JP2015206862A - 感光性ポリイミドパターンの形成方法 - Google Patents

感光性ポリイミドパターンの形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】感光性ポリイミド内部に現像液成分が多量に残ることが無く、尚且つ感光性ポリイミドに均一な高さの段差を形成することができる感光性ポリイミドパターンの形成方法を提供する。
【解決手段】基板の表面に感光性ポリイミド樹脂層を形成する工程、感光性ポリイミド層にパターン露光する工程、アルカリ水溶液によってアルカリ水溶液可溶部の感光性ポリイミド層を薄膜化する工程をこの順に含むことを特徴とする感光性ポリイミドの形成方法であり、薄膜化する肯定の後に感光性ポリイミド層を硬化する工程を含んでも良く、さらに、アルカリ水溶液の濃度が5〜25質量%であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、感光性ポリイミドに段差を形成することが可能な感光性ポリイミドパターンの形成方法に関する。
感光性ポリイミドは半導体素子の表面保護膜、バンプパッケージとして既に使われている材料であるが、耐熱性、誘電特性、離型性、機械強度や耐化学薬品性といった優れた物性を有することから、近年では、フレキシブルプリント基板の保護膜や絶縁膜、バンプ電極、接着剤や光導波路など様々な用途への応用が検討されている。
感光性ポリイミドのパターン形成方法としては、フォトリソグラフィー方式が一般に知られている。フォトリソグラフィー方式では、基板上に感光性ポリイミド層を形成した後、パターン露光によって露光部と未露光部を作り、その後、現像することで感光性ポリイミド層の露光部又は未露光部のどちらかを選択的に除去して基板の一部を露出させることで感光性ポリイミドパターンを形成する。その後、露光や加熱による硬化処理を行うことで感光性ポリイミドパターンを硬化させる。
通常のフォトリソグラフィー方式による感光性ポリイミドパターンの形成方法では、現像処理の後に感光性ポリイミド層が除去されることで基板が露出している部分と感光性ポリイミド層が現像処理による影響を受けずにそのまま残っている部分が生じる。一方、より多様な感光性ポリイミドパターンの形成を目的として、従来法による現像工程によって形成される、感光性ポリイミド層が除去されることで基板が露出している部分と感光性ポリイミド層がそのまま残っている部分の他に、感光性ポリイミド層が薄膜化した部分を形成することで、感光性ポリイミドに段差を形成する感光性ポリイミドパターンの形成方法が提案されている。
感光性ポリイミドに段差を形成する感光性ポリイミドパターンの形成方法としては、露光の際に使用するフォトマスクの光線透過量を調整することで、露光部と未露光部のほかに半露光部を作り、その後の現像工程で半露光部の感光性ポリイミドを不完全に現像することで感光性ポリイミドに段差を形成する感光性ポリイミドパターンの形成方法によって多層配線構成体の絶縁膜パターンを加工する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。さらに、その他の形成方法としては、基板が露出する前に現像工程を停止することで、感光性ポリイミドに段差を形成する感光性ポリイミドパターンの形成方法によって、半導体素子用のバンプを形成する方法(例えば、特許文献2参照)や光学パネル成形用型を製造する方法(例えば、特許文献3参照)も提案されている。
しかしながら、特許文献1に示されている感光性ポリイミドパターンの形成方法では、半露光部は現像液によって膨潤し易い状態であることから現像液成分が感光性ポリイミド内部に多量に残り易く、この状態で絶縁膜として使用した場合には、多層配線構成体の絶縁信頼性に問題が発生する場合があった。また、特許文献2及び3に示されている感光性ポリイミドパターンの形成方法のように、基板が露出する前に現像工程を停止する方法では、特許文献3に記載の現像液である住友化学工業株式会社製アルカリ現像液SOPD(2.38質量%TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液)を用いた場合、基板面内で時間当たりの現像処理量が一定にならないために、感光性ポリイミドに形成される段差の高さが基板内でばらついてしまう。よって、特許文献3においては、光学パネル成形用型の深さが一定ではなくなってしまうことにより、作製した光学パネルの光学パターンが設計通りに得られず、本来の性能が発揮されない場合があった。また、通常現像液として使用されることの多い1質量%炭酸ナトリウム水溶液や2.38質量%TMAH水溶液といった5質量%未満のアルカリ水溶液を用いて従来の現像処理を行うと、基板面内で時間当たりの現像処理量が一定にならないために、感光性ポリイミドに形成される段差の高さが基板内でばらついてしまう。そのため、例えば、特許文献2においては、感光性ポリイミドに形成された段差の高さが基板内でばらついてしまうと、基板面内のバンプ電極の高さが一定ではなくなってしまうことになり、処理速度が高速化し、高周波特性が要求される近年の半導体素子用のバンプ電極として使用するには、機器の性能確保が難しい場合があった。
