JP2015043406A - プリント配線板 - Google Patents

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JP2015043406A JP2014020065A JP2014020065A JP2015043406A JP 2015043406 A JP2015043406 A JP 2015043406A JP 2014020065 A JP2014020065 A JP 2014020065A JP 2014020065 A JP2014020065 A JP 2014020065A JP 2015043406 A JP2015043406 A JP 2015043406A
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Hirohiko Gokan
寛彦 後閑
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Yuji Toyoda
裕二 豊田
川合 宣行
Nobuyuki Kawai
宣行 川合
中川 邦弘
Kunihiro Nakagawa
邦弘 中川
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Abstract

【課題】接続部と絶縁基板および接続部と半田との接着強度が高く、アンダーフィル流出による電気的作動不良が発生し難く、ソルダーレジスト層の強度が高く、ソルダーレジスト層とアンダーフィルの接着強度が強く、スミアが確実に除去されたプリント配線板を提供する。【解決手段】絶縁基板上に電子部品を接続する接続部が形成された回路基板を有し、回路基板表面に開口部を有するソルダーレジスト層を有し、開口部において接続部がソルダーレジスト層から部分的に露出しているプリント配線板であって、ソルダーレジスト層の開口部における開口部上部の開口幅が開口部底部の開口幅以下である構造を有することを特徴とするプリント配線板。【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品を接続する接続部を設けたプリント配線板に関する。
従来、絶縁基板上に接続部が形成された回路基板を有し、上記回路基板の表面に設けたソルダーレジスト層よりなる表面絶縁層を有するプリント配線板が知られている。
そして、上記プリント配線板の表面にバンプまたはボールパッド等の接続部を設け、該接続部に配置した半田ボールを介して、半導体素子、他のプリント配線板等の電子部品を接続することが一般的に行われている。なお、この接続部2には、ソルダーレジスト層3を部分的に除去し、接続部2表面の全体又は一部を露出させることにより作製されるSMD(Solder Mask Defined)構造(図13)と、ソルダーレジスト層3を部分的に除去し、接続部2を完全に露出させることにより作製されるNSMD(Non Solder Mask Defined)構造(図14)がある。
SMD構造では、接続部2はその周辺近傍がソルダーレジスト層3によって被覆されている。そのため、機械的衝撃による接続部2の剥がれや接続部2からの引き出し配線におけるネック部の断線が起こりにくいという利点がある。その反面、電子部品の電極端子とこれに対応する接続部との電気的な接続を確実に固定するために、接続部2の露出面に形成する接合部に必要な半田量を確保する必要がある。ゆえに、接続部2が大型化してしまうため、電子部品の小型化高性能化に伴う接続部の高密度化の要求に対応することが難しいという欠点がある。
NSMD構造では、接続部2はその周辺近傍のソルダーレジスト層3が完全に除去され、接続部2の側面が完全に露出している。そのため、SMD構造と比較して、小さな接続部2でも接続部2と半田との接着強度を確保できるという利点がある。
ただし、接続部2と絶縁基板1との間の接着強度が低下する欠点や接続部2からの引き出し配線におけるネック部の断線が起こりやすいという欠点がある。この欠点を改良したプリント配線板として、図15に示したように、接続部2の表面全体と側面の一部がソルダーレジスト層3から露出している構造が開示されている(例えば、特許文献1及び2参照)。接続部の高密度化の要求に対応するためには、図14に示したNSMD構造が適しており、図15に示した構造がさらに適している。
図14に示したNSMD構造は、ソルダーレジスト層3のうち、開口部4の領域以外の部分を活性光線により露光し、現像処理によって、未露光部のソルダーレジスト層3を除去することによって製造されている。図15の構造は、ソルダーレジスト層3にレーザ光照射によって開口部4を形成することによって製造されている。露光・現像処理によってソルダーレジスト層3に開口部4を形成した場合とレーザ光照射によってソルダーレジスト層3に開口部4を形成した場合とでは、開口部4の断面形状に共通点がある。図2は、この共通点を説明するための図であり、ソルダーレジスト層3に開口部4が形成されているプリント配線板の断面図である。図2のプリント配線板では、絶縁基板1上に接続部2が形成された回路基板と、回路基板表面に設けたソルダーレジスト層3とからなり、ソルダーレジスト層3に設けた開口部4によって、一部の接続部2の表面と側面の一部がソルダーレジスト層3から露出している。露光・現像処理又はレーザ光照射によってソルダーレジスト層3の一部を除去することによって形成されるソルダーレジスト層3の開口部4は、深い部分ほど開口幅が小さい形状となる。すなわち、便宜上、図14および図15では、ソルダーレジスト層3の開口部4において、開口部上部の開口幅5と開口部底部の開口幅6が等しく描かれているが、実際に、露光・現像処理又はレーザ光照射によって開口部4を形成した場合には、図2のように、開口部上部の開口幅5は開口部底部の開口幅6よりも大きくなる。このソルダーレジスト層3の開口部4形状では、接続部2と半田との接着強度が不足し、プリント配線板と電子部品との間の接続信頼性に問題が発生する場合があった。なお、この開口部上部の開口幅5と開口部底部の開口幅6の大小関係は、露光・現像処理とレーザ光照射の加工特性に起因する。そのため、例えば開口部上部の開口幅5が開口部底部の開口幅6よりも小さい形状を露光・現像処理又はレーザ光照射で形成することは、困難である。
さらに、レーザ光照射によるソルダーレジスト層3への開口部4形成においては、ソルダーレジスト層3の成分(スミア)が分解除去されないで、開口部4周囲や底部、接続部2上に残留する現象が生じる。このようなスミアが残留すると、接続部2と半田の接着強度不足となり、プリント配線板と電子部品との間における接続信頼性に問題が発生する。こうした問題を回避するために、通常このスミアを除去する工程(デスミア工程)が必要となる。このようなデスミア工程では、一般に濃アルカリ溶液でスミアを膨潤させた後、過マンガン酸塩溶液によりスミアを分解除去する湿式法が用いられている。
しかしながら、このような方法で確実にデスミアを実施しようとすると、ソルダーレジスト層3におけるこれらの薬液が接触した面が粗面化されることで、ソルダーレジスト層3の強度が低下してしまい、プリント配線板の信頼性が充分に確保できない場合があった。一方で、この粗面化現象を抑えようとすると、逆にスミアが確実に除去できないという問題があった。
ところで、電子部品をフリップチップ接続により搭載したプリント配線板では、電子部品とプリント配線板との接続信頼性や絶縁信頼性を確保するために、電子部品とプリント配線板との空隙をアンダーフィル(封止樹脂)で充填する。接続信頼性や絶縁信頼性の効果を確保するためには、電子部品とプリント配線板との空隙に充分な量のアンダーフィルを注入しなければならない。このアンダーフィルを注入する際に、アンダーフィルが電子部品とプリント配線板との空隙から周囲へ溢れて、電気的な作動に悪影響を及ぼす場合があった。そのため、アンダーフィルが周囲に溢れてしまうことを防止するために、ダム構造を有するプリント配線板が開示されている(例えば、特許文献3〜4参照)。
特許文献3には、SMD構造のプリント配線板が記載されている。このプリント配線板は、図16に示したように、絶縁基板1上に接続部2が形成された回路基板を有し、回路基板表面にソルダーレジスト層3を有している。このプリント配線板では、電子部品搭載部とその周囲のソルダーレジスト層3が開口されてなることで、第一開口部11が形成されている。また、第一開口部の底部12のソルダーレジスト層3の一部を開口することで、接続部2の表面がソルダーレジスト層3から部分的に露出している。特許文献3に開示されているプリント配線板では、ソルダーレジスト層3が多段構造となって、ダム構造20が形成されていることで、アンダーフィルを充填した際に、アンダーフィルが電子部品とプリント配線板との空隙から溢れてしまうことを防止することができる。
特許文献3のSMD構造とダム構造を有するプリント配線板は、接続部2を有する回路基板上にソルダーレジスト層3を形成した後、ダム構造20の領域を活性光線により露光し、その後非露光部のソルダーレジスト層3を薄膜化し、第一開口部11を形成し、次に、接続部2の表面の一部分以外の領域を活性光線により露光し、現像処理によって、未露光部のソルダーレジスト層3を除去し、第二開口部14を形成することによって、製造されている。しかしながら、上述したように、特許文献3のプリント配線板はSMD構造であり、接続部2はその周辺近傍がソルダーレジスト層3に被覆されている。そのため、接続部の高密度化の要求に対応することが難しい。また、接続部2の表面上のソルダーレジスト層3によって、電子部品の電極端子とこれに対応する接続部2との電気的な接続を確実に固定することが難しく、接続部2と半田との電気的な接続が不十分となる場合があった。
特許文献4には、接続部の高密度化に適したNSMD構造のプリント配線板が記載されている。このプリント配線板は、図17に示したように、絶縁基板1上に接続部2が形成された回路基板を有し、回路基板表面にソルダーレジスト層3を有している。このプリント配線板では、電子部品搭載部とその周囲のソルダーレジスト層3が開口されてなることで、第一開口部11が形成されている。また、第一開口部の底部12のソルダーレジスト層3の一部を開口することで、接続部2の全体がソルダーレジスト層3から露出している。特許文献4に開示されているプリント配線板では、ソルダーレジスト層3が多段構造となって、ダム構造20が形成されていることで、アンダーフィルを充填した際に、アンダーフィルが電子部品とプリント配線板との空隙から溢れてしまうことを防止することができる。
特許文献4のNSMD構造とダム構造を有するプリント配線板は、接続部2を有する回路基板上に第一ソルダーレジスト層を形成した後、開口部4の領域以外の部分を活性光線により露光し、現像処理によって、未露光部の第一ソルダーレジスト層を除去し、第二開口部14を形成し、その上に再度、第二ソルダーレジスト層を形成した後、ダム構造20の領域を活性光線により露光し、現像処理によって、未露光部の第二ソルダーレジスト層を除去し、第一開口部11を形成することによって、製造されている。
露光・現像処理によって、ソルダーレジスト層3の一部を除去することによって形成されるソルダーレジスト層の開口部は、上述したように、深い部分ほど開口幅が小さい形状となる(図2)。特許文献4のプリント配線板では、第一開口部11と第二開口部14の両方が、深い部分ほど開口幅の小さい形状となる。そのため、接続部2と半田との接着強度が不足し、プリント配線板と電子部品との間の接続信頼性に問題が発生する場合がある上に、アンダーフィルとソルダーレジスト層3との接着強度が不足し、プリント配線板の絶縁信頼性に問題が発生する場合もあった。
特許文献1及び2に開示されている図15に示した構造のプリント配線板も、接続部の高密度化の要求に対応することができる。図15に示した構造のプリント配線板において、ダム構造20を設けた場合、例えば、図11に示したように、絶縁基板1上に接続部2が形成された回路基板を有し、回路基板表面にソルダーレジスト層3を有している。このプリント配線板では、電子部品搭載部とその周囲のソルダーレジスト層3が開口されてなることで、第一開口部11が形成されている。また、第一開口部の底部12のソルダーレジスト層3の一部を開口することで、接続部2の表面と側面の一部がソルダーレジスト層3から露出している。図15に示した構造のプリント配線板でも、ソルダーレジスト層3が多段構造となって、ダム構造20が形成されていることで、アンダーフィルを充填した際に、アンダーフィルが電子部品とプリント配線板との空隙から溢れてしまうことを防止することができる。
図15に示した構造を有するプリント配線板の製造において、ソルダーレジスト層3へのレーザ光照射によって、ダム構造20を形成することが可能である。しかし、レーザ光照射によるソルダーレジスト層3への開口部形成においては、上述したように、ソルダーレジスト層3の強度低下が発生し、プリント配線板の信頼性が充分に確保できない場合があった。
さらに、レーザ光照射によってソルダーレジスト層3の一部を除去することによって形成されるソルダーレジスト層3の開口部4は、上述したように、深い部分ほど開口幅が小さい形状となるため、アンダーフィルとソルダーレジスト層3の接着強度が不足し、プリント配線板の絶縁信頼性に問題が発生する場合があった。
特開平11−54896号公報 特開2009−33084号公報 特開2011−77191号公報 特開2006−351559号公報
接続部と絶縁基板との接着強度および接続部と半田との接着強度が高く、アンダーフィル流出による電気的作動不良が発生し難く、ソルダーレジスト層の強度が高く、ソルダーレジスト層とアンダーフィルの接着強度が強く、スミアが確実に除去されたプリント配線板を提供することが、本発明の課題である。
本発明者らは、下記手段によって、上記課題を解決できることを見出した。
(1)絶縁基板上に電子部品を接続する接続部が形成された回路基板を有し、回路基板表面に開口部を有するソルダーレジスト層を有し、開口部において接続部がソルダーレジスト層から部分的に露出しているプリント配線板であって、ソルダーレジスト層の開口部における開口部上部の開口幅が開口部底部の開口幅以下である構造を有することを特徴とするプリント配線板。
(2)ソルダーレジスト層表面およびソルダーレジスト層開口部底部の表面粗さRaが0.50μm以下である上記(1)記載のプリント配線板。
(3)絶縁基板上に電子部品を接続する接続部が形成された回路基板を有し、回路基板表面にソルダーレジスト層を有し、電子部品搭載部とその周囲のソルダーレジスト層が開口されてなる第一開口部を有し、第一開口部の底部のソルダーレジスト層の一部が開口されてなる第二開口部を有し、第二開口部において接続部がソルダーレジスト層から露出しているプリント配線板であって、第一開口部における開口部上部の開口幅が開口部底部の開口幅以下である構造Aと、第二開口部における開口部上部の開口幅が開口部底部の開口幅以下である構造Bとからなる群から選ばれる少なくとも一つの構造を有することを特徴とするプリント配線板。
(4)ソルダーレジスト層表面と第一開口部底部と第二開口部底部とからなる群から選ばれる少なくとも一つの面の表面粗さRaが0.50μm以下である上記(3)記載のプリント配線板。
(5)第二開口部において、接続部の表面全体と側面の一部がソルダーレジスト層から露出している上記(3)又は(4)記載のプリント配線板。
本発明のプリント配線板により、接続部と絶縁基板との接着強度および接続部と半田との接着強度が高く、アンダーフィル流出による電気的作動不良が発生し難く、ソルダーレジスト層の強度が高く、ソルダーレジスト層とアンダーフィルの接着強度が強く、スミアが確実に除去されたプリント配線板を提供することができる。
本発明のプリント配線板の断面構造を示す説明図である。 従来のプリント配線板の断面構造を示す説明図である。 本発明のプリント配線板を製造する方法の一例を示す説明図である。 本発明のプリント配線板の断面構造を示す説明図である。 本発明のプリント配線板の断面構造を示す説明図である。 本発明のプリント配線板の断面構造を示す説明図である。 本発明のプリント配線板を製造する方法の一例を示す説明図である。 本発明のプリント配線板を製造する方法の一例を示す説明図である。 本発明のプリント配線板を製造する方法の一例を示す説明図である。 本発明のプリント配線板を製造する方法の一例を示す説明図である。 本発明のプリント配線板の断面構造を示す説明図である。 本発明のプリント配線板を製造する方法の一例を示す説明図である。 プリント配線板(SMD構造)の断面構造を示す説明図である。 プリント配線板(NSMD構造)の断面構造を示す説明図である。 プリント配線板の断面構造を示す説明図である。 ダム構造を有するプリント配線板(SMD構造)の断面構造を示す説明図である。 ダム構造を有するプリント配線板(NSMD構造)の断面構造を示す説明図である。
図面を用いて、本発明のプリント配線板を説明する。まず、図1を用いて、本発明のプリント配線板(1)の形状を説明する。本発明のプリント配線板(1)は、絶縁基板1上に接続部2が形成された回路基板を有し、回路基板表面に開口部4を有するソルダーレジスト層3を有し、開口部4において、接続部2がソルダーレジスト層3から部分的に露出しているプリント配線板であって、ソルダーレジスト層3の開口部4における開口部上部の開口幅5が開口部底部の開口幅6以下であることを特徴とするプリント配線板である。「接続部」2は、導体回路の一部であり、半導体素子、他のプリント配線板等の電子部品を接続するために使用される。なお、本発明のプリント配線板(1)において、「開口部4において、接続部2がソルダーレジスト層3から部分的に露出している」状態とは、図1のように、接続部2の表面全体がソルダーレジスト層3から完全に露出している状態であり、尚且つ接続部2の側面の一部がソルダーレジスト層3から露出している状態である。
また、本発明のプリント配線板(2)の形状は、本発明のプリント配線板(1)において、ソルダーレジスト層表面9およびソルダーレジスト層開口部底部10の表面粗さRaが0.50μm以下であるプリント配線板である。
次に、図5および図6を用いて、本発明のプリント配線板(3)の形状を説明する。本発明のプリント配線板(3)は、絶縁基板1上に電子部品を接続する接続部2が形成された回路基板を有し、回路基板表面にソルダーレジスト層3を有し、電子部品搭載部とその周囲のソルダーレジスト層3が開口されてなる第一開口部11を有し、第一開口部の底部12のソルダーレジスト層3の一部が開口されてなる第二開口部14を有し、第二開口部14において接続部2がソルダーレジスト層3から露出しているプリント配線板であって、第一開口部11における開口部上部の開口幅15が開口部底部の開口幅16以下である構造Aと、第二開口部14における開口部上部の開口幅17が開口部底部の開口幅18以下である構造Bとからなる群から選ばれる少なくとも一つの構造を有することを特徴とするプリント配線板である。「接続部」2は、導体回路の一部であり、半導体素子、他のプリント配線板等の電子部品を接続するために使用される。なお、「電子部品搭載部」とはソルダーレジスト層3が形成された回路基板表面に半導体素子、他のプリント配線板等の電子部品が実装された際に、回路基板上で電子部品が占める領域を指す。「電子部品搭載部とその周囲」における「周囲」とは電子部品端部から0mm〜2mmの範囲を指す。また、本発明において、「接続部がソルダーレジスト層から露出している」状態とは、図5および図6のように、接続部2の表面全体がソルダーレジスト層3から完全に露出している状態である。そして、図5のように、接続部2の側面の一部がソルダーレジスト層3から露出しているプリント配線板(5)がより好ましい状態である。
