具の側面図である。 図15は、穿刺部材と閉鎖孔(骨盤)との位置関係を示す図であり、(a)が側面図、(b)が正面図である。 図16は、図14に示す挿入具が有する膣挿入部材の部分拡大図である。 図17は、(a)が膣壁の形状の一例を示す断面図、(b)が(a)に示す膣内に膣挿入部を挿入した状態を示す断面図である。 図18は、図1に示す穿刺装置と共に用いられるインプラントを示す図である。 図19(a)および(b)は、それぞれ、図1に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。 図20(a)および(b)は、それぞれ、図1に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。 図21は、図20(a)に示す状態の時の穿刺装置と骨盤との関係を示す側面図である。 図22(a)および(b)は、それぞれ、図1に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。 図23は、図22(a)に示す状態の時の穿刺装置と骨盤との関係を示す側面図である。 図24は、図22(b)に示す状態の時の尿道に対する穿刺部材の姿勢を示す断面図である。 図25(a)および(b)は、それぞれ、図1に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。 図26(a)および(b)は、それぞれ、図1に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。 図27は、本発明の第2実施形態に係る医療用チューブ組立体を示す斜視図である。 図28は、図27に示す医療用チューブ組立体の変形例を示す断面図である。 図29は、本発明の第3実施形態に係る医療用チューブ組立体を示す平面図である。 図30は、本発明の第4実施形態に係る医療用チューブ組立体を示す平面図である。 図31は、本発明の第5実施形態に係る医療用チューブ組立体を示す平面図である。 図32は、本発明の第6実施形態に係る医療用チューブ組立体を示す平面図である。 図33は、本発明の第7実施形態に係る医療用チューブ組立体を示す平面図である。 図34は、本発明の第8実施形態に係る医療用チューブ組立体を示す平面図である。 図35は、本発明の第9実施形態に係る医療用チューブ組立体を示す平面図である。 図36は、本発明の第10実施形態に係る医療用チューブ組立体を示す平面図である。 図37は、本発明の第11実施形態に係る医療用チューブ組立体を示す側面図である。 図38は、図37に示す医療用チューブ組立体の先端部を示す側面図である。 図39は、図38中のB−B線断面図である。 図40は、図37に示す医療用チューブ組立体の使用例を説明するための図である。 図41は、図37に示す医療用チューブ組立体の使用例を説明するための図である。 図42は、図37に示す医療用チューブ組立体の使用例を説明するための図である。 図43は、図37に示す医療用チューブ組立体の使用例を説明するための図である。 図44は、図37に示す医療用チューブ組立体の使用例を説明するための図である。 図45は、本発明の第12実施形態に係る医療用チューブ組立体の先端部を示す側面図である。 図46は、図45中のC−C線断面図である。 図47は、本発明の第13実施形態に係る医療用チューブ組立体の途中の部位を示す断面図である。 図47は、本発明の第14実施形態に係る医療用チューブ組立体の途中の部位を示す断面図である。 図49は、本発明の第15実施形態に係る医療用チューブ(医療用チューブ組立体)を示す断面図である。 図50は、図49に示す医療用チューブ(医療用チューブ組立体)の使用例を説明するための図である。 図51は、図49に示す医療用チューブ(医療用チューブ組立体)の使用例を説明するための図である。 図52は、図49に示す医療用チューブ(医療用チューブ組立体)の使用例を説明するための図である。 図53は、本発明の第16実施形態に係る医療用チューブ(医療用チューブ組立体)を示す断面図である。 図54は、図53に示す医療用チューブ(医療用チューブ組立体)の使用例を説明するための図である。 図55は、本発明の第17実施形態に係る医療用チューブ(医療用チューブ組立体)を示す断面図である。 図56は、図55に示す医療用チューブ(医療用チューブ組立体)の使用例を説明するための図である。 図57は、図55に示す医療用チューブ(医療用チューブ組立体)の使用例を説明するための図である。 図58は、図55に示す医療用チューブ(医療用チューブ組立体)の使用例を説明するための図である。 図59は、本発明の第18実施形態に係る医療用チューブを示す斜視図である。 図60は、図59に示す医療用チューブの使用例を説明するための図である。 図61は、図59中のH−H線断面図である。 図62は、本発明の第19実施形態に係る医療用チューブを示す斜視図である。 図63は、図62に示す医療用チューブの使用例を説明するための図である。 図64は、本発明の第20実施形態に係る医療用チューブを示す断面図である。 図65は、本発明の第21実施形態に係る医療用チューブを示す斜視図である。
以下、本発明の医療用チューブを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る医療用チューブ組立体を適用した穿刺装置を示す斜視図である。図2は、図1に示す穿刺装置の側面図である。図3は、図1に示す穿刺装置が有する操作部材を示す平面図である。図4は、図1に示す穿刺装置が有する穿刺部材を示す図であり、(a)が斜視図、(b)が(a)中のA−A線断面図である。図5は、図4(a)に示す穿刺部材の断面図である。図6は、図4(a)に示す穿刺部材が有する状態維持機構を示す図であり、(a)が上面図、(b)および(c)が断面図である。図7は、図3に示す穿刺部材が有する状態維持機構を示す部分拡大図であり、(a)および(b)がそれぞれ変形例を示す平面図、(c)が本実施形態を示す平面図である。図8は、図1に示す穿刺装置が有する第2アンカーを示す図であり、(a)が断面図、(b)が穿刺部材に係合した状態を示す断面図である。図9は、図1に示す穿刺装置が有する第1アンカーを示す図であり、(a)が断面図、(b)が穿刺部材に係合した状態を示す断面図である。図10は、図1に示す穿刺装置が備えるフレームの案内部を示す断面図である。図11は、図1に示す穿刺装置が備えるフレームの案内部を示す断面図である。図12は、図1に示す穿刺装置が備えるフレームの案内部を示す断面図である。図13は、図1に示す穿刺装置が備えるフレームの固定部を示す平面図である。図14は、図1に示す穿刺装置が有する挿入具の側面図である。図15は、穿刺部材と閉鎖孔(骨盤)との位置関係を示す図であり、(a)が側面図、(b)が正面図である。図16は、図14に示す挿入具が有する膣挿入部材の部分拡大図である。図17は、(a)が膣壁の形状の一例を示す断面図、(b)が(a)に示す膣内に膣挿入部を挿入した状態を示す断面図である。図18は、図1に示す穿刺装置と共に用いられるインプラントを示す図である。図19(a)および(b)は、それぞれ、図1に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。図20(a)および(b)は、それぞれ、図1に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。図21は、図20(a)に示す状態の時の穿刺装置と骨盤との関係を示す側面図である。図22(a)および(b)は、それぞれ、図1に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。図23は、図22(a)に示す状態の時の穿刺装置と骨盤との関係を示す側面図である。図24は、図22(b)に示す状態の時の尿道に対する穿刺部材の姿勢を示す断面図である。図25(a)および(b)は、それぞれ、図1に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。図26(a)および(b)は、それぞれ、図1に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。
なお、以下では、説明の便宜上、図2中の左側を「先端」、右側を「基端」、上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図2は、まだ使用されていない状態を示し、以下では、説明の便宜上、この状態を「初期状態」とも言う。また、図2に示す穿刺装置(挿入具)が患者に装着された状態を「装着状態」とも言う。また、図5および図6では、それぞれ、説明の便宜上、円弧状に延在している穿刺部材を直線的に伸ばして図示している。
1.穿刺装置
まず、本発明の医療用チューブ組立体(医療用チューブ)を適用した穿刺装置について説明する。
図1および図2に示す穿刺装置1は、女性の尿失禁の治療、すなわち、尿失禁の治療用の生体組織支持用留置物を生体内に埋設する際に用いる装置である。
この穿刺装置1は、フレーム(支持部)2、穿刺部材3、尿道挿入部材4、膣挿入部材5、操作部材7およびアンカー81、82を備えており、フレーム2に、穿刺部材3、尿道挿入部材4、膣挿入部材5、操作部材7およびアンカー81、82がそれぞれ支持されている。また、穿刺装置1では、尿道挿入部材4と膣挿入部材5とで挿入具6を構成している。以下、これらについて順に説明する。
(操作部材)
操作部材7は、穿刺部材3を操作するための部材である。このような操作部材7は、図1ないし図3に示すように、挿入部71と、軸部73と、挿入部71および軸部73を連結する連結部72とを有している。これら挿入部71、連結部72および軸部73は、一体的に形成されていてもよいし、少なくとも1つの部位が他の部位に対して別体として形成されていてもよい。
挿入部71は、穿刺部材3に挿入される部位であり、穿刺部材3を内側から補強するスタイレットとして機能する。挿入部71を穿刺部材3に挿入することで、穿刺部材3が操作部材7に接続され、これにより、操作部材7による穿刺部材3の操作が可能となる。このような挿入部71は、穿刺部材3の形状に対応した円弧状をなしている。挿入部71の中心角は、穿刺部材3の中心角に合わせて設定される。また、挿入部71の先端部711は、先細りしている。先細りした先端部711を有することで、挿入部71への穿刺部材3の挿入を円滑に行うことができる。
なお、挿入部71の横断面形状は、円形をなしているが、扁平形状をなしていてもよい。この扁平形状としては、特に限定されず、例えば、楕円形や、その他、角部が丸みを帯びたひし形、角部が丸みを帯びた長方形(平ら形状)、中央部が両端部よりも幅が拡大した(拡径した)紡錘形とすることもできる。
軸部73は、挿入部71の中心Oと交わり、挿入部71を含む平面f1と直交する軸J1に沿って延在している。
連結部72は、挿入部71の基端部と軸部73の先端部とを連結している。また、連結部72は、途中でほぼ直角に屈曲したほぼL字状をなしている。連結部72は、操作部材7を操作する際に術者が把持する把持部としても機能する。
このような操作部材7は、穿刺部材3(本体31)よりも剛性が高くなるように構成されている。操作部材7の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような各種金属材料等を用いることができる。
(穿刺部材)
穿刺部材3は、生体を穿刺するための部材である。このような穿刺部材3は、図4(a)に示すように、長尺なシース(医療用チューブ)30と、シース30の先端に設けられた針体35とを有している。また、シース30は、チューブ状の本体31と、状態維持機構34とを有している。
本体31は、長尺な管体(チューブ)で構成されており、先端と基端とがそれぞれ開口している。このような本体31は、インプラント本体91を挿入可能な内部空間を有している。なお、前記内部空間は、本体31の内腔で構成されている。また、本体31は、円弧状に湾曲した湾曲形状をなし、図4(b)に示すように、扁平形状の横断面形状を有している。特に、本体31の長手方向の中央部S4での横断面形状は、短軸J31と長軸J32とを含む扁平形状である。後述するように、本体31内には、インプラント本体91が配置される。そのため、本体31を扁平形状とすることで、インプラント本体91の本体31内での姿勢を制御することができる。
また、本体31の内部空間の幅(長軸J32方向の長さ)は、インプラント本体91の後述する本体部911の幅とほぼ同じに設計されている。これにより、インプラント本体91を移動させても本体31の内部空間との摩擦抵抗が低くなり、インプラント本体91に不要な力が掛からず、十分に展開した状態で本体部911を本体31内に配置することができる。ただし、本体31の内部空間の幅(長軸J32方向の長さ)は、本体部911の幅よりも短くてもよい。これにより、本体31の幅を抑えられるため、より低侵襲な穿刺部材3とすることができる。
なお、本体31の扁平形状としては、特に限定されず、例えば、楕円形、断面凸レンズ形状、角部が丸みを帯びたひし形、角部が丸みを帯びた長方形(平ら形状)、中央部が両端部よりも拡大した(拡径した)紡錘形とすることもできる。
以下では、説明の便宜上、図4(b)に示すように、長軸J32方向の内側(一端部)に位置する端部を「内周部A1」とも言い、外側(他端部)に位置する端部を「外周部A2」とも言い、上側に向く面を「表面A3」とも言い、下側に向く面を「裏面A4」とも言う。
図4(b)に示すように、中央部S4の円弧の中心点と本体31の長手方向に対する横断面形状の中心点の両方を含む面(本体31の中心軸を含む面)を平面f9とし、平面f9と中央部S4での短軸J31とのなす角を傾斜角θ1としたとき、傾斜角θ1は、鋭角であるのが好ましい。傾斜角θ1を鋭角とすることで、後述するインプラント9を尿道とほぼ平行に配置することができ、尿道をより効果的に支持することができる。この効果については、後に詳述する。
なお、傾斜角θ1としては、20〜60°程度であるのが好ましく、30〜45°であるのがより好ましく、35〜40°程度であるのがさらに好ましい。これにより、上述した効果がより一層向上する。
傾斜角θ1は、本体31の延在方向全域で上記数値範囲を満足しているのが好ましいが、少なくとも、本体31の延在方向の中央部S4にて上記数値範囲を満足していれば、上記効果を発揮することができる。なお、前記「中央部S4」とは、少なくとも、穿刺部材3を生体に穿刺した状態(本体31を生体内に配置した状態)で、尿道と膣との間に位置する部位を含む領域を言う。また、本実施形態では、後述するように穿刺部材3にアンカー81、82が係合された状態で、アンカー81、82間の中央部(中央およびその両側近傍)が中央部S4であるとも言える。
なお、本体31の両端部には、中央部S4から等しい位置であって、本体31が生体に配置された状態(図22の状態)で生体外へ突出している部分にマーカーが設けられていてもよい。これにより、両マーカーの位置を比べることによって、中央部S4の生体内での位置を確認することができる。
本体31の構成は、次のように言い換えることもできる。すなわち、本体31は、図4(b)に示すように、円弧の中心軸J5に対して長軸J32が傾斜するように形成されており、円弧の中心軸J5と長軸J32の延長線J32’が交点Pを有するように構成されているとも言える。この場合、中心軸J5と延長線J32’とのなす角θ5が傾斜角θ1と等しい。また、別の言い方をすれば、本体31は、図10に示すように、本体31の中心軸J5方向から見た平面視にて、その内周縁に位置し最少曲率半径r1を有する内周部A1と、外周縁に位置し最大曲率半径r2を有する外周部A2とを備え、図4(b)に示すように、内周部A1と外周部A2とが中心軸J5方向に離間して(ずれて)位置するように構成されているとも言える。
このような形状の本体31は、途中にて分割できるように、2つの分割片(分割チューブ)にて構成されている。すなわち、本体31は、先端分割片(第1の分割チューブ)32と、基端分割片(第2の分割チューブ)33とに分かれている。先端分割片32と基端分割片33とは、ほぼ同じ長さであり、これらの境界は、中央部S4に位置している。