特開平6−29662号公報 特開平9−213701号公報 特開2003−266486号公報
感光性ポリイミド内部に現像液成分が多量に残ることが無く、尚且つ感光性ポリイミドに均一な高さの段差を形成することができる感光性ポリイミドパターンの形成方法を提供することが本発明の課題である。
本発明者らは、下記手段によって、上記課題を解決できることを見出した。
(1)基板の表面に感光性ポリイミド樹脂層を形成する工程、感光性ポリイミド層にパターン露光する工程、アルカリ水溶液によってアルカリ水溶液可溶部の感光性ポリイミド層を薄膜化する工程、感光性ポリイミド層を硬化する工程をこの順に含むことを特徴とする感光性ポリイミドの形成方法。
(2)基板の表面に感光性ポリイミド樹脂層を形成する工程、感光性ポリイミド層にパターン露光する工程、アルカリ水溶液によってアルカリ水溶液可溶部の感光性ポリイミド層を薄膜化する工程をこの順に含むことを特徴とする感光性ポリイミドの形成方法。
(3)アルカリ水溶液の濃度が5〜25質量%である請求項1又は2記載の感光性ポリイミドパターンの形成方法。
本発明の感光性ポリイミドパターンの形成方法により、感光性ポリイミド内部に現像液成分が多量に残ることが無く、尚且つ感光性ポリイミドに均一な高さの段差を形成することができる感光性ポリイミドパターンの形成方法を提供することができる。
本発明の感光性ポリイミドパターンの形成方法における一例を示す説明図である。 本発明の感光性ポリイミドパターンの形成方法で得られた感光性ポリイミドパターンの断面構造を示す説明図である。
図面を用いて、本発明の感光性ポリイミドパターンの形成方法を説明する。まず、図1を用いて、ネガ型の感光性ポリイミドを使用した場合における、本発明の感光性ポリイミドパターンの形成方法(1)を説明する。この方法では、感光性ポリイミド層の一部を基板が露出しない厚さまで薄膜化することで、感光性ポリイミド層に開口部を形成する。先ず、基板1を準備する(図1a)。次いで、基板1全面を覆うようにして、アルカリ現像型の感光性ポリイミド層2を形成する(図1b)。次いで、基板1が露出しない厚さまで感光性ポリイミド層2が薄膜化される領域以外の部分を活性光線3により露光する(図1c)。図1cでは、フォトマスク4を介しているが、直接描画方式でもかまわない。次いで、アルカリ水溶液処理によって、非露光部の感光性ポリイミド層2を薄膜化し、その後に硬化処理を行うことで図1dに示すように、感光性ポリイミド層2の一部を基板1が露出しない厚さまで薄膜化することで、開口部5を形成した感光性ポリイミドパターンが形成できる。
次に、本発明の感光性ポリイミドパターンの形成方法(2)を説明する。この方法は、
硬化処理を行わないこと以外は本発明の感光性ポリイミドパターンの形成方法(1)と同様である。硬化処理を行っていない上に未露光部である感光性ポリイミド層2の開口部5底部は、さらに薄膜化処理を行うことが可能であるため、パターン露光と薄膜化処理を追加し、又はさらに繰り返すことで、図2a及びbに示すような多段形状の感光性ポリイミドパターンを形成することが可能である。
本発明における基板1には、例えば、合成樹脂からなる基板、合成樹脂と無機フィラーとからなる複合樹脂基板、合成樹脂と無機布帛からなる複合樹脂基板等を用いることができる。樹脂基板は、その表面又は内部に導体配線、接続部、スルーホール等を設けることができる。基板1表面に導体回路を作製する方法は、例えばサブトラクティブ法、セミアディティブ法、アディティブ法が挙げられる。サブトラクティブ法では、例えば、ガラス基材エポキシ樹脂に銅箔を張り合わせた銅張積層板にエッチングレジストを形成し、露光、現像、エッチング、レジスト剥離を実施して基板1表面に導体回路が作製される。また、基板1には、例えば金属、金属酸化物、ガラス等の様々な材料からなる基板、様々な材料からなる複合材料基板等を用いることができる。基板の厚みは特に限定されるものではなく、厚み数μmのフィルム状のものから厚み数cm以上の板状のものであってもよい。