また、本発明のプリント配線板(4)の形状は、本発明のプリント配線板(3)において、ソルダーレジスト層表面9と第一開口部の底部12と第二開口部の底部13とからなる群から選ばれる少なくともひとつの面の表面粗さRaが0.50μm以下であるプリント配線板である。
本発明のプリント配線板(1)〜(5)における接続部2は、いわゆるバンプまたはボールパッド等として使用することができる。即ち、露出している接続部2には半田ボール等を配置し、この半田ボールを介して、半導体素子、他のプリント配線板等の電子部品を、接続部2に対する導通を確保しつつ、接続することができる。
なお、上記電子部品としては、フリップチップ、BGA(ボールグリッドアレイ)、チップスケールパッケージ、チップサイズパッケージ、あるいはTCP(テープキャリアパッケージ)、リードレスチップキャリア等の電子部品のパッド、あるいはそれらを実装するプリント配線板が挙げられる。
本発明のプリント配線板(1)〜(2)の作用効果について説明する。本発明のプリント配線板(1)においては、接続部2がソルダーレジスト層3の開口部4から露出した状態であり、かつソルダーレジスト層3の開口部4において、開口部上部の開口幅5の長さが開口部底部の開口幅6の長さ以下になっている。
ソルダーレジスト層3の開口部4において、開口部上部の開口幅5が開口部底部の開口幅6以下である本発明の特徴によって、ソルダーレジスト層3が半田に食い込み、そのアンカー効果によって半田と接続部2との接着強度が向上することから、接続部2に配置した半田ボールを介して、電子部品を接続する場合、両者の間に高い接続信頼性を得ることができる。また、本発明のプリント配線板(1)では、接続部2の側面がソルダーレジスト層3によって部分的に覆われることになり、接続部2と絶縁基板1との接着強度が向上する効果と、接続部2と半田との接触面積が増加する効果とが得られる。
本発明のプリント配線板(2)は、本発明のプリント配線板(1)において、ソルダーレジスト層表面9およびソルダーレジスト層開口部底部10の表面粗さRaが0.50μm以下である。これにより、本発明のプリント配線板(2)は、本発明のプリント配線板(1)の作用効果に加えて、ソルダーレジスト層3の強度が高く、プリント配線板の信頼性を向上させることができる。
本発明のプリント配線板(3)の作用効果について説明する。本発明のプリント配線板(3)は、接続部2の上部に相当する電子部品搭載部とその周囲のソルダーレジスト層3が開口されてなる第一開口部11を有する。また、第一開口部の底部12のソルダーレジスト層3の一部が開口された第二開口部14によって、接続部2がソルダーレジスト層3から露出している。そして、ソルダーレジスト層3の第一開口部11における開口部上部の開口幅15が開口部底部の開口幅16以下である構造Aと、第二開口部14における開口部上部の開口幅17が開口部底部の開口幅18以下である構造Bとからなる群から選ばれる少なくとも一つの構造を有する。
これにより、本発明のプリント配線板(3)は、電子部品と回路基板の空隙にアンダーフィルを充填した際に、アンダーフィルが電子部品と回路基板の空隙から溢れてしまうことを防止するダム構造20を有している。そのため、アンダーフィルが電子部品と回路基板の空隙から周囲へ溢れてしまうことによる、電気的な作動に悪影響の発生を防止する効果が得られる。また、本発明のプリント配線板(5)では、接続部2の側面がソルダーレジスト層3によって部分的に覆われることになり、接続部2と絶縁基板1との接着強度が向上する効果と、接続部2と半田との接触面積が増加する効果とが得られる。そのうえ、ソルダーレジスト層3の第一開口部11における開口部上部の開口幅15が開口部底部の開口幅16以下である構造Aと、第二開口部14における開口部上部の開口幅17が開口部底部の開口幅18以下である構造Bとからなる群から選ばれる少なくとも一つの構造を有することによって、ソルダーレジスト層3がアンダーフィルに食い込み、そのアンカー効果によってソルダーレジスト層3とアンダーフィルとの接着強度が向上することから、プリント配線板の絶縁信頼性を向上させることができる。尚且つ、ソルダーレジスト層3が半田に食い込み、そのアンカー効果によって半田と接続部2との接着強度が向上することから、接続部2に配置した半田ボールを介して、電子部品を接続する場合、両者の間に高い接続信頼性を得ることができる。
本発明のプリント配線板(4)の作用効果について説明する。本発明のプリント配線板(4)は、本発明のプリント配線板(3)において、ソルダーレジスト層表面9と第一開口部の底部12と第二開口部の底部13とからなる群から選ばれる少なくともひとつの面の表面粗さRaが0.50μm以下である。これにより、本発明のプリント配線板(4)は、本発明のプリント配線板(3)の作用効果に加えて、ソルダーレジスト層3の強度が高く、プリント配線板の信頼性を向上させることができる。
図3を用いて、本発明のプリント配線板(1)及び(2)を製造する方法の一例を説明する。この方法では、接続部2周囲のソルダーレジスト層3を薄膜化することで開口部4を形成し、接続部2をソルダーレジスト層3から部分的に露出させる。まず、絶縁基板1上に接続部2が形成された回路基板を準備する(図3a)。回路基板には、接続部2以外の導体回路19が形成されていてもよい。接続部2は、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、アディティブ法等を用いて形成することができる。次に、回路基板全面を覆うように、アルカリ現像型のソルダーレジスト層3を形成する(図3b)。次いで、ソルダーレジスト層3のうち、開口部4を形成する領域以外の部分を活性光線7により露光する(図3c)。図3cでは、フォトマスク8を介しているが、直接描画方式でもかまわない。続いて、非露光部のソルダーレジスト層3を薄膜化して開口部4を形成することで、図3dに示すように、接続部2がソルダーレジスト層3から部分的に露出したプリント配線板が形成できる。
この方法によると、加工条件を変更することで、開口部上部の開口幅5と開口部底部の開口幅6の関係を容易に制御することができる。ソルダーレジストにはフィラーが多く含まれているために、ソルダーレジスト層3の絶縁性基板1に近い部分ほど、露光の際の活性光線が届き難く、光硬化が弱くなる。このことにより、ソルダーレジスト層3を薄膜化して開口部4を形成した場合には、開口部上部の開口幅5が開口部底部の開口幅6以下になりやすく、ソルダーレジスト層3に形成された開口部4の断面形状は、図1や図4に示した形状になりやすい。また、各種ソルダーレジストの推奨露光条件よりも露光量を小さくすることで、開口部上部の開口幅5を開口部底部の開口幅6よりも小さくすることができる。開口部上部の開口幅5が開口部底部の開口幅6よりも小さい場合、開口部上部の開口幅5と開口部底部の開口幅6とが等しい場合と比較して、半田と接続部2との接着強度がより向上するので好ましい。
さらに、この方法によって製造されたプリント配線板では、ソルダーレジスト層表面9とソルダーレジスト層開口部底部10の表面粗さRaが0.50μm以下になる。より具体的には、ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaが0.10μm以下であり、ソルダーレジスト層開口部底部10の表面粗さRaが0.50μm以下である。また、ソルダーレジスト層開口部底部10のソルダーレジスト層3は、活性光線による光硬化を受けていないために、柔軟な状態であり、容易に表面粗さを変化させ、平滑化することが可能である。例えば、平滑化処理として、80℃の環境に15秒さらすことで、ソルダーレジスト層開口部底部10の表面粗さRaは0.15μm以下にすることが可能である。また、80℃の環境に30秒さらすことでソルダーレジスト層開口部底部10の表面粗さRaは0.10μm以下にすることが可能である。ソルダーレジスト層表面9およびソルダーレジスト層開口部底部10の表面粗さRaが低いほど、ソルダーレジスト層の強度が向上するため、好ましい。平滑化処理の好ましい温度は25〜120℃であり、好ましい時間は5〜1800秒である。平滑化処理温度が25℃より低い場合には、平滑化処理に要する時間が長くなりすぎてしまうので、生産性を考慮すると、25℃以上であることが好ましい。また、平滑化処理温度が120℃より高い場合には、ソルダーレジスト層の熱硬化が始まることがあるため、120℃以下で平滑化処理をすることが好ましい。
図7を用いて、本発明のプリント配線板(3)〜(5)を製造する方法の一例を説明する。この方法では、電子部品搭載部とその周囲のソルダーレジスト層3を薄膜化することで第一開口部11を形成し、次に第一開口部の底部12のソルダーレジスト層3の一部を薄膜化することで、接続部2をソルダーレジスト層3から部分的に露出させる。
まず、絶縁基板1上に接続部2が形成された回路基板を準備する(図7a)。回路基板には、接続部2以外の導体回路19が形成されていてもよい。接続部2は、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、アディティブ法等を用いて形成することができる。次に、回路基板全面を覆うように、アルカリ現像型のソルダーレジスト層3を形成する(図7(A))。次いで、ソルダーレジスト層3のうち、第一開口部11を形成する領域以外の部分を活性光線7により露光する(図7(C1))。図7(C1)では、フォトマスク8を介して露光しているが、直接描画方式で露光してもかまわない。続いて、ソルダーレジスト層3上のキャリアフィルムを剥離した後、非露光部のソルダーレジスト層3を薄膜化して第一開口部11を形成する(図7(B1))。
次いで、第一開口部の底部12のソルダーレジスト層3のうち、接続部2を部分的にソルダーレジスト層3から露出させるための開口部を形成する領域以外の部分を活性光線7により露光する(図7(C2))。図7(C2)では、フォトマスク8を介して露光しているが、直接描画方式で露光してもかまわない。また、工程(B1)で薄膜化された後、ソルダーレジスト層3上にはキャリアフィルムがない。このキャリアフィルムがない状態で、工程(C2)で露光されると、空気中の酸素の影響によりソルダーレジスト層3の表層で重合阻害が発生する場合がある。重合阻害が発生した部分は、後工程の工程(B2)で薄膜化され、ソルダーレジスト層3の膜減りが発生する。続いて、非露光部のソルダーレジスト層3を薄膜化して、第一開口部の底部12のソルダーレジスト層3に、接続部2を部分的にソルダーレジスト層3から露出させるための開口部を形成することで、図7(B2)に示すように、回路基板表面のソルダーレジスト層3に第一開口部11が形成され、第一開口部の底部12のソルダーレジスト層3を開口することで、第二開口部14が形成され、接続部2がソルダーレジスト層3から部分的に露出したプリント配線板が形成できる。
この方法によると、加工条件を変更することで、第一開口部上部の開口幅15と第一開口部底部の開口幅16の関係、および第二開口部上部の開口幅17と第二開口部底部の開口幅18の関係を容易に制御することができる。ソルダーレジストにはフィラーが多く含まれているために、ソルダーレジスト層3の絶縁性基板1に近い部分ほど、露光の際の活性光線が届き難く、光硬化が弱くなる。このことにより、ソルダーレジスト層3を薄膜化して第一開口部11と第二開口部14を形成した場合には、第一開口部上部の開口幅15が第一開口部底部の開口幅16以下になりやすく、第二開口部上部の開口幅17が第二開口部底部の開口幅18以下になりやすい。また、各種ソルダーレジストの推奨露光条件よりも露光量を小さくすることで、第一開口部上部の開口幅15を第一開口部底部の開口幅16よりも小さくすることができる。第一開口部上部の開口幅15が第一開口部底部の開口幅16よりも小さい場合、第一開口部上部の開口幅15と第一開口部底部の開口幅16とが等しい場合と比較して、ソルダーレジスト層3とアンダーフィルとの接着強度が向上するので好ましい。また、同様に、第二開口部上部の開口幅17を第二開口部底部の開口幅18よりも小さくすることができる。第二開口部上部の開口幅17が第二開口部底部の開口幅18よりも小さい場合、第二開口部上部の開口幅17と第二開口部底部の開口幅18とが等しい場合と比較して、半田と接続部2との接着強度がより向上するので好ましい。
また、図7の手順による本発明のプリント配線板(3)〜(5)の作製方法では、工程(C1)および工程(C2)の露光領域を任意の形状に変化させることが可能であり、露光領域の変更により、例えば、図11に示す断面形状の回路基板を作製することが可能である。図11のaでは、接続部2の間のソルダーレジスト層3の厚みが接続部2よりも薄くなっている。図11のbでは、露出した接続部2とソルダーレジスト層3で被覆されている導体回路19が存在している。
この方法によって製造されたプリント配線板では、ソルダーレジスト層表面9と第一開口部の底部12と第二開口部の底部13の表面粗さRaが0.50μm以下になりやすい。より具体的には、ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaが0.10μm以下であり、第一開口部の底部12と第二開口部の底部13の表面粗さRaが0.50μm以下であることが好ましい。
また、第一開口部11の形成後(図7(B1))であり、第一開口部の底部12のソルダーレジスト層3のうち、接続部2を部分的にソルダーレジスト層3から露出させるための開口部を形成する領域以外の部分を活性光線7により露光する(図7(C2))以前の状態の第一開口部の底部12のソルダーレジスト層3は、活性光線による光硬化を受けていないために、柔軟な状態であり、容易に表面粗さを変化させ、平滑化することが可能である。同様に第二開口部の底部13のソルダーレジスト層3も、活性光線による光硬化を受けていないために、柔軟な状態であり、容易に表面粗さを変化させ、平滑化することが可能である。
例えば、平滑化処理として、80℃の環境に15秒さらすことで、第一開口部の底部12と第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.15μm以下にすることが可能である。また、80℃の環境に30秒さらすことで第一開口部の底部12と第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.10μm以下にすることが可能である。ソルダーレジスト層表面9および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13の表面粗さRaが低いほど、ソルダーレジスト層の強度が向上するため、好ましい。平滑化処理の好ましい温度は25〜120℃であり、好ましい時間は5〜1800秒である。平滑化処理温度が25℃より低い場合には、平滑化処理に要する時間が長くなりすぎてしまうので、生産性を考慮すると、25℃以上であることが好ましい。また、平滑化処理温度が120℃より高い場合には、ソルダーレジスト層の熱硬化が始まることがあるため、120℃以下で平滑化処理をすることが好ましい。
図8を用いて、本発明のプリント配線板(3)〜(5)の作製方法の別の一例を説明する。この方法では、まず、回路基板の表面に形成した第一ソルダーレジスト層3−1のうち、接続部2周囲の第一ソルダーレジスト層3−1を薄膜化することで、接続部2を第一ソルダーレジスト層3−1から部分的に露出させる。次に、第一ソルダーレジスト層3−1の表面上に第二ソルダーレジスト層3−2を形成し、電子部品搭載部とその周囲の第二ソルダーレジスト層3−2を現像処理することで、第一開口部11を形成する。
まず、絶縁基板1上に接続部2が形成された回路基板を準備する(図8a)。回路基板には、接続部2以外の導体回路19が形成されていてもよい。接続部2は、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、アディティブ法等を用いて形成することができる。次に、工程(A1)において、回路基板全面を覆うように、アルカリ現像型の第一ソルダーレジスト層3−1を形成する(図8(A1))。次いで、工程(C1)において、第一ソルダーレジスト層3−1のうち、接続部2を部分的に第一ソルダーレジスト層3−1から露出させるための開口部を形成する領域以外の部分を活性光線7により露光する(図8(C1))。図8(C1)では、フォトマスク8を介して露光しているが、直接描画方式で露光してもかまわない。次いで、第一ソルダーレジスト層3−1上のキャリアフィルムを剥離した後、工程(B)において、非露光部の第一ソルダーレジスト層3−1を薄膜化して、接続部2を部分的に第一ソルダーレジスト層3−1から露出させるための開口部を形成する(図8(B))。続いて、工程(C2)において、工程(B)にて薄膜化された領域を活性光線7により露光する(図8(C2))。図8(C2)では、フォトマスク8を介して露光しているが、直接描画方式で露光してもかまわない。また、工程(B)で薄膜化された後、第一ソルダーレジスト層3−1上にはキャリアフィルムがない。このキャリアフィルムがない状態で、工程(C2)で露光されると、空気中の酸素の影響により第一ソルダーレジスト層3−1の表層で重合阻害が発生する場合がある。重合阻害が発生した部分は、後工程の工程(D)で現像され、第一ソルダーレジスト層3−1の膜減りが発生する。
次いで、工程(A2)において、工程(C2)までの工程が完了した第一ソルダーレジスト層3−1上の全体に、アルカリ現像型の第二ソルダーレジスト層3−2を形成する(図8(A2))。次いで、工程(C3)において、第二ソルダーレジスト層3−2のうち、第一開口部11の領域以外の部分を活性光線7により露光する(図8(C3))。図8(C3)では、フォトマスク8を介して露光しているが、直接描画方式で露光してもかまわない。続いて、工程(D)において、未露光部の第二ソルダーレジスト層3−2を現像処理によって除去することで、図8(D)に示すように、回路基板表面に第一ソルダーレジスト層3−1と第二ソルダーレジスト層3−2とから構成されるソルダーレジスト層3が形成され、ソルダーレジスト層3に第一開口部11が形成され、第一開口部の底部12のソルダーレジスト層3に形成された第二開口部14によって、接続部2がソルダーレジスト層3から部分的に露出したプリント配線板が形成できる。
この方法によると、加工条件を変更することで、第二開口部上部の開口幅17と第二開口部底部の開口幅18の関係を容易に制御することができる。ソルダーレジストにはフィラーが多く含まれているために、ソルダーレジスト層3の絶縁性基板1に近い部分ほど、露光の際の活性光線が届き難く、光硬化が弱くなる。このことにより、ソルダーレジスト層3を薄膜化して第二開口部14を形成した場合には、第二開口部上部の開口幅17が第二開口部底部の開口幅18以下になりやすい。また、各種ソルダーレジストの推奨露光条件よりも露光量を小さくすることで、第二開口部上部の開口幅17を第二開口部底部の開口幅18よりも小さくすることができる。第二開口部上部の開口幅17が第二開口部底部の開口幅18よりも小さい場合、第二開口部上部の開口幅17と第二開口部底部の開口幅18とが等しい場合と比較して、半田と接続部2との接着強度がより向上するので好ましい。
また、図8の手順による本発明のプリント配線板(3)〜(5)の作製方法では、工程(C1)および工程(C3)の露光領域を任意の形状に変化させることが可能であり、露光領域の変更により、例えば、図11に示す断面形状の回路基板を作製することが可能である。図11のaでは、接続部2の間のソルダーレジスト層3の厚みが接続部2よりも薄くなっている。図11のbでは、露出した接続部2とソルダーレジスト層3で被覆されている導体回路19が存在している。