図5に示すように、先端分割片32は、チューブ状をなし、先端側開口321と基端側開口322とを有している。また、基端分割片33も、チューブ状をなし、先端側開口331と基端側開口332とを有している。そして、基端分割片33の先端部が先端分割片32の基端部内へ挿入されており、これにより、先端分割片32と基端分割片33とが接続されている。このように、基端分割片33を先端分割片32内へ挿入することで、分割片32、33の境界に生じ得る段差が生体組織に引っ掛かり難くなり、穿刺部材3の生体への穿刺を円滑に行うことができる。ただし、本実施形態とは逆に、先端分割片32を基端分割片33内へ挿入することで、分割片32、33を接続してもよい。
これら分割片32、33が接続された接続状態は、状態維持機構34によって維持されている。図6(a)に示すように、状態維持機構34は、孔342a、342b、342cと、各孔342a、342b、342cに挿通された無端状の糸(連結部材)341と、糸341を露出させる露出孔(貫通孔)345、346と、露出孔345、346を繋ぐスリット347とを有している。
孔342aは、基端分割片33の基端部であって、表面A3の内周部A1寄りに設けられている。一方、孔342b、342cは、先端分割片32の基端部であって、表面A3と裏面A4の内周部A1寄りに対向して設けられている。
糸341は、本体31内に配置されており、孔342bと孔342cの間、孔342aと基端側開口332の間でそれぞれ本体31外に露出している。糸341をこのように引き回すことで、分割片32、33の接続状態を確実に維持することができる。また、糸341の本体31外への露出を抑えることができ、糸341が生体組織に引っ掛かり難くなる。また、後述するような糸341の切断を可能としつつ、糸341の全長をなるべく短くすることができる。そのため、インプラント本体91を本体31内に挿通する際に糸341がインプラント本体91に引っ掛かり難くなる。また、前述したように、孔342a、342b、342cがそれぞれ内周部A1寄りに配置されているため、糸341も内周部A1寄りに配置される。そのため、インプラント本体91を本体31内へ挿入する際に、糸341がインプラント本体91に引っ掛かり難くなる。
糸341は、例えば、有端の糸を用意し、その一端を、基端側開口332から本体31内に挿入し、孔342bから本体31外に引き出し、孔342cから本体31内に挿入し、孔342aから本体31外へ引き出し、最後に、基端側開口332付近で他端と結ぶことで得られる。ただし、結び目の位置は限定されない。
ここで、孔342aは、図6(c)に示すように、外側開口が内側開口よりも基端側へ位置するように軸が傾斜している。一方、孔342b、342cは、それぞれ、図6(b)に示すように、外側開口が内側開口よりも先端へ位置するように軸が傾斜している。これにより、各孔342a、342b、342cを糸341の経路に沿って延在させることができ、各孔342a、342b、342cに糸341が引っ掛かり難くなる。
露出孔345、346は、基端分割片33の基端部の表面A3と裏面A4に、対向して設けられている。露出孔345、346が設けられている部位は、本体31を生体内に配置した状態で、体表面から突出する。また、露出孔345、346は、糸341の経路上に位置している。そのため、露出孔345、346から糸341が本体31外へ露出する。また、これら露出孔345、346は、本体31の周方向に沿って内周部A1に設けられたスリット347によって繋がっている。
このような状態維持機構34では、糸341を切断することにより、先端分割片32と基端分割片33とが分離可能な状態となる。このような構成とすることで、先端分割片32と基端分割片33とを簡単な操作で分離可能な状態とすることができる。また、糸341の切断は、目視可能であるため、先端分割片32と基端分割片33とが分離可能な状態となったことを簡単に確認することができる。
本実施形態のように、露出孔345、346およびスリット347を設けることで、糸341を簡単に切断することができる。一例を挙げて説明すると、一対の刃(第1刃および第2刃)を有する鋏を用意し、第1刃を露出孔345、346に挿通し、一対の刃の間に糸341を位置させる。そして、鋏を閉操作すると、第1、第2刃の少なくとも一方がスリット347を通過し、第1、第2刃が互いに重なり合い、その過程で糸341が切断される。このように、露出孔345、346およびスリット347を設けることで、糸341を簡単に切断することができる。
このように、本実施形態では、スリット347を設け、このスリット347を刃の通過経路として用いている。これにより、糸341の張力による本体31の変形が防止される。具体的には、図7(a)に示すように、刃の通過経路をスリット347に替えて孔348で構成してもよい。しかしながら、この場合は、本体31の硬さ等によっては、図7(b)に示すように、糸341の張力によって孔348が座屈して潰れ、本体31が変形するおそれがある。これに対してスリット347では、スリット347を挟んだ部分347a、347bが当接して突っ張っているため、図7(c)に示すように、上記のような変形が起きず、本体31の変形が防止される。
また、図5に示すように、本体31の先端部には、アンカー81に係合する一対の係合孔315、316が設けられている。一方、本体31の基端部には、アンカー82に係合する一対の係合孔317、318が設けられている。これら4つの係合孔のうち、係合孔315、317は、内周部A1に設けられ、係合孔316、318は、外周部A2に設けられている。
前述したように、本体31は、扁平形状であり、長軸方向に潰れ難いため、内周部A1と外周部A2の離間距離が変化し難い。また、内周部A1および外周部A2は、表面A3および裏面A4に比べて曲率が大きく変形し難い。そのため、内周部A1に係合孔315、317を設け、外周部A2に係合孔316、318を設けることで、アンカー81、82と本体31との係合が解除され難くなる。
また、係合孔315、316と中央部S4との離間距離と、係合孔317、318と中央部S4との離間距離とがほぼ等しくなっている。これにより、アンカー81、82がマーカーの役目をなし、生体内での本体31の中央部S4の位置を簡単に把握することができる。
また、図4〜図6に示すように、本体31の側面には、本体31の内腔に連通する複数の貫通孔(側孔)311が形成されている。すなわち、各貫通孔311は、本体31の外周面と内周面とを繋いでおり、各貫通孔311の端部は、本体31の外周面と連通している。この本体31の内腔および複数の貫通孔311は、穿刺部材3(医療用チューブ組立体10)が生体を刺通(穿刺)した状態で、液体が流れる流路として機能する。具体的には、例えば、穿刺部材3で生体を穿刺した際、血管を誤穿刺してしまった場合、血管の傷口から流出した血液が、貫通孔311から本体31の内腔に流入し、その内腔を流れ、血液のフラッシュバックが生じる。術者は、その血液のフラッシュバックを視認することにより、血管を誤穿刺してしまったことを把握することができる。また、膀胱に生理食塩水を流入させ、その生理食塩水のフラッシュバックの有無により、膀胱や尿道を誤穿刺してしまったことも確認することができる。なお、貫通孔311の数は、複数に限らず、1つであってもよい。
また、貫通孔311は、本実施形態では、本体31の中央部、すなわち、先端分割片32の基端部および基端分割片33の先端部に形成されている。インプラント本体91を生体内に留置する際は、本体31の中央部は、尿道1300と膣1400との間に配置されるので(図22参照)、貫通孔311が本体31の中央部に形成されていることにより、前記穿刺部材3による尿道の誤穿刺をより確実に確認することができる。
なお、貫通孔311の形成領域は、本体31の中央部に限らず、例えば、本体31の全体であってもよい。
また、貫通孔311の配置は、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定されるものであるが、本実施形態では、規則的に配置されており、具体的には、本体31の軸方向に等間隔で、かつ、周方向に等間隔に配置されている。また、貫通孔311の径やピッチ等の各寸法は、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定される。なお、貫通孔311の他の配置としては、例えば、螺旋状に配置する場合、不規則に配置する場合等が挙げられる。
また、貫通孔311の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、その平面視で、円形をなしている。なお、貫通孔311の他形状としては、例えば、その平面視で、楕円形、四角形等の多角形等が挙げられる。
以上のような本体31の先端には、針体35が設けられている。図5に示すように、針体35は、先細りした針先351と、針先351の基端側に設けられた基端部352とを有している。そして、基端部352が本体31内に挿入され、これにより、針体35が本体31に着脱自在に保持されている。なお、基端部352は、針体35の本体31からの意図しない離脱を防止できる程度の力で本体31に嵌入されている。なお、針体35は、本体31と一体的に構成されていてもよい。
また、基端部352には、挿入部71の先端部711と係合する係合部353が設けられている。係合部353は、凹部で構成され、挿入部71に穿刺部材3を挿入した挿入状態では、係合部353内に先端部711が位置している。係合部353を設けることで、挿入部71に対する針体35の変位が抑制され、生体への穿刺部材3の穿刺をより円滑に行うことができる。
なお、挿入部71のうちの、少なくとも先端部711の横断面形状が扁平形状をなしている場合、係合部353の横断面形状は、先端部711の横断面形状に合わせて形成されている、すなわち、係合部353の横断面形状も扁平形状をなすのが好ましい。これにより、係合部353と先端部711とが係合した状態では、係合部353と先端部711との扁平形状同士が重なり合う。この重なり合いによって、シース30は、挿入部71に対して、その軸回りに回転するのが規制される。
以上、穿刺部材3について説明した。穿刺部材3の中心角θ4は、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定されるものであるが、後述するように、針体35が、患者の一方の鼠蹊部から体内に入り、尿道と膣の間を通過して、他方の鼠蹊部から体外に突出することができるように設定される。具体的には、中心角θ4は、150〜270°であることが好ましく、170〜250°であることがより好ましく、190〜230°であることがさらに好ましい。
また、本体31および針体35の構成材料としては、体内に挿入された状態で形状や内部空間(内腔)を維持するような硬質材料が好ましい。このような硬質材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステルエラストマー、ポリプロピレン等の各種樹脂材料やステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような各種金属材料等を用いることができる。なお、本体31および針体35の構成として硬質材料を採用する他に、硬質材料以外の材料を採用する場合は、壁を補強部材で補強することでも達成される。例えば、高強度の編組体を壁内に埋め込むことにより、体内に挿入された状態で形状や内部空間を維持することができる。また、補強部材の他の例としては、本体31の壁に螺旋状物を埋め込むことにより挿入物の摺動可能な程度に内部空間を保持しつつ可撓性を備えることが可能となる。
本体31は、光透過性を有しており、外部から内部が視認可能になっているのが好ましい。これにより、例えば、内部に挿入された挿入部71の先端部711が係合部353に係合しているか、糸341が切れていないか等を確認することができる。また、後述する血液等のフラッシュバックも容易に視認することができる。
以上説明した穿刺部材3(本体31)と、本体31に挿入される挿入部71とで、医療用チューブ組立体10が構成され、穿刺装置1では、これらが医療用チューブ組立体10の状態で使用が開始される。
なお、糸341を通す孔(342a、342b、342c)の数および配置は、糸341によって先端分割片32と基端分割片33との接続状態を維持できる限り、特に限定されない。また、糸341は、無端状である必要はなく、一端と他端とを有する有端状であってもよい。例えば、有端状の糸を用意し、その一端を孔342aおよび基端側開口332に通した輪っかとし、他端を孔342b、342cに通した輪っかとしてもよい。また、糸341には、糸341と同様に用いることができる紐や帯等も含まれる。
(アンカー)
図8(a)に示すように、アンカー(第2アンカー)81は、本体31を挿通する挿通孔812を有する基部811と、基部811から突出し、一対の係合孔315、316と係合する一対の爪部813、814とを有している。挿通孔812の横断面形状は、本体31の横断面形状に対応している。そのため、挿通孔812に穿刺部材3が挿通された状態では、穿刺部材3に対するアンカー81の回転が規制され、これらの位置関係が適切に維持される。挿通孔812に穿刺部材3を挿入し、穿刺部材3をアンカー81に対して押し進めると、図8(b)に示すように、爪部813、814が係合孔315、316に係合する。これにより、先端分割片32にアンカー81が係合する。係合した状態では、基部811が爪部813、814よりも基端側に位置している。前述したように、穿刺部材3を挿通孔812に挿通した状態では、穿刺部材3に対するアンカー81の回転が規制されるため、爪部813、814と係合孔315、316との係合を確実に発現させることができる。
同様に、図9(a)に示すように、アンカー(第1アンカー)82は、本体31を挿通する挿通孔822を有する基部821と、基部821から突出し、一対の係合孔317、318と係合する一対の爪部823、824とを有している。挿通孔822の横断面形状は、本体31の横断面形状に対応している。そのため、挿通孔822に穿刺部材3が挿通された状態では、穿刺部材3に対するアンカー82の回転が規制され、これらの位置関係が適切に維持される。挿通孔812に穿刺部材3を挿入し、穿刺部材3をアンカー82に対して押し進めると、図9(b)に示すように、爪部823、824が係合孔317、318に係合する。これにより、基端分割片33にアンカー82が係合する。係合した状態では、基部821が爪部823、824よりも先端側に位置している。前述したように、穿刺部材3を挿通孔822に挿通した状態では、穿刺部材3に対するアンカー82の回転が規制されるため、爪部823、824と係合孔317、318との係合を確実に発現させることができる。
アンカー81、82の構成材料としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、各種樹脂材料を用いることができる。
(フレーム)
フレーム(規制部)2は、穿刺部材3が装着された操作部材7を回動自在に保持し、また、挿入具6およびアンカー81、82を着脱自在に固定する。フレーム2は、穿刺部材3(医療用チューブ組立体10)が生体組織を穿刺する際に、針体35の穿刺経路を定める機能を有している。
具体的には、フレーム2は、穿刺部材3が回動して生体組織を穿刺したとき、針体35の針先351が尿道挿入部材4よりも穿刺部材3の回動中心から遠位側を通過するように、すなわち、尿道挿入部材4と膣挿入部材5との間をこれらに衝突せずに通過するように、穿刺部材3、尿道挿入部材4および膣挿入部材5の位置関係を定めている。
図1および図2に示すように、フレーム2は、操作部材7の軸部73を軸受する軸受部21と、穿刺部材3を案内するとともに第1、第2アンカー81、82を着脱自在に保持する案内部(保持部)22と、軸受部21と案内部22とを連結する連結部23と、挿入具6が固定される固定部24とを有している。
