JP2015048378A - アクリロニトリル系重合体粒子及び製造方法 - Google Patents

アクリロニトリル系重合体粒子及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、アクリロニトリル系重合体粒子の粒子形状を適度に制御することで粒子の流動性を改善して、ハンドリング性を向上したアクリロニトリル系重合体粒子を提供することである。【解決手段】安息角が20度以上42度以下であるアクリロニトリル系重合体粒子。100μm以上の粒子径の体積割合が2%以下である前記アクリロニトリル系重合体粒子。以下の式1で表す標準偏差が0μm以上15μm以下である前記アクリロニトリル系重合体粒子。標準偏差=(D80%−D20%)/2・・・(1)【選択図】なし

Description

本発明は、アクリロニトリル系繊維に適したアクリロニトリル系重合体粒子及び製造方法に関する。
アクリル繊維の原料となるアクリロニトリル系重合体は、一般に水系析出重合又は溶液重合によって製造されている。特に水系析出重合方式は、溶液重合に比べて短い滞在時間で連続生産が可能で、しかも、簡便な反応器を使用するため非常に生産性に優れている。
一般に水系析出重合により得られるアクリロニトリル系重合体粒子をアクリロニトリル系繊維として賦形する場合には、アクリロニトリル系重合体を溶剤に溶解して紡糸原液を得る工程が必要となる。しかし、アクリロニトリル系重合体粒子のハンドリングは工業的に難しく、アクリロニトリル系重合体粒子を均一な速度で溶剤に投入することは難しいため、紡糸原液の品質悪化を招いている。
以上の問題の解決策として、特許文献1では、溶剤への分散性と溶解性の良いアクリロニトリル系重合体粒子の製造方法を開示している。
特開2009−185273号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、溶剤にアクリロニトリル系重合体粒子を分散した後の分散性が良好であっても、均一に溶剤に投入することができなければ、継粉が発生する可能性があった。
本発明の課題は、アクリロニトリル系重合体粒子の粒子形状を適度に制御することで粒子の流動性を改善して、ハンドリング性を向上したアクリロニトリル系重合体粒子を提供することである。
本発明のアクリロニトリル系重合体粒子は、安息角が20度以上42度以下であるアクリロニトリル系重合体粒子である。
本発明のアクリロニトリル系重合体粒子は、100μm以上の粒子径の体積割合が2%以下であることが好ましい。
本発明のアクリロニトリル系重合体粒子は、以下の式1で表す標準偏差が0μm以上15μm以下であることが好ましい。
標準偏差=(D80%−D20%)/2・・・(1)
ただし、D80%:累積分布が80%となる点の粒子径(μm)、D20%:累積分布が20%となる点の粒子径(μm)
本発明のアクリロニトリル系重合体粒子の製造方法は、反応器に単量体、重合開始剤及び脱イオン交換水を連続的に供給し、反応器から反応液を連続的に取り出すレドックス水系析出重合であって、攪拌動力(P)kW/mが供給する水/単量体の質量比(W/M比)によって以下の式2の範囲で表される製造方法である。
−1.3×(W/M比)+3.0≦攪拌動力≦−1.3×(W/M比)+6.5・・・(2)
ただし、攪拌動力は0kW/m以上
本発明のアクリロニトリル系重合体粒子の製造方法は、反応器に単量体、重合開始剤及び脱イオン交換水を連続的に供給し、反応器から反応液を連続的に取り出すレドックス水系析出重合であって、100μm以上のアクリロニトリル系重合体粒子を分級することが好ましい。
本発明のアクリロニトリル系重合体粒子の製造方法は、反応器に単量体、重合開始剤及び脱イオン交換水を連続的に供給し、反応器から反応液を連続的に取り出すレドックス水系析出重合であって、アクリロニトリル系重合体粒子が懸濁した液を分級することが好ましい。
本発明によれば、アクリロニトリル系重合体粒子の粒子形状を適度に制御することで粒子の流動性を改善して、ハンドリング性を向上したアクリロニトリル系重合体粒子が提供される。
以下に本発明の詳細を説明する。
安息角とは、粉体を積み上げたときに崩れることなく安定に保つことができる傾斜の角度のことで、一般に粉体の流動性を示す指標として知られている。つまり、安息角が小さいほど、粉体の流動性が良い傾向にある。
