JP2015055538A - 時計用部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】寸法安定性、セルフタッピング性に優れた時計用部品を提供する。
【解決手段】結晶性半芳香族ポリアミド(A)、(A)以外のポリアミド(B)および繊維状強化材(C)からなり、(A)/(B)=100/0〜60/40(質量比率)であって、(C)/{(A)+(B)}=10/100〜80/100(質量比率)であるポリアミド樹脂組成物からなる時計用部品、および、結晶性半芳香族ポリアミド樹脂(A)が、ポリアミド6T、ポリアミド9Tまたはポリアミド10Tである前記時計用部品。
【選択図】図1

Description

本発明は、時計用部品に関するものである。
時計枠、時計針、時計内部の歯車等の時計用部品は非常に複雑な形状をしていることから、近年、加工が容易な樹脂材料が用いられている。樹脂製の時計用部品には、精密性の観点から、寸法安定性が要求されている。また、時計枠の場合、ネジによって裏蓋を締めるためのセルフタッピング性も要求されている。
樹脂製の時計用部品としては、例えば、特許文献1に、ポリアリレートとポリアミドとホウ酸アルミニウムウィスカーからなる樹脂組成物を用いた時計枠や時計内部の歯車が開示されている。しかしながら、特許文献1の時計用部品は、ポリアリレートとポリアミドの溶融混練物を用いるものであり、樹脂成分としてポリアミドのみからなるものについては記載されていない。
特開2002−309073号公報
本発明は、かかる従来技術に鑑み、寸法安定性、セルフタッピング性に優れた時計用部品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討の結果、半芳香族ポリアミド(A)を主成分とするポリアミドを用いれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)結晶性半芳香族ポリアミド(A)、(A)以外のポリアミド(B)および繊維状強化材(C)からなり、(A)/(B)=100/0〜60/40(質量比率)であって、(C)/{(A)+(B)}=10/100〜80/100(質量比率)であるポリアミド樹脂組成物からなる時計用部品。
(2)結晶性半芳香族ポリアミド樹脂(A)が、ポリアミド6T、ポリアミド9Tまたはポリアミド10Tである(1)記載の時計用部品。
(3)繊維状強化材(C)が、ガラス繊維である請求項1または2に記載の時計用部品。
(4)時計枠であることを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載の時計用部品。
本発明によれば、寸法安定性、セルフタッピング性に優れた時計用部品を提供することができる。
腕時計の時計部の断面図を示したものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の時計用部品は、結晶性半芳香族ポリアミド(A)、(A)以外のポリアミド(B)および繊維状強化材(C)から構成される。
本発明で用いる結晶性半芳香族ポリアミド(A)は、芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族ジアミン成分とから構成される。なお、結晶性は示差走査熱量計を用いて後述する測定方法で測定した融解熱量の値によって判断し、融解熱量が4J/gより大きい場合、結晶性であると判断する。
結晶性半芳香族ポリアミド(A)を構成するジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられ、中でも、テレフタル酸が好ましい。ジカルボン酸成分において、テレフタル酸の含有量は、80モル%以上とすることが好ましく、90モル%以上とすることがより好ましい。ジカルボン酸成分におけるテレフタル酸の含有量が高いほど、(A)の耐熱性が高くなる傾向がある。ジカルボン酸成分は単独で用いてもよいし、併用してもよい。
本発明においては、ジカルボン酸成分として、本発明の効果を損なわない限りで、芳香族ジカルボン酸以外の他のジカルボン酸を用いてもよい。他のジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸や、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸が挙げられる。他のジカルボン酸の含有量は、ジカルボン酸成分において、5モル%以下であることが好ましく、実質的に含まないことがより好ましい。
