JP2015030245A - ガスバリア性フィルムおよびその製造方法、並びにこれを用いた電子デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】耐衝撃性および高温高湿下における密着性に優れるガスバリア性フィルムを提供する。
【解決手段】基材と、第1のポリシラザン改質物および金属酸化物粒子を含む第1のガスバリア層と、前記第1のガスバリア層上に配置された第2のポリシラザン改質物を含む第2のガスバリア層と、を含み、前記金属酸化物粒子が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、および酸化セリウムからなる群から選択される少なくとも1つを含む、ガスバリア性フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガスバリア性フィルムおよびその製造方法、並びにこれを用いた電子デバイスに関する。
従来、プラスチック基板やフィルムの表面に、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素等の金属酸化物を含む薄膜(ガスバリア層)を形成したガスバリア性フィルムが、食品、医薬品等の分野で物品を包装する用途に用いられている。ガスバリア性フィルムを用いることによって、水蒸気や酸素等のガスによる物品の変質を防止することができる。
このようなガスバリア性フィルムとしては、基材上に無機膜を蒸着して形成されるガスバリア層を有するガスバリア性フィルム、基材上に半導体レーザー等で金属を堆積して形成されるガスバリア層を有するガスバリア性フィルム、基材上にポリシラザンを主成分とする塗布液を塗布、表面処理して形成されるガスバリア層を有するガスバリア性フィルム等が知られている。
ところで、近年、上記のような水蒸気や酸素等の透過を防ぐガスバリア性フィルムが、液晶表示素子(LCD)、太陽電池(PV)、有機エレクトロルミネッセンス(EL)などの電子デバイスの分野にも利用されつつある。電子デバイスにガスバリア性フィルムを適用するためには、特に高いガスバリア性が要求される。
電子デバイスに適用可能な高いガスバリア性を有するガスバリア性フィルムを得る方法としては、例えば、ガスバリア層の膜厚を厚く設ける方法が挙げられる。
しかしながら、例えば、特許文献1では、高いガスバリア性を付加するためにガスバリア層の膜厚を厚くすると、クラックの発生等が生じうる旨が記載されている。これに対し、特許文献1においては、樹脂基材上に、シラザン骨格を基本ユニットとするポリマーで形成された膜厚250nm以下のポリマー膜に真空紫外光が照射された層が二層以上積層され、水蒸気透過度が0.01g/m/日未満かつ酸素透過度が0.1ミリリットル/m/日未満である、フレキシブルガスバリアフィルムに係る発明が記載されている。特許文献1に記載のガスバリア性フィルムによれば、所定のポリマーを真空紫外光で照射して得られる層を2層以上積層することにより、ガスバリア層の表面が平滑になることが記載されている。これにより、得られるガスバリア性フィルムは、ガスバリア性および耐候性があり、クラックの発生が起こりにくいことが記載されている。
特開2009−255040号公報
特許文献1に記載のガスバリア性フィルムは、ガスバリア層を2層以上積層することにより、一定のガスバリア性および耐候性を有しうる。
しかしながら、特許文献1に記載のガスバリア性フィルムは、耐衝撃性が十分ではないことが判明した。
また、ガスバリア性フィルムを電子デバイスに適用した場合、高温高湿の環境となりうるが、特許文献1に記載のガスバリア性フィルムは、このような環境では、積層されたガスバリア層間(ガスバリア層−ガスバリア層間)の密着性が確保できず、層構成が破壊される場合があることが判明した。その結果、高温高湿環境下では、ガスバリア性フィルムのガスバリア性が劣化する可能性がある。
そこで、本発明は、耐衝撃性および高温高湿下における密着性に優れるガスバリア性フィルムを提供することを目的とする。
本発明者は鋭意研究を行った結果、積層されたガスバリア層を有するガスバリア性フィルムにおいて、所定の成分とともに所定の金属酸化物粒子を含むガスバリア層を適用することで、上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の上記課題は以下の手段により達成される。
1.基材と、第1のポリシラザン改質物および金属酸化物粒子を含む第1のガスバリア層と、前記第1のガスバリア層上に配置された第2のポリシラザン改質物を含む第2のガスバリア層と、を含み、前記金属酸化物粒子が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、および酸化セリウムからなる群から選択される少なくとも1つを含む、ガスバリア性フィルム;
2.前記第1のガスバリア層において、前記金属酸化物粒子の含有量が、ポリシラザンに対して、0.01〜25質量%であり、前記第2のガスバリア層の膜厚が、30〜450nmである、1に記載のガスバリア性フィルム;
3.ポリシラザンおよび金属酸化物粒子を含む第1の塗布液を基材上に塗布し、前記ポリシラザンを改質することを含む第1のガスバリア層の形成工程(1)と、ポリシラザンを含む第2の塗布液を前記第1のガスバリア層上に塗布し、真空紫外光を照射することを含む第2のガスバリア層の形成工程(2)と、を含み、前記金属酸化物粒子が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、および酸化セリウムからなる群から選択される少なくとも1つを含む、ガスバリア性フィルムの製造方法;
4.前記工程(2)における真空紫外光の照射が、酸素濃度0.1体積%以下の環境下で行われる、3に記載の製造方法;
5.電子デバイス本体と、1もしくは2に記載のガスバリア性フィルム、または3もしくは4に記載の方法によって製造されたガスバリア性フィルムと、を含む、電子デバイス。
本発明によれば、耐衝撃性および高温高湿下における密着性に優れるガスバリア性フィルムを提供できる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
<ガスバリア性フィルム>
本形態に係るガスバリア性フィルムは、基材と、第1のガスバリア層と、第2のガスバリア層とを含む。この際、前記第1のガスバリア層は、第1のポリシラザン改質物および金属酸化物粒子を含む。また、前記第2のガスバリア層は、第2のポリシラザン改質物を含む。そして、前記金属酸化物粒子は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、および酸化セリウムからなる群から選択される少なくとも1つを含む。
ガスバリア性フィルムの水蒸気透過度は、1×10−3g/(m・24h)以下であることが好ましく、1×10−4g/(m・24h)以下であることがより好ましい。なお、本明細書において、「水蒸気透過度」の値は、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された値を採用するものとする。なお、測定条件は、温度:60±0.5℃、相対湿度(RH):90±2%である。
[基材]
本発明に用いられる基材は、特に限定されないが、可撓性および透過性を有する折り曲げ可能なフィルム基材であることが好ましい。
基材の具体例としては、特に制限されないが、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ナイロン(Ny)、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等の樹脂のフィルム;有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格とした耐熱透明フィルム(Sila−DEC:チッソ株式会社製、シルプラス:新日鐵化学社製等);透明ポリイミドのフィルム(透明ポリイミド系フィルム タイプHM:東洋紡株式会社製、透明ポリイミド系フィルム ネオプリムL L−3430:三菱ガス化学株式会社製)等が挙げられる。
これらのうち、コストや入手の容易性等の観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)等を用いることが好ましい。
また、光学的透明性、耐熱性等の観点から、有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格とした耐熱透明フィルム等を用いることが好ましい。
これらの基材は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記の樹脂フィルムを用いた基材は、未延伸フィルムであっても、延伸フィルムであってもよい。
上記樹脂フィルムを用いた基材は、従来公知の一般的な方法により製造することができる。例えば、樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸フィルムを製造することができる。また、前記未延伸フィルムを一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸などの公知の方法により、基材の流れ(縦軸)方向、または基材の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸フィルムを製造することができる。この場合の延伸倍率は、基材の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することができるが、縦軸方向および横軸方向にそれぞれ2倍〜10倍であることが好ましい。当該延伸フィルムには、基材の寸法安定性を向上させるため、延伸後に緩和処理を行ってもよい。
本発明に用いる基材の膜厚は、5〜500μmであることが好ましく、25〜250μmであることがより好ましい。
本発明に用いる基材は、線膨張係数が50ppm/℃以下であることが好ましく、1〜50ppm/℃であることが好ましい。基材の線膨張係数が50ppm/℃以下であると、液晶表示装置(LCDパネル)等の電子デバイスにガスバリア性フィルムを適用した場合、環境温度変化等に対する色ズレの発生や基材の変形を抑制しうることから好ましい。なお、本明細書において「線膨張係数」とは、下記の方法により測定した値を採用するものとする。具体的には、EXSTAR TMA/SS6000型熱応力歪測定装置(セイコーインスツル株式会社製)を用いて、測定する基材を窒素雰囲気下で5℃/分で30〜50℃まで加熱した後、一時温度を維持する。その後、再度5℃/分で30〜150℃に加熱し、このとき、引張モード(荷重5g)で基材の寸法変化を測定する。当該値から線膨張係数が求められる。
