JP2015059092A - シリコーン変性双性イオン化合物とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機溶媒への溶解性が高い新規シリコーン変性双性イオン化合物を提供する。【解決手段】式(1)で表される、同一分子内に4級アンモニウムイオンのカチオン部位とスルホン酸イオンのアニオン部位とを有するシリコーン変性双性イオン化合物。(R1〜R6は、メチル基で代表される。但し、R1〜R4のうち1つ以上は式(2)で表される構造を示す。pは0から100。)【選択図】なし
Description
本発明は、シリコーン変性双性イオン化合物とその製造方法に関する。
イオン液体は、イミダゾリウム、ピリジニウム、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウムなどの陽イオンと、ハロゲン、トリフラート、テトラフルオロボラート、ヘキサフルオロフォスファートなどの陰イオンから成る塩で、比較的低温で液体状態をとる(特許文献1参照)。それらイオン液体の特徴としては、蒸気圧が低く、引火性がほとんど無く、熱安定性が高く、イオン伝導性を有することなどが挙げられる。このようなイオン性化合物はリチウム電池、電気二重層キャパシタ、電解コンデンサ、エレクトロクロミック素子、色素増感太陽電池などの電気化学デバイスでは、電解質溶液として又は、電解液への添加剤としての導入が検討されている。さらに、界面活性剤、ゲル化剤、帯電防止剤、触媒、抗菌剤など様々な分野への導入が期待されている化合物である。
また、上記のような特徴を有するものとして、カチオン部位とアニオン部位を同一分子内に有する双性イオン化合物の開発も行われている(特許文献2参照)。従来のイオン化合物はカチオン分子とアニオン分子からなる化合物であり、電池などのように特定のイオン、例えば、リチウムカチオンやプロトンのみを移動させる場合に、このイオン化合物のカチオンとアニオンの移動も起こり、目的イオンの輸率の低下の原因となってしまう。その移動を抑えるために開発されたのが、同一分子内にカチオンとアニオンを有する双性イオン化合物である(非特許文献1参照)。しかし、従来の同一分子内にカチオンとアニオンを有する双性イオン化合物は、カチオンとアニオンのイオンの自由度が制限されているため、水やエタノールといったプロトン性溶媒や高極性溶媒のみに可溶であった。そのため、様々な有機溶媒に可溶である新規な双性イオン化合物の開発が熱望されていた。
大野弘幸監修「イオン液体の開発と展望」シーエムシー出版2008年
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、各種有機溶媒への溶解性が高い新規シリコーン変性双性イオン化合物とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、下記一般式(1)で表される、同一分子内に4級アンモニウムイオンのカチオン部位とスルホン酸イオンのアニオン部位とを有するシリコーン変性双性イオン化合物を提供する。
(式中R1、R2、R3、R4は、同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基、アリール基、フッ素置換アルキル基、及び下記一般式(2)で表される同一分子内にカチオン部位とアニオン部位とを有する双性イオン構造のいずれかを示す。R1、R2、R3、R4のうち1つ以上は下記一般式(2)で表される構造を示す。pは0から100の整数である。)
(式中R5、R6は、同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基、アリール基、フッ素置換アルキル基のいずれかを示し、R5、R6は環を形成してもよく、その場合はアルキレン基を表わす。mは3から6の整数、nは3から6の整数である。)
このようなシリコーン変性双性イオン化合物は、カチオンとアニオンが同一分子内に存在する双性イオン化合物をシリコーン変性したものであり、従来の双性イオン化合物よりも各種有機溶媒への溶解性が高く、250〜300℃付近まで分解し難い。このため、例えば樹脂等に練り込むことや、溶剤に溶かして組成物に混ぜ込むことで帯電防止剤等として好適に用いることができる。
また、このとき、前記一般式(2)において、nが3、R5、R6がメチル基であることが好ましい。
このようなシリコーン変性双性イオン化合物は、従来の双性イオン化合物よりも融点が低く、各種有機溶媒への溶解性がより一層高く、さらに熱安定性が高いものとなる。