この方法によって製造されたプリント配線板では、ソルダーレジスト層表面9と第一開口部の底部12と第二開口部の底部13の表面粗さRaが0.50μm以下になりやすい。また、本発明では、ソルダーレジスト層表面9と第一開口部の底部12の表面粗さRaが0.10μm以下であることが好ましく、第二開口部の底部13の表面粗さRaが0.50μm以下であることが好ましい。表面粗さRaは算術平均表面粗さである。
また、工程(B)後であり、工程(C2)以前の状態の第二開口部の底部13の第一ソルダーレジスト層3−1は、活性光線による光硬化を受けていないために、柔軟な状態であり、容易に表面粗さを変化させ、平滑化することが可能である。
図9を用いて、本発明のプリント配線板(3)〜(5)の作製方法の別の一例を説明する。この方法では、まず、回路基板の表面に形成した第一ソルダーレジスト層3−1の全面を薄膜化することで、接続部2を第一ソルダーレジスト層3−1から部分的に露出させる。次に、第一ソルダーレジスト層3−1の表面上に第二ソルダーレジスト層3−2を形成し、電子部品搭載部とその周囲の第二ソルダーレジスト層3−2を接続部2が露出しない範囲で薄膜化することで、第一開口部を形成する。次に、第一開口部の底部の第二ソルダーレジスト層3−2の一部を現像処理することで、接続部2をソルダーレジスト層3から部分的に露出させる。
まず、絶縁基板1上に接続部2が形成された回路基板を準備する(図9a)。回路基板には、接続部2以外の導体回路19が形成されていてもよい。接続部2は、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、アディティブ法等を用いて形成することができる。次に、工程(A1)において、回路基板全面を覆うように、アルカリ現像型の第一ソルダーレジスト層3−1を形成する(図9(A1))。次いで、第一ソルダーレジスト層3−1上のキャリアフィルムを剥離した後、工程(B1)において、第一ソルダーレジスト層3−1の全面を薄膜化することで、第一ソルダーレジスト層3−1から接続部2を部分的に露出させる(図9(B1))。次いで、工程(C1)において、第一ソルダーレジスト層3−1の全面を露光する(図9(C1))。また、工程(B1)で薄膜化された後、第一ソルダーレジスト層3−1上にはキャリアフィルムがない。このキャリアフィルムがない状態で、工程(C1)で露光されると、空気中の酸素の影響により第一ソルダーレジスト層3−1の表層で重合阻害が発生する場合がある。重合阻害が発生した部分は、後工程の工程(D)で現像され、第一ソルダーレジスト層3−1の膜減りが発生する。
次いで、工程(A2)において、工程(C1)までの工程が完了した第一ソルダーレジスト層3−1上の全体に、アルカリ現像型の第二ソルダーレジスト層3−2を形成する(図9(A2))。次いで、工程(C2)において、第二ソルダーレジスト層3−2のうち、第一開口部11の領域以外の部分を活性光線7により露光する(図9(C2))。図9(C2)では、フォトマスク8を介して露光しているが、直接描画方式で露光してもかまわない。次いで、第二ソルダーレジスト層3−2上のキャリアフィルムを剥離した後、工程(B2)において、未露光部の第二ソルダーレジスト層3−2を薄膜化することによって、第一開口部11を形成する(図9(B2))。
次いで、工程(C3)において、第一開口部の底部12の第二ソルダーレジスト層3−2のうち、接続部2を部分的にソルダーレジスト層3から露出させるための開口部を形成する領域以外の部分を活性光線7により露光する(図9(C3))。図9(C3)では、フォトマスク8を介して露光しているが、直接描画方式で露光してもかまわない。また、工程(B2)で薄膜化された後、第二ソルダーレジスト層3−2上にはキャリアフィルムがない。このキャリアフィルムがない状態で、工程(C3)で露光されると、空気中の酸素の影響により第二ソルダーレジスト層3−2の表層で重合阻害が発生する場合がある。重合阻害が発生した部分は、後工程の工程(D)で現像され、第二ソルダーレジスト層3−2の膜減りが発生する。続いて、工程(D)において、未露光部の第二ソルダーレジスト層3−2を現像処理によって除去することで、図9(D)に示すように、回路基板表面に第一ソルダーレジスト層3−1と第二ソルダーレジスト層3−2とから構成されるソルダーレジスト層3が形成され、ソルダーレジスト層3に第一開口部11が形成され、第一開口部の底部12のソルダーレジスト層3に形成された第二開口部14によって、接続部2がソルダーレジスト層3から部分的に露出したプリント配線板が形成できる。
この方法によると、加工条件を変更することで、第一開口部上部の開口幅15と第一開口部底部の開口幅16の関係を容易に制御することができる。ソルダーレジストにはフィラーが多く含まれているために、ソルダーレジスト層3の絶縁性基板1に近い部分ほど、露光の際の活性光線が届き難く、光硬化が弱くなる。このことにより、ソルダーレジスト層3を薄膜化して第一開口部11を形成した場合には、第一開口部上部の開口幅15が第一開口部底部の開口幅16以下になりやすい。また、各種ソルダーレジストの推奨露光条件よりも露光量を小さくすることで、第一開口部上部の開口幅15を第一開口部底部の開口幅16よりも小さくすることができる。第一開口部上部の開口幅15が第一開口部底部の開口幅16よりも小さい場合、第一開口部上部の開口幅15と第一開口部底部の開口幅16とが等しい場合と比較して、ソルダーレジスト層3とアンダーフィルとの接着強度が向上するので好ましい。
また、図9の手順による本発明のプリント配線板(3)〜(5)の作製方法では、工程(C2)および工程(C3)の露光領域を任意の形状に変化させることが可能であり、露光領域の変更により、例えば、図11に示す断面形状の回路基板を製造することが可能である。図11のaでは、接続部2の間のソルダーレジスト層3の厚みが接続部2よりも薄くなっている。図11のbでは、露出した接続部2とソルダーレジスト層3で被覆されている導体回路19が存在している。
この方法によって製造されたプリント配線板では、ソルダーレジスト層表面9と第一開口部の底部12と第二開口部の底部13の表面粗さRaが0.50μm以下になりやすい。また、本発明では、ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaが0.10μm以下であることが好ましく、第二開口部の底部13と第一開口部の底部12の表面粗さRaが0.50μm以下であることが好ましい。表面粗さRaは算術平均表面粗さである。
また、工程(B1)後であり、工程(C1)以前の状態における第二開口部の底部13の第一ソルダーレジスト層3−1と、工程(B2)後であり、工程(C3)以前の状態の第一開口部の底部12の第二ソルダーレジスト層3−2は、活性光線による光硬化を受けていないために、柔軟な状態であり、容易に表面粗さを変化させ、平滑化することが可能である。
図10を用いて、本発明のプリント配線板(3)〜(5)の作製方法の別の一例を説明する。この方法では、まず、回路基板の表面に形成した第一ソルダーレジスト層3−1の全面を薄膜化することで、接続部2を第一ソルダーレジスト層3−1から部分的に露出させる。次に、第一ソルダーレジスト層3−1の表面上に第二ソルダーレジスト層3−2を形成し、接続部2周囲の第二ソルダーレジスト層3−2を現像によって除去し、ソルダーレジスト層3から再び接続部2を露出させる。次に第二ソルダーレジスト層3−2表面上に第三ソルダーレジスト層3−3を形成し、半導体等の部品搭載部とその周囲の第三ソルダーレジスト層3−3を現像によって除去することで、第一開口部11を形成すると共に、再び接続部2をソルダーレジスト層3から露出させる。
まず、絶縁基板1上に接続部2が形成された回路基板を準備する(図10a)。回路基板には、接続部2以外の導体回路19が形成されていてもよい。接続部2は、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、アディティブ法等を用いて形成することができる。次に、工程(A1)において、回路基板全面を覆うように、アルカリ現像型の第一ソルダーレジスト層3−1を形成する(図10(A1))。次いで、第一ソルダーレジスト層3−1上のキャリアフィルムを剥離した後、工程(B1)において、第一ソルダーレジスト層3−1の全面を薄膜化することで、第一ソルダーレジスト層3−1から接続部2を部分的に露出させる(図10(B1))。次いで、工程(C1)において、第一ソルダーレジスト層3−1の全面を露光する(図10(C1))。また、工程(B1)で薄膜化された後、第一ソルダーレジスト層3−1上にはキャリアフィルムがない。このキャリアフィルムがない状態で、工程(C1)で露光されると、空気中の酸素の影響により第一ソルダーレジスト層3−1の表層で重合阻害が発生する場合がある。重合阻害が発生した部分は、後工程の工程(D1)で現像され、第一ソルダーレジスト層3−1の膜減りが発生する。
次いで、工程(A2)において、工程(C1)までの工程が完了した第一ソルダーレジスト層3−1上の全体に、アルカリ現像型の第二ソルダーレジスト層3−2を形成する(図10(A2))。次いで、工程(C2)において、第二ソルダーレジスト層3−2のうち、接続部2を部分的にソルダーレジスト層3から露出させるための開口部を形成する領域以外の部分を活性光線7により露光する(図10(C2))。図10(C2)では、フォトマスク8を介して露光しているが、直接描画方式で露光してもかまわない。次いで、工程(D1)において、未露光部の第二ソルダーレジスト層を現像処理することによって、第一ソルダーレジスト層3−1から接続部2を部分的に露出させる(図10(D1))。
次いで、工程(A3)において、工程(D1)までの工程が完了した第一ソルダーレジスト層3−1および第二ソルダーレジスト層3−2上の全体に、アルカリ現像型の第三ソルダーレジスト層3−3を形成する(図10(A3))。次いで、工程(C3)において、第三ソルダーレジスト層3−3のうち、第一開口部を形成する領域以外の部分を活性光線7により露光する(図10(C3))。図10(C3)では、フォトマスク8を介して露光しているが、直接描画方式で露光してもかまわない。続いて、工程(D2)において、未露光部の第三ソルダーレジスト層3−3を現像処理によって除去することで、図10(D2)に示すように、回路基板表面に第一ソルダーレジスト層3−1と第二ソルダーレジスト層3−2と第3ソルダーレジスト層3−3から構成されるソルダーレジスト層3が形成され、ソルダーレジスト層3に第一開口部11が形成され、第一開口部の底部12のソルダーレジスト層3に形成された第二開口部14によって、接続部2がソルダーレジスト層3から部分的に露出したプリント配線板が形成できる。
また、図10の手順による本発明によるプリント配線板の製造方法では、工程(C2)および工程(C3)の露光領域を任意の形状に変化させることが可能であり、露光領域の変更により、例えば、図11に示す断面形状の回路基板を製造することが可能である。図11のaでは、接続部2の間のソルダーレジスト層3の厚みが接続部2よりも薄くなっている。図11のbでは、露出した接続部2とソルダーレジスト層3で被覆されている導体回路19が存在している。
この方法によって製造されたプリント配線板では、ソルダーレジスト層表面9と第一開口部の底部12と第二開口部の底部13の表面粗さRaが0.50μm以下になりやすい。また、本発明では、ソルダーレジスト層表面9と第一開口部の底部12の表面粗さRaが0.10μm以下であることが好ましく、第二開口部の底部13の表面粗さRaが0.50μm以下であることが好ましい。表面粗さRaは算術平均表面粗さである。
また、工程(B1)後であり、工程(C1)以前の状態における第二開口部の底部13の第一ソルダーレジスト層3−1は、活性光線による光硬化を受けていないために、柔軟な状態であり、容易に表面粗さを変化させ、平滑化することが可能である。
図12を用いて、本発明のプリント配線板(3)〜(5)を製造する方法の別の一例を説明する。この方法では、電子部品搭載部とその周囲のソルダーレジスト層3を薄膜化することで第一開口部11を形成し、次に第一開口部の底部12のソルダーレジスト層3の一部を現像することで、接続部2をソルダーレジスト層3から露出させる。
まず、絶縁基板1上に接続部2が形成された回路基板を準備する(図12a)。回路基板には、接続部2以外の導体回路19が形成されていてもよい。接続部2は、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、アディティブ法等を用いて形成することができる。次に、回路基板全面を覆うように、アルカリ現像型のソルダーレジスト層3を形成する(図12(A))。次いで、ソルダーレジスト層3のうち、第一開口部11を形成する領域以外の部分を活性光線7により露光する(図12(C1))。図12(C1)では、フォトマスク8を介して露光しているが、直接描画方式で露光してもかまわない。続いて、ソルダーレジスト層3上のキャリアフィルムを剥離した後、非露光部のソルダーレジスト層3を薄膜化して第一開口部11を形成する(図12(B))。
次いで、第一開口部の底部12のソルダーレジスト層3のうち、接続部2を部分的にソルダーレジスト層3から露出させるための開口部を形成する領域以外の部分を活性光線7により露光する(図12(C2))。図12(C2)では、フォトマスク8を介して露光しているが、直接描画方式で露光してもかまわない。また、工程(B)で薄膜化された後、ソルダーレジスト層3上にはキャリアフィルムがない。このキャリアフィルムがない状態で、工程(C2)で露光されると、空気中の酸素の影響によりソルダーレジスト層3の表層で重合阻害が発生する場合がある。重合阻害が発生した部分は、後工程の工程(D)で現像され、ソルダーレジスト層3の膜減りが発生する。続いて、非露光部のソルダーレジスト層3を現像処理によって除去して、第一開口部の底部12のソルダーレジスト層3に、接続部2をソルダーレジスト層3から露出させるための開口部を形成することで、図12(D)に示すように、回路基板表面のソルダーレジスト層3に第一開口部11が形成され、第一開口部の底部12のソルダーレジスト層3を開口することで、第二開口部14が形成され、接続部2がソルダーレジスト層3から露出したプリント配線板が形成できる。
この方法によると、加工条件を変更することで、第一開口部上部の開口幅15と第一開口部底部の開口幅16の関係を容易に制御することができる。ソルダーレジストにはフィラーが多く含まれているために、ソルダーレジスト層3の絶縁性基板1に近い部分ほど、露光の際の活性光線が届き難く、光硬化が弱くなる。このことにより、ソルダーレジスト層3を薄膜化して第一開口部11を形成した場合には、第一開口部上部の開口幅15が第一開口部底部の開口幅16以下になりやすい。また、各種ソルダーレジストの推奨露光条件よりも露光量を小さくすることで、第一開口部上部の開口幅15を第一開口部底部の開口幅16よりも小さくすることができる。第一開口部上部の開口幅15が第一開口部底部の開口幅16よりも小さい場合、第一開口部上部の開口幅15と第一開口部底部の開口幅16とが等しい場合と比較して、ソルダーレジスト層3とアンダーフィルとの接着強度が向上するので好ましい。
また、図12の手順による本発明のプリント配線板(3)〜(5)の作製方法では、工程(C1)および工程(C2)の露光領域を任意の形状に変化させることが可能であり、露光領域の変更により、例えば、図17に示す断面形状の回路基板を作製することが可能である。図17のaでは、接続部2の間のソルダーレジスト層3が除去され、接続部2の側面が完全に露出している。図17のbでは、露出した接続部2とソルダーレジスト層3で被覆されている導体回路19が存在している。
この方法によって製造されたプリント配線板では、ソルダーレジスト層表面9と第一開口部の底部12の表面粗さRaが0.50μm以下になりやすい。より具体的には、ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaが0.10μm以下であり、第一開口部の底部12の表面粗さRaが0.50μm以下であることが好ましい。
また、第一開口部11の形成後(図12(B))であり、第一開口部の底部12のソルダーレジスト層3のうち、接続部2をソルダーレジスト層3から露出させるための開口部を形成する領域以外の部分を活性光線7により露光する(図12(C2))以前の状態の第一開口部の底部12のソルダーレジスト層3は、活性光線による光硬化を受けていないために、柔軟な状態であり、容易に表面粗さを変化させ、平滑化することが可能である。
例えば、平滑化処理として、80℃の環境に15秒さらすことで、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.15μm以下にすることが可能である。また、80℃の環境に30秒さらすことで第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.10μm以下にすることが可能である。ソルダーレジスト層表面9および第一開口部の底部12の表面粗さRaが低いほど、ソルダーレジスト層の強度が向上するため、好ましい。平滑化処理の好ましい温度は25〜120℃であり、好ましい時間は5〜1800秒である。平滑化処理温度が25℃より低い場合には、平滑化処理に要する時間が長くなりすぎてしまうので、生産性を考慮すると、25℃以上であることが好ましい。また、平滑化処理温度が120℃より高い場合には、ソルダーレジスト層の熱硬化が始まることがあるため、120℃以下で平滑化処理をすることが好ましい。
本発明における絶縁基板1には、例えば、合成樹脂からなる基板、合成樹脂と無機フィラーとからなる複合樹脂基板、合成樹脂と無機布帛からなる複合樹脂基板等を用いることができる。絶縁基板は、その表面または内部に接続部、スルーホール等を設けることができる。また、絶縁基板には、電子部品を搭載するためのバンプまたはボールパッド等を設けることができる。
本発明における回路基板とは、絶縁基板1上に銅等の金属からなる接続部2が形成された基板である。半導体チップ等の電子部品を接続するためのバンプまたはボールパッド等が形成されていてもよい。回路基板を作製する方法は、例えばサブトラクティブ法、セミアディティブ法、アディティブ法等が挙げられる。サブトラクティブ法では、例えば、ガラス基材エポキシ樹脂に銅箔を張り合わせた銅張積層板にエッチングレジストを形成し、露光、現像、エッチング、レジスト剥離を実施して回路基板が作製される。
本発明に係わるソルダーレジストは、アルカリ現像型のものが使用できる。また、1液性、2液性、どちらの液状レジストであってもよく、ドライフィルム状レジストであってもよく、アルカリ水溶液によって現像できるものであればいかなるものでも使用できる。アルカリ現像型ソルダーレジストの組成は、例えば、アルカリ可溶性樹脂、多官能アクリルモノマー、光重合開始剤、エポキシ樹脂、無機フィラー等を含有してなる。
アルカリ可溶性樹脂としては、光硬化性と熱硬化性の両方の特性をもつアルカリ可溶性樹脂が挙げられ、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂にアクリル酸を付加させてエポキシアクリレート化した樹脂の2級の水酸基に酸無水物を付加させた樹脂が挙げられる。多官能アクリルモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等が挙げられる。光重合開始剤としては、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等が挙げられる。エポキシ樹脂は、硬化剤として用いられる。アルカリ可溶性樹脂のカルボン酸と反応させることで架橋させ、耐熱性や耐薬品性の特性の向上を図っているが、カルボン酸とエポキシは常温でも反応が進むために、保存安定性が悪く、アルカリ現像型ソルダーレジストは一般的に使用前に混合する2液性の形態をとっている場合が多い。無機フィラーとしては、例えば、硫酸バリウム、シリカ等が挙げられる。
