JP2015030171A - 熱収縮性多層フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、熱収縮後の透明性及び重ねシール性に優れ、熱収縮性、ガスバリア性及びヒートシール性を兼ね備えた熱収縮性多層フィルムを提供することである。
【解決手段】本発明に係る熱収縮性多層フィルムは、表面層と、中間層T1と、ガスバリア層と、シール層とを有する多層構造を備え、該多層構造は、一方の表面に前記表面層を配置し、かつ、他方の表面に前記シール層を配置してなる熱収縮性多層フィルムにおいて、前記表面層が、ポリ乳酸を含有し、前記ガスバリア層が、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含有する。
【選択図】なし
【解決手段】本発明に係る熱収縮性多層フィルムは、表面層と、中間層T1と、ガスバリア層と、シール層とを有する多層構造を備え、該多層構造は、一方の表面に前記表面層を配置し、かつ、他方の表面に前記シール層を配置してなる熱収縮性多層フィルムにおいて、前記表面層が、ポリ乳酸を含有し、前記ガスバリア層が、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含有する。
【選択図】なし
Description
本発明は、生肉、加工肉などの効率的な包装を可能とする熱収縮性多層フィルムに関する。
生肉、加工肉などは、その形状が不規則であるため、外観性及び鮮度保持の観点から、通常、収縮包装が行われる。収縮包装に用いられるフィルムは、少なくとも、外面を形成する表面層と、ガスバリア性を有するガスバリア層と、内面を形成するシール層とを有する多層で形成され、各層の性質によって、良好な外観及び鮮度保持を実現するための特性として、熱収縮性、透明性、ガスバリア性又はヒートシール性が付与されている。ガスバリア性を有する収縮フィルムとしては、表面層としてポリプロピレン又はポリプロピレン系共重合体とガスバリア層としてエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)又はナイロン6,12コポリマー又はナイロン6,66コポリマーとシール層としてエチレン−α−オレフィン系共重合体とを積層したフィルムが開示されている(例えば、特許文献1〜3を参照。)。
さらに、収縮包装に用いられるフィルムには、作業性向上を目的として、重ねシール性が求められる。重ねシール性とは、多層フィルムでシール層を内側に向けて包装袋を形成し、該包装袋同士を重ねてヒートシールしたとき、各包装袋のシール層同士が熱融着し、かつ、表面層同士が熱融着しない又は剥離可能な程度にしか熱融着しない性質をいう。この重ねシール性を有することで、包装袋の一部を重ねた状態でヒートシールできるため、一度にヒートシールできる包装袋の個数を増やすことができ、作業が効率化する。また、包装袋同士が重ならないように配置する必要が無くなり、作業員の作業性を向上することができる。
重ねシール性を有する熱収縮性多層フィルムとしては、外面を形成する表面層を架橋させ、かつ、内面を形成するシール層を未架橋とすることで、重ねシール性を付与したフィルムが開示されている(例えば、特許文献4を参照。)。また、外面をポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂などの融解温度の比較的高い樹脂で形成し、内面をポリオレフィン樹脂などの融解温度の比較的低い樹脂で形成して、外面と内面とで素材の融解温度に温度差を設けることで、重ねシール性を付与したフィルムが開示されている(例えば、特許文献5〜8を参照。)。
さらに、生肉、加工肉などの不定形食品を熱収縮性多層フィルムで包装する場合、袋又はパウチの収縮後のフィルムの余剰部分(以降、耳部という。)の見栄えが悪いと消費者に好まれない。袋又はパウチの耳部のシール層同士が、熱処理によって融着すること(以降、セルフウェルドという。)は、包装後の生肉又は加工肉から発生する肉汁(以降、ドリップという。)を目立たせないという点から消費者に好まれている。セルフウェルド性が劣る場合、すなわち熱処理後に耳部の融着がない場合、又はほとんど融着しない場合には、包装後の保存中にドリップが耳部に溜まり、見栄えが悪くなることが問題となる。なお、ここでいう熱処理とは、ある特定温度で熱収縮、熱殺菌、クッキング等の熱処理を指す。セルフウェルド性を有する包装用積層体が開示されている(例えば、特許文献9を参照。)。
特許文献1〜3のように、表面層としてポリプロピレン又はポリプロピレン系共重合体を用いると、表面層が他の層の熱収縮に追従できずに白化が生じて、熱収縮後の透明性が劣る場合がある。
特許文献4に記載されたフィルムでは、外面同士を熱融着させずに、内面をヒートシールすることができる温度範囲が狭く、重ねシール性が不十分である。特許文献5〜8に記載されたフィルムは、優れた重ねシール性を有するが、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂などの融解温度の高い樹脂は、押出加工の温度も当然に高くする必要がある。しかし、ガスバリア性の付与を目的として、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)を中間層に用いる場合、PVDCの分解を考慮すると、加工温度を高くすることができない。そのため、ダイス温度を高温にできない。このように、表面層に用いる樹脂とガスバリア層に用いる樹脂との融解温度差が大きすぎると、表面層の樹脂を安定的に押し出すことができないため、フィルム表面の平滑性が悪化して外観不良が発生する場合がある。
本発明の目的は、熱収縮後の透明性及び重ねシール性に優れ、熱収縮性、ガスバリア性及びヒートシール性を兼ね備えた熱収縮性多層フィルムを提供することである。
本発明に係る熱収縮性多層フィルムは、表面層と、中間層T1と、ガスバリア層と、シール層とを有する多層構造を備え、該多層構造は、一方の表面に前記表面層を配置し、かつ、他方の表面に前記シール層を配置してなる熱収縮性多層フィルムにおいて、前記表面層が、ポリ乳酸を含有し、前記ガスバリア層が、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含有することを特徴とする。
本発明に係る熱収縮性多層フィルムでは、前記表面層の融解温度が、前記ガスバリア層の融解温度よりも高く、前記表面層と前記ガスバリア層との融解温度差が18℃以上30℃以下であることが好ましい。フィルム成形性を向上することができる。
本発明に係る熱収縮性フィルムでは、前記多層構造は、前記ガスバリア層と前記シール層との間に、中間層T2を更に備えることが好ましい。シール層の補強層として働き、シール強度を向上させることができる。また、延伸性を高めることができる。
本発明に係る熱収縮性フィルムでは、前記シール層が、少なくともアイオノマー又はエチレン‐酢酸ビニル共重合体のいずれか一方を含有することが好ましい。セルフウェルド性に優れたフィルムとすることができる。また、延伸性及び低温シール性に優れたフィルムとすることができる。
本発明に係る熱収縮性フィルムでは、熱処理によってセルフウェルド性を有することが好ましい。真空包装後の外観を良好にすることができる。
本発明に係る熱収縮性フィルムでは、80℃の熱水収縮後のHazeが5%以上40%以下であることが好ましい。真空包装後の外観を良好にすることができる。
本発明は、熱収縮後の透明性及び重ねシール性に優れ、熱収縮性、ガスバリア性及びヒートシール性を兼ね備えた熱収縮性多層フィルムを提供することができる。
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本実施形態に係る熱収縮性多層フィルムは、表面層と、中間層T1と、ガスバリア層と、シール層とを有する多層構造を備え、多層構造は、一方の表面に表面層を配置し、かつ、他方の表面にシール層を配置してなる熱収縮性多層フィルムにおいて、表面層が、ポリ乳酸を含有し、ガスバリア層が、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含有する。
(表面層)
表面層は、多層構造の一方の表面に配置されて、袋の外面となる層であり、耐熱性及び光沢性を付与する役割をもつ。本実施形態に係る熱収縮性多層フィルムでは、表面層はポリ乳酸を含有する。ポリ乳酸は、乳酸を主成分とするモノマーを縮重合してなる重合体をいう。乳酸には、2種類の光学異性体のL−乳酸及びD−乳酸があり、これら2種の構造単位の割合でポリ乳酸系樹脂の結晶性が異なる。例えば、L−乳酸とD−乳酸との割合がおおよそ80:20〜20:80のランダム共重合体では、結晶性が無く、ガラス転移点60℃付近で軟化する透明完全非結晶性樹脂となる。他方、L−乳酸とD−乳酸との割合がおおよそ100:0〜80:20、又は20:80〜0:100の単独重合体若しくはランダム共重合体は、結晶性を有する。その結晶化度は、前記のL−乳酸とD−乳酸との割合によって定まる。例えば、L−乳酸のみ、又は、D−乳酸のみからなる単独重合体は、180℃以上の融点を有する半結晶性ポリマーである。本発明においては、結晶性、半結晶性のポリ乳酸系樹脂を用いることが好ましい。
