JP2015028335A - バルブ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
バルブ駆動用の電動アクチュエータを制御装置によりコントロールするバルブ装置として、特許文献1に開示される排気ガス再循環装置(EGR装置)が知られている。
特許文献1の排気ガス再循環装置には、目標EGR率に応じて設定されたバルブの目標開度と、開度センサの検出開度(実開度)とが一致するように、電動アクチュエータの電動モータを制御装置によってフィードバック制御する技術が開示されている。
開弁状態のバルブを全閉させる際、全閉までの時間を短縮する手段として、電動モータを閉弁方向へ通電制御することが考えられる。その際、全閉開度θ0でメカストッパが強く当たると、衝突音が発生したり、衝突によって破損が生じる懸念がある。
そこで、メカストッパの機械的な衝突を回避するために、バルブの閉弁速度を全閉開度θ0の直前で減速する必要がある。
(i)全閉開度θ0より開弁側に設定した通電停止開度θaに検出開度が達するまで電動モータを閉弁方向へ通電制御し、
(ii)検出開度が通電停止開度θaに達した後は、電動モータの通電を停止して、リターンスプリングの付勢力のみでバルブを全閉開度θ0へ戻すことが考えられる。
また、電動モータの通電停止後は、通電停止開度θaにおいて十分に減速したバルブを、復元力が低下したリターンスプリングの付勢力だけで閉弁させることになり、通電停止開度θaから全閉開度θ0に達するまでに時間を要してしまう。
(i)全閉開度(θ0)より開弁側に設定した通電停止開度(θa)に検出開度が達するまで電動モータを閉弁方向へ通電制御し、検出開度が通電停止開度(θa)に達した後は、電動モータの通電を停止して、リターンスプリングの付勢力でバルブを全閉開度(θ0)へ戻す技術と、
(ii)開弁状態のバルブを全閉させる際、全閉時の目標開度(θb)を、通電停止開度(θa)よりも閉弁側に設定する技術とを用いる。
また、通電停止開度(θa)に達した後は、電動アクチュエータによる閉弁方向の慣性力を利用して、全閉開度(θ0)に近づくまでの時間を短縮できる。
即ち、本発明は、開弁状態のバルブを全閉させる際、メカストッパの衝突を抑えて、全閉までの時間を短縮できる。
排気ガス再循環装置は、排気通路を流れる排気ガスの一部を吸気通路へ戻すEGR通路(通路の一例)1の開閉および開度調整を行なうEGRバルブユニット2を少なくとも備えるものであり、このEGRバルブユニット2が制御装置(ECU)3により制御される。
なお、以下では、図1の図示上側を上、図示下側を下と称して説明するが、この上下は実施例の説明のための方向であり、限定されるものではない。
・内部にEGR通路1の一部を形成するハウジング4と、
・EGR通路1中に配置されるバルブ5と、
・このバルブ5を支持するシャフト6と、
・このシャフト6に回転力を付与する電動アクチュエータ7と、
を備える。
・通電により回転動力を発生する電動モータ8と、
・この電動モータ8の回転トルクを増幅してシャフト6に伝達する歯車減速機9と、
・シャフト6を介してバルブ5を閉弁方向のみに向けて付勢するリターンスプリング10と、
・シャフト6を介してバルブ5の開度を検出する開度センサ11と、
を備える。
ハウジング4は、アルミニウム合金のダイキャスト製であり、ハウジング4の内部に形成されるEGR通路1の内壁には、耐熱性、耐腐食性に優れた部材(例えば、ステンレス)によって設けられた円筒形状を呈したノズル12が固定配置されている。このノズル12の内周は、ハウジング4内のEGR通路1の一部の内壁を成す。
ここで、バルブ5は、外周縁に別体のシールリングを用いないシールリングレスタイプである。
バルブ5はシャフト6の下端に固定されるものであり、シャフト6と一体にバルブ5が回動する。なお、バルブ5とシャフト6の結合技術は限定されるものではなく、例えば、溶接技術やネジ等によって結合されるものである。
また、シャフト6とハウジング4との間には、EGRガスが洩れ出るのを防ぐシール部材14が配置される。なお、シール部材14の配置箇所やシール部材14の配置方法(例えば、シール機能付きのベアリングを用いるなど)は限定されるものではない。