軸受部21は、穿刺装置1の基端側に位置し、軸J1に対してほぼ直交する方向に延在している。軸受部21の軸J1上には、貫通孔211が形成されており、この貫通孔211に軸部73が回動自在に挿入されている。これにより、フレーム2に操作部材7が軸J1まわりに回動可能な状態で支持される。
案内部22は、穿刺装置1の先端側に位置し、軸受部21と対向配置されている。図10に示すように、案内部22には、穿刺部材3を収容し、穿刺部材3を案内する略C字状の案内溝221が形成されている。また、図11に示すように、案内溝221内に配置された状態では、穿刺部材3は、裏面A4を先端側が位置し、表面A3が基端側に位置している。
また、案内部22は、アンカー81、82を着脱自在に保持している。アンカー82は、挿通孔822が案内溝221と連続するように、先端側開口222と対向して保持されており、アンカー81は、挿通孔812が案内溝221と連続するように、案内溝221の基端側開口223と対向して保持されている。
初期状態では、アンカー82の挿通孔822に本体31が挿通され、かつ、案内部22から針体35が突出している。そして、操作部材7を回転操作すると、案内部22から穿刺部材3が徐々に突出し、最終的に、図12に示すように、針体35が基端側開口223から案内部22内に侵入する。この過程にて、穿刺部材3の先端側では、穿刺部材3がアンカー81の挿通孔812内を通過し、係合孔315、316に爪部813、814が係合する。一方、穿刺部材3の基端側では、係合孔317、318に爪部823、824が係合する。これにより、アンカー81、82が穿刺部材3に係合する。
連結部23は、軸受部21と案内部22とを連結している。また、連結部23は、軸J1とほぼ平行に延在する棒状をなしている。連結部23は、把持部としても機能し、術者は、連結部23を把持して穿刺装置1を使用することができる。
固定部24は、軸J1を介して連結部23と対向配置されている。図13に示すように、固定部24は、挿入具6の後述する支持部60を嵌め込む凹部243と、雄ネジ244とを有している。支持部60を凹部243へ嵌め込み、さらに、雄ネジ244を支持部60の雌ネジ(図示せず)に締め込むことにより、挿入具6を固定部24に固定することができる。
(挿入具)
図1および図14に示すように、挿入具6は、尿道に挿入される尿道挿入部(第2の挿入部)41と、膣に挿入される膣挿入部(第1の挿入部)51と、尿道挿入部41および膣挿入部51を支持する支持部60とを有している。前述したように、挿入具6は、尿道挿入部材4と膣挿入部材5とで構成され、尿道挿入部材4が尿道挿入部41を備え、膣挿入部材5が膣挿入部51を備えている。また、支持部60は、尿道挿入部材4が備え、尿道挿入部41を支持する支持部40と、膣挿入部材5が備え、膣挿入部51を支持する支持部50とを有している。挿入具6では、支持部40、50を介して、尿道挿入部材4と膣挿入部材5とが着脱自在となっている。以下、尿道挿入部材4および膣挿入部材5について順に説明する。
−尿道挿入部材−
尿道挿入部材4は、途中まで尿道内に挿入される長尺状の尿道挿入部41と、尿道挿入部41を支持する支持部40とを有している。なお、以下では、説明の便宜上、装着状態にて尿道(膀胱を含む)内に位置する部位を「挿入部411」とも言い、装着状態にて尿道口から体外に露出している部分であって支持部40までの部分を「非挿入部412」とも言う。
尿道挿入部41は、先端が丸みを帯びた真っ直ぐな管状をなしている。また、挿入部411の先端部には、拡張/収縮自在なバルーン42と、尿排出部47とが設けられている。バルーン42は、尿道内における尿道挿入部材4の軸方向の位置を規制する規制部として機能する。具体的には、穿刺装置1の使用時には、バルーン42を患者の膀胱内に挿入した後に拡張させる。そして、拡張させたバルーン42が膀胱頚部に引っ掛かることにより、膀胱および尿道に対する尿道挿入部材4の位置が固定される。一方、尿排出部47は、膀胱内の尿を排出するために用いられる。
バルーン42は、尿道挿入部41内を通ってその基端部に設けられたバルーンポート43に接続されている。バルーンポート43には、シリンジ等のバルーン拡張器具を接続することができる。バルーン拡張器具からバルーン42に作動流体(生理食塩水等のような液体、気体等)を供給するとバルーン42が拡張し、反対に、バルーン拡張器具によってバルーン42から作動流体を抜き取るとバルーン42が収縮する。なお、図14では、バルーン42が収縮した状態を二点鎖線で示し、バルーン42が拡張した状態を実線で示している。
一方、尿排出部47には、尿排出部47の内外を連通する排出孔471が設けられている。また、尿排出部47は、尿道挿入部41内を通ってその基端部に設けられた尿排出ポート48に接続されている。そのため、排出孔471から導入した尿を尿排出ポート48から排出することができる。
これらバルーン42および尿排出部47は、例えば、ダブルルーメンによって構成することができる。
また、挿入部411の途中には、複数の吸引孔44が形成されている。複数の吸引孔44は、尿道挿入部41の周方向の全域にわたって配置されている。各吸引孔44は、尿道挿入部41を通って基端部に設けられた吸引ポート45に接続されている。吸引ポート45には、ポンプ等の吸引装置を接続することができる。尿道挿入部41を尿道に挿入した状態で吸引装置を作動させると、尿道挿入部41に尿道壁を吸着・固定することができる。そして、この状態で、尿道挿入部41を先端側(体内)へ押し込むと、これとともに尿道も押し込まれ、例えば、膀胱を穿刺部材3の穿刺経路と重ならない位置にずらすことができ、穿刺部材3の穿刺経路を確保することができる。そのため、穿刺部材3の穿刺を正確かつ安全に行うことができる。なお、吸引孔44の数は、特に限定されず、例えば、1つであってもよい。また、吸引孔44の配置は、特に限定されず、例えば、尿道挿入部41の周方向の一部にのみ形成されていてもよい。
また、挿入部411と非挿入部412との境界部には、尿道挿入部41の尿道への挿入深さを確認するためのマーカー46が設けられている。マーカー46は、尿道挿入部41を尿道内に挿入し、バルーン42が膀胱内に位置するとき、尿道口に位置する。これにより、簡単に、挿入部411の尿道への挿入深さを確認することができる。マーカー46としては、外部から視認できれば良く、例えば、着色部、凹凸部等により構成することができる。なお、マーカー46に替えて、尿道挿入部41の先端からの距離が記された目盛を設けてもよい。
挿入部411の長さとしては、特に限定されず、患者の尿道の長さおよび膀胱の形状等によって適宜設定される。一般的な女性の尿道の長さが30〜50mm程度であるため、50〜100mm程度であるのがより好ましい。
非挿入部412の長さ(尿道口と支持部40の離間距離)としては、特に限定されないが、100mm以下程度であるのが好ましく、20〜50mm程度であるのがより好ましい。これにより、非挿入部412を適切な長さとすることができ、操作性が向上する。仮に、非挿入部412の長さが上記上限値を超えると、フレーム2の構成等によっては、穿刺装置1の重心が患者から大きく離れてしまい、装着状態での穿刺装置1の安定性が低下する場合がある。
尿道挿入部材4の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような各種金属材料、各種樹脂材料を用いることができる。
ここで、尿道挿入部41の軸J2に直交する平面f2に対する平面f9(平面f1)の傾斜角θ2は、20〜60°程度であるの好ましく、30〜45°程度であるのがより好ましく、35〜40°程度であるのがさらに好ましい。言い換えると、本体31は、平面f9と尿道の軸に直交する平面とのなす角が20〜60°程度となるように体内に留置されるのが好ましく、30〜45°程度となるように体内に留置されるのがより好ましく、35〜40°程度となるように体内に留置されるのがさらに好ましい。これにより、穿刺部材3の穿刺を容易に行うことができるとともに、穿刺部材3による穿刺距離をより短くすることができる。
具体的に説明すると、傾斜角θ2を上記範囲内とすることによって、図15(a)に示すように、穿刺部材3が骨盤1100の左右の閉鎖孔1101、1102を平面的に広く捉えることができ、穿刺部材3の穿刺スペースを広く確保することができる。すなわち、患者を所定の***(砕石位)にした状態で、閉鎖孔1101、1102に対して穿刺部材3を比較的垂直方向に穿刺することができる。そのため、穿刺部材3の穿刺を容易に行うことができる。加えて、閉鎖孔1101、1102に対して穿刺部材3を比較的垂直方向に穿刺することで、組織の浅い部分を通過するため、穿刺部材3の針体35が左右の閉鎖孔1101、1102の間をより短い距離で通過することができる。そのため、図15(b)に示すように、穿刺部材3を閉鎖孔1101、1102の恥骨結合1200寄り、好ましくはセーフティゾーンS5を通過させることができる。セーフティゾーンS5は、損傷を避けたい神経や血管が少ない部位であるため、穿刺部材3を安全に穿刺することができる。そのため、より低侵襲となり、患者の負担を小さく抑えることができる。このように、傾斜角θ2を上記範囲とすることによって、患者への穿刺部材3の穿刺をより適切に行うことができる。また、上述の角度にて穿刺することにより、尿道の長さ方向における中位部を指す中部尿道と膣の間の組織を目標にし易くなる。中部尿道と膣の間は、インプラント9を埋設して尿失禁の治療を行う部位として適した位置である。
これに対して、傾斜角θ2が上記下限値未満の場合または上記上限値を超える場合は、患者の個体差、手技中の姿勢等によっては、穿刺部材3が閉鎖孔1101、1102を平面的に広く捉えることができなかったり、穿刺経路を十分に短くすることができなかったりする場合がある。
より好ましくは、尿道または膣、尿道および膣の両方を体内側へ押し込むように位置をずらした状態で穿刺すると中部尿道と膣の間を穿刺しやすい。尿道および膣のいずれか一方を体内側へ押し込む方法は、例えば、尿道挿入部材4および/または膣挿入部材5を適切な位置に挿入した状態にし、これらに備えられている後述する吸引孔44、59によって、尿道および/または膣を吸着させた後、尿道挿入部材4および/または膣挿入部材5をさらに所定の位置まで各々の軸線に沿って体内側へ移動させる方法とすることができる。このようにして尿道と膣の少なくとも一方を体内側へ押し込むように位置をずらした状態で、本体31を骨盤の左右の閉鎖孔1101、1102に対して垂直に穿刺することにより、インプラント9の留置に適した位置に通路を形成することができる。
本体31の軌道が骨盤の左右の閉鎖孔1101、1102のセーフティゾーンS5を通過するようにセットし、該軌道が中部尿道と膣の間に位置するように尿道と膣の少なくとも一方を体内側へずらし、本体31を軌道に沿って穿刺して通路を形成することが好ましい。
−膣挿入部材−
図1および図14に示すように、膣挿入部材5は、途中まで膣内に挿入される長尺状の膣挿入部(第1の挿入部)51と、膣挿入部51を支持する支持部50とを有している。なお、以下では、説明の便宜上、装着状態にて膣内に位置する部位を「挿入部511」とも言い、装着状態にて膣口から体外に露出している部分であって支持部50までの部分を「非挿入部512」とも言う。
挿入部511は、長尺状をなしている。また、挿入部511は、先端側が挿入部411から離間するように、挿入部411に対して傾斜して延在している。挿入部511を挿入部411に対して傾斜させることにより、傾斜していない場合と比較して、挿入部411、511の位置関係を尿道と膣の位置関係に近づけることができる。そのため、装着状態にて、穿刺装置1がより安定して患者に保持されるとともに、患者への負担が軽減される。挿入部511の挿入部411に対する傾斜角θ3としては、特に限定されないが、例えば、0〜45°程度であるのが好ましく、0〜30°程度であるのがより好ましい。これにより、上記効果をより顕著に発揮することができる。これに対して、傾斜角θ3が上記下限値未満の場合や上記上限値を超えた場合は、患者の個体差、手技中の姿勢等によっては、装着状態にて膣や尿道が不自然に変形し、穿刺装置1が安定して保持されない場合がある。
図16に示すように、挿入部511は、穿刺装置1の上下方向(尿道および膣の配列方向)に潰れた扁平形状をなしている。また、挿入部511は、その幅がほぼ一定な中央部と、丸みを帯びた先端部とを有している。挿入部511の長さL2としては、特に限定されないが、20〜100mm程度であるのが好ましく、30〜60mm程度であるのがより好ましい。また、挿入部511の幅W1としては、特に限定されないが、10〜50mm程度であるのが好ましく、20〜40mm程度であるのがより好ましい。また、挿入部511の厚みとしては、特に限定されないが、5〜25mm程度であるのが好ましく、10〜20mm程度であるのがより好ましい。このような長さ×幅×厚みとすることにとり、挿入部511が一般的な膣に適した形状、大きさとなる。そのため、装着状態における穿刺装置1の安定性が増すとともに、患者への負担が低減される。
また、挿入部511の上面(尿道挿入部41側の面)511aには、複数の有底の凹部53が形成されている。なお、凹部53の数は、特に限定されず、例えば、1つであってもよい。また、各凹部53の底面には、1つの吸引孔59が設けられており、各吸引孔59は、挿入部511内を通ってその基端部に設けられた吸引ポート54に接続されている。吸引ポート54は、装着状態において生体外に位置するように設けられている。吸引ポート54には、ポンプ等の吸引装置を接続することができ、挿入部511を膣内に挿入した状態で吸引装置を作動させると、挿入部511に膣壁の上面である膣前壁が吸着固定される。そして、膣壁を吸着固定させた状態で、膣挿入部51を先端側(体内)へ押し込むと、これとともに膣壁を押し込むことができる。そのため、膣壁の配置や形状を整えることができ、穿刺部材3の穿刺経路を確保することができ、穿刺部材3の穿刺を正確かつ安全に行うことができる。
複数の凹部53が形成されている領域S2は、領域S1と対向配置されている。そして、これら領域S1、S2の間を穿刺部材3の針先が通過する。前述したように、領域S1では尿道壁の下面である尿道1300が挿入部411に吸着され、領域S2では膣前壁が挿入部511に吸着されているため、領域S1、S2の間では尿道壁と膣壁とがより広く離間している。そのため、このような領域に穿刺部材3を通過させることによって、穿刺部材3をより安全に穿刺することができる。
領域S2は、上面511aの幅方向のほぼ全域にわたっている。領域S2の幅W2としては、特に限定されないが、9〜49mm程度であるのが好ましく、19〜39mm程度であるのがより好ましい。これにより、膣壁の形状にあまり影響を受けずに、膣前壁をより確実に挿入部511に吸着させることができる。特に、患者によっては、図17(a)に示すように、膣前壁1410の一部が膣内へ垂れ下がったような形状の膣1400を有している場合がある。このような場合でも、上記のような幅W2とすれば、図17(b)に示すように、垂れ下がった部分のみならず、垂れ下がった部分の両側の部分も確実に吸引することができる。そのため、膣の形状に影響を受けずに、より確実に膣前壁を尿道から離間させることができる。特に、本実施形態では、挿入部511が扁平形状をなしているため、膣前壁をより尿道から遠ざけるように吸着することができ、尿道壁と膣壁との間の生体組織をより広く広げることができる。
また、挿入部511には、穿刺装置1の穿刺ルートを確認することのできるマーカー(穿刺位置確認部)57が設けられている、つまり、マーカー57の存在する位置の上面に存在する膣壁と尿道壁の間を穿刺するように穿刺装置を固定することができる。そのため、挿入具6の操作性および安全性が向上する。マーカー57は、少なくとも、挿入部511の下面511bに設けられている。下面511bは、挿入状態にて、膣口側を向き、膣口を介して術者が視認できる面であるため、下面511bにマーカー57を設けることによって、より確実に、穿刺装置1の穿刺ルートを確認することができる。また、挿入部511の膣への挿入深さを確認することもできる。なお、マーカー57としては、外部から視認できれば良く、例えば、着色部、凹凸部等により構成することができる。
