JP2015059869A - 蛍光センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】測定精度が高い蛍光センサ10を提供する。【解決手段】蛍光センサ10は、遮光層21と、インジケータ22と、基板部31と、基板部31の下面を覆う透明層32と、透明層32の下に配設された、第1の主面33SAと第2の主面33SBとを貫通する貫通孔33Hがあり、第2の主面33SBにインジケータが発生する蛍光を検出するPD素子41が形成されており、貫通孔33Hの壁面33HWに、励起光を検出するPD素子42が形成されている半導体層33と、貫通孔33Hを介してインジケータ22に受光される励起光を発生するLED素子23と、を具備する。【選択図】図12

Description

本発明は、液体中のアナライトの濃度を計測する蛍光センサに関し、特に半導体製造技術及びMEMS技術を用いて作製された微小蛍光光度計である蛍光センサに関する。
液体中のアナライトすなわち被計測物質の濃度を測定するための様々な分析装置が開発されている。例えば、蛍光色素とアナライトを含む被計測溶液とを透明容器に注入し、励起光を照射し蛍光色素からの蛍光強度を計測することによりアナライト濃度を計測する蛍光光度計が知られている。蛍光色素は、励起光を受光するとアナライト濃度に対応した強度の蛍光を発生する
小型の蛍光光度計は、光源と光検出器と蛍光色素を含有したインジケータとを有している。そして、被計測溶液中のアナライトが出入り自在なインジケータに光源からの励起光を照射し、インジケータが発生する蛍光を光検出器が受光する。光検出器は光電変換素子であり、受光強度に応じた電気信号を出力する。光検出器からの電気信号をもとに溶液中のアナライト濃度が算出される。
近年、微量試料中のアナライトを計測するために、半導体製造技術及びMEMS技術を用いて作製される微小蛍光光度計が提案されている。以下、微小蛍光光度計のことを「蛍光センサ」と呼ぶ。
例えば、図1及び図2に示す蛍光センサ110が国際公開第2010/119916号パンフレットに開示されている。蛍光センサ110の主機能部であるセンサ部120は、光電変換素子141が形成されているシリコン基板133と、透明中間層132と、フィルタ層151と、発光素子123と、透明保護層132Aと、インジケータ122と、遮光層121と、を有する。アナライト9は、遮光層121を通過して、インジケータ122に出入りする。フィルタ層151は励起光を遮断し蛍光を透過する。発光素子123は蛍光を透過する。
蛍光センサ110では、発光素子123が発生した励起光がインジケータ122に入射すると、インジケータ122はアナライト濃度に応じた強度の蛍光を発生する。
インジケータ122が発生した蛍光の一部は、発光素子123とフィルタ層151とを通過し、光電変換素子141に入射し光電変換される。なお、発光素子123が光電変換素子141の方向(下方向)出射した励起光は、フィルタ層151により蛍光強度と比較して計測上問題ないレベルまで減光される。蛍光センサ110は、構成が単純で小型化が容易である。
しかし、蛍光センサ110は、インジケータ122と光電変換素子141との間に発光素子115を実装するため、製造が容易ではないことがあった。
さらに、蛍光強度は、励起光強度に依存しているため、発光素子115が発生する蛍光強度が変化すると、正確な計測が容易ではないおそれがあった。
国際公開第2010/119916号パンフレット
本発明の実施形態は、測定精度が高い蛍光センサを提供することを目的とする。
本発明の一態様の蛍光センサは、アナライトが通過する、励起光及び蛍光を遮断する遮光層と、前記励起光を受光すると前記アナライトの濃度に応じた強度の蛍光を発生するインジケータと、上面の開口が前記遮光層に覆われ、前記インジケータが内部に配設されている第1貫通孔のある基板部と、前記第1貫通孔の下面を覆う透明層と、前記透明層の下に配設された、第1の主面と第2の主面とを貫通する第2貫通孔があり、一方の主面に前記インジケータが発生する前記蛍光を検出する第1受光部が形成されており、他方の主面及び前記第2貫通孔の壁面の少なくともいずれかに、前記励起光を検出する第2受光部が形成されている半導体層と、前記第2貫通孔の下側に配設された、前記第2貫通孔を介して前記インジケータに受光される前記励起光を発生する発光素子と、を具備する。