そして、ハウジング4に形成されたモータ収容室に電動モータ8が収容され、ハウジング4とカバー15との間に形成された空間に、歯車減速機9およびリターンスプリング10等が収容される。
・電動モータ8と一体に回転するモータギヤ(ピニオンギヤ)21と、
・このモータギヤ21によって回転駆動される中間ギヤ22と、
・この中間ギヤ22によって回転駆動される最終ギヤ(ギヤロータ)23と、
からなり、最終ギヤ23はシャフト6と一体に回動する。
中間ギヤ22は、大径ギヤ22aと小径ギヤ22bが同芯で設けられた2重歯車であり、ハウジング4とカバー15とにより支持される支持軸24によって回転自在に支持される。そして、大径ギヤ22aがモータギヤ21と常に噛合し、小径ギヤ22bが最終ギヤ23と常に噛合する。
最終ギヤ23は、シャフト6の端部とカシメにより固定される締結プレートをインサートしてなる大径の外歯歯車であり、噛合歯(外歯)はバルブ5の回動に伴う範囲のみに設けられている。そして、最終ギヤ23は、モータギヤ→大径ギヤ→小径ギヤ→最終ギヤ23の順で減速により増幅された回転トルクをシャフト6に伝達する。
開度センサ11の具体例は、2つの部材の相対回転を非接触で検出する磁気型センサであり、最終ギヤ23の内部にインサートされてシャフト6と一体に回転する略筒状を呈する磁気回路部25と、カバー15に取り付けられて磁気回路部25に対して非接触に配置される磁気検出部26とで構成され、この磁気検出部26の発生する電圧信号(ホールICの出力信号)が制御装置3に与えられる。
このリターンスプリング10は、ハウジング4と最終ギヤ23との間に組付けられてバネ力を発生する。リターンスプリング10の両端には、外径方向へ突出する上側フック27と下側フック28が設けられる。
そして、上側フック27が最終ギヤ23に設けられた上フック当接部29に押し付けられた状態で組付けられるとともに、下側フック28がハウジング4に設けられた下フック当接部30に押し付けられた状態で組付けられることで、リターンスプリング10がバルブ5を閉弁方向のみに向けて付勢するバネ力を発生する。
メカストッパ31は、バルブ5の閉弁方向の回動限界を機械的に規制するものであり、回動部材と固定部材との突当箇所によって設けられる。
なお、フィードバック制御は周知なものであり、例えば、PID制御などのフィードバック技術を用いて開度センサ11によって検出される検出開度(バルブ5の実開度)を目標開度に収束させるものである。
即ち、制御装置3は、図3に示すように、開弁状態のバルブ5を全閉させる際、全閉開度θ0より開弁側に設定した通電停止開度θaに、開度センサ11によって検出した検出開度が達するまで電動モータ8を閉弁方向へ通電制御し、バルブ5が全閉開度θ0に近づくのを速める。そして、制御装置3は、検出開度が通電停止開度θaに達したと判定した後は、電動モータ8の通電を停止し、リターンスプリング10の付勢力によってバルブ5を全閉開度θ0へ戻す。
ここで、全閉時の目標開度θbは、制御装置3が「上記の全閉制御」を実施した際に、メカストッパ31が衝突しない開度、あるいはメカストッパ31の衝突速度が「50°/秒以下」の低速度に抑えられる開度に設定されるものである。
具体的な一例として、この実施例の全閉時の目標開度θbは、全閉開度θ0よりマイナス側に設定されるものであり、具体的な数値例として全閉時の目標開度θbはマイナス5°に設定される。
具体的に通電停止開度θaや全閉時の目標開度θbは、フィードバック制御のゲイン設定やリターンスプリング10のバネ力等に応じて適宜変更されるものである。もちろん、全閉時の目標開度θbは、マイナス開度に限定されるものではなく、「通電停止開度θaよりも閉弁側のプラス開度」や「0°」であっても良い。
この実施例は、上述したように、全閉時の目標開度θbを通電停止開度θaよりも閉弁側に設定することにより、通電停止開度θaに達するまでの時間を短縮できる。