表面層は、多層構造の一方の表面に配置されて、袋の外面となる層であり、耐熱性及び光沢性を付与する役割をもつ。本実施形態に係る熱収縮性多層フィルムでは、表面層はポリ乳酸を含有する。ポリ乳酸は、乳酸を主成分とするモノマーを縮重合してなる重合体をいう。乳酸には、2種類の光学異性体のL−乳酸及びD−乳酸があり、これら2種の構造単位の割合でポリ乳酸系樹脂の結晶性が異なる。例えば、L−乳酸とD−乳酸との割合がおおよそ80:20〜20:80のランダム共重合体では、結晶性が無く、ガラス転移点60℃付近で軟化する透明完全非結晶性樹脂となる。他方、L−乳酸とD−乳酸との割合がおおよそ100:0〜80:20、又は20:80〜0:100の単独重合体若しくはランダム共重合体は、結晶性を有する。その結晶化度は、前記のL−乳酸とD−乳酸との割合によって定まる。例えば、L−乳酸のみ、又は、D−乳酸のみからなる単独重合体は、180℃以上の融点を有する半結晶性ポリマーである。本発明においては、結晶性、半結晶性のポリ乳酸系樹脂を用いることが好ましい。
ポリ乳酸は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、乳酸と乳酸以外のコモノマーとの共重合体であってもよい。乳酸以外のコモノマーは、例えば、グリコール酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸若しくはヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸、カプロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ウンデカラクトン若しくは1,5‐オキセパン‐2‐オンなどのラクトン類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、1,4‐シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール若しくはポリテトラメチレングリコールなどのグリコール化合物又はコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸若しくはドデカン二酸などのジカルボン酸である。
ポリアミド樹脂の押出し加工温度は例えばナイロン6であれば、260〜280℃、ナイロン6、66コポリマーであれば、240〜260℃であり、ポリエチレンテレフタレート樹脂の押出し加工温度は例えば240〜260℃であり、PVDCの分解開始温度(例えば160〜180℃)よりもはるかに高く、PVDCの分解を抑制しながら共押出しすることが難しい。これに対して、ポリ乳酸の押出し加工温度は、例えば180〜200℃であるため、ポリアミド樹脂又はポリエチレンテレフタレート樹脂よりも、PVDCのダイス内での分解の進行を抑制することができる。その結果、異物などが少ない外観がより良好なフィルムを得ることができる。
表面層に用いる樹脂の密度は、1.20g/cm3以上1.30g/cm3以下であることが好ましい。より好ましくは、1.22g/cm3以上1.28g/cm3以下である。
表面層に用いる樹脂のメルトフローレート(MFR)(210℃、2.16kg)は、1.0g/10分以上10g/10分以下であることが好ましい。より好ましくは、3g/10分以上9g/10分以下である。
表面層に用いる樹脂の融解温度は、140℃以上190℃以下であることが好ましい。より好ましくは、150℃以上180℃以下である。特に好ましくは、160℃以上170℃以下である。140℃未満では、耐熱性が不足して、シールなどの熱加工時に表面層が溶融する場合がある。190℃を超えると、押出し加工温度が高くなるため、ガスバリア層のPVDCが分解する場合がある。また、表面の平滑性が劣る場合又は延伸性が阻害される場合がある。
表面層は、結晶核剤、滑剤、帯電防止剤、柔軟剤、熱安定剤、可塑剤、酸化防止剤など各種添加剤を含有してもよい。結晶核剤は、透明性、耐熱性、成形性などを改良するものであり、例えば、ジベンジリデンソルビトールなどのソルビトール化合物;有機リン酸エステル系化合物;ロジン酸塩系化合物;炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸又はその金属塩;芳香族カルボン酸又はその金属塩である。滑剤は、フィルムと製袋機又は包装機械などの機械表面との境界摩擦を小さくするものであり、例えば、流動パラフィン、ポリエチレンワックスなどの炭化水素系滑剤;ステアリン酸、ラウリル酸などの脂肪族系滑剤;ステアリン酸アミド、エルカ酸アミドなどの脂肪族アミド系滑剤;エチレングリコールモノステアレート、ステアリン酸モノグリセライドなどのエステル系滑剤;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの金属石鹸類である。これらの滑剤の中で、ポリオレフィン樹脂との相溶性が優れるという点から脂肪酸アミド系滑剤、金属石鹸類が好ましく用いられる。帯電防止剤は、静電気によって、製品がロールなどに粘着して製袋などの機械適性を低下させることや製品同士が粘着し、製品を1枚ずつ取り出す時の作業性を低下させるなどの静電気障害を抑制するものであり、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤又はこれらの混合物である。柔軟剤は、収縮時のフィルムの折れ曲がり現象を抑制するものであり、例えば、エチレン‐αオレフィン共重合体、プロピレン‐αオレフィン共重合体などのポリオレフィン系エラストマー;エチレン‐酢酸ビニル共重合体などのエチレン系共重合体;ポリイソブチレン;ポリブテン;ポリブタジエン;ブタジエン‐スチレン共重合体;ネオプレン;天然ゴムである。
表面層の厚さは、0.5μm以上20μm以下であることが好ましい。より好ましくは、1μm以上10μm以下である。
表面層の表面には、パウダーを塗布することができる。パウダーは、重ねシール可能な温度幅を拡張する役割をもつ。パウダーは、例えば、澱粉である。パウダーの平均粒子径は、5〜50μmであることが好ましい。また、異なる粒子径を有するパウダーを複数種配合して平均粒子径に分布をもたせてもよい。
(中間層T1)
中間層T1は、ポリオレフィン系樹脂を含有することが好ましい。ポリオレフィン系樹脂は、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE);中密度ポリエチレン(MDPE);ポリプロピレン(PP);プロピレンと炭素数が2若しくは4〜8のαオレフィンとの共重合体;エチレン‐αオレフィン共重合体;エチレン‐酢酸ビニル共重合体(EVA)、炭素数が1〜4のエチレン‐アルキルアクリレート、エチレン‐メタクリル酸共重合体、エチレン‐メタクリル酸‐不飽和カルボン酸共重合体などのエチレン‐極性コモノマー共重合体;アイオノマーである。エチレン‐αオレフィン共重合体は、チーグラー‐ナッタ触媒を用いて得た共重合体、メタロセン触媒を用いて得た共重合体を包含する。エチレン‐αオレフィン共重合体の重合に用いるコモノマーとしてのαオレフィンは、例えば、炭素数が4のブテン‐1、炭素数が5のペンテン‐1、炭素数が6の4‐メチルペンテン‐1若しくはヘキセン‐1又は炭素数が8のオクテン‐1である。エチレン‐αオレフィン共重合体の具体例としては、密度が0.900g/cm3〜0.909g/cm3である超低密度ポリエチレン(VLDPE)、密度が0.910g/cm3〜0.925g/cm3である直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)である。この中で、延伸性、表面層との接着性及び透明性の点で、EVA、炭素数が1〜4のエチレン‐アルキルアクリレート、エチレン‐メタクリル酸共重合体、エチレン‐メタクリル酸‐不飽和カルボン酸共重合体などのエチレン‐極性コモノマー共重合体;アイオノマーが特に好ましい。中間層T1に用いる樹脂は、それぞれ単独で使用するか、又は2種以上を併用してもよい。なお、中間層T1は、ポリオレフィン系樹脂以外に、滑剤、帯電防止剤、熱安定剤、可塑剤、酸化防止剤、柔軟剤など各種添加剤を含有してもよい。この中で、収縮時のフィルムの折れ曲がり現象を抑制することができる点で柔軟剤を含有することがより好ましい。柔軟剤としては、例えば、エチレン‐αオレフィン共重合体、プロピレン‐αオレフィン共重合体などのポリオレフィン系エラストマー;エチレン‐酢酸ビニル共重合体などのエチレン系共重合体;ポリイソブチレン;ポリブテン;ポリブタジエン;ブタジエン‐スチレン共重合体;ネオプレン;天然ゴムである。
中間層T1は、ポリオレフィン系樹脂を含有することが好ましい。ポリオレフィン系樹脂は、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE);中密度ポリエチレン(MDPE);ポリプロピレン(PP);プロピレンと炭素数が2若しくは4〜8のαオレフィンとの共重合体;エチレン‐αオレフィン共重合体;エチレン‐酢酸ビニル共重合体(EVA)、炭素数が1〜4のエチレン‐アルキルアクリレート、エチレン‐メタクリル酸共重合体、エチレン‐メタクリル酸‐不飽和カルボン酸共重合体などのエチレン‐極性コモノマー共重合体;アイオノマーである。エチレン‐αオレフィン共重合体は、チーグラー‐ナッタ触媒を用いて得た共重合体、メタロセン触媒を用いて得た共重合体を包含する。エチレン‐αオレフィン共重合体の重合に用いるコモノマーとしてのαオレフィンは、例えば、炭素数が4のブテン‐1、炭素数が5のペンテン‐1、炭素数が6の4‐メチルペンテン‐1若しくはヘキセン‐1又は炭素数が8のオクテン‐1である。エチレン‐αオレフィン共重合体の具体例としては、密度が0.900g/cm3〜0.909g/cm3である超低密度ポリエチレン(VLDPE)、密度が0.910g/cm3〜0.925g/cm3である直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)である。この中で、延伸性、表面層との接着性及び透明性の点で、EVA、炭素数が1〜4のエチレン‐アルキルアクリレート、エチレン‐メタクリル酸共重合体、エチレン‐メタクリル酸‐不飽和カルボン酸共重合体などのエチレン‐極性コモノマー共重合体;アイオノマーが特に好ましい。中間層T1に用いる樹脂は、それぞれ単独で使用するか、又は2種以上を併用してもよい。なお、中間層T1は、ポリオレフィン系樹脂以外に、滑剤、帯電防止剤、熱安定剤、可塑剤、酸化防止剤、柔軟剤など各種添加剤を含有してもよい。この中で、収縮時のフィルムの折れ曲がり現象を抑制することができる点で柔軟剤を含有することがより好ましい。柔軟剤としては、例えば、エチレン‐αオレフィン共重合体、プロピレン‐αオレフィン共重合体などのポリオレフィン系エラストマー;エチレン‐酢酸ビニル共重合体などのエチレン系共重合体;ポリイソブチレン;ポリブテン;ポリブタジエン;ブタジエン‐スチレン共重合体;ネオプレン;天然ゴムである。