本発明に係る基材は、可視光(400〜700nm)の光透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。光透過率が80%以上であると、液晶表示装置(LCDパネル)等の電子デバイスにガスバリア性フィルムを適用した場合、高い輝度が得られうることから好ましい。なお、本明細書において、「光透過率」とは、分光光度計(可視紫外線分光光度計 UV−2500PC:株式会社島津製作所製)を用いて、ASTM D−1003規格に準拠して可視光線の入射光量に対する全透過光量を測定して算出される、可視光域における平均透過率を意味する。
さらに、本発明に用いる基材は、JIS B 0601(2001)で規定される10点平均表面粗さRzが1〜1500nmであることが好ましく、5〜400nmであることがより好ましく、300〜350nmであることがさらに好ましい。また、JIS B 0601(2001)で規定される中心線平均粗さRaが0.5〜12nmであることが好ましく、1〜8nmであることがより好ましい。RzやRaが上記範囲内にあると、塗布液の塗布性が向上することから好ましい。基材は、必要に応じて、片面または両面、好ましくはバリア層を設ける面を研摩して平滑性を向上させてもよい。
本発明に係る基材には、コロナ処理が施されていてもよい。
また、上述した基材上には、適宜その他の層(中間層)が形成されていてもよい。中間層としては、アンカーコート層、平滑層、およびクリアハードコート層等が挙げられる。これらのうち、基材上にクリアハードコート層を形成することが好ましい。
(クリアハードコート(CHC)層)
クリアハードコート層は、基材とガスバリア層との密着性向上、高温高湿下での基材およびガスバリア層の膨張・収縮の差から生じる内部応力の緩和、ガスバリア層を設ける下層の平坦化、基材からのモノマー、オリゴマー等の低分子量成分のブリードアウト防止等の機能を有する。
クリアハードコート層は、感光性樹脂組成物を基材上に塗布した後、硬化させることによって形成されうる。
前記感光性樹脂組成物は、通常、感光性樹脂、光重合開始剤、および溶媒を含む。
前記感光性樹脂としては、光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有する反応性モノマーを含有している感光性樹脂であれば特に制限されないが、ラジカル反応性不飽和結合を有するアクリレート化合物を含有する樹脂、アクリレート化合物とチオール基を有するメルカプト化合物を含有する樹脂、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、グリセロールメタクリレート等の多官能アクリレートモノマーを含有する樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いられうる。
前記光重合開始剤としては、特に制限されないが、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾインベンゾエート、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−(4−モルフォリニル)−1−プロパン、α−アシロキシムエステル、チオキサンソン類等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いられうる。
前記溶媒としては、特に制限されないが、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;α−またはβ−テルピネオール等のテルペン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、シクロヘキシルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、安息香酸メチル等のエステル類;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類が挙げられる。これらの溶媒は単独で、または2種以上を混合して用いてもよい。
前記感光性樹脂組成物は、必要に応じてさらに酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、無機粒子、感光性樹脂以外の樹脂等の添加剤が添加されていてもよい。
これらのうち、好ましい添加剤の一つは、表面に光重合反応性を有する感光性基が導入された反応性シリカ粒子(以下、単に「反応性シリカ粒子」とも称する)である。前記光重合性を有する感光性基としては、特に制限されないが、例えば(メタ)アクリロイルオキシ基に代表される重合性不飽和基が挙げられる。反応性シリカ粒子が有する光重合性を有する感光性基と、感光性樹脂が有する重合性不飽和基とが反応することによってガスバリア層との密着性が向上しうる。
前記反応性シリカ粒子としては、特に制限されないが、重合性不飽和基修飾加水分解性シランが有する加水分解性シリル基を加水分解することによって、シリカ粒子とシリルオキシ基を生成して得られたもの、すなわち、重合性不飽和基修飾加水分解性シランとシリカ粒子とが化学的に結合したものでありうる。前記加水分解性シリル基としては、特に制限されないが、アルコキシシリル基;アセトキシシリル基等のカルボキシレートシリル基;クロロシリル基等のハロゲン化シリル基;アミノシリル基;オキシムシリル基;ヒドリドシリル基が挙げられる。なお、重合性不飽和基としては、特に制限されないが、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エチニル基、シンナモイル基、マレート基、アクリルアミド基等が挙げられる。
前記反応性シリカ粒子の平均粒子径としては、0.001〜0.1μmであることが好ましく、0.001〜0.01μmであることがより好ましい。反応性シリカ粒子が、上記範囲の平均粒子径を有することにより、感光性樹脂組成物に含有されうる後述のマット剤と組み合せて用いることで、防眩性と解像性とをバランスよく満たす光学特性およびハードコート性を有しうる。
前記反応性シリカ粒子を感光性樹脂組成物中に含む場合、反応性シリカ粒子は、20〜60質量%で含有されることが好ましい。反応性シリカ粒子が20質量%以上含有されると、ガスバリア層との密着性が向上しうることから好ましい。一方、反応性シリカ粒子が60質量%以下であると、高温高湿環境下におけるフィルムの変形が抑制され、これに伴うクラックの発生を抑制しうることから好ましい。
また、感光性樹脂組成物はマット剤を含むことが好ましい。マット剤を含有することによって光学特性が調整されうる。
マット剤としては、特に制限されず、シリカ、アルミナ、タルク、クレイ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化ジルコニウム等が用いられうる。前記マット剤は、単独で、または2種以上を組み合わせて使用されうる。
マット剤の平均粒子径は、0.1〜10μmであることが好ましく、1〜10μmであることがより好ましい。マット剤が上記範囲の平均粒子径を有することにより、感光性樹脂組成物に含有されうる上述の反応性シリカ粒子と組み合せて用いることで、防眩性と解像性とをバランスよく満たす光学特性およびハードコート性を有しうる。
感光性樹脂組成物中のマット剤の含有量は、感光性樹脂組成物中の固形分100質量部に対して、好ましくは2〜20質量部、より好ましくは4〜18質量部、さらに好ましくは6〜16質量部である。
さらに感光性樹脂組成物は、感光性樹脂以外の樹脂を含むことが好ましい。当該感光性樹脂以外の樹脂としては、特に制限されないが、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂の具体例としては、アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体;酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のビニル系樹脂およびこれらの共重合体;ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール系樹脂;アクリル樹脂、メタクリル樹脂等のアクリル系樹脂およびこれらの共重合体;ポリスチレン系樹脂;ポリアミド系樹脂;線状ポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂の具体例としては、アクリルポリオールとイソシアネートプレポリマーとからなる熱硬化性ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂の具体例としては、光重合性プレポリマーもしくは光重合性モノマー等の1または2種以上を混合した電離放射線硬化塗料に、電離放射線(紫外線または電子線)を照射して硬化するものが挙げられる。この際、前記光重合性プレポリマーとしては、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有し、架橋硬化すると3次元網目構造を形成するウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリル系プレポリマーが特に好ましい。また、光重合性モノマーとしては、上述の光感光性樹脂等が使用されうる。
感光性樹脂組成物の基材への塗布方法としては、特に制限されないが、スピンコーティング法、スプレー法、ブレードコーティング法、ディップ法等の湿式コーティング法、または蒸着法等の乾式コーティング法が挙げられる。
塗布によって得られた塗膜を電離放射線を照射して硬化させることによりクリアハードコート層が形成されうる。なお、電離放射線は、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプ等から発せられる100〜400nm、好ましくは200〜400nmの波長領域の真空紫外光、または走査型やカーテン型の電子線加速器から発せられる100nm以下の波長領域の電子線が使用されうる。
クリアハードコート層の厚さとしては、好ましくは1〜10μm、より好ましくは2〜7μmである。クリアハードコート層の厚さが1μm以上であると、ガスバリア性フィルムの耐熱性が向上しうることから好ましい。一方、クリアハードコート層の厚さが10μm以下であると、ガスバリア性フィルムの光学特性が好適に調整され、また、ガスバリア性フィルムのカールを抑制しうることから好ましい。
基材上に、上述のアンカーコート層、平滑層、およびクリアハードコート層からなる群から選択される少なくとも1つの中間層が形成される場合、基材および中間層の総膜厚は、5〜500μmであることが好ましく、25〜250μmであることがより好ましい。
[第1のガスバリア層]
第1のガスバリア層は、第1のポリシラザン改質物および金属酸化物粒子を含む。その他必要に応じてアミン触媒および金属触媒等の添加剤を含んでいてもよい。
第1のガスバリア層の膜厚は、10〜500nmであることが好ましく、30〜450nmであることがより好ましい。第1のガスバリア層の膜厚が10nm以上であると、膜厚が均一にできることから好ましい、一方、第1のガスバリア層の膜厚が500nm以下であると、クラックを抑制できることから好ましい。
第1のガスバリア層の水蒸気透過度は、1g/(m・24h)以下であることが好ましく、1×10−1〜1×10−3g/(m・24h)であることがより好ましい。