本発明の実施形態によれば、測定精度が高い蛍光センサを提供できる。
従来の蛍光センサのセンサ部の断面図である。 従来の蛍光センサのセンサ部の分解図である。 第1実施形態の蛍光センサを有するセンサシステムの斜視図である。 第1実施形態の蛍光センサのセンサ部の分解図である。 第1実施形態の蛍光センサのSOI基板の斜視図である。 第1実施形態の蛍光センサのSOI基板の、図5のVI−VI線に沿った断面図である。 第1実施形態の蛍光センサの製造方法を説明するための断面図である。 第1実施形態の蛍光センサの製造方法を説明するための断面図である。 第1実施形態の蛍光センサの製造方法を説明するための断面図である。 第1実施形態の蛍光センサの製造方法を説明するための断面図である。 第1実施形態の蛍光センサの製造方法を説明するための断面図である。 第1実施形態の蛍光センサの製造方法を説明するための断面図である。 第2実施形態の蛍光センサの断面図である。 第3実施形態の蛍光センサの断面図である。
<第1実施形態>
最初に、本発明の第1実施形態の蛍光センサ10を含むセンサシステム1について説明する。図3に示すように、センサシステム1は、蛍光センサ10と、本体部2と、本体部2からの信号を受信し記憶するレシーバー3と、を有する。本体部2とレシーバー3との間の信号の送受信は無線又は有線で行われる。
蛍光センサ10は、被検体に穿刺される針部12と、針部12の後端部と接合されたコネクタ部11と、からなる。針部12とコネクタ部11とは、同一材料により一体形成されていてもよいし、別々に作製され接合されていてもよい。
コネクタ部11は、本体部2の嵌合部2Aと着脱自在に嵌合する。蛍光センサ10の針部12の先端部に配設された主機能部であるセンサ部20から延設された複数の配線(不図示)は、コネクタ部11が本体部2の嵌合部2Aと機械的に嵌合することにより、本体部2と電気的に接続される。本体部2は、センサ部20の駆動及び制御などを行う制御部2Bと、センサ部20から出力された信号を処理する演算部2Cと、を有する。なお、制御部2B又は演算部2Cの少なくともいずれかが、蛍光センサ10のコネクタ部11等に配設されていてもよいし、レシーバー3に配設されていてもよい。
蛍光センサ10は、センサ部20を体内に挿入後、所定期間、例えば、1週間、継続してアナライト濃度を測定可能な針型センサである。しかし、センサ部20を体内に挿入しないで、採取した体液、又は体外の流路を介して体内と循環する体液を、体外においてセンサ部20と接触させてもよい。
図示しないが、本体部2は、レシーバー3との間で無線信号を送受信するための無線アンテナと、電池等と、をさらに有する。レシーバー3との間の信号を有線にて送受信する場合には、本体部2は無線アンテナに代えて信号線を有する。なお、本体部2が必要な容量のメモリ部を有する場合にはレシーバー3はなくてもよい。
<センサ部の構造>
次に、図4を用いて、蛍光センサ10の主要機能部であるセンサ部20の構造について説明する。なお、図は、いずれも説明のための模式図であり、縦横の寸法比等は実際とは異なっており、一部の構成要素を図示しない場合もある。また、図に示すZ軸方向を上方向という。
蛍光センサ10は、SOI(Silicon on Insulator)基板30を主要構成要素として有する。SOI基板30は、活性層(SOI層)が、埋め込みシリコン酸化膜(Buried Oxide:BOX層)を介して、半導体基板上に配設されている。以下、SOI基板30の活性層を半導体層33、BOX層を透明層32、半導体基板を基板部31という。シリコンからなる半導体層33の厚さは数μm〜100μmであり、光透過率の高い酸化シリコンからなる透明層32の厚さは1μm〜数10μmであり、単結晶シリコンからなる基板部31の厚さは10μm〜数百μmである。
そして、蛍光センサ10のセンサ部20は、遮光層21と、インジケータ22と、SOI基板30と、発光素子であるLED素子23と、漏光防止層24とを具備する。SOI基板30は、基板部31と、透明層32と、第2貫通孔33Hがある半導体層33と、を有する。