中間層T1に用いる樹脂の融解温度は、特に制限はないが、70℃以上120℃以下であることが好ましい。より好ましくは、80℃以上100℃以下である。
中間層T1に用いる樹脂の密度は、0.880g/cm3以上0.960g/cm3以下であることが好ましい。より好ましくは、0.900g/cm3以上0.940g/cm3以下である。
中間層T1に用いる樹脂のMFR(190℃、2.16kg)は、0.5g/10分以上20g/10分以下であることが好ましい。より好ましくは、1.0g/10分以上15g/10分以下である。
中間層T1の厚さは、5μm以上50μm以下であることが好ましい。より好ましくは、10μm以上40μm以下である。中間層T1は、1層で形成するか、又は2層以上で形成してもよい。中間層T1を2層以上で形成する場合には、各層を同一の組成とするか、又は各層を異なる組成としてもよい。
(接着層S1)
中間層T1とガスバリア層の間に、接着層S1を更に設けてもよい。接着層S1は、ガスバリア層に隣接する層であり、ガスバリア層に対する接着性を向上させる役割をもつ。接着層S1は、例えば、エチレン‐極性コモノマー共重合体、酸変性ポリオレフィンなどの接着性樹脂を含有することが好ましい。エチレン‐極性コモノマー共重合体は、例えば、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、炭素数1〜4のエチレン‐アルキルアクリレート、エチレン‐メタクリル酸共重合体、エチレン‐メタクリル酸‐不飽和カルボン酸共重合体、エチレン‐アクリル酸共重合体である。酸変性ポリオレフィンは、例えば、オレフィン類の単独若しくは共重合体とマレイン酸若しくはフマル酸などの不飽和カルボン酸、酸無水物、エステル又は金属塩との反応物である。接着層S1に用いる樹脂は、それぞれ単独で使用するか、又は2種以上を併用してもよい。なお、接着層S1は、接着性樹脂以外に、熱安定剤、可塑剤、酸化防止剤など各種添加剤を含有してもよい。
中間層T1とガスバリア層の間に、接着層S1を更に設けてもよい。接着層S1は、ガスバリア層に隣接する層であり、ガスバリア層に対する接着性を向上させる役割をもつ。接着層S1は、例えば、エチレン‐極性コモノマー共重合体、酸変性ポリオレフィンなどの接着性樹脂を含有することが好ましい。エチレン‐極性コモノマー共重合体は、例えば、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、炭素数1〜4のエチレン‐アルキルアクリレート、エチレン‐メタクリル酸共重合体、エチレン‐メタクリル酸‐不飽和カルボン酸共重合体、エチレン‐アクリル酸共重合体である。酸変性ポリオレフィンは、例えば、オレフィン類の単独若しくは共重合体とマレイン酸若しくはフマル酸などの不飽和カルボン酸、酸無水物、エステル又は金属塩との反応物である。接着層S1に用いる樹脂は、それぞれ単独で使用するか、又は2種以上を併用してもよい。なお、接着層S1は、接着性樹脂以外に、熱安定剤、可塑剤、酸化防止剤など各種添加剤を含有してもよい。
接着層S1に用いる樹脂の融解温度は、特に制限はないが、70℃以上130℃以下であることが好ましい。より好ましくは、80℃以上120℃以下である。
接着層S1に用いる樹脂の密度は、0.880g/cm3以上0.960g/cm3以下であることが好ましい。より好ましくは、0.900g/cm3以上0.940g/cm3以下である。
接着層S1に用いる樹脂のMFR(190℃、2.16kg)は、0.5g/10分以上20g/10分以下であることが好ましい。より好ましくは、1.0g/10分以上15g/10分以下である。
接着層S1の厚さは、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。より好ましくは、1μm以上5μm以下である。
(ガスバリア層)
ガスバリア層は、酸素、水蒸気などの透過を抑制して、内容物の劣化を防止する役割をもつ。ガスバリア層は、ガスバリア性樹脂として、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)系樹脂を含有する。
ガスバリア層は、酸素、水蒸気などの透過を抑制して、内容物の劣化を防止する役割をもつ。ガスバリア層は、ガスバリア性樹脂として、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)系樹脂を含有する。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂は、例えば、塩化ビニリデン(VDC)60〜98質量%と共重合可能な他の単量体(コモノマー)2〜40質量%との共重合体である。
コモノマーとしては、例えば、塩化ビニル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2‐エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリルなどのアクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜18);メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2‐エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリルなどのメタクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜18);アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル;スチレンなどの芳香族ビニル;酢酸ビニルなどの炭素数1〜18の脂肪族カルボン酸のビニルエステル;炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのビニル重合性不飽和カルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのビニル重合性不飽和カルボン酸のアルキルエステル(部分エステルを含み、アルキル基の炭素数1〜18);その他、ジエン系単量体、官能基含有単量体、多官能性単量体などを挙げることができる。
これらのコモノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのコモノマーの中でも、塩化ビニル、アクリル酸メチル又はアクリル酸ラウリルが好ましい。コモノマーの共重合割合が小さすぎると、内部可塑化が不充分となって、溶融加工性が低下する。コモノマーの共重合割合が大きすぎると、ガスバリア性が低下する。コモノマーの共重合割合は、好ましくは3〜35質量%、より好ましくは10〜30質量%である。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂の還元粘度(ηsp/C)は、フィルムに成形する場合の加工性、包装機械適性、耐寒性などの観点から、好ましくは0.035〜0.070であり、より好ましくは0.040〜0.065であり、特に好ましくは0.045〜0.063である。ポリ塩化ビニリデン系樹脂の還元粘度が低すぎると、加工性が低下し、高すぎると、着色傾向を示すようになるので、いずれも好ましくない。還元粘度が異なる2種以上のポリ塩化ビニリデン系樹脂を併用することができ、それによって、加工性を向上させることができる。2種以上のポリ塩化ビニリデン系樹脂を併用した場合、混合樹脂の還元粘度は、上記範囲内にあることが好ましい。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂は、所望により他の樹脂とブレンドすることができる。他の樹脂としては、例えば、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル、好ましくはアルキル基の炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの(共)重合体〔例えば、(メタ)アクリル酸メチル‐(メタ)アクリル酸ブチル共重合体〕、メタクリル酸メチル‐ブタジエン‐スチレン共重合体などを挙げることができる。これらの他の樹脂は、ポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物を調製する際にブレンドするか、ポリ塩化ビニリデン系樹脂にブレンドする着色用樹脂組成物中に含有させることができる。その他の樹脂は、ポリ塩化ビニリデン系樹脂100質量部に対して、通常、20質量部以下の割合で用いられる。