(第1のポリシラザン改質物)
第1のポリシラザン改質物とは、ポリシラザンを改質することによって得られる改質物を意味する。
第1のポリシラザン改質物は、ポリシラザンが改質されて得られる酸化ケイ素を含む。その他、ポリシラザンが改質されて得られる窒化ケイ素および/または酸化窒化ケイ素が含まれていてもよい。
ポリシラザン
ポリシラザンは、その構造内にSi−N、Si−H、N−H等の結合を有するポリマーである。
前記ポリシラザンとしては、特に制限されないが、改質処理を行うことを考慮すると、比較的低温でセラミック化してシリカに変性する化合物であることが好ましく、例えば、特開平8−112879号公報に記載の下記の一般式で表される単位からなる主骨格を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2015030245
上記一般式において、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、またはアルコキシ基を表す。
ポリシラザンは、得られるガスバリア層の緻密性の観点から、R、R、およびRのすべてが水素原子であるパーヒドロポリシラザン(以下、「PHPS」とも称する)であることが特に好ましい。
パーヒドロポリシラザンは直鎖構造と6員環および8員環を中心とする環構造とが存在した構造と推定されている。その分子量は数平均分子量(Mn)で約600〜2000程度(ポリスチレン換算)であり、分子量によって液体または固体の物質でありうる。当該パーヒドロポリシラザンは、市販品を使用してもよく、市販品としては、アクアミカ NN120、NN110、NAX120、NAX110、NL120A、NL110A、NL150A、NP110、NP140(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)等が挙げられる。
低温でセラミック化するポリシラザンの別の例としては、上記一般式で表されるポリシラザンにケイ素アルコキシドを反応させて得られるケイ素アルコキシド付加ポリシラザン(例えば、特開平5−238827号公報)、グリシドールを反応させて得られるグリシドール付加ポリシラザン(例えば、特開平6−122852号公報)、アルコールを反応させて得られるアルコール付加ポリシラザン(例えば、特開平6−240208号公報)、金属カルボン酸塩を反応させて得られる金属カルボン酸塩付加ポリシラザン(例えば、特開平6−299118号公報)、金属を含むアセチルアセトナート錯体を反応させて得られるアセチルアセトナート錯体付加ポリシラザン(例えば、特開平6−306329号公報)、金属微粒子を添加して得られる金属微粒子添加ポリシラザン(例えば、特開平7−196986号公報)等が挙げられる。
改質
ポリシラザンは改質により転化して酸化ケイ素を生じる。
ポリシラザンの酸化ケイ素への改質機構としては、ポリシラザンの水の加水分解による改質が挙げられる。具体的には、ポリシラザンのSi−N結合が水により加水分解され、これによってポリマー主鎖が切断されることでSi−OHを形成する。そして、改質条件下において2つのSi−OHが脱水縮合すると、Si−O−Si結合を形成し、硬化することで酸化ケイ素を生じる。
また、ポリシラザンの改質を特に真空紫外光の照射により行った場合には、上記酸化ケイ素への改質機構とともに、または代えてポリシラザンの直接酸化による酸化ケイ素への改質が起こりうる。具体的には、ポリシラザンに真空紫外光を照射すると、真空紫外光や、真空紫外光によって活性化されたオゾンおよび活性酸素等によって、ポリシラザン中のHやNが、直接Oと置き換わって(すなわち、シラノールを経由することなく)Si−O−Si結合を形成し、硬化することで酸化ケイ素を生じる(光量子プロセスと呼ばれる光子の作用)。
この際、真空紫外光の照射によるポリシラザンの改質においては、上記ポリシラザンの直接酸化による酸化ケイ素への改質とともに、または代えて窒化ケイ素および/または酸化窒化ケイ素への改質が起こりうる。具体的には、ポリシラザンに真空紫外光を照射すると、励起等によりポリシラザン中のSi−H結合やN−H結合が比較的容易に切断され、不活性雰囲気下ではSi−Nとして再結合する。これにより、窒化ケイ素や酸化窒化ケイ素が生じうる。
なお、ポリシラザンの改質を真空紫外光の照射によって行う場合、ポリシラザンが直接酸化されることから、高密度で欠陥の少ない改質膜を形成することができ、高いガスバリア性を有するガスバリア層が形成されうる。本明細書において、「真空紫外光(VUV光)」とは、波長200nm以下の高いエネルギーを有する紫外光を意味する。
上記改質機構はあくまで推測のものであり、ポリシラザンが上記機構とは異なる機構によって酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化窒化ケイ素が生じる場合であっても、本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、上述のようにポリシラザンの真空紫外光による照射を行った場合には、第1のポリシラザン改質物は、酸化ケイ素とともに、窒化ケイ素および/または酸化窒化ケイ素を生じうるが、このような場合には、後述する第2のポリシラザン改質物と同様の組成となる。
(金属酸化物粒子)
本形態に係る金属酸化物粒子は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、および酸化セリウムからなる群から選択される少なくとも1つを含む。
また、金属酸化物粒子は、表面処理剤を用いて表面改質をしていてもよい。
前記表面処理剤としては、例えば、無機系化合物、有機系化合物が挙げられる。
無機系化合物としては、特に制限されないが、アルミナ、シリカ、ジルコニアやそれらの水和物などが挙げられる。これらのうち、金属酸化物粒子の疎水化度を制御しやすいことから、特にアルミナ、シリカ、アルミナおよびシリカの組み合わせが好ましい。
また、有機系化合物としては、特に制限されないが、反応性有機ケイ素化合物、有機チタン化合物などが挙げられる。
前記反応性有機ケイ素化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシブチルメチルジメトキシシラン、などのアルコキシシラン;ヘキサメチルジシラザン、およびメチルハイドロジェンポリシロキサンなどのポリシロキサン化合物などが挙げられる。これらのうち、金属酸化物粒子の疎水化度を制御しやすいことから、特に3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルハイドロジェンポリシロキサンを用いることが好ましい。
前記有機チタン化合物としては、アルコキシチタン(すなわち、チタンアルコキシド)、チタンポリマー、チタンアシレート、チタンキレート、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネートなどが挙げられる。これらのうち、特にチタンアシレート、チタンキレートを用いることが好ましい。
なお、表面改質した金属酸化物粒子は、市販品を使用してもよい。当該市販品としては、例えば、T−805(日本アエロジル社製)、STT−30A、STT−65S−S(チタン工業社製)、TAF−500T、TAF−1500T(富士チタン工業社製)、MT−100S、MT−100T、MT−150A、MT−500B、MT−600B、MT−100SA、MT−500SA、MT−600SA(テイカ社製)、IT−S、PT−401M(石原産業社製)などが挙げられる。
上述の表面処理剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
表面処理剤による金属酸化物粒子の表面改質は、特に制限されず、公知の方法、例えば、湿式処理、乾式処理により行うことができる。前記乾式処理としては、金属酸化物粒子を撹拌等によりクラウド状に分散させたものに、アルコール等で溶解した表面処理剤溶液を噴霧、または気化した表面処理剤を接触させて付着させる方法が挙げられる。また、前記湿式処理としては、例えば、表面処理剤を水または有機溶媒に分散させた溶液に、金属酸化物粒子を添加して混合・撹拌する、または金属酸化物粒子を溶液中に分散させ、その中に表面処理剤を滴下して付着させる方法が挙げられる。また、湿式処理の際、ビーズミル等によって湿式解砕処理を行ってもよい。その後、得られた溶液をろ過、乾燥し、得られた金属酸化物粒子をアニール処理(焼き付け)することにより行うことができる。
金属酸化物粒子の平均粒径は、1〜20nmであることが好ましく、1〜10nmであることがより好ましい。金属酸化物粒子の平均粒径が1nm以上であると、取り扱いが容易となることから好ましい。一方、金属酸化物粒子の平均粒径が20nm以下であると、第1のガスバリア層が好適なガスバリア性を有することから好ましい。なお、ここでいう「金属酸化物粒子の平均粒径」とは、金属酸化物粒子が表面改質されている場合には、表面改質された金属酸化物粒子全体としての平均粒径を意味する。
金属酸化物粒子の添加量は、ポリシラザンに対して、0.005〜30質量%であることが好ましく、0.01〜25質量%であることがより好ましい。金属酸化物粒子の添加量が0.005質量%以上であると、後述する第2のガスバリア層の未改質領域を低減することができることから好ましい。一方、金属酸化物粒子の添加量が30質量%以下であると、第1のガスバリア層が好適なガスバリア性を有することから好ましい。なお、第1のポリシラザン改質物は、ポリシラザンの改質条件に応じて規定されるものであるから、ポリシラザンに対する金属酸化物粒子の添加量によって、第1のガスバリア層における金属酸化物粒子の相対的な添加量を規定することができる。また、ここでいう「金属酸化物粒子の添加量」とは、金属酸化物粒子が表面改質されている場合には、表面改質された金属酸化物粒子全体としての添加量を意味する。
(アミン触媒および金属触媒)
第1のガスバリア層は、アミン触媒および/または金属触媒を含んでいてもよい。
前記アミン触媒としては、特に制限されないが、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、3−モルホリノプロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサンが挙げられる。
前記金属触媒としては、特に制限されないが、白金アセチルアセトナート等の白金化合物、プロピオン酸パラジウム等のパラジウム化合物、ロジウムアセチルアセトナート等のロジウム化合物が挙げられる。
前記アミン触媒および前記金属触媒を添加することで、ポリシラザンの改質を促進することができる。
[第2のガスバリア層]
第2のガスバリア層は、第2のポリシラザン改質物を含む。その他必要に応じて、金属酸化物粒子、アミン触媒および金属触媒等の添加剤を含んでいてもよい。