非挿入部512は、尿道挿入部41とほぼ平行に延在する細い棒状をなしている。非挿入部512と尿道挿入部41との離間距離Dとしては、特に限定されないが、一般的な女性における尿道口と膣口との離間距離に対応させて、5〜40mm程度であるのが好ましい。
非挿入部512の長さ(膣口と支持部50の離間距離)としては、特に限定されないが、100mm以下程度であるのが好ましく、20〜50mm程度であるのがより好ましい。これにより、非挿入部512を適切な長さとすることができ、操作性が向上する。仮に、非挿入部512の長さが上記上限値を超えると、フレーム2の構成等によっては、穿刺装置1の重心が患者から大きく離れてしまい、装着状態での穿刺装置1の安定性が低下する場合がある。
支持部50には、雄ネジ501が設けられており、この雄ネジ501を支持部40の雌ネジ(図示せず)に締め込むことにより、支持部40、50同士が固定される。
膣挿入部材5の構成材料としては、特に限定されず、例えば、尿道挿入部材4と同様に、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような各種金属材料、各種樹脂材料を用いることができる。
以上、穿刺装置1の構成について説明した。
なお、穿刺装置1では、挿入具6を構成する尿道挿入部材4と膣挿入部材5とが着脱自在に構成されていたが、これに限定されず、尿道挿入部材4と膣挿入部材5が着脱不可となっていてもよい。
また、穿刺装置1では、尿道挿入部41が支持部40に対して固定されているが、これに限定されず、尿道挿入部41が支持部40に対して固定される状態と、支持部40に対して軸方向にスライド可能な状態とを選択できるようになっていてもよい。具体的には、例えば、支持部40に設けられたネジを緩めれば、尿道挿入部41が支持部40に対してスライド可能な状態となり、ネジを締め込めば、尿道挿入部41が支持部40に固定された状態となる構成となっていてもよい。この構成によれば、非挿入部412の長さを調節することができるため、より使い勝手のよい挿入具6となる。なお、このことは、膣挿入部51についても同様である。
また、穿刺装置1では、傾斜角θ2が一定となるように各部がフレーム2に固定されているが、これに限定されず、傾斜角θ2が可変となっていてもよい。これにより、患者に合わせて傾斜角θ2を調節することができるため、より使い勝手のよい穿刺装置1となる。
2.穿刺装置1の使用方法
次に、穿刺装置1の使用方法について説明するが、それに先立って、穿刺装置1と共に使用されるインプラント9について説明する。
図18に示すインプラント(生体組織支持用留置物)9は、女性の尿失禁の治療のための埋設可能な器具、すなわち、尿道を支持する器具、例えば、尿道が膣壁側に移動しようとしたときに、その尿道を膣壁から離間する方向への移動を規制するように支持する器具である。このインプラント9としては、例えば、可撓性を有する長尺物を用いることができる。
インプラント9は、インプラント本体(帯状長尺物)91と、インプラント本体91を収容する袋状の包材92とを有している。また、インプラント本体91は、本体部911と、本体部911の片端に連結された帯912とを有している。インプラント9が包材92を備えることによって、インプラント本体91の汚染を効果的に防止することができる。なお、帯912に替えて、ガイドワイヤ、紐、糸等を用いてもよい。
本体部911は、網状をなしており、その全体形状は、帯状をなしている。なお、本体部911は、例えば、線状体を交差させて網状に編んだもの、すなわち、網状の編組体で構成することができる。線状体としては、例えば、その横断面形状が円形のものや、横断面形状が扁平形状のもの、すなわち帯状のもの等が挙げられる。
本体部911、帯912および包材92の構成材料としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等のような生体適合性を有する各種樹脂材料、繊維等を用いることができる。
なお、インプラント9としては、同様の効果を発揮することができれば、前記網状のものに限定されない。このようなインプラント9とシース30とで、骨盤内治療用キットが構成される。
次に、穿刺装置1の操作手順、すなわち、インプラント9を生体内に埋設する際の手順手について説明する。
まず、患者を手術台上で砕石位とし、図19(a)に示すように、挿入具6を患者に装着する。具体的には、まず、尿道挿入部材4の尿道挿入部41を患者の尿道1300内に挿入する。この際、マーカー46で挿入深さを確認し、バルーン42を膀胱1310内に配置する。尿道1300は、所定形状の尿道挿入部41によりその所定形状に矯正される。本実施形態の場合は、直線状の尿道挿入部41によって直線状に尿道が矯正されている。
次に、バルーン42を拡張させるとともに、必要に応じて排出孔471を介して膀胱1310内から尿を排出する。また、膣挿入部材5の膣挿入部51を患者の膣1400内に挿入する。この際、マーカー57で穿刺位置を確認し、適切な深さまで挿入する。そして、雄ネジ501を操作して、支持部40、50を固定する。これにより、患者への挿入具6の装着が完了する。この状態では、非挿入部412、512同士が離間し、さらに、支持部60が尿道口と膣口の間の体表と離間しており、前記体表が露出している。加えて、挿入部511と膣前壁とが離間し、これらの間に隙間(空間)が形成されている場合は、尿道口と膣口と間の体表から、尿道と膣の間の生体組織へ注射器を穿刺するための空間S3が形成される。
次に、吸引ポート45、54に吸引装置を接続し、吸引装置を作動させ、尿道1300を尿道挿入部41に吸着させるとともに、膣前壁を膣挿入部51に吸着させる。例えば、尿道1300が尿道挿入部41にきちんと吸着されれば、吸引孔44が尿道壁によって塞がれるため、吸引ポート45からの吸引が停止または弱まる。同様に、膣前壁が膣挿入部51にきちんと吸着されれば、吸引孔59が膣壁によって塞がれるため、吸引ポート54からの吸引が停止または弱まる。そのため、術者は、吸引ポート45、54からの吸引具合(例えば、吸引により発生する音の大小)から、尿道1300、膣前壁が尿道挿入部41、膣挿入部51にきちんと吸着されているか否かを確認することができる。なお、挿入具6は、機械的に吸着状態を確認する確認機構を有していてもよい。確認機構としては、吸着状態を確認することができれば、特に限定されないが、例えば、吸引ポート54からの流量を測定する流量測定部(負圧計)と、この流量測定部からの測定結果に基づいて吸着がきちんと行われているか否かを判断する判断部とを有する構成とすることができる。
次に、液性剥離を行う。具体的には、図19(b)に示すように、挿入部511と膣前壁1410との間の空間(空間S3)を介して注射器2000の穿刺針を膣前壁1410に穿刺し、尿道1300と膣1400との間(領域S1、S2の間)の生体組織へ、生理食塩水、局所麻酔薬等の液体を注入する。これにより、領域S1、S2の間の生体組織が膨張し、尿道1300が尿道挿入部41に押し付けられ、膣前壁1410が膣挿入部51へ押し付けられる。
ここで、液性剥離中も吸引孔44、59からの吸引を継続して行うのが好ましい。液性剥離によって、尿道1300が尿道挿入部41に押し付けられると、尿道1300が尿道挿入部41にさらに吸着されるため、吸引ポート45からの吸引が停止または弱まる。同様に、膣前壁が膣挿入部51に押し付けられると、膣前壁が膣挿入部51にさらに吸着されるため、吸引ポート45からの吸引が停止または弱まる。したがって、術者は、吸引ポート45、54からの吸引具合から、きちんと液性剥離が行われたか否かを確認することができる。
液性剥離を行い、尿道1300と膣前壁とが十分に離間した状態とした後、図20に示すように、挿入具6にフレーム2を固定する。これにより、穿刺装置1が患者に装着された状態となる。この状態では、骨盤1100と穿刺装置1との位置関係が、図21に示すような状態となる。
次に、例えば、一方の手でフレーム2の連結部23を把持しつつ、他方の手で操作部材7の連結部72を把持し、図22(a)に示すように、操作部材7を反時計回りに回転させる。これにより、穿刺部材3の針体35は、患者の右側の鼠蹊部またはその近傍の部位(第1部位)の体表面Hを穿刺して体内に入り、一方の閉鎖孔1101、尿道1300と膣1400との間、他方の閉鎖孔1102を順に通過した後、左側の鼠蹊部またはその近傍の部位(第2部位)の体表面Hから体外に突出し、最終的に、案内部22内に退避する(図23参照)。
これにより、生体に穿刺部材3が配置されるとともに、前述した原理によって、本体31にアンカー81、82が係合する。そのため、アンカー82が体表面Hに当接することで、本体31の基端部のそれ以上の生体内への挿入が規制される。言い換えれば、本体31の基端が生体外へ露出した状態を確保することができる。
次に、前記穿刺部材3(医療用チューブ組立体10)で生体を穿刺した際、例えば、血管、膀胱、尿道等の傷付けたくない部位を穿刺部材3で穿刺し、傷付けているか否かを確認する。
まず、血管を傷付けている場合は、貫通孔311から本体31の内腔に血液が流入し、その内腔を流れる。術者は、その血液のフラッシュバックを視認することにより、血管を傷付けていることを把握することができる。
また、膀胱や尿道を傷付けているか否かを確認する場合は、例えば、尿道挿入部材4の尿排出ポート48や他の器具を用いて、膀胱に生理食塩水を流入し、腹圧をかける。膀胱や尿道を傷付けている場合は、貫通孔311から本体31の内腔にその生理食塩水が流入し、その内腔を流れる。術者は、その生理食塩水のフラッシュバックを視認することにより、膀胱や尿道を傷付けていることを把握することができる。
なお、血管、膀胱、尿道等を傷付けている場合は、所定の処置を行い、傷付けていない場合は、次の工程に移行する。このようにして、安全に手技を行うことができる。
次に、操作部材7を図22(a)中時計回りに回転させる。この際、穿刺部材3も操作部材7とともに反時計回りに回転しようとするが、アンカー81が体表面Hに当接することによって、それ以上の回転(移動)が防止される。そのため、本体31の先端が生体外へ露出した状態が維持されつつ、挿入部71が穿刺部材3および生体から抜去される。次に、穿刺装置1(穿刺部材3以外の部材)を患者から取り外し、さらに、本体31から針体35を取り外す。これにより、図22(b)に示すように、本体31のみが生体内に配置された状態となる。本体31は、先端側開口(先端部)および基端側開口(基端部)が共に生体外に露出した状態で生体内に配置される。
次に、必要に応じて、本体31の位置を整える。具体的には、本体31を基端側または先端側へずらし、アンカー81、82の生体との位置を左右対称とする。これにより、本体31の中央部S4を、より確実に、尿道1300と膣1400との間に位置させることができる。この状態では、図24に示すように、中央部S4は、その幅方向(長軸J32方向)Wが尿道1300とほぼ平行に配置されている。すなわち、尿道挿入部材4が挿入されて矯正された尿道1300と中央部S4の幅方向Wは、実質的に平行に位置している。
次に、インプラント本体91を包材92から取り出しつつ本体31内に挿入し、図25(a)に示すように、帯912を本体31の基端側開口および先端側開口から突出させた状態とする。このように、本体31内に配設する直前まで、インプラント本体91を包材92に収容することで、インプラント本体91の汚染を防止することができる。なお、前述したように、本体31が扁平形状なしているため、この扁平形状に本体部911の姿勢が倣う。すなわち、図25(b)に示すように、本体部911は、その幅方向が本体31の幅方向と一致するように、本体31内に配置される。尿道1300との関係からは、インプラント本体91は矯正された尿道1300と平行に配置されている。
次に、図26(a)に示すように、露出孔345、346から露出する糸341を切断する。これにより、本体31を先端分割片32と基端分割片33とに分割できる状態となる。なお、露出孔345、346は、アンカー82よりも基端側に位置するため、確実に生体外へ露出するようになっている。そのため、糸341の切断を容易に行うことができる。
次に、尿道挿入部41による尿道1300の吸着と膣挿入部51による膣前壁1410の吸着を停止する。これにより、尿道1300と膣1400の位置や形状が元の自然状態に戻る。
次に、先端分割片32と基端分割片33の接続を解除し、先端分割片32を先端側へ向けて生体から引き抜くとともに、基端分割片33を基端側へ向けて生体から引き抜く。この際、先端分割片32と基端分割片33を反対方向にほぼ同時に移動させ、先端分割片32および基端分割片33をそれぞれその形状に沿うように円弧状に移動させる。これにより、本体31が生体からスムーズに取り除かれる。先端分割片32および基端分割片33を前述のようにして生体から取り除いていくと、本体31により押し広げられていた周囲の組織が元の位置に戻り、インプラント本体91の中央部から両端部に向けて徐々に組織がインプラント本体91に接触していく。前述のように、先端分割片32および基端分割片33をその形状に沿った方向に移動させていることと、本体31がインプラント本体91を十分に低摩擦で移動可能な内部空間を備えることにより、インプラント本体91に不要な引張力が掛からずそのままの状態で留置することができる。これにより、インプラント本体91のテンションの調節が不要になる。以上によって、図26(b)に示すように、インプラント本体91が生体に埋設された状態となる。
インプラント本体91が生体に埋設された状態では、本体部911は、尿道1300と膣1400の間の領域にて、尿道1300とほぼ平行に配置される。そのため、インプラント本体91によって、尿道1300をより広域で支持することができる。
このように、本体31を分割して生体から取り除くことによって、本体31の生体からの抜去を容易に行うことができる。また、アンカー81、82を本体31から除去しなくても、本体31を生体から抜去することができるため、本体31の抜去を容易に行うことができる。また、このような抜去方法によれば、抜去中の分割片32、33が、尿道1300と膣1400の間の領域での本体部911の姿勢にほとんど影響を及ぼさない。
また、尿道挿入部材4が尿道1300に挿入された状態で分割片32、33を生体内から抜去するため、生体内に留置するインプラント本体91により、過度のテンションが尿道1300にかかることを防ぐことが出来る。
次に、尿道挿入部材4を尿道1300から抜去し、膣挿入部材5を膣1400から抜去する。尿道挿入部材4を抜去した後、尿道1300は、自然状態の形状に戻るが、本体部911は組織に埋め込まれているため、自然状態の尿道1300と本体部911と平行の状態を維持することができる。
その後、インプラント本体91の不要な部分を切除し、手技を終了する。
以上説明したように、穿刺装置1によれば、インプラント本体91を生体内に留置する際、その穿刺部材3の穿刺等の低侵襲の手技のみで対応することができ、侵襲の大きい切開等を行わなくてよいので、患者の負担が少なく、また、患者の安全性も高い。また、インプラント本体91を、容易かつ確実に生体内に留置することができる。
また、穿刺部材3により尿道1300および膣1400を避けて生体を穿刺することができ、穿刺部材3が尿道1300、膣1400を穿刺してしまうことを防止することができ、安全である。
また、仮に、穿刺部材3により、血管、膀胱、尿道等を誤穿刺してしまった場合でも、血液等のフラッシュバックにより、その誤穿刺を確認することができ、より安全に手技を行うことができる。
また、従来の膣を切開する場合のようにその切開により生じた傷口からインプラント本体91が膣内に露出してしまうことや、前記傷口から感染してしまう等の合併症が生じることを防止することができ、非常に安全であり、確実にインプラント本体91を埋設することができる。