結晶性半芳香族ポリアミド樹脂(A)を構成する脂肪族ジアミン成分としては、例えば、1,2−エタンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミンが挙げられる。中でも、汎用性が高いことから、1,6−ヘキサンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミンが好ましく、耐熱性や機械的強度が高いことから、1,10−デカンジアミンがより好ましい。これらは単独で用いてもよいし、併用してもよい。
本発明においては、ジアミン成分として、本発明の効果を損なわない限りで、脂肪族ジアミン以外の他のジアミンを用いてもよい。他のジアミンとしては、例えば、シクロヘキサンジアミン等の脂環式ジアミンや、キシリレンジアミン、ベンゼンジアミン等の芳香族ジアミンが挙げられる。他のジアミンの含有量は、ジアミン成分において、5モル%以下とすることが好ましく、実質的に含まないことがより好ましい。
結晶性半芳香族ポリアミド(A)には、分子量の調整を目的に、モノカルボン酸を用いてもよい。モノカルボン酸としては、例えば、安息香酸、4−エチル安息香酸、4−へキシル安息香酸、4−ラウリル安息香酸、アルキル安息香酸類、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸等の芳香族モノカルボン酸、酢酸、カプリル酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪族モノカルボン酸、4−エチルシクロヘキサンカルボン酸、4−へキシルシクロヘキサンカルボン酸、4−ラウリルシクロヘキサンカルボン酸等の脂環族モノカルボン酸が挙げられる。中でも、成形時の流動性が向上することから、分子量が140以上の脂肪族モノカルボン酸を用いることが好ましい。これらは単独で用いてもよいし、併用してもよい。モノカルボン酸の含有量は、原料モノマーの総モル数に対し、5モル%以下とすることが好ましい。
また、結晶性半芳香族ポリアミド(A)には、本発明の効果を損なわない限りで、カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸や11−アミノウンデカン酸等のω−アミノカルボン酸を用いてもよい。ラクタム類やω−アミノカルボン酸の合計の含有量は、原料モノマーの総モル数に対し、5モル%以下とすることが好ましく、実質的に含まないことがより好ましい。
結晶性半芳香族ポリアミド(A)としては、汎用性が高いことから、テレフタル酸と1,6−ヘキサンジアミンを主成分とするポリアミド6T、テレフタル酸と1,9−ノナンジアミンを主成分とするポリアミド9T、またはテレフタル酸と1,10−デカンジアミンを主成分とするポリアミド10Tが好ましい。
本発明に用いる結晶性半芳香族ポリアミド(A)は、耐熱性の指標となる、融点が300℃以上であることが好ましく、320℃以上であることがより好ましい。
本発明に用いる結晶性半芳香族ポリアミド(A)は、96%硫酸中、25℃、濃度1g/dLで測定した場合の相対粘度が、1.8以上であることが好ましく、1.8〜2.6であることがより好ましく、1.9〜2.4であることがさらに好ましい。
結晶性半芳香族ポリアミド(A)の重量平均分子量は、15000〜50000であることが好ましく、20000〜50000であることがより好ましく、26000〜50000であることがさらに好ましい。結晶性半芳香族ポリアミド(A)の重量平均分子量を15000〜50000とすることにより、成形時の流動性を有しつつも、機械的特性をより向上させることができる。
結晶性半芳香族ポリアミド(A)は、従来から知られている加熱重合法や溶液重合法の方法を用いて製造することができる。中でも、工業的に有利である点から、加熱重合法が好ましく用いられる。
結晶性半芳香族ポリアミド(A)の製造においては、重合の効率を高めるため重合触媒を用いてもよい。重合触媒としては、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸またはそれらの塩が挙げられる。
本発明で用いるポリアミド(B)は、結晶性半芳香族ポリアミド(A)以外のポリアミドであればよい。(A)以外のポリアミドとしては、例えば、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−4アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジメチルPACM12)、ポリウンデカミド(ナイロン11)、ポリドデカミド(ナイロン12)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロンTMDT)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、及びこれらの共重合物、混合物等の結晶性ポリアミド、イソフタル酸/テレフタル酸/ヘキサメチレンジアミン/ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンの重縮合体、テレフタル酸/2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンの重縮合体、イソフタル酸/ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン/ω−ラウロラクタムの重縮合体、イソフタル酸/テレフタル酸/ヘキサメチレンジアミンの重縮合体、イソフタル酸/2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンの重縮合体、イソフタル酸/テレフタル酸/2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンの重縮合体、イソフタル酸/ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン/ω−ラウロラクタムの重縮合体等の非晶性ポリアミドが挙げられる。これらの構成する芳香族成分のベンゼン環は、アルキル基やハロゲン原子で置換されていてもよい。(B)の中でも、ナイロン6、ナイロン66、イソフタル酸/テレフタル酸/ヘキサメチレンジアミン/ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンの重縮合体、テレフタル酸/2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンの重縮合体、イソフタル酸/テレフタル酸/ヘキサメチレンジアミン/ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンの重縮合体とテレフタル酸/2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンの重縮合体の混合物が好ましい。
結晶性半芳香族ポリアミド(A)と、(A)以外のポリアミド(B)の配合比率は、(A)/(B)=100/0〜60/40(質量比率)の範囲とすることが必要であり、90/10〜70/30(質量比率)とすることが好ましい。(B)を配合することにより、成形時の流動性を向上させ、外観を向上させることができる。(A)と(B)の合計100質量%に対して、(B)の含有量が40質量%を超えると、寸法安定性やセルフタッピング性が不十分となるので好ましくない。
本発明に用いる繊維状強化材(C)としては、特に限定されないが、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アスベスト繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、全芳香族ポリアミド繊維、ポリベンズオキサゾール繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ケナフ繊維、竹繊維、麻繊維、バガス繊維、高強度ポリエチレン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウム繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セラミックス繊維、玄武岩繊維、セピオライト、パリゴルスカイトが挙げられる。中でも、耐熱性が高く、入手しやすいことからガラス繊維、炭素繊維、金属繊維が好ましい。これらは単独で用いてもよいし、併用してもよい。繊維状強化材は、シランカップリング剤で表面処理されていてもよい。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルシラン系、アクリルシラン系、エポキシシラン系、アミノシラン系が挙げられ、半芳香族ポリアミドとの密着性が高いことから、アミノシラン系カップリング剤が好ましい。
繊維状強化材の含有量は、半芳香族ポリアミド(A)と、(A)以外のポリアミド(B)の合計100質量部に対し、10〜80質量部とすることが好ましく、15〜60質量部とすることがより好ましく、20〜50質量部とすることがさらに好ましい。繊維状強化材の含有量が5質量部よりも低い場合、寸法安定性が不十分になるので好ましくない。一方、繊維状強化材の含有量が50質量部よりも多い場合、混練時にストランドが切断し、樹脂組成物ペレットを得ることができないので好ましくない。
本発明に用いるポリアミド樹脂組成物には、さらに添加剤を加えてもよい。添加剤としては、例えば、板状強化材、タルク、膨潤性粘土鉱物、シリカ、アルミナ、ガラスビーズ等の充填材、酸化防止剤、銅化合物、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤が挙げられる。