回路基板の表面にソルダーレジスト層3を形成する方法は、いかなる方法でもよいが、例えば、スクリーン印刷法、ロールコート法、スプレー法、浸漬法、カーテンコート法、バーコート法、エアナイフ法、ホットメルト法、グラビアコート法、刷毛塗り法、オフセット印刷法が挙げられる。ドライフィルム形状のソルダーレジストの場合は、ラミネート法が挙げられる。
ソルダーレジスト層3に対する露光では活性光線を照射することで行い、キセノンランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、UV蛍光灯を光源とした反射画像露光、フォトマスクを用いた片面、両面密着露光や、プロキシミティ方式、プロジェクション方式やレーザ走査露光等を使用することができる。走査露光を行う場合には、UVレーザ、He−Neレーザ、He−Cdレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンイオンレーザ、ルビーレーザ、YAGレーザ、窒素レーザ、色素レーザ、エキシマレーザ等のレーザ光源を発光波長に応じてSHG波長変換した走査露光、あるいは、液晶シャッター、マイクロミラーアレイシャッターを利用した走査露光によって露光することができる。
ソルダーレジスト層3を薄膜化することによって、開口部を形成する方法について説明する。ソルダーレジスト層3を薄膜化する工程とは、薄膜化処理液によって非露光部ソルダーレジスト層3中の光架橋性樹脂成分をミセル化させるミセル化処理(薄膜化処理)、次にミセル除去液によってミセルを除去するミセル除去処理を含む工程である。さらに、除去しきれなかったソルダーレジスト層表面や残存付着した薄膜化処理液及びミセル除去液を水洗によって洗い流す水洗処理、水洗水を除去する乾燥処理を含んでもよい。
薄膜化処理(ミセル化処理)とは、薄膜化処理液によって、ソルダーレジスト層の樹脂成分をミセル化し、このミセルを薄膜化処理液に対して不溶化する処理である。薄膜化処理液は高濃度のアルカリ水溶液である。薄膜化処理液として使用されるアルカリ水溶液としては、例えば、リチウム、ナトリウムまたはカリウム等のアルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アンモニウムリン酸塩、アンモニウム炭酸塩等の無機アルカリ性化合物の水溶液;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、シクロヘキシルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキサイド(コリン)等の有機アルカリ性化合物の水溶液が挙げられる。上記無機アルカリ性化合物及び有機アルカリ性化合物は、混合物としても使用できる。
アルカリ性化合物の含有量は、0.1質量%以上50質量%以下で使用できる。また、レジスト層表面をより均一に薄膜化するために、薄膜化処理液に、硫酸塩、亜硫酸塩を添加することもできる。硫酸塩または亜硫酸塩としては、リチウム、ナトリウムまたはカリウム等のアルカリ金属硫酸塩または亜硫酸塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属硫酸塩または亜硫酸塩が挙げられる。
薄膜化処理液としては、これらの中でも特に、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる無機アルカリ性化合物、及び、TMAH、コリンから選ばれる有機アルカリ性化合物のうち少なくともいずれか1種を含み、該無機アルカリ性化合物及び有機アルカリ性化合物の含有量が5〜25質量%である薄膜化処理液が、表面をより均一に薄膜化できるため、好適に使用できる。5質量%未満では、薄膜化する処理でムラが発生しやすくなる場合がある。また、25質量%を超えると、無機アルカリ性化合物の析出が起こりやすく、液の経時安定性、作業性に劣る場合がある。アルカリ性化合物の含有量は7〜17質量%がより好ましく、8〜13質量%がさらに好ましい。薄膜化処理液のpHは10以上とすることが好ましい。また、界面活性剤、消泡剤、溶剤等を適宜添加することもできる。
薄膜化処理は、浸漬処理、パドル処理、スプレー処理、ブラッシング、スクレーピング等の方法を用いることができるが、浸漬処理が好ましい。浸漬処理以外の処理方法は、薄膜化処理液中に気泡が発生しやすく、その発生した気泡が薄膜化処理中にソルダーレジスト層表面に付着して、膜厚が不均一となる場合がある。
ソルダーレジスト層形成後の厚みとソルダーレジスト層が薄膜化された量で、ソルダーレジスト層開口部の深さが決定される。また、0.01〜500μmの範囲でレジスト層の薄膜化量を自由に調整することができる。
薄膜化処理液に対して不溶化されたソルダーレジスト層の樹脂成分のミセルを除去するミセル除去処理において、ミセル除去液をスプレーすることによって、一挙にミセルを溶解除去する。
ミセル除去液としては、水道水、工業用水、純水等を用いることができる。また、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる無機アルカリ性化合物のうち少なくともいずれか1種を含むpH5〜10の水溶液をミセル除去液として用いることによって、薄膜化処理液で不溶化された光架橋性樹脂成分が再分散しやすくなる。ミセル除去液のpHが5未満の場合、光架橋性樹脂成分が凝集し、不溶性のスラッジとなって、薄膜化したソルダーレジスト層表面に付着するおそれがある。一方、ミセル除去液のpHが10を超えた場合、ソルダーレジスト層が過度に溶解拡散し、面内で膜厚ムラが発生しやすくなることがある。また、ミセル除去液は、硫酸、リン酸、塩酸等を用いて、pHを調整することができる。
ミセル除去処理におけるスプレーの条件について説明する。スプレーの条件(温度、時間、スプレー圧)は、薄膜化処理されるソルダーレジスト層の溶解速度に合わせて適宜調整される。具体的には、処理温度は10〜50℃が好ましく、より好ましくは15〜35℃である。また、スプレー圧は0.01〜0.5MPaとするのが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3MPaである。ミセル除去液の供給流量は、ソルダーレジスト層1cm当たり0.030〜1.0L/minが好ましく、0.050〜1.0L/minがより好ましく、0.10〜1.0L/minがさらに好ましい。供給流量がこの範囲であると、薄膜化後のソルダーレジスト層表面に不溶解成分を残すことなく、面内略均一にミセルを除去することができる。ソルダーレジスト層1cm当たりの供給流量が0.030L/min未満では、不溶化したレジスト層の樹脂成分の溶解不良が起こる場合がある。一方、供給流量が1.0L/minを超えると、供給のために必要なポンプなどの部品が巨大になり、大掛かりな装置が必要となる場合がある。さらに、1.0L/minを超えた供給量では、ソルダーレジスト層の樹脂成分の溶解拡散に与える効果が変わらなくなることがある。
ミセル除去処理後、さらに、除去しきれなかったソルダーレジスト層やソルダーレジスト層の表面に残存付着した薄膜化処理液及びミセル除去液を水洗処理によって洗い流すことができる。水洗処理の方法としては、拡散速度と液供給の均一性の点からスプレー方式が好ましい。水洗水としては、水道水、工業用水、純水等を用いることができる。このうち純水を使用することが好ましい。純水は、一般的に工業用に用いられるものを使用することができる。
乾燥処理では、熱風乾燥、室温送風乾燥のいずれも用いることができるが、好ましくは高圧空気をエアガンからあるいはブロアから大量の空気を送気してエアナイフでソルダーレジスト層表面に残存している水を吹き飛ばす乾燥方法がよい。
薄膜化処理によって形成された開口部内部の表面粗さをさらに低下させるために、平滑化処理を行うことができる。平滑化処理の方法としては、熱風乾燥、室温送風乾燥等を使用して、25〜120℃、5秒〜30分間の加熱を行う。なお、薄膜化処理による開口部形成工程とその後の平滑化処理工程を経たプリント配線板には、レーザを使用した従来技術によるソルダーレジスト層への開口部形成において発生するスミアの残留は無く、またデスミア工程が無いためにソルダーレジスト層の粗面化も発生しない。
現像方法としては、使用するソルダーレジスト層に見合った現像液を用い、回路基板の表面にスプレーを噴射して、ソルダーレジスト層の不要な部分を除去する。現像液には、希薄なアルカリ水溶液が使用され、一般的には、0.3〜3質量%の炭酸ナトリウム水溶液や炭酸カリウム水溶液が使用される。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜6は、図3の製造方法で、プリント配線板を製造している。
(実施例1)
銅張積層板(面積170mm×200mm、銅箔厚18μm、基材厚み0.4mm)にエッチングレジストを使用したサブトラクティブ法にて、直径50μmの円形の接続部2を有する回路基板を作製した。次に、ソルダーレジストフィルム(太陽インキ製造株式会社製、商品名:PFR−800 AUS410)を上記回路基板上に真空熱圧着させた(ラミネート温度75℃、吸引時間30秒、加圧時間10秒)。これにより絶縁基板1表面からソルダーレジスト層3表面までのドライ膜厚が38.0μmのソルダーレジスト層3を形成した。
次に、接続部2の中心から外側に80μm外側までの領域以外に活性光線が照射されるようなパターンを有するフォトマスク8を用いて、密着露光機にて、300mJ/cmのエネルギーにて、ソルダーレジスト層3に露光を実施した。
次に、キャリアフィルムを剥離した後、10質量%のメタケイ酸ナトリウム(液温度25℃)に28秒間浸漬することで、未露光部のソルダーレジスト層3の薄膜化処理を行った。その後、ミセル除去処理、水洗処理、乾燥処理の後に、ソルダーレジスト層3の開口部4の各部の測定を行ったところ、開口部4の深さは26.0μmであり、開口部上部の開口幅5は160μm、開口部底部の開口幅6は160μmであった。また、超深度形状測定顕微鏡(株式会社キーエンス(KEYENCE)製、品番「VK−8500」)を用いて表面粗さを測定したところ、ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、ソルダーレジスト層開口部底部10の表面粗さRaは0.40μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部4の周囲およびソルダーレジスト層開口部底部10を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
超深度形状測定顕微鏡(株式会社キーエンス製、品番「VK−8500」)による算術平均表面粗さRaは、JIS B0601−1994 表面粗さ−定義に準じた計算式を用いている。なお、測定領域は900μm、基準長さは40μmとした。
(実施例2)
薄膜化処理後の乾燥処理を行った後に平滑化処理(80℃、15秒)を行うこと以外は実施例1と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、開口部4の深さは26.0μmであり、開口部上部の開口幅5は160μm、開口部底部の開口幅6は160μmであった。また、同様に表面粗さを測定したところ、ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、ソルダーレジスト層開口部底部10の表面粗さRaは0.14μmであった。
(実施例3)
薄膜化処理後の乾燥処理を行った後に平滑化処理(80℃、30秒)を行うこと以外は実施例1と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、開口部4の深さは26.0μmであり、開口部上部の開口幅5は160μm、開口部底部の開口幅6は160μmであった。また、同様に表面粗さを測定したところ、ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、ソルダーレジスト層開口部底部10の表面粗さRaは0.08μmであった。
(実施例4)
露光量を200mJ/cmで行うこと以外は実施例1と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、開口部4の深さは26.0μmであり、開口部上部の開口幅5は160μm、開口部底部の開口幅6は180μmであった。また、同様に表面粗さを測定したところ、ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、ソルダーレジスト層開口部底部10の表面粗さRaは0.40μmであった。
(実施例5)
露光量を200mJ/cmで行い、薄膜化処理後の乾燥処理を行った後に平滑化処理(80℃、15秒)を行うこと以外は実施例1と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、開口部4の深さは26.0μmであり、開口部上部の開口幅5は160μm、開口部底部の開口幅6は180μmであった。また、同様に表面粗さを測定したところ、ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、ソルダーレジスト層開口部底部10の表面粗さRaは0.14μmであった。
(実施例6)
露光量を200mJ/cmで行い、薄膜化処理後の乾燥処理を行った後に平滑化処理(80℃、30秒)を行うこと以外は実施例1と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、開口部4の深さは26.0μmであり、開口部上部の開口幅5は160μm、開口部底部の開口幅6は180μmであった。また、同様に表面粗さを測定したところ、ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、ソルダーレジスト層開口部底部10の表面粗さRaは0.08μmであった。
(比較例1)
銅張積層板(面積170mm×200mm、銅箔厚18μm、基材厚み0.4mm)にエッチングレジストを使用したサブトラクティブ法にて、直径50μmの円形の接続部2を有する回路基板を作製した。次に、ソルダーレジストフィルム(太陽インキ製造株式会社製、商品名:PFR−800 AUS410)を上記回路基板上に真空熱圧着させた(ラミネート温度75℃、吸引時間30秒、加圧時間10秒)。これにより絶縁基板1表面からソルダーレジスト層3表面までのドライ膜厚が38.0μmのソルダーレジスト層3を形成した。その後、密着露光機を使用し、1000mJ/cmのエネルギーにてソルダーレジスト層3全面を露光し、さらに熱風乾燥機を使用して150℃にて30分の加熱を行った。
次に、接続部2の中心から外側に80μm外側までの領域にエキシマレーザ光(波長248nm、出力50W)を照射し、ソルダーレジスト層3に開口部4を形成した。
レーザ光を照射したソルダーレジスト層表面9を顕微鏡観察したところ、開口部4の形成と接続部2を露出させる際のレーザ光照射によって、ソルダーレジスト層表面9と接続部2上部と開口部4の底部にスミアが発生していた。
次に、水酸化ナトリウムを主成分とした溶液(メルテックス(Meltex)株式会社製、商品名:エンプレート(ENPLATE、登録商標)MLB−496A)および1−メトキシ−2−プロパノールを含む溶液(メルテックス株式会社製、商品名:エンプレート(ENPLATE、登録商標)MLB−496B)と蒸留水の混合液に、スミアが発生したソルダーレジスト層3を60℃にて15分間浸漬し、スミアを膨潤させた。次いで、過マンガン酸ナトリウムを主成分とした溶液(メルテックス株式会社製、商品名:エンプレート(ENPLATE、登録商標)MLB−497A)および水酸化ナトリウムを主成分とする溶液(メルテックス株式会社製、商品名:エンプレート(ENPLATE、登録商標)MLB−497B)と蒸留水の混合液に80℃にて10分間浸漬して、膨潤したスミアを分解除去した。
プリント配線板の各部の測定を行ったところ、開口部4の深さは26.0μmであり、開口部上部の開口幅5は160μm、開口部底部の開口幅6は150μmであった。また、同様に表面粗さを測定したところ、ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.80μmであり、ソルダーレジスト層開口部底部10の表面粗さRaは0.90μmであった。さらに、ソルダーレジスト層開口部4周辺のソルダーレジスト層表面9と、開口部4と、接続部2周囲のソルダーレジスト層開口部底部10を顕微鏡観察したところ、ソルダーレジスト層3全面が粗面化されていた。
(比較例2)
銅張積層板(面積170mm×200mm、銅箔厚18μm、基材厚み0.4mm)にエッチングレジストを使用したサブトラクティブ法にて、直径50μmの円形の接続部2を有する回路基板を作製した。次に、ソルダーレジストフィルム(太陽インキ製造株式会社製、商品名:PFR−800 AUS410)を上記回路基板上に真空熱圧着させた(ラミネート温度75℃、吸引時間30秒、加圧時間10秒)。これにより絶縁基板1表面からソルダーレジスト層3表面までのドライ膜厚が38.0μmのソルダーレジスト層3を形成した。その後、密着露光機を使用し、1000mJ/cmのエネルギーにてソルダーレジスト層3全面を露光し、さらに熱風乾燥機を使用して150℃にて30分の加熱を行った。
次に、ブラスト用レジストフィルム(三菱製紙株式会社製、商品名:MS7100)を熱圧着させた。次に、接続部2の中心から外側に80μm外側までの領域以外の領域に活性光線が照射されるようなパターンを有するフォトマスク8を用いて、密着露光機にて、100mJ/cmのエネルギーにて、ブラスト用レジストフィルムに露光を実施し、その後、現像処理を行い、未露光のブラスト用レジストフィルムを除去した。
次に、ブラスト用レジストフィルムの上からサンドブラスト処理(研磨材:SiC #800、ブラスト圧0.15MPa)し、ソルダーレジスト層3に開口部4を形成した後、ブラスト用レジストフィルムを剥離した。ソルダーレジスト層表面9からソルダーレジスト層開口部底部10までの深さを測定したところ、深さは26.0μmであり、開口部上部の開口幅5は160μm、開口部底部の開口幅6は140μmであった。また、ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、ソルダーレジスト層開口部底部10の表面粗さRaは1.20μmであった。さらに、ソルダーレジスト層開口部底部10のソルダーレジスト層3を顕微鏡観察したところ、全面が粗面化されていた。
実施例1〜6並びに比較例1および2によって製造されたプリント配線板は、接続部2が開口部4によってソルダーレジスト層3から部分的に露出した状態であるため、このプリント配線板を使用して、開口部4において露出した接続部2をバンプまたはボールパッドとして、半田ボール等によって電子部品を接続する場合、接続部2が高密度に配置されたプリント配線板においても、接続部2と絶縁基板1との接着強度および接続部2と半田との接着強度が大きくなり、高い接続信頼性が得られる。