<第2実施形態>
図27は、本発明の第2実施形態に係る医療用チューブ組立体を示す斜視図である。図28は、図27に示す医療用チューブ組立体の変形例を示す断面図である。
以下、この図を参照して医療用チューブ組立体の第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、主に、穿刺部材の構成が異なること以外は前述した第1実施形態と同様である。
図27に示すように、本実施形態の医療用チューブ組立体10の穿刺部材3Aは、シース30と、挿入部71の先端部である先端部711とで構成されている。すなわち、穿刺部材3Aは、前述した第1実施形態の穿刺部材3において、針体35を挿入部71の先端部である先端部711に変更した構成となっている。また、穿刺部材3に挿入部71を挿入した状態(初期状態)では、挿入部71の先端部である先端部711が本体31の先端側開口から突出している。本体31から突出した先端部711は、穿刺部材3Aの針先(針体)を兼ねる。このように、挿入部71の先端部711が穿刺部材3Aの針体を兼ねることにより、例えば、前述した第1実施形態と比較して、部材点数の削減を図ることができる。また、穿刺部材3を生体に穿刺し、穿刺部材3から挿入部71を抜去すれば、本体31の先端側開口を開放させることができる。すなわち、本実施形態によれば、前述した第1実施形態のように、本体31の先端側開口を開放させるために、針体35を取り外す必要がないため、より円滑に手術を行うことができる。また、挿入部71の外径と本体31の先端側開口の内径とがほぼ同じに設定されているため、本体31に対する挿入部71のずれが防止され、操作性が向上する。
また、本体31の先端部には、その先端側開口からの外径が基端方向に向かって漸増するテーパ部319が設けられている。テーパ部319は、挿入部71の先端部711が生体を穿刺するのに伴って、先端部711に続いて、生体を徐々に拡張するように剥離する剥離部として機能する。
なお、テーパ部319のテーパ角度と先端部711のテーパ角度とは、同じであってもよいが、図27に示すように異なっているのが好ましい。この場合、テーパ部319のテーパ角度が先端部711のテーパ角度よりも小さいのが好ましい。これにより、円滑な穿刺を行うことができる。
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、本実施形態の変形例として、次のような構成が挙げられる。図28に示すように、穿刺部材3Aは、シース30と、挿入部71の先端部である先端部711とで構成されている。すなわち、穿刺部材3Aは、前述した第1実施形態の穿刺部材3において、針体35を挿入部71の先端部711に変更した構成となっている。また、穿刺部材3に挿入部71を挿入した状態(初期状態)では、挿入部71の先端部である先端部711が本体31の先端側開口から突出している。
先端部711は、螺号、嵌合等によって、挿入部71に対して脱離可能に設けられている。また、先端部711は、シース30の先端から突出している針先712を有している。針先712は、シース30に倣った扁平形状をなしている。また、針先712は、先端に向かって横断面積が漸増する面積漸増部712aと、面積漸増部712aの先端側に設けられ、先端に向かって横断面積が漸減する面積漸減部712bとを有している。面積漸増部712aと面積漸減部712bとの境界部712cの短軸は、シース30の先端の短軸よりも長く、境界部712cの長軸は、シース30先端の長軸よりも長い。これにより、実質的に針先712のみで生体内を穿刺することができる。そのため、穿刺抵抗を低減することができ、より円滑に生体への穿刺を行うことができる。なお、境界部712cの短軸は、シース30の先端の短軸と等しくてもよく、境界部712cの長軸は、シース30先端の長軸と等しくてもよい。
なお、前記第2実施形態やその変形例は、後述する各実施形態にも適用することができる。
<第3実施形態>
図29は、本発明の第3実施形態に係る医療用チューブ組立体を示す平面図である。なお、図29では、説明の便宜上、円弧状に延在している穿刺部材を直線的に伸ばして図示し、また、針体、状態維持機構、挿入部の先端部等の図示は省略されている。
以下、この図を参照して医療用チューブ組立体の第3実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図29に示すように、本実施形態の医療用チューブ組立体10では、シース30の本体31は、1本のチューブ状となっている。この場合は、状態維持機構34は、省略される。また、貫通孔311は、螺旋状に配置されている。
この医療用チューブ組立体10では、インプラント本体91を生体内に留置する際は、シース30を抜去する場合、そのシース30を先端側または基端側へ向けて生体から引き抜く。
このような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第4実施形態>
図30は、本発明の第4実施形態に係る医療用チューブ組立体を示す平面図である。なお、図30では、説明の便宜上、円弧状に延在している穿刺部材を直線的に伸ばして図示し、また、針体、状態維持機構、挿入部の先端部等の図示は省略されている。
以下、この図を参照して医療用チューブ組立体の第4実施形態について説明するが、前述した第3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図30に示すように、本実施形態の医療用チューブ組立体10では、シース30の本体31は、外側チューブ371と、外側チューブ371の内周側に配置された内側チューブ372とで構成されている。外側チューブ371と内側チューブ372との間の空間および後述する複数の貫通孔311は、穿刺部材3(医療用チューブ組立体10)が生体を刺通した状態で、液体が流れる流路として機能する。
そして、外側チューブ371の側面に、外側チューブ371と内側チューブ372との間の空間に連通する複数の貫通孔311が形成されている。すなわち、各貫通孔311は、外側チューブの外周面と内周面とを繋いでいる。また、貫通孔311は、本体31の全領域、すなわち、全長に亘って形成されている。これにより、広範囲において血管の誤穿刺を検知することができる。
なお、内側チューブ372の内腔が、本体31の内腔であり、インプラント本体91を生体内に留置する際、その内腔にインプラント本体91が配置される。
この医療用チューブ組立体10では、例えば、穿刺部材3で生体を穿刺した際、血管を誤穿刺してしまった場合、血管の傷口から流出した血液が、貫通孔311から外側チューブ371と内側チューブ372との間の空間に流入し、その空間を流れる。これにより、インプラント本体91が配置される内側チューブ372の内腔を血液等で汚すことを防止することができる。
このような第4実施形態によっても、前述した第3実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第5実施形態>
図31は、本発明の第5実施形態に係る医療用チューブ組立体を示す平面図である。なお、図31では、説明の便宜上、円弧状に延在している穿刺部材を直線的に伸ばして図示し、また、針体、状態維持機構、挿入部の先端部等の図示は省略されている。
以下、この図を参照して医療用チューブ組立体の第5実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図31に示すように、本実施形態の医療用チューブ組立体10では、シース30の本体31は、その軸方向に見て、先端側に配置された先端分割片(第1の分割チューブ)32と、基端側に配置された基端分割片(第2の分割チューブ)33とで構成されており、また、径方向に見て、外側チューブ371と、外側チューブ371の内周側に配置された内側チューブ372とで構成されている。外側チューブ371と内側チューブ372との間の空間は、穿刺部材3(医療用チューブ組立体10)が生体を刺通した状態で、液体が流れる流路として機能する。そして、外側チューブ371の側面に、外側チューブ371と内側チューブ372との間の空間に連通する複数の貫通孔311が形成されている。
なお、内側チューブ372の内腔が、本体31の内腔であり、インプラント本体91を生体内に留置する際、その内腔にインプラント本体91が配置される。
この医療用チューブ組立体10では、例えば、穿刺部材3で生体を穿刺した際、血管を誤穿刺してしまった場合、血管の傷口から流出した血液が、貫通孔311から外側チューブ371と内側チューブ372との間の空間に流入し、その空間を流れる。これにより、インプラント本体91が配置される内側チューブ372の内腔を血液等で汚すことを防止することができる。
このような第5実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第6実施形態>
図32は、本発明の第6実施形態に係る医療用チューブ組立体を示す平面図である。なお、図32では、説明の便宜上、円弧状に延在している穿刺部材を直線的に伸ばして図示し、また、針体、状態維持機構、挿入部の先端部等の図示は省略されている。
以下、この図を参照して医療用チューブ組立体の第6実施形態について説明するが、前述した第4実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図32に示すように、本実施形態の医療用チューブ組立体10では、シース30の本体31の内側チューブ372の外周面に、本体31の軸方向に延長する4つの溝312が形成されている。各溝312は、それぞれ、直線状をなし、本体31の先端から基端まで形成されており、その先端および基端にそれぞれ開放している。また、各溝312は、内側チューブ372の周方向に沿って配置されている。なお、溝312の形状や配置は、図示の構成に限定されず、形状としては、この他、例えば、螺旋状等が挙げられる。また、溝312の数は、4つに限定されず、1つ、2つ、3つ、または5つ以上でもよい。
また、外側チューブ372の側面には、各溝312に連通する複数の貫通孔311が形成されている。本実施形態では、各溝312に対して、それぞれ、複数の貫通孔311が形成されている。また、各貫通孔311は、本体31の中央部に形成されている。
この医療用チューブ組立体10では、各溝312および貫通孔311は、穿刺部材3(医療用チューブ組立体10)が生体を刺通した状態で、液体が流れる流路として機能する。このように、前記流路は、溝312で構成されているので、その流路が確実に確保され、血液等の液体が円滑かつ確実に流れることができる。
このような第6実施形態によっても、前述した第4実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第7実施形態>
図33は、本発明の第7実施形態に係る医療用チューブ組立体を示す平面図である。なお、図33では、説明の便宜上、円弧状に延在している穿刺部材を直線的に伸ばして図示し、また、針体、状態維持機構、挿入部の先端部等の図示は省略されている。
以下、この図を参照して医療用チューブ組立体の第7実施形態について説明するが、前述した第3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図33に示すように、本実施形態の医療用チューブ組立体10では、シース30の本体31の外周面に、本体31の軸方向に延長する4つの溝(凹部)313が形成されている。各溝313は、それぞれ、直線状をなし、本体31の先端から基端まで形成されており、その先端および基端にそれぞれ開放している。また、各溝313は、本体31の周方向に沿って配置されている。これらの溝313は、それぞれ、穿刺部材3(医療用チューブ組立体10)が生体を刺通した状態で、液体が流れる流路として機能する。なお、溝313の形状や配置は、図示の構成に限定されず、形状としては、この他、例えば、螺旋状等が挙げられる。また、溝313の数は、4つに限定されず、1つ、2つ、3つ、または5つ以上でもよい。
このような第7実施形態によっても、前述した第3実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第8実施形態>
図34は、本発明の第8実施形態に係る医療用チューブ組立体を示す平面図である。なお、図34では、説明の便宜上、円弧状に延在している穿刺部材を直線的に伸ばして図示し、また、針体、状態維持機構、挿入部の先端部等の図示は省略されている。
以下、この図を参照して医療用チューブ組立体の第8実施形態について説明するが、前述した第3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図34に示すように、本実施形態の医療用チューブ組立体10では、シース30の本体31の外周面に、本体31の軸方向に延長する4つの溝(凹部)313が形成されている。各溝313は、それぞれ、直線状をなし、本体31の先端から基端まで形成されており、その先端および基端にそれぞれ開放している。また、各溝313は、本体31の周方向に沿って配置されている。なお、溝313は、本体31の全長に亘ってではなく、例えば、本体31の中央部のみに形成されていてもよい。また、溝313の形状や配置は、図示の構成に限定されず、形状としては、この他、例えば、螺旋状等が挙げられる。また、溝313の数は、4つに限定されず、1つ、2つ、3つ、または5つ以上でもよい。
また、各溝313内の底部に、それぞれ、複数の貫通孔311が形成されている。すなわち、各貫通孔311の端部は、溝313内に配置されている。前記溝313により、穿刺部材3が生体を穿刺した際、生体組織で貫通孔311が覆われてしまうことを防止することができ、これにより、血管を誤穿刺して出血が生じた場合、その血液を貫通孔311に確実に導くことができる。
なお、本実施形態では、本体31の内腔が、穿刺部材3(医療用チューブ組立体10)が生体を刺通した状態で、液体が流れる流路として機能するが、各溝313も、それぞれ、前記流路の機能を有する。
このような第8実施形態によっても、前述した第3実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第9実施形態>
図35は、本発明の第9実施形態に係る医療用チューブ組立体を示す平面図である。なお、図35では、説明の便宜上、円弧状に延在している穿刺部材を直線的に伸ばして図示し、また、針体、状態維持機構、挿入部の先端部等の図示は省略されている。
以下、この図を参照して医療用チューブ組立体の第9実施形態について説明するが、前述した第8実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図35に示すように、本実施形態の医療用チューブ組立体10では、シース30の本体31の外周面に、第8実施形態の4つの直線状の溝313に代えて、複数の凹部310が形成されている。また、凹部310は、本体31の中央部に形成されている。そして、各凹部310内の底部に、それぞれ、貫通孔311が形成されている。なお、1つの凹部310に、複数の貫通孔311が形成されていてもよい。また、凹部310は、本体31の全領域、すなわち、全長に亘って形成されていてもよい。
また、凹部310の配置は、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定されるものであるが、本実施形態では、規則的に配置されており、具体的には、本体31の軸方向に等間隔で、かつ、周方向に等間隔に配置されている。なお、凹部310の他の配置としては、例えば、螺旋状に配置する場合、不規則に配置する場合等が挙げられる。
このような第9実施形態によっても、前述した第8実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第10実施形態>
図36は、本発明の第9実施形態に係る医療用チューブ組立体を示す平面図である。なお、図36では、説明の便宜上、円弧状に延在している穿刺部材を直線的に伸ばして図示し、また、針体、状態維持機構、挿入部の先端部等の図示は省略されている。