アクリロニトリル系重合体粒子を溶剤に溶解させて紡糸原液を得る工程で、ホッパーなどからアクリロニトリル系重合体粒子を一定速度で溶媒に投入することが、均質な紡糸原液を得る上で重要である。
安息角は20度以上42度以下が好ましい。安息角が42度以下であれば、ホッパーなどからアクリロニトリル系重合体粒子を一定速度で溶媒に投入することができ、均質な紡糸原液を得ることができる。
また、水系析出重合において、安息角が20度以下となるアクリロニトリル系重合体粒子を得ることは技術的に難しい。
安息角は、セイシン企業性のMT−1001を使用して測定した。アクリロニトリル系重合体粒子を、710μm目開きの篩いをセットしたフィーダーに、VIBRATION SPINを0.2mmとして供給した。安息角は3箇所以上測定し、平均値を採用した。
本発明において、アクリロニトリル系重合体粒子とは、水系析出重合において水相に析出した粒子である。かかるアクリロニトリル系重合体粒子は、衝突による凝集と攪拌のせん断力による破壊のバランスが取れる粒子径で安定化する。すなわち、衝突頻度が高ければアクリロニトリル系重合体粒子同士の凝集が促進され粒子径が大きくなり、攪拌のせん断力が高ければアクリロニトリル系重合体粒子が破壊されて粒子径が小さくなる。
また、水系析出重合において得られるアクリロニトリル系重合体粒子の粒子径は1μmから1000μm程度の分布をもつのが一般的である。様々な粒子径をもつアクリロニトリル系重合体粒子のうち、大粒子のものも小粒子のものも流動性を悪化させる要因となる。すなわち、大粒子のアクリロニトリル系重合体粒子は、多数のアクリロニトリル系重合体粒子が凝集した集合体であり、いびつな形状を取りやすく、他のアクリロニトリル系重合体粒子との接触面積が大きいため摩擦が大きく流動性が悪い。一方、微粒子のアクリロニトリル系重合体粒子は他のアクリロニトリル系重合体粒子との接触面積が大きいため摩擦が大きく流動性が悪い。
本発明において、100μm以上の粒子径をもつアクリロニトリル系重合体粒子の体積割合は、2%以下であることが好ましい。
100μm以上の粒子径をもつアクリロニトリル系重合体粒子は形状がいびつなため流動性を悪化させるため少ないほど好ましい。
前記体積割合が2%以下であれば流動性が良好であり、1.5%以下であればより好ましい。
粒子径分布の標準偏差を表す数値は種々あるが、本発明においては、粒子径分布の累積分布により粒子径分布の標準偏差を表す。すなわち、累積分布が80%となる点の粒子径と累積分布が20%となる点の粒子径の差を2で割った数値を粒子径分布の標準偏差とする(式1)。
粒子径布の標準偏差=(D80%−D20%)/2・・・(1)
ただし、D80%:累積分布が80%となる点の粒子径(μm)、D20%:累積分布が20%となる点の粒子径(μm)
標準偏差が小さければ粒子径分布がシャープであり、大粒子、小粒子の割合が少なく流動性が良いことを表す。
前記標準偏差は、0μm以上16μm以下が好ましい。
水系析出重合において、前記標準偏差が0μmアクリロニトリル系重合体粒子を得ることは技術的に難しい。前記標準偏差は5μm以上がより好ましく、8μm以上がさらに好ましい。前記標準偏差は、16μm以下であれば流動性が良好となるので好ましい。流動性の観点から、15μm以下がより好ましく、14μm以下がさらに好ましい。
粒子径分布は、顕微鏡検査画像の画像解析、レーザー回折、又は集束ビーム反射率モードなどのレーザー散乱技術を用いて測定されるが、本発明においては、レーザー回折散乱法を原理としたHORIBA製LA−910の装置を用いて、屈折率1.141iにて測定した。
本発明の重合体粒子の製造方法は、水系析出重合法により単量体を連続重合する方法を採用し、例えばあらかじめ反応器内に脱イオン交換水(重合媒体)を仕込んでおき、反応器に、アクリロニトリルを主成分とする単量体、重合開始剤及び脱イオン交換水を連続的に供給して単量体を重合させる。
本発明では、この単量体の重合を、レドックス開始剤を用いた水系析出重合により行うので、懸濁重合、溶液重合、乳化重合等の他の重合法と比較して生産性に優れ、かつ残留単量体等の不要成分の量を減少できる。