繊維状強化材および添加剤の添加方法は、特に限定されないが、例えば、半芳香族ポリアミド(A)の重合時または溶融混練時に添加される。
本発明の時計用部品としては、例えば、時計枠や、時計内部の歯車などが挙げられる。時計枠の具体的態様としては、例えば、図1のような使用態様が挙げられる。図1においては、時計枠2の上に、ガラス板1がOリング3を挟んで圧入されており、時計枠下面には、裏蓋4がOリング3を挟んでネジ止めされている。そして、時計枠内部に時計モジュールが内蔵されている。なお、図1では省略しているが、腕時計のバンドが時計枠の側面に取り付けられる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
1.測定方法、評価方法
(1)融点および融解熱量
パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7を用い、昇温速度20℃/分で350℃まで昇温した後、350℃で5分間保持し、降温速度20℃/分で25℃まで降温した。25℃で5分間保持後、再び昇温速度20℃/分で昇温し、吸熱ピークのトップを融点とし、ピーク面積を融解熱量とした。
(2)相対粘度
96質量%硫酸を溶媒とし、濃度1g/dL、25℃で測定した。
(3)重量平均分子量
東ソー社製ゲル浸透クロマトグラフィ装置を用い、下記条件で調整した試料溶液にてGPC分析をおこなった後、ポリメチルメタクリレート(ポリマーラボラトリーズ社製)を標準試料として作成した検量線を用いて、重量平均分子量を求めた。
<試料調製>
ポリアミド5mgに10mMトリフルオロ酢酸ナトリウム含有ヘキサフルオロイソプロパノール2mLを加えて溶解後、ディスクフィルターで濾過した。
<条件>
・検出器:示差屈折率検出器RI−8010(東ソー社製)
・溶離液:10mMトリフルオロ酢酸ナトリウム含有ヘキサフルオロイソプロパノール
・流速:0.4mL/分
・温度:40℃
(4)寸法変化率
ポリアミド樹脂組成物を十分に乾燥した後、射出成形機(新潟鉄工所社製CND15AII)を用いて射出成形をおこない、幅20mm×長さ20mm×厚み1mmの平板を得た。金型は、20mm×1mmの面にフィルムゲートを有するものを用いた。シリンダー温度は、実施例1〜13、比較例3〜5は(半芳香族ポリアミドの融点+10℃)、比較例1は235℃、比較例2は265℃とした。金型温度130℃、射出速度は150mm/s、保圧は60MPaとした。得られた平板を85℃×85%RHにて168時間吸湿後、以下の式により、寸法安定性を求めた。射出方向をMD、平板表面に平行かつ射出方向と垂直の方向をTDとする。
寸法変化率(%)=(成形後成形品寸法−吸水後成形品寸法)×100/(成形後成形品寸法)
寸法変化率が、0.2%以内でない場合、寸法のずれで、シーリング部などから水が浸入する問題が発生する場合がある。
(5)ネジ止めトルク(セルフタッピング性の指標)
ポリアミド樹脂組成物を十分に乾燥した後、射出成形機(東芝機械社製EC100)を用いて射出成形をおこない、外径φ7mm×内径φ2.2mm×長さ12mmのセルフタッピングテスト用ボス状試験片を得た。シリンダー温度は、実施例1〜13、比較例3〜5は(半芳香族ポリアミドの融点+10℃)、比較例1は235℃、比較例2は265℃とした。金型温度130℃、射出速度は150mm/s、保圧は60MPaとした。得られたセルフタッピングテスト用ボス状試験片に、セルフタップネジをφ2.8mm×長さ8mmのトルクドライバーで8mm締め込んだ。その後、ネジを緩めて、取り外したのち、また8mm締めこむという作業を繰り返し、5回目に締めこんだ際の最大トルクを測定した。
実用上、最大トルクが3kgf・cm以上であることが好ましい。
2.原料
(1)ジカルボン酸成分
・TPA:テレフタル酸
(2)ジアミン成分
・NDA:1,9−ノナンジアミン
・DDA:1,10−デカンジアミン
(3)末端封鎖剤
・STA:ステアリン酸
(4)半芳香族ポリアミド
・P−1
芳香族ジカルボン酸成分として粉末状のTPA4.70kgと、モノカルボン酸成分としてSTA0.33kgと、重合触媒として次亜リン酸ナトリウム一水和物20gとを、リボンブレンダー式の反応装置に入れ、窒素密閉下、回転数30rpmで撹拌しながら170℃に加熱した。その後、温度を170℃に保ち、かつ回転数を30rpmに保ったまま、液注装置を用いて、脂肪族ジアミン成分として100℃に加温したDDA4.97kgを、2.5時間かけて連続的(連続液注方式)に添加し反応物を得た。なお、原料モノマーのモル比は、TPA:DDA:STA=48.5:49.5:2.0(官能基当量比はTPA:DDA:STA=49.0:50.0:1.0)であった。