第2のガスバリア層の膜厚は、30〜500nmであることが好ましく、40〜450nmであることがより好ましい。第2のガスバリア層の膜厚が30nm以上であると、高いガスバリア性が得られることから好ましい、一方、第2のガスバリア層の膜厚が500nm以下であると、耐衝撃性および第1のガスバリア層との好適な密着性が得られうることから好ましい。
なお、一実施形態において、第2のガスバリア層の膜厚は、上述の第1のガスバリア層における金属酸化物粒子の添加量を考慮して設定することが好ましい。具体的には、第1のガスバリア層における金属酸化物粒子の添加量が、ポリシラザンに対して、0.01〜25質量%である場合には、第2のガスバリア層の膜厚は30〜450nmであることが好ましい。
また、別の一実施形態において、第1のガスバリア層における金属酸化物粒子の添加量が、ポリシラザンに対して、0.005〜1質量%である場合には、第2のガスバリア層の膜厚は30〜250nmであることが好ましく、第1のガスバリア層における金属酸化物粒子の添加量が、ポリシラザンに対して、0.01〜0.1質量%である場合には、第2のガスバリア層の膜厚は30〜40nmであることがより好ましい。本実施形態によれば、第1のガスバリア層の金属酸化物粒子の含有量を低減することでガスバリア性を向上させるとともに、第2のガスバリア層を所望の組成とすることで耐衝撃性および第1のガスバリア層との好適な密着性を実現することができる。
さらに、別に一実施形態において、第1のガスバリア層における金属酸化物粒子の添加量が、ポリシラザンに対して、1〜30質量%である場合には、第2のガスバリア層の膜厚は250〜500nmであることが好ましく、第1のガスバリア層における金属酸化物粒子の添加量が、ポリシラザンに対して、10〜25質量%である場合には、第2のガスバリア層の膜厚は250〜450nmであることがより好ましい。本実施形態によれば、第2のガスバリア層を厚膜化することで、極めて高いガスバリア性を実現するとともに、耐衝撃性および第1のガスバリア層との好適な密着性を実現することができる。
第2のガスバリア層の水蒸気透過度は、1×10−3g/(m・24h)以下であることが好ましく、1×10−4g/(m・24h)以下であることがより好ましい。
(第2のポリシラザン改質物)
第2のポリシラザン改質物とは、第1のポリシラザン改質物と同様に、ポリシラザンを改質することによって得られる改質物を意味する。
ただし、第2のポリシラザン改質物は、ポリシラザンが改質されて得られる酸化ケイ素、並びに窒化ケイ素および/または酸化窒化ケイ素を含む。
第2のポリシラザン改質物が、酸化ケイ素とともに、窒化ケイ素および/または酸化窒化ケイ素を含むことから、第2のポリシラザン改質物を得る場合のポリシラザンの改質は真空紫外光を照射することを含む。
(金属酸化物粒子)
金属酸化物粒子としては、第1のガスバリア性フィルムと同様のものが用いられうることから、ここでは説明を省略する。
ただし、高いガスバリア性を有するガスバリア性フィルムを得る観点から、第2のガスバリア層は、金属酸化物粒子を実質的に含まないことが好ましく、含まないことがより好ましい。なお、前記「金属酸化物粒子を実質的に含まない」とは、第2のガスバリア層における金属酸化物粒子の添加量が、ポリシラザンに対して、0.001質量%以下であることを意味し、高いバリア性を得る観点から、0.0001〜0.001質量%であることが好ましく、0.0001質量%以下であることがより好ましい。なお、第2のポリシラザン改質物についても第1のポリシラザン改質物と同様に、ポリシラザンに対する金属酸化物粒子の添加量によって、第2のガスバリア層における金属酸化物粒子の相対的な添加量を規定することができる。
(アミン触媒および金属触媒)
アミン触媒および金属触媒は、上述したものが用いられうることからここでは説明を省略する。
[ガスバリア性フィルムの構成]
本形態に係るガスバリア性フィルムの構成は、特に制限されない。
例えば、基材上に第1のガスバリア層が配置され、前記第1のガスバリア層上に第2のガスバリア層が配置された構成、すなわち、基材−第1のガスバリア層−第2のガスバリア層の構成としてもよいし、クリアハードコート層が形成された基材を用いて上記と同様の構成、すなわち、クリアハードコート層−基材−第1のガスバリア層−第2のガスバリア層、基材−クリアハードコート層−第1のガスバリア層−第2のガスバリア層、またはクリアハードコート層−基材−クリアハードコート層−第1のガスバリア層−第2のガスバリア層の構成としてもよいし、その他の構成、例えば、基材−任意の層−第1のガスバリア層−第2のガスバリア層としてもよい。
なお、上記ガスバリア性フィルムの構成において、第1のガスバリア層および第2のガスバリア層は接して配置される。
上記ガスバリア性フィルムの構成のうち、基材および第1のガスバリア層の間にクリアハードコート層を設けた構成(例えば、基材−クリアハードコート層−第1のガスバリア層−第2のガスバリア層の構成、またはクリアハードコート層−基材−クリアハードコート層−第1のガスバリア層−第2のガスバリア層の構成)とすることが好ましい。通常、第1のガスバリア層は金属酸化物粒子を含有することから高い硬度を有する。したがって、柔軟性を有する基材と第1のガスバリア層の間に、基材および第1のガスバリア層の中間の硬度を有するクリアハードコート層を設けることで、高温高湿下での基材および第1のガスバリア層の膨張・収縮の差から生じうる内部応力を好適に緩和することができる。また、第2のガスバリア層の第1のガスバリア層に近い領域においては、第1のガスバリア層よりも柔軟である(すなわち、第1のガスバリア層が固く、第2のガスバリア層の第1のガスバリア層に近い領域がやや軟かい)場合があり、このような場合には、基材−クリアハードコート層−第1のガスバリア層−第2のガスバリア層とすることで、相対的な硬度として軟かい−やや軟かい−固い−やや軟かい層構成となり、ガスバリア性フィルム全体として優れた耐衝撃性、密着性を実現することができる。
また、基材、またはクリアハードコート層が形成された基材と、第1のガスバリア層とが接して配置される構成であることが好ましい。第1のガスバリア層が金属酸化物粒子を含有することから、当該金属酸化物粒子の作用により、第1のガスバリア層が、基材またはクリアハードコート層と好適な密着性を発現しうる。
上述のような構成を有するガスバリア性フィルムは、耐衝撃性および高温高湿下における密着性に優れる。
従来のガスバリア層を積層したガスバリア性フィルム、例えば、特許文献1に記載のガスバリア性フィルムは、上述のように耐衝撃性が十分ではなく、また、高温高湿下において、積層されたガスバリア層間(ガスバリア層−ガスバリア層間)の密着性が十分ではない場合がある。この理由は必ずしも明らかではないが、以下のメカニズムによるものであると考えられる。
すなわち、特許文献1に記載のガスバリア性フィルムは、基材上に形成されたポリシラザンの塗膜を改質してなる第1のガスバリア層を形成し、当該第1のガスバリア層上に形成されたポリシラザンの塗膜を改質してなる第2のガスバリア層等を形成していくことにより製造される。
ここで、上記特許文献1に係る第1のガスバリア層の形成において、照射される真空紫外光および/または外部の水分等により、ポリシラザンの改質は、塗膜の表面から進行する傾向がある。この場合、改質されたポリシラザンの塗膜表面は水分等を通しにくく、また、真空紫外光は照射波長が短いためポリシラザンの塗膜内部まで到達しない場合がある。そうすると、ポリシラザンの塗膜内部は、改質が起こりにくい状態となり、ポリシラザンの塗膜内部における改質が十分に進行しない可能性がある。しかしながら、基材上のポリシラザンの塗膜については、基材側から基材を介して外部の水分等が供給されるため、ポリシラザンの塗膜内部についても改質は進行する。その結果、第1のガスバリア層は、層内部の大部分の領域または全領域が改質され、結果として高いガスバリア性を有しうる。なお、基材を介して供給される水分による改質は、ポリシラザンの塗膜の形成と同時に進行する可能性がある。
一方、上記特許文献1に係る第2のガスバリア層の形成においては、第1のガスバリア層と同様に、照射される真空紫外光および/または外部の水分等によるポリシラザンの改質は、塗膜の表面から進行しうることから、ポリシラザンの塗膜内部は改質が起こりにくい状態にある。ここで、第2のガスバリア層は、第1のガスバリア層の場合と異なり、ガスバリア性を有する第1のガスバリア層上に形成されるため、第1のガスバリア層側からの外部の水分等の供給は起こりにくい。そうすると、ポリシラザンの塗膜内部、特に第1のガスバリア層に近い領域においては、改質が不十分の領域(未改質領域)が残存する場合がある。このような未改質領域は、その硬度が隣接する第1のガスバリア層の硬度よりも著しく小さいことから、ガスバリア性フィルムとして耐衝撃性が不十分となる場合がある。また、未改質領域は、高温高湿の環境等において、第2のガスバリア層の端面等から侵入しうる水分等と作用してシラノール(−SiOH)が形成されうる。この場合、第1のガスバリア層と第2のガスバリア層との密着性が確保することができない。その結果、高温高湿下において、積層されたガスバリア層の層構成は破壊され、ガスバリア性が低下しうる。
これに対し、本形態に係るガスバリア性フィルムにおいて、第1のガスバリア層は、特許文献1と同様に、ポリシラザンの塗膜表面からの改質(水分による改質、紫外光による改質等)および基材側からの外部の水分供給等による改質により、所望の組成のガスバリア層が形成されうる。
一方、第2のガスバリア層は、ポリシラザンの塗膜表面からの改質(水分による改質、真空紫外光による改質等)が起こりやすく、また、第1のガスバリア層側からの水分供給は起こりにくい。しかしながら、本形態においては、第1のガスバリア層に含有される金属酸化物粒子が、第2のガスバリア層の形成におけるポリシラザンの改質に寄与することで、ポリシラザンの塗膜内部、特に第1のガスバリア層に近い領域まで改質が十分に進行しうる。その結果、第2のガスバリア層の第1のガスバリア層に近い領域においても、ポリシラザンが酸化ケイ素等に改質する。そうすると、第2のガスバリア層の第1のガスバリア層に近い領域(特許文献1のガスバリア性フィルムでは未改質となりうる領域)は、第1のガスバリア層と同様の硬度を有するため、優れた耐衝撃性を有しうる。また、第2のガスバリア層の第1のガスバリア層に近い領域は、十分に改質が進行するため、シラノールの形成が抑制されるとともに、第1のガスバリア層および第2のガスバリア層との層間でSi−O−Si結合や、第1のガスバリア層中の第2のガスバリア層との界面に存在しうる金属酸化物粒子(例えば、酸化チタン)に基づくSi−O−Ti結合が生じうることから、第1のガスバリア層と第2のガスバリア層との密着性が向上しうる。その結果、積層されたガスバリア層の層構成が破壊されることなく、高いガスバリア性を維持することができる。
なお、第1のガスバリア層に含有される金属酸化物粒子が第2のガスバリア層の形成におけるポリシラザンの改質への寄与するメカニズムについても必ずしも明らかではないが、例えば、金属酸化物粒子が光により活性化して生じうる電子による間接的な改質への寄与、特に第1のガスバリア層および第2のガスバリア層の界面に存在する金属酸化物粒子が光により活性化することによる直接的な改質への寄与等が考えられる。