ガスバリア性樹脂は、それぞれ単独で使用するか、又は2種以上を併用してもよい。ガスバリア性樹脂とポリオレフィン系樹脂とは、前記した接着層S1及び後述する接着層S2を介在させることで、良好な接着性を得ることができる。なお、ガスバリア層は、ガスバリア性樹脂以外に、熱安定剤、可塑剤、酸化防止剤など各種添加剤を含有してもよい。
ガスバリア層に用いる樹脂の融解温度は、130℃以上160℃以下であることが好ましい。より好ましくは、135℃以上155℃以下である。特に好ましくは、140℃以上155℃以下である。
本実施形態に係る熱収縮性多層フィルムでは、前記表面層の融解温度が、前記ガスバリア層の融解温度よりも高く、表面層とガスバリア層との融解温度差が18℃以上30℃以下であることが好ましい。より好ましくは20℃以上30℃以下である。18℃未満では、ガスバリア層に用いる樹脂と表面層に用いる樹脂との融点差が小さいため、表面層に融点の低い樹脂を用いることとなる。この場合、表面層に用いる樹脂とシール層に用いる樹脂との融点差が小さくなり、実質的に重ねシール性が発現しない場合がある。30℃を超えると、表面層に用いる樹脂とガスバリア層に用いる樹脂であるPVDCとの融解温度差が大きくなり、表面層に用いる樹脂の流動性を考慮し、外観不良が発生しないよう押出加工温度を高くすると、PVDCが分解しやすく、フィルムに異物などが混入して外観が劣る場合がある。逆にPVDCの分解を考慮し、押出加工温度を低くすると、表面層に用いる樹脂を安定に押し出すことができずに、フィルム表面の平滑性が悪化して外観不良が発生する場合がある。
ガスバリア層の厚さは、1μm以上40μm以下であることが好ましい。より好ましくは、3μm以上30μm以下であり、特に好ましくは、4μm以上10μm以下である。ガスバリア層は、1層で形成するか、又は2層以上で形成してもよい。ガスバリア層を2層以上で形成する場合には、各層を同一の組成とするか、又は各層を異なる組成としてもよい。
(シール層)
シール層は、表面層とは反対側の表面に配置されて、袋の内面となり、ヒートシールされて袋を密封する役割をもつ。シール層は、ポリオレフィン系樹脂を含有することが好ましい。ポリオレフィン系樹脂は、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE);エチレン‐αオレフィン共重合体;エチレン‐酢酸ビニル共重合体(EVA)、炭素数が1〜4のエチレン‐アルキルアクリレート、エチレン‐メタクリル酸共重合体、エチレン‐メタクリル酸‐不飽和カルボン酸共重合体などのエチレン‐極性コモノマー共重合体;アイオノマーである。エチレン‐αオレフィン共重合体は、チーグラー‐ナッタ触媒を用いて得た共重合体、メタロセン触媒を用いて得た共重合体を包含する。エチレン‐αオレフィン共重合体の重合に用いるコモノマーとしてのαオレフィンは、例えば、炭素数が4のブテン‐1、炭素数が5のペンテン‐1、炭素数が6の4‐メチルペンテン‐1若しくはヘキセン‐1又は炭素数が8のオクテン‐1である。エチレン‐αオレフィン共重合体の具体例としては、密度が0.900g/cm3以上0.909g/cm3以下である超低密度ポリエチレン(VLDPE)、密度が0.910g/cm3以上0.925g/cm3以下である直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)である。アイオノマーは、例えば、ベースポリマーとして、エチレン‐不飽和カルボン酸共重合体又はエチレン‐エチレン性不飽和カルボン酸‐エチレン性不飽和カルボン酸エステル三元共重合体を用い、これら共重合体中のカルボキシル基を陽イオンで中和した樹脂を挙げることができる。不飽和カルボン酸は、例えば、メタクリル酸、アクリル酸であることが好ましい。不飽和カルボン酸の共重合割合は、3〜20質量%であることが好ましい。より好ましくは5〜15質量%であり、特に好ましくは7〜13質量%である。不飽和カルボン酸の共重合割合が大き過ぎると、シール強度が低下する傾向を示す。不飽和カルボン酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜6のアルキルエステルが好ましい。不飽和カルボン酸エステルの共重合割合は、3〜30質量%であることが好ましい。より好ましくは4〜15質量%であり、特に好ましくは5〜10質量%である。不飽和カルボン酸エステルの共重合割合が大き過ぎると過剰な柔軟性とベトツキにより製袋性が悪化したり、シール強度が低下したりする傾向を示す。中和に使用する陽イオンとしては、例えば、Na+、K+、Li+、Cs+、Ag+、Hg+、Cu+、Mg2+、Zn2+、Be2+、Ca2+、Ba2+、Cu2+、Cd2+、Hg2+、Sn2+、Pb2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Al3+、Sc3+、Fe3+、Y3+などの金属イオン、有機アミンを挙げることが出来る。これらの中で、Na+、K+、Ca2+、Zn2+などが好ましく用いられる。樹脂中の酸含量に対する樹脂中の金属又は有機アミン含量の割合(中和度)は、1〜15%であることが好ましい。より好ましくは3〜15%である。15%を超えると、実用上要求される水準のシール強度を得られることができない場合がある。中和度が15%以下のアイオノマーは、2種以上のイオン化度の異なるアイオノマーをブレンドして調製してもよい。また、アイオノマーは、例えば、エチレン‐メタクリル酸共重合体、エチレン‐メタクリル酸‐アクリル酸エステル三元共重合体などとブレンドして用いることができるが、アイオノマーのブレンド割合は、50質量%以上であることが好ましい。これらシール層に用いられる樹脂の中で、延伸性、低温シール性およびセルフウェルド性の点で、少なくともEVA又はアイオノマーのいずれか一方を含有することが好ましい。EVAの酢酸ビニル含量は、5〜30質量%であることが好ましい。より好ましくは10〜25質量%であり、特に好ましくは12〜18質量%である。シール層に用いる樹脂は、それぞれ単独で使用するか、又は2種以上を併用してもよい。なお、シール層は、ポリオレフィン系樹脂以外に、熱安定剤、可塑剤、酸化防止剤など各種添加剤を含有してもよい。
シール層は、表面層とは反対側の表面に配置されて、袋の内面となり、ヒートシールされて袋を密封する役割をもつ。シール層は、ポリオレフィン系樹脂を含有することが好ましい。ポリオレフィン系樹脂は、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE);エチレン‐αオレフィン共重合体;エチレン‐酢酸ビニル共重合体(EVA)、炭素数が1〜4のエチレン‐アルキルアクリレート、エチレン‐メタクリル酸共重合体、エチレン‐メタクリル酸‐不飽和カルボン酸共重合体などのエチレン‐極性コモノマー共重合体;アイオノマーである。エチレン‐αオレフィン共重合体は、チーグラー‐ナッタ触媒を用いて得た共重合体、メタロセン触媒を用いて得た共重合体を包含する。エチレン‐αオレフィン共重合体の重合に用いるコモノマーとしてのαオレフィンは、例えば、炭素数が4のブテン‐1、炭素数が5のペンテン‐1、炭素数が6の4‐メチルペンテン‐1若しくはヘキセン‐1又は炭素数が8のオクテン‐1である。エチレン‐αオレフィン共重合体の具体例としては、密度が0.900g/cm3以上0.909g/cm3以下である超低密度ポリエチレン(VLDPE)、密度が0.910g/cm3以上0.925g/cm3以下である直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)である。アイオノマーは、例えば、ベースポリマーとして、エチレン‐不飽和カルボン酸共重合体又はエチレン‐エチレン性不飽和カルボン酸‐エチレン性不飽和カルボン酸エステル三元共重合体を用い、これら共重合体中のカルボキシル基を陽イオンで中和した樹脂を挙げることができる。不飽和カルボン酸は、例えば、メタクリル酸、アクリル酸であることが好ましい。不飽和カルボン酸の共重合割合は、3〜20質量%であることが好ましい。より好ましくは5〜15質量%であり、特に好ましくは7〜13質量%である。不飽和カルボン酸の共重合割合が大き過ぎると、シール強度が低下する傾向を示す。不飽和カルボン酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜6のアルキルエステルが好ましい。不飽和カルボン酸エステルの共重合割合は、3〜30質量%であることが好ましい。より好ましくは4〜15質量%であり、特に好ましくは5〜10質量%である。不飽和カルボン酸エステルの共重合割合が大き過ぎると過剰な柔軟性とベトツキにより製袋性が悪化したり、シール強度が低下したりする傾向を示す。中和に使用する陽イオンとしては、例えば、Na+、K+、Li+、Cs+、Ag+、Hg+、Cu+、Mg2+、Zn2+、Be2+、Ca2+、Ba2+、Cu2+、Cd2+、Hg2+、Sn2+、Pb2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Al3+、Sc3+、Fe3+、Y3+などの金属イオン、有機アミンを挙げることが出来る。これらの中で、Na+、K+、Ca2+、Zn2+などが好ましく用いられる。樹脂中の酸含量に対する樹脂中の金属又は有機アミン含量の割合(中和度)は、1〜15%であることが好ましい。より好ましくは3〜15%である。15%を超えると、実用上要求される水準のシール強度を得られることができない場合がある。中和度が15%以下のアイオノマーは、2種以上のイオン化度の異なるアイオノマーをブレンドして調製してもよい。また、アイオノマーは、例えば、エチレン‐メタクリル酸共重合体、エチレン‐メタクリル酸‐アクリル酸エステル三元共重合体などとブレンドして用いることができるが、アイオノマーのブレンド割合は、50質量%以上であることが好ましい。これらシール層に用いられる樹脂の中で、延伸性、低温シール性およびセルフウェルド性の点で、少なくともEVA又はアイオノマーのいずれか一方を含有することが好ましい。EVAの酢酸ビニル含量は、5〜30質量%であることが好ましい。より好ましくは10〜25質量%であり、特に好ましくは12〜18質量%である。シール層に用いる樹脂は、それぞれ単独で使用するか、又は2種以上を併用してもよい。なお、シール層は、ポリオレフィン系樹脂以外に、熱安定剤、可塑剤、酸化防止剤など各種添加剤を含有してもよい。