遮光層21は、アナライト9は自在に通過可能だが、励起光及び蛍光は遮断される。インジケータ22は、励起光を受光するとアナライトの濃度に応じた強度の蛍光を発生する。基板部31には、
上面の開口が遮光層21に覆われ、インジケータ22が内部に配設されている第1貫通孔31Hがある。励起光及び蛍光が透過する透明層32は、基板部31の第1貫通孔31Hの下面を覆っている。透明層32の下に配設された半導体層33の第2貫通孔33Hは、第1の主面と第2の主面とを貫通している。そして、一方の主面にインジケータ22が発生する蛍光を検出する第1受光部が形成されており、他方の主面、又は、第2貫通孔33Hの壁面に励起光を検出する第2受光部が形成されている。第2貫通孔33Hの下側に配設されたLED23は、第2貫通孔33Hを介してインジケータ22に受光される励起光を発生する。
遮光層21は、厚さが数10μm程度である。遮光層21は、励起光及び蛍光が外部へ漏光するのを防止すると同時に、外光が内部に進入するのを防止する。また、遮光層21はアナライト9の通過を妨げないアナライト透過性も有している。
SOI基板30の基板部31には第1の貫通孔31Hが形成されており、半導体層33には第2の貫通孔33Hが形成されている。すなわち、貫通孔31Hは基板部31を貫通しており、貫通孔33Hは半導体層33を貫通しているが、底面はともに透明層32の凹部(ビア)である。貫通孔33H、31Hは基板部31のXY平面内の同一領域内に形成されており両者は透明層32を介して接している。
SOI基板30の貫通孔31Hの内部に充填されたインジケータ22は、進入してきたアナライト9との相互作用により励起光を受光すると蛍光を発生する。インジケータ22の厚さは、貫通孔31Hの深さ、すなわち、基板部31の厚さと同じで、10μm〜数百μmである。インジケータ22は、内部に進入したアナライト9の量、すなわち被計測溶液中のアナライト濃度に応じた強度の蛍光を発生する蛍光色素が含まれたベース材料から構成されている。
LED素子23は、光出射面が半導体層33の貫通孔33Hの開口を覆っていれば、貫通孔33Hを導光路として透明層32を介して貫通孔31Hに配設されたインジケータ22に励起光が照射される。なお、LED素子23の電極23Tは、図示しないが、半導体層33の第2の主面33SBに絶縁層を介して配設されている配線と接続されており、配線はコネクタ部11まで延設されている。
LED素子23の底面(光出射面と対向する面)及び壁面を覆うように配設された漏光防止層24は、底面及び壁面から出射される励起光、及び、半導体層33の表面で反射した励起光が外部に漏光するのを防止する。すなわち、漏光防止層24は遮光層21と類似した機能を有するが、アナライト透過性は必要ない。
後述するように、SOI基板30とLED素子23とは接合層25により接合されている(図12参照)。接合層25は、PD素子41、42を保護する機能も有する。接合層25は貫通孔33Hの内部にも充填されていてもよい。逆に、接合層25を貫通孔33Hの開口の直下領域に形成しなくてもよい。
接合層25は、電気的絶縁性を有すること、水分遮断性を有すること、励起光に対して良好な透過率を有すること、などの特性を有する接着材料から選択される。接合層25としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、透明な非晶性フッ素樹脂等の有機樹脂、あるいはシリコン酸化膜やシリコン窒化膜などの透明無機材料、さらにはこれらの複合積層膜が使用可能である。
そして、図5及び図6に示すように、蛍光センサ10のSOI基板30の半導体層33には、光を電気信号に変換する受光部であるフォトダイオード(Photo Diode:PD)素子41、42が形成されている。
すなわち、半導体層33の第2の主面33SBの貫通孔33Hの周囲には、第1の受光部であるPD素子41が形成されており、貫通孔33Hの壁面33HWには第2の受光部であるPD素子42が形成されている。PD素子41は、蛍光を検出するための第1受光部であるのに対して、PD素子42は励起光を検出するための第2の受光部である。
なお、図示しないが、PD素子41、42は、第2の主面33SBに絶縁層を介して配設されている配線と接続されており、配線はコネクタ部11まで延設されている。
PD素子41は励起光を遮断するフィルタ(不図示)で覆われていることが好ましい。なお、フィルタは必須の構成要素ではないが、検出感度向上ために配設されていることが好ましい。
蛍光センサ10では、PD素子41の信号とPD素子42の信号とからアナライト濃度が算出される。すなわち、蛍光強度を示すPD素子41の信号が、励起光強度を示すPD素子42の信号により補正される。励起光強度と蛍光強度とアナライト濃度との関係は、例えば、演算部2Cに予め記憶されている。
蛍光センサ10は、励起光強度が変化しても精度の高い測定が可能である。
さらに、PD素子41が形成されている第2の主面33SBとは異なる面である、貫通孔33Hの壁面33HWに、PD素子42が形成されている。このため、PD素子42形成のためにPD素子41の受光面積を小さくする必要がない。このため、蛍光センサ10は高感度である。
また、PD素子42は、壁面33HWから半導体層33に進入する光により発生する余剰キャリアを電気信号に変換するため、PD素子41のS/N比を向上する効果も有する。すなわち、PD素子42は励起光により発生したキャリアが、内部に拡散することを防止する機能も有する。
さらに、蛍光センサ10は、SOI基板30を用いているため、製造が容易である。また、含水したインジケータ22が、貫通孔31Hの内部に封止されているため、PD素子41、42、及びLED素子23等の電気配線が悪影響を受けにくい。
<蛍光センサの製造方法>
次に、図7〜図12を用いて、蛍光センサ10の製造方法について説明する。なお、図7〜図12は1個の蛍光センサ10のセンサ部20の領域の部分断面図であるが、実際の工程では、ウエハプロセスとして一括して多数の蛍光センサ10が作製された後に個々の蛍光センサに個片化される。
最初に、図7に示すように、SOI基板30の半導体層33の第2の主面33SBに、貫通孔33Hを形成するための開口のあるマスク30M1が配設される。
そして、半導体層33の第2の主面33SBにエッチングが行われ、貫通孔33Hが形成される。エッチングには公知の各種の方法を用いることができる。特に、透明層32のエッチング速度が半導体層33のエッチング速度に比べて非常に遅い選択性エッチング方法が好ましい。透明層32が、いわゆるエッチングストップ層となり、貫通孔33Hは半導体層33を貫通し底面が透明層32の貫通ビアとなる。
図8に示すように、PD素子41、42を所定領域に形成するためのマスク30M2が配設される。そして、図9に示すように、通常の半導体プロセスを用いて、PD素子41、42が形成される。半導体層33がN型半導体の場合、PD素子41、42はボロン拡散によりP型半導体の拡散層が形成される。なお、図示しないが、受光部と対になる半導体層33の低抵抗領域には、リン又はヒ素等が導入される。
光電変換素子としては、フォトコンダクタ(光導電体)素子、又はフォトトランジスタ(Photo Transistor)素子などでもよい。
なお、図5に示したPD素子42は貫通孔33Hの4つの壁面に形成されている。このため、貫通孔33Hを取り囲むように形成されているPD素子41には壁面から入射した光による悪影響が及ぶことがない。
そして、図示しないが、PD素子41を覆うようにフィルタが形成される。なお、フィルタ形成前に、シリコン酸化膜等の透明保護膜を形成しておいてもよい。
次に、図10に示すように、貫通孔33Hと同様の形成方法により、基板部31に貫通孔31Hが形成される。
そして、図11に示すように、貫通孔31Hにインジケータ22が充填され、開口が遮光層21で封止される。
インジケータ22は、蛍光色素を含有したハイドロゲル、又は、蛍光色素が結合されたハイドロゲルからなる。蛍光色素は、アナライト9の種類に応じて選択され、アナライト9の量に応じて発生する蛍光の強度が可逆的に変化する蛍光色素ならば、どのようなものにも使用できる。蛍光センサ10は、グルコースのような糖類を測定するために、蛍光色素には、ルテニウム有機錯体、蛍光フェニルボロン酸誘導体、又は蛋白と結合したフルオレセイン等のグルコースと可逆結合する物質等を用いる。