レドックス水系析出重合では、酸化剤として、一般的に、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機系酸化剤や、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート等の有機過酸化物などが用いられる。
また、還元剤としては一般的に、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、亜二チオン酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルフォキシレート(SFS)、L−アルコルビン酸、デキストロ−ズ等が用いられる。
また、酸化剤、還元剤と共に、酸化還元系の助剤を用いることが好ましい。その助剤としては、例えば、硫酸第一鉄、硫酸銅が挙げられる。特に、過硫酸アンモニウム−亜硫酸水素アンモニウム−硫酸第一鉄を組合せて用いることが好ましい。
アクリロニトリル系重合体を重合する場合は、アクリロニトリルと共重合可能な他のビニル単量体を含むことができる。共重合可能な他のビニル単量体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸等の酸類及びそれらの塩類、マレイン酸イミド、フェニルマレイミド、(メタ)アクリルアミド、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、(メタ)アリルスルホン酸ナトリウム、(メタ)アリルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びそれらの塩類などが挙げられる。
本発明に用いる反応器は、例えば、反応器内の反応液を循環させる装置、各成分を供給する供給口、重合熱除去装置及び溢流口を有する装置である。循環装置としては、溶液中の各成分をすみやかに拡散させる点から、攪拌機が好適に用いられる。
反応器内の反応液の温度は、単量体が重合可能な温度であれば特に限定されない。ただし、アクリロニトリルが蒸発して反応系外へ離散することを防ぐ点から、80℃以下が好ましく、60℃以下がより好ましい。また、重合体の分子量の安定化の点から、反応液の温度は一定に保つことが好ましい。
反応器内の単量体の平均滞在時間は特に制限されず、従来よりアクリロニトリル系重合体を水系析出重合により製造する際に採用される時間でよい。この平均滞在時間は、生産性の点から200分以下が好ましく、重合を十分に完結させる点から20分以上が好ましい。
反応器内での水素イオン濃度は、開始剤がすみやかに酸化・還元反応を起こすような濃度であればよく、pH2.0〜3.5の酸性領域が好ましい。
本発明においては、以上のようにして単量体を反応器内で重合させながら、その重合体粒子を含む反応液を例えば反応器の溢流口から連続的に取り出す。
そしてこの反応液に、例えば、脱イオン交換水に溶解させた重合停止剤を添加することにより重合を停止させる。
重合停止剤としては、従来よりアクリロニトリル系重合体を水系析出重合で製造する際使用される重合停止剤を制限無く使用できる。
続いて、重合体水溶液から未反応単量体の回収を行う。未反応単量体の回収方法としては、重合体水溶液を直接蒸留する方法、また一旦脱水し、未反応単量体を重合体と分離した後蒸留する方法があるが、本発明では、両方式とも採用可能である。後者の方法に用いる脱水洗浄機としては、通常公知の濾過脱水機を用いることができ、例えば、回転式真空濾過器、遠心脱水機等が使用することができる。これらの装置を用いて反応液から重合体を分離する際に、効率の観点から、硫酸アンモニウム、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム等の凝集剤を添加することができ、さらに重合体の凝集を促進する観点から重合体水溶液を昇温する等の操作を行うこともできる。また、重合体中に残った水分は通常の乾燥方式によって取り除くことができる。
本発明の水系析出重合において、アクリロニトリル系重合体粒子の形状を制御する上で、水/単量体の質量比(W/M比)と、攪拌動力が重要となる。
W/M比を小さくすると、反応器に供給される単量体が増加し、反応器内で生成するアクリロニトリル系重合体粒子も増加する。したがって、アクリロニトリル系重合体同士の衝突頻度が高くなり、凝集が起こることで、アクリロニトリル系重合体の粒子径が大きくなる。
