JP2015042487A - 透明バリアフィルム - Google Patents

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清司 伊関
稲垣 京子
Kyoko Inagaki
京子 稲垣
上殿 明良
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Abstract

【課題】 本発明は、無機薄膜層をもつ透明バリアフィルムの評価法を提供し、その評価により好ましいと判断された透明バリアフィルムを提供するものである。
【解決手段】 本発明は、少なくともプラスチックフィルムの片面に無機薄膜層を有した透明バリアフィルムに関して無機層を陽電子消滅法で求めるSパラメータの無機薄膜の極大値が0.51以下であることを特徴とする透明バリアフィルムである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ガスバリア性に優れた食品、医薬品、電子部品等の気密性を要求される包装材料、または、ガス遮断材料として使用される透明バリアフィルムに関するものである。
ガスバリア性のすぐれたフィルムとしては、プラスチックフィルム上にアルミニウムを積層したもの、塩化ビニリデンやエチレンビニールアルコール共重合体をコーティングしたものが知られている。また、無機薄膜を利用したものとしては、酸化珪素、酸化アルミニウム薄膜等を積層したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
これら、無機薄膜を利用した透明バリアフィルムは、酸素透過量、水蒸気透過量を測定することで評価されてきた。
無機薄膜を利用した透明バリアフィルムを透過してくる気体は基板フィルムの自由体積(空孔)を通過し、無機薄膜の割れ目等の欠陥部分あるいは無機薄膜層にある空孔を透過してくる。
無機層の割れ目などの欠陥は透明バリアフィルムを扱う時に発生したり、基板となるプラスチックフィルム上の突起、ゴミにより発生したりする。
一方、無機薄膜層にある空孔は、物質自身の性質や膜形成条件に起因する。
バリアの向上を検討するに当たり透過量のみで評価しても対策がうまく取れない。
また、有機層と無機層とを積層することによりバリア性能を向上させる方法が知られているが、無機層に空孔が多い膜では積層による効果がない。
高分子フィルムの自由体積を測定する方法として対象となるフィルム内に打ち込んだ陽電子が空孔内で消滅するまでの時間により評価する陽電子消滅寿命測定法が知られている。(たとえば、非特許文献1参照)
無機材料内の欠陥を評価する方法としても陽電子消滅法が使われる。陽電子消滅を利用した評価法としては寿命を測定する方法以外にも、陽電子の消滅時に発生するγ線のエネルギー分布を評価するドップラー広がり評価法がある。(たとえば、非特許文献2参照)
特許第2700019号
陽電子消滅及び気体拡散測定による高分子の自由体積の評価 荻原原子力基盤技術データベース データ番号110014 陽電子による先端半導体材料の評価 上殿 鈴木 大平 石橋 応用物理 第74巻 第9号(2005)
本発明は、優れたバリア性をもつ無機薄膜層をもつ透明バリアフィルムを提供するものである。
すなわち、本発明は、少なくともプラスチックフィルムの片面に無機薄膜層を有した透明バリアフィルムに関して陽電子消滅法で求めたSパラメータの無機薄膜層の極大値が0.51以下であることを特徴とする透明バリアフィルムである。
この場合において、前記透明バリアフィルムの陽電子消滅法で求めるSパラメータの無機薄膜層の極大値が0.505以下であることが好適である。
また、この場合において、前記無機層が主としてアルミナおよびシリカよりなることが好適である。
本発明により、高性能なバリアフィルムが得られ、電子部品等の気密性を要求される包装材料、または、ガス遮断材料として使用されることができる。さらに有機層、無機層を交互に重ねることにより、より優れたバリアフィルムが得られる。
γ線のエネルギー分布 低速陽電子ビーム装置概念図 陽電子消滅法で求めるSパラメータ測定例 実施例記載の透明バリアフィルムの測定結果