また、第1のガスバリア層に含有される金属酸化物粒子、特に基材(またはクリアハードコート層)に接する金属酸化物粒子は、当該基材(またはクリアハードコート層)とも高い結合等を生じるため、高温高湿下における基材−第1のガスバリア層間の密着性も向上する。そうすると、高温高湿下におけるガスバリア性フィルムのバリア性がさらに向上しうる。
上記のメカニズムはあくまで推測のものであり、他のメカニズムによって本発明の効果を発揮する場合であっても、本発明の技術的範囲に含まれる。
<ガスバリア性フィルムの製造方法>
ガスバリア性フィルムの製造方法は、ポリシラザンおよび金属酸化物粒子を含む第1の塗布液を基材上に塗布し、前記ポリシラザンを改質することを含む第1のガスバリア層の形成工程(1)と、ポリシラザンを含む第2の塗布液を前記第1のガスバリア層上に塗布し、真空紫外光を照射することを含む第2のガスバリア層の形成工程(2)と、を含む。この際、前記金属酸化物粒子は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、および酸化セリウムからなる群から選択される少なくとも1つを含む。
[工程(1)]
工程(1)は、第1の塗布液を基材上に塗布し、前記ポリシラザンを改質することを含む。これにより、第1のガスバリア層が形成される。
(基材)
基材としては、上述のものと同様のものが用いられうることからここでは説明を省略する。
(第1の塗布液)
第1の塗布液は、ポリシラザン、金属酸化物粒子、および溶媒を含む。その他必要に応じてアミン触媒および金属触媒等の添加剤を含んでいてもよい。
ポリシラザン
ポリシラザンは上述のものと同様のものが用いられうることからここでは説明を省略する。
第1の塗布液中のポリシラザンの含有量は、所望の第1のガスバリア層の膜厚や塗布液のポットライフ等によっても異なるが、第1の塗布液の全量に対して、0.2〜35質量%であることが好ましい。
金属酸化物粒子
金属酸化物粒子は上述のものと同様のものが用いられうることからここでは説明を省略する。
第1の塗布液中の金属酸化物粒子の含有量は、ポリシラザンの添加量に対して、0.005〜30質量%であることが好ましく、0.01〜25質量%であることがより好ましい。この際、前記金属酸化物粒子の含有量は、第2のガスバリア層の膜厚を考慮して設定することが好ましい。
溶媒
溶媒としては、ポリシラザンと反応するものでなければ特に制限はなく、公知の溶媒が用いられうる。具体的には、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等の炭化水素系溶媒;脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル系溶媒が挙げられる。より詳細には、炭化水素溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ、ターベン、塩化メチレン、トリクロロエタン等が挙げられる。また、エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらの溶媒は単独で、または2種以上を混合して用いられうる。
アミン触媒および金属触媒
アミン触媒および金属触媒としては上述のものと同様のものが用いられうることからここでは説明を省略する。
このうち、第1の塗布液がアミン触媒および/または金属触媒を含む場合には、当該アミン触媒および/または金属触媒は、ポリシラザンに対して、0.1〜10質量%含むことが好ましい。特にアミン触媒については、塗布性の向上および反応の時間の短縮の観点から、ポリシラザンに対して、0.5〜5質量%含むことがより好ましい。
(塗布)
塗布においては、第1の塗布液を基材上に塗布し、塗膜を形成する。なお、基材が中間層を有する場合には、第1の塗布液を中間層上に塗布する場合がある。
第1の塗布液の塗布方法としては、適宜公知の方法が採用されうる。具体的には、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。
第1の塗布液の塗布量は、特に制限されないが、上記所望の第1のガスバリア層の厚さとなるように適宜調節されうる。
(ポリシラザンの改質)
ポリシラザンの改質方法は特に制限されず、公知の方法が適用されうる。具体的なポリシラザンの改質方法としては、紫外光の照射、加熱、およびこれらの組み合わせ等が挙げられる。
前記紫外光の照射は、公知の方法で紫外光を照射することにより行われうる。紫外光を照射することにより、ポリシラザンが改質されうる。なお、「紫外光の照射」には、第1の塗布液の塗布によって得られた塗膜に紫外光が照射される環境とすることを含む。したがって、「紫外光の照射」には、蛍光灯、黄色灯等の環境下に前記塗膜を静置することも含まれる。これらのうち、紫外光の照射は、酸化性ガス雰囲気下と低湿度環境で行うことが好ましい。
照射する紫外光の波長は、特に限定されないが、10〜450nmであることが好ましく、100〜300nmであることがより好ましく、100〜200nmであることがさらに好ましく、100〜180nmであることが特に好ましい。これらのうち、照射する紫外光は、転化反応をより低温かつ短時間で進める観点から、真空紫外光(波長200nm以下の紫外光)であることが好ましい。
上述のように、真空紫外光の照射により、ポリシラザンがシラノールを経由することなく直接酸化されることから(光量子プロセスと呼ばれる光子の作用)、当該酸化過程において体積変化が少なく、高密度で欠陥の少ない酸化ケイ素、窒化ケイ素、および酸化窒化ケイ素等を含む膜が得られうる。また、真空紫外光では、反応雰囲気中に存在する酸素等から高い酸化能力を有するオゾンや活性酸素が生成され、当該オゾンや活性酸素によってもポリシラザンの改質処理を行うことができる。その結果、より緻密な酸化ケイ素、窒化ケイ素、および酸化窒化ケイ素等の膜が得られうる。したがって、真空紫外光の照射によりポリシラザンが改質されて得られるガスバリア層は、高いバリア性を有しうる。なお、真空紫外光照射は、塗膜形成後であればいずれの時点で実施してもよい。
紫外光の光源としては、特に制限されないが、低圧水銀灯、重水素ランプ、キセノンエキシマランプ、メタルハライドランプ、エキシマレーザー等が用いられうる。また、上述のように蛍光灯、黄色灯等であってもよい。これらのうち、キセノンエキシマランプ等の希ガスエキシマランプを用いることが好ましい。
ランプの出力は、400W〜30kWであることが好ましい。
照度は、1mW/cm〜100kW/cmであることが好ましく、1mW/cm〜10W/cmであることがより好ましい。
照射エネルギーは、10〜10000mJ/cmであることが好ましく、100〜8000mJ/cmであることがより好ましい。
前記キセノンエキシマランプ等の希ガスエキシマランプは、真空紫外光を照射できる。Xe、Kr、Ar、Ne等の希ガスの原子は最外殻電子が閉殻となっているため、化学的に非常に不活性であることから、不活性ガスと呼ばれる。しかし、放電等によりエネルギーを得た希ガスの原子(励起原子)は、他の原子と結合して分子を作ることができる。希ガスがキセノンの場合には
e+Xe→Xe
Xe+2Xe→Xe +Xe
Xe →Xe+Xe+hν(172nm)
となる。この際、励起されたエキシマ分子であるXe が基底状態に遷移するとき、172nmのエキシマ光(真空紫外光)を発光する。上記エキシマランプは前記エキシマ光を利用する。前記エキシマ発光を得る方法としては、例えば、誘電体バリア放電を用いる方法および無電極電界放電を用いる方法が挙げられる。
エキシマランプは、エキシマ光が一つの波長に集中し、必要な光以外がほとんど放射されない点に特徴を有し、効率性が高い。また、余分な光が放射されないことから、対象物の温度を低く保つことができる。さらに、始動・再始動に時間を要さないことから、瞬時に点灯点滅が可能となる。特に、Xeエキシマランプは、波長の短い172nmの真空紫外光を単一波長で放射することから、発光効率に優れている。当該Xeエキシマランプは、172nmと波長が短く、エネルギーが高いことから、有機化合物の切断能が高いことが知られている。また、Xeエキシマランプは、酸素の吸収係数が大きいため、微量な酸素であっても効率よく活性酸素やオゾンを発生させることができる。したがって、例えば、メイン波長254nmの紫外光を発する低圧水銀ランプと対比すると、Xeエキシマランプは、高い有機化合物の結合切断能を有し、活性酸素やオゾンを効率的に発生させることができ、低温かつ短時間でポリシラザン層の改質処理をすることができる。また、Xeエキシマランプは、光の発生効率が高いため、低電力で瞬時に点灯点滅が可能であり、単一の波長を発光できることから、高スループットに伴うプロセス時間の短縮や設備面積の縮小等の経済的観点、および熱によるダメージを受けやすい基材を用いたガスバリア性フィルムへの適用等の観点からも好ましい。
このように、エキシマランプは光の発生効率が高いため、低電力で点灯させることができ、また、照射対象物の表面温度の上昇を抑制することができる。また、内部まで侵入する光子の数も増加するため改質膜厚も増加および/または膜質の高密度化が可能である。ただし、照射時間が長すぎると平面性の劣化やガスバリア性フィルムの他の材料に悪影響を及ぼす場合がある。一般的には、照射強度と照射時間の積で表される積算光量を指標として転化反応を検討するが、酸化ケイ素のように組成は同一であっても、様々な構造形態をとる材料を用いる場合には、照射強度の絶対値が重要になることもある。
よって、真空紫外光照射により改質を行う場合には、少なくとも1回は100〜200mW/cmの最大照射強度を与えることが好ましい。最大照射強度が100mW/cm以上であると、改質効率が向上し、短時間で改質が進行しうることから好ましい。一方、最大照射強度が200mW/cm以下であると、ガスバリア性フィルムの劣化やランプ自体の劣化を抑制しうることから好ましい。
真空紫外光の照射時間は、特に制限されないが、高照度工程での照射時間は0.1秒〜3分間であることが好ましく、0.5秒〜1分であることがより好ましい。
真空紫外光照射時の酸素濃度は0.5体積%以下であることが好ましく、0.1体積%以下であることがより好ましい。酸素濃度が0.5体積%以下であると、大気と酸素との置換時間が短縮されうることから好ましい。
紫外光照射の対象となる塗膜は、塗布時に酸素および微量の水分が混入し、さらには基材や隣接層等にも吸着酸素や吸着水が存在しうる。当該酸素等を利用すれば、照射庫内に新たに酸素を導入しなくとも、改質処理を行う活性酸素やオゾンの発生に要する酸素源は十分でありうる。また、Xeエキシマランプのような172nmの真空紫外光は酸素により吸収されるため、塗膜に到達する真空紫外光量が減少する場合があることから、真空紫外光の照射時には、酸素濃度を低く設定し、真空紫外光が効率よく塗膜まで到達できる条件とすることが好ましい。