攪拌動力を高くすることにより、攪拌のせん断によるアクリロニトリル系重合体粒子の破壊が起こりやすくなるため、アクリロニトリル系重合体粒子の粒子径は小さくなる。しかし、攪拌動力を高くしすぎると、気相部の空気を巻き込んで、重合反応が不均一となり、異常な大粒子径のアクリロニトリル系重合体粒子を生成してしまう。
従って、以下の式2で表される範囲にW/M比と攪拌動力を適度に選択することで、流動性の良好なアクリロニトリル系重合体粒子の粒子径に制御することができる。ただし、適度に攪拌を加えなければ、水と単量体が層分離を起こすため、攪拌動力は1.0kW/m以上である必要がある。
−1.3×(W/M比)+3.0≦攪拌動力≦−1.3×(W/M比)+6.5・・・(2)
また、重合条件によらずとも、例えば以下に記載する方法によってアクリロニトリル系重合体粒子の粒子径分布を制御することが可能である。
本名発明において、100μm以上の粒子径をもつアクリロニトリル系重合体粒子の含有量が少なければ流動性が良好であることが判明した。
水系析出重合から得られたアクリロニトリル系重合体粒子を分級して粒子径分布を制御する方法も有効である。
分級方式、装置は種々あるが、いずれの方法を用いても良い。中でも処理量の観点から、沈降分級機、水力分級機、機械分級機、遠心分離機、篩い分け機、慣性分級機、強制渦型遠心分離機、自由渦型遠心分離機が好ましい。
アクリロニトリル系重合体粒子を分級する場合は、アクリロニトリル系重合体粒子が懸濁した液を用いることが、静電気の発生を防止できるので好ましい。
(攪拌動力測定方法)
攪拌動力とは、反応器の内容物が攪拌により受けた正味の単位体積当たりの電力である。具体的には、反応器が空の状態で攪拌翼を一定の回転数で回転させた場合の攪拌翼を回転させるのに使用した電力値と、反応器内に水を満たした状態で攪拌翼を前記回転数と同じ回転数で回転させるのに使用した場合の電力値の差を求め、反応器内容量で割った数値を攪拌動力とする。反応器内容量は、反応器内に水を満たした状態の水の体積である。本発明においては、電力値を共立電気計器株式会社製のデジタルパワーメーター(MODEL6300)を用いて測定した。
(昇圧度測定方法)
−15℃に冷却したジメチルホルムアミドに、重合体粒子を固形分23質量%で均一に分散させて分散液を得る。この分散液を、熱媒を循環可能なジャケット付きの内径5mmの配管に通過させ、滞在時間5分で110℃まで加熱して溶解させ、重合体溶液を得る。この重合体溶液を、90%捕集効率5μmの金属不織布のフィルター(日本精線製:NF−05S)に、0.0015m/sにて430g通過させた時の差圧上昇の値を昇圧度(MPa)として、重合体粒子の溶解性の指標とする。昇圧度はその値が小さいほどフィルターに捕捉される未溶解物が少なく溶解性に優れる。
(実施例1)
容量76.5リットルのディスクタービン撹拌翼付きアルミ製反応器に、硫酸第一鉄0.000013質量%、過硫酸アンモニウム0.07質量%、亜硫酸水素アンモニウム0.11質量%を溶解した脱イオン交換水を満水になるまで仕込み、反応器内部温度を57℃まで昇温し、アクリロニトリル100質量部、メタクリル酸1.5質量部、脱イオン交換水242質量部、過硫酸アンモニウム0.72質量部、亜硫酸水素アンモニウム0.98質量部、硫酸第一鉄0.00000061質量部、硫酸0.064質量部を流体として連続的に供給した。
反応器内の反応液は、pHが3.0になるように硫酸供給量で調節し、反応液温度を50℃に保ち、撹拌を行いながら連続的に重合反応を行い、単量体の平均滞在時間が77分になるように反応器溢流口より連続的に反応液を取り出した。反応液の単位体積あたりの攪拌動力が5.4kW/m、となる様に攪拌回転数を調整した。
取り出した反応液に、シュウ酸ナトリウム0.5質量%、重炭酸ナトリウム1.5質量%を脱イオン交換水に溶解した重合停止剤水溶液を、反応液のpHが5.5〜6.0になるように加えた。
得られたアクリロニトリル系重合体粒子の100μm以上の粒子径の体積割合、標準偏差、安息角、昇圧度を評価して表1に示した。
100μm以上の粒子径の体積割合が2%以下、標準偏差が15μm以下に抑えられたため安息角が38度となり、流動性の良いアクリロニトリル系重合体粒子が得られた。また、流動性が良好なため、溶剤に均一な速度でアクリロニトリル系重合体粒子を投入することができ、昇圧度は低く、品質の良い紡糸原液が得られた。