1:エネルギー分布
2:Sパラメータ領域
3:陽電子源(22Na)
4:減速材
5:フィルター
6:陽電子ビーム
7:加速器
8:ヘルムホルツコイル
9:試料
10:γ線
11:検出器
12:プラスチックフィルムの固有値
本発明の透明バリアフィルムは陽電子消滅法によりもとめるSパラメータの無機薄膜層の極大値が0.51以下であることを特徴を有する。
本発明で言う陽電子消滅法は、対象の中に打ち込んだ陽電子が消滅する際に発生するγ線のエネルギー分布を評価する方法である。先に上げた非特許文献2にも説明がある。
陽電子消滅法において得られるγ線のエネルギー分布の概念図を図1に示す。電子と対消滅する際に発生するγ線のエネルギーは電子の運動状態によって異なり、511keVを中心に拡がるエネルギー分布(概念図1の(1))をもつ。
本発明においては陽電子が空孔の大きさにより、その周りの原子の異なる軌道の電子に陽電子が衝突することでγ線が広がりを持つことに注目した。
本願発明では、511keVを中心とした511±0.76keVの領域(概念図1の領域(2))のカウント数を全カウント数で除した値を陽電子消滅法によりもとめるSパラメータとして定義する。
本願では、無機層表面より打ち込む陽電子のエネルギーを順次変えていき無機層表面からプラスチックへの深さ方向の各層でのSパラメータを求めた時、無機層での極大値を薄膜の評価に使用している。
本発明で用いる装置の一例として装置の構成を以下に述べる。
図2においては陽電子源(3)としてナトリウム22を使った例である。ナトリウム22の原子核のβ崩壊により高エネルギーの陽電子が発生する。得られた陽電子を減速材により速度を落とし、電磁界を使ったフィルター(5)により、高速陽電子を取り除き速度を一定範囲にそろえて陽電子ビーム(6)を取り出す。
陽電子ビームは所望の速度に加速器(7)により加速し打ち込みエネルギーを調整し試料[9]に打ち込む。ヘルムホルツコイル(8)でビームの発散防止と軌道の安定を図る。
打ち込まれた陽電子は試料内でポジトロンを形成しある寿命で崩壊する。崩壊したときに発生するγ線のエネルギーを半導体検出器(11)で計測する。
計測されたγ線は、エネルギー別に計数する。なお、実施例では、図2に示す装置を使用し、陽電子消滅法によりもとめるSパラメータ値を測定した。
少なくともプラスチックフィルムの片面に無機薄膜層を有した透明バリアフィルムにおいては、例えばSパラメータは図3に示すような形態をしめす。図3は横軸に陽電子エネルギー、縦軸に得られたSパラメータをプロットしたものであるが、陽電子のエネルギーが0keVより増すにつれて無機薄膜層表面より無機薄膜層内部、フィルムとの界面、プラスチック内部といった深さ方向に異なる位置のSパラメータ値を示している。
Sパラメータは表層の影響、界面の影響を受けるので、無機薄膜層、プラスチックフィルムのSパラメータの評価は下記のように行う。陽電子が十分内部に陽電子が入ったところでのSパラメータはプラスチックフィルムの固有値(12)を示す。
本発明にけるSパラメータは、無機薄膜層において得られたSパラメータの極大値を言うが、具体的な決定方法としては、プラスチック固有値を示すところから表面に向かい、陽電子エネルギーが小さくなるにしたがって上昇する場合はその極大値をさし、無機薄膜層との界面においていったん下降した後、極小値を経て、上昇した後に極大値を示す場合はその極小値を過ぎた後の極大値を言う。
陽電子消滅法によりもとめるSパラメータにより、無機薄膜層自体に存在する空孔の大きさが評価でき、透明バリアフィルムの無機薄膜層の割れや基板への汚れなどに起因するピンホールなどによるバリア性の低下があっても、無機薄膜自体のバリア性を評価することができる。
無機薄膜層の割れなどの欠陥の場合、無機薄膜層に有機層を積層し、さらに無機層を積層すると無機欠陥を透過し有機層を透過して2層目の無機層欠陥を通過する場合、有機層ないで膜厚方向でなく欠陥と欠陥を結ぶ長い距離を透過しないといけなくなりガス透過が大きく減少する。