以下、この図を参照して医療用チューブ組立体の第10実施形態について説明するが、前述した第8実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図36に示すように、本実施形態の医療用チューブ組立体10では、シース30の本体31の外周面に、第8実施形態の4つの直線状の溝313に代えて、螺旋状の溝314が形成されている。また、溝314は、本体31の中央部に形成されている。
なお、溝314は、本体31の全領域、すなわち、全長に亘って形成されていてもよく、また、この場合、貫通孔313は、溝314の全長に亘って形成されていてもよい。
このような第10実施形態によっても、前述した第8実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第11実施形態>
図37は、本発明の第11実施形態に係る医療用チューブ組立体を示す側面図である。図38は、図37に示す医療用チューブ組立体の先端部を示す側面図である。図39は、図38中のB−B線断面図である。図40〜図44は、それぞれ、図37に示す医療用チューブ組立体の使用例を説明するための図である。なお、図37〜図44では、説明の便宜上、状態維持機構等の図示は省略されている。
以下、この図を参照して医療用チューブ組立体の第11実施形態について説明するが、前述した第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、主に、シース30の構成が異なること以外は前述した第2実施形態と同様である。
図37〜図39に示すように、本実施形態の医療用チューブ組立体10は、シース30の本体31の先端部と、挿入部71の先端部711とを離脱可能に連結する連結部である可撓性を有する袋体(凹部)121と、本体31の先端部と挿入部71の先端部711とが連結した状態で、本体31の先端部と挿入部71の先端部711との軸回りの回転を規制する回転規制部(第1の回転規制部)13とを有している。
袋体121は、本体31の先端部に設けられている。この袋体121は、その一端部に開口122を有し、他端部が閉鎖された有底のものである。なお、袋体121は、底が無いものでもよい。袋体121に底が無い場合は、挿入部71の先端部711を外部に露出して配置可能であり、その挿入部71の先端部711で生体を直接穿刺可能であるため、穿刺抵抗が低く、穿刺しやすい。
また、袋体121の形状は、挿入部71の先端部711の形状に対応している。図示の構成では、挿入部71の横断面での形状は、扁平形状をなし、また、袋体121の横断面での形状も、それに対応し、扁平形状をなしている。
挿入部71の先端部711は、開口122から袋体121内に挿入される。これにより、本体31の先端部と、挿入部71の先端部711が連結する。これによって、穿刺部材3が生体を穿刺する際、本体31は、挿入部71とともに移動する。なお、挿入部71は、本体31の内腔には挿入されない。以下、本体31の先端部と挿入部71の先端部711とが連結した状態を「連結状態」とも言う。
また、先端部711および袋体121の横断面での形状は、扁平形状をなしているので、連結状態では、先端部711と袋体121とが、本体31の先端部および先端部711の軸回りの回転方向に係合し、本体31の先端部と挿入部71の先端部711との軸回りの回転が規制される。これにより、穿刺部材3が生体を穿刺する際、本体31は、挿入部71と並んで移動する。これによって、挿入部71の先端部711の移動軌跡と同様の位置に、確実に本体31を配置することができる。
なお、袋体121により、第1の係合部が構成され、挿入部71の先端部711により、その第1の係合部と係合する第2の係合部が構成される。また、袋体121と挿入部71の先端部711とにより、回転規制部13が構成される。このように本実施形態では、回転規制部13は、本体31および挿入部71の先端部に設けられている。
なお、本体31の横断面形状が扁平形状をなす場合、回転規制部13は、本体31の横断面での長軸J32と、尿道挿入部材4の軸とが平行になるように本体31と挿入部71との軸回りの回転を規制する。
また、袋体121の構成材料としては、特に限定されず、例えば、樹脂材料、紙、金属材料等が挙げられる。
また、本体31の軸方向の長さは、挿入部71の軸方向の長さよりも方が長い。これは、挿入部71が本体31の内腔に挿入されないことで実現できることである。これにより、例えば、太った患者に対しても対応することができる。すなわち、本体31の軸方向の長さを適宜設定することにより、様々の体型の患者に対して、インプラント本体91を、容易かつ確実に生体内に留置することができる。なお、本体31の軸方向の長さを、挿入部71の軸方向の長さと同一にしてもよく、また、挿入部71の軸方向の長さよりも短くしてもよいことは、言うまでもない。
また、本体31は、その本体31が生体内に挿入された状態(生体を刺通した状態)で、その本体31の湾曲および内腔を維持可能なように硬質であることが好ましい。
また、本体31の少なくとも一部は、可撓性を有していることが好ましい。図示の構成では、本体31の中央部S4の近傍の部位が可撓性を有している。これにより、穿刺部材3が生体を穿刺する際、本体31が挿入部71に追従し易くなる。
また、本体31の先端部には、マーカー141が設けられている。このマーカー141は、本体31の中央部S4からマーカー141までの距離と、中央部S4から基端までの距離とが等しくなるように配置されている。このマーカー141により、後述するように、本体31の中央部S4を確実に尿道と膣との間に配置することができる。
次に、穿刺装置1の操作手順の主要な工程について、第1および第2実施形態との相違点を中心に説明する。
まず、操作部材7を操作して(図20参照)、図37に示す状態の医療用チューブ組立体10を患者に穿刺する(図40、図41参照)。この際、本体31の先端部と挿入部71の先端部711とが連結した状態で、挿入部71と本体31が並んで生体内に挿入される。
次に、図42に示すように、本体31の先端部または袋体121を把持し、引っ張り、本体31をさらに先端方向に移動させる。これにより、挿入部71は、袋体121から離脱する。
次に、図43に示すように、操作部材7を操作して、挿入部71を生体から抜去する。
次に、マーカー141の高さが本体31の基端の高さと等しくなるように、本体31の位置を調整する。これにより、本体31の中央部S4が尿道と膣との間に配置される。
次に、図43に示すように、本体31の先端部を、例えば、マーカー141の箇所で切断する。以上で、本体31が生体内に配置される。なお、本体部31は、マーカー141の位置で、そのマーカー141より先端側の部位と基端側の部位とに分かれるように、前記先端側の部位が前記基端側の部位から取り外せるようになっていてもよい。
以上説明したように、穿刺装置1によれば、シース30の本体31の長さを挿入部71の長さよりも長くすることができるので、本体31の長さを適宜設定することにより、例えば、太った患者等、様々の体型の患者に対して、インプラント本体91を、容易かつ確実に生体内に留置することができる。
また、インプラント本体91を生体内に留置する際、その穿刺部材3の穿刺等の低侵襲の手技のみで対応することができ、侵襲の大きい切開等を行わなくてよいので、患者の負担が少なく、また、患者の安全性も高い。
また、穿刺部材3により尿道1300および膣1400を避けて生体を穿刺することができ、穿刺部材3が尿道1300、膣1400を穿刺してしまうことを防止することができ、安全である。
また、従来の膣を切開する場合のようにその切開により生じた傷口からインプラント本体91が膣内に露出してしまうことや、前記傷口から感染してしまう等の合併症が生じることを防止することができ、非常に安全であり、確実にインプラント本体91を埋設することができる。
なお、本実施形態では、挿入部71がシース30を押圧して移動させるように構成されているが、これに限定されず、例えば、挿入部71がシース30を牽引して移動させるように構成されていてもよい。
<第12実施形態>
図45は、本発明の第12実施形態に係る医療用チューブ組立体の先端部を示す側面図である。図46は、図45中のC−C線断面図である。なお、図45では、説明の便宜上、状態維持機構等の図示は省略されている。
以下、この図を参照して医療用チューブ組立体の第12実施形態について説明するが、前述した第11実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図45および図46に示すように、本実施形態の医療用チューブ組立体10では、第1実施形態と同様に、穿刺部材3は、シース30と、シース30の先端に設けられた針体35とを有している。なお、この構成については、第1実施形態で述べたので、その説明は省略する。
また、針体35には、連結部として、凹部123が形成されている。この凹部123の形状は、挿入部71の先端部711の形状に対応している。図示の構成では、挿入部71の先端部711の横断面での形状は、四角形をなし、また、凹部123の横断面での形状も、それに対応し、四角形をなしている。
挿入部71の先端部711は、凹部123内に挿入される。これにより、本体31の先端部と挿入部71の先端部711が、針体35を介して間接的に連結する。また、連結状態では、先端部711と凹部123とが、本体31の先端部および先端部711の軸回りの回転方向に係合し、本体31の先端部と挿入部71の先端部711との軸回りの回転が規制される。
なお、凹部123により、第1の係合部が構成され、挿入部71の先端部711により、その第1の係合部と係合する第2の係合部が構成される。また、凹部123と挿入部71の先端部711とにより、回転規制部13が構成される。
このような第12実施形態によっても、前述した第11実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第13実施形態>
図47は、本発明の第13実施形態に係る医療用チューブ組立体の途中の部位を示す断面図である。
以下、この図を参照して医療用チューブ組立体の第13実施形態について説明するが、前述した第11、第12実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図47に示すように、本実施形態の医療用チューブ組立体10では、シース30の本体31の軸方向の途中の部位には、その外周面が内側(中心側)に向って湾曲することにより、溝(凹部)151が形成されている。また、挿入部71の先端部711よりも基端側の部位の横断面での形状は、円形をなしており、その挿入部71が溝151に係合し得るようになっている。
これにより、穿刺部材3が生体を穿刺する際、挿入部71と溝151とが係合し、挿入部71と本体31との軸回りの回転が規制される。なお、溝151と、挿入部71の前記溝151と係合する部位とにより、挿入部71と本体31との軸回りの回転を規制する第2の回転規制部が構成される。このように本実施形態では、第2の回転規制部は、本体31および挿入部71の側面に設けられている。なお、第2の回転規制部は、医療用チューブ組立体10の先端部よりも基端側の部位の全長に亘って設けられていてもよく、また、一部に設けられていてもよい。
このような第13実施形態によっても、前述した第11、第12実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第14実施形態>
図48は、本発明の第14実施形態に係る医療用チューブ組立体の途中の部位を示す断面図である。
以下、この図を参照して医療用チューブ組立体の第14実施形態について説明するが、前述した第11、第12実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図48に示すように、本実施形態の医療用チューブ組立体10では、シース30の本体31の軸方向の途中の部位の外周面には、溝(凹部)152が形成されている。また、挿入部71の先端部711よりも基端側の部位の横断面での形状は、円形をなしている。また、挿入部71の軸方向の途中の部位の外周面には、溝152と係合し得るリブ(凸部)713が形成されている。
これにより、穿刺部材3が生体を穿刺する際、挿入部71のリブ713と溝151とが係合し、挿入部71と本体31との軸回りの回転が規制される。なお、溝151と、リブ713とにより、挿入部71と本体31との軸回りの回転を規制する第2の回転規制部が構成される。このように本実施形態では、第2の回転規制部は、本体31および挿入部71の側面に設けられている。なお、第2の回転規制部は、医療用チューブ組立体10の先端部よりも基端側の部位の全長に亘って設けられていてもよく、また、一部に設けられていてもよい。
このような第14実施形態によっても、前述した第11、第12実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第15実施形態>
図49は、本発明の第15実施形態に係る医療用チューブ(医療用チューブ組立体)を示す断面図である。図50〜図52は、それぞれ、図49に示す医療用チューブ(医療用チューブ組立体)の使用例を説明するための図である。なお、図49〜図52では、説明の便宜上、状態維持機構等の図示は省略されている。
以下、この図を参照して医療用チューブ組立体の第15実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図49および図51に示すように、本実施形態のシース30は、本体31と、針体35と、状態維持機構34と、本体31の先端部に設けられ、本体31の中央部に対して拡径した拡径部16とを有している。この拡径部16は、拡径・縮径可能である。なお、拡径部16は、本体31の基端部に設けられていてもよく、また、本体31の先端部および基端部のそれぞれに設けられていてもよい。また、拡径部16は、本体31と別体であってもよく、また、一体的に形成されていてもよい。以下、拡径部16について説明する。
拡径部16は、骨部材161と、骨部材161に支持され、可撓性を有するシート164とを有している。骨部材161は、直線状をなし、弾性変形可能な複数の骨部162と、各骨部162の基端部を支持する環状の支持部163とを備えている。支持部163は、本体31の先端部に本体31の軸方向に移動可能に設置されており、各骨部162は、支持部163の周方向に沿って、等間隔で配置されている。なお、各骨部162と支持部163とは、一体的に形成されていてもよく、また、別体であってもよい。また、シート164は、その裏側が各骨部162に固定されている。
まずは、図51に基づいて、拡径部16が拡径した状態を説明する。各骨部162は、それぞれ、外力が付与されていない自然状態で、本体31(支持部163)の軸方向から見たとき、先端部が基端部よりも外側に位置し、骨部162全体で見ると、先端部が基端部よりも外側に広がっている。また、各骨部162は、それぞれ、本体31の先端部よりも先端側、すなわち、本体31の外部に位置している。なお、各骨部162の基端部は、本体31内に位置していてもよい。そして、この状態で、シート164は、先端部が基端部よりも拡径した筒状をなすように、各骨部162に固定されている。なお、拡径部16の内径は、本体31の軸方向に沿って本体31から離間する方向に向って漸増している。
また、各骨部162の構成材料としては、弾性変形可能なものであれば、特に限定されないが、例えば、Ni−Ti合金等の超弾性合金が好ましい。
また、シート164の構成材料としては、可撓性を有するものであれば、特に限定されず、例えば、柔軟な樹脂材料、紙等が挙げられる。
このような拡径部16は、図49および図50に示すように、本体31の先端部の内腔に、縮径した状態、すなわち、各骨部162が弾性変形した状態で、本体31の軸方向に沿って移動可能に収納されている。