(実施例2)
反応器に連続的に供給する流体の流量を表1の通り変更した以外は実施例1と同様にしてアクリロニトリル系重合体粒子を得た。評価結果を表1に示す。
100μm以上の粒子径の体積割合が2%以下、標準偏差が15μm以下に抑えられたため安息角が40度となり、流動性の良いアクリロニトリル系重合体粒子が得られた。また、流動性が良好なため、溶剤に均一な速度でアクリロニトリル系重合体粒子を投入することができ、昇圧度は低く、品質の良い紡糸原液が得られた。
(比較例1)
反応器に連続的に供給する流体の流量と攪拌動力を表1の通り変更した以外は実施例1と同様にしてアクリロニトリル系重合体粒子を得た。評価結果を表1に示す。
100μm以上の粒子径の体積割合が2%以上、標準偏差が15μm以上になったため安息角が46度となり、流動性の悪いアクリロニトリル系重合体粒子が得られた。また、流動性が悪いため、溶剤にアクリロニトリル系重合体粒子を投入する速度が不均一となり、昇圧度は高く、品質の悪い紡糸原液となった。
(実施例3)
反応器に連続的に供給する流体の流量を表2の通り変更した以外は実施例1と同様にしてアクリロニトリル系重合体粒子を得た。評価結果を表2に示す。
100μm以上の粒子径の体積割合が2%以下、標準偏差が15μm以下に抑えられたため安息角が37度となり、流動性の良いアクリロニトリル系重合体粒子が得られた。
(実施例4)
反応器に連続的に供給する流体の流量と攪拌動力を表2の通り変更した以外は実施例1と同様にしてアクリロニトリル系重合体粒子を得た。評価結果を表2に示す。
100μm以上の粒子径の体積割合が2%以下、標準偏差が15μm以下に抑えられたため安息角が40度となり、流動性の良いアクリロニトリル系重合体粒子が得られた。
(比較例2)
反応器に連続的に供給する流体の流量と攪拌動力を表2の通り変更した以外は実施例1と同様にしてアクリロニトリル系重合体粒子を得た。評価結果を表2に示す。
100μm以上の粒子径の体積割合が2%以上、標準偏差が15μm以上になったため安息角が44度となり、流動性の悪いアクリロニトリル系重合体粒子が得られた。
(比較例3)
反応器に連続的に供給する流体の流量と攪拌動力を表2の通り変更した以外は実施例1と同様にしてアクリロニトリル系重合体粒子を得た。評価結果を表2に示す。
100μm以上の粒子径の体積割合が2%以上、標準偏差が15μm以上になったため安息角が46度となり、流動性の悪いアクリロニトリル系重合体粒子が得られた。

Claims (6)

  1. 安息角が20度以上42度以下であるアクリロニトリル系重合体粒子。
  2. 100μm以上の粒子径の体積割合が2%以下である請求項1記載のアクリロニトリル系重合体粒子。
  3. 以下の式1で表す標準偏差が0μm以上15μm以下である請求項1記載のアクリロニトリル系重合体粒子。
    標準偏差=(D80%−D20%)/2・・・(1)
    ただし、D80%:累積分布が80%となる点の粒子径(μm)、D20%:累積分布が20%となる点の粒子径(μm)
  4. 反応器に単量体、重合開始剤及び脱イオン交換水を連続的に供給し、反応器から反応液を連続的に取り出すレドックス水系析出重合であって、攪拌動力(P)kW/mが供給する水/単量体の質量比(W/M比)によって以下の式2の範囲で表される請求項1記載の重合体粒子を得る製造方法
    −1.3×(W/M比)+3.0≦攪拌動力≦−1.3×(W/M比)+6.5・・・(2)
    ただし、攪拌動力は1kW/m以上
  5. 反応器に単量体、重合開始剤及び脱イオン交換水を連続的に供給し、反応器から反応液を連続的に取り出すレドックス水系析出重合であって、100μm以上のアクリロニトリル系重合体粒子を分級して請求項2記載の重合体粒子を得る製造方法
  6. 反応器に単量体、重合開始剤及び脱イオン交換水を連続的に供給し、反応器から反応液を連続的に取り出すレドックス水系析出重合であって、アクリロニトリル系重合体粒子が懸濁した液を分級して請求項2記載の重合体粒子を得る製造方法
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