陽電子消滅法によりもとめるSパラメータの無機薄膜層の極大値が0.51以下の場合、無機薄膜層の空孔が小さく積層による改善が見込める。さらに、0.505以下では割れ、酸素透過量、水蒸気透過量に低いフィルムが得られる。
本発明でいうプラスチックフィルムとは、有機高分子を溶融押出しをして、必要に応じ、長手方向、および、または、幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したフィルムであり、有機高分子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ナイロン6、ナイロン4、ナイロン66、ナイロン12、ポリ塩化ビニール、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニールアルコール、全芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキサイドなどがあげられる。また、これらの有機高分子は他の有機重合体を少量共重合したり、ブレンドしたりしてもよい。
さらにこの有機高分子には、公知の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤などが添加されていてもよく、その透明度は特に限定するものではないが、透明ガスバリアフィルムとして使用する場合には、50%以上の透過率をもつものが好ましい。
本発明のプラスチックフィルムは、本発明の目的を損なわない限りにおいて、薄膜層を積層するに先行して、該フィルムをコロナ放電処理、グロー放電処理、その他の表面粗面化処理を施してもよく、また、公知のアンカーコート処理、印刷、装飾が施されていてもよい。
本発明におけるプラスチックフィルムは、その厚さが1μm以上300μm以下の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは5μm以上100μm以下の範囲である。
本発明でいう無機薄膜層は、物質としては、Al、Si、Ti、Zn、Zr、Mg、Sn、Cu、Fe等の金属や、これら金属の酸化物、窒化物、フッ素物、硫化物等が挙げられ、具体的には、SiOx(x=1.0〜2.0)、アルミナ、マグネシア、硫化亜鉛、チタニア、ジルコニア、酸化セリウム、あるいはこれらの混合物が例示される。無機薄膜層は1層でもあるいは2層以上の積層体であってもよい。
酸化アルミニウムと酸化ケイ素とを蒸着して作成した複合酸化物層の場合、無機化合物薄膜中に含まれる酸化アルミニウムの質量比率は特に限定されないが、無機化合物薄膜中に含まれる酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素(酸化マグシウム)の合計100質量%に対し、酸化アルミニウムの比率が10質量%以上が好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、30質量%以上よりさらに好ましく、40質量%以上が特に好ましい。酸化アルミニウムの比率は65質量%以下であることが好ましく、55%以下がさらに好ましく、50%以下が特に好ましい。
酸化アルミニウムの比率が質量%を超えると、柔軟性が乏しくなる傾向があるためハンドリングによる割れが生じ易く、安定したバリア性が得られ難くなる場合がある。一方、酸化アルミニウムの比率が10質量%未満であるとバリア性がよくなくなる。
前記無機化合物薄膜の膜厚は、特に限定されないが、5〜500nmが好ましく、さらに好ましくは8nm以上、100nm以下であり、無機化合物薄膜の膜厚が5nm未満では、満足のいくガスバリア性が得られ難くなる場合があり、一方、500nmを超えて過度に厚くしても、それに相当するガスバリア性の向上の効果は得られず、耐屈曲性や製造コストの点でかえって不利となる。
上記無機薄膜層の形成方法としては、公知の方法、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法(PVD)や、プラズマ化学気相成長法(PECVD)等の化学蒸着法等が採用される。
真空蒸着法においては、蒸着材料としてアルミニウム、珪素、チタン、マグネシウム、ジルコニウム、セリウム、亜鉛等の金属、また、SiOx(x=1.0〜2.0)、アルミナ、マグネシア、硫化亜鉛、チタニア、ジルコニア等の化合物およびそれらの混合物が用いられる。加熱方法としては抵抗加熱、誘導加熱、電子線加熱等が採用される。また、反応ガスとして、酸素等を導入したり、オゾン添加、イオンアシスト等の手段を用いたりした反応性蒸着法を採用してもよい。
無機層の空孔は無機層の組成、基板フィルムの表面状態、製造条件により制御することができる。
酸化アルミニウム−酸化珪素の蒸着法による無機層では以下の条件が好ましい。
蒸着時のプラスチックフィルムの温度は15〜30℃とするのが好ましく、20〜25℃とするのがより好ましい。
蒸着時の圧力は10−5〜10−3Paとするのが好ましく、10−5〜2×10−4Paとするのが好ましい。
さらに、作成した無機薄膜層に加湿処理を施すのが重要である。加湿処理は40〜60℃、湿度60RH%の大気中で5〜10日間行うのが好ましい。
蒸着時のプラスチックフィルムの温度は15〜30℃とするのが好ましく、20〜25℃とするのがより好ましい。
蒸着時の圧力は10−5〜10−3Paとするのが好ましく、10−5〜2×10−4Paとするのが好ましい。
さらに、作成した無機薄膜層に加湿処理を施すのが重要である。加湿処理は40〜60℃、湿度60RH%の大気中で5〜10日間行うのが好ましい。
本発明では、特に好ましい無機薄膜層としては酸化アルミニウムと酸化ケイ素とを蒸着して作成した複合酸化物層や酸化アルミニウムと酸化マグネシウムとを蒸着して作成した複合酸化物層が好ましい。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
なお、各実施例で得られたフィルム特性は以下の方法により測定、評価した。
1)陽電子消滅法によるSパラメータの測定
陽電子源としてナトリウム22を使用する。減速材(タングステン)を通過して減速した陽電子を電磁場により、高速度陽電子を振り分け加速器で電界をかけ、必要な速度(eV)まで加速する。陽電子ビームは約10mmに絞られセットした透明バリアフィルムに照射される。
計測されたγ線はルマニウム半導体検出器でエネルギー別に計数し、511±0.76keVの領域でカウント数をγ線の511keVを中心とするエネルギー分布全域での全カウントで除した値をSパラメータとした。一定時間経過後、加速電圧を上げて次の深さの測定を行う。
2)無機化合物薄膜の組成・膜厚
無機化合物の組成膜厚は蛍光X線分析装置((株)リガク製「ZSX100e」)を用いて、予め作成した検量線により膜厚組成を測定した。なお、励起X線管の条件として50kV、70mAとした。
検量線は以下の手順で求めたものである。
酸化アルミニウムと酸化ケイ素からなる無機薄膜の場合を例に説明する。
酸化アルミニウムと酸化ケイ素とからなる無機化合物薄膜を持つフィルムを数種類作成し、誘導結合プラズマ発光法(ICP法)で酸化アルミニウムと酸化ケイ素それぞれの付着量を求める。
次いで、付着量を求めた各フィルムを蛍光X線分析装置((株)リガク製「ZSX100e」、励起X線管の条件:50kv、70mA)で分析することにより各サンプルの酸化アルミニウムと酸化ケイ素との蛍光X線強度を求める。
蛍光X線強度とICPで求めた付着量の関係を求めて検量線を作成する。
ICPで求めた付着量は基本的に重量であるのでこれを膜厚組成とするため以下のように変換した。
膜厚は、無機酸化薄膜の密度がバルク密度の8割であるとし、かつ 酸化アルミニウムと酸化ケイ素とが混合された状態であってもそれぞれ体積を保つとして算出した。
酸化アルミニウムの膜中の含有率wa(質量%)、酸化ケイ素の膜中の含有量ws(質量%)は、酸化アルミニウムの単位面積当たりの付着量をMa(g/cm)、酸化ケイ素の単位面積当たりの付着量をMs(g/cm)とすると、各々下記式(1)、(2)で求められる。
wa=100×[Ma/(Ma+Ms)] (1)
ws=100−wa (2)