真空紫外光の照射雰囲気中の酸素以外のガスは、乾燥不活性ガスであることが好ましく、コストの観点から特に乾燥窒素ガスを用いることがより好ましい。なお、酸素濃度は、照射庫内へ導入する酸素ガス、不活性ガス等のガス流量を計測し、流量比を変えることで調整することができる。
発生させた真空紫外光は、照射効率向上と均一な照射を達成する観点から、発生源からの真空紫外光を反射板で反射させてから改質前のポリシラザン層に照射してもよい。また、真空紫外光照射は、バッチ処理にも連続処理にも適用可能であり、被塗布基材の形状によって適宜選定されうる。例えば、基材が長尺フィルム状である場合には、これを搬送させながら連続的に真空紫外光を照射して改質を行うことが好ましい。
また、前記加熱によってもポリシラザンが改質しうる。
加熱の方法としては、特に制限はなく、ヒートブロック等の発熱体に基材を接触させ熱伝導により塗膜を加熱する方法、抵抗線等による外部ヒーターにより雰囲気を加熱する方法、IRヒーターの様な赤外領域の光を用いた方法等が挙げられる。これらの方法は、塗膜の平滑性等の観点から適宜選択されうる。
加熱処理の温度としては、特に制限はないが、50〜200℃であることが好ましく、80〜150℃であることがより好ましい。また、加熱時間としては1秒〜10時間であることが好ましく、10秒〜1時間であることがより好ましい。
ポリシラザンの改質は、紫外光照射および加熱処理を組み合わせることが好ましい。紫外光照射および加熱処理を組み合わせることにより、改質が促進されうる。
上述の改質処理によって得られる第1のガスバリア層の膜厚や密度等は、塗布条件、紫外光の強度、照射時間、波長(光のエネルギー密度)、および照射方法、加熱温度等を適宜選択することにより制御することができる。例えば、紫外光の照射方法を、連続照射、複数回に分割した照射、複数回の照射が短時間な、いわゆるパルス照射等から適宜選択することで、第1のガスバリア層の膜厚や密度等が制御されうる。
改質処理の程度については、形成された第1のガスバリア層をXPS表面分析することによって、ケイ素(Si)原子、窒素(N)原子、酸素(O)原子等の各原子組成比を求めることで確認できる。
なお、ポリシラザンの改質は、上記加熱、紫外光の照射時のみに起こるものではなく、第1の塗布液を基材上に塗布した後から生じうる。
上述したように、ポリシラザンを紫外光の照射、加熱、およびこれらの組み合わせ等の方法により改質することで、酸化ケイ素を含む第1のポリシラザン改質物を得ることができる。また、特に前記改質が、真空紫外光の照射を含む場合には、酸化ケイ素とともに、窒化ケイ素および/または酸化窒化ケイ素を含む第1のポリシラザン改質物が得られうる。
[工程(2)]
工程(2)は、ポリシラザンを含む第2の塗布液を工程(1)で形成した第1のガスバリア層上に塗布し、真空紫外光を照射することを含む。これにより第2のガスバリア層が形成される。
(第2の塗布液)
第2の塗布液は、ポリシラザンおよび溶媒を含む。その他必要に応じて金属酸化物粒子、公知の添加剤を含んでいてもよい。
ポリシラザンおよび溶媒
ポリシラザンおよび溶媒は第1の塗布液と同様であることからここでは説明を省略する。
金属酸化物粒子
金属酸化物粒子は第1の塗布液と同様のものが用いられうることからここでは説明を省略する。
第2の塗布液中の金属酸化物粒子の含有量は、ポリシラザンの添加量に対して、0.001質量%以下であることが好ましく、0.0001〜0.001質量%であることがより好ましく、0質量%である(金属酸化物粒子を含まない)ことがさらに好ましい。
アミン触媒および金属触媒
アミン触媒および金属触媒は第1の塗布液と同様であることからここでは説明を省略する。
(塗布)
塗布においては、第2の塗布液を第1のガスバリア層上に塗布し、塗膜を形成する。
塗布方法は第1の塗布液と同様の方法が適用されうることからここでは説明を省略する。
なお、第2の塗布液の塗布量は、第1のガスバリア層に含有される金属酸化物粒子の添加量を考慮して設定することが好ましい。
(真空紫外光照射)
上記塗布によって得られた塗膜を改質して第2のポリシラザン改質物を得る。この際、改質には、真空紫外光の照射を含む。
真空紫外光の照射方法は、工程(1)において、真空紫外光を照射する場合と同様であることからここでは説明を省略する。
なお、真空紫外光の照射は、塗膜形成後、改質が完了する前であればいずれの時点で実施してもよい。
この際、塗膜形成後、改質が完了する前に、真空紫外光以外の紫外光の照射および加熱等により、ポリシラザンの一部を改質してもよい。また、真空紫外光の照射と同時に、真空紫外光以外の紫外光の照射および加熱を行ってもよい。
少なくとも塗膜形成後、改質が完了する前に、ポリシラザンに真空紫外光を照射することで、酸化ケイ素とともに、窒化ケイ素および/または酸化窒化ケイ素を含む第2のポリシラザン改質物を得ることができる。
<電子デバイス>
本発明の一形態によれば、電子デバイス本体と、上述のガスバリア性フィルムとを含む電子デバイスが提供される。
[電子デバイス本体]
電子デバイス本体としては、特に制限されず、ガスバリア性フィルムが適用されうる公知の電子デバイス本体が挙げられる。例えば、太陽電池(PV)、液晶表示素子(LCD)、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子等が挙げられる。これらの電子デバイス本体の構成についても、特に制限はなく、公知の構成を有しうる。例えば、有機EL素子は、基板、陰電極、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽電極等を有しうる。
[ガスバリア性フィルム]
上述の方法によって製造されたガスバリア性フィルムは、基材、封止用材料等に使用されうる。基材として、例えば、太陽電池に使用される場合には、ガスバリア性フィルム上にITO等の透明導電性薄膜を透明電極として設けた樹脂支持体として適用することができる。この場合、ガスバリア性フィルムは、電子デバイス本体に組み込まれている。また、封止用材料として使用される場合には、例えば、液晶表示素子を封止した電子デバイスが得られうる。本発明に係るガスバリア性フィルムは、封止用材料として、電子デバイス本体の封止に用いられることが好ましい。
<電子デバイスの製造方法>
電子デバイス本体と、ガスバリア性フィルムとを含む電子デバイスは、特に制限されず、公知の手法を適宜参照して製造されうる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」または「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」または「質量%」を表す。
<実施例1>
[基材の作製]
基材として両面に易接着加工された厚さ100μmのポリエステルフィルムであるコスモシャインA4300(東洋紡績株式会社製)を基材として用いた。
上記ポリエステルフィルムの一方の面に、UV硬化型有機/無機ハイブリッドハードコート材 OPSTAR Z7535(JSR株式会社製)を含む塗布液を、乾燥後の膜厚が4μmになるようにワイヤーバーで塗布した。得られた塗膜を、高圧水銀ランプで照射し、硬化させることでクリアハードコート層を形成した。なお、照射は、空気雰囲気下、1.0J/cmで80℃、3分間行った。
基材のもう一方の面についても、上記と同様の条件でクリアハードコート層を形成し、クリアハードコート層−基材−クリアハードコート層からなる基材を作製した。
なお、先にクリアハードコート層を形成した面を「裏面」と、後にクリアハードコート層を形成した面(裏面とは反対の面)を「表面」とする。また、以下においては、「クリアハードコート層−基材−クリアハードコート層」をまとめて単に「基材」として記載する場合がある。
[工程(1)]
第1の塗布液を基材の表面に塗布し、ポリシラザンを改質することで第1のガスバリア層を形成した。この際、前記改質は、蛍光灯下(波長254nm)で乾燥(加熱)することで行った。
(第1の塗布液の調製)
第1の塗布液は、パーヒドロポリシラザン溶液および酸化チタンナノ粒子分散液を混合することで調製した。
より詳細には、はじめに、20質量%のパーヒドロポリシラザン(PHPS)(アクアミカ NN120−20)のジブチルエーテル溶液、および5質量%のアミン触媒(N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン)を含む溶液(NAX120−20、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)を、パーヒドロポリシラザン(PHPS)濃度に対してアミン触媒の含有量が1.0質量%となるように混合することで、パーヒドロポリシラザン溶液を調製した。
次に、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面改質したアモルファス酸化チタン(表面改質酸化チタン)を作製し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)に分散させることで、表面改質酸化チタン分散液を調製した。
この際、前記表面改質酸化チタンおよび表面改質酸化チタン分散液は、以下のように調製した。
すなわち、容量1Lのガラス容器に、45℃に加温した純水250mlを投入した。撹拌羽を用いて400rpmで撹拌しながら、チタンテトライソプロポキシド(株式会社高純度化学研究所製)36gを滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を行い、白色水性懸濁液を得た。得られた白色水性懸濁液に硫酸を滴下してpHを1.5に調整した。次いで、45℃に保温して、そのまま6時間撹拌を行うことで、白色水性懸濁液を溶解・分散させてアモルファス酸化チタンナノ粒子水分散液を得た。なお、濃度は灰分測定後、硫酸を用いて調整した。
次に、容量3Lのガラス容器に純水1470gを投入し、酢酸を滴下してpHを4.0に調整した。撹拌羽を用いて300rpmで撹拌しながら、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン30gを20分かけてゆっくり滴下した。滴下終了後、30分撹拌を行うことで、表面処理剤水溶液を調製した。
得られた表面処理剤水溶液を、撹拌羽を用いて300rpmで撹拌しながら、チューブポンプを用いて上記のアモルファス酸化チタンナノ粒子水分散液300gを20分かけてゆっくり滴下した。滴下終了後、60℃に昇温して6時間撹拌した。吸引濾過により固液分離を行い、回収した固形物60gに10倍量のメタノールを加えて懸濁液を得た。得られた懸濁液を1時間撹拌し、再度吸引濾過して固液分離を行い、余剰の3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを除去した。この際、得られた固形分は35gであった。得られた固形分を、ボックス型乾燥機を用いて120℃で10分間乾燥させることで、表面改質酸化チタンを調製した。なお、表面改質酸化チタンの平均粒径は4.5nmであった。また、乾燥後の質量は、28gであった。この際、表面改質酸化チタンの相同定及び結晶子径の測定は、X線回折装置X’Pert PRO MPD(PANalytical社製)を用いて行った。