本発明における感光性ポリイミドについて説明する。本発明に係わる感光性ポリイミドは、アルカリ現像型のものが使用できる。また、液状レジストであってもよく、ドライフィルム状レジストであってもよく、アルカリ水溶液によって現像できるものであればいかなるものでも使用できる。感光性ポリイミド系樹脂には、非感光性のポリイミドに光反応性の低分子化合物を混合して感光性にしたもの(混合型)と、カルボキシル基又は水酸基を有するポリイミドのカルボキシル基又は水酸基を部分的に修飾したもの(修飾型)があるが、本発明に係る感光性ポリイミドパターンの形成方法では、いずれも使用することができる。前者の混合型の場合に、光反応性の低分子化合物として、カルボキシル基や水酸基のようなアルカリ現像液に可溶性の基が部分的に修飾され、当該修飾基が露光により解裂して露光部分が現像液に可溶となるものを用いれば、ポジ型に作用するし、光反応性の低分子化合物として、光重合性のものを用いれば、ネガ型に作用する。また後者の修飾型の場合に、カルボキシル基又は水酸基を修飾する基が露光により解裂するものであれば、ポジ型に作用するし、この修飾基が光重合性のものであれば、ネガ型に作用する。感光性ポリイミド系樹脂に関する総説は、例えば、福島らによる「高分子加工」、50巻12号、p.553−560(2001)(高分子刊行会)にある。
感光性ポリイミドには、ポジ型とネガ型があるが、いずれも本発明に係わる感光性ポリイミドパターンの形成方法に適用できる。ポジ型感光性ポリイミドは、それ自体は現像液に難溶又は不溶であるが、露光により化学変化を起こして、その露光部分が現像液に可溶となり、現像後は非露光部分が像として残るものである。一方、ネガ型感光性ポリイミドは、それ自体は現像液に可溶であるが、露光により化学変化を起こして硬化し、その露光部分が現像液に難溶又は不溶となり、現像後はその露光部分が像として残るものである。
本発明に係わる、基板の表面に感光性ポリイミド層を形成する方法は、いかなる方法でも良いが、例えば、スクリーン印刷法、ロールコート法、スプレー法、浸漬法、カーテンコート法、バーコート法、エアナイフ法、ホットメルト法、グラビアコート法、刷毛塗り法、オフセット印刷法が挙げられる。ドライフィルム形状の感光性ポリイミドの場合は、ラミネート法が挙げられる。
本発明に係わる露光では、感光性ポリイミド層に対して活性光線を照射することで行い、キセノンランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、UV蛍光灯を光源とした反射画像露光、フォトマスクを用いた片面、両面密着露光や、プロキシミティ方式、プロジェクション方式やレーザ走査露光等を使用することができる。走査露光を行う場合には、UVレーザ、He−Neレーザ、He−Cdレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンイオンレーザ、ルビーレーザ、YAGレーザ、窒素レーザ、色素レーザ、エキシマレーザ等のレーザ光源を発光波長に応じてSHG波長変換した走査露光、あるいは、液晶シャッター、マイクロミラーアレイシャッターを利用した走査露光によって露光することができる。
感光性ポリイミド層2を薄膜化することによって、開口部5を形成する方法について説明する。感光性ポリイミド層2を薄膜化する工程とは、ネガ型の感光性ポリイミドの場合には薄膜化処理液によって、非露光部の感光性ポリイミド層2の成分をミセル化させるミセル化処理(薄膜化処理)、次にミセル除去液によってミセルを除去するミセル除去処理を含む工程である。さらに、除去しきれなかった感光性ポリイミド層表面や残存付着した薄膜化処理液及びミセル除去液を水洗によって洗い流す水洗処理、水洗水を除去する乾燥処理を含んでもよい。また、ポジ型の感光性ポリイミドの場合には、ミセル化処理において、露光部の感光性ポリイミド層2中の成分をミセル化することで、感光性ポリイミド層2を薄膜化し、ミセル除去処理、場合によって、水洗処理、乾燥処理を行って、開口部5を形成することができる。
薄膜化処理(ミセル化処理)とは、薄膜化処理液によって、感光性ポリイミド層の光反応性の低分子化合物成分をミセル化し、このミセルを薄膜化処理液に対して不溶化する処理である。薄膜化処理液は高濃度のアルカリ水溶液である。薄膜化処理液として使用されるアルカリ水溶液としては、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アンモニウムリン酸塩、アンモニウム炭酸塩等の無機アルカリ性化合物の水溶液;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、シクロヘキシルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキサイド(コリン)等の有機アルカリ性化合物の水溶液が挙げられる。上記無機アルカリ性化合物及び有機アルカリ性化合物は、混合物としても使用できる。