すなわち、酸化アルミニウムの単位面積当たりの付着量をMa(g/cm)、そのバルクの密度をρa(3.97g/cm)とし、酸化ケイ素の単位面積当たりの付着量をMs(g/cm)、そのバルクの密度をρs(2.65g/cm)とすると、膜厚t(nm)は下記式(3)で求められる。
t=((Ma/(ρa×0.8)+Ms/(ρs×0.8))×10・・・式(3)

蛍光X線で測定した膜厚の値は、TEMで実際に計測した膜厚と近いものであった。
酸化アルミニウムと酸化マグネシウムからなる無機薄膜の場合も同様に行なうが、酸化マグネシウムのバルクの密度をρmは3.65g/cmとする。
3)酸素透過度、水蒸気透過度の測定
酸素透過度はJIS K7126−2 A法に準じて、酸素透過度測定装置(OXTRAN 2/21 MOCOM社製)を用意、温度23℃、湿度65%RHの雰囲気下で測定した。
水蒸気透過度はJIS K7129 B法に準じて、水蒸気透過度測定装置(PERMATRAN−W 3/31 MOCOM社製)を用い、温度40℃、湿度90%RHの雰囲気下で水蒸気透過度を測定した。
(実施例1)
蒸着源として、3〜5mm程度の大きさの粒子状のAl(酸化アルミニウム、純度99.5%)とSiO(酸化硅素、純度99.9%)を用い、電子ビーム蒸着法で、50μm厚のPETフィルム(東洋紡績(株):E4100)の非コート面側に酸化アルミニウムと酸化硅素を同時に蒸着し酸化アルミニウム・酸化硅素系薄膜の形成を行った。
蒸着材料は、直径40mmの円形の坩堝をカーボン板で2つに仕切り、それぞれに粒状の酸化アルミニウム、粒状の酸化珪素を混合せずに投入した。また、上記PETフィルムを支持板に設置した。
加熱源として一台の電子銃を用い、AlとSiOのそれぞれを時分割で電子ビームを照射して加熱し、PETフィルム表面に加熱気化し混合した酸化アルミニウム、粒状の酸化珪素を蒸着した。
その時の電子銃のエミッション電流は205mA 加速電圧は6kV、坩堝に投入された酸化アルミニウムには160mA×6kV相当の、酸化硅素アルミナには45mA×6kV相当の電力投入がされた。
蒸着時の真空圧は1.1×10−4Paとし、フィルムの支持体の温度を23℃とした。
無機薄膜層の厚みは水晶振動子式膜厚計を使い60nmを目標に蒸着した。
作成した蒸着フィルムを40℃、60%RHの大気中に7日間放置した。
得られた蒸着フィルムのSパラメータ、膜厚、組成、酸素透過度、水蒸気透過度を測定した。結果を表1に示す。Sパラメータの蒸着フィルムの無機薄膜層表面からPETフィルムへの厚み方向の変化を図4に示す。
(実施例2)
実施例1と、シリカに45mA、アルミナに180mA相当を投入した以外は同様にして、透明バリアフィルムを作成し、各項目を測定した。
(実施例3)
実施例1と、シリカに40mA、アルミナに175mA相当を投入した以外は同様にして、透明バリアフィルムを作成し、各項目を測定した。
(実施例4)
実施例1と、シリカに35mA、アルミナに190mA相当を投入した以外は同様にして、透明バリアフィルムを作成し、各項目を測定した。
(比較例1)
実施例1と、シリカにのみ45mA相当を投入した以外は同様にして、透明バリアフィルムを作成し、各項目を測定した。
(比較例2)
実施例1と、アルミナにのみ190mA相当を投入した以外は同様にして、透明バリアフィルムを作成し、各項目を測定した。
本発明により、透明バリアフィルムの良否が判断できる。また、本発明の評価により良と判断した透明バリアフィルムは優れたバリア性を発揮でき酸素、水蒸気により劣化するものを保護するのに役立つフィルムを提供できる。

Claims (3)

  1. 少なくともプラスチックフィルムの片面に無機薄膜層を有した透明バリアフィルムに関して無機層を陽電子消滅法で求めるSパラメータの無機薄膜における極大値が0.51以下であることを特徴とする透明バリアフィルム。
  2. 請求項1の評価法においてSパラメータが0.505以下であることを特徴とする透明バリアフィルム。
  3. 請求項2および3において無機層が主としてアルミナおよびシリカよりなることを特徴とする透明バリアフィルム。
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