含水し易いハイドロゲルの成分としてはメチルセルロースもしくはデキストランなどの多糖類、(メタ)アクリルアミド、メチルアクリルアミド、もしくはヒドルキシエチルアクリレート等のモノマーを重合して作製するアクリレート系ハイドロゲル、又はポリエチレングリコールとジイソシアネートから作製するウレタン系ハイドロゲルなどを用いることができる。
インジケータ22は、シランカップリング剤などの接着層を介して、貫通孔31Hの壁面、上面の遮光層21又は貫通孔31Hの底面25B等と接合されていてもよい。
なお、貫通孔31Hに重合前のゲル骨格形成材を含むインジケータを充填し、遮光層21で開口を覆った後に、重合させてインジケータ22を作製してもよい。例えば、蛍光色素と、ゲル骨格形成材と、重合開始剤と、を含むリン酸緩衝液を、貫通孔31Hの内部に入れ、窒素雰囲気下で1時間放置すると、インジケータ22が作製される。蛍光色素としては、9、10−ビス[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[6‘−[(アクリロイルポリエチレングリコール−3400)カルボニルアミノ]−n−ヘキシルアミノ]メチル]−2−アセチルアントラセン(F−PEG−AAm)を、ゲル骨格形成材としては、アクリルアミドを、重合開始剤としては、ペルオキソ二硫酸ナトリウム及びN、N、N’、N‘−テトラメチルエチレンジアミンを用いる。
遮光層21には、サブミクロンサイズのポア構造からなる、金属、セラミック等の無機薄膜又は、ポリイミドもしくはポリウレタン等の有機ポリマーの基材にカーボンブラックが混入されたハイドロゲル類とのコンポジット構造、又は、セルロース類もしくはポリアクリルアミド等のアナライト透過性ポリマーにカーボンブラックを混入した樹脂、又は、それらを積層化した樹脂等を用いることができる。
励起光の透明層32の表面での反射を防止するためには、貫通孔33Hに充填する接合層25の屈折率を、透明層32の屈折率と略同等にすることが好ましい。
そして、図12に示すように、LED素子23が接合層25を介してSOI基板30に接合される。
LED素子23は、有機EL素子、無機EL素子、又はレーザダイオード素子などの発光素子が形成されたチップの中から選択される。そして、LED素子23は、光発生効率、励起光の波長選択性の広さ、及び励起光以外の波長の光を僅かしか発生しないことなどの観点からは、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)が好ましい。
接合層25は、例えば樹脂を塗布し硬化処理を行うことで作製される。なお樹脂を塗布する表面にCVD法等により、予め透明なSiO層又はシリコン窒化層等を配設しておいてもよい。
LED素子23がSOI基板30に接合されるときに、同時に、LED素子23の駆動信号の電極23Tは、配線(不図示)と電気的に接続される。LED素子23とSOI基板30とは物理的接合と同時に、電気的接合も行われるため、蛍光センサ10は作製が容易である。そして、接合層25は電気的接続部を封止する封止部材の機能も有している。
次に、LED素子23の下面及び壁面に、漏光防止層24が配設される。漏光防止層24は、遮光層21と同じ材料でもよいし、カーボンブラックを配合した有機樹脂、金属、又は、これらの材料からなる多層膜又は複合膜でもよい。なお、漏光防止層24が予め配設されたLED素子23をSOI基板30に接合してもよい。
なお、漏光防止層24として、アルミニウム又は銀等の反射率の高い金属膜を用いると、LED素子23の底面及び壁面から放射される励起光を、上方すなわちインジケータ22の方向に反射する反射膜としての機能を付与することもできる。
また、漏光防止層24を、SOI基板30の下面全体、壁面及び遮光層21に覆われていない上面等のセンサ部20の外面にも配設してもよい。
以上の説明のように、蛍光センサ10は、SOI基板30を用いるため、製造が容易であり、かつ、ウエハプロセスにより一括大量生産が可能である。このため、蛍光センサ10は、安価に安定した品質を提供できる。