さらに、実施例1〜6によって作製製造されたプリント配線板は、レーザ加工、デスミア処理やサンドブラストによって、ソルダーレジスト層に開口部4を形成した比較例3および比較例4のプリント配線板と比べて、ソルダーレジスト層3の強度が高く、高い接続信頼性が得られる。
実施例1から6では、ソルダーレジスト層3の開口部4における開口部上部の開口幅5が開口部底部の開口幅6以下であるプリント配線板が得られた。これらのプリント配線板では、開口部4において露出した接続部2をバンプまたはボールパッドとして、半田ボール等によって、電子部品を接続する場合、開口部上部の開口幅5が開口部底部の開口幅6より大きい従来のプリント配線板よりも、半田と接続部2との接着強度が大きくなり、高い接続信頼性が得られる。また、実施例1〜3と実施例4〜6を比較すると、開口部上部の開口幅5が開口部底部の開口幅6より小さい実施例4〜6のプリント配線板の方が、開口部上部の開口幅5と開口部底部の開口幅6が等しい実施例1〜3のプリント配線板よりも高い接続信頼性が得られる。また、平滑化処理によって開口部の底部4の表面粗さRaが低下した実施例2、3、5および6のプリント配線板は、実施例1、4のプリント配線板よりも、ソルダーレジスト層3の強度が高く、プリント配線板の信頼性を向上させることができる。
実施例7〜22は、図7の製造方法で、プリント配線板を製造している。
(実施例7)
<工程(A)>
銅張積層板(面積170mm×200mm、銅箔厚18μm、基材厚み0.4mm)の一部を600μm×600μmの電子部品搭載部として想定した領域を設定し、その領域内にエッチングレジストを使用したサブトラクティブ法にて、直径100μmの円形の接続部2を有する回路基板を作製した。次に、ドライフィルム形状ソルダーレジスト(太陽インキ製造株式会社製、商品名:PFR−800 AUS410)を真空熱圧着させた。これにより絶縁基板1表面からソルダーレジスト層表面9までのドライ膜厚が38.0μmのソルダーレジスト層3を形成した。
<工程(C1)>
次に、電子部品搭載部として想定した領域以外に活性光線が照射されるようなパターンを有するフォトマスク8を用いて、密着露光機にて、300mJ/cmのエネルギーにて、ソルダーレジスト層3に露光を実施した。
<工程(B1)>
次に、キャリアフィルムを剥離した後、10質量%のメタケイ酸ナトリウム水溶液(液温度25℃)に16秒間浸漬することで、未露光部のソルダーレジスト層3を薄膜化し、ソルダーレジスト層3に第一開口部11を形成した。ミセル除去処理、水洗処理、乾燥処理の後に、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは15.0μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は600μmであった。
<工程(C2)>
次に、接続部2の端部から外側に100μm外側までの領域以外に活性光線が照射されるようなパターンを有するフォトマスク8を用いて、密着露光機にて、300mJ/cmのエネルギーにて、ソルダーレジスト層3に露光を実施した。
<工程(B2)>
次に、10質量%のメタケイ酸ナトリウム水溶液(液温度25℃)に12秒間浸漬することで、未露光部のソルダーレジスト層3を薄膜化し、ソルダーレジスト層3から接続部2を露出させた。ミセル除去処理、水洗処理、乾燥処理の後に、ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは26.0μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は300μmであった。また、工程(B2)により、第一開口部の底部12のソルダーレジスト層3が膜減りしたため、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは15.5μmになっていた。さらに、超深度形状測定顕微鏡(株式会社キーエンス(KEYENCE)製、品番「VK−8500」)を用いて表面粗さを測定したところ、ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12と第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.40μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
超深度形状測定顕微鏡(株式会社キーエンス製、品番「VK−8500」)による算術平均表面粗さRaは、JIS B0601−1994 表面粗さ−定義に準じた計算式を用いている。なお、測定領域は900μm、基準長さは40μmとした。
(実施例8)
工程(B2)の後に平滑化処理(80℃、30秒)を行うこと以外は実施例7と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは15.5μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は600μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは26.0μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は300μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.40μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.08μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
(実施例9)
工程(B1)の後に平滑化処理(80℃、30秒)を行うこと以外は実施例7と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは15.5μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は600μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは26.0μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は300μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.08μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.40μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
(実施例10)
工程(B1)と工程(B2)の後に平滑化処理(80℃、30秒)を行うこと以外は実施例7と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは15.5μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は600μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは26.0μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は300μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.08μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.08μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
(実施例11)
工程(C2)の露光量を200mJ/cmで行うこと以外は実施例7と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは16.0μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は600μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは26.0μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は320μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.40μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.40μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
(実施例12)
工程(C2)の露光量を200mJ/cmで行い、工程(B2)の後に平滑化処理(80℃、30秒)を行うこと以外は実施例7と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは16.0μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は600μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは26.0μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は320μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.40μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.08μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
(実施例13)
工程(C2)の露光量を200mJ/cmで行い、工程(B1)の後に平滑化処理(80℃、30秒)を行うこと以外は実施例7と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは16.0μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は600μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは26.0μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は320μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.08μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.40μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
(実施例14)
工程(C2)の露光量を200mJ/cmで行い、工程(B1)と工程(B2)の後に平滑化処理(80℃、30秒)を行うこと以外は実施例7と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは16.0μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は600μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは26μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は320μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.08μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.08μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
(実施例15)
工程(C1)の露光量を200mJ/cmで行うこと以外は実施例7と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは15.5μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は620μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは26.0μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は300μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.40μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.40μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
(実施例16)
工程(C1)の露光量を200mJ/cmで行い、工程(B2)の後に平滑化処理(80℃、30秒)を行うこと以外は実施例7と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは15.5μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は620μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは26.0μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は300μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.40μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.08μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
(実施例17)
工程(C1)の露光量を200mJ/cmで行い、工程(B1)の後に平滑化処理(80℃、30秒)を行うこと以外は実施例7と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは15.5μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は620μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは26.0μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は300μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.08μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.40μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
(実施例18)
工程(C1)の露光量を200mJ/cmで行い、工程(B1)と工程(B2)の後に平滑化処理(80℃、30秒)を行うこと以外は実施例7と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは15.5μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は620μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは26.0μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は300μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.08μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.08μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
(実施例19)
工程(C1)と工程(C2)の露光量を200mJ/cmで行うこと以外は実施例7と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは16.0μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は620μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは26.0μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は320μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.40μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.40μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
(実施例20)
工程(C1)と工程(C2)の露光量を200mJ/cmで行い、工程(B2)の後に平滑化処理(80℃、30秒)を行うこと以外は実施例7と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは16.0μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は620μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは26.0μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は320μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.40μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.08μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
(実施例21)
工程(C1)と工程(C2)の露光量を200mJ/cmで行い、工程(B1)の後に平滑化処理(80℃、30秒)を行うこと以外は実施例7と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは16.0μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は620μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは26.0μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は320μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.08μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.40μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
(実施例22)