シール層に用いる樹脂の密度は、0.880g/cm3以上0.940g/cm3以下であることが好ましい。より好ましくは、0.900g/cm3以上0.925g/cm3以下である。
シール層に用いる樹脂のMFR(190℃、2.16kg)は、0.5g/10分以上20g/10分以下であることが好ましい。より好ましくは、1.0g/10分以上15g/10分以下である。
シール層に用いる樹脂の融解温度は、80℃以上130℃以下であることが好ましい。より好ましくは、85℃以上100℃以下であり、特に好ましくは、85℃以上95℃以下である。80℃未満では、延伸時にブロッキングが発生して、延伸製膜性が劣る場合がある。130℃を超えると、内面のシール開始温度が高温側にシフトするため、重ねシール可能な温度幅が狭くなる場合がある。また、セルフウェルド性を発現させるためには、シール層に用いる樹脂の融解温度は、80℃以上100℃以下であることが好ましい。より好ましくは、80℃以上95℃以下であり、特に好ましくは、85℃以上95℃以下である。
シール層の融解温度は、表面層の融解温度よりも低く、その融解温度差は、35℃以上90℃以下であることが好ましい。より好ましくは40℃以上85℃以下であり、特に好ましくは45℃以上80℃以下である。表面層とシール層との融解温度差が35℃未満では、重ねシール性を発現する温度範囲が狭く、実用性に欠ける場合がある。表面層とシール層との融解温度差が90℃を超えると、加工温度差が大きくなり、シール層の融解温度が比較的高い場合には、表面層の融解温度が相対的に高くなる場合がある。この場合、押出加工温度が高くなるため、結果としてガスバリア層のPVDCが分解したり、表面の平滑性が劣ったりする場合がある。また、表面層の融解温度が比較的低い場合には、シール層の融解温度が相対的に低くなる。この場合、シール層のブロッキングが発生する場合がある。
シール層の厚さは、3μm以上50μm以下であることが好ましい。より好ましくは、5μm以上30μm以下であり、特に好ましくは、8μm以上20μm以下である。
(中間層T2)
ガスバリア層とシール層との間に、中間層T2を更に設けてもよい。中間層T2は、シール層の補強層として働き、シール強度を向上させる役割をもつ。また、延伸性及び収縮性を向上させる役割をもつ。中間層T2は、ポリオレフィン系樹脂を含有することが好ましい。ポリオレフィン系樹脂は、中間層T1で例示したものを使用でき、延伸性、シール層との接着性及び透明性の点で、EVA、炭素数が1〜4のエチレン‐アルキルアクリレート、エチレン‐メタクリル酸共重合体、エチレン‐メタクリル酸‐不飽和カルボン酸共重合体などのエチレン‐極性コモノマー共重合体;アイオノマーが特に好ましい。中間層T2に用いる樹脂は、それぞれ単独で使用するか、又は2種以上を併用してもよい。なお、中間層T2は、ポリオレフィン系樹脂以外に、熱安定剤、可塑剤、酸化防止剤など各種添加剤を含有してもよい。
ガスバリア層とシール層との間に、中間層T2を更に設けてもよい。中間層T2は、シール層の補強層として働き、シール強度を向上させる役割をもつ。また、延伸性及び収縮性を向上させる役割をもつ。中間層T2は、ポリオレフィン系樹脂を含有することが好ましい。ポリオレフィン系樹脂は、中間層T1で例示したものを使用でき、延伸性、シール層との接着性及び透明性の点で、EVA、炭素数が1〜4のエチレン‐アルキルアクリレート、エチレン‐メタクリル酸共重合体、エチレン‐メタクリル酸‐不飽和カルボン酸共重合体などのエチレン‐極性コモノマー共重合体;アイオノマーが特に好ましい。中間層T2に用いる樹脂は、それぞれ単独で使用するか、又は2種以上を併用してもよい。なお、中間層T2は、ポリオレフィン系樹脂以外に、熱安定剤、可塑剤、酸化防止剤など各種添加剤を含有してもよい。
中間層T2に用いる樹脂の融解温度は、特に制限はないが、70℃以上120℃以下であることが好ましい。より好ましくは、80℃以上100℃以下である。
中間層T2に用いる樹脂の密度は、0.880g/cm3以上0.960g/cm3以下であることが好ましい。より好ましくは、0.900g/cm3以上0.940g/cm3以下である。
中間層T2に用いる樹脂のMFR(190℃、2.16kg)は、0.5g/10分以上20g/10分以下であることが好ましい。より好ましくは、1.0g/10分以上15g/10分以下である。
中間層T2の厚さは、3μm以上50μm以下であることが好ましい。より好ましくは、5μm以上30μm以下であり、特に好ましくは、8μm以上20μm以下である。中間層T2は、1層で形成するか、又は2層以上で形成してもよい。中間層T2を2層以上で形成する場合には、各層を同一の組成とするか、又は各層を異なる組成としてもよい。
(接着層S2)
ガスバリア層と中間層T2との間に、接着層S2を更に設けてもよい。接着層S2は、ガスバリア層に隣接する層であり、ガスバリア層に対する接着性をより良好とする役割をもつ。接着層S2は、接着層S1で例示した接着性樹脂を使用でき、それぞれ単独で使用するか、又は2種以上を併用してもよい。また、接着層S2は、接着性樹脂以外に、熱安定剤、可塑剤、酸化防止剤など各種添加剤を含有してもよい。
ガスバリア層と中間層T2との間に、接着層S2を更に設けてもよい。接着層S2は、ガスバリア層に隣接する層であり、ガスバリア層に対する接着性をより良好とする役割をもつ。接着層S2は、接着層S1で例示した接着性樹脂を使用でき、それぞれ単独で使用するか、又は2種以上を併用してもよい。また、接着層S2は、接着性樹脂以外に、熱安定剤、可塑剤、酸化防止剤など各種添加剤を含有してもよい。
接着層S2に用いる樹脂の融解温度は、特に制限はないが、70℃以上130℃以下であることが好ましい。より好ましくは、80℃以上120℃以下である。
接着層S2に用いる樹脂の密度は、0.880g/cm3以上0.960g/cm3以下であることが好ましい。より好ましくは、0.900g/cm3以上0.940g/cm3以下である。
接着層S2に用いる樹脂のMFR(190℃、2.16kg)は、0.5g/10分以上20g/10分以下であることが好ましい。より好ましくは、1.0g/10分以上15g/10分以下である。
接着層S2の厚さは、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。より好ましくは、1μm以上5μm以下である。
(熱収縮性多層フィルム)
本実施形態に係る熱収縮性多層フィルムは、少なくとも表面層と、中間層T1と、ガスバリア層と、シール層とを有する多層構造を備える。多層構造は、一方の表面に表面層を配置し、かつ、他方の表面にシール層を配置していればよく、用途に応じて様々な形態とすることができる。多層構造の形態例としては、表面層、中間層T1、ガスバリア層及びシール層を順次積層した4層構造、表面層、中間層T1、ガスバリア層、中間層T2及びシール層を順次積層した5層構造、表面層、中間層T1、接着層S1、ガスバリア層、中間層T2及びシール層を順次積層した6層構造、表面層、中間層T1、接着層S1、ガスバリア層、接着層S2、中間層T2及びシール層を順次積層した7層構造である。ただし、これらはあくまでも例示であって、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
本実施形態に係る熱収縮性多層フィルムは、少なくとも表面層と、中間層T1と、ガスバリア層と、シール層とを有する多層構造を備える。多層構造は、一方の表面に表面層を配置し、かつ、他方の表面にシール層を配置していればよく、用途に応じて様々な形態とすることができる。多層構造の形態例としては、表面層、中間層T1、ガスバリア層及びシール層を順次積層した4層構造、表面層、中間層T1、ガスバリア層、中間層T2及びシール層を順次積層した5層構造、表面層、中間層T1、接着層S1、ガスバリア層、中間層T2及びシール層を順次積層した6層構造、表面層、中間層T1、接着層S1、ガスバリア層、接着層S2、中間層T2及びシール層を順次積層した7層構造である。ただし、これらはあくまでも例示であって、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
本実施形態に係る熱収縮性多層フィルムの厚さは、20μm以上150μm以下であることが好ましい。より好ましくは30μm以上120μm以下であり、特に好ましくは、40μm以上80μm以下である。20μm未満では、機械的強度が不足する場合がある。150μmを超えると、ヒートシールに要する時間が長くなり、包装適性が劣る場合がある。また、延伸加工性が劣る場合がある。