また、本発明では、下記一般式(3)で表されるシリコーン変性3級アミンと、アルキルスルトンとを反応させることにより下記一般式(1)で表わされるシリコーン変性双性イオン化合物を製造することを特徴とするシリコーン変性双性イオン化合物の製造方法を提供する。
(式中R1、R2、R3、R4は、同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基、アリール基、フッ素置換アルキル基、及び下記一般式(2)で表される同一分子内にカチオン部位とアニオン部位とを有する双性イオン構造のいずれかを示す。R1、R2、R3、R4のうち1つ以上は下記一般式(2)で表される構造を示す。pは0から100の整数である。)
(式中R5、R6は、同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基、アリール基、フッ素置換アルキル基のいずれかを示し、R5、R6は環を形成してもよく、その場合はアルキレン基を表わす。mは3から6の整数、nは3から6の整数である。)
(式中R1’、R2’、R3’、R4’は、同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基、アリール基、フッ素置換アルキル基、及び下記一般式(4)で表される3級アミン構造のいずれかを示す。R1’、R2’、R3’、R4’のうち1つ以上は下記一般式(4)で表される構造を示す。pは0から100の整数である。)
(式中R5、R6、nは上記と同様である。)
このようなシリコーン変性双性イオン化合物の製造方法であれば、従来の双性イオン化合物よりも各種有機溶媒への溶解性が高いシリコーン変性双性イオン化合物を製造することが可能である。
また、このとき、前記一般式(3)で表されるシリコーン変性3級アミンとして、1つ以上の不飽和基を有する3級アミンとハイドロジェンポリオルガノシロキサンとを付加反応させて得られるシリコーン変性3級アミンを用いることが好ましい。
このようなシリコーン変性3級アミンを用いたシリコーン変性双性イオン化合物の製造方法であれば、従来の双性イオン化合物よりも各種有機溶媒への溶解性が高いシリコーン変性双性イオン化合物を製造することが可能である。
以上説明したように、本発明のシリコーン変性双性イオン化合物は、カチオンとアニオンが同一分子内に存在する双性イオン化合物をシリコーン変性したものであり、従来の双性イオン化合物よりも融点が低く、各種有機溶媒への溶解性が高く、250〜300℃付近まで分解し難い。このため、例えば電気化学又は電気光学セル用電解質における伝導性塩又は添加剤、バッテリー用電解質における伝導性塩又は添加剤、リチウム二次バッテリーの電解質における伝導性塩又は添加剤、帯電防止剤、界面活性剤、及び起泡剤等に好適に用いることができる。また、例えば二重層コンデンサ、スーパーコンデンサ、及びリチウムコンデンサ等にも好適に用いることができる。
上述のように、従来の双性イオン化合物は有機溶媒に難溶であったため、様々な有機溶媒にも可溶である新規な双性イオン化合物の開発が熱望されていた。本発明者らは、この課題について鋭意検討を重ねた結果、本発明の新規なシリコーン変性双性イオン化合物であれば、様々な有機溶媒に可溶であることを見出して本発明を完成させた。
以下、本発明のシリコーン変性双性イオン化合物、その製造方法、及び当該シリコーン変性双性イオン化合物の材料物質であるシリコーン変性3級アミンについて詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明は、下記一般式(1)で表される、同一分子内に4級アンモニウムイオンのカチオン部位とスルホン酸イオンのアニオン部位とを有するシリコーン変性双性イオン化合物である。
(式中R1、R2、R3、R4は、同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基、アリール基、フッ素置換アルキル基、及び下記一般式(2)で表される同一分子内にカチオン部位とアニオン部位とを有する双性イオン構造のいずれかを示す。R1、R2、R3、R4のうち1つ以上は下記一般式(2)で表される構造を示す。pは0から100の整数である。)
(式中R5、R6は、同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基、アリール基、フッ素置換アルキル基のいずれかを示し、R5、R6は環を形成してもよく、その場合はアルキレン基を表わす。mは3から6の整数、nは3から6の整数である。)