<蛍光センサの動作>
次に、蛍光センサ10の動作を説明する。
LED素子23は、例えば30秒に1回の間隔で中心波長が375nm前後の励起光をパルス発光する。例えば、LED素子23へのパルス電流は1mA〜100mAであり、発光のパルス幅は1ms〜100msである。
LED素子23が発生した励起光は、貫通孔33Hの底面を構成する透明層32を透過してインジケータ22に入射する。インジケータ22は、アナライト9の濃度に対応した強度の蛍光を発する。なお、アナライト9は遮光層21を通過して、インジケータ22に進入する。インジケータ22の蛍光色素は、例えば、波長375nmの励起光に対して、より長波長の例えば波長460nmの蛍光を発生する。
インジケータ22が発生した蛍光は、透明層32と、PD素子41の透明層32側の薄い半導体層33と、を通過して、PD素子41に入射する。すなわち、すでに説明したように、PD素子41は半導体層33の表面から不純物が導入された拡散層であり、透明層32側に薄い半導体層33が残っている。半導体層33の蛍光透過率は高くはないため、透明層32側に残った半導体層33の厚さは、10μm以下であることが好ましく、特に好ましくは3μm以下である。蛍光はPD素子41で光電変換され、生じた光発生電荷は検出信号として出力される。
一方、LED素子23が発生した励起光の一部は、貫通孔33Hの壁面33HWに形成されたPD素子42に入射し、検出信号が出力される。
壁面33HWに入射した励起光による光発生電荷は、PD素子42により検出信号となるため、PD素子41に悪影響を及ぼすことがない。
そして、蛍光センサ10では、本体部2の演算部2Cが検出信号、すなわち、PD素子41、42からの光発生電荷に起因する電流、又は蓄積した光発生電荷に起因する電圧をもとに演算処理を行い、アナライト量を算出する。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の蛍光センサ10A及び蛍光センサ10Aを有するセンサシステム1Aについて説明する。蛍光センサ10A等は蛍光センサ10等と類似しているので同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
図13に示すように、蛍光センサ10Aでは、シリコンからなる基板部31の貫通孔31Hの壁面に、蛍光検出する第3受光部であるPD素子43が形成されている。そして、PD素子43は、図示しない励起光を遮断し蛍光を透過するフィルタで覆われていることが好ましい。
フィルタは、誘電体多層膜等の多重干渉型でもよいが、好ましくは、吸収型であり、例えばシリコン、炭化シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン、もしくは有機材料等からなる単層層、又は前記単層層を積層した多層層である。例えば、シリコン層及び炭化シリコン層は、励起光波長の375nmでは透過率は10−5%以下であるのに対して、蛍光波長の460nmでは透過率10%以上と、(励起光波長の透過率/蛍光波長の透過率)の比として6桁以上の透過率選択性を有する。
PD素子43は、貫通孔31Hを形成後に、PD素子42等と同様の方法により形成される。なお、PD素子43は、貫通孔31Hの壁面の少なくとも一部に形成されていればよい。
蛍光センサ10A等は蛍光センサ10の効果を有し、さらに効率的に蛍光を電気信号に変換できるため、より高精度である。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態の蛍光センサ10B及び蛍光センサ10Bを有するセンサシステム1Bについて説明する。蛍光センサ10B等は蛍光センサ10等と類似しているので同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
図14に示すように、蛍光センサ10Bでは、蛍光を検出する第1受光部であるPD素子41Bが半導体層33の第1の主面33SAに形成されており、励起光を検出する第2受光部であるPD素子42Bが半導体層33の第2の主面33SBに形成されている。