工程(C1)と工程(C2)の露光量を200mJ/cmで行い、工程(B1)と工程(B2)の後に平滑化処理(80℃、30秒)を行うこと以外は実施例7と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは16.0μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は620μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは26.0μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は320μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.08μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.08μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
実施例7から22では、ソルダーレジスト層3の第一開口部上部の開口幅15が第一開口部底部の開口幅16以下である構造Aを有するプリント配線板が得られた。これらのプリント配線板では、ソルダーレジスト層3とアンダーフィルとの接着強度が向上することから、プリント配線板の絶縁信頼性を向上させる効果が得られる。また、実施例7から22によって製造されたプリント配線板は、ソルダーレジスト層3の第一開口部11における開口部上部の開口幅15が開口部底部の開口幅16以下である構造Aを有する上に、尚且つ第二開口部14における開口部上部の開口幅17が開口部底部の開口幅18以下である構造Bを有することによって、ソルダーレジスト層3とアンダーフィルとの接着強度が向上することから、プリント配線板の絶縁信頼性を向上させることができ、尚且つ半田と接続部2との接着強度が向上することから、接続部2に配置した半田ボールを介して、電子部品を接続する場合、両者の間に高い接続信頼性を得ることができる。
また、ソルダーレジスト層3の第一開口部11における開口部上部の開口幅15が開口部底部の開口幅16より小さいため、ソルダーレジスト層3がアンダーフィルに食い込み、そのアンカー効果によって、実施例15〜22のプリント配線板は、ソルダーレジスト層3の第一開口部11における開口部上部の開口幅15が開口部底部の開口幅16と等しい実施例7〜14のプリント配線板よりも、高い絶縁信頼性が得られる。また、ソルダーレジスト層3の第二開口部14における開口部上部の開口幅17が開口部底部の開口幅18より小さいため、ソルダーレジスト層3が半田に食い込み、そのアンカー効果によって実施例11〜14および実施例19〜22のプリント配線板は、ソルダーレジスト層3の第二開口部14における開口部上部の開口幅17が開口部底部の開口幅18と等しい実施例7〜10および実施例15〜18のプリント配線板よりも、高い接続信頼性が得られる。
また、平滑化処理によって第一開口部の底部12の表面粗さRaが低下した実施例9、13、17、21のプリント配線板、第二開口部の底部13の表面粗さRaが低下した実施例8、12、16、20のプリント配線板、および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13の表面粗さRaが低下した実施例10、14、18、22のプリント配線板は、実施例7、11、15、19のプリント配線板よりも、ソルダーレジスト層3の強度が高く、プリント配線板の信頼性を向上させることができる。
実施例23〜26は、図8の製造方法で、プリント配線板を製造している。
(実施例23)
<工程(A1)>
銅張積層板(面積170mm×200mm、銅箔厚18μm、基材厚み0.4mm)の一部を600μm×600μmの電子部品搭載部として想定した領域を設定し、その領域内にエッチングレジストを使用したサブトラクティブ法にて、直径100μmの円形の接続部2を有する回路基板を作製した。次に、ドライフィルム状ソルダーレジスト(太陽インキ製造株式会社製、商品名:PFR−800 AUS410)を真空熱圧着させた。これにより絶縁基板1表面にドライ膜厚が38.0μmの第一ソルダーレジスト層3−1を形成した。
<工程(C1)>
次に、接続部2の端部から外側に100μm外側までの領域以外に活性光線が照射されるようなパターンを有するフォトマスク8を用いて、密着露光機にて、300mJ/cmのエネルギーにて、第一ソルダーレジスト層3−1に露光を実施した。
<工程(B)>
次に、キャリアフィルムを剥離した後、10質量%のメタケイ酸ナトリウム水溶液(液温度25℃)に26秒間浸漬することで、未露光部の第一ソルダーレジスト層3−1の薄膜化処理を行った。その後、ミセル除去処理、水洗処理、乾燥処理を行い、第一ソルダーレジスト層3−1から接続部2を露出させた。第一ソルダーレジスト層3−1の表面から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは25.0μmであった。
<工程(C2)>
次に、接続部2の端部から外側に100μm外側までの領域に活性光線が照射されるようなパターンを有するフォトマスク8を用いて、密着露光機にて、300mJ/cmのエネルギーにて、第一ソルダーレジスト層3−1に露光を実施した。
<工程(A2)>
次に、工程(C2)が完了した第一ソルダーレジスト層3−1の上からソルダーレジストフィルム(太陽インキ製造株式会社製、商品名:PFR−800 AUS410)を真空熱圧着させた。これにより第一ソルダーレジスト層3−1表面にドライ膜厚が18.0μmの第二ソルダーレジスト層3−2が形成され、絶縁基板1表面からソルダーレジスト層表面9までのドライ膜厚は56.0μmとなった。
<工程(C3)>
次に、電子部品搭載部として想定した領域以外に活性光線が照射されるようなパターンを有するフォトマスク8を用いて、密着露光機にて、300mJ/cmのエネルギーにて、第二ソルダーレジスト層3−2に露光を実施した。
<工程(D)>
1質量%の炭酸ナトリウム水溶液(液温度30℃、スプレー圧0.15MPa)を用いて50秒間現像処理を行うことで、未露光部の第二ソルダーレジスト層3−2が除去され、第一開口部11を形成すると共に、第二ソルダーレジスト層3−2によって覆われていた、第一ソルダーレジスト層3−1から露出した状態の接続部2と接続部周囲の第一ソルダーレジスト層3−1が再び露出した。ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは18.0μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は600μmであった。また、工程(D)により、第二開口部の底部13の第一ソルダーレジスト層3−1が0.5μm膜減りしたため、ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さは43.5μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は300μmであった。
また、超深度形状測定顕微鏡(株式会社キーエンス(KEYENCE)製、品番「VK−8500」)を用いて表面粗さを測定したところ、ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.05μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.40μmであった。さらに、ソルダーレジスト層表面9および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
超深度形状測定顕微鏡(株式会社キーエンス製、品番「VK−8500」)による算術平均表面粗さRaは、JIS B0601−1994 表面粗さ−定義に準じた計算式を用いている。なお、測定領域は900μm、基準長さは40μmとした。
(実施例24)
工程(B)の後に平滑化処理(80℃、30秒)を行うこと以外は実施例23と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは18.0μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は600μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは43.5μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は300μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.05μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.08μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
(実施例25)
工程(C1)の露光量を200mJ/cmで行うこと以外は実施例23と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは18.0μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は600μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは43.5μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は320μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.05μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.40μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
(実施例26)
工程(C1)の露光量を200mJ/cmで行い、工程(B)の後に平滑化処理(80℃、30秒)を行うこと以外は実施例23と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは18.0μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は600μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは43.5μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は320μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.05μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.08μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
実施例23から26では、ソルダーレジスト層3の第一開口部上部の開口幅15が第一開口部底部の開口幅16以下である構造Aを有するプリント配線板が得られた。これらのプリント配線板では、ソルダーレジスト層3とアンダーフィルとの接着強度が向上することから、プリント配線板の絶縁信頼性を向上させる効果が得られる。また、実施例23から26によって製造されたプリント配線板は、ソルダーレジスト層3の第一開口部11における開口部上部の開口幅15が開口部底部の開口幅16以下である構造Aを有する上に、尚且つ第二開口部14における開口部上部の開口幅17が開口部底部の開口幅18以下である構造Bを有することによって、ソルダーレジスト層3とアンダーフィルとの接着強度が向上することから、プリント配線板の絶縁信頼性を向上させることができ、尚且つ半田と接続部2との接着強度が向上することから、接続部2に配置した半田ボールを介して、電子部品を接続する場合、両者の間に高い接続信頼性を得ることができる。
また、ソルダーレジスト層3の第二開口部14における開口部上部の開口幅17が開口部底部の開口幅18より小さいために、ソルダーレジスト層3が半田に食い込み、そのアンカー効果によって、実施例25と実施例26のプリント配線板は、ソルダーレジスト層3の第二開口部14における開口部上部の開口幅17が開口部底部の開口幅18と等しい実施例23と実施例24のプリント配線板よりも、高い接続信頼性が得られる。また、平滑化処理によって第二開口部の底部13の表面粗さRaが低下した実施例24と実施例26のプリント配線板は、実施例23と実施例25のプリント配線板よりも、ソルダーレジスト層3の強度が高く、プリント配線板の信頼性を向上させることができる。
実施例27〜34は、図9の製造方法で、プリント配線板を製造している。
(実施例27)
<工程(A1)>
銅張積層板(面積170mm×200mm、銅箔厚18μm、基材厚み0.4mm)の一部を600μm×600μmの部品搭載部として想定した領域を設定し、その領域内にエッチングレジストを使用したサブトラクティブ法にて、直径100μmの円形の接続部2を有する回路基板を製造した。次に、ドライフィルム状ソルダーレジスト(太陽インキ製造株式会社製、商品名:PFR−800 AUS410)を真空熱圧着させた。これにより絶縁基板1表面にドライ膜厚が38.0μmの第一ソルダーレジスト層3−1を形成した。
<工程(B1)>
次に、キャリアフィルムを剥離した後、10質量%のメタケイ酸ナトリウム水溶液(液温度25℃)に26秒間浸漬することで、第一ソルダーレジスト層3−1の薄膜化処理を行った。その後、ミセル除去処理、水洗処理、乾燥処理を行い、第一ソルダーレジスト層3−1から接続部2を露出させた。薄膜化処理後の第一ソルダーレジスト層3−1表面から接続部2上部までの高さを測定したところ、高さは5.0μmであった。
<工程(C1)>
次に、密着露光機にて、300mJ/cmのエネルギーにて第一ソルダーレジスト層3−1の全面に露光を実施した。
<工程(A2)>
次に、工程(C1)が完了した第一ソルダーレジスト層3−1の上からソルダーレジストフィルム(太陽インキ製造株式会社製、商品名:PFR−800 AUS410)を真空熱圧着させた。これにより第一ソルダーレジスト層3−1表面にドライ膜厚が28.0μmの第二ソルダーレジスト層3−2が形成され、絶縁基板1表面から第二ソルダーレジスト層3−2の表面までのドライ膜厚は41.0μmとなった。
<工程(C2)>
次に、電子部品搭載部として想定した領域以外に活性光線が照射されるようなパターンを有するフォトマスク8を用いて、密着露光機にて、300mJ/cmのエネルギーにて、第二ソルダーレジスト層3−2に露光を実施した。
<工程(B2)>
次に、キャリアフィルムを剥離した後、10質量%のメタケイ酸ナトリウム水溶液(液温度25℃)に19秒間浸漬することで、未露光部の第二ソルダーレジスト層3−2の薄膜化処理を行った。その後、ミセル除去処理、水洗処理、乾燥処理を行い、第一開口部11を形成した。第二ソルダーレジスト層3−2表面から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは18.0μmであった。
<工程(C3)>
次に、接続部2の端部から外側に100μm外側までの領域以外に活性光線が照射されるようなパターンを有するフォトマスク8を用いて、密着露光機にて、300mJ/cmのエネルギーにて、第二ソルダーレジスト層3−2に露光を実施した。
<工程(D)>
1質量%の炭酸ナトリウム水溶液(液温度30℃、スプレー圧0.15MPa)を用いて15秒間現像処理を行うことで、未露光部の第二ソルダーレジスト層3−2が除去され、第二ソルダーレジスト層3−2によって覆われていた、第一ソルダーレジスト層3−1から露出した状態の接続部2と接続部周囲の第一ソルダーレジスト層3−1が再び露出し、第一開口部の底部12の第二ソルダーレジスト層3−2と第二開口部の底部13の第一ソルダーレジスト層3−1が膜減りしていた。第一開口部の底部12から第二開口部の底部13までの深さは10.0μmであり、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは18.5μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は600μmであった。また、ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さは28.5μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は300μmであった。
また、超深度形状測定顕微鏡(株式会社キーエンス(KEYENCE)製、品番「VK−8500」)を用いて表面粗さを測定したところ、ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.40μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.42μmであった。さらに、ソルダーレジスト層表面9および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
超深度形状測定顕微鏡(株式会社キーエンス製、品番「VK−8500」)による算術平均表面粗さRaは、JIS B0601−1994 表面粗さ−定義に準じた計算式を用いている。なお、測定領域は900μm、基準長さは40μmとした。
(実施例28)
工程(B1)の後に平滑化処理(80℃、30秒)を行うこと以外は実施例27と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは18.5μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は600μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは28.5μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は300μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.40μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.10μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
(実施例29)
工程(B2)の後に平滑化処理(80℃、30秒)を行うこと以外は実施例27と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは18.5μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は600μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは28.5μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は300μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.08μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.40μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
(実施例30)
工程(B1)と工程(B2)の後に平滑化処理(80℃、30秒)を行うこと以外は実施例27と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは18.5μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は600μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは28.5μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は300μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.08μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.10μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