また、通電停止開度θaに達した後は、電動アクチュエータ7による閉弁方向の慣性力を利用することができ、全閉開度θ0に近づくまでの時間を短縮できる。
このように、この実施例の排気ガス再循環装置は、開弁状態のバルブ5を全閉させる際、メカストッパ31の衝突を抑えつつ、全閉応答性を高めることができる。
この実施例は、上述したように、全閉時の目標開度θbを全閉開度θ0よりマイナス側に設定している。
このため、開弁状態のバルブ5を全閉させる際に、全閉時の目標開度θbと検出開度との偏差が大きくなり、フィードバック制御による電動モータ8の駆動力が高まる。その結果、通電停止開度θaに達するまでの時間を短縮することができ、全閉応答性を向上できる。
この実施例のバルブ5は、上述したように、バルブ5の外周縁に別体のシールリングが存在しないシールリングレスタイプを採用する。
シールリングを用いる場合は、部品点数の増加や、シール溝の加工等によってコストアップするとともに、シールリングが摩耗や外力によって破損する懸念がある。しかし、シールリングレスタイプを採用することで、EGRバルブユニット2のコストダウンやロバスト性を向上できる。
この実施例のメカストッパ31は、上述したように、歯車減速機9の最終ギヤ23と、電動アクチュエータ7を収容するハウジング4との突当箇所によって設けられるものであり、ストッパ突起32が段差面33に突き当たることで、バルブ5が全閉開度θ0で停止する。これにより、電動モータ8の通電が停止された状態でも、閉弁状態が保たれるため、電動モータ8の通電停止状態におけるエンジン始動性の悪化が回避される。
3 制御装置
5 バルブ
7 電動アクチュエータ
8 電動モータ
10 リターンスプリング
11 開度センサ
31 メカストッパ
Claims (5)
- 通路(1)の開閉を行う閉塞可能なバルブ(5)と、
前記バルブ(5)の開度を検出する開度センサ(11)と、
通電により回転出力を発生する電動モータ(8)を用いて前記バルブ(5)を駆動する電動アクチュエータ(7)と、
開弁状態の前記バルブ(5)を全閉させる際、前記開度センサ(11)の検出開度が全閉時の目標開度(θb)に近づくように前記電動モータ(8)をフィードバック制御し、前記開度センサ(11)の検出開度が前記バルブの全閉開度(θ0)より開弁側に設定した通電停止開度(θa)に達した後に前記電動モータ(8)の通電を停止する制御装置と、
を具備するバルブ装置において、
このバルブ装置は、前記バルブ(5)を閉弁方向へ付勢するリターンスプリング(10)と、前記バルブ(5)を全閉開度(θ0)で機械的に停止させるメカストッパ(31)とを備えるものであり、
前記全閉時の目標開度(θb)は、前記通電停止開度(θa)よりも閉弁側に設定されることを特徴とするバルブ装置。 - 請求項1に記載のバルブ装置において、
前記バルブ(5)の全閉開度(θ0)を基準として、全閉開度(θ0)より開弁方向をプラス、全閉開度(θ0)より開弁方向とは異なる方向をマイナスとした場合、
前記全閉時の目標開度(θb)は、全閉開度(θ0)よりマイナス側に設定されていることを特徴とするバルブ装置。 - 請求項1または請求項2に記載のバルブ装置において、
前記バルブ(5)は、当該バルブ(5)の外周縁に別体のシールリングが存在しないシールリングレスタイプであることを特徴とするバルブ装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のバルブ装置において、
前記メカストッパ(31)は、前記電動アクチュエータ(7)における歯車減速機(9)の最終ギヤ(23)と、前記電動アクチュエータ(7)を収容するハウジング(4)との突当箇所によって設けられることを特徴とするバルブ装置。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のバルブ装置において、
このバルブ装置は、エンジンの排出した排気ガスの一部をEGRガスとしてエンジンの吸気側へ戻す排気ガス再循環装置であることを特徴とするバルブ装置。
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