最後に、表面改質酸化チタンの濃度が5質量%となるように、表面改質酸化チタンの乾燥粉をプリロピレングコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)に投入し、超音波ホモジナイザーで超音波壊砕して分散させることで、表面改質酸化チタン分散液を調製した。
パーヒドロポリシラザン溶液中のパーヒドロポリシラザンに対して、表面改質酸化チタンの濃度が1.0質量%となるように、表面改質酸化チタン分散液を混合することで、第1の塗布液を調製した。
(第1のガスバリア層の形成)
蛍光灯下(波長254nm)にて、基材の表面(クリアハードコート層上)に、乾燥後の膜厚が250nmとなるように、第1の塗布液をスピンコート法で塗布した。得られた塗膜を80℃で1分間乾燥することで、第1のガスバリア層を形成した。なお、乾燥後の膜厚は、TEM(透過電子顕微鏡)の断面写真により確認した。
[工程(2)]
第2の塗布液を、工程(1)で形成した第1のガスバリア層上に塗布し、乾燥し、真空紫外光を照射することで第2のガスバリア層を形成した。
(第2の塗布液の調製)
第1の塗布液において調製したパーヒドロポリシラザン溶液を第2の塗布液として用いた。
(第2のガスバリア層の形成)
工程(1)で形成した第1のガスバリア層上に、乾燥後の膜厚が250nmとなるように、第2の塗布液をスピンコートにより塗布して塗膜を得た。次いで、80℃で1分間乾燥した後、真空紫外光(VUV)照射を行うことで、基材−第1のガスバリア層−第2のガスバリア層がこの順で積層されたガスバリア性フィルムを製造した。なお、真空紫外線(VUV)照射は真空紫外線照射装置としてステージ可動型キセノンエキシマ照射装置MECL−M−1−200(株式会社エム・ディ・エキシマ製)を用い、ランプと試料との間隔(Gapともいう)が3mmとなるように試料を設置して、以下の条件で照射した。
照度:140mW/cm(172nm)
ステージ温度:100℃
処理環境:ドライ窒素ガス雰囲気下
処理環境の酸素濃度:0.1体積%
ステージ可動速度と搬送回数:10mm/秒で15回搬送
エキシマ光露光積算量:6500mJ/cm
この際、照射時間は、可動ステージの可動速度を適宜変更することにより調節した。また、真空紫外線照射時の酸素濃度は、照射庫内に導入する窒素ガスおよび酸素ガスの流量をフローメーターにより測定し、庫内に導入するガスの窒素ガス/酸素ガス流量比により調整した。
<実施例2>
工程(1)において、第1のガスバリア層を、以下の方法で調製した第1の塗布液を用いて形成したことを除いては、実施例1と同様の方法でガスバリア性フィルムを製造した。
(第1の塗布液の調製)
第1の塗布液は、パーヒドロポリシラザン溶液および酸化ジルコニウムナノ粒子分散液を混合することにより調製した。
はじめに、実施例1と同様の方法でパーポリヒドロシラザン溶液を調製した。
次に、メチルフェニルシリコーンレジンで表面改質したアモルファス酸化ジルコニウム(表面改質酸化ジルコニウム)を作製し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)に分散させることで、表面改質酸化ジルコニウム分散液を調製した。
この際、前記表面改質酸化ジルコニウムおよび表面改質酸化ジルコニウム分散液は、以下のように調製した。
すなわち、容量1Lのガラス容器に、45℃に加温した純水250mlを投入した。撹拌羽を用いて400rpmで撹拌しながら、ジルコニウムテトラノルマルプロポキシド(松本製薬工業株式会社製)43gを滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を行い、白色水性懸濁液を得た。得られた白色水性懸濁液に酢酸を滴下してpHを3.2に調整した。次いで、60℃に加温して、6時間撹拌を行うことで、白色水性懸濁液を溶解・分散させてアモルファス酸化ジルコニウムナノ粒子水分散液を得た。なお、濃度は、酢酸を用いて調整した。
次に、容量1Lのガラス容器にメタノール285gを投入した。撹拌羽を用いて300rpmで撹拌しながら、メタノール中にメチルフェニルシリコーンレジン KR−213(信越化学工業株式会社製)15gを添加して溶解させることで、表面処理剤溶液を調製した。
得られた表面改質剤溶液に、撹拌羽を用いて300rpmで撹拌しながら、チューブポンプを用いて上記のアモルファス酸化ジルコニウムナノ粒子水分散液300gを20分かけてゆっくり滴下した。滴下終了後60℃に昇温して8時間撹拌して、乳白色の液体を得た。次いで、この乳白色の液体を、遠心分離機を用いて回転数8000rpmで30分の遠心分離操作を3回繰り返し、固液分離を行った。回収した固形物115gに10倍量のメタノールを加えて懸濁液を得た。得られた懸濁液を1時間撹拌し、再度上記の遠心分離機を用いて、回転数8000rpmで30分の遠心分離操作を3回繰り返して固液分離を行い、余剰のメチルフェニルシリコーンレジンを除去することで、表面改質酸化ジルコニウムを調製した。この際、得られた固形分は70gであった。得られた固形分を、ボックス型乾燥機を用いて120℃で10分間乾燥させることで、表面改質酸化ジルコニウムを調製した。なお、表面改質酸化チタンの平均粒径は5.1nmであった。この際、表面改質酸化チタンの相同定及び結晶子径の測定は、X線回折装置X’Pert PRO MPD(PANalytical社製)を用いて行った。
最後に、表面改質酸化ジルコニウムの濃度が5質量%となるように、表面改質酸化ジルコニウムの乾燥粉をプリロピレングコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)に投入し、超音波ホモジナイザーで超音波壊砕して分散させることで、表面改質酸化ジルコニウム分散液を調製した。
パーヒドロポリシラザン溶液中のパーヒドロポリシラザンに対して、表面改質酸化ジルコニウムの濃度が1.0質量%となるように、表面改質酸化ジルコニウム分散液を混合することで、第1の塗布液を調製した。
<実施例3>
工程(1)において、第1のガスバリア層を、以下の方法で調製した第1の塗布液を用いて形成したことを除いては、実施例1と同様の方法でガスバリア性フィルムを製造した。
(第1の塗布液の調製)
第1の塗布液は、パーヒドロポリシラザン溶液および酸化セリウムナノ粒子分散液を混合することにより調製した。
はじめに、実施例1と同様の方法でパーポリヒドロシラザン溶液を調製した。
次に、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面改質したアモルファス酸化セリウム(表面改質酸化セリウム)を作製し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)に分散させることで、表面改質酸化セリウム分散液を調製した。
この際、前記表面改質酸化セリウムおよび表面改質酸化セリウム分散液は、以下のように調製した。
アモルファス酸化セリウムナノ粒子は特開2003−34526号公報に記載の方法に準じて調製した。具体的には、1mol/Lの塩化セリウム水溶液20mLと、1mol/Lのクエン酸水溶液20mLと、脱イオン水20mLとの混合溶液を、70mLの5%アンモニア水に滴下し、24時間撹拌した。得られたゾルをそのままテフロン(登録商標)製ボトルに入れ、真鍮製の密閉容器内にて、80℃で24時間加熱処理した。処理後、遠心分離により粒子を回収し、脱イオン水で3回、メタノールで2回洗浄した後、凍結乾燥により超微粒子粉末を得た。得られた超微粒子粉末についてX線回折測定を行ったところ、酸化セリウム単相であることが確認された。また、超微粒子粉末について比表面積をBET法により測定したところ、211m/gであった。さらに、TEM観察を行ったところ、平均粒子径が4.7nmのアモルファス酸化セリウムナノ粒子であることを確認した。粒径分布の標準偏差は0.36nmであり、粒子径のばらつきがない単分散ナノ粒子であった。
このように得られた超微粒子粉末であるアモルファス酸化セリウムナノ粒子を、水溶液中に分散して、5質量%のアモルファス酸化セリウムナノ粒子水分散液を調製した。
次に、容量3Lのガラス容器に純水1470gを投入し、酢酸を滴下してpHを4.0に調整した。撹拌羽を用いて300rpmで撹拌しながら、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン30gを、20分かけてゆっくり滴下した。滴下終了後30分撹拌することで、表面処理剤水溶液を調製した。
得られた表面処理剤水溶液に、撹拌羽を用いて300rpmで撹拌しながら、チューブポンプを用いて上記のアモルファス酸化セリウムナノ粒子水分散液300gを20分かけてゆっくり滴下した。滴下終了後60℃に昇温して6時間撹拌した。吸引濾過により固液分離を行い、回収した固形物60gに10倍量のメタノールを加えて懸濁液を得た。得られた懸濁液を1時間撹拌し、再度吸引濾過して固液分離を行い、余剰の3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを除去した。得られた固形分は35gであった。得られた固形分を、ボックス型乾燥機を用いて、120℃にて10分間乾燥させることで、表面改質酸化セリウムを調製した。なお、乾燥後の質量は、28gであった。
表面改質酸化セリウムの相同定及び結晶子径の測定は、X線回折装置 X’Pert PRO MPD(PANalytical社製)を用いて行った。
最後に、表面改質酸化セリウムの濃度が5質量%となるように、表面改質酸化セリウムの乾燥粉をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)に投入し、超音波ホモジナイザーで超音波壊砕することにより分散させることで、表面改質酸化セリウム分散液を調製した。
パーヒドロポリシラザン溶液中のパーヒドロポリシラザンに対して、表面改質酸化セリウムの濃度が1.0質量%となるように、表面改質酸化セリウム分散液を混合することで、第1の塗布液を調製した。
<実施例4>
[工程(1)]
第1の塗布液の調製において、パーヒドロポリシラザン溶液中のパーヒドロポリシラザンに対して、表面改質酸化チタンの濃度が0.005質量%となるように、表面改質酸化チタン分散液を混合したことを除いては、実施例1と同様の方法で、第1のガスバリア層を形成した。
[工程(2)]
工程(1)で形成した第1のガスバリア層上に、乾燥後の膜厚が40nmとなるように、第2の塗布液を塗布したことを除いては、実施例1と同様の方法で、第2のガスバリア層を形成し、ガスバリア性フィルムを製造した。
<実施例5>
[工程(1)]
第1の塗布液の調製において、パーヒドロポリシラザン溶液中のパーヒドロポリシラザンに対して、表面改質酸化チタンの濃度が0.01質量%となるように、表面改質酸化チタン分散液を混合したことを除いては、実施例1と同様の方法で、第1のガスバリア層を形成した。
[工程(2)]