(実施例31)
工程(C2)の露光量を200mJ/cmで行うこと以外は実施例27と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは18.5μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は620μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは28.5μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は300μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.40μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.40μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
(実施例32)
工程(B1)の後に平滑化処理(80℃、30秒)を行い、工程(C2)の露光量を200mJ/cmで行うこと以外は実施例27と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは18.5μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は620μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは28.5μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は300μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.40μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.10μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
(実施例33)
工程(C2)の露光量を200mJ/cmで行い、工程(B2)の後に平滑化処理(80℃、30秒)を行うこと以外は実施例27と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは18.5μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は620μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは28.5μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は300μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.08μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.40μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
(実施例34)
工程(B1)と工程(B2)の後に平滑化処理(80℃、30秒)を行い、工程(C2)の露光量を200mJ/cmで行うこと以外は実施例27と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは18.5μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は620μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは28.5μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は300μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.08μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.10μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
実施例27から34では、ソルダーレジスト層3の第一開口部上部の開口幅15が第一開口部底部の開口幅16以下である構造Aを有するプリント配線板が得られた。これらのプリント配線板では、ソルダーレジスト層3とアンダーフィルとの接着強度が向上することから、プリント配線板の絶縁信頼性を向上させる効果が得られる。また、実施例27から34によって製造されたプリント配線板は、ソルダーレジスト層3の第一開口部11における開口部上部の開口幅15が開口部底部の開口幅16以下である構造Aを有する上に、尚且つ第二開口部14における開口部上部の開口幅17が開口部底部の開口幅18以下である構造Bを有することによって、ソルダーレジスト層3とアンダーフィルとの接着強度が向上することから、プリント配線板の絶縁信頼性を向上させることができ、尚且つ半田と接続部2との接着強度が向上することから、接続部2に配置した半田ボールを介して、電子部品を接続する場合、両者の間に高い接続信頼性を得ることができる。
また、ソルダーレジスト層3の第一開口部11における開口部上部の開口幅15が開口部底部の開口幅16より小さいため、ソルダーレジスト層3がアンダーフィルに食い込み、そのアンカー効果によって、実施例31〜34のプリント配線板は、ソルダーレジスト層3の第一開口部11における開口部上部の開口幅15が開口部底部の開口幅16と等しい実施例27〜30のプリント配線板よりも、高い絶縁信頼性が得られる。また、平滑化処理によって第一開口部の底部12の表面粗さRaが低下した実施例29、33のプリント配線板、第二開口部の底部13の表面粗さRaが低下した実施例28、32のプリント配線板、および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13の表面粗さRaが低下した実施例30、34のプリント配線板は、実施例27、31のプリント配線板よりも、ソルダーレジスト層3の強度が高く、プリント配線板の信頼性を向上させることができる
実施例35〜36は、図10の製造方法で、プリント配線板を製造している。
(実施例35)
<工程(A1)>
銅張積層板(面積170mm×200mm、銅箔厚18μm、基材厚み0.4mm)の一部を600μm×600μmの電子部品搭載部として想定した領域を設定し、その領域内にエッチングレジストを使用したサブトラクティブ法にて、直径100μmの円形の接続部2を有する回路基板を製造した。次に、ドライフィルム状ソルダーレジスト(太陽インキ製造株式会社製、商品名:PFR−800 AUS410)を真空熱圧着させた。これにより絶縁基板1表面にドライ膜厚が38.0μmの第一ソルダーレジスト層3−1を形成した。
<工程(B1)>
次に、キャリアフィルムを剥離した後、10質量%のメタケイ酸ナトリウム水溶液(液温度25℃)に26秒間浸漬することで、第一ソルダーレジスト層3−1の薄膜化処理を行った。その後、ミセル除去処理、水洗処理、乾燥処理を行い、第一ソルダーレジスト層3−1から接続部2を露出させた。薄膜化処理後の第一ソルダーレジスト層3−1表面から接続部2上部までの高さを測定したところ、高さは5.0μmであった。
<工程(C1)>
次に、密着露光機にて、300mJ/cmのエネルギーにて第一ソルダーレジスト層3−1の全面に露光を実施した。
<工程(A2)>
次に、工程(C1)が完了した第一ソルダーレジスト層3−1の上からソルダーレジストフィルム(太陽インキ製造株式会社製、商品名:PFR−800 AUS410)を真空熱圧着させた。これにより第一ソルダーレジスト層3−1表面にドライ膜厚が18.0μmの第二ソルダーレジスト層3−2が形成され、絶縁基板1表面から第二ソルダーレジスト層3−2の表面までのドライ膜厚は31.0μmとなった。
<工程(C2)>
次に、接続部2の端部から外側に100μm外側までの領域以外に活性光線が照射されるようなパターンを有するフォトマスク8を用いて、密着露光機にて、300mJ/cmのエネルギーにて、第二ソルダーレジスト層3−2に露光を実施した。
<工程(D1)>
次に、キャリアフィルムを剥離した後、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液(液温度30℃、スプレー圧0.15MPa)を用いて22秒間現像処理を行うことで、未露光部の第二ソルダーレジスト層3−2が除去され、第二ソルダーレジスト層3−2によって覆われていた、第一ソルダーレジスト層3−1から露出した状態の接続部2と接続部周囲の第一ソルダーレジスト層3−1が再び露出し、第二開口部の底部13の第一ソルダーレジスト層3−1が膜減りしていた。第二ソルダーレジスト層3−2表面から第二開口部の底部13までの深さは18.5μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は300μmであった。
<工程(A3)>
次に、工程(D1)が完了した第一ソルダーレジスト層3−1および第二ソルダーレジスト層3−2の上からソルダーレジストフィルム(太陽インキ製造株式会社製、商品名:PFR−800 AUS410)を真空熱圧着させた。これにより、第一ソルダーレジスト層3−1および第二ソルダーレジスト層3−2表面にドライ膜厚が18.0μmの第三ソルダーレジスト層3−3が形成され、絶縁基板1表面から第三ソルダーレジスト層3−3の表面までのドライ膜厚は49.0μmとなった。
<工程(C3)>
次に、電子部品搭載部として想定した領域以外に活性光線が照射されるようなパターンを有するフォトマスク8を用いて、密着露光機にて、300mJ/cmのエネルギーにて、第三ソルダーレジスト層3−3に露光を実施した。
<工程(D2)>
1質量%の炭酸ナトリウム水溶液(液温度30℃、スプレー圧0.15MPa)を用いて36秒間現像処理を行うことで、未露光部の第三ソルダーレジスト層3−3が除去され、第三ソルダーレジスト層3−3によって覆われていた、第二ソルダーレジスト層の表面であった第一開口部の底部12が露出し、第一ソルダーレジスト層3−1から露出した状態の接続部2と接続部周囲の第一ソルダーレジスト層3−1(第二開口部の底部13)が再び露出した。第三ソルダーレジスト層3−3の表面であるソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さは18.0μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は600μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さは36.5μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は300μmであった。
また、超深度形状測定顕微鏡(株式会社キーエンス(KEYENCE)製、品番「VK−8500」)を用いて表面粗さを測定したところ、ソルダーレジスト層表面9と第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.03μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.42μmであった。さらに、ソルダーレジスト層表面9および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
超深度形状測定顕微鏡(株式会社キーエンス製、品番「VK−8500」)による算術平均表面粗さRaは、JIS B0601−1994 表面粗さ−定義に準じた計算式を用いている。なお、測定領域は900μm、基準長さは40μmとした。
(実施例36)
工程(B1)の後に平滑化処理(80℃、30秒)を行うこと以外は実施例35と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは18.0μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は600μmであった。ソルダーレジスト層表面9から第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは36.5μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は300μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.03μmであり、第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.08μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
実施例35、36では、ソルダーレジスト層3の第一開口部上部の開口幅15が第一開口部底部の開口幅16以下である構造Aを有するプリント配線板が得られた。これらのプリント配線板では、ソルダーレジスト層3とアンダーフィルとの接着強度が向上することから、プリント配線板の絶縁信頼性を向上させる効果が得られる。また、実施例35、36によって製造されたプリント配線板は、ソルダーレジスト層3の第一開口部11における開口部上部の開口幅15が開口部底部の開口幅16以下である構造Aを有する上に、尚且つ第二開口部14における開口部上部の開口幅17が開口部底部の開口幅18以下である構造Bを有することによって、ソルダーレジスト層3とアンダーフィルとの接着強度が向上することから、プリント配線板の絶縁信頼性を向上させることができ、尚且つ半田と接続部2との接着強度が向上することから、接続部2に配置した半田ボールを介して、電子部品を接続する場合、両者の間に高い接続信頼性を得ることができる。
また、平滑化処理によって第二開口部の底部13の表面粗さRaが低下した実施例36のプリント配線板は実施例35のプリント配線板よりもソルダーレジスト層3の強度が高く、プリント配線板の信頼性を向上させることができる
(比較例3)
銅張積層板(面積170mm×200mm、銅箔厚18μm、基材厚み0.4mm)の一部を600μm×600μmの電子部品搭載部として想定した領域を設定し、その領域内にエッチングレジストを使用したサブトラクティブ法にて、直径100μmの円形の接続部2を有する回路基板を製造した。次に、ドライフィルム状ソルダーレジスト(太陽インキ製造株式会社製、商品名:PFR−800 AUS410)を真空熱圧着させた。これにより絶縁基板1表面からソルダーレジスト層表面9までのドライ膜厚が41.0μmのソルダーレジスト層3を形成した。その後、密着露光機を使用し、1000mJ/cmのエネルギーにてソルダーレジスト層3全面を露光し、さらに熱風乾燥機を使用して150℃にて30分の加熱を行った。
次に、電子部品搭載部として想定した領域にエキシマレーザ光(波長248nm、出力50W)を照射し、ソルダーレジスト層3に第一開口部11を形成した。
次に、接続部2の端部から外側に100μm外側までの領域にエキシマレーザ光(波長248nm、出力50W)を照射し、ソルダーレジスト層3から接続部2を露出させた。
レーザ光を照射したソルダーレジスト層表面9を顕微鏡観察したところ、第一開口部11の形成と接続部2を露出させる際のレーザ光照射によって、ソルダーレジスト層表面9と第一開口部の底部12と接続部2上部と第二開口部の底部13にスミアが発生していた。
次に、水酸化ナトリウムを主成分とした溶液(メルテックス(Meltex)株式会社製、商品名:エンプレート(ENPLATE、登録商標)MLB−496A)および1−メトキシ−2−プロパノールを含む溶液(メルテックス株式会社製、商品名:エンプレート(ENPLATE、登録商標)MLB−496B)と蒸留水の混合液に、スミアが発生したソルダーレジスト層3を60℃にて15分間浸漬し、スミアを膨潤させた。次いで、過マンガン酸ナトリウムを主成分とした溶液(メルテックス株式会社製、商品名:エンプレート(ENPLATE、登録商標)MLB−497A)および水酸化ナトリウムを主成分とする溶液(メルテックス株式会社製、商品名:エンプレート(ENPLATE、登録商標)MLB−497B)と蒸留水の混合液に80℃にて10分間浸漬して、膨潤したスミアを分解除去した。
また、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは18.0μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は590μmであった。また、第一開口部の底部12から接続部2周囲の第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは10.0μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は290μmであった。また、ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.80μmであり、第一開口部の底部12と第二開口部の底部13の表面粗さRaは0.90μmであった。さらに、第一開口部11周辺のソルダーレジスト層表面9と、第一開口部11と、接続部2周囲の第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、ソルダーレジスト層3全面が粗面化されていた。
(比較例4)
銅張積層板(面積170mm×200mm、銅箔厚18μm、基材厚み0.4mm)の一部を600μm×600μmの電子部品搭載部として想定した領域を設定し、その領域内にエッチングレジストを使用したサブトラクティブ法にて、直径100μmの円形の接続部2を有する回路基板を製造した。次に、ソルダーレジストフィルム(太陽インキ製造株式会社製、商品名:PFR−800 AUS410)を真空熱圧着させた。これにより絶縁基板1表面からソルダーレジスト層表面9までのドライ膜厚が41.0μmのソルダーレジスト層3を形成した。その後、密着露光機を使用し、1000mJ/cmのエネルギーにてソルダーレジスト層3全面を露光し、さらに熱風乾燥機を使用して150℃にて30分の加熱を行った。
次に、ブラスト用レジストフィルム(三菱製紙株式会社製、商品名:MS7100)を熱圧着させた。次に、電子部品搭載部として想定した領域以外に活性光線が照射されるようなパターンを有するフォトマスク8を用いて、密着露光機にて、100mJ/cmのエネルギーにて、ブラスト用レジストフィルムに露光を実施し、その後、現像処理を行い、未露光のブラスト用レジストフィルムを除去した。
次に、ブラスト用レジストフィルムの上からサンドブラスト処理(研磨材:SiC #800、ブラスト圧0.15MPa)し、ソルダーレジスト層3に第一開口部11を形成した後、ブラスト用レジストフィルムを剥離した。
次に、ブラスト用レジストフィルム(三菱製紙株式会社製、商品名:MS7100)を真空熱圧着させた。次に、接続部2の端部から外側に100μm外側までの領域以外に活性光線が照射されるようなパターンを有するフォトマスク8を用いて、密着露光機にて、100mJ/cmのエネルギーにて、ブラスト用レジストフィルムに露光を実施し、その後、現像処理を行い、未露光のブラスト用レジストフィルムを除去した。