続いて、得られた反応物を、同じ反応装置で、窒素気流下、250℃、回転数30rpmで8時間加熱して重合し、半芳香族ポリアミドの粉末を作製した。
その後、得られた半芳香族ポリアミドの粉末を、二軸混練機を用いてストランド状とし、ストランドを水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングして半芳香族ポリアミド(P−1)を得た。
・P―2〜P−4
芳香族ジカルボン酸成分および脂肪族ジアミン成分の種類、含有量を表1に示すように変更した以外は、半芳香族ポリアミド樹脂(P−1)と同様の操作をおこなって、半芳香族ポリアミド樹脂(P−2)〜(P−4)を得た。
半芳香族ポリアミド(P−1)〜(P−4)で得られた半芳香族ポリアミド樹脂の組成およびその特性値を表1に示す。
・半芳香族ポリアミド(P−5)
三井化学社製ナイロン6T、アーレンA3000、融点320℃、融解熱量38J/g
(5)結晶性半芳香族ポリアミド以外のポリアミド
・PA6:ナイロン6、ユニチカ社製A1030BRL、相対粘度2.51、融解熱量71J/g
・PA66:ナイロン66、アセンド社製50BWFS、相対粘度2.75、融解熱量84J/g
・非晶性半芳香族PA:イソフタル酸/テレフタル酸/ヘキサメチレンジアミンの重縮合体、DSM社製X21、ガラス転移温度125℃、相対粘度2.0、融解熱量0.4J/g
(6)繊維状強化材
・E−1:ガラス繊維、旭ファイバーグラス社製03JAFT692、平均繊維径10μm、平均繊維長3mm
・E−2:偏平ガラス繊維、日東紡社製CSG3PA820S、長径28μm×短径7μm、平均繊維長3mm
・E−3:炭素繊維、東邦テナックス社製HTA−C6−NR、平均繊維径7μm、平均繊維長6mm
実施例1
半芳香族ポリアミド(P−1)100質量部を、スクリュー径37mm、L/D40の同方向二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS)の主供給口に供給し、サイドフィーダーよりガラス繊維(E−1)を30質量部供給し溶融混練をおこなった。320℃〜340℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量35kg/時間であった。その後、ストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングして半芳香族ポリアミド組成物ペレットを得た。
実施例2〜13、比較例1〜4
表2に示すように、樹脂組成を変更した以外は、実施例1と同様にして半芳香族ポリアミド組成物ペレットを得た。
比較例5
実施例1と同様の操作をおこなったが、繊維状強化材の含有量が高かったため、ストランドが切断し、樹脂組成物ペレットを得ることができなかった。
実施例と比較例で得られたポリアミド樹脂組成物の組成およびその特性値を表2に示す。
実施例1〜13は、いずれも寸法変化率が0.2%以下であって、ネジ止めトルクが3kg・cm以上であった。
比較例1、2は、半芳香族ポリアミド樹脂を用いていなかったため、寸法変化率が0.2%を超えており、ネジ止めトルクが3kg・cm未満であった。
比較例3は、繊維状強化剤の配合量が低かったため、寸法変化率が0.2%を超えていた。
比較例4は、ポリアミド全体に占める半芳香族ポリアミドの質量比率が低かったため、寸法変化率が0.2%を超えており、ネジ止めトルクが3kg・cm未満であった。
1 透明部材
2 時計枠
3 Oリング
4 裏蓋
5 時計モジュール

Claims (4)

  1. 結晶性半芳香族ポリアミド(A)、(A)以外のポリアミド(B)および繊維状強化材(C)からなり、(A)/(B)=100/0〜60/40(質量比率)であって、(C)/{(A)+(B)}=10/100〜80/100(質量比率)であるポリアミド樹脂組成物からなる時計用部品。
  2. 結晶性半芳香族ポリアミド樹脂(A)が、ポリアミド6T、ポリアミド9Tまたはポリアミド10Tである請求項1記載の時計用部品。
  3. 繊維状強化材(C)が、ガラス繊維である請求項1または2に記載の時計用部品。
  4. 時計枠であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の時計用部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021070811A (ja) * 2019-10-01 2021-05-06 ユニチカ株式会社 ポリアミド樹脂組成物ならびにそれからなる成形体および車載カメラ用部品

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