蛍光センサ10Bでは、SOI基板30Bの作製時に、まずPD素子41Bが形成される。すなわち、基板部31に、透明層32を配設した後に、所定厚のシリコン層が配設される。すでに説明したのと同じ方法で不純物がドープされ所定厚のPD素子41Bが形成される。そして、PD素子41Bの上に、さらにシリコン層が配設され、PD素子42Bが形成される。
なお、貫通孔33Hを形成後に、PD素子42Bを形成してもよい。このとき、貫通孔33Hの壁面にまで、励起光照度モニタであるPD素子42Bが形成されていてもよい。
インジケータ22が発生した蛍光は、透明層32を介してPD素子41Bに入射する。一方、LED素子23が発生した励起光は、接合層25を介してPD素子42Bに入射する。そして、それぞれのPD素子で発生したキャリアは、それぞれのPD素子において信号となるため、別のPD素子に悪影響を及ぼすことがない。なお、PD素子41BとPD素子42Bとに印加するバイアス電圧を変えることで、検出する光の波長に応じた信号を効率的に出力できる。
蛍光センサ10B等は、蛍光センサ10と同様の効果を有する。
なお、蛍光センサ10Bにおいて、蛍光センサ10Aと同じように、貫通孔31Hの壁面に第3のPD素子を形成してもよい。
また、上記説明では、グルコース等の糖類を検出する蛍光センサ10等を例に説明したが、蛍光色素の選択によって、酵素センサ、pHセンサ、免疫センサ、又は微生物センサ等の多様な用途に対応できる。例えば、蛍光色素に、生体内の水素イオン濃度又は二酸化炭素を測定する場合には、ヒドロキシピレントリスルホン酸誘導体などを用い、糖類を測定する場合には蛍光残基を有するフェニルボロン酸誘導体などを用い、カリウムイオンを測定する場合には蛍光残基を有するクラウンエーテル誘導体などを用いる。
すなわち、本発明は、上述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等ができる。
1、1A、1B…センサシステム
2…本体部
3…レシーバー
9…アナライト
10、10A、10B…蛍光センサ
20…センサ部
21…遮光層
22…インジケータ
23…LED素子
24…漏光防止層
25…接合層
30…SOI基板
31…基板部
31H…貫通孔
32…透明層
33…半導体層
33H…貫通孔
41〜43…PD素子

Claims (4)

  1. アナライトが通過する、励起光及び蛍光を遮断する遮光層と、
    前記励起光を受光すると前記アナライトの濃度に応じた強度の蛍光を発生するインジケータと、
    上面の開口が前記遮光層に覆われ、前記インジケータが内部に配設されている第1貫通孔のある基板部と、
    前記第1貫通孔の下面を覆う透明層と、
    前記透明層の下に配設された、第1の主面と第2の主面とを貫通する第2貫通孔があり、一方の主面に前記インジケータが発生する前記蛍光を検出する第1受光部が形成されており、他方の主面及び前記第2貫通孔の壁面の少なくともいずれかに、前記励起光を検出する第2受光部が形成されている半導体層と、
    前記第2貫通孔の下側に配設された、前記第2貫通孔を介して前記インジケータに受光される前記励起光を発生する発光素子と、を具備することを特徴とする蛍光センサ。
  2. 前記半導体層が、活性層が酸化膜を介して支持基板に配設されているSOI基板の前記活性層であり、
    前記基板部が、前記SOI基板の前記支持基板であり、
    前記透明層が、前記SOI基板の前記酸化膜であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光センサ。
  3. 前記第1受光部の信号及び前記第2受光部の信号から、前記アナライト濃度が算出されることを特徴とする請求項2に記載の蛍光センサ。
  4. 前記基板部の前記第1貫通孔の壁面に、前記蛍光を検出する第3受光部が形成されており、
    前記第1受光部の信号、前記第2受光部の信号及び前記第3受光部の信号から、前記アナライト濃度が算出されることを特徴とする請求項3に記載の蛍光センサ。
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