なお、各骨部162は、縮径した拡径部16を拡径する方向に付勢する付勢部として機能する。また、本体31の先端部は、前記付勢部の付勢力に抗して、拡径部16を縮径した状態に保持する保持部として機能する。
また、針体35は、本体31の先端部に、着脱自在に装着されている。また、針体35と、拡径部16の先端部とは、糸142で連結されている。なお、糸142の先端部は、針体35の基端部に固定または支持され、基端部は、拡径部16の先端部に固定または支持されている。
前記針体35を本体31の先端部から離脱させる際は、針体35を本体31の先端部から離脱させた後、さらに針体35を先端方向に引っ張ると、糸142を介して針体35により、拡径部16の先端部が先端方向に引っ張られ、拡径部16は、本体31内から外部に突出する。これにより、各骨部162が、その弾性力により、自然状態に復元し、拡径部16が拡径する。このように、針体35は、拡径部16を拡径する操作を行う操作部を兼ねており、針体35を本体31の先端部から離脱させる離脱操作に連動して、拡径部16が拡径する。なお、拡径部16が、本体31の先端部から突出し、拡径することで、本体31の全長が延長する。
次に、穿刺装置1の操作手順の主要な工程について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
まず、図49に示すように、操作部材7を操作して(図20参照)、医療用チューブ組立体10を患者に穿刺する。
次に、図50に示すように、操作部材7を操作して、挿入部71を生体から抜去する。以上で、本体31が生体内に配置される。
次に、図51に示すように、針体35を本体31の先端部から離脱させ、その針体35を先端方向に引っ張る。これにより、糸142を介して針体35により、拡径部16の先端部が先端方向に引っ張られ、拡径部16は、本体31内から外部に突出する。これによって、各骨部162が、その弾性力により、自然状態に復元し、拡径部16が拡径する。
次に、図52に示すように、インプラント本体91を変径形16から本体31内に挿入する。この際、変径形16が拡径しているので、インプラント本体91を容易かつ円滑に本体31内に挿入することができる。
以上説明したように、穿刺装置1によれば、拡径部16を有しているので、本体31の径を小さくしても、本体31内にインプラント本体91を容易かつ確実に挿入することができ、これにより、インプラント本体91を、容易かつ確実に生体内に留置することができる。
また、本体31の径を小さくすることにより、患者の負担を軽減することができる。
また、インプラント本体91を生体内に留置する際、その穿刺部材3の穿刺等の低侵襲の手技のみで対応することができ、侵襲の大きい切開等を行わなくてよいので、患者の負担が少なく、また、患者の安全性も高い。
また、穿刺部材3により尿道1300および膣1400を避けて生体を穿刺することができ、穿刺部材3が尿道1300、膣1400を穿刺してしまうことを防止することができ、安全である。
また、従来の膣を切開する場合のようにその切開により生じた傷口からインプラント本体91が膣内に露出してしまうことや、前記傷口から感染してしまう等の合併症が生じることを防止することができ、非常に安全であり、確実にインプラント本体91を埋設することができる。
<第16実施形態>
図53は、本発明の第16実施形態に係る医療用チューブ(医療用チューブ組立体)を示す図であり、(a)は、断面図、(b)は、(a)中のD−D線断面図である。図54は、図53に示す医療用チューブ(医療用チューブ組立体)の使用例を説明するための図であり、(a)は、断面図、(b)は、(a)中のE−E線断面図である。なお、図53および図54では、説明の便宜上、状態維持機構等の図示は省略されている。
以下、この図を参照して医療用チューブ組立体の第16実施形態について説明するが、前述した第15実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図53および図54に示すように、本実施形態のシース30では、拡径部16は、可撓性および弾性変形可能なシート165を有している。
まずは、図54に基づいて、拡径部16が拡径した状態を説明する。シート165は、外力が付与されていない自然状態で、先端部が基端部よりも拡径した筒状をなしている。また、シート165は、縮径した状態から自己の復元力(弾性力)で拡径し得るようになっている。
また、シート165の構成材料としては、可撓性および弾性変形可能なものであれば、特に限定されず、例えば、柔軟な樹脂材料、紙等が挙げられる。
このようなシート165、すなわち拡径部16は、図53に示すように、本体31の先端部の内腔に、縮径した状態、すなわち、円筒状に丸められた状態で、本体31の軸方向に沿って移動可能に収納されている。
なお、シート165は、シート165自身、すなわち、縮径した拡径部16を拡径する方向に付勢する付勢部として機能する。
前記針体35を本体31の先端部から離脱させる際は、針体35を本体31の先端部から離脱させた後、さらに針体35を先端方向に引っ張ると、糸142を介して針体35により、拡径部16の先端部が先端方向に引っ張られ、拡径部16は、本体31内から外部に突出する。これにより、シート165が、その復元力により、自然状態に復元し、シート165、すなわち、拡径部16が拡径する。
このような第16実施形態によっても、前述した第15実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第17実施形態>
図55は、本発明の第17実施形態に係る医療用チューブ(医療用チューブ組立体)を示す断面図である。図56は、図55に示す医療用チューブ(医療用チューブ組立体)の使用例を説明するための図である。図57は、図55に示す医療用チューブ(医療用チューブ組立体)の使用例を説明するための図であり、(a)は、断面図、(b)は、(a)中のF−F線断面図である。図58は、図55に示す医療用チューブ(医療用チューブ組立体)の使用例を説明するための図であり、(a)は、断面図、(b)は、(a)中のG−G線断面図である。なお、図55〜図58では、説明の便宜上、状態維持機構等の図示は省略されている。
以下、この図を参照して医療用チューブ組立体の第17実施形態について説明するが、前述した第15実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図57および図58に示すように、本実施形態のシース30は、拡径部16は、
チューブ状の部材を径方向に2分割してなり、弾性変形可能な1対の分割片166および167と、分割片166と分割片167の一方の端部同士を連結し、可撓性を有する連結シート168と、分割片166と分割片167の他方の端部同士を連結し、可撓性を有する連結シート169とを備えている。分割片166、167の基端は、それぞれ、本体31の先端に固定されているなお、分割片166、167と、本体31とは、一体的に形成されていてもよく、また、別体であってもよい。
まずは、図58に基づいて、拡径部16が拡径した状態を説明する。分割片166、167は、それぞれ、外力が付与されていない自然状態で、本体31の軸方向から見たとき、先端部が基端部よりも外側に位置し、分割片166、167全体で見ると、先端部が基端部よりも外側に広がっている。
また、分割片166、167の構成材料としては、弾性変形可能なものであれば、特に限定されず、例えば、柔軟な樹脂材料等が挙げられる。
また、分割シート168、169の構成材料としては、可撓性を有するものであれば、特に限定されず、例えば、柔軟な樹脂材料、紙等が挙げられる。
このような拡径部16は、図57に示すように、縮径した状態、すなわち、分割片166、167が弾性変形した状態で、その拡径部16の先端部に、針体35が着脱自在に装着されている。すなわち、針体35は、本体31の先端部に、拡径部16を介して間接的に装着されている。また、拡径部16は、針体35が装着されることにより、縮径した状態に保持されている。したがって、針体35は、保持部を兼ねる。また、分割片166、167は、縮径した拡径部16を拡径する方向に付勢する付勢部として機能する。
前記針体35が拡形部16から離脱すると、分割片166、167が、その弾性力により、自然状態に復元し、拡径部16が拡径する。
また、基端分割片33の基端部には、糸143が接続されている。
次に、穿刺装置1の操作手順の主要な工程について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
まず、図55に示すように、操作部材7を操作して(図20参照)、医療用チューブ組立体10を患者に穿刺する。
次に、図56に示すように、先端分割片32のみをさらに先端方向に移動させる。
次に、図57に示すように、操作部材7を操作して、挿入部71を生体から抜去する。以上で、本体31が生体内に配置される。
次に、図58に示すように、針体35を本体31の先端部から離脱させる。これにより、分割片166、167が、その弾性力により、自然状態に復元し、拡径部16が拡径する。
次に、インプラント本体91を変径形16から本体31内に挿入する。この際、変径形16が拡径しているので、インプラント本体91を容易かつ円滑に本体31内に挿入することができる。
このような第17実施形態によっても、前述した第15実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第18実施形態>
図59は、本発明の第18実施形態に係る医療用チューブを示す斜視図であり、図(a)は、先端分割片と基端分割片とを組み立てた状態を示す斜視図、(b)は、先端分割片と基端分割片とを互いに分割した状態を示す斜視図である。図60は、図59に示す医療用チューブの使用例を説明するための図である。図61は、図59中のH−H線断面図である。
なお、以下では、説明の便宜上、図59〜図61中の右側を「先端」、左側を「基端」、上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図59〜図61では、説明の便宜上、円弧状に延在しているシース(医療用チューブ)を直線的に伸ばして図示している。また、図59〜図61では、説明の便宜上、状態維持機構等の図示は省略されている。
以下、この図を参照して医療用チューブ組立体の第18実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図59に示すように、本実施形態のシース30では、本体31の先端分割片32は、先端分割片32の基端分割片33側の端部(基端部)に、その端部よりも柔軟な柔軟部(第1の柔軟部)17を有している。この柔軟部17は、先端分割片32のうちで最も柔軟な部位である。
また、基端分割片33は、基端分割片33の先端分割片32側の端部(先端部)に、その端部よりも柔軟な柔軟部(第2の柔軟部)18を有している。
また、基端分割片33は、基端分割片33の先端分割片32と反対側の端部(基端部)に、その端部よりも柔軟な柔軟部(第3の柔軟部)19を有している。この柔軟部19および前記柔軟部18は、それぞれ、基端分割片32のうちで最も柔軟な部位である(柔軟部18は、基端分割片33の柔軟部18よりも中央部側の部位より柔軟であり、柔軟部19は、基端分割片33の柔軟部19よりも中央部側の部位より柔軟である)。なお、本実施形態では、柔軟部18と柔軟部19の柔軟の度合いは同じであるが、異なっていてもよい。
なお、柔軟部19に代えて、先端分割片32が、先端分割片32の基端分割片33と反対側の端部(先端部)に、先端側分割片32の中央部よりも柔軟、すなわち最も柔軟な柔軟部(第4の柔軟部)を有していてもよく、また、柔軟部19および前記第4の柔軟部がそれぞれ設けられていてもよい。
また、柔軟部17は、弾性を有し、先端分割片32の中心軸を介して対向配置され、互いに離間する方向に弾性変形し得る1対の舌片(第1の舌片)171、172を有している。
また、柔軟部18は、弾性を有し、基端分割片33の中心軸を介して対向配置され、互いに離間する方向に弾性変形し得る1対の舌片(第2の舌片)181、182を有している。
また、柔軟部19は、弾性を有し、基端分割片33の中心軸を介して対向配置され、互いに離間する方向に弾性変形し得る1対の舌片(第3の舌片)191、192を有している。
図61に示すように、柔軟部18の舌片181と舌片182は、長軸J32の方向に沿って並んでいる。
また、柔軟部18は、基端分割片33の中央部側から先端分割片32側の端部側(先端側)に向って柔軟の度合いが漸増する部位(中央部側に向って柔軟の度合いが漸減する部位)を有している。本実施形態では、図61に示すように、舌片182の厚さが基端側から先端側に向って漸減し、同様に、舌片181の厚さが基端側から先端側に向って漸減している。
また、柔軟部17の舌片171と舌片172は、長軸J32の方向に沿って並んでいる。
また、柔軟部17は、先端分割片32の中央部側から基端分割片33側の端部側(基端側)に向って柔軟の度合いが漸増する部位(中央部側に向って柔軟の度合いが漸減する部位)を有している。本実施形態では、舌片172の厚さが先端側から基端側に向って漸減し、同様に、舌片171の厚さが先端側から基端側に向って漸減している。
また、柔軟部19の舌片191と舌片192は、長軸J32の方向に沿って並んでいる。
また、柔軟部19は、基端分割片33の中央部側から先端分割片32と反対側の端部側(基端側)に向って柔軟の度合いが漸増する部位(中央部側に向って柔軟の度合いが漸減する部位)を有している。本実施形態では、舌片192の厚さが先端側から基端側に向って漸減し、同様に、舌片191の厚さが先端側から基端側に向って漸減している。
柔軟部17、18、19の構成材料としては、特に限定されず、例えば、柔軟な樹脂材料等が挙げられる。
なお、先端分割片32の柔軟部17と柔軟部17以外の部位とで、構成材料が同一でもよく、また、異なっていてもよい。同様に、基端分割片33の柔軟部18、19と柔軟部18、19以外の部位とで、構成材料が同一でもよく、また、異なっていてもよい。
これらの柔軟部17〜19は、それぞれ、インプラント本体91と接触する際に変形する。すなわち、柔軟部17〜19は、それぞれ、インプラント本体91から力を受けた時にその力を逃がす方向に変形する。
具体的には、図60に示すように、先端分割片32と基端分割片33とを分割して、本体31内からインプラント本体91を排出する際は、基端分割片33の柔軟部18の各舌片181、182が互いに離間する方向、すなわち、長軸J32の方向に開くように弾性変形し、同様に、先端分割片32の柔軟部17の各舌片171、172が互いに離間する方向、すなわち、長軸J32の方向に開くように弾性変形する。これにより、本体31内からインプラント本体91を容易、円滑かつ確実に排出させることができる。
また、本体31の基端部から本体31内にインプラント本体91を挿入する際は、基端分割片33の柔軟部19の各舌片191、192が互いに離間する方向に弾性変形する。これにより、基端分割片33の基端部から本体31内にインプラント本体91を容易、円滑かつ確実に挿入することができる。
なお、本体31は、その本体31が生体内に挿入された状態(生体を刺通した状態)で、その本体31の湾曲および内腔を維持可能なように硬質であることが好ましい。また、本体31は、先端分割片32と基端分割片33とが接続された状態で、全長に亘って本体31の内腔が連通する。
以上説明したように、穿刺装置1によれば、本体31の基端部に柔軟部19を有しているので、本体31の基端部から本体31内にインプラント本体91を容易、円滑かつ確実に挿入することができ、これにより、インプラント本体91を、容易かつ確実に生体内に留置することができる。
また、先端分割片32が、先端分割片32の基端分割片33側の端部に柔軟部17を有し、基端分割片33が、基端分割片33の先端分割片32側の端部に柔軟部18を有しているので、本体31内からインプラント本体91を容易、円滑かつ確実に排出させることができ、これにより、インプラント本体91を、容易かつ確実に生体内に留置することができる。