R1、R2、R3、R4は、同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基、アリール基、フッ素置換アルキル基、及び上記一般式(2)で表される同一分子内にカチオン部位とアニオン部位とを有する双性イオン構造のいずれかを示す。このようなR1、R2、R3、R4としては、メチル基、ブチル基が好ましい。また、R1、R2、R3、R4のうち1つ以上は上記一般式(2)で表される構造を示す。
このようなシリコーン変性双性イオン化合物は、カチオンとアニオンが同一分子内に存在する双性イオン化合物をシリコーン変性したものであり、シロキシ基を有するため従来の双性イオン化合物よりも各種有機溶媒への溶解性が高く、分子内にN+とSO3−とを含むため250〜300℃付近まで分解し難い。このため、例えば樹脂等に練り込むことや、溶剤に溶かして組成物に混ぜ込むことで帯電防止剤等として好適に用いることができる。
また、このとき、上記一般式(2)において、nが3、R5、R6がメチル基であることが好ましい。このようなシリコーン変性双性イオン化合物は、従来の双性イオン化合物よりも融点が低く、各種有機溶媒への溶解性がより一層高く、さらに熱安定性が高いものとなる。
また、本発明では、下記一般式(3)で表されるシリコーン変性3級アミンと、アルキルスルトンとを反応させることにより上記一般式(1)で表わされるシリコーン変性双性イオン化合物を製造することを特徴とするシリコーン変性双性イオン化合物の製造方法を提供する。
(式中R1’、R2’、R3’、R4’は、同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基、アリール基、フッ素置換アルキル基、及び下記一般式(4)で表される3級アミン構造のいずれかを示す。R1’、R2’、R3’、R4’のうち1つ以上は下記一般式(4)で表される構造を示す。pは0から100の整数である。)
(式中R5、R6、nは上記と同様である。)
このような一般式(1)で表されるシリコーン変性双性イオン化合物の製造方法の具体例としては、例えばトルエンなどの有機溶媒にアルキルスルトン0.1molを溶かした溶液を反応容器に仕込み、一般式(3)で表されるシリコーン変性3級アミン0.1molを水浴中で攪拌しながら滴下し、一晩攪拌することにより白色の固体を析出させ、それをろ過し、トルエン、アセトンで洗浄することにより目的の化合物を得ることができる。
このような製造方法に用いることのできるアルキルスルトンの具体例としては、1,3−ブタンスルトンと1,4−プロパンスルトンが挙げられる。
また、一般式(3)で表わされるシリコーン変性3級アミンの例として、例えば一般式(3)中のR1’に一般式(4)で表される3級アミン構造を有するシリコーン変性3級アミンは、下記一般式(5)で表される。
(式中R2’、R3’、R4’、R5、R6、p、nは、上記と同様である。)
また、一般式(3)で表わされるシリコーン変性3級アミンは、1つ以上の不飽和基を有する3級アミンとハイドロジェンポリオルガノシロキサンとを付加反応させて得ることができる。
このような1つ以上の不飽和基を有する3級アミンの具体例としては、ジメチルアリルアミン、ジエチルアリルアミン、ジプロピルアリルアミン等が挙げられる。また、一般式(2)中のR5、R6が環を形成するような一般式(1)で表されるシリコーン変性双性イオン化合物を製造する場合は、1つ以上の不飽和基を有する3級アミンとして、ピロリジン、ピペリジン等のアミン由来のものを用いることが好ましい。このような3級アミンの具体例としては、1−アリルピペリジン、1−アリルピロリジンなどが挙げられる。
上記1つ以上の不飽和基を有する3級アミンとヒドロシリル化により付加反応させる、ハイドロジェンポリオルガノシロキサンは、1分子中に珪素原子に直結した水素原子(Si−H基)を1つ以上有するハイドロジェンポリオルガノシロキサンである。
本発明に用いるハイドロジェンポリオルガノシロキサン、例えばメチルハイドロジェンポリオルガノシロキサンの合成方法としては、例えばヘキサメチルシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)とテトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン(H4)を反応容器に仕込み、酸触媒を加え、常温で一晩攪拌を行った後、中和、脱色、脱臭等の精製処理を行うことにより、メチルハイドロジェンポリオルガノシロキサンを得ることができる。
付加反応の際には、ハイドロジェンポリオルガノシロキサンと、1つ以上の不飽和基(−CH=CH2基等)を有する3級アミンをSi−H基/−CH=CH2基が0.5以上1.5未満のモル比となるように配合することが好ましく、0.8以上1.2未満のモル比となるように配合することがより好ましい。