工程(1)で形成した第1のガスバリア層上に、乾燥後の膜厚が30nmとなるように、第2の塗布液を塗布したことを除いては、実施例1と同様の方法で、第2のガスバリア層を形成し、ガスバリア性フィルムを製造した。
<実施例6>
[工程(1)]
第1の塗布液の調製において、パーヒドロポリシラザン溶液中のパーヒドロポリシラザンに対して、表面改質酸化チタンの濃度が0.01質量%となるように、表面改質酸化チタン分散液を混合したことを除いては、実施例1と同様の方法で、第1のガスバリア層を形成した。
[工程(2)]
工程(1)で形成した第1のガスバリア層上に、乾燥後の膜厚が40nmとなるように、第2の塗布液を塗布したことを除いては、実施例1と同様の方法で、第2のガスバリア層を形成し、ガスバリア性フィルムを製造した。
<実施例7>
[工程(1)]
第1の塗布液の調製において、パーヒドロポリシラザン溶液中のパーヒドロポリシラザンに対して、表面改質酸化チタンの濃度が0.1質量%となるように、表面改質酸化チタン分散液を混合したことを除いては、実施例1と同様の方法で、第1のガスバリア層を形成した。
[工程(2)]
工程(1)で形成した第1のガスバリア層上に、乾燥後の膜厚が40nmとなるように、第2の塗布液を塗布したことを除いては、実施例1と同様の方法で、第2のガスバリア層を形成し、ガスバリア性フィルムを製造した。
<実施例8>
第1の塗布液の調製において、パーヒドロポリシラザン溶液中のパーヒドロポリシラザンに対して、表面改質酸化チタンの濃度が10質量%となるように、表面改質酸化チタン分散液を混合したことを除いては、実施例1と同様の方法で、ガスバリア性フィルムを製造した。
<実施例9>
[工程(1)]
第1の塗布液の調製において、パーヒドロポリシラザン溶液中のパーヒドロポリシラザンに対して、表面改質酸化チタンの濃度が25質量%となるように、表面改質酸化チタン分散液を混合したことを除いては、実施例1と同様の方法で、第1のガスバリア層を形成した。
[工程(2)]
工程(1)で形成した第1のガスバリア層上に、乾燥後の膜厚が450nmとなるように、第2の塗布液を塗布したことを除いては、実施例1と同様の方法で、第2のガスバリア層を形成し、ガスバリア性フィルムを製造した。
<実施例10>
[工程(1)]
第1の塗布液の調製において、パーヒドロポリシラザン溶液中のパーヒドロポリシラザンに対して、表面改質酸化チタンの濃度が25質量%となるように、表面改質酸化チタン分散液を混合したことを除いては、実施例1と同様の方法で、第1のガスバリア層を形成した。
[工程(2)]
工程(1)で形成した第1のガスバリア層上に、乾燥後の膜厚が500nmとなるように、第2の塗布液を塗布したことを除いては、実施例1と同様の方法で、第2のガスバリア層を形成し、ガスバリア性フィルムを製造した。
<実施例11>
第1の塗布液の調製において、パーヒドロポリシラザン溶液中のパーヒドロポリシラザンに対して、表面改質酸化チタンの濃度が30質量%となるように、表面改質酸化チタン分散液を混合したことを除いては、実施例1と同様の方法で、ガスバリア性フィルムを製造した。
<実施例12>
工程(1)において、第1のガスバリア層を、黄色灯下(波長400nm以下の紫外線をカット)で形成したことを除いては、実施例1と同様の方法で、ガスバリア性フィルムを製造した。
<実施例13>
第1のガスバリア層を以下の方法で形成したことを除いては、実施例1と同様の方法でガスバリア性フィルムを製造した。
具体的には、蛍光灯下(波長254nm)にて、基材の表面(クリアハードコート層上)に、乾燥後の膜厚が25μmとなるように、第1の塗布液をスピンコート法で塗布した。得られた塗膜を80℃で1分間乾燥し、次いで低圧水銀ランプを用いて紫外光(メイン波長254nm)を大気圧下において、80℃で10分間照射することで、第1のガスバリア層を形成した。
<実施例14>
第1のガスバリア層を以下の方法で形成したことを除いては、実施例1と同様の方法でガスバリア性フィルムを製造した。
具体的には、基材の表面(クリアハードコート層上)に、乾燥後の膜厚が250nmとなるように、第1の塗布液をスピンコート法で塗布して塗膜を得た。次いで、80℃で1分間乾燥した後、真空紫外光(VUV;波長:172nm)照射を行うことで、第1のガスバリア層を形成した。なお、真空紫外線(VUV)照射条件は、実施例1における工程(2)と同様である。
<比較例1>
第1の塗布液として、実施例1のパーヒドロポリシラザン溶液を用い、酸化チタンナノ粒子分散液を混合しなかったことを除いては、実施例14と同様の方法で、ガスバリア性フィルムを製造した。
<比較例2>
第2のガスバリア層を形成しなかったことを除いては、実施例14と同様の方法でガスバリア性フィルムを製造した。
<性能評価>
実施例1〜14並びに比較例1および2ガスバリア性フィルムについて、各種の性能評価を行った。
[耐衝撃性]
製造したガスバリア性フィルムの表面に、10cmの高さから10gの錘(R=2.5mm)を自由落下させる落錘衝撃試験を5回行った。
落錘衝撃試験後、上記バリア性と同様の評価を行い、耐衝撃性を評価した。
得られた結果を下記表1に示す。
[密着性]
(未処理のガスバリア性フィルム)
製造したガスバリア性フィルムについて、JIS(日本工業規格)K5600−5−6(ISO2409)に準拠したクロスカット剥離法を行うことにより、基材−ガスバリア層間の密着性試験を行った。この際、ガスバリア性フィルムの膜破壊の起きなかった面積の比率(百分率%)として密着性を評価した。
(高温高湿下処理のガスバリア性フィルム)
製造したガスバリア性フィルムを、85℃、85%RHの高温高湿下で100時間曝露した。得られたフィルムについて、上記未処理のガスバリア性フィルムと同様の方法で密着性を評価した。
得られた結果を下記表1に示す。
[バリア性]
真空蒸着装置JEE−400(日本電子株式会社製)を用い、製造したガスバリア性フィルムのガスバリア層表面に、水分と反応して腐食する金属である金属カルシウム(粒状)を蒸着させた。その後、シート片側全面に水蒸気不透過性の金属である金属アルミニウム(φ3〜5mm、粒状)を蒸着させて仮封止をした。次いで、真空状態を解除し、速やかに乾燥窒素ガス雰囲気下に移した。前記仮封止した金属アルミニウム蒸着面に紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス株式会社製)を介して厚さ0.2mmの石英ガラスを貼り合わせ、紫外線を照射して前記紫外線硬化樹脂を硬化させることで本封止し、水蒸気バリア性評価試料を作製した。
得られた水蒸気バリア性評価試料を、恒温恒湿度オーブンYamato Humidic ChamberIG47Mを用いて、60℃、90%RHの高温高湿下で保存し、金属カルシウムの腐食を観察した。金属カルシウムの腐食面積が100%となるまでの時間(100%腐食時間)を求め、下記の基準に従ってガスバリア性を評価した。
5:100%腐食時間が200時間以上である
4:100%腐食時間が100時間以上200時間未満である
3:100%腐食時間が20時間以上100時間未満である
2:100%腐食時間が2時間以上20時間未満である
1:100%腐食時間が2時間未満である。
得られた結果を下記表1に示す。
Figure 2015030245
表1の結果からも明らかなように、実施例に係るガスバリア性フィルムは耐衝撃性、基材−第1のガスバリア層間の密着性、および高温高湿下のバリア性が高いことが分かる。なお、前記バリア性が高い理由としては、高温高湿下における基材−第1のガスバリア層間の密着性が高いことに加え、第1のガスバリア層−第2のガスバリア層間の密着性も高いと考えられるため、層構成の破壊等が抑制されていることが要因であると考えられる。
一方、比較例1の結果から、特許文献1に記載のガスバリア性フィルムのような構成であると、耐衝撃性、基材−第1のガスバリア層間の密着性、および高温高湿下のバリア性が低いことが分かる。なお、前記バリア性が低い理由としては、高温高湿下において、基材−第1のガスバリア層間の密着性が低いことに加え、第1のガスバリア層−第2のガスバリア層間の密着性も低いと考えられるため、層構成の破壊等が生じていることが要因であると考えられる。
なお、特に実施例4〜7の結果から、第1のガスバリア層における金属酸化物粒子の含有量が少ない場合であっても、金属酸化物粒子の含有量に応じて第2のガスバリア層の膜厚等を設定することで、耐衝撃性、基材−第1のガスバリア層間の密着性、および高温高湿下のバリア性に優れるガスバリア性フィルムが得られることが分かる。
また、実施例8〜11の結果から、第2のガスバリア層の膜厚を厚くした場合であっても、第1のガスバリア層の金属酸化物粒子の含有量を好適に設定することにより、高いガスバリア性を得つつ、耐衝撃性および高温高湿下における第1のガスバリア層−第2のガスバリア層間の密着性にも優れるガスバリア性フィルムが得られることが分かる。

Claims (5)

  1. 基材と、
    第1のポリシラザン改質物および金属酸化物粒子を含む第1のガスバリア層と、
    前記第1のガスバリア層上に配置された第2のポリシラザン改質物を含む第2のガスバリア層と、を含み、
    前記金属酸化物粒子が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、および酸化セリウムからなる群から選択される少なくとも1つを含む、ガスバリア性フィルム。
  2. 前記第1のガスバリア層において、前記金属酸化物粒子の含有量が、ポリシラザンに対して、0.01〜25質量%であり、
    前記第2のガスバリア層の膜厚が、30〜450nmである、請求項1に記載のガスバリア性フィルム。
  3. ポリシラザンおよび金属酸化物粒子を含む第1の塗布液を基材上に塗布し、前記ポリシラザンを改質することを含む第1のガスバリア層の形成工程(1)と、
    ポリシラザンを含む第2の塗布液を前記第1のガスバリア層上に塗布し、真空紫外光を照射することを含む第2のガスバリア層の形成工程(2)と、
    を含み、
    前記金属酸化物粒子が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、および酸化セリウムからなる群から選択される少なくとも1つを含む、ガスバリア性フィルムの製造方法。
  4. 前記工程(2)における真空紫外光の照射が、酸素濃度0.1体積%以下の環境下で行われる、請求項3に記載の製造方法。
  5. 電子デバイス本体と、請求項1もしくは2に記載のガスバリア性フィルム、または請求項3もしくは4に記載の方法によって製造されたガスバリア性フィルムと、を含む、電子デバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018114761A1 (en) * 2016-12-20 2018-06-28 Merck Patent Gmbh Optical medium and an optical device

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