アルカリ性化合物の含有量は、3質量%以上50質量%以下で使用できる。また、感光性ポリイミド層表面をより均一に薄膜化するために、薄膜化処理液に、硫酸塩、亜硫酸塩を添加することもできる。硫酸塩又は亜硫酸塩としては、リチウム、ナトリウムまたはカリウム等のアルカリ金属硫酸塩又は亜硫酸塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属硫酸塩又は亜硫酸塩が挙げられる。
薄膜化処理液としては、これらの中でも特に、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる無機アルカリ性化合物、及び、TMAH、コリンから選ばれる有機アルカリ性化合物のうち少なくともいずれか1種を含み、アルカリ性化合物の含有量が5〜25質量%である薄膜化処理液が、表面をより均一に薄膜化できるため、好適に使用できる。5質量%未満では、薄膜化する処理でムラが発生しやすくなる場合がある。また、25質量%を超えると、無機アルカリ性化合物の析出が起こりやすいことから液の経時安定性に劣る場合があり、有機アルカリ性化合物の場合には臭気が強くなるために作業性に劣る場合がある。アルカリ性化合物の含有量は7〜17質量%がより好ましく、8〜13質量%がさらに好ましい。薄膜化処理液のpHは10以上とすることが好ましい。また、界面活性剤、消泡剤、溶剤等を適宜添加することもできる。
薄膜化処理は、浸漬処理、パドル処理、スプレー処理、ブラッシング、スクレーピング等の方法を用いることができるが、浸漬処理が好ましい。浸漬処理以外の処理方法は、薄膜化処理液中に気泡が発生しやすく、その発生した気泡が薄膜化処理中に感光性ポリイミド層表面に付着して、膜厚が不均一となる場合がある。
感光性ポリイミド層形成後の厚みと感光性ポリイミド層が薄膜化された量で、感光性ポリイミド層に形成した開口部5の深さが決定される。また、0.01〜500μmの範囲で感光性ポリイミド層の薄膜化量を自由に調整することができる。
薄膜化処理液に対して不溶化された感光性ポリイミド層成分のミセルを除去するミセル除去処理において、ミセル除去液をスプレーすることによって、一挙にミセルを溶解除去する。
ミセル除去液としては、水道水、工業用水、純水等を用いることができる。また、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる無機アルカリ性化合物及び、TMAH、コリンから選ばれる有機アルカリ性化合物のうち少なくともいずれか1種を含むpH5〜10の水溶液をミセル除去液として用いることによって、薄膜化処理液で不溶化された感光性ポリイミド層成分が再分散しやすくなる。ミセル除去液のpHが5未満の場合、感光性ポリイミド層の成分が凝集し、不溶性のスラッジとなって、薄膜化した感光性ポリイミド層表面に付着するおそれがある。一方、ミセル除去液のpHが10を超えた場合、感光性ポリイミド層が過度に溶解拡散し、面内で膜厚ムラが発生しやすくなることがある。また、ミセル除去液は、硫酸、リン酸、塩酸等を用いて、pHを調整することができる。
ミセル除去処理におけるスプレーの条件について説明する。スプレーの条件(温度、時間、スプレー圧)は、薄膜化処理される感光性ポリイミド層の溶解速度に合わせて適宜調整される。具体的には、処理温度は10〜50℃が好ましく、より好ましくは15〜35℃である。また、スプレー圧は0.01〜0.5MPaとするのが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3MPaである。ミセル除去液の供給流量は、感光性ポリイミド層1cm当たり0.030〜1.0L/minが好ましく、0.050〜1.0L/minがより好ましく、0.10〜1.0L/minがさらに好ましい。供給流量がこの範囲であると、薄膜化後の感光性ポリイミド層表面に不溶性のスラッジを残すことなく、面内略均一にミセルを除去することができる。感光性ポリイミド層1cm当たりの供給流量が0.030L/min未満では、不溶化した感光性ポリイミド層成分の溶解不良が起こる場合がある。一方、供給流量が1.0L/minを超えると、供給のために必要なポンプなどの部品が巨大になり、大掛かりな装置が必要となる場合がある。さらに、1.0L/minを超えた供給量では、感光性ポリイミド層成分の溶解拡散に与える効果が変わらなくなることがある。
ミセル除去処理後、さらに、除去しきれなかった感光性ポリイミド層や感光性ポリイミド層の表面に残存付着した薄膜化処理液及びミセル除去液を水洗処理によって洗い流すことができる。水洗処理の方法としては、拡散速度と液供給の均一性の点からスプレー方式が好ましい。水洗水としては、水道水、工業用水、純水等を用いることができる。このうち純水を使用することが好ましい。純水は、一般的に工業用に用いられるものを使用することができる。