付加反応は白金触媒又はロジウム触媒の存在下で行うことが好ましい。好ましい触媒の例としては、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸−ビニルシロキサン錯体等が挙げられる。
また、付加反応は必要に応じて有機溶媒中で行ってもよい。このような有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等の脂肪族アルコール、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
付加反応条件は特に限定されないが、還流下で1〜10時間反応させることが好ましい。
付加反応終了後、公知の方法により弱塩酸によるアリルエーテル基の除去あるいは水素添加反応によるアルキル化を行っても良い。また、酸化防止剤としてトコフェロールやBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)等を添加しても良い。
付加反応終了後、エバポレーターにより溶媒を除去した後、常法による脱色、脱臭等の精製処理を行うこともできる。
また、付加反応に際しては必要に応じて塩基触媒、金属触媒を使用することができる。
上述のような方法で製造できる一般式(1)で表されるシリコーン変性双性イオン化合物の具体例としては、例えば以下の化合物等が挙げられる。
(式中、Meはメチル基、Buはブチル基を示す。また、R5、R6は上記と同様である。)
上述のように本発明のシリコーン変性双性イオン化合物は、カチオンとアニオンが同一分子内に存在する双性イオン化合物をシリコーン変性したものであり、従来の双性イオン化合物よりも各種有機溶媒への溶解性が高く、250〜300℃付近まで分解し難いため、例えば電気化学又は電気光学セル用電解質における伝導性塩又は添加剤、バッテリー用電解質における伝導性塩又は添加剤、リチウム二次バッテリーの電解質における伝導性塩又は添加剤、帯電防止剤、界面活性剤、及び起泡剤等に好適に用いることができる。また、例えば二重層コンデンサ、スーパーコンデンサ、及びリチウムコンデンサ等にも好適に用いることができる。
以下、本発明のシリコーン変性双性イオン化合物及びその製造方法を、実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
また、下記構造式中のMeはメチル基を示す。
また、下記構造式中のMeはメチル基を示す。
(実施例1)
ジメチルアリルアミン(0.1mol)のトルエン溶液中に下記構造式(6)のハイドロジェンポリオルガノシロキサン(0.1mol)を60から80℃で滴下し、この温度で8時間攪拌反応させて反応を完結させた後、エバポレーターにより溶媒を除去することにより無色透明液体(シリコーン変性3級アミン)を得た。その後、1,3−プロパンスルトンのトルエン溶液中へ、水浴中で攪拌しながら、得られた液体(シリコーン変性3級アミン)を滴下し、一晩常温攪拌することにより白色固体を析出した。これをろ過し、トルエン、アセトンで洗浄することにより下記構造式(7)で表されるような白色固体を得た。
ジメチルアリルアミン(0.1mol)のトルエン溶液中に下記構造式(6)のハイドロジェンポリオルガノシロキサン(0.1mol)を60から80℃で滴下し、この温度で8時間攪拌反応させて反応を完結させた後、エバポレーターにより溶媒を除去することにより無色透明液体(シリコーン変性3級アミン)を得た。その後、1,3−プロパンスルトンのトルエン溶液中へ、水浴中で攪拌しながら、得られた液体(シリコーン変性3級アミン)を滴下し、一晩常温攪拌することにより白色固体を析出した。これをろ過し、トルエン、アセトンで洗浄することにより下記構造式(7)で表されるような白色固体を得た。
(実施例2)
ジメチルアリルアミン(0.1mol)のトルエン溶液中に下記構造式(8)のハイドロジェンポリオルガノシロキサン(0.1mol)を60から80℃で滴下し、この温度で8時間攪拌反応させて反応を完結させた後、エバポレーターにより溶媒を除去することにより無色透明液体(シリコーン変性3級アミン)を得た。その後、1,4−ブタンスルトンのトルエン溶液中へ、水浴中で攪拌しながら、得られた液体(シリコーン変性3級アミン)を滴下し、一晩常温攪拌することにより白色固体を析出した。これをろ過し、トルエン、アセトンで洗浄することにより下記構造式(9)で表されるような白色固体を得た。