また、インプラント本体91を生体内に留置する際、その穿刺部材3の穿刺等の低侵襲の手技のみで対応することができ、侵襲の大きい切開等を行わなくてよいので、患者の負担が少なく、また、患者の安全性も高い。
また、穿刺部材3により尿道1300および膣1400を避けて生体を穿刺することができ、穿刺部材3が尿道1300、膣1400を穿刺してしまうことを防止することができ、安全である。
また、従来の膣を切開する場合のようにその切開により生じた傷口からインプラント本体91が膣内に露出してしまうことや、前記傷口から感染してしまう等の合併症が生じることを防止することができ、非常に安全であり、確実にインプラント本体91を埋設することができる。
<第19実施形態>
図62は、本発明の第19実施形態に係る医療用チューブを示す斜視図である。図63は、図62に示す医療用チューブの使用例を説明するための図である。なお、以下では、説明の便宜上、図62および図63中の右側を「先端」、左側を「基端」、上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図62および図63では、説明の便宜上、円弧状に延在しているシース(医療用チューブ)を直線的に伸ばして図示している。また、図62および図63では、説明の便宜上、状態維持機構等の図示は省略されている。
以下、この図を参照して医療用チューブ組立体の第19実施形態について説明するが、前述した第18実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図62に示すように、本実施形態のシース30では、柔軟部18の舌片181と舌片182は、単軸J31の方向に沿って並んでいる。同様に、柔軟部17の舌片171と舌片172は、単軸J31の方向に沿って並んでおり、また、柔軟部19の舌片191と舌片192は、単軸J31の方向に沿って並んでいる。
先端分割片32と基端分割片33とを分割して、本体31内からインプラント本体91を排出する際は、基端分割片33の柔軟部18の各舌片181、182が互いに離間する方向、すなわち、単軸J31の方向に開くように弾性変形し、同様に、先端分割片32の柔軟部17の各舌片171、172が互いに離間する方向、すなわち、単軸J31の方向に開くように弾性変形する。これにより、本体31内からインプラント本体91を容易、円滑かつ確実に排出させることができる。
このような第19実施形態によっても、前述した第18実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第20実施形態>
図64は、本発明の第20実施形態に係る医療用チューブを示す断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図64中の右側を「先端」、左側を「基端」、上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図64では、説明の便宜上、円弧状に延在しているシース(医療用チューブ)を直線的に伸ばして図示している。また、図64では、説明の便宜上、状態維持機構等の図示は省略されている。
以下、この図を参照して医療用チューブ組立体の第20実施形態について説明するが、前述した第19実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図64に示すように、本実施形態のシース30では、柔軟部18の舌片181、182の互いに対向する面に、それぞれ、複数の切り込み183が形成されている。
各切り込み183は、長軸J32の方向に延在し、基端分割片33の軸方向に沿って並設されている。
また、隣り合う切り込み183の間の間隔は、基端側から先端側に向って漸減している。これにより、柔軟部18は、柔軟の度合いは、基端側から先端側に向って漸増する。
なお、柔軟部17、19も同様に、切り込み(図示せず)が形成されている。
このような第20実施形態によっても、前述した第19実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、第20実施形態は、第18実施形態、第21実施形態にも適用することができる。
<第21実施形態>
図65は、本発明の第21実施形態に係る医療用チューブを示す斜視図である。なお、以下では、説明の便宜上、図65中の右側を「先端」、左側を「基端」、上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図65では、説明の便宜上、円弧状に延在しているシース(医療用チューブ)を直線的に伸ばして図示している。また、図65では、説明の便宜上、状態維持機構等の図示は省略されている。
以下、この図を参照して医療用チューブ組立体の第21実施形態について説明するが、前述した第18実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図65に示すように、本実施形態のシース30では、本体31は、1本のチューブ状となっている。そして、本体31は、基端部に、その基端部よりも柔軟な柔軟部19を有している。この柔軟部19は、本体31のうちで最も柔軟な部位である(柔軟部19は、本体312の柔軟部19よりも中央部側の部位より柔軟である)。また、柔軟部19は、弾性を有し、本体31の中心軸を介して対向配置され、互いに離間する方向に弾性変形し得る1対の舌片191、192を有している。
また、柔軟部19の舌片191と舌片192は、長軸J32の方向に沿って並んでいる。
また、柔軟部19は、本体部31の中央部側から基端側に向って柔軟の度合いが漸増する部位を有している。本実施形態では、舌片192の厚さが先端側から基端側に向って漸減し、同様に、舌片191の厚さが先端側から基端側に向って漸減している。
なお、柔軟部19は、本体31の先端部に設けられていてもよく、また、本体31の先端部および基端部のそれぞれに設けられていてもよい。
このような第21実施形態によっても、前述した第18実施形態と同様の効果を奏することができる。
以上、本発明の医療用チューブを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、前記実施形態では、針体が本体に着脱自在に保持されているが、これに限定されず、例えば、本体と針体とが一体形成されている等、針体が本体に固定されていてもよい。この場合には、穿刺部材を生体に穿刺し、針体を生体外へ突出させた後、鋏等を用いて針体を切断することによって、本体の先端側開口を開放させることができる。
また、シースの本体の形状は、前記実施形態の形状に限定されず、例えば、直線状をなしていてもよく、また、横断面での外形形状が円形等であってもよい。
また、シースの本体は、先端分割片(第1の分割チューブ)と基端分割片(第2の分割チューブ)とに分離可能な構成でもよく、また、先端側と基端側とに分離できない構成、すなわち、本体が1本のチューブ状となっていてもよい。
また、シースの本体の構成材料は、硬質材料に限らず、例えば、軟質材料であってもよい。
また、挿入部の形状は、前記実施形態の形状に限定されず、例えば、直線状をなしていてもよい。
また、前記実施形態では、シースが穿刺部材の一部として構成されているが、これに限定されない。すなわち、先に、何らかの手段を用いて生体に形成された貫通孔内に、シースを挿入するようにして用いてもよい。前述した第1実施形態と対応させて具体的に説明すると、穿刺部材3を省略した穿刺装置1を用意し、挿入部71を穿刺部材として、その先端部711を患者の右側の鼠蹊部に穿刺し、一方の閉鎖孔、尿道と膣との間、他方の閉鎖孔を順に通過した後、左側の鼠蹊部から体外に突出させる。次に、挿入部71を内部に挿入し、挿入部71に沿わせてシース30(本体31)を体内に進め、両端が体表面Hから突出した状態とする。次に、挿入部71を体内から抜去する。これにより、シース30が生体内に配置される。そして、シース30内にインプラント本体を配置し、シース30を体内から抜去すれば、前述した実施形態と同様に、インプラント本体を生体内に留置することができる。
また、例えば、挿入部71の先端部711を患者の右側の鼠蹊部に穿刺し、一方の閉鎖孔、尿道と膣との間、他方の閉鎖孔を順に通過した後、左側の鼠蹊部から体外に突出させた後、先端部711に、シース30の先端部を固定する。次に、先端部711を逆方向に回転させ、挿入部71を体内から抜去するとともに、シース30を生体内に留置する。そして、シース30内にインプラント本体を配置し、シース30を体内から抜去すれば、前述した実施形態と同様に、インプラント本体を生体内に留置することができる。
また、前記実施形態では、穿刺部材の本体を生体内に配置した後、本体内にインプラント本体を挿入する構成について説明したが、これに限定されず、インプラント本体が初めから穿刺部材(本体)内に収容されていてもよい。この場合、例えば、インプラント本体が有する2本の糸のうちの針先側に位置する糸を針先に固定しておくのが好ましい。これにより、本体から針先を取り外すと、それとともに、前記糸を本体外へ突出させることができる。そのため、その後のインプラント本体の配置の微調整等を円滑に行うことができる。
また、前記実施形態では、穿刺装置を女性の尿失禁の治療のための埋設可能なインプラントを生体内に埋設する際に用いる装置に適用した場合について説明したが、穿刺装置の用途は、それに限定されるものではない。
例えば、本発明は、骨盤底筋群の弱体化にともなう、***障害(尿意切迫感、頻尿、尿失禁、便失禁、尿閉、排尿困難など)、骨盤臓器脱、膀胱膣婁、尿道膣婁、骨盤痛などを含む骨盤底疾患が適用対象に含まれる。骨盤臓器脱には、膀胱瘤、小腸瘤、直腸瘤、子宮脱、などの疾患が含まれる。あるいは、脱している膣壁部位によって分類される呼び方である前方膣壁脱、後方膣壁脱、膣断端脱、膣円蓋部脱、などの疾患が含まれる。
また、過可動組織には、膀胱、膣、子宮、腸などが含まれる。微可動組織には、骨、筋肉、筋膜、靭帯などが含まれる。特に骨盤底疾患においては、閉鎖筋膜、尾骨筋膜、基靭帯、仙骨子宮靭帯、仙棘(せんきょく)靭帯、などが含まれる。
骨盤底疾患における、過可動組織を微可動組織に連結する手技には、恥骨後式スリング手術、経閉鎖孔スリング手術(transobturator sling surgery, transobturator tape; TOT)、経膣メッシュ手術(Tension-free Vaginal Mesh; TVM)、仙骨子宮靭帯を利用した挙上術(Uterosacral Ligament Suspension; USLS)、仙棘靭帯を利用した固定術(Sacrospinous Ligament Fixation; SSLF)、腸骨尾骨筋膜を利用した固定術、尾骨筋膜を利用した固定術、などが含まれる。
1 穿刺装置
10 医療用チューブ組立体
2 フレーム
21 軸受部
211 貫通孔
22 案内部
221 案内溝
222 先端側開口
223 基端側開口
23 連結部
24 固定部
243 凹部
244 雄ネジ
3 穿刺部材
3A 穿刺部材
30 シース
31 本体
310 凹部
311 貫通孔
312 溝
313 溝
314 溝
315 係合孔
316 係合孔
317 係合孔
318 係合孔
319 テーパ部
32 先端分割片
321 先端側開口
322 基端側開口
33 基端分割片
331 先端側開口
332 基端側開口
34 状態維持機構
34C 状態維持機構
34D 状態維持機構
34E 状態維持機構
34F 状態維持機構
34G 状態維持機構
34H 状態維持機構
341 糸
341a 結び目
341b 結び目
342a 孔
342b 孔
342c 孔
342d 孔
342e 孔
342f 孔
342g 孔
342h 孔
342i 孔
342j 孔
342k 孔
342l 孔
343a 突起
343b 突起
344 スタイレット
345 露出孔
346 露出孔
347 スリット
347a 部分
347b 部分
348 孔
349 糸
35 針体
351 針先
352 基端部
352a 孔
353 係合部
36 脆弱部
361 ミシン目
371 外側チューブ
372 内側チューブ
38 ワイヤー
381 先端フック
382 基端フック
39 ワイヤー
4 尿道挿入部材
40 支持部
41 尿道挿入部
411 挿入部
412 非挿入部
42 バルーン
43 バルーンポート
44 吸引孔
45 吸引ポート
46 マーカー
47 尿排出部
471 排出孔
48 尿排出ポート
5 膣挿入部材
50 支持部
501 雄ネジ
51 膣挿入部
511 挿入部
511a 上面
511b 下面
512 非挿入部
53 凹部
54 吸引ポート
57 マーカー
59 吸引孔
6 挿入具
60 支持部
7 操作部材
71 挿入部
711 先端部
712 針先
712a 面積漸増部
712b 面積漸減部
712c 境界部
713 リブ
72 連結部
73 軸部
81 アンカー(第2アンカー)
811 基部
812 挿通孔
813 爪部
814 爪部
82 アンカー(第1アンカー)
821 基部
822 挿通孔
823 爪部
824 爪部
9 インプラント
91 インプラント本体
911 本体部
912 帯
92 包材
121 袋体
122 開口
123 凹部
13 回転規制部
141 マーカー
142 糸
143 糸
151 溝
152 溝
16 拡径部
161 骨部材
162 骨部
163 支持部
164 シート
165 シート
166 分割片
167 分割片
168 連結シート
169 連結シート
17 柔軟部
171 舌片
172 舌片
18 柔軟部
181 舌片
182 舌片
183 切り込み
19 柔軟部
191 舌片
192 舌片
1100 骨盤
1101 閉鎖孔
1102 閉鎖孔
1200 恥骨結合
1300 尿道
1310 膀胱
1400 膣
1410 膣前壁
2000 注射器
A1 内周部
A2 外周部
A3 表面
A4 裏面
D 離間距離
H 体表面
J1 軸
J2 軸
J31 短軸
J32 長軸
J32’ 延長線
J5 中心軸
f1 平面
f2 平面
f9 平面
L2 長さ
O 中心
P 交点
S1 領域
S2 領域
S3 空間
S4 中央部
S5 セーフティゾーン
r1 最少曲率半径
r2 最大曲率半径
W 幅
W1 幅
W2 幅
θ1 傾斜角
θ2 傾斜角
θ3 傾斜角
θ4 中心角
θ5 角

Claims (9)

  1. 生体内に留置されるインプラントが挿入され、チューブ状の本体を有する医療用チューブであって、
    前記本体の少なくとも一方の端部に、拡径部を有することを特徴とする医療用チューブ。
  2. 前記拡径部は、拡径・縮径可能である請求項1に記載の医療用チューブ。
  3. 前記拡径部を拡径する方向に付勢する付勢部と、
    前記付勢部の付勢力に抗して、前記拡径部を縮径した状態に保持する保持部とを有する請求項2に記載の医療用チューブ。
  4. 縮径した状態の前記拡径部を拡径する操作を行う操作部を有する請求項2または3に記載の医療用チューブ。
  5. 縮径した状態の前記拡径部を拡径する際、前記本体の全長が延長する請求項2ないし4のいずれか1項に記載の医療用チューブ。
  6. 前記拡径部と前記本体とは別体である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の医療用チューブ。
  7. 前記拡径部と前記本体とは一体的に形成されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の医療用チューブ。
  8. 前記本体の先端部に直接または間接的に着脱自在に装着された針体を有し、
    前記拡径部は、前記本体の先端部に縮径した状態で配置されており、前記針体を前記本体から離脱させる離脱操作により拡径する請求項2ないし5のいずれか1項に記載の医療用チューブ。
  9. 前記拡径部の内径は、前記本体の軸方向に沿って該本体から離間する方向に向って漸増している請求項1ないし8のいずれか1項に記載の医療用チューブ。
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