本実施形態に係る熱収縮性フィルムでは、80℃の熱水収縮後のHazeが5%以上40%以下であることが好ましい。より好ましくは5%以上30%以下である。表面層にポリ乳酸を用いることで、他の層の熱収縮に追従性が良好であるため、真空包装後の外観を良好にすることができる。
本実施形態に係る熱収縮性多層フィルムはセルフウェルド性を有することが好ましい。セルフウェルド性とは、ある特定温度で熱収縮、熱殺菌、クッキング等の熱処理した際に袋又はパウチの収縮後の耳部において、シール層同士が熱によって融着する性質をいう。例えば、生肉包装の場合では85℃にて熱収縮をさせたり、加工肉の場合では95℃にて熱殺菌させたりすることがある。このとき、袋又は収縮後の耳部におけるシール層同士の積分平均融着力は、1N/15mm以上であることが好ましい。より好ましくは3N/15mm以上であり、特に好ましくは、5N/15mm以上である。1N/15mm未満では、実質的なセルフウェルド性を有さず、包装後の保存中にドリップが耳部に溜まり、見栄えが悪くなる場合がある。
本実施形態に係る熱収縮性多層フィルムは、フィルムの機械方向(MD方向)又はフィルムの機械方向に垂直な方向(TD方向)の少なくともいずれか一方の80℃における熱水収縮率が30%以上60%以下であることが好ましい。より好ましくは35%以上55%以下である。特に好ましくは、45%以上55%以下である。熱水収縮率が30%未満では、収縮量が不足して包装体の見栄えが悪くなる場合がある。熱水収縮率が60%を超えると、過度の収縮によって内容物が変形するおそれがある。ここで、熱水収縮率は、熱水(80℃)に浸漬する前のフィルムのMD方向又はTD方向の長さと熱水に浸漬した後のフィルムの長さとの差を、熱水に浸漬する前のフィルムのMD方向又はTD方向の長さで除して百分率で表したものである。
本実施形態に係る熱収縮性多層フィルムは、重ねシール性を有する。ここで、重ねシール性とは、多層フィルムでシール層を内側に向けて包装袋を形成し、該包装袋同士を重ねてヒートシールしたとき、各包装袋のシール層同士が熱融着し、かつ、表面層同士が熱融着しない又は剥離可能な程度にしか熱融着しない性質をいう。このとき、シール層同士の融着強度(シール強度ともいう。)は、5N/15mm以上であることが好ましく、10N/15mm以上であることがより好ましく、15N/15mm以上であることが更に好ましい。各包装袋のシール層同士の融着強度が5N/15mm未満では、密閉性が不足して、包装工程時又は輸送時に袋内に空気が入る場合がある。一方、表面層同士の融着強度は、5N/15mm未満であることが好ましく、1.5N/15mm以下であることがより好ましく、1.0N/15mm以下であることが更に好ましい。表面層同士の融着強度が5N/15mm以上では、包装袋同士を引き離す時に抵抗が大きく、実用的な重ねシール性を有するとはいいがたい。また、シール強度の測定方法は、実施例で記載したとおりである。
次に、本実施形態に係る熱収縮性多層フィルムの製造方法について説明する。
本実施形態に係る熱収縮性多層フィルムの製造方法は、少なくとも、表面層形成用樹脂組成物、中間層T1形成用樹脂組成物、ガスバリア層形成用樹脂組成物及びシール層形成用樹脂組成物をそれぞれ押し出して、多層構造を有する積層体を形成する積層工程と積層体を延伸する延伸工程とを有することが好ましい。
本実施形態に係る熱収縮性多層フィルムは、共押出し法で形成されていることが好ましい。ドライラミネート法又はウェットラミネート法などの共押出し法以外の積層方法で形成されたフィルムは、通常各層間にドライラミネート用接着剤又はアンカーコート剤などからなる接着剤層を有する。接着剤層を有するフィルムは、接着剤層によって透明性が阻害される場合がある。さらに、熱収縮後は接着層がフィルムの収縮に追従できず、透明性が更に低くなるという問題が生じる場合がある。また、接着剤層を有するフィルムは、フィルムの製造工程及び製造装置が複雑となり、コストが増大する。一方、共押出し法で形成したフィルムは接着剤層を有さないため、接着剤層によって透明性が阻害されない。また、より低コストとすることができる。
本実施形態に係る熱収縮性多層フィルムでは、多層構造を形成する方法は特に制限はないが、溶融押出法であることが好ましい。溶融押出法は、例えば、インフレーション法、Tダイ法である。この中で、インフレーション法であることがより好ましい。次に、インフレーション法で製造する方法を例にとって説明する。
(積層工程)
積層工程では、多層構造を有する未延伸の積層体を形成する。まず、少なくとも、表面層形成用樹脂組成物、中間層T1形成用樹脂組成物、ガスバリア層形成用樹脂組成物及びシール層形成用樹脂組成物と、必要に応じて、中間層T2形成樹脂組成物、接着層S1形成用樹脂組成物及び接着層S2形成用樹脂組成物との各層を形成するための樹脂組成物をそれぞれ押出機に投入して溶融する。次に、環状ダイで、一方の表面に表面層を配置し、かつ、他方の表面にシール層を配置してなる多層構造に溶融接合して管状に共押出する。このとき、管状の外側に表面層を配置し、かつ、内側にシール層を配置することがより好ましい。これを、冷却水で冷却して、偏平管状で未延伸の積層体を得る。
積層工程では、多層構造を有する未延伸の積層体を形成する。まず、少なくとも、表面層形成用樹脂組成物、中間層T1形成用樹脂組成物、ガスバリア層形成用樹脂組成物及びシール層形成用樹脂組成物と、必要に応じて、中間層T2形成樹脂組成物、接着層S1形成用樹脂組成物及び接着層S2形成用樹脂組成物との各層を形成するための樹脂組成物をそれぞれ押出機に投入して溶融する。次に、環状ダイで、一方の表面に表面層を配置し、かつ、他方の表面にシール層を配置してなる多層構造に溶融接合して管状に共押出する。このとき、管状の外側に表面層を配置し、かつ、内側にシール層を配置することがより好ましい。これを、冷却水で冷却して、偏平管状で未延伸の積層体を得る。
(延伸工程)
延伸工程では、得られた偏平管状の未延伸の積層体を延伸して、延伸フィルムを形成する。まず、偏平管状の未延伸の積層体を、例えば、温水浴中を通過させることで加熱処理した後、管状の内部に空気を吹き込み、バブル形状の管状フィルムを形成し、冷風エアリングで冷却しながら、MD方向及びTD方向に同時二軸延伸する。延伸工程において、未延伸の積層体を加熱処理する温度は、70〜95℃であることが好ましく、75〜90℃であることがより好ましい。また、冷風エアリングの温度は、5〜25℃であることが好ましい。延伸倍率は、MD方向及びTD方向に、それぞれ2〜4倍であることが好ましい。MD方向の延伸倍率とTD方向の延伸倍率とは、同じとするか、又は異なるものとしてもよい。
延伸工程では、得られた偏平管状の未延伸の積層体を延伸して、延伸フィルムを形成する。まず、偏平管状の未延伸の積層体を、例えば、温水浴中を通過させることで加熱処理した後、管状の内部に空気を吹き込み、バブル形状の管状フィルムを形成し、冷風エアリングで冷却しながら、MD方向及びTD方向に同時二軸延伸する。延伸工程において、未延伸の積層体を加熱処理する温度は、70〜95℃であることが好ましく、75〜90℃であることがより好ましい。また、冷風エアリングの温度は、5〜25℃であることが好ましい。延伸倍率は、MD方向及びTD方向に、それぞれ2〜4倍であることが好ましい。MD方向の延伸倍率とTD方向の延伸倍率とは、同じとするか、又は異なるものとしてもよい。
本実施形態では、寸法安定性の点で、延伸後に、熱緩和処理を行うことが好ましい。
(放射線照射工程)
本実施形態に係る熱収縮性多層フィルムの製造方法は、放射線照射工程を更に有することが好ましい。放射線照射では、その適度な架橋効果によって、延伸成膜性、機械的強度などが改善される。特に表面層に放射線照射することで、重ねシール可能な温度幅をより広くすることができる。放射線は、例えば、α線、β線、電子線(EB、electron beam)、γ線、X線である。この中で、照射前後での架橋効果の観点から電子線、γ線が好ましく、成形物を製造する上での作業性又は生産能力の高さなどの観点から電子線が特に好ましい。
本実施形態に係る熱収縮性多層フィルムの製造方法は、放射線照射工程を更に有することが好ましい。放射線照射では、その適度な架橋効果によって、延伸成膜性、機械的強度などが改善される。特に表面層に放射線照射することで、重ねシール可能な温度幅をより広くすることができる。放射線は、例えば、α線、β線、電子線(EB、electron beam)、γ線、X線である。この中で、照射前後での架橋効果の観点から電子線、γ線が好ましく、成形物を製造する上での作業性又は生産能力の高さなどの観点から電子線が特に好ましい。
前述の放射線の照射条件は、目的とする用途に応じて、適宜設定すればよい。例えば、電子線の照射条件は、加速電圧が150〜500kVの範囲で、吸収線量が50〜250kGy(キログレイ)であることが好ましく、80〜200kGyであることがより好ましい。
放射線照射工程は、積層工程と延伸工程との間で行うか、又は延伸工程後に行ってもよい。また、放射線の照射は、積層工程後又は延伸工程後、巻取り工程を経ずに行うインラインとするか、又は積層工程後又は延伸工程後、巻取り工程を経てから行うオフラインとしてもよい。
次に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
使用した樹脂の種類は、表1のとおりである。以降、表1に示す略称名を用いる。また、各実施例の層構成及び表面層とガスバリア層との融解温度差を表2に、各比較例の層構成及び表面層とガスバリア層との融解温度を表3に示す。