乾燥処理では、熱風乾燥、室温送風乾燥のいずれも用いることができるが、好ましくは高圧空気をエアガンからあるいはブロアから大量の空気を送気してエアナイフで感光性ポリイミド層表面に残存している水を吹き飛ばす乾燥方法がよい。
本発明に係わる感光性ポリイミド層を硬化する工程において行う硬化処理は、例えば、加熱する方法や、露光工程で用いる紫外線を感光性ポリイミド層の全面に照射する方法などにより行うことができる。加熱により硬化処理を行う場合は、熱処理は窒素雰囲気中で、室温から450℃の温度を選び、段階的に昇温するかある温度範囲を選び連続的に昇温しながら5分〜5時間実施する。この熱処理の最高温度は、120〜450℃、好ましくは、130〜450℃で行うのがよい。例えば、130℃、200℃、400℃で各々30分熱処理する。また、室温から400℃まで2時間かけて直線的に昇温してもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜16)
エポキシ樹脂ガラス布基材銅張積層板(面積170mm×255mm、銅箔厚み12μm、基材厚み0.1mm、三菱ガス化学(株)製、商品名:CCL−E170)を基板1として、感光性ポリイミドである東レ社製フォトニース(登録商標)PW−1270をスピンコーターで塗布した後、125℃で3分間加熱して溶媒を除去し、膜厚10μmの感光性ポリイミド層2を形成した。
次に、50μm×50μmの正方形からなる活性光線透過部と、隣り合う活性光線透過部を隔てる幅50μmの活性光線非透過部で構成される格子状のフォトマスク4を用いて、密着露光機にて、1000mJ/cmのエネルギーにて、感光性ポリイミド層2に活性光線4を照射し、露光を実施した。
次に、表1に示すアルカリ水溶液(液温度25℃)を薄膜化処理液として用いて薄膜化処理を行った。薄膜化処理はアルカリ水溶液に浸漬する方法で行い、十分な水洗処理、冷風乾燥により、薄膜化処理によって開口部5を形成した感光性ポリイミドパターンを得た。アルカリ水溶液への感光性ポリイミドの溶解性が各実施例で異なるため、処理時間はそれぞれの液において、表1に示すように変更した。
薄膜化後、薄膜化した部分の厚みを10点測定し、最大値及び最小値を求め、表1に示した。最大値と最小値から分かるように、アルカリ性化合物の濃度が5〜25質量%のものとTMAHに硫酸ナトリウム及び亜硫酸ナトリウムを添加したもので、感光性ポリイミドの膜厚均一性が良かった。また、薄膜化した部分及びその周囲の感光性ポリイミドに膨潤は見られなかった。
(比較例1)
露光量を250mJ/cmで行い、薄膜化処理の代わりに2.38%TMAH水溶液を現像液としたシャワー現像を20秒間行う以外は実施例1と同様の方法により、開口部を形成した感光性ポリイミドパターンを得た。
開口部を形成した後、開口部底部の感光性ポリイミド層2の厚みを10点測定したところ、最大値は7μmであり、最小値は3μmであり、開口部底部の感光性ポリイミド層2の底部には現像処理によって感光性ポリイミドが膨潤している箇所が残っていた。
(比較例2)
薄膜化処理の代わりに2.38%TMAH水溶液を現像液としたシャワー現像を20秒間行う以外は実施例1〜16と同様の方法により、開口部を形成した感光性ポリイミドパターンを得た。
開口部を形成した後、開口部底部の感光性ポリイミド層2の厚みを10点測定したところ、最大値は7μmであり、最小値は3μmであった。
本発明は、感光性ポリイミドに精度よく段差形成することができるので、フレキシブルプリント基板の保護膜や絶縁膜、バンプ電極、光導波路等の技術分野における微細加工に利用可能である。
1 基板
2 感光性ポリイミド層
3 活性光線
4 フォトマスク
5 開口部

Claims (3)

  1. 基板の表面に感光性ポリイミド樹脂層を形成する工程、感光性ポリイミド層にパターン露光する工程、アルカリ水溶液によってアルカリ水溶液可溶部の感光性ポリイミド層を薄膜化する工程、感光性ポリイミド層を硬化する工程をこの順に含むことを特徴とする感光性ポリイミドの形成方法。
  2. 基板の表面に感光性ポリイミド樹脂層を形成する工程、感光性ポリイミド層にパターン露光する工程、アルカリ水溶液によってアルカリ水溶液可溶部の感光性ポリイミド層を薄膜化する工程をこの順に含むことを特徴とする感光性ポリイミドの形成方法。
  3. アルカリ水溶液の濃度が5〜25質量%である請求項1又は2記載の感光性ポリイミドパターンの形成方法。
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