ジメチルアリルアミン(0.1mol)のトルエン溶液中に下記構造式(8)のハイドロジェンポリオルガノシロキサン(0.1mol)を60から80℃で滴下し、この温度で8時間攪拌反応させて反応を完結させた後、エバポレーターにより溶媒を除去することにより無色透明液体(シリコーン変性3級アミン)を得た。その後、1,4−ブタンスルトンのトルエン溶液中へ、水浴中で攪拌しながら、得られた液体(シリコーン変性3級アミン)を滴下し、一晩常温攪拌することにより白色固体を析出した。これをろ過し、トルエン、アセトンで洗浄することにより下記構造式(9)で表されるような白色固体を得た。
(実施例3)
ジメチルアリルアミン(0.1mol)のトルエン溶液中に下記構造式(10)のハイドロジェンポリオルガノシロキサン(0.1mol)を60から80℃で滴下し、この温度で8時間攪拌反応させて反応を完結させた後、エバポレーターにより溶媒を除去することにより無色透明液体(シリコーン変性3級アミン)を得た。その後、1,3−プロパンスルトンのトルエン溶液中へ、水浴中で攪拌しながら、得られた液体(シリコーン変性3級アミン)を滴下し、一晩常温攪拌することにより白色固体を析出した。これをろ過し、トルエン、アセトンで洗浄することにより下記構造式(11)で表されるような短黄色固体を得た。
ジメチルアリルアミン(0.1mol)のトルエン溶液中に下記構造式(10)のハイドロジェンポリオルガノシロキサン(0.1mol)を60から80℃で滴下し、この温度で8時間攪拌反応させて反応を完結させた後、エバポレーターにより溶媒を除去することにより無色透明液体(シリコーン変性3級アミン)を得た。その後、1,3−プロパンスルトンのトルエン溶液中へ、水浴中で攪拌しながら、得られた液体(シリコーン変性3級アミン)を滴下し、一晩常温攪拌することにより白色固体を析出した。これをろ過し、トルエン、アセトンで洗浄することにより下記構造式(11)で表されるような短黄色固体を得た。
(比較例1)
1,4−ブタンスルトン(0.1mol)のトルエン溶液中に、水浴中で攪拌しながらジメチルアリルアミン(0.1mol)を滴下し、一晩攪拌することにより白色固体を析出した。これをろ過し、トルエン、アセトンで洗浄することにより下記構造式(12)で表されるような白色固体を得た。
1,4−ブタンスルトン(0.1mol)のトルエン溶液中に、水浴中で攪拌しながらジメチルアリルアミン(0.1mol)を滴下し、一晩攪拌することにより白色固体を析出した。これをろ過し、トルエン、アセトンで洗浄することにより下記構造式(12)で表されるような白色固体を得た。
下記表1に実施例1、実施例2、実施例3、及び比較例1に記載の化合物の各種溶媒への溶解性を示す。
表1に示すように、本発明のシロキシ基を有するシリコーン変性双性イオン化合物である実施例1、2、3の化合物は、従来の双性イオン化合物である比較例1の化合物に比べて有機溶媒への溶解性が高かった。また、シリコーンの割合が高いほど、多くの種類の有機溶媒に可溶となった。
以上のように、本発明のシロキシ基を有する新規なシリコーン変性双性イオン化合物は、従来の双性イオン化合物よりも各種有機溶媒への溶解性が高いことが明らかとなった。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
Claims (4)
- 下記一般式(1)で表される、同一分子内に4級アンモニウムイオンのカチオン部位とスルホン酸イオンのアニオン部位とを有するシリコーン変性双性イオン化合物。
- 前記一般式(2)において、nが3、R5、R6がメチル基であることを特徴とする請求項1に記載のシリコーン変性双性イオン化合物。
- 下記一般式(3)で表されるシリコーン変性3級アミンと、アルキルスルトンとを反応させることにより下記一般式(1)で表わされるシリコーン変性双性イオン化合物を製造することを特徴とするシリコーン変性双性イオン化合物の製造方法。
- 前記一般式(3)で表されるシリコーン変性3級アミンとして、1つ以上の不飽和基を有する3級アミンとハイドロジェンポリオルガノシロキサンとを付加反応させて得られるシリコーン変性3級アミンを用いることを特徴とする請求項3に記載のシリコーン変性双性イオン化合物の製造方法。
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SNOW, S. A. ET AL.: "Synthesis and characterization of zwitterionic silicone sulfobetaine surfactants", LANGMUIR, vol. 6(2), JPN6016010570, 1990, pages 385 - 91, ISSN: 0003280631 * |
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