なお、樹脂、表面層及びシール層の融解温度の測定方法は次のとおりである。各層の融解温度は、各層を剥離するか、又は削り出すことでサンプルを準備した。また、他層と積層した状態で測定しても各層の融解温度に影響がないと考えられる場合には、他層と積層した状態で各層の融解温度を求めた。
<融解温度(Tm)>
示差走査熱量測定装置(DSC8500、パーキンエルマー社製)を用いて、次に示す温度プログラムで融解温度(Tm)を測定した。Tmは、次に示す温度プログラムの(5)における(2回目の昇温)の吸熱ピークとした。なお、複数のピークを有する場合には、最大の融解ピーク温度をTmとした。
温度プログラム;
(1)−30〜200℃ 10℃/minで昇温
(2)200℃で1分保持
(3)200〜−30℃ 10℃/minで降温
(4)−30℃で1分保持
(5)−30〜200℃ 10℃/minで昇温
示差走査熱量測定装置(DSC8500、パーキンエルマー社製)を用いて、次に示す温度プログラムで融解温度(Tm)を測定した。Tmは、次に示す温度プログラムの(5)における(2回目の昇温)の吸熱ピークとした。なお、複数のピークを有する場合には、最大の融解ピーク温度をTmとした。
温度プログラム;
(1)−30〜200℃ 10℃/minで昇温
(2)200℃で1分保持
(3)200〜−30℃ 10℃/minで降温
(4)−30℃で1分保持
(5)−30〜200℃ 10℃/minで昇温
(実施例1)
PLA、EVA−2、EMA、PVDC、EMA、EVA−1及びIonomer−2を複数の押出機でそれぞれ押出し、溶融された樹脂を環状ダイに導入した。ここで、外側から内側へ順にPLA/EVA−2/EMA/PVDC/EMA/EVA−1/Ionomer−2となるように溶融接合し、共押出した。ダイ出口から流出した溶融管状体を10〜20℃の冷水シャワーリングによって冷却し、偏平幅113mmの管状体とした。該扁平管状体にインラインで加速電圧275kVの電子線照射装置中で電子線照射して、100kGyの照射線量を与えた。次いで、該偏平管状体を81℃の温水浴中を通過させた後、バブル形状の管状体フィルムとし、5〜20℃の冷風エアリングで冷却しながらインフレーション法により縦方向(MD)に3.4倍、横方向(TD)に3.4倍の延伸倍率で同時二軸延伸した。次いで該二軸延伸フィルムを、熱緩和させ、二軸延伸フィルム(熱収縮性多層フィルム)を製造した。得られた二軸延伸フィルムの偏平幅は340mmであった。各層構成比(カッコ内の数値は各層の厚さ)は、PLA(2.0μm)/EVA−2(22μm)/EMA(1.5μm)/PVDC(7μm)/EMA(1.5μm)/EVA−1(10μm)/Ionomer−2(10μm)であった。フィルムの総厚さは54μmであった。
PLA、EVA−2、EMA、PVDC、EMA、EVA−1及びIonomer−2を複数の押出機でそれぞれ押出し、溶融された樹脂を環状ダイに導入した。ここで、外側から内側へ順にPLA/EVA−2/EMA/PVDC/EMA/EVA−1/Ionomer−2となるように溶融接合し、共押出した。ダイ出口から流出した溶融管状体を10〜20℃の冷水シャワーリングによって冷却し、偏平幅113mmの管状体とした。該扁平管状体にインラインで加速電圧275kVの電子線照射装置中で電子線照射して、100kGyの照射線量を与えた。次いで、該偏平管状体を81℃の温水浴中を通過させた後、バブル形状の管状体フィルムとし、5〜20℃の冷風エアリングで冷却しながらインフレーション法により縦方向(MD)に3.4倍、横方向(TD)に3.4倍の延伸倍率で同時二軸延伸した。次いで該二軸延伸フィルムを、熱緩和させ、二軸延伸フィルム(熱収縮性多層フィルム)を製造した。得られた二軸延伸フィルムの偏平幅は340mmであった。各層構成比(カッコ内の数値は各層の厚さ)は、PLA(2.0μm)/EVA−2(22μm)/EMA(1.5μm)/PVDC(7μm)/EMA(1.5μm)/EVA−1(10μm)/Ionomer−2(10μm)であった。フィルムの総厚さは54μmであった。
(実施例2)
層構成比(カッコ内の数値は各層の厚さ)を外側から内側へ順にPLA(2.0μm)/Ionomer−2(22μm)/EMA(1.5μm)/PVDC(7μm)/EMA(1.5μm)/EVA−1(10μm)/EVA−3(10μm)とした以外は、実施例1と同様にして熱収縮性多層フィルムを製造した。
層構成比(カッコ内の数値は各層の厚さ)を外側から内側へ順にPLA(2.0μm)/Ionomer−2(22μm)/EMA(1.5μm)/PVDC(7μm)/EMA(1.5μm)/EVA−1(10μm)/EVA−3(10μm)とした以外は、実施例1と同様にして熱収縮性多層フィルムを製造した。
(実施例3)
層構成比(カッコ内の数値は各層の厚さ)を外側から内側へ順にPLA(3.0μm)/EVA−1(12μm)/mod−VL(1.5μm)/PVDC(6μm)/mod−VL(1.5μm)/Ionomer−1(30μm)とした以外は、実施例1と同様にして熱収縮性多層フィルムを製造した。
層構成比(カッコ内の数値は各層の厚さ)を外側から内側へ順にPLA(3.0μm)/EVA−1(12μm)/mod−VL(1.5μm)/PVDC(6μm)/mod−VL(1.5μm)/Ionomer−1(30μm)とした以外は、実施例1と同様にして熱収縮性多層フィルムを製造した。
(比較例1)
層構成比(カッコ内の数値は各層の厚さ)を外側から内側へ順にVLDPE(2.0μm)/EVA−2(22μm)/EMA(1.5μm)/PVDC(7μm)/EMA(1.5μm)/EVA−1(10μm)/Ionomer−2(10μm)とした以外は、実施例1と同様にして熱収縮性多層フィルムを製造した。
層構成比(カッコ内の数値は各層の厚さ)を外側から内側へ順にVLDPE(2.0μm)/EVA−2(22μm)/EMA(1.5μm)/PVDC(7μm)/EMA(1.5μm)/EVA−1(10μm)/Ionomer−2(10μm)とした以外は、実施例1と同様にして熱収縮性多層フィルムを製造した。
(比較例2)
層構成比(カッコ内の数値は各層の厚さ)を外側から内側へ順にLLDPE(2.0μm)/EVA−2(22μm)/EMA(1.5μm)/PVDC(7μm)/EMA(1.5μm)/EVA−1(10μm)/Ionomer−2(10μm)とした以外は、実施例1と同様にして熱収縮性多層フィルムを製造した。
層構成比(カッコ内の数値は各層の厚さ)を外側から内側へ順にLLDPE(2.0μm)/EVA−2(22μm)/EMA(1.5μm)/PVDC(7μm)/EMA(1.5μm)/EVA−1(10μm)/Ionomer−2(10μm)とした以外は、実施例1と同様にして熱収縮性多層フィルムを製造した。
(比較例3)
層構成比(カッコ内の数値は各層の厚さ)を外側から内側へ順にVLDPE(2.0μm)/Ionomer−2(22μm)/EMA(1.5μm)/PVDC(7μm)/EMA(1.5μm)/EVA−1(10μm)/VLDPE(10μm)とした以外は、実施例1と同様にして熱収縮性多層フィルムを製造した。
層構成比(カッコ内の数値は各層の厚さ)を外側から内側へ順にVLDPE(2.0μm)/Ionomer−2(22μm)/EMA(1.5μm)/PVDC(7μm)/EMA(1.5μm)/EVA−1(10μm)/VLDPE(10μm)とした以外は、実施例1と同様にして熱収縮性多層フィルムを製造した。
(比較例4)
層構成比(カッコ内の数値は各層の厚さ)を外側から内側へ順にVLDPE(1.5μm)/EVA−1(12μm)/mod−VL(1.5μm)/PVDC(5μm)/mod−VL(1.5μm)/Ionomer−1(30μm)とした以外は、実施例1と同様にして熱収縮性多層フィルムを製造した。
層構成比(カッコ内の数値は各層の厚さ)を外側から内側へ順にVLDPE(1.5μm)/EVA−1(12μm)/mod−VL(1.5μm)/PVDC(5μm)/mod−VL(1.5μm)/Ionomer−1(30μm)とした以外は、実施例1と同様にして熱収縮性多層フィルムを製造した。
得られた実施例及び比較例の熱収縮性多層フィルムについて、次の評価を行った。各実施例の評価結果を表2に、各比較例の評価結果を表3に示す。
<熱水収縮率>
ASTM D−2732に準拠して、フィルムの機械方向(縦方向、MD方向)及び機械方向に垂直な方向(横方向、TD方向)に、それぞれ10cmの距離で印をつけたフィルム試料を、80℃に調整した熱水に10秒間浸漬した後取り出し、直ちに常温の水で冷却した。その後、印をつけた距離を測定し、10cmからの減少値を原長10cmに対する割合として百分率で表示した。各例について5回試験を行い、MD方向及びTD方向のそれぞれの平均値を熱水収縮率とした。
ASTM D−2732に準拠して、フィルムの機械方向(縦方向、MD方向)及び機械方向に垂直な方向(横方向、TD方向)に、それぞれ10cmの距離で印をつけたフィルム試料を、80℃に調整した熱水に10秒間浸漬した後取り出し、直ちに常温の水で冷却した。その後、印をつけた距離を測定し、10cmからの減少値を原長10cmに対する割合として百分率で表示した。各例について5回試験を行い、MD方向及びTD方向のそれぞれの平均値を熱水収縮率とした。
<透明性>
JIS K 7136:2000「プラスチック−透明材料のヘーズの求め方」に記載された方法に準拠して、ヘーズメーター(日本電色工業社製 Haze Meter NDH2000)を使用し、フィルムの曇り度(Haze 単位:%)を測定した。なお、Hazeは、値が小さくなるほど透明性に優れ、値が大きくなるほど透明性が悪くなることを意味する。