次に、ブラスト用レジストフィルムの上からサンドブラスト処理(研磨材:SiC #800、ブラスト圧0.15MPa)し、第一開口部の底部12のソルダーレジスト層3に開口部を形成し接続部2を露出させた後、ブラスト用レジストフィルムを剥離した。ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは18.0μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は580μmであった。また、第一開口部の底部12から接続部2周囲の第二開口部の底部13までの深さを測定したところ、深さは10.0μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は280μmであった。また、ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12と第二開口部の底部13の表面粗さRaは1.20μmであった。さらに、第一開口部の底部12と第二開口部の底部13のソルダーレジスト層3を顕微鏡観察したところ、全面が粗面化されていた。
実施例7〜36および比較例3、比較例4によって製造されたプリント配線板は、電子部品搭載部とその周囲のソルダーレジスト層3に形成された第一開口部11を有し、尚且つ、第一開口部の底部12に形成された第二開口部14によって、接続部2がソルダーレジスト層3から部分的に露出した状態であるため、このプリント配線板を使用してフリップチップ接続を行った場合、電子部品と回路基板との接続信頼性を確保するために充分なアンダーフィルを注入した際に、アンダーフィルが電子部品と回路基板の空隙から周囲へ溢れて、電気的な作動に悪影響を及ぼしてしまうことを防ぐことができ、また、接続部2が高密度に配置されたプリント配線板においても、接続部2と絶縁基板1との接着強度および接続部2と半田との接着強度が大きくなり、高い接続信頼性が得られる。
さらに、実施例7〜36によって製造されたプリント配線板は、レーザ加工、デスミア処理やサンドブラストによって、ソルダーレジスト層に第一開口部11や第二開口部14を形成した比較例3および比較例4のプリント配線板と比べて、ソルダーレジスト層3の強度が高く、高い接続信頼性が得られる。
実施例37〜40は、図12の製造方法で、プリント配線板を製造している。
(実施例37)
<工程(A)>
銅張積層板(面積170mm×200mm、銅箔厚18μm、基材厚み0.4mm)の一部を600μm×600μmの電子部品搭載部として想定した領域を設定し、その領域内にエッチングレジストを使用したサブトラクティブ法にて、直径100μmの円形の接続部2を有する回路基板を作製した。次に、ドライフィルム形状ソルダーレジスト(太陽インキ製造株式会社製、商品名:PFR−800 AUS410)を真空熱圧着させた。これにより絶縁基板1表面からソルダーレジスト層表面9までのドライ膜厚が38.0μmのソルダーレジスト層3を形成した。
<工程(C1)>
次に、電子部品搭載部として想定した領域以外に活性光線が照射されるようなパターンを有するフォトマスク8を用いて、密着露光機にて、300mJ/cmのエネルギーにて、ソルダーレジスト層3に露光を実施した。
<工程(B)>
次に、キャリアフィルムを剥離した後、10質量%のメタケイ酸ナトリウム水溶液(液温度25℃)に16秒間浸漬することで、未露光部のソルダーレジスト層3を薄膜化し、ソルダーレジスト層3に第一開口部11を形成した。ミセル除去処理、水洗処理、乾燥処理の後に、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは15.0μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は600μmであった。
<工程(C2)>
次に、接続部2の端部から外側に100μm外側までの領域以外に活性光線が照射されるようなパターンを有するフォトマスク8を用いて、密着露光機にて、300mJ/cmのエネルギーにて、ソルダーレジスト層3に露光を実施した。
<工程(D)>
1質量%の炭酸ナトリウム水溶液(液温度30℃、スプレー圧0.15MPa)を用いて50秒間現像処理を行うことで、未露光部のソルダーレジスト層3が除去され第二開口部14を形成すると共に、接続部2がソルダーレジスト層3から露出し、第一開口部の底部12のソルダーレジスト層3が膜減りしていた。ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは15.5μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は600μmであった。また、第一開口部の底部12から絶縁基板1表面までの深さを測定したところ、深さは22.5μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は300μmであった。また、超深度形状測定顕微鏡(株式会社キーエンス(KEYENCE)製、品番「VK−8500」)を用いて表面粗さを測定したところ、ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.40μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
超深度形状測定顕微鏡(株式会社キーエンス製、品番「VK−8500」)による算術平均表面粗さRaは、JIS B0601−1994 表面粗さ−定義に準じた計算式を用いている。なお、測定領域は900μm、基準長さは40μmとした。
(実施例38)
工程(B)の後に平滑化処理(80℃、30秒)を行うこと以外は実施例37と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは15.5μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は600μmであった。また、第一開口部の底部12から絶縁基板1表面までの深さを測定したところ、深さは22.5μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は300μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.08μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
(実施例39)
工程(C1)の露光量を200mJ/cmで行うこと以外は実施例37と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは15.5μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は620μmであった。また、第一開口部の底部12から絶縁基板1表面までの深さを測定したところ、深さは22.5μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は300μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.40μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
(実施例40)
工程(C1)の露光量を200mJ/cmで行い、工程(B)の後に平滑化処理(80℃、30秒)を行うこと以外は実施例37と同様の方法で作製したプリント配線板の各部の測定を行ったところ、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは15.5μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は620μmであった。また、第一開口部の底部12から絶縁基板1表面までの深さを測定したところ、深さは22.5μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は300μmであった。ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.08μmであった。さらに、ソルダーレジスト層3の開口部の周囲および第一開口部の底部12と第二開口部の底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
実施例37から40では、ソルダーレジスト層3の第一開口部上部の開口幅15が第一開口部底部の開口幅16以下である構造Aを有するプリント配線板が得られた。これらのプリント配線板では、ソルダーレジスト層3とアンダーフィルとの接着強度が向上することから、プリント配線板の絶縁信頼性を向上させる効果が得られる。また、実施例37から40によって製造されたプリント配線板は、ソルダーレジスト層3の第一開口部11における開口部上部の開口幅15が開口部底部の開口幅16以下である構造Aを有する上に、尚且つ第二開口部14における開口部上部の開口幅17が開口部底部の開口幅18以下である構造Bを有することによって、ソルダーレジスト層3とアンダーフィルとの接着強度が向上することから、プリント配線板の絶縁信頼性を向上させることができ、尚且つ半田と接続部2との接着強度が向上することから、接続部2に配置した半田ボールを介して、電子部品を接続する場合、両者の間に高い接続信頼性を得ることができる。
また、ソルダーレジスト層3の第一開口部11における開口部上部の開口幅15が開口部底部の開口幅16より小さいため、ソルダーレジスト層3がアンダーフィルに食い込み、そのアンカー効果によって、実施例39、40のプリント配線板は、ソルダーレジスト層3の第一開口部11における開口部上部の開口幅15が開口部底部の開口幅16と等しい実施例37、38のプリント配線板よりも、高い絶縁信頼性が得られる。
また、平滑化処理によって第一開口部の底部12の表面粗さRaが低下した実施例38、40のプリント配線板は、実施例37、39のプリント配線板よりも、ソルダーレジスト層3の強度が高く、プリント配線板の信頼性を向上させることができる。
(比較例5)
銅張積層板(面積170mm×200mm、銅箔厚18μm、基材厚み0.4mm)の一部を600μm×600μmの電子部品搭載部として想定した領域を設定し、その領域内にエッチングレジストを使用したサブトラクティブ法にて、直径100μmの円形の接続部2を有する回路基板を製造した。次に、ドライフィルム状ソルダーレジスト(太陽インキ製造株式会社製、商品名:PFR−800 AUS410)を真空熱圧着させた。これにより絶縁基板1表面からソルダーレジスト層表面9までのドライ膜厚が41.0μmのソルダーレジスト層3を形成した。その後、密着露光機を使用し、1000mJ/cmのエネルギーにてソルダーレジスト層3全面を露光し、さらに熱風乾燥機を使用して150℃にて30分の加熱を行った。
次に、電子部品搭載部として想定した領域にエキシマレーザ光(波長248nm、出力50W)を照射し、ソルダーレジスト層3に第一開口部11を形成した。
次に、接続部2の端部から外側に100μm外側までの領域にエキシマレーザ光(波長248nm、出力50W)を照射し、ソルダーレジスト層3から接続部2を完全に露出させた。
レーザ光を照射したソルダーレジスト層表面9を顕微鏡観察したところ、第一開口部11の形成と接続部2を露出させる際のレーザ光照射によって、ソルダーレジスト層表面9と第一開口部の底部12と接続部2上部と第二開口部の底部13にスミアが発生していた。
次に、水酸化ナトリウムを主成分とした溶液(メルテックス(Meltex)株式会社製、商品名:エンプレート(ENPLATE、登録商標)MLB−496A)および1−メトキシ−2−プロパノールを含む溶液(メルテックス株式会社製、商品名:エンプレート(ENPLATE、登録商標)MLB−496B)と蒸留水の混合液に、スミアが発生したソルダーレジスト層3を60℃にて15分間浸漬し、スミアを膨潤させた。次いで、過マンガン酸ナトリウムを主成分とした溶液(メルテックス株式会社製、商品名:エンプレート(ENPLATE、登録商標)MLB−497A)および水酸化ナトリウムを主成分とする溶液(メルテックス株式会社製、商品名:エンプレート(ENPLATE、登録商標)MLB−497B)と蒸留水の混合液に80℃にて10分間浸漬して、膨潤したスミアを分解除去した。
また、ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは18.0μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は590μmであった。また、第一開口部の底部12から絶縁基板1表面までの深さを測定したところ、深さは23.0μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は290μmであった。また、ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.80μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは0.90μmであった。さらに、第一開口部11周辺のソルダーレジスト層表面9と第一開口部11を顕微鏡観察したところ、ソルダーレジスト層3全面が粗面化されていた。
(比較例6)
銅張積層板(面積170mm×200mm、銅箔厚18μm、基材厚み0.4mm)の一部を600μm×600μmの電子部品搭載部として想定した領域を設定し、その領域内にエッチングレジストを使用したサブトラクティブ法にて、直径100μmの円形の接続部2を有する回路基板を製造した。次に、ソルダーレジストフィルム(太陽インキ製造株式会社製、商品名:PFR−800 AUS410)を真空熱圧着させた。これにより絶縁基板1表面からソルダーレジスト層表面9までのドライ膜厚が41.0μmのソルダーレジスト層3を形成した。その後、密着露光機を使用し、1000mJ/cmのエネルギーにてソルダーレジスト層3全面を露光し、さらに熱風乾燥機を使用して150℃にて30分の加熱を行った。
次に、ブラスト用レジストフィルム(三菱製紙株式会社製、商品名:MS7100)を熱圧着させた。次に、電子部品搭載部として想定した領域以外に活性光線が照射されるようなパターンを有するフォトマスク8を用いて、密着露光機にて、100mJ/cmのエネルギーにて、ブラスト用レジストフィルム層3に露光を実施し、その後、現像処理を行い、未露光のブラスト用レジストフィルムを除去した。
次に、ブラスト用レジストフィルムの上からサンドブラスト処理(研磨材:SiC #800、ブラスト圧0.15MPa)し、ソルダーレジスト層3に第一開口部11を形成した後、ブラスト用レジストフィルムを剥離した。
次に、ブラスト用レジストフィルム(三菱製紙株式会社製、商品名:MS7100)を真空熱圧着させた。次に、接続部2の端部から外側に100μm外側までの領域以外に活性光線が照射されるようなパターンを有するフォトマスク8を用いて、密着露光機にて、100mJ/cmのエネルギーにて、ブラスト用レジストフィルムに露光を実施し、その後、現像処理を行い、未露光のブラスト用レジストフィルムを除去した。
次に、ブラスト用レジストフィルムの上からサンドブラスト処理(研磨材:SiC #800、ブラスト圧0.15MPa)し、第一開口部の底部12のソルダーレジスト層3に開口部を形成し接続部2を露出させた後、ブラスト用レジストフィルムを剥離した。ソルダーレジスト層表面9から第一開口部の底部12までの深さを測定したところ、深さは18.0μmであり、第一開口部上部の開口幅15は600μm、第一開口部底部の開口幅16は580μmであった。また、第一開口部の底部12から絶縁基板1表面までの深さを測定したところ、深さは23.0μmであり、第二開口部上部の開口幅17は300μm、第二開口部底部の開口幅18は280μmであった。また、ソルダーレジスト層表面9の表面粗さRaは0.03μmであり、第一開口部の底部12の表面粗さRaは1.20μmであった。さらに、第一開口部の底部12のソルダーレジスト層3を顕微鏡観察したところ、全面が粗面化されていた。
実施例37〜40および比較例5〜6によって製造されたプリント配線板は、電子部品搭載部とその周囲のソルダーレジスト層3に形成された第一開口部11を有し、尚且つ、第一開口部の底部12に形成された第二開口部14によって、接続部2がソルダーレジスト層3から露出した状態であるため、このプリント配線板を使用してフリップチップ接続を行った場合、電子部品と回路基板との接続信頼性を確保するために充分なアンダーフィルを注入した際に、アンダーフィルが電子部品と回路基板の空隙から周囲へ溢れて、電気的な作動に悪影響を及ぼしてしまうことを防ぐことができ、また、接続部2が高密度に配置されたプリント配線板においても、接続部2と半田との接着強度が大きくなり、高い接続信頼性が得られる。
さらに、実施例37〜40によって製造されたプリント配線板は、レーザ加工、デスミア処理やサンドブラストによって、ソルダーレジスト層に第一開口部11や第二開口部14を形成した比較例5および6のプリント配線板と比べて、ソルダーレジスト層3の強度が高く、高い接続信頼性が得られる。
本発明は、電子部品を接続する接続部を設けたプリント配線板に利用することができる。
1 絶縁基板
2 導体回路(接続部)
3 ソルダーレジスト層
4 開口部
5 開口部上部の開口幅
6 開口部底部の開口幅
7 活性光線
8 フォトマスク
9 ソルダーレジスト層表面
10 ソルダーレジスト層開口部底部
11 第一開口部
12 第一開口部の底部
13 第二開口部の底部
14 第二開口部
15 第一開口部上部の開口幅
16 第一開口部底部の開口幅
17 第二開口部上部の開口幅
18 第二開口部底部の開口幅
19 導体回路
20 ダム構造

Claims (5)

  1. 絶縁基板上に電子部品を接続する接続部が形成された回路基板を有し、回路基板表面に開口部を有するソルダーレジスト層を有し、開口部において接続部がソルダーレジスト層から部分的に露出しているプリント配線板であって、ソルダーレジスト層の開口部における開口部上部の開口幅が開口部底部の開口幅以下である構造を有することを特徴とするプリント配線板。
  2. ソルダーレジスト層表面およびソルダーレジスト層開口部底部の表面粗さRaが0.50μm以下である請求項1記載のプリント配線板。
  3. 絶縁基板上に電子部品を接続する接続部が形成された回路基板を有し、回路基板表面にソルダーレジスト層を有し、電子部品搭載部とその周囲のソルダーレジスト層が開口されてなる第一開口部を有し、第一開口部の底部のソルダーレジスト層の一部が開口されてなる第二開口部を有し、第二開口部において接続部がソルダーレジスト層から露出しているプリント配線板であって、第一開口部における開口部上部の開口幅が開口部底部の開口幅以下である構造Aと、第二開口部における開口部上部の開口幅が開口部底部の開口幅以下である構造Bとからなる群から選ばれる少なくとも一つの構造を有することを特徴とするプリント配線板。
  4. ソルダーレジスト層表面と第一開口部底部と第二開口部底部とからなる群から選ばれる少なくともひとつの面の表面粗さRaが0.50μm以下である請求項3記載のプリント配線板。
  5. 第二開口部において、接続部の表面全体と側面の一部がソルダーレジスト層から露出している請求項3又は4記載のプリント配線板。
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