JIS K 7136:2000「プラスチック−透明材料のヘーズの求め方」に記載された方法に準拠して、ヘーズメーター(日本電色工業社製 Haze Meter NDH2000)を使用し、フィルムの曇り度(Haze 単位:%)を測定した。なお、Hazeは、値が小さくなるほど透明性に優れ、値が大きくなるほど透明性が悪くなることを意味する。
<重ねシール性>
得られた筒状のフィルムを2組重ね合わせ、真空包装機(AGW、Multivac社製)を用いて、真空タイマー3.0に固定し、シールバー温度を145℃、155℃及び165℃と変化させ、各温度においてTD方向とシール線とが平行になるようシールした。なお、シールバー温度の測定は、サーモラベル(5E、日油技研工業社製)をシールバーに貼り付けて行った。2組のフィルムを重ね合わせた状態のまま、その重なり部分を15mm幅にカットし、試料片とした。以降、便宜上、ヒートシールの際の熱源となる部分に接する側の袋を熱源側袋とし、熱源ではない部分に接する袋側を非熱源側袋とする。このとき、熱源側袋内面のシールを内面(熱源側)、非熱源側袋内面のシールを内面(非熱源側)、袋同士の融着を外面とする。それぞれの部分のシール強度を、万能型引張試験機(テンシロンRTM−100、オリエンテック社製)を用いて測定した。このとき、チャック間距離は20mm、試験速度は300mm/分とした。各温度における内面(熱源側)、内面(非熱源側)及び外面の各シール強度をシール強度として表2、表3に示した。また、内面(熱源側)、内面(非熱源側)及び外面の各シール強度から重ねシール性を次のように判断した。
○:内面(熱源側)及び内面(非熱源側)のシール強度が5N/15mm以上であり、かつ、外面の強度が5N/15mm未満であり、重ねシール性を示す(実用レベル)。
×:外面のシール強度が5N/15mm以上であり、重ねシール性を示さない(実用不可レベル)。
得られた筒状のフィルムを2組重ね合わせ、真空包装機(AGW、Multivac社製)を用いて、真空タイマー3.0に固定し、シールバー温度を145℃、155℃及び165℃と変化させ、各温度においてTD方向とシール線とが平行になるようシールした。なお、シールバー温度の測定は、サーモラベル(5E、日油技研工業社製)をシールバーに貼り付けて行った。2組のフィルムを重ね合わせた状態のまま、その重なり部分を15mm幅にカットし、試料片とした。以降、便宜上、ヒートシールの際の熱源となる部分に接する側の袋を熱源側袋とし、熱源ではない部分に接する袋側を非熱源側袋とする。このとき、熱源側袋内面のシールを内面(熱源側)、非熱源側袋内面のシールを内面(非熱源側)、袋同士の融着を外面とする。それぞれの部分のシール強度を、万能型引張試験機(テンシロンRTM−100、オリエンテック社製)を用いて測定した。このとき、チャック間距離は20mm、試験速度は300mm/分とした。各温度における内面(熱源側)、内面(非熱源側)及び外面の各シール強度をシール強度として表2、表3に示した。また、内面(熱源側)、内面(非熱源側)及び外面の各シール強度から重ねシール性を次のように判断した。
○:内面(熱源側)及び内面(非熱源側)のシール強度が5N/15mm以上であり、かつ、外面の強度が5N/15mm未満であり、重ねシール性を示す(実用レベル)。
×:外面のシール強度が5N/15mm以上であり、重ねシール性を示さない(実用不可レベル)。
<重ねシール性の総合評価>
重ねシール性評価において、次のとおり総合評価を行った。
+++:重ねシール性評価で○が3個であった(実用レベル)。
++:重ねシール性評価で○が2個であった(実用レベル)。
+:重ねシール性評価で○が1個であった(実用下限レベル)。
−:重ねシール性評価で○が0個であった(実用不可レベル)。
重ねシール性評価において、次のとおり総合評価を行った。
+++:重ねシール性評価で○が3個であった(実用レベル)。
++:重ねシール性評価で○が2個であった(実用レベル)。
+:重ねシール性評価で○が1個であった(実用下限レベル)。
−:重ねシール性評価で○が0個であった(実用不可レベル)。
<セルフウェルド性評価>(内面セルフウェルド性)
得られた筒状のフィルムを袋状に加工し、内部を真空にした後、開口部をシールして内容物を包装した時の耳部を擬似的に作製した。得られた試料を85℃又は95℃の熱水の中に1秒浸漬して収縮させた後、取り出し、直ちに常温の水中で冷却した。収縮させた試料を23℃、50%相対湿度の恒温恒湿室中に24時間以上放置した後、シール層内面同士が融着した部分を15mm幅にカットして、融着部の長さ30mmの試料片とした。得られた試料片の積分平均融着力を万能型引張試験機(テンシロンRTM−100、オリエンテック社製)を用いて、85℃におけるセルフウェルド性及び95℃におけるセルフウェルド性をそれぞれ測定した。このとき、チャック間距離は20mm、試験速度は200mm/分とした。積分平均融着力が1N/15mm以上であれば、セルフウェルド性が実用レベルである。
得られた筒状のフィルムを袋状に加工し、内部を真空にした後、開口部をシールして内容物を包装した時の耳部を擬似的に作製した。得られた試料を85℃又は95℃の熱水の中に1秒浸漬して収縮させた後、取り出し、直ちに常温の水中で冷却した。収縮させた試料を23℃、50%相対湿度の恒温恒湿室中に24時間以上放置した後、シール層内面同士が融着した部分を15mm幅にカットして、融着部の長さ30mmの試料片とした。得られた試料片の積分平均融着力を万能型引張試験機(テンシロンRTM−100、オリエンテック社製)を用いて、85℃におけるセルフウェルド性及び95℃におけるセルフウェルド性をそれぞれ測定した。このとき、チャック間距離は20mm、試験速度は200mm/分とした。積分平均融着力が1N/15mm以上であれば、セルフウェルド性が実用レベルである。
表2に示すとおり、各実施例の熱収縮性多層フィルムは、いずれも表面層にポリ乳酸を用いたため、熱収縮後の透明性に優れ、実用的な重ねシール性を有していた。また、各実施例はシール層にアイオノマー又はEVAを用いたため、セルフウェルド性を有していた。一方、各比較例は、表面層にVLDPE又はLLDPEを用いたため、重ねシール性を有しなかった。また、比較例2は、表面層にLLDPEを用いたため、熱収縮後の透明性が大きく低下した。比較例3は、シール層にVLDPEを用いため、セルフウェルド性が実用不可レベルであった。
Claims (6)
- 表面層と、中間層T1と、ガスバリア層と、シール層とを有する多層構造を備え、該多層構造は、一方の表面に前記表面層を配置し、かつ、他方の表面に前記シール層を配置してなる熱収縮性多層フィルムにおいて、
前記表面層が、ポリ乳酸を含有し、
前記ガスバリア層が、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含有することを特徴とする熱収縮性多層フィルム。 - 前記表面層の融解温度が、前記ガスバリア層の融解温度よりも高く、
前記表面層と前記ガスバリア層との融解温度差が18℃以上30℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱収縮性多層フィルム。 - 前記多層構造は、前記ガスバリア層と前記シール層との間に、中間層T2を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱収縮性多層フィルム。
- 前記シール層が、少なくともアイオノマー又はエチレン‐酢酸ビニル共重合体のいずれか一方を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の熱収縮性多層フィルム。
- 熱処理によってセルフウェルド性を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の熱収縮性多層フィルム。
- 80℃の熱水収縮後のHazeが5%以上40%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の熱収縮性多層フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013160627A JP2015030171A (ja) | 2013-08-01 | 2013-08-01 | 熱収縮性多層フィルム |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
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ID=52515933
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105729967A (zh) * | 2016-03-15 | 2016-07-06 | 湖南工业大学 | 一种多层聚乳酸复合阻隔高强度膜 |
-
2013
- 2013-08-01 JP JP2013160627A patent/JP2015030171A/ja active Pending
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CN105729967A (zh) * | 2016-03-15 | 2016-07-06 | 湖南工业大学 | 一种多层聚乳酸复合阻隔高强度膜 |
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